JP2011515444A - 固体分散体の調製方法 - Google Patents

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Abstract

BCSクラスII薬剤またはBCSクラスIV薬剤を備えた、Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)の固体分散体を調製する方法であり、a)ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)を、水/第1アルコール混合物に別に溶解する工程と、b)BCSクラスII薬剤またはBCSクラスIV薬剤を上記化合物が高い溶解性を示す非アルコール性の有機溶媒と第2アルコールとの混合物に溶解する工程と、c)上記両方の各溶液を溶解固体合計量が100mlあたり1〜15gとなるように混合し、必要に応じて、上記両方の溶液の混合物が酸性pHを得るべく、塩酸もしくは臭化水素酸などのハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、または、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パルモ酸などの有機酸などの酸を上記両方の各溶液の混合物に加えて第3溶液を得る工程と、d)上記第3溶液を噴霧乾燥する工程とを含む。

Description

本発明は、噴霧乾燥、特に、コリコート(Kollicoat) IR(登録商標)、およびイトラコナゾールなどの特定化合物を用いた固体分散体の噴霧乾燥による、固体分散体において貧溶性である1以上の薬剤の調製方法に関する。
新たな医薬品の開発は、上記医薬品の水への溶解性に問題があることで阻まれることが多い。水への溶解性に問題があることで、胃腸液内で完全に溶解することができず、その結果、充分に生体内において利用されない。したがって、貧溶性の薬剤の溶解性および溶解度の向上は、製剤研究者にとって主な研究分野のひとつである。不活性な親水性担体に貧溶性活性化合物を固体状にて分散させることによる固体分散体の調製は、生物学的利用能を増強できる手段としてあげられる。
国際公開公報WO03/063822A号において、次のような工程を含む製剤組成物を調製する方法が記載されている。その方法とは、(a)薬剤、濃度増強ポリマー、および溶媒を含む供給溶液を形成する工程と、(b)(i)容量Vdryer および高さHを有する乾燥室と、(ii)上記供給溶液を液滴の霧状に噴霧する噴霧手段と、(iii) 流量Gで上記乾燥室に加熱乾燥用ガスを送り込み、上記液滴を乾燥させる上記加熱乾燥用ガスのガス源と、(iv)上記乾燥用ガスを有機的に栓流させる、上記乾燥室に上記乾燥用ガスを分散させるガス分散手段とを有する噴霧乾燥装置に対し、Vdryer をm3 で計測し、Hは少なくとも1mであり、Gをm3 /secで計測し、数学的関係:[Vdryer /G]≧10秒を満たす場合に、上記供給溶液を誘導する工程と、(c)上記供給溶液を上記乾燥室に、上記噴霧手段を用いて、平均直径が少なくとも50μm、D10が少なくとも10μmある液滴の形態で噴霧する工程と、(d)上記加熱乾燥用ガスと上記液滴とを接触させ、上記薬剤および上記濃度増強ポリマーの固体非晶質分散体の粒子を形成する工程と、(e)上記薬剤単体と実質的の等量になるコントロール組成物に関する使用環境において、上記固体非晶質分散体が上記薬剤の濃度増強を提供するだけの充分な量を、上記溶液中に上記濃度増強ポリマーが存在する上記粒子を収集する工程とを含んでいる。
国際公開公報WO2005/011636A号は、薬剤およびポリマーを含む固体非晶質分散体を含有する製剤組成物を形成する方法を記載している。この方法は、(a)流入口および流出口を有する乾燥室に接続された噴霧器を有する乾燥装置を設け、(b)溶媒に上記低溶解性薬剤と、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、および酢酸トリメリット酸セルロースからなる群より選択される上記ポリマーとを溶解してスプレー溶液を形成し、(c)上記スプレー溶液を、平均サイズが500μmより小さい体積の液滴状になるように上記乾燥室内に上記噴霧器を介して噴霧し、(d)およそ20秒以内で上記液滴が固体化し、上記ポリマー内に上記低溶解性薬剤の上記固体非晶質分散体が形成されるように上記流入口を介して流量および温度Tinで乾燥用ガスを流入させ、(e)上記ポリマー内の上記低溶解性薬剤の上記固体非晶質分散体は、上記低溶解性薬剤単体で含有するコントロール組成物に対して水性使用環境において、上記低溶解性薬剤の濃度増強またはより迅速な溶解を提供する。なお、上記スプレー溶液の送り率は少なくとも10kg/時間であり、上記スプレー溶液の上記送り率および上記乾燥ガスの上記Tinは、上記乾燥用ガスが上記流出口において、上記溶媒の沸点よりも低い温度である温度Tout を有するように制御されている。
2006年12月14日に国際公開公報WO2006/0131481A号として公開されたPCT/EP2006/062788に対応する米国公開公報2008/0248117A号は、賦形剤マトリックスにおける分子分散の形状を有する、微溶性である物質の粉末状または顆粒状の溶液を生産する方法を記載している。その方法は、上記微溶性である物質の水性懸濁液を、上記マトリックス賦形剤の存在下、大気圧下の沸点より高い温度に加熱することによって、活性材料およびマトリックス賦形剤の溶液を霧状にし、上記微溶性である物質を溶解し、上記微溶性である物質およびマトリックス賦形剤の溶液を噴霧し乾燥させることで固体状に変えることを含む。なお、噴霧装置に供給する前のスプレー溶液の温度は、90℃〜350℃の範囲内である。
本発明と同じ発明者である国際公開公報WO2007/115381A号は、低水溶解度薬剤の水性環境における、溶解性および溶解度を向上させた医用投薬形態を記載しており、1)ビニル重合体の水溶性鎖に2)一般式C2n4n+2n+l を有する水溶性ろう性アルコールのポリマー鎖、または、ポリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリイソブチレングリコール、もしくはポリメチルペンテングリコールのポリマー鎖が共重合された、グラフト共重合体の形態において、低水溶解度を有する少なくとも1の薬剤の固体分散体を含有することを特徴としている。国際公開公報WO2007/115381A号はさらに、グラフト共重合体における薬剤の固体分散体の形態は、高温押出または噴霧乾燥により得られると記載している。
2008年2月2日に公開された国際公開公報WO2008/016260A号は、フェノフィブラートを有機溶媒に溶解する工程と、フェノフィブラート100重量部に対して、水溶性ポリマーを20〜200重量部および界面活性剤を5〜50重量部混合することで混合溶液を生成する工程と、上記混合溶液を噴霧乾燥してアモルファスフェノフィブラートを含有する固体分散体を得る工程とを含む、固体分散体を調製する方法を記載している。
2008年7月3日に公開された国際公開公報WO2008/077591A号は、(4R)−4−[N' −メチル−N' −(3,5−ビストリフルオロメチル−ベンゾイル)−アミノ]−4−(3,4−ジクロロベンジル)−ブト−2−エン酸 N−[(R)−ε−カプロラクタム−3−イル]−アミドまたはその薬学的に許容できる塩もしくはその溶媒和物、および担体を含有する固体分散体を作製する方法を記載しており、(a)溶媒に、(4R)−4−[N' −メチル−N' −(3,5−ビストリフルオロメチル−ベンゾイル)−アミノ]−4−(3,4−ジクロロベンジル)−ブト−2−エン酸−N−[(R)−e−カプロラクタム−ε−イル]−アミドまたは薬学的に許容できる塩もしくはその溶媒和物、および担体を溶解または懸濁して、溶液または懸濁液を生成し、(bl)上記溶液または懸濁液を噴霧乾燥して乾燥粉末状の固体分散体を得るか、(b2)上記溶液または懸濁液を少なくとも1の不活性フィラー賦形剤および少なくとも1の非粘着性剤に噴霧することで顆粒状にする工程とを含む方法を記載している。
米国特許第6,077,543号明細書は、乾燥粉末組成物を調製する方法を記載している。上記方法は、親水性成分の水溶液を調製し、有機溶媒内に疎水性成分を含有する有機溶液を調製し、上記親水性成分を含む上記水溶液を噴霧器に送り込み、上記親水性溶液を含む上記水溶液とは別に、上記疎水性溶液を含む上記有機溶液を噴霧器に送り込み、上記2つの溶液を同時に噴霧器内に噴霧し、両方の溶液を含む液滴を生成し、上記水溶液および上記有機溶液の液滴を噴霧乾燥することで上記親水性成分と上記疎水性成分との混合物を含む乾燥粒子を調製することを含む。上記疎水性成分は、疎水性薬剤を含んでいることが好ましい。
米国特許第5,985,248号明細書は、乾燥粉末組成物を作成する方法を記載している。その方法は、親水性および疎水性成分の混合物を生成するべく、親水性成分の濃度が1mg/mlから100mg/mlの範囲内に、疎水性成分の濃度が0.01mg/ml〜10mg/mlの範囲内になるように選択された有機溶媒または補助溶剤系に、親水性賦形剤または賦形剤の混合物からなる親水性成分を少なくとも部分的に溶解し、疎水性薬剤からなる疎水性成分を、同一有機溶媒または補助溶媒系に少なくとも部分的に溶解して有機溶液を生成し、上記有機溶液を噴霧乾燥することを含む。なお、疎水性成分は疎水性薬剤を含んでいることが好ましい。
上記溶媒技術を用いて固体分散体を調製するには、全ての原料、薬剤および担体が共通の溶媒に溶解できなければならない。その結果、溶媒を留去し、残る固体分散体が沈殿する。弱塩基であるイトラコナゾールは非常に水溶解度が低く、pH7では1ng/mlの水溶解度、pH1では4μg/mlの水溶解度しかない。親水性ポリマーであるKollicoat IRは、水および50/50 V/Vの水/エタノール混合物に対して溶性である。しかしながら、Kollicoat IRを50/50 V/V 水/エタノール混合物に、イトラコナゾールを50/50 V/V ジクロロメタン/エタノール混合物に別々に混合して、このKollicoat IR溶液にイトラコナゾール溶液を加えると、相当に透明な溶液が得られる。塩酸がKollicoat IR溶液に加えられた場合、結果的に得られたイトラコナゾール/Kollicoat IR溶液は完全に透き通ったものとなる。
本発明の様態は、水溶性ポリマー、好ましくはポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフトポリマー、およびBCSクラスII薬剤またはBCSクラスIV薬剤の固体分散体を調製する方法であって、
a)水溶性ポリマーを、水、または水および少なくとも1つの第1アルコールを含む混合物に溶解して、第1溶液を形成する工程と、
b)少なくとも1つのBCSクラスII薬剤または少なくとも1つのBCSクラスIV薬剤を、少なくとも1つの第2アルコールと少なくとも1つの非アルコール性の有機溶媒とを含む混合物に溶解して、第2溶液を形成する工程と、
c)上記第1溶液と上記第2溶液とを混合して上記第1溶液および上記第2溶液の混合物を得る工程と、
d)上記第1溶液および第2溶液の混合物を、噴霧乾燥用の装置に移す工程と、
e)上記第1溶液および第2溶液の混合物を噴霧乾燥する工程とを含む方法によって実現される。
上記第1溶液および上記第2溶液の混合物は、少なくとも準安定溶液であることが好ましい。
また、本発明の様態は、Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)による、BCSクラスII薬剤またはBCSクラスIV薬剤を有する固体分散体を調製する方法であって、
a)Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)を、水/アルコール混合物、好ましくは直鎖アルコールと水との混合物またはエタノールと水との混合物に別に溶解する工程と、
b)BCSクラスII薬剤またはBCSクラスIV薬剤を、トリアゾール化合物が高い溶解性を示す非アルコール性の有機溶媒とアルコールとの混合物、好ましくは上記有機溶媒と直鎖アルコールとの混合物、最も好ましくは上記有機溶媒とエタノールとの混合物に溶解する工程と、
c)得られる溶解固体合計量が100mlあたり1g〜15g、好ましくは100mlあたり2g〜10g、さらに好ましくは100mlあたり3g〜7g、最も好ましくは100mlあたりおよそ5gとなるように上記両方の各溶液を混合し、必要に応じて、上記両方の各溶液の混合物が、例えば3より低い酸性pHを有するべく、ハロゲン化水素酸、例えば、塩酸もしくは臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、または、例えば酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、pamoic酸などの有機酸、好ましくは塩酸を、または、例えば10より高い塩基性pHを有するべく、例えば水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、トリエチルアミン、もしくはN,N−ジ−イソプロピル−エチルアミンなどの塩基を、上記混合物に混合する工程と、
d)このような混合溶液を噴霧乾燥する工程とを含む方法によって実現される。
本発明のさらなる実施形態は、以下の発明を実施するための形態において記載されている。
X線回折を示す回折図形であり、Aは単一流入口を有するスプレーノズルから噴霧乾燥されたKollicoat IRの回折図形を示し、Bは未処理Kollicoat IRの回折図形を示す。 噴霧乾燥する2分前に混合された2つの別々の各溶液を噴霧乾燥して調製された10%イトラコナゾールおよび20%イトラコナゾールの固体分散体の溶解プロフィールを示し、A)は溶液1に酸を加えた場合、B)は溶液1に酸を加えていない場合、参照用としてイトラコナゾールの結晶の場合をそれぞれ示している。 2つの流入口を有するスプレーノズルを用いて、2つの別々の各溶液をそれぞれ噴霧乾燥させて得た固体分散体の溶解プロフィールを示し、AはKollicoat IRを上部流入口から、イトラコナゾールを側部流入口から噴霧した場合を示し、BはKollicoat IRを側部流入口から、イトラコナゾールを上部流入口から噴霧した場合を示す。図中、(黒四角)はKollicoat IR中に10%イトラコナゾールの混合物、(黒菱形)はKollicoat IR中に40%イトラコナゾールの混合物、(黒三角)はKollicoat IR中に60%イトラコナゾールの混合物、(白菱形)は結晶質イトラコナゾールの例を示す(n=3、エラーバーはS.D.を示す)。 図4Aは、試料のXRPDを示し、上から順に、AはKollicoat IRと10%イトラコナゾールとの混合物(Kollicoat IRを上部から、イトラコナゾールを側部から)、BはKollicoat IR中に10%イトラコナゾールの混合物(Kollicoat IRを側部から、イトラコナゾールを上部から)、C:噴霧乾燥されたKollicoat IR、Dはイトラコナゾールの結晶を示している。図4Bは、試料のXRPDを示し、上から順に、AはKollicoat IRと60%イトラコナゾールとの混合物(Kollicoat IRを上部から、イトラコナゾールを側部から)、BはKollicoat IR中に60%イトラコナゾールの混合物(Kollicoat IRを側部から、イトラコナゾールを上部から)、Cは噴霧乾燥されたKollicoat IR、Dはイトラコナゾールの結晶を示している。 イトラコナゾールとKollicoat IRとの固体分散体の溶解プロフィールを示し、図5Aは、非酸性三成分系溶媒から噴霧乾燥された固体分散体を示し、図5Bは、酸性三成分系溶媒より噴霧乾燥された固体分散体を示している。図中、(黒菱形)はKollicoat IR中に10%イトラコナゾールの混合物、(黒四角)はKollicoat IR中に20%イトラコナゾールの混合物、(白菱形)はKollicoat IR中に30%イトラコナゾールの混合物、(白三角)はKollicoat IR中に40%イトラコナゾールとの混合物、(□)はKollicoat IR中に50%イトラコナゾールの混合物、(黒三角)はイトラコナゾールの結晶を示している(n=3、エラーバーはS.D.を示す)。 図6Aは、非酸性三成分系溶媒から噴霧乾燥したイトラコナゾールとKollicoat IRとの固体分散体のXRPDを示し、上から順に、AはKollicoat IR中に60%イトラコナゾールの混合物、BはKollicoat IR中に50%イトラコナゾールの混合物、CはKollicoat IR中に40%イトラコナゾールの混合物、DはKollicoat IR中に30%イトラコナゾールの混合物、EはKollicoat IR中に20%イトラコナゾールの混合物、FはKollicoat IR中に10%イトラコナゾールの混合物、GはKollicoat IR、Hはイトラコナゾールの結晶をそれぞれ用いた場合を示している。図6Bは、酸性三成分系溶媒から噴霧乾燥したイトラコナゾールとKollicoat IRとの固体分散体のXRPDを示し、上から順に、AはKollicoat IR中に60%イトラコナゾールの混合物、BはKollicoat IR中に50%イトラコナゾールの混合物、CはKollicoat IR中に40%イトラコナゾールの混合物、Dは30%をそれぞれ用いた場合を示している。
定義
本明細書で用いられている「実質的に不溶性」とは、事実上、水不溶性であるか少なくとも貧水溶性である薬剤に適用される。具体的には、この表現は、薬剤溶解度が緩衝剤によって処理されていない水に対して中性(例えば、塩基または酸を含まない)状態における溶解度である場合において、投与量(mg)に対する水溶解度(mg/ml)の比率が100mlより多いあらゆる薬剤に適用される。この意味には、事実上、水溶解度のない(1.0mg/ml未満)薬剤を含むが、これに限定されない。
BCSに基づき、「貧水溶性」は、pH1.2〜pH7.5の水性媒体250ml以下において、37℃で最高投与量が不溶である化合物として定義される(Cynthia K. Brown, et al., "Acceptable Analytical Practices for Dissolution Testing of Poorly Soluble Compounds", Pharmaceutical Technology (Dec.2004) を参照のこと)。
マニュアルによれば、薬剤学(M.E.Aulton)において溶媒溶解性とは、化合物1gを溶解するのに必要な溶媒量(g)として定義される。溶解度は以下のとおりに定義される:10〜30g(溶性)、30〜100g(「若干溶性」)、100〜1000g(「微溶性」)、1000〜10000g(「極微溶性」または「貧溶性」)、10000gを超える(実質的に不溶性)。
「薬剤」という表現は広く解釈し、例えばヒトに投与された場合に有益な予防および/または治療性質を有する化合物を示す。さらに、「薬剤自体」という表現も明細書全文にわたって比較用途で用いられている。これは、賦形剤が付加されていない状態での水溶液/懸濁液内に含まれる薬剤を指している。
「生物活性種」という表現は「生物学的に活性な種」を省略した表現であり、本出願においては「薬剤」と同じ意味を有する。これらの表現は、本出願において相互的に利用可能である。
「生物活性化合物」という表現は、「生物学的に活性な化合物」を省略したものである。当業者であれば、薬剤を生物活性化合物として理解するであろう。
「固体分散体」という表現は、少なくとも2つの成分を含有する固体状(液状またはガス状に対して)の系を示し、1つの成分が他の成分におおよそ全体的に分散されているものを示す。上記成分の分散が、その系が化学的および物理的に全体的に均一または同一であるか、熱力学にて定義されている一相である場合、そのような固体分散体は以下「固体溶液」と呼ばれる。固体溶液は、それに含まれる成分が、通常は投与される組織に生物学的に利用可能であるために、好ましい物理系である。この利点は、上記固体溶液が胃液などの液状媒体と接触したときに容易に液状溶液を形成しうることから、簡単に理解することができるであろう。溶解のしやすさは、固体溶液からの成分の溶解に必要なエネルギーが、結晶質または微晶質の固相から溶解するのに比べて少ないことに少なくとも起因するといえる。
また、「固体分散体」は、固体溶液と比べてより一様でない分散体も含む。このような分散体は全体が化学的および物理的に一様でないか、一相より多くの相を含んでいる。例えば、「固体分散体」の表現は、非晶質、微晶質もしくは結晶質(a) 、非晶質、微晶質もしくは結晶質(b) 、またはその両方が、(b) もしくは(a) 、または(a) および(b) を含む固体溶液を含む別の相においてよりおおよそ均一に分散されているドメインまたは小さい領域を有する粒子に関連している。これらのドメインは、何らかの物理的な特徴によって区別的にマーキングされた粒子における領域であり、粒子全体の大きさと比べると小さく、粒子内に均一かつランダムに分散されている。
「準安定溶液」は、いくらかの期間は持続する、非平衡状態の溶液である。潜在的に不安定で一過性ではあるが、比較的長持ちする。
生物活性化合物を備えた水溶性ポリマーの固体分散体を調製する方法
また、本発明は、Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)の固体分散体を、極性表面積(PSA)が60Å2 〜200Å2 の範囲内にある生物活性化合物、2)分配係数(XlogP)が4〜9の範囲内にある生物活性化合物、3)10より多くの回転自在の結合を有する生物活性化合物、4)極性表面積(PSA)が80〜200の範囲内、分配係数が3〜8の範囲内、および8〜16の回転自在の結合を有する生物活性化合物、または5)極性表面積が80Å2 より大きい生物活性化合物を用いて調製する方法であって、
a)Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)を、水/アルコール混合物、好ましくは直鎖アルコールと水との混合物またはエタノールと水との混合物に別に溶解する工程と、
b)生物活性化合物を、トリアゾール化合物が高い溶解性を示す非アルコール性の有機溶媒とアルコールとの混合物、好ましくは上記有機溶媒と直鎖アルコールとの混合物または最も好ましくは上記有機溶媒とエタノールとの混合物に溶解する工程と、
c)上記両方の各溶液を、100mlあたりの溶解固体合計量が1g〜15gとなるように混合し、必要に応じて、上記両方の各溶液の混合物が例えば3より低い酸性pHを有する、もしくは例えば10より高い塩基性pHを有するべく、上記両方の各溶液の混合物に例えば酸もしくは塩基を加えて上記両方の各溶液の混合物が酸性もしくは塩基性を有するように混合する工程と、
d)当該混合溶液を噴霧乾燥する工程とを含む方法に関する。
また、本発明は、疎水性薬剤を備えた、Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)の固体分散体を調製する方法であって、
a)Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)を、水/アルコール混合物、好ましくは直鎖アルコールと水との混合物またはエタノールと水との混合物に、別に溶解する工程と、
b)疎水性薬剤を、トリアゾール化合物が高い溶解性を示す非アルコール性の有機溶媒とアルコールとの混合物、好ましくは上記有機溶媒と直鎖アルコールとの混合物、最も好ましくは上記有機溶媒とエタノールとの混合物に溶解する工程と、
c)上記両方の各溶液を、100mlあたりの溶解固体合計量が1g〜15gとなるように混合し、必要に応じて、上記両方の各溶液の混合物が、例えば3より低い酸性pHを有する、もしくは例えば10より高い塩基性pHを有するべく、上記両方の各溶液の混合物に例えば酸もしくは塩基を加えて上記両方の各溶液の混合物が酸性もしくは塩基性を有するように混合する工程と、
d)当該混合溶液を噴霧乾燥する工程とを含む方法に関する。
また、本発明は、Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)の固体分散体を、極性表面積(PSA)が60Å2 〜200Å2 の範囲内にある生物活性化合物、2)分配係数(XlogP)が4〜9の範囲内にある生物活性化合物、3)10より多くの回転自在の結合を有する生物活性化合物、4)極性表面積(PSA)が80〜200の範囲内、分配係数が3〜8の範囲内、および8〜16の回転自在の結合を有する生物活性化合物、または5)極性表面積が80Å2 より大きい生物活性化合物を用いて調製する方法であって、
a)Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)を、30〜50/30〜50 V/V、最も好ましくは50/50 V/Vもしくはおよそ50/50 V/Vの比率で混合された水/直鎖アルコール混合物、好ましくは30〜50/30〜50 V/Vの比率、最も好ましくは50/50 V/Vもしくはおよそ50/50 V/Vの比率にて混合された水/エタノール混合物に、別々に溶解する工程と、
b)生物活性化合物を、30〜50/30〜50 V/Vの比率、最も好ましくは50/50 V/Vもしくはおよそ50/50 V/Vの比率にて混合された非アルコール性の有機溶媒/直鎖アルコール混合物、好ましくは30〜50/30〜50 V/Vの比率、最も好ましくは50/50 V/Vもしくはおよそ50/50 V/Vの比率にて混合された非アルコール性の有機溶媒/エタノール混合物に溶解する工程と、
c)上記両方の各溶液を、溶解固体合計量が100mlあたり1g〜15g、好ましくは100mlあたり2g〜10g、さらに好ましくは100mlあたり3g〜7g、最も好ましくは100mlあたりおよそ5gとなるように混合し、必要に応じて、上記両方の各溶液の混合物が、例えば3より低い酸性pHを有する、もしくは例えば10より高い塩基性pHを有するべく、上記両方の各溶液の混合物に例えば酸もしくは塩基を加えて上記両方の溶液の混合物が酸性もしくは塩基性を有するように混合する工程と、
d)当該混合溶液を噴霧乾燥する工程とを含む方法に関する。
また、本発明は、BCSクラスII薬剤を備えた、Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)の固体分散体を調製する方法であって、
a)Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)を、30〜50/30〜50 V/V、最も好ましくは50/50 V/Vもしくはおよそ50/50 V/Vの比率で混合された水/直鎖アルコール混合物、好ましくは30〜50/30〜50 V/Vの比率、最も好ましくは50/50 V/Vもしくはおよそ50/50 V/Vの比率にて混合された水/エタノール混合物に別に溶解する工程と、
b)BCSクラスII薬剤またはBCSクラスIV薬剤を、30〜50/30〜50 V/Vまたは最も好ましくは50/50 V/Vもしくはおよそ50/50 V/Vの比率にて混合された非アルコール性の有機溶媒/直鎖アルコール混合物、好ましくは30〜50/30〜50 V/Vまたは最も好ましくは50/50 V/Vもしくはおよそ50/50 V/Vの比率にて混合された非アルコール性の有機溶媒/エタノール混合物に溶解する工程と、
c)上記両方の各溶液を、100mlあたりの溶解固体合計量が1g〜15gとなるように混合し、必要に応じて、上記両方の各溶液の混合物が、例えば3より低い酸性pHを有するもしくは例えば10より高い塩基性pHを有するべく、上記両方の各溶液の混合物に例えば酸もしくは塩基を加えて上記両方の各溶液の混合物が酸性もしくは塩基性を有するように混合する工程と、
d)当該混合溶液を噴霧乾燥する工程とを含む方法に関する。
また、本発明は、疎水性薬剤を備えた、Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)の固体分散体を調製する方法であって、
a)Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)を、30〜50/30〜50 V/Vまたは最も好ましくは50/50 V/Vもしくはおよそ50/50 V/Vの比率で混合された水/直鎖アルコール混合物、好ましくは30〜50/30〜50 V/Vの比率または最も好ましくは50/50 V/Vもしくはおよそ50/50 V/Vの比率にて混合された水/エタノール混合物に、別に溶解する工程と、
b)疎水性薬剤を、30〜50/30〜50 V/Vまたは最も好ましくは50/50 V/Vもしくは50/50 V/Vの比率にて混合された非アルコール性の有機溶媒/直鎖アルコール混合物、好ましくは30〜50/30〜50 V/Vまたは最も好ましくは50/50 V/Vもしくはおよそ50/50 V/Vの比率にて混合された非アルコール性の有機溶媒/エタノール混合物に溶解する工程と、
c)上記両方の各溶液を、溶解固体合計量が100mlあたり1g〜15g、好ましくは100mlあたり2g〜10g、さらに好ましくは100mlあたり3g〜7g、最も好ましくは100mlあたりおよそ5gとなるように混合し、必要に応じて、上記両方の溶液の混合物が、例えば3より低い酸性pHを有するもしくは例えば10より高い塩基性pHを有するべく、上記両方の各溶液の混合物に例えば酸もしくは塩基を加えて上記両方の各溶液の混合物が酸性もしくは塩基性を有するように混合する工程と、
d)当該混合溶液を噴霧乾燥する工程とを含む方法に関する。
また、本発明は、トリアゾール化合物、例えば1)イトラコナゾール、2)イトラコナゾール誘導体、3)極性表面積(PSA)が60Å2 〜200Å2 、好ましくは70Å2 〜160Å2 、より好ましくは80Å2 〜140Å2 、さらにより好ましくは90Å2 〜120Å2 、そして最も好ましくは95Å2 〜110Å2 の範囲内にあるトリアゾール化合物、4)分配係数(XlogP)が4〜9、より好ましくは5〜8、最も好ましくは6〜7の範囲内にあるトリアゾール化合物、5)10より多くの回転自在な結合を有するトリアゾール化合物、6)極性表面積(PSA)が80〜200の範囲内、分配係数が3〜8の範囲内にあって、8〜16の回転自在な結合を有するトリアゾール化合物、または7)極性表面積が80Å2 より大きいトリアゾール化合物の固体分散体を、Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)を用いて調製する方法であって、
a)Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)を、水/アルコール混合物、好ましくは直鎖アルコールと水との混合物またはエタノールと水との混合物に別に溶解する工程と、
b)トリアゾール化合物を、ジクロロメタン/アルコール混合物、好ましくはジクロロメタン/直鎖アルコール混合物、好ましくはエタノールにジクロロメタンを混合した混合物に溶解する工程と、
c)上記両方の各溶液を、溶解固体合計量が100mlあたり1g〜15g、好ましくは100mlあたり2g〜10g、さらに好ましくは100mlあたり3g〜7g、最も好ましくは100mlあたりおよそ5gとなるように混合し、必要に応じて、上記両方の各溶液の混合物が、例えば3より低い酸性pHを有する、もしくは例えば10より高い塩基性pHを有するべく、上記両方の各溶液の混合物に例えば酸もしくは塩基を加えて上記両方の各溶液の混合物が酸性もしくは塩基性を有するように混合する工程と、
d)当該混合溶液を噴霧乾燥する工程とを含む方法に関する。
また、本発明は、Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)の固体分散体を、1)極性表面積(PSA)が60Å2 〜200Å2 、好ましくは70Å2 〜160Å2 、より好ましくは80Å2 〜140Å2 、さらにより好ましくは90Å2 〜120Å2 、そして最も好ましくは95Å2 〜110Å2 の範囲内にある生物活性化合物、2)分配係数(XlogP)が4〜9、より好ましくは5〜8、そして最も好ましくは6〜7の範囲内にある生物活性化合物、3)10より多くの回転自在の結合を有する生物活性化合物、4)極性表面積(PSA)が80〜200の範囲内、分配係数が3〜8の範囲内、および8〜16の回転自在の結合を有する生物活性化合物、または5)極性表面積が80Å2 より大きい生物活性化合物を用いて調製する方法であって、
a)Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)を、水/アルコール混合物、好ましくは直鎖アルコールと水との混合物またはエタノールと水との混合物に別に溶解する工程と、
b)生物活性化合物を、ジクロロメタン/アルコール混合物、好ましくはジクロロメタン/直鎖アルコール混合物、好ましくはエタノールとジクロロメタンとの混合物に溶解する工程と、
c)上記両方の各溶液を、溶解固体合計量が100mlあたり1g〜15g、好ましくは100mlあたり2g〜10g、さらに好ましくは100mlあたり3g〜7g、最も好ましくは100mlあたりおよそ5gとなるように混合し、必要に応じて、上記両方の各溶液の混合物が、例えば3より低い酸性pHを有する、もしくは例えば10より高い塩基性pHを有するべく、上記両方の各溶液の混合物に例えば酸もしくは塩基を加えて上記両方の各溶液の混合物が酸性もしくは塩基性を有するように混合する工程と、
d)当該混合溶液を噴霧乾燥する工程とを含む方法に関する。
また、本発明は、BCSクラスII薬剤またはBCSクラスIV薬剤を備えた、Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)の固体分散体を調製する方法であって、
a)Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)を、水/アルコール混合物、好ましくは直鎖アルコールと水との混合物またはエタノールと水との混合物に別に溶解する工程と、
b)BCSクラスII薬剤またはBCSクラスIV薬剤を、ジクロロメタン/アルコール混合物、好ましくはジクロロメタン/直鎖アルコール混合物、好ましくはエタノールとジクロロメタンとの混合物に混合する工程と、
c)上記両方の各溶液を、溶解固体合計量が100mlあたり1g〜15gとなるように混合し、必要に応じて、上記両方の溶液の混合物が、例えば3より低い酸性pHを有するもしくは例えば10より高い塩基性pHを有するべく、上記両方の各溶液の混合物に例えば酸もしくは塩基を加えて上記両方の各溶液の混合物が酸性もしくは塩基性を有するように混合する工程と、
d)当該混合溶液を噴霧乾燥する工程とを含む方法に関する。
また、本発明は、疎水性薬剤を備えた、Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)の固体分散体を調製する方法であって、
a)Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)を、水/アルコール混合物、好ましくは直鎖アルコールと水との混合物またはエタノールと水との混合物に別に溶解する工程と、
b)疎水性薬剤を、ジクロロメタン/アルコール混合物、好ましくはジクロロメタン/直鎖アルコール混合物、好ましくはエタノールとジクロロメタンとの混合物に溶解する工程と、
c)上記両方の各溶液を、溶解固体合計量が100mlあたり1g〜15gとなるように混合し、必要に応じて、上記両方の各溶液の混合物が、例えば3より低い酸性pHを有する、もしくは例えば10より高い塩基性pHを有するべく、上記両方の各溶液の混合物に例えば酸もしくは塩基を加えて上記両方の各溶液の混合物が酸性もしくは塩基性を有するように混合する工程と、
d)当該混合溶液を噴霧乾燥する工程とを含む方法に関する。
また、本発明はKollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)の固体分散体を、極性表面積(PSA)が60Å2 〜200Å2 の範囲内にある生物活性化合物、2)分配係数(XlogP)が4〜9の範囲内にある生物活性化合物、3)10より多くの回転自在の結合を有する生物活性化合物、4)極性表面積(PSA)が80〜200の範囲内、分配係数が3〜8の範囲内、および8〜16の回転自在の結合を有する生物活性化合物、または5)極性表面積が80Å2 より大きい生物活性化合物を用いて調製する方法であって、
a)Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)を、30〜50/30〜50 V/Vまたは最も好ましくは50/50 V/Vもしくはおよそ50/50 V/Vの比率で混合された水/直鎖アルコール混合物、好ましくは30〜50/30〜50 V/Vの比率または最も好ましくは50/50 V/Vもしくはおよそ50/50 V/Vの比率にて混合された水/エタノール混合物に別々に溶解する工程と、
b)生体活性化合物を、流体の比率が30〜50/30〜50 V/Vの範囲内または最も好ましくは50/50 V/Vもしくはおよそ50/50 V/Vのジクロロメタン/アルコール混合物、好ましくは上記と同一流体比率を有するジクロロメタン/直鎖アルコール混合物、より好ましくは上記と同一流体比率を有するジクロロメタン/エタノール混合物に溶解する工程と、
c)上記両方の各溶液を、溶解固体合計量が100mlあたり1g〜15gとなるように混合し、必要に応じて、上記両方の各溶液の混合物が、例えば3より低い酸性pHを有するもしくは例えば10より高い塩基性pHを有するべく、上記両方の各溶液の混合物に例えば酸もしくは塩基を加えて上記両方の各溶液の混合物が酸性もしくは塩基性を有するように混合する工程と、
d)当該混合溶液を噴霧乾燥する工程とを含む方法に関する。
また、本発明は、BCSクラスII薬剤またはBCSクラスIV薬剤を備えた、Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)の固体分散体を調製する方法であって、
a)Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)を、30〜50/30〜50 V/Vまたは最も好ましくは50/50 V/Vもしくはおよそ50/50 V/Vの比率で混合された水/直鎖アルコール混合物、好ましくは30〜50/30〜50 V/Vの比率または最も好ましくは50/50 V/Vもしくはおよそ50/50 V/Vの比率にて混合された水/エタノール混合物に別々に溶解する工程と、
b)BCSクラスII薬剤もしくはBCSクラスIV薬剤を、流体の比率が30〜50/30〜50 V/Vの範囲内または最も好ましくは50/50 V/Vまたはおよそ50/50 V/Vのジクロロメタン/アルコール混合物、好ましくは上記と同一流体比率を有するジクロロメタン/直鎖アルコール混合物、より好ましくは上記と同一流体比率を有するジクロロメタン/エタノール混合物に溶解する工程と、
c)上記両方の各溶液を、溶解固体合計量が100mlあたり1g〜15gとなるように混合し、必要に応じて、上記両方の各溶液の混合物が、例えば3より低い酸性pHを有する、もしくは例えば10より高い塩基性pHを有するべく、上記両方の各溶液の混合物に例えば酸もしくは塩基を加えて上記両方の各溶液の混合物が酸性もしくは塩基性を有するように混合する工程と、
d)当該混合溶液を噴霧乾燥する工程とを含む方法に関する。
また、本発明は、疎水性薬剤を備えた、Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)の固体分散体を調製する方法であって、
a)Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)を、30〜50/30〜50 V/Vまたは最も好ましくは50/50 V/Vもしくはおよそ50/50 V/Vの比率で混合された水/直鎖アルコール混合物、好ましくは30〜50/30〜50 V/Vの比率または最も好ましくは50/50 V/Vもしくはおよそ50/50 V/Vの比率にて混合された水/エタノール混合物に別々に溶解する工程と、
b)疎水性薬剤を、流体の比率が30〜50/30〜50 V/Vの範囲内または最も好ましくは50/50 V/Vまたはおよそ50/50 V/Vのジクロロメタン/アルコール混合物、好ましくは上記と同一流体比率を有するジクロロメタン/直鎖アルコール混合物、より好ましくは上記と同一流体比率を有するジクロロメタン/エタノール混合物に溶解する工程と、
c)上記両方の各溶液を、溶解固体合計量が100mlあたり1g〜15gとなるように混合し、必要に応じて、上記両方の各溶液の混合物が、例えば3より低い酸性pHを有するもしくは例えば10より高い塩基性pHを有するべく、上記両方の各溶液の混合物に例えば酸もしくは塩基を加えて上記両方の各溶液の混合物が酸性もしくは塩基性を有するように混合する工程と、
d)当該混合溶液を噴霧乾燥する工程とを含む方法に関する。
また、本発明は、実質的に不溶性の薬剤、貧水溶性の薬剤、または水にわずかに溶けるもしくは実質的に溶けない薬剤を備えた、Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)の固体分散体を調製する方法であって、
a)Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)を、水/アルコール混合物、好ましくは直鎖アルコールと水との混合物またはエタノールと水との混合物に別に溶解する工程と、
b)実質的に不溶性の薬剤、貧水溶性の薬剤、または水にわずかに溶けるもしくは実質的に溶けない薬剤を、トリアゾール化合物が高い溶解性を示す非アルコール性の有機溶媒とアルコールとの混合物、好ましくは上記有機溶媒と直鎖アルコールとの混合物、最も好ましくは上記有機溶媒とエタノールとの混合物に溶解する工程と、
c)上記両方の各溶液を、溶解固体合計量が100mlあたり1g〜15gとなるように混合し、必要に応じて、上記両方の各溶液の混合物が、例えば3より低い酸性pHを有する、もしくは例えば10より高い塩基性pHを有するべく、上記両方の各溶液の混合物に例えば酸もしくは塩基を加えて上記両方の各溶液の混合物が酸性もしくは塩基性を有するように混合する工程と、
d)当該混合溶液を噴霧乾燥する工程とを含む方法に関する。
別の実施形態では、本発明は、水溶性ポリマーおよびBCSクラスII薬剤もしくはBCSクラスIV薬剤の固体分散体を調製する方法であって、
a)水溶性ポリマーを、水、または水および少なくとも1つの第1アルコールを含む混合物に混合して第1溶液を得る工程と、
b)少なくとも1つのBCSクラスII薬剤もしくは少なくとも1つのBCSクラスIV薬剤を、少なくとも1つの第2アルコールおよび少なくとも1つの非アルコール性の有機溶媒を含む混合物に混合して第2溶液を得る工程と、
c)上記第1溶液と上記第2溶液を混合して第3溶液を得る工程と、
d)上記第3溶液を噴霧乾燥用の装置に移動させる工程と、
e)上記第3溶液を噴霧乾燥する工程とを含む方法に関する。
本発明の実施形態は、トリアゾール化合物、例えば1)イトラコナゾール、2)イトラコナゾール誘導体、3)極性表面積(PSA)が60Å2 〜200Å2 、好ましくは70Å2 〜160Å2 、より好ましくは80Å2 〜140Å2 、さらにより好ましくは90Å2 〜120Å2 、そして最も好ましくは95Å2 〜110Å2 の範囲内にあるトリアゾール化合物、4)分配係数(XlogP)が4〜9、より好ましくは5〜8、最も好ましくは6〜7の範囲内にあるトリアゾール化合物、5)10より多くの回転自在な結合を有するトリアゾール化合物、6)極性表面積(PSA)が80〜200の範囲内、分配係数が3〜8の範囲内にあって、8〜16の回転自在な結合を有するトリアゾール化合物、もしくは7)極性表面積が80Å2 より大きいトリアゾール化合物の固体分散体を、Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)を用いて調製する方法であって、
a)Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)を、30〜50/30〜50 V/Vまたは最も好ましくは50/50 V/Vもしくはおよそ50/50 V/Vの比率で混合された水/直鎖アルコール混合物、好ましくは30〜50/30〜50 V/Vの比率または最も好ましくは50/50 V/Vもしくはおよそ50/50 V/Vの比率にて混合された水/エタノール混合物に別々に溶解する工程と、
b)上記トリアゾール化合物を、流体の比率が30〜50/30〜50 V/Vの範囲内、最も好ましくは50/50 V/Vまたはおよそ50/50 V/Vの、上記トリアゾール化合物が高い溶解性を示す非アルコール性の有機溶媒とアルコールとの混合物、好ましくは上記と同一流体比率を有する上記有機溶媒と直鎖アルコールとの混合物、またはより好ましくは上記と同一流体比率を有する上記有機溶媒とエタノールとの混合物に溶解する工程と、
c)上記両方の各溶液を、溶解固体合計量が100mlあたり1g〜15g、好ましくは100mlあたり2g〜10g、さらに好ましくは100mlあたり3g〜7g、最も好ましくは100mlあたりおよそ5gとなるように混合し、必要に応じて、上記両方の各溶液の混合物が、例えば3より低い酸性pHを有する、もしくは例えば10より高い塩基性pHを有するべく、上記両方の各溶液の混合物に例えば酸もしくは塩基を加えて上記両方の各溶液の混合物が酸性もしくは塩基性を有するように混合する工程と、
d)当該混合溶液を噴霧乾燥する工程とを含む方法に関する。
別の本発明の実施形態は、トリアゾール化合物、例えば1)イトラコナゾール、2)イトラコナゾール誘導体、3)極性表面積(PSA)が60Å2 〜200Å2 、好ましくは70Å2 〜160Å2 、より好ましくは80Å2 〜140Å2 、さらにより好ましくは90Å2 〜120Å2 、そして最も好ましくは95Å2 〜110Å2 の範囲内にあるトリアゾール化合物、4)分配係数(XlogP)が4〜9、より好ましくは5〜8、最も好ましくは6〜7の範囲内にあるトリアゾール化合物、5)10より多くの回転自在な結合を有するトリアゾール化合物、6)極性表面積(PSA)が80〜200の範囲内、分配係数が3〜8の範囲内にあって、8〜16の回転自在な結合を有するトリアゾール化合物、または7)極性表面積が80Å2 より大きいトリアゾール化合物の固体分散体を、Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)を用いて調製する方法であって、
a)Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)を、30〜50/30〜50 V/Vまたは最も好ましくは50/50 V/Vもしくはおよそ50/50 V/Vの比率で混合された水/直鎖アルコール混合物、好ましくは30〜50/30〜50 V/Vの比率または最も好ましくは50/50 V/Vもしくはおよそ50/50 V/Vの比率にて混合された水/エタノール混合物に別々に溶解する工程と、
b)上記トリアゾール化合物を、流体の比率が30〜50/30〜50 V/Vの範囲内または最も好ましくは50/50 V/Vまたはおよそ50/50 V/Vのジクロロメタン/アルコール混合物、好ましくは、上記と同一流体比率を有するジクロロメタン/直鎖アルコール混合物、より好ましくは上記と同一流体比率を有するジクロロメタン/エタノール混合物に溶解する工程と、
c)上記両方の各溶液を、溶解固体合計量が100mlあたり1g〜15g、好ましくは100mlあたり2g〜10g、さらに好ましくは100mlあたり3g〜7g、最も好ましくは100mlあたりおよそ5gとなるように混合し、必要に応じて、上記両方の各溶液の混合物が、例えば3より低い酸性pHを有するもしくは例えば10より高い塩基性pHを有するべく、上記両方の各溶液の混合物に例えば酸もしくは塩基を加えて上記両方の各溶液の混合物が酸性もしくは塩基性を有するように混合する工程と、
d)当該混合溶液を噴霧乾燥する工程とを含む方法に関する。
別の本発明の実施形態は、トリアゾール化合物、例えば1)イトラコナゾール、2)イトラコナゾール誘導体、3)極性表面積(PSA)が60Å2 〜200Å2 、好ましくは70Å2 〜160Å2 、より好ましくは80Å2 〜140Å2 、さらにより好ましくは90Å2 〜120Å2 、そして最も好ましくは95Å2 〜110Å2 の範囲内にあるトリアゾール化合物、4)分配係数(XlogP)が4〜9、より好ましくは5〜8、最も好ましくは6〜7の範囲内にあるトリアゾール化合物、5)10より多くの回転自在な結合を有するトリアゾール化合物、6)極性表面積(PSA)が80〜200の範囲内、分配係数が3〜8の範囲内にあって、8〜16の回転自在な結合を有するトリアゾール化合物、もしくは7)極性表面積が80Å2 より大きいトリアゾール化合物の固体分散体を、Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)を用いて調製する方法であって、
a)Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)を、水/アルコール混合物、好ましくは直鎖アルコールと水との混合物またはエタノールと水との混合物に別に溶解する工程と、
b)上記トリアゾール化合物を、上記トリアゾール化合物が高い溶解性を示す非アルコール性の有機溶媒とアルコールとの混合物、好ましくは上記有機溶媒と直鎖アルコールとの混合物または最も好ましくは上記有機溶媒とエタノールとの混合物に溶解する工程と、
c)上記両方の各溶液を、溶解固体合計量が100mlあたり1g〜15g、好ましくは100mlあたり2g〜10g、さらに好ましくは100mlあたり3g〜7g、最も好ましくは100mlあたりおよそ5gとなるように混合し、必要に応じて、上記両方の各溶液の混合物が、例えば3より低い酸性pHを有するもしくは例えば10より高い塩基性pHを有するべく、上記両方の各溶液の混合物に例えば酸もしくは塩基を加えて上記両方の各溶液の混合物が酸性もしくは塩基性を有するように混合する工程と、
d)当該混合溶液を噴霧乾燥する工程とを含む方法に関する。
生物活性化合物を備えた、水溶性ポリマーの固体分散体を調製する方法において用いられる溶媒系
本発明によれば、本方法の工程(a)では、水溶性ポリマー、好ましくはポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体を、水、または水と少なくとも1つの第1アルコールとを含む混合物に溶解して、第1溶液を調製する。
本発明によれば、本方法の別の実施形態の工程(a)において、Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)を水/第1アルコール混合物に溶解する。
工程(a)に用いられる少なくとも1つの第1アルコールは、エタノールなどの直鎖アルコールであることが好ましい。
工程(a)に用いられる少なくとも1つの第1アルコールは、エタノール、n−ブタノール(CH3 −CH2 −CH2 −CH2 −OH)、イソプロパノール(CH3 −CH(−OH)−CH3 )、n−プロパノール(CH3 −CH2 −CH2 −OH)、メタノール(CH3 −OH)またはこれらの混合物からなる群より選択されることが特に好ましく、この中でもエタノールが特に好ましい。
工程(a)における水対アルコールの比率は、30/50〜50/30 V/Vの範囲内であることが好ましい。本発明によれば、方法の工程(b)において、BCSクラスII薬剤またはBCSクラスIV薬剤などの少なくとも1つの生物活性化合物を、少なくとも1つの第2アルコールおよび少なくとも1つの非アルコール性の有機溶媒を含有する混合物に溶解して、第2溶液を得る。
本発明によれば、本方法の別の実施形態における工程(b)では、BCSクラスII薬剤またはBCSクラスIV薬剤などの少なくとも1つの生物活性化合物を、当該化合物が高い溶解性を示す非アルコール性の有機溶媒と第2アルコールとの混合物に溶解する。
工程(b)では、生物活性化合物をジクロロメタンなどの有機(炭素含有)溶媒およびエタノールなどの直鎖アルコールに溶解することが好ましい。
工程(b)に用いられる少なくとも1つの第2アルコールは、エタノール、n−ブタノール(CH3 −CH2 −CH2 −CH2 −OH)、イソプロパノール(CH3 −CH(−OH)−CH3 )、n−プロパノール(CH3 −CH2 −CH2 −OH)、メタノール(CH3 −OH)、2−プロパノールおよびヘキサフルオロ−イソプロパノール、もしくはこれらの混合物からなる群より選択されることが好ましく、エタノールが特に好ましい。
少なくとも1つの第1アルコールは少なくとも1つの第2アルコールと同じであることが好ましい。
工程(b)に用いられる少なくとも1つの非アルコール性の有機溶媒は、ハロゲン化炭化水素、エーテル、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、極性非プロトン性溶媒、および有機酸からなる群より選択されるか、またはジクロロメタン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、クロロホルム、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテルおよび酢酸エチルから選択されることが好ましく、ジクロロメタンを選択することが特に好ましい。有機(炭素含有)溶媒は、ジクロロメタン(CH2 Cl2 )、または1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−プロパノール、N−メチルピロリドン、クロロホルム、ヘキサフルオロイソプロパノールなどの他の反応不活性溶媒であることが好ましい。ジクロロメタンの代替溶媒として適切な溶媒は、1,4−ジオキサン(/−CH2 −CH2 −O−CH2 −CH2 −O−\)、テトラヒドロフラン(/−CH2 −CH2 −O−CH2 −CH2 −\)、アセトン(CH3 −C(=O)−CH3 )、アセトニトリル(CH3 −C≡N)、ジメチルホルムアミド(H−C(=O)N(CH3 2 )、もしくはジメチルスルホキシド(CH3 −S(=O)−CH3 )からなる群より選択される極性非プロトン性溶媒、またはヘキサン(CH3 −CH2 −CH2 −CH2 −CH2 −CH3 )、ベンゼン(C6 6 )、トルエン(C6 5 −CH3 )、ジエチルエーテル(CH3 −CH2 −O−CH2 −CH3 )、クロロホルム(CHCl3 )、および酢酸エチル(CH3 −C(=O)−O−CH2 −CH3 )などの、非極性溶媒の群から選択されたメンバーが特に好適である。また、本発明の意味において適切な有機(炭素含有)溶媒は、貧水溶性生物活性種または薬剤が溶性である溶媒か、低水溶性薬剤が高溶解性を示す有機溶媒である。例えば、ヘキサフルオロイソプロパノール、(HFIP−(CF3 2 CHOH)などのフッ素化アルコールのような有機化合物は、強い水素結合性質を有しており、貧水溶性であるアミドやエーテルなどの水素結合受容体として働く物質を溶解するのに用いることができる。アミドクラスの生物活性種または薬剤化合物は、電気陰性酸素および窒素原子、電気的中性炭素原子間における共有結合によって生じるカルボニル(C=O)およびエーテル(N−C)双極子を含む一方で、第一および第二アミドはそれぞれ2つと1つのN−H双極子を有する。C=O双極子が存在すること、より程度は低いがN−C双極子が存在することで、アミドが水素結合受容体として働くことができ、その結果、HFIPが適切な溶媒となる。例えば、有機溶媒の別の群は、例えばジクロロメタン、クロロホルム、クロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素を含む無極性溶媒が挙げられる。これらのうち、ジアゼパム、アルファメチルチロシン、フェンサイクリジン、キノリン酸、シンバスタチン、ロバスタチン、パクリタクセル、アルカロイド、カンナビノイドなどの生物活性種または薬剤に好適な溶媒であるジクロロメタン(DCM)もしくは塩化メチレンが最も好ましい。共通の溶媒および薬剤化合物のファイルやデータベース[Cosmologic Gmbh & Co, GK社のCOSMOfiles(商標)など]は、規則メソポーラス酸化物に公知の貧溶性である生物学的に活性な種類を加えるのに適切な溶媒を当業者が選択できるように公開されている。新しい構造物に対しては、いかなる溶媒の薬剤溶解性は、例えば計算機化学および流体力学エキスパートシステムを用いて、基本的な物理的性質および相平衡関係を含む熱力学的基準で計算することができる(T. Bieker, K.H. Simmrock, Comput. Chem. Eng. 18 (Suppl. 1) (1993) S25-S29; K.G. Joback, G. Stephanopoulos, Adv. Chem. Eng. 21 (1995) 257-311; L. Constantinou, K. Bagherpour, R. Gani, J.A. Klein, D.T. Wu, Comput. Chem. Eng. 20 (1996) 685-702.; J. Gmehling, C. Moellmann, Ind. Eng. Chem. Res. 37 (1998) 3112-3123; M. Hostrup, P.M. Harper, R. Gani, Comput. Chem. Eng. 23 (1999) 1395-1414 and R. Zhao, H. Cabezas, S.R. Nishtala, Green Chemical Syntheses and Processes, ACS Symposium Series 767, American Chemical Society, Washington, DC, 2000, pp. 230-243 参照)。例えば、Cosmologic Gmbh & Co, GK社のCOSMOfrag/COSMOtherm(商標)は、複数の特徴を有する分子のデータベースと情報を交換する。当業者にとっての他の機会は、過度の負担がかかっていない状態で選択された化合物の水溶解性テストできる、Millipore 社のBiomek(登録商標) FX などの自動化された薬剤溶解性テスターが入手可能であることである。
別の実施形態では、工程(b)における非アルコール性の溶媒は酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、およびパルモ酸などの有機酸である。
工程(b)における、少なくとも1つの第2アルコールと非アルコール性の溶媒との比率は、30/50〜50/30 V/Vの範囲内であることが好ましい。
第1溶液および第2溶液の混合物は、第3溶液であることが好ましい。
本発明によれば、本方法における工程(c)での第1溶液および第2溶液の混合時間は、1時間〜30分間行われることが好ましい。
第1溶液および第2溶液の混合物、または第3溶液におけるBCSクラスII薬剤もしくはBCSクラスIV薬剤の濃度は、0.1mg/ml〜150mg/mlの範囲内であることが好ましい。このうち、100mlあたり2g〜10gであることが好ましく、100mlあたり3g〜7gであることが特に好ましく、100mlあたりおよそ5gであることが最も好ましい。
第1溶液および第2溶液の混合物、または第3溶液における生物活性化合物の濃度は、100mlあたり2g〜10gであることが好ましい。このうち、100mlあたり3g〜7gであることが好ましく、100mlあたりおよそ5gであることが最も好ましい。

本発明よれば、本方法において、第1溶液、第2溶液、または第1溶液および第2溶液の混合物(第3溶液)に、必要に応じて酸を加えてもよい。必要に応じて加えられる酸は、無機酸または有機酸である。
本発明に係る方法において、第1溶液に無機酸を加えることが好ましく、特に塩酸を加えることが好ましい。
さらなる実施形態において、工程(b)で第2溶液に酸を加えることが好ましい。具体的には、工程(b)において、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、ピルビン酸、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、およびパルモ酸からなる群より選択される少なくとも1の無機酸または少なくとも1の有機酸を第2溶液に加えることが好ましい。
加えられる無機酸は、塩酸または臭化水素酸などのハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などからなる群より選択されることが好ましい。加えられる有機酸は、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、およびパルモ酸などからなる群より選択されることが好ましい。化合物のpKaに基づいて特定の酸を選択することができる。
塩酸を加えることが、特に好ましい。
別の実施形態では、酸性pHを得るべく、第1溶液および第2溶液の混合物に、例えば、塩酸または臭化水素酸などのハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などを含む無機酸、または、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、およびパルモ酸などを含む有機酸を加えることが好ましい。
塩基
本発明によれば、本方法において、第1溶液、第2溶液、または第1溶液および第2溶液の混合物(第3溶液)に、必要に応じて塩基を加えてもよい。
塩基は、工程(b)にて第2溶液に加えられることが好ましい。加える塩基としては、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、水酸化カリウム、ピリジン、モルホリン、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、N,N−ジ−イソプロピル−エチルアミン、ジメチルアミンからなる群より選択されることが好ましい。
加える塩基は、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、トリエチルアミン、N,N−ジ−イソプロピル−エチルアミンなどからなる群より選択されることが特に好ましい。
生物活性化合物
本発明によれば、本方法に用いられる生物活性化合物は、極性表面積(PSA)を70Å2 〜160Å2 の範囲内で有していることが好ましく、このうち、80Å2 〜140Å2 が特に好ましく、90Å2 〜120Å2 がさらに好ましく、95Å2 〜110Å2 がより特に好ましい。
本発明によれば、本方法に用いられる生物活性化合物は、分配係数(XlogP)が5〜8の範囲内であることが好ましく、6〜7の範囲内であることが特に好ましい。
薬剤
Biopharmaceutical Classification System (BCS)は、水溶解度および腸透過性に基づいて薬物を分類するフレームワークである(Amidon, G.L., Lennernas H., Shah V.P., and Crison J.R., “A Theoretical Basis For a Biopharmaceutics Drug Classification: The Correlation of In Vitro Drug Product Dissolution and In Vivo Bioavailability”, Pharmaceutical Research, 12: 413-420 (1995) およびAdkin, D.A., Davis, S.S., Sparrow, R.A., Huckle, P.D. and Wilding, I.R., 1995. The effect of mannitol on the oral bioavailability of cimetidine. J. Pharm. Sci. 84, pp. 1405-1409 参照)。
G. Amidon によって独自に開発されたBiopharmaceutical Classification System (BCS)は、経口投与用の製剤を、水溶解度およびこれらの腸細胞膜の透過性に応じて4つのクラスに分類するものである。BCSに基づいて、薬物は以下のように分類される:
クラスI−−易透過性、易溶解度
クラスII−−易透過性、難溶解度
クラスIII−−難透過性、易溶解度
クラスIV−−難透過性、難溶解度
この分類システムへの関心は、早期薬剤開発において適用されたこと、そしてその薬剤のライフサイクルにおける商品改良の管理から発したものである。薬剤開発の早期段階において、特定薬剤のクラスに関する知識を有しているか否かは、その開発を継続するか取りやめるかを判断するのに影響を与える重要な要素であった。現在の提供方法および本発明の好適な方法は、BCSシステムにおけるクラス2薬剤の生物学的利用能をよりよくすることで、この判断点を変えることが可能となる。
溶解性クラスの境界は、即効型(「IR」)製剤の最大投与量強度およびpH範囲が1〜7.5の水性媒体における被験薬のpH溶解性プロフィールに基づいている。溶解度は、振とうフラスコまたは滴定方法、あるいは有効な安定性指向分析によって計測可能である。薬物は、水性媒体250ml以下、pH1〜7.5の範囲全体において最高用量強度が溶性である場合に、高い溶性を有すると考えられる。250mlという容積評価は、コップ(およそ8オンス)の水で絶食状態のボランティアの人に対して製剤の投与を処方する、典型的な生物学的同等性(BE)研究プロトコルより算出している。透過性クラスの境界は、直接的にはヒト腸管膜にわたっての物質移動率の測定、そして間接的にはヒトにおける薬物の吸収量(全身的な生物学的利用能ではなく、投与量分が吸収された割合)に基づいている。ヒトにおける吸収量は、マスバランス・薬物動態学の研究、絶対的な生物学的利用能の研究、腸透過方法、ヒトにおけるin vivo腸たく流研究、および動物におけるin vivoまたはin situ腸たく流研究を用いて測ることができる。In vitro透過実験は、ヒトまたは動物から採取した腸細胞、そしてin vitro透過実験は上皮細胞単層を用いて行うことができる。あるいは、ヒトにおける薬剤吸収の度合いを予測することが可能な非ヒト系を用いることもできる(in vitro上皮細胞培養方法など)。胃腸管内での不安定性を示唆する証拠がない場合、質量決定に基づいて、または参照静脈内投与量と比較して、薬剤の投与量の90%以上が溶解した場合に、薬剤が非常に溶性であると判断される。‘FDA基準はpH7.5を示し、ICH/EU基準ではpH6.8を示す。即効型製剤の場合、USP装置Iを100rpmで(または装置IIを50rpmで)用いて、(1)0.1N HClまたは擬似胃液USP(酵素なし)、(2)pH4.5の緩衝剤、および(3)pH6.8の緩衝剤または擬似腸液USP(酵素なし)の各媒体900ml以下に対し標示量の85%以上の薬物が30分以内に溶解した場合に、その薬物が素早く溶解すると判断される。BCSに基づき、低溶解性化合物とは、250ml以下の容量の、37℃に保たれたpH1.2〜7.5の水性媒体において、その化合物の最高投与量が溶けなかった化合物のことを示す。詳しくはCynthia K.Brown, et al., "Acceptable Analytical: Practices for Dissolution Testing of Poorly Soluble Compounds", Pharmaceutical Technology (Dec. 2004)を参照のこと。即効型(IR)製剤は、U.S.Pharmacopeia(USP)装置Iを100rpmで(または装置IIを50rpmで)用いて、(1)0.1N HClまたは擬似胃液USP(酵素なし)、(2)pH4.5の緩衝剤、および(3)pH6.8の緩衝剤または擬似腸液USP(酵素なし)の各媒体900ml以下に対し標示量の85%以上の薬物が30分以内に溶解した場合に、素早く溶解すると判断される。
薬物は、マスバランスに基づき、または静脈内参照投与量と比較して、ヒトにおける吸収量が投与量の90%より多いと判断された場合に透過性が高いと判断される。透過性クラスの境界は、直接的にはヒト腸管膜にわたっての物質移動率の測定に、そして間接的にはヒトにおける薬物の吸収量(全身的な生物学的利用能ではなく、投与量分が吸収された割合)に基づいている。ヒトにおける吸収量は、マスバランス・薬物動態学の研究、絶対的な生物学的利用能の研究、腸透過方法、ヒトにおけるin vivo腸たく流研究、および動物におけるin vivoまたはin situ腸たく流研究を用いて測ることができる。In vitroの透過実験はヒトまたは動物から採取した腸細胞、そしてin vitro透過実験は上皮細胞単層を用いて行うことができる。あるいは、ヒトにおける薬剤吸収の度合いを予測することが可能な非ヒト系を用いることもできる(in vitro上皮細胞培養方法など)。マスバランスに基づき、または静脈内参照投与量と比較して、薬剤の投与量の90%以上が溶解した場合に、非常に溶性であると判断される。薬物は、マスバランスに基づき、または静脈内参照投与量と比較して、ヒトにおける薬剤の投与量の90%未満の吸収量しか得られなかった場合に、低い透過性を有するように判断される。IR製剤は、U.S.Pharmacopeia(USP)装置Iを100rpmで(または装置IIを50rpmで)用いて、(1)0.1N HClまたは擬似胃液USP(酵素なし)、(2)pH4.5の緩衝剤、および(3)pH6.8の緩衝剤または擬似腸液USP(酵素なし)の各媒体900ml以下に対し標示量の85%以上の薬物が30分以内に溶解した場合に、素早く溶解すると判断される。
BCSクラスII薬剤は特に不溶性または溶解するのに時間がかかる薬剤ではあるが、溶液からは胃および/または腸の内層を介して吸収されやすい薬剤である。したがって、薬剤が吸収されるためには、胃腸管の内層に対して長期にわたって曝露される必要がある。このような薬剤は多くの治療クラスにおいて見受けられる。クラスII薬剤は特に不溶性または溶解するのに時間がかかる薬剤ではあるが、溶液からは胃および/または腸の内層を介して吸収されやすい薬剤である。したがって、薬剤が吸収されるためには、胃腸管の内層に対して長期にわたって曝露される必要がある。このような薬剤は多くの治療クラスにおいて見受けられる。特に関心のあるクラスとしては、イトラコナゾールなどの抗真菌薬が挙げられる。公知のクラスII薬剤の多くが疎水性であり、歴史的に今まで投与することが難しかった。また、疎水性であるがために、患者が薬剤を摂取する時点で絶食しているか否かによって吸収量に大きな変化が生じる傾向がある。このことは、次に、血清濃度のピークレベルに影響を与える場合があり、そうなると投与量の計算および投与計画を立てることを複雑化させる。これら薬剤の多くは比較的安価であるため、簡素な製剤方法が求められ、また、製剤の収率について多少の非効率性も許容される。
本発明の好ましい実施形態において、生物活性化合物は、イトラコナゾール、フルコナゾール、テルコナゾール、ケトコナゾール、サペルコナゾール、スルファサラジン、グリセオフルビン、グリセオベルジン(griseoverdin)、アトバクオン、シクロスポリン、ジゴキシン、スピロノラクトン、イブプロフェン、リトナビル、ネビラピン、ロピナビル、クロファジミン、ジロキサニドフロエート、グリベンクラミド、ニフェジピン、ダナゾール、カルバマゼピンおよびアシクロビルからなる群より選択されるBCSクラスII薬剤である。
本発明の特に好ましい実施形態では、BCSクラスII薬剤は、フルコナゾール、テルコナゾール、ケトコナゾール、およびサペルコナゾールなどのイトラコナゾールもしくはその関連薬剤である。
特に好ましい実施形態では、BCSクラスII薬剤はイトラコナゾールおよびシクロスポリンからなる群より選択される。
イトラコナゾールは真菌感染を治療するために用いられるクラスIIの薬であり、皮膚糸状菌(白癬感染症)、カンジダ、マラセジア属、クロモブラストマイコーシスなど、広範囲の真菌に効果的である。イトラコナゾールは、酵母およびその他真菌性病原菌の細胞壁および重要な酵素を破壊することで効力を発揮する。イトラコナゾールはまた、テストステロンレベルを低下させることができるために前立腺癌の治療に有用であり、また過度の副腎皮質ステロイドホルモンの生成も抑えられるためにクッシング症候群の治療にも有用である。イトラコナゾールは、カプセル状または経口I溶液状で入手可能である。真菌感染の治療における推奨投与量は、1日に1回、経口カプセルで200mg〜400mgである。
イトラコナゾールは1992年以降にカプセル状、1997年以降に経口I溶液状、そして1999年以降は静脈内投与製剤として入手可能となった。イトラコナゾールが非常に親油性の高い化合物であるため、高濃度で脂肪組織および化膿性滲出物に含まれる。しかしながら、水性液への浸透性は非常に限られている。胃液酸度および食物が、経口製剤からの吸収率に大きく影響を与える(Bailey, et al., Pharmacotherapy, 10: 146-153 (1990) を参照)。イトラコナゾール経口カプセルの吸収率は変動しやすく予測できないが、それでも生物学的利用能(バイオアベイラビリティ)は55%である。
他の好適な薬剤として、グリセオフルビンなどのクラスII抗感染症薬およびグリセオベルジンなどの関連化合物、幾つかの抗マラリア薬剤(アトバクオンなど)、免疫システム賦活剤(シクロスポリンなど)、心臓脈管薬(ジゴキシンおよびスピロノラクトンなど)、およびイブプロフェンが挙げられる。さらに、ステロールまたはステロイドも使用することができる。ダナゾール、カルバマゼピン、およびアシクロビルなどの薬剤も組成物に用いることができる。
ダナゾールはエチステロンから得られる合成ステロイドである。ダナゾールは17a−プレグナ−2,4−ジエン−20−イノ[2,3−d]−イソオキサゾール−17−オールで表し、式はC2227NO2 であり、337.46の分子量を有する。ダナゾールは、体内に存在する天然ホルモン(アンドロゲン)の群と類似している合成ステロイドホルモンである。ダナゾールは子宮内膜症の治療に用いられている。また、乳腺線維嚢胞症および遺伝性血管浮腫の治療においても有用である。ダナゾールは、下垂体において生成されるゴナドトロピンというホルモンの生成を抑制することでエストロゲンレベルを低下させる働きを有する。通常、ゴナドトロピンは月経、排卵などの生体プロセスを引き起こすエストロゲンおよびプロエストロゲンなどの性ホルモンの生成を刺激する。ダナゾールは経口投与されるものであり、直接的には投与量に関連しない生物学的利用能を有し、半減期は4〜5時間である。ダナゾールは、投与量を増加させてもその血漿濃度は比例して増加しない。投与量を2倍に増加させても、I血漿濃度では30〜40%の増加しか見られなかったことが実証されている。ダナゾールのピーク濃度は2時間以内に達するが、通常の場合、治療効果は投与を始めてからおよそ6〜8週間後Iまで現われてこない。
アシクロビルは、抗ウイルス性薬として働く合成ヌクレオチド類似体である。アシクロビルは経口投与用のカプセル状、錠剤状、および懸濁液状で入手可能である。白い、結晶質の粉末であり、2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−6H−プリン−6−オンで表し、実験式はC8 115 3 であり、分子量は225である。
アシクロビルは、4時間ごとに200mgずつ投与された場合、20%の絶対的生物学的利用能を有し、半減期は2.5時間〜3.3時間である。また、投与量が増加するにつれて、生物学的利用能は低下する。その低い生物学的利用能に関わらず、アシクロビルがチミジンキナーゼ(TK)(ウイルスによって暗号化される)に対して高い親和力を有することから、ウイルスの抑制活性において非常に特異的である。TKはアシクロビルをヌクレオチド類似体に転化させる。ヌクレオチド類似体は、ウイルスのDNAポリメラーゼを抑制および/または不活性化させ、またウイルスのDNA鎖の成長を停止させることでウイルスの複製を防ぐ。
カルバマゼピンは、精神運動てんかんの治療に用いられており、部分てんかんの治療の補助としても用いられている。また、三叉神経痛に関連する痛みを軽減または減少させることができる。カルバマゼピンを単独療法かリチウムもしくは神経弛緩薬と組み合わせて使用することで、急性躁病の治療、および双極性うつ病の予防的治療にも有用であることが分かっている。
カルバマゼピンは白色からオフホワイト色の粉末であり、5Hジベンゾ[b,フラゼピン−5−カルボキサミドで表し、分子量は236.77である。水に対して実質的に不溶性であり、アルコールおよびアセトンに対して溶性である。カルバマゼピンの吸収は比較的遅いが、錠剤状での生物学的利用能は89%である。単一経口投与の場合、カルバマゼピンの錠剤およびチュアブル錠は、4時間〜24時間以内にカルバマゼピン未変化体の血漿濃度はピークに達する。定常的なカルバマゼピンの血漿濃度の治療域は、一般的に4mcg/ml〜10mcg/mlの間である。
他の代表的なクラスII化合物には、ヘリコバクターピロリを殺菌するアモキシシリン、テトラサイクリンおよびメトロニダゾールなどの抗生物質、または、酸抑制剤(シメチジン、ラニチジン、ファモチジン、およびニザチジンなどのH2遮断薬、オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール、エソメプラゾール、およびパントプラゾールなどのプロトンポンプ阻害剤)、粘膜抵抗力増強剤(蒼鉛塩、次サリチル酸ビスマス)および/または粘液溶解薬(マガルドレイト)を含む治療薬などがある。
公知のクラスII薬剤の多くは疎水性であり、歴史的に今まで投与するのが難しかった。また、疎水性であるがために、患者が薬剤を摂取する際に絶食しているか否かによって吸収量に大きな変化が生じる傾向がある。このことは、次に、血清濃度のピークレベルに影響を与える場合があり、そうなると投与量の計算および投与計画を立てることを複雑化させる。これら薬剤の多くは比較的安価であるため、簡素な製剤方法が求められ、また製剤の収率について、多少の非効率性も許容される。
本発明の特に好ましい実施形態では、BCSクラスII薬剤は、フルコナゾール、テルコナゾール、ケトコナゾール、およびサペルコナゾールなどのイトラコナゾールもしくはその関連薬剤である。イトラコナゾールは真菌感染を治療するために用いられるクラスIIの薬であり、皮膚糸状菌(白癬感染症)、カンジダ、マラセジア属、クロモブラストマイコーシスなど、広範囲の真菌に効果的である。イトラコナゾールは、酵母およびその他真菌性病原菌の細胞壁および重要な酵素を破壊することで効力を発揮する。イトラコナゾールはまた、テストステロンレベルを低下させることができるために前立腺癌の治療に有用であり、また過度の副腎皮質ステロイドホルモンの生成も抑えられるためにクッシング症候群の治療にも有用である。イトラコナゾールは、カプセル状または経口溶液状で入手可能である。真菌感染の治療における推奨投与量は、1日に1回、経口カプセルで200mg〜400mgである。
イトラコナゾールは1992年以降にカプセル状、1997年以降に経口溶液状、そして1999年以降は静脈内投与製剤として入手可能となった。イトラコナゾールが非常に親油性の高い化合物であるため、高濃度で脂肪組織および化膿性滲出物に含まれる。しかしながら、水性液への浸透性は非常に限られている。胃液酸度および食物が、経口製剤からの吸収率に大きく影響を与える(Bailey, et al., Pharmacotherapy, 10: 146-153 (1990) を参照)。イトラコナゾール経口カプセルの吸収率は変動しやすく予測できないが、それでも生物学的利用能は55%である。
他のクラスII薬剤として、スルファサラジン、グリセオフルビンなどの抗感染症薬およびグリセオベルジンなどの関連化合物、幾つかの抗マラリア薬剤(アトバクオンなど)、免疫システム賦活剤(シクロスポリンなど)、心臓脈管薬(ジゴキシンおよびスピロノラクトンなど)、イブプロフェン(鎮痛剤)、リトナビル、ネビラピン、ロピナビル(抗ウイルス剤)、クロファジミン(抗らい菌薬)、ジロキサニドフロエート(抗アメーバ薬)、グリベンクラミド(抗糖尿病薬)、ニフェジピン(抗狭心症薬)、スピロノラクトン(利尿剤)、ダナゾールなどのステロイド性薬剤、カルバマゼピン、およびアシクロビルなどの抗ウイルス剤が挙げられる。
ダナゾールはエチステロンから得られる合成ステロイドである。ダナゾールは17a−プレグナ−2,4−ジエン−20−イノ[2,3−d]−イソオキサゾール−17−オールで表し、式はC2227NO2 であり、337.46の分子量を有する。ダナゾールは子宮内膜症、乳腺線維嚢胞症および遺伝性血管浮腫の治療に用いられている。ダナゾールは経口投与されるものであり、直接的には投与量に関連しない生物学的利用能を有し、半減期は4〜5時間である。ダナゾールは、投与量を増加させてもその血漿濃度は比例して増加しない。投与量を2倍に増加させても、血漿濃度では30〜40%の増加しか見られなかったことが実証されている。ダナゾールのピーク濃度は2時間以内に達するが、通常の場合、治療効果は投与を始めてからおよそ6〜8週間後まで現われてこない。
アシクロビルは、抗ウイルス性薬として働く合成ヌクレオチド類似体である。アシクロビルは経口投与用のカプセル状、錠剤状、およびとして懸濁液状で入手可能である。白い結晶質の粉末であり、2−アミノ−1,9−ジヒドロ−9−[(2−ヒドロキシエトキシ)メチル]−6H−プリン−6−オンで表し、実験式はC8 115 3 であり、分子量は225である。アシクロビルは、4時間毎に200mgずつ投与された場合、20%の絶対的生物学的利用能を有し、半減期は2.5〜3.3時間である。また、投与量が増加するにつれて、その生物学的利用能は低下する。その低い生物学的利用能に関わらず、アシクロビルはチミジンキナーゼ(TK)(ウイルスによって暗号化される)に対して高い親和力があることから、ウイルスの抑制活性において非常に特異的である。TKはアシクロビルをヌクレオチド類似体に転化させる。このヌクレオチド類似体は、ウイルスのDNAポリメラーゼを抑制および/または不活性化させ、またウイルスのDNA鎖の成長を停止させることでウイルスの複製を防ぐ。
カルバマゼピンは、精神運動てんかんの治療に用いられており、部分てんかんの治療の補助としても用いられている。また、三叉神経痛に関連する痛みを軽減または減少させることができる。カルバマゼピンを単独療法かリチウムもしくは神経弛緩薬と組み合わせて使用することで、急性躁病の治療、および双極性うつ病の予防的治療にも有用であることが分かっている。カルバマゼピンは白色からオフホワイト色の粉末であり、5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−カルボキサミドで表し、分子量は236.77である。水に対して実質的に不溶性であり、アルコールおよびアセトンに対して溶性である。カルバマゼピンの吸収は比較的遅いが、錠剤状での生物学的利用能は89%である。単一経口投与の場合、カルバマゼピンの錠剤およびチュアブル錠は、4〜24時間以内にカルバマゼピン未変化体の血漿濃度はピークに達する。定常的なカルバマゼピンの血漿濃度の治療域は、一般的に4〜10mcg/mlの間である。
BCSクラスIV薬剤(難透過性、難溶解性)は、水に対して特に不溶、または溶解するのに時間を要する薬剤であり、貧GI透過性を有する。
ほとんどのクラスIV薬剤は親油性薬剤であり、そのことにより、貧GI透過性を有している。これらの例として、アセタゾールアミド、フロセミド、トブラマイシン、セフロキシム、アロプリノール、ダプソーン、ドキシサイクリン、パラセタモール、ナリジクス酸、クロロチアジド、トブラマイシン、シクロスポリン、タクロリムス、およびパクリタクセルなどが挙げられる。タクロリムスは、放線菌Streptomyces tsukubaensis から生成されるマクロライド免疫抑制薬である。タクロリムスは、動物移植モデルの肝臓、腎臓、心臓、骨髄、小腸および膵臓、肺および気管、皮膚、角膜、ならびに肢の宿主および移植された管を長持ちさせる。タクロリムスは、未知のメカニズムによってTリンパ球の活性化を抑制することで、免疫抑制薬として機能する。タクロリムスの実験式はC4469NO12・H2 Oであり、式量は822.05である。タクロリムスは、白い結晶、または結晶質粉末の形態を有する。水に対して実質的に不溶であるが、エタノールに対しては溶性であり、メタノールおよびクロロホルムには非常によく溶解する。タクロリムスは経口投与用のカプセル状か、注射用の滅菌溶液として入手可能である。タクロリムスを経口投与後に胃腸管から吸収するのは不完全かつ変化しやすい。タクロリムスを1日に2回、1回につき5mgを投与することで得られる絶対的な生物学的利用能は、およそ17%である。パクリタクセルは、細胞毒性および抗腫瘍性作用を示す化学療法剤である。パクリタクセルは、Taxus baccata からの半合成プロセスから得られる天然産物である。著しい治療可能性に対する明白な評判がある一方で、パクリタクセルは治療薬としての患者関連の欠点をいくつか有している。これらはある程度、その水に対して非常に溶解性が低いことに因るものであり、このことで適切な投与形態で提供することが難しくなっている。パクリタクセルの低い水溶解度を受けて、現在承認されている(U.S.FDA)臨床製剤は、50%ポリオキシエチル化ヒマシ油(CREMOPHOR ELR)および50%無水アルコールにパクリタクセルが6mg/ml含有された溶液からなる。Am. J. Hosp. Pharm., 48:1520-24(1991) を参照。この場合、パクリタクセルの低い水溶解性を相殺するために一緒に投与されるCREMOPHOR(登録商標)に対して、過敏症を含む重篤な反応を起こす場合がある。市販のパクリタクセル製剤に対して過敏症反応が起き、パクリタクセルが血液内で沈殿している可能性がある場合、製剤は数時間にわたって注入されればならない。さらに、患者は注入される前に、ステロイドや抗ヒスタミン薬の前処置を受ける必要がある。パクリタクセルは白色〜オフホワイトの結晶質粉末であり、注射用の非水性溶液の形態で入手可能である。パクリタクセルは親油性が高く、水に溶解しない。
本発明の好ましい実施形態において、生物活性化合物は、アセタゾールアミド、フロセミド、トブラマイシン、セフロキシム、アロプリノール、ダプソーン、ドキシサイクリン、パラセタモール、ナリジクス酸、クロロチアジド、トブラマイシン、シクロスポリン、タクロリムス、パクリタクセル、プロスタグランジンE2、プロスタグランジンF2およびプロスタグランジンE1などのプロスタグランジン、インジナビル、ネルフィナビル、サクイナビルなどのプロテイナーゼ阻害剤、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ゾルビシン、ミトキサントロン、アムサクリン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ダクチノマイシン、ブレオマイシンなどの細胞毒性薬、チタンメタロセン二塩化物などのメタロセン、ならびにジミナゼンステアレートおよびジミナゼンオレエート、クロロキン、メフロキン、プリマキン、バンコマイシン、ベクロニウム、ペンタミジン、メトロニダゾール、ニモラゾール、チニダゾール、アトバクオンおよびブパルバクォンなどの脂質系薬剤接合体からなる群より選択されたBCSクラスIV薬剤である。
水に対して貧溶性を有する化合物は、例えば、プロスタグランジンE2、プロスタグランジンF2およびプロスタグランジンE1などのプロスタグランジンの群、例えば、インジナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サクイナビルなどのプロテイナーゼ阻害剤の群、例えば、パクリタクセル、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ゾルビシン、ミトキサントロン、アムサクリン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ダクチノマイシン、ブレオマイシンなどの細胞毒性薬、例えば、チタンメタロセン二塩化物などのメタロセン、ならびに、例えば、ジミナゼンステアレートおよびジミナゼンオレエートなどの脂質系薬剤接合体から得られる貧溶性薬剤であってもよく、また一般的に貧溶性であるグリセオフルビン、ケトコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール、クリンダマイシンなどの抗感染薬、特に、例えば、クロロキン、メフロキン、プリマキン、バンコマイシン、ベクロニウム、ペンタミジン、メトロニダゾール、ニモラゾール、チニダゾール、アトバクオン、ブパルバクォン、ニフルチモックスなどの抗寄生虫性薬剤、およびシクロスポリン、メトトレキサート、アザチオプリンなどの抗炎症薬から得てもよい。
本発明の実施形態は、1)イトラコナゾール、2)イトラコナゾール誘導体、3)極性表面積(PSA)が60Å2 〜200Å2 、好ましくは70Å2 〜160Å2 、より好ましくは80Å2 〜140Å2 、さらにより好ましくは90Å2 〜120Å2 、そして最も好ましくは95Å2 〜110Å2 の範囲内にあるトリアゾール化合物、4)分配係数(XlogP)が4〜9の範囲内、より好ましくは5〜8の範囲内、最も好ましくは6〜7の範囲内にあるトリアゾール化合物、5)10より多くの回転自在の結合を有するトリアゾール化合物、6)極性表面積(PSA)が80〜200の範囲内、分配係数が3〜8の範囲内、そして8〜16の回転自在の結合を有するトリアゾール化合物、または7)80Å2 より大きい極性表面積を有するトリアゾール化合物に関する。
[実施例]
材料
イトラコナゾールは、Janssen Pharmaceutics (Beerse、ベルギー)のものを、Kollicoat IRはBASF(Ludwigshafen、ドイツ)のものを用いた。
評価方法
粉末X線回折:
ブラッグ−ブレンタノ法に基づき、回転時間4秒で回転する平坦なサンプルステージを有する自動化X’Pert PRO回折計(PANalytical 社製、オランダ)を用いて、粉末X線回折を室温にて計測した。データ回収には、X’Pertデータコレクター(バージョン2.2c)(PANalytical 社製、オランダ)を用いた。入射光路には、0.04radソーラースリット、10mmマスクおよびプログラム可能な発散スリットを設けた。回折光路には、プログラム可能な飛散防止スリットおよび0.04radソーラースリットを設けた。Cu Kα1 放射(λ=1.540598Å)を0.02mmのNiフィルターを用いて得た。放射および観察された面積は100mm2 である。放射および観察された長さは10mmである。回折光をX’celerator RTMS検出器を用いて、有効長2.122°にて検出した。データは、継続モードにおいて、7°≦2θ≦40°の領域に対してステップサイズ0.0021°2θおよび計測時間19.7秒で集められた。X線管を電圧45kV、電流40mAで設定した。そして、X’pertデータビューア バージョン1.2aを用いて、回折図形の分析を行った。
イトラコナゾール含量の分析
およそ50mgの固体分散体をジメチルスルホキシド(DMSO)50mlに溶解し、以下記載の方法のとおり、イトラコナゾールを溶解した一連のDMSOの希釈物を用いて、HPLCに基づいてイトラコナゾール含量を測定した。溶解実験では、記載の内容がイトラコナゾールの合計量を求めるのに用いられた。実験はそれぞれ3回ずつ行われた。
溶解テスト
溶解実験を、イトラコナゾール/Kollicoat IR(w/w)噴霧乾燥粉末に対して3回行った。テストは、Hanson SR8plus溶解装置(Chatsworth、CA、米国)を用いて、USP24方法2(パドル方法)に基づいて行われた。胃内での弱アルカリ化合物の溶解をシミュレーションするべく、ペプシンを含まない類似胃液(SGFsp;USP24)500mlを溶解媒体として、37℃およびパドル速度100rpmで用いた。噴霧乾燥粉末(常にイトラコナゾール100mgを含有)を溶解媒体に加えた。5,10,15,30,45,60,120,180および240分後にそれぞれ5mlの試料を採取し、採取直後に代わりに新しい溶解媒体を投入した。これらの試料は0.45μmのテフロン(登録商標)フィルター(Macherey-Nagel社製、Duren 、ドイツ)で濾過し、最初の2ミリリッターを廃棄した。残りをメタノールにて1/2に希釈することで沈殿することを防ぎ、以下記載のとおり、HPLCに基づいて分析した。
HPLC分析:
HPLC分析は、Merck Hitachi 社製ポンプL7100、紫外線(UV)検出器(L7400)、オートサンプラー(L7200)、およびインターフェース(D7000:Merck 社製、Darmstadt 、ドイツ)を用いて行った。また、LiChrospher 100 RP-18 (5μm、12.5×4)(Merck 社製、Darmstadt 、ドイツ)カラムも用いた。アセトニトリル/0.01Nテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩水溶液(55:45、V/V)を流量1.0ml/分で溶離液として用い、また全ての溶媒はHPLCグレードであった。注入量は20μl、またUV検出を260nmの波長で行った。イトラコナゾールの保持期間は4.6分だった。
溶液の調製:
Kollicoat IRを50/50 V/Vの水/エタノール混合物に加え、これを10〜15分間、50℃になるまで攪拌・加熱し、Kollicoat IR溶液を得た。酸性および非酸性の溶液の両方を評価した。
酸性:水部分は、1部が脱イオン水、1部が1N塩酸であり、得られた水/エタノール溶液のpHは1〜2だった。
非酸性:塩酸を加えなかった。
50/50 V/Vのジクロロメタン/エタノール溶媒混合物にイトラコナゾールを加え、イトラコナゾールの溶解を速めるために超音波処理を行った。薬剤量が多い組成物では、イトラコナゾール溶液を超音波処理する必要があった。
上記2つの二成分系溶媒混合物、ジクロロメタン/エタノール混合物および水/エタノール混合物は、エタノールが存在していることにより50/50 V/Vの比率で混和できる。2つの別々の溶液を、噴霧乾燥のわずか2分前に混合した。この期間、また噴霧乾燥プロセスの間、溶液を攪拌した。混合された水/エタノール/ジクロロメタン溶液の合計固体量は100mlあたり5gであった。すなわち、両方の溶液の合計容量(50/50 V/Vのジクロロメタン/エタノールとイトラコナゾールとの混合物および50/50 V/Vの水/エタノールとKollicoat IRとの混合物)に対して5% w/Vであった。
噴霧乾燥:
固体分散体をBuchi ミニスプレードライヤーB191(Buchi 社製、Flawil、スイス)に用意した。流入口の温度を80℃に設定し、流出口温度を50〜35℃の間で変化させた。アスピレータを100%、ポンプを45%に設定し、気流を800L/hとした。全ての噴霧乾燥粉末を、分析する前に1週間、40℃の真空オーブンで乾燥し、さらにP2 5 の乾燥器に、25℃で保管した。
これにより、重量比が10〜50%の範囲内にある一連のイトラコナゾール/Kollicoat IRの固体分散体を調製した。
方法1:
第1アプローチでは、2つの別々の流入口を有するスプレーノズルを用いて、溶液を別々に送り込んで噴霧し、乾燥室でのみ、その液滴が衝突するようにした。試料はBuchi ミニスプレードライヤーB191(Buchi 社製、Flawil、スイス)を用いて乾燥し、次のプロセスパラメータを用いた。同期させた両ポンプの流量が4ml/分、温度が80℃、流出口温度が35〜50℃の範囲内、アスピレータが100%、そして加圧空気流量が800L/時間。粉末を40℃の真空オーブン(−0.8バール)で1週間乾燥し、P2 5 の乾燥器に、25℃で保管した。スプレーノズルが側部と上部とにそれぞれ流入口を1つずつ設けているため、両方の可能性を調べるべく、2つの溶液の流入口を入れ替えた。
方法2:
第2アプローチでは、上記記載のように、イトラコナゾールを含む50/50 V/Vのジクロロメタン/エタノール溶液およびKollicoat IRを含む50/50 V/Vの水/エタノール溶液をそれぞれ別々に調製し、噴霧乾燥前に混合した。2つの流入口を有するスプレーノズルの代わりに、1つの流入口(上部)のみを有するスプレーノズルを用いた。イトラコナゾール(弱塩基性pKa=4.0)の溶解性を高める用途で、50/50 V/Vの水/エタノール相において純水の代わりに50/50 V/Vの0.1N HCl/水混合物を使って実験を繰り返し、結果的に水相のpHは0.6前後であった。得られた試料をBuchi ミニスプレードライヤーB191(Buchi 社製、Flawil、スイス)を使用して噴霧乾燥し、次のプロセスパラメータを使用した。ポンプ設定を45%と設定したことでca.の流量が6ml/分、温度は80℃、流出口温度は35〜50℃の範囲内、アスピレータは100%、そして、加圧空気流量が800L/時間とした。粉末を1週間、40℃に設定した真空オーブン(−0.8バール)で乾燥し、P2 5 の乾燥器に、25℃で保管した。
溶解プロフィール
図3は、方法1に従って調製されたイトラコナゾール/Kollicoat IR固体分散体の溶解プロフィールを示す。全ての固体分散体が純粋な結晶質薬剤と比べてよりよい溶解プロフィールを示した。しかしながら、参考文献に記載されている他のイトラコナゾール固体分散体系に比べて、この結果はあまりよいとはいえない。実際のところ、薬剤が20%含まれている固体分散体からその80%が放出されることは特別なことではない。図Aはイトラコナゾールを側部流入口から、Kollicoat IRを上部流入口から噴霧乾燥した固体分散体の溶解プロフィールを示し、図Bはイトラコナゾールを上部流入口からから、Kollicoat IRを側部流入口噴霧乾燥した固体分散体の溶解プロフィールを示す。図Aでは、溶解の度合いは薬剤量と共に増加するように見受けられる。一方で、図Bでは、薬剤量が10%および60%の固体分散体が同様の放出量を示しているが、薬剤量が40%の試料ではより高い放出量を示している。この結果は、薬剤−ポリマー組成物と溶液の流入口の位置に何ら傾向が観察できなかったことを意味する。
図2は、10%および20%のイトラコナゾールに対して、方法2にしたがって噴霧乾燥する2分前に2つの別々の各溶液を混合して、噴霧乾燥して調製された固体分散体の溶解プロフィールを示している。A)は、溶液1に酸を加えた固体分散体、B)は溶液1に酸を加えていない固体分散体を示し、さらに参照用にイトラコナゾールの結晶を図内に示している。図2は、4つの試料における、時間に対するmg単位での溶液(500ml)内のイトラコナゾール放出量を示しており、10%および20%のイトラコナゾールの両方において、溶液1を使用し塩酸を加えた固体分散体が著しく速く放出していることを明白に示している。
図5は、方法2に基づき、単一流入口を有するスプレーノズルを用いて噴霧乾燥を行うことで得られた両方の固体分散体の溶解プロフィールを示し、5Aは非酸性三成分系溶媒から噴霧乾燥した試料の溶解プロフィールを示し、5Bは酸性三成分系溶媒から噴霧乾燥した試料の溶解プロフィールを示す。両方の場合において、第1アプローチに比べて著しく結果が向上し、酸性三成分系溶液から噴霧乾燥した試料は、非酸性溶液から噴霧乾燥された試料と比べてより高い溶解度を示した。両方の一連のデータ、酸性および非酸性において、20および30%の薬剤量を含む試料で最も良い結果が得られ、続いてイトラコナゾールを10%含む試料の溶解、そして最後に40および50%の薬剤量を有する試料の順でよい結果が得られた。特に、酸性溶液から噴霧乾燥した試料のうち、薬剤量が30%の固体分散体の溶解度が90%を超え、著しい結果を得た。上記に報告された、同時押出して得られたイトラコナゾール/Kollicoat IR固体分散体の溶解プロフィールと比べ、酸性三成分系溶媒から噴霧乾燥された試料の溶解度は高いものの、溶解率はそれと比べて低い。
粉末X線回折
図4は、方法1にしたがって得られた、最低および最高の薬剤量、それぞれ10%および60%を有する固体分散体のX線回折図形を示している。全ての固体分散体がイトラコナゾール回折ピークを示し、イトラコナゾールの結晶相が存在することを示した。この結果は、少なくとも部分的に、その貧溶解性を示している。溶液とスプレーノズルとを対応させた2つのモードの間でなんら違いは観察できなかった。ただし、イトラコナゾールを60%含んでいる試料(図B)のほうが、10%の薬剤量を含む試料(図A)に比べて大きな回折ピークを示すことが期待されるであろう。しかしながら、イトラコナゾールのピーク強度は両方の組成物において類似している。このことにより、10%の試料が、イトラコナゾールを60%含む試料と比べて高い相対的な結晶度を有することが読み取れる。
図6は、方法2に基づく酸性および非酸性の三成分系溶媒から噴霧乾燥した固体分散体のX線回折図形を示している。全ての固体分散体がX線非晶質であり、イトラコナゾールの量が増加するにつれて、アモルファスハローが幅広くなる。アモルファスハローをより具体的に調べると、ca. 19.3°2θでの主要幅広反射のほかに、ca. 23°2θにおいて付加的な幅広肩が、酸性溶液から噴霧乾燥した、重量比が10/90のイトラコナゾール/Kollicoat IR固体分散体の回折図形において明らかに存在している。このX線パターンは、純粋未処理Kollicoat IRの回折図形とよく対応している。このことで、酸性溶液から噴霧乾燥された場合、固体分散体のポリマーの構造が未処理ポリマーの構造と似ていることが分かった。非酸性の三成分系の水/ジクロロメタン/エタノール溶液から噴霧乾燥した場合、この肩は消え、19.3°2θでの主要反射のみが残る。このことにより、Kollicoat IRの内部構造が噴霧乾燥の際に変化し、より非晶質になることが分かった。

Claims (16)

  1. BCSクラスII薬剤またはBCSクラスIV薬剤を備えた、Kollicoat IRなどのポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)の固体分散体を調製する方法であって、
    a)ポリビニルアルコール−ポリエチレングリコールグラフト共重合体(PVA−PEGグラフト共重合体)を水/第1アルコール混合物に別に溶解する工程と、
    b)BCSクラスII薬剤またはBCSクラスIV薬剤を、上記化合物が高い溶解性を示す非アルコール性の有機溶媒と第2アルコールとの混合物に溶解する工程と、
    c)上記両方の各溶液を混合し、溶解固体の合計量が100mlあたり0.01g〜15gである第3溶液を得る工程と、
    d)上記第3溶液を噴霧乾燥する工程とを含む方法。
  2. 上記工程c)において、上記2つの各溶液を、噴霧乾燥する、1〜30分前に、好ましくは2分前に混合する、請求項1に記載の方法。
  3. 上記BCSクラスII薬剤が、イトラコナゾール、フルコナゾール、テルコナゾール、ケトコナゾール、サペルコナゾール、スルファサラジン、グリセオフルビン、グリセオベルジン、アトバクオン、シクロスポリン、ジゴキシン、スピロノラクトン、イブプロフェン、リトナビル、ネビラピン、ロピナビル、クロファジミン、ジロキサニドフロエート、グリベンクラミド、ニフェジピン、ダナゾール、カルバマゼピン、およびアシクロビルからなる群より選択される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 上記BCSクラスIV薬剤が、アセタゾールアミド、フロセミド、トブラマイシン、セフロキシム、アロプリノール、ダプソーン、ドキシサイクリン、パラセタモール、ナリジクス酸、クロロチアジド、トブラマイシン、シクロスポリン、タクロリムス、パクリタクセル、プロスタグランジンE2、プロスタグランジンF2、およびプロスタグランジンE1などのプロスタグランジン、インジナビル、ネルフィナビル、サクイナビルなどのプロテイナーゼ阻害剤、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ゾルビシン、ミトキサントロン、アムサクリン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ダクチノマイシン、ブレオマイシンなどの細胞毒性薬、チタンメタロセン二塩化物などのメタロセン、ならびにジミナゼンステアレートおよびジミナゼンオレエート、クロロキン、メフロキン、プリマキン、バンコマイシン、ベクロニウム、ペンタミジン、メトロニダゾール、ニモラゾール、チニダゾール、アトバクオンおよびブパルバクォンなどの脂質系薬剤接合体からなる群より選択される、請求項1または2に記載の方法。
  5. 上記工程a)において、上記第1アルコールが、エタノール、n−ブタノール、イソプロパノール、n−プロパノールおよびメタノールまたはその混合物からなる群より選択される、請求項1ないし4の何れか1項に記載の方法。
  6. 上記工程b)において、上記第2アルコールが、エタノール、n−ブタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、メタノール、2−プロパノールおよびヘキサフルオロイソプロパノール、またはその混合物からなる群より選択される、請求項1ないし5の何れか1項に記載の方法。
  7. 上記第1アルコールと上記第2アルコールとが同一である、請求項1ないし6の何れか1項に記載の方法。
  8. 上記工程b)における上記非アルコール性の溶媒が、ハロゲン化炭化水素、エーテル、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、極性非プロトン性溶媒および有機酸からなる群より選択される、またはジクロロメタン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、クロロホルム、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテルおよび酢酸エチルからなる群より選択される、請求項1ないし7の何れか1項に記載の方法。
  9. 上記工程b)における上記非アルコール性の溶媒が、ジクロロメタン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、クロロホルム、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテルおよび酢酸エチルまたはその混合物からなる群より選択される、請求項1ないし7の何れか1項に記載の方法。
  10. 上記工程a)において、水と第1アルコールとの比率が30/50〜50/30 V/Vの範囲内にある、請求項1ないし9の何れか1項に記載の方法。
  11. 上記工程b)において、アルコールと非アルコール性の溶媒との比率が30/50〜50/30 V/Vの範囲内にある、請求項1ないし10の何れか1項に記載の方法。
  12. 上記第1溶液および第2溶液の混合物に含まれる上記BCSクラスII薬剤または上記BCSクラスIV薬剤の濃度が、10〜150mg/mlの範囲内にある、請求項1ないし11の何れか1項に記載の方法。
  13. 上記第3溶液が、少なくとも1つの無機酸または少なくとも1つの有機酸を含み、酸性pHを有している、請求項1ないし12の何れか1項に記載の方法。
  14. 上記無機酸または有機酸が、塩酸もしくは臭化水素酸などのハロゲン化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、蓚酸、マロン酸、琥珀酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸およびパルモ酸からなる群より選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 上記工程b)において、上記第2溶液に少なくとも1つの無機塩基または少なくとも1つの有機塩基を加える、請求項1ないし12の何れか1項に記載の方法。
  16. 上記少なくとも1つの無期塩基または少なくとも1つの有機塩基が、水酸化ナトリウム、水素化ナトリウム、水酸化カリウム、ピリジン、モルホリン、N−メチル−モルホリン、トリエチルアミン、N,N−ジ−イソプロピルエチルアミン、およびジメチルアミンからなる群より選択される、請求項15に記載の方法。
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