JP2011514657A - ボディ制御ダブルチャネルトランジスタおよびこれを備える回路 - Google Patents

ボディ制御ダブルチャネルトランジスタおよびこれを備える回路 Download PDF

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Abstract

ボディ制御ダブルチャネルトランジスタ(200,400,500P,500N)を提供することによって、高い安定性と共に高い機能性を実現することができる。例えば、前記ボディ制御ダブルチャネルトランジスタ(200,400,500P,500N)に基づいて、スタティックRAMセル(560)に使用可能なフリップフロップ回路(550)を形成でき、これにより、セル当たりの必要なトランジスタの数を削減することができ、この結果、情報密度を上げることができる。

Description

本開示は、一般に、集積回路の製造に関し、より詳細には、トランジスタデバイスの機能性の拡張を可能にし、レジスタ、スタティックRAMセルなどの回路要素の構成を単純化できる可能性を与えるトランジスタアーキテクチャに関する。
マイクロプロセッサ、記憶デバイスなどの最新の集積回路においては、多数の回路要素(特にトランジスタ)が狭いチップ面積に設けられて動作する。ここ数十年にわたり、回路要素の性能向上と特長サイズの微細化が飛躍的に進んでいるにも関わらず、電子デバイスの高い機能性がたゆみなく求められているため、半導体の製造業者は、回路要素を微細化し、その動作速度を向上することが常に求められている。しかし、特長サイズのたゆみない微細化には、プロセス技術を再設計し、新しいプロセス戦略およびツールを開発して、新しい設計ルールに合わせるための多大な労力を伴う。一般に、複雑な論理部分を備える複雑な回路においては、デバイス性能および/または電力消費および/またはコスト効率の観点から、MOS技術が現在の好適な製造技術である。MOS技術によって形成される論理部分を備える集積回路においては、一般に、切り替えモードで動作する(すなわち、デバイスが、導電度の非常に高い状態(オン状態)と高インピーダンス状態(オフ状態)とを示す)多数の電界効果トランジスタ(FET)が提供される。電界効果トランジスタの状態はゲート電極によって制御される。ゲート電極は、適切な制御電圧の印加時に、ドレイン端子とソース端子の間に形成されるチャネル領域の導電性を変えることができる。
図1aは、最新のMOSベースの論理回路で使用される、代表的な電界効果トランジスタ素子の断面図を模式的に示す。トランジスタ素子100は、基板101(例えばシリコン基板)を有し、基板101上に、結晶領域102が形成され、結晶領域102にトランジスタ素子100の更なる構成要素が形成される。また、基板101は、トランジスタ100の更なる構成要素を収容できる特定の膜厚の結晶半導体層が形成されている絶縁性基板でもよい。結晶領域102は、所望のトランジスタ機能を得るために、濃度の異なる二種類以上のドーパント材料を含んでいる。このために、第1の導電型(例えば、N導電型)を規定する高濃度にドープされたドレイン領域およびソース領域104が、結晶領域102内に形成されており、特定の水平方向と垂直方向のドーパントプロファイルを有する。一方、ドレイン領域とソース領域104間の結晶領域102には、ドレイン領域およびソース領域104のそれぞれとPN接合を形成するために、逆の導電型(すなわち、図の例ではP導電型)を与える材料がドープされうる。また、ドレイン領域とソース領域104の間に、比較的薄いチャネル領域103が規定され、この領域は、トランジスタ100がNチャネルエンハンスメント型トランジスタとなる場合、P型材料でドープされ、トランジスタ100がNチャネルデプレッション型トランジスタとなる場合、微量のN型材料でドープされうる。チャネル領域103の上に、ゲート電極105が形成されており、ゲート電極105は、薄いゲート絶縁層106によって、チャネル領域103から分離(このため電気的に絶縁)されている。代表的な最新のトランジスタ素子では、ゲート電極105の側壁に側壁スペーサ107が設けられ、側壁スペーサ107は、イオン注入によるドレイン領域およびソース領域104の形成時および/またはゲート電極105(通常、シリコンベースのトランジスタ素子ではドープドポリシリコンを含む)の導電度を改善するためにその後実施するプロセスで使用されうる。便宜上、金属シリサイド等の更なる構成要素は、図1aには図示されていない。
前述のように、適切な製造プロセスでは、トランジスタ素子100の限界寸法および個々のプロセスマージンを規定する特定の設計ルールに依存する、非常に複雑なプロセス技術が複数使用される。例えば、トランジスタ100の重要な寸法の1つがチャネル長(図1aでは、チャネル領域103の水平方向の長さ)である。このチャネル長は、ドレイン領域およびソース領域104の形成時に、ゲート電極105が、おそらく任意の側壁スペーサ(スペーサ107など)と共に注入マスクとして使用されるため、ゲート電極105の寸法によって実質的に決定される。高度なトランジスタ素子の限界寸法は現在約50nmあるいはそれ以下であるため、集積回路の性能を更に向上させるには、既存のプロセス技術を適応させると共に、新しいプロセス技術および処理装置を開発するための多大な努力が必要になる。トランジスタ素子100の実際の寸法を問わず、基本的な動作方法は、以下の通りである。動作時に、ドレイン領域とソース領域104が、それぞれの電圧(例えばグラウンドと供給電圧VDD)に接続される。ここで、チャネル領域103が、Nチャネルエンハンスメント型トランジスタの機能性を提供するためにP型に微量ドープされているとする。原則的には、図1aに示すトランジスタアーキテクチャが、領域104に関して対称的な場合であっても、左の領域104はグラウンドに接続され、このため「ソース領域」と呼ばれるとする。このため、VDDに接続される右側の領域104は、「ドレイン領域」と呼ばれる。また、結晶領域102も特定の電位(グラウンド電位など)に接続される。なお、以下の説明で言及する電圧は、結晶領域102とソース領域104に供給されるグラウンド電位に対する電圧であるとする。ゲート電極105に電圧が供給されない、つまり、負電圧が供給される場合、少なくともチャネル領域103からドレイン領域104へのPN接合が逆バイアスされ、チャネル領域103内にごく僅かな数の少数電荷キャリアしか存在しないため、チャネル領域103の導電度は、極めて低い値に留まる。ゲート電極105への供給電圧を上げると、チャネル領域102へのゲート電位の容量結合のため、チャネル領域103内の少数電荷キャリア(すなわち電子)の数が増加するが、PN接合への順バイアスがまだ不十分なため、チャネル領域103の総導電度は大きくは上昇しない。ゲート電圧を更に上げると、少数電荷キャリアの数が増大して、PN接合の空間電荷領域が除去されるため、チャネル導電度が急激に上昇し、これにより、電子がソース領域からドレイン領域へと流れることができるように、PN接合が順方向バイアスされる。チャネル領域103の導電度が突然変化するゲート電圧は、しきい値電圧Vと呼ばれる。
図1bは、Nチャネルエンハンスメント型トランジスタの場合のデバイス100の挙動を定性的に示す。ゲート電圧Vが横軸Vにプロットされ、縦軸は、電流(すなわちチャネル領域103を介してソース領域からドレイン領域に流れる電子)を表す。ドレイン電流は印加電圧VDDとトランジスタ100の詳細に依存することが理解されるべきである。いずれにしても、ドレイン電流はチャネルの導電度の挙動を表し、この値は、ゲート電圧Vによって制御されうる。より詳細には、高インピーダンス状態と高導電状態は、スレッショルド電圧Vによって規定される。
図1cは、Nチャネルデプレッション型トランジスタの形で提供される場合(すなわち、チャネル領域103がN型に微量ドープされている場合)のトランジスタ素子100の挙動を模式的に示す。この場合、多数電荷キャリア(電子)は、ゲート電圧がゼロの場合も、ゲート電圧が負の場合であっても、チャネル領域103の導電が得られ、負ゲート電圧が、逆バイアスされるPN接合を規定するために十分な少数電荷キャリアが形成されるのに十分高くなると、チャネル導電度が急激に低下する。Nチャネルデプレッション型トランジスタでは、スレッショルド電圧Vが、Nチャネルエンハンスメント型トランジスタの挙動と比べて負ゲート電圧側にシフトしている。
同様の挙動は、Pチャネルのエンハンスメント型トランジスタおよびデプレッション型トランジスタでも得られる点に留意すべきであるが、負ゲート電圧に対してチャネル導電度が高くなり、ゲート電圧を更に上げると、それぞれのスレッショルド電圧で急激に低下する。
電界効果トランジスタに基づいて、トランジスタ素子100などの更に複雑な回路部品が作製されうる。例えば、レジスタ、スタティックRAM(ランダムアクセスメモリ)およびダイナミックRAMの形の記憶素子は、複雑な論理回路の重要な構成要素である。例えば、複雑なCPUコアの動作時には、大量のデータを一時的に記憶および取得する必要があり、記憶素子の動作速度と容量が、CPUの全体的な性能に大きく影響する。複雑な集積回路で使用されるメモリ階層構造に応じて、異なるタイプの記憶素子が使用される。例えば、レジスタおよびスタティックRAMセルは、その優れたアクセス時間のため、一般にCPUコアに使用され、ダイナミックRAM素子は、レジスタまたはスタティックRAMセルと比べてビット密度が高いため、作業メモリとして好適に使用される。通常、ダイナミックRAMセルは、ストレージキャパシタと1つのトランジスタを備えるが、不可避のリーク電流により失われる、ストレージキャパシタに記憶された電荷を定期的にリフレッシュするために、複雑なメモリ管理システムが必要となる。DRAMデバイスのビット密度は非常に高いものの、周期的なリフレッシュパルスと共に、ストレージキャパシタとの間で電荷を転送しなければならず、このため、DRAMデバイスは、速度および電力消費の点で、スタティックRAMセルよりも低効率である。一方、スタティックRAMセルは、1ビットの情報を記憶するために複数のトランジスタ素子を必要とする。
図1dは、最新の集積回路において一般に使用されうる構成のスタティックRAMセル150を示す。セル150は、例えば、逆接続された2つのインバータ111を有するビットセル110を備える。ビットセル110は、それぞれのセレクトトランジスタ素子114,115によって、ビット線112、あるいは逆ビット線113に接続可能である。ビットセル110(すなわち、インバータ111のほか、セレクトトランジスタ素子114,115)は、例えば、図1aに示すトランジスタ100などのトランジスタ素子から形成されうる。例えば、インバータ111は、それぞれ、トランジスタ100の相補対、すなわち、図1dに示すように結合された1つのPチャネルエンハンスメント型トランジスタと1つのNチャネルエンハンスメント型トランジスタとを有する。同様に、セレクトトランジスタ素子114,115は、Nチャネルエンハンスメント型トランジスタ100から構成されうる。
RAMセル150の動作時に、ビットセル110は、ビット線112と113を、それぞれ、例えば論理ハイと論理ゼロにプリチャージし、セレクトビット116をアクティブにし、ビットセル110をビット線112,113に接続することによって「プログラム」されうる。セレクトビット116をデアクティブ後は、供給電圧がセル150に接続されている限り、あるいは、新しい書き込みサイクルが実行される限り、ビットセル110の状態が保持される。ビットセル110の状態は、例えば、ビット線112,113を高インピーダンス状態にし、セレクトビット116をアクティブにすることによって取得することができる。
図1dから明らかなように、ストレージキャパシタがないためにセル150で高い動作速度を得ることができ、リフレッシュパルスとの同期が不要であるため、ビットセル110のリード時とライト時の管理を簡素化することができる。一方で、1ビットの情報を記憶するのに少なくとも6つの個々のトランジスタ素子100が必要となり、セル150のアーキテクチャの空間利用効率が低い。このため、ビット密度と、速度および性能の要件に関してトレードオフを行う必要があることが多い。
このため、スタティックRAMセルのトランジスタ素子の数を削減するために、図1e,1fを参照して説明するように、従来の電界効果トランジスタよりも機能性の高いスイッチング素子を使用することが提案されている。
図1eは、1ビットの情報を記憶するためのビットセル110を備えた基本的なスタティックRAMセル150の回路図を模式的に示す。ビットセル110はセレクトトランジスタ114に結合され、セレクトトランジスタ114はビット線112とセレクトビット116とに接続されている。ビットセル110は、従来のトランジスタと比べて機能性が高く、導電性が制御可能なように構成されたチャネル領域103を備える半導体素子から構成され、容量結合によってチャネル領域103の制御を可能にするゲート電極105が提供されている。また、出力端子104Sを介してチャネル領域103をゲート電極105に接続するために、例えば、特定の抵抗を有する導電性領域などの形でフィードバック部108が設けられている。更に、チャネル領域103が、対応する(respective)出力端子104Dによって、供給電圧VDDを供給する供給源などの特定の電圧源に接続されうる。ビットセル110は、ゲート電極105に特定の制御電圧が印加されると、チャネル領域103の導電度が、適度な高インピーダンス状態から、適度な高導電状態に変化し、この状態が、初期制御電圧が供給停止された後でも、フィードバック部108を介して保持されるように構成されている。このために、半導体デバイス110は、図1fを参照して後述するように、デバイス110が導電状態になると、印加制御電圧Vとの関連で、チャネル領域103の導電度に関して特定の挙動を示す。
図1fは、上記の構成によって得られるビットセル110の挙動を定性的に示す。図1fにおいては、チャネル103の導電度が、縦軸に任意の単位でプロットされ、ゲート電極105に供給される制御電圧Vが横軸に示される。更に詳細に説明するように、半導体デバイス110は、第2のチャネル領域を提供するなどの構造的手段によって設定されうる特定のスレッショルド電圧V状態において、ゲート電極105の制御電圧Vを更に上げると導電度が低下するように、チャネル103の導電度が多少顕著な変化または局所的最大値を示すように構成されている。以下の説明では、電圧VDDがスレッショルド電圧Vよりも高いとする。このため、スレッショルド電圧Vを上回る初期制御電圧の印加後は、チャネル領域103は、フィードバック部108を介して、ゲート電極105において、供給電圧VDDが出力104Sにおいて若干存在するように高導電状態となる。このため、初期制御電圧の供給を停止した後も、対応する電圧が、導電性チャネル103を介してフィードバック部108からゲート電極105に供給され、最初に供給した制御電圧パルスが供給停止されている間は、例えば、電荷キャリアリークなどによりゲート電極105の電圧が低下する傾向があるために、チャネル導電度が上がるため、理想的には自動安定状態が形成される。したがって、Vでのゲート電極105の電圧の低下に伴う導電度の急激な上昇のため、チャネル103の電圧降下が低下し、チャネル103の導電度を保つためのゲート電極105で必要な電荷が次第に置換され、制御電圧Vがスレッショルド電圧V以上の値に維持される。この結果、供給電圧VDDが供給されている限り、チャネル領域103の多少定常的な導電状態が得られ、これを保持することができる。
図1eを再び参照すると、スタティックRAMセル150の動作時に、スレッショルド電圧V以上の電圧(例えばVDD)でビット線112をプリチャージし、セレクトビット116をアクティブにして、セレクトトランジスタ114をオフ状態からオン状態に切り替えることによって、ビットセル11が書き込まれうる。セレクトトランジスタ114がオン状態のときに、ビット線112の電圧が、フィードバック部108を介してゲート電極105に供給され、図1fに定性的に示すように、ゲート電極105が対応してチャージされ、チャネル領域103の導電度がスレッショルド電圧V以上となる。その後、セレクトトランジスタ114がデアクティブにされ、ビット線112は、リード動作のために準備されるように、高インピーダンス状態に設定されうる。ビットセル110の「自己バイアス」機構のため、セレクトトランジスタ114を介して供給される初期制御電圧パルスが供給停止された場合であっても、チャネル領域103の導電度が適度に高い値に保持される。上記したように、ビットセル110のこの低インピーダンス状態は、ダブルチャネル構成を有するトランジスタを備えるデバイス110の安定性に依存して定常的であり、供給電圧VDDが存在するか、あるいは新しい書き込みサイクルが開始される限り、この値に維持される。
ビットセル110のリード時には、ビット線112が高インピーダンス状態であり、セレクト線116をアクティブにすることによって、セレクトトランジスタ114がオン状態に切り替えられうる。ビットセル110の自己バイアスされた高導電状態のため、ビット線112を電圧VDDにするために、電荷が供給電圧源VDDからビット線112に供給され、これが、対応するセンスアンプ(図示せず)によって検出されうる。このため、ビットセル110の自己バイアス状態に対応する論理状態を識別し、読み出すことができる。同様に、例えば、ビット線112をグラウンド電位にプリチャージして、セレクト線116をアクティブにすることによって、ビットセル110に高インピーダンス状態が書き込まれうる。この場合、グラウンド電位が、フィードバック部108を介してゲート105に供給される。ビット線112の固有抵抗は、高導電状態におけるチャネル領域103の抵抗よりも著しく低いと考えられ、このため、チャネル領域103は、高インピーダンス状態に設定され、この状態が、セレクト線116をデアクティブにすることによってビット線112が出力104Sから切り離されても保持される。
半導体ビットセル110は、原理的に、スタティックRAMセルに極めて簡略なアーキテクチャを提供することができるものの、データの完全性は、後述するように、半導体デバイス110(すなわち、ダブルチャネルトランジスタ)の動作挙動の安定性に依存する。しかし、遷移スロープ(図1f参照)の局所的最大値は、従来のダブルチャネルトランジスタに基づく半導体ビットセル110の安定動作を得るのに望ましい程は大きくはない。
本開示は、上に記載した問題の影響の1つ以上を回避することができるか、少なくとも低減させることができる各種のデバイスを対象としている。
以下では、本発明の一部の態様の基本を理解できるように、発明の概要を説明する。この概要は、本発明のすべてを概観するものではない。本発明の主要または重要な要素を特定したり、本発明の範囲を詳細に記載することを意図するものでもない。その唯一の目的は、下で説明する詳細な説明に先だって、概念の一部を簡潔に示すことにある。
一般に、ここに開示の主題は、従来の電界効果トランジスタと比べて高い機能性が図られたトランジスタデバイスに関し、トランジスタのボディ領域内にドープ領域が提供され、これによってトランジスタのトランスコンダクタンスを変えて局所的極値(例えば最大値)が規定される。更に、適切な制御信号の引加によりボディ電位の個々の制御を可能にするように構成されたボディコンタクトを提供することにより、望ましい著しく顕著な局所的最大値を得ることができる。したがって、ボディコンタクトまたは端子によってボディ領域を適切に制御することによって、遷移スロープ内に局所的に発生する最大値を大きくすることができ、これが直接、動作の安定性の改善につながる。ドレイン領およびソース領域と同じ導電型のドープ領域が形成されているボディ制御トランジスタの概念(このような構成は、ここでは「ダブルチャネルトランジスタ」と呼ぶ)の使用は、個々のトランジスタ構成要素の数を削減しつつ、フリップフロップなどの電子回路の形成を可能にし、これにより、高度な半導体デバイスの機能性および/または実装密度を改善することができる。このため、ここに開示の一部の例示的な態様においては、情報密度が大きく改善されたスタティックメモリセルを形成することができる。
ここに開示の1つの例示的な半導体デバイスは、電界効果トランジスタを有する。前記電界効果トランジスタは、第1の導電型を有するドレイン領域およびソース領域と、少なくとも前記ドレイン領域と前記ソース領域の間に形成され、前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有するボディ領域とを有する。更に、前記半導体デバイスは、前記ボディ領域のチャネル領域の上に形成され、絶縁層によって前記チャネル領域から分離されたゲート電極も有する。また、前記ドレイン領域と前記ソース領域の間に前記第1の導電型を有するドープ領域が配置されている。最後に、前記半導体デバイスは、前記ボディ領域に接続されたボディ端子を有し、前記ボディ端子は、可変制御電圧を受け取るように構成されている。
ここに開示の1つの例示的な電子回路は、電界効果トランジスタを有する。前記電界効果トランジスタは、第1の導電型を有するドレイン領域およびソース領域と、少なくとも前記ドレイン領域と前記ソース領域の間に形成され、前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有するボディ領域とを有する。また、ゲート電極が、前記ボディ領域のチャネル領域の上に形成され、絶縁層によって前記チャネル領域から分離されている。前記ドレイン領域と前記ソース領域の間に前記第1の導電型を有するドープ領域が配置されている。更に、前記ボディ領域に接続され、可変制御電圧を受け取るように構成されたボディ端子を有する。また、前記電子回路は、前記電界効果トランジスタに接続された回路素子と、前記ボディ端子に接続された信号入力端子および/または信号出力端子とを有する。
ここに開示の1つの例示的なスタティックRAMセルは、リード信号およびライト信号の少なくとも一方を受け取るように構成されたセレクトトランジスタを有する。前記スタティックRAMセルは、前記セレクトトランジスタに接続された第1のボディ領域を有し、前記第1のボディ領域への前記リード信号およびライト信号の少なくとも一方の選択的印加を可能にする第1の電界効果トランジスタを有する。
代表的な従来の電界効果トランジスタの断面図。 Nチャネルエンハンスメント型トランジスタのドレイン電流の変化、すなわち、印加ゲート電圧に対するチャネル導電度の変化のプロット。 Nチャネルデプレッション型トランジスタのドレイン電流の変化、すなわち、印加ゲート電圧に対するチャネル導電度の変化のプロット。 少なくとも6つの個々のトランジスタ素子を備える代表的な従来のスタティックRAMセルの回路図。 自己バイアス半導体デバイスを備える記憶素子の回路図。 自己バイアスされた定常的な導電状態を得るために、印加制御電圧に対するチャネル導電度の関係の定性的なプロット。 ここに開示の例示的な実施形態に係るN型ダブルチャネルトランジスタについて、逆極性にドープされた2つのチャネル領域を有するトランジスタ素子の断面図。 ここに開示の例示的な実施形態に係るP型ダブルチャネルトランジスタについて、逆極性にドープされた2つのチャネル領域を有するトランジスタ素子の断面図。 更に別の例示的な実施形態に係る、第2の「チャネル」領域がドレイン領域およびソース領域から実質的に分離されうるダブルチャネルトランジスタ素子の断面図。 更に別の例示的な実施形態に係る、第2の「チャネル」領域がドレイン領域およびソース領域から実質的に分離されうるダブルチャネルトランジスタ素子の断面図。 例示的な実施形態に係る、ダブルチャネルトランジスタのボディに接続するボディコンタクトを有するSOI構成のダブルチャネルトランジスタの模式的に上面図。 例示的な実施形態に係る、同じ導電型を有するドレイン領域とソース領域の間に分離されたドープ領域を形成する各種製造段階におけるトランジスタ素子の断面図。 例示的な実施形態に係る、同じ導電型を有するドレイン領域とソース領域の間に分離されたドープ領域を形成する各種製造段階におけるトランジスタ素子の断面図。 例示的な実施形態に係る、N形ダブルチャネル電界効果トランジスタから得られる遷移スロープの測定データを模式的に示す図。 例示的な実施形態に係る、P型ダブルチャネル電界効果トランジスタから得られる遷移スロープの測定データを模式的に示す図。 例示的な実施形態に係る、P型ダブルチャネル電界効果トランジスタから得られる遷移スロープの測定データを模式的に示す図。 例示的な実施形態に係る、局所的最大値を有する回路の遷移スロープを得るために、抵抗構成要素と共に、P型ダブルチャネルトランジスタを備える電子回路の回路図。 例示的な実施形態に係る、局所的最大値を有する回路の遷移スロープを得るために、抵抗構成要素と共に、N型ダブルチャネルトランジスタを備える電子回路の回路図。 遷移スロープ、すなわち、図4a,4bの回路のボディ端子に供給する入力電圧を変えたときの出力電圧の測定データを模式的に示す図。 例示的な実施形態に係る、インバータの回路図と、対応する遷移スロープを模式的に示す図。 例示的な実施形態に係る、インバータの回路図と、対応する遷移スロープを模式的に示す図。 更に別の例示的な実施形態に係る、モノフロップ回路の回路図と、測定信号スロープを模式的に示す図。 更に別の例示的な実施形態に係る、モノフロップ回路の回路図と、測定信号スロープを模式的に示す図。 例示的な実施形態に係る、2つのトランジスタに基づく別個の入力と出力を有するフリップフロップ回路を表す回路図。 例示的な実施形態に係る、2つのトランジスタに基づく共通の入出力を有するフリップフロップ回路を表す回路図。 例示的な実施形態に係る、キャリア基板に形成された別個の回路要素とダブルチャネルトランジスタによる電子回路を模式的に示す図。 例示的な実施形態に係る、キャリア基板に形成された別個の回路要素とダブルチャネルトランジスタによる電子回路を模式的に示す図。 例示的な実施形態に係る、図5eのフリップフロップ回路の測定信号応答を模式的に示す図。 例示的な実施形態に係る、P型ダブルチャネルトランジスタに基づいて形成されたフリップフロップ回路を模式的に示す図。 例示的な実施形態に係る、P型ダブルチャネルトランジスタに基づいて形成されたフリップフロップ回路を模式的に示す図。 更に別の例示的な実施形態に係る、トランジスタ素子の数が少ないメモリセル(すなわち、スタティックメモリセル)の回路図を模式的に示す図。 更に別の例示的な実施形態に係る、トランジスタ素子の数が少ないメモリセル(すなわち、スタティックメモリセル)の回路図を模式的に示す図。
添付の図面と併せて下記の説明を読めば、本発明が理解されるであろう。添付の図面においては、同一の参照符号は同じ要素を参照している。
本明細書に記載の主題は、種々の変形および代替の形態を取りうるが、その特定の実施形態が、図面に例として図示され、ここに詳細に記載されているに過ぎない。しかし、この特定の実施形態の詳細な説明は、本発明を開示した特定の形態に限定することを意図するものではなく、反対に、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の趣旨ならびに範囲に含まれる全ての変形例、均等物および代替例を含む点に留意すべきである。
次に、各種の例示的な実施形態について説明する。簡潔を期すために、実際の実装の特徴を全て本明細書に記載することはしない。当然、実際の実施形態の開発においては、システム上の制約およびビジネス上の制約に適合させるなど、開発の具体的な目的を達成するために、実装に固有の判断が数多く必要とされ、これは実装によって変わるということが理解される。更に、この種の開発作業は複雑かつ時間がかかるものであるが、本開示の利益を受ける当業者にとって日常的な作業であるということを理解されたい。
次に、添付の図面を参照して本主題を説明する。説明のみを目的として、当業者に知られている細かい点を説明して本開示をわかりにくくすることのないように、さまざまな構造、システムおよびデバイスが、図面で模式的に示されている。本明細書において使用される語句は、関連技術の当業者が理解している意味と同じ意味に使用されていると理解および解釈すべきである。本明細書においてある語句が矛盾なく用いられている場合、その語句が特別な定義を有する、すなわち通常かつ慣用的に用いられ、当業者が理解している意味と異なる定義を有することはない。ある語句が特別な意味を有する、すなわち当業者の理解とは異なる意味に用いられる場合は、そのような特別な定義は本明細書に明示的に記載して、その特別な定義を直接的かつ明確に示す。
一般に、ここに開示の主題は、論理回路、発振器などの、複数の回路タイプの回路アーキテクチャを改善するための半導体デバイスおよびそれぞれの技術に関し、特に、レジスタ、スタティックメモリセルおよびその他の回路の空間効率の高い構成を可能にする。このために、拡張された機能性を得るために、電界効果トランジスタの特性が変更される。この変更は、追加のドープ領域を得るためにボディ領域を変更することによって行うことができ、変更したチャネル領域、このためトランジスタ素子全体の応答が、追加のボディコンタクトに基づいて制御されうる。ボディ領域を制御入力として適切に使用して、これによって、トランジスタ遷移スロープ中に最大値などの顕著な局所的極値を得ることにより、ダブルチャネルトランジスタのデバイス安定性の大幅な向上を図ることができる。この値は、同じタイプの従来の回路よりも改善または拡張された機能性を与えるため、および/または、個々の電子回路のより空間効率の高い集積化を実現するために、例えば、スタティックRAM構成要素などとして使用されうるマルチ状態論理素子(フリップフロップ)の形で複数の電子回路に使用されうる。
ここに開示の原理によれば、トランジスタ素子の機能的挙動は、Pチャネル様の挙動およびNチャネル様の挙動の組み合わせと考えることができ、これによって、遷移スロープ中に望ましい局所的最大値が得られ、これを、電子回路の機能性を拡張するために有利に使用することができる。Pチャネル様の挙動とNチャネル様の挙動間の遷移は、ダブルチャネルトランジスタのボディ領域を有効な制御入力として使用することにより、安定的かつ再現可能な方法で行うことができる。
図2aは、自己バイアス回路(図1eの自己バイアスビットセル110など)の形成に使用されうるトランジスタ素子200の断面図を模式的に示す。トランジスタ素子200は基板201を有し、基板201は、バルク半導体基板、結晶半導体層が形成された絶縁基板など、どのような適切な基板でもよい。特定の実施形態では、現在、そして近い将来も、複雑な集積回路の大多数がシリコンに基づいて作製されるため、基板201はバルクシリコン基板またはシリコンオンインシュレータ(SOI)基板などである。しかし、ここに開示の原理が他の半導体材料(例えばガリウムヒ素、ゲルマニウムなど)に基づいて実施されてもよいことが理解されるべきである。基板201に、特定の導電型の領域202を提供するための特定のドーパント材料を含有する実質的に結晶性の半導体領域202が形成されている。図2aに示す実施形態では、半導体領域202は、P導電型を提供するようにドープされる。領域202に隣接して、半導体領域202とは逆の導電型を与えるドーパント材料を含有するドレイン領域およびソース領域204が形成されている。本例では、ドレイン領域およびソース領域204と半導体領域202の間の界面に対応するPN接合が形成されるように、ドレイン領域およびソース領域204は多量にドープされる。また、ドレイン領域とソース領域204の間にチャネル領域203が形成されている。
1つの例示的な特定の実施形態では、チャネル領域203は、ドレイン領域およびソース領域204に対して逆極性にドープされた第1のチャネル部分領域203Aを有しうる。このため、第1のチャネル部分領域203Aは、例えば、図1aのトランジスタ100を従来のエンハンスメント型トランジスタの「従来の」チャネル領域とみなすことができる。また、本実施形態では、チャネル領域203は、第1のチャネル部分領域203Aと逆極性にドープされ、このため「デプレッション型」チャネルとみなすことができる第2のチャネル部分領域203Bも更に有する。図2aのトランジスタデバイス200はN型トランジスタであるため、第1のチャネル部分領域203AはP型にドープされ、第2のチャネル部分領域203BはN型にドープされる。トランジスタ素子200は、容量結合によって第1のチャネル部分領域203Aおよび第2のチャネル部分領域203Bの制御を可能にするように配置されたゲート電極205も更に有する。図の実施形態では、二酸化シリコンおよび/または窒化シリコンおよび/または酸窒化シリコンおよび/またはhigh−k誘電材料から構成されたゲート絶縁層206によって、ゲート電極205がチャネル領域203から分離されている。また、トランジスタ素子200は、チャネル領域203の構成のためにここでは「ダブルチャネルトランジスタ」とも呼ばれるが、ゲート電極205の側壁に形成された側壁スペーサ207を有しうる。図示されていないが、ゲート電極205と、ドレイン領域およびソース領域204とが実質的にシリコンから構成される場合、金属シリサイドなどの更なる構成要素が、設計要件に応じて設けられてもよいことが理解されるべきである。更に、本発明によって、せり上げドレイン領域およびソース領域、finFET素子などの他のトランジスタ構成が使用されてもよいことに留意されたい。また、一般に、ドレイン領域およびソース領域204とゲート電極205とに電気的接続を提供するコンタクト部は図示されていない。一部の例示的な実施形態では、ドレイン領域とソース領域204の一方をゲート電極205に接続する接続が提供されうる。対応する接続が、いわゆる局所的な相互接続の形で規定されても、デバイスレベルの上に形成されるメタライゼーションレベルの一方に規定されてもよい。別の場合には、それぞれのゲート端子、ドレイン端子およびソース端子が個々にアクセス可能であってもよい。
トランジスタ200は、ドレイン領域およびソース領域204とチャネル領域203とに対応しない半導体領域202の一部に接続するコンタクト領域208を更に有しうる。通常、半導体領域202のこの部分は、ボディまたはバルク領域と呼ばれ、202Bで示される。したがって、コンタクト領域208は、ボディ領域202Bに電気的に接続される一方、少なくとも特定の電気的構成について、個々のPN接合によって、ドレイン領域およびソース領域204とチャネル領域203とから電気的に分離されうる。コンタクト領域208は、図2aには模式的にしか示されていないコンタクト構造208Aと適切に接続されており、どのような適切な回路装置を使用することができ、これについては後で詳細に説明する。したがって、コンタクト領域208は、コンタクト構造208Aによって、後で詳細に説明する可変制御電圧に接続されうる。基板201の全体的な構成に応じて、可変制御電圧を共通に印加することが適切であると考えられる場合、コンタクト領域208が、トランジスタの複数のボディ領域に接続されてもよいことが理解されるべきである。別の例示的な実施形態では、想定する回路機能が必要とするそれぞれの可変制御電圧が、トランジスタ素子に個々に印加されてもよい。
図2bは、P型トランジスタとして構成される場合のトランジスタ素子200を模式的に示す。このため、図2bのトランジスタ素子200は、図2aを参照して上で説明したものと同じ構成要素を備えるが、ドレイン領域およびソース領域204、チャネル部分領域203A,203B、半導体領域202(このためボディ領域202Bも)が、図2aのデバイスと逆極性にドープされている点が異なる。
図2aまたは図2bに示す半導体デバイス200を形成するための代表的なプロセスフローには、以下のプロセスが含まれうる。トランジスタ200の全体的な寸法を規定し、隣接する回路要素間を電気的に絶縁する分離構造(図示せず)を形成した後に、実績のあるイオン注入サイクルによって、半導体領域202の垂直方向のドーパントプロファイルが形成されうる。このイオン注入シーケンス中に、チャネル領域203の垂直方向のドーパントプロファイルも規定されうる。例えば、イオン注入によって半導体領域202にP型材料をドープした後、および/または事前ドープされた基板を提供することによって、または、ドーパントを含む堆積雰囲気中でエピタキシャル成長半導体層を形成することによって、第2のチャネル部分領域203Bに対応するN型ドープ領域が作成されうる(図2a)。このために、第2のチャネル部分領域203Bを形成するためのN型ドーパント材料のイオン注入時のチャネリング効果を低減させるために、半導体領域202の表面部分が事前にアモルファス化されうる。その後、P型ドープされた第1のチャネル部分領域203Aを形成するために、更に別のイオン注入シーケンスが実施されうる。この2回の注入サイクルでは、半導体領域202内に所望の濃度および特定の深さを得るために、ドーズ量および注入エネルギーが適切に選択されうる。対応するプロセスパラメータは、シミュレーション計算および/またはテストランを行うことによって容易に得ることができる。別の実施形態では、必要な型のドーパントを含む堆積雰囲気中で、1〜2層の半導体層がエピタキシャル成長されうる。例えば、半導体領域202上にN型半導体層が成長され、その後、所望の膜厚のP型半導体層がエピタキシャル成長されうる。同様に、第2のチャネル部分領域203Bを形成するために半導体領域202に注入が行われ、その後、ドーパント含有雰囲気内でのエピタキシャル成長によって第1のチャネル部分領域203Aの層が形成されうる。また、ゲート電極205によるチャネル領域203の制御性を得るために、最終的なしきい値を調整するために、チャネル領域203の形成後に、追加のスレッショルド電圧注入が行われてもよい。その後、ゲート絶縁層206およびゲート電極205が、従来実績のあるプロセスに従って形成され、その後、ドレイン領域およびソース領域204を形成するための高度な注入サイクルが実施されうる。その後、実績のあるプロセス技術に従って、ドレイン領域およびソース領域204、半導体領域202、ならびにチャネル領域203中のドーパントを活性化し、アモルファス化または損傷した結晶部分を再結晶させるためのアニールサイクルを含む更に別のプロセスが実施され、続いて、シリサイド形成などの他のプロセスが実施されうる。
図2cは、更に別の例示的な実施形態に係る半導体デバイス200の断面図を模式的に示し、チャネル領域203は、前述したものと同じ構成の第1のサブチャネル203Aを有しうる。更に、第2のサブチャネル203Bは、ボディ領域202B内で「ドープ領域」とも呼ばれるが、ドレイン領域およびソース領域204から実質的に分離されうる。すなわち、それぞれの部分202が、ボディ領域202Bおよびチャネル部分領域203Aに対応する導電型を有するため、NチャネルトランジスタではP導電型を有するボディ領域202が、チャネル部分領域203Aと直接接続しうる。すなわち、ドープ領域または第2のサブチャネル203Bを、ドレイン領域とソース領域204の間に配置された「アイランド」とみなすことができる。更に、図の実施形態では、ドレイン領域およびソース領域204の一方に横方向に隣接してコンタクト領域208が設けられ、ドレイン領域およびソース領域204とコンタクト領域208とを分離するために分離構造209Bが設けられうる。別の例示的な実施形態では、それぞれのPN接合が、ドレインまたはソース領域204をコンタクト領域208から分離するように、分離構造209Bが省略されてもよい。一部の例示的な実施形態では、コンタクト領域208を横方向に隣接して備えるトランジスタ200を、他の回路要素から分離するために、更に別の分離構造209Aが設けられうる。したがって、この構成においては、コンタクト構造208Aは、ドレイン領域およびソース領域204とゲート電極205とに接続するコンタクト構造と共通の製造シーケンスで形成することができる。図2cのトランジスタ200がバルクトランジスタ構成またはSOI構成でもよく、ボディ領域202Bの下に埋込み絶縁層が配置されてもよいことが理解されるべきである。
図2dは、埋込み絶縁層210を含むSOI構成を表す更に別の例示的な実施形態に係るトランジスタ200を模式的に示す。更に、チャネル部分領域203Bまたはドープ領域が、上記したように、分離された領域として設けられてもよい。
図2eは、デバイス200の上面図を模式的に示し、コンタクト領域208が、ドレイン領域およびソース領域204またはこれらの領域の少なくとも一方に隣接して、間に分離構造を設けずに形成されている。また、この場合、コンタクト構造208Aは、ゲート電極205とドレイン領域およびソース領域204との間の個々のコンタクトと一緒に、共通プロセスシーケンスで効率的に形成することができる。
図2c〜2eに示すトランジスタ200は例示に過ぎず、チャネル領域203のダブルチャネル構成を、ボディ領域202に制御電圧を印加するために、ボディ領域202Bに接続するための適切に設計されたコンタクト領域208と組み合わせて提供できる限り、どのような適切な他のトランジスタアーキテクチャが使用されてもよいことが理解されるべきである。
図2fは、例えば、実質的に分離された「アイランド」としてドープ領域またはチャネル領域203Bを形成するための初期の製造段階における、図2cまたは2dに示すデバイス200を模式的に示す。図に示すように、分離構造209Aおよび/または209B(図2c)などの分離構造の形成前あるいはその後に、適切に設計された注入プロセス211に基づいて、領域203Bが形成されうる。別の場合には、領域203Bがドープ層の形で設けられてもよく、この場合、前述したように、エピタキシャル成長法に基づいて行うことができる。
図2gは、製造が進んだ段階のトランジスタ200を示し、ゲート電極205が形成されており、二酸化シリコン、窒化シリコンまたは任意の他の適切な材料から形成されうるオフセットスペーサ要素205Aを有しうる。更に、半導体層202内に所望のドーパントプロファイルを形成して、ボディ領域202B(図2c)を形成するための任意の他の必要な注入プロセスに加えて、ボディ領域202に必要な、同じ導電型を提供するドーパント種を挿入するために、傾斜ハロ注入プロセス212が実施されうる。ハロ注入212は、ドレイン領域とソース領域204の間に適切なドーパント勾配を形成することに加えて、注入212によって変更されない半導体層202内の任意の領域における導電型を反転させるために十分なドーパント濃度も与えうる。このため、ドーパント種の導入後は、実質的に「アイランド」様の領域が得られ、これがチャネル部分領域203Bとなりうる。
ドープ領域203Bが実質的に分離されたチャネル領域であることが望ましい場合、ドープ領域203Bを形成するための他のどのようなプロセス技術を適用してもよいことが理解されるべきである。したがって、ドープ領域203Bを、ドレイン領域およびソース領域204に接続している「接続された」チャネル領域の形で提供するか、あるいは絶縁した領域(例えば図2d〜2gに示す領域)で提供するかに関わらず、チャネル領域203を形成するために、電界効果トランジスタを形成するための従来の製造プロセスとの高度な適合性を得ることができる。このため、全体的な製造フローを大きく変更せずに、ダブルチャネルトランジスタ200を、複数の半導体設計中に容易に実施することができる。
トランジスタ200の完成後に、コンタクト領域208がデバイス200の前面から接触する場合、それぞれのコンタクト構造を実績のあるプロセス技術に基づいて形成することができる。別の場合には、実績のあるバックサイドコンタクト方式を使用してもよい。
トランジスタ素子200の基本的な動作挙動は、例えば図2cに示すトランジスタ200の形では「N型トランジスタ」と呼ばれうる。すなわち、ドレイン領域およびソース領域と、領域またはチャネル部分領域203BとがN導電型を有し、ボディ領域がP導電型を有しうる。このため、ドレイン領域およびソース領域204に適切な電圧が引加された状態で、コンタクト領域208を介して、ゲート電極205とボディ領域202Bとに、それぞれの制御電圧が引加されうる。このため、ゲート電極205およびボディ領域202Bによってチャネル領域203の導電度を変えることができ、これにより、トランジスタ200の応答が、P型挙動からN型挙動に、またこの逆に変化しうる動作挙動が得られる。すなわち、特定の電圧範囲の間で、トランジスタ200の応答を、ボディ領域202Bに供給する制御電圧によって支配することができるが、それ以外の電圧区間では、トランジスタ応答が、ゲート電極205における電圧によって実質的に決定され、これによって、遷移スロープ中に望ましい局所的最大値を形成することができる。
図3aは、N型トランジスタの形のトランジスタ200から得られる測定データを模式的に示し、コンタクト領域208に供給する制御電圧Vを変えた場合に、ドレイン−ソース領域間の電流(縦軸)が、ゲート電極205に供給する制御電圧V(横軸)に対してプロットされている。図3aに示すように、ボディ領域202Bに供給する制御電圧Vが約0〜1ボルト(便宜上、V=+0.5〜−0.1Vの個々のスロープのみを示す)の範囲において、それぞれの代表的なトランジスタ挙動を得ることができる。特定の「スレッショルド電圧」において、電流の恒久的な増加が観察されるが、これが、顕著な増加を有する各種曲線Bに示すように、ボディ電圧の変化に伴ってシフトする。一方、ボディ電圧を高い負の値に上げると、ゲート電圧の制御効果が著しく低下し、その結果、ゲート電圧に対する電流の依存性が適度に低下する一方で、曲線Aに示すように、ボディ領域202Bに供給する制御電圧Vの変化に伴い電流が大きく変化する。
図3b,3cは、P型ダブルチャネルトランジスタのそれぞれの測定データを模式的に示す。図に示すように、図3bは、ゲート電圧(横軸)を−1ボルト〜+1ボルトに変化させ、ボディ電圧も−0.5〜−1ボルトに変化させた場合のドレイン/ソース電流(縦軸)を示す。図に示すように、ボディ電圧Vを変えることで、ドレイン/ソース電流を大きく変化させることができるが、ゲート電圧Vに対する依存は小さい。
一方、図3cは、ボディ電圧が+1ボルトの場合のトランジスタの応答を模式的に示し、ゲート電極に供給する制御電圧Vに対して電流の流れを変え、これにより、実質的にNチャネル様の挙動を実現することができる。
ゲート電極205に供給する制御電圧とボディ領域202Bに供給する制御電圧間の相互作用のため、遷移スロープ中により顕著な局所的最大値を得ることができる。このようにして、次に説明するように、高い機能性および/または空間消費の低減を実現した新しい回路構成を提供することができる。
図4aは、図2a〜2gを参照して上で説明したのと同様であり、図3b〜3cを参照して説明した動作挙動を有しうる、P型ダブルチャネルトランジスタを有する電子回路の回路図を模式的に示す。このため、電子回路450は、ゲート端子405を備えるトランジスタ400を有し、ゲート端子405は、ドレイン端子404Dに接続されうる。一方、ソース端子404Sは、供給電圧VDDに接続されうる。更に、ボディコンタクト408Aは、回路450の入力として使用されうる。抵抗素子(例えば、シャント抵抗420)がトランジスタ400(すなわちノード421)に接続され、トランジスタ400は、出力端子としても機能し、かつドレイン端子404Dおよびゲート端子405にも接続されうる。
図4bは、N型トランジスタ400が提供されうる構成の回路450を模式的に示す。このため、ソース端子404Sはグラウンド電位に接続され、抵抗素子420は供給電圧VDDに接続されうる。
図4a,4bに示す回路450は、遷移スロープ中に顕著な局所的な最大値と最小値を得ることができる回路構成を表しうる。すなわち、ボディ端子408Aに接続する入力電圧を変えた場合の応答により、出力電圧が、トランジスタの従来の遷移スロープとは逆に、特定の電圧範囲で局所的な最大値と最小値を有するようになる。
図4cは、図4a,4bに示す回路450から得られるそれぞれの測定データを模式的に示す。横軸は、参照電位(例えばグラウンド電位)に対する入力電圧を表す。左側の縦軸は、回路ノード421において得られる出力電圧を表す。右側の縦軸は、ボディコンタクト408Aを流れる入力電流を表す。
図4cの曲線Aは、遷移スロープ(すなわち、図4aの回路450のノード421において得られる出力電圧の変化)を表す。図に示すように、左側においては、入力電圧を上げると、出力電圧が上がり、このためトランジスタ400の導電度を下げることができる。このため、入力電圧のこの範囲では実質的にNチャネルトランジスタ様の挙動を得ることができる。入力電圧を上げると、増加がさほど顕著でない区間の後に、出力電圧が低下する。この挙動は、入力電圧の増加に伴ってトランジスタ400の導電度が低下するため、P型チャネルトランジスタを示しうる。入力電圧を更に上げると、出力電圧の更なる増加が観察され、これはNチャネル様の挙動とみなすことができる。したがって、Pチャネル挙動に対応する領域に挟まれた、Nチャネル様の挙動に対応する領域により、導電度の顕著な最大値と、このため出力電圧の最小値を得ることができる。
図4cの曲線Bは、ボディコンタクト408Aから引き出して測定した入力電流を表し、低い入力電圧において顕著な負の値を有し、Pチャネル挙動に対応する領域において実質的にゼロに達する大きさに著しく低下しうる。
同様に、曲線Cは、N型ダブルチャネルトランジスタ400を有する図4bの回路450の遷移スロープを表す。図に示すように、低い入力電圧を始点とし、入力電圧の増加に伴い出力電圧が増加し、入力電圧の上昇に伴い導電度が低下するため、Pチャネル様の挙動を表す。約0.6ボルトの入力電圧において、入力電圧の増加に伴い出力電圧が低下し、入力電圧の増加に伴いトランジスタ400の導電度が上昇するため、Nチャネル様の挙動を示す。入力電圧を更に別に上げると、入力電圧の増加と共にトランジスタ400の導電度が低下し、出力電圧が増加するため、実質的にPチャネル様の挙動を得ることができる。
基本的な回路構成450から、以下に説明する他の回路が画定されてもよい。
図5aは、電子回路550を模式的に示す。この場合、例えば、P型ダブルチャネルトランジスタとN型ダブルチャネルトランジスタが、例えば、回路450を参照して説明したように、個々の抵抗性負荷として機能するように結合され、これによりインバータ機能が得られる。図に示すように、インバータ550は、上記したのと同じ構成を有しうるN型チャネルトランジスタ500Nを備えうる。同様に、上記したような構成を有するP型ダブルチャネルトランジスタ500Pが提供されうる。信号入力が、トランジスタ500Pのボディコンタクト508Aに接続されうる。一方、信号出力が、トランジスタ500Nのボディコンタクト508Aに接続されうる。また、トランジスタ500Nのソース504Sは、グラウンド電位または負電源電圧VSSに接続され、ゲート505とドレイン504Dは入力ノードに、このためトランジスタ500Pのボディコンタクト508Aに接続される。P型ダブルチャネルトランジスタ500Pのソース504Sは供給電圧VDDに接続され、ドレイン504Dとゲート505は出力ノードに接続される。
図5bは、入力電圧を−1.0〜1.0Vに変えたときの、インバータ550の応答を模式的に示す。図に示すように、インバータ550は3つの明確な異なる出力値を有し、−1〜約0.5の入力電圧では、約0.7ボルトの「高レベル」を得ることができる。更に、約0.1ボルトの入力電圧に対して更なる「高レベル」が得られ、約0.8ボルトの入力電圧に対して「低レベル」が得られうる。このため、出力信号の一部が入力に適切にフィードバックされる場合に、インバータ550の挙動を、例えば発振回路に使用することができる。また、回路550を論理回路に組み込んで、複数の論理状態を提供してもよく、この構成は、少ない回路要素数でより多くの論理状態を実現できるため、全体的な回路効率を改善するために使用することができる。
図5cは、更に別の例示的な実施形態に係る回路550を模式的に示し、制御可能なボディコンタクトを有する少なくとも1つのダブルチャネルトランジスタを使用することにより、「モノフロップ」回路を形成することができる。図に示す回路550では、N型ダブルチャネルトランジスタ550が、別の回路素子520(例えば、従来のシングルチャネル電界効果トランジスタ、あるいはダブルチャネルトランジスタであるPチャネルトランジスタ)と組み合わせて提供され、ボディコンタクトがトランジスタ520のソースに接続されうる。図に示すように、入力ノードVinが、ゲートおよびドレイン505,504Dのほか、トランジスタ520のゲートにも接続されうる。一方、出力電圧ノードVoutは、ボディコンタクト508Aと、トランジスタ520のドレインとに接続されうる。図5cに示すような回路550が、P型ダブルチャネルトランジスタに基づいて提供されてもよく、この場合、「負荷トランジスタ」520の代わりにNチャネルトランジスタが使用されうる点が理解されるべきである。
図5dは、約0.85ボルトに対応するモノフロップ550の出力を最初に設定するためのパルスの印加後の、入力ノードVinおよび出力ノードVoutにおける電圧を示す図を模式的に示す。この状態は、別の入力パルス(例えばVDDに対するパルスAまたはVSSに対するパルスB)には依存せず、安定であってもよい。このため、回路550は、一度設定されると、入力電圧の変化に応答せず、この状態を保持することができる。
図5eは、別の例示的な実施形態に係る電子回路550を模式的に示す。基本的に、回路550は図5cの回路550に対応するが、入力と出力が入れ替わっている。すなわち、図5eに示す回路550は、N型ダブルチャネルトランジスタ500Nを有し、N型ダブルチャネルトランジスタ500Nは、従来のシングルチャネルトランジスタPチャネルトランジスタ、あるいは、制御入力がソース端子520Sに接続されているP型ダブルチャネルトランジスタとして提供されたPチャネルトランジスタ520に接続されている。このため、入力ノードINがボディコンタクト508Aに接続され、出力OUTが、ドレイン504Dとゲート505に接続されている。このようにして、回路550は、フリップフロップ回路としてみなすことができ、適度に高いまたは低い電圧(例えばVDDまたはVSS)の入力パルスが、回路550(すなわち、その出力)を2つの異なる安定状態に設定しうる。
図5fは、更に別の例示的な実施形態に係る回路550を模式的に示し、回路550は、図5eに示すものと基本的に同じ構成を有しうるが、ノード521が入力ノードと出力ノードとして使用されうる。
図5gは、更に別の例示的な実施形態に係る回路550を模式的に示し、この場合、それぞれの構成要素(すなわち、ダブルチャネルトランジスタ500と別の回路素子520)が、別個の素子として提供されうる。このため、図5gの回路550は、パッケージ530Aを有するトランジスタ500を有し、パッケージ530Aは、適切なコンタクトメタライゼーション構造と組み合わせて、前述したようなトランジスタ構成を有する半導体チップを収容するための任意の適切なキャリア材料を表すことができる。同様に、例えばダブルチャネルトランジスタ、シングルチャネルトランジスタ、抵抗性構造などの形の回路部品520が、任意の適切な構成を有するパッケージ530Bと共に設けられうる。更に、個々のノードまたはコンタクト素子522が、パッケージ530A,530Bと共に、基板材料531(例えば、プリント基板など)に取り付けられうる。
図5hは、電子回路550を模式上面図において模式的に示し、個々の端子(すなわち、ゲート端子505、ドレインおよびソース端子504D,504Sおよびボディ端子508A)が、キャリア基板531に形成された配線システム532に電気的に接続されている。同様に、回路素子520は、特定の回路構成に係る、トランジスタ500と、個々のノード521(供給電圧VSSおよびVDD、INおよびOUTなど)とに適切に接続されうる。例えば、図に示すように、この配線方式は、図5eに示すようなフリップフロップ回路に対応しうる。
このため、制御可能なボディコンタクトを有するダブルチャネルトランジスタを使用することにより、個々のデバイスに基づいて、非常に高効率の回路要素を形成することができる。しかし、電子回路550が、例えば図5g,5hに示すように、特定の基準に係る完成された回路構成を提供するために、別の回路部品を有していてもよいことが理解されるべきである。別の例示的な実施形態では、上記したような回路550と、制御可能なボディコンタクトを有するそれぞれのダブルチャネルトランジスタを備える任意の他の回路とを共通の半導体基板に集積してもよく、高い機能性によって、より効率的な回路構成が実現されるため、貴重な半導体面積を効率的に節約することができる。例えば、フリップフロップ回路550が、上記したように、メモリセルの基本部品として効率的に使用されてもよく、これによりスタティックRAM領域に必要とされるトランジスタ素子の数を大幅に削減することができる。
図5iは、図5eに示した図5eのフリップフロップ回路の測定信号応答を模式的に示す。横軸は時間を表し、左側の縦軸は入力ノードINにおける電圧を表し、右側の縦軸は出力ノードOUTにおける電圧を表す。図に示すように、外部パルス(例えば、Aiに示す約1.2ボルトのVDD)の引加後に、回路が、図4bの回路450に言及して、図4cを参照して上記したものと同様の出力によって応答する。このため、この場合、図4b,4cを参照して上記したように、トランジスタ520は、応答がダブルチャネルトランジスタ500の挙動によって実質的に決定される抵抗性負荷であるとみなすことができる。このため、入力パルスAiを印加すると、約0.2ボルト(図4c、曲線C参照)の出力電圧が得られる。パルスAiの印加停止後に、回路は、ボディコンタクト508A(すなわち、出力電圧ノード)の電圧が約0.85ボルトのときの、ほぼ0.1ボルトに対応する図4cの曲線Cの最小値において安定状態をとる。図に示すように、この対応する状態は安定であり、このため、情報の記憶に使用することができる。一方、VSSに対する入力パルスAkにより、出力ノードの電圧が約0.35ボルトとなりうる。パルスAkの印加停止後、Pチャネルトランジスタは、トランジスタ500の入力を高い電圧レベルに引き上げるため、この範囲の入力電圧でのトランジスタ500のPチャネル挙動の結果、出力ノードの電圧が更に上昇しうる。図に示すように、この状態も安定であり、回路550からの「読出し」となりうる。
図5jは、更に別の例示的な実施形態に係るフリップフロップ550を模式的に示し、P型ダブルトランジスタ500Pは、図5eの回路550と同様の、入力ノードと出力ノードとを別個に有する構成で使用される。このため、シングルチャネルトランジスタ520、あるいは破線で示すようにボディコンタクトがソース端子に接続されているN型ダブルチャネルトランジスタを、フリップフロップの相補型トランジスタとして使用することができる。
図5kは、例えば、図5fに示すような共通の入力/出力ノードを有するフリップフロップに対応する回路550を模式的に示し、この場合も、P型ダブルチャネルトランジスタ500Pが、上記したように、ボディコンタクトがソース端子に接続されているN型ダブルチャネルトランジスタの形でおそらく提供されるNチャネルトランジスタと組み合わせて使用されうる。
したがって、複数の回路を、ボディ制御N形ダブルチャネルトランジスタとP型ダブルチャネルトランジスタに基づいて形成することができ、スタティックRAM領域を提供する高度な半導体デバイスにおいて、高い情報密度を得ることができる。
図5lは、図5e,5jを参照して上記したフリップフロップ回路550の1つを有しうるRAMセル560を表す電子回路を模式的に示す。このため、フリップフロップ回路550は、入力ノード521iと出力ノード521oを有し、これらは、いずれもセレクト線516に接続されている対応するセレクトトランジスタ561を介して、ライト線512とリード線513にそれぞれ接続されうる。したがって、メモリセル560を、4つのトランジスタ素子(すなわち、2つのセレクトトランジスタ561、1つのダブルチャネルトランジスタ、ならびに、上記したようにシングルチャネルトランジスタまたはダブルチャネルトランジスタの形で提供されうる追加のトランジスタ520)に基づいて形成することができる。上記したように、従来の半導体製造技術との高度な適合性を実現しつつ、従来の技術に基づいてボディ制御ダブルチャネルトランジスタを形成することができるため、RAMセル560を実績のあるプロセス技術に従って形成することができ、これにより、6つのトランジスタを備える従来のRAMセルが必要とする面積を約第3分の1節約することができる。
図5mは、図5f,5kを参照して説明した構成に係るフリップフロップ回路550を使用することができる更に別の例示的な実施形態に係るメモリセル560を模式的に示す。このため、この場合、1つの入出力ノード521により、メモリセル560の全体的な構成を簡略化することができる。例えば、1つのセレクトトランジスタ561を、セレクト線516および1つのビット線512と組み合わせて使用することができる。この場合、メモリセル560が必要とする半導体面積全体を更に削減することができる。
したがって、メモリセル560は、広いメモリ面積を有する複雑な半導体デバイスに有利に実装することができ、スタティックRAMセルの典型的な短いアクセス時間を実現できると共に、必要なトランジスタの数が少ないため、空間消費を大幅に削減することができる。
以上のように、ここに開示の原理は、制御電圧を供給するためのボディ端子を有するダブルチャネルトランジスタに関し、これにより、トランジスタの遷移スロープ中の局所的な最大値または最小値に関して極めて安定な動作挙動が得られる。このため、ボディ制御ダブルチャネルトランジスタの拡張された機能性により、例えばフリップフロップ、発振器、モノフロップなどの構成要素の数の少ない回路機能を実現する可能性を与える新しい回路構成を提供することができ、これにより、ボディ制御ダブルチャネルトランジスタが、別個の構成要素として提供されるか、複雑な半導体デバイスに組み込まれるかを問わず、全体的な回路構成の効率を改善することができる。トランジスタ素子の数を削減できることにより、高い情報密度が実現され、所定の半導体面積に対するメモリセルの個数が多い半導体デバイスの製造が可能となる。
上記に記載した特定の実施形態は例に過ぎず、本発明は、本開示の教示の利益を得る当業者にとって自明の、異なるが均等の別法によって変更および実施されてもよい。例えば、上記のプロセス工程を記載した順序とは異なる順序で実行してもよい。更に、ここに記載した構成または設計の詳細が、添付の特許請求の範囲以外によって限定されることない。このため、上記に記載した特定の実施形態を変形または変更することが可能であり、このような変形例はすべて本発明の範囲ならびに趣旨に含まれることが意図されることが明らかである。したがって、ここに保護を請求する対象は、添付の特許請求の範囲に記載したとおりである。

Claims (20)

  1. 第1の導電型を有するドレイン領域およびソース領域(204)と、
    少なくとも前記ドレイン領域と前記ソース領域(204)の間に形成され、前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有するボディ領域(202B)と、
    前記ボディ領域(202B)のチャネル領域(203)の上に形成され、絶縁層(206)によって前記チャネル領域(203)から分離されているゲート電極(205)と、
    前記ドレイン領域と前記ソース領域(204)の間に配置され、前記第1の導電型を有するドープ領域(203B)と、
    前記ボディ領域(202B)に接続され、可変制御電圧を受け取るように構成されたボディ端子(208A,408A)とを備える電界効果トランジスタ(200,400,500P,500N)を有するデバイス。
  2. 前記ドープ領域(203B)は前記ドレイン領域および前記ソース領域(204)から分離されている、請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記ドープ領域(203B)は前記ドレイン領域および前記ソース領域(204)に接続されている、請求項1に記載のデバイス。
  4. 前記電界効果トランジスタ(200,400,500P,500N)に接続された回路素子(420,520,500N)と、
    前記ボディ端子(208A,408A)に接続された信号入力端子または信号出力端子の少なくとも一方とを更に有する、請求項1に記載のデバイス。
  5. 前記ボディ端子に接続された入力と、出力とを有する結合されたデバイス(450,550)を形成するように、前記電界効果トランジスタ(200,400,500P,500N)に接続された回路素子(420,520,500N)を更に有する、請求項1に記載のデバイス。
  6. 前記結合されたデバイス(450,550)は局所的最大値を示す遷移スロープを有する、請求項5に記載のデバイス。
  7. 前記回路素子(420,520,500N)は抵抗性回路素子(420)を表す、請求項4または5に記載のデバイス。
  8. 前記回路素子(420,520,500N)はシングルチャネル電界効果トランジスタ(520)である、請求項4または5に記載のデバイス。
  9. 前記回路素子(420,520,500N)は、
    前記第2の導電型を有する第2のドレイン領域および第2のソース領域(204)と、
    少なくとも前記第2のドレイン領域と第2の前記ソース領域(204)の間に形成され、前記第1の導電型を有する第2のボディ領域(202B)と、
    前記第2のボディ領域(202B)の第2のチャネル領域(203)の上に形成され、第2の絶縁層(206)によって前記第2のチャネル領域(203)から分離されている第2のゲート電極(205)と、
    前記第2のドレイン領域と前記第2のソース領域(204)の間に配置され、前記第2の導電型を有する第2のドープ領域(203B)とを備える第2の電界効果トランジスタ(200,500N,500P)である、請求項4または5に記載のデバイス。
  10. 前記結合されたデバイスはインバータ回路(550)を表す、請求項5に記載のデバイス。
  11. 前記結合されたデバイスはモノフロップ回路(550)を表す、請求項5に記載のデバイス。
  12. 前記回路素子(420,520,500N)は第2の電界効果トランジスタ(200,500N,500P)であり、前記第2の電界効果トランジスタ(200,500N,500P)は、前記第2の導電型を有する第2のボディ領域(202B)と、前記第2の電界効果トランジスタ(200,500N,500P)のドレイン領域およびソース領域(204)の間に配置された第2のドープ領域(203B)を有する、請求項4または5に記載のデバイス。
  13. 前記電界効果トランジスタと前記回路素子とを収容している共通半導体基板(201)材料を更に有する、請求項4または5に記載のデバイス。
  14. 前記電界効果トランジスタ(200,400,500P,500N)を収容している第1のパッケージ(530A)と、前記回路素子(420,520,500N)を収容している第2のパッケージ(530B)と、前記第1のパッケージおよび前記第2のパッケージを取り付けているキャリア基板(531)とを更に有する、請求項4または5に記載のデバイス。
  15. 前記電界効果トランジスタ(200,500N,500P)と前記回路素子(520)とはフリップフロップ回路(550)を形成する、請求項4または5に記載のデバイス。
  16. 前記フリップフロップ回路(550)に接続されたたセレクトトランジスタ(561)を更に有し、前記セレクトトランジスタ(561)と前記フリップフロップ回路とはスタティックメモリセル(560)を形成する、請求項15に記載のデバイス。
  17. リード信号およびライト信号の少なくとも一方を受け取るように構成されたセレクトトランジスタ(561)と、
    前記セレクトトランジスタ(561)に接続された第1のボディ領域(202B)を有し、前記第1のボディ領域(202B)への前記リード信号およびライト信号の少なくとも一方の選択的印加を可能にする第1の電界効果トランジスタ(200,500P,500N)とを備え、前記第1の電界効果トランジスタ(200,500P,500N)は、
    第1の導電型を有するドレイン領域およびソース領域(204)と、
    前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する前記第1のボディ領域(202B)と、
    前記ドレイン領域と前記ソース領域(204)の間に配置され、前記第1の導電型を有するドープ領域(203B)とを有する、スタティックRAMセル(560)。
  18. 前記第1の電界効果トランジスタ(200,50P,500N)に接続された第2の電界効果トランジスタ(520)を更に有し、前記第1の電界効果トランジスタと前記第2の電界効果トランジスタとはデータ記憶用のフリップフロップ回路(550)を形成する、請求項17に記載のスタティックRAMセル(560)。
  19. 前記フリップフロップ回路(550)は、前記第1のボディ領域(202B)に接続された入力(521i)と、前記第1の電界効果トランジスタ(200,500P,500N)のゲート電極(205)に接続された出力(521o)とを有する、請求項18に記載のスタティックRAMセル。
  20. 前記第1の導電型を有する第2のボディ領域(202B)と、前記第2の導電型を含む第2のドープ領域(203B)とを有する第2の電界効果トランジスタ(500P,500N)を更に有する、請求項17に記載のスタティックRAMセル。
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