JP2011514092A - 装置と電源との間のスイッチを駆動する方法 - Google Patents

装置と電源との間のスイッチを駆動する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、制御されるべき装置Dと電源Pとの間のスイッチSを駆動する方法を記載するものである。該方法は、リモコン(遠隔制御)ユニット10において第1電気信号14を発生するステップと、該第1電気信号14をリモコンユニット10の第1送信アンテナTにより電磁放射EMに変換するステップとを有する。制御されるべき装置Dのリモコンインターフェースモジュール20の第1検出アンテナRは、上記電磁放射EMを検出して第2電気信号24を得る。該第2電気信号は、スイッチ駆動信号25に受動的に変換される。スイッチ駆動信号25は、制御されるべき装置Dを、動作の間において装置Dにより電源Pから電流が流される動作モードと、装置Dが電源Pから完全に切り離され、該装置Dによっては何の電流も流されない非活性モードとの間で切り換えるように活性化される。本発明は、制御されるべき装置Dと電源Pとの間のスイッチSを駆動するシステム1を更に記載する。また、本発明は、リモコンインターフェースモジュール20及びリモコンユニット10も記載する。

Description

本発明は、制御されるべき装置と電源との間のスイッチを駆動する方法に関する。また、本発明は、制御されるべき装置と電源との間のスイッチを駆動するシステムにも関する。更に、本発明はリモコン(遠隔制御)インターフェースユニット及びリモコン装置にも関する。
今日利用可能な殆ど全ての消費者用電子装置は、所謂待機(スタンバイ)動作モードを有し、装置は、オフされている場合でも、制御信号を受けることができる。斯かる装置は、遠隔制御ユニット(リモコンユニット)により送信される信号に対して何時でも反応し、当該装置を再びオンすることができる。このような装置の例は、テレビジョン、衛星受信機、エアコン、ビデオレコーダ、チューナ、パーソナルコンピュータ等である。通常、容易に見える"待機"LEDが、ユーザに対し当該装置が待機モードにあることを示す。装置を待機状態におくことができることは、ユーザがメインスイッチで装置を物理的にオン又はオフしなければならなかったそれまでの状況と比較して、実用的且つ便利であると一般的に考えられている。
装置が待機モードにおかれた場合、例えば待機回路及び待機LED等により少量の電流が依然として流されている。従って、これに相当する"待機電力"が消費される。通常、斯かる待機電力は非常に小さく、数ワットに過ぎないが、特に非効率な装置は待機モードにおいては20ワットまでも消費し得る。多くの消費者は、エネルギの過剰な消費により生じる気候への悪影響に気が付いてきており、不必要な電力の散逸の量を低減することを好む。殆ど全ての家庭又はオフィスは、待機モードにすることにより"オフ"される幾つかの装置を有しているので、全世界にわたる何百万もの装置により散逸される待機電力の総量は、実際に相当に大きなものである。
しかしながら、ユーザは、装置をメインスイッチで物理的にオフする必要性なしに、消費者用電子装置をリモコンによりオン及びオフすることができることを依然として欲するであろうことが予想される。
待機電力の量を低減する1つの方法は、当該装置により流される電流を監視し、如何なるユーザ入力も必要とせずに、該装置が電源から切断されるべきかを判断することができるようにすることである。或る時間長にわたり、最少量の電流しか流されていない場合、当該装置は使用されていないと見なすことができ、この場合、該装置は専用のスイッチにより主電源から自動的に切断することができる。しかしながら、この方法は、所要の電流監視部品(例えば、タイマ回路のための電源)に対する幾らかの量の電力散逸を依然として含んでいる。また、実際に当該装置を切断するまでに或る量の時間が経過するのを許容しなければならず、この時間の間に待機電力が消費されることになる。更に、当該装置の、リモコンユニットから信号を受信するためのモジュールは、ユーザが該装置を何時でも再活性化することができるように、電力を継続的に供給されねばならない。このようなインターフェースは主電源の代わりに電池により給電することもできるが、この方法は、当該装置により依然として電流が流され、電力が消費されるという事実を変えるものではない。
従って、本発明の1つの目的は、リモコンにより非活性化された場合に装置が電流を流さないように該装置を活性化及び非活性化する方法を提供することにある。
この目的のために、本発明は制御されるべき装置と電源との間のスイッチを駆動する方法であって、リモコン(遠隔制御)ユニットにおいて第1電気信号を発生させるステップと、該リモコンユニットの第1送信アンテナにより上記第1電気信号を電磁放射に変換するステップとを有するような方法を提供する。本発明による該方法において、上記電磁放射は上記制御されるべき装置のリモコンインターフェースモジュールの第1検出アンテナにより検出され、第2電気信号を得る。また、本方法は、上記第2電気信号をスイッチ駆動信号に受動的に変換するステップと、当該制御されるべき装置を、動作の間において該装置により電源から電流が流される動作モードと当該装置が電源から完全に切り離されて該装置により電流が流されない非活性モードとの間で切り換えるように上記スイッチを、上記スイッチ駆動信号を用いて駆動するステップとを有する。
本発明による本方法において、前記電磁放射は前記検出アンテナにより完全に受動的態様で自動的に検出され、該検出アンテナは該電磁放射のエネルギにより共振させられ、前記第2電気信号を生じさせる。また、このACの電気信号のDCスイッチ駆動信号への変換も、完全に受動的な態様で、即ち電力供給を必要としない電気部品を使用することにより実行される。本発明による該方法の明らかな利点は、装置が前述した態様でオフされた場合に、該装置は単に待機状態になるだけではなく、完全にオフされることである。該装置は、この方法を用いてオフされた場合、完全に休止状態となる。何故なら、該装置は如何なる電流も流さず、如何なる電力も消費しないからである。本発明による該方法の明らかな利点は、得られるエネルギの節約である。他の利点は、当該装置は依然としてリモコンにより再活性化することができ、使用の便利さ及び容易さが如何なる形でも妥協されないことである。
適切なリモコンインターフェースモジュールは、電磁放射を検出して第2電気信号を得る第1検出アンテナと、該第2電気信号をスイッチ駆動信号に受動的に変換する受動型変換ユニットと、制御されるべき装置を、動作の間において該装置により電流が流される動作モードと該制御されるべき装置が電源から完全に切り離されて該装置により電流が流されない非活性モードとの間で切り換えるように上記スイッチ駆動信号により駆動するスイッチとを有する。
制御されるべき装置と電源との間のスイッチを駆動する適切なシステムは、リモコンユニットにおいて第1電気信号を発生する信号発生器と、該第1電気信号を電磁放射に変換するための当該リモコンユニットの第1送信アンテナとを有する。該システムは、更に、電磁放射を検出して第2電気信号を得る第1検出アンテナと、該第2電気信号をスイッチ駆動信号に受動的に変換する受動型変換ユニットと、制御されるべき装置を動作の間において該装置により電流が流される動作モードと当該制御されるべき装置が電源から完全に切り離されて該装置により電流が流されない非活性モードとの間で切り換えるように上記スイッチ駆動信号により駆動するスイッチとを有する。
無線伝送技術は、従来から当業者により知られている。簡単に説明すると、送信器側の上記信号発生器は、或る周波数及び振幅のAC信号を発生し、該信号は上記送信アンテナに供給されて、該アンテナを共振させる。これにより、上記電気信号を電磁放射に変換する。該電磁放射は自由空間を介して伝搬し、上記受信(検出)アンテナを共振させる。かくして、該受信器アンテナにおいて、対応する電気信号が誘起される。
本発明による方法及びシステムを用いて制御することが可能な装置の例は、テレビジョン、DVDプレーヤ、衛星受信機、スピーカ等の通常のタイプの消費者用電子装置、又は複数の電球の輝度若しくは色温度をリモコンユニットを用いて調整することが可能な家庭用若しくは商用の新しいタイプの照明システムであり得る。
従属請求項及び後の説明は、本発明の特別に有利な実施例及びフィーチャを開示する。
無線信号を交換する装置間の干渉を最少にするために、無線通信は、なかでも、異なるタイプの装置により使用されるべき周波数帯域を割り当てる規格により支配される。例えば、100メートルまでの範囲のローカル又はパーソナルエリアネットワーク(LAN又はPAN)における無線通信は、ISM(国際化学及び医療)周波数帯域内で実行することができる。従って、本発明の特に好ましい実施例においては、前記第1電気信号は、周波数がISM周波数帯内にある高周波信号を有する。2.45GHz、915MHz又は5.8GHzに中心周波数を持つ幾つかの斯様な帯域が利用可能である。
第1電気信号は、前記リモコンユニットにおいて所定の期間、例えば数ミリ秒にわたって発生することができる。他の例として、第1電気信号は、例えば前記リモコンユニット上の適切なボタンを押下し、該ボタンの押下を当該制御されるべき装置が反応するまで保持する等の適切な操作をユーザが実行し続ける限り発生することもできる。
第1電気信号は、継続的に、即ち中断のない連続信号として発生することができる。本発明の好ましい実施例において、第1電気信号はパルス状の高周波信号を有する。即ち、前記信号発生器は、当業者により既知のように、恐らくは適切なコンデンサの助けにより一連の高周波パルスを出力する。この技術の一つの利点は、該信号発生器に給電する電池の寿命が延ばされることである。もっと重要なことに、パルス化することは、第1電気信号のエネルギ(即ち、振幅)が実効的に増加されるのを可能にし、かくして、切り換え過程の信頼性が改善される。同時に、当該信号の全体の平均エネルギ値が超過されないことが保証され得、かくして、該信号が安全規格を満たすようになる。また、この技術は、信号到達範囲が増加されるのを可能にする。この場合でも、斯様にして発生される信号は、所定の期間のものとすることができるか、又はユーザが前記リモコン装置により前記適切な操作をし続ける限り発生することができる。
既述したように、第1電気信号は前記リモコンユニットの送信アンテナにより送信される。最も簡単なタイプのアンテナは全ての方向に放射し、従って該信号のエネルギも全ての方向に分散される。該信号エネルギの極僅かな部分が前記検出アンテナに到達する。従って、斯様な信号は高信頼度で検出されるために十分な振幅のもでなければならない。上記のような簡単なアンテナの例は、ダイポールアンテナである。しかしながら、当業者により既知のように、指向性アンテナが使用された場合、無線信号の到達範囲は増加され得る。短距離無線通信に使用するのに適した従来のアンテナの例は、パッチアンテナ又はマイクロパッチアンテナである。他の例として、例えばWO2005086281A1に記載されたようなフェーズドアレイアンテナを使用することもできる。本発明の好ましい実施例において、第1送信アンテナ及び/又は第2送信アンテナは、従って、指向性アンテナであり、送信される信号のエネルギは実質的に或る主方向に収束される。当然ながら、このことは、当該送信アンテナを含む前記リモコンユニットが、前記制御されるべき装置のリモコンインターフェースユニットの方向に向けられなければならないことを要する。しかしながら、一般的にユーザは、このことを、上記リモコンを例えばチャンネルを変更するためにテレビジョン又は受信器に向けることにより何とか行うものである。当該リモコンを特定の装置又は装置群に特別に向けることにより、該装置又は装置群のみが指定され、当該信号の範囲外の如何なる他の装置も影響を受けないままとなる。
ISM帯域における高周波信号を、情報を搬送するために使用することができ、該情報は受信端で復号することができる。従って、本発明の他の好ましい実施例では、前記第1電気信号は、前記制御されるべき装置に関する装置識別コード等の装置識別情報を搬送するよう変調された搬送信号(carrier signal)を有する。この構成は、本発明による方法を用いてリモコンユニットにより幾つかの装置が制御される場合、又は、もっと特別に、単一のリモコンユニットが2以上の装置を制御するために使用される場合に有利であり得る。このような場合、当該リモコンユニットには異なる装置をアドレス指定するために異なるボタンを設けることができ、このリモコンにより活性化又は非活性化される各装置につき、前記駆動スイッチが当該装置識別情報に基づいて開成又は閉成される。この構成は、図面の記載に関連して更に詳細に説明する。装置のリモコンインターフェースモジュールにおける駆動スイッチは、簡単なトグルスイッチとすることができ、上記駆動信号は該スイッチを、既に開いていた場合は閉じ、既に閉じていた場合は開かせる。
本発明の特に好ましい実施例において、前記リモコンインターフェースモジュールの前記受動型変換ユニットは受動型整流器回路を有し、従って、前記受信アンテナにおいて誘起されたAC電気信号は、如何なる能動部品も使用せずにDC信号に変換される。近年の技術的発展の結果、例えばMEMS(微細電気機械系:micro-electromechanical system)スイッチ等の一層良好で一層感度の高い電気スイッチが可能となり、斯かるスイッチは、従来の解決策では必要とされるような演算増幅器等のブースタを必要とせずに非常に小さな強度の信号を用いて切り換えることができる。従って、ここで述べる受動型整流器回路は、例えばコンデンサと組み合わせた高周波ダイオード等の平滑されたDCスイッチ駆動信号を生成するための受動部品を単に有するだけでよく、該駆動信号の強度はMEMSスイッチ等の高感度電気スイッチを駆動するのに十分である。他の例として、該駆動信号は電源と当該装置との間のCMOS FETをスイッチングすることもできる。本発明の他の実用的実施例においては、例えば光源としてのLEDとセンサとしてのフォトトランジスタ又はフォトトライアックを有する光アイソレータ又は光カプラを、当該変換ユニットと当該装置との間のスイッチとして使用することができる。光アイソレータは、当該変換ユニットを当該装置から電気的に隔離するという好ましい利点を有している。このようなスイッチの能力は、当業者により既知であり、ここで詳細に説明する必要はないであろう。
本発明の好ましい実施例において、前記リモコンインターフェースモジュールは当該制御されるべき装置に組み込まれる。有利には、上述したリモコンインターフェースモジュールは、従来のリモコンインターフェースに対する予備段として作用することができる。何故なら、当該装置が上述した方法の1つを用いて休止状態から一旦活性化されれば、ユーザは該装置を通常のリモコンモードで使用することができるからである。該リモコンインターフェースモジュールに必要とされる部品は小さく且つ安価であるので、テレビジョン又は受信機等の装置は、本発明によるリモコンインターフェースモジュールを含むように容易に適合化することができる。適合化は、製造工程の間に行うことができるが、既存の装置を、ここで開示したタイプのリモコンインターフェースモジュールを含むように変更し得ることも考えられる。同様に、既存の装置のためのリモコンインターフェースモジュールは、該装置と、その電源との間に、例えば当該装置の主電源プラグと電気ソケットとの間に配置することもできる。
一対のアンテナ、即ちリモコンユニット及びリモコンインターフェースモジュールの各々におけるアンテナは、上述したようにオン状態とオフ状態との間のトグルのような単純な機能にとり通常は十分である。しかしながら、本発明による方法は、リモコンインターフェースユニットを利用する光源の輝度を増加又は減少させる等の一層進んだ機能のために使用することもできる。これは、当該リモコンユニットにおいて異なる周波数で、例えばオン機能に対しては第1の周波数で、又はオフ機能に対しては第2の異なる周波数で上記信号を発生することにより達成することができる。受信側では、上記第1及び第2の周波数に応答するような対応するフィルタが、意図する機能を判定することができる。
送信側で異なる周波数を発生すると共に受信側でこれら周波数を互いに区別する代わりの例において、本発明によるシステムの好ましい実施例は、上記リモコンユニットに第2送信アンテナを有し、上記リモコンインターフェースモジュールに第2受信アンテナを有する。この場合、一方の対の送信/受信アンテナは"オン"又は"明るく"等の第1のタイプの機能のために使用することができ、他方の対は"暗く"及び"オフ"等の第2のタイプの機能のために使用することができる。例えば、ユーザはランプをオンするために当該リモコンユニット上の"オン/明るく"なるボタンを押下することができる。ユーザが該ボタンを押し続ける限り、当該ランプの光出力は増加される。該ランプの輝度が満足のゆくものとなった場合、ユーザは該ボタンを釈放することができる。同様にして、ユーザは"暗く/オフ"ボタンを押すことにより、該ランプを暗くすることができる。該ボタンを押し続けることにより、当該ランプの光出力は、最終的に該ランプがオフされるまで、着実に減少される。
上記リモコンインターフェースモジュールの検出アンテナに到達する信号は、特定の条件下では、相対的に弱くなり得る。各々が別の信号を検出すべき2つの検出アンテナを有するリモコンインターフェースモジュールの場合、低い信号レベルは、対応して低いDC信号という結果となり、その結果、該リモコンインターフェースモジュールが何の装置機能が意図されたかを判断することができなくなり得る。前記整流器の出力における斯かる弱いDC信号は、前記変換ユニットにおいて適切な電圧ダブラ又は電圧増倍器(マルチプライヤ)により昇圧されて、装置制御モジュールのための一層強い装置制御信号を供給することができる。このような電圧増倍器の一例は、コンデンサ及びダイオードの接続を有するヴィラードカスケード回路である。当業者により明らかなように、他の代替的電圧ダブラ回路も可能である。
2以上の送信/受信アンテナ対が使用される場合、送信アンテナの一方から送信される信号が対応する受信アンテナにより主に受信されることを保証することが重要である。従って、本発明の好ましい実施例では、第1送信アンテナの放射特性が第1受信アンテナの放射特性と整合され、及び/又は第2送信アンテナの放射特性が第2受信アンテナの放射特性と整合され、これにより、第1送信アンテナから発生する電磁放射が第1受信アンテナにより主に検出され、及び/又は第2送信アンテナから発生する電磁放射が第2受信アンテナにより主に検出されるようにする。
送信アンテナの放射特性は、例えば送信されるべき信号の電界を偏波させることにより、即ち送信される信号の電界を制御された態様で変化させることにより支配することができる。当業者にとり分かるように、電磁信号の偏波は、当該電磁放射の電界ベクトルの先端により当該信号の伝搬方向に対して直交し且つ垂直な面に描かれるパターンにより定義される。例えば、斯かる信号は直線、楕円又は円偏波を示し得る。アンテナにより放射される電磁信号の偏波は、当該アンテナに印加される電気信号を発生する際に使用されるコンデンサ又はインダクタ等の電気部品の選択により、及び該アンテナの物理的特性によっても大きく支配される。特定の偏波の電磁放射が高信頼度で検出され得ることを保証するために、好ましくは、受信アンテナの適切な特性は、送信アンテナの特性に整合される。
直線偏波の向きは、ダイポールアンテナの地球表面に対する向きにより決まる。本発明の一実施例において、このような送信及び受信アンテナ対の物理的向きは好ましくは異なるものとし、第1送信及び受信アンテナ対が或る特定の第1の向きを示す一方、第2送信/受信アンテナ対は実質的に上記第1送信/受信アンテナ対の向きに対して直交する向きを示すようにする。この例において、第2送信/受信アンテナ対は水平の向きを示すであろう。
適切な回路により、互いに適切に配置された1対の双極子を有するアンテナを、電界ベクトルが左手又は右手方向を示すような円又は楕円偏波された信号を発生するために使用することができる。
前述したようにして放射特性を整合させることにより、本発明による方法は、第1送信アンテナにより送信される電磁放射が第1受信アンテナにより主に受信されることを保証する。"主に"なる用語は意図的に使用されている。何故なら、第2受信アンテナも、第1受信アンテナを目標とする信号を拾い又は検出し得るからである。しかしながら、これらアンテナの放射特性のお陰で、第2受信アンテナで誘起される信号の強度は、通常は、第1受信アンテナで誘起される信号の強度と比較して無視することができる。
他の代替実施例においては、装置の異なる機能を別個の周波数に関連付けることができ、第1アンテナは第1機能に関連付けられた第1周波数の信号を送信し、第2アンテナは第2の機能に関連付けられた第2周波数の信号を送信するようにする。受信端では、適切なフィルタが、1以上の受信アンテナにより受信された別個の信号に応答する。
他の特に素直な実施例においては、直線偏波信号を発生するように具現化されたアンテナを、2つの異なる装置を制御するために使用することができる。例えば、リモコンの送信アンテナは、直線偏波された電磁放射を発生するように具現化される。水平偏波された電磁放射に応答するように具現化された受信アンテナを持つ第1装置を制御するために、ユーザは、単に、該リモコンを通常の態様で保持しながら、該リモコンを上記装置に向ける。垂直偏波された電磁放射に応答するように具現化された受信アンテナを持つ第2装置を制御するために、ユーザは、該リモコンを90°時計方向又は反時計方向に回転し、該リモコンを当該装置に向ける。
本発明によるシステムで使用するためのリモコンユニットは、前述したような方法で当該装置を電源から切り離し又は該装置を再接続するための制御入力を入力するためのユーザインターフェースを有する。該制御入力は、当該リモコンユニット上の専用のボタン、例えば"装置オン"若しくは"装置オフ"ボタン、又はこれら2つの状態の間をトグルする単一のボタン、即ち"装置オン/オフ"ボタンとすることができる。このようなリモコンユニットは、上記制御入力に従って電気信号を発生する信号発生器及び該信号を電磁放射(当該装置のリモコンインターフェースモジュールによる検出のために検出することが可能な)に変換するための送信アンテナも有すべきである。
"装置オン"及び"装置オフ"機能のみを備える専用のリモコンユニットを当該装置を活性化及び非活性化するために使用することができ、別のリモコンを当該装置の機能を選択するために使用することができる。しかしながら、特にユーザの視点からは、通常の装置制御機能を備える既存のタイプのリモコンを本発明によるシステムで使用することができたなら最も有利であろう。殆どのリモコンユニットは、種々の装置機能のためのボタンのアレイ、及び装置に制御信号を送信するための無線通信モードを有している。殆どの既存のリモコンは、赤外線制御信号を放出するためにLEDの形態の赤外線ダイオードを使用し、該制御信号は、制御されるべき装置の対応するインターフェースにおけるセンサにより検出される。他のタイプのリモコンは2.45GHz帯域において10mまでの到達範囲を持つ短距離パーソナルエリアネットワーク(PAN)に適したブルートゥース・インターフェースを使用する。当業者によれば、これらの既知のタイプのリモコンを、本発明による装置制御方法に必要な構成部品を含むように容易に適応化(修正)することができることは明らかであろう。例えば、製造者はリモコンユニットに対して僅かな修正しか実施する必要がない。周波数発生器等のリモコン装置の既存の構成部品は、必要に応じて適応化することができる。斯かるリモコンユニットの適応化は、明らかなように、装置自体のリモコンインターフェースユニットにおける修正に対応する。また、既存のリモコンユニットを、必要なハードウェアを含むようにアップグレードすることも考えられる。
前述した送信アンテナは、装置を活性化及び非活性化する場合の使用に加えて、当該手持ちリモコンの能力及び設計に依存して、異なるアプリケーション目的のために使用することもできる。例えば、ブルートゥース能力を備えるリモコンの場合、送信アンテナは、装置が本発明による方法を用いて一旦オンされたなら、該装置と無線通信するために使用することができる。
本発明によるリモコンユニットは、前述したように、異なる放射特性を持つ1対の送信アンテナを有することもできる。この場合、斯様なリモコンユニットは、対応する受信アンテナを備える1以上の装置を制御するために使用することができる。
本発明の他の目的及びフィーチャは、添付図面に関連して考察される下記の詳細な説明から明らかとなるであろう。しかしながら、各図は解説の目的のためにのみ描かれたもので、本発明の範囲を定義するものではないと理解されたい。
尚、図面において同様の符号は全図を通して同様の構成要素を示す。また、各図における構成要素は必ずしも寸法通りには描かれてはいない。
図1は、従来のリモコンユニット及び待機モードの従来の装置を示す。 図2は、本発明によるシステムの第1実施例を示す。 図3aは、本発明による変換回路の第1回路構成を示す。 図3bは、図3aの回路の電力対電圧比のグラフを示す。 図4aは、本発明による変換回路の第2回路構成を示す。 図4bは、図4aの回路の電力対電圧比のグラフを示す。 図5aは、本発明による変換回路の第3回路構成を示す。 図5bは、図5aの回路の電力対電圧及び電流の比のグラフを示す。 図6は、本発明の第2実施例によるシステムを示す。 図7は、本発明の第3実施例によるシステムを示す。
図1は、この場合はテレビジョンである遠隔的に制御可能な装置8と、通常はユーザ(図示略)により装置8から或る距離で操作されるリモコンユニット2とを備える従来の状況を示す。ユーザはリモコンユニット2上の特定のボタンを押下して、装置8をオンし、装置の設定を変更し(例えば、チャンネルを変更し若しくはスピーカ音量を調整し)、又は装置8を待機(スタンバイ)モードにする。図示の従来のリモコンユニット2は、赤外線ダイオード3により赤外線制御信号4を発生することにより動作する。リモコン2が装置8に向けられた場合、制御信号4は、装置8内の適切なインターフェース6により検出することができ、適切な装置制御信号に変換される。装置8は、図では主電源ソケット7により示された電源から電流を流す。待機モード状態の場合、装置8は上記主電源からは完全には切り離されることはない。何故なら、インターフェース6が、リモコンユニット2からの活性化信号4に応答することができるように少量の電力を必要とするからである。更に、装置8が待機モードである限り光を放出する典型的な"待機LED"5により、少量の電流が継続的に流されている。使用中でない場合に、ユーザが装置8を電源から完全に切断したいと欲するなら、ユーザは、例えば装置8自体のオン/オフボタンを押すことにより又は主電源ソケット7で装置8のプラグを外すことにより、これを直接行わなければならない。
本発明によるシステム1の一実施例が図2に示され、該システムはリモコンユニット10と、装置Dを電源Pに対して接続又は切断するためのリモコンインターフェースモジュール20とを備えている。装置Dは、テレビジョン又は他の斯様な装置とすることができ、この装置Dの機能を実行するために要する該装置Dの電気部品を表す実効負荷104を備える。ここに示されたリモコンユニット10は従来の解決策から既知の通常のタイプの手持ちリモコン装置に組み込むことができる一方、リモコンインターフェースモジュール20は装置Dに通常の態様で組み込むことができることは明らかであろう。明瞭化のために、リモコンユニット10及びリモコンインターフェースモジュール20の構成部品は、これら部品の機能が一層良好に説明されるように他のユニットに対して強調されている。
装置Dを活性化又は非活性化するために、ユーザ(図には示されていない)は該リモコンユニット10の適切なボタン又はインターフェース11から制御信号15を入力する。これは、実質的に如何なるリモコンユニット上でも見付けることができる通常の"オン/オフ"ボタンとすることができる。図示の実施例では、上記制御信号は、当該装置Dが活性化されるべき、即ち電源Pに再接続されるべき場合、スイッチ12が閉成されるようにする。閉成されたスイッチ12は、電池Bを信号発生器13に接続し、該信号発生器は第1電気信号14を発生する。従って、リモコンユニット10の送信アンテナTは共振させられ、かくして、該送信アンテナTにより電磁放射EMが送信される。前述したように、信号発生器13は第1電気信号14を、ユーザがボタン11を押下し続ける限り連続的に、又はパルス状信号として(信号エネルギを増加させるために)又は装置識別情報を担持するように変調された搬送信号として発生することができる。当業者であれば、このような機能を果たすために如何にして適切な信号発生器3を実現することができるかは分かるであろうから、これらはここでは更に詳述する必要はないであろう。
受信器側において、リモコンインターフェースモジュール20の検出アンテナRは、リモコンユニット10の送信アンテナTから生じる電磁放射EMにより共振させられ、それに応じて第2電気信号24が誘起される。明らかなように、この信号はAC信号であり、従って、受動型整流器回路21において整流され、該信号をDC信号に変換する。この例における受動型整流器回路21の構成部品は、ダイオード22及び平滑コンデンサ23である。これらの構成部品22、23は如何なる外部からの電力供給も必要としないので、結果としてのスイッチ駆動信号25は完全に受動的方法で発生される。次いで、スイッチ駆動信号25はトグル(交互動作)スイッチSを駆動し、該トグルスイッチは、閉成された場合は装置Dを外部電源Pに接続する一方、開成された場合は装置Dを外部電源Pから切り離す。
装置Dを再活性化するためにユーザが"オン/オフ"ボタンを押し、スイッチSが閉じられた場合、該装置Dに含まれるように概念的に示された装置制御インターフェース27も電源に接続される。装置Dを非活性化するためにユーザが"オン/オフ"ボタンを押し、それに応じてスイッチSが開かれた場合、該装置D及びインターフェースユニット27は電源から切断され、装置10が再度活性化されるまで、電流が流されることはない。
この実施例において、装置制御インターフェース27は、装置機能コマンドを受信する通常のタイプのインターフェースである。この場合、チャンネルを変更する又は装置Dの何らかの設定を調整する等の斯様なコマンドは、ユーザにより通常の方法で発することができる。ここで、リモコンユニット10は、図に簡略化された形で示されるように、通常の赤外線リモコンモジュール17及び赤外線ダイオード16も有する。赤外光のビームは、対応する装置制御インターフェース27により検出され、かくして、ユーザは通常の方法で装置Dを制御することができる。ここでは信号発生器13及び送信アンテナT等の自身の構成部品と共に示されたリモコンユニット10は、殆どのユーザにとり馴染みの通常のタイプの手持ちリモコン装置に容易に組み込むことができる。
以下においては、変換ユニット21の代替的構成が図3a、4a及び5aの補助により提示される。各々の場合において、送信側にはリモコンユニットの信号発生器13及び送信アンテナTしか示されていない。受信側では、各場合において当該変換ユニットの関連のある構成部品のみが示されている。送信アンテナT及び検出アンテナRは、数メートル(例えば10メートルまで)の距離だけ隔てられていると仮定され、該距離は、当業者により分かるように、自由空間関数を用いたアンテナT、Rの相互結合において見込まれるものである。図示した3つの実施例の各々において、送信アンテナTは理想的ダイポールであると仮定する。しかしながら、当業者により分かるように、送信アンテナTの到達範囲は、指向性アンテナを使用し、送信された信号のエネルギが全方向において外方に放射する代わりに実質的に1方向に集中されるようにすることにより改善することができる。信号発生器13は、868MHzで信号を発生する周波数発生器を有する。制御されるべき装置は、抵抗性負荷104により表されている。図3a及び4aにおいて、駆動スイッチSは簡単なトグルスイッチである。本説明に関係のない他のユニットは、明瞭化のために各図から削除されている。
図3aは、受動型変換ユニット10の第1構成を示す。この場合、前記電磁放射EMは、検出アンテナR(該アンテナは共振して受信側に誘起AC信号を生じさせる)により検出され、次いでデカップリングコンデンサ100(1.5pFの値を持つ)により減結合されて第2電気AC信号24を生じる。このAC信号は、例えばアジレントテクノロジ社製HSMS285xシリーズのショットキダイオード等の整流ダイオード101により整流される。その後、47pFの値を持つ平滑コンデンサ103が該整流出力を平滑して、スイッチ駆動信号25を生じさせる。1kΩの値を持つ小さな抵抗102は、最小限の電流が当該受動型変換ユニットに流れるのを可能にする。当該装置は、22kΩの抵抗性負荷104により表されている。
図3bは、平滑コンデンサ103の両端間で測定される電圧の、送信アンテナTにより送信される電磁放射EMのdBmでの電力に対する比のグラフを示す。このグラフから分かるように、前記信号発生器13の出力定格が20dBmの電磁放射EMを形成する場合、約1.77Vの電圧を平滑コンデンサ103の両端間に得ることができる。この電圧はMEMSスイッチSを駆動するのに十分である。このスイッチSが閉じられた場合、負荷104が電源Pに接続される一方、該スイッチSが開かれた場合、負荷104が電源Pから切断される。
より高い電圧の整流信号25は、図4aに示すような他の受動型変換回路を用いて得ることができる。この場合、共振回路はデカップリングコンデンサ100(1.5pF)と組み合わされた22nHなる値のインダクタ105により形成される。これらの値は、受信器側で誘起される信号の周波数が、f=1/2π√LCなる共振回路用の周知の関数を用いて、送信側のものと実質的に同一となるように選択される。この場合、Lはインダクタの値であり、Cは当該共振回路のコンデンサの値である。部品105、100の値は、誘起される信号の周波数fが信号発生器13により発生される信号の周波数(この場合は876MHz)と実質的に同一となるように選択される。当該共振回路には、同じ整流器回路の部品、即ち図3aで示した整流器ダイオード101及び平滑コンデンサ103が後続する。
この回路の結果、送信側において一層小さい信号エネルギレベルしか必要としない一方、平滑コンデンサ103の両端間に一層高い電圧が得られる。この例においても、MEMS(微細電気機械系)をスイッチSに対して使用することができる。図4bのグラフから分かるように、僅か10dBmの信号電力で約1.76Vの電圧を達成することができる。これは、図3aの回路を使用して得られる値に対して、有利に匹敵するものである。このことは、送信側における相対的に低い電力の信号によってさえも、当該スイッチを高信頼度で且つ正確に切り換えることができることを意味する。
MEMSスイッチにより耐えられるものより高い電圧を切り換える必要がある場合、図4aの回路は、図5aに示されるように、半導体スイッチ及び補足電圧源を含むように変更することができる。この例において、該半導体スイッチはアジレントテクノロジ社製HBFP0450等のトランジスタスイッチを有する。上記補足電圧源はリチウム電池107とすることができ、該電池は相対的に長い期間にわたり一定の電圧を供給する。また、太陽電池を補足電圧源107として使用することができる、又は補足電圧源107を当該装置が動作中の場合に主電源から再充電することができるということも考えられる。他の例として、補足電圧源107は、例えば太陽エネルギ又は熱エネルギを用いて、主電源を必要とせずに再充電することも可能である。トランジスタスイッチ106は、一層重い負荷、即ち主電源Pに接続されるべき装置104のタイプに依存して必要となり得る一層大きな電流を切り換えることができる。この点において、この例における回路は極簡単に概説されただけであり、ユーザにより当該装置がオフされた場合に該装置を当該電源から切断するために、又は上記低電圧半導体回路を装置側の高電圧回路とインターフェースさせるために他の部品及び回路が必要とされるであろうことを強調しておく。これは、当業者によれば分かるものであり、ここでは詳細に示す必要はないであろう。
図5bは、電圧(実線)及び負荷電流(点線)のdBmでの電力に対する比の対応するグラフを示す。このグラフから明らかに分かるように、僅か10dBmの信号電力でさえ、平滑コンデンサ103の両端間に0.915Vの電圧を得るのに、及び負荷104を介して28mAの電流が流れるのを可能にするのに十分である。電圧及び電流に関して得られた値は、20dBm(0.937V,29mA)及び30dBm(0.962V,29mA)の信号電力定格に対して各々得られる値よりも僅かに小さいのみである。
この回路による解決策も、当該装置がオフされた場合に該装置104を主電源Pから切断する。当該装置がオフされた場合、この回路は如何なる電流を流すこともない。当該装置をオンした場合にのみ、上記半導体回路により少量の電力が消費されであろうが、従来の解決策により待機モードで同等の装置により散逸される待機電力と比べて無視可能である。
テレビジョン、チューナ、衛星受信機等の家庭娯楽装置に対してしばしば当てはまるように、本発明による単一のリモコンユニットは、2以上の装置を制御するために使用することができる。2つの別個の装置D及びDを伴う斯様な筋書きが、図6に概念的に示されている。簡略化のために、各装置D、Dは、電源P及び対応するスイッチSを備える別個の回路で示されている。明らかなことに、電源Pは、単に、両装置D、Dに対する主電源であり得る。
両装置D、Dを活性化及び非活性化するリモコンユニット10は、信号発生器13及び送信アンテナTを有する。ユーザ(図示略)は、適切なボタン(この場合は、装置Dを制御するためのボタン61又は装置Dを制御するためのボタン62)を押すことにより、オン又はオフする装置を選択することができる。ここで、装置Dの制御を説明する。ユーザがボタン61を押下すると、スイッチ12が閉成されるので、信号発生器13は当該リモコンユニット10の電池(図示略)に接続される。同時に、装置識別ユニット641が上記信号発生器に適切な装置識別コード651を供給するので、該信号発生器13は該装置識別コード651を用いて変調されたIMS帯域の一連のパルスを発生する。装置Dの場合、装置識別コード651は一連の長いパルスとなる。この様にして発生された電気信号14は、送信アンテナTにより電磁放射EMとして送信される。
装置D、Dの受信アンテナR、Rは、上記電磁放射EMを検出し、前述したような方法で回路21により受動的整流を実行する。各リモコンインターフェース20には、装置の識別を行うユニットも装備されている。上記例で説明を続けると、装置Dのリモコンインターフェース20は装置識別ユニット281を有し、該装置識別ユニットは、受信アンテナRにより受信された信号が当該装置Dの装置識別コード651を形成するように復号され得る場合にスイッチ駆動信号25を通過させる。かくして、ユーザは活性化又は非活性化のために装置Dを選択しているので、装置Dのリモコンインターフェース20の装置識別ユニット281のみが、スイッチSが駆動されるのを可能にする。装置Dのリモコンインターフェース20の装置識別ユニット282は、一致を示さず、従ってスイッチ駆動信号を自身のスイッチSに通過させることはなく、装置Dは影響されないままとなる。
装置Dも、同様の方法で制御することができる。この場合、ユーザは適切なボタン62を押下し、装置識別ユニット642が信号発生器に適切な装置識別コード652を供給させるようにするので、該信号発生器13は、Dに関連するパルスとは対照的に、該装置識別コード652に対応する一連の短いパルスをISM帯域で発生する。装置Dに関連するリモコンインターフェース20では、装置識別ユニット282がスイッチ駆動信号25を通過させる。何故なら、受信アンテナRにより受信される信号は、装置D用の装置識別コード652を示すように復号される一方、装置Dのリモコンインターフェース20における装置識別ユニット281は一致を示さず、従ってスイッチ駆動信号25を自身のスイッチSに通過させることはなく、装置Dを影響を受けないままとするからである。
明らかなことに、この方法により3以上の装置を制御することもできるが、ここでは、簡略化のために2つしか示されていない。複数の装置を制御するために使用することが可能な従来のリモコンユニットは、通常、所望の装置を選択するための1以上の専用のボタンを既に有している。このようなリモコンユニットの設計及び製造は、上述したような信号発生器及び送信アンテナを含めることにより斯様なシステムに使用するよう容易に適応化することができる。
本発明による方法は、例えば音量、輝度等の設定を増加又は減少させるような相対的に簡単な機能を特徴とする制御装置に適用することもできる。光源Dの例を用いて、図7は本発明によるシステムの他の第3実施例を示す。光源Dは、該光源をオン又はオフし、輝度を増加又は減少させるように遠隔的に制御することができる。該システムは、光源Dを電源Pから切断し、又は該光源Dを電源Pに再接続するための前述したような駆動スイッチSを有している。簡略化のため、スイッチSは光源制御ユニット76内に示されており、該制御ユニットは例えば光源Dの台座又は天井固定具内に組み込むことができる。
リモコンユニットには1対の送信アンテナT、Tが設けられ、対応するリモコンインターフェースモジュールには、それに応じて、1対の受信アンテナR、Rが設けられる。送信アンテナT、Tの放射特性は受信アンテナR、Rの放射特性に整合され、かくして、第1送信アンテナTにより放射される電磁波は第1受信アンテナRにより主に検出される一方、第2送信アンテナTにより放射される電磁波は第2受信アンテナRにより主に検出される。この実施例において、上記放射特性は偏波特性であり、発生される電気信号は後に詳述されるように偏波される。
リモコンユニット10は、2つの異なるユーザ入力ボタン71、72を備えるように示されている。ユーザが、これらボタンの何れかを押した場合、電池Bが信号発生器13に接続されるので、第1電気信号14が発生される。どちらのボタン71、72が押されたかに依存して、スイッチ73は、該電気信号14を送信アンテナT、Tの何れか一方に接続するよう投入される。図示の例において、ボタン71を押すと、上記スイッチに電気信号14を第1偏波ユニット710に向けさせることになり、その場合、該電気信号は第1送信アンテナTに供給される前に左手円偏波を受ける。ボタン72を押すことは、上記スイッチに電気信号14を第2偏波ユニット720に向けさせることになるので、上記電気信号は第2送信アンテナTに供給される前に右手円偏波を受ける。ここで述べる偏波のタイプは例示のみのもので、当業者であれば、例えば左手又は右手楕円偏波等の如何なる他の好適なタイプの偏波も適用可能であることは明らかである。
受信器側において、受信アンテナR、Rは電磁放射を検出するが、その際に、これらアンテナの各々は対応する送信アンテナT、Tの偏波に特に反応する。誘起された信号は、前述した技術の何れかに1つを用いた変換ユニット21において受動的に変換され、対応する制御信号77、78は光源D用の制御ユニット76に供給される。第1受信アンテナRからの制御信号77は上昇制御ユニット74に入力され、該制御ユニットはスイッチSを閉じると共にランプDの輝度を上昇させることができる。第2受信アンテナRからの制御信号78は下降制御ユニット75に入力され、該制御ユニットはランプDの輝度を下降させると共にスイッチSを開くことができる。
この例において、"オンさせる"及び"輝度を上昇させる"なる機能は有利には単一のボタン71により制御される。当該光源がオフ状態の場合、即ち当該電源から切断されている場合、ユーザは光源Dをオンさせるためにボタン71を押すことができる。オンした直後、該光源の輝度は最小レベルにあるかも知れない。ユーザは該ボタンを押し続ける又は該ボタンを繰り返し押して、光源Dの輝度を上昇させることができる。同様にして、"輝度を下降させる"及び"オフさせる"なる機能は有利には単一のボタン72により制御されるようにし、かくして、光源Dが既にオン状態であり、ユーザが該ボタン72を押した場合、ランプDの輝度は、ユーザがボタン72を離すまで、着実に低下される。ユーザがボタン72を押し続け、光源Dが自身の最低輝度レベルに到達すると、該ランプは電源Pから切断されるので、ランプDにより電流は流されない。
上記光源Dは幾つかの異なる色(例えば、赤、緑及び青)のLED光源を有し、個々のLEDの輝度を適切に制御することにより如何なる色の光も発生させるのを可能にすることができる。このような光源Dの場合、上昇制御ユニット74及び下降制御ユニット75は、光の色温度を変えるように構成することもできる。
送信アンテナT、Tにより送信される信号は、相手となる受信アンテナR、Rにより主に検出されるので、この実施例は、どちらが最強の受信信号であるかを、従って何の機能("上昇"又は"下降")がユーザにより選択されているかを判定する簡単な比較器により増強することができる。
明瞭化のために、この出願を通して単数形の使用は複数を排除するものではなく、"有する"は他のステップ又は構成要素を排除するものではない。"ユニット"又は"モジュール"は、特に言及しない限り、複数のユニット又はモジュールを有することができる。

Claims (15)

  1. 制御されるべき装置と電源との間のスイッチを駆動する方法であって、
    − リモコンユニットにおいて第1電気信号を発生するステップと、
    − 前記リモコンユニットの第1送信アンテナにより前記第1電気信号を電磁放射に変換するステップと、
    − 前記制御されるべき装置におけるリモコンインターフェースモジュールの第1検出アンテナにより前記電磁放射を検出して、第2電気信号を得るステップと、
    − 前記第2電気信号をスイッチ駆動信号に受動的に変換するステップと、
    − 前記スイッチを前記スイッチ駆動信号を用いて駆動し、前記制御されるべき装置を、動作の間において該装置により前記電源から電流が流される動作モードと、前記装置が前記電源から完全に切断されて該装置により電流が流されない非活性モードとの間で切り換えるステップと、
    を有する方法。
  2. 前記第1電気信号が、周波数がISM周波数帯域内にある高周波信号を有する請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1電気信号がパルス状高周波信号を有する請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1電気信号が、制御されるべき複数の装置のうちの1つに対する装置識別情報を担持するように変調された搬送信号を有する請求項1ないし3の何れか一項に記載の方法。
  5. 前記スイッチが前記装置識別情報に基づいて駆動される請求項4に記載の方法。
  6. 電磁放射を検出して、第2電気信号を得る第1検出アンテナと、
    前記第2電気信号をスイッチ駆動信号に受動的に変換する受動型変換ユニットと、
    前記スイッチ駆動信号により駆動し、制御されるべき装置を、動作の間において該装置により電流が流される動作モードと、前記制御されるべき装置が電源から完全に切断されて該装置により電流が流されない非活性モードとの間で切り換えるスイッチと、
    を有するリモコンインターフェースモジュール。
  7. 前記受動型変換ユニットが受動型整流器回路を有する請求項6に記載のリモコンインターフェースモジュール。
  8. 請求項6又は請求項7に記載のリモコンインターフェースモジュールを有する装置。
  9. 制御されるべき装置と電源との間のスイッチを駆動するシステムであって、
    − リモコンユニットにおいて第1電気信号を発生する信号発生器と、
    − 前記第1電気信号を電磁放射に変換する前記リモコンユニットの第1送信アンテナと、
    − 前記電磁放射を検出して第2電気信号を得る第1検出アンテナと、
    − 前記第2電気信号をスイッチ駆動信号に受動的に変換する受動型変換ユニットと、
    − 前記スイッチ駆動信号により駆動し、前記制御されるべき装置を、動作の間において該装置により電流が流される動作モードと、前記制御されるべき装置が前記電源から完全に切断されて該装置により電流が流されない非活性モードとの間で切り換えるスイッチと、
    を有するシステム。
  10. 第2送信アンテナ及び第2受信アンテナを有する請求項9に記載のシステム。
  11. 前記第1送信アンテナ及び/又は前記第2送信アンテナが指向性アンテナを有する請求項9又は請求項10に記載のシステム。
  12. 前記第1送信アンテナの放射特性が前記第1受信アンテナの放射特性に整合され、及び/又は前記第2送信アンテナの放射特性が前記第2受信アンテナの放射特性に整合され、これにより、前記第1送信アンテナから生じる電磁放射が前記第1受信アンテナにより検出され、及び/又は前記第2送信アンテナから生じる電磁放射が前記第2受信アンテナにより検出されるようにする請求項9ないし11の何れか一項に記載のシステム。
  13. 前記送信アンテナの放射特性が偏波特性を有する請求項12に記載のシステム。
  14. 制御入力を入力するためのユーザインターフェースと、
    前記制御入力に従って第1電気信号を発生する信号発生器と、
    前記第1電気信号を、請求項6又は請求項7に記載のリモコンインターフェースモジュールにより検出するための電磁放射に変換する少なくとも1つの送信アンテナと、
    を有する請求項9ないし13の何れか一項に記載のシステムで使用するためのリモコンユニット。
  15. 前記制御されるべき装置におけるリモコンインターフェースモジュールの装置制御インターフェースに制御信号を送信する追加の制御インターフェース装置を有する請求項14に記載のリモコンユニット。
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