JP2011513393A - 眼用組成物 - Google Patents
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Abstract
治療上有効量のβ−遮断薬と水溶性セルロース誘導体およびポリビニルピロリドンから本質的になるポリマー性ビヒクルとを含んでなる眼用組成物であって、粘度が20cps〜60cpsの透明な水溶液である組成物。
Description
本発明は、治療上有効量のβ−遮断薬を含んでなる長時間作用性の眼用組成物に関する。
緑内障は眼内圧の上昇による眼疾患であり、治療をせずにおくと視神経乳頭損傷を来たし、回復不能な視野喪失、究極的には失明を引き起こす可能性がある。眼内圧の上昇は緑内障の主要な危険因子であり、様々な薬剤によってそれを低下させることは緑内障治療の中心である。
現在、5種類の薬剤が緑内障患者に用いるものとして入手可能であるが、それらの内β−遮断薬が主として用いられる。それらは、房水の産生を少なくすることによって眼の圧力を低下させる。
1978年に眼での使用についてFDAによって最初に承認された非選択的β−遮断薬であるチモロールは、緑内障治療の局所投与可能な組成物として入手可能であり、主要組成物は水性眼科溶液である。しかし、水性液体処方物に関連した不都合は、眼に投与される薬剤の大半が涙排液(lachrymal drainage)によって失われることである。結果として、投与量のごく小部分だけが数分間角膜と接触したままであり、更に小部分が眼に浸透することとなる。
この不都合を解決するため、ゲル形成ポリマーを含んでなる様々なゲル化薬剤送達系が開発され、これらの系は、イオン強度の増加(米国特許第5,403,841号公報および第4861760号公報)、涙液に含まれる酵素リゾチームとの相互作用(米国特許第6174524号公報)、pH変化(米国特許第4,136,173号公報および第4,136,177号公報)または温度変化(米国特許第4,474,751号公報、第4,474,752号公報および第4,188,373号公報)のような様々な機構を利用する液−ゲル相転移を受ける。それらは、液滴として局所投与され、眼の生理学的液体と接触するとゲル化し、接触部位で転移が起こる。ゲル形成溶液の形態で供給される活性成分は、それら自身の利点と不都合な点を有する。ゲル形成点眼液に関しては多くの製造、保管、調剤および用法上の制約がある。更に、眼の不快感も不都合な点である。
更に、幾つかの新規組成物、すなわちゲル形成組成物と比較して改良点を示しているゲル処方物が開発された。米国特許第5397657号公報は、所望の残留粘度を得るために2種類のポリマーを組み合わせている眼用組成物を開示している。眼に点滴注入するときに現れる残留粘度は、ゲルの適合性および滞留時間を最終的に決定する因子である。これらの処方物は、ポリビニルアルコール成分による良好なフィルム形成特性とカルボマー成分による生物付着性(bioadhesion)を有する。このゲル処方物は以前に報告されたゲル形成組成物と比較して改良されているが、獲得した残留粘度は接着効果を示すほど高く、それによって患者が異物が存在する感触を訴えるといった適合性の問題を生じる。
米国特許第6645963号公報には、ゲル形成成分を用いなくとも活性薬剤を持続放出する点眼薬が開示されている。この組成物は、浸透を高め、眼組織における保持時間を向上させる目的で、ソルビン酸のような短鎖脂肪酸を用いている。眼の組織は、このように薬剤作用を長くする薬剤保管部位として作用する。この組成物は、この効果を達成するのに高濃度のソルビン酸を用いている。高組織濃度の長期効果は、有害となることがある。
米国特許第7147844号公報には、コンタクトレンズ上で涙液層を安定化させ、コンタクトレンズ使用者の眼における乾燥状態と不快感を除きかつ良好で湿り気があり浸透する感触を提供するためのシステムが記載されている。この発明者は、ポリビニルピロリドンがイオン性コンタクトレンズ(ionic-contact lens)に吸着し、コンタクトレンズは次にその保水能を高め、またヒドロキシルプロピルメチルセルロースのような粘度上昇剤の使用が使用者の眼における上記の改良効果を持続させることを見出した。この組成物は、動粘度が1−8mm2/秒であった。この発明は、治療上の応用可能性に影響を与えることなくコンタクトレンズ使用者の眼に確実に快適さを与える組成物を提供する。この特許明細書は、1日1回使用の治療用の眼科組成物は全く開示していない。
米国特許第7306802号公報(’802号特許公報)、第7244440号公報(’440号特許公報)および7329411号公報(’411号特許公報)は、3種類のポリマーの相乗配合物を含む眼用組成物に関する。’802号特許公報は、組成物の粘度に相乗効果を有する3種類のポリマー成分を含んでなる眼の局所投与に適する水性組成物であって、3種類のポリマー成分としてヒドロキシプロピルメチルセルロースと、グアーガムおよびカルボキシビニルポリマー、グアーガムおよびヒドロキシエチルセルロース、グアーガムおよびデキストラン、ヒドロキシエチルセルロースおよびカルボビニルポリマー、およびデキストランおよびカルボビニルポリマーからなる組合せの群から選択される2種類のポリマーの配合物を包含する3種類のポリマー成分を含んでなる組成物を提供している。この組成物は、人工涙または眼科用薬剤のビヒクルとしての使用に適している。本発明の組成物は、上記特許公報には開示されていない。
’440号特許公報および’411号特許公報では、’802号特許公報に記載の水性組成物を眼に局所投与することを含んでなる、ドライアイの症状を緩和する方法が提供されている。
米国特許出願第20070128156号公報および第20040253280号公報には、人工涙または眼科用薬剤のビヒクルとしての使用に適する眼科用水性組成物であって、組成物の粘度に相乗効果を有する2種類のポリマーの配合物の粘度増強量を含んでなり、かつ2種類のポリマーの配合物がヒドロキシルプロピルメチルセルロースおよびグアーガム、ヒドロキシルプロピルメチルセルロースおよびカルボキシビニルポリマー、ヒドロキシルプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシルプロピルメチルセルロースおよびヒアルロン酸、ヒアルロン酸およびカルボキシビニルポリマー、ヒアルロン酸およびグアーガム、またはカルボキシビニルポリマーおよびグアーガムからなる群から選択されることを特徴とする組成物が記載されている。
点眼剤処方物の上記欠点を除去し、適合性、浸透性向上および投与の容易さの利点を併せ持ち、眼における薬剤の長期滞留時間、フィルム形成特性および持続放出という有益な特性を有する処方物は、眼療法に最も好ましい眼科用処方物である。本発明は、このような眼用組成物を提供する。
セルロース誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースとビニルポリマー、例えばポリビニルピロリドンを一定の比で組み合わせると、処方物の粘度が相乗的に増加し、良好なフィルム形成特性および長期滞留時間と共に薬剤の持続放出を生じ、かつこのような処方物は透明であることを、意外にもかつ興味深いことに本発明において見出した。
本発明の他の特徴および利点は、詳細な説明であって、本発明の好ましい態様のみが簡単にかつ本発明の実施を予想した最良の様式を例示しながら明らかにされかつ説明されているものを読むことによって当業者には明らかになるであろう。十分に理解されることであろうが、本発明は他のおよび異なる態様が可能であり、明白なその幾つかの詳細は様々な点において修飾が可能であり、いずれも本発明から離反することはない。従って、図面および説明は、例示的な性質であり、制限的ではないと考えるべきである。
本発明は、治療上有効量のβ−遮断薬を含んでなる長時間作用性の眼用組成物(ophthalimic composition)に関する。
本発明の目的は、1日1回の点眼に適するβ−遮断薬を含んでなる長時間作用性で徐放性の眼用組成物を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、上昇した眼内圧(IOP)、特に緑内障に関連して上昇したIOPを低下させおよび制御するための1日1回の眼用組成物を提供することである。
本発明のもう一つの目的は、透明な水溶液であり、眼液(ocular fluids)と等張性で適合性であり、長期滞留時間を有し、良好なフィルム形成特性を示し、非刺激性であり、良好な抗微生物特性を有する眼用組成物を提供することである。
本発明は、下記のように要約することができる。
(A) 本発明は、治療上有効量のβ−遮断薬と水溶性セルロース誘導体およびポリビニルピロリドンから本質的になる薬学上許容可能なポリマー性ビヒクルとを含んでなる眼用組成物であって、粘度が20cps〜60cpsの透明な水溶液であることを特徴とする、組成物を提供する。
(B) β−遮断薬がマレイン酸チモロールである、(A)に記載の眼用組成物。
(C) 治療上有効量のチモロールまたはその薬学上許容可能な塩、2%(w/v)水溶液の粘度が20℃で約3500cps〜約5600cpsであるセルロース誘導体および10%(w/v)水溶液の粘度が20℃で約300cps〜約700cpsであるポリビニルピロリドンを含んでなる(A)に記載の眼用組成物であって、粘度が20cps〜60cpsであり表面張力が25dynes/cm〜50dynes/cmである透明な水溶液である、組成物。
(D) セルロース誘導体がヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース、メチルセルロースおよびそれらの混合物からなる群から選択される、(A)または(C)に記載の眼用組成物。
(E) セルロース誘導体がヒドロキシルプロピルメチルセルロースであり、ポリビニルピロリドンと組み合わせて重量比が約60:40〜約20:80の重量で用いられる、(A)または(C)に記載の眼用組成物。
(E) ポリマーが組成物の約1.4重量%〜約5.0重量%の濃度で存在する、(A)に記載の眼用組成物。
(F) ヒドロキシルプロピルメチルセルロースが組成物の約0.3重量%〜約2.0重量%の量で用いられ、ポリビニルピロリドンが組成物の約1.0重量%〜約5.0重量%の量で用いられる、(A)に記載の眼用組成物。
(G) 組成物が1日1回の点眼に適する、(A)または(C)に記載の眼用組成物。
(H) ヒドロキシルプロピルメチルセルロースの濃度が組成物の0.5重量%であり、ポリビニルピロリドンの濃度が2.0重量%である、(C)に記載の眼用組成物。
(I) 透過%が95%より大きくかつ粘度が35cpsより大きい、(A)に記載の眼用組成物。
(J) 治療上有効量のβ−遮断薬と水溶性セルロース誘導体およびポリビニルピロリドンから本質的になるポリマー性ビヒクルを含んでなる眼用組成物であって、水溶性セルロース誘導体とポリビニルピロリドンの比が60:40〜20:80であり、上記ポリマーの濃度が組成物の重量の1.4%〜5.0%であることを特徴とする、眼用組成物。
(K) 水溶性ポリマーがヒドロキシルプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシルプロピルセルロースからなる群から選択される、(J)に記載の眼用組成物。
(L) ポリビニルピロリドンの分子量が1,000,000〜1,500,000である、(K)に記載の眼用組成物。
(M) ポリマー性ビヒクルが2重量%水溶液の粘度が3500cps〜5600cpsであるヒドロキシルプロピルメチルセルロースおよび10%(w/v)水溶液の粘度が300cps〜700cpsであるポリビニルピロリドンから本質的になる、(L)に記載の眼用組成物。
本発明は、治療上有効量のβ−遮断薬と水溶性セルロース誘導体およびポリビニルピロリドンから本質的になる薬学上許容可能なポリマー性ビヒクルとを含んでなる眼用組成物であって、粘度が20cps〜60cpsの透明な水溶液であることを特徴とする、組成物を提供する。
本発明の眼用組成物は、透明な水溶液であることを特徴とする。本明細書で言うところのこれらの「透明な水溶液」は、視覚上の障害を全く起こさずおよび/または眼に局所点眼したときおよび適当な視界条件下で検討したときに視野に影響しない溶液と定義され、事実上透明でありかつ事実上粒子を含まない。90%より大きい透過%を示すポリマーを含む眼用組成物は、「透明な水溶液」と呼ばれる。
本明細書で用いられる「透過%」とは、下記のように定義される。すなわち、光を本発明の眼用組成物中を通過させるときに、溶液中を透過する入射光線の割合は「透過%」呼ばれる。上記のように、「透過%」の特性は、水溶液または組成物の透明度に関係する。透過%が85%未満であるときには、組成物の透明性に乏しい。好ましくは、透過%は90%より大きい。一般に、透過%は約650nmの波長で測定されるが、溶液の透明性を測定する目的で任意の他の適当な波長を選択してもよい。
薬学上許容可能なポリマー性ビヒクルを含んでなる本発明の組成物は、更に、粘度が20cps〜60cps(センチポーズ/秒)であることを特徴とし、好ましくは薬学上許容可能なポリマーは相乗粘度を提供する量で用いられる。
本明細書で用いられる「相乗粘度」とは、本発明の組成物(水溶性セルロース誘導体(A)とポリビニルピロリドン(B)の組合せからなり、得られる粘度(cps)が2種類の水性組成物「A」および「B」の粘度の和より大きく、「A」はセルロース誘導体のみを含みかつ「B」はビニル誘導体のみを含む)によって得られる粘度を表す。
局所投与可能な眼用組成物の目標粘度を得るため、一つの方法は単に1種類のポリマー成分の十分な量を加えるだけでよいはずである。しかしながら、これはそのポリマーを多量に用いる必要があり、望ましくない可能性がある。代わりに、局所用の眼用組成物のポリマー成分の総量をできるだけ少なくすることが有益であり望ましい。そこで、粘度に相乗作用を生じるような方法で相互作用することができる2種類以上のポリマーを含む混合ポリマー系の使用を含んでなるもう一つの方法が、必要とする総ポリマー量が比較的極めて少量で目標粘度を得ることができ、従って材料のコストも低減することができる。
本発明は、組成物を局所投与するときに望ましい溶液に20cps〜60cpsの相乗粘度を提供しかつ95%を上回る透明度を付与する等級、比率および濃度の2種類のポリマー、すなわち水溶性セルロース誘導体およびポリビニルピロリドンの混合物から本質的になる薬学上許容可能なポリマー性ビヒクルを含んでなる眼用組成物を提供する。用いられる2種類のポリマー、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースとポリビニルピロリドンを一定の比率で組み合わせると、本発明の組成物によって得られる20cps〜60cpsの相乗粘度は、眼の表面における処方物の保持(滞留)時間を長くし、それから薬剤の放出を持続させ、薬剤の作用を長くし、それによって1日1回の投与を容易にするのに有用である。
本発明は、点眼したときの残留濃度に著しい変化を示さず、患者間変動を最小限にすることができる眼用組成物を提供する。残留粘度は、点眼剤を涙液と混合した結果として眼に生じる。
本発明の眼用組成物は人工涙液とほぼ同じ表面張力を示すが、組成物によって示される粘度は当該技術分野で知られている人工涙液とは対照的に約20cps〜60cpsである。
理論によって束縛されることを望むものではないが、本出願人は、本発明の組成物で用いられるポリビニルピロリドンは水素結合相互作用を介して水溶性セルロース誘導体と相互作用し、相互浸透ネットワークを形成すると考えている。相乗粘度増加を生じることによって薬剤の持続放出のためのマトリックスを提供するのは、相互浸透ネットワークの形成である。相互作用は非常に顕著であり、ポリマー比および濃度によっては液体コアセルベート形成/相分離が起こり、組成物の透明度を減少させることがある。驚くべきことには、本発明の組成物は著しい相乗粘度を示し、更に相分離を示さない透明溶液である。治療上有効量のβ−遮断薬と水溶性セルロース誘導体およびポリビニルピロリドンから本質的になるポリマー性ビヒクルを含んでなる眼用組成物であって、水溶性セルロース誘導体とポリビニルピロリドンの比が60:40〜20:80でありかつ上記ポリマーの濃度が組成物の重量の1.4%〜5.0%である組成物。
本発明の眼用組成物は、緑内障の治療に有用な治療薬(抗緑内障薬)の治療上有効量を含んでなる。これらは、チモロール、ベタキソロール、レボベタキソロール、カルテオロール、それらの誘導体、塩およびそれらの混合物のようなβ−遮断薬が挙げられるが、それらに限定されない。本発明の一態様では、用いられる治療薬はチモロールの塩である。本発明の好ましい態様では、用いられる治療薬はマレイン酸チモロールである。
分子量が432.50の非選択的β−アドレナリン作動性遮断薬であるチモロールは、眼科溶液として局所適用すると、眼内圧を低下させる。このように、それは高眼圧症または開放隅角緑内障の患者で示される。それはまた、(1)健康な被験者および心疾患患者のいずれにおいても心拍出量の減少を引き起こす心臓におけるβ−アドレナリン作動性受容体遮断および(2)気管支および細気管支におけるβ−アドレナリン作動性受容体遮断によるアンオポーズド(unopposed)副交感神経活性由来の気道抵抗の増加などある種の全身性効果も示す。従って、この薬剤は、β−アドレナリン作動性遮断が望ましくないことがある患者には慎重に用いなければならない。従って、緑内障療法を目的とするチモロールは、肺機能疾患を有する患者やその全身的循環器作用に耐えることができない患者では禁忌である。マレイン酸チモロールは、本発明の組成物に治療上有効量で用いられる。マレイン酸チモロールは、組成物の重量の約0.01%〜約2.0%、好ましくは組成物の重量の約0.05%〜約1.0%、最も好ましくは組成物の重量の約0.1%〜約0.5%の量で用いられる。
眼用組成物は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースおよびポリビニルピロリドンのような水溶性セルロース誘導体の混合物から本質的になる薬学上許容可能なポリマービヒクルを含んでなる。
本発明の一態様では、薬学上許容可能なポリマー性ビヒクルは、水溶性セルロース誘導体として用いられるヒドロキシプロピルメチルセルロースとポリビニルピロリドンの混合物である。
本発明の組成物に用いられるヒドロキシルプロピルメチルセルロース(HPMC)は、セルロースポリマー、特にメチルセルロースのプロピレングリコールエーテルである。それは、PVPとの相乗作用により所望なレベルの粘度を提供する働きをし、粘滑薬活性も示す。HPMCは、幾つかの商品名で様々な等級のものが入手できる。様々な等級のものはメトキシおよびヒドロキシプロピル含量が異なり、同時に分子量および(20℃での2%水溶液の)粘度も異なる。本発明の組成物で用いることができるセルロースエーテルは、任意の入手可能な等級のHPMCから選択することができる。適当な材料は、「ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー(The Dow Chemical Company)」(「ダウ」)からメトセル(METHOCEL)という商標で発売されている。本発明の組成物で用いるために選択することができるHPMC等級としては、下記のものが挙げられるが、これらに限定されない。
(a)28−30重量%のメトキシル含量、7−12重量%のヒドロキシプロピル含量を有しかつ2%水溶液の粘度が2.4〜3.6cpsであるメトセルE3(メトセルE3)(プレミアム(Premium)LV)、(b)28−30重量%のメトキシル含量、7−12重量%のヒドロキシプロピル含量を有しかつ2%水溶液の粘度が4.0〜6.0cpsであるメトセルE5(プレミアムLV)、(c)28−30重量%のメトキシル含量、7−12重量%のヒドロキシプロピル含量を有しかつ2%水溶液の粘度が5.0〜7.0cpsであるメトセルE6(プレミアムLV)、(d)28−30重量%のメトキシル含量、7−12重量%のヒドロキシプロピル含量を有しかつ2%水溶液の粘度が12.0〜18.0cpsであるメトセルE15(プレミアムLV)、(e)28−30重量%のメトキシル含量、7−12重量%のヒドロキシプロピル含量を有しかつ2%水溶液の粘度が40.0〜60.0cpsであるメトセルE50(プレミアムLV)、(f)28−30重量%のメトキシル含量、7−12重量%のヒドロキシプロピル含量を有しかつ2%水溶液の粘度が3000.0〜5600.0cpsであるメトセルE4M(プレミアム)、(g)28−30重量%のメトキシル含量、7−12重量%のヒドロキシプロピル含量を有しかつ2%水溶液の粘度が7500.0〜14000.0cpsであるメトセルE10M(プレミアムCR)を包含するメトセル・イー(メトセルE)(USP等級2910/ヒプロメロース(HYPROMELLOSE)2910)。
(a)27〜30重量%のメトキシル含量および4〜7.5重量%のヒドロキシプロピル含量を有するメトセルF50(プレミアム)、(b)メトセルF4M(プレミアムLV)を包含するメトセルF(USP等級2906/ヒプロメロース2906)。(a)19〜24重量%のメトキシル含量、4〜12重量%のヒドロキシプロピル含量を有しかつ2%水溶液の粘度が2.4〜3.6cpsであるメトセルK3(プレミアムLV)、(b)19〜24重量%のメトキシル含量、4〜12重量%のヒドロキシプロピル含量を有しかつ2%水溶液の粘度が80.0〜120.0cpsであるメトセルK100(プレミアムLV)、(c)19〜24重量%のメトキシル含量、4〜12重量%のヒドロキシプロピル含量を有しかつ2%水溶液の粘度が3000.0〜5600.0cpsであるメトセルK4M(プレミアム)、(d)19〜24重量%のメトキシル含量、4〜12重量%のヒドロキシプロピル含量を有しかつ2%水溶液の粘度が11,250.0〜21,000.0cpsであるメトセルK15M(プレミアム)(e)19〜24重量%がメトキシル含量、4〜12重量%のヒドロキシプロピル含量を有しかつ2%水溶液の粘度が80,000.0〜120,000.0cpsであるメトセルK100M(プレミアム)を包含するメトセルK(USP等級2208/ヒプロメロース2208)。
メトセルA15(プレミアムLV)、メトセルA4C(プレミアム)、メトセルA15C(プレミアム)、メトセルA4M(プレミアム)、16.5〜20重量%のメトキシル含量、23〜32重量%のヒドロキシプロピル含量を有するHPMC USP 等級1828。
本発明の組成物で用いるための最も好ましい等級は、28〜30重量%のメトキシル含量、7〜12重量%のヒドロキシプロピル含量を有しかつ2%水溶液の粘度が3500〜5600cps(センチポーズ/秒)であることを特徴とするメトセルE4M(USP 2910)である。
しかしながら、本発明はいずれか特定のヒドロキシルプロピルメチルセルロースに限定されず、薬学等級の任意の同等なヒドロキシルプロピルメチルセルロースを用いて同等な結果を得ることができることを理解すべきである。
ヒドロキシルプロピルメチルセルロースを用いる態様では、それは組成物の重量の約0.05%〜約8.0%の量、好ましくは組成物の重量の約0.1%〜約4.0%の量、更に好ましくは組成物の重量の約0.3%〜約2.0%の量で含まれるが、この量は用いられるポリマーの等級によって変化する。
水溶性ポリマーがヒドロキシルプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドンである態様では、2種類のポリマーは約95:5〜約5:95、好ましくは60:40〜約20:80の重量比の重量で用いることができる。2種類のポリマーは、組成物の重量の約0.1%〜約10.0%の量で、好ましくは組成物の重量の約1.0%〜約8.0%の量で、更に好ましくは組成物の重量の約1.0%〜約5.0%の量で組成物に含まれていてもよいが、この量は用いられるポリマーの等級によって変化する。
本発明のもう一つの態様によれば、用いられる水溶性セルロース誘導体はヒドロキシエチルセルロースである。ヒドロキシエチルセルロースは非イオン性の水溶性ポリマーである。それは、セロサイズ(Cellosize)やナトロゾル(Natrosol)として一般に知られている。このポリマーは、主として眼科用および局所用処方物の増粘剤として用いられる。これは広汎な粘度型で入手することができ、例えば、セロサイズは11の通常粘度等級で製造される。ヒドロキシエチルセルロース等級は、主としてそれらの水溶液粘度が異なり、2%(w/v)水溶液については2〜200mPasである。2種類のセロサイズであって、通常の溶解性材料であるWP型と迅速分散性材料であるQP型が生産されている。最低粘度等級は、WP型でのみ入手することができる。5つの粘度等級(09、3、40、300および4400)は、WPおよびQP型のいずれでも生産されている。ナトロゾル250は置換度が2.5であり、10種類の粘度で生産されている。ポリマー性ビヒクルにおけるヒドロキシエチルセルロースは、0.1%〜2%(w/v)、好ましくは0.2%〜0.6%、最も好ましくは約0.5%(w/v)の量で含まれる。一つの好ましい態様では、ヒドロキシエチルセルロースおよびポリビニルピロリドンは1:4の比率で用いられる。ヒドロキシエチルセルロース対ポリビニルピロリドンの比率が約1:4であるときには、用いられるポリビニルピロリドンの粘度は好ましくは3cpsより大きく、好ましくは300cpsより大きく、最も好ましくは約700cpsである。これらの2種類のポリマーの比が約1:4であるとき、高粘度、すなわち90 Kのポリビニルピロリドンを用いるときには、粘度に対する相乗効果は顕著である。
本発明の更にもう一つの態様では、ポリマー性ビヒクルは水溶性セルロース誘導体としてのヒドロキシプロピルセルロースを含んでなる。もう一つの態様では、メチルセルロースが水溶性セルロース誘導体として用いられる。
本発明の組成物のポリマー性ビヒクルは、もう一つの薬学上許容可能なポリマーの第三アミドポリマーであるポリビニルピロリドン(PVP)を含んでなる。これは、1−ビニル−2−ピロリドン基の線状ポリマーであって、重合度によって様々な分子量のポリマーを生じる。それは、10から120までの範囲の様々な等級を構成しているK値として表される水の粘度に対する水溶液でのその粘度を特徴とする。本発明の組成物で用いることができるポリビニルピロリドンは、入手可能な等級のポリビニルピロリドンのいずれかから選択することができる。このような材料は、アイ・エス・ピー・テクノロジーズ・インコーポレーテド(ISP Technologies, Inc.)からプラスドン(PLASDONE)という商標で発売されている。
本発明の組成物で用いる目的で選択することができるPVP等級としては、下記のものが挙げられるが、これらに限定されない:
10%(w/v)水溶液が20℃で約1.3cps〜約2.3cpsの動粘度を有するPVP K−11/14、
10%(w/v)水溶液が20℃で約1.5cps〜約3.5cpsの動粘度を有するPVP K−16/18、
10%(w/v)水溶液が20℃で約3.5cps〜約5.5cpsの動粘度を有するPVP K−24/27、
10%(w/v)水溶液が20℃で約5.5cps〜約8.5cpsの動粘度を有するPVP K−28/32、
10%(w/v)水溶液が20℃で約300.0cps〜約700.0cpsの動粘度を有するPVP K−85/95。
10%(w/v)水溶液が20℃で約1.3cps〜約2.3cpsの動粘度を有するPVP K−11/14、
10%(w/v)水溶液が20℃で約1.5cps〜約3.5cpsの動粘度を有するPVP K−16/18、
10%(w/v)水溶液が20℃で約3.5cps〜約5.5cpsの動粘度を有するPVP K−24/27、
10%(w/v)水溶液が20℃で約5.5cps〜約8.5cpsの動粘度を有するPVP K−28/32、
10%(w/v)水溶液が20℃で約300.0cps〜約700.0cpsの動粘度を有するPVP K−85/95。
本発明の組成物に用いることができる好ましい等級としては、PVP K−30、PVP K−60およびPVP K−90が挙げられる。本発明の組成物に用いられる最も好ましい等級はPVP K−90であり、その10%(w/v)水溶液は20℃で約300.0cps〜約700.0cpsの動粘度を有し、かつ約l,000,000〜1,500,000の近似分子量を有する。
しかしながら、本発明はいずれか特定のポリビニルピロリドンに限定されず、薬学等級の任意の同等なポリビニルピロリドンを用いて同等な結果を得ることができることを理解すべきである。
ポリビニルピロリドン(PVP)は、湿潤剤として特に有用であり、その上増粘剤(viscosifying薬剤)として作用するので、選択される。PVPは、眼科溶液における様々な周知成分と組み合わせて用いることができるという多数の他の特性を有する。ポリビニルピロリドンは解毒薬として作用し、眼液に含まれる抗毒素に結合してそれらを無害にする。更に、PVPは、接着および潤滑特性の組合せによって粘滑滑沢剤(demulcent lubricant)として作用し、粘性溶液の眼上への分散を促進する。PVPは涙膜を安定にしかつ角膜表面を湿潤化し、溶液中での塩化ベンザルコニウムの有効防腐濃度での使用を可能にする。PVPは、本発明の組成物の重量の約0.01%〜約10.0%の量で、好ましくは組成物の重量の約0.1%〜約8.0%の量で、更に好ましくは組成物の重量の約1.0%〜約5.0%の量で組成物に用いることができるが、その量は用いるポリマーの等級によって変化する。
本発明の一態様では、本発明の組成物に用いることができるヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)とポリビニルピロリドン(PVP)の好ましい組合せは、2%(w/v)水溶液の粘度が20℃で約3500cps〜約5600cpsであるHPMC(HPMC E4Mと呼ばれる)および10%(w/v)水溶液の粘度が20℃で約300cps〜約700cpsであるポリビニルピロリドン(PVP K90と呼ばれる)である。この組合せは、好ましくは、約80:20〜約10:90の重量比(HPMC E4M:PVP K90)の重量で用いることができる。
本発明の好ましい態様では、組成物は、組成物の0.5重量%の量のHPMC E4Mと組成物の2.0重量%の量のポリビニルピロリドン K−90を含んでなる。この組合せは、約80:20〜約10:90の重量比(HPMC E4M:PVP K90)での重量で用いることができ、粘度は約25cps、好ましくは約40cpsであり、透過%は90%を上回り、好ましくは95%を上回る。
本発明は、1日1回の点眼に適する長時間作用性の眼用組成物を提供する。本発明によって調製される組成物を、緑内障ウサギモデルにおける眼内圧を低下させる効力について試験した。本発明によって調製した組成物は、15−18時間まで増加した眼内圧を減少させることが見出され、市販されている1日1回投与組成物に匹敵した。本発明の組成物は、角膜、虹彩および結膜への刺激に関して安全であることも見出された。
本発明の組成物は、薬学技術では通常の薬学上許容可能な賦形剤を含んでなることもある。このような薬学上許容可能な賦形剤の典型的なものとしては、浸透圧/張性調節剤、防腐剤、1種類以上の薬学上許容可能な緩衝剤およびpH調節剤、可溶化剤、ビヒクル、および眼用組成物の処方に用いることができる当該技術分野で一般に知られている他の薬剤が挙げられる。
眼用組成物は、ヒトの眼に含まれる眼液(ophthalmic fluids)に関して等張性である必要がある。これらの溶液は、オスモル濃度が250〜375mOsm/kgであることを特徴としている。溶液のオスモル濃度は、浸透圧/張性調節剤を添加することによって調整される。本発明の組成物で用いてヒトの眼に含まれる眼液に関して等張性にすることができる浸透圧剤は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、臭化ナトリウム、マンニトール、グリセロール、ソルビトール、プロピレングリコール、デキストロース、スクロースなど、およびそれらの混合物を含んでなる群から選択される。本発明の好ましい態様では、マンニトールが浸透圧剤として用いられる。マンニトールは、本発明の組成物に、組成物の重量の約2.0%〜約6.0%、好ましくは組成物の重量の約3.0%〜約5.0%、最も好ましくは組成物の重量の約4.5%の量で存在することができる。
更に、本発明の眼用組成物は有効量の防腐剤を含んでなることができる。防腐剤の抗微生物有効量は、防腐効力試験または抗微生物有効性試験によって決定することができる。これらの試験は、とりわけ米国薬局方29−国民医薬品集24(the United States Pharmacopoeia 29-National Formulary 24(USP 29-NF 24))の第51章に記載されている。これらの防腐剤は、「レミントンズ・ファーマスューティカル・サイエンシズ(Remington's Pharmaceutical Sciences)」および「ハンドブック・オブ・ファーマスューティカル・エクシピエンツ(Handbook of Pharmaceutical Excipients)」のような標準的参考書に記載の濃度範囲内の量で用いることができる。
防腐剤は、塩化ベンザルコニウム(BKC)および塩化ベンゼトニウムのような第四アンモニウム化合物、酢酸フェニル第二水銀、硝酸フェニル第二水銀およびチメロサルのような有機水銀化合物、メチルおよびプロピルパラベン、エチルパラオキシベンゾエートまたはブチルパラオキシベンゾエートのようなパラベン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ホウ酸、ホウ砂、サリチル酸のような酸およびそれらの薬学上許容可能な塩、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエタノールのような置換アルコールおよびフェノール、アセタミドのようなアミドなど、およびそれらの組合せから選択することができる。好ましくは、本発明の眼用組成物は、防腐剤として「第四アンモニウム化合物」、特に塩化ベンザルコニウムを含んでなる。塩化ベンザルコニウムは、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウムの混合物として特定される。それは、本発明の組成物に、組成物の重量の約0.01〜約0.02%の好ましい濃度で用いられる。
本発明のもう一つの態様によれば、眼用組成物は自己保存性であることがある。 組成物を自己保存性とする成分としては、トロメタミンの存在下における亜鉛塩とホウ酸の組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
最適pHを達成した後保持するため、眼用組成物はpH調節剤および/または緩衝剤を本質的に含む。眼科用処方物に好ましいpHの範囲は約6.8〜約7.8であり、最も好ましいpHは約7.4である。
本発明の眼用組成物は、酢酸またはその塩、ホウ酸またはその塩、リン酸またはその塩、クエン酸またはその塩、酒石酸またはその塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、トロメタモールなど、およびそれらの混合物を含んでなる群から選択することができる薬学上許容可能なpH調節剤を含んでなる。詳しくは、本発明の組成物に用いることができる好ましいpH調節剤としては、酢酸、塩化水素酸、炭酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムが挙げられる。これらの薬剤は、約6.0〜約8.0の範囲のpHを生じるのに必要な量で用いられる。
上記成分の他に、本発明の処方物は、当該技術分野で周知のように様々な効果を提供するための多数の追加成分を包含することができる。例えば、組成物はエデト酸二ナトリウムを含むことができ、これは補助防腐剤およびキレート化剤として作用することができる。
本発明の眼用組成物は、下記の一般的方法によって調製することができる。
2組のステンレススチール(SS316)製容器であって、それぞれオーバーヘッド攪拌機を備えたものにWFIを入れる。2種類のポリマーHPMCおよびPVP K−90を2種類の容器のWFIに別々に攪拌しながら分散させ、均質な分散液を得る。治療活性剤マレイン酸チモロールと浸透圧剤(含まれている場合には、マンニトール)をWFIに溶解させる。これを、PVP K−90分散液に攪拌しながら加える。HPMC相をPVP K−90分散液と攪拌しながら均質に混合する。攪拌を継続しながら、防腐剤(塩化ベンザルコニウム)溶液を、これに加える。酢酸または水酸化ナトリウムを用いて、pHを約7.4に調整する。容量をWFIで100%に整える。バルク溶液を121℃で20分間オートクレーブ処理し、冷却して、必要ならば濾過する。これにより、本発明の所望な眼用組成物が得られる。
本発明の一態様では、眼用組成物は防腐剤を含まない。この組成物は、最初にポリマー性ビヒクル、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースK100M(HPMC K100M)とPVP K30を別個に注射用水に攪拌しながら溶解したものを作成することによって調製される。2種類のポリマー相を攪拌混合し、121℃にて20分間オートクレーブ処理した後、攪拌しながら室温まで冷却した。攪拌は、総ての不透明な膨潤またはゼラチン化した粒子が溶解するまで継続すべきである(相I、ポリマー相)。マレイン酸チモロール、トロメタミン、塩化ナトリウム、ホウ酸および塩化亜鉛を、順次20−25℃のWFIに連続攪拌しながら溶解させた(相II、薬剤相)。薬剤相を、相I(ポリマー相)の溶液と攪拌しながら連続的に2.0−0.2μmフィルターを通して無菌的に混合した。最後に、容量をWFIで100%に調整し、無菌条件下にて2.0ミクロンフィルターを通して濾過した。
正確な手続きは、用いる成分によって若干変化する。詳細な説明は、実施例に記載されている。
本発明は、局部的に眼に対する治療薬(β−遮断薬)を含んでなり、活性薬剤の持続放出を達成することによって、上昇した眼内圧、特に緑内障に関連する上昇したIOPを低下させて制御する、本発明の眼用組成物の1日1回投与を含んでなる、緑内障の治療方法を提供する。
本発明は概略的に上記に開示されているが、追加の特徴を下記の実施例に関して更に検討し、例示する。しかしながら、実施例は単に本発明の例示の目的で例示するものであり、それらに限定されると考えるべきではない。
実施例1
本発明による1日1回の点眼用の眼用組成物を表1に示す。
本発明による1日1回の点眼用の眼用組成物を表1に示す。
WFIを、2組のステンレススチール製(SS316)容器であって、それぞれオーバーヘッド攪拌機を備えているものに入れた。HPMC−E4MとPVP K−90を、2種類の容器のWFIに別個に攪拌しながら徐々に分散させ、均質な分散液を得た。もう一つのビーカーで、炭酸ナトリウムを前濃縮(10%w/v)溶液を得るのに必要な容量のWFIに溶解した。これに、薬剤マレイン酸チモロールを加えて、1時間保持し、チモロールベースの油性ベースを形成した。このようにして得た油性ベースを攪拌しながらPVP K−90分散液に加え、油性液滴が溶解するまで攪拌を継続した。HPMG E4M相を、攪拌しながらPVP K−90分散液と均質に混合した。更に、塩化ベンザルコニウム溶液(BKC溶液)を攪拌しながら加え、pHを酢酸で約7.4に調整した。最後に、容量をWFIで100%に調整し、バルク溶液を121℃で20分間オートクレーブ処理し、冷却して最終処方物を得た。
実施例2
本発明による1日1回点眼用の眼用組成物を表2に示す。
本発明による1日1回点眼用の眼用組成物を表2に示す。
注射用水を、2組のステンレススチール製(SS316)容器であって、それぞれオーバーヘッド攪拌機を備えているものに入れた。HPMC−E4MとPVP K−90を、2種類の容器のWFIに別個に攪拌しながら徐々に分散させ、均質な分散液を得た。もう一つのビーカーで、薬剤マレイン酸チモロールを必要量のWFIに溶解した。薬剤溶液を攪拌しながらPVP K−90分散液に加えた後、必要量の酢酸を攪拌しながら加えた。pHを、水酸化ナトリウム溶液で7.0に調整した。PVP K−90分散液をHPMG E4M相と均質に混合した後、BKC溶液を攪拌しながら加えた。pHを水酸化ナトリウム溶液で7.4に調整した。最後に、容量をWFIで100%に調整した。バルク溶液を2−20ミクロンガラス繊維フィルターを通して濾過した後、121℃で20分間オートクレーブ処理した。次に、溶液を室温まで冷却して、最終処方物を得た。
実施例3
本発明による1日1回点眼用の眼用組成物を表3に示す。
本発明による1日1回点眼用の眼用組成物を表3に示す。
この実施例3の眼用組成物は、上記の実施例2に記載したのと同じ方法によって調製した。
実施例4
本発明による1日1回点眼用の眼用組成物を表4に示す。
本発明による1日1回点眼用の眼用組成物を表4に示す。
この実施例4aの眼用組成物は、薬剤相におけるマンニトール溶解段階を含む上記の実施例2に記載したのと同じ方法によって調製した。
この実施例4bの眼用組成物は、次のようにして調製した。すなわち、注射用水を、2組のステンレススチール製(SS316)容器であって、それぞれオーバーヘッド攪拌機を備えているものに入れた。HPMC−E4MとPVP K−90を、2種類の容器のWFIに別個に攪拌しながら徐々に分散させ、均質な分散液を得た。マンニトールを、PVP相に溶解した。このPVP相をHPMC相に加えて、混合物を十分に混合し、2−20ミクロンのガラス繊維フィルターを通して濾過し、121℃で20分間オートクレーブ処理した後、室温まで冷却した。もう一つのビーカーで、薬剤マレイン酸チモロールを必要量のWFIに溶解した後、BKC溶液を攪拌しながら加えた。この溶液0.2ミクロンのナイロンフィルターを通して無菌濾過し、オートクレーブ処理したポリマー相に攪拌しながら加えた。pHを、トロメタミン溶液で7.4に調整した。最後に、容量をWFIで100%に調整した。
実施例4aおよび4bに準じて調製した処方物を、加速安定性条件下に置いた。チモロール含量を測定して、組成物の化学的安定性を確認した。組成物は、室温で安定であることが分かった。
実施例4aおよび4bに準じて調製した処方物は、粘度がそれぞれ約47.87および44.21cpsで、%透過度が98.43および100.0%である。実施例4bの処方物の残留粘度を測定した。処方物10mlを20%塩化ナトリウム溶液0.45mlと混合した。混合後、溶液の粘度を本明細書の他の箇所で記載のブルックフィールド型粘度計で測定した。粘度は42.90cpsであり、これは塩水と混合後には40.68cpsとなった。粘度には、著しい変化はなかった。プロセス温度を20〜25℃に保持してクルスK12MK6型張力計(プレート法)上で測定した実施例4aおよび4bに準じて調製した処方物の表面張力は、それぞれ約30〜32dynes/cmおよび35〜40dynes/cmであった。
実施例4aに準じて調製した組成物の効力を検討した。効力は、緑内障ウサギの眼内圧の減少を試験することによって測定した。ウサギの慢性高眼圧症は、動物の後眼房にα−キモトリプシンを単回投与することによって誘発した。眼内圧をしっかり上昇させた後、試験処方物70μlをそれぞれの動物の左眼に点眼した。組成物を点眼した後、眼内圧を気動眼圧計30クラシックモデル(Reichert、米国)を用いて様々な時点、すなわち30分間、1、2、4、6、8および24時間に測定した。眼内圧の減少率を、初期の読みと比較することによって計算した。実施例4aの試験組成物は眼内圧を約15〜18時間著しく減少させ、緑内障ウサギにおける市販組成物1および2に匹敵することを観察した。
試験組成物について安全性試験も行った。2種類の処方物を、ニュージーランドウサギで眼刺激試験を行った。検討は、3匹のウサギのそれぞれの右眼への単回点眼(マイクロピペットにより100μl)と左眼への同量のプラシーボで行った。ウサギを、組成物の点眼直後および4、24、48および72時間後に眼刺激の徴候/症状があるかどうかを検討した。角膜、虹彩および結膜における刺激の徴候は認められなかった。
実施例5
HPMC−E4MとPVP K−90の比(HPMC−E4Mの濃度を0.5%w/vの一定に保持)を変化させることによって検討を行い、処方物の粘度および透過%に対するそれらの効果を測定した。処方物の透過%および粘度は、下記の方法によって測定した。
HPMC−E4MとPVP K−90の比(HPMC−E4Mの濃度を0.5%w/vの一定に保持)を変化させることによって検討を行い、処方物の粘度および透過%に対するそれらの効果を測定した。処方物の透過%および粘度は、下記の方法によって測定した。
透過%の測定: 光学的検討
処方物の透過%の測定を含む光学的検討は、UV−1700分光光度計、島津、日本を用いて行った。様々な処方物について得られた結果を、表5および6に示す。
処方物の透過%の測定を含む光学的検討は、UV−1700分光光度計、島津、日本を用いて行った。様々な処方物について得られた結果を、表5および6に示す。
粘度の測定: レオロジー検討
処方物の粘度測定を含むレオロジー検討は、ブルックフィールド・ディーブイ−(iii)ウルトラ・プログラマブル・レオメーター(Brookfield dv-(iii)Ultra Programmable Rheometer)(スピンドルCPE 40、エントリーコード:40)を用いて行った。
処方物の粘度測定を含むレオロジー検討は、ブルックフィールド・ディーブイ−(iii)ウルトラ・プログラマブル・レオメーター(Brookfield dv-(iii)Ultra Programmable Rheometer)(スピンドルCPE 40、エントリーコード:40)を用いて行った。
手続き− 処方物0.5gをレオメーターカップに採り、スピンドルを、試料流体に浸したまま一定速度でスピンドルを回転させるのに要するトルクを感知することによって粘度を測定する較正済みスプリングを介して試験流体に浸した。トルクは浸したスピンドルに対する粘性抵抗に比例し、従って流体の粘度に比例する。スピンドルに対する流体の粘性抵抗は、スプリングの撓みによって測定した。スプリングの撓みは、回転トランスデューサーを用いて測定した。スピンドルを幾つかの異なる速度で回転させることによって、流体の挙動によって変化する剪断応力も検出して解析することができる。
下表5には、HPMC−E4M:PVP K−90の比を100:0から0:100まで変化させることによって得られる様々な組成物が示されている。この表には、対応する組成物についての透過%および粘度(cps)の測定値も含まれている。
これらの値は、組成物の粘度(cps)が、総ポリマーの重量のPVPの割合を増加させることによってまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC−E4M):ポリビニルピロリドン(PVP K90)の重量比による重量を100:0から0:100まで増加させることによって増加することを示している。60:40から20:80まで(HPMC−E4M:PVP K−90)の比率では、相乗粘度が観察された。また、組成物は、透過%が90%を上回る透明な水溶液であった。
実施例6
上記実施例3で開発した眼用組成物のウサギ眼への局部適用時のウサギの房水に保持されている薬剤の濃度測定に関する検討、およびこのようにして得られた濃度−時間曲線の市販ニオゲル(NYOGEL)(ノバルティス・ファーマシューティカル・リミテド(Novartis Pharmaceuticals Ltd))の点眼薬との比較。
上記実施例3で開発した眼用組成物のウサギ眼への局部適用時のウサギの房水に保持されている薬剤の濃度測定に関する検討、およびこのようにして得られた濃度−時間曲線の市販ニオゲル(NYOGEL)(ノバルティス・ファーマシューティカル・リミテド(Novartis Pharmaceuticals Ltd))の点眼薬との比較。
行った方法を下記に示し、観察結果を図1に表している。
方法: 体重が1.5−3.0Kgの2匹の雄NZ(ニュージーランド)ウサギを採用した。最初のウサギの両眼に、組成物の0.1重量%の濃度のマレイン酸チモロールを含む本発明の実施例3の組成物70μlの単回用量を点眼し、第二のウサギの両眼に、組成物の0.1重量%の濃度のマレイン酸チモロールを含む市販製品ニオゲル(NYOGEL)組成物70μlの単回用量を点眼した。薬剤点眼の15分、30分、1時間および3時間後に、チオペンタールナトリウムの静脈注射によって動物を屠殺し、角膜縁で前眼房に穿刺した後インスリンシリンジ(1ml,BD Ultra-Fine)にて房水を吸飲し、試料を分析するまで−70℃で保管した。これらの房水試料をHPLCによって分析し、様々な組成物について得られたデーターを比較した(図1参照)。
図1に示されている得られた結果を分析すると、本発明の組成物(実施例3−組成物の0.1重量%の濃度のマレイン酸チモロールを含む)は作用部位において比較的かなり高濃度の薬剤、すなわち一層良好なCmaxおよびAUCを提供することができ、この濃度は、市販製品ニオゲル(NYOGEL)(これもまた1日1回用の製剤であり、組成物の0.1重量%の濃度のマレイン酸チモロールを含む)によって提供されるものと比較して、所望な治療範囲においてかなり長時間保持されることが明らかである。従って、本発明の組成物は、緑内障療法に適する1日1回点眼用の極めて有効な眼用組成物であることが分かる。
実施例7
本発明による1日1回点眼用の眼用組成物を表6に示す。
本発明による1日1回点眼用の眼用組成物を表6に示す。
ヒドロキシプロピルメチルセルロースK100M(HPMC K100M)とPVP K30を、別々にWFIに攪拌しながら溶解した。2種類のポリマー相を攪拌混合し、121℃で20分間オートクレーブ処理した後、攪拌しながら室温まで冷却した。攪拌は、総ての不透明な膨潤またはゼラチン化した粒子が溶解するまで継続すべきである(相I、ポリマー相)。マレイン酸チモロール、トロメタミン、塩化ナトリウム、ホウ酸および塩化亜鉛を、順次20−25℃のWFIに連続攪拌しながら溶解させた(相II、薬剤相)。薬剤相を、相I(ポリマー相)の溶液と攪拌しながら連続的に2.0−0.2μフィルターを通して無菌的に混合した。最後に、容量をWFIで100%に調整し、無菌条件下にて2.0ミクロンフィルターを通して濾過した。
650 nmでの透過率は約99.0%であり、粘度は約33−40cpsであった。
実施例8
本発明による1日1回点眼用の眼用組成物を表7に示す。
本発明による1日1回点眼用の眼用組成物を表7に示す。
ヒドロキシプロピルメチルセルロース K100M(HPMC K100M)とPVP K30を、別々にWFIに攪拌しながら溶解した。2種類のポリマー相を攪拌混合し、121℃で20分間オートクレーブ処理した後、攪拌しながら室温まで冷却した。攪拌は、総ての不透明な膨潤またはゼラチン化した粒子が溶解するまで継続すべきである(相I、ポリマー相)。マレイン酸チモロール、トロメタミンおよび塩化ベンザルコニウムを、順次20−25℃のWFIに連続攪拌しながら溶解させた(相II、薬剤相)。薬剤相を、相I(ポリマー相)の溶液と攪拌しながら連続的に2−2.0ガラス繊維および0.2μフィルターを通して無菌的に混合した。最後に、容量をWFIで100%に調整し、無菌条件下にて2−20ミクロンフィルターを通して濾過した。650nmでの透過率は約99.671%であり、粘度は約28.52cpsであった。
この実施例9の眼用組成物は、実施例8に記載したのと同じ方法で調製した。650nmでの%透過度は99.972であり、粘度は65.66cpsであった。
この実施例9の眼用組成物は、実施例8に記載したのと同じ方法で調製した。
この実施例9の眼用組成物は、実施例8に記載したのと同じ方法で調製した。650nmでの%透過度は98.792であり、粘度は37.15cpsであった。
Claims (13)
- 治療上有効量のβ−遮断薬と水溶性セルロース誘導体およびポリビニルピロリドンから本質的になるポリマー性ビヒクルとを含んでなる眼用組成物であって、粘度が20cps〜60cpsの透明な水溶液であることを特徴とする、組成物。
- 粘度が、35cps〜50cpsであり、透過%が、95%である、請求項1に記載の眼用組成物。
- β−遮断薬が、マレイン酸チモロールである、請求項1に記載の眼用組成物。
- 水溶性セルロース誘導体が、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロースおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の眼用組成物。
- ヒドロキシルプロピルメチルセルロースの2%w/v水溶液の粘度が20℃で3500cps〜5600cpsであり、ポリビニルピロリドンの10%w/v水溶液の粘度が20℃で300cps〜700cpsである、請求項3に記載の眼用組成物。
- 水溶性セルロース誘導体とポリビニルピロリドンの比が、60:40〜20:80である、請求項1に記載の眼用組成物。
- ポリマー性ビヒクルが、組成物の1.4重量%〜5.0重量%の濃度で存在する、請求項1に記載の眼用組成物。
- ヒドロキシプロピルメチルセルロースが、組成物の0.5重量%の量で存在し、ポリビニルピロリドンが組成物の2.0重量%の量で存在する、請求項1に記載の眼用組成物。
- 治療上有効量のβ−遮断薬と水溶性セルロース誘導体およびポリビニルピロリドンから本質的になるポリマー性ビヒクルとを含んでなる眼用組成物であって、水溶性セルロース誘導体とポリビニルピロリドンの比が、60:40〜20:80であり、上記ポリマーの濃度が、組成物の1.4重量%〜5.0重量%である、組成物。
- 治療上有効量のβ−遮断薬と水溶性セルロース誘導体およびポリビニルピロリドンから本質的になるポリマー性ビヒクルとを含んでなる眼用組成物であって、水溶性セルロース誘導体とポリビニルピロリドンの比が、60:40〜20:80であり、上記ポリマーの濃度が組成物の1.4重量%〜5.0重量%である、組成物。
- 水溶性ポリマーが、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシルプロピルセルロースからなる群から選択される、請求項9に記載の眼用組成物。
- ポリビニルピロリドンの分子量が、1,000,000〜1,500,000である、請求項9に記載の眼用組成物。
- ポリマー性ビヒクルが、2重量%水溶液の粘度が3500cps〜5600cpsのヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび10%w/v水溶液の粘度が300cps〜700cpsのポリビニルピロリドンから本質的になる、請求項9に記載の眼用組成物。
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