図1は、機関1、変速機2及び車両を駆動する駆動軸3を持つ車両を概略的に示す。更に変速機出力回転数を検出する回転数センサ4が記入されている。回転数センサ4の信号に基いて、図1には示されてない例えば機関制御装置又は変速機制御装置のような制御装置において、回転速度計信号(TCO信号)が計算される。
図2は、4つの車輪12,14,16,18を持つ車両用の圧縮空気制動装置10を概略的に示す。制動装置10は電気的に制御され、即ち車輪12,14,16,18の制動シリンダ20,22,24,26への制動圧力配分は、電気及び電子制御素子により制御される。前輪12,14の制動シリンダ20,22は前車軸制動制御モジュール28により制御され、後輪16,18の制動シリンダ24,26は後車軸制動制御モジュール30により制御される。後輪16,18の制動シリンダ24,26は、常用制動部分及びばね部分を持つばね制動シリンダ24,26として構成され、ばね部分は駐車制動機を制御する電空制動制御装置即ち駐車制動モジュール32によって制御される。駐車制動モジュール32は車両の駐車制動機の主要部分である。駐車制動モジュール32において、駐車制動機の幾つかの構成要素がハウジング内で構造的にまとめられている。
制動シリンダ20,22,24,26の前に、制動圧力に影響を及ぼすため電磁的に操作可能な弁が接続されている。このため前輪12,14のために弁34,36が使用される。後輪16,18のために、それぞれの弁が後車軸制動制御モジュール30に統合されている。
車輪12,14,16,18にそれぞれ検出手段が設けられて、それぞれの車輪回転数の検出に用いられる。検出手段は、車輪12,14,16,18に相対回転しないように結合されかつ誘導動作する車輪回転数センサ46,48,50,52に電磁結合されるそれぞれ1つの磁石車38,40,42,44を持っている。
制動装置10は、更に運転者の制動希望を検出する制動値発生器54を持っている。制動値発生器54は電気部分及び空気圧部分を持っている。空気圧部分は、第1の圧縮空気貯蔵容器56及び第2の圧縮空気貯蔵容器58から圧縮空気を供給される。これらの圧縮空気貯蔵容器56,58は、前輪12,14の制動シリンダ20,22又は後輪16,18の制動シリンダ24,26への圧縮空気供給に役立つ。制動値発生器54の空気圧部分は2回路に構成された制動弁60を持ち、この制動弁は制動ペダル62に結合され、制動ペダル62により操作可能である。制動ペダル62から第1の圧力信号が圧縮空気導管64を経て後車軸制動制御モジュール30へ供給される。第1の圧力信号から切離された第2の圧力信号は前車軸弁装置66へ供給される。
前車軸弁装置66は、前車軸冗長弁(図示せず)及び圧力制御弁装置(図示せず)、例えば前車軸制動制御モジュール28により電気信号を空気圧制動圧力に変換する比例中継弁を持っている。
前車軸弁装置66は、圧縮空気導管を経て第2の圧縮空気貯蔵容器58に接続されている。この弁装置66は更に電気導線を介して前車軸制動制御モジュール28に接続されている。正常作動において、電気導線を介して供給される電気信号により、制動シリンダ20,22のために圧力が出力される。いわゆる冗長の場合、例えば電気制御部用電気エネルギ供給装置の故障又は制動装置の全電気制御部の故障又は制動装置の個々の制御モジュールの故障の場合、制動値発生器54の圧力信号への切換えが行われる。前車軸弁装置66により、圧縮空気を弁34,36へ導くことができる。
後車軸制動制御モジュール30は、空気圧導管76を経て第1の圧縮空気貯蔵容器56に接続されている後車軸制動制御モジュール30も同様に、電気導線78を介して前車軸制動制御モジュール28の別のデータインタフェースに接続されるデータインタフェースを持っている。これらのデータインタフェースを介して、モジュール328,30がデータを交換する。例えば後車軸制動制御モジュール30は、前車軸制動制御モジュール28から、制動値発生器54により検出される運転者の制動希望を受けて、前車軸制動制御モジュール28と同様に、後車軸制動制御モジュール30に設けられる弁を介して、後輪16,18の制動シリンダ24,26の制動圧力を制御する。
ばね制動シリンダ24,26は常用制動部分及びばね部分を持っている。常用制動部分は、後車軸の常用制動装置に空気圧的に接続されかつ固有の制動圧力を受ける膜部分から空気圧的に分離されかつ別個の圧縮空気導管を経て圧縮空気を受けるばね部分から成っている。ばね部分は駐車制動機(しばしばハンドブレーキとも称される)の一部を形成している。ばね部分はばね機能を持ち、このばね機能により、ばね部分に圧縮空気が作用すると、ばねが予荷重をかけられ、その際ばね機能の制動作用が阻止又は減少され、一方ばね部分が排気されると、ばねが緩み、その際ばね機能の範囲内で制動作用を、それぞれのばね制動シリンダ24,26に接続された制動機へ及ぼす。
これらのばね制動シリンダ24,26により駐車制動機能が実現されて、圧縮空気が不足しても、車両の制動又は固定を可能にする。ばね制動シリンダ24,26のそれぞれのばね部分が最小圧力値より下に排気されると、駐車制動機能が生じる。制動シリンダ24,26のばね部分は、圧縮空気導管80を経て、電子制御手段により圧力制御を可能にする駐車制動モジュール32に空気圧的に接続されている。
手動操作可能な駐車制動信号発生器82は、多線電気導線84を介して駐車制動モジュール32に接続されている。車両にある電気装置は、図示しない電気エネルギ供給装置例えば車両蓄電池から、適当な電気導線を介して電気エネルギを供給される。
第3の圧縮空気貯蔵容器90は、圧縮空気導管92を経て駐車制動モジュール32に接続されている。この圧縮空気貯蔵容器90は、駐車制動回路及びトレーラへの圧縮空気供給に用いられる。
駐車制動モジュール32は、更に圧縮空気導管64を経て供給される圧力信号用の入口接続部94を持っている。駐車制動モジュール32は更に電気エネルギ供給及びデータインタフェース用の接続部96,98を持っている。データインタフェース用接続部96は、車両に設けられて車両バスとも称されるデータバスシステムとの接続に用いられる。車両バスは、車両に設けられて電子制御部を含む種々の機器の間、例えば同様にそれぞれのデータインタフェース接続部を介して車両バスに接続されているモジュール28,30の間でデータ交換を行うために用いられる。
上述した車両はトレーラの連結に適している。これに関して今まで説明した車両はトラクタとも称され、トラクタとトレーラから成る単位は車両列車とも称される。
制動装置10は更に連結可能なトレーラの制動圧力制御に用いられるトレーラ制御弁100を持っている。トレーラ制御弁100は、圧縮空気供給のため圧縮空気導管102を経て第3の圧縮空気貯蔵容器90に接続されている。トレーラ制御弁100は、圧縮空気貯蔵容器90から取られる圧縮空気を、電気及び空気圧の制御信号に関係して段階付けされて、圧縮空気接続部104を経て、連結されるトレーラの制動装置へ送出する。この圧力送出を制御するため、トレーラ制御弁100は後車軸制動制御モジュール30に接続される電気信号入力端を持ち、この信号入力端を介してトレーラ制御弁100が、運転者の制動希望を反映する電気信号を受ける。その代わりに、電気信号入力端を前車軸制動制御モジュール28に接続することもできる。更に空気圧制御信号を受ける圧力制御入口が設けられている。圧力制御入口は圧縮空気導管106を経て駐車制動モジュール32に接続されている。
電気差込み接続部108は、トレーラへの給電及びデータ信号の伝送に用いられる。更にトレーラへの貯蔵圧力を供給するための圧縮空気供給接続部110が設けられている。
制動装置10は更に(図示しない)圧縮空気供給装置例えば車両の機関1により駆動される圧縮機を持ち、この圧縮機により圧縮空気貯蔵容器56,58,90が圧縮空気を充填される。
図3は駐車制動モジュール32の構造を概略的な形で示す。圧縮空気導管92は圧縮空気供給導管112に接続され、中継弁114として構成される空気量増大弁装置へ、圧縮空気導管112により圧縮空気が供給される。それにより駐車制動モジュール32が、第3の圧縮空気貯蔵容器90から圧縮空気を供給される。双安定弁116が圧縮空気導管118を経て圧縮空気供給導管112に接続されている。双安定弁116は電磁的に操作可能な弁特に3ポート2位置切換え弁として構成されている。それは、図3に示すように駐車位置又は排気位置とも称される第1の切換え位置を持っている。この位置で出口側を圧縮空気導管120に接続される出口126が、大気に接続される排気ポート122に間接又は直接に接続されている。
以下圧力供給位置又は走行位置と称される第2の切換え位置で、双安定弁116は、圧縮空気導管118を経て入口124にかかる圧力を、そのまま出口126又は圧縮空気導管120に接続する。この第2の切換え位置は、制動装置の故障のない走行作動において設定される。しかし車両の故障のない駐車状態では、第1の位置が選ばれるので、圧縮空気導管120が排気されている。
双安定弁116の位置は、駐車制動モジュール32の電気制御装置128を介して切換えられる。この目的のため電気制御装置128は、電気導線130を介して双安定弁116に電気接続されている。例えば駐車制動信号発生器82が操作されると、電気制御装置128が、適当な電気信号の送出により、双安定弁116を駐車位置へ切換える。同じように電気制御装置128は、双安定弁116を走行位置へ切換えさせることができる。
双安定弁116の出口126は、圧縮空気導管120を経ていわゆる保持弁132に接続されている。保持弁は電磁弁として構成され、電気導線134を介して電気制御装置128に接続されている。従ってそれは電気制御装置128を介して電磁的に操作可能である。この弁132は2ポート2位置切換え弁として構成されている。図3に示す切換え位置でこの弁は、保持弁132の入口136に接続されている圧縮空気導管120から、別の圧縮空気導管140を経て中継弁114の制御入口142に接続されている保持弁の出口138へ、圧縮空気が流通するのを可能にする。
第2の切換え位置で、保持弁132は圧縮空気の流通を遮断する。圧縮空気の計量された流通を行うため、例えば電気導線134を介して電気制御装置128により、例えば刻時信号で弁132を駆動することができる。こうして中継弁114の制御入口142に、所定の圧力を作用させることができる。
弁132は更に比例弁としても構成でき、即ち適当な電気信号例えば刻時信号による弁の電磁石の駆動によって、通過位置の極値と遮断位置の極値との間の比例又は少なくとも準比例通過断面が設定可能である。
中継弁114は、その出口144において、圧縮空気導管140を経て中継弁114の制御入口142従って中継弁114の制御室へ導入される圧力に一致する出口圧力を、圧縮空気導管146へ送出し、その際中継弁114は、このために必要な圧縮空気を、中継弁114の入口148に接続される圧縮空気導管112から取出す。圧縮空気導管146の場合によっては必要な排気は、大気に間接又は直接に接続される中継弁114の排気出口149を経て行われる。
中継弁114の出口側で圧縮空気導管146に、選択的に圧力センサ150が設けられて、圧縮空気導管146の圧力に相当する電気信号を電気制御装置128へ送出し、そこで実際圧力として評価される。
圧縮空気導管146は、ばね制動シリンダ24,26のばね部分へ通じる圧縮空気導管80に接続されている。
圧縮空気導管146は更にいわゆるトレーラ監視弁152に接続されている。この弁は3ポート2位置切換え弁として構成されている。この弁によりいわゆるトレーラ監視機能を行わせることができる。トレーラ監視機能と称される制動装置10の状態において、駐車制動機能が行われていると、トラクタに連結されるトレーラの制動機が釈放されて、停止している車両においてトラクタの駐車制動機の制動作用だけで車両列車全体がずれ動くのを防止するのに十分であるか否かを、トラクタの運転者が検査することができる。このような」検査は、車両の長期間停止の際緩慢な圧力損失のためトレーラの制動機が釈放される可能性のあるトレーラにおいて、特に必要である。この場合にも、車両がずれ動かないことを保証せねばならず、従ってそれをトラクタの駐車制動機によって行わねばならない。
トレーラ監視弁152は、操作のため電気導線154を介して電気制御装置128に接続されている。図3に示す第1の切換え位置で、トレーラ監視弁152は、トレーラ制御弁100へ至る圧縮空気導管106を圧縮空気導管146に接続する。第2の切換え位置でトレーラ監視弁152は、圧縮空気導管106を圧縮空気供給導管112又は圧縮空気導管92従って第3の圧縮空気貯蔵容器90に接続する。この場合圧縮空気導管106に接続されるトレーラ制御弁100の圧力制御入口は、貯蔵圧力を加えられ、トレーラ制御弁100の反転機能のため、トレーラの制動機の釈放が行われる。
従来のシステムでは、圧縮空気導管92内即ち駐車制動モジュール32外に逆止め弁があり。トレーラの分離又は駐車制動機の漏れがあった場合、制動シリンダ24,26のばね部分が排気されるのを逆止め弁が防止する。即ちこのような排気は、駐車制動機を投入することがあり、それがトレーラの分離の場合トラクタの危険な非常制動に至ることがある。
これに反し図3に示される駐車制動モジュール32の実施例では、逆止め弁156が圧縮空気導管112にあり、即ち駐車制動モジュール32への圧縮空気導管92の接続部と中継弁114の入口148との間にある。中継弁114の入口148の圧力が圧縮空気導管92の圧力より大きいと、中継弁114が遮断する。逆の場合即ち圧縮空気導管92の圧力が中継弁114の入口148の圧力より大きいと、逆止め弁156が開くので、圧力又は圧縮空気がこの方向へ妨げられることなく通ることができる。
更に中継弁114は、双安定弁116へ至る圧縮空気導管118への圧縮空気導管112の分岐が、逆止め弁156の前、即ち逆止め弁156と駐車制動モジュール32への圧縮空気導管92の接続部との間にあるように、設けられている。逆止め弁156のこの配置により、中継弁114の制御入口142にかかる圧力は、電気エネルギ供給装置の計画通りでない故障の場合、保持弁132及び走行位置にある双安定弁116、圧縮空気導管140,120及び118、圧縮空気導管92を経て、第3の圧縮空気貯蔵容器90に接続されることができる。電気エネルギ供給装置が故障した場合、常用制動機の数回の操作により、まず第1及び第2の貯蔵容器56,58の圧力が低下し、従って第3の貯蔵容器90の圧力も低下する。なぜならば、これらの貯蔵容器は互いに連通しているからである。しかし第3の貯蔵容器90における圧力低下は、弁116及び132の導通位置のため、従って互いに接続されている圧縮空気導管92,118,120及び140のため、中継弁114の制御室内の圧力低下を生じる。これは、圧縮空気導管146従って圧縮空気導管80における圧力低下を生じ、従ってばね制動シリンダのばね部分の排気を生じる。それによりばね部分が動作せしめられるので、駐車制動機が投入される。
更に付加的な圧力センサ158が、圧縮空気導管112にしかも逆止め弁156と駐車制動モジュール32への圧縮空気導管92の接続部との間に接続されていると有利である。この圧力センサは、逆止め弁156の前の圧縮空気導管112にある圧力に相当する信号を発生し、この信号が電気導線160を介して電気制御装置128へ送出される。正常作動において測定される圧力が臨界圧力以下に低下すると、保持弁132が通電されるか又は切換えられるので、中継弁114の制御空間における制御圧力が阻止される。これにより正常作動におけるばね制動機の予期しない投入を防止することができる。圧力センサ158により測定される計画通りでない圧力低下の例は、例えば制動回路の圧力低下を生じるロック防止システムの使用である。
電気制御装置128は、駐車制動機のロックを防止するためロック防止装置5を含んでいる。本発明によれば、ロック防止装置5が、ばね制動シリンダ24,26により制動される車輪16,18のロックまたは増大した滑りを、車両に存在する機関1、変速機2又は駆動軸3の回転数に関係する信号に基いて防止するようにしている。増大した滑りとは、所定の限界値を超過する滑りを意味する。本発明は、1つの車輪16,18のロック又は増大した滑りを防止するために、駐車制動機のロック防止装置5が車輪回転数センサ46,48,52,50の信号を必要としない、という利点を持っている。1つの車輪16,18のロック又は増大した滑りを防止するため、ロック防止装置により、車両に存在する機関1、変速機2又は駆動軸3の回転数に関係する信号のみが使用される。この信号は、車両に存在して例えば変速機出力回転数を検出するセンサ4により発生される回転速度計信号であってもよい。回転速度計信号は、センサ4に接続されている変速機又は機関の制御装置から、バスシステムを介して駐車制動機の電気制御装置128へ伝送され、そこで車輪16,18のロック又は増大した滑りを防止するロック防止装置5により使用される。
それによりロック防止装置5従って駐車制動機も安価に実現される。なぜならば、車輪回転数センサ46,48,52,50及びケーブルが必要とされないからである。更に本発明は、車輪回転数センサ46,48,52,50を備えた車両に対して、車輪回転数センサ46,48,52,50又はこれらのセンサに接続される信号処理装置又は制御装置の信号の欠落、障害又は悪い品質でも、駐車制動機を介してロック防止される制動が可能である、という利点を持っている。
ロック防止装置5は、回転速度計信号に基いて車輪16,18の滑りを検出し、滑りに関係して駐車制動機を釈放するか、又はばね制動シリンダ24,26のばね部分に給気することによって、車輪16,18のロック又は増大した滑りを防止する。図4には、滑りを検出する方法が示されている。段階S1において、現在の回転速度計信号(TCO信号)がロック防止装置5により検出される。段階S2において、回転速度計信号に基いて基準信号が求められる。この基準信号は、回転速度計信号のほかに、車両の最大に可能な減速度にも関係している。車両の速度が任意の強さで変化できるのではなく、物理法則に従う、という効果が利用される。例えば乾いたコンクリート上における制動の際、車両に対して最大の減速度が生じる。この最大減速度は、試験走行又はシミュレーションによって求めることができる。増大した滑りが存在すると、回転速度計信号はもはや車両の速度に一致しない。ロック防止装置5にある適当な手段により、物理法則が維持されるまで、回転速度計信号により基準信号が影響されるにすぎないようにすることができる。即ち車両の速度を表す基準信号は、最大減速度を可能にする強さでのみ変化することができる。段階S3において、基準信号と回転速度計信号との差Dが計算される。この差Dは1つの車輪16,18の滑りに等しい。段階S3から段階S1へ分岐が行われ、即ちロック防止装置5が連続して車輪16,18の滑りを求める。
図5には、駐車制動機のロック防止される作動方法が示されている。段階S1でロック防止装置5により、車両が走行し、駐車制動機の制動過程が存在しているか否かが検査される。S1の条件が満たされている場合、段階S2において、基準信号と回転速度計信号との差Dの現在の値が図4に示す方法により求められる。段階S3において、Dすなわち駐車制動機により制動される車輪16,18の滑りが所定の閾値SW1より大きいか又はこれに等しいか否かが検査される。即ち増大した滑りが存在するか否かが検査される。この条件が満たされていると、段階S4においてばね制動シリンダ24,26のばね部分が、電気的に操作可能な弁装置114,116,132により給気される。noの場合段階S5において、Dが所定の閾値SW2より小さいか否かが検査される。この条件が満たされていると、段階S6においてばね制動シリンダ24,26のばね部分が、電気的に操作可能な弁装置114,16,132により少なくとも部分的に排気される。noの場合、段階S1への分岐が行われる。図に示す方法は、ロック防止装置5において連続して行われる。即ち段階S4及びS6から段階S1への分岐が行われる。この方法により、車両の同時監視を可能にしながら駐車制動機の最適な制動を行うことができる。なぜならば、駐車制動機がμ−滑り曲線の最適な範囲で作動せしめられるからである。
図6には車両の制動装置のロック防止される作動方法が示されている。段階S1で、駐車制動機の操作の要求があるか否かが検査される。この駐車制動機の操作の要求は、駐車制動信号発生器82によるか又は常用制動機の制動要求信号によって発生することができる。常用制動機の制動要求信号は、常用制動機の故障の場合モジュール30によって発生され、駐車制動機の電気制御装置128へ伝送される。常用制動機の制動要求信号に関するそれ以上の詳細は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第10336611号明細書特にその段落0088からわかる。段階S1に示す条件が満たされていると、段階S2において、車両が走行しているか否かが検査される。noの場合、段階S1が再び実行される。
段階S2の条件が満たされていない場合、段階S3において、ばね制動シリンダ24,26のばね部分が電気的に操作可能な弁装置114,116,132により排気されることによって、駐車制動機が投入される。段階S3後に段階S1が再び実行される。段階S2の条件が満たされている場合、段階S4において、常用制動機を介して制動が可能であるか否かが検査される。この条件が満たされる場合、段階S5において、常用制動機を介するロック防止制動が行われ、それに続いて段階S1が再び実行される。そうでない場合段階S6において、車輪回転数信号が存在するか否かが検査される。この条件が満たされている場合、段階S7において、車輪回転数信号に基いて、駐車制動機を介するロック防止制動が行われ、それに続いて段階S1が再び実行される。
そうでない場合段階S8において、車両に存在する機関1、変速機2又は駆動軸3の回転数に関係する信号が存在するか否かが検査される。yesの場合段階S9において、車両に存在する機関1、変速機2及び駆動軸3の回転数に関係する信号に基いて、駐車制動機を介するロック防止制動が行われる。それに続いて段階S1が再び実行される。
そうでない場合段階S10において、ばね制動シリンダ24,26のばね部分が、圧力−時間関数特に傾斜関数に従って、電気的に操作可能な弁装置114,116,132により徐々に排気されることによって、駐車制動機が圧力−時間関数に従って徐々に動作せしめられる。この方法により、車両の制動装置の状態に関係して、車両の最適な制動が保証される。こうして走行する車両及び健全な常用制動装置において、ロック防止制動がこれを介して行われる(S5)。健全でない常用制動装置では、車輪回転数信号に基いて、駐車制動機を介してロック防止制動が行われるか(S7)、又は車輪回転数信号が存在しない場合、車両に存在する機関1、変速機2又は駆動軸3の回転数に関係する信号に基いて、駐車制動機を介してロック防止制動がおこなわれる(S9)、車輪回転数信号も、車両に存在する機関1、変速機2又は駆動軸3の回転数に関係する信号も存在しない場合、車両を監視して突然には制動しないようにするため、ばね部分が徐々に排気される。
ここに紹介された方法は、なるべく駐車制動機の電気制御装置128において、実施される。しかし方法又は方法の一部を、例えばモジュール28のような他の制御装置又は電気空気処理装置の制御装置において行わせることも考えられる。