JP2011510100A - 熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物 - Google Patents

熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、(a)30〜95重量%の熱可塑性ポリマーと、(b)5〜40重量%のグラファイト粉末と、(c)0〜65重量%の任意の更なる成分とを含み、グラファイト粉末の粒子が、500nm未満の厚さを有する小板状体形である熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物と、熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物の調製方法に関する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、熱可塑性ポリマーと熱伝導性フィラーとを含む熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物と、その製造方法に関する。
電子部品、照明、変圧器筐体および他のデバイスにおける熱の蓄積は、望ましくない熱を生じ、耐用年数を非常に制限し得、また作業効率を低下させ得る。ヒートシンクおよび熱交換器などの熱管理装置用に、優れた熱伝導体である金属が伝統的に使用されている。しかしながら、そのような金属部品は、重量が重いことと生産コストが高いことが弱点である。したがって、軽量の冷却溶液を備えた、射出成形可能で押出成形可能な熱伝導ポリマー組成物によってそれらは置き換えられつつある。長所としては、設計の融通性、部分強化、腐食および化学試薬耐性、二次的な仕上げ操作の減少、ならびにポリマーの加工利点が挙げられる。
熱伝導性ポリマー組成物は、典型的に、金属、セラミックまたはカーボンを含む様々な熱伝導性フィラーをベースポリマーマトリックスに装填することによって形成される。この時、フィラーは組成物全体に熱伝導性を与える。具体的には、一般的な熱伝導性フィラー材料の例としては、アルミニウム、アルミナ、銅、マグネシウム、真鍮、カーボンブラックおよびグラファイトなどの炭素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、ガラス、雲母、酸化チタンおよび炭化ホウ素が挙げられる。しかしながら、比較的高い熱伝導性値を有する組成物を製造するために、大量のフィラー材料(一般に50重量%より多い)をベースポリマーマトリックスに装填しなければならない。そのような大量装填されたポリマー組成物は、一般に機械特性が劣っており、例えば脆性が増加し、そして/または成形性が乏しく、例えば流動特性が低下しているため、これらの材料はある種の用途から除外される。
そのような熱伝導性ポリマー組成物については、米国特許出願公開第2003/022043A1号明細書に開示される。これらの組成物は、20〜80重量%の熱可塑性ポリマーと、20〜80重量%の熱伝導性フィラー材料を含む。より特に、熱伝導性フィラーは組成物の約30〜60重量%を構成する。熱伝導性フィラーとしては、金属、金属酸化物、窒化ホウ素などのセラミック、ならびにカーボンブラックおよびグラファイトなどの炭素材料が含まれる。このポリマー組成物は、好ましくは3W/m・Kより高く、より好ましくは22W/m・Kより高い熱伝導率を有する。米国特許出願公開第2003/022043A1号明細書のポリマー組成物は、フィルムなどの平面構造を有する製品へと射出成形可能であるか、または溶融押出成形可能である。しかしながら、多くの熱伝導性ポリマー組成物での場合のように、平坦な形状の物品または平坦な形状の部品を有する物品へと成形される時に、面を通る(through−plane)方向での熱伝導性は一般に非常に低く、面内方向よりもはるかに低い。そのうえ、高い面内熱伝導率を得るために、熱伝導性フィラーのすでに高い装填が必要である。本発明者らによって、例えば、窒化ホウ素またはグラファイトまたは炭素ピッチ繊維による熱伝導性ポリマー組成物に関して、少なくとも3W/m・Kの面内熱伝導性を得るためには、20重量%を優に上回るか、またはさらに30重量%を超える装填が必要とされることが観察された。一方、面を通る熱伝導率は3W/m・Kよりはるかに低く、特にいくつかの場合、さらには1W/m・Kより低い。高い熱伝導率を得るために必要とされる熱伝導性フィラーの大量装填は、熱伝導性ポリマー組成物のモナーキシャル(monarchical)特性にマイナスの影響を及ぼす。
したがって、新規の熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物とその製造方法を提供することが本発明の目的である。先行技術の一般的な熱伝導性ポリマー組成物、例えば、フィラー材料として窒化ホウ素を含むものと比較して、本熱伝導性ポリマー組成物は、フィラー材料の重量パーセントが比較的低い場合にすでに比較的高い熱伝導率を示すはずである。比較的低いフィラーの量によって、ポリマー組成物の適切な機械特性が生じる。
この目的は、
(a)30〜95重量%のポリアミド、ポリエステル、ポリアリーレンスルフィド、ポリアリーレンオキシド、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリ(エーテルケトン)、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、前記ポリマー同士および/または前記ポリマーと他のポリマーとのコポリマーから選択され、熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性ポリマー、ならびに前記ポリマーおよびコポリマーの混合物と、
(b)5〜40重量%のグラファイト粉末と、
(c)0〜65重量%の任意の更なる成分と
を含む本発明による熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物によって達成される。
−ここで、全ての重量パーセントは熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物の全重量を基準にしており、そして、
−グラファイト粉末の粒子は、500nm未満の厚さを有する小板状体形である。
このような熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物は、
−熱可塑性ポリマー、伝導性フィラーおよび場合により1種以上のさらなる成分を溶融混合し、それによって混合された均質の溶融物を形成する工程と、
−混合された均質の溶融物を冷却し、それによって固体状態のポリマー組成物を得る工程と
を含む方法であって、
熱可塑性ポリマーが上記のポリマーから選択され、熱伝導性フィラーが500nm未満の厚さを有する小板状体を含むグラファイト粉末を含む本発明による方法で調製可能である。
本発明の熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物で使用されるグラファイト粉末の独特の特徴はその粒子の形状であり、細い小板状体形である。小板状体とは、本明細書において、最も小さい寸法(厚さ)が、他の2つの寸法(長さおよび幅)での粒子の大きさより非常に小さいように3つの寸法に大差がある平坦な形状を有する粒子であると理解される。小板状体は、一緒に密接に詰め込まれた1層以上の個々のグラファイト層からなってもよい。
小板状体の厚さ(最も小さい寸法)は、500nm未満、好ましくは200nm未満、より好ましくは100nm未満、さらにより好ましくは80nm未満、最も好ましくは50nm未満である。なお、明瞭性のため、小板状体は平坦な構造を有する必要がない。厚さが非常に薄いため、これらは折られたり、曲げられたり、またはうねっていたりしてもよく、さもなければ変形していてもよい。
小板状体の厚さは、電子顕微鏡検査などの標準方法によって決定することができる。
さらに本明細書中、500nm未満の小板状体を含むグラファイト粉末という用語は、特に示されなければ、より細い小板状体の好ましい実施形態も含むことが意図される。このグラファイト粉末は、細い小板状体形のグラファイト粉末としても示される。
フィラー材料として使用される場合、本グラファイト粉末は、意外なことに、比較的低重量パーセントのフィラーで、すでに比較的高い熱伝導率を熱可塑性ポリマーに与える。適切な熱伝導率値のポリマー組成物を得るために、ポリマー組成物の全重量を基準にして、マトリックスポリマーに5〜40重量%のグラファイト粉末を装填することで十分である。好ましくは、本発明による熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物は、ポリマー組成物の全重量を基準にして、10〜30重量%のグラファイト粉末を含む。フィラーの量が少ないため、本ポリマー組成物は、適切な伝導率値を得るために大量のフィラーを必要とするほとんどの既知の熱伝導性ポリマー組成物より良好な流動および機械特性を有する。
典型的に、本熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物で使用されるグラファイト粉末は、比較的大きい粒径と組み合わせて、比較的大きい比表面積によって特徴づけられる。好ましくは、グラファイト粉末のBET比表面積は少なくとも10m/gであり、そしてD(v,0.9)によって特徴づけられる粒径分布は少なくとも50μmである。合成グラファイトおよび天然グラファイトの両粉末を含む通常のグラファイト粉末はいずれも、小さい粒径と組み合わせて大きい比表面積を有するか、または逆に大きい粒径と組み合わせて小さい比表面積を有する。
本発明による熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物で使用されるグラファイト粉末は、好ましくは少なくとも10m/g、より好ましくは少なくとも15m/g、さらにより好ましくは少なくとも20m/g、そして最も好ましくは少なくとも25m/gのBET比表面積を有する。BET比表面積は、ASTM D3037に従って決定される。
本グラファイト粉末は、好ましくは、少なくとも50μm、より好ましくは少なくとも60μm、さらにより好ましくは少なくとも70μm、そして最も好ましくは少なくとも80μmのD(v,0.9)によって特徴づけられる粒径分布を有する。いくつかの実施形態において、粒径分布は、少なくとも20μm、好ましくは少なくとも25μm、より好ましくは少なくとも30μm、そして最も好ましくは少なくとも35μmの体積中央径D(v,0.5)によってさらに特徴づけられる。さらに粒径分布は、通常、少なくとも6μm、好ましくは少なくとも7μm、より好ましくは少なくとも8μm、そして最も好ましくは少なくとも9μmのD(v,0.1)によって特徴づけられる。一実施形態において、グラファイト粉末は、少なくとも50μmのD(v,0.9)、少なくとも20μmの体積中央径D(v,0.5)および少なくとも6μmのD(v,0.1)によって特徴づけられる粒径分布を有する。粒径は、特定の最大限度に制限されないが、実際には必要とされる最小比表面積によって制限される。最小比表面積が大きいほど、粒子は一般に小さく、また粒子の最大径も小さい。
D(v,0.9)、D(v,0.5)およびD(v,0.1)については、Malvern Mastersizerを使用するレーザー回折によって決定される。
典型的に、グラファイト粉末は、2.0〜2.4、好ましくは2.1〜2.3g/cm、より好ましくは2.20〜2.27g/cmの範囲のキシレン密度を有する。
本発明による熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物のフィラーとして適切なグラファイト粉末は、TIMCAL Ltd.(Bodio,Switzerland)から、TIMREX(登録商標)BNB90という商標名で入手可能である。
本発明の熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物のマトリックスポリマーである熱可塑性ポリマーは、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィドなどのポリアリーレンスルフィド、ポリフェニレンオキシドなどのポリアリーレンオキシド、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトンなどのポリ(エーテルケトン)、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、コポリエーテルエステルブロックコポリマー、コポリエステルエステルブロックコポリマーおよびコポリエーテルアミドブロックコポリマーなどの熱可塑性エラストマーを含む前記ポリマー同士および/または前記ポリマーと他のポリマーとのコポリマー、ならびに前記ポリマーおよびコポリマーの混合物から選択される。熱可塑性ポリマーは、適切に非晶性、半結晶性または液晶性ポリマー、エラストマーまたはその組み合わせである。液晶性ポリマーは、それらの高度結晶性と、良好なマトリックスをフィラー材料に提供する能力のために好ましい。液晶性ポリマーの例として、熱可塑性芳香族ポリエステルが挙げられる。
好ましくは、熱可塑性ポリマーは、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリエーテルイミド、ならびにそれらの混合物およびコポリマーからなる群から選択される。
適切なポリアミドとしては、非晶性および半結晶性ポリアミドが挙げられる。適切なポリアミドは、当業者に既知の全てのポリアミドであり、溶融加工可能である半結晶性および非晶性ポリアミドを含む。本発明による適切なポリアミドの例は、脂肪族ポリアミド、例えば、PA−6、PA−11、PA−12、PA−4,6、PA−4,8、PA−4,10、PA−4,12、PA−6,6、PA−6,9、PA−6,10、PA−6,12、PA−10,10、PA−12,12、PA−6/6、6−コポリアミド、PA−6/12−コポリアミド、PA−6/11−コポリアミド、PA−6,6/11−コポリアミド、PA−6,6/12−コポリアミド、PA−6/6,10−コポリアミド、PA−6,6/6,10−コポリアミド、PA−4,6/6−コポリアミド、PA−6/6,6/6,10−ターポリアミド、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,2,4−および2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンから得られるコポリアミド、芳香族ポリアミド、例えば、PA−6,I、PA−6,I/6,6−コポリアミド、PA−6,T、PA−6,T/6−コポリアミド、PA−6,T/6,6−コポリアミド、PA−6,I/6,T−コポリアミド、PA−6,6/6,T/6,I−コポリアミド、PA−6,T/2−MPMDT−コポリアミド(2−MPMDT=2−メチルペンタメチレンジアミン)、PA−9,T、テレフタル酸、2,2,4−および2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンから得られるコポリアミド、イソフタル酸、ラウリンラクタムおよび3,5−ジメチル−4,4−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタンから得られるコポリアミド、イソフタル酸、アゼライン酸および/またはセバシン酸ならびに4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタンから得られるコポリアミド、カプロラクタム、イソフタル酸および/またはテレフタル酸ならびに4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタンから得られるコポリアミド、カプロラクタム、イソフタル酸および/またはテレフタル酸ならびにイソホロンジアミンから得られるコポリアミド、イソフタル酸および/またはテレフタル酸および/または他の芳香族もしくは脂肪族ジカルボン酸、場合によりアルキル置換ヘキサメチレンジアミンならびにアルキル置換4,4−ジアミノジシクロヘキシルアミンから得られるコポリアミド、ならびにまた前記ポリアミドのコポリアミドおよび混合物である。
より好ましくは、熱可塑性ポリマーは半結晶性ポリアミドを含む。半結晶性ポリアミドは良好な熱特性および型充填特性を有するという長所がある。またさらにより好ましくは、熱可塑性ポリマーは、少なくとも200℃、より好ましくは少なくとも220℃、240℃またはさらに260℃、そして最も好ましくは少なくとも280℃の融点の半結晶性ポリアミドを含む。より高い融点を有する半結晶性ポリアミドは、熱特性がさらに改善されるという利点を有する。本明細書中、融点という用語は、5℃の加熱速度で融解範囲に達し、最高融解速度を示すDSCによって測定される温度として理解される。好ましくは、半結晶性ポリアミドは、PA−6、PA−6,6、PA−6,10、PA−4,6、PA−11、PA−12、PA−12,12、PA−6,I、PA−6,T、PA−6,T/6,6−コポリアミド、PA−6,T/6−コポリアミド、PA−6/6,6−コポリアミド、PA−6,6/6,T/6,I−コポリアミド、PA−6,T/2−MPMDT−コポリアミド、PA−9,T、PA−4,6/6−コポリアミド、ならびに前記ポリアミドの混合物およびコポリアミドを含む群から選択される。より好ましくは、PA−6,I、PA−6,T、PA−6,6、PA−6,6/6T、PA−6,6/6,T/6,I−コポリアミド、PA−6,T/2−MPMDT−コポリアミド、PA−9,TまたはPA−4,6、あるいはその混合物またはコポリアミドがポリアミドとして選択される。さらにより好ましくは、半結晶性ポリアミドは、PA−4,6またはそのコポリアミドを含む。
本発明による熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物は、0〜65重量%の任意のさらなる成分を含んでもよい。これは本明細書中、添加剤とも記載される。好ましくは、任意のさらなる成分の全量は、存在する場合、0〜40重量%の範囲である。本明細書中、このような重量パーセントは、熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物の全重量を基準にしている。
添加剤として、ポリマー組成物は、ポリマー組成物で慣習的に使用される当業者に既知のいずれかの補助添加剤を含んでもよい。好ましくは、これらの他の添加剤は本発明を損なわないべきであり、または著しい範囲ではない。そのような添加剤としては、特に、上記の明示されたグラファイト粉末に続いて、追加の熱伝導性フィラー、非導電性補強フィラーなどの熱伝導性とは考えられない他のフィラー、顔料、拡散助剤、加工助剤、例えば、潤滑油および離型剤、衝撃改質剤、可塑剤、結晶化促進剤、核形成剤、難燃剤、UV安定剤、酸化防止剤、熱安定剤が挙げられる。
本発明の意味の範囲内の「熱伝導性フィラー」としては、熱可塑性ポリマー中に分散可能であり、熱可塑性組成物の熱伝導率を改善するいずれもの材料が含まれる。熱伝導性フィラー材料は、少なくとも5W/m・K、好ましくは少なくとも10W/m・Kの固有熱伝導率を有する。追加の熱伝導性フィラーの非限定的な例としては、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、アルミナ、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、上記で明示されたグラファイト粉末とは異なるグラファイト、カーボンブラック、炭素繊維、例えば、ピッチおよびパンをベースとする炭素繊維などの炭素材料、セラミック繊維、およびアルミニウム、銅、マグネシウム、真鍮などの金属が挙げられる。追加の熱伝導性フィラーの粒子はいずれの形状を有してもよく、例えば、球、楕円体、小板状体、ストランド、多面体およびひげを含む繊維の形状であってよい。種々の追加のフィラー材料および形状の混合物が使用されてもよい。上記で明示されたグラファイト粉末とは異なるグラファイトが本発明による熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物の追加の熱伝導性フィラーとして使用される場合、上記で明示されたグラファイト粉末と、上記で明示されたグラファイト粉末とは異なるグラファイトとの重量比は、好ましくは1:1より高く、より好ましくは2:1より高い。
熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物が1種以上の追加の熱伝導性フィラーを場合により含む本発明の好ましい実施形態において、500nm未満の厚さを有する小板状体形のグラファイト粉末および追加の熱伝導性フィラーの全量は、ポリマー組成物の全重量に対して5〜40重量%の範囲にあり、そして500nm未満の厚さを有する小板状体形のグラファイト粉末は、グラファイト粉末および追加の熱伝導性フィラーの全重量に対して、少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%の量で存在する。
特に、本発明による熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物の添加剤として使用されてもよい非導電性フィラーとしては、非導電性無機フィラーが挙げられる。当業者に既知の補強および延長フィラー、例えば、アスベスト、雲母、粘土、焼成粘土、滑石、ウォラストナイトなどのケイ酸塩、および二酸化ケイ素、特にガラス繊維などの全てのフィラーが、非導電性無機フィラーとしての使用に適切である。この文脈において、「熱伝導性でない」または「非導電性」は、これらの材料を、上記段落で記載されるそれらの熱伝導性フィラー材料と区別するために、5W/m・K未満の固有熱伝導率を有するフィラー材料を記載するために使用される。種々のそれらの熱伝導性フィラー材料が、いくらかの補強効果も有することは理解される。しかしながら、それらの熱伝導率は、それらを本発明の意味の範囲内で熱伝導性フィラーと分類する。
1つの好ましい実施形態において、熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物は、ガラス繊維を含み、典型的に、フィラーおよびさらに任意の成分を含むポリマー組成物の全重量を基準にして、10〜40重量%のガラス繊維を含む。
典型的に、本発明による熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物は、0.5〜10W/m・K、好ましくは1〜5W/m・K、そしてより好ましくは1.5〜2.5W/m・Kの面を通る熱伝導率を有する。典型的に、熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物は、2〜50W/m・K、好ましくは3〜40W/m・K、そしてより好ましくは4〜25W/m・Kの平行熱伝導率を有する。本明細書中、熱伝導率は、80×80×2mmの射出成形試料で、それぞれ面内方向で面を通る方向で、ASTM E1461−01に従ってレーザーフラッシュ技術で測定される熱拡散率(D)、容積密度(ρ)および比熱(Cp)から20℃で、Polymer Testing(2005,628−634)に記載される方法を使用して導き出される。
プラスチック組成物の熱伝導率は、本明細書中、配向依存性であり得、また組成物の由来次第である材料特性であると理解される。プラスチック組成物の熱伝導率を決定するために、熱伝導率測定を実行するために適切な形状にその材料を成形しなければならない。プラスチック組成物の組成、測定のために使用される形状の種類、成形方法、ならびに成形方法で適用される条件次第で、プラスチック組成物は、等方性の熱伝導率、または異方性の、すなわち配向に依存する熱伝導率を示し得る。プラスチック組成物が平坦な長方形に成形される場合、配向依存性の熱伝導率は、3つのパラメーター:Λ、Λ//およびΛ±で一般に記載することができる。Λは面を通る熱伝導率であり、Λ//は最大面内熱伝導率の方向の面内熱伝導率であり、本明細書中、平行または縦方向の熱伝導率としても示され、そしてΛ±は最小面内熱伝導率の方向の面内熱伝導率である。なお、面を通る熱伝導率は、他では「横断」熱伝導率としても示される。
プレートの平面配向と同一面内のプレート様粒子の支配的な平行配向によるポリマー組成物の場合、ポリマー組成物は、等方性の面内熱伝導率を示し、すなわち、Λ//はΛ±とほぼ等しい。
ΛおよびΛ//の測定のため、適切な寸法の正方形の型と、正方形の片側に配置された幅80mmおよび高さ2mmのフィルムゲートを備えた射出成形機を使用して射出成形によって、試験される材料から80×80×2mmの寸法を有する試料を調製した。厚さ2mmの射出成形されたプラークで、熱拡散率D、密度(ρ)および熱容量(Cp)を決定した。熱拡散率は、ASTM E1461−01に従って、Netzsch LFA 447レーザーフラッシュ装置を使用して、型充填時のポリマーの流れ方向に対して面内および平行(D//)の方向で、ならびに面を通る(D)方向で決定した。面内の熱拡散率D//は、最初にプラークから幅約2mmの同一の幅で小さいストリップまたはバーを切断することによって決定された。バーの長さは、型充填時のポリマーの流れに対して垂直方向にあった。これらのバーのいくつかは、切断表面が外部に向かうように積み重ねられ、非常に密接に一緒に固定された。積み重ねを通して、切断表面の配列によって形成された積み重ねの一方から、切断表面を有する積み重ねの他の側へと熱拡散率を測定した。
プレートの熱容量(Cp)は、同一のNetzsch LFA 447レーザーフラッシュ装置を使用して、W.Nunes dos Santos、P.MummeryおよびA.Wallwork、Polymer Testing 14(2005)、628−634に記載の手順を利用することにより、既知の熱容量を有する参照試料(Pyroceram 9606)との比較によって決定された。熱拡散率(D)、密度(ρ)および熱容量(Cp)から、次式に従って、型充填時のポリマーの流れ方向に対して平行(Λ//)の方向、ならびにプラークの面に対して垂直(Λ)な方向で、成形されたプラークの熱伝導率を決定した。
Λ=D ρCp
(式中、それぞれ、x=//および⊥である)
本発明による熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物は、その中の細い小板状体形のグラファイト粉末と、任意の追加の熱伝導性フィラーの量次第で広範囲で変わり得る高い熱伝導率および良好な機械的特性を有する。細い小板状体形のグラファイト粉末のため、すでに熱伝導性フィラーの全量は非常に低いが、適度に高い熱伝導率が得られる。多くの他の熱伝導性フィラーの場合では、非常に高い含有量で、そして機械特性を犠牲にして達する。熱伝導性フィラーの全量がより多い場合、他の熱伝導性フィラーが同量で使用される時と比較して、非常に高い熱伝導率が得られる。
本発明の好ましい実施形態で、熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物は、
−少なくとも3W/m・K、好ましくは4〜6W/m・Kの範囲の平行熱伝導率、および/または少なくとも0.8W/m・K、好ましくは少なくとも1.0W/m・K、より好ましくは1.2〜1.6W/m・Kの範囲の面を通る熱伝導率を有する、5〜20重量%の熱伝導性フィラー、あるいは
−少なくとも5W/m・K、好ましくは少なくとも6W/m・K、より好ましくは7〜15W/m・Kの範囲の平行熱伝導率、および/または少なくとも1.2W/m・K、好ましくは少なくとも1.3W/m・K、より好ましくは1.4〜2.0W/m・Kの範囲の面を通る熱伝導率を有する、20〜30重量%の熱伝導性フィラー、あるいは
−少なくとも8W/m・K、好ましくは少なくとも10W/m・K、より好ましくは12〜20W/m・Kの範囲の平行熱伝導率、および/または少なくとも1.2W/m・K、好ましくは少なくとも1.3W/m・K、より好ましくは1.4〜2.5W/m・Kの範囲の面を通る熱伝導率を有する30〜40重量%の熱伝導性フィラー、を含み、
重量パーセントは、細い小板状体形のグラファイト粉末の全量を示し、そして任意の追加の熱伝導性フィラーは、ポリマー組成物の全重量に対するものである。
上記ですでに示されるように、本発明による熱伝導性ポリマー組成物は、一般に良好な流動特性を有し、良好な熱加工性を保証する。好ましくは、熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物は、少なくとも40mm、より好ましくは少なくとも70mm、そして最も好ましくは少なくとも100mmのスパイラルフロー長さを有する。スパイラルフロー長さは、280×15×1mmの寸法を有する長いらせん形チャンネルキャビティに融解した熱可塑性材料を注入することによって決定され、そしてその材料に関して結果として生じるフローの長さが、スパイラルフロー長さである。38cmの理論射出容積を有する22mm Engel 45B L/d=19射出成形機を使用して材料を射出する。シリンダー温度は、主要なポリマー成分の融点より10℃高く、そして有効な射出圧力は100MPaである。
本発明による熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物は、適切な機械性能によってさらに特徴づけられる。典型的に、熱伝導性ポリマーは、少なくとも40MPa、好ましくは少なくとも50MPa、より好ましくは少なくとも60MPaの引張強さを有する。典型的に、熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物は、少なくとも0.7%、好ましくは少なくとも1.0%、より好ましくは少なくとも1.5%、最も好ましくは少なくとも2.0%の破断点伸びを有する。典型的に、熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物は、少なくとも4,000MPa、より好ましくは少なくとも6,000MPaの剛性を有する。引張係数、引張強さおよび破断点伸びは、23℃および5mm/分でISO 527に従って決定され、試験される熱可塑性材料の乾燥粒状体を射出成形し、ISO 527 type 1Aに合致するように4mmの厚さを有する引張試験用の試験バーを形成した。
本発明による熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物は、当業者に周知のように、熱可塑性ポリマーと、グラファイト粉末と、さらなる任意の成分とを押出機中で混合することによって調製されてもよい。
好ましくは、本方法は、溶融混合に続いて、
−1つ以上の開口部を通して溶融物を押出し、押出ストランドを形成する工程と、
−押出ストランドを切断し、ペレットを形成する工程と、
−ペレットを冷却し、それによって固形ペレットを形成する工程と
を含む。
冷却する前にストランドを切断する利点は、これによって、熱伝導性ポリマー組成物がペレットで得られることが可能となることである。切断する前に冷却する場合、特に、細い小板状体形のグラファイト粉末の含有量がいくらか高い場合、材料の切断は非常に困難となり、そしてペレットよりもむしろ粉末状の材料が得られる。ペレットは、射出成形などのさらなる加工のためのほとんどの場合で好ましい。
典型的に、押出ポリマー組成物は、ウォーター−リングペレタイザーを使用することにより、ペレットに変換される。この場合、ポリマー組成物はダイ−プレートで開口部を通して押出成形され、切刃によって型から外された直後に切断され、冷却され、場合により粉砕されて、粒径を減少させる。そのように、または別の方法で調製されたペレットは、熱可塑性物質材料の加工のために適切ないずれかの既知の方法によって所望の形状へとさらに加工されてもよい。好ましくは、本発明による熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物は射出成形によって加工される。
熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物は、例えば、電気または電子アセンブリの部品で、またはエンジン部品で使用されてもよい。特に本熱伝導性ポリマー組成物は、ヒートシンクで使用されてもよい。
本発明は、以下の実施例と比較試験によってさらに例示される。
[実施例]
ポリアミド−46と、TIMCAL Ltd.(Bodio,Switzerland)から入手可能な様々な量のグラファイト粉末TIMREX(登録商標)BNB90(BNBと記載される)とから、Berstorff ZE25−48D共回転二軸押出機中で本発明による成形組成物を調製した。押出機の温度設定は、押出機の出口の溶融物温度が典型的に320℃であるようなものであった。
比較例として、ポリアミド−46と、TIMCAL Ltd.(Bodio,Switzerland)から入手可能な様々な量のグラファイト粉末TIMREX(登録商標)KS44(KS44と記載される)と、三菱化学株式会社から入手可能な炭素ピッチ繊維Dialead(登録商標)K223QG(CPFとして記載される)と、Momentive Performance Materials,Inc.(以前は、GE Advanced Ceramicsであった)から入手可能な窒化ホウ素PolarTherm(登録商標)PT100(BNとして記載される)とから、それぞれ、標準的な溶融混合法を使用して押出機中で成形組成物を調製した。参照例は、いずれのフィラーも含まないポリアミド−46である。
TIMREX(登録商標)BNB90の規格:BET比表面積=28.4m/g;D(v,0.9)=85.2μm、D(v,0.5)=36.1μm、D(v,0.1)=10.0μm。
TIMREX(登録商標)KS44の規格:BET比表面積=9m/g;D(v,0.9)=45.4μm、D(v,0.5)=18.6μm、D(v,0.1)=4.9μm。
成形組成物の調製については、表1に示される。フィラー材料の重量パーセントは、ポリマー組成物の全重量を基準にして、残りは100%までポリアミド−46が添加される。
適切な寸法の正方形の型と、正方形の片側に配置された幅80mmおよび高さ2mmのフィルムゲートを備えた射出成形機を使用して射出成形によって、成形組成物から80×80×2mmの寸法を有する試料を調製した。説明の一般的な部分で記載されるように、厚さ2mmの射出成形されたプラークで、型充填時のポリマーの流れ方向に対して面内および平行(D//)の方向と、面を通る(D)方向とで熱拡散率、密度(ρ)、ならびに熱容量(Cp)を決定し、そしてプラークの平面に対して平行(Λ//)および垂直(Λ)方向の熱伝導率を算出した。
破断点伸びはISO527に従って、23℃および5mm/分で決定した。

この表から分かるように、15重量%の熱伝導性フィラーを含む比較例は、3W/m・Kよりはるかに低い面内平面熱伝導率を示し、約30重量%の熱伝導性フィラーの量で、ようやくこのレベルに達する。非常に高い面内平面熱伝導率、例えば10W/m・Kを超える値を得るために、熱伝導性フィラーの量は、60%以上の多さでなければならない。このことは、破断点伸びによって示される機械特性に及ぼす有害な影響を有する。一方、面を通る熱伝導率は、なお非常に低いままである。
本発明の熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物(実施例1および2)が、15重量%および30重量%の比較的低いフィラー量で最も高い伝導率値を示すということは、表1から直ちに明白である。したがって、本発明の熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物のみが、高い伝導率と適切な破断点伸びの独自の組み合わせを示し、先行技術のポリマー組成物は全て、より熱伝導性が低いか、より低い破断点伸びを有する。
以下の実施例および比較試験は、細い小板状体を含むグラファイト粉末の量をさらに増加させること、または細い小板状体を含むグラファイト粉末と、もう1種の熱伝導性フィラー、この場合、KS44とを組み合わせること、またはガラス繊維(GFR)を添加することの効果を示す。

この結果は、細い小板状体を含むグラファイト粉末を含む本発明による組成物は、同じ高い量で、熱伝導率を増加させることにより有効であることを示す。必要ならば、追加の熱伝導性フィラーを添加することによって、面内ならびに面を通る熱伝導率をさらに増加させることができるが、また、細い小板状体を含むグラファイト粉末は、他の熱伝導性フィラー、この場合、KS44よりも非常に有効である。本発明による組成物が比較的低量の熱伝導性フィラーですでに非常に良好な熱伝導率特性を示すため、非常に良好な熱伝導率特性を保持しながら、さらに機械特性を増加させるために他のフィラーまたは補強剤、特にガラス繊維を添加することができる。これは実施例8の結果によって例示される。

Claims (14)

  1. −熱可塑性ポリマー、熱伝導性フィラーおよび場合により1種以上のさらなる成分を溶融混合し、それによって混合された均質の溶融物を形成する工程と、
    −混合された均質の溶融物を冷却し、それによって固体状態のポリマー組成物を得る工程と
    を含む熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物の調製方法であって、
    熱可塑性ポリマーがポリアミド、ポリエステル、ポリアリーレンスルフィド、ポリアリーレンオキシド、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリ(エーテルケトン)、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、前記ポリマー同士および/または前記ポリマーと他のポリマーとのコポリマー、ならびに前記ポリマーおよびコポリマーの混合物から選択され、熱可塑性エラストマーを含み、熱伝導性フィラーが、500nm未満の厚さを有する小板状体を含むグラファイト粉末を含む方法。
  2. 500nm未満の厚さを有する小板状体形のグラファイト粉末が、ポリマー組成物の全重量に対して5〜40重量%の量で存在する請求項1に記載の方法。
  3. 熱伝導性フィラーが、ポリマー組成物の全重量に対して全量で5〜40重量%の量で存在し、そして熱伝導性フィラーの全重量に対して少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%の、500nm未満の厚さを有する小板状体形のグラファイト粉末を含む請求項1または2に記載の方法。
  4. グラファイト粉末が、少なくとも10m/gのASTM D3037による方法によって決定されるBET比表面積と、少なくとも50μmのレーザー回折によって決定されるD(v,0.9)によって特徴づけられる粒径分布を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 溶融混合に続いて、
    −1つ以上の開口部を通して溶融物を押出し、押出ストランドを形成する工程と、
    −押出ストランドを切断し、ペレットを形成する工程と、
    −ペレットを冷却し、それによって固形ペレットを形成する工程と
    を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. ポリマー組成物の全重量に対する重量パーセントで、
    (a)30〜95重量%のポリアミド、ポリエステル、ポリアリーレンスルフィド、ポリアリーレンオキシド、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリ(エーテルケトン)、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、前記ポリマー同士および/または前記ポリマーと他のポリマーとのコポリマーから選択され、熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性ポリマー、ならびに前記ポリマーおよびコポリマーの混合物と、
    (b)5〜40重量%の500nm未満の厚さを有する小板状体形のグラファイト粉末と
    を含む熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法によって入手可能な請求項6に記載の熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物。
  8. (a)30〜95重量%の熱可塑性ポリマーと、
    (b)5〜40重量%の500nm未満の厚さを有する小板状体形のグラファイト粉末と、
    (c)0〜40重量%の1種以上のさらなる成分と
    からなる請求項6または7に記載の熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物。
  9. 熱可塑性材料がポリアミドを含む請求項6〜8のいずれか一項に記載の熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物。
  10. 補強フィラーを含み、好ましくはポリマー組成物の全重量に対して10〜40重量%のガラス繊維を含む請求項6〜9のいずれか一項に記載の熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物。
  11. 1種以上である追加の熱伝導性フィラーを場合により含み、500nm未満の厚さを有する小板状体形のグラファイト粉末および追加の熱伝導性フィラーの全量は、ポリマー組成物の全重量に対して5〜40重量%の範囲にあり、そして500nm未満の厚さを有する小板状体形のグラファイト粉末が、グラファイト粉末および追加の熱伝導性フィラーの全量に対して少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%の量で存在する請求項6〜10のいずれか一項に記載の熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物。
  12. 2〜50W/m・Kの面内平行熱伝導率および/または0.5〜10W/m・Kの面を通る熱伝導率を有し、熱伝導率は、80×80×2mmの射出成形試料で、それぞれ面を通る方向で面内方向で、ASTM E1461−01に従ってレーザーフラッシュ技術で測定される熱拡散率(D)、容積密度(ρ)および比熱(Cp)から20℃で、Polymer Testing(2005,628−634)に記載される方法を使用して導き出される請求項6〜11のいずれか一項に記載の熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物。
  13. ポリマー組成物の全重量に対する重量パーセントで、
    −少なくとも3W/m・Kの平行熱伝導率、および/または少なくとも0.8W/m・Kの面を通る熱伝導率を有する、5〜20重量%の熱伝導性フィラー、あるいは
    −少なくとも5W/m・Kの平行熱伝導率、および/または少なくとも1.2W/m・Kの面を通る熱伝導率を有する、20〜30重量%の熱伝導性フィラー、あるいは
    −少なくとも8W/m・Kの平行熱伝導率、および/または少なくとも1.2W/m・Kの面を通る熱伝導率を有する、30〜40重量%の熱伝導性フィラー
    を含む請求項12に記載の熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物。
  14. 電気または電子アセンブリの部品で、あるいはエンジン部品で、あるいは熱交換器での請求項6〜13のいずれか一項に記載の熱加工可能な熱伝導性ポリマー組成物の使用。
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