JP2011503216A - ガス流からのco2捕獲中のアミン分解を抑制する方法 - Google Patents

ガス流からのco2捕獲中のアミン分解を抑制する方法 Download PDF

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Abstract

本出願は、煙道ガス流からのCO捕獲中のアミン分解を抑制する方法を包含する。特に、本開示は、アミンによるCO捕獲中に、亜硫酸ナトリウム(NaSO)、酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(KNaC・4HO)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)若しくはヒドロキシルアミン(NHOH)、又はその類似体若しくはその混合物を利用して、アミンのO及び/又はSO誘導分解を抑制する方法に関する。
【選択図】図1

Description

(開示の分野)
本出願は、ガス流からの二酸化炭素(CO2)捕獲中のアミン分解を抑制する方法に関する。特に、本開示は、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(KNaC446・4H2O)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)若しくはヒドロキシルアミン(NH2OH)、又はその類似体若しくはその混合物を利用して、アミンの酸素(O2)及び/又は二酸化イオウ(SO2)誘導分解を抑制する方法に関する。
(背景)
化石燃料由来の煙道ガスの組成は一般的に二酸化炭素(CO2)、窒素(N2)、酸素(O2)、二酸化イオウ(SO2)、二酸化窒素(NO2)、並びにSiO2、Al23、Fe23、CaO、MgO、Na2O、K2O及びP25等の無機酸化物のフライアッシュで構成されている1。環境規制に従うため、主要な温室効果ガスとして知られるCO2を除去するため、大気中放出前に煙道ガス流を処理しなければならない。これらの低圧煙道ガス流からCO2を分離してCO2を所要濃度目標に低減するためには、アミン水溶液を利用する化学反応を介した吸収が非常に有効な技法であることが分かっている。しかし、吸収プロセス中、反応性混入物、特にO2及びSO2が絶えず重大なアミン分解問題を持ち込む。最初は、吸収装置内で、CO2吸収プロセス中にO2及びSO2がまずアミン溶液と接触してアミンの分解を引き起こす。そして、液体流と持ち越された高温かつ非常に可溶性のSO2が相まってアミンのさらなる分解を促進する再生器内でアミン構造の劣化がさらに悪化する。この分解は、アミンのCO2吸収能を低減し、かつその分解生成物の蓄積に起因する腐食及び発泡の問題をもたらすことによって、吸収プラントに重大な影響を与える。
文献は、O2源を位置づけることによるアミン分解の長期解決を示唆している2。しかし、煙道ガス流のような主源からO2のみならずSO2を完全に除去することは実用的でないので、このアプローチは非常に困難である。また、O2の検出及び除去は特に時間がかかり、かつ大きな労働力を要することが分かっている3。CO2吸収プロセスの性能を維持するためには、吸収装置の操作ルーチンの1つとして迅速な防止技術を取り入れて、分解の問題に即座に対処しなければならない。好ましい選択の1つは、その単純さと即効性のため、分解インヒビターの使用である。
モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)及びメチルジエタノールアミン(MDEA)といった種々のアルカノールアミンの酸化的分解の重大度の試験及び確証の結果、Rooneyら、並びにRooney及びDupartによって、亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン、及びヒドラジン(典型的にボイラー給水内で使用される)などのO2スカベンジャーを用いて、アルカノールアミン系内でO2をppmレベルに減らすことが推奨された2,4。適切なインヒビターの選択に有用なガイドラインが、後に文献で与えられた5。Veldmanによれば、アルカノールアミン装置内のO2濃度は一般的に低いので、アルカノールアミンのCO2+NO2への完全酸化よりはむしろカルボン酸を生じさせる部分的な酸化反応として反応を進行させるだけである5。彼らのDEA分解実験は、カルボン酸へのDEAの部分的酸化は、溶液に溶解した1ppm未満のO2によって50℃(323K)未満の温度で進行することを示した。
市販のMDEAベースガス処理装置における酸化的分解生成物であるビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(ビシン)のレベルを制御するため、O2スカベンジャーとしても作用する市販の腐食インヒビターの使用が報告された6。MDEAをビシンに分解することからO2を効率的に制御するためには、煙道ガス流の気相に比べてアルカノールアミン溶液の液相内でO2を捕捉することが好ましかった。このアプローチを用いて、工業プラント内におけるMDEA溶液中のビシン増加速度を60ppm/日から6ppm/日に減少させた。不運なことに、インヒビター/O2スカベンジャーの情報は文献で開示されなかった。
Chi及びRochelleは、CO2がある場合と無い場合の鉄触媒型MEA酸化的分解系において可能性がある分解インヒビターとして種々の添加剤を調査した7。添加剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ビシン、グリシン、及びジエチルエタノールアミン(DEMEA)から成った。EDTA及びビシンだけがMEAの分解速度を低減するのに有効であると報告された。EDTAはCO2が存在する場合にMEAの酸化速度を低減することが分かった。しかし、EDTAはCO2が存在すると場合にMEAの酸化速度を低減することが分かった。しかし、EDTAは酸化系にCO2が存在しない場合には効果がなかった。それ自体分解生成物であるビシンは、MEAの酸化的分解速度を低減するのに有効であることも分かった6。ビシンはCO2があっても無くても系内の分解を減少させた。この研究では、MEA分解系内のCO2充填効果に関して矛盾する結果が報告されたことに留意しなければならない。CO2充填の増加は、分解速度を高めることが分かった。この結果は、他の研究で報告された当該結果と逆であった2,8,9,10,11
最近、MEAの銅触媒型及び鉄触媒型酸化的分解に対する分解インヒビターが評価された12。未開示の無機インヒビターA、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)及びホルムアルデヒドなどの種々の化合物が調査された。実験は全て、吸収装置の上部と下部に対応する条件を利用して、7kmol/m3のMEA、21%のO2を含む空気、希薄/濃厚CO2充填、及び55℃(328K)で行った。インヒビターAは銅と鉄の両触媒系でMEA酸化速度をうまく低減することが分かった。それは希薄及び濃厚CO2条件の系でも有効だった。インヒビターAは、Cu触媒系及び濃厚CO2充填において、Fe触媒系及び希薄CO2充填環境内より容易にMEA分解を抑制することも分かった。Na2SO3も銅と鉄の両触媒系でMEA酸化速度を低減した。銅触媒MEA分解では、Na2SO3はその濃度が100ppmに達するまで、分解速度を低減した。より高い濃度を用いると、分解速度が上昇することが分かった。ホルムアルデヒドは分解速度を低減できたが、インヒビターAほどは効率的でなかった。Na2SO3とホルムアルデヒドは両方とも鉄触媒系より銅触媒環境内でより有効に働いた。MEAの分解中に劣化することも分かっているNa2SO3及びホルムアルデヒドとは対照的に、インヒビターAは分解しなかった。従って、インヒビターAはプロセス中にさらに追加したり交換したりする必要がなかった。
(開示の概要)
本出願は、ガス流からの二酸化炭素(CO2)捕獲中の酸素(O2)及び/又は二酸化イオウ(SO2)誘導アミン分解を抑制する方法を包含する。
従って、本出願は、アミン吸収剤に、有効量の、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(KNaC446・4H2O)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びヒドロキシルアミン(NH2OH)、並びにその類似体及び混合物から選択される酸素(O2)及び/又は二酸化イオウ(SO2)誘導アミン分解インヒビターを添加することを特徴とする、ガス流からの二酸化炭素(CO2)捕獲中の酸素(O2)及び/又は二酸化イオウ(SO2)誘導アミン分解を抑制する方法を包含する。
本開示は、ガス流からCO2を除去する方法であって、前記ガス流を、アミンと有効量の、O2及び/又はSO2誘導アミン分解のインヒビターとを含む液体吸収剤と接触させる工程(ここで、前記インヒビターは、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(KNaC446・4H2O)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びヒドロキシルアミン(NH2OH)、並びにその類似体及び混合物から選択される)を含む方法にも関する。
本開示には、ガス流からの二酸化炭素(CO2)捕獲中の酸素(O2)及び/又は二酸化イオウ(SO2)誘導アミン分解を抑制するための、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(KNaC446・4H2O)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びヒドロキシルアミン(NH2OH)、並びにその類似体及び混合物の使用をも包含される。
本開示は、アミンと、O2及び/又はSO2誘導アミン分解のインヒビターとを含む、ガス流からCO2を捕獲するための組成物であって、前記インヒビターが亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(KNaC446・4H2O)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びヒドロキシルアミン(NH2OH)、並びにその類似体及び混合物から選択される、前記組成物にも関する。
本出願の他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかし、この詳細な説明から当業者には本開示の精神及び範囲内の種々の変更及び修正が明白になるので、当然のことながら、詳細な説明及び具体例は本出願の好ましい実施形態を示すが、例としてのみ提供するものである。
ここで、本開示を図面に関連して説明する。
6%のO2の存在下で種々の亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)濃度での平均モノエタノールアミン(MEA)分解速度を示す。 0.05kmol/m3のNa2SO3濃度並びに6%のO2、6ppm及び196ppmのSO2の存在下での平均MEA分解速度を示す。 6%のO2、6ppm及び196ppmのSO2の存在下で種々の濃度の酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(KNaC446・4H2O)での平均MEA分解速度を示す。 6%のO2、6ppm及び196ppmのSO2の存在下で種々の濃度のエチレンジアミン四酢酸(EDTA)での平均MEA分解速度を示す。 6%のO2及び6ppmのSO2の存在下で種々の濃度のヒドロキシルアミン(NH2OH)での平均MEA分解速度を示す。 6%のO2及び196ppmのSO2の存在下でNa2SO3、KNaC446・4H2O、EDTA、Na2SO3とKNaC446・4H2Oの混合物及びNa2SO3とEDTAの混合物の存在下での平均MEA分解速度を示す。 MEA分解速度−時間プロットを利用してCO2とNa2SO3/KNaC446・4H2O/EDTAの複合効果を示す(5kmol/m3のMEA、6%のO2、196ppmのSO2、0.33のCO2充填、120℃(393K))。 Na2SO3+CO2、KNaC446・4H2O+CO2、及びEDTA+CO2系の平均MEA分解速度を示す(5kmol/m3のMEA、6%のO2、196ppmのSO2、0.33のCO2充填、120℃(393K))。 Na2SO3とKNaC446・4H2Oの混合物のCO2充填による抑制効率を示す棒グラフである。
(開示の詳細な説明)
従前の報告は、アミンのO2及び/又はSO2誘導分解のインヒビターの開発又は試験について記載していない。本明細書では、アミンのO2及び/又はSO2誘導分解が、この分解プロセスの特定のインヒビターをアミン吸収剤に添加することによって、ガス流からのCO2捕獲中に抑制されることを示した。
従って、本出願は、アミン吸収剤に、有効量の、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(KNaC446・4H2O)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びヒドロキシルアミン(NH2OH)、並びにその類似体及び混合物から選択される、酸素(O2)及び/又は二酸化イオウ(SO2)誘導アミン分解のインヒビターを添加する工程を含む、ガス流からのCO2捕獲中の酸素(O2)及び/又は二酸化イオウ(SO2)誘導アミン分解を抑制する方法を包含する。
本明細書で使用する場合、用語「アミン吸収剤」は、ガス流からCO2を吸収するために使用されるアミン含有化合物を含むいずれの液体をも意味する。本開示の一実施形態では、アミンは、ガス流から二酸化炭素(CO2)を捕獲するいずれのアミンでもある。別の実施形態では、アミンが、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、MEA−MDEA混合物及びDEA−MDEA混合物から選択される。好適な実施形態では、アミンがモノエタノールアミンである。ガス流からの二酸化炭素(CO2)の捕獲中、一実施形態ではアミンが約2.5kmol/m3〜約7.5kmol/m3の量で存在する。好適な実施形態では、アミンが約5.0kmol/m3の量で存在する。さらなる実施形態では、アミン吸収剤が二酸化炭素(CO2)をも含む。別の実施形態では、アミン吸収剤が、アミン1モル当たり約0.05〜約2モルのCO2、さらに好適にはアミン1モル当たり約0.1〜0.5モルのCO2の量のCO2で予め充填されている。
本明細書で使用する場合、インヒビター化合物の「有効量」という表現は、アミン吸収剤組成物に含まれると、有益又は所望の結果をもたらすのに十分な量であり、かつ、「有効量」又はその同義語自体は、それが適用されている文脈によって左右される。例えば、O2及び/又はSO2誘導アミン分解を抑制するという文脈では、有効量とは、その化合物が無い場合に得られる応答に比し、該抑制を達成するのに十分な化合物の量である。このような有効量に相当する、本開示の所定インヒビター化合物の量は、例えば、吸収剤の組成、アミンのアイデンティティー、ガスの組成、温度などを含めた種々の因子によって変わるだろうが、それにもかかわらず、当業者は日常的に該量を決定することができる。
本明細書で使用する場合、用語「類似体」は、請求したインヒビターのいずれの関連類似体をも指し、例えば、同様の電子特性及び構造特性を有する化合物を意味する。例えば、請求した塩に代えて、択一的なアルカリ金属塩(例えばLi+、K+、Na+、Cs+及びRb+)を使用しうる。同様のキレート特性を有する、EDTAのいくつかの類似体が技術上知られており、例えば、エチレングリコール四酢酸(EGTA)及び1,2−ビス(o−アミノフェノキシ)エタン−N,N,N’,N’−四酢酸(BAPTA)が挙げられる。
一実施形態では、アミン分解のインヒビターが亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)である。Na2SO3をインヒビターとして使用する場合、一実施形態では、それをアミン吸収剤に約0.05kmol/m3〜約0.3kmol/m3の量で添加する。さらなる実施形態では、Na2SO3を約0.05kmol/m3の量で添加する。
別の実施形態では、アミン分解のインヒビターが酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(KNaC446・4H2O)である。KNaC446・4H2Oをインヒビターとして使用する場合、一実施形態では、それをアミン吸収剤に約0.005kmol/m3〜約0.30kmol/m3の量で添加する。さらなる実施形態では、KNaC446・4H2Oを約0.01kmol/m3の量で添加する。
一実施形態では、アミン分解のインヒビターがエチレンジアミン四酢酸(EDTA)である。EDTAをインヒビターとして使用する場合、一実施形態では、それをアミン吸収剤に約0.00125kmol/m3〜約0.1kmol/m3の量で添加する。さらなる実施形態では、EDTAを約0.0025kmol/m3の量で添加する。
別の実施形態では、アミン分解のインヒビターがヒドロキシルアミン(NH2OH)である。NH2OHをインヒビターとして使用する場合、一実施形態では、それをアミン吸収剤に約0.025kmol/m3〜約1.0kmol/m3の量で添加する。さらなる実施形態では、NH2OHを約0.025kmol/m3の量で添加する。
別の実施形態では、アミン分解のインヒビターが、Na2SO3、KNaC446・4H2O、EDTA及びNH2OHの1種以上の混合物である。さらなる実施形態では、アミン分解のインヒビターがNa2SO3とKNaC446・4H2Oの混合物である。Na2SO3とKNaC446・4H2Oの混合物をインヒビターとして使用する場合、一実施形態では、それをアミン吸収剤に約0.055kmol/m3〜約0.6kmol/m3の量、かつ約0.15〜約60のNa2SO3/KNaC446・4H2Oのモル比で添加する。さらに別の実施形態では、Na2SO3/KNaC446・4H2Oのモル比が約1〜約10、好適には約?〜約8、さらに好適には約3〜5である。本開示の別の実施形態では、特にNa2SO3+KNaC446・4H2Oのインヒビター混合物で使用するNa2SO3の量は、約0.01kmol/m3〜約0.05kmol/m3である。
本開示のインヒビターは、ガス流内で観察される高温において、アミン分解のインヒビターとしてのその活性を維持する。本開示の一実施形態では、ガス流の温度が約27℃(300K(ケルビン))〜約227℃(500K)である。別の実施形態では、ガス流の温度が約120℃(393K)である。
本開示のインヒビターは、ガス流中に存在するO2のさまざまな濃度で酸素(O2)誘導アミン分解を抑制する。一実施形態では、インヒビターは、ガス流が約1%〜約100%の酸素(O2)を含む場合に酸素(O2)誘導アミン分解を抑制できる。さらなる実施形態では、インヒビターは、ガス流が約6%の酸素(O2)を含む場合に酸素(O2)誘導アミン分解を抑制できる。
本開示のインヒビターは、ガス流中に存在するSO2のさまざまな濃度で二酸化イオウ(SO2)誘導アミン分解を抑制する。一実施形態では、インヒビターは、ガス流が約0ppm〜約200ppmの二酸化イオウ(SO2)を含む場合に二酸化イオウ(SO2)誘導アミン分解を抑制できる。さらなる実施形態では、インヒビターは、ガス流が約0〜196ppmの二酸化イオウ(SO2)を含む場合に二酸化イオウ(SO2)誘導アミン分解を抑制できる。
本開示のガス流は一般的に燃焼排ガスであろう。一実施形態では、燃焼排ガスが、発電所、精油所又はセメント製造業者から排出されるガス流であろう。ガス流は一般的に燃焼排ガスなので、ガス流はさまざまなCO2レベルを有するだろう。一実施形態では、本開示のガス流が約1〜約30%のCO2充填量(loading)を有するだろう。
本開示は、ガス流からCO2を除去する方法であって、CO2を含む前記ガス流を、アミンと有効量の、O2及びSO2誘導アミン分解のインヒビターとを含む液体吸収剤と接触させる工程(ここで、前記インヒビターは、Na2SO3、KNaC446・4H2O、EDTA及びNH2OH、並びにその類似体及び混合物から選択される)を含む方法にも関する。
本開示は、ガス流からの二酸化炭素CO2捕獲中のO2及びSO2誘導アミン分解を抑制するためのインヒビターの使用をも包含する。従って、本開示は、ガス流からの二酸化炭素CO2捕獲中のO2及びSO2誘導アミン分解を抑制するための、Na2SO3、KNaC446・4H2O、EDTA及びNH2OH、並びにその類似体及び混合物から選択される化合物の使用に関する。
本開示は、ガス流からCO2を捕獲するための組成物にも関する。本組成物は、アミン吸収剤と、O2及びSO2誘導アミン分解のインヒビターとを含み、前記インヒビターは、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(KNaC446・4H2O)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びヒドロキシルアミン(NH2OH)並びにその類似体及び混合物から選択される。
ガス流中のCO2に適用する場合、「捕獲」及び「捕獲する」という用語は、本明細書では相互交換可能に使用される。本明細書では、これらの用語は、例えばCO2がガス流から除去されるような、CO2による吸収剤の捕捉又は吸収剤とCO2の反応によって、ガス流中のCO2レベルのいずれの測定可能な減少をももたらすプロセスを意味する。
本開示の方法で使うのに好適な溶媒には、アミン吸収剤を可溶化し、かつCO2の吸収剤として作用する当該溶媒が含まれる。好適な溶媒の例として、水、アルコール及びその組合せが挙げられる。本開示の特定の実施形態では、溶媒が水、例えば、脱イオン水である。本開示の別の実施形態では、溶媒がアルコール、例えばメタノール又はエタノールである。
ガス流からのCO2捕獲中のO2及び/又はSO2誘導アミン分解を抑制するために使用する場合、本開示のインヒビターをアミン吸収剤溶液中に混合する。一実施形態では、アミンを水、好適には脱イオン水と混合し、結果としてアミン水溶液となる。次にこのアミン溶液中にインヒビターをも混合して、所望インヒビターが添加されたアミン水溶液を生じさせる。混合インヒビター、例えばNa2SO3とKNaC446・4H2Oの混合物をインヒビターとして使用する場合、インヒビターを予め混合するか、又は独立にアミン溶液に添加することができる。インヒビター添加アミン溶液を所望濃度のアミンとインヒビターで調製したら、該溶液を用いてガス流からCO2を捕獲することができる。
ガス流からのCO2除去用のいずれの従来の機器でも本開示の方法を実施することができ、詳細な手順は当業者に周知である。いずれの適切な吸収装置又は吸収カラム/塔、例えば充填塔、プレート塔又は噴霧塔でも本開示の方法を好都合に実施することができる。ある特定条件が1つのタイプの吸収装置を別のタイプより好むこともあるが、これらの吸収装置は、かなりの程度まで交換可能である。上述した通常の吸収装置に加え、特有のプロセス要件を満たすために特殊な吸収塔を利用することもできる。これらの特殊な吸収塔としては、衝突プレートスクラバー及び乱流接触スクラバーが挙げられる。本開示の方法で使うのに好適な吸収装置は、本開示の方法を促進しうる他の周辺機器を含んでもよい。該周辺機器としては、入口ガス分離器、処理ガスコアレッサー、溶媒フラッシュタンク、粒子フィルター及び炭素層清浄器が挙げられる。機器の大きさによって、入口ガス流速が変わるだろう。当業者は、本開示の方法を実施するために有用な吸収装置、ストリッパー及び周辺機器を知っているだろう。
本開示の範囲を理解するとき、用語「含む」及びその誘導語は、本明細書では、言及される特徴、要素、成分、群、整数、及び/又は工程の存在を特定するが、言及されない他の特徴、要素、成分、群、整数及び/又は工程の存在を排除しないオープンエンド型用語であるものとする。上述したことは、同様の意味を有する語、例えば用語「包含する」、「有する」及びそれらの誘導語にも当てはまる。最後に、「実質的に」「約」及び「およそ」等の程度を表す用語は、本明細書では、最終結果が有意には変わらないような、修飾された用語の妥当な量の偏差を意味する。これらの程度を表す用語は、この偏差が、それが修飾している語の意味を無効にしない場合に、修飾された用語の少なくとも±5%の偏差を含むものと解釈すべきである。
以下の非限定例は本開示の例示である。
(実験)
6%のO2(N2バランス)及び0〜196ppmのさまざまな濃度のSO2、100%のO2、及びCO2を含む調査グレードのガス混合物を使用した。すべてのガス混合物は、Praxair (Regina, Saskatchewan, Canada)から供給された。Na2SO3(純度98%)、KNaC446・4H2O(純度99%)、EDTA(純度99.4〜100.06%)、及びNH2OHは、すべて試薬グレードであり、Sigma-Aldrich, Canadaから購入した。試薬グレードの濃縮MEA(純度>99%;Fisher Scientific, Nepean, Ontario, Canada)を使用して、それらの所定体積を脱イオン水で希釈することによって、所望濃度のMEA水溶液を調製した。1kmol/m3の塩酸(HCl; Fisher Scientific, Nepean, Ontario, Canada)の標準溶液で定量滴定法を利用してMEA濃度を確認した。メチルオレンジ指示薬を用いて滴定終点を示した。
600ml容積サイズのバッチ−ステンレススチール反応器(モデル5523, Parr Instrument Co., Moline, IL)を用いて、CO2の存在下又は非存在下でMEA−O2−SO2−H2O系の分解実験を行った。反応器は主に円筒形容器及び取り外し可能なヘッド機構を含んでいた。反応器ヘッドは、2枚の羽根の撹拌シャフト、0〜2,000kPa(300psi)のブルドン(Bourdon)型圧力読ゲージ、ガス入口、ガスパージ及び液体サンプリング弁、定格が22℃(295K)で6,895kPaのプリセット安全破裂板、J型熱電対、ガス導入及びサンプル除去用浸漬管、並びに電磁弁で制御される冷却コイルで構成された。±0.1%の温度精度の温度−速度コントローラーで制御される電気炉(モデル4836, Parr Instrument Co., Moline, IL)が反応器に熱を供給した。分解混合物の温度を設定し、J型熱電対を用いて温度−速度コントローラーを介してモニターした。同様に、温度−速度コントローラーで撹拌速度をも制御かつ表示した。
屈折率検出器を備えた高速液体クロマトグラフィー法(HPLC−RID)をMEAの定量のために採用した13。このHPLC機器(シリーズ1100)は、オンライン脱気装置、四要素ポンプ、±0.5℃の温度精度のサーモスタットカラム成分、及び屈折率検出器(RID)を備えていた(Agilent Technologies Canada, Mississauga, Ontario, Canada;モデルG1322A/G1311A/G1316A/G1362A)。クロマトグラフィーカラムは、スルホン酸の強力なカチオン交換体を含む、長さ250mm×内径4.6mmのNucleosilTM100-5 SA(Macherey-Nagel, Germany)だった。系の移動相は、85%w/wのリン酸(H3PO4)を添加してpHを2.6に調整した0.05kmol/m3のリン酸二水素カリウム溶液(KH2PO4)だった。5〜100μlの注入範囲についてピーク面積精度が0.5%のRSDの自動液体サンプラー(モデルG1313A)を用いて液体サンプルの注入を達成した(Agilent Technologies Canada, Mississauga, Ontario, Canada)。全ての化学薬品は試薬グレードであり、Sigma-Aldrich Canada, Mississauga, Ontario, Canadaから供給された。
実施例1:非CO2充填分解(MEA−H2O−O2、SO2がある場合と無い場合)
典型的実験では、所望濃度のインヒビターを添加した450mlのMEA溶液で反応容器を満たした。反応器ヘッドと容器を十字様式で六角ボルトを締め付けることによって慎重に組み立てて漏れを防止した。この装置を炉内に置いた。磁気駆動撹拌機をモーターに連結し、一方でJ型熱電対を温度−速度コントローラーに接続した。溶液を加熱し、実験の間じゅう、500rpmの一定速度で撹拌した。時間を与えて温度を設定点に到達させ、安定させた。この段階では、以前の研究で決定されているように、反応器内のほとんどの圧力は水蒸気圧だけに起因した8,9,13。このためMEA蒸気圧を無視することによって、分解を均一な液相プロセスとして説明することができた。適切なガスタンクを制御することによって、250kPaにて所定圧力のO2/N2又はO2/N2/SO2ガス混合物をガス入口弁を介して溶液に導入した。この結果、反応器圧として水蒸気圧と250kPaの反応物圧が組み合わされた。分解の発熱性のため、電磁弁制御型冷却水系を用いて熱を除去して系の等温条件を保った。予想外の温度オーバーシュートの場合にもこれを利用した。等圧環境をも維持するため、MEA溶液中でO2又はO2/SO2の最初の溶解によって遭遇するプロセス圧降下を、ガスシリンダーレギュレーターを介して圧力を上昇させることによって迅速に補充した。各サンプリングプロセス後にも少しの圧力損失があるため、この工程を行った。各サンプリング前には、当該特定の分解時間におけるMEA溶液を実際に表すため、ガスサンプリング弁を介して少量の溶液を放出して古いサンプルを流し出した。約2.5mlのサンプルを5mlのガラス瓶に引き入れることによって、サンプリングを行った。急速に瓶を流水と接触させることによって、サンプル内のいずれの反応及びさらなるMEA分解をもクエンチした。引き続きHPLC−RID技法を利用してサンプルをMEA濃度について分析した。
実施例2:CO2充填分解(MEA−H2O−O2−CO2、SO2がある場合と無い場合)
MEA溶液を容器内に入れ、反応ヘッドを適所に置いたら、250kPaの制御されたCO2圧力を、反応器ヘッドの円筒及びガス入口弁を開くことによってMEA溶液に導入した。CO2を充填するために必要な時間は、MEA溶液中の所望の溶解CO2濃度によって0.25〜2時間で変化した。液体サンプリング弁を開くことによって、4mlのサンプルを取り、HCl定量滴定法及びNaCl/NaHCO3/メチルオレンジ混合物中のCO2置換法を利用してCO2充填量について測定した。既知体積のCO2充填MEAサンプルを過剰の1kmol/m3のHClで滴定することによってこれを達成して、MEAからのCO2の完全な放出を確実にした。遊離されたCO2を収集し、置換溶液中のその量について測定してから1モルのMEA当たりのCO2のモルの単位について現した(CO2充填量(loading))。混合物の温度を所望温度に上げて、もう一度最終的なCO2充填量を決定した。この段階では、反応器の圧力は未溶解CO2圧と水蒸気圧の組合せだった。250kPaで制御されたO2/N2又はO2/N2/SO2をさらに系に導入すると、総反応器圧としてCO2蒸気圧、水蒸気圧及び250kPaのO2/N2又はO2/N2/SO2圧の合計をもたらした。そして、非CO2充填実験について述べた手順に従って残りの手順を行った。
実施例3:HPLC手順
MEA濃度の決定のためのHPLC手順は文献に詳述されている13。手短に言えば、pH2.6で0.05kmol/m3を含む移動相を超音波浴内で3時間脱気し、及び0.20μmのナイロン膜フィルターでろ過して、それぞれ溶解CO2及び固体粒子を除去した。注入前に、超純水(nanopure water)を用いて脱気サンプルを40中1の割合で希釈した後、0.02μmのナイロン膜フィルターでろ過した。前述したように自動液体サンプラーで8μlのサンプル注入を自動で行った。カラムを30℃(303K)で等温制御した。始めから終わりまで1ml/分の均一濃度の移動相を用いて分析を遂行した。MEAピークを検出するために用いたRIDもその光学装置のため30℃(303K)で制御し、ポジティブモードで操作した。
実施例4:MEA濃度の決定
2〜8kmol/m3の範囲の種々の既知濃度用に調製したMEA標準溶液を用いて較正曲線を作成した。各標準物質をHPLCで3回分析した。MEAピーク面積を得て平均値を求めた。次に各標準物質の平均ピーク面積を、そのMEA濃度に対してプロットして較正曲線を得た。分解サンプル中のMEA濃度を決定するため、標準較正と同様のアプローチを利用し、分解サンプルを平均MEAピーク面積についてHPLCで分析した。次にピーク面積を用いて、較正曲線の方程式の助けを借りて正確なMEA濃度について計算した。
実施例5:酸素(O2)の存在下で亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)を用いるアミン分解の抑制
最初にSO2の非存在下でのMEAの酸化的分解を利用してNa2SO3の抑制効果及びMEA分解速度を最小限にするのに必要な最適濃度を決定した。5kmol/m3のMEA溶液と6%O2模擬煙道ガス流を用いて分解実験を行った。ストリッパーカラム内の極端な条件を模倣するために選択した分解温度は120℃(393K)だった。
図1に示すように、0.05kmol/m3のNa2SO3の濃度がアミン分解の有意な抑制をもたらした。この濃度では、MEAの平均分解速度が4.10×10-5kmol/m3.時間と測定され、Na2SO3の非存在下で行った実験の速度より約11倍低かった(例えば4.89×10-4kmol/m3.時間の分解速度)。方程式(1)を用いてNa2SO3の抑制%を計算した。得られた値は91%だった。
抑制%={|rw/o−rw|/rw/o}×100 (1)
式中、rw/o及びrwは、それぞれインヒビターが無い場合とある場合のMEA分解速度である(kmol/m3.時間)。
より高いNa2SO3濃度(0.1kmol/m3)を用いて行ったさらなる実験は、図1に示すように、逆効果をもたらした。MEA分解速度が6.56×10-4kmol/m3.時間であることが分かり、これはNa2SO3が無い実験の速度より1.3倍高かった。Na2SO3濃度を0.3kmol/m3に高くした場合には、1.28×10-3kmol/m3.時間というさらに高い分解速度さえ観察された。この速度はNa2SO3の非存在下で行った実験の速度の2.6倍速かった。
実施例6:酸素(O2)及び二酸化イオウ(SO2)の存在下で亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)を用いるアミン分解の抑制
0.05kmol/m3のNa2SO3の濃度はO2によるMEA分解の有意な抑制をもたらしたので、SO2をも含む、より現実的な系を利用したさらなる評価のためこの濃度を選択した。比較のため、最初に、5kmol/m3のMEA、並びに6%のO2と6ppm及び196ppmのSO2を含む模擬煙道ガス流を用いてNa2SO3無しで行う実験を行った。その後、0.05kmol/m3のNa2SO3を添加した2つの追加実験をガス反応物にそれぞれ6ppm及び196ppmのSO2を含めて行った。全実験を120℃(393K)で行った。
Na2SO3が無い場合の分解速度は、6ppm及び196ppmの実験についてそれぞれ4.74×10-4及び7.60×10-4kmol/m3.時間と分かった。6ppmのSO2系では、Na2SO3が存在すると、速度が劇的に1.43×10-4kmol/m3.時間に減少した。196ppmのSO2をインヒビターと共に含む実験もより低い分解速度をもたらし、1.14×10-4kmol/m3.時間であると測定された。
これは、O2とSO2の両者によるMEAの分解を最小限にする際の有効濃度のNa2SO3の強力な抑制効果を示唆している。図2は、6ppm及び196ppmのSO2濃度の存在下におけるNa2SO3濃度の関数としての平均MEA分解速度を示す。方程式(1)を用いて計算した6ppm及び196ppmのSO2系内のNa2SO3抑制%はそれぞれ70%及び85%であることが分かった。
実施例7:酸素(O2)及び二酸化イオウ(SO2)の存在下で酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(KNaC446・4H2O)を用いるアミン分解の抑制
Na2SO3で用いたのと同様のアプローチを利用して、O2及びSO2によるMEAの分解作用を有意に減じるであろうKNaC446・4H2Oの濃度をも同定した。基礎実験として、以前にNa2SO3実験で使用したように、120℃(393K)で5kmol/m3のMEA、並びに6%のO2及び6ppmのSO2を含む模擬煙道ガス流を用いて行う実験をも利用して、MEA−H2O−O2−SO2分解系におけるKNaC446・4H2Oの濃度効果を評価した。0.005kmol/m3のKNaC446・4H2Oを用いた場合のO2−SO2誘導MEA分解速度は5.71×10-4kmol/m3.時間であることが分かった。これは該化合物が無い実験の分解速度より1.2倍速かった。この化合物の濃度を0.01、0.06、0.1、及び0.3kmol/m3にして実験を行った。MEAの分解速度は、それぞれ2.58×10-5、1.02×10-4、8.04×10-5、及び1.88×10-4kmol/m3.時間であることが分かった。これらのKNaC446・4H2O濃度は、それぞれ8、5、6、及び3倍だけMEAの分解速度をうまく減じることができた。図3に示すように、平均MEA分解速度を用いて、KNaC446・4H2Oの濃度効果を比較した。0.01kmol/m3のKNaC446・4H2Oの濃度で計算した抑制%が95%と高かった。
模擬煙道ガス反応物中に196ppmのSO2が存在する場合にも0.01kmol/m3のKNaC446・4H2Oの濃度は有効に働いた。図3にも示すように、0.01kmol/m3のKNaC446・4H2Oを5kmol/m3のMEA溶液に添加した場合、91%の抑制が達成された。このインヒビター濃度による分解速度は、このインヒビター無しで行った実験の7.60×10-4kmol/m3に比し、6.48×10-5kmol/m3だった。
実施例8:酸素(O2)及び二酸化イオウ(SO2)の存在下でEDTAを用いるアミン分解の抑制
最初に5kmol/m3のMEA、6%のO2、6ppmのSO2、及び120℃(393K)の分解温度の分解系を用いてEDTAを評価した。使用したEDTA濃度は、0〜0.1kmol/m3で変化した。0.00125kmol/m3のEDTA濃度をまず基礎実験に添加すると、4.74×10-4から3.41×10-4kmol/m3に分解速度を減じることが分かった。平均分解速度対インヒビター濃度の棒グラフを表す図4も、この濃度で28%の抑制を得ることができたことを明白に示している。
2及びSO2によるMEA分解作用をさらに減じる目的で、より高い濃度0.0025kmol/m3のEDTAを添加した。この濃度では、分解速度は1.44×10-4kmol/m3に低減し、69%の抑制をもたらした。さらに、より高い濃度0.005及び0.1kmol/m3のEDTAを試験した。しかし、0.005及び0.1kmol/m3の両系では負の効果が観察され、分解速度がそれぞれ5.29×10-4及び1.48×10-3kmol/m3.時間に増加した。
0.0025kmol/m3の濃度を196ppmのSO2実験にも適用した。図4も、対応する平均分解速度対EDTA濃度を示す。この系では、EDTAが存在する場合、分解速度が8.93×10-5kmol/m3.時間と測定された。このインヒビター無しで行った実験の7.60×10-4kmol/m3.時間より速度が低かった。この速度低減に相当するEDTAの抑制率は88%である。
実施例9:酸素(O2)及び二酸化イオウ(SO2)の存在下でヒドロキシルアミン(NH2OH)を用いるアミン分解の抑制
インヒビターとしてのNH2OHの定量にも5kmol/m3のMEA、6%のO2、6ppmのSO2、及び120℃(393K)から成る分解系を使用した。図5は、MEAの平均分解速度を用いてNH2OHの濃度効果を図示する。MEA溶液に0.025kmol/m3のNH2OHを添加すると、平均MEA分解速度が5.96×10-5kmol/m3.時間となった。この濃度では、基礎実験(インヒビター無し)と比較した場合87%だけ分解速度が低減した。0.5及び1kmol/m3のより高い濃度のNH2OHを使用しても、分解がそれぞれ3.76×10-4及び2.14×10-4kmol/m3.時間に低減した。しかし、これらの濃度は、21%及び55%だけ分解を抑制したのみなので、0.025kmol/m3ほどは有効でなかった。結論として、O2−SO2誘導MEA分解の抑制において最も有効であることが分かったNH2OHの最適濃度は0.025kmol/m3だった。
実施例10:酸素(O2)及び二酸化イオウ(SO2)の存在下でインヒビターの混合物を用いるアミン分解の抑制
混合インヒビターを試験するため、より攻撃的条件である196ppmのSO2を用いて分解実験を行ったが、残りの分解パラメーターは6ppmのSO2実験で使用したのと同一のままだった。図6は、各ブレンド組合せの平均MEA分解速度を要約する。Na2SO3−KNaC446・4H2Oブレンド(0.05kmol/m3のNa2SO3と0.01kmol/m3のKNaC446・4H2O)がその分解速度を7.60×10-4から1.44×10-5kmol/m3.時間に低減することによって、MEA分解を最小限にしたことが分かる。これは98%の分解抑制に相当する。このブレンドは、抑制率がそれぞれ85%及び91%であるNa2SO3又はKNaC446・4H2O個々の場合よりずっと有効に働いた。Na2SO3−EDTAのブレンドは、41%だけ分解速度の低下を示したが、その効果は個々の化合物を用いたときほど強くなかった。個々の化合物としてのNa2SO3及びEDTAは両方とも、それぞれ85%及び88%というそれらのブレンドより高い抑制率をもたらした。
実施例11:Na2SO3、KNaC446・4H2O、EDTA、NH2OH、C64(OH)2又はその混合物のCO2充填による抑制効率
希薄アミン又は濃厚アミンのいずれの場合でもアミン溶液中にはCO2が常に存在するだろう。また、CO2はそれ自体アミン分解の抑制に貢献する。このセクションは、O2−SO2誘導アミン分解に対するCO2の抑制効果を実証する。本セクションは、Na2SO3、KNaC446・4H2O、EDTA、NH2OH、C64(OH)2のどれかの組合せ、又はその混合物におけるCO2の抑制効果をも実証する。最初に100%のO2で行う分解実験を利用して極端な場合のO2誘導MEA分解に対するCO2の抑制効果を示した。0.22のCO2充填量を含む実験は4.63×10-3kmol/m3.時間の分解速度をもたらした。CO2充填量を0.42に増やすと、分解速度が1.2の係数だけ減少した。系中に0.52のCO2が存在すると、分解速度はさらに2.52×10-3kmol/m3.時間にさえ低減した。
模擬ガス流中に6%のO2及び6又は11ppmのSO2が存在する、より現実的なケースを用いてCO2充填効果をさらに評価した。図7は、SO2の存在下におけるCO2の抑制効果を確証する。5kmol/m3のMEA、6ppmのSO2、及び120℃(393K)の分解温度を用いるCO2無しの実験をまず行った。MEAの分解速度が4.74×10-4kmol/m3.時間であることが分かった。系に0.33のCO2充填量を加えると、MEA分解速度が4.28×10-4kmol/m3.時間に低減した。0.33のCO2充填量による速度低減は、Na2SO3/KNaC446・4H2O/EDTA/NH2OHの70〜95%に比し、約10%の抑制に相当した。0.24のCO2充填量を7kmol/m3のMEA、11ppmのSO2、及び120℃(393K)の異なる条件を利用しても試験した。この充填量では、平均分解速度は7.11×10-4kmol/m3.時間と測定された。CO2無しで行ったその比較できる実験は、8.15×10-4kmol/m3.時間の速度の分解を示した。さらに攻撃的な条件の場合でさえ(例えばより高い濃度のMEA及びSO2)、CO2はMEA分解速度を遅くするのに有効なままだった。CO2効果の背後にある機構は以前に文献で論じられている2。O2及びSO2よりMEA溶液に溶けるCO2の存在は、これらの分解誘導種の溶解度を下げ、ひいてはMEA分解速度を低減する。しかし、CO2の抑制率(10%)は、Na2SO3、KNaC446・4H2O、EDTA及びNH2OH(例えば70%、95%、50%及び87%)ほど高くなかった。CO2は実際に、O2−SO2誘導分解からの何らかの保護をMEAに与えることができる。
発電所の煙道ガスからのCO2浄化のためのさらに現実的なケースをよりよく示すため、CO2の存在下でのインヒビター化合物(例えばNa2SO3、KNaC446・4H2O、EDTA、及びNH2OH)の効果をも研究した。分解実験の前に、MEA1モル当たり0.33モルのCO2でMEA溶液を充填し、かつ前もって決定した最適濃度の各インヒビター(この試験のためにまずNa2SO3、KNaC446・4H2O及びEDTAを選択した)を添加した。次に該配合溶液を最も攻撃的な分解条件(6%のO2−196ppmのSO2の模擬煙道ガス流及び120℃(393K)を用いた)に供した。図8は、Na2SO3+CO2、KNaC446・4H2O+CO2、及びEDTA+CO2を含む実験のMEA分解速度のプロファイルを示す。比較のため、いずれのインヒビターも無い実験、及びNa2SO3、KNaC446・4H2O、又はEDTAのどれかを用いた実験の速度プロファイルをも同図に示す。対応する平均MEA分解速度を図8に示す。CO2とNa2SO3、KNaC446・4H2O又はEDTAのどれかを含む系は両方ともいずれのインヒビターも無い対応実験の当該分解速度より低い分解速度を示したこと明らかである。平均速度に基づき、Na2SO3+CO2、KNaC446・4H2O+CO2、及びEDTA+CO2の組合せは、いずれのインヒビターも無い実験のMEA分解速度7.60×10-4kmol/m3.時間からそれぞれ3.77×10-4、1.32×10-4、及び2.39×10-4kmol/m3.時間に低減した。これらのそれぞれの速度に相当する抑制率は50、83及び69%だった。従って、Na2SO3、KNaC446・4H2O又はEDTAのどれかと混合したCO2は、うまくMEA分解を最小限にした。
実施例12:Na2SO3とKNaC446・4H2Oの混合物のCO2充填による抑制効率
次にNa2SO3とKNaC446・4H2Oの混合物のCO2充填による有効性を調べた。5kmol/m3のMEAにまず、それぞれ0.05及び0.01kmol/m3(5対1比)の濃度を有するNa2SO3及びKNaC446・4H2Oを添加した。その後、溶液をMEA1モル当たり0.33モルのCO2で充填した。引き続き溶液を120℃(393K)で196ppmのSO2及び6%のO2を含む供給ガスで分解させた。図9に例示すように、測定された平均MEA分解速度は、1.57×10-4kmol/m3.時間であることが分かった。MEAは、CO2のみが存在する比較実験の分解速度より遅く分解すると決定された。CO2だけの実験の分解速度は4.40×10-4kmol/m3.時間であることが分かった。図9に示すようにインヒビター又はCO2が無い実験の分解速度は7.60×10-4kmol/m3.時間であり、抑制性能の計算の基礎として用いた。この実験に基づき、0.05〜0.01のモル比でブレンドしたNa2SO3とKNaC446・4H2Oの抑制率は79%と計算され、一方CO2のみでは42%の抑制効果をもたらした。
Na2SO3とKNaC446・4H2Oのモル比を変えることが混合物の抑制性能に影響を与えるかを決定するためさらに検査した。非CO2充填−196ppmのSO2系で個々に用いた場合にNa2SO3に比し、KNaC446・4H2Oがより有効なインヒビターであることが分かった。そこで、最初にKNaC446・4H2Oのモル比のみを0.01から0.015及び0.025kmol/m3に増やし、一方Na2SO3濃度を0.05kmol/m3の濃度で維持することを決めた。図9で分かるように、Na2SO3とKNaC446・4H2Oの比を5:1(モル比0.05対0.01)から3.3:1(モル比0.05対0.015)に変えると、混合物の抑制性能が増加した。MEA分解速度が8.24×10-5kmol/m3.時間に低減し、89%の抑制をもたらした。他方、KNaC446・4H2Oの0.025kmol/m3への増加(比2:1又はモル比0.05対0.025)の結果、混合物の抑制性能が63%に低減した。
混合物のNa2SO3のモル濃度の増加も調べた。この試験では、Na2SO3濃度を0.05から0.075kmol/m3に増やした。次にこの濃度を、ブレンド配合物中のKNaC446・4H2Oの最適濃度であると前もって決定された0.015kmol/m3のKNaC446・4H2Oと混合した。図9にも示すように、0.075kmol/m3のNa2SO3と0.015kmol/m3のKNaC446・4H2Oのブレンド(5:1比)はMEAの分解速度が加速される逆効果をもたらした。このモル比では、分解速度が1.06×10-3kmol/m3.時間に増加した。
現在好ましい実施例とみなされているものに関して本開示を記述したが、当然のことながら、本開示は、開示した実施例に限定されない。反対に、本開示は、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内に包含される種々の修正及び等価なアレンジメントを網羅することを意図している。
文献
Figure 2011503216

Figure 2011503216

Claims (30)

  1. ガス流からのCO2捕獲中のO2及び/又はSO2誘導アミン分解を抑制する方法であって、有効量の、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(KNaC446・4H2O)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びヒドロキシルアミン(NH2OH)、並びにその類似体及び混合物から選択されるO2及び/又はSO2誘導アミン分解のインヒビターをアミン吸収剤に添加することを特徴とする方法。
  2. Na2SO3を約0.05kmol/m3〜約0.3kmol/m3の量で添加する、請求項1に記載の方法。
  3. Na2SO3を約0.05kmol/m3の量で添加する、請求項2に記載の方法。
  4. KNaC446・4H2Oを約0.005kmol/m3〜約0.30kmol/m3の量で添加する、請求項1に記載の方法。
  5. KNaC446・4H2Oを約0.01kmol/m3の量で添加する、請求項4に記載の方法。
  6. EDTAを約0.00125kmol/m3〜約0.1kmol/m3の量で添加する、請求項1に記載の方法。
  7. 酸EDTAを約0.0025kmol/m3の量で添加する、請求項6に記載の方法。
  8. NH2OHを約0.025kmol/m3〜約1.0kmol/m3の量で添加する、請求項1に記載の方法。
  9. NH2OHを約0.025kmol/m3の量で添加する、請求項8に記載の方法。
  10. Na2SO3とKNaC446・4H2Oの混合物を約0.055kmol/m3〜約0.6kmol/m3の量、及び約0.15〜60のNa2SO3/KNaC446・4H2Oのモル比で添加する、請求項1に記載の方法。
  11. 亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)と酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(KNaC446・4H2O)の混合物を約0.05kmol/m3のNa2SO3及び約0.01kmol/m3のKNaC446・4H2Oの量で添加する、請求項10に記載の方法。
  12. Na2SO3とKNaC446・4H2Oの混合物を、Na2SO3/KNaC446・4H2Oのモル比が約5で前記インヒビターとして使用する、請求項1に記載の方法。
  13. Na2SO3とKNaC446・4H2Oの混合物を、Na2SO3/KNaC446・4H2Oのモル比が約3で前記インヒビターとして使用する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記アミン吸収剤が、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)、メチルジエタノールアミン(MDEA)、MEA−MDEA混合物又はDEA−MDEA混合物を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記アミンがモノエタノールアミンである、請求項14に記載の方法。
  16. 前記アミンが約2.5kmol/m3〜約7.5kmol/m3の量で存在する、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記アミンが約5.0kmol/m3の量で存在する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記ガス流の温度が約300K〜約500Kである、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記ガス流の温度が約350K〜約500Kである、請求項18に記載の方法。
  20. 前記ガス流の温度が約393Kである、請求項19に記載の方法。
  21. 前記ガス流が約1%〜約100%の酸素(O2)を含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記ガス流が約6%のO2を含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記ガス流が約0〜約200ppmの量で二酸化イオウ(SO2)を含む、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記ガス流が約1%〜30%の量で二酸化炭素(CO2)を含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記アミン吸収剤が、アミン1モル当たり約0.05モル〜約2.0モルのCO2の二酸化炭素(CO2)充填量を有する、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記ガス流が燃焼排ガスを含む、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記燃焼排ガスが、発電所、精油所又はセメント製造業者からのガス流を含む、請求項26に記載の方法。
  28. ガス流からCO2を除去する方法であって、前記ガス流を、アミンと有効量の、O2及び/又はSO2誘導アミン分解インヒビターとを含む液体吸収剤と接触させる工程であって、前記インヒビターが、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(KNaC446・4H2O)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びヒドロキシルアミン(NH2OH)並びにその混合物から選択されることを特徴とする方法。
  29. 亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(KNaC446・4H2O)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びヒドロキシルアミン(NH2OH)、並びにその類似体及び混合物から選択される化合物の、ガス流からのCO2捕獲中のO2及び/又はSO2誘導アミン分解を抑制するための使用。
  30. アミンと、O2及び/又はSO2誘導アミン分解インヒビターとを含む、ガス流からCO2を捕獲するための組成物であって、前記インヒビターが亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(KNaC446・4H2O)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びヒドロキシルアミン(NH2OH)、並びにその類似体及び混合物から選択されることを特徴とする組成物。
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