JP2011501674A - 2型腫瘍症(neoplasms−ii)の診断法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、一般に、DNAまたはRNAもしくはタンパク質発現プロファイルにおける変化が腫瘍の発症、発症素因および/または進行を示すという点で核酸分子に関するものである。特に、本発明は、DNAまたはRNAもしくはタンパク質発現プロファイルにおける変化が大腸腫瘍、例えば、腺腫もしくは腺癌の発症および/または進行を示すという点で核酸分子に向けられる。本発明のDNAまたは発現プロファイルは、結腸直腸腫瘍、例えば、結腸直腸腺癌の診断および/またはモニタリングに関するものを含むがこれらに限定されない適用範囲において有用である。したがって、関連する局面において、本発明は、DNAまたは1種もしくはそれ以上の核酸分子マーカーのRNAもしくはタンパク質発現プロファイルにおける変調についてスクリーニングすることにより、腫瘍の発症、発症素因および/または進行について対象をスクリーニングする方法に向けられる。
本明細書において著者により言及された文献の詳細な目録は、本明細書の最後にアルファベット順で示している。
本明細書および添付の特許請求の範囲を通して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「含む」なる用語およびその変形は、任意の他の整数もしくは工程または整数もしくは工程の群を除外するのではなく、示された整数もしくは工程または整数もしくは工程の群を包含することを意味するものと理解される。
(i) 下記のAffymetrixプローブセットIDにより検出される遺伝子、遺伝子群または転写産物:
(ii)
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(ii)
(i) 上記の任意の1種もしくはそれ以上の腫瘍マーカー遺伝子に対応するヌクレオチド配列またはそれと少なくとも80%の同一性を示す配列または該核酸分子の機能性誘導体、断片、変異型もしくはホモログを含む、核酸分子; または
(ii) 中程度のストリンジェンシー条件下で、任意の1種もしくはそれ以上の(i)の配列にハイブリダイズすることが可能なヌクレオチド配列、または該核酸分子の機能性誘導体、断片、変異型もしくはホモログを含む、核酸分子; または
(iii) 中程度のストリンジェンシー条件下で、任意の1種もしくはそれ以上の(i)の配列にハイブリダイズすることが可能なヌクレオチド配列、または該核酸分子の機能性誘導体、断片、変異型もしくはホモログを含む、核酸プローブまたはオリゴヌクレオチド; または
(iv) (i)の核酸分子によりコードされる任意の1種もしくはそれ以上のタンパク質またはその誘導体、断片もしくはホモログに結合可能なプローブ
の複数を含む分子アレイであって、(i)の該マーカー遺伝子もしくは(iv)のタンパク質の発現レベルが、大腸に由来する細胞または細胞サブ集団の腫瘍性状態を示す、分子アレイを提供する。
(i) 下記のAffymetrixプローブセットIDにより検出される遺伝子、遺伝子群または転写産物:
(ii)
(i) 盲腸;
(ii) 上行結腸;
(iii) 横行結腸;
(iv) 下行結腸;
(v) S状結腸; および
(vi) 直腸。
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(ii)
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(ii)
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(ii)
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(i) 下記のAffymetrixプローブセットIDにより検出される遺伝子、遺伝子群または転写産物:
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(ii)
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(i) 下記のAffymetrixプローブセットIDにより検出される遺伝子、遺伝子群または転写産物:
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(i) 下記のAffymetrixプローブセットIDにより検出される遺伝子または遺伝子群:
(ii)
分子イメージングは、腸組織における改変されたマーカーの発現を曝露することが可能なイメージングプローブもしくは試薬の投与後に使用され得る。
(i) 上記の任意の1種もしくはそれ以上の腫瘍マーカー遺伝子に対応するヌクレオチド配列またはそれと少なくとも80%の同一性を示す配列または該核酸分子の機能性誘導体、断片、変異型もしくはホモログを含む、核酸分子; または
(ii) 中程度のストリンジェンシー条件下で、任意の1種もしくはそれ以上の(i)の配列にハイブリダイズすることが可能なヌクレオチド配列、または該核酸分子の機能性誘導体、断片、変異型もしくはホモログを含む、核酸分子; または
(iii) 中程度のストリンジェンシー条件下で、任意の1種もしくはそれ以上の(i)の配列にハイブリダイズすることが可能なヌクレオチド配列、または該核酸分子の機能性誘導体、断片、変異型もしくはホモログを含む、核酸プローブまたはオリゴヌクレオチド; または
(iv) (i)の核酸分子によりコードされる任意の1種もしくはそれ以上のタンパク質またはその誘導体、断片もしくはホモログに結合可能なプローブ
の複数を含む分子アレイであって、(i)の該マーカー遺伝子もしくは(iv)のタンパク質の発現レベルが、大腸に由来する細胞または細胞サブ集団の腫瘍性状態を示す、分子アレイを提供する。
方法および材料
Affymetrix GeneChipデータ
遺伝子発現プロファイリングデータおよびそれに付随する臨床データを、GeneLogic Inc (Gaithersburg, MD USA)から購入した。解析した各々の組織について、44,928個のプローブセット(Affymetrix HGU133A & HGU133Bの組み合わせ)についてのオリゴヌクレオチドマイクロアレイデータ、実験的および臨床的記述子、ならびに組織学的調製物のデジタル処理により達成される顕微鏡画像を得た。定性コントロール解析を、製造者により示されたとおり、重要な定性コントロール測定を満たさないアレイを除去するために行った。
差異的に発現した遺伝子転写産物を、RについてのBioconductorリポジトリからダウンロードされたlimmaライブラリーで実行されるモデレーテッド(moderated)t検定を用いて同定した(G. K. Smyth. Statistical Applications in Genetics and Molecular Biology, 3(1):Article 3, 2004; G K Smyth. Bioinformatics and Computational Biology Solutions using R and Bioconductor. Springer, New York, 2005)。有意推定(p値)を、Bonferonni補正を用いて、多重仮説検定について調整するように補正した。
仮定の「不活性化(turned off)」遺伝子発現についてのフィルターを構築するために、454個の組織全範囲にわたる44,928個のプローブセットすべてについての平均発現レベルを最初に調べた。発現のオン/オフ閾値を予測するために、44,928個の平均値を並べて、データセットに渡って30パーセンタイル(30th percentile)に相当する発現値を計算した。特定のサンプル中の多くの転写産物(推定上、30%以上)が転写的に抑制されるはずであることが理論化されたので、この任意の閾値を選択した。したがって、この閾値は、非特異的もしくはバックグラウンドシグナルとして予測されるものに向けられる保存的上限を示す。
Affymetrixプローブセット名を正式な遺伝子識別名にマッピングするために、Bioconductorから利用可能なアノテーションメタデータを用いた。2007年3月15日にダウンロードされたEntrez Geneデータを用いて構築されたHgu133plus2ライブラリー1.16.0版を用いた。
本明細書で示した各表のマーカーの診断利用性(感受性、特異性、陽性適中率、陰性適中率、陽性尤度比、陰性尤度比を含む)を予測した。マーカーを発見するのに使用した同じデータでこれらの評価を計算し、したがって、それは、将来的なサンプルのパフォーマンス特性を潜在的に過大評価するものである。該評価の一般化可能性を改良するために、修飾化ジャックナイフリサンプリング技術を、各特性についてより偏らない値を計算するために使用した。
さまざまな一変量統計的検定をAffymetrixオリゴヌクレオチドマイクロアレイデータに適用し、結腸直腸腫瘍性組織と非腫瘍性組織を区別するのに使用され得るヒト遺伝子を明らかにした。さらに、結腸直腸腺腫と結腸直腸癌を区別するのに有用であるように思われる多くの遺伝子転写産物を同定した。また、分泌されるか、もしくは上皮細胞の細胞表面上に提示されるタンパク質産物のために、特定の診断的利用性を有し得るこれらの転写産物の一部を同定した。最後に、腫瘍性組織で特異的に発現し、非腫瘍性組織でバックグラウンドレベルよりも低いか、もしくは同程度のレベルで発現する転写産物の一部を同定した。
全44,928個のプローブセットのGeneChipから、11,000個を超えるプローブセットが、保守的(Bonferroni)多重検定補正を用いたBioConductor (上記のG. K. Smyth, 2004)のlimmaパッケージを使用して、通常のt検定で差異的に発現していることを決定した。この一覧を、さらに、腫瘍性および非腫瘍性組織間の2倍もしくはそれ以上の発現変化を示すプローブセットのみを含むようにフィルターにかけると、560個のプローブセットが正常組織と比較して腫瘍性組織でより低い発現を示すことが見出された。
差異的遺伝子発現パターンは、診断目的のために有用であるが、このプロジェクトはまた、腫瘍性結腸直腸上皮から消化管腔に流された診断的タンパク質を同定しようとすることである。候補タンパク質を発見するために、差異的に発現する転写産物の一覧を、結腸直腸腫瘍性組織で特異的に減少するマーカーを同定することを目的とする選択基準でフィルターにかけた。「オフ」遺伝子を同定するために、i) 理論的オン/オフ閾値以下の腫瘍性発現レベルおよびii) 少なくとも2倍以上の正常なシグナルを有する遺伝子を見出せるようにフィルター基準を設計した。腫瘍性組織で「不活性化する(turned-off)」例示的な転写の発現プロファイルを図1に示す。
腫瘍性組織と比較して非腫瘍性組織での高められたプローブセット
差異的発現解析を、161個の腺癌サンプル、29個の腺腫サンプル、42個の大腸炎サンプルおよび222個の非疾患性組織を含む454個の結腸直腸組織のRNA濃度を測定して、Affymetrix遺伝子チップデータ中の下方調節されたプローブセットを同定するために適用した。多重仮説検定のための保守的補正および2倍絶対倍率変化カットオフ(2-fold absolute fold change cut-off)を用いて、560個のプローブセットが非腫瘍性コントロールと比較して腫瘍性組織で減少した発現を示すことを決定した。転写ヌクレオチド配列に基づいて、560個のこれらのプローブセットを434個の推定上の遺伝子識別名にマッピングした。
これらの候補のRNA発現レベルを、別々に由来する臨床サンプルで測定した。特注で設計された「腺腫Gene Chip」を用いて、526個のプローブセットが、19個の腺腫、19個の腺癌、および30個の非疾患性コントロールを含む68個の臨床サンプルからのRNA抽出物とハイブリダイズした。34個のプローブセットは、特注設計に含まれなかったので、試験されなかった。526個の標的プローブセット(または、同じ遺伝子座標的と直接関連するプローブセット)のうちの459個が、同様に、別々に由来する組織で差異的に発現する(P < 0.05)ことが確認された。これらの459個のプローブセットの差異的発現解析の結果を表1に示す。
表1および2の各々で示した候補プローブセットおよび識別名は、非腫瘍性コントロールと比較して、腫瘍性結腸直腸組織でより低い発現を示した。
非腫瘍特異的プロファイルを証明するプローブセット
ディスカバリーデータ(discovery data)の解析の間、腫瘍と非腫瘍性表現型の間の新たな発現プロファイルが観察された。定量的に差異的に発現するプローブセットはさらに、定性的に差異的に発現することが仮定された。そのようなプローブセットは、腫瘍性組織において遺伝子発現活性の証拠を示さず、すなわち、これらのプローブセットは、非腫瘍性組織においてのみバックグラウンドレベルを超えて発現するように考えられる。この観察および生じた仮説は、下記の2つの原理に基づくものである:
1. ゲノムワイドGeneChip (例えば、U133)上に存在する多くのヒト転写産物は、結腸直腸粘膜であまり発現しない; そして
2. 該「オフ」プローブセットのための(標識化cRNAへの)マイクロアレイ結合強度は、技術的アッセイバックグラウンド、すなわち、非特異的オリゴヌクレオチド結合を反映する。
特注遺伝子チップ設計は、発見のために使用されたのと同じ原理を用いて、非腫瘍特異的プローブセットを検定するのを妨げる。特に、特注遺伝子チップは(意図的に)、仮説上の「オフ」/「非転写」遺伝子転写産物にハイブリダイズすることが予期される多くのプローブセットを含まない。これは、特注遺伝子チップ設計は、結腸直腸腫瘍性組織で差異的に発現する転写産物に対して非常に偏っているためである。
実施例2および3のための材料および方法
腫瘍性、正常および非腫瘍性疾患コントロールを含む454個の結腸直腸組織サンプルで測定された遺伝子発現プロファイリングデータを、GeneLogic Inc (Gaithersburg, MD USA)から購入した。各組織サンプルについて、全44,928個のプローブセット(HGU133AとHGU133Bの組み合わせ)を含むAffymetrix (Santa Clara, CA USA)オリゴヌクレオチドマイクロアレイデータ、実験的および臨床的記述子、ならびに組織学的調製物のデジタル保存顕微鏡画像を得た。これらのデータにディスカバリー法を適用する前に、統計的調査、整合性についての臨床記録の参照およびアレイの無作為サンプルの組織病理学的検査を含む広範な品質管理法を行った。許容可能な質的基準を満たさなかったマイクロアレイは、解析から除去された。
候補転写バイオマーカーを、ディスカバリーの間に同定された候補RNA転写産物とハイブリダイズするように設計された25-merのオリゴヌクレオチドプローブセットの特注オリゴヌクレオチドマイクロアレイを用いて試験した。差異的発現仮説を、30個の正常結腸直腸組織、19個の結腸直腸腺腫組織、および19個の結腸直腸腺癌組織を含む、独立して収集された臨床サンプルに由来するRNA抽出物を用いて試験した。各RNA抽出物は、厳密な品質管理基準を満たすことが確認された。
仮説検定のために使用されるすべての組織は、metropolitan Adelaide, Australia (Repatriation General Hospital and Flinders Medical Centre)の三次照合病院組織バンク(tertiary referral hospital tissue bank)から得られた。この研究のための組織バンクへのアクセスは、Research and Ethics Committee of the Repatriation General HospitalおよびEthics Committee of Flinders Medical Centreにより承認された。研究される各組織について、患者からインフォームドコンセントを得た。
RNA抽出は、製造者の指示にしたがって、Trizol(R)試薬(Invitrogen, Carlsbad, CA, USA)を用いて行った。改良ドレメルドリルおよび滅菌使い捨て乳棒を用いて、300μLのTrizol試薬で各サンプルを均質化した。さらに200μLのTrizol試薬をホモジネートに加えて、サンプルを、室温で10分間インキュベートした。次いで、100μLのクロロホルムを加えて、サンプルを、ボルテックスで15秒間振とうさせ、さらに3分間、室温でインキュベートした。標的RNAを含む水性相を、40℃で15分間、12,000 rpmでの遠心分離により得た。その後、250μLのイソプロパノールを用いて、室温で10分間、サンプルをインキュベートすることにより、RNAを沈殿させた。精製されたRNA沈殿物を、40℃で10分間、12,000 rpmでの遠心分離により集めて、上清を捨てた。次いで、ペレットを1mLの75%エタノールで洗浄し、その後、ボルテックスにかけ、40℃で8分間、7,500gで遠心分離を行った。最後に、ペレットを、5分間空気乾燥させ、80μLの無RNase水に再懸濁した。次の溶解性を改善するために、サンプルを、55℃で10分間、インキュベートした。A260/280 nmでの光学密度を測定することにより、RNAを定量化した。RNA品質を、1.2% アガロースホルムアルデヒドゲルでの電気泳動により評価した。
結腸直腸腫瘍RNA抽出物についてのバイオマーカー候補に関連する仮説を検証するために、Affymertix (Santa Clara, CA USA)との共同により我々が設計した特注GeneChipを用いてアッセイした。これらの特注GeneChipsを、(Affy:WTAssay)に記載されたHU Gene ST 1.0アレイのために開発された標準的なAffymetrixプロトコールを用いて行った。
ほとんどの解析のために、R 統計学環境(statistics environment) RおよびBioConductorライブラリー(BioConductor, www.bioconductor.org) (BIOC)を使用した。特注GeneChip上の遺伝子識別名にプローブセットIDをマッピングするために、Apr 18 12:30:55 2008 (BIOC)にダウンロードされたEntrez Geneデータを用いて集められたhgu133plus2ライブラリー2.2.0版を使用した。
組織クラス間の差異的発現を評価するために、2個のサンプル間の平均値についてのステューデントt検定またはlimmaライブラリー(Smyth)(limma)により提供されるロバスト変化(robust variant)を使用した。多重仮説検定による誤ったディスカバリーの影響を軽減するために、ディスカバリー工程でのP値に対するBonferroni調整(MHT:Bonf)を適用した。検定に関して、溶液中の誤ったディスカバリー率の制御を目的とする、Benjamini & Hochbergのわずかに弱い(slightly less)保守的多重仮説検定補正の検定(MHT:BH)を適用した。
遺伝子発現データを用いたディスカバリー法はしばしば多くの候補を生じるが、その多くは、研究室(laboratory practice)で検出が困難であり得るわずかな遺伝子発現差異を含んでいるので、市販用の製品として適当ではない。Pepe et al.は、「理想的な」バイオマーカーは、腫瘍組織において検出可能であるが、非腫瘍組織では検出されない(全く検出されない)ことを指摘している(Pepe:biomarker:development.)。この基準を満たす候補に対してディスカバリーを偏らせるために、定性的に非存在であるか、または存在する測定が、関心のある表現型のために診断的であるバイオマーカーについての候補をしぼる目的で、解析法を開発した。この方法では、チップにわたって、バックグラウンド/ノイズ発現の予測と比較して原型的な「活性化(turned-on)」もしくは「不活性化(turned-off)」パターンを示す候補を選択することを試みられる。そのようなRNA転写産物が、診断的潜在性を有する下流の翻訳タンパク質と相関し得るか、または診断的に使用され得る上流のゲノム変化(例えば、メチル化状態)を予測し得ることが理論化される。定量的な出力ではなく定性的な出力におけるこの焦点は、そのようなバイオマーカーの製品開発工程を簡便化し得る。
DNAメチル化データ
プロモーター領域内のメチル化を検出するためのアッセイを開発し、8個の下方調節された遺伝子を表5に示す。DNAの亜硫酸水素塩処理法およびDNAメチル化レベルを決定するためのアッセイは、Clark et al. (2006)に記載されており、MSPおよびCOBRAを含む。
95.0℃、2分
その後、
95.0℃/15秒
Temp℃/30秒
72.0℃/30秒
を50サイクル。
95.0℃、2分
その後、
95.0℃/15秒
Temp℃/30秒
72.0℃/30秒
を50サイクル。
Affymetrixプローブセットにより特定された関心のある核酸配列の遺伝子同一性の決定
オンラインで利用可能なBasic Local Alignment Search Tools [BLAST]、例えば、NCBI/BLASTを用いて、関心のある配列をBLASTにかける
(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)
(a) ウェブページ(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)上のBLAST ASSEMBLED GENOMES中の「Human」を選択
(b) デフォルト設定、すなわち、下記の設定のままにしておく:
・Database: Genome (all assemblies)
・Program: megaBLAST: compare highly related nucleotide sequences
・Optional parameters: Expect: 0.01, Filter: default, Descriptions: 100, Alignments: 100
(c) 「BLAST」ウィンドウに配列をコピー/ペースト
(d) 「Begin Search」をクリック
(e) 「View Report」をクリック。
配列を「ブラストにかける(blasting)」と、有意な配列のマルチプルアライメントが同定され得る。
(a) 同定されたヒットの1個に対するリンクをクリック
(b) 新たなページは、染色体上のヒットの位置を図式的に示す。どの遺伝子がヒットしているか明らかである。
(c) リンクをクリックして、「ヒット」配列を取り出す。
(d) 提供された「探索」ウィンドウ内の遺伝子を探索する。これは、該遺伝子についての遺伝子ヌクレオチドコーディネートを提供する。
(a) NCBI/BLASTツールを開く(http://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)
(b)「basic BLAST」の下の「nucleotide Blast」をクリック
(c) 「Query Sequence」ウィンドウに関心のある配列をコピー/ペースト
(d) 「Blast」をクリック。
(a) Sequenceを用いたnBLAST実行は、マルチプルBlastヒットを生じ得て、その受託エントリー番号は、「Description」に示されている。
(b) これらのヒットが参照されるべきである。
Ensemblデータベースは、オンラインデータベースであり、それは、選択された真核ゲノムの自動的な注釈を生じ、維持する(www.ensembl.orq/index.html)。
(a) 「Search」をHomo Sapienに設定し、提供された探索分野(Ensemble.org/index.html)に「遺伝子名」を打ち込む
(b) 「Go」をクリック
(c) 注釈報告を得るために、「vega protein_coding Gene: OTTHUMG000000144184」リンクをクリック
(d) 代替的スプライシング部位データベースに関する情報を取り出すために、「Gene DAS Report」をクリック: 探索分野に「遺伝子名」を打ち込む。
・「遺伝子エントリー」をクリック
・「エビデンス」をスクロールダウン
・代替的スプライシング部位を参照
・エクソンとイントロンについてのコーディネートの一覧を得るために、「Confirmed intron/exons」をクリック
AceView Databaseは、すべての公のmRNA配列の管理された(curated)非冗長な配列表示を提供する。該データベースは、NCBI: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/IEB/Research/Acembly/から利用可能である。
(a) 提供された「探索」分野に「遺伝子名」を打ち込む
(b) 「Go」をクリック
(c) 下記の情報は、AceViewの生じたエントリーから利用可能である:
・遺伝子が構築される(すなわち、mRNAの単離を含む実験的仕事から生じた)cDNAクローンの数
・該遺伝子より産生されることが予測されるmRNA
・非重複代替的エクソンの存在および検証された代替的ポリアデニル化部位
・切断の存在
・制御された代替的発現の可能性
・遺伝子の代替的スプライシングに参加するものとして記録されたイントロン
(d) 標準スプライシング部位移動。
RNAの抽出
製造者の指示にしたがって、Trizol(R)試薬(Invitrogen, Carlsbad, CA, USA)を用いてRNA抽出を行った。改良ドレメルドリルおよび滅菌使い捨て乳棒を用いて、300μLのTrizol試薬で各サンプルを均質化した。さらに200μLのTrizol試薬をホモジネートに加えて、サンプルを、室温で10分間インキュベートした。次いで、100μLのクロロホルムを加えて、サンプルを、ボルテックスで15秒間振とうさせ、さらに3分間、室温でインキュベートした。標的RNAを含む水性相を、40℃で15分間、12,000 rpmでの遠心分離により得た。その後、250μLのイソプロパノールを用いて、室温で10分間、サンプルをインキュベートすることにより、RNAを沈殿させた。精製されたRNA沈殿物を、40℃で10分間、12,000 rpmでの遠心分離により集めて、上清を捨てた。次いで、ペレットを1mLの75%エタノールで洗浄し、その後、ボルテックスにかけ、40℃で8分間、7,500gで遠心分離を行った。最後に、ペレットを、5分間空気乾燥させ、80μLの無RNase水に再懸濁した。次の溶解性を改善するために、サンプルを、55℃で10分間、インキュベートした。A260/280 nmでの光学密度を測定することにより、RNAを定量化した。RNA品質を、1.2% アガロースホルムアルデヒドゲルでの電気泳動により評価した。
Human Exon 1.0 ST GeneChipで解析するために、Affymetrix 2007 P/N 701880 Rev.4に記載されたプロトコールにしたがって、RNAサンプルをAffymetrix WT標的標識およびコントロールキット(part# 900652)を用いて加工した。簡潔には、最初のサイクルで、T7プロモーター配列でタグ化したランダムヘキサマープライマーおよびSuperScript II (Invitrogen, Carlsbad CA)を用いて、100ng リボソーム還元RNAからcDNAを合成し、その後、第2鎖cDNAのDNAポリメラーゼI合成を行った。次いで、アンチセンスcRNAを、T7ポリメラーゼを用いて合成した。次いで、2回目のサイクルで、SuperScript II、dNTP + dUTP、およびランダムヘキサマーを用いてcDNAを合成し、ウラシルを組み込んだセンス鎖cDNAを産生した。その後、この一本鎖ウラシル含有cDNAを、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)と脱プリン/脱ピリミジンエンドヌクレアーゼ1 (APE 1)の組み合わせを用いて断片化した。最後に、末端デオキシヌクレオチドトランスフェラーゼ(TdT)およびAffymetrix独自のDNA標識化試薬を用いて、DNAをビオチン標識した。アレイにおけるハイブリダイゼーションを、45℃で16-18時間、行った。
定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応は、さまざまなhCG_1815491転写産物の増幅および検出のために臨床サンプルから単離されたRNAで行われた。
エンドポイントPCRは、さまざまなhCG_1815491転写産物のために臨床サンプルから単離されたRNAで行われた。条件は、SYBR green染料が水で置換されていることを除けば、上記でSYBR greenアッセイについて記載されたものと同一である。増幅反応は、MJ Research PTC-200サーマルサイクラーで行われた。2.5μlの増幅産物を、100塩基対のDNA Ladder Markerと共に2% アガロースE-ゲル(Invitrogen)を用いて解析した。
hCG_1815491に関連する転写産物のヌクレオチド構造および発現レベルを、遺伝子チップ解析からのAffymetrixプローブセット238021_s_atおよび238022_atの診断的利用性の同定に基づいて解析した。
プローブセット表示は、HG-133plus2プローブセットIDおよびHuman Gene 1.0STアレイプローブidsを含む。後者は、Affymetrixにより提供されるHuman Gene 1.0STプローブタブファイル(http://www.affymetrix.com/Auth/analysis/downloads/na22/wtgene/HuGene-1_0-st-v1.probe.tab.zip)を用いて、Transcript Cluster IDに容易にマッピングされ得る。公に利用可能なソフトウェア、例えば、NetAffx (Affymetrixにより提供される)を用いて、Transcript Cluster IDはさらに、遺伝子識別名、染色体位置などにマッピングされ得る。
腫瘍性コントロールと比較して非腫瘍性組織においてより高く発現することを証明した、プローブセット。標的PS: Affymetrix HG-U133plus2プローブセットid; 識別名: 標的プローブセットidに対応する推定上の遺伝子識別名-複数の識別名は、複数の遺伝子標的にハイブリダイズするプローブセットの可能性を示す; Signif. FDR: 腫瘍性および非腫瘍性組織から抽出されたRNA間の平均差異検定について調整されたp値。調整は、多重仮説検定のためのBenjamini & Hochberg補正(Benjamini and Hochberg, 1995)を用いて行われる; D.value50: 受信者動作特性ROCの領域に対応する診断的有効性パラメーター予測。このパラメーターは、診断的利用性の簡易な予測を提供し、Saunders, 2006に記載されている; FC: 非腫瘍および腫瘍間の平均発現レベルの倍率変化; Sens-Spec: 同等の感受性および特異性を証明するROC曲線点に対応する診断的パフォーマンスの予測; CI (95): 感受性および特異性予測の95%信頼区間。
非腫瘍性組織と腫瘍性コントロール間のRNA濃度の差異を示す、本明細書で記載された遺伝子識別名に対応する複数のプローブセットの証拠。識別名: 遺伝子識別名; ValidPS_DOWN: AffymetrixプローブセットIDは、腫瘍性コントロールと比較して非腫瘍性RNA抽出物での統計学的に有意な過剰発現を証明する。Signif. FDR: 腫瘍性および非腫瘍性組織から抽出されたRNA間の平均差異検定について調整されたp値。調整は、多重仮説検定のためのBenjamini & Hochberg補正(Benjamini and Hochberg, 1995)を用いて行われる; D.value50: 受信者動作特性ROCの領域に対応する診断的有効性パラメーター予測。このパラメーターは、診断的利用性の簡易な予測を提供し、Saunders, 2006に記載されている; FC: 非腫瘍および腫瘍間の平均発現レベルの倍率変化; Sens-Spec: 同等の感受性および特異性を証明するROC曲線点に対応する診断的パフォーマンスの予測; CI (95): 感受性および特異性予測の95%信頼区間。
腫瘍性コントロールと比較して非腫瘍性組織で定性的に(定量的に加えて)高められたプロファイルを証明するプローブセット。標的PS: Affymetrix HG-U133plus2プローブセットid; 識別名: 標的プローブセットidに対応する推定上の遺伝子識別名-複数の識別名は、複数の遺伝子標的にハイブリダイズするプローブセットの可能性を示す; Signif. FDR: 腫瘍性および非腫瘍性組織から抽出されたRNA間の平均差異検定について調整されたp値。調整は、多重仮説検定のためのBenjamini & Hochberg補正(Benjamini and Hochberg, 1995)を用いて行われる; D.value50: 受信者動作特性ROCの領域に対応する診断的有効性パラメーター予測。このパラメーターは、診断的利用性の簡易な予測を提供し、Saunders, 2006に記載されている; FC: 非腫瘍および腫瘍間の平均発現レベルの倍率変化; Sens-Spec: 同等の感受性および特異性を証明するROC曲線点に対応する診断的パフォーマンスの予測; CI (95): 感受性および特異性予測の95%信頼区間。
腫瘍性組織と比較して非腫瘍性組織でRNA濃度の定性的変化を示す、本明細書で記載された遺伝子識別名に対応する複数のプローブセットの証拠。識別名: 遺伝子識別名; ValidPS_DOWN: AffymetrixプローブセットIDは、非腫瘍性コントロールと比較して腫瘍性RNA抽出物での統計学的に有意な過剰発現を証明する。Signif. FDR: 腫瘍性および非腫瘍性組織から抽出されたRNA間の平均差異検定について調整されたp値。調整は、多重仮説検定のためのBenjamini & Hochberg補正(Benjamini and Hochberg, 1995)を用いて行われる; D.value50: 受信者動作特性ROCの領域に対応する診断的有効性パラメーター予測。このパラメーターは、診断的利用性の簡易な予測を提供し、Saunders, 2006に記載されている; FC: 非腫瘍および腫瘍間の平均発現レベルの倍率変化; Sens-Spec: 同等の感受性および特異性を証明するROC曲線点に対応する診断的パフォーマンスの予測; CI (95): 感受性および特異性予測の95%信頼区間。
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Claims (35)
- 該腫瘍性細胞が腺腫または腺癌である、請求項1-10のいずれか1項に記載の方法。
- 該コントロールレベルが非腫瘍性レベルである、請求項1-13のいずれか1項に記載の方法。
- 該腫瘍性細胞が腺腫または腺癌である、請求項15に記載の方法。
- 該細胞が結腸直腸細胞である、請求項1-26のいずれか1項に記載の方法。
- 該生物学的サンプルが、排泄物サンプル、腸洗浄、外科的切除、組織生検または血液サンプルである、請求項1-27のいずれか1項に記載の方法。
- 該発現レベルがmRNA発現またはタンパク質発現である、請求項1-28のいずれか1項に記載の方法。
- 該発現レベルがゲノムDNAにおける変化についてのスクリーニングにより評価される、請求項1-28のいずれか1項に記載の方法。
- ゲノムDNAにおける該変化がDNAメチル化における変化である、請求項30に記載の方法。
- 該発現レベルが、該遺伝子が関連するクロマチンタンパク質における変化についてのスクリーニングにより評価される、請求項1-28のいずれか1項に記載の方法。
- 該個体がヒトである、請求項1-32のいずれか1項に記載の方法。
- (i) 請求項1-26のいずれか1項に記載した任意の1種もしくはそれ以上の腫瘍マーカー遺伝子に対応するヌクレオチド配列またはそれと少なくとも80%の同一性を示す配列または該核酸分子の機能性誘導体、断片、変異型もしくはホモログを含む、核酸分子; または
(ii) 中程度のストリンジェンシー条件下で、任意の1種もしくはそれ以上の(i)の配列にハイブリダイズすることが可能なヌクレオチド配列、または該核酸分子の機能性誘導体、断片、変異型もしくはホモログを含む、核酸分子; または
(iii) 中程度のストリンジェンシー条件下で、任意の1種もしくはそれ以上の(i)の配列にハイブリダイズすることが可能なヌクレオチド配列、または該核酸分子の機能性誘導体、断片、変異型もしくはホモログを含む、核酸プローブまたはオリゴヌクレオチド; または
(iv) (i)の核酸分子によりコードされる任意の1種もしくはそれ以上のタンパク質またはその誘導体、断片もしくはホモログに結合可能なプローブ
の複数を含む分子アレイであって、(i)の該マーカー遺伝子もしくは(iv)のタンパク質の発現レベルが、大腸に由来する細胞または細胞サブ集団の腫瘍性状態を示す、分子アレイ。 - 請求項1-26に記載の1種もしくはそれ以上の腫瘍マーカーを検出するための薬剤および該薬剤による検出を促進するのに有用な試薬を含む、生物学的サンプルをアッセイするための診断キット。
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