JP6975807B2 - 結腸直腸がんのための診断用遺伝子マーカーパネル - Google Patents

結腸直腸がんのための診断用遺伝子マーカーパネル Download PDF

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Description

本発明は一般的には、新生物の発症、発症の素因及び/又は進行についてスクリーニン
グする方法に関する。より詳細には、本発明は、遺伝子マーカーのパネルのメチル化レベ
ルの変化についてスクリーニングすることにより新生物の発症、発症の素因及び/又は進
行についてスクリーニングする方法に関する。本発明の方法は、結腸直腸腺癌などの結腸
直腸新生物の診断及び/又はモニタリングに関する適用を含むが、これらに限定されない
一定範囲の適用に有用である。
結腸直腸がんには、結腸、直腸及び虫垂における癌性成長が含まれる。年あたり世界中
で655,000人が死亡しており、結腸直腸がんは合衆国では4番目に一般的な種類の
がんであり、西洋世界ではがん関連死の3番目の主因である。結腸直腸がんは結腸におい
て腺腫性ポリープから生じる。これらのキノコ形の成長は通常は良性であるが、一部は時
間をかけてがんに成長する。限局性結腸がんは結腸内視鏡検査により診断される。
結腸の壁内に限定される浸潤がん(分類I及びII)は手術により治療可能である。前
記浸潤がんは、処置されなければ、領域リンパ節まで広がり(分類III)、そこでは7
3%までが手術及び化学療法により治療可能である。遠隔部位へ転移するがん(分類IV
)は通常では治療可能ではないが、化学療法は生存を延長することができ、ごくまれに、
手術と化学療法を組み合わせると患者が治癒することがあった(Markowitz and Bertagno
lli, 2009, N. Engl. J. Med. 361(25): 2449-60)。直腸がんには放射線が使用される。
結腸直腸がんにはアデノーマが先行する。アデノーマは、腺組織に由来する又は明確に
限定された腺構造を示す上皮起源の良性腫瘍又は新生物である。一部のアデノーマは線維
組織(線維腺腫)及び上皮構造などの認識可能な組織要素を示すが、気管支腺腫などの他
のアデノーマは、臨床症候群を生じることもある活性化合物を生成する。
アデノーマは進行して浸潤新生物になることがあり、その場合は、腺癌と呼ばれる。し
たがって、腺癌は、身体の多くの器官の構成部分である線維構造から生じる悪性上皮腫瘍
と定義される。用語腺癌は、腺成長パターンを示す腫瘍にも適用される。これらの腫瘍は
、前記腫瘍が生成する物質、たとえば、粘液分泌及び漿液性腺癌に従って、又はパターン
へのその細胞の微細配置、たとえば、乳頭状及び濾胞腺癌に従って、細分類され得る。こ
れらのカルシノーマは、固形の場合もあれば嚢胞性(嚢胞腺癌)の場合もある。それぞれ
の器官は、種々の組織学的種類を示す腫瘍を生じることがあり、たとえば、卵巣は粘液性
腺癌も嚢胞腺癌も生じることがある。
アデノーマは器官が異なれば振る舞いも異なる。一般に、カルシノーマがアデノーマ内
に存在する(すなわち、がんの病巣が良性病変内で発生している)全体的可能性はおよそ
5%である。しかし、これはアデノーマのサイズと関係がある。たとえば、大腸(具体的
には結腸及び直腸)では、アデノーマ内でのがんの発生は、1センチメートル未満のアデ
ノーマではまれである。大きさが4センチメートルを超えており、絨毛状変化又は高度異
形成などのある種の組織学的変化を示すアデノーマではそのような発生は40〜50%と
推定される。異形成の程度が高いアデノーマほど、カルシノーマの発生率が高くなる。所
与の結腸直腸アデノーマでは、前記器官中の現在のがんの存在又は将来のがん発生の予測
因子には、管状から絨毛状形態への変化のサイズ(特に9mmを超える)程度、高度異形
成の存在及び「鋸歯状アデノーマ」として記載される形態学的変化が含まれる。所与の個
体では、加齢、結腸直腸アデノーマ若しくはがんの家族内発症、雄性又はアデノーマの多
重度という追加の特徴が、前記器官におけるがんリスクの将来の増加、いわゆるがんのリ
スク因子を予想する。アデノーマの存在及びそのサイズを除いて、これらの特徴はどれ1
つとして客観的に定義されておらず、数とサイズ以外の特徴はすべて観察者誤差及び問題
の特徴の正確な定義に関して混同に陥りやすい。そのような因子は評価し定義するのが困
難になることがあるために、がんの現在又は将来のリスクの予測因子としてのその価値は
不正確である。
散発性アデノーマが発症してしまうと、新しいアデノーマが発生する可能性は26か月
以内でおよそ30%である。
結腸直腸がんの症状は、大腸における腫瘍の位置及び腫瘍が転移してしまったかどうか
に依拠する。不運にも、症状の多くは他の疾患でも同様に起こり得るもので、したがって
、症状は結腸直腸がんの決定的診断には役立たない場合がある。
局所症状は、腫瘍が肛門近くに位置している場合は可能性が高くなる。排便習慣の変化
(別の原因の非存在下での初発の便秘又は下痢)、不完全な排便感及び糞便径の減少が生
じる場合がある。テネスムス及び糞便形状の変化は両方とも直腸がんに特徴的である。粘
液の存在の増加と同じように、糞便中の明赤色血液の排泄を含む下部消化管出血は、結腸
直腸がんを示している場合がある。外見がタール様の黒色便であるメレナは、通常は上部
消化管出血において(たとえば、十二指腸潰瘍から)起こるが、疾患が大腸の起始部に位
置する場合には結腸直腸がんにおいて遭遇することもある。
腸の全菅腔を満たすほど大きい腫瘍は、腸閉塞を引き起こし得る。このような状況は、
便秘、腹痛、腹部膨満及び嘔吐により特徴付けられる。このために、閉塞性及び膨張した
腸穿孔をもたらし腹膜炎を引き起こすこともある。
前記疾患がさらに進行すると結腸直腸がんのある種の局所的影響が生じる。腹部に触れ
ると大きな腫瘍のほうが気づかれやすく、医師又は身体検査により気がつかれ得る。前記
疾患は他の器官を浸潤し得、尿又は膣排泄物中に血液又は空気を引き起こし得る。
腫瘍が慢性的潜血を引き起こした場合、鉄欠乏性貧血が起こり得る。これは、疲労、動
悸として経験され、蒼白として気づかれ得る。結腸直腸がんは、一般には食欲減退のせい
で体重が低下することもある。
さらに普通でない全身症状は未解明の熱及びいくつかの腫瘍随伴症候群のうちの1つで
ある。もっとも一般的な腫瘍随伴症候群は、血栓症、通常は深在静脈血栓症である。
結腸直腸がんはもっとも一般的に肝臓まで広がる。これは気がつかれないまま進行する
ことがあるが、肝臓中の大きな沈着物は黄疸及び腹痛を引き起こし得る(嚢の伸長に起因
する)。腫瘍沈着物が胆管を遮断する場合、黄疸は蒼白色の糞便などの胆管閉塞という他
の特徴を伴うことがある。
結腸直腸がんは発症するのに何年もかかることがあり、結腸直腸がんの初期検出は予後
を大いに改善する。結腸直腸がんスクリーニング法を実行する控えめな努力でさえ、がん
死亡を低下させることが可能である。これにもかかわらず、結腸直腸がんスクリーニング
率は依然として低い。現在、この目的のために利用可能であるいくつかの異なる検査が存
在する。
直腸指診:医師は潤滑剤を付け手袋をした指を直腸に挿入し、指の感覚で異常な領域を
探す。直腸指診は直腸の末端部分において感じ取れるほどの大きさの腫瘍を検出するのみ
であるが、最初のスクリーニング検査として有用である。
糞便潜血検査:糞便中の血液を調べる検査。糞便中の潜血を検出するためには2種類の
検査、すなわち、グアヤクベース(化学的検査)の検査と免疫化学的検査を使用すること
が可能である。免疫化学的検査の感度は、特異性が容認できないほど減少することなく、
化学的検査よりも優れている(Weitzel JN (December 1999). “Genetic cancer risk as
sessment. Putting it all together”. Cancer 86 (11 Suppl): 2483-92)。
内視鏡検査:
S字結腸鏡検査:照明付きプローブ(S字結腸鏡検査)が直腸及び結腸下部内に挿入
されて、ポリープ及び他の異常について検査する。
結腸内視鏡検査:結腸内視鏡と呼ばれる照明付きプローブが直腸及び全結腸内に挿入
されて、がんにより引き起こされることがあるポリープ及び他の異常を探す。結腸内視鏡
検査には、その処置中にポリープが見つかった場合には、ポリープを直ちに除去すること
ができるという利点がある。組織を生検のために採取することもできる。
二重造影注腸(DCBE):先ず、一晩置いた調製物を取って結腸を洗浄する。硫酸バ
リウムを含有する浣腸液を投与し、次に結腸に空気を吹き込み、膨張させる。その結果、
結腸の内層全体にバリウムの薄層ができ、これはX線フィルム上で可視になる。がん又は
前がん性ポリープはこのようにして検出することが可能である。この技法では(より一般
的ではない)平坦なポリープは見逃されることがある。
バーチャル結腸鏡検査は、二重造影注腸におけるX線フィルム(上記)を特殊なコンピ
ュータ断層撮影スキャンで置き換えており、放射線科医が解釈することができるように特
殊なワークステーションソフトウェアを必要とする。この技法は、ポリープに対する感度
では結腸内視鏡検査に近づいている。しかし、それでも見つかるどんなポリープも標準結
腸内視鏡検査により除去しなければならない。
標準コンピュータ体軸断層撮影は、がんの広がりの程度を決定するのに使用することが
できるX線法であるが、スクリーニングのために使用できるほどの感度はない。一部のが
んは、他の理由で実施されるCATスキャンにおいて見つけられる。
血液検査:ある種のタンパク質レベルの上昇について患者の血液を測定することにより
、腫瘍量を示すことが可能になる。特に、血液中の癌胎児性抗原(CEA)レベルが高け
れば腺癌が転移していることを示すことができる。これらの検査は偽陽性又は偽陰性であ
ることが多く、スクリーニングには推奨されないが、疾患再発を評価するには有用になり
得る。CA19−9及びCA242バイオマーカーは、e−セレクチン関連転移リスクを
示し、治療進展を追跡するのに役立ち、疾患再発を評価することができる。最近、セプチ
ン9遺伝子のメチル化された配列の血漿中での検出のためのアッセイも利用できるように
なって結腸直腸がんの診断に役立っている。
ポジトロン放射形断層撮影(PET)は、3次元走査技術であり、放射性糖が患者に注
入され、前記糖は代謝活性が高い組織に集まり、前記糖からの放射線の放出を測定するこ
とにより画像が形成される。がん細胞は非常に高い代謝率を有する場合が多いので、これ
を使用して良性と悪性腫瘍を区別することが可能である。PETはスクリーニングには使
用されず、結腸直腸がん症例の定常精密検査には(まだ)用いられない。
糞便DNA検査は、結腸直長がんについてのスクリーニングにおける先端技術である。
前悪性アデノーマ及びがんはDNAマーカーをその細胞から放ち、このマーカーは消化過
程中分解されず糞便中で安定なままである。捕獲とそれに続くPCRにより、DNAをア
ッセイのための検出可能レベルにまで増幅させる。
リスクマーカーとしての高いC反応性タンパク質レベル
これらの検査法が存在するが、診断は依然として問題がある。さらに感度の良い検査の
大半は極めて侵襲的で高価であり、したがって患者による取り込みが低い。したがって、
アデノーマ又はカルシノーマを発症している可能性の高い人に結腸内視鏡検査を受診する
よう指示できるようになるようなもっと簡便でもっと情報価値のある診断プロトコール又
は診断に役立つものを開発する必要性が現在も持続して存在する。簡便で正確なスクリー
ニング検査があれば、はるかに広く適用可能なスクリーニングシステムを提供できるよう
になると考えられる。
この目的を達成するために、大腸の新生物を発症している個体において、その発現レベ
ルに関してモジュレートしている遺伝子マーカーが最近になって同定されている。これら
のマーカーの一部はその発現レベルに関して上方調節されており、他のマーカーは下方調
節されている。しかし、これらのマーカーの大半及び遺伝子マーカー発現レベル一般の診
断としての使用に共通の特長は、これらのマーカーが多くの場合、中程度の感度及び特異
性のみを示すことである。高レベルの感度及び特異性を与える診断プロトコールの開発が
高度に求められている。
本発明に至る研究では、遺伝子マーカー、BCAT1、IKZF1、IRF4、GRA
SP及びCAHMは、それぞれが個々に結腸直腸新生物発生を診断することに関して有用
性を示すことが知られているいくつかの遺伝子マーカーの1つであるが、意外なことに、
これらの遺伝子マーカーのいずれか1つが単独で又は他の無関係な遺伝子マーカーと一緒
に分析される場合よりも、有意に高いレベルの感度又は特異性を集団的に達成できること
が実際に確定され、断定されている。さらに具体的には、これら5つの特異的マーカーの
うちの2つ又は3つ以上のメチル化のレベルの増加についてのスクリーニングは、これま
で達成不可能であったレベルの感度又は特異性を達成するように設計することができる。
差次的遺伝子発現解析研究において、新生物でモジュレートした発現レベルを示すこと
が明らかにされている多数の遺伝子マーカーを念頭に置いて、5種の特異的マーカーが、
これらのマーカー個別と比べて又はマーカーの他の群と比べて改善された診断結果を集団
的に提供できることが確認されたのは思いがけないことでもあり予測不可能なことでもあ
る。
本明細書及びこれに続く特許請求の範囲全体を通して、文脈が他の方法で要求していな
ければ、単語「含む(comprise)」並びに「comprises」及び「com
prising」などの変化は、述べられている整数若しくはステップ又は整数若しくは
ステップの群を含むが、他のいかなる整数若しくはステップ又は整数若しくはステップの
群を排除しないことを意味すると解釈されることになる。
本明細書で使用されるように、用語「に由来する」は、特定の整数又は整数の群が明記
されている種に由来しているが、必ずしも明記された供給源から直接入手されたわけでは
ないことを示すと解釈されるものとする。さらに、本明細書で使用されるように、単数形
の「a」、「an」及び「the」は、文脈が他の方法で明白に指示していなければ、複
数の指示対象を含む。
本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は、他の方法で定義されていなければ
、本発明が属する分野の当業者により一般に理解されているのと同じ意味を有する。
主題の明細書は、文献目録の後で本明細書に提示されるプログラムPatentInバ
ージョン3.5を使用して準備されたヌクレオチド配列情報を含有する。それぞれのヌク
レオチド配列は、数字指標<210>、続いて配列識別子(たとえば、<210>1、<
210>2、等)により配列表において特定される。配列(DNA、等)の長さ、種類、
及び配列ごとの供給源生物は、それぞれ数字指標フィールド<211>、<212>及び
<213>に提供される情報により示される。明細書において言及されるヌクレオチド配
列は、指標配列番号、続いて配列識別子(たとえば、配列番号1、配列番号2、等)によ
り特定される。明細書において言及される配列識別子は、配列識別子(たとえば、<40
0>1、<400>2、等)が後に続く、配列表における数字指標フィールド<400>
に提供される情報と相互関係がある。すなわち、明細書において詳述される配列番号1は
、配列表において<400>1として示される配列と相互関係がある。
本発明の一態様は、個体において大腸新生物の発症若しくは発症の素因についてスクリ
ーニングする又はこれをモニターする方法であって、
前記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393
(2)chr7:50344378...50472798
(3)chr6:391739..411443;
(4)chr12:52400748..52409671;及び
(5)chr6:163834097..163834982;
のうちのいずれか2つ若しくは3つ以上により定義される、転写開始部位の2kb上流を
含む、領域、又は
(ii)(1)BCAT1 (2)IKZF1 (3)IRF4 (4)GRASP及び
(5)CAHM
のうちのいずれか2つ若しくは3つ以上の2kb上流を含む、遺伝子領域
から選択されるDNA領域のメチル化状態を評価するステップを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の少なくとも1つのより高
いレベルのメチル化が、大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示す、前記方法を
対象とする。
別の態様では、前記方法は前記DNA領域のうちのいずれか1つがより高いレベルのメ
チル化を示している生体試料を同定することを対象とする。
さらに別の態様では、前記方法は前記DNA領域のうちの2つ又は3つ以上がより高い
レベルのメチル化を示している生体試料を同定することを対象とする。
さらに別の態様では、個体において大腸新生物の発症若しくは発症の素因についてスク
リーニングする又はこれをモニターする方法であって、
前記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393;及び
(2)chr7:50344378...50472798
並びに場合によって(3)chr6:391739..411443、(4)chr1
2:52400748..52409671及び(5)chr6:163834097.
.163834982のうちの1つ若しくは複数
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1;及び
(2)IKZF1;
並びに場合によって(3)IRF4、(4)GRASP及び(5)CAHM
のうちの1つ若しくは複数の2kb上流を含む、遺伝子領域
のメチル化状態を評価するステップを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の少なくとも1つのより高
いレベルのメチル化が、大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示す、前記方法が
提供される。
本態様の一実施形態では、スクリーニングして探る遺伝子マーカーパネルは、
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393
(2)chr7:50344378...50472798;及び
(3)chr6:391739..411443
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1、(2)IKZF1及び(3)IRF4
の2kb上流を含む、遺伝子領域である。
本態様の別の実施形態では、スクリーニングして探る遺伝子マーカーパネルは、
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393
(2)chr7:50344378...50472798;及び
(4)chr12:52400748..52409671
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1、(2)IKZF1及び(4)GRASP
の2kb上流を含む、遺伝子領域である。
本態様のさらに別の実施形態では、スクリーニングして探る遺伝子マーカーパネルは、
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393
(2)chr7:50344378...50472798;及び
(5)chr6:163834097..163834982
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1、(2)IKZF1及び(5)CAHM
の2kb上流を含む、遺伝子領域である。
本態様のさらに別の一実施形態では、スクリーニングして探る遺伝子マーカーパネルは

(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393
(2)chr7:50344378...50472798
(3)chr6:391739..411443;及び
(4)chr12:52400748..52409671
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1、(2)IKZF1、(3)IRF4及び(4)GRASP
の2kb上流を含む、遺伝子領域である。
本態様のさらに別の一実施形態では、スクリーニングして探る遺伝子マーカーパネルは

(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393
(2)chr7:50344378...50472798
(3)chr6:391739..411443;及び
(5)chr6:163834097..163834982
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1、(2)IKZF1、(3)IRF4及び(5)CAHM
の2kb上流を含む、遺伝子領域である。
本態様のさらに別の一実施形態では、スクリーニングして探る遺伝子マーカーパネルは

(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393
(2)chr7:50344378...50472798
(4)chr12:52400748..52409671;及び
(5)chr6:163834097..163834982
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1、(2)IKZF1、(4)GRASP及び(5)CAHM
の2kb上流を含む、遺伝子領域である。
本態様のさらに別の一実施形態では、スクリーニングして探る遺伝子マーカーパネルは

(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393
(2)chr7:50344378...50472798
(3)chr6:391739..411443
(4)chr12:52400748..52409671;及び
(5)chr6:163834097..163834982
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1、(2)IKZF1、(3)IRF4、(4)GRASP及び
(5)CAHM
の2kb上流を含む、遺伝子領域である。
別の実施形態では、個体において大腸新生物の発症若しくは発症の素因についてスクリ
ーニングする又はこれをモニターする方法であって、
前記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393;及び
(5)chr6:163834097..163834982
並びに場合によって(2)chr7:50344378...50472798、(3
)chr6:391739..411443;及び(4)chr12:52400748
..52409671のうちの1つ若しくは複数
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1;及び
(5)CAHM;
並びに場合によって(2)IKZF1、(3)IRF4及び(4)GRASP
のうちの1つ若しくは複数の2kb上流を含む、遺伝子領域
のメチル化状態を評価するステップを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の少なくとも1つのより高
いレベルのメチル化が、大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示す、前記方法が
提供される。
さらに別の実施形態では、個体において大腸新生物の発症若しくは発症の素因について
スクリーニングする又はこれをモニターする方法であって、
前記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標
(2)chr7:50344378...50472798;及び
(5)chr6:163834097..163834982
並びに場合によって(1)chr12:24962958..25102393、(3
)chr6:391739..411443及び(4)chr12:52400748.
.52409671のうちの1つ若しくは複数
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(2)IKZF1;及び
(5)CAHM;
並びに場合によって(1)BCAT1、(3)IRF4及び(4)GRASP
のうちの1つ若しくは複数の2kb上流を含む、遺伝子領域
のメチル化状態を評価するステップを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の少なくとも1つのより高
いレベルのメチル化が、大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示す、前記方法が
提供される。
さらなる実施形態では、個体において大腸新生物の発症若しくは発症の素因についてス
クリーニングする又はこれをモニターする方法であって、
前記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393;及び
(3)chr6:391739..411443;
並びに場合によって(2)chr7:50344378...50472798、(4
)chr12:52400748..52409671及び(5)chr6:16383
4097..163834982
のうちの1つ若しくは複数
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1;及び
(3)IRF4;
並びに場合によって(2)IKZF1、(4)GRASP及び(5)CAHM
のうちの1つ若しくは複数の2kb上流を含む、遺伝子領域
のメチル化状態を評価するステップを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の少なくとも1つのより高
いレベルのメチル化が、大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示す、前記方法が
提供される。
さらに別のさらなる実施形態では、個体において大腸新生物の発症若しくは発症の素因
についてスクリーニングする又はこれをモニターする方法であって、
前記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393;及び
(4)chr12:52400748..52409671;
並びに場合によって(2)chr7:50344378...50472798、(3
)chr6:391739..411443及び(5)chr6:163834097.
.163834982
のうちの1つ若しくは複数
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1;及び
(4)GRASP;
並びに場合によって(2)IKZF1、(3)IRF4及び(5)CAHM
のうちの1つ若しくは複数の2kb上流を含む、遺伝子領域
のメチル化状態を評価するステップを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の少なくとも1つのより高
いレベルのメチル化が、大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示す、前記方法が
提供される。
さらに別のさらなる実施形態では、個体において大腸新生物の発症若しくは発症の素因
についてスクリーニングする又はこれをモニターする方法であって、
前記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標
(2)chr7:50344378...50472798;及び
(3)chr6:391739..411443;
並びに場合によって(1)chr12:24962958..25102393、(4
)chr12:52400748..52409671及び(5)chr6:16383
4097..163834982
のうちの1つ若しくは複数
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(2)IKZF1;及び
(3)IRF4;
並びに場合によって(1)BCAT1、(4)GRASP及び(5)CAHM
のうちの1つ若しくは複数の2kb上流を含む、遺伝子領域
のメチル化状態を評価するステップを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の少なくとも1つのより高
いレベルのメチル化が、大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示す、前記方法が
提供される。
さらに別の実施形態では、個体において大腸新生物の発症若しくは発症の素因について
スクリーニングする又はこれをモニターする方法であって、
前記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標
(2)chr7:50344378...50472798;及び
(4)chr12:52400748..52409671;
並びに場合によって(1)chr12:24962958..25102393、(3
)chr6:391739..411443及び(5)chr6:163834097.
.163834982
のうちの1つ若しくは複数
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(2)IKZF1;及び
(4)GRASP;
並びに場合によって(1)BCAT1、(3)IRF4及び(5)CAHM
のうちの1つ若しくは複数の2kb上流を含む、遺伝子領域
のメチル化状態を評価するステップを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の少なくとも1つのより高
いレベルのメチル化が、大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示す、前記方法が
提供される。
さらに別の実施形態では、個体において大腸新生物の発症若しくは発症の素因について
スクリーニングする又はこれをモニターする方法であって、
前記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標
(3)chr6:391739..411443;及び
(4)chr12:52400748..52409671;
並びに場合によって(1)chr12:24962958..25102393、(2
)chr7:50344378...50472798及び(5)chr6:16383
4097..163834982
のうちの1つ若しくは複数
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(3)IRF4;及び
(4)GRASP;
並びに場合によって(1)BCAT1、(2)IKZF1及び(5)CAHM
のうちの1つ若しくは複数の2kb上流を含む、遺伝子領域
のメチル化状態を評価するステップを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の少なくとも1つのより高
いレベルのメチル化が、大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示す、前記方法が
提供される。
別の実施形態では、個体において大腸新生物の発症若しくは発症の素因についてスクリ
ーニングする又はこれをモニターする方法であって、
前記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標
(3)chr6:391739..411443;及び
(5)chr6:163834097..163834982;
並びに場合によって(1)chr12:24962958..25102393、(2
)chr7:50344378...50472798及び(4)chr12:5240
0748..52409671
のうちの1つ若しくは複数
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(3)IRF4;及び
(5)CAHM;
並びに場合によって(1)BCAT1、(2)IKZF1及び(4)GRASP
のうちの1つ若しくは複数の2kb上流を含む、遺伝子領域
のメチル化状態を評価するステップを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の少なくとも1つのより高
いレベルのメチル化が、大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示す、前記方法が
提供される。
特定の有用性を示すことが確定されているサブ領域は、それが見出される場である遺伝
子及び染色体領域を参照して、下に収載されている。
(1)BCATサブ領域:chr12:25101992〜25102093(配列番号
1又は対応するマイナス鎖)及びchr12:25101909〜25101995(配
列番号2又は対応するマイナス鎖)
(2)IKZF1サブ領域:chr7:50343867〜50343961(配列番号
3又は対応するマイナス鎖)及びchr7:50343804〜5033895(配列番
号4又は対応するマイナス鎖)
(3)IRF4サブ領域:chr6:392036〜392145(配列番号5又は対応
するマイナス鎖)
(4)GRASPサブ領域:chr12:52399672〜52399922、chr
12:52400821〜52401051(配列番号6又は対応するマイナス鎖)、c
hr12:52401407〜52401664(配列番号7又は対応するマイナス鎖)
、chr12:52400866〜52400973及びChr12:52401107
〜52401664
(5)CAHMサブ領域:chr6:163834295〜163834500(配列番
号8又は対応するマイナス鎖)、chr6:163834621〜163834906、
chr6:163834393〜163834455及びchr6:163834393
〜163834519
本発明の方法がGRASPのメチル化を解析することを含む限り、対象残基は:
Figure 0006975807
又は反対のDNA鎖上のn+1位の対応するシトシンである。
本発明の方法がCAHMを解析することを含む限り、対象残基は:
Figure 0006975807
又は反対のDNA鎖上のn+1位の対応するシトシンである。
本発明の方法がIKZF1を解析することを含む限り、対象残基は:
Figure 0006975807
又は反対のDNA鎖上のn+1位の対応するシトシンである。
本発明の方法がIRF4を解析することを含む限り、対象残基は:
Figure 0006975807
又は反対のDNA鎖上のn+1位の対応するシトシンである。
本発明の別の態様は、個体において大腸新生物の発症若しくは発症の素因についてスク
リーニングする又はこれをモニターする方法であって、
前記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393
(2)chr7:50344378...50472798
(3)chr6:391739..411443;若しくは
(4)chr12:52400748..52409671;及び
(5)chr6:163834097..163834982;
のうちのいずれか2つ若しくは3つ以上により定義される、転写開始部位の2kb上流を
含む、領域、又は
(ii)(1)BCAT1 (2)IKZF1 (3)IRF4 (4)GRASP及び
(5)CAHM
のうちのいずれか2つ若しくは3つ以上の2kb上流を含む、遺伝子領域
から選択されるDNA領域の発現のレベルを評価するステップを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の少なくとも1つのより低
い発現レベルが、大腸新生物又は新生物状態の発症の素因を示す、前記方法を対象とする
図1は、GRASPのゲノム配列を描く図である。 図2は、CAHMのゲノム配列を描く図である。 図3は、IRF4のゲノム配列を描く図である。 図4は、BCAT1のゲノム配列を描く図である。 図5は、IKZF1のゲノム配列を描く図である。
本発明は、遺伝子マーカーのパネルのメチル化パターンの変化が、これらのマーカーの
うちのいずれか1つが孤立して又は本明細書で特定されるマーカー以外のマーカーと一緒
に試験される場合よりも集団的に試験した場合のほうが高いレベルの診断特異性又は診断
感度を与えることができるという決定に一部基づいている。したがって、この発見により
、遺伝子マーカーBCAT1、IKZF1、CAHM、GRASP及びIRF4のうちの
2つ又は3つ以上のメチル化を評価することに基づいて大腸の新生物を診断する、予後す
る又はモニターするための改良された試験の開発が現在推進されている。
本発明に従って、問題の細胞が新生物であるか否かに応じて、ある特定の遺伝子パネル
は、メチル化のレベルの差次的変化の点からモジュレートしていることが確定された。問
題の遺伝子は、その名称とその染色体座標を参照することの両方により本明細書では記載
されることは理解されるべきである。染色体座標は2009年2月に公表されたヒトゲノ
ムデータベースバージョンHg19(本明細書では「Hg19座標」と呼ばれる)と一致
している。
したがって、本発明の一態様は、個体において大腸新生物の発症若しくは発症の素因に
ついてスクリーニングする又はこれをモニターする方法であって、
前記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393
(2)chr7:50344378...50472798
(3)chr6:391739..411443;若しくは
(4)chr12:52400748..52409671;及び
(5)chr6:163834097..163834982;
のうちのいずれか2つ若しくは3つ以上により定義される、転写開始部位の2kb上流を
含む、領域、又は
(ii)(1)BCAT1 (2)IKZF1 (3)IRF4 (4)GRASP及び
(5)CAHM
のうちのいずれか2つ若しくは3つ以上の2kb上流を含む、遺伝子領域
から選択されるDNA領域のメチル化状態を評価するステップを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の少なくとも1つのより高
いレベルのメチル化が、大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示す、前記方法を
対象とする。
一実施形態では、前記方法は前記DNA領域のうちのいずれか1つがより高いレベルの
メチル化を示している生体試料を同定することを対象とする。
別の実施形態では、前記方法は前記DNA領域のうちの2つ又は3つ以上がより高いレ
ベルのメチル化を示している生体試料を同定することを対象とする。
本発明をいかなる1つの理論又は作用機序にも限定することなく、本明細書で特定され
るDNA領域(マーカー)のパネルは先行技術方法と比べて改善された診断結果を提供す
るだけではなく、さらに高レベルの診断特異性又は高レベルの診断感度を提供することに
焦点を合わせるように設計することができるスクリーニング法の開発も可能にする。当業
者であれば理解されるように、診断という文脈では「感度」は正しく同定される陽性結果
の割合、すなわち、問題の疾患を有すると正しく同定される個体の百分率を定義する。し
かし、「特異性」は正しく同定される陰性結果の割合、すなわち、問題の疾患を有してい
ないと正しく同定される個体の百分率を定義する。
本発明という文脈では、マーカーの特定されたパネルのメチル化状態について患者試料
をスクリーニングすることが、高レベルの特異性を示す診断結果又は高レベルの感度を示
す診断結果のいずれかを提供するように設計することができることが確定されている。
高レベルの感度が求められる場合、スクリーニング法は、パネルのマーカーのいずれか
1つが対照レベルと比べて増大したメチル化を示す試料を同定するように設計される。す
なわち、結果を陽性として定義するためにはマーカーがすべて高メチル化を示すことが必
要なわけではない。さらに高いレベルの感度が求められる場合、特異性のレベルは本質的
に減少する。しかし、より高いレベルの特異性(感度のレベルを下げる可能性がある)を
追求することが望まれる場合、方法はDNA領域のパネルのうちの2つ又は3つ以上が増
大したメチル化を示す試料を同定するように設計される。
したがって、本発明が、特定化されたパネルのDNA領域(マーカー)の「いずれか1
つ」がより高いレベルのメチル化を示す方法の実施形態を目的とする限り、これらの実施
形態は、パネル中のマーカーのいずれか1つが高メチル化されていることに基づいて増大
した感度を示す結果を達成するように設計される。それぞれの試料において高メチル化さ
れているのが同じマーカーである必要はないことが理解されるべきである。もっと正確に
言えば、単にパネルの一部を形成するマーカーのうちの1つが高メチル化されている。一
部の試料に関して、パネルのマーカーの2つ又は3つ以上が高メチル化されている可能性
があることも理解するべきである。この実施形態は複数のマーカーが高メチル化されてい
る状況を排除してはいないが、わずか1つのマーカーが高メチル化されている試料すべて
をその範囲内に含んでいるだけなので、これらの試料はそれでもなお本発明のこの実施形
態の範囲に収まると理解すべきである。全体として、これらのデータでは、感度は増大す
るが、特異性は低下することになる。
本発明が、特定化されたパネルのDNA領域(マーカー)のうちの「2つ又は3つ以上
」がより高いレベルのメチル化を示す方法の実施形態を目的とする限り、これらの実施形
態はより高いレベルの特異性を達成するように設計される。これは、マーカーの特定化さ
れたパネルのうちの2つよりも多くはないとしても、少なくとも2つが高メチル化されて
いると判定されることにより達成される。
「大腸」への言及は、大腸の8つの解剖学的領域であって、回腸の末端領域の後で始ま
り、これらの領域が
(i)盲腸
(ii)上行結腸
(iii)横行結腸
(iv)下行結腸
(v)S状結腸
(vi)直腸
(vii)脾弯曲部、及び
(viii)右結腸曲
である領域のうちの1つに由来する細胞への言及として理解されるべきである。
「新生物」への言及は、病変、腫瘍又は他の被包性若しくは非被包性腫瘤又は新生物細
胞を含む他の形態の成長への言及として理解されるべきである。「新生物細胞」は、異常
な成長を示す細胞への言及として理解されるべきである。用語「成長」はそのもっとも広
い意味で理解されるべきであり、増殖への言及を含む。この点に関して、異常な細胞成長
の例は、細胞の制御されない増殖である。別の例は、細胞における失敗したアポトーシス
であり、したがって細胞の通常の寿命の延長である。新生物細胞は良性細胞のこともあれ
ば悪性細胞であることもある。好ましい実施形態では、対象の新生物はアデノーマ又は腺
癌である。本発明をどれか1つの理論又は作用機序に限定せずに、アデノーマは一般には
、上皮組織由来である又は明確に限定された上皮構造を示す上皮起源の良性腫瘍である。
これらの構造物は腺外見を帯びることもある。アデノーマは、良性アデノーマ又は良性新
生物病変の悪性腺癌への進行とともに起こるなどの、その内部に悪性細胞集団を含むこと
がある。
好ましくは、前記新生物細胞はアデノーマ又は腺癌であり、さらに好ましくは、結腸直
腸アデノーマ又は腺癌である。
「DNA領域」への言及は、ゲノムDNAの特定のセクションへの言及として理解され
るべきである。これらのDNA領域は、遺伝子名又は染色体座標のセットのいずれかを参
照することにより特定される。遺伝子名も染色体座標も当業者には周知であり、理解され
ていると考えられる。上文に詳述されているように、染色体座標は、ゲノムのHg19バ
ージョンに一致する。一般に、遺伝子は、それを介してその配列も染色体位置も常に得ら
れるその名称を参照することにより、又はそれを介してその遺伝子名もその配列も常に得
られるその染色体座標を参照することにより、常に同定することが可能である。
上で詳述される遺伝子/DNA領域のそれぞれへの言及は、あらゆる形態のこれらの分
子への及びその断片又はバリアントへの言及として理解されるべきである。当業者には認
識されていると考えられるように、一部の遺伝子は、個体又は一塩基多型間で対立遺伝子
変異を示すことが知られている。SNPは、変化するサイズの挿入及び欠失並びに、ジヌ
クレオチド及びトリヌクレオチド反復などの単純な配列反復を包含する。バリアントには
、少なくとも90%、95%、98%、99%配列同一性を共有する、すなわち、本明細
書に記載されるDNA領域に対して1つ又は複数の欠失、付加、置換、逆方向配列等を有
する同じ領域由来の核酸配列が含まれる。したがって、本発明は、現在の診断適用の点か
ら、実際の核酸配列間の小さな遺伝子変異が個体間に存在し得るという事実にもかかわら
ず、同じ結果を達成するようなバリアントにまで及ぶと解釈されるべきである。したがっ
て、本発明は、任意の他の突然変異、多型、又は対立遺伝子変異から生じるあらゆる形態
のDNAにまで及ぶと解釈されるべきである。
試験の対象である「個体」はいかなるヒト又は非ヒト哺乳動物であってもよいことは理
解されるべきである。非ヒト哺乳動物の例には、霊長類、家畜動物(たとえば、ウマ、ウ
シ、ヒツジ、ブタ、ロバ、等)、実験室試験動物(たとえば、マウス、ラット、ウサギ、
モルモット)、コンパニオンアニマル(たとえば、イヌ、ネコ)及び捕獲野生動物(たと
えば、シカ、キツネ)が含まれる。
好ましくは、哺乳動物はヒトである。
同定されている遺伝子のパネルは、対応する非新生物細胞と比べて大腸新生物細胞にお
けるメチル化の増大を示している。この増大したメチル化は、いくつかの場合、DNA領
域内の少数の特定のCpG部位に局在化しており、他の場合には、広範囲のCpG部位に
わたり観察される。しかし、すべての遺伝子由来の特定の領域は増大したメチル化を示し
、したがって、有用な診断マーカーであるが、これらのマーカーを個別に解析する場合に
得られる感度及び特異性と比べて独立した非常に著しい改善を与えたのはこれらの特定の
マーカーのパネルとしての解析である。この改善は、大腸新生物の発症のマーカーとして
増大したメチル化を示すことが知られている他のマーカーを使用して得ることができる感
度及び特異性に対して考慮した場合でさえも有意義である。したがって、本発明の方法は
この時点で、現在まで得ることができたよりも高いレベルの感度及び特異性を達成する手
段を提供している。
一態様では、個体において大腸新生物の発症若しくは発症の素因についてスクリーニン
グする又はこれをモニターする方法であって、
前記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393;及び
(2)chr7:50344378...50472798
並びに場合によって(3)chr6:391739..411443、(4)chr1
2:52400748..52409671及び(5)chr6:163834097.
.163834982のうちの1つ若しくは複数
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1;及び
(2)IKZF1;
並びに場合によって(3)IRF4、(4)GRASP及び(5)CAHM
のうちの1つ若しくは複数の2kb上流を含む、遺伝子領域
のメチル化状態を評価するステップを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の少なくとも1つのより高
いレベルのメチル化が、大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示す、前記方法が
提供される。
本態様の一実施形態では、スクリーニングして探る遺伝子マーカーパネルは、
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393
(2)chr7:50344378...50472798;及び
(3)chr6:391739..411443
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1、(2)IKZF1及び(3)IRF4
の2kb上流を含む、遺伝子領域である。
本態様の別の実施形態では、スクリーニングして探る遺伝子マーカーパネルは、
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393
(2)chr7:50344378...50472798;及び
(4)chr12:52400748..52409671
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1、(2)IKZF1及び(4)GRASP
の2kb上流を含む、遺伝子領域である。
本態様のさらに別の実施形態では、スクリーニングして探る遺伝子マーカーパネルは、
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393
(2)chr7:50344378...50472798;及び
(5)chr6:163834097..163834982
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1、(2)IKZF1及び(5)CAHM
の2kb上流を含む、遺伝子領域である。
本態様のさらに別の一実施形態では、スクリーニングして探る遺伝子マーカーパネルは

(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393
(2)chr7:50344378...50472798
(3)chr6:391739..411443;及び
(4)chr12:52400748..52409671
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1、(2)IKZF1、(3)IRF4及び(4)GRASP
の2kb上流を含む、遺伝子領域である。
本態様のさらに別の一実施形態では、スクリーニングして探る遺伝子マーカーパネルは

(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393
(2)chr7:50344378...50472798
(3)chr6:391739..411443;及び
(5)chr6:163834097..163834982
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1、(2)IKZF1、(3)IRF4及び(5)CAHM
の2kb上流を含む、遺伝子領域である。
本態様のさらなる実施形態では、スクリーニングして探る遺伝子マーカーパネルは、
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393
(2)chr7:50344378...50472798
(4)chr12:52400748..52409671;及び
(5)chr6:163834097..163834982
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1、(2)IKZF1、(4)GRASP及び(5)CAHM
の2kb上流を含む、遺伝子領域である。
本態様のさらに別のさらなる実施形態では、スクリーニングして探る遺伝子マーカーパ
ネルは、
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393
(2)chr7:50344378...50472798
(3)chr6:391739..411443
(4)chr12:52400748..52409671;及び
(5)chr6:163834097..163834982
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1、(2)IKZF1、(3)IRF4、(4)GRASP及び
(5)CAHM
の2kb上流を含む、遺伝子領域である。
別の実施形態では、個体において大腸新生物の発症若しくは発症の素因についてスクリ
ーニングする又はこれをモニターする方法であって、
前記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393;及び
(5)chr6:163834097..163834982
並びに場合によって(2)chr7:50344378...50472798、(3
)chr6:391739..411443;及び(4)chr12:52400748
..52409671のうちの1つ若しくは複数
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1;及び
(5)CAHM;
並びに場合によって(2)IKZF1、(3)IRF4及び(4)GRASP
のうちの1つ若しくは複数の2kb上流を含む、遺伝子領域
のメチル化状態を評価するステップを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の少なくとも1つのより高
いレベルのメチル化が、大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示す、前記方法が
提供される。
さらに別の実施形態では、個体において大腸新生物の発症若しくは発症の素因について
スクリーニングする又はこれをモニターする方法であって、
前記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標
(2)chr7:50344378...50472798;及び
(5)chr6:163834097..163834982
並びに場合によって(1)chr12:24962958..25102393、(3
)chr6:391739..411443及び(4)chr12:52400748.
.52409671のうちの1つ若しくは複数
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(2)IKZF1;及び
(5)CAHM;
並びに場合によって(1)BCAT1、(3)IRF4及び(4)GRASP
のうちの1つ若しくは複数の2kb上流を含む、遺伝子領域
のメチル化状態を評価するステップを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の少なくとも1つのより高
いレベルのメチル化が、大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示す、前記方法が
提供される。
さらなる実施形態では、個体において大腸新生物の発症若しくは発症の素因についてス
クリーニングする又はこれをモニターする方法であって、
前記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393;及び
(3)chr6:391739..411443;
並びに場合によって(2)chr7:50344378...50472798、(4
)chr12:52400748..52409671及び(5)chr6:16383
4097..163834982
のうちの1つ若しくは複数
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1;及び
(3)IRF4;
並びに場合によって(2)IKZF1、(4)GRASP及び(5)CAHM
のうちの1つ若しくは複数の2kb上流を含む、遺伝子領域
のメチル化状態を評価するステップを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の少なくとも1つのより高
いレベルのメチル化が、大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示す、前記方法が
提供される。
さらに別のさらなる実施形態では、個体において大腸新生物の発症若しくは発症の素因
についてスクリーニングする又はこれをモニターする方法であって、
前記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393;及び
(4)chr12:52400748..52409671;
並びに場合によって(2)chr7:50344378...50472798、(3
)chr6:391739..411443及び(5)chr6:163834097.
.163834982
のうちの1つ若しくは複数
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1;及び
(4)GRASP;
並びに場合によって(2)IKZF1、(3)IRF4及び(5)CAHM
のうちの1つ若しくは複数の2kb上流を含む、遺伝子領域
のメチル化状態を評価するステップを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の少なくとも1つのより高
いレベルのメチル化が、大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示す、前記方法が
提供される。
さらに別のさらなる実施形態では、個体において大腸新生物の発症若しくは発症の素因
についてスクリーニングする又はこれをモニターする方法であって、
前記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標
(2)chr7:50344378...50472798;及び
(3)chr6:391739..411443;
並びに場合によって(1)chr12:24962958..25102393、(4
)chr12:52400748..52409671及び(5)chr6:16383
4097..163834982
のうちの1つ若しくは複数
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(2)IKZF1;及び
(3)IRF4;
並びに場合によって(1)BCAT1、(4)GRASP及び(5)CAHM
のうちの1つ若しくは複数の2kb上流を含む、遺伝子領域
のメチル化状態を評価するステップを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の少なくとも1つのより高
いレベルのメチル化が、大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示す、前記方法が
提供される。
さらに別の実施形態では、個体において大腸新生物の発症若しくは発症の素因について
スクリーニングする又はこれをモニターする方法であって、
前記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標
(2)chr7:50344378...50472798;及び
(4)chr12:52400748..52409671;
並びに場合によって(1)chr12:24962958..25102393、(3
)chr6:391739..411443及び(5)chr6:163834097.
.163834982
のうちの1つ若しくは複数
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(2)IKZF1;及び
(4)GRASP;
並びに場合によって(1)BCAT1、(3)IRF4及び(5)CAHM
のうちの1つ若しくは複数の2kb上流を含む、遺伝子領域
のメチル化状態を評価するステップを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の少なくとも1つのより高
いレベルのメチル化が、大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示す、前記方法が
提供される。
さらに別の実施形態では、個体において大腸新生物の発症若しくは発症の素因について
スクリーニングする又はこれをモニターする方法であって、
前記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標
(3)chr6:391739..411443;及び
(4)chr12:52400748..52409671;
並びに場合によって(1)chr12:24962958..25102393、(2
)chr7:50344378...50472798及び(5)chr6:16383
4097..163834982
のうちの1つ若しくは複数
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(3)IRF4;及び
(4)GRASP;
並びに場合によって(1)BCAT1、(2)IKZF1及び(5)CAHM
のうちの1つ若しくは複数の2kb上流を含む、遺伝子領域
のメチル化状態を評価するステップを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の少なくとも1つのより高
いレベルのメチル化が、大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示す、前記方法が
提供される。
別の実施形態では、個体において大腸新生物の発症若しくは発症の素因についてスクリ
ーニングする又はこれをモニターする方法であって、
前記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標
(3)chr6:391739..411443;及び
(5)chr6:163834097..163834982;
並びに場合によって(1)chr12:24962958..25102393、(2
)chr7:50344378...50472798及び(4)chr12:5240
0748..52409671
のうちの1つ若しくは複数
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(3)IRF4;及び
(5)CAHM;
並びに場合によって(1)BCAT1、(2)IKZF1及び(4)GRASP
のうちの1つ若しくは複数の2kb上流を含む、遺伝子領域
のメチル化状態を評価するステップを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の少なくとも1つのより高
いレベルのメチル化が、大腸新生物又は大腸新生物状態の発症の素因を示す、前記方法が
提供される。
これらの態様及び実施形態に従えば、さらに別の実施形態において、前記対照レベルは
非新生物レベルである。
一実施形態では、前記方法は、前記DNA領域のいずれか1つがより高いレベルのメチ
ル化を示す生体試料を同定することを対象とする。
別の実施形態では、前記方法は、前記DNA領域のうちの2つ又は3つ以上がより高い
レベルのメチル化を示す生体試料を同定することを対象とする。
さらに、別の実施形態では、前記大腸組織は好ましくは結腸直腸組織である。
さらに別の実施形態では、新生物は癌腫などの悪性である。
さらなる実施形態では、新生物は腺腫などの非悪性である。
これらの遺伝子領域のメチル化についてスクリーニングすることに関して、アッセイは
、本明細書に収載されている特定の領域(遺伝子の「プラス」鎖に相当する)又は相補的
「マイナス」鎖のいずれかをスクリーニングするように設計できることを理解しておくべ
きである。本明細書に提供される染色体座標に基づいてどの鎖を解析するかを選び、その
鎖を標的にすることは当業者の技術の十分に範囲内である。いくつかの状況では、アッセ
イは両方の鎖をスクリーニングするように確立することができる。
マーカーの特定化されたパネルについてもっぱらスクリーニングしてもよいし、又は他
のDNA高メチル化マーカー、他のRNA発現レベルマーカー若しくは他のタンパク質マ
ーカーなどの他のマーカーについてさらにスクリーニングすることを選択してもよいこと
は理解しておくべきである。これらの他のマーカーは、たとえば、問題の患者の健康状態
に関して追加の情報を提供することもある。
本発明をいかなる1つの理論又は作用機序にも限定することなく、これらのDNA領域
全域でメチル化レベルを測定することは大腸新生物状態の診断に役立つが、別々のサブ領
域は、これらのサブ領域が結腸直腸がんなどの大腸新生物において頻繁に高メチル化され
ている高密度のCpGジヌクレオチドを含有するので、これに関しては特に有用であるこ
とが確定されている。この発見によりこれらのサブ領域は解析のために特に有用な標的に
なっている。なぜならば、解析を必要とするDNAの領域が短くなりよりはっきりと定義
されるようになり、しかもさらに、高メチル化の存在又は非存在に関して、これらの領域
からの結果が、解析がDNA領域全体にわたって実施される場合に得られるよりも著しく
決定的な結果をもたらすことの両方のせいでスクリーニング過程が簡略化されるからであ
る。したがって、この発見はスクリーニング過程を簡略化し、しかも大腸新生物診断の感
度と特異性を増大させる。
特定の有用性を示すことが確定されているサブ領域は、それが見出される場である遺伝
子及び染色体領域を参照して、下に収載されている。
(1)BCATサブ領域:chr12:25101992〜25102093(配列番号
1又は対応するマイナス鎖)及びchr12:25101909〜25101995(配
列番号2又は対応するマイナス鎖)
(2)IKZF1サブ領域:chr7:50343867〜50343961(配列番号
3又は対応するマイナス鎖)及びchr7:50343804〜5033895(配列番
号4又は対応するマイナス鎖)
(3)IRF4サブ領域:chr6:392036〜392145(配列番号5又は対応
するマイナス鎖)
(4)GRASPサブ領域:chr12:52399672〜52399922、chr
12:52400821〜52401051(配列番号6又は対応するマイナス鎖)、c
hr12:52401407〜52401664(配列番号7又は対応するマイナス鎖)
、chr12:52400866〜52400973及びChr12:52401107
〜52401664
(5)CAHMサブ領域:chr6:163834295〜163834500(配列番
号8又は対応するマイナス鎖)、chr6:163834621〜163834906、
chr6:163834393〜163834455及びchr6:163834393
〜163834519
本発明をいかなる1つの理論又は作用機序にも限定することなく、当業者であれば遺伝
子マーカーごとの1つ又は複数のサブ領域をスクリーニングしてもよい。
一実施形態では、選択された遺伝子マーカーごとに試験されるメチル化マーカーサブ領
域は、
(1)配列番号1若しくは配列番号2により定義されるBCATサブ領域又は対応するマ
イナス鎖;
(2)配列番号3若しくは配列番号4により定義されるIKZF1サブ領域又は対応する
マイナス鎖;
(3)配列番号5により定義されるIRF4サブ領域又は対応するマイナス鎖;
(4)配列番号6若しくは7により定義されるGRASPサブ領域又は対応するマイナス
鎖;及び
(5)配列番号8により定義されるCAHMサブ領域又は対応するマイナス鎖
である。
本発明をどれか1つの理論又は作用機序に限定せずに、DNAメチル化は細菌、植物、
及び動物において普遍的である。DNAメチル化は、細胞分裂のラウンドにわたり安定し
ているDNAの化学修飾の一種であるが、生物の根底にあるDNA配列の変化を伴わない
。クロマチン及びDNA修飾は、エピジェネティクスの2つの重要な特徴であり、細胞分
化の過程に関与しており、細胞に同じゲノム物質を含有しているのにもかかわらず異なる
特徴を安定的に維持させる。真核生物では、DNAメチル化はシトシンピリミジン環の番
号5炭素でのみ起こる。哺乳動物では、DNAメチル化はCpGジヌクレオチドのシトシ
ンの番号5炭素で大部分起こる。CpGジヌクレオチドはおよそ1%のヒトゲノムを構成
する。
すべてのCpGの70〜80%はメチル化されている。CpGは、多くの遺伝子の5’
調節領域に存在しメチル化されていないことが多い「CpGアイランド」と呼ばれるクラ
スターにグループ化されていることがある。がんなどの多くの疾患過程では、遺伝子プロ
モーター及び/又はCpGアイランドは、遺伝性の転写サイレンシングに付随する異常な
高度メチル化を獲得する。DNAメチル化は遺伝子の転写に2つの方法で影響を与え得る
。第一に、DNAのメチル化は、それ自体が転写タンパク質の遺伝子への結合を物理的に
阻害し、したがって転写を遮断することがある。第二に、メチル化されたDNAには、メ
チル−CpG−結合ドメインタンパク質(MBD)として知られるタンパク質が結合し得
る。次に、MBDタンパク質は、ヒストンデアセチラーゼ、及びヒストンを修飾しそれに
よりサイレントクロマチンと呼ばれる緻密で不活性なクロマチンを形成することができる
他のクロマチン再構築タンパク質などの追加のタンパク質を遺伝子座に動員する。DNA
メチル化とクロマチン構造間のこの連関は非常に重要である。特に、メチル−CpG−結
合タンパク質2(MeCP2)の喪失はレット症候群に関与しており、メチル−CpG−
結合ドメインタンパク質2(MBD2)はがんにおいて高度メチル化された遺伝子の転写
サイレンシングを媒介する。
ヒトでは、DNAメチル化のプロセスは、3種の酵素、DNAメチルトランスフェラー
ゼ1、3a及び3b(DNMT1、DNMT3a、DNMT3b)により実行される。D
NMT3a及びDNMT3bは、発生の初期にDNAメチル化パターンを設定する新規の
メチルトランスフェラーゼであると考えられている。DNMT1は、DNA複製中DNA
メチル化パターンを娘鎖にコピーすることに関与している提唱されたメインテナンスメチ
ルトランスフェラーゼである。DNMT3Lは、その他のDNMT3に相同であるが触媒
活性がないタンパク質である。代わりに、DNMT3Lは、DNAに結合する新規のメチ
ルトランスフェラーゼの能力を増加させて、その活性を刺激することにより新規のメチル
トランスフェラーゼを補助する。最後に、DNMT2は「謎の」DNAメチルトランスフ
ェラーゼ相同体として同定されており、すべてのDNAメチルトランスフェラーゼに共通
の10個の配列モチーフすべてを含有するが、DNMT2はDNAをメチル化しないこと
があるが、代わりに、小型RNAをメチル化することが示されている。
したがって、「メチル化状態」は、DNA領域内の特定のヌクレオチド(複数可)での
メチル化の存在、非存在及び/又は量への言及として理解されるべきである。特定のDN
A配列のメチル化状態(たとえば、本明細書に記載されるDNA領域)は、前記配列にお
けるすべての塩基のメチル化状態を示すことができる、又は前記配列内の塩基対のサブセ
ットのメチル化状態(たとえば、シトシンの、若しくは1つ若しくは複数の特定の制限酵
素認識配列のメチル化状態)を示すことができる、或いは前記配列のどこでメチル化が起
きているかについての正確な情報を与えることなく、前記配列内の領域メチル化密度に関
する情報を示すことができる。メチル化状態は、任意選択で、「メチル化値」により表す
又は示すことができる。メチル化値は、たとえば、メチル化依存性制限酵素での制限消化
に続いて存在する無傷のDNAの量を定量化することにより生み出すことができる。この
例では、DNA中の特定の配列が定量的PCRを使用して定量化される場合は、偽の処理
をされた対照にほぼ等しい鋳型DNAの量は、前記配列が高度にメチル化されていないこ
とを示し、偽の処理をされた試料において存在するよりも鋳型の量が実質的に少ないこと
は前記配列でのメチル化されたDNAの存在を示している。したがって、たとえば、上記
の例由来の値、すなわち、メチル化値はメチル化状態を表し、したがって、メチル化状態
の定量的指標として使用することが可能である。試料中の配列のメチル化状態を閾値と比
較することが望ましい場合、このことは特に有用である。
本発明の方法は、生体試料の特定のDNA領域のメチル化レベルとこれらのDNA領域
の対照メチル化レベルとの比較に基づいている。「対照レベル」とは「正常レベル」であ
り、新生物ではない又はアッセイのためにDNAを単離し得る別の生体試料における、対
応する大腸細胞又は細胞集団のDNA領域のメチル化レベルである。
正常な(又は「非新生物の」)メチル化レベルは、検査の対象である同一個体由来の非
新生物組織を使用して決定し得る。しかし、これは関係する個体に対して極めて侵襲的に
なり得ることは認識されると考えられ、したがって、問題の患者以外の個体から得られる
個々の又は集団の結果を反映する標準結果に対して検査結果を解析するほうが都合がよい
可能性がある。この後者の形態の分析は、実際、好ましい分析方法である。なぜならば、
この方法は対象の試験試料である単一の生体試料の収集及び分析を必要とするキットの設
計を可能にするからである。正常なメチル化レベルを与える標準結果は、当業者には周知
と考えられる任意の適切な手段により計算し得る。たとえば、正常組織の集団は、本発明
の遺伝子のメチル化レベルの点から評価し、それにより将来の試験試料すべてを分析する
際の基準となる標準値又は値の範囲を与えることができる。正常レベルは、特定のコホー
トの対象から及びそのコホート由来の試験試料に関して使用するために決定し得ることも
理解されるべきである。したがって、年齢、性別、民族性又は健康状態などの特徴の点で
異なるコホートに対応するいくつかの標準値又は範囲を決定し得る。前記「正常レベル」
は、別々のレベル又はある範囲のレベルでもよい。正常レベルと比べた対象遺伝子のメチ
ル化レベルの増加は、組織が新生物であることを示している。
用語「メチル化」は、核酸、たとえば、ゲノムDNAの領域においてDNAメチルトラ
ンスフェラーゼ酵素の作用によりシトシン塩基(複数可)に付加されたメチル基の存在を
意味すると解釈するものとする。本明細書に記載されるように、核酸のメチル化のレベル
又は程度を決定するための当業者に公知の方法がいくつか存在する。
「より高いレベル」は、診断された対象中に、対照試料中よりも多くの数のメチル化さ
れたCpGジヌクレオチドが存在する、すなわち、特定のCpG部位でメチル化されたD
NA分子の割合がより高い又は対象中にメチル化された個別のCpG部位の数が多いこと
を意味する。用語「増強された」又は「増加された」は用語「より高い」と互換的に使用
されると理解されるべきである。
「より高いレベル」のメチル化を検出することに関して、いくつかの状況では正常/対
照レベルは実際にはいかなる検出可能なメチル化も存在しないことに対応し、新生物レベ
ルはメチル化が存在することそれ自体に対応することを理解するべきである。この状況で
は、その解析には定量化の方策が必ず必要になる対照レベルのメチル化と比べてメチル化
レベルを評価することよりもむしろ単にメチル化の存在についてスクリーニングするだけ
(すなわち、定性的評価のみ)でよいので、診断法は比較的簡単である。本発明を全く限
定せずに、いくつかのマーカーという文脈では、新生物が発症するときのそのマーカーの
メチル化の変化はメチル化の検出不可能なレベルから検出可能なメチル化の存在への移行
であることが、たとえば、血液由来の試料において観察される。これらの状況では、試験
試料をスクリーニングしてメチル化の存在又は非存在を判定するだけでよい比較的簡単な
定性的評価が可能になる。本明細書で提供される定義という文脈では、「より高いレベル
」への言及は、マーカーのメチル化のレベルの相対的増加又は以前は明白なものがなかっ
たメチル化の発症の両方を包含する。上文に詳述したように、対照レベルは患者ごとに新
たに評価することもあれば、すべての試験試料を評価する対照となる標準結果が存在する
こともある。メチル化が対象のマーカー上に存在しないことが分かっている場合、対照レ
ベルはメチル化が非存在であり、それにより「より高いレベル」とはメチル化のいかなる
量であれその存在であるために、メチル化の存在又は非存在についてスクリーニングする
だけでよい。
本発明は、対象における新生物の診断に役立つと見なされるメチル化された残基の正確
な数により限定されるべきではない。なぜならば、患者試料間のある程度の変動が存在す
ることになるからである。本発明は、メチル化された残基の位置決めによって限定される
こともない。
にもかかわらず、これらのサブ領域内の高メチル化を受ける多くの特定のシトシン残基
が同定されてきた。これらの残基は、配列番号1及び2により定義されるLOC1005
26820領域に位置付けられる。別の実施形態では、したがって、これらの残基又は反
対のDNA鎖上のn+1位の対応するシトシンのうちの1つ又は複数のメチル化状態を評
価することに特に向けられるスクリーニング法を用いることが可能である。
この目的のために、この点に関して同定されているシトシン残基は表1に詳述されてい
る。これら個々の残基はHg19を参照することにより番号付けがされており、これは上
文に収載されている特定のサブ領域の番号付けとも一致していて、サブ領域ごとの座標番
号付けが配列表に提供している対応するサブ領域配列に適用される場合はさらに同定する
ことが可能になることを当業者であれば認識するべきである。これらの残基はサブ領域D
NAという文脈で同定されていることを理解すべきである。しかし、サブ領域自体の外側
でしかしサブ領域が由来するもっと大きなDNA領域内で高メチル化されている他の残基
も存在する。したがって、これら特定化された残基は、本明細書で開示されるDNA領域
及びサブ領域という文脈内で高メチル化を受ける個々のシトシン残基の特に有用なサブセ
ットを表す。これらの個々の残基は、それが存在するDNA領域に従って下では分類され
ている。これらのDNA領域は、Hg19染色体座標と遺伝子領域名の両方を参照するこ
とにより同定される。
本発明の方法がGRASPのメチル化を解析することを含む限り、対象残基は
Figure 0006975807
又は反対のDNA鎖上のn+1位での対応するシトシンである。
本発明の方法がCAHMを解析することを含む限り、対象残基は
Figure 0006975807
又は反対のDNA鎖上のn+1位での対応するシトシンである。
本発明の方法がIKZF1を解析することを含む限り、対象残基は
Figure 0006975807
又は反対のDNA鎖上のn+1位での対応するシトシンである。
本発明の方法がIRF4を解析することを含む限り、対象残基は
Figure 0006975807
又は反対のDNA鎖上のn+1位での対応するシトシンである。
本発明の検出法は任意の適切な生体試料で実施することが可能である。このために、「
生体試料」への言及は、細胞物質、生体液(たとえば、血液)、糞便、組織生検標本、外
科的標本又は動物の身体に導入されそれに続いて取り除かれた(たとえば、浣腸液から回
収された溶液などの)液体などの、しかしこれらの限定されない動物由来の生体物質の任
意の試料への言及として理解されるべきである。本発明の方法に従って試験される生体試
料は、直接試験することもあれば、試験に先立ってある種の処理を必要とすることもある
。たとえば、生検又は外科的試料は試験に先立って均質化を必要とすることもあれば、個
々の遺伝子の質的発現レベルのインサイツ試験のためにセクショニングを必要とすること
もある。代わりに、細胞試料は試験に先立って透過処理を必要とすることもある。さらに
、生体試料が液体形態ではない限り、(そのような形態が試験のために必要であれば)前
記生体試料は、試料を動態化するためにバッファーなどの試薬の添加を必要とすることも
ある。
対象のDNA領域が生体試料中に存在する限り、生体試料は直接試験してもよいし、さ
もなければ生体試料中に存在する核酸のすべて若しくは一部を試験に先立って単離しても
よい。さらに別の例では、試料は部分的に精製される、又は分析に先立って他の方法で濃
縮されてもよい。たとえば、生体試料が極めて多様な細胞集団を含む限り、特定の対象の
亜集団について濃縮することが望ましいこともある。標的細胞集団又はそこに由来する分
子を試験に先立って処理する、たとえば、生ウイルスを不活化することは本発明の範囲内
である。生体試料は新たに収穫してもよく、又は試験に先立って保存していてもよく(た
とえば、凍結により)、若しくは他の方法で試験に先立って処理してもよい(培養を受け
ることによりなど)ことも理解されるべきである。
本明細書に開示される方法に従って試験するためにはどのような種類の試料がもっとも
適切なのかの選択は、状況の性質に依存することになる。好ましくは、前記試料は便(糞
便)試料、浣腸水、外科的切除、組織生検又は血液試料(たとえば、全血、血清又は血漿
)である。
さらに好ましくは、前記生体試料は血液試料、生検試料又は糞便試料である。
上文に詳述されるように、本発明は大腸に位置する新生物細胞又は細胞集団についてス
クリーニングするように設計されている。したがって、「細胞又は細胞集団」への言及は
、個々の細胞又は細胞の群への言及として理解されるべきである。前記細胞の群は、細胞
の拡散集団、細胞懸濁液、細胞の被包性集団又は組織の形態をとる細胞の集団のこともあ
る。
アデノーマ又は腺癌などの新生物の「発症」への言及は、異形成を示す個体の1つ又は
複数の細胞への言及として理解されるべきである。この点に関して、アデノーマ又は腺癌
は、多量の異形成細胞が発生している点でよく発達していることがある。代わりに、アデ
ノーマ又は腺癌は、比較的少数の異常な細胞分裂のみが診断時に起きている点でごく初期
段階であることもある。本発明は、アデノーマ又は腺癌などの新生物の発生の個体の素因
の評価までにも及ぶ。本発明をいかなる点でも限定せずに、変化したメチル化レベルは、
アデノーマ若しくは腺癌又は別のアデノーマ若しくは腺癌の将来の発生などの、新生物を
発症する個体の素因を示していることがある。
好ましい方法は、新生物発生又はその素因を診断する目的でメチル化レベルを評価する
ことであるが、前記メチル化のレベルにおける逆の変化の検出は、場合によっては、たと
えば、アデノーマ又は腺癌の発生などの新生物状態を調節することに向けられる治療又は
予防処置の有効性をモニターするためには望ましいこともある。たとえば、メチル化レベ
ルの上昇が、個体がアデノーマ又は腺癌の発生により特徴付けられる状態を発症したこと
を示す場合、治療的処置レジメンの開始に続くメチル化レベルの減少についてのスクリー
ニングは、新生物細胞の排除に成功したことを示すのに利用し得る。別の例では、この方
法を使用して腫瘍の全縁が取り除かれたかどうかを確定するために腫瘍切片の縁の組織を
試験することができる。
したがって、本方法は、疾病リスクの診断、予後、分類、予測、疾病の再発の検出、い
くつかの種類の新生物の治療の選択及び新生物のモニタリングに使用することが可能であ
る。原発、転移性及び再発がんなどのいかなる進行段階のがんも検出することが可能であ
る。
本発明は、哺乳動物(たとえば、ヒト)が大腸の新生物を有するかどうか、哺乳動物か
ら採取した生体試料が新生物細胞若しくは新生物細胞由来のDNAを含有するかどうかを
確定する、哺乳動物が新生物を発症しているリスク若しくは可能性を推定する、抗がん治
療の効力をモニターする、又はがんを有する哺乳動物における適切な抗がん治療を選択す
るための方法を提供する。そのような方法は、本明細書に記載されるDNA領域において
新生物細胞が正常細胞とは異なるメチル化状態を有することの決定に基づいている。した
がって、細胞が本明細書に記載されるDNA領域において差次的にメチル化された配列を
含有するかどうかを確定することにより、細胞が新生物であると決定することが可能であ
る。
本発明の方法は、新生物を有することが知られている若しくは疑われる個体を評価する
ために、又は常用の臨床試験として、すなわち、必ずしも新生物を有すると疑われるわけ
ではない個体において使用することが可能である。追加の診断アッセイを実施して、個体
における新生物の状態を確認することができる。
さらに、本方法を使用して処置経過の効力を評価し得る。たとえば、抗がん治療の効力
は、がんに罹っている哺乳動物において本明細書に記載される配列のDNAメチル化を時
間をかけてモニターすることにより、評価することができる。たとえば、治療前に又は治
療の早期に哺乳動物から採取した試料中のレベルと比べて、治療に続いて哺乳動物から採
取した生体試料における本発明の診断配列のいずれかでのメチル化の減少又は非存在は、
有効な治療であることを示している。
したがって、本発明の方法は、1回限りの検査として又は新生物発生の危険があると考
えられる個体の継続的モニターとして又は新生物発生を阻害する若しくは他の方法で遅延
することに向けられる治療的若しくは予防的処置レジメンの有効性のモニターとして有用
である。これらの状況では、いずれか1つ又は複数の種類の生体試料におけるメチル化レ
ベルのモジュレーションを位置付けることは、個体の状態又は現在使用されている治療的
若しくは予防的レジメンの有効性についての価値ある指標である。したがって、本発明の
方法は、その正常レベル(上文に定義されている)と比べて、又は個体の生体試料から確
定された1つ若しくは複数の以前のメチル化レベルと比べて、前記個体におけるメチル化
レベルの増加又は減少についてモニターすることにまで及ぶと理解されるべきである。
新生物を検出するための方法は、1つ又は複数の他のがん関連ポリヌクレオチド又はポ
リペプチド配列の検出を含むことができる。したがって、本発明の方法によるメチル化の
検出は、単独で又は新生物の診断若しくは予後のための他のスクリーニング法と組み合わ
せて使用することが可能である。
DNAメチル化を検出するためのいかなる方法も、本発明の方法において使用すること
ができる。いくつかの方法が、原発組織試料における又は血液、尿、糞便若しくは唾液な
どの患者試料における特定の遺伝子座での差次的にメチル化されたDNAの検出に利用す
ることが可能である(Kristensen and Hansen Clin Chem. 55:1471-83, 2009; Ammerpohl
et al. Biochim Biophys Acta. 1790:847-62, 2009; Shames et al. Cancer Lett. 251:
187-98, 2007; Clark et al. Nat Protoc. 1:2353-64, 2006に概説されている)。標的遺
伝子のDNAメチル化の割合又は程度の分析では、DNAは通常、亜硫酸水素ナトリウム
で処理され、対象の領域は、DNAのメチル化状態とは無関係に増幅することになるプラ
イマー及びPCR条件を使用して増幅される。次に、全体のアンプリコン又は個々のCp
G部位のメチル化は、ピロシーケンス、制限酵素消化(COBRA)を含む塩基配列決定
により又は融解曲線解析により評価することが可能である。代わりに、特定のCpG部位
でのメチル化の分析のためのライゲーションベースの方法を使用し得る。腫瘍から体液中
に放出された異常にメチル化されたDNAの検出はがん診断の手段として開発中である。
ここでは、高度メチル化された配列の場合、メチル化されていない正常細胞DNAの背景
からのメチル化されたDNA配列の選択的増幅を可能にする感度の良い方法を使用する必
要がある。亜硫酸水素塩処理されたDNAに基づくそのような方法には、たとえば、メチ
ル化選択PCR(MSP)、Heavymethyl PCR、ヘッドループ(Head
loop)PCR及びヘルパー依存性(Helper−dependent)連鎖反応(
PCT/AU2008/001475)が含まれる。
手短に言えば、いくつかの実施形態では、メチル化を検出するための方法は、ゲノムD
NAを無作為に剪断する又は無作為に断片化し、メチル化依存性又はメチル化感受性制限
酵素でDNAを切断し、それに続いて切断された又は切断されていないDNAを選択的に
同定する及び/又は分析することを含む。選択的同定には、たとえば、切断されたDNA
と切断されていないDNAを分離し(たとえば、サイズにより)、切断された又は代わり
に切断されていない対象の配列を定量化することを含むことができる。たとえば、米国特
許第7,186,512号を参照されたい。代わりに、前記方法は、制限酵素消化後無傷
のDNAを増幅し、それによって増幅された領域において制限酵素により切断されなかっ
たDNAのみを増幅することを包含することができる。たとえば、米国特許出願第10/
971,986号、米国特許出願第11/071,013号及び米国特許出願第10/9
71,339号を参照されたい。いくつかの実施形態では、増幅は、遺伝子特異的である
プライマーを使用して実施することができる。代わりに、アダプターを無作為に断片化さ
れたDNAの端部に付加することができ、前記DNAはメチル化依存性又はメチル化感受
性制限酵素で消化することができ、無傷のDNAは前記アダプター配列にハイブリダイズ
するプライマーを使用して増幅することができる。この場合、DNAの増幅されたプール
において特定の遺伝子の存在、非存在又は量を決定する第2のステップを実施することが
できる。いくつかの実施形態では、前記DNAはリアルタイム定量的PCRを使用して増
幅される。
いくつかの実施形態では、前記方法は、ゲノムDNAの集団内の標的配列における平均
メチル化密度を定量化することを含む。いくつかの実施形態では、前記方法は、遺伝子座
における潜在的制限酵素切断部位の少なくとも一部のコピーが切断されないままであるこ
とを可能にする条件下で、ゲノムDNAをメチル化依存性制限酵素又はメチル化感受性制
限酵素に接触させ、前記遺伝子座の無傷のコピーを定量化し、増幅された産物の量を対照
DNAのメチル化の量を表す対照値と比較し、それによって前記対照DNAのメチル化密
度と比べた前記遺伝子座における平均メチル化密度を定量化することを含む。
DNAの遺伝子座のメチル化の量は、前記遺伝子座を含むゲノムDNAの試料を提供し
、前記DNAをメチル化感受性又はメチル化依存性である制限酵素で切断し、次に無傷の
DNAの量を定量化する又は対象のDNA遺伝子座で切断されたDNAの量を定量化する
ことにより決定することができる。無傷の又は切断されたDNAの量は、前記遺伝子座を
含有するゲノムDNAの最初の量、前記遺伝子座におけるメチル化の量、及び前記ゲノム
DNAにおいてメチル化されている遺伝子座におけるヌクレオチドの数(すなわち、割合
)に依存することになる。DNA遺伝子座におけるメチル化の量は、無傷のDNA又は切
断されたDNAの量を同様な処理を受けたDNA試料における無傷のDNA又は切断され
たDNAの量を表す対照値と比較することにより決定することができる。対照値は、メチ
ル化されたヌクレオチドの既知の又は予想される数を表すことができる。代わりに、対照
値は、別の(たとえば、正常な、非疾患)細胞における同じ遺伝子座又は第二の遺伝子座
由来の無傷の又は切断されたDNAの量を表すことができる。
遺伝子座における潜在的制限酵素切断部位の少なくとも一部のコピーが切断されないま
まであることを可能にする条件下で、少なくとも1つのメチル化感受性又はメチル化依存
性制限酵素を使用し、それに続いて残っている無傷のコピーを定量化し、その量を対照と
比較することにより、遺伝子座の平均メチル化密度を決定することができる。メチル化感
受性酵素は、その認識配列がメチル化されていなければDNAを切断する酵素であり、メ
チル化依存性酵素は、その認識配列がメチル化されているとDNAを切断する。メチル化
感受性制限酵素を、遺伝子座における潜在的制限酵素切断部位の少なくとも一部のコピー
が切断されないままであることを可能にする条件下で、DNA遺伝子座のコピーに接触さ
せるならば、残っている無傷のDNAはメチル化密度に正比例することになり、したがっ
て、対照と比較して、試料中の遺伝子座の相対的メチル化密度を決定し得る。同様に、メ
チル化依存性制限酵素を、遺伝子座における潜在的制限酵素切断部位の少なくとも一部の
コピーが切断されないままであることを可能にする条件下で、DNA遺伝子座のコピーに
接触させるならば、残っている無傷のDNAはメチル化密度に反比例することになり、し
たがって、対照と比較して、試料中の遺伝子座の相対的メチル化密度を決定し得る。その
ようなアッセイは、たとえば、米国特許出願第10/971,986号に開示されている
上記方法のためのキットは、たとえば、メチル化依存性制限酵素、メチル化感受性制限
酵素、増幅(たとえば、PCR)試薬、プローブ及び/又はプライマーのうちの1つ又は
複数を含むことができる。
定量的増幅法(たとえば、定量的PCR又は定量的線形増幅)を使用して、制限消化に
続いて、増幅プライマーが隣接する遺伝子座内の無傷のDNAの量を定量化することがで
きる。定量的増幅の方法は、たとえば、米国特許第6,180,349号、米国特許第6
,033,854号及び米国特許第5,972,602号、並びにたとえば、Gibson et
al., Genome Research 6:995-1001 (1996); DeGraves, et al., Biotechniques 34(1):10
6-10, 112-5 (2003); Deiman B, et al., Mol. Biotechnol. 20(2):163-79 (2002)に開示
されている。増幅は「リアルタイム」でモニターし得る。
DNAメチル化を検出するための追加の方法は、DNAを亜硫酸水素塩で処理する前及
び後のゲノム配列決定を含むことができる。たとえば、Frommer et al., Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA 89:1827-1831 (1992)を参照されたい。亜硫酸水素ナトリウムをDNAに接
触させると、非メチル化シトシンはウラシルに変換され、メチル化されたシトシンは改変
されない。
いくつかの実施形態では、亜硫酸水素塩変換DNAから増幅されたPCR産物の制限酵
素消化を使用して、DNAメチル化を検出する。たとえば、Sadri & Hornsby, Nucl. Aci
ds Res. 24:5058-5059 (1996); Xiong & Laird, Nucleic Acids Res. 25:2532-2534 (199
7)を参照されたい。
いくつかの実施形態では、メチル化特異的PCR(「MSP」)反応は、単独で又はD
NAメチル化を検出する他の方法と組み合わせて使用される。MSPアッセイは、亜硫酸
水素ナトリウムによるDNAの最初の改変、すべての非メチル化であるがメチル化されな
いシトシンのウラシルへの変換、及びメチル化対非メチル化DNAに特異的なプライマー
を用いたそれに続く増幅を必要とする。Herman et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:
9821-9826 (1996);米国特許第5,786,146号を参照されたい。
いくつかの実施形態では、MethyLightアッセイは、単独で又はDNAメチル
化を検出する他の方法と組み合わせて使用される(Eads et al., Cancer Res. 59:2302-2
306 (1999)参照)。手短に言えば、MethyLightプロセスでは、ゲノムDNAは
亜硫酸水素ナトリウム反応において変換される(亜硫酸水素塩プロセスは非メチル化シト
シン残基をウラシルに変換する)。次に、対象のDNA配列の増幅は、CpGジヌクレオ
チドにハイブリダイズするPCRプライマーを使用して実施される。メチル化されたDN
Aの亜硫酸水素塩変換から生じる配列(又は代わりに非メチル化配列)のみにハイブリダ
イズするプライマーを使用することにより、増幅は前記プライマーがハイブリダイズする
配列のメチル化状態を示すことができる。さらに、増幅産物は、非メチル化DNAの亜硫
酸水素塩処理から生じる配列に特異的に結合するプローブを用いて検出することができる
。必要であれば、プライマーとプローブの両方を使用してメチル化状態を検出することが
可能である。したがって、MethyLightで使用するためにキットは、亜硫酸水素
ナトリウム及び、亜硫酸水素塩で処理されているメチル化されたDNAと非メチル化DN
Aを区別するプライマー又は検出可能的に標識されたプローブ(Taqman又は分子ビ
ーコンプローブを含むがこれらに限定されない)を含むことができる。他のキット成分は
、たとえば、PCRバッファー、デオキシヌクレオチド及び熱安定ポリメラーゼを含むが
これらに限定されない、DNAの増幅に必要な試薬を含むことができる。
いくつかの実施形態では、Ms−SNuPE(メチル化感受性一塩基プライマー伸長)
反応は、単独で又はDNAメチル化を検出する他の方法と組み合わせて使用される(Gonz
algo & Jones, Nucleic Acids Res. 25:2529-2531 (1997)参照)。Ms−SNuPE法は
、DNAの亜硫酸水素塩処理、続いて一塩基プライマー伸長に基づいて特定のCpG部位
でのメチル化の差を評価するための定量的方法である(Gonzalgo&Jones、
上記参照)。手短に言えば、ゲノムDNAを亜硫酸水素ナトリウムと反応させて、5−メ
チルシトシンは不変のままにして、非メチル化シトシンをウラシルに変換する。次に、目
的の標的配列の増幅は、亜硫酸水素塩変換DNAに特異的なPCRプライマーを使用して
実施され、得られた産物は単離されて対象のCpG部位(複数可)でのメチル化分析のた
めの鋳型として使用される。
Ms−SNuPE分析のための典型的な試薬(たとえば、典型的なMs−SNuPEベ
ースのキットに見られるような)は、特定の遺伝子(又はメチル化変更されたDNA配列
又はCpGアイランド)のためのPCRプライマー;最適化されたPCRバッファー及び
デオキシヌクレオチド;ゲル抽出キット;正の対照プライマー;特定の遺伝子のためのM
s−SNuPEプライマー;反応バッファー(Ms−SNuPE反応のための);並びに
検出可能的に標識されたヌクレオチドを含むことができるが、これらに限定されない。さ
らに、亜硫酸水素塩変換試薬は、DNA変性バッファー;スルホン化バッファー;DNA
回収試薬又はキット(たとえば、沈殿、限外濾過、親和性カラム);脱スルホン化バッフ
ァー;及びDNA回収成分を含み得る。
追加のメチル化検出法には、メチル化CpGアイランド増幅(Toyota et al., Cancer
Res. 59:2307-12 (1999)参照)、たとえば、米国特許出願公開第2005/006987
9号;Rein, et al. Nucleic Acids Res. 26 (10): 2255-64 (1998); Olek, et al. Nat.
Genet. 17(3): 275-6 (1997);及びPCT出願公開WO 00/70090に記載され
ている方法が含まれるが、これらに限定されない。
これらの一般的に記載されている方法のいくつかに関するさらに詳細な情報は以下に提
供される、
(a)プローブ又はプライマー設計及び/又は生成
新生物の診断のための本明細書に記載されるいくつかの方法は、1つ又は複数のプロー
ブ及び/又はプライマーを使用する。たとえば、PCR又はハイブリダイゼーションにお
いて使用するためのプローブ及び/又はプライマーを設計するための方法は当技術分野で
は公知であり、たとえば、Dieffenbach and Dveksler (Eds) (In: PCR Primer: A Labora
tory Manual, Cold Spring Harbor Laboratories, NY, 1995)に記載されている。さらに
、種々のアッセイのための最適プローブ及び/又はプライマーを設計するいくつかのソフ
トウェアパッケージ、たとえば、the Center for Genome Res
earch、Cambridge、Mass.、USAから入手可能なPrimer3が
公開されている。
明らかに、プローブ又はプライマーの潜在的使用はその設計中に検討するほうがよい。
たとえば、プローブ又はプライマーがメチル化特異的PCR又はリガーゼ連鎖反応(LC
R)アッセイにおいて使用するために生成されるとすれば、3’端部(又はLCRの場合
は5’端部)のヌクレオチドは好ましくは核酸中のメチル化されたヌクレオチドに一致す
るほうがよい。
新生物に関連する配列の検出に有用なプローブ及び/又はプライマーは評価されて、ヘ
アピンを形成することも、セルフプライムすることも、(たとえば、検出アッセイにおい
て使用される別のプローブ又はプライマーと)プライマーダイマーを形成することもない
プローブ及び/又はプライマーを決定する。さらに、プローブ又はプライマー(又はその
配列)は評価されて、それが標的核酸から変性する温度(すなわち、プローブ若しくはプ
ライマーの融解温度又はTm)を決定する場合が多い。Tmを推定するための方法は当技
術分野では公知であり、たとえば、Santa Lucia, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 95: 146
0-1465, 1995 or Bresslauer et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 83: 3746-3750, 19
86に記載されている。
本発明のプローブ又はプライマーを生成する/合成するための方法は当技術分野では公
知である。たとえば、オリゴヌクレオチド合成は、Gait (Ed) (In: Oligonucleotide Syn
thesis: A Practical Approach, IRL Press, Oxford, 1984)に記載されている。たとえば
、プローブ又はプライマーは、生物学的合成により(たとえば、制限エンドヌクレアーゼ
を用いた核酸の消化により)又は化学合成により得られる。短い配列では(約100ヌク
レオチドまで)、化学合成が好ましい。
もっと長い配列では、たとえば、Messing, Methods Enzymol, 101, 20-78, 1983により
記載される一本鎖DNAのためのM13の使用などの、分子生物学で用いられる標準複製
法が有用である。オリゴヌクレオチド合成のための他の方法には、たとえば、リン酸トリ
エステル及びリン酸ジエステル法(Narang, et al. Meth. Enzymol 68: 90, 1979)及び
支持体上での合成(Beaucage, et al. Tetrahedron Letters 22:1859-1862, 1981)並び
にホスホロアミド酸法、Caruthers, M. H., et al., Methods in Enzymology, Vol. 154,
pp. 287-314 (1988)、並びに“Synthesis and Applications of DNA and RNA,” S. A.
Narang, editor, Academic Press, New York, 1987及びそこに引用される参考文献に記載
される他の方法が含まれる。ロックド核酸(LNA)を含むプローブは、たとえば、Niel
sen et al. J. Chem. Soc. Perkin Trans., 1:3423, 1997; Singh and Wengel, Chem. Co
mmun. 1247, 1998に記載される通りに合成される。その上、ペプチド核酸(PNA)を含
むプローブは、たとえば、Egholm et al., Am. Chem. Soc., 114:1895, 1992; Egholm et
al., Nature, 365:566, 1993;及びOrum et al., Nucl. Acids Res., 21:5332, 1993に
記載される通りに合成される。
(b)DNAのメチル化感受性エンドヌクレアーゼ消化
一例では、試料中のメチル化の増加は、核酸が消化されるのに十分な条件下で一定量の
メチル化感受性制限エンドヌクレアーゼ酵素で核酸を処理し、次に生成された断片を検出
することを含むプロセスを使用して決定される。例となるメチル化感受性エンドヌクレア
ーゼには、たとえば、HhaI又はHpaIIが含まれる。好ましくは、アッセイは、用
いられるメチル化感受性酵素と同じ特異性を有するメチル化非感受性酵素で消化される内
部標準を含む。たとえば、メチル化非感受性酵素MspIは、メチル化感受性酵素Hpa
IIのイソ制限酵素である。
ハイブリダイゼーションアッセイフォーマット
一例では、核酸の消化は未消化核酸へのプローブ又はプライマーの選択的ハイブリダイ
ゼーションにより検出される。代わりに、プローブは消化された核酸と未消化核酸の両方
に選択的にハイブリダイズするが、たとえば、電気泳動により両方の形態の区別を促進す
る。ハイブリダイゼーションプローブへの選択的ハイブリダイゼーションを達成するのに
適切な検出法には、たとえば、サザン又は他の核酸ハイブリダイゼーションが含まれる(
Kawai et al., Mol. Cell. Biol. 14:7421-7427, 1994; Gonzalgo et al., Cancer Res.
57:594-599, 1997)。
適切なハイブリダイゼーション条件は、プローブを含む核酸二重鎖の融解温度(Tm)
に基づいて決定される。いくつかの一般論を適用することは可能であるが、最適ハイブリ
ダイゼーション反応条件はプローブごとに経験的に決定するほうがよいことは当業者であ
れば知っている。好ましくは、短いオリゴヌクレオチドプローブを用いるハイブリダイゼ
ーションは、低いから中程度の厳密性で実施される。GCリッチプローブ若しくはプライ
マー又はもっと長いプローブ若しくはプライマーの場合には、高厳密性ハイブリダイゼー
ション及び/又は洗浄が好ましい。高厳密性は本明細書では、約0.1×SSCバッファ
ー及び/若しくは約0.1%(w/v)SDS若しくはさらに低い塩濃度において、並び
に/又は少なくとも65℃の温度若しくは同等の条件で実施されるハイブリダイゼーショ
ン及び/又は洗浄であると定義される。特定レベルの厳密性への本明細書での言及は、当
業者には公知のSSC以外の洗浄/ハイブリダイゼーション溶液を使用する同等の条件を
包含する。
本例に従えば、試験試料及び負の対照試料のために生成される断片の差異は対象が新生
物を有することを示している。同様に、対照試料が、腫瘍、がん組織又はがん細胞若しく
は前がん細胞のデータを含む場合、試験試料と対照試料間の類似性は、必ずしも絶対的同
一性ではないとしても、陽性診断(すなわち、がん)を示している。
増幅アッセイフォーマット
別の例では、制限酵素により生成される断片は、たとえば、ポリメラーゼ連鎖反応(P
CR)、ローリングサークル増幅(RCA)、逆ポリメラーゼ連鎖反応(iPCR)、イ
ンサイツPCR(Singer-Sam et al., Nucl. Acids Res. 18:687, 1990)、鎖置換増幅(
SDA)又はサイクリングプローブ技術などの増幅システムを使用して検出される。
PCRの方法は当技術分野では公知であり、たとえば、McPherson et al., PCR: A Pra
ctical Approach. (series eds, D. Rickwood and B. D. Hames), IRL Press Limited, O
xford. pp 1-253, 1991により、及びDieffenbach (ed) and Dveksler (ed) (In: PCR Pri
mer: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbour Laboratories, NY, 1995)により記載
されており、前記内容はそれぞれが参照によりその全体を組み込まれている。一般に、P
CRでは、少なくとも約18ヌクレオチド長、さらに好ましくは少なくとも20〜30ヌ
クレオチド長を含む2つの非相補的核酸プライマー分子は、核酸鋳型分子の異なる鎖にそ
のそれぞれのアニーリング部位でハイブリダイズされ、アニーリング部位に介在する鋳型
の特定の核酸分子コピーは酵素的に増幅される。増幅産物は、たとえば、電気泳動及び核
酸に結合する検出可能マーカーを用いる検出を使用して検出し得る。代わりに、オリゴヌ
クレオチドのうちの1つ又は複数は検出可能なマーカー(たとえば、フルオロフォア)で
標識され、増幅産物は、たとえば、ライトサイクラー(Perkin Elmer、We
llesley、Mass.、USA;Roche Applied Science、
Indianapolis、IN、USA)を使用して検出される。
鎖置換増幅(SDA)は、オリゴヌクレオチドプライマー、DNAポリメラーゼ及び制
限エンドヌクレアーゼを利用して標的配列を増幅する。オリゴヌクレオチドは標的核酸に
ハイブリダイズされ、ポリメラーゼを使用してプライマーアニーリング部位に介在する領
域のコピーを生成する。次に、コピーされた核酸と標的核酸の二重鎖は、コピーされた核
酸の始まりの配列を特異的に認識するエンドヌクレアーゼで切れ目が入れられる。DNA
ポリメラーゼは切れ目を入れられたDNAを認識し、同時に標的領域の別のコピーを生成
して、すでに生成されている核酸を置換する。SDAの利点は、それが等温フォーマット
で起こり、それによってハイスループット自動分析を促進することである。
サイクリングプローブ技術は、標的配列にハイブリダイズすることができるDNA−R
NA−DNAを含むキメラ合成プライマーを使用する。標的配列にハイブリダイズすると
、形成されたRNA−DNA二重鎖はリボヌクレアーゼHの標的となり、それによってプ
ライマーを切断する。次に、切断されたプライマーは、たとえば、質量分析又は電気泳動
により検出される。
メチル化感受性エンドヌクレアーゼ認識部位に隣接する又は近接しているプライマーで
は、そのようなプライマーは新生物において高度メチル化されている部位のみに隣接して
確実に診断増幅産物が生成されるようにすることが好ましい。この点に関して、増幅産物
は制限部位が切断されない場合、すなわち、制限部位がメチル化される場合のみ生成され
ることになる。したがって、増幅産物の検出は対象のCpGジヌクレオチド(複数可)が
メチル化されていることを示している。
当業者には公知であるように、増幅産物の正確な長さは、プライマー間の距離に応じて
変動する。明らかに、それぞれのジヌクレオチドがメチル化感受性制限エンドヌクレアー
ゼ部位の中に存在すれば、この形式の分析を使用して複数のCpGジヌクレオチドのメチ
ル化状態を確定し得る。これらの方法では、プライマーのうちの1つ又は複数を検出可能
なマーカー、たとえば、蛍光標識(たとえば、Cy5又はCy3)又は放射性同位元素(
たとえば、32P)で標識して、増幅された核酸の急速検出を促進し得る。
増幅された核酸は、一般に、たとえば、未変性アガロースゲル電気泳動、未変性ポリア
クリルアミドゲル電気泳動、質量分析、液体クロマトグラフィー(たとえば、HPLC又
はdHPLC)又はキャピラリー電気泳動(たとえば、MALDI−TOF)を使用して
分析される。たとえば、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間(MALDI
−TOF)、エレクトロスプレーイオン化(ESI)、質量分析(タンデム質量分析、た
とえば、LC MS/MSを含む)、バイオセンサー技術、エバネッセントファイバーオ
プティックス技術又はDNAチップ技術(たとえば、国際公開第98/49557号パン
フレット;国際公開第96/17958号パンフレット;Fodor et al., Science 767-77
3, 1991;米国特許第5,143,854号及び米国特許第5,837,832号、これ
ら文献の内容はすべてが参照により本明細書に組み込まれる)などのハイスループット検
出法は、本明細書に記載されるすべてのアッセイフォーマットのために特に好ましい。代
わりに、核酸の増幅は、本明細書及び/又はたとえば、米国特許第6,174,670号
に記載される融解曲線分析法を使用して絶えずモニターし得る(前記特許文献は参照によ
り本明細書に組み込まれる)。
(c)他のアッセイフォーマット
別の例では、試料におけるメチル化の増加は、核酸が消化されるのに十分な条件下で核
酸を含有するクロマチンを一定量のデオキシリボヌクレアーゼIで処理し、次に生成され
た断片を検出することを含むプロセスを実施することにより決定される。このアッセイフ
ォーマットは、メチル化されたDNA、たとえば、高度メチル化されたDNAを含有する
クロマチンは、非高度メチル化DNAよりも密に閉ざされた立体構造を有し、結果として
、デオキシリボヌクレアーゼIによるエンドヌクレアーゼ消化に感受性が低いという理解
に基づいている。
この方法に従えば、長さの異なるDNA断片は、非メチル化DNAと比べたメチル化さ
れたDNAのデオキシリボヌクレアーゼI消化により生成される。そのような異なったD
NA断片は、たとえば、以前記載されたアッセイを使用して検出される。代わりに、DN
A断片は、基本的には、たとえば、Gregory and Feil, Nucleic Acids Res., 27, e32i-e
32iv, 1999に記載されているPCR−SSCPを使用して検出される。PCR−SSCP
を本発明に適応させる際、新生物試料ではデオキシリボヌクレアーゼI消化に抵抗性であ
るが健康な/正常な対照又は健康な/正常な試験試料ではデオキシリボヌクレアーゼI消
化に抵抗性ではない核酸中の1つ又は複数のCpGジヌクレオチドに隣接する又は含む増
幅プライマーを使用して、デオキシリボヌクレアーゼI生成される断片を増幅する。この
場合、デオキシリボヌクレアーゼIを使用した特定の核酸断片の生成は新生物の診断に役
立つ。なぜならば、DNAは効率的には分解されないからである。これとは対照的に、健
康な/正常な対象試料由来の鋳型DNAはデオキシリボヌクレアーゼIの作用により分解
され、結果として、増幅は別々の増幅産物を生成することができない。たとえば、PCR
−dHPLCなどのPCR−SSCPに代わる方法も当技術分野では公知であり、本発明
により企図されている。
(d)非メチル化DNAの選択的変異誘発
別の方法では、試料中のメチル化の増加は、変異誘発を誘導するのに十分な条件下でC
pGジヌクレオチド内の非メチル化シトシン残基を選択的に変異させる一定量の化合物で
核酸を処理することを含むプロセスを使用して決定される。
たとえば、亜硫酸水素の塩、たとえば、亜硫酸水素ナトリウム又は亜硫酸水素カリウム
などの好ましい化合物はシトシンをウラシル又はチミジンに変異させる(Frommer et al.
, 1992、上記参照)。DNAの亜硫酸水素塩処理は、CpGジヌクレオチド内にはない又
はメチル化を受けないCpGジヌクレオチド内に位置するシトシン残基を含む、メチル化
により保護されないシトシン残基を変異させることにより、メチル化されたシトシン残基
を非メチル化シトシン残基と区別することが知られている。
配列ベースの検出
一例では、1つ若しくは複数の変異ヌクレオチドの存在又は変異配列の数は変異DNA
の塩基配列決定により決定される。一形態の分析は、本明細書に記載される増幅反応、た
とえば、PCRを使用して変異核酸を増幅することを含む。次に、増幅された産物は直接
塩基配列決定される又はクローニングされ、クローニングされた産物は塩基配列決定され
る。DNAを塩基配列決定するための方法は当技術分野では公知であり、たとえば、ジデ
オキシ連鎖終止法又はマクサムギルバート法が含まれる(Sambrook et al., Molecular C
loning, A Laboratory Manual (2nd Ed., CSHP, New York 1989) 又はZyskind et al., R
ecombinant DNA Laboratory Manual, (Acad. Press, 1988)参照)。
たとえば、亜硫酸水素塩などの化合物で核酸を処理することにより非メチル化シトシン
がウラシル(したがって、増幅過程後にチミジン)に変異されるので、配列の分析により
メチル化されたヌクレオチドの存在又は非存在が決定される。たとえば、対照試料若しく
は亜硫酸水素塩で処理されていない試料を使用して得られる配列又は対象の領域の既知の
ヌクレオチド配列を処理された試料と比較することにより、ヌクレオチド配列の差異の検
出が促進される。対照又は未処理の試料と比べられた処理された試料におけるシトシンの
部位で検出されたどんなチミン残基も、亜硫酸水素塩処理の結果としての変異により引き
起こされると見なし得る。亜硫酸水素塩処理された核酸の塩基配列決定を使用するメチル
化の検出に適した方法は、たとえば、Frommer et al., 1992、上記参照又はClark et al.
, Nucl. Acids Res. 22:2990-2997, 1994に記載されている。
別の方法では、亜硫酸水素塩処理された試料における変異した又は非変異ヌクレオチド
の存在は、たとえば、Uhlmann et al., Electrophoresis, 23: 4072-4079, 2002に記載さ
れているなどのピロシーケンスを使用して検出される。基本的に、この方法は、メチル化
されているシトシンの部位に隣接する又は近い部位にハイブリダイズするプライマーを使
用するリアルタイム塩基配列決定の一種である。DNAポリメラーゼの存在下でのプライ
マーと鋳型のハイブリダイゼーションに続いて、4種の改変されたデオキシヌクレオチド
三リン酸のそれぞれがあらかじめ決められた分配順に従って別々に付加される。亜硫酸水
素塩処理された試料に相補的である付加されるヌクレオチドのみが組み込まれ、無機ピロ
リン酸(PPi)が遊離される。次に、PPiは反応を推進し、検出可能レベルの光を発
生する。そのような方法により、プライマーのハイブリダイゼーション部位に隣接する特
定のヌクレオチドの種類を決定することができる。
固相ピロシーケンスの方法は当技術分野では公知であり、たとえば、Landegren et al.
, Genome Res., 8(8): 769-776, 1998に概説されている。そのような方法により、いくつ
かのCpGジヌクレオチドのメチル化のハイスループット検出が可能になる。
亜硫酸水素塩処理されたヌクレオチドの配列を決定するための関連する方法は、メチル
化感受性一塩基プライマー伸長(Me−SnuPE)又はSNaPmethである。適切
な方法は、たとえば、Gonzalgo and Jones, 1997、上記参照又はUhlmann et al., Electr
ophoresis, 23:4072-4079, 2002に記載されている。メチル化されているシトシンの部位
に隣接する核酸の領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドが使用される。次に、こ
のオリゴヌクレオチドは、ポリメラーゼ及び亜硫酸水素塩処理に続いてこの部位に存在す
る考えられる塩基(すなわち、チミン又はシトシン)のうちのどちらか又はいずれにでも
一致する遊離のヌクレオチド二リン酸又はジデオキシヌクレオチド三リン酸を用いるプラ
イマー伸長プロトコールにおいて使用される。好ましくは、ヌクレオチド−二リン酸は検
出可能なマーカー(たとえば、フルオロフォア)で標識される。プライマー伸長に続いて
、非結合の標識されたヌクレオチド二リン酸は、たとえば、サイズ排除クロマトグラフィ
ー若しくは電気泳動を使用して取り除かれる、又はたとえば、アルカリホスファターゼを
使用して加水分解され、標識されたヌクレオチドのオリゴヌクレオチドへの取り込みが検
出され、前記部位に存在する塩基が示される。
明らかに、他のハイスループット塩基配列決定法は本発明に包含されている。そのよう
な方法には、たとえば、固相ミニシークエンシング(たとえば、Southern et al., Genom
ics, 13:1008-1017, 1992に記載されている)、又はFRETを用いるミニシークエンシ
ング(たとえば、Chen and Kwok, Nucleic Acids Res. 25:347-353, 1997に記載されてい
る)が含まれる。
制限エンドヌクレアーゼベースのアッセイフォーマット
一方法では、非変異配列の存在は、基本的にXiong and Laird, 2001、上記参照に記載
されている組合せ亜硫酸水素塩制限分析(COBRA)を使用して検出される。この方法
は、非メチル化シトシン残基を選択的に変異させる化合物、たとえば、亜硫酸水素塩を用
いた処理後メチル化された核酸と非メチル化核酸間の制限酵素認識部位の差異を利用する
亜硫酸水素塩処理に続いて、メチル化され制限エンドヌクレアーゼ認識配列に含まれる
1つ又は複数のCpGジヌクレオチドを含む対象の領域は、本明細書に記載される増幅反
応、たとえば、PCRを使用して増幅される。次に、増幅産物を、切断が起こるのに十分
な時間及び条件下で、CpGジヌクレオチドの部位で切断する制限酵素に接触させる。制
限部位はメチル化の存在又は非存在を示すように選択され得る。たとえば、制限エンドヌ
クレアーゼTaqIは配列TCGAを切断するが、非メチル化核酸の亜硫酸水素塩処理に
続いて、配列はTTGAになり、結果として、切断されなくなる。次に、消化及び/又は
未消化核酸は、たとえば、電気泳動及び/又は質量分析などの、当技術分野で公知の検出
手段を使用して検出される。核酸の切断又は非切断は対象におけるがんを示している。明
らかに、この方法は、がんの診断のための陽性読出し又は陰性読出しシステムにおいて用
い得る。
陽性読出しアッセイフォーマット
一実施形態では、本発明のアッセイフォーマットは、たとえば、亜硫酸水素塩で処理さ
れた試料由来のDNAが陽性シグナルとして検出される陽性読出しシステムを含む。好ま
しくは、健康な又は正常な対照対象由来の非高度メチル化DNAは検出されない又は微弱
にしか検出されない。
好ましい実施形態では、対象試料におけるメチル化の増加は、
(i)変異誘発を誘導するのに十分な条件下で非メチル化シトシン残基を選択的に変異さ
せる一定量の化合物で核酸を処理し、それによって変異核酸を生成するステップ、
(ii)非変異核酸への選択的ハイブリダイゼーションが起こるような条件下でメチル化
されたシトシン残基を含む配列に相補的であるヌクレオチド配列を含むプローブ又はプラ
イマーに核酸をハイブリダイズさせるステップ、及び
(iii)選択的ハイブリダイゼーションを検出するステップ
を含むプロセスを使用して決定される。
この状況では、用語「選択的ハイブリダイゼーション」は、非変異核酸へのプローブ又
はプライマーのハイブリダイゼーションが、対応する変異配列への同じプローブ又はプラ
イマーのハイブリダイゼーションよりも高い頻度若しくは速度で起こる、又は高い最大反
応速度を有することを意味する。好ましくは、プローブ又はプライマーは、使用される反
応条件下では変異(複数可)を担持する非メチル化配列にはハイブリダイズしない。
ハイブリダイゼーションベースのアッセイフォーマット
一実施形態では、ハイブリダイゼーションは、サザン、ドットブロット、スロットブロ
ット又は他の核酸ハイブリダイゼーション手段を使用して検出される(Kawai et al., 19
94、上記参照;Gonzalgo et al., 1997、上記参照)。適切なプローブ選択を条件として
、そのようなアッセイフォーマットは、本明細書において上に一般的に記載されており、
現在記載されている選択的変異誘発アプローチを準用する。
好ましくは、リガーゼ連鎖反応フォーマットを用いて、変異と非変異核酸の区別をする
。リガーゼ連鎖反応(EP320,308及び米国特許第4,883,750号に記載さ
れている)は、標的核酸に並置されるように標的核酸にアニールする少なくとも2つのオ
リゴヌクレオチドプローブを使用する。リガーゼ連鎖反応アッセイでは、標的核酸は、診
断プローブが実質的に標的核酸のみに結合したままである条件下で、標的配列、たとえば
、1つ又は複数のメチル化されたCpGジヌクレオチド(複数可)を含む核酸の診断部分
に相補的である第一のプローブ(診断プローブ)、及び診断部分に近接しているヌクレオ
チド配列に相補的である第二のプローブ(近接プローブ)にハイブリダイズされる。診断
及び近接プローブは、ハイブリダイゼーションの厳密性を調整して標的へのその選択的ハ
イブリダイゼーションが可能になるように、長さが異なり及び/又は異なる融解温度を有
することができ、融解温度が高いほうのプローブはより高い厳密性でハイブリダイズされ
、未結合及び/又は非選択的に結合したプローブを洗浄して取り除くことに続いて融解温
度が低いほうのもう一方のプローブはより低い厳密性でハイブリダイズされる。次に、診
断プローブと近接プローブは、たとえば、T4 DNAリガーゼを使用してなどの共有結
合的にライゲートされて、それによって標的配列に相補的であるより大きな標的プローブ
を生成し、ライゲートされないプローブはハイブリダイゼーション厳密性を変更すること
により取り除かれる。この点に関して、ライゲートされなかったプローブは、ライゲート
されたプローブよりも低い厳密性ハイブリダイゼーション条件下で選択的にハイブリダイ
ズすることになる。したがって、長いほうのプローブを、好ましくは、ライゲーションに
続いて短いほうのプローブにより与えられる増加した長さに起因するより高い厳密性でハ
イブリダイズさせるのに使用される厳密性と少なくとも同じくらいの高さの厳密性までハ
イブリダイゼーションの厳密性を高めることが可能である。
別の例では、標的−プローブ二重鎖を溶解し、解離したプローブを溶出し、標識(複数
可)について試験することにより、標的配列の存在又は非存在を試験することができるよ
うに、プローブのうちの1つ又は両方は標識される。両方のプローブが標識される場合、
異なるリガンドを使用してライゲートされたプローブと非ライゲートプローブの区別を可
能にし、その場合、同じ溶出画分中に両方のプローブが存在すればライゲーション事象が
確認される。標的核酸が、たとえば、サザンハイブリダイゼーション、スロットブロット
、ドットブロット、又はマイクロチップアッセイフォーマットにおいて固体マトリックス
に結合しているならば、診断と近接プローブの両方の存在は直接決定することが可能であ
る。
メチル化特異的マイクロアレイ(MSO)も変異と非変異配列を区別するのに有用であ
る。適切な方法は、たとえば、Adorjan et al. Nucl. Acids Res., 30: e21, 2002に記載
されている。MSOでは、変異と非変異核酸の両方を増幅させる増幅反応のための鋳型と
して、非メチル化シトシン残基を選択的に変異させる化合物(たとえば、亜硫酸水素塩)
で処理されている核酸が使用される。増幅は、たとえば、フルオロフォア、たとえば、C
y3又はCy5などの検出可能標識を含む少なくとも1つのプライマーを用いて実施され
る。
変異核酸の検出のためのマイクロアレイを生成するために、オリゴヌクレオチドは、た
とえば、グラススライド上に、好ましくはある程度重複してスポットされる(たとえば、
Golub et al., Science, 286:531-537, 1999に記載されている)。好ましくは、分析され
るCpGジヌクレオチドごとに、2つの異なるオリゴヌクレオチドが使用される。それぞ
れのオリゴヌクレオチドは、CpGジヌクレオチドのメチル化又は非メチル化状態を反映
する配列N−16CGN−16又はN−16TGN−16(Nは対象のCpGジ
ヌクレオチドに隣接している又は並置しているヌクレオチドの数である)を含む。
次に、標識された増幅産物は一塩基差異の検出を可能にする条件下、マイクロアレイ上
でオリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせる。洗浄して未結合増幅産物を取り除くこと
に続いて、ハイブリダイゼーションは、たとえば、マイクロアレイスキャナーを使用して
検出される。この方法は、多数のCpGジヌクレオチドのメチル化状態を決定することを
可能にするだけではなく、半定量的でもあり、分析されるそれぞれのCpGジヌクレオチ
ドでメチル化の程度を決定することが可能である。1つの試料においてメチル化のある程
度の不均一性が存在し得るので、そのような定量化はがんの診断に役立ち得る。
増幅ベースのアッセイフォーマット
別の例では、ハイブリダイゼーションは、増幅システムを使用して検出される。メチル
化特異的PCRフォーマットでは(MSP;Herman et al. Proc. Natl. Acad. Sci. USA
93:9821-9826, 1992)、ハイブリダイゼーションは亜硫酸水素塩処理されたDNAを増
幅することを含むプロセスを使用して検出される。したがって、中程度及び/又は高厳密
性条件下で非変異配列に特異的にアニールする1つ又は複数のプローブ又はプライマーを
使用することにより、増幅産物はメチル化されたヌクレオチドを含む試料のみを使用して
生成される。亜硫酸水素塩処理されたDNAの混合物からのメチル化された又は非メチル
化成分の選択的増幅のために提供される別のアッセイは、Cottrell et al., Nucl. Acids
Res. 32: e10, 2003(HeavyMethyl PCR)、Rand et al. Nucl. Acids R
es. 33:e127, 2005(Headloop PCR)、Rand et al. Epigenetics 1:94-100,
2006(Bisulfite Differential Denaturation
PCR)及びPCT/AU07/000389(End−specific PCR)に
より提供される。
たとえば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、ローリングサークル増幅(RCA)、逆
ポリメラーゼ連鎖反応(iPCR)、インサイツPCR(Singer-Sam et al., 1990、上
記参照)、鎖置換増幅又はサイクリングプローブ技術などの、本明細書に記載されるいず
れの増幅アッセイフォーマットも使用することが可能である。PCR技法は、遺伝子変異
の検出(Kuppuswamy et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:1143-1147, 1991)及び対
立遺伝子特異的発現の定量化(Szabo and Mann, Genes Dev. 9: 3097-3108, 1995;及びS
inger-Sam et al., PCR Methods Appl. 1: 160-163, 1992)のために開発された。そのよ
うな技法は、PCR生成された鋳型にアニールし、アッセイされる単一ヌクレオチドの5
’で直ちに終結する内部プライマーを使用する。そのようなフォーマットは本明細書の上
に記載されるリガーゼ連鎖反応と容易に組み合わされる。リアルタイム定量的アッセイフ
ォーマットの使用も有用である。適切なプライマーを選択することを条件として、そのよ
うなアッセイフォーマットは本明細書の上に一般的に記載されており、現在記載されてい
る選択的変異誘発アプローチを準用する。
メチル化特異的融解曲線分析(基本的に、Worm et al., Clin. Chem., 47:1183-1189,
2001に記載されている)も本発明により企図されている。このプロセスは、亜硫酸水素塩
処理されたメチル化された又は非メチル化核酸を使用して生成される増幅産物における融
解温度の差異を利用する。基本的に、亜硫酸水素塩処理された試料の非差別的増幅が、二
本鎖DNAに特異的に結合する蛍光色素(たとえば、SYBR Green I)の存在
下で実施される。蛍光をモニターしながら増幅産物の温度を増加することにより、融解特
性及びしたがって増幅産物の配列が決定される。蛍光の減少は、増幅産物における少なく
ともドメインの融解を反映する。蛍光が減少する温度は、増幅された核酸のヌクレオチド
配列を示しており、それによって1つ又は複数のCpGジヌクレオチドの部位のヌクレオ
チドを、本発明を使用して増幅される核酸の配列として決定することができる。
本発明は、この実施例を実施するために、たとえば、TaqMan(Holland et al.,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88:7276-7280, 1991; Lee et al., Nucleic Acid Res. 21
:3761-3766, 1993)などのリアルタイム定量型のPCRの使用も包含している。たとえば
、Eads et al., Nucl. Acids Res. 28: E32, 2000のMethylLight法では、修
正されたTaqManアッセイを使用して、CpGジヌクレオチドのメチル化を検出する
。基本的に、この方法は、核酸試料を亜硫酸水素塩で処理し、増幅反応、たとえば、PC
Rを使用して、新生物細胞ではメチル化されているが対照試料ではメチル化されていない
1つ又は複数のCpGジヌクレオチドを含む核酸を増幅させるステップを含む。増幅反応
は、3つのオリゴヌクレオチド、対象の領域に隣接するフォワード及びリバースプライマ
ー並びに前記2つのプライマー間で1つ又は複数のメチル化されたCpGジヌクレオチド
の部位にハイブリダイズするプローブの存在下で実施される。プローブは、5’蛍光レポ
ーター及び3’クエンチャー(又は逆にして)で二重に標識される。プローブが無傷の場
合、クエンチャー色素はその近接のせいでレポーターの蛍光を吸収する。PCR産物への
アニーリングに続いて、プローブは、たとえば、Taq DNAポリメラーゼの5’から
3’までのエキソヌクレアーゼ活性により切断される。この切断により、レポーターはク
エンチャーから放出され、それによって最初の鋳型メチル化レベルを推定するのに使用す
ることができる増大した蛍光シグナルを生じる。非変異核酸(すなわち、メチル化された
核酸)に選択的にハイブリダイズするプローブ又はプライマーを使用することにより、た
とえば、標準曲線を使用してメチル化のレベルが決定される。
代わりに、切断を必要とする標識されたプローブを使用するのではなく、たとえば、分
子ビーコンなどのプローブが使用される(たとえば、Mhlanga and Malmberg, Methods 25
:463-471, 2001参照)。分子ビーコンは、ステムループ構造を有する一本鎖核酸分子であ
る。ループ構造は、新生物試料ではメチル化されているが対照試料ではメチル化されてい
ない1つ又は複数のCpGジヌクレオチドを囲む領域に相補的である。ステム構造は、プ
ローブ(ループ)のどちら側にもある、互いに相補的な2本の「アーム」をアニールする
ことにより形成される。蛍光部分は一方のアームに結合しており、分子ビーコンが標的配
列に結合していないときにはいかなる検出可能な蛍光も抑制する消光部分はもう一方のア
ームに結合している。ループ領域がその標的核酸に結合すると、アームは分離され蛍光が
検出可能になる。しかし、単一の塩基ミスマッチでさえ、試料において検出される蛍光の
レベルを著しく変える。したがって、特定の塩基の存在又は非存在は、検出される蛍光の
レベルにより決定される。そのようなアッセイは、核酸における1つ又は複数の非変異部
位(すなわち、メチル化されたヌクレオチド)の検出を促進する。
蛍光的に標識されたロックド核酸(LNA)分子又は蛍光的に標識されたタンパク質−
核酸(PNA)分子は、ヌクレオチド差異の検出に有用である(たとえば、Simeonov and
Nikiforov, Nucleic Acids Research, 30(17):1-5, 2002)。LNA及びPNA分子は、
核酸、特にDNAに高親和性で結合する。LNA又はPNAプローブにコンジュゲートし
たフルオロフォア(特に、ローダミン又はヘキサクロロフルオレセイン)は、標的核酸に
前記プローブがハイブリダイズすると著しく大きなレベルで蛍光を発する。しかし、一つ
のヌクレオチドミスマッチでも存在すると、蛍光の増加レベルは同一レベルにまで増強さ
れなくなる。したがって、試料において検出される蛍光の程度は、メチル化されたCpG
ジヌクレオチドにおける変異シトシンの存在下などのLNA又はPNAプローブと標的核
酸間のミスマッチの存在を示している。好ましくは、蛍光的に標識されたLNA又はPN
A技術を使用して、たとえば、当技術分野で公知の及び/又は本明細書に記載される増幅
法を使用してすでに増幅されている核酸における少なくとも一塩基変化を検出する。
当業者には明らかになるように、LNA又はPNA検出技術は、Orum et al., Clin. C
hem. 45:1898-1905, 1999に記載されるように、LNA又はPNAプローブを固体支持体
に固定化することにより、1つ又は複数のマーカーのハイスループット検出を受け入れる
ことができる。
代わりに、たとえば、いわゆるHeavyMethylアッセイ(Cottrell et al., 2
003、上記参照)などのリアルタイムアッセイを使用して、試験試料における核酸のメチ
ル化の存在又はレベルを決定する。基本的に、この方法では、メチル化特異的な形で亜硫
酸水素塩処理された核酸に結合する1つ又は複数の非伸長可能核酸(たとえば、オリゴヌ
クレオチド)ブロッカーが使用される(すなわち、ブロッカー(複数可)は中程度から高
厳密性条件下で未変異DNAに特異的に結合する)。増幅反応は、任意選択でメチル化特
異的であってもよいが1つ又は複数のブロッカーに隣接する1つ又は複数のプライマーを
使用して実施される。非メチル化核酸(すなわち、非変異DNA)の存在下で、ブロッカ
ー(複数可)は結合し、PCR産物は生成されない。基本的に上に記載される通りにTa
qManアッセイを使用して、試料における核酸のメチル化レベルが決定される。
非メチル化シトシン残基を選択的に変異させる化合物を用いた処理に続いてメチル化さ
れた核酸を検出するための他の増幅ベースの方法には、たとえば、メチル化特異的一本鎖
立体構造分析(MS−SSCA)(Bianco et al., Hum. Mutat., 14:289-293, 1999)、
メチル化特異的変性勾配ゲル電気泳動(MS−DGGE)(Abrams and Stanton, Method
s Enzymol., 212:71-74, 1992)及びメチル化特異的変性高速液体クロマトグラフィー(
MS−DHPLC)(Deng et al. Chin. J. Cancer Res., 12:171-191, 2000)が含まれ
る。これらの方法のそれぞれで、ヌクレオチド配列及び/又は二次構造における差異に基
づいて増幅産物における核酸差異を検出するための異なった技法が使用される。そのよう
な方法は、明らかに本発明により企図されている。
他の増幅ベースのアッセイフォーマットの場合と同じように、増幅産物は、ゲル電気泳
動、ゲル濾過、質量分析を含む様々な手法を使用して、標識されたプライマーの場合には
、増幅産物における標識を同定することにより、分析される、別の実施形態では、亜硫酸
水素塩変換されたDNAから増幅されるPCR産物の制限酵素消化は、基本的に、Sadri
and Hornsby, Nucl. Acids Res. 24:5058-5059, 1996;及びXiong and Laird, Nucl. Acid
s Res. 25:2532-2534, 1997により記載される通りに実施されて、形成される産物を分析
する。
たとえば、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間(MALDI−TOF)
、エレクトロスプレーイオン化(ESI)、質量分析(タンデム質量分析、たとえば、L
C MS/MSを含む)、バイオセンサー技術、エバネッセントファイバーオプティクス
技術又はDNAチップ技術などのハイスループット検出法を用いることも可能である。
ハイブリダイゼーション及び/又は増幅検出システムを利用する本明細書に記載される
その他のアッセイフォーマットの場合と同じように、本明細書において上に記載されるよ
うなプロセスの組合せは、本発明の選択的変異誘発ベースのアッセイフォーマットにより
特に企図されている。一例では、
(i)変異誘発を誘導するのに十分な条件下でCpGジヌクレオチド内の非メチル化シト
シン残基を選択的に変異させる一定量の化合物で核酸を処理し、それによって変異された
核酸を生成するステップ、
(ii)非変異核酸へのハイブリダイゼーションが起こるような条件下で、メチル化され
たシトシン残基を含むDNAにおける配列に相補的であるヌクレオチド配列をそれぞれが
含む2つの非重複及び非相補的プライマーに核酸をハイブリダイズさせるステップ、
(iii)ハイブリダイズされたプライマーに介在する核酸を増幅させ、それによってプ
ライマー配列を含む配列からなるDNA断片を生成するステップ、
(iv)非変異核酸へのハイブリダイゼーションが起こるような条件下でメチル化された
シトシン残基を含む配列に一致する又は相補的であるヌクレオチド配列を含むプローブに
増幅されたDNA断片をハイブリダイズさせるステップ、及び前記ハイブリダイゼーショ
ンを検出するステップ、
を含むプロセスを実施することによりメチル化の増加が検出される。
陰性読出しアッセイ
別の例では、アッセイフォーマットは、健康な/正常な対照試料由来のDNAのメチル
化の減少が陽性シグナルとして検出され、好ましくは、新生物試料由来のメチル化された
DNAが検出されない又は微弱にしか検出されない陰性読出しシステムを含む。
好ましい実施形態では、
(i)変異誘発を誘導するのに十分な条件下でCpGアイランド内の非メチル化シトシン
残基を選択的に変異させる一定量の化合物で核酸を処理し、それによって変異された核酸
を生成するステップ、
(ii)変異核酸への選択的ハイブリダイゼーションが起こるような条件下で、変異シト
シン残基を含む配列に相補的であるヌクレオチド配列を含むプローブ又はプライマーに核
酸をハイブリダイズさせるステップ、及び
(iii)前記選択的ハイブリダイゼーションを検出するステップ
を含むプロセスを使用して、メチル化の減少は決定される。
この状況では、用語「選択的ハイブリダイゼーション」は、変異核酸へのプローブ又は
プライマーのハイブリダイゼーションが、対応する非変異配列への同一プローブ又はプラ
イマーのハイブリダイゼーションよりも高い頻度で若しくは速度で起こる、又は高い最高
反応速度を有することを意味する。好ましくは、前記プローブ又はプライマーは、使用さ
れる反応条件下ではメチル化された配列(又は非変異配列)にはハイブリダイズしない。
ハイブリダイゼーションベースのアッセイフォーマット
一実施形態では、ハイブリダイゼーションは、サザン、ドットブロット、スロットブロ
ット又は他の核酸ハイブリダイゼーション手段を使用して検出される(Kawai et al., 19
94、上記参照;Gonzalgo et al., 1997、上記参照)。適切なプローブ選択を条件として
、そのようなアッセイフォーマットは、本明細書において上に一般的に記載されており、
現在記載されている選択的変異誘発アプローチを準用する。好ましくは、リガーゼ連鎖反
応フォーマットを用いて、非変異と変異核酸の区別をする。この点に関して、アッセイ要
件及び条件は陽性読出しアッセイについて本明細書において上に記載されている通りであ
り、現在のフォーマットを準用する。しかし、プローブの選択は異なることになる。陰性
読出しアッセイでは、非変異配列ではなく変異配列に選択的にハイブリダイズする1つ又
は複数のプローブが選択される。
好ましくは、CpGジヌクレオチドのシトシンがチミジンに変異される場合、たとえば
、非メチル化シトシン残基の場合にのみ、診断プローブ及び近接プローブがライゲートさ
れることができるように、リガーゼ連鎖反応プローブ(複数可)は、健康な対照試料では
メチル化されていないが、癌では高度メチル化されているCpGジヌクレオチドを含む3
’端部及び/又は5’端部配列を有する。
当業者には明らかになるように、上に記載されるMSO法は陽性及び/又は陰性読出し
アッセイのどちらか又は両方を受け入れられる。これは、記載されるアッセイが変異と非
変異配列の両方を検出し、それによってメチル化のレベルを決定することを促進するから
である。しかし、メチル化された又は非メチル化配列のみを検出するアッセイは本発明に
より企図されている。
増幅ベースのアッセイフォーマット
別の例では、ハイブリダイゼーションは、変異核酸に選択的にハイブリダイズするプラ
イマー(及び適用可能な場合はプローブ)を使用しているのもかかわらず、陽性読出しア
ッセイのために本明細書において上に記載される任意の増幅アッセイフォーマットを使用
する増幅システムを使用して検出される。
上に記載されるHeavyMethylアッセイを陰性読出しフォーマットに適応する
際に、亜硫酸水素塩処理された核酸にメチル化特異的な形で結合するブロッカーは、中程
度から高厳密性条件下で変異DNAに特異的に結合する。増幅反応は、任意選択でメチル
化特異的であってもよい(すなわち、変異核酸のみに結合する)が1つ又は複数のブロッ
カーに隣接する1つ又は複数のプライマーを使用して実施される。メチル化された核酸(
すなわち、変異DNA)の存在下で、ブロッカー(単数/複数)は結合し、PCR産物は
生成されない。
一例では、
(i)変異誘発を誘導するのに十分な条件下で非メチル化シトシン残基を選択的に変異さ
せる一定量の化合物で核酸を処理して、それによって変異核酸を生成するステップ、
(ii)変異核酸へのハイブリダイゼーションが起こるような条件下で、変異シトシン残
基を含むDNA中の配列に相補的であるヌクレオチド配列をそれぞれが含む2つの非重複
及び非相補的プライマーに核酸をハイブリダイズさせるステップ、
(iii)ハイブリダイズしたプライマーに介在する核酸を増幅させそれによってプライ
マー配列を含む配列からなるDNA断片を生成するステップ、
(iv)変異核酸へのハイブリダイゼーションが起こるような条件下で、変異シトシン残
基を含む配列に一致する又は相補的であるヌクレオチド配列を含むプローブに増幅された
DNA断片をハイブリダイズさせるステップ、並びに
(v)前記ハイブリダイゼーションを検出するステップ
を含むプロセスを実施することにより正常な/健康な対照対象におけるメチル化の減少が
検出される。
当業者には明らかになるように、陰性読出しアッセイは好ましくは、確実に陰性結果が
反応の失敗ではなくメチル化された核酸により引き起こされるように適切な対照試料を含
む。
本発明は、本明細書に記載される方法を使用する、本発明の診断配列又はその発現若し
くはメチル化の検出及び/又は定量化のためのキットも提供する。
メチル化の検出のためのキットでは、本発明のキットは、本発明の診断配列のうちの少
なくとも1つにハイブリダイズする少なくとも1つのポリヌクレオチド及び遺伝子メチル
化の検出のための少なくとも1つの試薬を含むことができる。メチル化の検出のための試
薬には、たとえば、亜硫酸水素ナトリウム、バイオマーカー配列がメチル化されていなけ
れば(たとえば、少なくとも1つのC→U変換を含有する)、本発明のバイオマーカー配
列の産物である配列にハイブリダイズするよう設計されたポリヌクレオチド及び/又はメ
チル化感受性若しくはメチル化依存性制限酵素が含まれる。キットは、配列のメチル化又
は非メチル化形態を表す対照の天然又は合成DNA配列も含み得る。キットは、アッセイ
において使用するように構成されるアッセイ器具の形態で固体支持体を提供することがで
きる。キットは、キットにおいて任意選択でポリヌクレオチド(たとえば、プローブ)に
連結されている検出可能な標識をさらに含み得る。試験管、移動ピペット、及び同種のも
のを含む、アッセイの実施に有用な他の材料もキットに含めることが可能である。キット
は、本明細書に記載されるアッセイのいずれにおいてもこれらの試薬のうちの1つ又は複
数の使用のための書面による使用説明書も含むことが可能である。
上文で詳述されているように、高度メチル化は転写サイレンシングに関連している。し
たがって、大腸新生物の素因又は発症についてスクリーニングする基礎を提供するこれら
遺伝子のメチル化レベルの増加に加えて、これら遺伝子の発現レベルの下方調節も診断的
に価値がある。本発明のこの態様に従えば、遺伝子「発現産物」又は「遺伝子の発現」へ
の言及は、転写産物(たとえば、一次RNA又はmRNA)又はタンパク質などの翻訳産
物への言及である。この点に関して、生成される発現産物(すなわち、RNA又はタンパ
ク質)のレベルの変化、遺伝子に会合しているクロマチンタンパク質の変化、たとえば、
アミノ酸位番号9若しくは27のリシン上でのメチル化されたヒストンH3の存在(抑制
的修飾)又はDNAのメチル化の変化などの、発現を下方調節するよう作用するDNAそ
れ自体の変化についてスクリーニングすることにより遺伝子の発現レベルの変化を評価す
ることが可能である。これらの遺伝子及びその遺伝子発現産物は、それがRNA転写物で
あろうと、発現を下方調節するよう作用するDNAの変化であろうと、コードされたタン
パク質であろうと、全体として「新生物マーカー」と呼ばれる。
したがって、本発明の別の態様は、個体において大腸新生物の発症若しくは発症の素因
についてスクリーニングする又はこれをモニターする方法であって、
前記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393
(2)chr7:50344378...50472798
(3)chr6:391739..411443;若しくは
(4)chr12:52400748..52409671;及び
(5)chr6:163834097..163834982;
のうちのいずれか2つ若しくは3つ以上により定義される、転写開始部位の2kb上流を
含む、領域、又は
(ii)(1)BCAT1 (2)IKZF1 (3)IRF4 (4)GRASP及び
(5)CAHM
のうちのいずれか2つ若しくは3つ以上の2kb上流を含む、遺伝子領域
から選択されるDNA領域の発現レベルを評価するステップを含み、
対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の少なくとも1つのより低
い発現レベルが、大腸新生物又は新生物状態の発症の素因を示す、前記方法を対象とする
一実施形態では、前記方法は前記DNA領域のうちのいずれか1つがより高いレベルの
メチル化を示している生体試料を同定することを対象とする。
別の実施形態では、前記方法は前記DNA領域のうちの2つ又は3つ以上がより高いレ
ベルのメチル化を示している生体試料を同定することを対象とする。
本発明のこの態様の方法は、生体試料の新生物マーカーのレベルとこれらのマーカーの
対照レベルとの比較に基づいている。「対照レベル」は、新生物ではない対応する大腸細
胞又は細胞集団により発現されるマーカーのレベルである「正常レベル」でもよい。
上文で詳述されるように、正常(又は「非新生物」)レベルは、試験対象である同じ個
体由来の組織を使用して決定し得る。しかし、これは関係する個体には極めて侵襲的にな
ることがあり、したがって、問題の患者以外の個体から得られる個々の又は集団の結果を
反映する標準結果と比べて試験結果を分析するほうが都合がよい可能性があることは認識
されるであろう。
より詳細には、個体において大腸新生物の発症若しくは発症の素因についてスクリーニ
ングする又はこれをモニターする方法であって、
前記個体由来の生体試料において
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393;及び
(2)chr7:50344378...50472798
並びに場合によって(3)chr6:391739..411443、(4)chr1
2:52400748..52409671及び(5)chr6:163834097.
.163834982のうちの1つ若しくは複数
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1;及び
(2)IKZF1;
並びに場合によって(3)IRF4、(4)GRASP及び(5)CAHM
のうちの1つ若しくは複数の2kb上流を含む、遺伝子領域
から選択される1つ又は複数の遺伝子又は転写物の発現レベルを評価するステップを含み

対照レベルと比べて群(i)及び/又は(ii)のDNA領域の少なくとも1つのより低
い発現レベルが、新生物大腸新生物又は新生物状態の発症の素因を示す、前記方法が提供
される。
好ましくは、前記対照レベルは非新生物レベルである。
本態様の一実施形態では、スクリーニングして探る遺伝子マーカーパネルは、
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393
(2)chr7:50344378...50472798;及び
(3)chr6:391739..411443
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1、(2)IKZF1及び(3)IRF4
の2kb上流を含む、遺伝子領域である。
本態様の別の実施形態では、スクリーニングして探る遺伝子マーカーパネルは、
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393
(2)chr7:50344378...50472798;及び
(4)chr12:52400748..52409671
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1、(2)IKZF1及び(4)GRASP
の2kb上流を含む、遺伝子領域である。
本態様のさらに別の実施形態では、スクリーニングして探る遺伝子マーカーパネルは、
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393
(2)chr7:50344378...50472798;及び
(5)chr6:163834097..163834982
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1、(2)IKZF1及び(5)CAHM
の2kb上流を含む、遺伝子領域である。
本態様のさらに別の一実施形態では、スクリーニングして探る遺伝子マーカーパネルは

(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393
(2)chr7:50344378...50472798
(3)chr6:391739..411443;及び
(4)chr12:52400748..52409671
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1、(2)IKZF1、(3)IRF4及び(4)GRASP
の2kb上流を含む、遺伝子領域である。
本態様のさらに別の一実施形態では、スクリーニングして探る遺伝子マーカーパネルは

(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393
(2)chr7:50344378...50472798
(3)chr6:391739..411443;及び
(5)chr6:163834097..163834982
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1、(2)IKZF1、(3)IRF4及び(5)CAHM
の2kb上流を含む、遺伝子領域である。
本態様のさらなる実施形態では、スクリーニングして探る遺伝子マーカーパネルは、
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393
(2)chr7:50344378...50472798
(4)chr12:52400748..52409671;及び
(5)chr6:163834097..163834982
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1、(2)IKZF1、(4)GRASP及び(5)CAHM
の2kb上流を含む、遺伝子領域である。
本態様のさらに別のさらなる実施形態では、スクリーニングして探る遺伝子マーカーパ
ネルは、
(i)Hg19座標
(1)chr12:24962958..25102393
(2)chr7:50344378...50472798
(3)chr6:391739..411443
(4)chr12:52400748..52409671;及び
(5)chr6:163834097..163834982
により定義される、転写開始部位の2kb上流を含む、DNA領域、又は
(ii)(1)BCAT1、(2)IKZF1、(3)IRF4、(4)GRASP及び
(5)CAHM
の2kb上流を含む、遺伝子領域である。
一実施形態では、前記方法は前記DNA領域のうちのいずれか1つがより高いレベルの
メチル化を示す生体試料を同定することを対象とする。
別の実施形態では、前記方法は前記DNA領域のうちの2つ又は3つ以上がより高いレ
ベルのメチル化を示す生体試料を同定することを対象とする。
上文で詳述されるように、本発明は、大腸に位置している新生物細胞又は細胞集団につ
いてスクリーニングするように設計されている。したがって、「細胞又は細胞集団」への
言及は、個々の細胞又は細胞の群への言及として理解されるべきである。前記細胞の群は
拡散した細胞集団、細胞懸濁液、被包性細胞集団又は組織の形態をとる細胞集団であって
もよい。
「発現」への言及は、核酸分子の転写及び/又は翻訳への言及として理解されるべきで
ある。「RNA」への言及は、一次RNA又はmRNA又は非翻訳RNA(たとえば、m
iRNA、等)などの任意の形態のRNAへの言及を包含すると理解されるべきである。
いかなる点でも本発明を限定することなく、増加した又は減少したRNA合成をもたらす
遺伝子転写のモジュレーションは、タンパク質産物を生成するこれらのRNA転写物の一
部(たとえば、mRNA)の翻訳とも相関していることがある。したがって、本発明は、
細胞又は細胞集団の新生物状態の指標としての新生物マーカータンパク質産物のモジュレ
ートしたレベル又はパターンについてスクリーニングすることを対象とする検出方法論ま
でにも及ぶ。一方法は、mRNA転写物及び/又は対応するタンパク質産物についてスク
リーニングすることであるが、本発明はこの点に関して限定されることはなく、たとえば
、一次RNA転写物などの他の任意の形態の新生物マーカー発現産物についてスクリーニ
ングすることにまで及ぶことは理解されるべきである。
マーカーの発現の下方調節についてスクリーニングする点に関して、DNAレベルで検
出可能である変化は遺伝子発現活性の変化、したがって、発現産物レベルの変化を示して
いることも当業者には周知であろう。そのような変化には、DNAメチル化の変化が含ま
れるが、これに限定されない。したがって、「発現レベルをスクリーニングする」及びこ
れらの「発現レベル」と対照「発現レベル」の比較への本明細書での言及は、遺伝子/D
NAメチル化パターンなどの、転写に関係しているDNA因子を評価することへの言及と
して理解されるべきである。これらのことは、ある程度上文に詳細に説明されている。
クロマチン構造の変化は遺伝子発現の変化を示していることも当業者には公知であろう
。遺伝子発現のサイレンシングは、クロマチンタンパク質の修飾に関連する場合が多く、
ヒストンH3の9位及び27位のどちらか又は両方でのリシンのメチル化はよく研究され
ている例であり、活性なクロマチンはヒストンH3のリシン9のアセチル化を特徴とする
。したがって、遺伝子配列と抑制的又は活性な修飾を担持しているクロマチンの会合を使
用して、遺伝子の発現レベルの評価をすることが可能である。
「核酸分子」への言及は、デオキシリボ核酸分子とリボ核酸分子の両方及びその断片へ
の言及として理解されるべきである。したがって、本発明は、生体試料においてmRNA
レベルについて直接スクリーニングすること又は対象のmRNA集団から逆転写されてい
る相補的cDNAについてスクリーニングすることの両方に及ぶ。DNA又はRNAのど
ちらかについてスクリーニングすることを対象とする方法論を設計することは十分に当業
者の能力の範囲内である。上で詳述されたように、本発明の方法は対象mRNA又はゲノ
ムDNAそれ自体から翻訳されたタンパク質産物についてスクリーニングすることにも及
ぶ。
一好ましい実施形態では、遺伝子発現のレベルはタンパク質産物をコードする遺伝子を
参照することにより測定され、より詳細には、前記発現レベルはタンパク質レベルで測定
される。
別の特に好ましい実施形態では、前記遺伝子発現は、抑制的修飾、たとえば、ヒストン
H3のリシン9又は27のメチル化を担持するクロマチンタンパク質とのDNAの会合に
より評価される。
本発明は、1つ又は複数の生体試料においてタンパク質及び/又は核酸分子の両方を同
定することに基づく検出の方法を包含すると理解されるべきである。対象の新生物マーカ
ーの一部がタンパク質産物をコードしていない遺伝子又は遺伝子断片と一致することがあ
る限りこれは特に重要である場合がある。したがって、こうしたことが起こる限り、タン
パク質について試験するのは可能ではないと考えられ、対象のマーカーは転写発現プロフ
ァイル又はゲノムDNAの変化に基づいて評価しなければならないと考えられる。
用語「タンパク質」は、ペプチド、ポリペプチド及びタンパク質(タンパク質断片を含
む)を包含すると理解されるべきである。タンパク質はグリコシル化されていることもグ
リコシル化されていないこともあり、及び/或いはタンパク質に融合している、連結して
いる、結合している又は他の方法で会合しているアミノ酸、脂質、炭水化物又は他のペプ
チド、ポリペプチド若しくはタンパク質などの広範囲の他の分子を含有していることもあ
る。「タンパク質」への本明細書での言及は、アミノ酸の配列を含むタンパク質並びにア
ミノ酸、脂質、炭水化物又は他のペプチド、ポリペプチド若しくはタンパク質などの他の
分子と会合しているタンパク質を含む。
本発明の新生物マーカーにコードされているタンパク質は、2つ又は3つ以上の分子が
互いに会合していることを意味する多量体形である場合もある。同じタンパク質分子が互
いに会合している場合、その複合体はホモ多量体である。ホモ多量体の例はホモ二量体で
ある。少なくとも1つのマーカータンパク質が少なくとも1つの非マーカータンパク質と
会合している場合、その複合体はヘテロ二量体などのヘテロ多量体である。
「断片」への言及は、対象の核酸分子又はタンパク質の一部への言及として理解すべき
である。対象RNAは腸の環境のせいで分解されている又は他の方法で断片化されている
可能性があるために、大便試料においてモジュレートしたRNAレベルについてスクリー
ニングすることに関してこのことは特に関連する。したがって、実際には対象RNA分子
の断片を検出している場合があり、この断片は適切な特異的プローブを使用することによ
り同定される。
好ましい方法は、新生物発生又はその素因を診断する目的で新生物マーカーの発現産物
又はDNA変化を検出することであるが、前記マーカーのレベルの逆の変化の検出は、あ
る種の状況下では、たとえば、アデノーマ又は腺癌の発生などの新生物状態を調節するこ
とを対象とする治療的又は予防的処置の有効性をモニターするためには望ましいことがあ
る。たとえば、対象マーカーの発現の減少が、個体がアデノーマ又は腺癌発生により特徴
付けられる状態を発症していることを示す場合、たとえば、治療レジメンの開始に続いて
これらのマーカーのレベルの増加についてスクリーニングすることを利用して、対象個体
の状態の回復又は他の形の改善を示し得る。したがって、本発明の方法は、1度限りの検
査として又は新生物発生のリスクがあると考えられる個体の進行中のモニターとして又は
新生物発生を阻害する若しくは他の方法で遅延させることを対象とする治療的若しくは予
防的処置レジメンの有効性のモニターとして有用である。
生体試料において対象の発現された新生物マーカーを評価する手段は、当業者には周知
であると考えられる任意の適切な方法により達成することができる。このために、均一な
細胞集団(たとえば、腫瘍生検又は不均一な出発集団から濃縮された細胞集団)又は組織
切片を調べている限り、インサイツハイブリダイゼーション、マイクロアッセイによる発
現プロファイルの評価、免疫アッセイ及び同類のもの(下文にさらに詳細に記載されてい
る)などの多種多様な技法を利用して、1つ又は複数の対象のマーカーの発現レベルの非
存在又は下方調節を検出し得ることは認識されるであろう。しかし、不均一な細胞集団又
は血液試料などの不均一な細胞集団が見出される体液をスクリーニングしている限り、特
定のマーカーの発現レベルの非存在又は減少は、試料中に存在する非新生物細胞によるマ
ーカーの固有の発現のせいで検出不可能であることもある。すなわち、細胞の亜集団の発
現レベルの減少は検出可能ではないことがある。この状況では、1つ又は複数の本発明の
マーカーの発現レベルの新生物の亜集団における減少を検出するさらに適切な機構は、エ
ピジェネティック変化の検出などの間接的手段を介してである。
遺伝子発現レベルの変化を検出する方法(上文で詳細に記載されているメチル化分析に
加えて)は、特に対象生体試料が多数の非新生物細胞で汚染されていない場合には、
(i)インビボ検出
分子イメージング(Molecular Imaging)は、腸組織におけるマーカ
ーの変更された発現を明らかにすることができるイメージングプローブ又は試薬の投与に
続いて使用し得る。
分子イメージング(Moore et al., BBA, 1402:239-249, 1988; Weissleder et al., Na
ture Medicine 6:351-355, 2000)は、X線、コンピュータ断層撮影(CT)、MRI、
陽電子放射断層撮影(PET)又は内視鏡検査などの「古典的」画像診断法を使用して現
在視覚化されているマクロ特徴と相関している分子発現のインビボイメージングである。
(ii)細胞における蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)による、又は
細胞由来の抽出物における定量的逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(QRTPCR)若し
くは競合的RT−PCR産物のフローサイトメトリー定量化などの技術による、RNA発
現の下方調節の検出(Wedemeyer et al., Clinical Chemistry 48:9 1398-1405, 2002)

(iii)たとえば、アレイ技術によるRNAの発現プロファイルの評価(Alon et al.,
Proc. Natl. Acad. Sci. USA: 96:6745-6750, June 1999)
が含まれるが、これらに限定されない。
「マイクロアレイ」は、好ましくは個別領域を持つ線形の又は多次元アレイであり、そ
れぞれの領域は一定面積を有し、固体支持体の表面上に形成されている。マイクロアレイ
上の個別領域の密度は単一の固相支持体の表面上で検出される標的ポリヌクレオチドの総
数により決定される。本明細書で使用されるように、DNAマイクロアレイは、チップ又
は他の表面上に置かれ標的ポリヌクレオチドを増幅する又はクローニングするのに使用さ
れるオリゴヌクレオチドプローブのアレイである。アレイにおけるそれぞれの特定のプロ
ーブ群の位置は分かっているので、標的ポリヌクレオチドの正体は、マイクロアレイ中の
特定の位置にそれが結合することに基づいて決定することができる。
DNAマイクロアレイ技術により、単一固相支持体上での複数の標的核酸分子の大規模
アッセイを行うことが可能になっている。米国特許第5,837,832(Cheeら)
及び関連特許出願は、試料中の特定の核酸配列のハイブリダイゼーション及び検出のため
のオリゴヌクレオチドプローブのアレイを固定化することを記載している。対象の組織か
ら単離された対象の標的ポリヌクレオチドはDNAチップにハイブリダイズされ、個別の
プローブの位置での標的ポリヌクレオチドのハイブリダイゼーションの好みと程度に基づ
いて特異的配列が検出される。アレイの1つの重要な使用は差次的遺伝子発現の解析にあ
り、その場合異なる細胞又は組織、多くの場合、対象の組織及び対照組織における遺伝子
発現のプロファイルが比較され、それぞれの組織間の遺伝子発現のいかなる違いも同定さ
れる。そのような情報は、発現プロファイルに基づく特定の組織型で発現される遺伝子の
種類の同定及び病状の診断に有用である。
(iv)たとえば、免疫アッセイによる細胞抽出物における変更された新生物マーカータ
ンパク質レベルの測定。
生体試料におけるタンパク質性新生物マーカー発現産物についての試験は、当業者に周
知であるいくつかの適切な方法のうちのいずれか1つにより実施することが可能である。
適切な方法の例には、組織切片、生検標本又は体液試料の抗体スクリーニングが含まれる
が、これに限定されない。抗体ベースの診断法が使用される限り、マーカータンパク質の
存在は、ウェスタンブロッティング、ELISA又はフローサイトメトリー法によるなど
のいくつかの方法で決定し得る。当然、これらには、非競合的種類の並びに従来の競合的
結合アッセイにおける単一部位と二部位の両方又は「サンドイッチ」アッセイが含まれる
。これらのアッセイは、標的への標識された抗体の直接結合も含まれる。
(V)たとえば、免疫組織化学による細胞表面でのタンパク質新生物マーカーの変更され
た発現の決定。
(vi)上記のポイント(iv)及び(v)において詳述された試験に加えて、任意の適
切な機能試験、酵素試験又は免疫学的試験に基づいた変更されたタンパク質発現の決定、
が含まれるが、これらに限定されない。
当業者であれば、常用手順の問題として、特定種の生体試料への所与の方法の適用の妥
当性を決定することができる。
本発明の関連する態様は、
(i)上文に記載されている新生物マーカーDNAのいずれか2つ若しくは3つ以上に一
致するヌクレオチド配列又はそれに少なくとも80%同一性を示す配列を含む核酸分子又
はそのような核酸分子の機能的誘導体、断片、バリアント若しくは相同体、或いは
(ii)中程度厳密性条件の下で(i)の配列のいずれか1つ若しくは複数にハイブリダ
イズすることができるヌクレオチド配列を含む核酸分子又はそのような核酸分子の機能的
誘導体、断片、バリアント若しくは相同体、或いは
(iii)中程度厳密性条件の下で(i)の配列のいずれか2つ若しくは3つ以上にハイ
ブリダイズすることができるヌクレオチド配列を含む核酸プローブ若しくはオリゴヌクレ
オチド又はそのような核酸分子の機能的誘導体、断片、バリアント若しくは相同体、或い

(iv)(i)の核酸分子によりコードされるタンパク質のうちのいずれか2つ若しくは
3つ以上又はその誘導体、断片若しくは相同体に結合することができるプローブ
のうちの複数を含むアレイであって、
(i)〜(iii)の前記マーカー遺伝子又は(iv)のタンパク質の発現レベルが、大
腸由来の細胞又は細胞の亜集団の新生物状態を示す
分子アレイを提供する。
好ましくは、前記パーセント同一性は少なくとも85%、90%、91%、92%、9
3%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%である。
「ハイブリダイゼーション」とは、核酸鎖が塩基対合を通じて相補的鎖に結合するプロ
セスのことである。ハイブリダイゼーション反応は、対象の特定の配列を、その配列が低
濃度で存在する試料中でも同定することができるように、感受性であり選択性であること
が可能である。厳密な条件は、たとえば、プレハイブリダイゼーション及びハイブリダイ
ゼーション溶液中の塩若しくはホルムアミドの濃度により、又はハイブリダイゼーション
温度により定義することができ、当技術分野では周知である。たとえば、厳密性は、下に
詳細に記載されるように、塩の濃度を減少する、ホルムアミドの濃度を増加する、又はハ
イブリダイゼーション温度を上げる、ハイブリダイゼーションの時間を変更することによ
り増加させることができる。別の態様では、本発明の核酸は、本明細書に記載されるよう
に、様々な厳密性条件(たとえば、高、中程度、及び低)下でハイブリダイズするその能
力により定義される。
低厳密性への本明細書での言及は、ハイブリダイゼーションのための少なくとも約0〜
少なくとも約15%v/vのホルムアミド及び少なくとも約1M〜少なくとも約2Mの塩
、並びに洗浄条件のための少なくとも約1M〜少なくとも約2Mの塩を含み包含する。一
般に、低厳密性は、約25〜30℃から約42℃までである。温度は変更して、もっと高
い温度を使用し、ホルムアミドを交換する及び/又は別の厳密性条件を与えてもよい。必
要な場合は、ハイブリダイゼーションのための少なくとも約16%v/v〜少なくとも約
30%v/vのホルムアルデヒド及び少なくとも約0.5M〜少なくとも約0.9Mの塩
、並びに洗浄条件のための少なくとも約0.5M〜少なくとも約0.9Mの塩を含み包含
する中程度の厳密性、又はハイブリダイゼーションのための少なくとも約31%v/v〜
少なくとも約50%v/vのホルムアミド及び少なくとも約0.01M〜少なくとも約0
.15Mの塩、並びに洗浄条件のための少なくとも約0.01M〜少なくとも約0.15
Mの塩を含み包含する高厳密性などの、別の厳密性条件を適用し得る。一般に、洗浄は、
=69.3+0.41(G+C)%で実施される(Marmur and Doty, J. Mol. Biol.
5:109, 1962)。しかし、二重鎖DNAのTは、ミスマッチ塩基対の数が1%増加する
ごとに1℃低下する(Bonner and Laskey, Eur. J. Biochem. 46:83, 1974)。ホルムア
ミドはこれらのハイブリダイゼーション条件では任意選択である。したがって、厳密性の
特に好ましいレベルは以下の通りに定義され:低厳密性は、25〜42℃で、6×SSC
バッファー、0.1%w/v SDS;中程度の厳密性は、20℃〜65℃の範囲の温度
で、2×SSCバッファー、0.1%w/v SDS;高厳密性は、少なくとも65℃の
温度で、0.1×SSCバッファー、0.1%w/v SDSである。
本発明の核酸が高厳密性下でハイブリダイズするその能力により定義される場合、これ
らの条件は約37℃〜42℃の温度で約50%のホルムアミドを含む。一態様では、本発
明の核酸は、約30℃〜35℃で約35%〜25%のホルムアミドでの条件を含む低下し
た厳密性下でハイブリダイズするその能力により定義される。代わりに、本発明の核酸は
、42℃で50%のホルムアルデヒド、5×SSPE、0.3%のSDS、及びcot−
1又はサーモン精子DNA(たとえば、200n/mlの剪断され変性されたサーモン精
子DNA)などの反復配列ブロッキング核酸の条件を含む高厳密性下でハイブリダイズす
るその能力により定義される。一態様では、本発明の核酸は、35℃の下げられた温度で
35%のホルムアミドを含む低下した厳密性条件下でハイブリダイズするその能力により
定義される。
好ましくは、対象プローブは、それが非特異的反応性の発生率を最小限に抑えるレベル
の特異性で向けられる核酸又はタンパク質に結合するように設計される。しかし、あらゆ
る潜在的な交差反応性又は非特異的反応性を取り除くことはできない場合があり、これは
いかなるプローブベースのシステムにおいても固有の制限であることは認識されるであろ
う。
対象タンパク質を検出するのに使用されるプローブに関しては、プローブは抗体及びア
プタマーを含むいかなる適切な形態でもとることが可能である。
核酸又はタンパク質プローブのライブラリー又はアレイは豊富で極めて価値ある情報を
与える。さらに、そのような配列の2つ又は3つ以上のアレイ又はプロファイル(アレイ
の使用から得られる情報)は、結果の試験セットを別の試料又は保存されたキャリブレー
ターなどの基準と比較するために有用なツールである。アレイを使用する際に、個々のプ
ローブは典型的には別々の位置で固定され、結合反応のために反応させておく。集められ
たセットのマーカーと関連しているプライマーは、配列のライブラリーを調製するために
又は他の生体試料からマーカーを直接検出するために有用である。
遺伝子マーカーのライブラリー(又は、ライブラリー中の少なくともいくつかの配列に
一致する物理的に分離された核酸に言及する場合はアレイ)は極めて望ましい特性を示す
。これらの特性は特定の条件に関連しており、調節プロファイルとして特徴付けられる。
ここで呼ばれるプロファイルとは、マーカーが元来由来した組織の診断情報を与える一組
のメンバーのことである。プロファイルは多くの例では寄託配列から作られるアレイ上の
一連のスポットを含む。
特徴的な患者プロファイルは一般にアレイを使用して調製される。アレイプロファイル
は1つ又は複数の他のアレイプロファイル又は他の基準プロファイルと比較される場合が
ある。比較結果は、病状、発生状態、療法に対する受容力に関する豊富な情報及び患者に
ついての他の情報を与えることができる。
本発明の別の態様は、1つ又は複数の新生物マーカーを検出するための1つ又は複数の
作用物質を含む生体試料をアッセイするための診断キット及び前記作用物質による検出を
促進するのに有用な試薬を提供する。たとえば、生体試料を受け取るための追加の手段も
含むことができる。前記作用物質は任意の適切な検出分子でもよい。
本発明は、以下の非限定的実施例を参照することによりさらに説明される。
CAHM:結腸直腸腺癌高度メチル化
シングルプレックスパフォーマンス:
74正常:0.8pg高度メチル化/mL血漿(95%CI:0.2;1.4)
73腺腫:9.1pg高度メチル化/mL血漿(95%CI:−8;27)
73がん:1788高度メチル化/mL血漿(95%CI:231;3344)
CAHMアッセイ(閾値カット3pg/mL血漿)は結腸直腸がんに対して93%特異
性で55%の感度である(図1)。
GRASP:ホスホイノシチド1関連スキャフォールドタンパク質に対する一般受容体
シングルプレックスパフォーマンス:
34正常:1.3pg高度メチル化/mL血漿(95%CI:0.2;2.5)
33腺腫:0.1pg高度メチル化/mL血漿(95%CI:−0.1;0.4)
33がん:670.8pg高度メチル化/mL血漿(95%CI:−470.7;18
12)
GRASPアッセイは、閾値カット20pgメチル化/mL血漿を使用して、結腸直腸
がんに対して100%特異性で58%の感度である(図2)。
IRF4:インターフェロン調節因子4
シングルプレックスパフォーマンス:
24正常:6pg高度メチル化/mL血漿(95%CI:2.9;9.0)
23腺腫:3.7pg高度メチル化/mL血漿(95%CI:−0.4;8.0)
33がん:5340pg高度メチル化/mL血漿(95%CI:−5369;1604
9)
IRF4アッセイは、閾値カット20pgメチル化/mL血漿を使用して、結腸直腸が
んに対して96%特異性で57%の感度である(図3)。
BCAT1:分岐鎖アミノ酸トランスアミナーゼ1、細胞質ゾル
シングルプレックスパフォーマンス要約
14正常:0pg高度メチル化/mL血漿(95%CI:該当なし)
13腺腫:0.4pg高度メチル化/mL血漿(95%CI:−0.4;1.3)
13がん:4088pg高度メチル化/mL血漿(95%CI:−4459;1053
9)
BCAT1アッセイは、閾値カット3pgメチル化/mL血漿を使用して、結腸直腸が
んに対して100%特異性で62%の感度である(図4)。
IKZF1:IKAROSファミリー亜鉛フィンガー1
シングルプレックスパフォーマンス要約
14正常:0pg高度メチル化/mL血漿(95%CI:該当なし)
13腺腫:0pg高度メチル化/mL血漿(95%CI:該当なし)
13がん:113pg高度メチル化/mL血漿(95%CI:−43;270)
IKZF1アッセイは、閾値カット3pgメチル化/mL血漿を使用して、結腸直腸が
んに対して100%特異性で54%の感度である(図4)。
5つの遺伝子のメチル化レベルは同じ14正常、13腺腫及び13がんにおいて測定し
た。下の表は、遺伝子のうちの2つのメチル化を測定した場合、臨床有用性の改善を示し
ている。
Figure 0006975807
5つの遺伝子のうちいずれか3つにおいて測定されるメチル化レベルを組み合わせると

CAHM6pg/mL−GRASP20pg/mL−IRF420pg/mL:77%感
度及び100%特異性
CAHM6pg/mL−GRASP20pg/mL−BCAT3pg/mL:77%感度
及び100%特異性
CAHM6pg/mL−GRASP20pg/mL−IKZF13pgmL:77%感度
及び100%特異性
CAHM6pg/mL−IKZF13pg/mL−BCAT3pg/mL:77%感度及
び100%特異性
GRASP20pg/mL−IKZF13pg/mL−BCAT3pg/mL:85%感
度及び100%特異性
が得られた。
5つの遺伝子すべてからメチル化レベルを組み合わせると、92%感度及び100特異
性が得られる。
GRASP、CAHM、IRF4、IKZF1及びBCAT1の標的にされたアンプリ
コン配列
CAHM MSPアンプリコンの野生型DNA配列は染色体6、プラス鎖上に位置して
いる;163,834,393⇒163,834,455(Hg19)
GAAGGAAGCA TTTCGAGCAC GACTGACGCT CCCCTTATTA TTTGCTAAGC CGCTGCGCTC GGG
GRASP MSPアンプリコンの野生型DNA配列は染色体12、プラス鎖上に位置
している;52,400,886⇒52,400,973(Hg19)
cggaagtcgc gcccgccgct ccggtcccga ccccgggacc ccctgccgca gccgccaccc ctgggccccc agc
ggacgag ctgtacgc
IKZF1 MSPアンプリコンの野生型DNA配列は染色体7、プラス鎖上に位置し
ている;50,343,867⇒50,343,961(Hg19)
gacgacgcac cctctccgtg tcccgctctg cgcccttctg cgcgccccgc tccctgtacc ggagcagcga tcc
gggaggc ggccgagagg tg
BCAT1 MSPアンプリコンの野生型DNA配列は染色体12、マイナス鎖上に位
置している;25,101,992⇒25,102,093(Hg19)
gtcttcctgc tgatgcaatc CGctaggtcg cgagtctccg ccgcgagagg gccggtctgc aatccagccc gcc
acgtgta ctcgccgccg cctcg
IRF4 MSPアンプリコンの野生型DNA配列は染色体6、マイナス鎖上に位置し
ている;392,036⇒392,145(Hg19)
tgggtgcctt ggacggcccc gcctcagcca ctcctggggc cccgacagtc cggttagctc atcccgtcca gct
tgtggcg accccgtcgc aggagcgcgg agggcaggcg
血漿検体中のGRASP、CAHM、IRF4、IKZF1及びBCAT1にわたるメ
チル化レベルを測定するのに使用されるPCRプロトコール
Figure 0006975807
Figure 0006975807
Figure 0006975807
Figure 0006975807
Figure 0006975807
参考文献一覧
Figure 0006975807
Figure 0006975807
Figure 0006975807

Claims (12)

  1. 個体において大腸新生物の発症若しくは発症の素因についてスクリーニングする又はこれをモニターする方法であって、
    前記個体由来の生体試料において、
    (3)IRF4の2kb上流を含む、遺伝子領域と、
    (4)GRASP及び(5)CAHM
    のうちの1つ以上の2kb上流を含む、遺伝子領域と
    のメチル化状態を評価するステップを含み、
    前記生体試料が、血液であり、
    前記遺伝子領域の少なくとも1つのメチル化のレベルが、対照のレベルと対比してより高い場合、当該少なくとも1つのメチル化が、大腸新生物又は大腸新生物状態の発症若しくは発症の素因を示すものであるとし、
    ここで、前記メチル化状態の評価における前記レベルは、前記遺伝子領域ごとに下記表に示されるプライマー対(フォワード及びリバースプライマー)を用いて行った核酸増幅反応のアンプリコン(下記表のアンプリコン配列で示されるもの)の検出量によって求められるものであり、前記対比は、前記生体試料における前記遺伝子領域の各々についてのアンプリコンの検出量を、前記遺伝子領域ごとに得られたアンプリコンの検出量によって予め得られた100%特異性となる閾値と、対比させるものである、
    前記方法。
    Figure 0006975807
  2. 前記個体由来の生体試料において
    (3)IRF4、
    (4)GRASP、
    及び(5)CAHM
    の2kb上流を含む、遺伝子領域
    のメチル化状態を評価するステップを含み、
    前記生体試料が、血液であり、
    対照のレベルと比べて前記遺伝子領域の少なくとも1つのより高いレベルのメチル化が、大腸新生物又は大腸新生物状態の発症若しくは発症の素因を示す、請求項1に記載の方法。
  3. 前記個体由来の生体試料において
    (3)IRF4、
    及び(4)GRASP、
    並びに、場合により(5)CAHM
    の2kb上流を含む、遺伝子領域
    のメチル化状態を評価するステップを含み、
    前記生体試料が、血液であり、
    対照のレベルと比べて前記遺伝子領域の少なくとも1つのより高いレベルのメチル化が、大腸新生物又は大腸新生物状態の発症若しくは発症の素因を示す、請求項1に記載の方法。
  4. 前記個体由来の生体試料において
    (3)IRF4、
    及び(5)CAHM、
    並びに、場合により(4)GRASP
    の2kb上流を含む、遺伝子領域
    のメチル化状態を評価するステップを含み、
    前記生体試料が、血液であり、
    対照のレベルと比べて前記遺伝子領域の少なくとも1つのより高いレベルのメチル化が、大腸新生物又は大腸新生物状態の発症若しくは発症の素因を示す、請求項1に記載の方法。
  5. 前記遺伝子領域のうちのいずれか1つがより高いレベルのメチル化を示す、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記遺伝子領域のうちのいずれか2つ又は3つ以上がより高いレベルのメチル化を示す、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記新生物が腺腫又は腺癌である、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記対照のレベルが非新生物のレベルである、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記新生物が結腸直腸新生物である、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記レベルがゲノムDNAの変化についてスクリーニングすることにより評価される、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記個体がヒトである、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記増幅反応がPCRを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
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