JP2011257744A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】高画質の画像を形成すると共に、耐熱保管性および耐ブロッキング性が得られながら低温定着性が得られ、その上、優れた耐ホットオフセット性および折り目定着性が得られる静電荷像現像用トナーを提供すること。
【解決手段】本発明の静電荷像現像用トナーは、ドメイン・マトリクス構造の結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子よりなるものであって、前記トナー粒子が、体積基準のメディアン径で4.3〜7.0μmのものであり、前記結着樹脂におけるマトリクス相が、スチレン−アクリル系樹脂またはポリエステル系樹脂の重合体から構成され、かつ、前記結着樹脂におけるドメイン相が、ジエン系モノマーに由来する構造単位を含む重合体から構成され、前記ドメイン相の大きさが、フェレ径で50〜300nmであり、前記ドメイン相を構成する重合体のガラス転移温度が、−85〜+35℃の範囲にあることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられる静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)に関する。
近年、地球温暖化防止の観点から、種々の分野で省エネルギー化が検討されており、画像形成装置などの情報機器においても、待機時の省電力化など低エネルギーで使用できるよう取り組みが進められてきており、一方では、最もエネルギーを消費する定着工程において定着温度を低くする検討がなされている。
一般的に、トナーを低温定着に対応するよう設計すると耐ブロッキング性や耐熱保管性に劣るものとなるが、低温定着性と耐ブロッキング性とを両立させるために、例えば特許文献1には、電子写真方式の画像形成に用いるトナーとして、それぞれがスチレン−アクリル共重合体ブロックから構成されるABA型のブロック共重合体を結着樹脂に含むトナーが開示されている。
このようなトナーによれば、定着工程において、例えば紙などの画像支持体上のトナーを加熱溶融したときにブロック共重合体と画像支持体との親和性が高まり、低温定着性と耐ブロッキング性との両方が向上するとされている。
しかしながら、耐熱保管性の観点からブロック共重合体のガラス転移温度の下限には制約があったため、低温定着性の向上の程度は十分とはいえなかった。
また、特許文献2には、低温定着性と、耐熱保管性および耐ブロッキング性とを両立させる技術として、メイン樹脂であるスチレン−アクリル系樹脂にスチレン−ジエン系ブロック共重合体が添加された結着樹脂を含有する懸濁重合トナーが開示されている。
このようなトナーによれば、造粒工程においてスチレン−ジエン系ブロック共重合体がワックスを内包する作用を応用し、定着温度を上昇させることなく、耐ブロッキング性を向上させることができるとされている。
しかしながら、スチレン−ジエン系ブロック共重合体がメイン樹脂に対して均質に分散されないために、ホットオフセット現象が発生するという問題があり、また、折り目定着性が低い、すなわち、得られた定着画像が脆いものとなってこの定着画像を折り畳んだ場合に折り目部分の定着画像が割れて剥がれ落ちるという現象が生じやすい、という問題がある。
一方、トナーの低温定着性と耐熱保管性との両方を向上させる技術として、コア−シェル構造のトナー粒子によるトナーが提案されているが、このようなトナーによっては、耐熱保管性が確保された上で低温定着性がある程度得られるものの、折り目定着性が低い、という問題がある。
また、特許文献3には、低温定着性と耐ブロッキング性とを両立させる技術として、結着樹脂に生ゴムを架橋して得られるゴム状物質を用いるトナーが開示されているが、小粒径化されたトナーにおいては十分な低温定着性が得られなかった。
特開平3−217849号公報 特開平7−181740号公報 特開平8−305079号公報
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、高画質の画像を形成すると共に、耐熱保管性および耐ブロッキング性が得られながら低温定着性が得られ、その上、優れた耐ホットオフセット性および折り目定着性が得られるトナーを提供することにある。
本発明のトナーは、ドメイン・マトリクス構造の結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子よりなる静電荷像現像用トナーであって、
前記トナー粒子が、体積基準のメディアン径で4.3〜7.0μmのものであり、
前記結着樹脂におけるマトリクス相が、スチレン−アクリル系樹脂またはポリエステル系樹脂の重合体から構成され、かつ、前記結着樹脂におけるドメイン相が、ジエン系モノマーに由来する構造単位を含む重合体から構成され、
前記ドメイン相の大きさが、フェレ径で50〜300nmであり、
前記ドメイン相を構成する重合体のガラス転移温度が、−85〜+35℃の範囲にあることを特徴とする。
本発明のトナーにおいては、前記ドメイン相を構成する重合体が、酸モノマーに由来する構造単位を含むものであることが好ましく、特に、酸モノマーがカルボキシル基を有するものであることが好ましい。
また、本発明のトナーにおいては、前記酸モノマーが、前記ジエン系モノマーと共重合体を形成するものであり、
前記酸モノマーの共重合比率が、1〜5質量%であることが好ましい。
本発明のトナーにおいては、前記ドメイン相を構成する重合体がスチレンブタジエンゴムであり、
スチレンとブタジエンの共重合比が、30:70〜50:50であることが好ましい。
本発明のトナーにおいては、前記ドメイン相の大きさが、フェレ径で75〜250nmであることが好ましい。
本発明のトナーにおいては、前記ドメイン相のフェレ径の粒度分布における変動係数が、20%以下であることが好ましい。
本発明のトナーにおいては、前記ドメイン相を構成する重合体のトルエン不溶分の含有割合が、15〜95質量%であることが好ましく、特に、30〜70質量%であることが好ましい。
本発明のトナーにおいては、前記ドメイン相を構成する重合体のトルエン可溶分の質量平均分子量(Mw)が、2万〜150万であることが好ましく、特に、4万〜80万であることが好ましい。
本発明のトナーにおいては、前記ドメイン相を構成する重合体の含有量が、前記マトリクス相を構成する重合体および前記ドメイン相を構成する重合体の合計の0.3〜7.0質量%であることが好ましく、特に、2.5〜4.0質量%であることが好ましい。
本発明のトナーにおいては、前記スチレン−アクリル系樹脂が、スチレン系モノマーおよびアクリル酸系モノマーによるランダム共重合体であることが好ましい。
本発明のトナーにおいては、前記ドメイン相を構成する重合体のガラス転移温度が、−40〜+30℃の範囲にあることが好ましい。
本発明のトナーによれば、基本的に、トナー粒子が特定範囲内の粒径であることにより、高画質の画像が形成されると共に、結着樹脂が、マトリクス相中に特定の重合体よりなるドメイン相が分散された状態のドメイン・マトリクス構造を有することにより、耐熱保管性および耐ブロッキング性が得られながら低温定着性が得られ、その上、優れた耐ホットオフセット性および折り目定着性が得られる。
本発明のトナーにおいて低温定着性が得られる理由は、結着樹脂が、樹脂よりなるマトリクス相中に、ドメイン相としてジエン系モノマーに由来する構造単位を含む重合体、すなわちゴム成分が粒子状に非相溶に導入されたものであることにより、当該結着樹脂に強度および応力緩和特性が付与され、その結果、形成される画像が高い堅牢性を有するものとなるからと考えられる。そして、ドメイン相が特定範囲内の大きさで微分散されることにより、マトリクス相との接触面積が大きいものとなり、その結果、ゴム成分による弾性が有効に発揮されて、トナーが優れた耐ホットオフセット性および折り目定着性を有するものとなると考えられる。
以下、本発明について詳細に説明する。
〔トナー〕
本発明のトナーは、ドメイン・マトリクス構造の結着樹脂および着色剤を含有する粒状のトナー粒子よりなるものである。
本発明において、ドメイン・マトリクス構造とは、連続したマトリクス相中に、閉じた界面(相と相との境界)を有するドメイン相が存在している構造のものをいう。
なお、ドメイン・マトリクス構造の結着樹脂を含有するトナー粒子については、オスミウム染色したトナー粒子断面について透過型電子顕微鏡を用いて観察することにより確認することができる。また、ミクロトームを用いてトナー粒子の切片を切り出す場合においては、切片の厚さを100nmに設定する。
本発明のトナーを構成するトナー粒子は、その体積基準のメディアン径が4.3〜7.0μmのものとされ、より好ましくは4.3〜6.8μmのものとされる。
トナー粒子の体積基準のメディアン径が上記範囲内であることにより、高画質の画像を形成することができる。
トナー粒子の体積基準のメディアン径が4.3μm未満である場合においては、形成される画像ががさついたものとなると共に、トナーの低温定着性を損なうおそれがある。一方、トナー粒子の体積基準のメディアン径が7.0μmを超える場合においては、形成される画像の解像度および中間調の均質性が不十分となるおそれがある。
トナー粒子の体積基準のメディアン径は、「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステムを接続した測定装置を用いて測定・算出されるものである。具体的には、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を調製し、このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒径が体積基準のメディアン径とされる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子は、転写効率の向上の観点から、平均円形度が0.930〜1.000のものであることが好ましく、より好ましくは0.950〜0.995のものである。
トナー粒子の平均円形度については、「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて測定することができる。具体的には、トナーを界面活性剤入り水溶液にてなじませ、超音波分散処理を1分間行って分散させた後、「FPIA−2100」(Sysmex社製)により、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3,000〜10,000個の適正濃度で撮影を行い、個々のトナー粒子について下記式(T)に従って円形度を算出し、各トナー粒子の円形度を加算し、全トナー粒子数で除することにより算出される。
式(T):円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子役影像の周囲長)
本発明のトナーのガラス転移温度は、耐熱保管性および耐ブロッキング性と、低温定着性とを両立させる観点から、20〜62℃であることが好ましく、より好ましくは30〜50℃である。
トナーのガラス転移温度が過度に低い場合においては、トナーが十分な耐ブロッキング性を有さず、保管時にトナー同士の凝集が発生しやすくなるおそれがあり、一方、ガラス転移温度が過度に高い場合においては、トナーが溶融しにくく低温定着性を有さないものとなるおそれがある。
トナーのガラス転移温度については、示差走査カロリメーター「DSC8500」(パーキンエルマー社製)を用いて測定することができる。具体的には、トナー4.5mgを小数点以下2桁まで精秤し、アルミニウム製パンに封入して、DSC−7サンプルホルダーにセットする。リファレンスは、空のアルミニウム製パンを使用し、測定温度0〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分にて、Heat−Cool−Heatの温度制御を行い、その2nd.Heatにおけるデータを基に解析を行う。第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1の吸熱ピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間における最大傾斜を示す接線との交点の値をガラス転移温度とする。
本発明のトナーの軟化点温度は、80〜110℃であることが好ましく、より好ましくは90〜105℃である。
トナーの軟化点温度が過度に低い場合においては、定着工程においてホットオフセット現象が生じやすくなるおそれがあり、一方、軟化点温度が過度に高い場合においては、形成される画像が十分な定着強度を有さないおそれがある。
トナーの軟化点温度については、具体的には、20℃、50%RHの環境下において、トナー1.1gをシャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、成型器「SSP−10A」(島津製作所製)により3820kg/cm2 の力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作成し、次いで、この成型サンプルを、24℃、50%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒間、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット温度Toffsetをトナーの軟化点温度として、測定することができる。
〔結着樹脂〕
本発明のトナーを構成するトナー粒子に含有されるドメイン・マトリクス構造の結着樹脂は、樹脂(以下、「マトリクス樹脂」という。)よりなるマトリクス相中に、特定の重合体よりなるドメイン相が粒子状に分散された状態のものである。
(ドメイン相)
ドメイン・マトリクス構造の結着樹脂におけるドメイン相は、ジエン系モノマーに由来する構造単位を含む特定の重合体(以下、「ドメイン樹脂」ともいう。)から構成される。
ドメイン相は、ジエン系モノマーに由来する構造単位を含む重合体、すなわちゴム成分よりなるものである。
ジエン系モノマーに由来する構造単位を含む重合体としては、共役ジエン系単量体から得られる共重合体または単独共重合体が挙げられる。
共役ジエン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、2−クロル1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエンなどが挙げられる。これらの中でも、定着強度を確保する観点から、特にブタジエンが好ましい。
ドメイン樹脂としては、具体的には、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IR)を用いることができる。これらの中でも、スチレンブタジエンゴム(SBR)を用いることが好ましく、この場合、スチレンとブタジエンの共重合比は、30:70〜50:50であることが好ましい。
ドメイン相の大きさは、フェレ径で50〜300nmとされ、より好ましくは75〜250nmとされる。
ドメイン相の大きさが上記範囲内であることにより、マトリクス樹脂との接触面積が十分に得られ、ゴム成分であるドメイン樹脂による弾性が有効に発揮されて、トナーが優れた耐ホットオフセット性および折り目定着性を有するものとなる。
ドメイン相の大きさがフェレ径で50nm未満である場合においては、ゴム成分であるドメイン樹脂による弾性が有効に発揮されず、トナーが優れた折り目定着性を有するものとならない。一方、ドメイン相の大きさがフェレ径で300nmを超える場合においては、トナーが十分な耐ブロッキング性を有するものとならない。
ドメイン相の大きさは、例えば、後述するトナーの製造方法における(2)ドメイン樹脂微粒子分散液調製工程において、ドメイン樹脂の微粒子の粒径を調整することにより、制御することができる。
また例えば、後述するドメイン樹脂を形成すべき酸モノマーの導入量を調整することにより、制御することもできる。特に、酸モノマーとしてカルボキシル基を有するものを用いる場合においては、トナー粒子の形成時のpHの作用によりドメイン相の大きさ(フェレ径)を微細化することができ、かつ、ドメイン相をマトリクス相中において均一に分散させることができるため好ましい。
本発明において、ドメイン相の大きさは、具体的には、トナー粒子の薄片を作製し、この薄片の断面について透過型電子顕微鏡を用いて倍率1万倍の写真を撮影し、ドメイン相100個について水平方向フェレ径を測定してその算術平均値を算出することにより得られるものである。
また、ドメイン相のフェレ径の粒度分布における変動係数は、20%以下であることが好ましい。変動係数が20%以下であることにより、添加するドメイン樹脂が少量である場合においても、トナーが耐熱保管性を有しながら低温定着性を有し、さらに優れた折り目定着性を有するものとなる。
なお、変動係数はドメイン相のフェレ径の相対的なばらつきを示す指標であり、下記式(CV)により算出されるものである。
式(CV):変動係数(%)=(S2/K2)×100
〔式(CV)中において、S2はドメイン相100個の水平方向フェレ径の標準偏差を示し、K2はドメイン相100個の水平方向フェレ径の算術平均値を示す。〕
ドメイン樹脂のガラス転移温度は、−85〜+35℃の範囲とされ、より好ましくは−40〜+30℃の範囲とされる。
ドメイン樹脂のガラス転移温度が上記範囲内であることにより、トナーが優れた折り目定着性を有するものとなる。特に、ドメイン樹脂のガラス転移温度が−40〜+30℃の範囲内である場合においては、トナーの転写性が優れ、さらには中間調の画像における粒状性が良好となる傾向にある。
ドメイン樹脂のガラス転移温度が−85℃未満である場合においては、トナーが十分な耐ブロッキング性を有さず、十分な耐熱保管性の有するものとならない。一方、ドメイン樹脂のガラス転移温度が+35℃を超える場合においては、トナーが十分な低温定着性を有するものとならない。
ドメイン樹脂のガラス転移温度は、先端に加熱機能を有するサーマルプローブを用いた局所熱解析システムを用いて測定されるものである。具体的には、予め液体窒素などにより冷却した測定用試料(トナー粒子)を局所熱解析システム「ナノサーマルアナリシスシステム(Nano−TA)」(日本サーマル・コンサルティング社製)を用いて測定する。
すなわち、平滑に切り出した測定用試料の測定部位(ドメイン相に対応する部位)にサーマルプローブを接触させて、当該サーマルプローブの温度を上昇させたときに、侵入深さに対応するDeflection電圧が、上昇から下降へ転ずる温度をガラス転移温度として測定する。
ドメイン樹脂のトルエン不溶分の含有割合は、15〜95質量%であることが好ましく、より好ましくは30〜70質量%である。
ドメイン樹脂のトルエン不溶分の含有割合が上記範囲内であることにより、トナーが低温定着性を阻害せず耐ホットオフセット性および折り目定着性を有するものとなる。
ドメイン樹脂のトルエン不溶分は、所定量の測定用試料を所定量のトルエンに20時間浸漬し、その後、120メッシュの金網で濾過し、得られる残存固形分の測定用試料に対する質量%により算出することができる。
ドメイン樹脂としては、特に、酸モノマーに由来する構造単位を含むものが好ましい。ドメイン樹脂が酸モノマーに由来する構造単位を含むものであるとは、具体的には、ドメイン相を構成するドメイン樹脂を形成すべき重合性単量体に、酸モノマーが用いられて解離性基が導入されたものをいう。解離性基としては、製造の安定性からカルボキシル基が好ましい。このような構成であることにより、マトリクス樹脂中にドメイン樹脂が均質に分散されるので、ドメイン相の粒度分布がシャープとなることにより、得られるトナーの改質効果が高くなり、さらに、マトリクス樹脂として好適に用いられるスチレン−アクリル系樹脂やポリエステル系樹脂とドメイン樹脂との親和性が向上することにより、形成される画像がより高い定着強度を有するものとなる。
酸モノマーとしては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸などの不飽和1価カルボン酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、テトラヒドロフタル酸、アコニット酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水グルタコン酸、無水シトラコン酸、無水アコニット酸、ノルボルネンジカルボン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物などの不飽和多価カルボン酸などが挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中でも、アクリル酸、メタクリル酸を用いることが特に好ましい。
ここで、ドメイン樹脂に酸モノマーに由来する構造単位を導入する方法としては、ジエン系モノマーと酸モノマーとを共重合する方法が好ましいが、例えばアクリル酸ブチルなどのアクリル酸アルキルエステルをジエン系モノマーと共重合した後、塩酸などにより加水分解し、アクリル酸に変換する方法を用いることもできる。
なお、酸モノマーの共重合比率は、例えば1〜5質量%であることが好ましい。酸モノマーの共重合比率が上記範囲内であることにより、ゴム成分であるドメイン樹脂による微粒子間の凝集を抑制することができる。
ドメイン樹脂のトルエン可溶分の質量平均分子量(Mw)は、十分な定着可能温度幅と折り目定着性を得る観点から、2万〜150万であることが好ましく、より好ましくは4万〜80万である。
ドメイン樹脂のトルエン可溶分の質量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算として測定することができる。具体的には、装置「HLC−8220」(東ソー社製)およびカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2mL/minで流し、測定用試料(ドメイン樹脂のトルエン可溶分)を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mLになるようにテトラヒドロフランに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記キャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、測定用試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出される。検量線測定用のポリスチレンとしては10点用いる。
本発明のトナーにおいて、ドメイン樹脂の含有量は、マトリクス樹脂およびドメイン樹脂の合計の0.3〜7.0質量%であることが好ましく、より好ましくは2.5〜4.0質量%である。
ドメイン樹脂の含有量が上記の極少量の範囲内であることにより、トナーが低温定着性を有しながら十分な耐ブロッキング性を有するものとなる。一方、ドメイン樹脂の含有量が過多である場合は、トナーが十分な耐ブロッキング性を有するものとならないおそれがある。また、ドメイン樹脂の含有量が過少である場合は、トナーが十分な低温定着性を有するものとならず、また、十分な折り目定着性が得られず、さらに、ホットオフセット現象が発生するおそれがある。
(マトリクス相)
ドメイン・マトリクス構造の結着樹脂におけるマトリクス相は、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂の重合体から構成される。
スチレン−アクリル系樹脂としては、少なくともスチレン系モノマーおよびアクリル酸系モノマーを含む重合性単量体によるランダム共重合体であることが好ましい。
マトリクス樹脂を形成するべき重合性単量体としては、スチレン−アクリル系樹脂を形成するためのスチレン系モノマーとして、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレンあるいはスチレン誘導体が挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、スチレン−アクリル系樹脂を形成するためのアクリル酸系モノマーとして、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル誘導体などが挙げられる。これらは1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、ポリエステル系樹脂を形成するべき多価カルボン酸として、2価以上のカルボン酸、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸などのジカルボン酸類;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸類;トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの酸無水物、あるいは酸塩化物などの3価以上のカルボン酸類などを挙げることができる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ポリエステル系樹脂を形成するべき多価アルコールとして、2価以上のアルコール、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−ブチレンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタングリコール、1,6−ヘキサングリコール、1,7−ヘプタングリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ピナコール、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールZ、水素添加ビスフェノールAなどのジオール類;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどの3価以上の多価脂肪族アルコール類;上記3価以上の多価脂肪族アルコール類のアルキレンオキサイド付加物などを挙げることができる。これらは、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
マトリクス樹脂のガラス転移温度は、23〜58℃の範囲にあることが好ましい。
マトリクス樹脂のガラス転移温度が過度に低い場合においては、トナーが十分な耐ブロッキング性を有さず、保管時にトナー同士の凝集が発生しやすいものとなるおそれがあり、一方、マトリクス樹脂のガラス転移温度が過度に高い場合においては、トナーが十分な低温定着性を有するものとならないおそれがある。
マトリクス樹脂のガラス転移温度は、ドメイン樹脂のガラス転移温度よりも2〜122℃以上高いことが好ましい。これは、トナーが溶融されて定着される際に、低温側においてトナーの粘弾性が低下するため、低温側における定着性能の向上をもたらしていると推察されるからである。
マトリクス樹脂のガラス転移温度は、上述したドメイン樹脂のガラス転移温度の測定方法において、測定部位をマトリクス相に対応する部位に変更したことの他は同様にして測定することができる。
〔着色剤〕
本発明のトナーを構成するトナー粒子に含有される着色剤としては、一般に知られている染料および顔料を用いることができる。
黒色のトナーを得るための着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、染料、複合酸化鉄顔料などの公知の種々のものを任意に使用することができる。
また、カラーのトナーを得るための着色剤としては、染料、有機顔料などの公知の種々のものを任意に使用することができる。
各色のトナーを得るための着色剤は、各色について、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
着色剤の含有割合は、トナー中に1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量%である。着色剤の含有量がトナー中に1質量%未満である場合は、トナーが着色力の不足したものとなるおそれがあり、一方、着色剤の含有量がトナー中の10質量%を超える場合は、着色剤の遊離やキャリアなどへの付着が発生し、帯電性に影響を与える場合がある。
本発明のトナーを構成するトナー粒子中においては、結着樹脂および着色剤の他に、必要に応じて離型剤や荷電制御剤などの内添剤が含有されていてもよい。
〔離型剤〕
本発明に係るトナー粒子に用いられる離型剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックスなどを挙げることができる。
トナー中における離型剤の含有割合は、結着樹脂100質量部に対して通常0.5〜25質量部とされ、好ましくは3〜15質量部とされる。
〔荷電制御剤〕
本発明に係るトナー粒子に用いられる荷電制御剤としては、金属錯体、アンモニウム塩、カリックスアレーンなどの公知の種々の化合物を用いることができる。
トナー中における荷電制御剤の含有割合は、結着樹脂100質量部に対して通常0.1〜10質量部とされ、好ましくは0.5〜5質量部とされる。
〔外添剤〕
本発明のトナーを構成するトナー粒子は、そのままトナーとして用いることができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー粒子に、いわゆる流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加した状態で使用してもよい。
流動化剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化銅、酸化鉛、酸化アンチモン、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、チタン酸バリウム、フェライト、ベンガラ、フッ化マグネシウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ケイ素、窒化ジルコニウム、マグネタイト、ステアリン酸マグネシウムなどよりなる無機微粒子などが挙げられる。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、トナー粒子の表面への分散性向上、環境安定性向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
クリーニング助剤としては、例えば、ポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子などが挙げられる。
外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
これらの外添剤の添加量は、その合計の添加量がトナー中に好ましくは0.1〜20質量%とされる。
〔現像剤〕
本発明のトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなる分散型キャリアなど用いてもよい。
キャリアの体積基準のメディアン径は15〜100μmであることが好ましく、より好ましくは20〜80μmである。キャリアの体積基準のメディアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
好ましいキャリアとしては、磁性粒子の表面が樹脂により被覆されている樹脂被覆キャリア、樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアを挙げることができる。樹脂被覆キャリアを構成する樹脂としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂、フッ素含有重合体系樹脂などが挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
(トナーの製造方法)
本発明のトナーを製造する方法としては、特に限定されないが、ドメイン樹脂を均質にマトリクス樹脂に分散させるという観点から、ドメイン樹脂の微粒子(以下、「ドメイン樹脂微粒子」ともいう。)と、マトリクス樹脂の微粒子(以下、「マトリクス樹脂微粒子」ともいう。)とを凝集、融着させる乳化重合会合法が好ましい。
本発明のトナーを製造する方法の一例を下記に具体的に示す。
(1)水系媒体中に、マトリクス樹脂微粒子が分散されてなる分散液Aを調製するマトリクス樹脂微粒子分散液調製工程。
(2)水系媒体中に、ドメイン樹脂微粒子が分散されてなる分散液Bを調製するドメイン樹脂微粒子分散液調製工程。
(3)水系媒体中に、着色剤の微粒子(以下、「着色剤微粒子」ともいう。)が分散されてなる分散液Cを調製する着色剤微粒子分散液調製工程。
(4)分散液A〜Cを混合する分散液混合工程。
(5)マトリクス樹脂微粒子、ドメイン樹脂微粒子および着色剤微粒子を水系媒体中で塩析、凝集、融着させてトナー粒子を形成する塩析、凝集、融着工程。
(6)トナー粒子の分散系(水系媒体)からトナー粒子を濾別し、当該トナー粒子から界面活性剤などを除去する濾過、洗浄工程。
(7)洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程。
(8)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する外添剤添加工程。
本発明において、水系媒体とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランを例示することができ、得られる樹脂を溶解しないアルコール系有機溶媒が好ましい。
<工程(1):マトリクス樹脂微粒子分散液調製工程>
分散液Aにおけるマトリクス樹脂微粒子は、乳化重合法により製造されることが好ましい。
乳化重合法においては、マトリクス樹脂を形成するべき重合性単量体を水系媒体中に分散させて乳化粒子(油滴)を形成した後、重合開始剤を投入して重合性単量体を重合させることにより形成される。
(重合開始剤)
マトリクス樹脂微粒子分散液調製工程において使用される重合開始剤としては、水溶性の重合開始剤であれば適宜のものを使用することができる。重合開始剤の具体例としては、例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなど)、アゾ系化合物(4,4’−アゾビス4−シアノ吉草酸およびその塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩など)、パーオキシド化合物などが挙げられる。
(連鎖移動剤)
マトリクス樹脂微粒子分散液調製工程においては、マトリクス樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えば2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタンおよびスチレンダイマーなどを挙げることができる。
マトリクス樹脂微粒子は、組成の異なる樹脂よりなる2層以上の構成とすることもでき、この場合、常法に従った乳化重合処理(第1段重合)により調製した樹脂微粒子の分散液に、重合開始剤と重合性単量体とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する方法を採用することもできる。
<工程(2):ドメイン樹脂微粒子分散液調製工程>
分散液Bにおけるドメイン樹脂微粒子は、乳化重合法またはミニエマルション重合法により製造することができる。
乳化重合法においては、ドメイン樹脂を形成するべき重合性単量体を水系媒体中に分散させて乳化粒子(油滴)を形成した後、重合開始剤を投入して重合性単量体を重合させることにより形成される。
また、分散液Bにおけるドメイン樹脂微粒子は、ドメイン樹脂を構成する特定の重合体を予め作製した後、界面活性剤水溶液中において分散して乳化する方法により製造することもできる。
ドメイン樹脂微粒子分散液調製工程において使用される重合開始剤としては、マトリクス樹脂微粒子分散液調製工程において使用することができるものと同様のものを挙げることができる。
また、ドメイン樹脂微粒子分散液調製工程において連鎖移動剤を用いる場合に、連鎖移動剤としては、マトリクス樹脂微粒子分散液調製工程において使用することができるものと同様のものを挙げることができる。
ドメイン樹脂微粒子分散液調製工程において得られる分散液Bにおけるドメイン樹脂微粒子の粒径は、体積基準のメディアン径で75〜250nmの範囲内にあることが好ましい。
ドメイン樹脂微粒子の体積基準のメディアン径は、メスシリンダーに試料を数滴滴下し、純水を加えて超音波洗浄機「US−1」(as one社製)を用いて分散させ測定用試料を作製し、この測定用試料について「マイクロトラックUPA−150」(日機装社製)を用いて測定することができる。
ドメイン樹脂微粒子の体積基準のメディアン径が過小である場合においては、ドメイン樹脂微粒子によるドメイン相を十分な大きさのものにすることができず、その結果、ゴム成分であるドメイン樹脂による弾性が有効に発揮されないトナーが製造されるおそれがある。一方、ドメイン樹脂微粒子の体積基準のメディアン径が過大である場合においては、ドメイン樹脂微粒子によるドメイン相が過度の大きさのものとなり、その結果、十分な耐ブロッキング性が得られないトナーが製造されるおそれがある。
なお、ドメイン樹脂微粒子1個〜複数個により、ひとつのドメイン相が形成されるものと考えられる。
<工程(3)着色剤微粒子分散液調製工程>
着色剤微粒子分散液調製工程において得られる着色剤微粒子の粒径は、体積基準のメディアン径で例えば10〜300nmの範囲内にあることが好ましい。なお、体積基準のメディアン径は、「マイクロトラックUPA−150」(日機装社製)を用いて測定することができる。
本発明に係るトナー粒子に含有される内添剤は、例えば工程(4)の前に内添剤のみよりなる内添剤微粒子の分散液を調製し、工程(4)において分散液A〜Cと共に当該内添剤微粒子の分散液を混合し、工程(5)においてマトリクス樹脂微粒子、ドメイン樹脂微粒子、着色剤微粒子と共に内添剤微粒子を凝集させることにより、トナー中に導入することができる。
また例えば、工程(1)においてマトリクス樹脂微粒子をマトリクス樹脂と内添剤とを分子レベルで混在させたものとしてこれを用いることによりトナー中に導入することもできる。マトリクス樹脂と内添剤とが分子レベルで混在されたマトリクス樹脂微粒子は、当該マトリクス樹脂を形成すべき重合性単量体に予め内添剤を溶解させておき、内添剤を含有した重合性単量体を重合させることにより、作製することができる。
<工程(4):分散液混合工程>
この分散液混合工程においては、マトリクス樹脂微粒子の分散液Aを例えばpH7.5〜11の弱アルカリ性に調整した状態において、当該マトリクス樹脂微粒子の分散液Aに対してドメイン樹脂微粒子の分散液Bを加えることが好ましい。
この分散液混合工程においては、凝集系における各微粒子を安定に分散させるために、界面活性剤を加えてもよい。
(界面活性剤)
この分散液混合工程において界面活性剤を使用する場合の界面活性剤としては、特に限定されずに公知の種々のものを用いることができるが、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アリールアルキルポリエーテルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩;ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウムなどの硫酸エステル塩;オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウムなどの脂肪酸塩などのイオン性界面活性剤を好適なものとして例示することができる。
また、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドとポリエチレンオキサイドの組み合わせ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸とのエステル、アルキルフェノールポリエチレンオキサイド、高級脂肪酸とポリエチレングリコールとのエステル、高級脂肪酸とポリプロピレノキサイドとのエステル、ソルビタンエステルなどのノニオン性界面活性剤も使用することができる。
以上の界面活性剤は、所望に応じて、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
<工程(5):塩析、凝集、融着工程>
この塩析、凝集、融着工程においては、凝集剤を添加すると共に昇温することにより、凝集が開始される。
(凝集剤)
この塩析、凝集、融着工程において使用する凝集剤としては、例えばアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を挙げることができる。凝集剤を構成するアルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウムなどが挙げられ、凝集剤を構成するアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられる。これらのうち、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが好ましい。前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の対イオン(塩を構成する陰イオン)としては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオンなどが挙げられる。
<工程(6):濾過、洗浄工程〜工程(8):外添剤添加工程>
これらの工程は、一般的に行われる公知の乳化重合会合法における濾過、洗浄工程、乾燥工程、外添剤添加工程に従って行うことができる。
〔画像形成方法〕
本発明のトナーは、一般的な電子写真方式による画像形成方法に用いることができる。
本発明によれば、トナー粒子が特定範囲内の粒径であることにより、高画質の画像が形成されると共に、結着樹脂が、マトリクス相中に特定の重合体よりなるドメイン相が分散された状態のドメイン・マトリクス構造を有することにより、耐熱保管性および耐ブロッキング性が得られながら低温定着性が得られ、その上、優れた耐ホットオフセット性および折り目定着性が得られる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔マトリクス樹脂微粒子の分散液の調製例1〕
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム8質量部およびイオン交換水3000質量部を添加し、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら内温を80℃に昇温した。昇温後、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させてなる重合開始剤溶液を添加し、液温を80℃に調整した。
次いで、
スチレン 480質量部
n−ブチルアクリレート 250質量部
メタクリル酸 68質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 16質量部
よりなる重合性単量体混合液を反応容器に1時間かけて滴下後、80℃にて2時間加熱、撹拌して重合を行い、樹脂微粒子(1H)の分散液を調製した。
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム7質量部をイオン交換水800質量部に溶解させた溶液を添加した。反応容器を98℃に加熱後、上記樹脂微粒子(1H)の分散液260質量部と、
スチレン 245質量部
n−ブチルアクリレート 120質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 1.5質量部
よりなる重合性単量体混合液をそのまま添加し、循環経路を有する機械式分散機「CLEAMIX」(エム・テクニック(株)製)を用いて1時間混合分散させて乳化粒子(油滴)を含有する分散液を調製した。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させてなる重合開始剤溶液を添加し、82℃の温度下で1時間加熱撹拌して重合を行い、樹脂微粒子(1HM)の分散液を調製した。
さらに、樹脂微粒子(1HM)の分散液に過硫酸カリウム11質量部をイオン交換水400質量部に溶解させてなる重合開始剤溶液を添加し、82℃の温度下で
スチレン 435質量部
n−ブチルアクリレート 130質量部
メタクリル酸 33質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 8質量部
よりなる重合性単量体溶液を、1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたって加熱撹拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却することにより、マトリクス樹脂微粒子〔A−1〕の分散液を得た。得られたマトリクス樹脂微粒子〔A−1〕のガラス転移温度を以下の方法により測定した。マトリクス樹脂微粒子〔A−1〕のガラス転移温度は37℃であった。
<マトリクス樹脂の原材料としてのガラス転移温度>
マトリクス樹脂微粒子について、その分散液を凍結乾燥させて、乾燥させた測定用試料4.5mgを小数点以下2桁まで精秤し、アルミニウム製パンに封入して、示差走査カロリメーター「DSC8500」(パーキンエルマー社製)のサンプルホルダーにセットした。リファレンスは、空のアルミニウム製パンを使用し、測定温度0〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分にて、Heat−Cool−Heatの温度制御を行い、その2nd.Heatにおけるデータを基に解析を行った。第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1の吸熱ピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間における最大傾斜を示す接線との交点の値をガラス転移温度とした。
〔マトリクス樹脂微粒子の分散液の調製例2〕
加熱乾燥した三口フラスコに、下記原料を投入した後、窒素ガスにより不活性雰囲気下において、機械撹拌することにより、180℃で5時間還流を行った。その後、反応系内に生成した水を減圧蒸留にて留去しながら、240℃まで昇温した。さらに、240℃で3時間脱水縮合反応を継続したところでGPC(ゲルパーミエーション・クロマトグラフィー)にて分子量を測定し、質量平均分子量が27,000となったところで、減圧蒸留を停止し、ポリエステル系樹脂を得た。
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 310質量部
テレフタル酸 116質量部
フマル酸 12質量部
ドデセニルコハク酸 54質量部
Ti(OBu)4 40.05質量部
次いで、このポリエステル系樹脂100質量部と、酢酸エチル50部と、イソプロピルアルコール25質量部と、10%アンモニア水溶液5質量部とをセパラブルフラスコに投入し、混合、溶解させた後、40℃で加熱撹拌しながら、イオン交換水を送液ポンプにより送液速度8g/minで滴下した。液が白濁した後、送液速度25g/minに上げて転相させ、送液量が135質量部となったところで滴下を停止した。その後、減圧下において溶剤除去を行いマトリクス樹脂微粒子〔A−2〕の分散液を得た。このマトリクス樹脂微粒子〔A−2〕のガラス転移温度は、上述した方法により測定したところ、63℃であった。
〔ドメイン樹脂微粒子の分散液の調製例1〕
耐圧容器に、重合性単量体としてブタジエン50質量部、スチレン30質量部、メタクリル酸メチル18質量部、アクリル酸2質量部を仕込み、さらにイオン交換水200質量部、t−ドデシルメルカプタン1質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2質量部、過硫酸カリウム1質量部を仕込んだ後、窒素雰囲気中において温度70℃で2時間重合を行い、その後、重合を完結させるため、さらに3時間反応を継続して重合を終了させることにより、ドメイン樹脂微粒子〔B−1〕が分散されたラテックス〔LxB1〕を調製した。
得られたラテックス〔LxB1〕について、ドメイン樹脂微粒子〔B−1〕のガラス転移温度、体積基準のメディアン径およびトルエン不溶分を、以下の方法により測定した。結果を表1に示す。
(1)ガラス転移温度
<ドメイン樹脂の原材料としてのガラス転移温度>
ドメイン樹脂微粒子について、その分散液を凍結乾燥させて、乾燥させた測定用試料4.5mgを小数点以下2桁まで精秤し、アルミニウム製パンに封入して、示差走査カロリメーター「DSC8500」(パーキンエルマー社製)のサンプルホルダーにセットした。リファレンスは、空のアルミニウム製パンを使用し、測定温度−120〜100℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分にて、Heat−Cool−Heatの温度制御を行い、その2nd.Heatにおけるデータを基に解析を行った。第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1の吸熱ピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間における最大傾斜を示す接線との交点の値をガラス転移温度とした。
(2)体積基準のメディアン径
50mlのメスシリンダーにラテックス〔LxB1〕を数滴滴下し、純水25mlを加えて超音波洗浄機「US−1」(as one社製)を用いて3分間分散させ測定用試料を作製し、この測定用試料3mlを「マイクロトラックUPA−150」(日機装社製)に投入して、Sample Loadingの値が0.1〜100の範囲にあることを確認して、下記条件により測定した。
−測定条件−
Transparency(透明度):Yes
Refractive Index(屈折率):1.59
Particle Density(粒子比重):1.05/cm3
Spherical Particle(球形粒子):Yes
−溶媒条件−
Refractive Index(屈折率):1.33
Viscosty(粘度):Hight(temp)0.797×10-3Pa・S
Low(temp)1.002×10-3Pa・S
(3)トルエン不溶分
ラテックス〔LxB1〕のpHを7.5に調整した後、このラテックス〔LxB1〕を撹拌下のイソプロパノール中に添加して凝固させ、この凝固物を洗浄、乾燥した後、所定量(約0.03g)の測定用試料を所定量(約100mL)のトルエンに20℃において20時間浸漬し、その後、120メッシュの金網で濾過し、得られる残存固形分の測定用試料に対する質量%を算出した。
〔ドメイン樹脂微粒子の分散液の調製例2〜21〕
ドメイン樹脂微粒子の分散液の調製例1において、下記表1の処方に従って、添加する成分の種類および/または添加量を変更したことの他は同様にして、それぞれ、ドメイン樹脂微粒子〔B−2〕〜〔B−21〕が分散されたラテックス〔LxB2〕〜〔LxB21〕を調製した。
得られたラテックス〔LxB2〕〜〔LxB21〕について、それぞれ、ドメイン樹脂微粒子〔B2〕〜〔B21〕のガラス転移温度、体積基準のメディアン径およびトルエン不溶分を、上述した方法により測定した。結果を表1に示す。なお、ドメイン樹脂微粒子〔B−18〕〜〔B−21〕が分散されたラテックス〔LxB18〕〜〔LxB21〕は比較用のものである。
〔シェル用樹脂微粒子分散液の調製例1〕
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管を取り付けた重合装置に、純水2948質量部、アニオン界面活性剤「エマール2FG」(花王社製)2.3質量部を入れ、撹拌溶解し、窒素気流下80℃に加温した。次いで、スチレン520質量部、ブチルアクリレート184質量部、メタクリル酸96質量部、n−オクチルメルカプタン22.1質量部を混合した単量体混合液と、過硫酸カリウム10.2質量部を純水218質量部に溶解した重合開始剤水溶液とを用意し、重合開始剤水溶液に単量体混合液を3時間かけて滴下し、さらに1時間重合を行い、室温まで冷却してシェル用樹脂微粒子分散液〔1〕を調製した。
〔着色剤微粒子分散液の調製例1〕
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に添加した溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「リーガル330R」(キャボット社製)420質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理することにより、着色剤微粒子分散液〔1〕を調製した。
この着色剤微粒子分散液〔1〕における着色剤微粒子の体積基準のメディアン径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、110nmであった。
〔離型剤微粒子分散液の調製例1〕
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に添加した溶液を撹拌しながら、マイクロクリスタリンワックス(融点87℃)420質量部を徐々に添加し、100℃に加熱して、「マントンゴーリン高圧ホモジナイザー」(ゴーリン社製)を用いて分散処理することにより、離型剤微粒子分散液〔1〕を調製した。
この離型剤微粒子分散液〔1〕における離型剤微粒子の体積基準のメディアン径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、340nmであった。
〔トナーの製造例1〕
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、マトリクス樹脂微粒子〔A−1〕の分散液300質量部(固形分換算)、ドメイン樹脂微粒子〔B−1〕のラテックス〔LxB1〕9質量部(固形分換算)、イオン交換水1400質量部、着色剤微粒子分散液〔1〕120質量部、離型剤微粒子分散液〔1〕120質量部、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム3質量部をイオン交換水120質量部に添加した水溶液123質量部を投入し、液温を30℃に調整した。
次に、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整し、塩化マグネシウム35質量部をイオン交換水35質量部に溶解させた30℃の水溶液を、撹拌状態にある反応系中に10分間かけて添加した。そして、添加後3分経過してから昇温を開始し、反応系を60分間かけて90℃まで昇温し、凝集を進行させた。凝集により形成される凝集粒子の大きさを「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)により測定しながら、体積基準のメディアン径が6.5μmになった時点で、シェル用樹脂微粒子分散液〔1〕30質量部(固形分換算)を添加し、1時間撹拌を行い、シェル用樹脂微粒子を表面に融着させた。20%塩化ナトリウム水溶液750質量部を添加して粒子成長を停止させた。さらに、30分間そのまま撹拌を続けて完全にシェル層が形成された後、20%塩化ナトリウム水溶液の添加後、液温を98℃にして撹拌を継続し、フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」(Sysmex社製)により凝集粒子の平均円形度を観察しながら、凝集した微粒子の融着を進行させ、平均円形度が0.965になった後、液温を30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを4.0に調整し、撹拌を停止した。
この凝集粒子をバスケット型遠心分離機「MARKIII 型式番号60×40」(松本機械(株)製)により固液分離し、凝集粒子のウェットケーキを形成し、これを前記のバスケット型遠心分離機により濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで45℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥することにより、トナー粒子〔1〕を得た。このトナー粒子〔1〕の体積基準のメディアン径は6.6μm、平均円形度は0.965であった。なお、トナー粒子の体積基準のメディアン径および平均円形度は上述した方法により測定されたものである。以下において同じである。
このトナー粒子〔1〕に、疎水性シリカ(数平均一次粒径=12nm)を1質量%および疎水性チタニア(数平均一次粒径=20nm)を0.3質量%添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工機社製)により混合し、その後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去することにより、トナー〔1〕を得た。
なお、トナー粒子について、疎水性シリカの添加によっては、その粒径および平均円形度は変化しなかった。
〔トナーの製造例2〜17〕
トナーの製造例1において、ドメイン樹脂微粒子の種類および添加量を表2に従って変更したことの他は同様にして、トナー粒子〔2〕〜〔17〕よりなるトナー〔2〕〜〔17〕を得た。トナー粒子〔2〕〜〔17〕の体積基準のメディアン径および平均円形度を表2に示す。
〔トナーの製造例18〕
pHメーター、攪拌羽、温度計を取り付けた反応容器に、マトリクス樹脂微粒子〔A−2〕の分散液300質量部(固形分換算)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム32質量部と、イオン交換水1278質量部とを入れ、200rpmで15分間攪拌しながら、界面活性剤をなじませた。これに、ドメイン樹脂微粒子〔B−1〕のラテックス〔LxB1〕9質量部(固形分換算)、着色剤微粒子分散液〔1〕120質量部、離型剤微粒子分散液〔1〕120質量部を加え混合した後、この原料混合物に0.3Mの硝酸水溶液を加えて、pHを2.8に調整した。ついで、「Ultraturrax」(IKAジャパン社製)により1000rpmでせん断力を加えながら、凝集剤として硫酸アルミニウム10%水溶液250質量部を滴下した。なお、この凝集剤滴下の途中で、原料混合物の粘度が増大するので、粘度上昇した時点で、滴下速度を緩め、凝集剤が一箇所に偏らないよう注意した。凝集剤の滴下が終了したら、さらに回転数6000rpmに上げて5分間攪拌し、凝集剤と原料混合物を充分混合した。次いで、上記原料混合物をマントルヒーターにて30℃に加温しながら550〜650rpmで攪拌した。60分攪拌後、凝集粒子を成長させるために0.5℃/分で45℃まで昇温した。一方、凝集粒子被覆用として、マトリクス樹脂微粒子〔A−2〕の分散液411質量部(固形分換算)に、イオン交換水145質量部、アニオン性界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)15質量部を加えて混合し、予めpH2.7に調整したシェル用樹脂微粒子分散液〔1〕を調製した。上記凝集工程で凝集粒子が5.0μmに成長したところで、上記シェル用樹脂微粒子分散液〔1〕を加え、攪拌しながら10分間保持した。その後、シェルを被覆したコアシェル型凝集粒子の成長を停止させるために、EDTA水溶液33質量部と1Mの水酸化ナトリウム水溶液を順に加え、原料混合物のpHを7.5に制御した。ついで、pHを6.5に調整しながら昇温速度1℃/minで85℃まで昇温した。光学顕微鏡で凝集粒子が融合したのを確認した後、氷水を注入して降温速度100℃/分で急冷した。
次いで、得られた粒子を、1Nの水酸化ナトリウム水溶液で冷却後のスラリーのpHを9.0に調整し、20分間攪拌を行い、20μmメッシュで一度篩分した。その後、固形分に対しておよそ10倍量の温水(50℃)を加え、再度pHを9.0に調整しながら20分攪拌し温アルカリ洗浄を行い、一旦濾過を行った。さらにろ紙上に残った固形分をスラリーに分散して、40℃の温水で3回繰り返し洗浄を行い、さらにスラリーに0.3Nの硝酸水溶液を加えて4.0にしながら40℃で酸洗浄を行った。ついで最終的に、イオン交換水の温水40℃で攪拌洗浄を行い、乾燥させ、トナー粒子〔18〕を得た。このトナー粒子〔18〕の体積基準のメディアン径は5.2μm、平均円形度は0.952であった。
このトナー粒子〔18〕に、シリカ微粉末(数平均一次粒径=50nm)を0.9質量%およびチタニア微粉末(数平均一次粒径=40nm)を0.6質量%添加し、「ヘンシェルミキサー」(三井三池化工機社製)により混合し、その後、45μmの目開きのフルイを用いて粗大粒子を除去することにより、トナー〔18〕を得た。
〔トナーの製造例19〜25〕
トナーの製造例18において、ドメイン樹脂微粒子の種類および添加量を表3に従って変更したことの他は同様にして、トナー粒子〔19〕〜〔25〕よりなるトナー〔19〕〜〔25〕を得た。トナー粒子〔19〕〜〔25〕の体積基準のメディアン径および平均円形度を表3に示す。なお、トナー粒子の体積基準のメディアン径および平均円形度は上述した方法により測定されたものである。
〔トナーの製造例26〕
トナー製造例1において、ドメイン樹脂微粒子を用いず、マトリクス樹脂微粒子〔A−1〕の分散液を315質量部(固形分換算)に変更したことの他は同様にして、トナー粒子〔26〕よりなるトナー〔26〕を得た。トナー粒子〔26〕の体積基準のメディアン径および平均円形度を表3に示す。
〔トナーの製造例27〜30〕
トナーの製造例18において、ドメイン樹脂微粒子の種類および添加量を表3に従って変更したことの他は同様にして、トナー粒子〔27〕〜〔30〕よりなるトナー〔27〕〜〔30〕を得た。トナー粒子〔27〕〜〔30〕の体積基準のメディアン径および平均円形度を表3に示す。なお、トナー粒子の体積基準のメディアン径および平均円形度は上述した方法により測定されたものである。
表2および表3に示すドメイン相のフェレ径は、以下の手順により測定されたものである。
すなわち、トナー粉末の一部をエポキシ樹脂に包埋し、ミクロトームを用いて厚さ100nmに切り出し、四酸化ルテニウムを用いて染色して観察用超薄切片を作製し、この観察用超薄切片を透過型電子顕微鏡「H−7500」(日立製作所社製)により、倍率1万倍にて観察を行って画像を撮影し、当該画像を二値化処理し、ドメイン相100個について水平方向フェレ径を測定し、その算出平均値で示した。
また、トナー粒子〔1〕〜〔30〕は、それぞれのトナー粒子をミクロトームにより厚さ100nmに切り出し、オスミウム染色して観察用超薄切片を作製し、この観察用超薄切片を透過型電子顕微鏡「JEM−2000FX」(日本電子社製)により、加速電圧80kV、倍率3万倍にて観察を行ったところ、マトリクス樹脂中に粒子状のドメイン樹脂が分散された状態のドメイン・マトリクス構造を有することが確認された。
さらに、得られたトナー粒子〔1〕〜〔30〕について、ドメイン樹脂およびマトリクス樹脂のガラス転移温度を以下の方法により測定した。結果を表2および表3に示す。
<トナー粒子中におけるドメイン樹脂のガラス転移温度>
トナー粒子中のドメイン樹脂およびマトリクス樹脂について、予め液体窒素などにより冷却した測定用試料(トナー粒子)を局所熱解析システム「ナノサーマルアナリシスシステム(Nano−TA)」(日本サーマル・コンサルティング社製)を用いてそれぞれ測定した。
すなわち、平滑に切り出した測定用試料の測定部位(ドメイン相に対応する部位およびマトリクス相に対応する部位)にサーマルプローブを接触させて、当該サーマルプローブの温度を上昇させたときに、侵入深さに対応するDeflection電圧が、上昇から下降へ転ずる温度をガラス転移温度として測定する。
〔現像剤の作製例1〜30〕
このトナー〔1〕〜〔30〕の各々に、シリコーン樹脂を被覆した体積基準のメディアン径60μmのフェライトキャリアを、トナーの濃度が6質量%になるよう混合し、現像剤〔1〕〜〔30〕を作製した。
〔実施例1〜25、比較例1〜5〕
市販の複写機「bizhub 421」(コニカミノルタビジネステクノロジー(株)製)を改造した改造機に現像剤〔1〕〜〔30〕を各々投入して、下記評価1〜4を行った。結果を表4に示す。
〔評価1:定着可能温度幅〕
市販の複写機「bizhub 421」(コニカミノルタビジネステクノロジー(株)製)を毎分84枚の出力速度(市販品の2倍の出力速度)に改造し、さらに、当該複写機における定着装置について加熱ローラの表面温度を120〜210℃の範囲で変更することができるように改造した改造機を用い、常温常湿(温度20℃、相対湿度55%)において、加熱ローラの軸方向に伸びる5mm幅のベタ帯画像を定着させる定着実験を、設定される定着温度(加熱ローラの表面温度)を120℃、125℃・・・と5℃刻みで増加させるよう変更しながら繰り返し行った。
各定着実験において、得られた定着画像をさらし布で1Paの圧力で10回こすり、その前後の反射濃度を測定し、その差から下記式(1)に従って定着率を測定し、定着率が70%以上に達した定着実験のうち、最低の定着温度に係る定着実験の当該定着温度を最低定着温度として測定した。
式(1):定着率(%)={(こすり後の反射濃度)/(こすり前の反射濃度)}×100
また、目視でホットオフセットによる画像汚れが観察された定着実験のうち、最低の定着温度に係る定着実験の当該定着温度をホットオフセット温度として測定した。なお、表4において「未発生」は、210℃までホットオフセットが発生しなかったことを意味する。
〔評価2:折り目定着性〕
市販の複写機「bizhub 421」(コニカミノルタビジネステクノロジー(株)製)を毎分84枚の出力速度(市販品の2倍の出力速度)に改造した改造機を用いて、定着装置の加熱ローラの表面温度を170℃に設定し、常温常湿(温度20度、相対湿度55%)において、画像濃度が0.8の黒ベタ画像を形成し、完全に冷却させ(この状態を折り曲げ前の状態とする)、次に、黒ベタ画像を折り、折った部分を3回指で擦った後、黒ベタ画像を開き、「JKワイパー」(株式会社クレシア製)で3回拭き取る(この状態を折り曲げ後の状態とする)。そして、黒ベタ画像の折り曲げ前後の画像濃度から、下記式(2)に従って折り目定着率を算出した。なお、折り目定着率が70%以上である場合に、10人中7人以上が品質的に問題なしと感じる官能評価が得られると考えられて合格であると判断される。
式(2):折り目定着率(%)={(折り曲げ後の画像濃度)/(折り曲げ前の画像濃度)}×100
〔評価3:耐ブロッキング性〕
トナー0.5gを内径21mmの10mLガラス瓶に採取し蓋を閉め、タップデンサー「KYT−2000」(セイシン企業社製)を用いて室温で600回振とうした後、蓋を取った状態で温度55℃、湿度35%RHの環境下に2時間放置した。次いで、トナーを48メッシュ(目開き350μm)の篩上に、トナーの凝集物を解砕しないように注意しながらのせて、「パウダーテスター」(ホソカワミクロン社製)にセットし、押さえバー、ノブナットで固定し、送り幅1mmの振動強度に調整し、10秒間振動を加えた後、篩上の残存したトナー量の比率(質量%)を測定し、下記式(3)に基づいてトナー凝集率を算出した。なお、トナー凝集率が20質量%以下である場合に、実用上問題なく、合格であると判断される。
式(3):トナー凝集率(質量%)={篩上の残存トナー質量(g)/0.5(g)}×100
〔評価4:画質〕
市販の複写機「bizhub 421」(コニカミノルタビジネステクノロジー(株)製)を毎分84枚の出力速度(市販品の2倍の出力速度)に改造した改造機を用いて、日本画像学会第一部会発行の「日本画像学会テストチャートNo.4」を出力して、200ライン30%に相当するパッチ画像を目視および倍率20倍のルーペを用いて画質評価を行った。パッチ画像のしっとり感およびドット間のチリに着目し、以下の基準に従って評価を行った。
−評価基準−
A:目視において、粒状性が良好でガサツキ感を全く感じない、かつ、20倍のルーペでドット間を観察したところ、チリの原因となるトナー粒子がない。
B:目視において注視するとかすかなガサツキ感を感じる、もしくは、20倍のルーペでドット間を観察したところ、トナー粒子が1〜3個存在する。
C:目視において、粒状性が悪くガサツキ感を感じる、もしくは、20倍のルーペでドット間を観察したところ、トナー粒子が計数困難な程存在する。
以上の結果より、本発明に係る実施例1〜25においては、高画質の画像が形成されると共に、耐ブロッキング性が得られながら低温定着性が得られ、その上、優れた耐ホットオフセット性および折り目定着性が得られることが確認された。

Claims (15)

  1. ドメイン・マトリクス構造の結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子よりなる静電荷像現像用トナーであって、
    前記トナー粒子が、体積基準のメディアン径で4.3〜7.0μmのものであり、
    前記結着樹脂におけるマトリクス相が、スチレン−アクリル系樹脂またはポリエステル系樹脂の重合体から構成され、かつ、前記結着樹脂におけるドメイン相が、ジエン系モノマーに由来する構造単位を含む重合体から構成され、
    前記ドメイン相の大きさが、フェレ径で50〜300nmであり、
    前記ドメイン相を構成する重合体のガラス転移温度が、−85〜+35℃の範囲にあることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 前記ドメイン相を構成する重合体が、酸モノマーに由来する構造単位を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記酸モノマーがカルボキシル基を有するものであることを特徴とする請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記酸モノマーが、前記ジエン系モノマーと共重合体を形成するものであり、
    前記酸モノマーの共重合比率が、1〜5質量%であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記ドメイン相を構成する重合体がスチレンブタジエンゴムであり、
    スチレンとブタジエンの共重合比が、30:70〜50:50であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 前記ドメイン相の大きさが、フェレ径で75〜250nmであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 前記ドメイン相のフェレ径の粒度分布における変動係数が、20%以下であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 前記ドメイン相を構成する重合体のトルエン不溶分の含有割合が、15〜95質量%であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  9. 前記ドメイン相を構成する重合体のトルエン不溶分の含有割合が、30〜70質量%であることを特徴とする請求項8に記載の静電荷像現像用トナー。
  10. 前記ドメイン相を構成する重合体のトルエン可溶分の質量平均分子量(Mw)が、2万〜150万であることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  11. 前記ドメイン相を構成する重合体のトルエン可溶分の質量平均分子量(Mw)が、4万〜80万であることを特徴とする請求項10に記載の静電荷像現像用トナー。
  12. 前記ドメイン相を構成する重合体の含有量が、前記マトリクス相を構成する重合体および前記ドメイン相を構成する重合体の合計の0.3〜7.0質量%であることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  13. 前記ドメイン相を構成する重合体の含有量が、前記マトリクス相を構成する重合体および前記ドメイン相を構成する重合体の合計の2.5〜4.0質量%であることを特徴とする請求項12に記載の静電荷像現像用トナー。
  14. 前記スチレン−アクリル系樹脂が、スチレン系モノマーおよびアクリル酸系モノマーによるランダム共重合体であることを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  15. 前記ドメイン相を構成する重合体のガラス転移温度が、−40〜+30℃の範囲にあることを特徴とする請求項1〜請求項14のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
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