JP2011257671A - 静電荷現像用トナーの製造方法及び静電荷現像用トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも樹脂粒子の水系分散液と着色剤粒子の水系分散液を作製する工程、前記樹脂粒子と着色剤粒子を凝集・融着してヘテロ凝集体を作製する工程を有する静電荷現像用トナー製造方法において、前記樹脂粒子の水系分散液或は着色剤粒子の水系分散液を作製する工程では少なくともアニオン系硫酸エステル型界面活性剤を用い、前記ヘテロ凝集体を作製する工程では加熱して樹脂粒子と着色剤粒子を凝集・融着させる前に過硫酸塩を添加することを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。
【選択図】なし
Description
前記樹脂粒子と着色剤粒子を凝集・融着してヘテロ凝集体を作製する工程
を有する静電荷現像用トナー製造方法において、
前記樹脂粒子の水系分散液或は着色剤粒子の水系分散液を作製する工程では少なくともアニオン系硫酸エステル型界面活性剤を用い、
前記ヘテロ凝集体を作製する工程では加熱して樹脂粒子と着色剤粒子を凝集・融着させる前に過硫酸塩を添加することを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。
アニオン系硫酸エステル型界面活性剤としては、アルキル硫酸エステルを含む構造のアニオン性界面活性剤を用いることが好ましい。
R−O−SO3X構造を持つ界面活性剤である。
好ましい化合物として、硫酸塩(ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム)、硫酸エステル塩(ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウムなど)を例示することができる。
本発明で用いる過硫酸塩とは、水系分散液中で加水分解して硫酸塩となる化合物である。
(2)樹脂粒子と着色剤粒子の水系分散液を、酸性にした後、過硫酸塩をアルキル硫酸エステル界面活性剤の1〜15倍量(モル比)添加した後、加熱し、ヘテロ凝集させてヘテロ凝集体の水系分散液を作製する凝集工程
(3)ヘテロ凝集体の水系分散液を、熱エネルギーにより熟成して粒子径と形状を調整し、トナー母体粒子の水系分散液を作製する熟成工程
(4)トナー母体粒子の水系分散液を冷却する冷却工程
(5)冷却されたトナー母体粒子の水系分散液から当該トナー母体粒子を固液分離し、当該トナー母体粒子から界面活性剤などを除去する濾過・洗浄工程
(6)洗浄処理されたトナー母体粒子を乾燥する乾燥工程
(7)乾燥処理されたトナー母体粒子に外添剤を添加してトナーを作製する工程
から構成される。
樹脂粒子の水系分散液は、アルキル硫酸エステル界面活性剤もしくは両性界面活性剤もしくはカチオン性界面活性剤の何れかを含有した水系媒体中に、重合性単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて油滴を形成し、次いで水溶性ラジカル重合開始剤からのラジカルにより当該油滴中において重合反応を行い、作製することができる。
凝集工程においては、樹脂粒子の水系分散液に樹脂粒子の水系分散液を作製した際に使用した界面活性剤と異なった極性の界面活性剤を含有する着色剤粒子の水系分散液を添加し、樹脂粒子と着色剤粒子を凝集させる。この凝集工程の途中段階においては、樹脂組成の異なる結着樹脂粒子を添加して凝集粒子を得ることもできる。
この熟成工程は、所望の粒径と形状になるまで、ヘテロ凝集体を熱エネルギーにより熟成してトナー母体粒子の水系分散液を作製する工程である。
この冷却工程は、上記のトナー母体粒子の水系分散液を冷却処理する工程である。冷却処理における冷却速度は、1〜20℃/minが好ましい。冷却処理方法としては特に限定されるものではなく、反応容器の外部より冷媒を導入して冷却する方法や、冷水を直接反応系に投入して冷却する方法を例示することができる。
この濾過・洗浄工程では、上記の工程で所定温度まで冷却されたトナー母体粒子の水系分散液から当該トナー母体粒子を固液分離させて濾別する濾過処理と、濾別されたトナー母体粒子(ケーキ状の集合物)から界面活性剤などの付着物を除去する洗浄処理とが施される。
この工程は、洗浄処理されたケーキ状の集合体を乾燥処理し、乾燥されたトナー母体粒子を得る工程である。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥されたトナー母体粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは2質量%以下とされる。なお、乾燥処理されたトナー母体粒子同士が、弱い粒子間引力で凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサーなどの機械式の解砕装置を使用することができる。
この工程は、乾燥処理されたトナー母体粒子に外添剤を添加する工程である。外添剤を添加するために使用される混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミルなどの機械式の混合装置を使用することができる。
トナーを構成する樹脂粒子を得るための重合性単量体として、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレンあるいはスチレンスチレン誘導体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル誘導体;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類;プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類;ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸またはメタクリル酸誘導体などのビニル系重合性単量体を挙げることができる。これらのビニル系重合性単量体は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
トナーを構成する樹脂粒子は、ラジカル重合開始剤の存在下で重合性単量体を重合して作製することができる。
トナーを構成する樹脂粒子を懸濁重合法、ミニエマルション重合凝集法または乳化重合凝集法によって製造する場合に、樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。
トナーの粒子中には、オフセット現象の抑止に寄与する離型剤を含有させることが好ましい。この離型剤は樹脂粒子中に含有させても、凝集時に添加してトナー粒子中に取り込んでも良い。離型剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、低分子量ポリエチレンワックス、低分子量酸化型ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、低分子量酸化型ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスのような炭化水素系ワックス、また、カルナウバワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、蜜ろうワックスなどの天然物系ワックス、ペンタエリスリトールベヘン酸エステル、ペンタエリスリトールステアリン酸エステル、ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリルなどの合成エステルワックスなどを挙げることができる。
本発明で用いられる着色剤粒子としては、公知の無機または有機着色剤粒子を使用することができる。以下に、好ましい着色剤粒子を示す。
重合性単量体粒子の作製するとき、或いは着色剤粒子の分散液を作製するときに用いられる両性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェエルエーテル等のアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート等のアルキルエステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミノエーテル、ポリオキシエチレン大豆アミノエーテル、ポリオキシエチレン牛脂アミノエーテル等のアルキルアミン類;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のアルキルアミド類;ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレンナタネ油エーテル等の植物油エーテル類;ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のソルビタンエステルエーテル類が挙げられる。
重合性単量体粒子の作製するとき、或いは着色剤粒子の分散液を作製するときに用いられるカチオン界面活性剤としては、ラウリルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩、オレイルアミン酢酸塩、ステアリルアミン酢酸塩、ステアリルアミノプロピルアミン酢酸塩等のアミン塩類;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド、オレイルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、ラウロイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ラウロイルアミノプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパークロレート、エチルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、エチルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩類等が挙げられる。
本発明に係るトナーには、流動性、帯電性の改良およびクリーニング性の向上などの目的で、いわゆる外添剤を添加して使用することが好ましい。これら外添剤としては特に限定されるものではなく、種々の無機微粒子、有機微粒子及び滑剤を使用することができる。
次に、本発明に係るトナーの特性について説明する。
本発明に係るトナーの粒径は、体積基準におけるメディアン径(D50)で3.0〜8.0μmのものが好ましく、3.0〜7.0μmのものより好ましい。
本発明に係るトナーの粒度分布は、その体積基準の粒度分布における変動係数(CV値)で表す。体積基準の粒度分布における変動係数(CV値)が、2%以上であって21%以下であることが好ましく、特に5%以上であって15%以下であることが好ましい。
本発明に係るトナーの平均円形度は、0.916〜0.955のものが好ましい。
トナーの粒径、粒度分布(変動係数)、平均円形度の測定方法について説明する。
(式中、S2は体積基準の粒度分布における標準偏差を示し、Dnは体積基準におけるメディアン径(D50)(μm)を示す。)
トナーの体積基準におけるメディアン径(D50)や変動係数(CV値)は、「コールター マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」に、データ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した装置を用いて測定、算出することができる。
また、平均円形度は、個々のトナー粒子の円形度を足し合わせた値を全粒子数で除して算出した値である。
本発明に係るトナーは、乾式現像剤であれば特に限定されず、キャリアを用いた公知の二成分現像剤、磁性一成分現像剤、非磁性一成分現像剤に用いることができる。
本発明に係るトナーは、乾式現像、加熱定着手段、クリーニングブレードを用いたクリーニング手段を有する公知の電子写真画像形成装置に好ましくに用いることができる。
本発明に係るトナーによる画像が形成される転写材は、トナー像を保持する支持体であって、好ましくは、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙あるいはコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
以下のようにしてトナーを作製した。
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、アニオン系硫酸エステル型界面活性剤であるポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム7質量部をイオン交換水800質量部に溶解させた溶液を仕込み、90℃に加熱後、スチレン241質量部、n−ブチルアクリレート89質量部、n−ドデシルメルカプタン2質量部、90℃に加熱して溶解したパラフィンワックス(融点68℃)180質量部を添加し、循環経路を有する機械式分散機「CREARMIX」(エム・テクニック社製)により1時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む水系分散液を作製した。
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン7質量部をイオン交換水800質量部に溶解させた溶液を仕込み、90℃に加熱後、スチレン241質量部、n−ブチルアクリレート89質量部、n−ドデシルメルカプタン2質量部、90℃に加熱して溶解したパラフィンワックス(融点68℃)180質量部を添加し、循環経路を有する機械式分散機「CREARMIX」(エム・テクニック社製)により1時間混合分散させ、乳化粒子(油滴)を含む水系分散液を作製した。
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン10質量部をイオン交換水160質量部に溶解させた溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「モーガルL」(キャボット社製)36質量部を徐々に添加し、次いで、機械式分散機「CREARMIX」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の水系分散液を作製した。この着色剤粒子の水系分散液における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、体積基準におけるメディアン径で110nmであった。
アニオン系硫酸エステル型界面活性剤であるポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム10質量部をイオン交換水160質量部に溶解させた溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「モーガルL」(キャボット社製)36質量部を徐々に添加し、次いで、機械式分散機「CREARMIX」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の水系分散液を作製した。この着色剤粒子の水系分散液における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、体積基準におけるメディアン径で110nmであった。
ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド10質量部をイオン交換水160質量部に溶解させた溶液を撹拌しながら、カーボンブラック「モーガルL」(キャボット社製)36質量部を徐々に添加し、次いで、機械式分散機「CREARMIX」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子の水系分散液を作製した。この着色剤粒子の水系分散液における着色剤粒子の粒子径を、電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、体積基準におけるメディアン径で110nmであった。
(凝集・融着工程)
攪拌装置、温度センサ、冷却管を取り付けた反応容器に、固形分30質量%の「樹脂粒子の水系分散液1」(アニオン系硫酸エステル型界面活性剤使用)200質量部(固形分換算)、イオン交換水500質量部を投入し、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH10に調整した。その後、「着色剤粒子の水系分散液1」50質量部(固形分換算)を投入し、樹脂粒子の水系分散液が持ち込んだアニオン系硫酸エステル型界面活性剤のモル数の49倍量の「過硫酸ナトリウム」を添加した。その後、5モル/リットルの塩酸水溶液を添加してpH2〜3の酸性側に調整した。その後、60℃に昇温を行うことで凝集反応を行った。「コールター マルチサイザー3」を用いて凝集粒子の粒径を測定し、6.0μmの粒径になることを確認した。
さらに、液温度90℃にて加熱撹拌することにより、粒子形状を制御した。この形状を「FPIA−2100」による測定で平均形状係数にて測定し、粒子の形状係数が0.940となった時点で25℃まで冷却して「ヘテロ凝集体の水系分散液1」を得た。
形状をモニターし、平均形状係数が0.96になった後に、液温を30℃まで冷却し、撹拌を停止し、「トナー母体粒子1の水系分散液」を得た。
上記の工程にて得られたトナー母体粒子1の水系分散液中の「トナー母体粒子」をバスケット型遠心分離機「MARK III型式番号60×40」(松本機械(株)製)で固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成し、このウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が10μS/cmになるまで45℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥して「トナー母体粒子1」を得た。
上記で得られたトナー母体粒子1に、疎水性シリカ(数平均1次粒子径=12nm)を1質量%、疎水性チタニア(数平均1次粒子径=20nm)を0.3質量%添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、「トナー1」を作製した。
トナー1の作製において、凝集・融着工程を以下のように変更した以外は同様にして「トナー2」を作製した。
攪拌装置、温度センサ、冷却管を取り付けた反応容器に、固形分30質量%の「樹脂粒子の水系分散液1」200質量部(固形分換算)、イオン交換水500質量部を投入し、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH10に調整した。
トナー1の作製において用いた「過硫酸ナトリウム」の添加量を、49倍量から、75倍量添加に変更した以外は同様にして「トナー3」を作製した。「コールター マルチサイザー3」を用いて凝集粒子の粒径を測定したところ、5.5μmであった。
トナー1の作製において用いた「過硫酸ナトリウム」の添加量を、49倍量から、5倍量添加に変更した以外は同様にして「トナー4」を作製した。「コールター マルチサイザー3」を用いて凝集粒子の粒径を測定したところ、7.6μmであった。
トナー1の作製において用いた「過硫酸ナトリウム」の添加量を、49倍量から、25倍量に変更した以外は同様にして「トナー5」を作製した。「コールター マルチサイザー3」を用いて凝集粒子の粒径を測定したところ、6.6μmであった。
トナー1の作製において用いた「硫酸ナトリウム」を「過硫酸カリウム」に変更した以外は同様にして「トナー6」を作製した。「コールター マルチサイザー3」を用いて凝集粒子の粒径を測定したところ、6.0μmであった。
トナー1の作製において用いた「樹脂粒子の水系分散液1」200質量部(固形分換算)を「樹脂粒子の水系分散液2」200質量部(固形分換算)に、「着色剤粒子の水系分散液1」50質量部(固形分換算)を「着色剤粒子の水系分散液2」(アニオン系硫酸エステル型界面活性剤使用)50質量部(固形分換算)に、添加した「過硫酸ナトリウム」の量を樹脂粒子の水系分散液が持ち込んだアニオン系硫酸エステル型界面活性剤のモル数の49倍量から着色剤粒子の水系分散液2の持ち込んだアニオン系硫酸エステル型界面活性剤のモル数の49倍量に変更した以外は同様にして「トナー7」を作製した。「コールター マルチサイザー3」を用いて凝集粒子の粒径を測定したところ、6.9μmであった。
トナー1の作製において用いた「着色剤粒子の水系分散液1」50質量部(固形分換算)を、「着色剤粒子の水系分散液3」50質量部(固形分換算)に変更した以外は同様にして「トナー8」を作製した。「コールター マルチサイザー3」を用いて凝集粒子の粒径を測定したところ、7.3μmであった。
トナー1の作製において用いた「過硫酸ナトリウム」の添加量を、49倍量から、3倍量添加に変更した以外は同様にして「トナー9」を作製した。「コールター マルチサイザー3」を用いて凝集粒子の粒径を測定したところ、8.0μmであった。
トナー1の作製において用いた「過硫酸ナトリウム」の添加量を、49倍量から、78倍量添加に変更した以外は同様にして「トナー10」を作製した。「コールター マルチサイザー3」を用いて凝集粒子の粒径を測定したところ、5.3μmであった。
トナー1の作製において用いた「着色剤粒子の水系分散液1」50質量部(固形分換算)を、「着色剤粒子の水系分散液2」(アニオン系硫酸エステル型界面活性剤使用)50質量部(固形分換算)に変更した以外は同様にして「トナー11」の作製を試みた。しかしながら、凝集が進まずトナーを得ることはできなかった。
トナー1の作製において用いた「樹脂粒子の水系分散液1」(アニオン系硫酸エステル型界面活性剤使用)200質量部(固形分換算)を、「樹脂粒子の水系分散液2」200質量部(固形分換算)に変更し、添加した「過硫酸ナトリウム」の量をトナー1の作製における「過硫酸ナトリウム」の添加量と同質量にした以外は同様にして「トナー12」の作製を試みた。しかしながら、凝集が進まずトナーを得ることはできなかった。
トナー1の作製において、凝集・融着工程を以下のように変更した以外は同様にして「トナー13を作製した。
攪拌装置、温度センサ、冷却管を取り付けた反応容器に、固形分30質量%の「樹脂粒子の水系分散液1」(アニオン系硫酸エステル型界面活性剤使用)200質量部(固形分換算)、イオン交換水500質量部を投入し、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH10に調整した。その後、「着色剤粒子の水系分散液1」50質量部(固形分換算)を投入し、5モル/リットルの塩酸水溶液を添加してpH2〜3の酸性側に調整した。75℃に昇温後に「過硫酸ナトリウム」を樹脂粒子の水系分散液が持ち込んだアニオン系硫酸エステル型界面活性剤のモル数の49倍量添加し、その後、凝集反応を行った。「コールター マルチサイザー3」を用いて凝集粒子の粒径を測定したところ、粒粒径が大きすぎて測定範囲外となり測定できなかった。
トナー1の作製において、過硫酸ナトリウムを添加せず、「コールター マルチサイザー3」を用いて凝集粒子を測定し、トナー粒径が6.6μmになった時点でポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル50質量部を添加した以外は同様にして「トナー14」を作製した。「コールター マルチサイザー3」を用いて凝集粒子の粒径を測定したところ、6.4μmであった。
評価用画像形成装置として、市販の画像形成装置「bizhub C6500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)(65枚/1分間 A4判横送り)を準備した。
クリーニング不良は、クリーニングブレードすり抜けによるかぶりで評価した。
◎:クリーニングブレードすり抜けによるかぶりの発生がない
○:クリーニングブレードすり抜けによるかぶりが軽微にみられるが、実用上問題ないレベル
×:クリーニングブレードをすり抜けによるかぶりがひどく、実用上問題となるレベル。
かぶりは、感光体表面がトナーにより汚染(トナーフィルミング)されることに起因するかぶりで評価した。
◎:かぶり濃度が、0.003未満
○:かぶり濃度が、0.003以上、0.010未満で実用上問題ないレベル
×:かぶり濃度が、0.010以上で実用上問題となるレベル。
トナー飛散は、上記画像形成装置を用い50万枚プリント終了後、現像装置周辺のトナー飛散による機内汚れ状態を目視で観察し評価した。
◎:トナー飛散による機内汚れ全くなし
○:軽微なトナー飛散による機内汚れはあるが、メンテナンス時に掃除機を必要としない程度で実用上問題ないレベル
×:トナー飛散による機内汚れがひどく、メンテナンス時に手が汚れ掃除機による掃除が必要となり、実用上問題となるレベル。
2 帯電器
3 露光光学系
4 現像装置
6 中間転写体
7 一次転写ローラ
7A 二次転写ローラ
8 光学式センサ
17 定着装置
190 感光体クリーニング装置
190A 中間転写体クリーニング装置
70 二次転写部材クリーニング装置
Claims (4)
- 少なくとも樹脂粒子の水系分散液と着色剤粒子の水系分散液を作製する工程、
前記樹脂粒子と着色剤粒子を凝集・融着してヘテロ凝集体を作製する工程
を有する静電荷現像用トナー製造方法において、
前記樹脂粒子の水系分散液或は着色剤粒子の水系分散液を作製する工程では少なくともアニオン系硫酸エステル型界面活性剤を用い、
前記ヘテロ凝集体を作製する工程では加熱して樹脂粒子と着色剤粒子を凝集・融着させる前に過硫酸塩を添加することを特徴とする静電荷現像用トナーの製造方法。 - 前記アニオン系硫酸エステル型界面活性剤が、アルキル硫酸エステル塩を含む構造の界面活性剤であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷現像用トナーの製造方法。
- 前記ヘテロ凝集体を作製する工程で添加する過硫酸塩の添加量が、アルキル硫酸エステル型界面活性剤の5倍量以上75倍量以下(モル比)であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷現像用トナーの製造方法。
- 請求項1〜3の何れか1項に記載の静電荷現像用トナーの製造方法により得られたことを特徴とする静電荷現像用トナー。
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---|---|---|---|
JP2010133666A JP5482477B2 (ja) | 2010-06-11 | 2010-06-11 | 静電荷現像用トナーの製造方法及び静電荷現像用トナー |
Applications Claiming Priority (1)
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