上述のように、特許文献1に開示されたナビゲーション装置においては、目的地までの経路を探索する際に、車両が案内経路から逸脱した場合における運転者の経路選択性向を反映することができる。
しかしながら、交差点の中には、交差点に対する道路の接続状態や交差点に接続された道路の形状などの道路態様によって、案内経路に該当する道路が分かりづらい場所もある。このような交差点においては、交差点に接続された道路の渋滞度や運転者の経路選択性向によらず、車両が案内経路から外れてしまうことが起こりうる。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、逸脱しにくい適切な案内経路を設定することができる経路案内装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の経路案内装置は、
出発地から目的地までの案内経路を設定して、この案内経路によって出発地から目的地までの経路案内を行う経路案内装置であって、
車両に設けられ、この車両の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得手段と、
車両に設けられ、各交差点に関する交差点情報と、各交差点に接続された道路に関する道路情報とを含む地図情報を取得する地図情報取得手段と、
車両に設けられ、地図情報取得手段にて取得した地図情報に基づいて、出発地から目的地までの案内経路を設定する経路設定手段と、
車両に設けられ、経路設定手段にて設定した案内経路と位置情報取得手段にて取得した位置情報とに基づいて、出発地から目的地までの経路案内を行う経路案内手段と、
車両に設けられ、経路案内手段による経路案内中において、経路設定手段にて設定した案内経路と位置情報取得手段にて取得した位置情報とに基づいて、案内経路から車両が逸脱したことを検出する逸脱検出手段と、
車両が逸脱検出手段にて検出された交差点に進入する際に走行した道路に関する道路情報をこの交差点に対する進入道路を示す進入道路情報として、また、車両が逸脱検出手段にて検出された交差点から退出する際に走行した道路に関する道路情報をこの交差点に対する退出道路を示す退出道路情報として、車両が逸脱した交差点に関する交差点情報と関連付けられた逸脱道路情報を記憶する逸脱道路情報記憶手段と、を備え、
経路設定手段は、逸脱道路情報記憶手段に記憶された逸脱道路情報が示す退出道路、又は逸脱道路情報が示す交差点及び道路と同様の交差点及び道路における退出道路に対して、案内経路に採用する際の優先度を、逸脱検出手段にて逸脱が検出される前よりも下げて案内経路を設定することを特徴とするものである。
実際に車両が案内経路から逸脱した交差点及びそのときの進入道路と退出道路は、次に走行する際にも逸脱しそうな経路(交差点、進入道路、退出道路)とみなすことができる。また、このような交差点及びそのときの進入道路と退出道路と同様の交差点及び道路(進入道路と退出道路)は、逸脱しそうな経路(交差点、進入道路、退出道路)とみなすことができる。つまり、このような経路は、案内経路において右折又は左折が案内される交差点であることが分かりづらい(つまり、見逃しやすい、見落としやすい)経路と換言することができる。
そこで、上述のように、実際に車両が案内経路から逸脱した交差点及びそのときの進入道路と退出道路に関する逸脱道路情報を記憶しておく。そして、案内経路を設定する際には、逸脱しそうな経路(交差点、進入道路、退出道路)における退出道路に対して、案内経路に採用する際の優先度を、逸脱が検出される前よりも下げて案内経路を設定することによって、案内経路に上述のような経路が含まれることを抑制でき、逸脱しにくい適切な案内経路を設定することができる。
しかしながら、車両が案内経路から逸脱するか否かは、車両の外部状況によってかわることもありうる。つまり、同じ交差点、進入道路、退出道路であっても、車両の外部状況によって、案内経路から逸脱する場合もあるし、逸脱しない場合もある。
そこで、請求項2に示すように、車両に設けられるものであり、逸脱検出手段にて車両が案内経路から逸脱したことが検出されたときの、車両の外部状況を取得する外部状況取得手段を備え、逸脱道路情報記憶手段は、外部状況取得手段にて取得した外部状況が所定の状況を満たすことを条件として、逸脱道路情報を記憶するようにしてもよい。
このように、車両が案内経路から逸脱したときの外部状況が所定の状況を満たすことを条件として、逸脱道路情報を記憶することで、逸脱する可能性が高い経路(交差点、進入道路、退出道路)、つまり、案内経路において右折又は左折が案内される交差点であることが分かりづらい交差点における退出道路の優先度を下げることができ、より一層適切な案内経路を設定することができる。
また、請求項3に示すように、外部状況取得手段は、車両の外部状況として、逸脱した交差点における車両の走行車線に対する対向車線の車両数を取得するものであり、逸脱道路情報記憶手段は、車両数が所定値に達してないことを条件として逸脱道路情報を記憶するようにしてもよい。
このように、車両の外部状況としては、逸脱したときの交差点における対向車線の車両数を採用することができる。例えば、案内経路に従って交差点を右折しようとしたとき、対向車線の車両数が多かった場合、運転者は、右折に時間がかかるのを嫌がって(待ち時間を嫌がって)、又は、右折しづらいので、案内経路から逸脱した経路を選択した可能性がある。つまり、運転者は、意図的に案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。
一方、対向車線の車両数がさほど多くなかった場合は、運転者は、右折に時間がかからない、又は、右折しづらくないにもかかわらず、案内経路から逸脱した経路を選択した可能性がある。このような場合、運転者は、案内交差点(右折又は左折が案内される交差点)を見落として、意図せずに案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際にも、案内経路から逸脱する可能性が高いとみなすことができる。
よって、請求項3に示すようにすることによって、逸脱する可能性が高い経路(交差点、進入道路、退出道路)、つまり、案内経路において右折又は左折が案内される交差点であることが分かりづらい交差点における退出道路の優先度を下げることができ、より一層適切な案内経路を設定することができる。
また、請求項4に示すように、外部状況取得手段は、車両の外部状況として、案内経路における逸脱した交差点からの退出道路の横断歩行者数を取得するものであり、逸脱道路情報記憶手段は、横断歩行者数が所定値に達してないことを条件として逸脱道路情報を記憶するようにしてもよい。
このように、車両の外部状況としては、逸脱したときの案内経路における退出道路の横断歩行者数を採用することができる。例えば、案内経路に従って交差点を右折又は左折しようとしたとき、退出道路の横断歩行者数が多かった場合、運転者は、右折又は左折に時間がかかるのを嫌がって(待ち時間を嫌がって)、又は、右折又は左折しづらいので、案内経路から逸脱した経路を選択した可能性がある。つまり、運転者は、意図的に案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。
一方、退出道路の横断歩行者数がさほど多くなかった場合は、運転者は、右折又は左折に時間がかからない、又は、右折又は左折しづらくないにもかかわらず、案内経路から逸脱した経路を選択した可能性がある。このような場合、運転者は、案内交差点を見落として、意図せずに案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際にも、案内経路から逸脱する可能性が高いとみなすことができる。
よって、請求項4に示すようにすることによって、逸脱する可能性が高い経路(交差点、進入道路、退出道路)、つまり、案内経路において右折又は左折が案内される交差点であることが分かりづらい交差点における退出道路の優先度を下げることができ、より一層適切な案内経路を設定することができる。
また、請求項5に示すように、外部状況取得手段は、車両の外部状況として、案内経路における逸脱した交差点からの退出道路の渋滞度を取得するものであり、逸脱道路情報記憶手段は、渋滞度が所定値に達してないことを条件として逸脱道路情報を記憶するようにしてもよい。
このように、車両の外部状況としては、逸脱したときの案内経路における退出道路の渋滞度を採用することができる。例えば、案内経路に従って交差点を右折又は左折しようとしたとき、退出道路が渋滞していた場合、運転者は、渋滞を嫌がって、案内経路から逸脱した経路を選択した可能性がある。つまり、運転者は、意図的に案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。
一方、退出道路がさほど渋滞してなかった場合は、運転者は、渋滞していないにもかかわらず、案内経路から逸脱した経路を選択した可能性がある。このような場合、運転者は、案内交差点を見落として、意図せずに案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際にも、案内経路から逸脱する可能性が高いとみなすことができる。
よって、請求項5に示すようにすることによって、逸脱する可能性が高い経路(交差点、進入道路、退出道路)、つまり、案内経路において右折又は左折が案内される交差点であることが分かりづらい交差点における退出道路の優先度を下げることができ、より一層適切な案内経路を設定することができる。
また、請求項6に示すように、外部状況取得手段は、車両の外部状況として、案内経路における逸脱した交差点の信号機の有無を取得するものであり、逸脱道路情報記憶手段は、信号機が有ることを条件として逸脱道路情報を記憶するようにしてもよい。
このように、車両の外部状況としては、逸脱したときの交差点の信号機の有無を採用することができる。例えば、案内経路において右折又は左折が案内された案内交差点で逸脱したとき、案内交差点に信号機が無かった場合、運転者は、交差点に気づかず、案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際に、案内交差点に信号機があると、案内経路から逸脱しない可能性がある。
一方、案内交差点に信号機が有った場合は、運転者は、交差点は認識していたが、案内交差点であることがわからずに、案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際に、案内交差点に信号機が有っても、案内経路から逸脱する可能性が高いとみなすことができる。
よって、請求項6に示すようにすることによって、逸脱する可能性が高い経路(交差点、進入道路、退出道路)、つまり、案内経路において右折又は左折が案内される交差点であることが分かりづらい交差点における退出道路の優先度を下げることができ、より一層適切な案内経路を設定することができる。
また、車両が案内経路から逸脱するか否かは、車両の走行速度によってかわることもありうる。つまり、同じ交差点、進入道路、退出道路であっても、車両の走行速度によって、案内経路から逸脱する場合もあるし、逸脱しない場合もある。
そこで、請求項7に示すように、車両に設けられるものであり、逸脱検出手段にて車両が案内経路から逸脱したことが検出されたときの、車両の車速信号を取得する車速信号取得手段を備え、逸脱道路情報記憶手段は、車速信号取得手段にて取得した車速信号が所定値に達してないことを条件として、逸脱道路情報を記憶するようにしてもよい。
例えば、案内経路において右折又は左折が案内された案内交差点で逸脱したとき、車両が比較的速い速度で走行していた場合、運転者は、案内交差点に気づいてはいたが、走行速度が速かったことで、案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際に、走行速度がさほど速くないと、案内経路から逸脱しない可能性がある。
一方、車両がさほど速くない速度で走行していた場合、運転者は、例えば、交差点が複雑で、どの退出道路に進めばいいか迷って、案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際にも、案内経路から逸脱する可能性が高いとみなすことができる。
よって、請求項7に示すようにすることによって、逸脱する可能性が高い経路(交差点、進入道路、退出道路)、つまり、案内経路において右折又は左折が案内される交差点であることが分かりづらい交差点における退出道路の優先度を下げることができ、より一層適切な案内経路を設定することができる。
また、車両が案内経路から逸脱するか否かは、車両の室内状況によってかわることもありうる。つまり、同じ交差点、進入道路、退出道路であっても、車両の室内状況によって、案内経路から逸脱する場合もあるし、逸脱しない場合もある。
そこで、請求項8に示すように、車両に設けられるものであり、逸脱検出手段にて車両が前記案内経路から逸脱したことが検出されたときの、車両の室内状況を取得する室内状況取得手段を備え、逸脱道路情報記憶手段は、室内状況取得手段にて取得した車内室状況が所定の状況を満たすことを条件として、逸脱道路情報を記憶するようにしてもよい。
このように、車両が案内経路から逸脱したときの室内状況が所定の状況を満たすことを条件として、逸脱道路情報を記憶することで、逸脱する可能性が高い経路(交差点、進入道路、退出道路)、つまり、案内経路において右折又は左折が案内される交差点であることが分かりづらい交差点における退出道路の優先度を下げることができ、より一層適切な案内経路を設定することができる。
また、請求項9に示すように、室内状況取得手段は、室内状況として、車両の室内における会話状況を取得するものであり、逸脱道路情報記憶手段は、車両の運転者が会話中でないことを条件として、逸脱道路情報を記憶するようにしてもよい。
このように、車両の室内状況としては、逸脱したときの室内における会話状況を採用することができる。例えば、案内経路から逸脱したとき、運転者が会話中であった場合、運転者は、会話に夢中になっていたので、案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際に、運転者が会話していなかったら、案内経路から逸脱しない可能性がある。
一方、案内経路から逸脱したとき、運転者が会話中でなかった場合、運転者は、案内交差点を見落として、案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際にも、案内経路から逸脱する可能性が高いとみなすことができる。
よって、請求項9に示すようにすることによって、逸脱する可能性が高い経路(交差点、進入道路、退出道路)、つまり、案内経路において右折又は左折が案内される交差点であることが分かりづらい交差点における退出道路の優先度を下げることができ、より一層適切な案内経路を設定することができる。
また、請求項10に示すように、室内状況取得手段は、室内状況として、前記車両の室内における音声出力状況を取得するものであり、逸脱道路情報記憶手段は、室内に音声が出力されてないことを条件として、逸脱道路情報を記憶するようにしてもよい。
このように、車両の室内状況としては、逸脱したときの室内における音声出力状況を採用することができる。例えば、案内経路から逸脱したとき、運転者が音楽を聴いていた場合、運転者は、音楽に夢中になっていたので、案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際に、運転者が音楽を聴いていなかったら、案内経路から逸脱しない可能性がある。
一方、案内経路から逸脱したとき、運転者が音楽を聴いていなかった場合、運転者は、案内交差点を見落として、案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際にも、案内経路から逸脱する可能性が高いとみなすことができる。
よって、請求項10に示すようにすることによって、逸脱する可能性が高い経路(交差点、進入道路、退出道路)、つまり、案内経路において右折又は左折が案内される交差点であることが分かりづらい交差点における退出道路の優先度を下げることができ、より一層適切な案内経路を設定することができる。
また、請求項11に示すように、室内状況取得手段は、室内状況として、室内に設けられた情報機器の操作部材の操作状況を取得するものであり、逸脱道路情報記憶手段は、操作部材が操作中でないことを条件として、逸脱道路情報を記憶するようにしてもよい。
このように、車両の室内状況としては、逸脱したときの操作部材の操作状況を採用することができる。例えば、案内経路から逸脱したとき、運転者が操作部材を操作していた場合、運転者は、操作部材を操作していたことで、案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際に、運転者が操作部材を操作していなかったら、案内経路から逸脱しない可能性がある。
一方、案内経路から逸脱したとき、運転者が操作部材を操作していなかった場合、運転者は、案内交差点を見落として、案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際にも、案内経路から逸脱する可能性が高いとみなすことができる。
よって、請求項11に示すようにすることによって、逸脱する可能性が高い経路(交差点、進入道路、退出道路)、つまり、案内経路において右折又は左折が案内される交差点であることが分かりづらい交差点における退出道路の優先度を下げることができ、より一層適切な案内経路を設定することができる。
また、請求項12に示すように、車両に設けられるものであり、車両の運転者の交差点における運転傾向を取得する運転傾向取得手段を備え、逸脱道路情報記憶手段は、運転傾向取得手段にて取得した運転傾向が交差点を逸脱しない傾向を示すことを条件として、逸脱道路情報を記憶するようにしてもよい。
このように、運転傾向が交差点を逸脱しない傾向を示す場合、運転者は、案内交差点を見落として、案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際にも、案内経路から逸脱する可能性が高いとみなすことができる。
よって、請求項12に示すようにすることによって、逸脱する可能性が高い経路(交差点、進入道路、退出道路)、つまり、案内経路において右折又は左折が案内される交差点であることが分かりづらい交差点における退出道路の優先度を下げることができ、より一層適切な案内経路を設定することができる。
また、車両が案内経路から逸脱するか否かは、車両の運転者が急いでいたか否かによってかわることもありうる。つまり、同じ交差点、進入道路、退出道路であっても、運転者が急いでいたか否かによって、案内経路から逸脱する場合もあるし、逸脱しない場合もある。
そこで、請求項13に示すように、車両に設けられるものであり、車両の運転者が急いでいるか否かを示す緊急度を取得する緊急度判断手段を備え、逸脱道路情報記憶手段は、緊急度判断手段にて判断した運転者の緊急度が所定値に達してないことを条件として、逸脱道路情報を記憶するようにしてもよい。
例えば、案内経路において右折又は左折が案内された案内交差点で逸脱したとき、運転者が急いでいた場合、運転者は、急いでいたので案内交差点を見落として、案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際に、案内経路から逸脱しない可能性がある。
一方、運転者が急いでいない場合、運転者は、例えば、交差点が複雑で、どの退出道路に進めばいいか迷って、案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際にも、案内経路から逸脱する可能性が高いとみなすことができる。
よって、請求項13に示すようにすることによって、逸脱する可能性が高い経路(交差点、進入道路、退出道路)、つまり、案内経路において右折又は左折が案内される交差点であることが分かりづらい交差点における退出道路の優先度を下げることができ、より一層適切な案内経路を設定することができる。
また、請求項14に示すように、車両に設けられる車両側装置と、車両外部のセンターに設けられるセンター側装置とを含み、車両側装置とセンター側装置とは通信可能なものであり、
車両側装置は、
逸脱検出手段にて車両が案内経路から逸脱したことが検出されると、逸脱道路情報を運転者固有の識別情報とともにセンター側装置に送信する車両側第1送信手段と、
出発地から前記目的地までの案内経路の設定が指示されると、出発地と目的地を示す情報と識別情報とを含む要求信号をセンター側装置に送信する車両側第2送信手段と、
センター側装置から送信された情報を受信する車両側受信手段と、を備え、
センター側装置は、
車両側第1送信手段から送信された逸脱道路情報と識別情報とを受信するセンター側第1受信手段と、
車両側第2送信手段から送信された出発地と目的地を示す情報と識別情報とを含む前記要求信号を受信するセンター側第2受信手段と、
車両側送信手段から送信された逸脱道路情報と識別情報とを関連付けて記憶する逸脱道路情報記憶手段と、
要求信号を受信すると、逸脱道路情報記憶手段から、センター側第2受信手段にて受信した識別情報に関連付けられた逸脱道路情報であり、かつ、センター側第2受信手段にて受信した出発地と目的地を示す情報に関連する逸脱道路情報を検索する検索手段と、
検索手段にて抽出された逸脱道路情報を車両側装置に送信するセンター側送信手段と、を備えるようにしてもよい。
このようにすることによって、運転者が自身の車両(例えば、レンタカーなど)以外を運転するときでも、逸脱しにくい適切な案内経路を設定することができる。
また、請求項15に示すように、センター側装置は、センター側第2受信手段にて受信した出発地と前記目的地を示す情報から出発地から目的地までの案内経路を探索する探索手段を備え、検索手段は、出発地と目的地を示す情報に関連する逸脱道路情報として、探索手段にて探索された案内経路における交差点を含む逸脱道路情報を検索するようにしてもよい。
また、請求項16に示すように、検索手段は、出発地と目的地を示す情報に関連する逸脱道路情報として、探索手段にて探索された案内経路における交差点を含む逸脱道路情報に加えて、案内経路における交差点から所定範囲にある交差点を含む逸脱道路情報を検索するようにしてもよい。
以下、本発明の実施の形態における経路案内装置を図1〜図4に基づいて説明する。
本実施の形態におけるカーナビゲーション装置(経路案内装置、以下、カーナビとも称する)100は、車両に搭載されて、出発地から目的地までの案内経路を設定して、この案内経路によって出発地から目的地までの経路案内を行うものである。このカーナビ100は、図1に示すように、位置検出器20、地図データ入力器30、通信装置40、操作スイッチ群50、記憶装置60、表示装置70、音声出力装置80、ボイスレコーダ90及び、これらが接続された制御装置10など備える。
この制御装置10は、周知のコンピュータとして構成されており、内部にはCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインが備えられている。この制御装置10は、例えば、地図データ入力器30から取得した地図情報に基づいて出発地から目的地までの案内経路を設定(経路設定手段)したり、案内経路と位置検出器20から取得した位置情報とに基づいて案内経路から車両が逸脱したことを検出(逸脱検出手段)したり、車両が案内経路から逸脱したときの情報である逸脱道路情報を記憶装置60などに記憶(逸脱道路情報記憶手段)したりする機能を備えるものである。なお、制御装置10が実行する処理のうち本発明の特徴部分に関しては、後ほど詳しく説明する。
位置検出器20は、車両の位置を検出して、その位置に関する位置情報を制御装置10に出力するものであり、いずれも周辺の地磁気センサ21、ジャイロスコープ22、車速センサ23、及び衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPS(Global Positioning System)のためのGPS受信機24を有している。これらのセンサ等21,22,23,24は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお精度によっては上述した内の一部で構成してもよく、更にステアリングの回転センサ、各転動輪の車両センサ等を用いてもよい。つまり、制御装置10は、この位置検出器20から車両の位置に関する位置情報を取得する(位置情報取得手段)。
地図データ入力部30は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、地図データ(地図情報)及び目印データ(目印情報)を含む各種データを制御装置10に入力するための装置である。また、地図データとしては、交差点を識別する情報(例えば、ノードID)などを含む交差点に関するデータ(換言すると、交差点に関する交差点情報、又はノードデータ)、道路を識別する情報(例えばリンクID)などを含む道路に関するデータ(換言すると、道路に関する情報、又はリンクデータ)を含むものである。媒体としては、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカード、ハードディスクドライブ等を用いることができ、特に限定されるものではない。つまり、制御装置10は、この地図データ入力部6から各種データを取得する(地図情報取得手段)。換言すると、制御装置10は、この地図データ入力部6から各交差点に関する交差点情報と、各交差点に接続された道路に関する道路情報とを含む地図データを取得する(地図情報取得手段)。
なお、ノードデータは、ノードの識別番号であるノードIDと、ノードの座標、ノードに接続される全リンクのリンクID、ノード種別(交差点、合流地点等の種別)、ノードを表す画像の識別番号である画像ID、交差点の信号機の有無を示す情報などのノードの特性情報とからなるデータである。さらに、ノードに接続されるリンク間の角度を示す情報も含むものである。
リンクデータは、リンクの識別番号であるリンクID、リンク長、始点及び終点に接続する各ノードのノードID、高速道路、有料道路、一般道路、市街地/郊外道路、山間部道路等の道路種別、道路幅員、車線数、リンク走行時間、法定制限速度、道路の勾配、その道路を走行するのに掛かる距離や時間に関する経路コスト等の各データから構成されている。
通信装置40は、VICS(道路交通情報通信システム:Vehicle Information and Communication Systems、登録商標)センターやプローブ情報配信センターなどから配信される渋滞情報(渋滞度を示す情報などを含む)や走行車線の規制情報、プローブ情報配信センターから配信される走行車線の車両数を示す情報(例えば、所定時間の間に交差点を通過する車両の数を示す情報)、横断歩行者数を示す情報(例えば、所定時間の間に交差点を横断する歩行者の数を示す情報)、交差点の信号機の有無を示す情報などを受信する通信装置である。なお、この車両数を示す情報、横断歩行者数を示す情報、交差点の信号機の有無を示す情報は、車両に搭載された車載カメラによって撮影された画像から算出するようにしてもよい。制御装置10は、この通信装置40から渋滞度を示す情報、車両数を示す情報、横断歩行者数を示す情報、交差点の信号機の有無を示す情報を取得する(外部状況取得手段)。なお、渋滞度、車両数、横断歩行者数、交差点の信号機の有無を車両の外部状況とも称する。また、交差点の信号機の有無を示す情報は、地図データ入力部30から取得してもよい。
操作スイッチ群50は、例えば、後述する表示装置70と一体に構成され表示画面上に設置されるタッチスイッチ、表示装置70の表示画面周囲に設けられたプッシュ型のハードスイッチなどを採用することができ、各種入力に使用される。例えば、ユーザーの操作によって出発地の位置情報などを含む出発地情報や目的地の位置情報などを含む目的地情報などの各種情報、及び出発地(例えば、現在位置)から目的地までの案内経路(推奨経路)の探索指示などのナビゲーション装置100が実行する機能に対応付けられた操作信号を制御装置10に入力するためのものである。また、制御装置10は、この操作スイッチ群50から操作信号を取得することで、操作スイッチ群50の操作状況を示す情報を取得する(室内状況取得手段)。つまり、制御装置10は、この操作スイッチ群50から操作信号を取得することで、操作スイッチ群50の操作状況を判断する。
記憶装置60は、制御装置10内で取り扱うデータなどを必要に応じて記憶しておくためのもので、例えば、後ほど説明する逸脱道路情報などを記憶することができる。なお、この記憶装置60は、例えば、データの書き込みや読み出しが可能な不揮発性の記憶媒体で構成することができる。
表示装置70は、例えば、インストルメントパネルなどに設けられるカラー液晶表示装置などを採用することができる。この表示装置70の画面には、位置検出器20によって検出された車両の現在位置を示す車両マークと、地図データ入力器30より取得した地図データと、更に地図上に表示する誘導経路等付加データとを重ねて表示することが出来る。
音声出力装置80は、例えば、車室内に設けられたオーディオ装置やテレビなどの音声を出力するスピーカである。ボイスレコーダ90は、車室内に設けられたマイクによって、車両の乗員の会話を録音するものである。例えば、入力装置としての音声認識装置や、交通事故、車両や同部品などの盗難事件の解明のために用いられるドライブレコーダなどに設けられるボイスレコーダを採用することができる。制御装置10は、この音声出力装置80から車両の室内における音声出力状況を示す情報を取得するとともに、ボイスレコーダ90から車両の室内における会話状況を示す情報を取得する(室内状況取得手段)。なお、音声出力状況、会話状況、及び上述の操作スイッチ群50の操作状況を車両の室内状況とも称する。
このように構成されたカーナビ100においては、制御装置10は、ユーザーの操作によって操作スイッチ群50により目的地情報や経路探索の指示などを示す操作信号が入力されると、地図データ入力器30から取得したデータを用いて、出発地(例えば、現在位置)からその目的地までの最適な経路(例えば、出発地から目的地まで最短時間で到達できる経路など)を自動的に選択して案内経路(推奨経路)を探索(設定)する。そして、制御装置10は、探索した案内経路(推奨経路)と、位置検出器20から取得した位置情報と地図データ入力器30から取得したデータとにより算出する車両の位置とにより、表示する地図の向きを決定し、車両マークと、地図データと、誘導経路等付加データとを重ねて表示装置70に表示する。なお、このような自動的に最適な経路を設定する手法としては、ダイクストラ法等の手法を採用することができる。さらに、本実施の形態におけるカーナビ100は、案内経路を設定する際に逸脱道路情報を考慮するものである。これは、本発明の特徴部分である。
ここで、本実施の形態におけるカーナビ100の処理動作に関して説明する。
まず、図2に示すフローチャートに基づいて、カーナビ100の逸脱道路情報の記憶処理に関して説明する。この図2に示すフローチャートは、経路案内が開始されるとスタートする。
ステップS10では、車両の現在位置を検出する。つまり、位置検出器20によって、車両の現在位置を検出する。そして、制御装置10は、位置検出器20から車両の位置に関する位置情報を取得する(位置情報取得手段)。
ステップS11では、車両の現在位置と設定されている案内経路とを比較する。つまり、制御装置10は、車両が案内経路から逸脱しているか否かを検出するために、ステップS10で取得した位置情報が示す車両の現在位置と、設定されている案内経路とを比較する。
ステップS12では、車両が案内経路から外れたか否(逸脱したか否か)かを判定する。つまり、制御装置10は、ステップS11での比較結果によって、車両の現在位置が案内経路上にあるか否かによって、車両が案内経路から外れたか否(逸脱したか否)かを判定する。そして、案内経路から外れたと判定した場合はステップS13へ進み、案内経路から外れてないと判定した場合はステップS10に戻る。このように、制御装置10は、経路案内中において、設定された案内経路とステップS10で取得した位置情報とに基づいて、案内経路から車両が逸脱したことを検出する(逸脱検出手段)。例えば、図4に示すように、案内経路がリンクL1〜ノードN1〜リンクL5〜ノードN3〜リンクL4〜ノードN4であり、実際の走行経路がリンクL1〜ノードN1〜リンクL2〜ノードN2〜リンクL3〜ノードN3〜リンクL4〜ノードN4であった場合、車両の現在位置がリンクL2、又はノードN2、又はリンクL3上にあることが検出されると、案内経路から外れたと判定される。
ステップS13では、車両が案内経路から逸脱した時の状況(状況を示す情報)を取得して、例えばRAMなどに記憶する。具体的には、制御装置10は、車両が案内経路から逸脱したことが検出されたときの、車両の外部状況を取得する(外部状況取得手段)。つまり、制御装置10は、この外部状況として、通信装置40から逸脱した交差点における車両(自車両)の走行車線に対する対向車線の車両数を示す情報、案内経路における逸脱した交差点からの退出道路の横断歩行者数を示す情報、案内経路における逸脱した交差点からの退出道路の渋滞度を示す情報、案内経路における逸脱した交差点の信号機の有無を示す情報を取得する(外部状況取得手段)。また、制御装置10は、車速センサ23から、車両が案内経路から逸脱したことが検出されたときの、車両の車速信号を取得する(車速信号取得手段)。さらに、制御装置10は、操作スイッチ群50、音声出力装置80、ボイスレコーダ90から車両が案内経路から逸脱したことが検出されたときの、車両の室内状況を取得する(室内状況取得手段)。つまり、制御装置10は、この室内状況として、操作スイッチ群50から車両の室内における操作スイッチ群50の操作状況を取得する(室内状況取得手段)。また、制御装置10は、この室内状況として、音声出力装置80から車両の室内における音声出力状況を取得する(室内状況取得手段)。また、制御装置10は、この室内状況として、ボイスレコーダ90から車両の室内における会話状況を取得する(室内状況取得手段)。
なお、制御装置10は、車両が案内経路から逸脱したことが検出されたときの交差点に関する交差点情報、車両が案内経路から逸脱したことが検出されたときに交差点に進入する際に走行した道路に関する道路情報、車両が案内経路から逸脱したことが検出されたときに交差点から退出する際に走行した道路に関する道路情報を、例えばRAMなどに記憶しておく。これらの情報は、後ほど説明する逸脱道路情報に用いられる。
なお、後ほど説明するが、本実施の形態におけるカーナビ100は、この逸脱道路情報が示す退出道路、又はこの逸脱道路情報が示す交差点及び道路と同様の交差点及び道路における退出道路に対して、案内経路に採用する際の優先度を、逸脱が検出される前よりも下げて案内経路を設定する(経路設定手段)ものである。
ステップS14では、制御装置10は、逸脱道路情報を記憶(登録)するか否かを判定する。つまり、上述の車両が案内経路から逸脱したことが検出されたときに、RAMなどに記憶された交差点情報及び道路情報を逸脱道路情報として記憶(登録)するか否かを判定する。この判定は、ステップS13で取得した状況に基づいて判定するものである。よって、ステップS13で取得した状況は、この交差点情報及び道路情報を逸脱道路情報として記憶(登録)するか否かを判定するための情報である。
実際に車両が案内経路から逸脱した交差点及びそのときの進入道路と退出道路は、次に走行する際にも逸脱しそうな経路(交差点、進入道路、退出道路)とみなすことができる。また、このような交差点及びそのときの進入道路と退出道路と同様の交差点及び道路(進入道路と退出道路)は、逸脱しそうな経路(交差点、進入道路、退出道路)とみなすことができる。つまり、このような経路は、案内経路において右折又は左折が案内される交差点であることが分かりづらい(つまり、見逃しやすい、見落としやすい)経路と換言することができる。
しかしながら、車両が案内経路から逸脱するか否かは、逸脱したときの車両の外部状況、逸脱したときの車速、逸脱したときの車両の室内状況によってかわることもありうる。つまり、同じ交差点、進入道路、退出道路であっても、これらの状況によって、案内経路から逸脱する場合もあるし、逸脱しない場合もある。
そこで、本実施の形態においては、ステップS13で取得した状況に基づいて、逸脱道路情報を記憶(登録)するか否かを判定する。そして、ステップS15では、制御装置10は、ステップS14で記憶すると判定されると、逸脱が検出された交差点に車両が進入するときに走行した道路に関する道路情報を交差点に対する進入道路を示す進入道路情報として、また、逸脱が検出された交差点から車両が退出する際に走行した道路に関する道路情報を交差点に対する退出道路を示す退出道路情報として、車両が逸脱した交差点に関する交差点情報と関連付けられた逸脱道路情報を記憶装置60などに記憶する。
つまり、本実施の形態におけるカーナビ100は、外部状況が所定の状況を満たすことを条件として、逸脱道路情報を記憶する。又は、車速信号が所定値に達してないことを条件として、逸脱道路情報を記憶する。又は、車内室状況が所定の状況を満たすことを条件として、逸脱道路情報を記憶する。
ここで、上述の状況毎に逸脱道路情報を記憶する際の処理を説明する。
まず、車両数を採用する場合、逸脱した交差点における車両(自車両)の走行車線に対する対向車線の車両数が所定値に達してないことを条件として逸脱道路情報を記憶する。例えば、案内経路に従って交差点を右折しようとしたとき、対向車線の車両数が多かった場合、運転者は、右折に時間がかかるのを嫌がって(待ち時間を嫌がって)、又は、右折しづらいので、案内経路から逸脱した経路を選択した可能性がある。つまり、運転者は、意図的に案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。
一方、対向車線の車両数がさほど多くなかった場合は、運転者は、さほど右折に時間がかからない、又は、右折しづらくないにもかかわらず、案内経路から逸脱した経路を選択した可能性がある。このような場合、運転者は、案内交差点(右折又は左折が案内される交差点)を見落として、意図せずに案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際にも、案内経路から逸脱する可能性が高いとみなすことができる。
よって、このようにすることによって、逸脱する可能性が高い経路(交差点、進入道路、退出道路)、つまり、案内経路において右折又は左折が案内される交差点であることが分かりづらい交差点における退出道路の優先度を下げることで、より一層適切な案内経路を設定することができる。
次に、横断歩行者数を採用する場合、案内経路における逸脱した交差点からの退出道路の横断歩行者数が所定値に達してないことを条件として逸脱道路情報を記憶する。このように、車両の外部状況としては、逸脱したときの案内経路における退出道路の横断歩行者数を採用することができる。例えば、案内経路に従って交差点を右折又は左折しようとしたとき、退出道路の横断歩行者数が多かった場合、運転者は、右折又は左折に時間がかかるのを嫌がって(待ち時間を嫌がって)、又は、右折又は左折しづらいので、案内経路から逸脱した経路を選択した可能性がある。つまり、運転者は、意図的に案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。
一方、退出道路の横断歩行者数がさほど多くなかった場合は、運転者は、さほど右折又は左折に時間がかからない、又は、右折又は左折しづらくないにもかかわらず、案内経路から逸脱した経路を選択した可能性がある。このような場合、運転者は、案内交差点を見落として、意図せずに案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際にも、案内経路から逸脱する可能性が高いとみなすことができる。
よって、このようにすることによって、逸脱する可能性が高い経路(交差点、進入道路、退出道路)、つまり、案内経路において右折又は左折が案内される交差点であることが分かりづらい交差点における退出道路の優先度を下げることで、より一層適切な案内経路を設定することができる。
次に、渋滞度を採用する場合、案内経路における逸脱した交差点からの退出道路の渋滞度が所定値に達してないことを条件として逸脱道路情報を記憶する。例えば、案内経路に従って交差点を右折又は左折しようとしたとき、退出道路が渋滞していた場合、運転者は、渋滞を嫌がって、案内経路から逸脱した経路を選択した可能性がある。つまり、運転者は、意図的に案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。
一方、退出道路がさほど渋滞してなかった場合は、運転者は、渋滞していないにもかかわらず、案内経路から逸脱した経路を選択した可能性がある。このような場合、運転者は、案内交差点を見落として、意図せずに案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際にも、案内経路から逸脱する可能性が高いとみなすことができる。
よって、このようにすることによって、逸脱する可能性が高い経路(交差点、進入道路、退出道路)、つまり、案内経路において右折又は左折が案内される交差点であることが分かりづらい交差点における退出道路の優先度を下げることで、より一層適切な案内経路を設定することができる。
次に、信号機の有無を採用する場合、案内経路における逸脱した交差点に信号機が有ることを条件として逸脱道路情報を記憶する。例えば、案内経路において右折又は左折が案内された案内交差点で逸脱したとき、案内交差点に信号機が無かった場合、運転者は、交差点に気づかず、案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際に、案内交差点に信号機があると、案内経路から逸脱しない可能性がある。
一方、案内交差点に信号機が有った場合は、運転者は、交差点は認識していたが、案内交差点であることがわからずに、案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際に、案内交差点に信号機が有っても、案内経路から逸脱する可能性が高いとみなすことができる。
よって、このようにすることによって、逸脱する可能性が高い経路(交差点、進入道路、退出道路)、つまり、案内経路において右折又は左折が案内される交差点であることが分かりづらい交差点における退出道路の優先度を下げることで、より一層適切な案内経路を設定することができる。
次に、車両の車速を採用する場合、車両が案内経路から逸脱したことが検出されたとき、車両の車速信号が所定値に達してないことを条件として、逸脱道路情報を記憶する。例えば、案内経路において右折又は左折が案内された案内交差点で逸脱したとき、車両が比較的速い速度で走行していた場合、運転者は、案内交差点に気づいてはいたが、走行速度が速かったことで、案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際に、走行速度がさほど速くないと、案内経路から逸脱しない可能性がある。
一方、車両がさほど速くない速度で走行していた場合、運転者は、例えば、交差点が複雑で、どの退出道路に進めばいいか迷って、案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際にも、案内経路から逸脱する可能性が高いとみなすことができる。
よって、このようにすることによって、逸脱する可能性が高い経路(交差点、進入道路、退出道路)、つまり、案内経路において右折又は左折が案内される交差点であることが分かりづらい交差点における退出道路の優先度を下げることで、より一層適切な案内経路を設定することができる。
次に、会話状況を採用する場合、車両が案内経路から逸脱したことが検出されたとき、車両の運転者が会話中でないことを条件として、逸脱道路情報を記憶する。例えば、案内経路から逸脱したとき、運転者が会話中であった場合、運転者は、会話に夢中になっていたので、案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際に、運転者が会話していなかったら、案内経路から逸脱しない可能性がある。
一方、案内経路から逸脱したとき、運転者が会話中でなかった場合、運転者は、案内交差点を見落として、案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際にも、案内経路から逸脱する可能性が高いとみなすことができる。
よって、このようにすることによって、逸脱する可能性が高い経路(交差点、進入道路、退出道路)、つまり、案内経路において右折又は左折が案内される交差点であることが分かりづらい交差点における退出道路の優先度を下げることで、より一層適切な案内経路を設定することができる。
次に、音声出力状況を採用する場合、車両が案内経路から逸脱したことが検出されたとき、室内に音声が出力されてないことを条件として、逸脱道路情報を記憶する。例えば、案内経路から逸脱したとき、運転者が音楽を聴いていた場合、運転者は、音楽に夢中になっていたので、案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際に、運転者が音楽を聴いていなかったら、案内経路から逸脱しない可能性がある。
一方、案内経路から逸脱したとき、運転者が音楽を聴いていなかった場合、運転者は、案内交差点を見落として、案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際にも、案内経路から逸脱する可能性が高いとみなすことができる。
よって、このようにすることによって、逸脱する可能性が高い経路(交差点、進入道路、退出道路)、つまり、案内経路において右折又は左折が案内される交差点であることが分かりづらい交差点における退出道路の優先度を下げることで、より一層適切な案内経路を設定することができる。
次に、操作状況を採用する場合、車両が案内経路から逸脱したことが検出されたとき、操作スイッチ群50が操作中でないことを条件として、逸脱道路情報を記憶する。例えば、案内経路から逸脱したとき、運転者が操作部材を操作していた場合、運転者は、操作スイッチ群50を操作していたことで、案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際に、運転者が操作スイッチ群50を操作していなかったら、案内経路から逸脱しない可能性がある。
一方、案内経路から逸脱したとき、運転者が操作スイッチ群50を操作していなかった場合、運転者は、案内交差点を見落として、案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際にも、案内経路から逸脱する可能性が高いとみなすことができる。
よって、このようにすることによって、逸脱する可能性が高い経路(交差点、進入道路、退出道路)、つまり、案内経路において右折又は左折が案内される交差点であることが分かりづらい交差点における退出道路の優先度を下げることで、より一層適切な案内経路を設定することができる。
次に、図3に示すフローチャートに基づいて、カーナビ100の案内経路の設定処理に関して説明する。この図3に示すフローチャートは、目的地が入力されたとき、又は出発地と目的地が入力されたときにスタートする。
ステップS20では、制御装置10は、地図データ入力器30から地図データを取得して(地図情報取得手段)、この取得した地図データに基づいて、出発地から目的地までの案内経路を探索(設定)する(経路設定手段)。
ステップS21では、制御装置10は、ステップS20で設定した案内経路において、記憶装置60に記憶された逸脱道路情報の交差点及び道路と同一、又は同様の交差点及び道路があるか否かを検索する。なお、この逸脱道路情報と同様の交差点及び道路とは、交差点の接続道路数(換言すると、分岐数、又は接続リンク数)が同じであり、交差点に接続される道路間の角度(ノードに接続されるリンク間の角度)の差が所定の範囲内であり、交差点への進入道路の車線数が同じものを示す。
ステップS22では、ステップS21での検索結果に基づいて、ステップS20で設定した案内経路において、記憶装置60に記憶された逸脱道路情報の交差点及び道路と同一、又は同様の交差点及び道路が有るか否かを判定する。そして、ないと判定した場合はステップS24へ進み、有ると判定した場合はステップS23へ進む。
ステップS23では、制御装置10は、ステップS21での検索で抽出された逸脱道路情報が示す退出道路に対して、案内経路に採用する際の優先度を、逸脱が検出される前よりも下げて案内経路を設定する(経路設定手段)。つまり、記憶装置60に記憶された逸脱道路情報が示す退出道路、又は逸脱道路情報が示す交差点及び道路と同様の交差点及び道路における退出道路に対して、案内経路に採用する際の優先度を、逸脱が検出される前よりも下げて案内経路を設定する(経路設定手段)。
そして、ステップS24では、ステップS20又はステップS23で設定された案内経路を実際に経路案内に用いる案内経路に決定する(経路設定手段)。つまり、ステップS22でNO判定の場合は、ステップS20で設定された案内経路を実際に経路案内に用いる案内経路に決定する。一方、ステップS22でYES判定の場合は、ステップS23で設定された案内経路を実際に経路案内に用いる案内経路に決定する。
制御装置10は、このように、案内経路が決定すると、設定した案内経路と車両の位置情報とに基づいて、出発地から目的地までの経路案内を行う(経路案内手段)。
このように、実際に車両が案内経路から逸脱した交差点及びそのときの進入道路と退出道路に関する逸脱道路情報を記憶しておく。そして、案内経路を設定する際には、逸脱しそうな経路(交差点、進入道路、退出道路)における退出道路に対して、案内経路に採用する際の優先度を、逸脱が検出される前よりも下げて案内経路を設定することによって、案内経路に上述のような経路が含まれることを抑制でき、逸脱しにくい適切な案内経路を設定することができる。
なお、上述の逸脱道路情報を記憶するか否かを判定するための状況としては、逸脱した交差点における車両(自車両)の走行車線に対する対向車線の車両数、案内経路における逸脱した交差点からの退出道路の横断歩行者数、案内経路における逸脱した交差点からの退出道路の渋滞度、案内経路における逸脱した交差点の信号機の有無、車両の走行速度(車速)、車両の室内における会話状況、車両の室内における音声出力状況、操作スイッチ群50の操作状況の少なくとも一つを記憶すれば本発明の目的は達成できるものである。
よって、上述の車両数、横断歩行者数、渋滞度、信号機の有無を採用しない場合は、通信装置40を設けたり、制御装置10が逸脱道路状況を記憶するか否かを判定するために、これらの状況を示す情報を取得したりする必要はない。同様に、車両の走行速度(車速)を採用しない場合は、制御装置10は逸脱道路状況を記憶するか否かを判定するために車速信号を取得する必要はない。同様に、車両の室内における会話状況を採用しない場合は、カーナビ100にボイスレコーダ90を設けたり、制御装置10が逸脱道路状況を記憶するか否かを判定するために会話状況を示す情報を取得したりする必要はない。同様に、車両の室内における音声出力状況を採用しない場合は、カーナビ100に音声出力装置80を設けたり、制御装置10が逸脱道路状況を記憶するか否かを判定するために音声出力状況を示す情報を取得したりする必要はない。同様に、操作スイッチ群50の操作状況を採用しない場合は、制御装置10は逸脱道路状況を記憶するか否かを判定するために操作状況を示す情報を取得する必要はない。
また、制御装置10に車両の運転者の交差点における運転傾向を取得する(運転傾向取得手段)機能を備える場合、制御装置10は、取得した運転傾向が交差点を逸脱しない傾向を示すことを条件として、逸脱道路情報を記憶装置60などに記憶する(逸脱道路情報記憶手段)ようにしてもよい。
また、制御装置10に車両の運転者が急いでいるか否かを示す緊急度を判断する(緊急度判断手段)機能を備える場合、制御装置10は、取得した運転者の緊急度が所定値に達してないことを条件として、逸脱道路情報を記憶装置60などに記憶する(逸脱道路情報記憶手段)ようにしてもよい。なお、この緊急度は、経路案内中において、目的地への到達予測時間に対して、車両の現在位置から目的地までの距離と、その時の現在時刻とによって判断することができる。
また、交差点情報及び道路情報を逸脱道路情報として記憶(登録)するか否かを判定するための情報(車両の外部状況)としては、上述の他に、走行車線の規制情報などを採用することもできる。
この規制情報を採用する場合、案内経路における逸脱した交差点からの退出道路の規制情報がないことを条件として逸脱道路情報を記憶する。例えば、案内経路に従って交差点を右折又は左折しようとしたとき、退出道路が走行規制されていた場合、運転者は、走行規制を嫌がって、案内経路から逸脱した経路を選択した可能性がある。つまり、運転者は、意図的に案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。
一方、走行規制がなかった場合は、運転者は、走行車線が規制されていないにもかかわらず、案内経路から逸脱した経路を選択した可能性がある。このような場合、運転者は、案内交差点を見落として、意図せずに案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際にも、案内経路から逸脱する可能性が高いとみなすことができる。
よって、このようにすることによっても、逸脱する可能性が高い経路(交差点、進入道路、退出道路)、つまり、案内経路において右折又は左折が案内される交差点であることが分かりづらい交差点における退出道路の優先度を下げることで、より一層適切な案内経路を設定することができる。
また、交差点情報及び道路情報を逸脱道路情報として記憶(登録)するか否かを判定するための情報(車両の外部状況)としては、上述の他に、逸脱が検出された交差点に車両が進入するときに走行した道路の右折又は左折レーン(車線)の有無を示す情報を採用することもできる。なお、ここでの右折レーン又は左折レーンの有無は、案内経路に設定された退出道路方向への右折レーン又は左折レーンの有無である。
この右折又は左折レーンの有無を示す情報を採用する場合、逸脱が検出された交差点に車両が進入するときに走行した道路に右折レーン又は左折レーンがあることを条件として逸脱道路情報を記憶する。例えば、案内経路において右折又は左折が案内された案内交差点で逸脱したとき、交差点に車両が進入するときに走行した道路に右折レーン又は左折レーンが無かった場合、運転者は、交差点に気づかず、案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際に、案内交差点に右折レーン又は左折レーンがあると、案内経路から逸脱しない可能性がある。
一方、右折レーン又は左折レーンが有った場合は、運転者は、交差点は認識していたが、案内交差点であることがわからずに、案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際に、右折レーン又は左折レーンが有っても、案内経路から逸脱する可能性が高いとみなすことができる。
このようにすることによって、逸脱する可能性が高い経路(交差点、進入道路、退出道路)、つまり、案内経路において右折又は左折が案内される交差点であることが分かりづらい交差点における退出道路の優先度を下げることで、より一層適切な案内経路を設定することができる。
また、交差点情報及び道路情報を逸脱道路情報として記憶(登録)するか否かを判定するための情報(車両の外部状況)としては、上述の他に、案内経路における逸脱した交差点からの退出道路の車線数を示す情報を採用することもできる。
この、退出道路の車線数を示す情報を採用する場合、案内経路における逸脱した交差点からの退出道路の車線数が所定値以上(例えば、2車線以上、車線通n≧2)でないことを条件として逸脱道路情報を記憶する。
例えば、案内経路に従って交差点を右折又は左折しようとしたとき、退出道路が2車線以上あった場合、運転者は、案内交差点であることを認識していながら、意図的に案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。
一方、1車線であった場合は、運転者は、案内交差点を見落として、意図せずに案内経路から逸脱した経路を選択したと考えることができる。従って、次回以降、この経路(交差点、進入道路、退出道路)又は同様の経路を走行する際にも、案内経路から逸脱する可能性が高いとみなすことができる。
よって、このようにすることによって、逸脱する可能性が高い経路(交差点、進入道路、退出道路)、つまり、案内経路において右折又は左折が案内される交差点であることが分かりづらい交差点における退出道路の優先度を下げることで、より一層適切な案内経路を設定することができる。
(変形例1)
次に、変形例1における経路案内装置を図5〜図9に基づいて説明する。
本実施の形態における経路案内装置は、図5に示すように、カーナビ100と、車両外部のセンター200に設けられるセンター側装置(制御装置210、通信装置220、データベース230)とを含む。このカーナビ100とセンター側装置とは通信可能なものである。
なお、カーナビ100は、上述の実施の形態と類似するので、主に異なる点に関して説明する。また、上述の実施の形態と同じ箇所は、図面において同じ符号を付与して説明を省略する。
この変形例1におけるカーナビ100は、図5に示すように、上述の実施の形態での構成に加えて、センター200に設けられる通信装置220との通信を行なう第2通信装置41を備える。なお、第1通信装置40は、上述の実施の形態における通信装置40と同等のものである。
一方、このカーナビ100と通信可能なセンター200は、センター側装置として、サーバーなどによって構成される制御装置210、カーナビ100の第2通信装置41と通信可能な通信装置220、逸脱道路情報が記憶されるデータベース230などを備える。
ここで、変形例1における経路案内装置の処理動作に関して説明する。
まず、図6に示すフローチャートに基づいて、変形例1におけるカーナビ100の逸脱道路情報の送信処理に関して説明する。なお、この図6に示すフローチャートのステップS30〜ステップS34は、上述の図2に示すフローチャートのステップS10〜ステップS14と略同一であるため説明を省略する。
ステップS35では、カーナビ100の制御装置10は、ステップS34で送信すると判定されると、逸脱が検出された交差点に車両が進入するときに走行した道路に関する道路情報を交差点に対する進入道路を示す進入道路情報として、また、逸脱が検出された交差点から車両が退出する際に走行した道路に関する道路情報を交差点に対する退出道路を示す退出道路情報として、車両が逸脱した交差点に関する交差点情報と関連付けられた逸脱道路情報を、車両の運転者固有の識別情報とともに、第2通信装置41からセンター200(通信装置220)に送信する(車両側第1送信手段)。なお、車両の運転者固有の識別情報は、カーナビ100の記憶装置60などに記憶しておくことができる。
次に、図7に示すフローチャートに基づいて、変形例1におけるセンター200の逸脱道路情報の登録処理に関して説明する。
ステップS40では、センター200の制御装置210は、センター200の通信装置220にて逸脱道路情報を受信したか否かを判定する。そして、逸脱道路情報を受信(センター側第1受信手段)したと判定するとステップS41へ進み、逸脱道路情報を受信してないと判定するとステップS40での判定を繰り返す。
ステップS41では、センター200の制御装置210は、カーナビ100の第2通信装置41から送信された逸脱道路情報を識別情報と関連付けてデータベース230に記憶(登録)する(逸脱道路情報記憶手段)。つまり、上述の実施の形態においては、カーナビ100に逸脱道路情報を記憶していたのに対して、変形例1においては、センター200のデータベース230に逸脱道路情報を記憶する。なお、このセンター200の制御装置210が取得した逸脱道路情報は、図6のステップS33で取得した状況に基づいて送信すると判定された結果、カーナビ100から送信されたものである。よって、この逸脱道路情報は、逸脱道路情報を記憶する条件を満たしているものである。
次に、図8に示すフローチャートに基づいて、変形例1におけるカーナビ100の案内経路の設定処理に関して説明する。この図8に示すフローチャートは、目的地が入力されたとき、又は出発地と目的地が入力されたときにスタートする。つまり、出発地から目的地までの案内経路の設定が指示されるとスタートする。
ステップS50では、カーナビ100の制御装置10は、出発地情報と目的地情報及び運転者固有の識別情報を第2通信装置41からセンター200(通信装置220)に送信する(車両側第2送信手段)。
ステップS51では、カーナビ100の制御装置10は、第2通信装置41にて逸脱道路情報を受信したか否かを判定する。そして、逸脱道路情報を受信(車両側受信手段)したと判定するとステップS53へ進み、逸脱道路情報を受信してないと判定するとステップS52へ進む。
なお、ステップS52での処理は、上述の図3のステップS20での処理と同一であり、ステップS53での処理は、上述の図3のステップS23での処理と同様(ただし、この場合、再探索ではない)であり、ステップS54での処理は、上述の図3のステップS24での処理と同一であるため説明を省略する。
次に、図9に示すフローチャートに基づいて、変形例1におけるセンター200の逸脱道路情報の送信処理に関して説明する。
ステップS60では、センター200の制御装置210は、カーナビ100の第2通信装置41から送信された出発地情報と目的地情報と識別情報とを受信したいか否かを判定する。そして、受信した(センター側第2受信手段)と判定するとステップS61へ進み、受信してないと判定するとステップS60での判定を繰り返す。
ステップS61では、センター200の制御装置210は、受信した出発地情報が示す出発地から目的地情報が示す目的地までの案内経路を探索する。なお、この案内経路の探索処理は、上述の図3のS20での処理と同様であるため、説明を省略する。
ステップS62では、センター200の制御装置210は、上述の図3のステップS21と同様に検索を行うものであるが、ここでは、データベース230に記憶されている受信した識別情報に関連付けられた逸脱道路情報が検索対象となる。つまり、識別情報に関連付けられた逸脱道路情報であり、かつ、受信した出発地情報と目的地情報に関連する逸脱道路情報を検索する(検索手段)。なお、ここでの逸脱道路情報は、ステップS61で探索された案内経路における交差点を含む逸脱道路情報とする。
ステップS63では、センター200の制御装置210は、ステップS62での検索によって、該当する逸脱道路情報が有ったか否かを判定する。そして、該当する逸脱道路情報が有ったと判定した場合は、ステップS64へ進み、該当する逸脱道路情報が無かったと判定した場合は、ステップS60へ戻る。なお、該当する逸脱道路情報が無かったと判定した場合は、カーナビ100に対して、該当する逸脱道路情報が無かったと旨を示す情報を送信するようにしてもよい。
そして、ステップS64では、センター200の制御装置210は、ステップS62での検索で抽出された逸脱道路情報を通信装置220からカーナビ100に送信する(センター側送信手段)。
このようにすることによって、運転者が自身の車両(例えば、レンタカーなど)以外を運転するときでも、逸脱しにくい適切な案内経路を設定することができる。
なお、ここでは、出発地情報と目的地情報に関連する逸脱道路情報として、探索した案内経路における交差点を含む逸脱道路情報を検索する例を採用したが、本発明これに限定されるものではない。出発地情報と目的地情報に関連する逸脱道路情報として、探索した案内経路における交差点を含む逸脱道路情報に加えて、案内経路における交差点から所定範囲にある交差点を含む逸脱道路情報を検索するようにしてもよい。
なお、センター200(制御装置210)で受信した回数が所定値に達している逸脱道路情報は、複数の運転者が同じところで案内経路から逸脱したと考えることができる。つまり、特に案内経路に該当する道路が分かりづらい交差点であると考えることができる。よって、センター200の制御装置210は、受信した逸脱道路情報の統計をとって、受信した回数が所定値に達している逸脱道路情報に関しては、全てのカーナビ200に送信すると好ましい。
(変形例2)
次に、変形例2における経路案内装置を図10〜図14に基づいて説明する。
本実施の形態における経路案内装置は、カーナビ100と、車両外部のセンター200に設けられるセンター側装置(制御装置210、通信装置220、データベース230)とを含む。なお、変形例2における経路案内装置の構成は、上記変形例1(図5)と同様であるため詳しい説明は省略する。
上記変形例1においては、カーナビ100は、制御装置10が送信すると判定(車両が案内経路から逸脱した時の状況(状況を示す情報)に基づいて判定)した逸脱道路情報をセンター200に送信していた。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。
この変形例2に示すように、カーナビ100は、車両が案内経路から逸脱した時の状況(状況を示す情報)、及び車両が案内経路から逸脱した際の進入道路情報と、退出道路情報と、交差点に関する交差点情報とが関連付けられた情報をセンター200に送信するようにしてもよい。この場合、センター200の制御装置210は、車両が案内経路から逸脱した時の状況(状況を示す情報)に基づいて、車両が案内経路から逸脱した際の進入道路情報と、退出道路情報と、交差点に関する交差点情報とが関連付けられた情報を逸脱道路情報として記憶するか否かを判定する。つまり、上述の図6のフローチャートにおけるステップS34の判定をセンター200の制御装置210が行う。
なお、このカーナビ100がセンター200に送信する、車両が案内経路から逸脱した際の進入道路情報と、退出道路情報と、交差点情報とが関連付けられた情報は、変形例1のように状況(車両が案内経路から逸脱した時の状況)に基づいて送信すると判定されたものではない。つまり、図10のステップS77においてカーナビ100がセンター200に送信する逸脱道路情報は、変形例1のように状況に基づいて送信すると判定されたものではない。従って、カーナビ100は、車両が案内経路から逸脱するたびに、進入道路情報と、退出道路情報と、交差点情報とが関連付けられた情報をセンター200に送信する。しかしながら、変形例2においては、便宜上、この情報に関しても逸脱道路情報と称する。
ここで、変形例2におけるカーナビ100の処理動作に関して説明する。
まず、図10に示すフローチャートに基づいて、変形例2におけるカーナビ100の逸脱道路情報の送信処理に関して説明する。なお、この図10に示すフローチャートのステップS70〜ステップS72は、上述の図6に示すフローチャートのステップS30〜ステップS32(つまり、上述の図2に示すフローチャートのステップS10〜ステップS12)と同じであるため説明を省略する。
ステップS73では、カーナビ100の制御装置10は、逸脱が検出された交差点に車両が進入するときに走行した道路(進入リンク、交差点への進入道路)の確認処理を行う。
ここで、図11に基づいて、この進入リンクの確認処理に関して説明する。ステップS710では、カーナビ100の制御装置10は、逸脱が検出された際にRAMなどに記憶した道路情報(進入道路情報)から、逸脱が検出された交差点に車両が進入するときに走行した道路に右折レーン又は左折レーンが有るか否かを確認する。そして、右折レーン又は左折レーンが無いと判定した場合はステップS711へ進み、有ると判定した場合は進入リンク確認処理を終了して図10のフローチャートに戻る(リターン)。なお、ここでの右折レーン又は左折レーンの有無は、案内経路に設定された退出道路方向への右折レーン又は左折レーンの有無である。つまり、交差点から右折するように案内経路が設定されていた場合、右折レーンがあった場合はYESと判定され、右折レーン及び左折レーンがともに無かった場合や、左折レーンのみがあった場合はNOと判定される。また、ここでの道路情報は、上述のように、車両が案内経路から逸脱したと検出されたときに交差点に進入する際に走行した道路に関するものである。
ステップS711では、カーナビ100の制御装置10は、逸脱が検出された交差点に車両が進入するときに走行した道路(進入リンク)に右折又は左折レーンが無いことを示す情報を逸脱道路情報に加える。例えば、フラグを立てるなどして逸脱道路情報に加える。
次に、図10のフローチャートに戻って、ステップS74では、カーナビ100の制御装置10は、逸脱が検出された交差点(ノード)の確認処理を行う。
ここで、図12に基づいて、このノードの確認処理に関して説明する。ステップS720では、カーナビ100の制御装置10は、逸脱が検出された際にRAMなどに記憶した交差点情報から、逸脱が検出された交差点に信号機が有るか否かを確認する。そして、信号機が無いと判定した場合はステップS721へ進み、有ると判定した場合はノード確認処理を終了して図10のフローチャートに戻る(リターン)。なお、ここでの交差点情報は、上述のように、車両が案内経路から逸脱したと検出されたときの交差点に関するものである。
ステップS721では、カーナビ100の制御装置10は、逸脱が検出された交差点(ノード)に信号機が無いことを示す情報を逸脱道路情報に加える。例えば、フラグを立てるなどして逸脱道路情報に加える。
次に、図10のフローチャートに戻って、ステップS75では、カーナビ100の制御装置10は、案内経路における逸脱した交差点からの退出道路(退出リンク)の確認処理を行う。
ここで、図13に基づいて、この退出リンクの確認処理に関して説明する。ステップS730では、カーナビ100の制御装置10は、案内経路における逸脱した交差点からの退出道路(退出リンク)の車線数が二車線以上(車線数n≧2)であるか否かを確認する。この退出道路は、案内経路に設定されていたにもかかわらず、車両が走行しなかった道路である。そして、二車線以上(車線数n≧2)であると判定した場合はステップS731へ進み、二車線以上(車線数n≧2)でないと判定した場合はステップS732へ進む。
ステップS731では、カーナビ100の制御装置10は、案内経路における逸脱した交差点からの退出道路(退出リンク)の車線数が二車線以上(車線数n≧2)であることを示す情報を逸脱道路情報に加える。例えば、フラグを立てるなどして逸脱道路情報に加える。
ステップS732では、カーナビ100の制御装置10は、案内経路における逸脱した交差点からの退出道路(退出リンク)が渋滞していたか否かを確認する。そして、渋滞していたと判定した場合はステップS733へ進み、渋滞してなかったと判定した場合は退出リンク確認処理を終了して図10のフローチャートに戻る(リターン)。なお、渋滞していたか否かの判定は、渋滞度が所定値以上であるか否かによって判定することができる。
ステップS733では、カーナビ100の制御装置10は、案内経路における逸脱した交差点からの退出道路(退出リンク)が渋滞していたことを示す情報を逸脱道路情報に加える。例えば、フラグを立てるなどして逸脱道路情報に加える。
次に、図10のフローチャートに戻って、ステップS76では、カーナビ100の制御装置10は、逸脱が検出された際の外部要因の確認処理を行う。この外部要因とは、道路状況(進入リンク、ノード、退出リンク)以外の状況であり、上記実施の形態における車室内の状況や、車速などである。
ここで、図14に基づいて、この外部要因の確認処理に関して説明する。ステップS740では、カーナビ100の制御装置10は、車両が案内経路から逸脱したと検出されたとき、車両の車速信号が所定値以上だったか否かを確認する。そして、車速信号が所定値以上であったと判定した場合はステップS741へ進み、車速信号が所定値以上でなかったと判定した場合はステップS742へ進む。
ステップS741では、カーナビ100の制御装置10は、車両が案内経路から逸脱したと検出されたときの車速信号が所定値以上であったことを示す情報を逸脱道路情報に加える。例えば、フラグを立てるなどして逸脱道路情報に加える。
ステップS742では、カーナビ100の制御装置10は、車両が案内経路から逸脱したと検出されたとき、車両の運転者が会話中であったか否かを確認する。そして、会話中であったと判定した場合はステップS743へ進み、会話中ではなかったと判定した場合はステップS744へ進む。
ステップS743では、カーナビ100の制御装置10は、車両が案内経路から逸脱したと検出されたとき、車両の運転者が会話中であったことを示す情報を逸脱道路情報に加える。例えば、フラグを立てるなどして逸脱道路情報に加える。
ステップS744では、カーナビ100の制御装置10は、車両が案内経路から逸脱したと検出されたとき、室内に音声が出力されていたか否かを確認する。そして、音声が出力されていたと判定した場合はステップS745へ進み、音声が出力されていなかったと判定した場合はステップS746へ進む。
ステップS745では、カーナビ100の制御装置10は、車両が案内経路から逸脱したと検出されたとき、室内に音声が出力されていたことを示す情報を逸脱道路情報に加える。例えば、フラグを立てるなどして逸脱道路情報に加える。
ステップS746では、カーナビ100の制御装置10は、車両が案内経路から逸脱したと検出されたとき、操作スイッチ群50が操作中であったか否かを確認する。そして、操作中であったと判定した場合はステップS747へ進み、操作中でなかったと判定した場合は外部要因確認処理を終了して図10のフローチャートに戻る(リターン)。
ステップS747では、カーナビ100の制御装置10は、車両が案内経路から逸脱したと検出されたとき、操作スイッチ群50が操作中であったことを示す情報を逸脱道路情報に加える。例えば、フラグを立てるなどして逸脱道路情報に加える。
そして、図10のフローチャートに戻って、ステップS77では、カーナビ100の制御装置10は、車両が案内経路から逸脱した時の状況(状況を示す情報)、及び車両が案内経路から逸脱した際の進入道路情報と、退出道路情報と、交差点に関する交差点情報とが関連付けられた逸脱道路情報を、車両の運転者固有の識別情報とともに、第2通信装置41からセンター200(通信装置220)に送信する(車両側第1送信手段)。
そして、この逸脱道路情報を受信したセンター200の制御装置210は、車両が案内経路から逸脱した時の状況(状況を示す情報)に基づいて、車両が案内経路から逸脱した際の進入道路情報と、退出道路情報と、交差点に関する交差点情報とが関連付けられた情報を記憶(データベース230に記憶(登録))するか否かを判定する。つまり、上述の図6のフローチャートにおけるステップS34の判定をセンター200の制御装置210が行う。
このようにすることによって、センター200の制御装置210は、車両が案内経路から逸脱したときの状況を把握することができる。
また、個人の情報がセンターに蓄積される事により、一部の運転者のみが逸脱した道路(交差点への進入道路、交差点からの退出道路)なのか、多くの運転者が逸脱する道路(交差点への進入道路、交差点からの退出道路)なのかを統計的に判断する事が可能となる。これにより、初めてこの道路(交差点への進入道路、交差点からの退出道路)を経路案内する他の運転者(逸脱道路情報に同じ、又は同様な道路が登録されていない運転者)に他の運転者が頻繁に逸脱するポイントとして注意喚起する事が可能となる。注意喚起の方法としては、特別な音声案内を実施する、経路計算時にポップアップとして、他の運転者が頻繁に逸脱する道路を案内することを表示する事などが可能である。また、これらの情報を基にしてインフラ整備(信号の整備、看板整備など)を行う事も可能である。
なお、センター200の制御装置210は、上述の図9に示すフローチャートと同様の処理を行う。また、上述のように、出発地情報と目的地情報に関連する逸脱道路情報として、探索した案内経路における交差点を含む逸脱道路情報に加えて、案内経路における交差点から所定範囲にある交差点を含む逸脱道路情報を検索するようにしてもよい。また、記憶すると判定した逸脱道路情報の統計をとって、受信した回数が所定値に達している逸脱道路情報に関しては、全てのカーナビ200に送信するようにしてもよい。
また、ここでは、進入リンク、ノード、退出リンク、外部要因(車速、室内状況)を状況として採用しているが、本発明はこれに限定されるものではない。上述の実施の形態に示したように、逸脱した交差点における車両(自車両)の走行車線に対する対向車線の車両数を示す情報、案内経路における逸脱した交差点からの退出道路の横断歩行者数を示す情報、案内経路における逸脱した交差点からの退出道路の規制情報などを採用してもよい。
さらに、カーナビ100からセンター200へ送信する情報に、運転者の交差点における運転傾向を示す情報、運転者の緊急度を示す情報などを含めるようにしてもよい。従って、センター200の制御装置210は、上述の状況に加えて、運転傾向を示す情報、運転者の緊急度を示す情報を考慮して、車両が案内経路から逸脱した際の進入道路情報と、退出道路情報と、交差点に関する交差点情報とが関連付けられた情報を記憶するか否かを判定するようにしてもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。