JP2011257351A - 熱処理シミュレーション方法 - Google Patents

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【課題】冷却媒体の対流以外の理由による熱移動を考慮した熱伝達係数を算出するとともに、熱処理解析においてワークの変態潜熱の発生に対応した熱伝達係数で連成することにより、熱処理解析におけるワークの冷却曲線等の予測精度を向上させることが可能となる、熱処理シミュレーション方法を提供する。
【解決手段】熱処理シミュレーション方法は、輻射熱流束qr、沸騰熱流束qb、及び、対流熱流束qcの総和により、ワーク壁面の総熱流束qを所定時間ごとに算出し、ワークの第一壁面温度tw及び冷却媒体の雰囲気温度tfを算出する、熱流体解析工程と、ワーク壁面の仮想の熱伝達係数である仮想熱伝達係数α´を算出する、係数算出工程と、第一壁面温度twにより算出された仮想熱伝達係数α´に基づいて、ワーク壁面の熱流束Qを算出し、ワークの第二壁面温度Twを算出することにより、ワークの冷却曲線を予測する、熱処理解析工程と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱処理シミュレーション方法に関し、詳しくは、熱処理がなされた金属材料の冷却曲線をシミュレーションにより予測する技術に関する。
従来、熱処理がなされた金属材料であるワークを冷却する工程に関して、冷却曲線をシミュレーションにより予測する技術が知られている。詳しくは、流体である冷却媒体に関する熱流体解析により、ワークの熱伝達係数を算出する。そして、この熱伝達係数で連成して熱処理解析を行い、ワークの冷却曲線及び変形や割れを予測するのである(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−268108号公報
しかし、前記従来技術による熱流体解析では、ガス冷却における冷却媒体の対流による熱移動を考慮して熱伝達係数を算出しているものの、ワーク壁面からの輻射による熱移動や、冷却媒体が液体の場合の沸騰による熱移動等、他の原因による熱移動は考慮されていない。つまり、冷却媒体の対流以外の原因による熱移動を考慮していない熱伝達係数を用いて熱処理解析を行うこととなるため、熱処理解析におけるワークの冷却曲線等の予測精度が低かった。
一方、熱処理がなされたワークの冷却工程では、ワークの組織構造がオーステナイトからマルテンサイトに変態することにより、ワーク変態潜熱が発生する。また、前記熱流体解析においてはワーク変態潜熱については計算しないが、前記熱処理解析においてはワーク変態潜熱を計算する。このため、熱流体解析と熱処理解析のそれぞれにおいて、同時刻におけるワーク壁面温度は異なることになる。熱流体解析では熱伝達係数は所定時間ごとに算出されるため、各時刻の熱伝達係数を熱処理解析で入力した場合は、前記の如く一致しないワーク壁面温度についての熱伝達係数を用いることとなる。つまり、熱処理解析に用いる熱伝達係数が時間に依存しており、ワークの変態潜熱の発生に対応したものでないため、熱処理解析におけるワークの冷却曲線等の予測精度が低かったのである。
そこで本発明は、上記現状に鑑み、冷却媒体の対流以外の理由による熱移動を考慮した熱伝達係数を算出するとともに、熱処理解析においてワークの変態潜熱の発生に対応した熱伝達係数で連成することにより、熱処理解析におけるワークの冷却曲線等の予測精度を向上させることが可能となる、熱処理シミュレーション方法を提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、熱処理がなされた金属材料であるワークを、流体である冷却媒体で冷却する際の冷却曲線を予測する、熱処理シミュレーション方法であって、ワーク壁面の熱伝達係数を所定時間ごとに算出し、所定時刻における、ワークの第一壁面温度、冷却媒体の雰囲気温度、及び、前記熱伝達係数、に基づいて、冷却媒体の対流を原因とする、前記所定時刻におけるワーク壁面の熱流束である対流熱流束を算出し、ワーク壁面からの輻射、冷却媒体の沸騰、及び、冷却媒体の化学反応、のうち少なくとも一つを原因とする、所定時間ごとのワーク壁面の熱流束と、所定時間ごとの前記対流熱流束と、の総和により、ワーク壁面の総熱流束を所定時間ごとに算出し、所定時刻における、ワークの第一壁面温度、冷却媒体の雰囲気温度、及び、ワーク壁面の前記総熱流束、に基づいて、前記所定時刻から前記所定時間経過後におけるワークの第一壁面温度及び冷却媒体の雰囲気温度を算出する、熱流体解析工程と、前記熱流体解析工程で算出した、各時刻における総熱流束及びワークの第一壁面温度に基づいて、各時刻におけるワーク壁面の仮想の熱伝達係数である仮想熱伝達係数を算出する、係数算出工程と、前記冷却媒体の雰囲気温度、及び、所定時刻における、ワークの変態潜熱を考慮した第二壁面温度、並びに、該第二壁面温度に対応する前記第一壁面温度により算出された前記仮想熱伝達係数、に基づいて、前記所定時刻におけるワーク壁面の熱流束を算出し、所定時刻における、ワークの第二壁面温度、及び、ワーク壁面の前記熱流束、に基づいて、前記所定時刻から前記所定時間経過後におけるワークの第二壁面温度を算出することにより、ワークの冷却曲線を予測する、熱処理解析工程と、を備えるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
本発明により、熱処理がなされた金属材料の冷却曲線をシミュレーションにより予測する場合において、冷却媒体の対流以外の理由による熱移動を考慮した熱伝達係数を算出するとともに、熱処理解析においてワークの変態潜熱の発生に対応した熱伝達係数で連成することにより、熱処理解析におけるワークの冷却曲線等の予測精度を向上させることが可能となる。
(a)は本実施形態に係るフローチャートを示した図、(b)はワークの斜視図。 本実施形態で用いるデータを示した図。 ワークの第一壁面温度と仮想熱伝達係数との関係を示した図。 本実施形態の解析結果と実測結果とを比較した図。
次に、発明の実施の形態を説明する。
なお、本発明の技術的範囲は以下の実施例に限定されるものではなく、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
本実施形態に係る熱処理シミュレーション方法は、熱処理がなされた金属材料であるワークを、流体である冷却媒体で冷却する際の冷却曲線を予測するものである。詳しくは、本実施形態に係る熱処理シミュレーション方法は、図1(a)に示す如く、熱流体解析工程(ステップS11)と、係数算出工程(ステップS12)と、熱処理解析工程(ステップS13)と、を備える。以下、各工程について具体的に説明する。なお、本実施形態においては、図1(b)に示すワークについてのモデルにおける、所定の測定点についての冷却曲線を予測するものとして、熱処理シミュレーション方法の説明を行う。
熱流体解析工程(ステップS11)では、まず、ワーク壁面と冷却媒体との間における熱の伝わりやすさを表す熱伝達係数α(W/m・K)を、所定時間ごとに算出する。本実施形態における熱伝達係数αは、次の数式1及び数式2によって算出している。
Figure 2011257351
Figure 2011257351
ここで、ρ:ワークの密度、U:摩擦速度、Cp:ワークの比熱、Prt:乱流プラントル数、Pr:プラントル数、κ:カルマン定数、E:係数、y+:壁面からの無次元距離である。また、数式1における分母は温度の対数分布則の定数項である。
つまり、上記の諸量には時間の経過にともなって変化するものが含まれるため、所定時間ごとの上記諸量を用いて熱伝達係数αを算出するのである。本実施形態においては、時刻t=t0(初期状態)における熱伝達係数α=α0とし、以下同様に、時刻t=t1における熱伝達係数α=α1、・・・、時刻t=tnにおける熱伝達係数α=αnとする。
なお、熱伝達係数αを算出する手法は上記数式1及び数式2を用いるものに限定されるものではなく、他の数式を用いて算出することも可能である。
次に、所定時刻における、ワークの第一壁面温度tw(K)、冷却媒体の雰囲気温度tf(K)、及び、前記熱伝達係数α、に基づいて、冷却媒体の対流を原因とする、前記所定時刻におけるワーク壁面の熱流束である対流熱流束qc(W/m)を算出する。具体的には、次の数式3によって算出する。
Figure 2011257351
本実施形態に用いる数式においては、前記の如く符号nはそれぞれの解析工程における時間ステップが同じことを意味する。例えば、時刻t=t0(初期状態)の場合における第一壁面温度tw=tw0であり、時刻t=tnの場合における第一壁面温度tw=twnである(図2参照)。また、符号Nについても同様である。
本実施形態において、初期状態である時刻t=t0の場合における熱伝達係数αは前記の如く数式1及び数式2で算出した熱伝達係数α0を用いる。また、初期状態であるワークの第一壁面温度tw0及び冷却媒体の雰囲気温度tf0はワーク及び冷却媒体の初期の温度から得られる数値を用いる。このようにして得たそれぞれの初期値(熱伝達係数α0、ワークの第一壁面温度tw0、及び、冷却媒体の雰囲気温度tf0)を数式3に代入することにより、初期状態における対流熱流束qc0を算出する。
次に、ワーク壁面からの輻射を原因とするワーク壁面の熱流束である輻射熱流束qr(W/m)、及び、液体状態の冷却媒体の沸騰を原因とするワーク壁面の熱流束である沸騰熱流束qb(W/m)を、所定時間ごとに算出する。輻射熱流束qrはフラックス法又は形態係数法などにより算出される。また、沸騰熱流束qbはワーク壁面と冷却媒体との温度差に応じて核沸騰、遷移沸騰、膜沸騰が生じるため、その段階に応じて算出される。
そして、各時間における輻射熱流束qr、沸騰熱流束qb、及び、対流熱流束qcの総和により、ワーク壁面の総熱流束qを所定時間ごとに算出する。具体的には、次の数式4によって算出する。
Figure 2011257351
即ち、現段階においては、初期状態における輻射熱流束qr0、沸騰熱流束qb0、及び、対流熱流束qc0の総和により、初期状態におけるワーク壁面の総熱流束q0を算出するのである。
本実施形態において、総熱流束qは輻射熱流束qr、沸騰熱流束qb、及び、対流熱流束qcの総和により算出する構成としているが、輻射熱流束qrや沸騰熱流束qbに加えて、冷却媒体の化学反応を原因とするワーク壁面の熱流束である化学反応熱流束を総熱流束に加えることも可能である。また、輻射熱流束qr、沸騰熱流束qbの一方又は双方を加えない構成とすることも可能である。つまり、ワーク壁面からの輻射、冷却媒体の沸騰、及び、冷却媒体の化学反応、のうち少なくとも一つを原因とする、所定時間ごとのワーク壁面の熱流束と、所定時間ごとの対流熱流束qcと、の総和により、ワーク壁面の総熱流束qを所定時間ごとに算出する構成とすることが可能である。但し、熱処理シミュレーション方法における解析精度を向上させる観点からは、総熱流束qは想定できる熱流束を数多く加えて算出することが望ましい。
次に、所定時刻における、ワークの第一壁面温度twn、冷却媒体の雰囲気温度tfn、及び、ワーク壁面の前記総熱流束qn、に基づいて、前記所定時刻から前記所定時間経過後におけるワークの第一壁面温度tw(n+1)及び冷却媒体の雰囲気温度tf(n+1)を算出する。つまり、所定時刻におけるワーク壁面の前記総熱流束qnが判明すれば、ワーク壁面における単位時間あたりの熱移動量を算出することが可能となるため、ワークの第一壁面温度twn、冷却媒体の雰囲気温度tfnに対して、前記所定時刻から所定時間後におけるワークの第一壁面温度tw(n+1)及び冷却媒体の雰囲気温度tf(n+1)を算出することが可能となるのである。
即ち、現段階においては、初期状態における第一壁面温度tw0、冷却媒体の雰囲気温度tf0、及び、総熱流束q0により、時刻t=t1における第一壁面温度tw1、冷却媒体の雰囲気温度tf1を算出するのである。
その後、上記の如く各時間ステップにおいて、時刻t=tnにおける熱伝達係数α=αnを用いて、(当該時間ステップにおける総熱流束qnの算出)→(次時間ステップにおけるワークの第一壁面温度tw(n+1)及び冷却媒体の雰囲気温度tf(n+1)の算出)を繰り返すのである(図2参照)。
このように、熱流体解析工程(ステップS11)では、図2に示す如く、各時刻におけるワーク壁面の総熱流束qn及びワークの第一壁面温度twnを算出するのである。
次に、係数算出工程(ステップS12)では、熱流体解析工程(ステップS11)で算出した、各時刻における総熱流束qn及びワークの第一壁面温度twnに基づいて、各時刻におけるワーク壁面の仮想の熱伝達係数である仮想熱伝達係数α´nを算出する。
熱流体解析工程(ステップS11)において算出した各時刻における総熱流束qnが対流熱流束qcであり、α´nが各時刻におけるワーク壁面の仮想熱伝達係数であると仮定すると、総熱流束qnは次の数式5によって表される。
Figure 2011257351
ここで、冷却媒体の雰囲気温度tfは、次工程である熱処理解析工程(ステップS13)においては温度関数にできないため、その値は一定値であると仮定して初期値(tf=tf0)を用いることとする。
そして、前記数式5より、各時刻における仮想熱伝達係数α´nは次の数式6によって表される。
Figure 2011257351
つまり、各時刻における総熱流束qn、ワークの第一壁面温度twn、及び冷却媒体の雰囲気温度tf0の関係から、当該時刻における仮想熱伝達係数α´nを算出するのである。ここで、総熱流束qnは対流熱流束qcだけでなく、輻射熱流束qrや沸騰熱流束qbをも含んでいるため、上記の各種熱流束を考慮した仮想熱伝達係数α´nを算出することができるのである。換言すれば、熱伝達係数αnについて、輻射熱流束qrや沸騰熱流束qbを考慮して補正した仮想熱伝達係数α´nを算出しているのである。また、上記の如く算出した仮想熱伝達係数α´nは、上記数式6、図2及び図3に示すようにワークの第一壁面温度twnの関数となる。
次に、熱処理解析工程(ステップS13)では、前記冷却媒体の雰囲気温度tf0、及び、所定時刻における、ワークの変態潜熱を考慮した第二壁面温度TwN、並びに、該第二壁面温度TwNに対応する第一壁面温度twnにより算出された仮想熱伝達係数α´t、に基づいて、所定時刻におけるワーク壁面の熱流束QNを算出する。具体的には、次の数式7によって算出する。
Figure 2011257351
つまり、本実施形態においては、仮想熱伝達係数α´を用いて熱流束Qを算出する際に、第二壁面温度TwNと同じ値で対応する第一壁面温度twnを選択する。ここで、第二壁面温度TwNと第一壁面温度twnの時間ステップは関連するものではなく、互いに一致していなくても差し支えない。そして、前記の如く選択された第一壁面温度twnと、係数算出工程(ステップS12)において対応する仮想熱伝達係数α´n(図3参照)を仮想熱伝達係数α´tとし、該仮想熱伝達係数α´tを用いて数式7により熱流束QNを算出するのである。換言すれば、仮想熱伝達係数α´を、ワーク壁面温度に依存させて熱処理解析工程(ステップS13)を行うのである。
本実施形態において、初期状態であるワークの第二壁面温度Tw0はワークの初期の温度から得られる数値を用いる。このようにして得たそれぞれの初期値(仮想熱伝達係数α´0、ワークの第二壁面温度Tw0、及び、冷却媒体の雰囲気温度tf0)を数式7に代入することにより、初期状態におけるワーク壁面の熱流束Q0を算出する。
次に、所定時刻における、ワークの第二壁面温度TwN、及び、ワーク壁面の熱流束QN、に基づいて、前記所定時刻から前記所定時間経過後におけるワークの第二壁面温度Tw(N+1)を、ワークの変態潜熱を考慮して算出する。つまり、所定時刻におけるワーク壁面の熱流束QNが判明すれば、ワーク壁面における単位時間あたりの熱移動量を算出することが可能となるため、ワークの第二壁面温度TwNに対して、前記所定時刻から所定時間後におけるワークの第二壁面温度Tw(N+1)を算出することが可能となるのである。
即ち、現段階においては、初期状態におけるワークの第二壁面温度Tw0、冷却媒体の雰囲気温度tf0、及び、熱流束Q0により、時刻t=t1における第二壁面温度Tw1を算出するのである。
その後、上記の如く各時間ステップにおいて、第二壁面温度TwNに対応する第一壁面温度twnにより算出された仮想熱伝達係数α´tを用いて、(当該時間ステップにおける熱流束QNの算出)→(次時間ステップにおけるワークの第二壁面温度Tw(N+1)の算出)を繰り返すのである。
このように、熱処理解析工程(ステップS13)では、各時刻におけるワークの変態潜熱を考慮した第二壁面温度TwNを算出することにより、ワークの冷却曲線を予測するのである。
本実施形態においては上記の如く、冷却媒体の対流以外の理由による熱移動を考慮した熱伝達係数を算出するとともに、熱処理解析においてワークの変態潜熱の発生に対応した熱伝達係数で連成することにより、熱処理解析におけるワークの冷却曲線等の予測精度を向上させることが可能となる。
つまり、本実施形態においては、輻射熱流束qrや沸騰熱流束qbなど、対流熱流束qc以外の熱移動を考慮した仮想熱伝達係数α´を用いて熱処理解析を行っている。これにより、より実現象に近いシミュレーションを行うことができるため、熱処理解析工程(ステップS13)におけるワークの冷却曲線等の予測精度を高めることが可能となるのである。
さらに、ワーク変態潜熱を計算して行う熱処理解析工程(ステップS13)において、仮想熱伝達係数α´を時間に依存させるのではなく、ワーク壁面温度に依存させる構成としている。このため、熱処理解析においてワーク変態潜熱を考慮することにより、ワーク壁面温度が熱流体解析とは異なった場合であっても、ワーク壁面温度に対応した仮想熱伝達係数α´を用いることができる。つまり、本実施形態においては熱処理解析に用いる仮想熱伝達係数α´を、ワークの変態潜熱の発生に対応させて選択する構成としているため、熱処理解析におけるワークの冷却曲線等の予測精度を高めることができるのである。
図4は、本実施形態に係る熱処理シミュレーション方法を用いて本願出願人が行った解析結果と、実測結果とを比較した図である。図4に示す如く、熱処理シミュレーション方法を用いて得た解析結果は、実測結果に近い値として出力することができた。つまり、熱処理解析におけるワークの冷却曲線の予測精度を向上させることができたのである。
qc 対流熱流束
qr 輻射熱流束
qb 沸騰熱流束
q 総熱流束
Q 熱流束
tw ワークの第一壁面温度
Tw ワークの第二壁面温度
tf 冷却媒体の雰囲気温度

Claims (1)

  1. 熱処理がなされた金属材料であるワークを、流体である冷却媒体で冷却する際の冷却曲線を予測する、熱処理シミュレーション方法であって、
    ワーク壁面の熱伝達係数を所定時間ごとに算出し、
    所定時刻における、ワークの第一壁面温度、冷却媒体の雰囲気温度、及び、前記熱伝達係数、に基づいて、冷却媒体の対流を原因とする、前記所定時刻におけるワーク壁面の熱流束である対流熱流束を算出し、
    ワーク壁面からの輻射、冷却媒体の沸騰、及び、冷却媒体の化学反応、のうち少なくとも一つを原因とする、所定時間ごとのワーク壁面の熱流束と、所定時間ごとの前記対流熱流束と、の総和により、ワーク壁面の総熱流束を所定時間ごとに算出し、
    所定時刻における、ワークの第一壁面温度、冷却媒体の雰囲気温度、及び、ワーク壁面の前記総熱流束、に基づいて、前記所定時刻から前記所定時間経過後におけるワークの第一壁面温度及び冷却媒体の雰囲気温度を算出する、熱流体解析工程と、
    前記熱流体解析工程で算出した、各時刻における総熱流束及びワークの第一壁面温度に基づいて、各時刻におけるワーク壁面の仮想の熱伝達係数である仮想熱伝達係数を算出する、係数算出工程と、
    前記冷却媒体の雰囲気温度、及び、所定時刻における、ワークの変態潜熱を考慮した第二壁面温度、並びに、該第二壁面温度に対応する前記第一壁面温度により算出された前記仮想熱伝達係数、に基づいて、前記所定時刻におけるワーク壁面の熱流束を算出し、
    所定時刻における、ワークの第二壁面温度、及び、ワーク壁面の前記熱流束、に基づいて、前記所定時刻から前記所定時間経過後におけるワークの第二壁面温度を算出することにより、ワークの冷却曲線を予測する、熱処理解析工程と、を備える、
    ことを特徴とする、熱処理シミュレーション方法。
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