JP2011254751A - 大豆たん白粉末の製造方法並びに該粉末を用いた大豆たん白凝固食品 - Google Patents
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Abstract
【課題】カゼインナトリウム、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどの食品添加物を用いることなく、家庭などで行う簡単な撹拌で溶解して均一な分散状態を維持することが可能な大豆たん白粉末の製造方法並びに該粉末を用いた大豆たん白凝固食品を提供すること。
【解決手段】大豆たん白と賦形剤とを含有する水溶液を均質化して平均粒子径0.01〜1.0μmとした後に乾燥することを特徴とする大豆たん白粉末の製造方法、並びに上記大豆たん白粉末を用いることを特徴とする大豆たん白凝固食品。
【選択図】 なし
Description
本発明は、大豆たん白凝固食品に適した大豆たん白粉末の製造方法に関する。
従来より、豆腐は大豆を原料とした豆乳から作られ、その多くは豆腐専門店、豆腐メーカーによって工業的に作られている。一方消費者からは、家庭で手軽に豆腐をつくりたいという要望も多くある。そこで、豆乳などの大豆由来のたん白を含有する粉末(大豆たん白粉末)を用いた豆腐様食品(大豆たん白凝固食品)の検討がされている。
大豆たん白粉末を用いて大豆たん白凝固食品を作製するためには、大豆たん白粉末を水または湯に加えた後に、充分に撹拌しほぼ完全に溶解して均一に分散させることが必要である。しかし、家庭で行う簡単な撹拌では、大豆たん白粉末を水または湯に完全に溶解して均一に分散させることは難しい。そこで、家庭で行う簡単な撹拌でも水または湯に完全に溶解して均一に分散する大豆たん白粉末が求められていた。
大豆たん白粉末を用いて大豆たん白凝固食品を作製するためには、大豆たん白粉末を水または湯に加えた後に、充分に撹拌しほぼ完全に溶解して均一に分散させることが必要である。しかし、家庭で行う簡単な撹拌では、大豆たん白粉末を水または湯に完全に溶解して均一に分散させることは難しい。そこで、家庭で行う簡単な撹拌でも水または湯に完全に溶解して均一に分散する大豆たん白粉末が求められていた。
大豆たん白粉末の溶解性及び分散性を改善する従来技術としては、大豆より得られた豆乳にカゼインナトリウムを添加し、かつpHを7.2以上に調整した後噴霧乾燥し、その後造粒すると共に噴霧乾燥前まで豆乳の変性度が20以下になるような加熱処理を行うことを特徴とする加熱処理済の乾燥豆乳からなる豆乳製造用原材料組成物の製造方法(特許文献1参照)、大豆蛋白質に、炭素数8〜18の脂肪酸と重合度4〜10のポリグリセリンからなるポリグリセリン脂肪酸エステルが配合されてなる大豆蛋白粉末(特許文献2参照)などが開示されている。
上記技術ではカゼインナトリウム、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどの食品添加物を添加することが必須である。しかし、カゼインナトリウム、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどの食品添加物を添加することにより風味が悪くなるという問題があるため、カゼインナトリウム、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどの添加物を用いることなく、家庭で行う簡単な撹拌により溶解して均一な分散状態を維持することが可能で、且つ大豆たん白凝固食品に必要な凝固性を有する大豆たん白粉末の製造法方法が求められていた。
上記技術ではカゼインナトリウム、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどの食品添加物を添加することが必須である。しかし、カゼインナトリウム、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどの食品添加物を添加することにより風味が悪くなるという問題があるため、カゼインナトリウム、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどの添加物を用いることなく、家庭で行う簡単な撹拌により溶解して均一な分散状態を維持することが可能で、且つ大豆たん白凝固食品に必要な凝固性を有する大豆たん白粉末の製造法方法が求められていた。
本発明の目的は、カゼインナトリウム、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどの食品添加物を用いることなく、家庭などで行う簡単な撹拌で溶解して均一な分散状態を維持することが可能な大豆たん白粉末の製造方法並びに該粉末を用いた大豆たん白凝固食品を提供することである。
本発明者らは、カゼインナトリウム、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどの食品添加物を用いることなく、家庭などで行う簡単な撹拌で溶解して均一な分散状態を維持することが可能な大豆たん白粉末を求めて鋭意研究を重ねた結果、大豆たん白と賦形剤とを含む水溶液を均質化処理した後に乾燥することにより上記課題を解決することを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
1.大豆たん白と賦形剤とを含有する水溶液を均質化して平均粒子径0.01〜1.0μmとした後に乾燥することを特徴とする大豆たん白粉末の製造方法、
2.上記1の方法で得た大豆たん白粉末を用いることを特徴とする大豆たん白凝固食品、
からなっている。
すなわち、本発明は、
1.大豆たん白と賦形剤とを含有する水溶液を均質化して平均粒子径0.01〜1.0μmとした後に乾燥することを特徴とする大豆たん白粉末の製造方法、
2.上記1の方法で得た大豆たん白粉末を用いることを特徴とする大豆たん白凝固食品、
からなっている。
本発明の製造方法により、カゼインナトリウム、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどの食品添加物を用いることなく、家庭などでおこなう簡単な撹拌で溶解して均一な分散状態を維持し、且つ大豆たん白凝固食品に必要な凝固性を有する大豆たん白粉末が得られる。
本発明で用いられる大豆たん白としては、大豆由来のたん白が含まれれば特に制限はなく、例えば、豆乳、豆乳を処理して得られる大豆たん白、分離大豆たん白、濃縮大豆たん白などを挙げることができる。好ましくは豆乳、豆乳を処理して得られる大豆たん白である。これら大豆たん白は、1種類または2種類以上を組合せて用いることができる。
豆乳としては特に制限はなく、例えば、一般的な豆腐製造に用いられる豆乳などが挙げられる。豆乳の製造方法の概略を以下に説明する。例えば、大豆を水に浸漬して膨潤させ、大豆に吸収されなかった水を除く。これに挽き水を加えながらグラインダーなどで物理的に破砕した呉(ご)を得て、呉を加熱した後おからを除いて豆乳が得られる。
上記の呉の加熱条件により加熱絞り工法(加熱条件:約100℃)、生絞り工法(加熱条件:約30〜50℃)などの方法が挙げられるが、本発明ではいずれの方法で得た豆乳も用いることが可能である。
上記の呉の加熱条件により加熱絞り工法(加熱条件:約100℃)、生絞り工法(加熱条件:約30〜50℃)などの方法が挙げられるが、本発明ではいずれの方法で得た豆乳も用いることが可能である。
豆乳を処理して得られる大豆たん白としては、例えば、豆乳に酸剤(塩酸、有機酸など)を加えてpH約4〜5に調整することにより生じた沈殿物を遠心分離などにより回収し、次いでアルカリ剤(苛性ソーダなど)を加えて中和して得られる大豆たん白などが挙げられる。
分離大豆たん白としては、例えば、脱脂大豆から得た脱脂大豆豆乳に酸剤(塩酸、有機酸など)を加えpH約4〜5に調整することにより生じた沈殿物を遠心分離などにより回収し、次いでアルカリ剤(苛性ソーダなど)を加えて中和して得られる大豆たん白などが挙げられる。
濃縮大豆たん白としては、例えば、脱脂大豆をアルコールまたは希塩酸で洗浄し、可溶性の低分子成分および有臭成分を除くことにより得られる大豆たん白などが挙げられる。
大豆たん白の形状としては特に制限はなく、例えば、溶液状、ペースト状、粉末状、チップ状などの形状などが挙げられ、好ましくは溶液状、ペースト状である。大豆たん白が溶液状またはペースト状の場合、大豆たん白の固形分に特に制限はないが、好ましくは約1〜70%、より好ましくは約1〜20%である。上記範囲内であれば大豆たん白を含む溶液またはペーストは流動性があり作業性がよく好ましい。
なお、本発明でいう固形分とは、常圧加熱乾燥法(対象物3gを105℃で2時間乾燥した際の残量分を測定する方法)を用いた測定値である。
なお、本発明でいう固形分とは、常圧加熱乾燥法(対象物3gを105℃で2時間乾燥した際の残量分を測定する方法)を用いた測定値である。
本発明で用いられる賦形剤としては、例えば、糖類、澱粉類などが挙げられる。糖類としては、例えば、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、乳糖、ショ糖、デキストリン、コーンシロップ、オリゴ糖、糖アルコール(エリスリトール、還元水飴など)などが挙げられる。澱粉類としては、例えば、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、およびこれらの加工澱粉などが挙げられる。これらは、1種類または2種類以上の混合物として使用することができ、好ましくはデキストリン、乳糖が挙げられる。
本発明の製造方法は、以下の工程1および2を含むことにより達成される。
[工程1]大豆たん白と賦形剤とを含有する水溶液を均質化して平均粒子径を約0.01〜1.0μmにした水溶液を得る工程。
[工程2]工程1で得た水溶液を乾燥して大豆たん白粉末を得る工程。
工程1の前または後に、所望によりさらに他の工程、例えば、濃縮処理工程、殺菌処理工程などの工程を行ってもよい。また、工程2の後に、所望により篩分け、粉砕などの工程を行ってもよい。
[工程1]大豆たん白と賦形剤とを含有する水溶液を均質化して平均粒子径を約0.01〜1.0μmにした水溶液を得る工程。
[工程2]工程1で得た水溶液を乾燥して大豆たん白粉末を得る工程。
工程1の前または後に、所望によりさらに他の工程、例えば、濃縮処理工程、殺菌処理工程などの工程を行ってもよい。また、工程2の後に、所望により篩分け、粉砕などの工程を行ってもよい。
[工程1]
工程1で用いられる大豆たん白と賦形剤とを含有する水溶液は、大豆たん白と賦形剤とを均一に撹拌して得られ、所望により水を加えてもよい。均一に撹拌する方法としては公知の方法で行うことができ、例えば、撹拌機、加熱用のジャケットおよび邪魔板などを備えた通常の撹拌・混合槽を用いることができる。装備する撹拌機としては、例えば、プロペラ式撹拌機やTKホモミクサー(プライミクス社製)またはクレアミックス(エムテクニック社製)などの高速回転式ホモジナイザーが挙げられる。
工程1で用いられる大豆たん白と賦形剤とを含有する水溶液は、大豆たん白と賦形剤とを均一に撹拌して得られ、所望により水を加えてもよい。均一に撹拌する方法としては公知の方法で行うことができ、例えば、撹拌機、加熱用のジャケットおよび邪魔板などを備えた通常の撹拌・混合槽を用いることができる。装備する撹拌機としては、例えば、プロペラ式撹拌機やTKホモミクサー(プライミクス社製)またはクレアミックス(エムテクニック社製)などの高速回転式ホモジナイザーが挙げられる。
賦形剤の配合量は、大豆たん白の固形分100質量部に対して、好ましくは約10〜100質量部、さらに好ましくは約50〜100質量部である。
大豆たん白と賦形剤とを含有する水溶液中の大豆たん白と賦形剤の固形分は、好ましくは約5〜50質量%、さらに好ましくは約10〜40質量%である。この範囲であると流動性を有し、乾燥適性を有するために好ましい。
大豆たん白と賦形剤とを含有する水溶液を均質化する方法としては特に制限はなく、例えば、大豆たん白と賦形剤とを含有する水溶液を約5〜90℃、好ましくは約70〜90℃に加熱した後に、公知の均質化装置を用いて均質化することができる。
上記した均質化する装置としては、例えば、高圧ホモジナイザー(カワジリマシナリー社製)、アルティマイザー(スギノマシン社製)などが挙げられる。均質化条件としては、例えば、実験室用の小型機では、ホモゲナイザーHV−OA(イズミフードマシナリ社製)を用いて圧力条件20MPaで1回処理することが挙げられる。
均質化した大豆たん白と賦形剤とを含有する水溶液の平均粒子径は、約0.01〜1.0μm、好ましくは約0.1〜0.4μmである。大豆たん白と賦形剤とを含有する水溶液を上記のような平均粒子径の範囲内に均質化することにより、その後に乾燥して得た大豆たん白粉末は、簡単な撹拌により溶解し均一な分散が可能であり、且つ大豆たん白凝固食品に必要な凝固性を有することとなる。
ここで平均粒子径とは、体積基準での積算分布曲線の50%に相当する粒子径(メジアン径)である。平均粒子径は、レーザー回析/散乱式粒子径分布測定装置(型式:LA−950;堀場製作所社製)などで測定することができる。
[工程2]
工程1で得られた均質化した大豆たん白と賦形剤とを含有する水溶液は、公知の方法で乾燥することができる。乾燥するための装置としては特に制限されず、例えば、噴霧乾燥機、ドラム乾燥機、真空乾燥機などを用いることができるが、噴霧乾燥機が好ましく用いられる。噴霧乾燥機の乾燥条件としては、例えば、実験用小型機では、送風温度約100〜180℃、排風温度約60〜100℃が例示できる。
工程1で得られた均質化した大豆たん白と賦形剤とを含有する水溶液は、公知の方法で乾燥することができる。乾燥するための装置としては特に制限されず、例えば、噴霧乾燥機、ドラム乾燥機、真空乾燥機などを用いることができるが、噴霧乾燥機が好ましく用いられる。噴霧乾燥機の乾燥条件としては、例えば、実験用小型機では、送風温度約100〜180℃、排風温度約60〜100℃が例示できる。
得られた大豆たん白粉末の水分含量は、品質保持の観点から5%以下が好ましい。ここで水分含量は、常圧加熱乾燥法(対象物3gを105℃で2時間乾燥した際の減量分を測定する方法)による測定である。
もう1つの発明である大豆たん白凝固食品は、得られた大豆たん白粉末を水または湯に加えて箸やスプーンなどを用いた簡単な撹拌を行い溶解して水溶液状とし、加熱して約60〜80℃とした後に豆腐用凝固剤を加えて箸やスプーンなどを用いた簡単な撹拌を行った後、静置することにより得られる。また、上記工程において、得られた大豆たん白粉末を水または湯に溶いて水溶液状とし、さらに豆腐用凝固剤を添加して溶解して加熱した後、静置することにより大豆たん白凝固食品を得ることもできる。
大豆たん白粉末の配合量としては、大豆たん白粉末を溶解した水溶液中約8〜50質量%、好ましくは約10〜30質量%を配合すればよい。
上記豆腐用凝固剤に特に制限は無く、例えば、塩化マグネシウム、粗製海水塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウムおよびグルコノデルタラクトンが挙げられる。これらの凝固剤を1種類または2種類以上を任意に組合せた製剤の形態で用いることができる。
豆腐用凝固剤の配合量としては、大豆たん白粉末を溶解した水溶液100質量部に対して、約0.3〜1.5質量部、好ましくは約0.3〜0.6質量部である。
豆腐用凝固剤の配合量としては、大豆たん白粉末を溶解した水溶液100質量部に対して、約0.3〜1.5質量部、好ましくは約0.3〜0.6質量部である。
以下に大豆たん白凝固食品の1つである豆腐様食品の具体的な作製方法を示す。例えば、豆乳を原料として得られた大豆たん白粉末(豆乳粉末)約25〜26質量部を水約75質量部に加え、箸やスプーンなどを用いて約5〜120秒間撹拌、好ましくは約10〜60秒間撹拌して溶解し、約70〜80℃まで加熱してから豆腐用凝固剤約0.3〜0.6質量部を加え約1〜60秒間、好ましくは約3〜30秒間撹拌した後、約5〜30分間、好ましくは約10〜20分間静置することで凝固し、豆腐様食品が得られる。また、得られた豆腐様食品は好みにより低温下に保持するなどができる。
本発明によって得られた大豆たん白粉末を用いた大豆たん白凝固食品としては、上記した豆腐様食品の他に、例えば、油揚げ用およびがんもどき用の原料、茶わん蒸し様食品、プリン・ババロア様食品、かまぼこ様食品、ハム・ソーセージ様食品、ハンバーグ様食品、めん様食品、ようかん様食品、クリーム様食品などを挙げることができる。
以下に実施例を挙げてさらに詳しく本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<豆乳粉末の作製>
(1)豆乳の作製
米国産大豆8kgを10℃で15時間浸漬し、水切りした。水切り後の浸漬大豆と水32kgを加えながらグラインダーで浸漬大豆を磨砕した。磨砕後の呉と消泡剤(商品名:エマルジースーパー;理研ビタミン社製)48gを煮釜に入れ水蒸気吹き込みにて加熱し、102℃に達温後、2分間煮沸した。煮沸後の「呉」を脱水機(型式:アトムMTS−SP1;丸井工業社製)を用いて濾過し、豆乳(固形分13%)38kgを得た。尚、磨砕から煮沸までの一連の操作は小型豆乳プラント(ミニホープS;高井製作所製)を用いて実施した。豆乳の固形分は、13%であった。
(1)豆乳の作製
米国産大豆8kgを10℃で15時間浸漬し、水切りした。水切り後の浸漬大豆と水32kgを加えながらグラインダーで浸漬大豆を磨砕した。磨砕後の呉と消泡剤(商品名:エマルジースーパー;理研ビタミン社製)48gを煮釜に入れ水蒸気吹き込みにて加熱し、102℃に達温後、2分間煮沸した。煮沸後の「呉」を脱水機(型式:アトムMTS−SP1;丸井工業社製)を用いて濾過し、豆乳(固形分13%)38kgを得た。尚、磨砕から煮沸までの一連の操作は小型豆乳プラント(ミニホープS;高井製作所製)を用いて実施した。豆乳の固形分は、13%であった。
(2)豆乳粉末の作製
[実施例1]
豆乳の作製で得た豆乳2kg(固形分260g)に乳糖(商品名:乳糖EF;DMV社製)260gを添加し、スリーワンモーター(型式:FBL−600;HEIDON社製)を用いて300rpmで5分間撹拌して溶解した後、高圧ホモジナイザー(型式:HV−OA:イズミフードマシナリ社製)を用いて20Mpaで均質化処理した。均質化処理後の豆乳と乳糖を含む溶液の平均粒子径を測定したところ0.3μmであった。次いで噴霧乾燥機(型式:L−8iスプレードライヤ;大川原化工機社製)を用いて、入り口温度120℃、出口温度80℃となるように噴霧乾燥し、豆乳粉末(実施例品1)を480g得た。
なお、平均粒子径は、レーザー回析/散乱式粒子径分布測定装置(型式:LA−950;堀場製作所社製)を用いて測定した。
[実施例1]
豆乳の作製で得た豆乳2kg(固形分260g)に乳糖(商品名:乳糖EF;DMV社製)260gを添加し、スリーワンモーター(型式:FBL−600;HEIDON社製)を用いて300rpmで5分間撹拌して溶解した後、高圧ホモジナイザー(型式:HV−OA:イズミフードマシナリ社製)を用いて20Mpaで均質化処理した。均質化処理後の豆乳と乳糖を含む溶液の平均粒子径を測定したところ0.3μmであった。次いで噴霧乾燥機(型式:L−8iスプレードライヤ;大川原化工機社製)を用いて、入り口温度120℃、出口温度80℃となるように噴霧乾燥し、豆乳粉末(実施例品1)を480g得た。
なお、平均粒子径は、レーザー回析/散乱式粒子径分布測定装置(型式:LA−950;堀場製作所社製)を用いて測定した。
[比較例1]
実施例1の製造方法において、均質化処理を行わない以外は同様の操作を行い、豆乳粉末(比較例品1)を480g得た。なお、豆乳と乳糖を含む溶液の平均粒子径は24μmであった。
実施例1の製造方法において、均質化処理を行わない以外は同様の操作を行い、豆乳粉末(比較例品1)を480g得た。なお、豆乳と乳糖を含む溶液の平均粒子径は24μmであった。
[比較例2]
実施例1の製造方法において、乳糖を添加しない以外は同様の操作を行い、豆乳粉末(比較例品2)を240g得た。なお、均質化処理後の豆乳の平均粒子径は0.3μmであった。
実施例1の製造方法において、乳糖を添加しない以外は同様の操作を行い、豆乳粉末(比較例品2)を240g得た。なお、均質化処理後の豆乳の平均粒子径は0.3μmであった。
<豆乳を処理して得られる大豆たん白粉末の作製>
(1)豆乳を処理して得られる大豆たん白の作製
<豆乳粉末の作製>の(1)豆乳の作製と同様の方法で豆乳を得た後、豆乳10kgにpH4.5になるように乳酸(商品名:乳酸;和光純薬社製)を加え、次いで0.5L容のプラスチック製耐圧ビンに注ぎ入れ、遠心分離機(型式:5920;久保田製作所社製)を用いて3000rpm、5分間の条件で遠心分離を行い、分離した沈殿物(1kg)を回収した。沈殿物(1kg)を水(1kg)に分散させ、pH7.0になるように水酸化ナトリウム(商品名:水酸化ナトリウム;和光純薬社製)を加えて中和し、豆乳を処理して得られる大豆たん白を得た。得られた豆乳を処理して得られる大豆たん白の固形分は14.6%であった。
(1)豆乳を処理して得られる大豆たん白の作製
<豆乳粉末の作製>の(1)豆乳の作製と同様の方法で豆乳を得た後、豆乳10kgにpH4.5になるように乳酸(商品名:乳酸;和光純薬社製)を加え、次いで0.5L容のプラスチック製耐圧ビンに注ぎ入れ、遠心分離機(型式:5920;久保田製作所社製)を用いて3000rpm、5分間の条件で遠心分離を行い、分離した沈殿物(1kg)を回収した。沈殿物(1kg)を水(1kg)に分散させ、pH7.0になるように水酸化ナトリウム(商品名:水酸化ナトリウム;和光純薬社製)を加えて中和し、豆乳を処理して得られる大豆たん白を得た。得られた豆乳を処理して得られる大豆たん白の固形分は14.6%であった。
(2)豆乳を処理して得られる大豆たん白粉末の作製
[実施例2]
得られた豆乳を処理して得られる大豆たん白2kg(固形分292g)に乳糖(商品名:乳糖EF;DMV社製)280gを添加し、スリーワンモーター(型式:FBL−600;HEIDON社製)を用いて300rpmで5分間撹拌して溶解した後、高圧ホモジナイザー(型式:HV−OA:イズミフードマシナリ社製)を用いて20Mpaで均質化処理した。均質化処理後の豆乳を処理して得られる大豆たん白と乳糖を含む溶液の平均粒子径を測定したところ0.3μmであった。次いで噴霧乾燥機(型式:L−8iスプレードライヤ;大川原化工機社製)を用いて、入り口温度120℃、出口温度80℃となるように噴霧乾燥し、豆乳を処理して得られる大豆たん白粉末(実施例品2)を500g得た。
なお、平均粒子径は、レーザー回析/散乱式粒子径分布測定装置(型式:LA−950;堀場製作所社製)を用いて測定した。
[実施例2]
得られた豆乳を処理して得られる大豆たん白2kg(固形分292g)に乳糖(商品名:乳糖EF;DMV社製)280gを添加し、スリーワンモーター(型式:FBL−600;HEIDON社製)を用いて300rpmで5分間撹拌して溶解した後、高圧ホモジナイザー(型式:HV−OA:イズミフードマシナリ社製)を用いて20Mpaで均質化処理した。均質化処理後の豆乳を処理して得られる大豆たん白と乳糖を含む溶液の平均粒子径を測定したところ0.3μmであった。次いで噴霧乾燥機(型式:L−8iスプレードライヤ;大川原化工機社製)を用いて、入り口温度120℃、出口温度80℃となるように噴霧乾燥し、豆乳を処理して得られる大豆たん白粉末(実施例品2)を500g得た。
なお、平均粒子径は、レーザー回析/散乱式粒子径分布測定装置(型式:LA−950;堀場製作所社製)を用いて測定した。
[比較例3]
実施例2の製造方法において、均質化処理を行わない以外は同様の操作を行い、豆乳を処理して得られる大豆たん白粉末(比較例品3)を500g得た。なお、豆乳を処理して得られる大豆たん白と乳糖を含む溶液の平均粒子径は19μmであった。
実施例2の製造方法において、均質化処理を行わない以外は同様の操作を行い、豆乳を処理して得られる大豆たん白粉末(比較例品3)を500g得た。なお、豆乳を処理して得られる大豆たん白と乳糖を含む溶液の平均粒子径は19μmであった。
[比較例4]
実施例2の製造方法において、乳糖を添加しない以外は同様の操作を行い、豆乳を処理して得られる大豆たん白粉末(比較例品4)を250g得た。なお、均質化処理後の豆乳を処理して得られる大豆たん白を含む溶液の平均粒子径は0.3μmであった。
実施例2の製造方法において、乳糖を添加しない以外は同様の操作を行い、豆乳を処理して得られる大豆たん白粉末(比較例品4)を250g得た。なお、均質化処理後の豆乳を処理して得られる大豆たん白を含む溶液の平均粒子径は0.3μmであった。
<豆乳粉末および豆乳を処理して得られる大豆たん白粉末の評価方法>
(1)溶解性と分散状態
100mL容ビーカーに水50gを加え、さらに得られた豆乳粉末および豆乳を処理して得られる大豆たん白粉末17gを加え、スプーンを用いて15秒間で約30回回転して撹拌し溶解性を評価した。また、撹拌を終了してから3分後の分散状態を評価した。各評価は10名のパネラーで表1の基準に従い行い、結果は10名の評点の平均値として求め、下記の基準に従って記号化した。それぞれの結果を表2に示す。
また、豆乳粉末および豆乳を処理して得られる大豆たん白粉末の作製の際に測定した平均粒子径を表2に示す。
記号化
○ :平均値2.5以上
△ :平均値1.5以上2.5未満
× :平均値1.5未満
(1)溶解性と分散状態
100mL容ビーカーに水50gを加え、さらに得られた豆乳粉末および豆乳を処理して得られる大豆たん白粉末17gを加え、スプーンを用いて15秒間で約30回回転して撹拌し溶解性を評価した。また、撹拌を終了してから3分後の分散状態を評価した。各評価は10名のパネラーで表1の基準に従い行い、結果は10名の評点の平均値として求め、下記の基準に従って記号化した。それぞれの結果を表2に示す。
また、豆乳粉末および豆乳を処理して得られる大豆たん白粉末の作製の際に測定した平均粒子径を表2に示す。
記号化
○ :平均値2.5以上
△ :平均値1.5以上2.5未満
× :平均値1.5未満
一方、比較例品(1〜4)の分散状態は、平均値1.5未満の評価であり、さらに比較例品2は溶解性も平均値1.5未満の評価であった。
<豆乳粉末および豆乳を処理して得られる大豆たん白粉末を用いた豆腐様食品の作製>
(1)原材料
実施例品1、比較例品1、2(豆乳粉末)
実施例品2、比較例品3、4(豆乳を処理して得られる大豆たん白粉末)
豆腐用凝固剤A(商品名:おたふく印特製塩化マグネシウム;倉谷化学産業社製)
豆腐用凝固剤B(商品名:リケンラクトン;理研ビタミン社製 グルコノデルタラクトン)
(1)原材料
実施例品1、比較例品1、2(豆乳粉末)
実施例品2、比較例品3、4(豆乳を処理して得られる大豆たん白粉末)
豆腐用凝固剤A(商品名:おたふく印特製塩化マグネシウム;倉谷化学産業社製)
豆腐用凝固剤B(商品名:リケンラクトン;理研ビタミン社製 グルコノデルタラクトン)
(2)豆腐様食品の配合
上記原材料を用いて作製した豆腐様食品の配合組成を表3に示した。
上記原材料を用いて作製した豆腐様食品の配合組成を表3に示した。
(3)豆腐様食品の作製
表3に示した配合に基づいて、実施例品(1、2)、比較例品(1〜4)と水を100mL容ガラス製ビーカーに投入し、スパチュラを用いて60秒間、約100回回転して撹拌して溶解した後、75℃まで加温した。次いで豆腐用凝固剤(A、B)を添加し、スパチュラを用いて10秒間攪拌した後、20分間静置して凝固させ、豆腐様食品(試作例品1〜12)を得た。
表3に示した配合に基づいて、実施例品(1、2)、比較例品(1〜4)と水を100mL容ガラス製ビーカーに投入し、スパチュラを用いて60秒間、約100回回転して撹拌して溶解した後、75℃まで加温した。次いで豆腐用凝固剤(A、B)を添加し、スパチュラを用いて10秒間攪拌した後、20分間静置して凝固させ、豆腐様食品(試作例品1〜12)を得た。
<豆腐様食品の評価>
得られた豆腐様食品の凝固性を目視で評価し、食感を官能で評価した。各評価は10名のパネラーで表4の基準に従い行い、結果は10名の評点の平均値として求め、下記の基準に従って記号化した。結果を表5に示す。
記号化
○ :平均値2.5以上
△ :平均値1.5以上2.5未満
× :平均値1.5未満
得られた豆腐様食品の凝固性を目視で評価し、食感を官能で評価した。各評価は10名のパネラーで表4の基準に従い行い、結果は10名の評点の平均値として求め、下記の基準に従って記号化した。結果を表5に示す。
記号化
○ :平均値2.5以上
△ :平均値1.5以上2.5未満
× :平均値1.5未満
Claims (2)
- 大豆たん白と賦形剤とを含有する水溶液を均質化して平均粒子径0.01〜1.0μmとした後に乾燥することを特徴とする大豆たん白粉末の製造方法。
- 請求項1の方法で得た大豆たん白粉末を用いることを特徴とする大豆たん白凝固食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010131634A JP2011254751A (ja) | 2010-06-09 | 2010-06-09 | 大豆たん白粉末の製造方法並びに該粉末を用いた大豆たん白凝固食品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010131634A JP2011254751A (ja) | 2010-06-09 | 2010-06-09 | 大豆たん白粉末の製造方法並びに該粉末を用いた大豆たん白凝固食品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2011254751A true JP2011254751A (ja) | 2011-12-22 |
Family
ID=45471673
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2010131634A Withdrawn JP2011254751A (ja) | 2010-06-09 | 2010-06-09 | 大豆たん白粉末の製造方法並びに該粉末を用いた大豆たん白凝固食品 |
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JP (1) | JP2011254751A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20160047043A (ko) * | 2014-10-21 | 2016-05-02 | (주)정진식품 | 김치 두부분말 및 그 제조방법 |
-
2010
- 2010-06-09 JP JP2010131634A patent/JP2011254751A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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KR20160047043A (ko) * | 2014-10-21 | 2016-05-02 | (주)정진식품 | 김치 두부분말 및 그 제조방법 |
KR101688584B1 (ko) | 2014-10-21 | 2016-12-23 | (주)정진식품 | 김치 두부분말 및 그 제조방법 |
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