JP2011250676A - アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】 屈曲変形に際し、曲げ剛性が発生してしまい、変形させにくい。
【解決手段】 支持部と中間部と変位部とを有し、支持部は、第1電極と第1電極と対向する第2電極と第1電極と第2電極間に配置される板状電解質部材の一部とを保持しており、支持部は第1電極と第2電極間に電圧印加するための端子を有し、支持部と変位部間に配置される中間部は電解質部材に接する第3電極と第3電極へ電流を供給するための導電性接続部材とを有し、第3電極は複数の線状部材および導電材料を有しており、線状部材の長軸は支持部から変位部への方向と交差する方向に配置されており、第3電極は該交差する方向に電流を流すための複数の導電経路を有しており、導電性接続部材は第1電極と第2電極のどちらかと電気的に接続しており、導電性接続部材は導電経路同士を互いに電気的に接続しており、第1電極と第2電極間に電圧印加することにより、変位部が変位する。
【選択図】 図1

Description

本発明はアクチュエータに関する。
近年、有機ポリマーを材料とするアクチュエータの開発が行われている。
特許文献1には、図2に示すような、導電材料(カーボンナノチューブ)と、イオン性液体と、有機ポリマーとのキャスト成膜(単膜)で形成された一対の電極を有する長尺状のアクチュエータが記載されている。この一対の電極の間には、イオン性液体と有機ポリマーからなる電解質層が配置されている。このアクチュエータの長尺の端を端子で挟持して、その端子に電圧を印加することで、アクチュエータを屈曲変形させている。ここでは、電圧印加により各電極内に電子あるいはホールを移動させ、電極間に電位差を生じさせることで、電解質層中のイオンが電極へ移動する。この結果、電極の体積変化が誘起され、アクチュエータが屈曲変形する。
特開2005−176428号公報
キャスト成膜のような単膜で形成される電極によって電解質層を挟持する構成では、アクチュエータが屈曲変形を起こす際に、大きな曲げ剛性が発生してしまい、変形させにくいという課題があった。
そこで本発明は、屈曲変形しやすく、変位量の大きいアクチュエータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るアクチュエータは、支持部と、中間部と、変位部とを有するアクチュエータであって、前記支持部は、第1の電極と、前記第1の電極と対向する第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置されている板状の電解質部材の一部とを保持しており、前記支持部は、前記第1の電極と前記第2の電極の間に電圧を印加するための端子を有し、前記支持部と前記変位部との間に配置されている前記中間部は、前記電解質部材に接する第3の電極と、前記第3の電極へ電流を供給するための導電性接続部材とを有し、前記第3の電極は、複数の線状部材および導電材料を有しており、前記線状部材の長軸は、前記支持部から前記変位部への方向と交差する方向に配置されており、前記第3の電極は、該交差する方向に電流を流すための複数の導電経路を有しており、前記導電性接続部材は、前記第1の電極と前記第2の電極のどちらかと電気的に接続しており、前記導電性接続部材は、前記導電経路同士を互いに電気的に接続しており、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加することにより、前記電解質部材内のイオンが移動して、前記変位部が変位することを特徴とする。
本発明によれば、アクチュエータの変形を大きくすることができる。
本発明の実施形態に係るアクチュエータの断面図(a)、概略斜視図(b)、屈曲状態の模式図(c)、および導電材料を有する線状部材(線状電極)1本の模式図(d)を示す。 アクチュエータの電圧印加前(a)および電圧印加後(b)のイオンの移動を示した模式図を示す。 線状部材を製造するための装置の模式図を示す。 線状部材間の隙間が柔軟導電部材で埋まっている状態の模式図
以下、本発明の実施形態を説明する。図1(b)は、本発明の実施形態に係るアクチュエータの概略を示す斜視図であり、図1(a)は、図1(b)において導電性接続部材8および10を有するA方向の断面を、B方向からみた図である。本発明に係るアクチュエータ1は、図1(a)に示すように、支持部と、中間部と、変位部とを有している。
支持部は、第1の電極2と、第1の電極と対向する第2の電極3と、第1の電極と第2の電極との間に配置されている板状の電解質部材4の一部を保持している。さらに、支持部は、第1の電極2と第2の電極3の間に電圧を印加するための端子(5、6)を有している。
支持部と変位部との間に配置されている中間部は、電解質部材4に接する第3の電極と、第3の電極へ電流を供給するための導電性接続部材8とを有している。
第3の電極は、複数の線状部材7および線状部材間の隙間を埋める柔軟導電部材21を有しており、線状部材7の長軸は、支持部から変位部への方向と交差する方向に配置されている。すなわち、第3の電極は、導電材料を有している。
この線状部材7の長軸は、支持部から変位部への方向(図1(b)のA方向)と交差する方向(図1(b)のB方向)に配置されている。また、第3の電極は、交差するB方向に電流を流すための複数の導電経路を有している。導電経路は、線状部材7を線状電極として構成されていても、あるいは線状部材間の隙間を埋める柔軟導電部材によって形成されていても良い。
導電性接続部材8は、第1の電極2と第2の電極3のどちらかと(図1では第1の電極2と)電気的に接続している。
さらに、導電性接続部材8は、導電経路同士を互いに電気的に接続している。
このような構成として、第1の電極2と第2の電極3との間に電圧を印加することにより、電解質部材4内のイオンが移動して、変位部が変位する。
図1は、第3の電極の線状部材7が、導電材料を有する線状電極からなるものとしているが、後述する図4で説明するように、第3の電極が、線状部材間の隙間を埋める柔軟導電部材を有する構成であってもよい。いずれにしても、交差するB方向に電流を流すための複数の導電経路が形成されることで、B方向の両端まで電流が流れ、電圧印加に伴うイオン移動がより広い面積で発生するようになる。
また、線状部材7が、導電材料を有する線状電極からなるものとした場合、電解質部材4は、一方の面側に第3の電極である複数の第1の線状電極7と、第1の線状電極7へ電流を供給するための第1の導電性接続部材8とを有し、第1の導電接性続部材8は、第1の線状電極同士を互いに電気的に接続しており、電解質部材4は、他方の面側に第4の電極である複数の第2の線状電極9と、第2の線状電極9へ電流を供給するための第2の導電性接続部材10とを有し、第2の導電接性続部材10は、第2の線状電極同士を互いに電気的に接続していることが好ましい。
この構成とすることで、板状の電解質部材の両面が屈曲しやすく、電解質部材を広範囲にわたって電圧印加が可能な構造となり、従来よりも屈曲しやすいアクチュエータとなる。
端子(5、6)は、リード線12によって駆動電源11に接続されている。
アクチュエータの一方の端(支持端部)が支持部となっており、支持部に有する2つの対向する電極(2、3)にそれぞれ端子(5、6)が接続されている。
駆動電源11が端子(5、6)に電圧を印加すると、電極2と電極3との間に電圧が印加され、この電圧が導電接性続部材10を介してアクチュエータの変位部まで維持される。
すなわち、第1の電極2と第2の電極3は、電解質部材4を挟んで互いに対向する電極となり、これに電圧を印加することで、線状部材が配置される中間部にまで電圧が印加され、支持部から離れた変位部(変位端)が図1(c)に示すように屈曲する。
屈曲は、電圧印加前に電解質部材に存在したイオンが少なくとも一方の電極に移動することによって生じる。屈曲変形の結果、アクチュエータの長尺の端(変位部)が、積層方向と同じ方向に移動する。
線状部材7、8は線形状の部材であり、板状の電解質部材の平面を覆うように、これらが配向して多数配置されている。一本の線状部材は、アクチュエータの駆動を妨げなければ特に限定されないが、柔軟性の観点からは、少なくとも高分子材料からなるポリマー繊維(高分子繊維)であることが好適である。加えて導電性の観点からは、図1(d)に示すようにナノカーボン材料のような導電材料13を含有する繊維状の高分子材料14で構成するとよい。
また線状部材間の隙間を埋める柔軟導電部材としては、アクチュエータの駆動を損なわない柔軟性ならびに導電特性を有していればよいが、柔軟性の観点からは、少なくともゲル材料もしくは/あるいは高分子材料を有していることも好ましい。加えて導電性の観点からはナノカーボン材料のような導電材料を含有する高分子材料で構成してもよい。
本発明のアクチュエータでは、これらの導電経路同士を互いに電気的に接続する導電接続部材(8、10)を有するために、第3の電極が覆っている電解質部材の全領域に効率よく電圧を印加できる。
すなわち、端子、第1の電極(または第2の電極)、導電接続部材および線状部材を有する第3の電極が、互いに導通した一つの電極層とみることができる。本発明の構成により、駆動電源によって端子から電圧が印加されると、アクチュエータの短尺方向の両端、そして長尺方向の両端まで電子(またはホール)が移動しやすくなり、各電極層内での電位差を抑制することができる。なお、線状部材が導電材料を有する線状電極であり、且つ線状部材間の隙間を埋める柔軟導電部材を配置する場合にはより導通に優れる傾向がある。加えて、線状部材として線状電極を用いた場合には、前記柔軟導電部材は線状部材の支持部から変位部に亘って形成されていればよく、線状部材(線状電極)が覆っている電解質部材上に一面に存在していなくても、該電解質部材の全領域に効率よく電圧を印加できる。
また、少なくとも一方の電極層は、線状部材を複数有し、これらの線状部材の長尺方向は支持部から変位部への方向に交差する方向に揃っているとよい。
線状部材のそれぞれが変形方向に対して交差するように配置されているため、曲げ剛性による屈曲変形に対する抵抗力が低減される。その結果、アクチュエータがスムースに屈曲しやすくなるために、屈曲変形において変位量の大きなアクチュエータが得られる。
なお、板状の電解質部材2つの対向面において、一方に図1(b)の7のような第3の電極を配置し、また他方に第3の電極の代わりに単膜状の電極を配置した場合には、変形応答しやすい方向を有する(すなわち、変形の異方性を有する)アクチュエータとなる。
例えば、線状電極を有する電極層(A)/板状の電解質部材/単膜状の電極(B)の三層構造のアクチュエータとした場合、電極層(A)の方がアクチュエータの支持部から離れた変位部が屈曲変形する際の曲げ剛性が低減している。このため、B電極側に屈曲変形させる方が、(A)電極側に屈曲変形させるよりも同じ電位差による変位は大きくなる。ただし、本形態に係る線状電極を両方に用いれば、曲げ剛性による屈曲変形に対する抵抗力はどちらの屈曲方向に対しても低減されるため、いずれの方向への屈曲に対しても変位量が単膜で構成した場合よりも大きくすることができる。
すなわち、図1(a)のように、第1の電極2および第2の電極3の両者において、それぞれ複数の線状部材(7、9)を接続させることで、より屈曲変形する際の曲げ剛性が低減される。
特に、線状部材7および9の両者の長尺方向が前記支持部から前記変位部への方向に交差する方向に揃っていれば、電解質部材の両面において屈曲変形する際の曲げ剛性を大幅に低減できるため、必然的にアクチュエータ全体としてより大きな変位を発生させることが出来るようになる。ただし、両面での線状部材の方向は異なっていてもよい。
また、柔軟導電部材は、線状部材間の隙間を埋めるように配置される。図4には、図1における複数の線状部材7間が柔軟導電部材21で埋められており、かつ、柔軟導電部材21が導電性接続部材8と接している状態の模式図を示す。同様に、図1において複数の線状部材9間に柔軟導電部材22が配置されている。
アクチュエータの駆動に大きな影響を与えない範囲であれば、一部の隙間は空いていても良い。また、第一および第二の電極からの導通に問題のない範囲であれば、線状部材間にスリットのような空間を設けても良い。
図4のように、電解質部材の対向する両面に線状部材と柔軟導電部材を同じ間隔で均等に配置することで、両面での電位を容易に揃えることができる。
これにより、アクチュエータの屈曲変形は空間に沿って変位するため、より滑らかに変形駆動させることもできるようになる。
図1(c)に示すように、アクチュエータの変位が大きくなり、線状電極間の空間が大きく開いたとしても、導電接続部材8、10が接続されているので、端子(5、6)から変位部まで導通が保たれる。その結果、アクチュエータの大きな変位を誘起することが可能となる。
導電経路同士を互いに接続する導電接続部材8、10は、導電経路同士を互いに接続し、電極2または3からの導通を保つことができるものであれば任意のものを採用できる。
例えば、第3の電極(導電層と呼ぶ。)と同じ面積の柔軟性のある導電膜をその上に積層して導電接続部材8を構成しても良いし、導電層の面積よりも小さい細長板状や線状の導電材料であっても良い。
また、各電極と第3の電極の導電経路とを接続する導電接続部材8は、独立した複数本の導電接続線のように構成してもよい。この場合、任意の本数を、任意の位置に設けることが可能である。
また、導電接続部材8は所望の大きさで設けることが出来るが、導電接続部材8が導電層の面積よりも小さい部材で構成することが、屈曲変形し易いので好ましい。細長板状や線形状のより少ない本数、特に一本の部材で構成することが好ましい。この一本の場合には、側端部(B方向の両端部)よりも、図1(b)のように導電層上の中央側に設けるほうが、両側端部での電位差が生じにくくなる。これにより、変形駆動が両側端部で対称に起こりやすくなり、先端の変形部を対称に変形駆動させることができるようになる。特に、図1(b)で示すように、第1の電極2の中央から、変位部側の中央を通るようにすると好適である場合が多い。
加えて、導電接続部材8は、図1(b)のように、第3の電極で構成する導電層上に直接接するように配置しても、導電層中を通しても、板状の電解質部材と前記導電層との間に配置してもよい。
特に、導電層が板状の電解質部材4に接していない面、すなわち電極(2、3)と導電層が接触している面に導電接続部材8を配置することが、製造プロセスにおいて効率的であり好ましい。
長尺方向に長い長方径の平板形状、いわゆる短冊形状のアクチュエータについて説明したが、アクチュエータの全体形状は、適宜設定可能である。例えば、円形、三角形、楕円形、棒状のような、平板状、膜状、円筒状、螺旋状、コイル状の如き形状が、選択可能である。
また、上記形態では両端に支持部(支持端)と変位部(変位端)を有する短冊状のアクチュエータ構成を図示しているが、支持部は中央部分に有する構成でもよく、更には、変位端が両端に構成されているものでもよい。
また、第1の電極2と第2の電極3の形状は、同じであっても、異なる形状でもよい。
また、アクチュエータは単体で構成されていても、あるいは複数のアクチュエータ構造からなる複合体として構成されていてもよい。
<アクチュエータの駆動原理>
本発明のようなイオン移動型アクチュエータは、一対の電極に電圧を印加することにより電解質部材内のイオンが移動して変形する。
本発明のアクチュエータの駆動原理は、従来の単膜状の電極/板状の電解質部材/単膜状の電極から形成される積層アクチュエータと同様の原理と推測される。
アクチュエータの駆動原理を、図2を用いて説明する。
図2(a)のように、2つの電極30、31は板状の電解質部材20の両方の平面に互いに絶縁状態で形成されている。
電極30をカソードとして、電極31をアノードとして両電極間に電圧を印加すると、図2(b)に示すように、電解質80のカチオン70とアニオン60は、カソードの電極31にカチオン70が移動、浸透し、アノードの電極30にはアニオン60が移動、浸透する。そして電極30、31内の導電材料とイオン性物質相の界面に電気二重層が形成される。
大気中で動作可能なアクチュエータを構成するためには、蒸気圧のないイオン液体が電解質として好ましく用いられる。イオン液体は、カチオン70のイオン半径がアニオン60より大きい。
電極内に存在するイオンの立体効果が、電気二重層に伴う静電反発などと共同的に働き、電極31が電極30に比べ、より膨張する。すなわち、カソードがアノードに比べより伸びる方向へ変形が生じ、これによりアクチュエータが屈曲するものと考えられる。一般に、電位の極性を反転させると膜は反対方向に屈曲変形する。
また、変位の方向は電極や板状の電解質部材の構成により変化する。屈曲動作以外でも、板状の電解質部材の構成や電極の配置などを設計することで、伸縮動作や捻り動作を示すことも可能である。
アクチュエータにおける印加電圧は、電解質の耐電圧内で設定できる。例えば、イオン液体を電解質として利用した場合には、4V以下で駆動が可能である。
(電解質部材に電圧を印加するための電極の構成)
板状の電解質部材に電圧を印加するための電極として、本発明においては少なくとも線状部材および導電材料を有する第3の電極を有しているが、これ以外の電極を構成する材料としては、ソフトアクチュエータの電極として公知の電極材料を用いることが可能である。導電性高分子や、CNTの如き導電材料を柔軟な有機ポリマー材料内に押し固めたものや、CNTの如き導電材料と有機ポリマーとから少なくとも構成されるゲル単膜状の柔軟電極を電極として用いることができる。なお、この場合、電極の断面の形状は正方形や長方形やひし形の如き角形状や、円や楕円の如き円形状がよい。
電極の厚みは、アクチュエータの変形を阻害しない範囲で設定することが好ましい。すなわち、1μm以上5mm以下であることが好ましく、5μm以上2mm以下であることがより好ましく、10μm以上500μm以下であることがさらに好ましい。
各電極の厚みが1μm以上であれば、アクチュエータの電極として好適な電気電導性を付与することができ、5mm以下であれば導電材料を含むことによって増加する剛性や可塑性の影響を抑えた柔軟な電極が構成できる。
なお、アノード電極とカソード電極の厚みや材料は同じである必要はなく、所望するアクチュエータ特性に合わせて適宜選択することが出来る。
また電極の電気抵抗値は、1000Ω・cm以下であることがより好ましく、さらに好ましくは100Ω・cm以下である。また電極のヤング率は、0.1〜600MPaであることが好ましい。この範囲にあると、アクチュエータとしての動作に好適な柔軟性、伸縮性を有することができ耐塑性変形にも適している。このため、より繰り返し耐久性が高いイオン伝導型アクチュエータの作製が可能となる。
(線状部材の構成)
本発明の線状部材は、太さよりも長さの方が大きく、柔軟性を有する線形状の部材である。形状としては、太さが0.05μm以上50μm以下であり、長さが太さの10倍以上であるとよい。特に、後述する製造方法で製造された有機ポリマー繊維が好適である。また、導電材料を有する線状部材、すなわち線状電極である場合には、柔軟性と導電性を同時に満たす材料が好ましく、そのような材料として、炭素系の導電物質と有機ポリマーとの複合体が挙げられる。特に、後述する製造方法で製造された炭素系の導電物質を含む有機ポリマー繊維が好適である。繊維の太さ(径)が細い程、導電材料が繊維内で長尺方向に引き伸ばされ、凝集や絡まりが抑制され、長尺方向に規則正しく配列されるという結果を本発明者らは得ている。また、繊維内に均質分散される効果も高かった。
好ましい線状部材の太さは、0.05μm以上10μm以下であり、特に太さが0.05μm以上1μm未満のポリマー繊維を用いる場合には、ナノファイバー化に基づく超分子配列効果が大きく誘起され、繊維の剛性を高めることができる傾向にある。また、線状部材が導電材料を有する線状電極の場合には、線状電極中の導電材料の均質分散割合が増し、得られる導電材料含有線状電極の電気伝導性がさらに向上する。
つまり、ポリマー繊維が細いために、導電材料は内部で著しく分子鎖が伸張した状態で規則正しく配列する。このため、凝集や絡まることが著しく抑制され、その結果として非常に変形応答が速やかになるなどの特性に優れたソフトアクチュエータの作製が可能となる。
なお、線状部材の断面形状は、円形、楕円形、四角形、多角形、又は、半円形がよく、任意の断面で形状が異なっていてもよい。
また、表面伝導性を増すために、線状部材のみならず、柔軟導電部材や導電接続部材の表面に金属やカーボン類の如き電気伝導性物質が付与されていてもよい。なお、線状部材の太さとは、線状部材の断面が円状のものでは、その断面の直径のことを指し、繊維断面における重心を通る最長直線の長さである。また、電極における線状部材は、図1(b)のように一層でも良いし、複数層でもよい。
(線状部材の製造方法)
線状部材の製造方法としては、エレクトロスピニング法、複合紡糸法、ポリマーブレンド紡糸法、メルトブロー紡糸法、フラッシュ紡糸法が挙げられる。
なかでも、エレクトロスピニング法は、様々なポリマーに対して繊維形状に紡糸でき、また形状のコントロールが簡便である。加えて、ナノサイズの繊維を得ることができ、さらにはこれを束ねたメートルサイズの大面積の電極も容易に作製できる。これらのことから、本発明の線状電極の製造方法として好適である。
エレクトロスピニング法は、図3に示すように、電圧印加装置15、ポリマー溶液を貯蔵する貯蔵タンク16、紡糸口17、および、アース18された回転ドラムコレクター19を用いて行う。
ポリマー溶液は貯蔵タンク16から紡糸口17まで一定の速度で押し出される。押し出しは、タンク16をシリンジなどで構成することで実現できる。紡糸口17では、1〜50kVの電圧が適宜印加され、電気引力がポリマー溶液の表面張力を越える時、ポリマー溶液のジェットが回転ドラムコレクター19に向けて噴射される。
この時、ジェット中の溶媒は徐々に揮発し、コレクターに到達する際には、ジェットサイズがナノレベルまで減少する。回転ドラムコレクターに到達した連続的に巻き取りながら紡糸することで、面内で一軸方向に揃っている線状電極の束を形成する。
また、回転ドラムの巻き取り速度をコントロールすることで、線状電極の一軸配向の度合いや、繊維の太さをコントロールすることができる。巻き取り速度を上げるほど、線状電極の一軸配向方向をより揃える(より配向させる)ことができ、またその繊維の太さは細くなる。
また、ポリマー溶液の代わりに、融点以上に加熱した溶融ポリマーを利用してもよい。
上述の方法で作製すると、導電材料を有するポリマー繊維が容易に製造できる。
特に、イオン液体あるいは必要に応じてポリマーの存在下で、せん断を加えながら導電材料を細分化すると、上記の原料となる導電材料分散体を好適な状態で得ることができる。この細分化は導電材料にせん断力を付与することで行われる。
せん断力を付与する手段は、手動または自動の乳鉢ですり潰す手段や、ボールミル、ローラーミル、振動ミルの如き高せん断力を付与することができる湿式粉砕装置、さらにニーダータイプの混練機も使用可能である。また溶媒を加えて粘度を調整してから、せん断力を付与してもよい。
細分化の度合いは適宜変更できるが、5分間〜1時間程度せん断力を付与すればよい。
導電材料が好適に分散した導電材料分散体をエレクトロスピニング法の原料として使用することで、導電体が好適に分散された線状電極が得られる。
特に、カーボンナノチューブとイオン液体は、カーボンナノチューブが良好に分散されたゲル状組成物を形成するので、本形態において好ましい組み合わせである。
ゲル状組成物の生成メカニズムや構造については未だ不明の点もあるが、各種の分析結果から大略が次のように理解される。
(1)せん断力下における細分化処理は、カーボンナノチューブの化学的変性を引き起こすことはなく、カーボンナノチューブの相互のからみ合いを減少させて、その束を細くする物理的形状変化をもたらす。
(2)ゲルの形成は、カーボンナノチューブのからみ合いに因るものではなく、からみ合いの減少したカーボンナノチューブの表面に「カチオン−π」相互作用により結合したイオン液体の分子がイオン結合を介してカーボンナノチューブの束どうしを結びつけることにより、形成される架橋構造(三次元網目構造)に起因するものと推測される。
また、本発明の実施形態に係るアクチュエータにおいて、第3の電極は電解質を有しているのが好ましい。電解質を含有させる方法は特に限定されないが、線状部材および線状部材間の隙間を埋める柔軟導電部材を作製後、電解質溶液中に浸漬させる方法等が挙げられる。
(線状部材の配向について)
複数の線状部材は、その長軸方向が導電層の面内で一軸方向に揃っている。線状部材の配向方法に関しては、公知の技術を用いることができる。上述のエレクトロスピニング法で製造した複数の線状部材は、容易に一軸方向に揃えることができる。
ポリマーの配向性は、ポリマー配向度(%)として評価することができ、ポリマー配向度は、線状部材が、第3の電極の面内で一軸方向に揃っている割合と定義することができる。この値が高いほど高配向となる。線状部材が、導電層の面内で一軸方向に揃っている割合を、以下の方法で測定できる。
走査型電子顕微鏡(SEM)により観察された、導電層の画像を画像処理ソフト(商品名:A像くん:旭化成エンジニアリング製)の解析コマンド「方向分布計測」で解析することで簡便に、ポリマー配向度(%)として算出することができる。
具体的には、得られた繊維の傾きを0〜180°まで10°刻みで18等分に区分けし、各範囲の繊維の個数(度合い)の度数分布図(ヒストグラム)を描き、下記式より求められる。
Figure 2011250676
配向度は高いほうが、線状部材が、第3の電極の面内で一軸方向に揃っている割合が高い。本発明において、「線状部材が、導電層の面内で一軸方向に揃っている」とは、線状部材の配向度が30%以上であるものである。
(導電材料の配向について)
導電経路、すなわち線状電極中あるいは線状部材の隙間を埋める柔軟導電部材中に存在する導電材料が異方性の形状を有する材料である場合、それらの導電材料の配向性も一軸方向に揃えることが好ましい。
これにより、配向方向への電気伝導性が向上するばかりでなく、機械的強度も向上する。
導電材料の配向割合は、線状電極の表面をエッチングして電子顕微鏡により直接線状電極内部の導電材料を画像化し、前述の画像処理ソフトにより(数1)に示される配向度を求め、これを評価することができる。この場合、線状電極内に分散されている導電材料の配向度が、線状電極の長軸方向に対して80%以上であることが好ましい。これにより、機械的強度の特性に優れた、極めて変形応答が速やかなアクチュエータとなる。
また、導電層のX線散乱測定や偏光分光測定により、導電材料の配向性を評価することも可能である。
X線散乱測定による配向の評価方法は、導電材料に由来する散乱X線の散乱方位角分布の異方性によって判定するものである。導電材料が線状電極の長軸(繊維軸と呼ぶ)方向に配向している場合、散乱X線は繊維軸に対して繊維赤道方向に集中したストリーク状(縞状)の散乱パターンとなる。一方、導電材料の配向性が低い場合、散乱パターンの繊維赤道方向におけるストリークの集中は少なくなり、無配向においては完全に等方的な散乱パターンとなる。このように、X線散乱パターンの方位角異方性から、導電材料の配向を評価することができる。
また、偏光分光測定による配向の評価は、偏光吸収スペクトルや偏光ラマンスペクトルの如き偏光分光スペクトルを測定し、この測定結果から配向性を評価するものである。例えば、偏光ラマンスペクトル測定によって、以下に示すようにCNTの配向割合(配向の度合い)を示すP値を簡便に評価することができる。偏光ラマン分光測定におけるP値の測定方法は、以下のようになる。
導電層に入射する偏光レーザーの振動方向A(レーザー偏光面)におけるラマンスペクトル(例えば、C=Cバンド)のGバンド強度(X)を測定する。次に、光学系を維持しつつレーザー偏光面のみを90°回転させてA方向に直交するB方向に振動する光によるラマンスペクトルのGバンド強度(Y)を同様に測定する。上記の測定値から、下記式のP値を求める。
P=Y/X
それぞれのレーザー振動方向におけるラマンスペクトルの強度は、各振動方向におけるラマン活性を有した分子の存在比を示す。よって、この差が最も大きい(A方向を配向方向とすると、P値が最も小さい)値を示す方向が配向している方向であり、ここで求められるP値が配向性を評価する指標となる。P値は、線状電極内の導電材料の配向が面内で一軸方向に揃っている割合を示すものであり、前述の配向度とは異なり、この値が低いほど高配向であることを示す。ここでは、CNTの配向評価をおこなっているので、C=CバンドのGバンド強度により評価しているが、用いる導電材料によって対象とするバンドは適宜設定しうる。
また、吸収スペクトルでも同様な測定が可能である。特に、導電性高分子を測定する場合は、吸収スペクトルでの測定が好適である。P値は、全てのCNTがA方向に配向している場合にはP=0に漸近し、ランダムな配向ではP=1となる。本実施形態に係るアクチュエータにおいては、P値が0以上0.6以下を満たすことが好ましく、P値の上限としてより好ましくは0.2、さらに好ましくは0.1である。
<構成材料について>
(線状部材の構成材料の具体例)
線状部材としては、特に限定されず、絶縁性の部材でも良いし導電性を有する部材であってもよい。例えばポリマー系材料は柔軟性に優れているため好適な場合が多い。上記絶縁性の線状部材としては、例えば、テトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどの含フッ素系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系ポリマー、ポリブダジエン系化合物、エラストマーやゲルなどのポリウレタン系化合物、シリコーン系化合物、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリアミド等のエンジニアリングプラスチックなど様々なものを用いることが可能である。なおこれらは単独あるいは複数を組み合わせて用いてもよく、また官能基化してもよいし、他のポリマーとの共重合体としてもよい。
また、導電性を有する線状部材(線状電極)である場合には、金属ワイヤーから形成されていても良いが、柔軟性の観点からは、導電性高分子や導電材料を有する高分子材料であることが好ましい。
線状電極に分散されている導電材料としては、カーボン系導電性物質を1種またはそれらの混合物として含ませることができる。カーボン系導電性物質としては、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、活性炭素繊維の他、ナノカーボン材料がある、カーボンウイスカー(気相成長炭素)、(ナノ)炭素繊維、炭素ナノ粒子、カーボンナノチューブが挙げられる。また、導電性高分子を用いてもよい。これらの中で、導電性及び比表面積の観点より、ナノカーボン材料が好ましく、特に好ましくは、カーボンナノチューブ(CNT)である。
CNTとは、グラファイトのシートが円筒状に丸まって構成されたものであり、その円筒径が1〜10nmのものである。長軸方向の長さは、数十〜数百μmのものが一般的であるが、スーパーグロースCNTと呼ばれる長さ数mm程度になる材料もあり、これも利用できる。
カーボンナノチューブは、グラフェンシート(グラフェンからなるシート:グラフェンのシート)が筒形に巻いた形状から成る炭素系材料であり、その周壁の構成数から単層ナノチューブ(SWCNT)と多層ナノチューブ(MWCNT)とに大別される。
グラフェンとは黒鉛構造の一部であって、平面構造を有する炭素六員環が二次元的に配列した炭素原子の集合体のこと、つまり1枚の炭素の層からなるもののことである。
このような所謂カーボンナノチューブと称されるものであれば、いずれのタイプのカーボンナノチューブも用いることができる。
炭素ナノ粒子とは、カーボンナノチューブ以外の、カーボンナノホーン、アモルファス状炭素、フラーレンの如き炭素を主成分とするナノスケール(10−6〜10−9m)の粒子を言う。またカーボンナノホーンとは、グラファイトシートを円錐状に丸めた形状を持ち、先端が円錐状に閉じている炭素ナノ粒子をいう。
ナノ炭素繊維とは、グラファイトのシートが円筒状に丸まって構成されたものであり、その円筒径が10〜1000nmのものであり、カーボンナノファイバとも呼ばれる。カーボンナノファイバとは、繊維の太さが75nm以上で中空構造を有し、分岐構造の多い炭素系繊維である。市販品では、VGCF、VGNF(いずれも商品名;昭和電工(株)社製)が挙げられる。
電極における導電材料の添加量は、電極の重量に対して1重量%以上90重量%以下が好ましい。導電材料の割合が90重量%以下であると,自立性のある柔軟なフィルムを得やすく,また,1重量%以上あれば十分な導電性を有するため好ましい。
電極を構成する上記ポリマーは、上記アクチュエータの変形に伴って変形可能な柔軟性を有するものであれば特に限定されるものではないが、加水分解性が少なく、大気中で安定であることが好ましい。
また、電極は、ポリマーおよび導電材料以外に他の成分、例えばゼオライトやポーラスシリカゲルの如き無機フィラーの如くを含有していてもよい。
含有させるポリマーの量は、10重量%以上60重量%以下であることが特に好ましい。ポリマー量に対して導電材料の割合が高いほうが導電性の観点から好ましいが、ポリマー量が10重量%以上であると、電極に自立性を持たせ、機械的強度に優れた電極を構成できる。また、ポリマー量を60重量%以下とすることで、含有させる導電性物質を相対的に多くすることができ、アクチュエータの応答速度、発生力の面から実用的に使用可能な電極を構成することができる。
なお、線状電極が、CNTに代表されるようなナノカーボン材料と高分子材料から少なくとも形成されると、ナノカーボン材料自身が導電性及びイオン吸着比表面積が著しく高いことに加え、線状電極内でナノカーボン材料が凝集することなく均一分散する。
その結果、より高導電性かつイオン吸着比表面積が高い電極となるために、アクチュエータ素子に組み込んだ場合には、駆動時に大きな変位を得ることが可能となる。
このようなポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィン系ポリマー;ポリスチレン;ポリイミド;ポリパラフェニレンオキサイド、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキサイド)、ポリパラフェニレンスルフィドの如きポリアリーレン類(芳香族系ポリマー);ポリオレフィン系ポリマー、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアリーレン類(芳香族系ポリマー)に、スルホン酸基(−SOH)、カルボキシル基(−COOH)、リン酸基、スルホニウム基、アンモニウム基、又は、ピリジニウム基を導入したもの;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンの如き含フッ素系のポリマー;含フッ素系のポリマーの骨格にスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、スルホニウム基、アンモニウム基、又は、ピリジニウム基を導入したパーフルオロスルホン酸ポリマー、パーフルオロカルボン酸ポリマー、パーフルオロリン酸ポリマー;ポリブダジエン系化合物;エラストマーやゲルの如きポリウレタン系化合物;シリコーン系化合物;ポリ塩化ビニル;ポリエチレンテレフタレート;ナイロン;ポリアリレートを挙げることができる。なおこれらは単独あるいは複数を組み合わせて用いてもよく、また官能基化してもよいし、他のポリマーとの共重合体としてもよい。
また特に好ましいポリマーとしては、イオン性液体との親和性の観点から、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)が挙げられる。また、上記ポリマーは、板状の電解質部材と相溶性の高いポリマーであることが好ましい。これにより、板状の電解質部材との、相溶性および接合性がより高いため、より強固な電極を構成することが可能となる。このためには、ポリマーは、板状の電解質部材を構成する高分子化合物と、同種、類似または同一のポリマー構造を有するポリマー、または、同種、類似または同一の官能基を有するポリマーであることがより好ましい。
またさらに、ポリアミドやポリイミドのような比較的剛直なポリマー材料であっても線状化することにより、硬くてもしなりやすい部材となる。このようなポリマー材料の使用は、アクチュエータの発生力を向上させる傾向があり好適である。
(柔軟導電材料の構成)
柔軟導電材料は、線状部材の束を互いに接続し、かつ導電接続部材と良好に導通を保つものである。
本発明に用いられる線状部材間の隙間を埋める柔軟導電部材としては、良好な導電性を有し、かつ本アクチュエータの性能を低下させないものであれば、特に限定されず、従来公知の導電性エラストマーや導電性ゲルなどをもちいても良い。該導電性エラストマーとしては、シリコーンゴムに導電性粒子を充填した導電性エラストマーを使用してもよい。そして、導電性粒子としては、例えば、カーボンブラック,カーボンファイバ,グラファイトといったカーボン系の材料の他、銀,銅,アルミ,クロム,チタン,タングステン,コバルト,亜鉛,ニクロム,これらの合金,金属をコーティングしたガラスといった材料を、微粉末状,箔状,繊維状にしたもの等を使用することもできる。また、導電性ゲルとしては、カーボンナノチューブとイオン液体からなるゲルを用いても良く、これらとポリマーからなる材料でももちろん良い。加えて、各々組み合わせて使用することもできる。特に、カーボンナノチューブとイオン液体は、カーボンナノチューブが良好に分散されたゲル状組成物を形成するので、本形態において好ましい組み合わせである。なお、柔軟導電部材が、線状部材と同じポリマー素材をから形成される場合には、線状部材との密着性または接着性が良好となるので好ましい。
またさらに、柔軟導電材料は導電接続部材と同様の材料から形成してもよいし、同一の材料で兼用することもできる。つまり、例えば、柔軟導電材料は、上述したように、カーボンナノチューブとイオン液体からなるゲル材料を利用して作製することができるが、該ゲル材料は後述する導電接続部材の候補材料の一つでもある。つまり、線状部材と該ゲル材料を積層してからプレスすることで、線状部材間に該材料が導入されるため、「複数の線状部材ならびに前記線状部材間の隙間を埋める柔軟導電部材と、前記柔軟導電部材へ電流を供給するための導電性接続部材とを有する」電極を一度に作製することができ、アクチュエータ作製を簡便に行うこともできる。
(導電接続部材の構成材料)
導電接続部材は、支持部に有する電極と、第3の電極の複数の導電経路、すなわち柔軟導電部材あるいは線状電極の束とを互いに接続するものである。
導電接続部材は、金属、従来公知の柔軟導電材料、導電布や極細金属繊維とポリエステル糸を合撚糸した繊維を、単独および組み合わせて構成することができる。
また、導電接続部材の形状は、線状、板状、コイル状の如く様々な形状を用いることができる。ただし、金属線を用いる場合はコイル状であると、屈曲変形に追随しやすくなり好適である。また導電接続部材として、上述した線状電極もしくは線状電極束を利用することも出来る。
またさらに、ワイヤーメッシュを使用しても良く、ワイヤーメッシュとしては良好な導電性と十分な弾性を備え、加工が容易な材質であれば特に限定されず、ステンレス線を使用しても良いし、スズメッキ銅線、カッパーウェルド線(スズメッキ、銅、スチール)、モネル線(銅、ニッケルの合金)、アルミニウム線等を使用してもよい。また加えて、ワイヤーメッシュの網目にエラストマーを充填したものを用いることも出来る。また、金属箔を使用しても良く、金属箔を螺旋状に巻き付けた糸を用いて編組した編物でもよい。加えて、これらを複数組み合わせて用いることも出来る。
導電接続部材の配置に関しては、支持部に有する電極と、第3の電極の複数の導電経路同士がそれぞれ電気的に接続されていればよく、複数の線状部材間の隙間を埋める柔軟導電部材を覆うように積層してもよいし、複数の線状部材間の隙間を埋める柔軟導電部材に導電接続部材を編みこんでもよい。また、線状部材間の隙間を埋める柔軟導電部材を貫通するように導電接続部材を通したりするのでも良い。または線状部材間の隙間を埋める柔軟導電部材同士が繋がり、導通がとれるようにした場合には、柔軟導電部材で導電接続部材を兼ねることもできるようになり、アクチュエータ作製が容易になる場合が多い。つまり、例えば、線状部材全体を柔軟導電部材で満たして被覆すると柔軟導電部材同士が電気的に繋がるため、柔軟導電部材が導電接続部材を兼用することになる。また言うまでもないことであるが、さらに同種あるいは異種の導電接続部材を付与することも可能である。
導電接続部材と線状部材間の隙間を埋める柔軟導電部材との接続は、線状部材間の隙間を埋める柔軟導電部材の上に導電接続部材を積層し、その後、熱または非熱により圧着することで接続しても良い。この場合、柔軟導電部材と同じポリマー素材を含む柔軟導電接続部材を利用することで柔軟導電部材との密着性または接着性が良好となるので好ましい。
またもちろん、上述したように、線状部材と該ゲル材料を積層してからプレスすることで、「複数の線状部材ならびに前記線状部材間の隙間を埋める柔軟導電部材と、前記柔軟導電部材へ電流を供給するための導電性接続部材とを有する」電極を一度に作製することができ、アクチュエータ作製を簡便に行うこともできる。
導電接続部材としては、アクチュエータの機能に好ましくない影響を与えるものでない限り、金属(板状や線状や粒子状)や導電性高分子さらには、上記線状電極で用いたものと同様の材料を適宜単独および組み合わせて用いることもできる。
特に、導電接続部材が、電極の場合と同様に、CNTに代表されるようなナノカーボン材料と高分子材料から少なくとも形成される場合には、上述したように高導電性の柔軟導電材料でかつ、導電接続部材にもイオン蓄積能を付与できるため、駆動時により大きな変位を得ることが可能となる。
例えば、CNTとイオン液体から形成されるCNTゲルや、銀ペーストの如き導電性部材含有ペースト(グリース)などを用いることも出来る。加えて、導電接続部材が、ナノカーボン材料を含む線状部材(線状電極)およびその束で構成される場合には、線状電極の場合と同様に、高導電性を有する電接続部材となるために、電圧印加端子から効率よく、線状電極内の電荷すなわち電子あるいはホールを移動させ、電極間に電位差を生じさせることができるようになるため好適である。
(板状の電解質部材の構成材料)
板状の電解質部材は、電解質を含む柔軟材料であり、電解質とポリマー材料とで構成されている。
ポリマー材料としては、例えば、テトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンの如き含フッ素系ポリマー;ポリエチレン、ポリプロピレンの如きポリオレフィン系ポリマー;ポリブダジエン系化合物;エラストマーやゲルの如きポリウレタン系化合物;シリコーン系化合物;熱可塑性のポリスチレン;ポリ塩化ビニル;ポリエチレンテレフタレートを挙げることができる。なおこれらは単独あるいは複数を組み合わせて用いてもよく、また官能基化してもよいし、他のポリマーとの共重合体としてもよい。
電解質部材は、電解質が含まれている。これにより、電圧を印加により、イオン移動が行われ、アクチュエータとして動作する。
電解質としては、例えば、フッ化リチウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、塩化マグネシウム、硫酸銅、酢酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムを挙げることができる。また、イオン液体であってもよい。なお、イオン液体を利用する場合には上記ポリマーとして、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロスルホン酸(Nafion、ナフィオン)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(PHEMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)が好適に使用できる。
特に、イオン液体とポリマーが好適になじんだ、イオンゲルと呼ばれるものが知られている。例えば、1−ethyl−3−methylimidazolium(EMIM)−tetrafluoroborate(BF)と(PVDF−HFP)の組み合わせ、EMIM−bis(trifluoromethylsulfonyl)imide(TFSI)とPMMAの組み合わせは、イオンゲルとなり、好適に使用できる。
本発明の実施形態に係るアクチュエータにおいて用いられるイオン液体とは、常温溶融塩または単に溶融塩などとも称されるものであり、常温(室温)を含む幅広い温度域で溶融状態を呈する塩であり、例えば温度0℃、好ましくは温度−20℃、さらに好ましくは温度−40℃で溶融状態を呈する塩である。また、上記イオン液体はイオン伝導性が高いものが好ましい。
本発明の実施形態に係るアクチュエータにおいては、各種公知のイオン液体を使用することができ、特に限定されるものではないが、常温(室温)または常温に近い温度において液体状態を呈する安定なものが好ましい。本発明の実施形態に係るアクチュエータにおいて用いられる好適なイオン液体としては、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩が挙げられる。なお、上記イオン液体は、2以上のイオン液体を組み合わせて用いてもよい。
上記イオン液体としては、より具体的には、下記の一般式(1)から(4)で表わされるカチオン(好ましくは、イミダゾリウムイオン)と、アニオンより成るものを例示することができる。
Figure 2011250676
上記の式(1)から(4)において、Rは、炭素数1から12のアルキル基、またはエーテル結合を含み炭素数と酸素数の合計が3から12の官能基を示す。式(1)においてR1は炭素数1から4のアルキル基または水素原子を示す。式(1)において、RとR1は同一ではないことが好ましい。式(3)および(4)において、xはそれぞれ1から4の整数である。
イオン液体のアニオンとしては、テトラフルオロホウ酸アニオン、ヘキサフルオロリン酸アニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド酸アニオン、過塩素酸アニオン、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)炭素酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ジシアンアミドアニオン、トリフルオロ酢酸アニオン、有機カルボン酸アニオンおよびハロゲンイオンより選ばれる少なくとも1種が好ましい。
板状の電解質部材の厚みは、10μm以上500μm以下であることが好ましく、更には10μm以上400μm以下であることが好ましい。膜厚が500μmより大きいと膜の曲げ剛性が大きくなりアクチュエータの変形運動を抑制する場合がある。また10μm未満だと保持できるイオン性物質量が少なく電極への供給量が少なくなるため、屈曲運動が十分に得られない場合がある。
<アクチュエータの作製方法>
本発明の実施形態に係るアクチュエータの作製方法は、上記アクチュエータを作製することができる方法であればどのような方法であってもよい。
例えば、上記した導電接続部材および線状部材、板状の電解質部材を個別に作製し、これらを重ねて配置し、挟んだ状態で加熱プレス(ホットプレス、熱圧着)する方法や、線状部材に導電接続部材を塗布してから板状の電解質部材を挟持して加熱プレスする方法を好適に用いることができる。なお、ここで、「加熱プレスする」とは、加熱しながらプレスすること、及び、プレスした状態で昇温することの両方を含む。
本手法では導電接続部材がプレス過程で線状部材間に導入され、柔軟導電部材を兼ねることもできるし、塗布した柔軟導電部材が柔軟導電部材を兼ねることもできる。
加熱プレスの温度やプレス圧、時間は、用いる材料に応じて適宜選択すればよいが、使用する材料の分解温度以下の温度で加熱すべきである。例えば、加熱プレスの温度は、30℃以上150℃以下であることが好ましい。また、プレス圧は1kg/cm以上100kg/cm以下であることが好ましく、10kg/cm以上50kg/cm以下であることがより好ましい。
板状のポリマー部材を電極間に挟持した膜状構造を作成し、水、イオン液体、またはこれらの混合物をアクチュエータ作製後に含ませることもできる。この場合には、これらの溶液にアクチュエータを含浸させればよい。含浸させる溶液の濃度、含浸させる時間は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いればよい。
なお、本発明の実施形態に係るアクチュエータの形状は、平面状とは限らず、任意の形状の素子が容易に製造可能である。
<実施態様の説明>
以下、本発明の実施態様を用いてさらに詳細に説明する。
(アクチュエータの変位量の測定)
特に断りのない限り、幅1mm、長さ16mmの短冊状のアクチュエータを作成し、長さ方向の端から3mmまでの部分を、固定器具の白金電極つきホルダーで挟持する。白金電極つきホルダーは、アクチュエータの両面側にそれぞれ異なる電位を印加可能であり、導通しないように各電極に接続する端子を有している。
各端子は、電源にそれぞれ接続するための導電線に接続されている。
このように構成した上で、空気中でホルダーの白金電極に電圧を印加することで、アクチュエータの先端部が膜厚方向に駆動(空気中駆動)する。
アクチュエータの変異量の測定は、駆動電圧±1.0V、駆動周波数0.1Hzでの変位を、レーザー変位計を用いて固定端から10mmの位置で測定する。
<実施態様1>
(一方の面を線状電極、他方の面をキャスト成膜とする、アクチュエータ)
本実施態様1は、導電材料を有する線状部材(線状電極)と、板状の電解質部材と、単膜状の電極と、が順次積層された3層構造体であり、且つ線状電極の表面に導電接続部材を配置するアクチュエータである。
板状の電解質部材は、次のように作製した。ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(PVDF−HFP)100mgを、テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran、THF)/アセトニトリル(5/1)、およびイオン液体である1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(BMIBF)100mgと温度80℃で加熱混合した後、キャスト成膜した。続いて、この膜を乾燥することで板状の電解質部材を作成した。
単膜状の電極は、CNTを利用して次のように作製した。導電材料であるSWCNT50mg(Unidym社製、商品名「HiPco」、直径約1nm、長さ1μm)とBMIBF80mgと、ジメチルフォルムアミド(dimethyfolmamide、DMF)1mLとを混合し、ボールミル処理を30分間おこなった。DMF2mLに溶解させたPVDF−HFP80mgをこれに添加し、さらに30分間ボールミル処理した。これにより、CNTが分散した黒色のペーストを得た。
この黒色のペーストを、テフロン(登録商標)シートの上にキャスト成膜した後、乾燥した。これを幅1mm×長さ16mmの短冊状に切り出すことで単膜フィルム状の電極を作製した。
この電極を電子顕微鏡で観察すると、内部でCNTが複雑に凝集ならびに絡み合っていることが確認できた。また、凝集や絡み合いが面内で均一にすることは困難であり、膜の電気伝導度は測定場所によって異なる。すなわち、8−15S/cmの値となった。なお、上記電極の膜面方向でのCNTの配向割合(P値)は、略1となった。
導電材料を有する線状部材(線状電極)は、上述したエレクトロスピニング法により作製する。上述の黒色ペーストを、DMFで更に5倍程度に希釈した希釈液を用意した。
図3に示すようなエレクトロスピニング装置(メック社製)を用い、用意した希釈液をタンク16に充填した。そして紡糸口に25kVの電圧を印加することで、導電材料分散体をドラム式回転コレクターに向けて噴射した。その際、ドラム式コレクターは3000rpmで回転させた。ドラム式回転コレクターを回転させながら1時間噴射することにより、線状電極が巻き取られた一軸配向する線状電極の束を得ることができた。
このようにして得られた線状電極の一本の太さはおよそ0.9μmであった。また、電気伝導度は、線状電極の配向方向においていずれの任意点を測定しても約500S/cm程度となった。加えて、線状電極の配向度は、面内でいずれの任意点を測定しても88%であった。なお、CNTの配向割合(P値)は、面内のいずれの任意点を測定しても、線状電極の配向方向に対して約0.2であった。得られた線状電極の束を切断して幅1mm×長さ16mmの短冊状とした。線状電極の一軸配向方向は幅方向に揃えた。
導電接続部材は、以下のように作製する。単膜状の電極と同様に、黒色ペーストをテフロン(登録商標)シートの上にキャスト成膜し、乾燥した。これを、幅0.4mm×長さ16mmの線状に切り出すことで導電線様の導電接続部材を作製した。
作製された導電接続部材の電気伝導度は、線の両端で約10S/cmの値になった。また、導電接続部材の膜面方向でのCNTの配向割合、すなわちP値は1になった。
上記で得られた単膜状の電極、および短冊状の線状電極の束で、板状の電解質部材を挟み、積層した。その後、さらに線状電極の束の上に上記で作製した導伝線を積層した。導電接続部材は、アクチュエータの短尺方向に揃えられている線状電極の一軸配向方向と直交するように配置した。
また、線状電極の中心を通るように配置した。
その後、この積層物を温度40℃に加熱した加熱プレスを用いて、加圧力0.5MPaで1分間熱圧着させ、得られたアクチュエータを真空乾燥した。これにより、線状電極同士を互いに接続する導電接続部材を有する線状電極と、単膜状のフィルム電極と、で板状の電解質部材を挟んだ該アクチュエータを作製した。線状電極上に積層した導電線は、上記加熱プレスにより線状電極間に一部浸透し、柔軟導電部材として作用する。なお、線状電極は電解質部材に積層する前に、加圧力1MPaであらかじめプレスしておいた。
上記のように作製されるアクチュエータの厚みは135μmとなった。また、板状の電解質部材の厚みは15μm、単膜状の電極の厚みは50μm、線状電極の厚みは50μm、導電接続部材の厚みは10μm、にそれぞれなった。
<実施態様2>
(板状の電解質部材の両面に線状電極を配置したアクチュエータ:両線状電極の配向方向は揃っている)
本実施態様2は、図1(b)に示すような、板状の電解質部材の両面に線状電極を配置する構造のアクチュエータである。ここで板状の電解質部材および導電接続部材を、実施態様1と同様に作製した。また電解質部材の両面に配置される線状電極は、実施態様1で用いたものを2つ用意し、これを使用した。なお、両者の線状電極の束が、幅1mm×長さ15mmの短冊状に作製され、線状電極の配向は幅方向に一軸配向していた。これらの部材を積層し、実施形態1と同様に加熱プレスを加えてアクチュエータを作製した。
なお実施形態1と同様、該プレス過程を経ることで、線状電極上に積層した導電線の一部が該線状電極間に浸透し、柔軟導電部材として作用する。
上記のように作製されるアクチュエータの厚みは135μmとなる。また、板状の電解質部材の厚みは15μm、線状電極の厚みは50μm、導電接続部材の厚みは10μm、にそれぞれなった。
<実施態様3>
(板状の電解質部材の両面に線状電極を配置したアクチュエータ:両線状電極の配向方向は揃っている、かつ導電接続部材に線状電極束を使用する)
本実施態様は、実施態様2の変形であり、導電接続部材以外は実施態様2と同様に作製した。導電接続部材として、CNTとPVDF−HFPから形成される線状電極束を利用した。導伝線となる導電接続部材は、実施態様1で作製した線状電極の束を、幅0.4mm×長さ16mmの線状に切り出し、導電接続部材として使用した。なお、切り出す前に線状電極の束は、加熱プレスすると取り扱いやすくなった。
加えて、該導電接続部材は柔軟であり、加熱プレス過程を経ることで、線状電極上に積層した導電接続部材の一部が線状電極間に浸透し、柔軟導電部材として作用する。
作製したアクチュエータの厚みはアクチュエータの厚みは135μmとなった。また、板状の電解質部材の厚みは15μm、線状電極の厚みは50μm、導電接続部材の厚みは10μm、にそれぞれなった。
<実施形態4>
(板状の電解質部材の両面に絶縁性の線状部材と柔軟導電部材と、導電性接続部材とからなる電極(導電層)を配置したアクチュエータ:両線状部材の配向方向は揃っている)
本実施態様4は、図4に示すように、絶縁性の線状部材7(ポリマー繊維)と、柔軟導電部材21とからなる2枚の第3の電極で、板状の電解質部材を挟持して積層した3層構造体である。そして、第3の電極の表面には、導電接続部材8を第3の電極の膜面全体を覆うように配置している。板状の電解質部材は実施例1と同様に作製した。
線状部材7は実施例1と同様にエレクトロスピニング装置を用いて作製した。ここでは、タンク16にはポリアミック酸(宇部興産社製 U−ワニス)を用い、得られた配向膜を200℃で熱処理することでアミド化させて、対応する線状部材を得た。なお、線状部材の一本の太さはおよそ0.9μmであった。線状部材の配向度は、面内でいずれの任意点を測定しても85%であった。
次に、得られた線状部材に、実施例1で作製したCNTが分散した黒色のペーストを全体にキャストし、乾燥させることで、線状部間の隙間を埋める柔軟導電部材と、第3の電極の表面全体に積層された導電接続部材の層が付与された電極を作製した。これを所定の短冊状に切り出すことで第3の電極と、導電性接続部材とで構成される積層構造体を作製した。なお、電気伝導度は測定場所によって異なるが、概ね8−15S/cmの値となった。
上記で得られた絶縁性の線状部材と柔軟導電部材と、導電性接続部材とからなる電極で板状の電解質部材を挟み、積層し、熱圧着後、真空乾燥することで、対応するアクチュエータを得た。なお、線状部材の一軸配向方向は幅方向に揃えた。
上記のように作製されるアクチュエータの厚みは230μmとなった。また、プレスする前の板状の電解質部材の厚みは180μm、第3の電極と、導電性接続部材の層の厚みは90μmにそれぞれなった。
実施形態4の比較形態として、比較形態1と電極および板状の電解質部材の厚みが異なるアクチュエータを比較形態2として用いた。また前記比較形態2のアクチュエータの厚みは210μmであり、プレスする前の板状の電解質部材の厚みは180μm、第3の電極と、導電性接続部材の層の厚みはそれぞれ80μmであった。
なお、実施形態4と比較形態2のアクチュエータのサイズは幅1mm、長さ12mmとした。
(アクチュエータ特性評価)
実施態様1乃至3で示したように、線状電極の導電材料としてCNTを用いると、配向割合(P値)は0.1乃至0.2にすることができ、完全にCNTが配向した値(P=0)に著しく近く設定できる。CNTが線状電極方向に面内均質かつ良好に分散することで、電極膜面で均質にかつ良好な導電性が得られている。繊維の太さが0.9μmと細いので、導電性およびCNTの配向度が高かった。繊維内でCNTの凝集ならびに絡まりが抑制され、CNTが均質に分散されているためと推測される。
各実施態様におけるアクチュエータは、板状の電解質部材を電極で挟持した構造になっており、電極を介して電気エネルギーが印加されると、電解質部材中のイオンが移動し、変形駆動した。
板状の電解質部材の両面に、実施態様1に示す単膜状の電極を配置した従来のアクチュエータを比較形態1として、以下のように評価できる。
比較形態1および実施態様1、2、3のアクチュエータの両側電極間に±1.0V、0.1Hzの交流電位を印加して、その変位量を比較する。
比較形態では、屈曲変形による変位量(固定端から10mmの位置の最大振れ幅の半分量)は、0.16mm程度となる。
これに対して、実施形態1のアクチュエータは、一面が線状電極を有しているので、電極部が膨張する方向、すなわち線状電極が配置される反対側の方向に屈曲する場合において、曲げ剛性が低減されて比較形態よりも大きな変位を生じることになる。
そして、線状電極が配置されている方向への屈曲においても、逆方向ほどではないが変位量は増加する。これにより、全体の変位量は、比較形態に加えて1.8倍程度大きくなる。
また、実施形態2においては、アクチュエータの両面に線状電極が配置されているために、いずれの方向への屈曲時にも曲げ剛性が低減され、実施形態1よりもさらに大きな変位を生じることになる。
また、実施形態3においては、屈曲時の曲げ剛性が低減されることに加え、線状電極面内に渡って電圧低下を減少させることができるので、板状の電解質部材の両面を均一に電圧印加することができ、さらに実施形態2よりも大きな変位量を生じさせることができる。
比較形態1に対して、変位量の大きさは、実施形態2においては4倍量、実施形態3においては5倍量、変位すると見積もられる。
(実施態様4のアクチュエータ特性評価)
アクチュエータを幅1mm、長さ12mm、所定の膜厚の短冊状に作製し、端から2mmまでの部分を、固定器具の白金電極付きホルダー(端子)でつかんで、空気中で電圧を印加する(空気中駆動)。アクチュエータの変形応答特性については、所定位置の変位量を評価する。変位量は、駆動電圧+1.0V、駆動周波数1Hzでの変位を、レーザー変位計を用いて固定端から9mmの位置(アクチュエータ測定ポイント)で測定する。
また、歪量εは、レーザー変位計を用いて測定した変位量から、下記の式で算出した。
ε=2dδ/(l+δ
ここで、dはアクチュエータの厚み(mm)、δはレーザー変位計で測定した最大変位量の半分の値である。また、lはアクチュエータ(前記アクチュエータ測定ポイント)からレーザー変位計までの距離であり、本測定では8mmである。全て単位はmmとする。
アクチュエータの屈曲運動における発生力の評価は微小力評価用のロードセル(UL−10GR;ミネベア社製)を用いて行った。
つまり、幅1mm、長さ12mmのアクチュエータの長尺端から2mmまでの部分を、固定器具の白金電極付きホルダー(端子)でつかんで、空気中で+2Vの電圧を印加して屈曲運動させた。その際のアクチュエータの固定端から2mmの位置の発生力を、ロードセルを用いて測定した。
実施態様4におけるアクチュエータも、板状の電解質部材を電極で挟持した構造になっており、電極を介して電気エネルギーが印加されると、電解質部材中のイオンが移動し、変形駆動した。また上述した比較形態2のアクチュエータと比較して、以下のように評価できる。
測定結果を表1に示した。
Figure 2011250676
比較形態2および実施態様4のアクチュエータの両側電極間に+1.0V、0.1Hz、0.01Hzの交流電位を印加して、その歪量(変位量)を比較すると、実施態様4の方が3割から4割も大きい歪量を示す。よって、板状の電解質部材の両面に絶縁性の線状部材と柔軟導電部材と、導電性接続部材とからなる電極を配置したアクチュエータのアクチュエータを用いることで、板状の電解質部材の両面が屈曲しやすく、従来よりも変位に優れたアクチュエータが得られることが分かる。
つまり、本アクチュエータは、線状部材のそれぞれが変形方向に対して交差するように配置されているため、曲げ剛性による屈曲変形に対する抵抗力が低減され、アクチュエータがスムースに屈曲しやすくなるために、屈曲変形において変位量の大きなアクチュエータとなる。
また、同様に+2.0V、0.1Hz、および+2.0V、0.5Hzの交流電位をそれぞれ印加した場合の発生力を比較すると、実施態様4の方が最大で約2倍程度大きくなった。加えて、±0.5V,1mV/secでこれらアクチュエータのサイクリックボルタンメトリーの測定を行うことで静電容量を比較したところ実施態様4の方が最大で約2倍以上大きくなった。
以上の各実施形態で示したように、本発明の構成により屈曲変形しやすく、変位量の大きいアクチュエータを提供することができる。
上記したアクチュエータは、様々な用途に使用することができ、人工筋肉、ロボットアーム、義手、マイクロマシンの如き小型の用途だけでなく、大型化された用途への適用も可能である。
1 アクチュエータ
2 第1の電極
3 第2の電極
4 電解質部材
5、6 端子
7、9 線状部材
8、10 導電接続部材
11 駆動電源
12 リード線
21 柔軟導電部材

Claims (5)

  1. 支持部と、中間部と、変位部とを有するアクチュエータであって、
    前記支持部は、第1の電極と、前記第1の電極と対向する第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に配置されている板状の電解質部材の一部とを保持しており、前記支持部は、前記第1の電極と前記第2の電極の間に電圧を印加するための端子を有し、
    前記支持部と前記変位部との間に配置されている前記中間部は、前記電解質部材に接する第3の電極と、前記第3の電極へ電流を供給するための導電性接続部材とを有し、
    前記第3の電極は、複数の線状部材および導電材料を有しており、
    前記線状部材の長軸は、前記支持部から前記変位部への方向と交差する方向に配置されており、
    前記第3の電極は、該交差する方向に電流を流すための複数の導電経路を有しており、
    前記導電性接続部材は、前記第1の電極と前記第2の電極のどちらかと電気的に接続しており、
    前記導電性接続部材は、前記導電経路同士を互いに電気的に接続しており、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加することにより、前記電解質部材内のイオンが移動して、前記変位部が変位する
    ことを特徴とするアクチュエータ。
  2. 前記第3の電極の線状部材が、導電材料を有する線状電極からなる請求項1に記載のアクチュエータ。
  3. 前記第3の電極が、線状部材間の隙間を埋める柔軟導電部材を有する請求項1に記載のアクチュエータ。
  4. 前記電解質部材は、一方の面側に複数の第1の線状電極と、前記第1の線状電極へ電流を供給するための第1の導電性接続部材とを有し、
    前記第1の導電接性続部材は、前記第1の線状電極同士を互いに電気的に接続しており、
    前記電解質部材は、他方の面側に
    複数の第2の線状電極と、前記第2の線状電極へ電流を供給するための第2の導電性接続部材とを有し、
    前記第2の導電接性続部材は、前記第2の線状電極同士を互いに電気的に接続していることを特徴とする請求項2に記載のアクチュエータ。
  5. 前記導電接続部材がナノカーボン材料と高分子材料から少なくとも形成される線状電極であることを特徴とする請求項2に記載のアクチュエータ。
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