JP2011246983A - 床筋の配筋方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】土間コンクリート床やコンクリートスラブの施工に際して床筋を効率的に配筋する。
【解決手段】床筋3をリフトアップ可能なエアーホース4を収縮状態で作業床面(土間1)上に配設し、その上に予め格子状に組み立てた床筋を配置し、エアーホースにエアーを供給して膨張させることで床筋をリフトアップし、床筋に装着しておいたスペーサー5を自重により回動させ、エアーホースを収縮させて床筋をリフトダウンしてスペーサーにより作業床面との間に所望の被り寸法を確保した状態で床筋を支持し、エアーホースを撤去してコンクリートを打設する。床筋を2段筋とする場合には下筋3aと上筋3bの双方を下段エアーホース4aおよび上段エアーホース4bによりリフトアップし、下段スペーサー5aおよび上段スペーサー5bにより被り寸法および鉄筋間隔を確保する。
【選択図】図6

Description

本発明は、土間コンクリート床ないしコンクリートスラブを施工するに際して床筋を配筋するための方法に関する。
周知のように、土間コンクリート床の施工に際しての床筋の配筋作業は、捨てコン地業上にマークした鉄筋ピッチに合わせて作業員が鉄筋を1本ずつ手作業で配筋していくことが基本であり、その際には所望の被り寸法を確保するためにスペーサーとしてのモルタルブロックにより支持して土間コン上に浮かせた状態で配筋していきつつ、縦横の鉄筋を結束線で束ねていくという手順で行われることが通常であるが、そのようなことでは効率的な作業が望めないし、配筋済みの床筋が足場となってその上に作業員が乗るので少なからず手直しも必要である。
そのため、この種の配筋作業の効率化や合理化を目的として様々な工法が提案されており、たとえば特許文献1には縦横の鉄筋を予め格子状(メッシュ状)に組み立ててそれを一括して配筋するとともに、その際にジャッキを使用して被り寸法や上筋と下筋との間隔を適正に設定するという配筋方法が提案されている。
特開2004−197451号公報
しかし、特許文献1に示される配筋方法は特殊なジャッキを使用する必要があるし、上筋と下筋との間にスターラップを配筋することが前提であるので、広く一般に適用し得るものではなく、普及するに至っていない。
また、従来までに提案されている他の工法にしても万全なものはなく、土間コンクリート床やコンクリートスラブの施工に際しての配筋作業を充分に効率的に行い得る有効適切な配筋方法は未だ確立されていないというのが実状である。
上記事情に鑑み、請求項1記載の発明の床筋の配筋方法は、土間コンクリート床ないしコンクリートスラブを施工するに際し、予め格子状に組み立てた床筋を土間ないし床型枠を作業床面としてその上部に以下の(a)〜(f)工程により配筋することを特徴とする。
(a)後工程において膨張して前記床筋を前記作業床面上にリフトアップ可能なエアーホースを収縮状態で前記作業床面上に配設する工程、
(b)前記床筋を前記作業床面上に配置する工程、
(c)前記エアーホースにより前記床筋をリフトアップした際に自重により下方に回動可能なスペーサーを前記床筋に取り付ける工程、
(d)前記エアーホースにエアーを供給して該エアーホースを膨張させて該エアーホースによって前記床筋をリフトアップすることにより前記スペーサーを下方に回動せしめる工程、
(e)前記エアーホースを収縮させて前記床筋をリフトダウンすることにより前記スペーサーによって前記床筋を前記作業床面上に支持して該作業床面との間に所望の被り寸法を確保する工程、
(f)前記エアーホースを撤去してコンクリート打設工程に移行する工程。
また、請求項2記載の発明の床筋の配筋方法は、同じく土間コンクリート床ないしコンクリートスラブを施工するに際し、予め格子状に組み立てた下筋と上筋を土間ないし床型枠を作業床面としてその上部に以下の(a)〜(h)工程により配筋することを特徴とする床筋の配筋方法。
(a)後工程において膨張して前記上筋とともに前記下筋を前記作業床面上にリフトアップ可能な下段エアーホースを収縮状態で前記作業床面上に配設する工程、
(b)前記下筋を前記作業床面上に配置する工程、
(c)後工程において膨張して前記上筋を前記下筋上にリフトアップ可能な上段エアーホースを収縮状態で前記下筋上に配設する工程、
(d)前記上筋を前記下筋上に配置する工程、
(e)前記下段エアーホースにより前記下筋をリフトアップした際に自重により下方に回動可能な下段スペーサーを前記下筋に取り付け、前記上段エアーホースにより前記上筋をリフトアップした際に自重により下方に回動可能な上段スペーサーを前記上筋に取り付ける工程、
(f)前記下段エアーホースにエアーを供給して該下段エアーホースを膨張させて該下段エアーホースによって前記下筋をリフトアップすることにより前記下段スペーサーを下方に回動せしめ、前記上段エアーホースにエアーを供給して該上段エアーホースを膨張させて該上段エアーホースによって前記上筋をリフトアップすることにより前記上段スペーサーを下方に回動せしめる工程、
(g)前記下段エアーホースを収縮させて前記下筋をリフトダウンすることにより前記下段スペーサーにより前記下筋を前記作業床面上に支持して該作業床面との間に所望の被り寸法を確保し、前記上段エアーホースを収縮させて前記上筋をリフトダウンすることにより前記上段スペーサーにより前記上筋を前記作業床面上に支持して前記下筋との間に所望の鉄筋間隔を確保する工程、
(h)前記下段エアーホースおよび前記上段エアーホースを撤去してコンクリート打設工程に移行する工程。
本発明によれば、床筋を1本ずつ配筋するのではなく予め格子状に組んでおいてそれを一括して配筋するようにし、特にその格子状の床筋をエアーホースによりリフトアップ/リフトダウンすることにより床筋に装着したスペーサーを回動させて被り寸法や鉄筋間隔を適正に設定するので、床配筋に係わる施工効率を大きく改善でき、施工精度を確保でき、手直しも発生せず、格別な装置や複雑な機構を一切必要としないのでさしたるコスト増にもならず、以上のことから床配筋に係わる施工効率を大きく改善することが可能であり極めて合理的である。
本発明の配筋方法の実施形態を工程順に示す図である。 本発明の配筋方法の実施形態を工程順に示す図である。 本発明の配筋方法の実施形態を工程順に示す図である。 本発明の配筋方法の実施形態を工程順に示す図である。 本発明の配筋方法の実施形態を工程順に示す図である。 本発明の配筋方法の実施形態を工程順に示す図である。 本発明の配筋方法の実施形態を工程順に示す図である。 本発明の配筋方法の実施形態を工程順に示す図である。
本発明の一実施形態を図1〜図8を参照して説明する。
本実施形態は最終的に図8に示すように土間1上に土間コンクリート床2を施工するに際して、作業床面である土間1上に床筋3を下筋3aと上筋3bとによる二段筋としてダブル配筋するための方法であって、それら下筋3aおよび上筋3bとしていずれも予め格子状に組み立てた溶接金網を用いるとともに、それら下筋3aおよび上筋3bをそれぞれエアーホース4(後述)を用いてリフトアップ/リフトダウンすることによりスペーサー5(後述)によって土間1上の適正位置に支持して配筋することを主眼とする。
本実施形態における下筋3aおよび上筋3bとしての溶接金網は、縦横の鉄筋としてたとえばD10〜D16程度の鋼棒あるいは異形鉄筋を用いてそれらをたとえば100〜200mm程度のピッチで格子状(メッシュ状)に組んで溶接したものとすれば良い。
1枚の溶接金網の寸法は通常のトラックで搬送可能なように、たとえば幅寸法を最大で2.2m程度、長さ寸法を9〜10m程度とすると良い。
本実施形態の配筋方法では、まず図1に示すように土間1上に複数本(図では2本のみを図示)の下段エアーホース4aを所定間隔で配列した状態で一方向(図示例では紙面に直交する方向)に沿って配置する。
下段エアーホース4aとしては建設資材として作業現場で広く用いられている柔軟かつ容易に破損しない高強度のものを用い、土間1上に配置する時点では図示しているように偏平な状態に収縮させておくが、後工程においてエアーを供給して膨張させた際(図6参照)には、下筋3aを土間1との間に確保するべき被り寸法d(図7参照)以上にリフトアップできる径寸法のものを用いる。
これら下段エアーホース4aの所要本数や配置間隔は、それらの全体で下筋3aおよび後段でその上に配筋される上筋4bの全体を水平状態を維持したままで安定にリフトアップできるように設定しておく。
次いで、図2に示すように土間1上に下筋3aを配置し、続いて図3に示すように下筋3a上に上段エアーホース4bを収縮状態で配置した後、さらに図4に示すようにその上に上筋3bを配置する。
上段エアーホース4bも下段エアーホース4aと同様のものを用いれば良く、後工程においてエアーが供給されて膨張した際に上筋3bを下筋3a上にリフトアップできるように所要本数を所定間隔で配列する。なお、図示例のように上段エアーホース4bは下段エアーホース4aに対して直交方向に配置すれば良いが、あるいは下段エアーホース4aと同方向に配置することでも良い。
この時点では下筋3aと上筋3bとを下段エアーホース4aおよび上段エアーホース4bを介して単に重ねた状態で配置するだけで良く、上筋3bを足場としてその上に作業員が乗ることは何ら支障がない。
そこで、図5に示すように下筋3aに対して下段スペーサー5aを取り付け、上筋3bに対して上段スペーサー5bを取り付ける。
下段スペーサー5aは下筋3aと土間1との間の被り寸法dを規制するためのものとしてその形状と寸法が予め厳密に設定されて製作され、下筋3a全体を撓ませることなく安定に支持可能なように下筋3aの所定位置に対して所定間隔で装着されて使用されるものである。すなわち、下段スペーサー5aは図5に示すように横向き姿勢とされた状態でフック部が下筋3aに対して回転可能に装着され、後工程(図6参照)において下筋3aがりリフトアップされるとその下段スペーサー5aが自重により自ずと下方に向かって回動して自立姿勢となり、その状態では下筋3aと土間1との間に適正な被り寸法dを確保した状態で下筋3aを土間1上に浮かせた状態で支持可能なものである(図7参照)。
上段スペーサー5bは上筋3bと土間1との間の間隔を適正に規制することで下筋3aと上筋3bとの間の鉄筋間隔d(図7参照)を適正に規制するためのものであり、下段スペーサー5aとは高さ寸法が異なりかつ上筋3bに装着されることを除いて下段スペーサー5aと同様に構成されており、同様に使用されて同様に機能するものである。
なお、上述したように、下段スペーサー5aおよび上段スペーサー5bを装着する段階(図4に示した状態)では下筋3aと上筋3bとは下段エアーホース4aおよび上段エアーホース4bを介して単に重ねられているだけであって、従来のようにこの時点で下筋3aと土間1との間に被り寸法dが確保されているわけではないし、下筋3aと上筋3bとの間に所定の鉄筋間隔dが確保されているわけでもないから、作業員が上筋3bを足場としてその上から下段スペーサー5aや上段スペーサー5bの装着作業を行うことは何ら支障がないし、それらを装着した後の手直し作業も発生しない。
以上のように、土間1上に下筋3aと上筋3bを配置し、それらの間に下段エアーホース4aおよび上段エアーホース4bを介装し、下筋3aと上筋3bの双方に下段スペーサー5aおよび上段スペーサー5bを装着した後、図6に示すように下段エアーホース4aおよび上段エアーホース4bに対して適宜のブロアによりエアーを供給してそれらを膨張させることで下筋3aおよび上筋3bの全体をリフトアップする。
これにより下筋3aは下段エアーホース4aによって土間1上にリフトアップされ、さらに上筋3bは上段エアーホース4bによって下筋3a上にリフトアップされ、それに伴い、横向き姿勢で装着されていた下段スペーサー5aおよび上段スペーサー5bはそれらの自重により自ずと下方に向かって回動して自立姿勢となる
そこで、図7に示すように下段エアーホース4aと上段エアーホース4bからエアーを抜いてそれらを収縮させれば、下筋3aおよび上筋3bの全体がリフトダウンするが、この時点では既に下段スペーサー5aおよび上段スペーサー5bがいずれも自立状態となっているので、下筋3aは下段スペーサー5aにより土間1上に浮いた状態で支持されて土間1との間に適正な被り寸法dが自ずと確保され、上筋3bも同様に下筋3a上に浮いた状態で上段スペーサー5bにより支持されて下筋3aとの間に適正な鉄筋間隔dが自ずと確保される。
以上により配筋作業が完了したので、下段エアーホース4aおよび上段エアーホース4bを撤去した後、図8に示すように所定厚さのコンクリートを打設することにより、下段スペーサー5aおよび上段スペーサー5bをそのまま埋め込んだ状態で土間コンクリート床2の完成となる。
本発明によれば、従来のように床筋を1本ずつ配筋するのではなく予め溶接金網として格子状に組んでおいてそれを一括して配筋するので、それによる施工性改善効果が得られるもとより、下段スペーサー5aと上段スペーサー5bを使用することで土間1との間の被り寸法dや、下筋3aと上筋3bとの間の鉄筋間隔dを適正に設定可能であるので、溶接金網を用いることと相俟って施工精度を確保でき、しかもそのための作業を下段エアーホース4aおよび上段エアーホース4bを用いてリフトアップ/リフトダウンすることのみで容易に実施することができ、しかも単なる金物としてのスペーサー5と単なるエアーホース4を用いるのみで格別な装置や複雑な機構を一切必要としないのでさしたるコスト増にもならず、従来のように配筋済みの床筋を足場とすることによる手直しも発生せず、以上のことから本発明によれば床配筋に係わる施工効率を大きく改善することが可能であり極めて合理的である。
なお、上記実施形態は床筋3として下筋3aと上筋3bとの二段筋をダブル配筋する場合の適用例であるが、本発明は1段筋の場合にも適用できるものであり、その場合には上記実施形態における上筋3bおよび上段エアーホース4bを単に省略し、下段スペーサー5aを装着した下筋3aを下段エアーホース4aによりリフトアップ/リフトダウンすることのみで、被り寸法dを適正に設定したうえでコンクリートを打設すれば良い。
また、上記実施形態は土間1上への土間コンクリート床2への適用例であるが、本発明はコンクリートスラブ(構造スラブ)の施工に際しても同様に適用できるものであり、その場合は所望断面の鉄筋を格子状に組んだ床用の鉄筋ユニットを床筋3として用いるとともに、床型枠を作業床面としてその上で上記実施形態と同様の手順で配筋作業を行えば良い。
勿論、本発明において床筋3として使用する溶接金網や床用の鉄筋ユニットは格子状とする限りにおいてその具体的な仕様は任意であるし、床筋3に装着するスペーサー5や床筋3をリフトアップするためのエアーホース4の仕様についても適宜の設計的変更が可能であり、さらには具体的な作業工程、作業手順についても本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能であることはいうまでもない。
1 土間(作業床面)
2 土間コンクリート床
3 床筋
3a 下筋
3b 上筋
4 エアーホース
4a 下段エアーホース
4b 上段エアーホース
5 スペーサー
5a 下段スペーサー
5b 上段スペーサー

Claims (2)

  1. 土間コンクリート床ないしコンクリートスラブを施工するに際し、予め格子状に組み立てた床筋を土間ないし床型枠を作業床面としてその上部に以下の(a)〜(f)工程により配筋することを特徴とする床筋の配筋方法。
    (a)後工程において膨張して前記床筋を前記作業床面上にリフトアップ可能なエアーホースを収縮状態で前記作業床面上に配設する工程、
    (b)前記床筋を前記作業床面上に配置する工程、
    (c)前記エアーホースにより前記床筋をリフトアップした際に自重により下方に回動可能なスペーサーを前記床筋に取り付ける工程、
    (d)前記エアーホースにエアーを供給して該エアーホースを膨張させて該エアーホースによって前記床筋をリフトアップすることにより前記スペーサーを下方に回動せしめる工程、
    (e)前記エアーホースを収縮させて前記床筋をリフトダウンすることにより前記スペーサーによって前記床筋を前記作業床面上に支持して該作業床面との間に所望の被り寸法を確保する工程、
    (f)前記エアーホースを撤去してコンクリート打設工程に移行する工程。
  2. 土間コンクリート床ないしコンクリートスラブを施工するに際し、予め格子状に組み立てた下筋と上筋を土間ないし床型枠を作業床面としてその上部に以下の(a)〜(h)工程により配筋することを特徴とする床筋の配筋方法。
    (a)後工程において膨張して前記上筋とともに前記下筋を前記作業床面上にリフトアップ可能な下段エアーホースを収縮状態で前記作業床面上に配設する工程、
    (b)前記下筋を前記作業床面上に配置する工程、
    (c)後工程において膨張して前記上筋を前記下筋上にリフトアップ可能な上段エアーホースを収縮状態で前記下筋上に配設する工程、
    (d)前記上筋を前記下筋上に配置する工程、
    (e)前記下段エアーホースにより前記下筋をリフトアップした際に自重により下方に回動可能な下段スペーサーを前記下筋に取り付け、前記上段エアーホースにより前記上筋をリフトアップした際に自重により下方に回動可能な上段スペーサーを前記上筋に取り付ける工程、
    (f)前記下段エアーホースにエアーを供給して該下段エアーホースを膨張させて該下段エアーホースによって前記下筋をリフトアップすることにより前記下段スペーサーを下方に回動せしめ、前記上段エアーホースにエアーを供給して該上段エアーホースを膨張させて該上段エアーホースによって前記上筋をリフトアップすることにより前記上段スペーサーを下方に回動せしめる工程、
    (g)前記下段エアーホースを収縮させて前記下筋をリフトダウンすることにより前記下段スペーサーにより前記下筋を前記作業床面上に支持して該作業床面との間に所望の被り寸法を確保し、前記上段エアーホースを収縮させて前記上筋をリフトダウンすることにより前記上段スペーサーにより前記上筋を前記作業床面上に支持して前記下筋との間に所望の鉄筋間隔を確保する工程、
    (h)前記下段エアーホースおよび前記上段エアーホースを撤去してコンクリート打設工程に移行する工程。
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