JP2011246390A - 非対称第3級アルコールの製造方法 - Google Patents

非対称第3級アルコールの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】環状骨格を有する非対称第3級アルコールを、高い収率で簡易に製造する。
【解決手段】非対称第3級アルコールの製造方法は、環状骨格を有する酸ハロゲン化物等の化合物を、下記式(2)R1−M1(2)[式中、R1は炭化水素基を示す。M1はLi等、又は−MaY(式中、MaはMg等、Yはハロゲン原子を示す)を示す]で表される有機金属化合物と反応させた後、さらに、下記式(3)R2−M2(3)[式中、R2は炭化水素基を示す。但し、R1とR2とは異なる基である。M2はLi等、又は−MbY(式中、MbはMg等、Yはハロゲン原子を示す)を示す]で表される有機金属化合物と反応させて、下記式(4)
Figure 2011246390

[式中、環Zは非芳香族性又は芳香族性環を示す]で表される非対称第3級アルコールを得ることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、非対称第3級アルコールの製造方法、及び該非対称第3級アルコールを用いたカルボン酸非対称第3級アルコールエステルの製造方法に関する。より詳細には、ヒドロキシル基が結合している炭素原子に、単環又は多環の非芳香族性又は芳香族性環が結合し、さらに相異なる2つの基が結合している非対称第3級アルコールの製造方法、及び該非対称第3級アルコールを用いたカルボン酸非対称第3級アルコールエステルの製造方法に関する。このような非対称第3級アルコール及びカルボン酸非対称第3級アルコールエステルは感光性樹脂等の機能性高分子や医薬品等の精密化学品などの原料として有用である。
非対称第3級アルコールの製造方法として、アルキルマンガンハライドと酸ハライドとを反応させてケトンを得、得られたケトンにアルキルリチウム又はアルキルマグネシウムハライドを反応させて目的とする非対称第3級アルコールを得る方法が報告されている(非特許文献1、2)。しかし、この方法では、有毒性の高いマンガン化合物を量論量用いる上、アルキルマンガンハライドを、アルカンから合成したアルキルリチウムにさらにハロゲン化マンガンを反応させて調製する必要があり、工程が煩雑となる。また、従来、環状骨格を有するカルボン酸非対称第3級アルコールエステルの工業的に効率のよい製造法はない。
テトラヘドロン レターズ(Tetrahedron Letters), 1988, 29(30), 3659−3662 テトラヘドロン レターズ(Tetrahedron Letters), 1986, 27(37), 4441−4444
本発明の目的は、環状骨格を有する非対称第3級アルコールを、有毒性の高い金属化合物を用いることなく、高い収率で簡易に製造できる方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、環状骨格を有するカルボン酸非対称第3級アルコールエステルの工業的に効率のよい製造法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、環状骨格を有するカルボン酸誘導体に、特定の有機金属化合物を反応させた後、さらに、特定の有機金属化合物を反応させると、環状骨格を有する非対称第3級アルコールが高い収率で工業的に効率よく得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記式(1)
Figure 2011246390
[式中、環Zは単環又は多環の非芳香族性又は芳香族性環を示す。Xは、ハロゲン原子、−OCORa(式中、Raは炭化水素基を示す)、又は−ORb(式中、Rbは炭化水素基を示す)を示す]
で表される化合物を、下記式(2)
1−M1 (2)
[式中、R1は炭化水素基を示す。M1は配位子を有していてもよい金属原子、又は−MaY(式中、Maはマンガン以外の金属原子、Yはハロゲン原子を示す)を示す]
で表される有機金属化合物と反応させた後、さらに、下記式(3)
2−M2 (3)
[式中、R2は炭化水素基を示す。但し、R1とR2は異なる基である。M2は配位子を有していてもよい金属原子、又は−MbY(式中、Mbはマンガン以外の金属原子、Yはハロゲン原子を示す)を示す]
で表される有機金属化合物と反応させて、下記式(4)
Figure 2011246390
(式中、環Z、R1、R2は前記に同じ)
で表される非対称第3級アルコールを得ることを特徴とする非対称第3級アルコールの製造方法を提供する。
この製造方法において、第1段の反応及び/又は第2段の反応を周期表第8族〜第11族元素を含むイオン化合物の存在下で行うのが好ましい。
また、第1段の反応及び/又は第2段の反応をルイス酸の存在下で行うのが好ましい。
本発明は、また、上記の方法により下記式(4)
Figure 2011246390
(式中、環Zは単環又は多環の非芳香族性又は芳香族性環を示す。R1、R2は、それぞれ、炭化水素基を示す。但し、R1とR2は異なる基である)
で表される非対称第3級アルコールを製造し、得られた非対称第3級アルコールを、下記式(5)
3COOH (5)
(式中、R3は炭化水素基、複素環式基又はこれらが結合した基を示す)
で表されるカルボン酸又はその反応性誘導体と反応させて、下記式(6)
Figure 2011246390
(式中、環Z、R1、R2、R3は前記に同じ)
で表される環状骨格を有するカルボン酸非対称第3級アルコールエステルを得ることを特徴とするカルボン酸非対称第3級アルコールエステルの製造方法を提供する。
本発明の製造方法によれば、環状骨格を有する非対称第3級アルコールを、有毒性の高い金属化合物を用いることなく、高い収率で簡易に製造することができる。
また、環状骨格を有するカルボン酸非対称第3級アルコールエステルを工業的に効率よく製造できる。
[非対称第3級アルコールの製造]
本発明では、前記式(1)で表される化合物を式(2)で表される有機金属化合物と反応させた後、さらに、式(3)で表される有機金属化合物と反応させて、目的化合物である式(4)で表される非対称第3級アルコールを得る。なお、本明細書において、「非対称」第3級アルコールとは、原料として用いられる式(1)の化合物のカルボニル炭素に2つの異なる基が導入された第3級アルコールを意味する。
[式(1)で表される化合物]
前記式(1)で表される化合物において、環Zは単環又は多環の非芳香族性又は芳香族性環を示す。Xは、ハロゲン原子、−OCORa(式中、Raは炭化水素基を示す)、又は−ORb(式中、Rbは炭化水素基を示す)を示す。
環Zにおける非芳香族性環には、脂環式炭化水素環(非芳香族性炭化水素環)及び非芳香族性複素環が含まれる。脂環式炭化水素環には、単環式炭化水素環及び多環式炭化水素環[スピロ炭化水素環、環集合炭化水素環、架橋環式炭化水素環(縮合環式炭化水素環を含む)]が含まれ、非芳香族性複素環には、単環式複素環及び多環式複素環(架橋環式複素環等)が含まれる。
単環式炭化水素環としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン環などのC3-12シクロアルカン環;シクロヘキセン環などC3-12シクロアルケン環などが挙げられる。スピロ炭化水素環には、例えば、スピロ[4.4]ノナン、スピロ[4.5]デカン、スピロビシクロヘキサン環などのC5-16スピロ炭化水素環が含まれる。環集合炭化水素環としては、例えば、ビシクロヘキサン、ビパーヒドロナフタレン環などのC3-12シクロアルカン環を含む環集合炭化水素環が例示できる。
架橋環式炭化水素環として、例えば、ピナン、ボルナン、ノルピナン、ノルボルナン、ビシクロオクタン環(ビシクロ[2.2.2]オクタン環、ビシクロ[3.2.1]オクタン環等)などの2環式炭化水素環;ホモブレダン、アダマンタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[4.3.1.12,5]ウンデカン環などの3環式炭化水素環;テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、パーヒドロ−1,4−メタノ−5,8−メタノナフタレン環などの4環式炭化水素環などが挙げられる。
架橋環式炭化水素環には、ジエン類の二量体の水素添加物[例えば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエンなどのシクロアルカジエンの二量体の水素添加物(例えば、パーヒドロ−4,7−メタノインデンなど)、ブタジエンの二量体(ビニルシクロヘキセン)やその水素添加物など]に対応する環なども含まれる。
また、架橋環式炭化水素環には、縮合環式炭化水素環、例えば、パーヒドロナフタレン(デカリン)、パーヒドロアントラセン、パーヒドロフェナントレン、パーヒドロアセナフテン、パーヒドロフルオレン、パーヒドロインデン、パーヒドロフェナレン環などの5〜8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環も含まれる。
好ましい架橋環式炭化水素環として、ノルボルナン、ボルナン、アダマンタン、ビシクロオクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、デカリン環等が挙げられる。
単環式非芳香族性複素環として、例えば、オキソラン、オキサン、オキセパン、オキソカン環などの酸素原子含有複素環;パーヒドロアゼピン環などの窒素原子含有複素環などが挙げられる。多環式非芳香族性複素環としては架橋環式複素環などが挙げられる。
また、前記芳香族性環には、芳香族炭化水素環及び芳香族複素環が含まれる。芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、フェナレン環などの単環または多環の芳香族炭化水素環が挙げられる。芳香族複素環としては、例えば、フラン、チオフェン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン、アクリジン、フェナジン環などの酸素原子、窒素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を1または複数個含む単環または多環の芳香族複素環が挙げられる。
好ましい環Zは多環の非芳香族性環(炭化水素環又は複素環)であり、特に、アダマンタン環などの2〜4個の環を含む架橋環式環(架橋環式炭化水素環又は架橋環式複素環)が好ましい。
環Zは置換基を有していてもよい。該置換基としては、反応を損なわないものであれば特に限定されない。置換基の代表的な例として、例えば、ハロゲン原子(臭素、塩素、フッ素原子など)、アルキル基(メチル、エチル、ブチル、t−ブチル基などのC1-4アルキル基など)、保護基で保護されたヒドロキシル基、保護基で保護されたアミノ基などが挙げられる。
前記ヒドロキシル基の保護基としては、有機合成の分野で慣用の保護基、例えば、アルキル基(例えば、メチル、t−ブチル基などのC1-4アルキル基など)、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基など)、アラルキル基(例えば、ベンジル基など)、置換メチル基(例えば、メトキシメチル、メトキシチオメチル、ベンジルオキシメチル、t−ブトキシメチル、2−メトキシエトキシメチル基など)、置換エチル基(例えば、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチルなど)、アシル基(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル基などのC1-6脂肪族アシル基;アセトアセチル基;ベンゾイル、ナフトイル基などの芳香族アシル基など)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル基などのC1-4アルコキシカルボニル基など)、アラルキルオキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基など)が例示できる。好ましいヒドロキシル基の保護基には、C1-4アルキル基、置換メチル基、置換エチル基、アシル基、C1-4アルコキシカルボニル基などが含まれる。
前記アミノ基の保護基としては、前記ヒドロキシル基の保護基として例示した、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基などが挙げられる。好ましいアミノ基の保護基には、C1-4アルキル基、C1-6脂肪族アシル基、芳香族アシル基、C1-4アルコキシカルボニル基などが含まれる。
Xにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。これらの中でも、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
前記Ra、Rbにおける炭化水素基には、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基およびこれらの基を複数個連結した基が含まれる。
前記脂肪族炭化水素基として、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ビニル、アリル、2−プロピニル基などのC1-10脂肪族炭化水素基(直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基)などが挙げられる。好ましい脂肪族炭化水素基はC1-6(特にC1-4)脂肪族炭化水素基である。
脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル基などの3〜12員脂環式炭化水素基(シクロアルキル基、シクロアルケニル基など)などが例示できる。
芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル、ナフチル基などのC6-20芳香族炭化水素基(アリール基)などが挙げられる。また、異種の炭化水素基が複数個連結した基として、例えば、ベンジル、2−フェニルエチル基などのC7-16アラルキル基、シクロペンチルメチル、シクロへキシルメチル基などのC3-12シクロアルキル−C1-6アルキル基などが例示される。
前記炭化水素基は置換基を有していてもよい。置換基としては、反応を阻害しないものであれば特に限定されず、例えば、ハロゲン原子、置換オキシ(またはチオ)基(例えば、メトキシ、メチルチオ、メトキシエトキシ、2−(トリメチルシリル)エトキシ、ベンジルオキシ基など)、アシル基(例えば、ベンゾイル基など)などが挙げられる。
好ましいRa、Rbには、C1-6アルキル基、C3-12シクロアルキル基、C6-20アリール基など、特に、C1-4アルキル基、C5-6シクロアルキル基、フェニル基などが含まれる。
[式(2)で表される有機金属化合物]
前記式(2)中、R1は炭化水素基を示す。M1は配位子を有していてもよい金属原子、又は−MaY(式中、Maはマンガン以外の金属原子、Yはハロゲン原子を示す)を示す。
1における炭化水素基としては、前記Ra、Rbにおける炭化水素基と同様のものが挙げられる。好ましいR1には、C1-6アルキル基、C3-12シクロアルキル基、C3-12シクロアルキル−C1-6アルキル基、C6-20アリール基、C7-16アラルキル基などが含まれる。なかでも、R1として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のC1-4アルキル基が好ましい。
1における金属原子としては、例えば、リチウムなどのアルカリ金属、セリウム、チタン、銅などの還移金属原子などが挙げられる。前記金属原子は配位子を有していてもよい。前記配位子としては、塩素原子などのハロゲン原子、イソプロポキシ基などのアルコキシ基、ジエチルアミノ基などのジアルキルアミノ基、シアノ基、アルキル基、リチウム原子などのアルカリ金属原子などが挙げられる。
aとしては、例えば、マグネシウム、亜鉛などが挙げられる。Yで表されるハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素原子が挙げられる。
式(2)で表される有機金属化合物の代表的な例として、ジメチルジイソプロポキシチタンなどの有機チタン化合物(有機チタンのアート錯体など);メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムブロミドなどの有機マグネシウム化合物(Grignard試薬など);メチル亜鉛ブロミド、エチル亜鉛ブロミド、ブチル亜鉛ブロミドなどの有機亜鉛化合物(有機亜鉛ハライドなど);メチルリチウム、ブチルリチウムなどの有機リチウム化合物などが挙げられる。
[式(3)で表される有機金属化合物]
前記式(3)中、R2は炭化水素基を示す。但し、R1とR2とは異なる基である。M2は配位子を有していてもよい金属原子、又は−MbY(式中、Mbはマンガン以外の金属原子、Yはハロゲン原子を示す)を示す。
2における炭化水素基としては、前記Ra、Rbにおける炭化水素基と同様のものが挙げられる。好ましいR2には、C1-6アルキル基、C3-12シクロアルキル基、C3-12シクロアルキル−C1-6アルキル基、C6-20アリール基、C7-16アラルキル基などが含まれる。なかでも、R2として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のC1-4アルキル基が好ましい。
2における金属原子としては、例えば、リチウムなどのアルカリ金属、セリウム、チタン、銅などの還移金属原子などが挙げられる。前記金属原子は配位子を有していてもよい。前記配位子としては、塩素原子などのハロゲン原子、イソプロポキシ基などのアルコキシ基、ジエチルアミノ基などのジアルキルアミノ基、シアノ基、アルキル基、リチウム原子などのアルカリ金属原子などが挙げられる。
bとしては、例えば、マグネシウム、亜鉛などが挙げられる。Yは前記と同様である。
式(3)で表される有機金属化合物の代表的な例として、ジメチルジイソプロポキシチタンなどの有機チタン化合物(有機チタンのアート錯体など);メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムブロミドなどの有機マグネシウム化合物(Grignard試薬など);メチル亜鉛ブロミド、エチル亜鉛ブロミド、ブチル亜鉛ブロミドなどの有機亜鉛化合物(有機亜鉛ハライドなど);メチルリチウム、ブチルリチウムなどの有機リチウム化合物などが挙げられる。
[反応]
反応は2段階で行われる。すなわち、まず、式(1)で表される化合物と式(2)で表される有機金属化合物と反応させ(第1段の反応)、次いで、得られた反応生成物と式(3)で表される有機金属化合物とを反応させる(第2段の反応)。
式(1)で表される化合物と式(2)で表される有機金属化合物との反応は、通常、反応に不活性な溶媒中で行われる。前記溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどの鎖状又は環状エーテル;ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;これらの混合溶媒などが例示できる。好ましい溶媒には、前記エーテル、又は前記エーテルと他の溶媒との混合溶媒が含まれる。溶媒中のエーテルの濃度は、好ましくは10重量%以上である。
式(2)で表される有機金属化合物の使用量は、式(1)で表される化合物に対して、例えば0.1当量以上5当量未満、好ましくは0.5〜2当量である。式(2)で表される有機金属化合物の使用量が少なすぎると、収率が低下しやすく、逆に多すぎると、副反応が生じたり、選択率が低下しやすい。反応温度は、例えば−40℃〜60℃、好ましくは−10℃〜40℃、さらに好ましくは0℃〜20℃である。反応温度が低すぎると、収率が低下しやすく、逆に高すぎると、副反応が生じたり、選択率が低下しやすい。
反応は、回分式、半回分式、連続式などの慣用の方法により行うことができる。半回分式で反応を行う場合、式(2)で表される有機金属化合物を含む液中に式(1)で表される化合物を添加(滴下)してもよく、逆に、式(1)で表される化合物を含む液中に式(2)で表される有機マグネシウム化合物を添加(滴下)してもよい。これらの方法のうち、操作性や収率等の点から、式(1)で表される化合物を含む液中に式(2)で表される有機マグネシウム化合物を添加(滴下)するのがより好ましい。
第2段の反応は、第1段の反応終了後、反応混合液に式(3)で表される有機金属化合物を添加(滴下)することにより行うことができる。この場合、式(3)で表される有機金属化合物を含む液中に第1段の反応混合物を添加(滴下)してもよいが、操作性や収率等の点から、第1段の反応混合液に式(3)で表される有機金属化合物を添加(滴下)する方法がより好ましい。第1段の反応終了後、反応混合液に、希釈、濃縮、溶媒交換等の物理的処理を施した後、第2段の反応を行ってもよい。
第2段の反応において、式(3)で表される有機金属化合物の使用量は、式(1)で表される化合物に対して、0.1当量以上(例えば、0.1〜10当量)、好ましくは0.5当量以上(例えば、0.5〜10当量)である。式(3)で表される有機金属化合物の使用量が少なすぎると、収率が低下しやすく、逆に多すぎると、副反応が生じたり、選択率が低下したり、後処理が煩雑になりやすい。反応温度は、例えば−50℃〜50℃、好ましくは−20℃〜30℃、さらに好ましくは−10℃〜10℃である。反応温度が低すぎると、収率が低下しやすく、逆に高すぎると、副反応が生じたり、選択率が低下しやすい。
第2段の反応終了後、通常、酸(例えば、塩酸、硫酸などの無機酸;酢酸などの有機酸)又は塩(例えば、塩化アンモニウムなど)を含む水溶液を添加して有機金属化合物の付加物を分解し(クエンチし)、必要に応じて液性を調節し、濾過、濃縮、抽出、蒸留、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの慣用の分離精製手段に付すことにより、目的化合物である式(4)で表される非対称第3級アルコールを得ることができる。
[金属触媒]
前記第1段の反応、第2段の反応は、必要に応じて、金属触媒の存在下で行うことができる。金属触媒を反応系内に存在させることにより、収率や選択率を向上させることができる。
金属触媒としては、(i)周期表第8族〜第11族元素を含むイオン化合物、(ii)ルイス酸が挙げられる。周期表第8族〜第11族元素を含むイオン化合物(i)、ルイス酸(ii)は、それぞれ、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。金属触媒として、周期表第8族〜第11族元素を含むイオン化合物(i)のみを使用したり、ルイス酸(ii)のみを使用しても効果は得られるが、周期表第8族〜第11族元素を含むイオン化合物(i)とルイス酸(ii)とを併用することにより、目的化合物の収率を大きく向上できる。なお、本明細書では、ホウ素化合物も金属触媒に含まれるものとする。
周期表第8族〜第11族元素を含むイオン化合物(i)において、第8族元素には、鉄、ルテニウム、オスミウムが含まれ、第9族元素には、コバルト、ロジウム、イリジウムが含まれ、第10族元素には、ニッケル、パラジウム、白金が含まれ、第11族元素には、銅、銀、金が含まれる。これらの中でも、第4周期の元素(鉄、コバルト、ニッケル、銅)が好ましく、銅が特に好ましい。
これらの元素を含むイオン化合物としては、例えば、周期表第8族〜第11族元素(金属元素)の塩化物、臭化物、ヨウ化物等のハロゲン化物;硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、過塩素酸塩等の無機酸塩;酢酸塩などのカルボン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などのスルホン酸塩等の有機酸塩などが挙げられる。これらの中でも、塩化物などのハロゲン化物が好ましい。
周期表第8族〜第11族元素を含むイオン化合物(i)として、特に好ましい化合物は塩化銅である。
ルイス酸(ii)としては、周知のルイス酸を使用でき、例えば、セリウムトリフラート等の周期表第3族元素化合物(希土類金属化合物など);TiCl4等のチタン化合物、ZrCl4等のジルコニウム化合物等の周期表4族元素化合物;ZnCl2、ZnBr2、ZnI2等の亜鉛化合物などの周期表第12族元素化合物;三フッ化ホウ素エーテラート等のホウ素化合物、AlCl3、AlBr3等のアルミニウム化合物等の周期表第13族元素化合物;SnCl2、SnCl4等のスズ化合物等の周期表第14族元素化合物;アンチモン化合物、ビスマス化合物等の周期表第15族元素化合物などが挙げられる。ルイス酸としては、周期表第3族元素、第4族元素、第12族元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素のハロゲン化物やトリフルオロメタンスルホン酸塩が好ましい。これらの中でも、TiCl4等のチタン化合物、ZrCl4等のジルコニウム化合物、ZnCl2等の亜鉛化合物、AlCl3、AlBr3等のアルミニウム化合物が特に好ましい。
周期表第8族〜第11族元素を含むイオン化合物(i)の使用量は、式(1)で表される化合物1モルに対して、通常、0.0001〜0.2モル、好ましくは0.0005〜0.1モル、さらに好ましくは、0.005〜0.07モルである。また、ルイス酸(ii)の使用量は、式(1)で表される化合物1モルに対して、通常、0.0001〜0.2モル、好ましくは0.0005〜0.1モル、さらに好ましくは、0.005〜0.07モルである。
本発明の方法によれば、グリニヤール試薬などの有毒性の低い一般的な有機金属試薬をそのまま用い、途中で単離操作をすることなく、2種類の有機金属試薬を続けて反応させるだけで環状骨格を有する非対称第3級アルコールを高い収率で簡易に製造することができる。また、塩化銅や塩化亜鉛などの入手しやすい金属触媒を少量添加するだけで反応の収率及び選択性を大きく向上させることができる。
上記方法で得られた環状骨格を有する非対称第3級アルコールは感光性樹脂等の機能性高分子や医薬品等の精密化学品などの原料として有用である。
[カルボン酸非対称第3級アルコールエステルの製造]
本発明のカルボン酸非対称第3級アルコールエステルの製造方法では、前記方法により得られた式(4)で表される非対称第3級アルコールを、前記式(5)で表されるカルボン酸又はその反応性誘導体と反応させて、前記式(6)で表される環状骨格を有するカルボン酸非対称第3級アルコールエステルを得る。反応には、反応速度を向上させるため、必要に応じて、塩基、酸、脱水縮合剤などを使用できる。なお、原料として用いる式(4)で表される非対称第3級アルコールとしては、前記の製造方法以外の方法により得られたものであってもよい。
式(5)中のR3における炭化水素基としては、前記Ra、Rbにおける炭化水素基として例示したものが挙げられる。R3における複素環式基としては、ピリジル基、フリル基、チエニル基等の窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択された少なくとも1種のヘテロ原子を有する複素環式基が挙げられる。R3としては、炭素数1〜20の炭化水素基、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択された少なくとも1種のヘテロ原子を有する複素環式基が好ましい。なかでも、R3として、重合性不飽和結合を有する炭化水素基、例えば、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基などの炭素数2〜10のアルケニル基が好ましい。
式(5)で表されるカルボン酸の代表的な例として、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸などの飽和脂肪族カルボン酸(飽和脂肪族モノカルボン酸、飽和脂肪族ジカルボン酸等);アクリル酸、メタクリル酸、プロピオル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、オレイン酸、マレイン酸、フマル酸などの不飽和脂肪族カルボン酸(不飽和脂肪族モノカルボン酸、不飽和脂肪族ジカルボン酸等);安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフトエ酸、トルイル酸、桂皮酸などの炭素環カルボン酸;ニコチン酸、イソニコチン酸、フランカルボン酸、チオフェンカルボン酸などの複素環カルボン酸などが挙げられる。なお、ジカルボン酸を反応に用いた場合には、対応するジエステルが生成しうる。これらのなかでも、不飽和脂肪族カルボン酸、特に、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
式(5)で表されるカルボン酸の反応性誘導体としては、例えば、カルボン酸無水物;カルボン酸クロリド、カルボン酸ブロミド等のカルボン酸ハライドなどが挙げられる。
カルボン酸第3級アルコールエステルの製造方法の好ましい態様では、式(4)で表される非対称第3級アルコールを、塩基の存在下、式(5)で表されるカルボン酸のハライド(カルボン酸クロリド、カルボン酸ブロミド等のカルボン酸ハライド)と反応させて、式(6)で表される環状骨格を有するカルボン酸第3級アルコールエステルを得る。
塩基としては、例えば、下記式(7)又は(8)
cMgX1 (7)
cLi (8)
(式中、Rcはアルキル基又はハロアルキル基を示し、X1はハロゲン原子を示す)
で表される有機金属化合物、第3級アミンが挙げられる。これらの塩基は単独で又は2以上を組み合わせて使用できる。特に、前記式(7)又は(8)で表される有機金属化合物と第3級アミンとを組み合わせて用いると、高い収率で目的のカルボン酸非対称第3級アルコールエステルを得ることができる。
cにおけるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル基などのC1-6アルキル基等を挙げることができる。これらの中でも、特にC1-4アルキル基が好ましい。Rcにおけるハロアルキル基としては、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル基等の前記アルキル基を構成する水素原子の1又は2以上がハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)で置き換えられた基等を挙げることができる。
1におけるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を挙げることができる。
式(7)で表される有機金属化合物の代表的な例として、メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムクロリドなどの有機マグネシウム化合物(グリニア試薬など)が挙げられる。また、式(8)で表される有機金属化合物の代表的な例として、メチルリチウム、エチルリチウム、ブチルリチウムなどの有機リチウム化合物が挙げられる。有機マグネシウム化合物はハロゲン化銅と組み合わせて用いることもできる。
有機金属化合物としては、取り扱いが容易であり、安全にスケールアップすることができ工業化に適している点で、上記式(7)で表される化合物を使用することが特に好ましい。
前記第3級アミンとしては、脂肪族アミン、芳香族アミン、脂環式アミン、複素環アミン等を挙げることができる。第3級アミンは、分子中にヒドロキシル基やニトロ基等が含まれていてもよい。さらに、モノアミンのほか、ジアミン等のポリアミンであってもよい。
第3級アミンの具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、N−メチル−ジエチルアミン、N−エチル−ジメチルアミン、N−エチル−ジアミルアミン等の脂肪族アミン;N,N−ジメチルアニリン、ジエチルアニリン等の芳香族アミン;N,N−ジメチル−シクロヘキシルアミン、N,N−ジエチル−シクロヘキシルアミン等の脂環式アミン;N,N−ジメチルアミノピリジン、N−メチルモルホリン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジアザビシクロノネン(DBN)、N−メチルピリジン、N−メチルピロリジン等の複素環アミン;テトラメチルエチレンジアミン、トリエチレンジアミン等のジアミン等を挙げることができる。
第3級アミンとしては、特に、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の脂肪族アミン、N−メチルモルホリン等の複素環アミンが好ましく、特にトリメチルアミン、トリエチルアミン等の脂肪族アミンが、目的化合物の収率をより向上させることができる点で好ましい。
塩基の使用量(総量)は、原料として用いる式(4)で表される非対称第3級アルコール1モルに対して、例えば0.1〜20モル、好ましくは0.3〜12モル、さらに好ましくは1〜8モルである。塩基として、前記式(7)又は(8)で表される有機金属化合物と第3級アミンとを組み合わせて使用する場合、式(7)又は(8)で表される有機金属化合物の使用量は、原料として用いる式(4)で表される非対称第3級アルコール1モルに対して、例えば0.1〜5モル、好ましくは0.8〜3モルであり、第3級アミンの使用量は、原料として用いる式(4)で表される非対称第3級アルコール1モルに対して、例えば0.5〜20モル、好ましくは1〜8モルである。
式(5)で表されるカルボン酸のハライド(カルボン酸ハライド)の使用量としては、原料として用いる式(4)で表される非対称第3級アルコール1モルに対して、例えば1〜10モル、好ましくは1.5〜5モル、好ましくは2〜4モル程度である。カルボン酸ハライドの使用量が上記範囲を下回ると、目的とするエステルの収率が低下する傾向がある。一方、カルボン酸ハライドの使用量が上記範囲を上回ると、カルボン酸ハライド由来の副生成物[例えば、カルボン酸ハライドとして(メタ)アクリル酸ハライド等の重合性不飽和基を有するカルボン酸ハライドを用いた場合には、カルボン酸ハライドの重合物等]が増加する傾向がある。
また、カルボン酸ハライドとして(メタ)アクリル酸ハライド等の重合性不飽和基を有するカルボン酸ハライドを用いる場合には、重合禁止剤の存在下で反応を行うことが好ましい。重合禁止剤を添加することにより、反応に供するカルボン酸ハライドや、目的生成物である重合性不飽和基を有するエステル[(メタ)アクリル酸エステル等]が重合してオリゴマーを副生することを防止することができる。不純物としてのオリゴマー含有量が極めて低い、重合性不飽和基を有するエステル[(メタ)アクリル酸エステル等]をレジスト用ポリマーの原料として用いると、得られたポリマーを用いてレジスト膜を形成する際、均一且つ均質なレジスト膜を形成することができ、優れた感度及び解像度で微細パターンを形成することができるため、近年の基板回路の微細化に対応することができる。
前記重合禁止剤としては、特に限定されず、一般に用いられるものを使用できるが、ベンゼン環上におけるフェノール性水酸基の2つのオルト位のうち一方は無置換であり他方は炭化水素基で置換されているフェノール類を使用することが好ましい。このような特定の構造を有するフェノール類を用いることにより、(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和基を有する原料や生成物の重合が抑制され、オリゴマーの副生を防止できる。
ベンゼン環上におけるフェノール性水酸基のオルト位に有する炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等のアルキル基;シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基等を挙げることができる。前記炭化水素基としては、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、特に、t−ブチル基が好ましい。
前記フェノール類において、フェノール性水酸基のメタ位、パラ位には置換基を有していても有していなくてもよいが、フェノール性水酸基の2つのメタ位のうち、前記置換基を有しないオルト位に隣接する位置には、置換基として炭化水素基を有しているのが好ましい。該炭化水素基としては、前記と同様の例を挙げることができるが、特にメチル基等の炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。
前記フェノール類の好ましい例として、例えば、4−ヒドロキシ−2,5−ジアルキルフェニル基を有する化合物を挙げることができる。該アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。5位のアルキル基としては、特に、t−ブチル基が好ましく、2位のアルキル基としては、炭素数1〜3のアルキル基、特にメチル基が好ましい。
前記4−ヒドロキシ−2,5−ジアルキルフェニル基を有する化合物の代表的な例として、例えば、4,4′−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4′−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、1,1,3−トリス(5−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン等を挙げることができる。これらの重合禁止剤は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
重合禁止剤の使用量は、原料として用いる式(4)で表される非対称第3級アルコール1モルに対して、例えば0.001〜0.1モル、好ましくは0.005〜0.05モル程度である。
式(4)で表される非対称第3級アルコールと式(5)で表されるカルボン酸のハライド(カルボン酸ハライド)との反応は、有機溶媒中で行うことが好ましい。有機溶媒としては、反応に不活性な溶媒であればよく、例えば、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル(MTBE)、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン(THF)などのエーテル類;ヘプタン、ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素などを挙げることができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。これらのなかでも、有機金属化合物の溶解性等に優れる点で、テトラヒドロフランとトルエン又はテトラヒドロフランとtert−ブチルメチルエーテルを組み合わせて使用することが好ましく、特に、テトラヒドロフランとトルエンを組み合わせて使用することが好ましい。
反応温度は、有機金属化合物や反応成分の種類などにより、例えば−100℃〜150℃程度の範囲内で適宜選択できる。例えば、有機金属化合物として式(7)で表される化合物を用いる場合には、反応温度は、例えば0℃〜50℃、好ましくは0℃〜25℃、特に好ましくは0℃〜15℃である。有機金属化合物として式(8)で表される化合物を用いる場合には、反応温度は、例えば−20℃〜10℃、好ましくは−10℃〜5℃程度である。反応温度が上記範囲を外れると、収率が低下する傾向がある。
反応は、回分式、半回分式、連続式などの慣用の方法により行うことができる。一般には、原料となる式(4)で表される非対称第3級アルコールを含む溶液中に、式(7)又は(8)で表される有機金属化合物(又はこれを含む溶液)を逐次添加し、次いで、式(5)で表されるカルボン酸のハライド(カルボン酸ハライド)(又はこれを含む溶液)を系内に逐次添加し、次いで第3級アミンを逐次添加する方法等により行われる。前記重合禁止剤を添加する場合は、式(5)で表されるカルボン酸のハライド(カルボン酸ハライド)を添加する前の適宜な時期に系内に添加することが好ましい。
反応終了後、必要ならば水、メタノール等でクエンチした後、例えば、濾過、濃縮、抽出、洗浄、蒸留、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離精製手段を用いることで、目的のカルボン酸非対称第3級アルコールエステルを得ることができる。また、重合禁止剤を添加する場合は、オリゴマーの副生を顕著に抑制できるため、例えば、反応終了後、反応生成物を水と有機溶媒を用いた抽出に付し、得られた有機層を、例えば濃縮、蒸留するだけで、目的反応生成物を得ることができる。この製造方法によれば、優れた収率(例えば80%以上、好ましくは85%以上)で、高純度の環状骨格を有するカルボン酸非対称第3級アルコールエステル[例えば、環状骨格を有する(メタ)アクリル酸非対称第3級アルコールエステル]を得ることができる。
こうして得られる環状骨格を有するカルボン酸非対称第3級アルコールエステル[例えば、環状骨格を有する(メタ)アクリル酸非対称第3級アルコールエステル]は、機能性高分子のモノマーや精密化学品の中間原料などとして用いることができる。特に、重合性不飽和結合を有するとともに、酸によってアルコール部位が脱離し、遊離のカルボン酸を生成させる化合物は、酸感応性化合物として感光性樹脂のモノマー原料に使用できる。このようなモノマーを重合して得られるポリマーを用いてレジスト膜を形成すると、均一且つ均質なレジスト膜が得られ、所望の微細パターンを精度よく得ることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
製造例1
1−アダマンタンカルボン酸25g(0.139mol)、N,N−ジメチルホルムアミド0.052g(0.005eq)をトルエン83gに溶解させ、N2雰囲気下で70℃に昇温した。そこへ、塩化チオニル17.1g(0.142mol)を20分かけて滴下し、滴下終了後、トルエン5.1gで滴下ロートを洗い流した。その後、70℃で1時間熟成し、100℃まで昇温後、さらに1時間熟成した。室温まで冷却後、溶媒留去することによって目的とする1−アダマンタンカルボニルクロリドを収率98.8%で得た。
実施例1
CuCl 32mg(0.03eq)とZnCl2 42mg(0.03eq)をTHF 4g中、N2雰囲気下、室温で30分撹拌した。そこに、1−アダマンタンカルボニルクロリド2.0g(10.1mmol)/THF 4g溶液を添加し、さらに室温で30分撹拌した。10℃まで冷却後、30分かけて1Mエチルマグネシウムブロマイド/THF溶液13.1mL(1.29eq)を滴下し、10℃のまま2時間熟成した。その後、0℃まで冷却し、1.75Mメチルマグネシウムクロライド/THF溶液20.2mL(3.5eq)を30分かけて滴下し、0℃のまま3時間熟成した。0℃〜10℃の範囲内で0.88M硫酸水溶液34gを添加し、反応を停止した。有機層と水層に分液した後、有機層に5重量%水酸化ナトリウム水溶液10gを添加し、撹拌後、分液させた。さらに分液した有機層に5重量%水酸化ナトリウム水溶液12gを添加し、撹拌後、分液させ、2−アダマンチル−2−ブタノールのTHF溶液を得た。ガスクロマトグラフィーによる分析の結果、2−アダマンチル−2−ブタノールの収率は86.5%であった。
実施例2
1Mエチルマグネシウムブロマイド/THF溶液の使用量を1.42eq、1.75Mメチルマグネシウムクロライド/THF溶液の使用量を2.5eqに変更したこと以外は実施例1と同様のスケール、操作で実施した。その結果、収率82.7%で2−アダマンチル−2−ブタノールを得た。
実施例3
1Mエチルマグネシウムブロマイド/THF溶液の使用量を1.30eq、1.75Mメチルマグネシウムクロライド/THF溶液の使用量を2.5eq、第2段の反応温度を10℃、第2段の熟成時間を1時間に変更したこと以外は実施例1と同様のスケール、操作で実施した。その結果、収率71.1%で2−アダマンチル−2−ブタノールを得た。
実施例4
1Mエチルマグネシウムブロマイド/THF溶液の使用量を1.07eq、1.75Mメチルマグネシウムクロライド/THF溶液の使用量を2.5eq、第1段の反応温度を20℃に変更した以外は実施例1と同様のスケール、操作で実施した。その結果、収率69.3%で2−アダマンチル−2−ブタノールを得た。
実施例5
ZnCl2を使用していないこと、1Mエチルマグネシウムブロマイド/THF溶液の使用量を1.43eq、1.75Mメチルマグネシウムクロライド/THF溶液の使用量を2.5eqに変更したこと以外は実施例1と同様のスケール、操作で実施した。その結果、収率80.2%で2−アダマンチル−2−ブタノールを得た。
実施例6
CuClを使用していないこと、1Mエチルマグネシウムブロマイド/THF溶液使用量を1.42eq、1.75Mメチルマグネシウムクロライド/THF溶液の使用量を2.5eqに変更したこと以外は実施例1と同様のスケール、操作で実施した。その結果、収率60.8%で2−アダマンチル−2−ブタノールを得た。
実施例7
実施例1で得た2−アダマンチル−2−ブタノール粗液1.76gをトルエン13.5gに溶解し、重合禁止剤として4,4−ブチリデンビス−(6−tert−ブチル−m−クレゾール)(以下、BBM−S)を0.021g(0.01eq)添加し、N2置換後、0℃に冷却した。そこへ1Mエチルマグネシウムブロマイド/THF溶液を13.5mL(2eq)滴下し、滴下終了後、トルエン2gで滴下ロート内を洗い流した。温度を50℃まで上げて1時間保持した。その後、0℃まで冷却し、メタクリル酸クロライド2.8g(3eq)をトルエン3.6gに希釈した溶液を0℃付近の温度を保持しながらフラスコ内にゆっくり滴下した。その後、トリエチルアミンを3.58g(4eq)滴下し、10℃まで昇温し、20時間反応させた。温度を10℃以下まで冷却し、トルエンを18g添加後、0℃〜10℃の範囲内で水19gを添加した。さらに1M硫酸を用いて水層をpH8付近にした。有機層と水層に分液した後、有機層に1N水酸化ナトリウム水溶液を16g添加し、有機層と撹拌した。その後、分液して、2−アダマンチル−2−メタクリロイルオキシブタンのトルエン−THF溶液を得た。高速液体クロマトグラフィーによる分析の結果、2−アダマンチル−2−メタクリロイルオキシブタンの収率は87.4%であった。
以上の結果を表1にまとめて示す。
Figure 2011246390

Claims (4)

  1. 下記式(1)
    Figure 2011246390
    [式中、環Zは単環又は多環の非芳香族性又は芳香族性環を示す。Xは、ハロゲン原子、−OCORa(式中、Raは炭化水素基を示す)、又は−ORb(式中、Rbは炭化水素基を示す)を示す]
    で表される化合物を、下記式(2)
    1−M1 (2)
    [式中、R1は炭化水素基を示す。M1は配位子を有していてもよい金属原子、又は−MaY(式中、Maはマンガン以外の金属原子、Yはハロゲン原子を示す)を示す]
    で表される有機金属化合物と反応させた後、さらに、下記式(3)
    2−M2 (3)
    [式中、R2は炭化水素基を示す。但し、R1とR2は異なる基である。M2は配位子を有していてもよい金属原子、又は−MbY(式中、Mbはマンガン以外の金属原子、Yはハロゲン原子を示す)を示す]
    で表される有機金属化合物と反応させて、下記式(4)
    Figure 2011246390
    (式中、環Z、R1、R2は前記に同じ)
    で表される非対称第3級アルコールを得ることを特徴とする非対称第3級アルコールの製造方法。
  2. 第1段の反応及び/又は第2段の反応を、周期表第8族〜第11族元素を含むイオン化合物の存在下で行う請求項1記載の非対称第3級アルコールの製造方法。
  3. 第1段の反応及び/又は第2段の反応を、ルイス酸の存在下で行う請求項1又は2記載の非対称第3級アルコールの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかの項に記載の方法により下記式(4)
    Figure 2011246390
    (式中、環Zは単環又は多環の非芳香族性又は芳香族性環を示す。R1、R2は、それぞれ、炭化水素基を示す。但し、R1とR2は異なる基である)
    で表される非対称第3級アルコールを製造し、得られた非対称第3級アルコールを、下記式(5)
    3COOH (5)
    (式中、R3は炭化水素基、複素環式基又はこれらが結合した基を示す)
    で表されるカルボン酸又はその反応性誘導体と反応させて、下記式(6)
    Figure 2011246390
    (式中、環Z、R1、R2、R3は前記に同じ)
    で表される環状骨格を有するカルボン酸非対称第3級アルコールエステルを得ることを特徴とするカルボン酸非対称第3級アルコールエステルの製造方法。
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CN105111043A (zh) * 2011-09-03 2015-12-02 株式会社大赛璐 不对称叔醇及(甲基)丙烯酸酯的制造方法

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