以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明が適用された駐車支援システム100の概略的な構成を示すブロック図である。図1に示す駐車支援システム100は、車両に搭載されて自車両の通過した経路の側方に存在する駐車車両に隣接する駐車空間を検出するものであり、駐車支援ECU1、測距センサ2、舵角センサ3、車輪速センサ4、表示器5、および音声出力装置6を含んでいる。また、駐車支援ECU1と測距センサ2、舵角センサ3、車輪速センサ4とは、例えばCAN(controller area network)などの通信プロトコルに準拠した車内LANで各々接続されている。なお、駐車支援システム100を搭載している車両を以降では自車両と呼ぶ。
測距センサ2は、探査波を送信し、障害物で反射されるその探査波の反射波を受信することで障害物までの距離を検知するために用いられるセンサである。よって、測距センサ1が請求項の探査波送受信部に相当する。測距センサ2は、探査波を送信し、その探査波の反射波を受信するセンサであればよく、音波を用いるものであっても、光波を用いるものであっても、電波を用いるものであってもよい。例えば測距センサ2としては、超音波センサ、レーザレーダ、ミリ波レーダ等のセンサを用いることができる。
また、測距センサ2は、側方に向けて探査波が送信されるように、例えば指向性の中心線が自車両の車軸方向と平行になるように、例えば自車両のバンパの左右側面に1つずつ配置される。なお、測距センサ2の指向性の中心線は、自車両の車軸方向から例えば20°程度まで傾いて配置されていてもよい。また、測距センサ2の指向性は、想定されている車速範囲での使用において送受波を良好に行うことができる程度の広さがありさえすれば、より狭い方が好ましい。
ここで、図2を用いて、測距センサ2による駐車車両および駐車空間の検出態様の一例についての説明を行う。図2は、測距センサ2による駐車車両および駐車空間の検出態様を説明するための模式図である。なお、図2中のA、Bが縦列駐車をしている駐車車両を示しており、Cの破線で表す領域が駐車車両A、Bに挟まれた駐車空間を示している。また、図2中のDが自車両を示しており、黒塗りの矢印が自車両Dの進行方向を示している。さらに、自車両の進行方向において後側が駐車車両Aであって、前側が駐車車両Bであるものとする。また、点線で表す領域が測距センサ2の指向性を示している。なお、ここでは、便宜上、自車両Dの左側面に配置された測距センサ2のみを示し、説明を行う。
自車両Dは、自車両Dの左側面に配置された測距センサ2から自車両Dの左側方に向けて探査波を逐次送信しながら駐車車両A、駐車空間C、駐車車両Bの側方を通過しつつ、駐車車両A、駐車車両Bからの反射波を逐次受信することになる。そして、自車両Dが走行しながら測距センサ2で逐次受信した反射波をもとにして、自車両Dの通過した経路の左側方に存在する駐車車両A、Bに隣接する駐車空間Cを駐車支援ECU1が検出することになる。なお、以降では、図2の例をもとに説明を続けるものとする。
舵角センサ3は、車両のステアリングの操舵角を検出するセンサであり、車両が直進状態で走行するときの操舵角を中立位置(0度)とし、その中立位置からの回転角度を操舵角として出力する。なお、この操舵角は、中立位置から右回転する場合には正(+)の符号を付して出力され、中立位置から左回転する場合には負(−)の符号を付して出力される。また、車輪速センサ4は、各転動輪の回転速度から車両の速度を検出するセンサである。
表示器5は、駐車支援ECU1の指示に従ってテキストや画像を表示する。例えば表示器5は、フルカラー表示が可能なものであり、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等を用いて構成することができる。また、表示器5としては、例えば、車載ナビゲーション装置に設けられたディスプレイを利用する構成としてもよいし、車載ナビゲーション装置のディスプレイとは別に、インストゥルメントパネル等に設けたディスプレイを用いる構成としてもよい。
音声出力装置6は、スピーカ等から構成され、駐車支援ECU1の指示に従って音声を出力する。なお、音声出力装置6としては、例えば、車載ナビゲーション装置に設けられた音声出力装置を利用する構成としてもよい。
駐車支援ECU1は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等よりなるマイクロコンピュータ(以下、マイコン)を主体として構成され、測距センサ2、舵角センサ3、車輪速センサ4から入力された各種情報に基づき、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで各種の処理を実行する。なお、駐車支援ECU1および測距センサ2が請求項の駐車空間検出装置に相当する。
ここで、図3を用いて、駐車支援ECU1の概略的な構成について説明を行う。図3は、駐車支援ECU1の概略的な構成を示すブロック図である。図3に示すように駐車支援ECU1は、車両情報取得部11、送信制御部12、振幅強度取得部13、距離算出部14、格納処理部15、一時格納部16、測定位置算出部17、前処理部19、車両端推定部20、駐車空間算出部21、駐車可否判定部22、および提示制御部23を備えている。
車両情報取得部11は、自車両Dに設けられている各種センサで検出された車両情報を取得する。例えば車両情報取得部11は、舵角センサ3で検出された自車両Dのステアリングの操舵角の情報を車両情報として取得する。また、車両情報取得部11は、車輪速センサ4で検出された自車両Dの車速の情報を車両情報として取得する。
送信制御部12は、測距センサ2からの探査波の送信を制御する。例えば送信制御部12は、所定の間隔で測距センサ2から探査波を送信させるよう制御する。ここで言うところの所定の間隔とは任意に設定可能なものであって、例えば100msごととする構成としてもよい。さらに、送信制御部12は、車両情報取得部11で取得した自車両Dの車速が大きくなるのに応じて上記間隔を短く設定して、自車両Dが所定距離進むごとに探査波を送信させる構成としてもよい。
また、例えば送信制御部12は、走行中にのみ測距センサ2から探査波を送信させるよう制御する構成としてもよい。なお、走行中であることは、車両情報取得部11で取得した自車両Dの車速が車輪速センサ4での車速の検出限界の値(つまり、実質的な0km/h)よりも大きいことをもとに判定する構成とすればよい。
振幅強度取得部13は、測距センサ2で逐次受信される反射波の振幅強度の情報を逐次取得する。以下では、振幅強度取得部13で逐次取得された振幅強度のデータを振幅強度の時系列データと呼ぶ。距離算出部14は、測距センサ2が探査波を送信した時間(以下、送信タイミング)と、その反射波を受信した時間の時間差から、測距センサ2の配置位置から障害物(詳しくは障害物の反射点)までの距離を算出する。
格納処理部15は、振幅強度取得部13で逐次取得した反射波の振幅強度の情報と、その反射波が得られた探査波の送信タイミングの情報と、その反射波が得られたときに車両情報取得部11で取得した車両情報と、その反射波が得られたときに距離算出部14で算出された反射点までの距離の情報(以下、距離情報)とを関連付けて一時格納部16に格納する。上記送信タイミングは、送信制御部12から得る構成としてもよいし、距離算出部14から得る構成としてもよい。なお、格納処理部15は、前述したような反射波の振幅強度の情報、送信タイミング、車両情報、および距離情報を、反射波が得られた順、つまり、時系列に沿って一時格納部16に格納していく。
一時格納部16は、前述したような反射波の振幅強度の情報、送信タイミング、車両情報、および距離情報が関連付けて格納されるメモリである。また、一時格納部16は、一定量の情報を格納した後は、新しい情報を格納するごとに最も古い情報を消去することによって、新しい情報を格納するメモリ容量を確保するものとする。
測定位置算出部17は、一時格納部16に格納されている自車両Dの車速や操舵角といった車両情報と送信タイミングの情報とをもとに、測距センサ2の各送信タイミングでのセンサ位置(以下、測定位置)を算出する。
前処理部19は、振幅強度取得部13で取得した振幅強度の時系列データに移動平均処理を施してデータの平滑化を行う。よって、前処理部19が請求項の移動平均処理部に相当する。例えば、移動平均処理は、時系列に沿った前後のデータ(振幅強度)を含む3点の単純移動平均を順次求めることによって行う構成とすればよい。このように振幅強度の時系列データに移動平均処理を施してデータの平滑化を行うことにより、後の処理が安定してできることから、前処理部19で移動平均処理を行う構成とすることが好ましい。
なお、前処理部19において、明らかなノイズの除去を行う構成とすることが好ましい。例えば、ノイズの除去の方法としては、時系列に沿った前後のデータに比べて明らかに振幅強度が異なるデータを所定の閾値を用いることによってノイズと判別し、除去する構成とすればよい。また、データの除去を行った場合には、例えば前後のデータをもとに除去したデータの線形補完を行う構成としてもよい。
また、前処理部19は、移動平均処理を施した振幅強度の時系列データを、駐車車両ごとに振り分けるデータ振り分け処理を行う。よって、前処理部19が請求項のデータ振り分け部に相当する。データ振り分け処理では、例えば振幅強度が実質的に0よりも大きい(詳しくは、測定誤差やノイズよりも大きい)データが所定数以上並んだデータのまとまりを駐車車両に対応する振幅強度の時系列データのまとまりとして、駐車車両ごとに振り分ける。
さらに、前処理部19は、データ振り分け処理によって駐車車両ごとに振り分けられた振幅強度の時系列データの各微分値を算出する微分値算出処理を行う。微分値算出処理では、振り分けられた振幅強度の時系列データのまとまりごとに、振幅強度の時系列データの各微分値を算出する。つまり、微分値算出処理では、駐車車両ごとに振幅強度の時系列データの各微分値が算出される。よって、前処理部19が請求項の微分値算出部に相当する。
車両端推定部20は、前処理部19の微分値算出処理で算出された駐車車両ごとの各微分値と測定位置算出部17で算出された各測定位置とをもとに、駐車車両の車両端を推定する第1車両端推定処理を行う。ここで言うところの車両端とは、自車両の通過した経路方向(自車両の通過した経路と並行する方向、自車両の進行方向)における駐車車両の端部を示している。図2の例をもとに説明すると、駐車車両A、Bの縦列方向における駐車車両A、Bの端部を示している。なお、第1車両端推定処理については後に詳述する。
駐車空間算出部21は、車両端推定部20で推定した駐車車両の車両端の位置をもとに、駐車空間の大きさを算出する。ここで言うところの駐車空間の大きさとは、自車両の通過する経路方向における駐車空間の長さを示している。また、駐車空間の大きさとして、自車両の通過する経路方向における駐車空間の長さだけでなく、奥行きも算出する構成としてもよい。なお、この場合には、一時格納部16に格納されている距離情報をもとに、上記奥行きを算出する構成とすればよい。
駐車可否判定部22は、駐車空間算出部21で算出した駐車空間の大きさと自車両の大きさとを比較し、自車両が駐車空間に駐車可能か否かを判定する。具体的には、駐車空間の大きさよりも自車両の大きさが小さかった場合に自車両が駐車空間に駐車可能と判定し、自車両の大きさが駐車空間の大きさ以上であった場合に自車両が駐車空間に駐車不可能と判定する。ここで言うところの、自車両の大きさとは、駐車空間の大きさが前述の長さである場合には車長とすればよく、駐車空間の大きさが前述の長さと奥行きとである場合には、車長と車幅とすればよい。また、自車両の大きさの情報は、予め駐車支援ECU1のROM等の不揮発性のメモリに格納されている構成とすればよい。この場合、駐車支援ECU1のROM等の不揮発性のメモリが請求項のデータ格納部に相当する。
また、駐車可否判定部22は、車両情報取得部11から車速や操舵角といった車両情報を取得したり、距離算出部14で算出した距離情報を取得したりして、この車両情報や距離情報をもとに駐車空間に対する自車両の位置や自車両の最小回転半径を求める構成としてもよい。そして、駐車空間の大きさと自車両の大きさとに加え、この自車両の位置や最小回転半径を考慮することによって、自車両が駐車空間に駐車可能か否かをさらに精度良く判定する構成としてもよい。
提示制御部23は、図4に示すように、枠で囲った領域の表示等の駐車空間を示す表示(以下、駐車空間表示)を表示器5で行わせる。よって、表示器5が請求項の表示部に相当する。また、提示制御部23は、図4に示すように、駐車空間算出部21で算出した駐車空間の大きさを示す「X.Xm」等の表示も行わせる構成としてもよい。
また、提示制御部23は、駐車空間算出部21で算出した駐車空間の大きさに応じて、表示器5で表示させる駐車空間表示の大きさを決定する構成とすることが好ましい。これによれば、どの程度駐車空間が空いているかをユーザがより正確に直感することができる。なお、提示制御部23が請求項の表示制御部に相当する。
なお、提示制御部23は、図4に示すように、駐車車両や自車両を示す表示も表示器5に行わせる構成としてもよい。また、提示制御部23は、前述の自車両の大きさの情報をもとに、駐車空間表示とともに、自車両の大きさの情報に応じた大きさの自車両を示す表示を表示器5で行わせる構成とすることが好ましい。これによれば、駐車空間表示と自車両を示す表示とを見比べることで、駐車空間に自車両が駐車可能か否かをユーザが直感的に知ることができる。
また、提示制御部23は、駐車可否判定部22での判定結果を、表示器5で表示させることによってユーザに提示する。例えば、駐車空間に自車両が駐車可能と駐車可否判定部22で判定された場合には、駐車可能である旨のコメントやアイコン等を表示器5で表示させ、駐車空間に自車両が駐車不可能と駐車可否判定部22で判定された場合には、駐車不可能である旨のコメントやアイコン等を表示器5で表示させる構成とすればよい。なお、提示制御部23は、駐車可否判定部22での判定結果を、音声出力装置6から音声出力させることによってユーザに提示する構成としてもよい。よって、表示器5および音声出力装置6が請求項の判定結果提示部に相当する。以上の構成によれば、駐車空間に自車両を駐車できるか否かの判定結果を提示するので、駐車空間に自車両が駐車可能か否かをユーザがより正確に知ることができる。
次に、図5を用いて、駐車支援ECU1での前述の駐車空間Cの検出のフローについての説明を行う。図5は、駐車支援ECU1での駐車空間Cの検出のフローを示すフローチャートである。なお、本フローは、駐車支援ECU1が所定の開始トリガを検出したときに開始される。
ここで、所定の開始トリガの例を述べる。例えば、図示しないシフトポジションセンサから得られるシフト位置の情報をもとに、シフト位置が後退位置「R」となったことを検知したときに開始トリガを検出する構成とすればよい。また、車輪速センサ4から得られる車速の情報をもとに、実質的に車速が0km/hである停車状態が例えば数秒間など所定の時間続いたことを検知したときに開始トリガを検出する構成としてもよい。さらに、図示しない操作スイッチ群に対して駐車開始を示す操作入力が行われたことを検知したときに開始トリガを検出する構成としてもよい。なお、上述の操作スイッチ群は表示器5と一体になったタッチスイッチである構成としてもよい。
また、本フローが開始される前には、自車両Dが測距センサ2から探査波を逐次送信しながら駐車車両A、駐車空間C、駐車車両Bの側方を通過し終えており、この通過中に得られた反射波の振幅の情報、送信タイミング、車両情報、および距離情報が一時格納部16に既に格納済みであるものとする。
まず、ステップS1では、前述の振幅強度取得処理を振幅強度取得部13が行い、ステップS2に移る。ステップS2では、振幅強度取得部13で取得した振幅強度の時系列データに移動平均処理を施し、ステップS3に移る。
ステップS3では、移動平均処理を施した振幅強度の時系列データを駐車車両A、Bに振り分けるデータ振り分け処理を前処理部19が行い、ステップS4に移る。また、駐車車両Aに振り分けられたn個のデータはXiA(i=1〜n)と示し、駐車車両Bに振り分けられたm個のデータはXiB(i=1〜m)と示すものとする。なお、駐車車両Aに振り分けられたデータのうちX1Aが自車両Dの進行方向において最も後側のデータ(つまり、時系列において最も後側のデータ)となるものとし、駐車車両Bに振り分けられたデータのうちX1Bが自車両Dの進行方向において最も後側のデータ(つまり、時系列において最も後側のデータ)となるものとする。
ステップS4では、データ振り分け処理によって駐車車両A、Bに振り分けられた振幅強度の時系列データの各微分値を算出する微分値算出処理を前処理部19が行い、ステップS5に移る。なお、駐車車両Aに振り分けられた振幅強度の時系列データX1A〜XnAの各微分値はP(X1A)〜P(XnA)と示すものとし、駐車車両Bに振り分けられた振幅強度の時系列データX1B〜XmBの各微分値はP(X1B)〜P(XmB)と示すものとする。
ステップS5では、駐車車両Aについて第1車両端推定処理を車両端推定部20が開始し、ステップS6に移る。ステップS6では、i=nの微分値P(XnA)から微分値が連続して負となる範囲において順に以降の処理を行う。
ステップS7では、微分値P(XiA)が負の規定値Pmst以下であるか否かを車両端推定部20が判定する。なお、Pmstは任意に設定可能な値である。Pmstは、例えば測定誤差やノイズによって生じる負の微分値よりも小さい(絶対値としては大きい)値であって、0に極力近い値が設定される構成とすればよい。そして、Pmst以下であると判定した場合(ステップS7でYES)には、ステップS8に移る。なお、Pmst以下であると判定した場合であって、RAM等のメモリに後述するPmaxの値が格納されていなかった場合には、そのときの微分値を上記メモリにPmaxとして格納するものとする。また、Pmst以下であると判定しなかった場合(ステップS7でNO)には、ステップS11に移る。
ステップS8では、微分値P(XiA)が上記メモリに格納されているPmax以上であるか否かを車両端推定部20が判定する。そして、Pmax以上であると判定した場合(ステップS8でYES)には、ステップS9に移る。また、Pmax以上であると判定しなかった場合(ステップS8でNO)には、ステップS11に移る。ステップS9では、ステップS8でPmax以上であると判定した微分値を新たにPmaxとして上記メモリに格納し、ステップS10に移る。なお、古い値については消去するものとすればよい。
ステップS10では、微分値が初めて0以上になる点まで処理が進んだ場合(ステップS10でYES)には、ステップS12に移る。また、微分値が一度も0以上になっていない場合(ステップS10でNO)には、ステップS11に移る。ステップS11では、未だ処理が済んでいない次の微分値P(X(i−1)A)に処理を進め、ステップS7に戻ってフローを繰り返す。
ステップS12では、測定位置算出部17で算出された測定位置をもとに、最終的にPmaxとなった微分値が算出された振幅強度が得られた反射波の測定位置を特定するとともに、特定した測定位置をもとに、その測定位置を直接に駐車車両Aの駐車空間Cに隣接する車両端(以下、Edge1)と推定する。詳しくは、自車両の進行方向において後側の駐車車両Aについては、自車両の進行方向において前側の車両端を推定する。これは、測距センサ2の探査波が実質的に自車両Dの真横に送信されるので、同一の探査波についての測定位置と反射点とが自車両Dの進行方向においては実質的に同じ位置に存在するからである。
また、測定位置をもとに実際の駐車車両Aにおける車両端を推定する構成としてもよい。なお、この場合には、上記測定位置と距離情報とをもとに実際の駐車車両Aにおける車両端を推定すればよいのは言うまでもない。
続いて、ステップS13では、駐車車両Bについて第1車両端推定処理を車両端推定部20が開始し、ステップS14に移る。ステップS14では、微分値が連続して正となる範囲において順に以降の処理を行う。
ステップS15では、微分値P(XiB)が正の規定値Ppst以上であるか否かを車両端推定部20が判定する。なお、Ppstは任意に設定可能な値である。Ppstは、例えば測定誤差やノイズによって生じる正の微分値よりも大きい値であって、0に極力近い値が設定される構成とすればよい。そして、Ppst以上であると判定した場合(ステップS15でYES)には、ステップS16に移る。なお、Ppst以上であると判定した場合であって、RAM等のメモリに後述するPminの値が格納されていなかった場合には、そのときの微分値を上記メモリにPminとして格納するものとする。また、Ppst以上であると判定しなかった場合(ステップS15でNO)には、ステップS19に移る。
ステップS16では、微分値P(XiB)が上記メモリに格納されているPmin以下であるか否かを車両端推定部20が判定する。そして、Pmin以下であると判定した場合(ステップS16でYES)には、ステップS17に移る。また、Pmin以下であると判定しなかった場合(ステップS16でNO)には、ステップS19に移る。ステップS17では、ステップS16でPmin以下であると判定した微分値を新たにPminとして上記メモリに格納し、ステップS18に移る。なお、古い値については消去するものとすればよい。
ステップS18では、微分値が初めて0以下になる点まで処理が進んだ場合(ステップS18でYES)には、ステップS20に移る。また、微分値が一度も0以下になっていない場合(ステップS18でNO)には、ステップS19に移る。ステップS19では、未だ処理が済んでいない次の微分値P(X(i+1)B)に処理を進め、ステップS15に戻ってフローを繰り返す。
ステップS20では、測定位置算出部17で算出された測定位置をもとに、最終的にPminとなった微分値が算出された振幅強度が得られた反射波の測定位置を特定するとともに、特定した測定位置をもとに、その測定位置を直接に駐車車両Bの駐車空間Cに隣接する車両端(以下、Edge2)と推定する。詳しくは、自車両の進行方向において前側の駐車車両Bについては、自車両の進行方向において後側の車両端を推定する。また、測定位置をもとに実際の駐車車両Bにおける車両端を推定する構成としてもよい。なお、この場合には、実際の駐車車両Bにおける車両端を上記測定位置と距離情報とをもとに推定すればよいのは言うまでもない。
そして、ステップS21では、Edge1とEdge2とをもとに、駐車空間算出部21が駐車空間Cの大きさ(自車両の通過する経路方向における駐車空間Cの長さ)を算出する。詳しくは、Edge1からEdge2までの距離を駐車空間Cの大きさとする。測定位置を車両端として推定した場合には、車速の情報と送信タイミングの情報とからEdge1からEdge2までの距離を求める構成とすればよい。
なお、本フローでは、駐車車両Aについての処理を行った後に、駐車車両Bについての処理を行う構成を示したが、必ずしもこれに限らず、駐車車両Bについての処理を行った後に、駐車車両Aについての処理を行う構成としてもよい。
ここで、本発明における作用効果について説明を行う。まず、図6(a)および図6(b)を用いて、駐車車両のコーナー部での反射波の反射強度についての説明を行う。図6(a)は、外形が角張っている角型車両のフロント側のコーナー部での反射波の反射強度の一例を説明する図である。また、図6(b)は、外形が丸みを帯びている丸型車両のフロント側のコーナー部での反射波の反射強度の一例を説明する図である。なお、図6(a)および図6(b)のグラフの縦軸が反射波の振幅強度を示しており、横軸が測定位置を示している。また、ここでは、駐車車両の側方を自車両が通過しながら測距センサ2から探査波が駐車車両に向けて送信されるものとする。
一般的に駐車車両のコーナー部の形状は2種類に大別される。1つ目は、角型車両に見られるような、側面の水平直線部(以下、E面)と傾きの急な曲線部(以下、F面)とからなる形状である。2つ目は、丸型車両に見られるような、側面の水平直線部(以下、E面)と側面の傾いた直線部(以下、G面)と傾きの緩やかな曲線部(以下、H面)とからなる形状である。
角型車両のコーナー部の形状では、E面からF面に切り替わる部分で、探査波の入射方向に対する反射面の傾きが急激に大きくなるため、測距センサ2に到達する反射波が急激に減ったり、距離減衰の影響を大きく受けたりすることによって、急激に反射波の反射強度が低下する。このように、角型車両では、車両端に相当するF面において急激に反射波の反射強度が低下する。つまり、角型車両では、車両端と反射強度が急激に低下する位置とがほぼ一致する。
また、丸型車両のコーナー部の形状では、E面、G面からH面に切り替わった場合であっても、しばらくは、探査波の入射方向に対する反射面の傾きが小さい状態が続くので、測距センサ2に到達する反射波が急激に減ることがなく、反射波の反射強度の低下分が少ない。しかしながら、その後に探査波の入射方向に対する反射面の傾きが急激に大きくなるところで、急激に反射波の反射強度が低下する。このように、丸型車両では、車両端に相当するH面の最先端部において急激に反射波の反射強度が低下する。つまり、丸型車両でも、車両端と反射強度が急激に低下する位置とが一致する。
複数の反射点における距離情報から、三角測量によって車両端を推定しようとした場合には、反射波を受信できなかったり、距離減衰の影響を大きく受けたりして車両端についての距離情報自体がうまく得られず、車両端を正確に推定することができない場合がある。なお、この傾向は、コーナー部の曲面形状となっている領域が大きく広がっている丸型車両において特に顕著となる。これに対して、本実施形態によれば、車両端推定部20が、振幅強度取得部13で取得した振幅強度の時系列データの変化をもとに、車両端の位置に相当する反射波の測定位置を求め、この測定位置をもとに車両端を推定することになる。
このように、本実施形態によれば、距離情報に依存することなく振幅強度をもとに車両端を推定するので、駐車車両の形状によらずに、正確に車両端を推定することができる。また、これにより、駐車車両の形状によらずに、駐車車両に隣接する駐車空間をより正確に検出することが可能になる。
なお、図6(a)および図6(b)では、駐車車両の前側のコーナー部での反射波の反射強度を例に挙げて説明を行ったが、駐車車両の後側のコーナー部についても同様である。これは、同一の駐車車両において、後側のコーナー部の形状も前側のコーナー部の形状と同様の傾向をもつことにより、駐車車両の後側のコーナー部での反射波の反射強度についても駐車車両の前側のコーナー部での反射波の反射強度と同様の傾向を示すためである。
さらに、本実施形態では、振幅強度の変化をより判別しやすいように、振幅強度の時系列データの微分値を用いている。ここで、図6(a)および図6(b)を用いて説明したように、反射波の振幅強度は車両端で急激に変化する。
これに対して、本発明者は、反射波の振幅強度の時系列データの各微分値について、規定値Pmst以下の負の微分値に切り替わる点のうち最大の微分値が算出された振幅強度が得られた反射波の測定位置が、駐車車両の車両端のうちの車両の進行方向に対して前側の車両端に非常によく対応していることを見出した。さらに、本発明者は、規定値Ppst以上の正の微分値に切り替わる点のうちの最小の微分値が算出された振幅強度が得られた反射波の測定位置が駐車車両の車両端のうちの車両の進行方向に対して後側の車両端に非常によく対応していることを見出した。
本実施形態では、振幅強度の時系列データの微分値を用いることによって、上述したような、実際の駐車車両の車両端に対応した振幅強度の変化点を精度良く特定することを可能にしており、実際の駐車車両の車両端を精度良く推定することを可能にしている。
ここで、図7(a)および図7(b)を用いて、振幅強度の時系列データの微分値を用いて駐車車両の車両端を推定した場合の結果についての説明を行う。図7(a)は、本発明による車両端の推定結果を説明するための図である。また、図7(b)は、特許文献1で示されるような従来技術による車両端の推定結果を説明するための図である。なお、図7(a)のグラフの縦軸が振幅強度の時系列データの微分値を示しており、横軸が測定位置を示している。また、図7(b)のグラフの縦軸が測距センサで検出した駐車車両までの距離を示しており、横軸が測定位置を示している。
さらに、図7(a)および図7(b)のIで示す位置が駐車車両のフロントの車両端(つまり、フロント端)に相当する位置であり、Jで示す位置が駐車車両のリアの車両端(つまり、リア端)に相当する位置である。また、図7(a)のKで示す範囲が、本発明による車両端の推定結果をもとに算出した駐車車両の車長を示しており、図7(b)のLで示す範囲が、従来技術による車両端の推定結果をもとに算出した駐車車両の車長を示している。
実際に、規定値Pmst以下の負の微分値に切り替わる点のうち最大の微分値が算出された振幅強度が得られた反射波の測定位置をフロント端と推定し、規定値Ppst以上の正の微分値に切り替わる点のうちの最小の微分値が算出された振幅強度が得られた反射波の測定位置をリア端と推定すると、図7(a)に示すように、推定結果をもとに算出した駐車車両の車長Kは、実際のフロント端Iとリア端Jとから算出される実際の駐車車両の車長に非常に近い値となる。具体的には、実際の駐車車両の車長に対する推定結果の誤差は+18cmであった。なお、図7(a)中の点線で示す円で囲ったデータに対応する測定位置が、車両端と推定した位置である。
一方、特許文献1で示されるように、複数の反射点における距離情報から、三角測量によって車両端を推定すると、図7(b)に示すように、推定結果をもとに算出した駐車車両の車長Lは、実際の駐車車両の車長からずれた値となる。具体的には、実際の駐車車両の車長に対する推定結果の誤差は−55cmであった。
以上のように、本実施形態によれば、振幅強度の時系列データの各微分値をもとに車両端を推定することにより、駐車空間に隣接する駐車車両の各車両端を非常に正確に推定することができ、駐車車両の形状によらずに、駐車空間を非常に正確に推定することが可能になる。
また、本実施形態では、移動平均処理を施した後にデータ振り分け処理を行う構成を示したが、必ずしもこれに限らず、データ振り分け処理を行った後に移動平均処理を施す構成としてもよい。
さらに、本実施形態では、移動平均処理を施した後に微分値算出処理を行う構成を示したが、必ずしもこれに限らず、微分値算出処理を行った後に移動平均処理を施す構成としてもよい。
また、本実施形態では、データ振り分け処理によって駐車車両ごとに振り分けられたデータをもとに、駐車空間に隣接する車両端を推定する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、データ振り分け処理を行わずに、全振幅強度の時系列データをもとに、車両端を推定し、推定した車両端の自車両の進行方向における並び順から駐車空間に隣接する車両端を推定する構成としてもよい。
なお、本実施形態では、振幅強度の時系列データの各微分値をもとに車両端を推定する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、振幅強度の時系列データの変化におけるピークをもとに車両端を推定する構成としてもよい。以下では、この他の実施形態について図面を用いて説明を行う。なお、説明の便宜上、前述の実施形態の説明に用いた図に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
まず、図8を用いて、振幅強度の時系列データの変化におけるピークと駐車車両の車両端との関係について説明を行う。図8は、振幅強度の時系列データの変化におけるピークと駐車車両の車両端との関係を説明するための図である。なお、図8のグラフは、振幅強度の時系列データの変化を示すものであって、縦軸が振幅強度を示しており、横軸が測定位置を示している。
本発明者は、測距センサ2から自車両の側方に送信した探査波が自車両の側方に存在する駐車車両で反射されることによって得られる反射波の振幅強度の変化は、図8に示すように、最も端のデータ点から連続して増加した後、一度減少に転じるという、急峻なピークを示す場合もあることを見出した。さらに、本発明者は、図8中の点線で示す円で囲ったこの幅の狭い急峻なピークにあたる振幅強度が得られた反射波の測定位置が、図8に示すように駐車車両の車両端に非常によく対応していることを見出した。
そこで、この他の実施形態では、最も端のデータ点から連続して増加した後に、一度減少に転じるという急峻なピークを示す場合には、駐車支援ECU1において、この急峻なピークを特定することによって、駐車車両の車両端を推定する構成としている。具体的には、前述した実施形態に比べ、前処理部19および車両端推定部20での処理が異なる点を除けば同様の構成である。
この他の実施形態では、前処理部19で移動平均処理とデータ振り分け処理を行うが、微分値算出処理を行わない。また、車両端推定部20では、前処理部19のデータ振り分け処理で振り分けられた、駐車車両ごとの各振幅強度と測定位置算出部17で算出された各測定位置とをもとに、駐車車両の車両端を推定する第2車両端推定処理を行う。
ここで、第2車両端推定処理についての説明を行う。なお、ここでも、図2の例をもとに説明を行い、駐車車両Aに振り分けられたn個の振幅強度のデータはXiA(i=1〜n)と示し、駐車車両Bに振り分けられたm個の振幅強度のデータはXiB(i=1〜m)と示すものとする。また、駐車車両Aに振り分けられたデータのうちX1Aが自車両Dの進行方向において最も後側のデータとなるものとし、駐車車両Bに振り分けられたデータのうちX1Bが自車両Dの進行方向において最も後側のデータとなるものとする。
第2車両端推定処理では、駐車車両Aに振り分けられたn個のデータ列XiAのうちの、自車両Dの進行方向において最も後側のデータから連続して増加した後に減少に転じる山型のピーク(つまり、時系列において最も後側のデータを起点として振幅強度が連続して増加する範囲において、振幅強度が最大となるデータ)を検出する。なお、ピークの検出の具体的な手法については、波形データからピークを検出する周知の方法と同様して行う構成とすればよい。
続いて、n個のデータ列XiAから検出された上記ピークのうち、自車両Dの進行方向において最も前側のピークを選択し、そのピークに含まれる振幅強度のデータのうち、振幅強度が最大(つまり、ピークの頂点)のデータを特定する。そして、測定位置算出部17で算出された測定位置をもとに、上記最大のデータにあたる振幅強度が得られた反射波の測定位置を特定するとともに、特定した測定位置をもとに、駐車車両Aの駐車空間Cに隣接する車両端を推定する。
また、第2車両端推定処理では、駐車車両Bに振り分けられたm個のデータ列XiBのうちの、自車両Dの進行方向において最も前側のデータから連続して増加した後に減少に転じる山型のピーク(つまり、時系列において最も前側のデータを起点として振幅強度が連続して増加する範囲において、振幅強度が最大となるデータ)を検出する。
続いて、m個のデータ列XiBから検出された上記ピークのうち、自車両Dの進行方向において最も後側のピークを選択し、そのピークに含まれる振幅強度のデータのうち、振幅強度が最大のデータを特定する。そして、測定位置算出部17で算出された測定位置をもとに、上記最大のデータにあたる振幅強度が得られた反射波の測定位置を特定するとともに、特定した測定位置をもとに、駐車車両Bの駐車空間Cに隣接する車両端を推定する。よって、車両端推定部20が請求項のデータ特定部に相当する。
そして、第2車両端推定処理で推定された駐車車両Aの駐車空間Cに隣接する車両端と駐車車両Bの駐車空間Cに隣接する車両端とをもとに、駐車空間算出部21が駐車空間Cの大きさ(自車両の通過する経路方向における駐車空間Cの長さ)を算出する。
以上の構成によれば、前述の幅の狭い急峻なピークをもとに、車両端を特に精度良く推定することができ、駐車車両の形状によらずに、駐車空間を特に正確に検出することが可能になる。
また、前述の実施形態では、振幅強度の時系列データの変化をもとに車両端を推定する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、振幅強度の時系列データの値をもとに駐車空間を検出する構成としてもよい。以下では、この更なる他の実施形態について図面を用いて説明を行う。なお、説明の便宜上、前述の実施形態の説明に用いた図に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
まず、図9を用いて、振幅強度の時系列データの値と駐車車両の車両端との関係について説明を行う。図9は、振幅強度の時系列データの値と駐車車両の車両端との関係を説明するための図である。なお、図9のグラフは、振幅強度の時系列データの変化を示すものであって、縦軸が振幅強度を示しており、横軸が測定位置を示している。
測距センサ2から自車両の側方に送信した探査波が自車両の側方に存在する駐車車両で反射されることによって得られる反射波の振幅強度の変化は、前述したように、その探査波の反射面となる駐車車両の外形と非常によく対応しているので、図9に示すように、一定の振幅強度(図9中の閾値M)を境にして駐車車両が存在している領域と駐車空間の領域とをより正確に判別することができる。
そこで、この更なる他の実施形態では、駐車支援ECU1aにおいて、振幅強度の時系列データから、振幅強度が所定の閾値以下となるデータ範囲を求め、求めた当該データ範囲をもとに、駐車空間を検出する構成としている。
ここで、図10を用いて、駐車支援ECU1aの概略的な構成について説明を行う。図10は、駐車支援ECU1aの概略的な構成を示すブロック図である。図10に示すように駐車支援ECU1aは、車両情報取得部11、送信制御部12、振幅強度取得部13、距離算出部14、格納処理部15、一時格納部16、測定位置算出部17、前処理部19、駐車空間算出部21、駐車可否判定部22、および提示制御部23を備えている。
なお、駐車支援ECU1aは、駐車支援ECU1に比べ、前処理部19および駐車空間算出部21での処理が異なる点、ならびに車両端推定部20を備えない点を除けば同様の構成である。
駐車支援ECU1aの前処理部19では、移動平均処理を行うが、データ振り分け処理および微分値算出処理を行わない。また、駐車支援ECU1aの前処理部19では、移動平均処理を施した振幅強度の時系列データから、振幅強度が所定の閾値以下となるデータ範囲を求める。なお、ここで言うところの所定の閾値とは、任意に設定可能な値であって、例えば、前述の最大の微分値や最小の微分値が得られる程度の振幅強度の値を設定する構成とすればよい。
さらに、前処理部19は、求めたデータ範囲に含まれる振幅強度の時系列データのうちの自車両の進行方向において最も前側の測定値に対応するデータと最も後側の測定値に対応するデータとを特定する。そして、測定位置算出部17で算出された測定位置をもとに、上記最も前側のデータにあたる振幅強度が得られた反射波の測定位置(以下、第1測定位置)を特定するとともに、上記最も後側のデータにあたる振幅強度が得られた反射波の測定位置(以下、第2測定位置)を特定する。なお、図9の例をもとに説明すると、図の右方向が自車両Dの進行方向に相当するので、第1測定位置が駐車車両Aの駐車空間Cに隣接する車両端に相当し、第2測定位置が駐車車両Bの駐車空間Cに隣接する車両端に相当することになる。
続いて、駐車支援ECU1aの駐車空間算出部21では、前処理部19で特定した第1測定位置から第2測定位置までの距離を駐車空間Cの大きさ(自車両の通過する経路方向における駐車空間Cの長さ)を算出する。なお、測定位置間の距離は、車速の情報と送信タイミングの情報とから求める構成とすればよい。以上の構成によれば、駐車車両が存在している領域と駐車空間の領域とをより正確に判別し、駐車車両の形状によらずに、駐車空間をより正確に検出することが可能になる。
また、前述した振幅強度の時系列データの変化におけるピークをもとに車両端を推定する構成と前述した振幅強度の時系列データの値をもとに駐車空間を検出する構成とを組み合わせる構成としてもよい。具体的には、車両端推定部20での第2車両端推定処理で前述の急峻なピークが検出できなかった場合に、振幅強度の時系列データから、振幅強度が所定の閾値以下となるデータ範囲を求めて、前述したように駐車空間を算出する構成とすればよい。
これによれば、反射波の振幅強度の変化が、図8に示すような最も端のデータから連続して増加した後に減少に転じるという、急峻なピークを示す変化を示さなかった場合にも、駐車車両の形状によらずに、駐車空間をより正確に検出することが可能になる。
また、前述の実施形態では、駐車支援ECU1に駐車可否判定部22を備える構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、駐車支援ECU1に駐車可否判定部22を備えず、駐車可否判定部22での判定結果を表示器5で表示させない構成としてもよい。
なお、前述の実施形態では、駐車支援ECU1に距離算出部14を備える構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、駐車支援ECU1に駐車可否判定部22を備えない構成とするなど、駐車空間に対する自車両の位置を求める必要のない構成とする場合には、駐車支援ECU1に距離算出部14を備えず、前述の距離情報を駐車支援ECU1で扱わない構成としてもよい。
また、前述の実施形態では、縦列駐車された駐車車両に挟まれた駐車空間を検出する構成について述べたが、必ずしもこれに限らない。駐車車両のコーナー部の形状は、駐車車両の前後方向から見た場合も駐車車両の左右方向から見た場合も、縁の部分の手前で急激にカーブしている点では同様であるので、例えば、並列駐車された駐車車両に挟まれた駐車空間を検出する構成についても同様に本発明を適用することができる。さらに、駐車車両と壁などの構造物とに挟まれた駐車空間を検出する構成についても同様に本発明を適用することができる。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。