JP2011244875A - 画像処理装置、画像表示装置およびプログラム並びにx線ct装置 - Google Patents

画像処理装置、画像表示装置およびプログラム並びにx線ct装置 Download PDF

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Abstract

【課題】撮影対象のCT画像上において、設定された関心領域と同一または類似の物質に相当する画像領域を抽出できる画像表示装置を提供する。
【解決手段】デュアルエネルギー撮影で得られた投影データを基に、所望の実効X線エネルギーのX線で撮影した画像に相当するモノクロマチック画像を再構成する再構成手段と、再構成手段を用いて、実効X線エネルギーとその実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における関心領域の代表的な画素値との関係を取得する第1の取得手段と、再構成手段を用いて、関心領域以外の各画像領域ついて、実効X線エネルギーとその実効X線エネルギーのモノクロマチック画像におけるその画像領域の代表的な画素値との関係を取得する第2の取得手段と、上記「関係」が関心領域と類似する画像領域を特定する特定手段と、特定された画像領域を強調表示する表示手段とを備える構成とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、デュアルエネルギー(dual energy)撮影により得られた投影データを基に画像を処理する画像処理装置、当該投影データを基に画像を表示する画像表示装置、およびそれらのためのプログラム(program)、並びにそれらの装置を備えているX線CT(Computed
Tomography)装置に関する。
X線CT装置を用いたデュアルエネルギー撮影により得られた投影データ(data)に基づいて、任意の実効X線エネルギーの単色X線を用いて撮影された画像に相当するモノクロマチック(monochromatic)画像を再構成する手法が知られている(例えば、特許文献1,要約、特許文献2,図4〜5等参照)。この手法によれば、所望の実効X線エネルギーの画像を、撮影対象に対する追加被曝なしで、必要な分だけ、短時間に得ることができる。
US2009/0052612A1 特開2009−153829号公報
上記手法の特徴を活かして、例えば、次に示すような、画像診断の支援が可能な画像表示装置を考えることができる。
まず、撮影対象をデュアルエネルギー撮影して収集された投影データを受け取り、この投影データを基に所定の画像を再構成して、モニタ(monitor)に表示する。次に操作者が、表示された所定の画像上にて関心のある所定の画像領域を指定し、その画像領域を関心領域として設定する。関心領域のモノクロマチック画像を、複数の実効X線エネルギーについて求める。そして、実効X線エネルギーの値とその実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における関心領域の代表的な画素値との関係、すなわち関心領域のX線エネルギーに対するX線吸収特性を画像化して表示する。
物質のX線吸収特性は、その物質の種類に応じて異なるので、このX線吸収特性を基に関心領域の物質の組成を特定することができる。したがって、操作者は、この画像表示装置において、表示された所定の画像上で腫瘍などの病変部と疑われる部位の画像領域を関心領域に指定すれば、その部位のX線吸収特性を知ることができ、その部位が真の病変部であるか否かを判別することができる。
しかしながら、このような画像表示装置では、上記所定の画像上で病変部と疑われる画像領域が複数存在する場合には、そのような画像領域を1つずつ関心領域に指定して、X線吸収特性を確認しなければならない。そのため、特に多発性腫瘍の検出やプラーク(plaque)解析には不向きであり、病変部を見落とす可能性も考えられる。
このような事情により、撮影対象のCT画像上において、所望の物質、例えば設定された関心領域の物質と同一または類似の物質に相当する画像領域を抽出することができる画像処理装置、画像表示装置、およびそれらのためのプログラム、並びにそれらの装置を備えているX線CT装置が望まれている。
第1の観点の発明は、撮影対象のデュアルエネルギー撮影により収集された、第1のX線による第1の投影データおよび該第1のX線とはエネルギーが異なる第2のX線による第2の投影データのうち少なくとも一方に基づいて、所定の画像を再構成する再構成手段と、前記第1および第2の投影データに基づく所定の計算により、所望の実効X線エネルギーを有するX線を用いた撮影により得られる画像に相当するモノクロマチック画像における所望の画素の画素値を算出する算出手段と、前記所定の画像における各画像領域について、前記算出手段により算出される複数の実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における該画像領域の画素値に基づいて、実効X線エネルギーと該実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における該画像領域の代表的な画素値との関係を取得する取得手段と、前記各画像領域のうち、前記取得手段により取得された関係が、実効X線エネルギーと該実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における所定の物質に対応する画素値との関係と類似する画像領域を特定する特定手段とを備えている画像処理装置を提供する。
第2の観点の発明は、前記複数の実効X線エネルギーが、3つ以上の実効X線エネルギーである上記第1の観点の画像処理装置を提供する。
第3の観点の発明は、撮影対象のデュアルエネルギー撮影により収集された、第1のX線による第1の投影データおよび該第1のX線とはエネルギーが異なる第2のX線による第2の投影データのうち少なくとも一方に基づいて、所定の画像を再構成する再構成手段と、前記第1および第2の投影データに基づく所定の計算により、所望の実効X線エネルギーを有するX線を用いた撮影により得られる画像に相当するモノクロマチック画像における所望の画素の画素値を算出する算出手段と、前記所定の画像における関心領域を設定する設定手段と、前記所定の画像における前記関心領域について、前記算出手段により算出される複数の実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における該関心領域の画素値に基づいて、実効X線エネルギーと該実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における該関心領域の代表的な画素値との関係を取得する第1の取得手段と、実効X線エネルギーと該実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における所定の物質に対応する画素値との関係を、1または複数の物質について記憶する記憶手段と、前記記憶されている関係の中で、前記取得された関係と類似する関係を検出する検出手段と、前記所定の画像における前記関心領域とは異なる各画像領域について、前記算出手段により算出される複数の実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における該画像領域の画素値に基づいて、実効X線エネルギーと該実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における該画像領域の代表的な画素値との関係を取得する第2の取得手段と、前記各画像領域のうち、前記第2の取得手段により取得された関係が前記検出された関係と類似する画像領域を特定する特定手段と、前記特定された画像領域が強調された前記所定の画像を表示する表示手段とを備えている画像表示装置を提供する。
第4の観点の発明は、前記複数の実効X線エネルギーが、3つ以上の実効X線エネルギーである上記第3の観点の画像表示装置を提供する。
第5の観点の発明は、前記検出手段が、前記第2の取得手段により取得された関係と前記記憶されている関係とにおける少なくとも1つの実効X線エネルギーの区分領域に対する画素値の変化量に基づいて、前記類似する関係を検出する上記第3の観点または第4の観点の画像表示装置を提供する。
第6の観点の発明は、前記検出手段が、複数の実効X線エネルギーの区分領域に対する画素値の変化量に基づいて、前記類似する関係を検出する上記第5の観点の画像表示装置を提供する。
第7の観点の発明は、前記表示手段が、前記特定された画像領域を着色して表示する上記第3の観点から第6の観点の画像表示装置を提供する。
第8の観点の発明は、前記着色する色が、前記検出された関係と対応付けられている色である上記第7の観点の画像表示装置を提供する。
第9の観点の発明は、前記1または複数の物質が、ヨウ素、カルシウム(calcium)、脂肪、水、またはこれらのうち少なくとも1つを含む混合物質を含んでいる上記第3の観点から第8の観点のいずれか一つの観点の画像表示装置を提供する。
第10の観点の発明は、撮影対象のデュアルエネルギー撮影により収集された、第1のX線による第1の投影データおよび該第1のX線とはエネルギーが異なる第2のX線による第2の投影データのうち少なくとも一方に基づいて、所定の画像を再構成する再構成手段と、前記第1および第2の投影データに基づく所定の計算により、所望の実効X線エネルギーを有するX線を用いた撮影により得られる画像に相当するモノクロマチック画像における所望の画素の画素値を算出する算出手段と、前記所定の画像における関心領域を設定する設定手段と、前記所定の画像における前記関心領域について、前記算出手段により算出される複数の実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における該関心領域の画素値に基づいて、実効X線エネルギーと該実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における該関心領域の代表的な画素値との関係を取得する第1の取得手段と、前記所定の画像における前記関心領域とは異なる各画像領域について、前記算出手段により算出される複数の実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における該画像領域の画素値に基づいて、実効X線エネルギーと該実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における該画像領域の代表的な画素値との関係を取得する第2の取得手段と、前記各画像領域のうち、前記第2の取得手段により取得された関係が前記第1の取得手段により取得された関係と類似する画像領域を特定する特定手段と、前記特定された画像領域が強調された前記所定の画像を表示する表示手段とを備えている画像表示装置を提供する。
第11の観点の発明は、前記複数の実効X線エネルギーが、3つ以上の実効X線エネルギーである上記第10の観点の画像表示装置を提供する。
第12の観点の発明は、前記特定手段が、前記第1の取得手段により取得された関係と第2の取得手段により取得された関係とにおける少なくとも1つの実効X線エネルギーの区分領域に対する画素値の変化量に基づいて、前記類似する画像領域を特定する上記第10の観点または第11の観点の画像表示装置を提供する。
第13の観点の発明は、前記特定手段が、複数の実効X線エネルギーの区分領域に対する画素値の変化量に基づいて、前記類似する画像領域を特定する上記第12の観点の画像表示装置を提供する。
第14の観点の発明は、前記表示手段が、前記特定された画像領域を着色して表示する上記第10の観点から第13の観点のいずれか一つの観点の画像表示装置を提供する。
第15の観点の発明は、前記表示手段が、前記特定された画像領域に対して取得された関係に基づいて求められる該画像領域の物質密度の大きさに応じて、該特定された画像領域を着色する色の濃さを変える上記第7の観点、第8の観点または第14の観点の画像表示装置を提供する。
第16の観点の発明は、前記関心領域が、複数画素の領域であり、前記関心領域の代表的な画素値が、該複数画素の画素値の平均値または加重平均値である上記第3の観点から第15の観点のいずれか一つの観点の画像表示装置を提供する。
第17の観点の発明は、前記各画像領域が、単一画素の領域であり、前記画像領域の代表的な画素値が、該画像領域に対応する単一画素の画素値である上記第3の観点から第16の観点のいずれか一つの観点の画像表示装置を提供する。
第18の観点の発明は、前記各画像領域が、複数画素の領域であり、前記画像領域の代表的な画素値が、該画像領域に対応する複数画素の画素値の平均値または加重平均値である上記第3の観点から第16の観点のいずれか一つの観点の画像表示装置を提供する。
第19の観点の発明は、コンピュータ(computer)を、上記第1の観点から第18の観点のいずれか一つの観点の装置として機能させるためのプログラムを提供する。
第20の観点の発明は、前記デュアルエネルギー撮影を行う撮影手段と、上記第1の観点から第18の観点のいずれか一つの観点の装置とを備えているX線CT装置を提供する。
なお、上記観点の発明において、「所定の画像」としては、例えば、管電圧画像、物質密度画像、モノクロマチック画像等を考えることができる。「撮影対象」は、人体、物体を含んでいる。
また、上記観点の発明は、医療用に限定されず、産業用等にも適用できる。
上記観点の発明によれば、上記構成により、撮影対象の所定の画像における各画像領域について、実効X線エネルギーと当該実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における画素値との関係をそれぞれ取得し、上記各画像領域のうちその関係が所定の物質に係る関係と類似する画像領域を特定することができ、撮影対象のCT画像上において、所望の物質、例えば設定された関心領域の物質と同一または類似の物質に相当する画像領域を抽出することができる。
第一実施形態によるX線CT装置の構成を示す図である。 第一実施形態のX線CT装置の画像表示に関る部分の機構ブロック(block)図である。 管電圧画像、物質密度画像、モノクロマチック画像を段階的に再構成する工程を概略的に示す図である。 表示される参照画像の一例を示す図である。 関心領域が設定された参照画像の一例を示す図である。 スペクトラルHUカーブ(spectralHU curve)取得処理を概念的に示す図である。 関心領域のスペクトラルHUカーブの一例を示す図である。 各物質のスペクトラルHUカーブの一例を示す図である。 類似カーブ検出処理の流れを示すフロー図である。 類似カーブ検出処理を概念的に示す図である。 スペクトラルHUカーブが関心領域に類似する類似領域が特定された参照画像の一例を示す図である。 関心領域および類似領域が着色表示された参照画像の一例を示す図である。 第一実施形態のX線CT装置における処理の流れを示すフロー(flow)図である。 第二実施形態のX線CT装置の画像表示に関る部分の機能ブロック図である。
以下、発明の実施形態について説明する。
(第一実施形態)
図1は、第一実施形態のX線CT装置の構成を概略的に示す図である。
X線CT装置100は、操作コンソール(console)1と、撮影テーブル(table)(撮影手段)10と、走査ガントリ(gantry)(撮影手段)20とを具備している。
操作コンソール1は、操作者からの入力を受け付ける入力装置2と、被検体(撮影対象)40をスキャン(scan)するための各部の制御や各種演算などを行う中央処理装置3と、走査ガントリ20で取得したデータを収集するデータ収集バッファ(buffer)5と、画像を表示するモニタ6と、プログラムやデータなどを記憶する記憶装置7とを具備している。
撮影テーブル10は、被検体40を載せて走査ガントリ20の開口部Bに搬入・搬出するクレードル(cradle)12を具備している。クレードル12は、撮影テーブル10に内蔵するモータ(motor)で昇降および水平直線移動される。なお、ここでは、被検体40の体軸方向すなわちクレードル12の水平直線移動方向をz方向、鉛直方向をy方向、z方向およびy方向に垂直な水平方向をx方向とする。
走査ガントリ20は、回転部15と、回転部15を回転可能に支持する支持部16とを有する。回転部15には、X線管21と、X線管21を制御するX線コントローラ(controller)22と、X線管21から発生したX線81をコリメート(collimate)するコリメータ(collimator)23と、X線管21から照射され、被検体40を透過したX線81を検出するX線検出器24と、X線検出器24の出力を投影データに変換して収集するデータ収集装置(DAS;Data Acquisition System)25と、X線コントローラ22,コリメータ23,DAS25の制御を行う回転部コントローラ26とが搭載される。X線検出器24は、検出器列がz方向に例えば256列配列された多列検出器である。支持部16は、制御信号などを操作コンソール1や撮影テーブル10と通信する制御コントローラ29を具備する。回転部15と支持部16とは、スリップリング(slip ring)30を介して電気的に接続されている。
図2は、第一実施形態のX線CT装置における画像表示に関る部分の機能ブロック図である。
X線CT装置100は、デュアルエネルギー撮影制御部51(撮影手段)、画像再構成部(再構成手段および算出手段)52、表示制御部(表示手段)53、関心領域設定部(設定手段)54、スペクトラルHUカーブ取得部(第1および第2の取得手段)55、スペクトラルHUカーブ記憶部(記憶手段)56、類似カーブ検出部(検出手段)57、および類似領域特定部(特定手段)58を備えている。
デュアルエネルギー撮影制御部51は、撮影テーブル10および走査ガントリ20を制御して、被検体40に対してデュアルエネルギー撮影を行い、投影データを収集する。例えば、X線管電圧を相対的に高い第1の管電圧HVと相対的に低い第2の管電圧LVとに1ビュー(view)または数ビュー単位で交互に切り換えながらスキャンを行って、所定ビュー角度分の投影データを収集する。あるいは、X線管電圧を第1の管電圧HVにしてスキャンを行って、所定ビュー角度分の投影データを収集し、X線管電圧を第2の管電圧LVに切り換えてスキャンを行って、所定ビュー角度分の投影データを収集する。これにより、第1の管電圧HVのX線による第1の投影データPHVと、第2の管電圧LVのX線による第2の投影データPLVとを収集する。
なお、本例では、第1および第2の管電圧HV,LVを、それぞれ140〔kV〕と80〔kV〕とする。また、所定ビュー角度分を、π+X線ビーム(beam)のファン(fan)角α〔rad〕分または2π〔rad〕分とする。
画像再構成部52は、第1および第2の投影データPHV,PLVに基づいて、管電圧画像、物質密度画像、およびモノクロマチック画像を再構成する。
管電圧画像とは、X線管電圧が所定の管電圧であるときのX線を用いて被検体40をX線CT撮影した場合に得られる断層像であり、例えば投影データをフィルタ(filter)逆投影処理することにより得られる。物質密度画像とは、被検体40における所定の物質の密度分布を表す断層像であり、例えば2種類の管電圧画像を加重減算処理することにより得られる。モノクロマチック画像とは、所定の実効X線エネルギーを有する単色X線により撮影された画像に相当する画像であり、例えば2種類の物質密度画像を加重加算処理することにより得られる。
なお、これらの画像は、例えば256×256画素の解像度を有する画像として再構成する。また、本例では、管電圧画像として、第1の管電圧HVによる管電圧画像と、第2の管電圧LVによる管電圧画像とを再構成する。また、物質密度画像として、水密度画像Gwとヨウ素密度画像Gioとを再構成する。
画像再構成部52による再構成処理の一例を以下に示す。
図3は、管電圧画像、物質密度画像、モノクロマチック画像を段階的に再構成する工程を概略的に示す図である。
図3に示すように、画像再構成部52は、第1および第2の投影データPHV,PLVを用いて、第1の管電圧HVにより撮影された被検体40を表す第1の管電圧画像GHVと、第2の管電圧LVにより撮影された被検体40を表す第2の管電圧画像GLVとを再構成する。具体的には、まず、第1および第2の投影データPHV,PLVに対して、対数変換、線質硬化補正、X線検出器の感度補正等を含む所定の前処理を行う。次に、前処理された第1および第2の投影データPHV,PLVに所定の再構成関数を重畳する。再構成関数が重畳された第1および第2の投影データPHV,PLVをそれぞれ逆投影処理して、第1および第2の管電圧画像GHV,GLVを得る。
次に、画像再構成部52は、第1の管電圧画像GHVと第2の管電圧画像GLVとを加重減算処理して、被検体40における第1の物質の密度分布を強く表す第1の物質密度画像と、被検体40における第2の物質の密度分布を強く表す第2の物質密度画像とを得る。ここでは、一例として、第1の物質を水、第2の物質をヨウ素とし、水の密度分布を表す水密度画像Gwと、ヨウ素の密度分布を表すヨウ素密度画像Gioとを得る。
被検体の投影データまたはこれを基に再構成される画像は、互いに異なる2種類の物質の密度分布およびそのX線吸収係数により近似的に表現できる。この近似モデルに基づき、第1および第2の物質密度画像を求めることができる。つまり、第1の管電圧画像GHVと第2の管電圧画像GLVとを、第1の物質である水に対応する画素の画素値が零になるよう加重減算処理することにより、第1の物質である水の成分が抑制され、第2の物質であるヨウ素の密度分布を強く表すヨウ素密度画像Gioが、第2の物質密度画像として得られる。同様に、第1の管電圧画像GHVと第2の管電圧画像GLVとを、第2の物質であるヨウ素に対応する画素の画素値が零になるよう加重減算処理することにより、第2の物質であるヨウ素の成分が抑制され、第1の物質である水の密度分布を強く表す水密度画像Gwが、第1の物質密度画像として得られる。
なお、第1および第2の管電圧画像GHV,GLVのそれぞれにおける第1および第2の物質に対応する画素値は、デュアルエネルギー撮影の撮影条件により推定することができる。したがって、上記の加重減算処理に用いるべき重み付けは、これら推定される画素値の比から特定することができる。
水密度画像Gwおよびヨウ素密度画像Gioは、例えば次の数式に従って加重減算処理を行うことにより求めることができる。
Figure 2011244875
ここで、kwは水密度画像の画素値Gw(x,y)を水の密度〔mg/ml〕で表すための変換係数、kioはヨウ素密度画像の画素値Gio(x,y)をヨウ素の密度〔mg/ml〕で表すための変換係数、rioは第1の管電圧HVと第2の管電圧LVとにおけるヨウ素のデュアルエネルギー比、rwは第1の管電圧HVと第2の管電圧LVとにおける水のデュアルエネルギー比である。
水密度画像Gwを求めるための加重減算処理を表す数式1において、第2の管電圧画像の画素値GLV(x,y)に乗算する重み係数はkwであり、第1の管電圧画像の画素値GHV(x,y)に乗算する重み係数はkw・rioである。また、ヨウ素密度画像Gioを求めるための加重減算処理を表す数式2において、第2の管電圧画像の画素値GLV(x,y)に乗算する重み係数はkioであり、第1の管電圧画像GHV(x,y)の画素値に乗算する重み係数はkio・rwである。
デュアルエネルギー比rioは、第2の管電圧LVによるX線を用いて撮影した場合に得られる画像GCLV(x,y)上のヨウ素に対応する画素値(CT値)GCio,LV(x,y)を、第1の管電圧HVによるX線を用いて撮影した場合に得られる画像GCHV(x,y)上のヨウ素に対応する画素値GCio,HVで除算してなる値(CT値比)である。また、デュアルエネルギー比rwは、画像GCLV(x,y)上の水に対応する画素値GCw,LV(x,y)を、画像GCHV(x,y)上の水に対応する画素値GCw,HV(x,y)で除算してなる値である。
次に、図3に示すように、水密度画像Gwとヨウ素密度画像Gioとを加重加算処理して、所定の実効X線エネルギーの単色X線を用いて撮影された画像に相当するモノクロマチック画像Gmを得る。
モノクロマチック画像Gmは、例えば次の数式に従って加重加算処理を行うことにより求めることができる。
Figure 2011244875
ここで、E1は実効X線エネルギー、μw(E1)は実効X線エネルギーE1のX線に対する水のX線吸収係数、μio(E1)は実効X線エネルギーE1のX線に対するヨウ素のX線吸収係数、kcは画素値をCT値に変換するための変換係数である。なお、CT値は、周知の通り、物質のX線吸収の程度を示す値であり、空気のCT値は−1000〔HU〕、水のCT値は0〔HU〕で表される。
モノクロマチック画像Gmを求めるための加重加算処理を表す数式5において、水密度画像Gwに乗算する重み係数はkc・μw(E1)であり、ヨウ素密度画像Gioに乗算する重み係数はkc・μio(E1)である。
ちなみに、上記の手法では、第1および第2の投影データをそれぞれ画像再構成処理して2種類の画像を得、これら2種類の画像を互いに異なる第1および第2の重み付けにより加重減算処理して、第1および第2の物質密度画像を得ている。しかし、第1および第2の投影データを、互いに異なる第1および第2の重み付けにより加重減算処理して2種類の投影データを得、これら2種類の投影データをそれぞれ画像再構成処理して、第1および第2の物質密度画像を得ることもできる。
また、上記の加重減算処理や加重加算処理としては、一次線形加重減算処理や一次線形加重加算処理に限らず、高次線形加重減算処理や高次線形加重加算処理などを用いることもできる。
画像再構成部52は、第1および第2の物質密度画像の加重加算処理における重み付けを調整することにより、所望の実効X線エネルギーのモノクロマチック画像を再構成することができる。また、画像再構成部52は、例えば第1の物質密度画像における所望の画素の画素値と第2の物質密度画像における同画素の画素値とを、所定の重み付けで加重加算処理することで、所望の実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における所望の画素の画素値のみを算出することができる。
なお、モノクロマチック画像Gmの再構成処理の詳細については、例えば米国特許文献US2009/0052612A1を参照されたい。
表示制御部53は、画像再構成部52により再構成された所定の画像、すなわち管電圧画像、物質密度画像、またはモノクロマチック画像を、所定の参照画像Grとして表示するようモニタ6を制御する。本例では、所定の実効X線エネルギーのモノクロマチック画像を参照画像Grとして表示する。図4は、表示される参照画像Grの一例を示す図である。
関心領域設定部54は、操作者の操作に応じて、モニタ6に表示された参照画像Gr上にて関心領域ROIを設定する。関心領域ROIは、円形状、矩形状などを考えることができるが、本例では円形状とする。図5は、関心領域ROIが設定された参照画像Grの一例を示す図である。
スペクトラルHUカーブ取得部55は、関心領域設定部54により設定された関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIを取得する。スペクトラルHUカーブとは、実効X線エネルギーの値とその実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における所定の物質または所定の画像領域の代表的な画素値(CT値)との関係をグラフで表したものである。なお、スペクトラルHUカーブの取得とは、実際のカーブを表示することまで求めるものではなく、そのカーブを特定できる情報を取得することを含む。
スペクトラルHUカーブ取得部55によるスペクトラルHUカーブ取得処理の一例を以下に示す。
図6は、スペクトラルHUカーブ取得処理を概念的に示す図である。
まず、画像再構成部52を用いて、水密度画像Gwの関心領域ROIに対応する部分とヨウ素密度画像Gioの関心領域ROIに対応する部分とを、所定の重み付けにより加重加算処理し、所定の実効X線エネルギーE1での関心領域ROIのモノクロマチック画像Gm,ROI,E1を生成する。
次に、生成された関心領域ROIのモノクロマチック画像Gm,ROI,E1における代表的な画素値gROI,E1を算出する。この代表的な画素値は、関心領域ROIに対応する複数画素の画素値の平均値、中間値、中央値、画素位置に応じて重みを変えた加重平均値などを考えることができるが、本例では、この代表的な画素値として平均値を算出する。
次に、画像再構成部52を用いて、上記の加重加算処理に用いる重み付けを変更して、実効X線エネルギーE2の関心領域ROIのモノクロマチック画像Gm,ROI,E2を生成する。生成された関心領域ROIのモノクロマチック画像Gm,ROI,E2における代表的な画素値gROI,E2を算出する。
このような処理を繰り返し行うことにより、各実効X線エネルギーの関心領域ROIのモノクロマチック画像Gm,ROI,E1,Gm,ROI,E2,・・・,Gm,ROI,Enのそれぞれにおける代表的な画素値gROI,E1,gROI,E2,・・・,gROI,Enを算出する。
これにより、実効X線エネルギーとその実効X線エネルギーの関心領域ROIのモノクロマチック画像における代表的な画素値との関係を求めることができる。つまり、実効X線エネルギーの値のある変化に対して、モノクロマチック画像における画素値がどのように変化するかを把握することができる関係を求めることができる。この関係をグラフ(graph)で表したものが関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIである。
なお、実効X線エネルギーの数(種類)nが大きいほど、つまり、多くの実効X線エネルギーについて上記「代表的な画素値」を算出するほど、スペクトラルHUカーブはより正確に求めることができる。したがって、通常は3つ以上、好ましくは5つ以上、さらに好ましくは10以上の実効X線エネルギーについて、上記「代表的な画素値」を算出するとよい。もちろん、これは、関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIに限定される話ではなく、すべてのスペクトラルHUカーブを求める際に共通する。
図7は、関心領域のスペクトラルHUカーブの一例を示す図である。横軸は、関心領域ROIのモノクロマチック画像の実効X線エネルギーE〔keV〕、縦軸は、関心領域ROIのモノクロマチック画像における代表的な画素値gROI,E〔HU〕である。
本例では、図7に示すように、40〔keV〕〜140〔keV〕の範囲の実効X線エネルギーについて、5〔keV〕刻みで代表的な画素値gROI,Eを求め、各点をプロット(plot)して、関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIを取得する。
スペクトラルHUカーブ取得部55は、また、参照画像Grにおける関心領域ROI以外の各画像領域R1,R2,・・・,RmのスペクトラルHUカーブCR1,CR2,・・・,CRmを、関心領域ROIの場合と同様の処理を実行して取得する。各画像領域R1,R2,・・・,Rmは、2×2画素など複数画素の領域(解像度を落とした参照画像Gr′における単一画素の領域)とし、その領域の代表的な画素値は、その領域の複数画素の画素値の平均値や加重平均値とすることもできる。しかし、本例では、これらの画像領域を参照画像Grにおける単一画素の領域とし、その領域における代表的な画素値をその領域の単一画素の画素値そのものとする。
スペクトラルHUカーブ記憶部56は、物質のスペクトラルHUカーブを、被検体に含まれる主要な物質について複数記憶している。物質のスペクトラルHUカーブは、実効X線エネルギーとその実効X線エネルギーのモノクロマチック画像におけるその物質に対応する画素値との関係を表すカーブである。被検体に含まれる主要な物質としては、例えば、ヨウ素(造影剤)、カルシウム(骨)、脂肪、血液、水、これらのうち少なくとも1つを含む混合物質などを考えることができる。
なお、カルシウムや脂肪は、高密度のものから低密度のものまでを段階的に分ける。混合物質としては、例えば血液とヨウ素との混合物質、脂肪とカルシウムとの混合物質などを考えることができる。血液とヨウ素との混合物質は、例えば、造影剤濃度が1%の血液から造影剤濃度が10%の血液までを造影剤濃度1%刻みで段階的に分ける。
スペクトラルHUカーブ記憶部56は、また、物質の種類に応じて割り当てられた色を、その物質のスペクトラルHUカーブと対応付けて記憶している。例えば、ヨウ素に対しては緑色、カルシウムに対しては赤色、脂肪に対しては黄色、水に対しては青色が、それぞれ割り当てられる。詳細は後述するが、この割り当てられた色は、類似領域特定部58により特定された参照画像Gr上の画像領域を着色して表示する際に用いられる。
図8は、各物質のスペクトラルHUカーブの一例を示す図である。この図において、Cio+b1は造影剤濃度が1%の血液、Cio+b5は造影剤濃度が5%の血液、Cio+b10は造影剤濃度が10%の血液、Cca1は低濃度のカルシウム、Cca2は中濃度のカルシウム、Cca3
は高濃度のカルシウム、Cfat1は低濃度の脂肪、Cfat2は中濃度の脂肪、Cfat3は高濃度の脂肪、Cwは水のカーブをそれぞれ示している。
図8に示すように、各物質のスペクトラルHUカーブの形状と絶対値は、その物質の種類と密度によって異なるため、スペクトラルHUカーブの形状や絶対値から、そのカーブが得られた画像領域の物質の種類と密度を特定することができる。
類似カーブ検出部57は、スペクトラルHUカーブ記憶部56に記憶されている各物質のスペクトラルHUカーブの中で、関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIと形状が類似するカーブを検出する。類似カーブ検出部57による類似カーブ検出処理の一例を以下に示す。
図9は、類似カーブ検出処理の流れを示すフロー図である。また、図10は、この類似カーブ検出処理を概念的に示す図である。
ステップ(step)T1では、図10に示すように、関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIを、実効X線エネルギーの軸方向に第1の実効X線エネルギー幅ΔE1、例えば20〜50〔keV〕の幅で複数の領域Q11,Q12,・・・,Q1nに区分する。なお図10は、ΔE1=20〔keV〕とし、実効X線エネルギーE=40〜140〔keV〕を5つに区分した場合の例である。
ステップT2では、関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIについて、区分領域ごとにおける、その第1の実効X線エネルギー幅ΔE1に対する画素値の変化量ΔgROI,Q11,ΔgROI,Q12,・・・,ΔgROI,Q1nを求める。
ステップT3では、スペクトラルHUカーブ記憶部56に記憶されている各物質のスペクトラルHUカーブの中から、関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIの比較対象として、所定のスペクトラルHUカーブCBを選択する。
ステップT4では、関心領域ROIの場合と同様、比較対象のスペクトラルHUカーブCBを、実効X線エネルギーの軸方向に第1の実効X線エネルギー幅ΔE1で複数の領域Q11,Q12,・・・,Q1nに区分する。
ステップT5では、物質BのスペクトラルHUカーブCBについて、区分領域ごとにおける、その第1の実効X線エネルギー幅ΔE1に対する画素値の変化量ΔgB,Q11,ΔgB,Q12,・・・,ΔgB,Q1nを求める。
ステップT6では、区分領域ごとに、互いに対応する区分領域の画素値の変化量同士でずれ量を求め、これらのずれ量に基づいてスペクトラルHUカーブの類否判定を行う。
例えば、変化量ΔgB,Q11に対する変化量ΔgROI,Q11の比rQ11、変化量ΔgB,Q12に対する変化量ΔgROI,Q12の比rQ12、・・・、変化量ΔgB,Q1nに対するΔgROI,Q1nの比rQ1nを順次算出してゆく。そして、それらの比rQ11,rQ12,・・・,rQ1nがすべて1に近い所定範囲内、例えば、0.9〜1.1の範囲内であれば、比較対象として選択されているスペクトラルHUカーブCBを、関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIに類似するカーブであると判定し、検出処理を終える。なお、この所定範囲は、操作者の操作に応じて調整可能にするとよい。
一方、それらの比rQ11,rQ12,・・・,rQ1nのうち1つでも所定範囲外であれば、比較対象のスペクトラルHUカーブCBは、関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIに類似するカーブではないと判定し、ステップT7に進む。
ステップT7では、選択されているスペクトラルHUカーブが、比較対象として最後のカーブであるか否かを判定する。最後のカーブであれば、ステップT8に進み、最後のカーブでなければ、ステップT3に戻り、関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIの比較対象として、未だ比較していない別のスペクトラルHUカーブを選択し直し、検出処理を続ける。
ステップT8では、図10に示すように、関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIを、第1の実効X線エネルギー幅ΔE1より小さい第2の実効X線エネルギー幅ΔE2、例えば5〜10〔keV〕の幅で複数の領域Q21,Q22,・・・,Q2nに区分する。なお図10は、ΔE2=10〔keV〕とした場合の例である。
ステップT9では、関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIについて、区分領域ごとにおける、その第2の実効X線エネルギー幅ΔE2に対する画素値の変化量ΔgROI,Q21,ΔgROI,Q22,・・・,ΔgROI,Q2nを求める。
ステップT10では、スペクトラルHUカーブ記憶部56に記憶されている各スペクトラルHUカーブの中から、関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIの比較対象として、所定のスペクトラルHUカーブCBを選択する。
ステップT11では、関心領域ROIの場合と同様、比較対象のスペクトラルHUカーブCBを、実効X線エネルギーの軸方向に第2の実効X線エネルギー幅ΔE2で複数の領域Q21,Q22,・・・,Q2nに区分する。
ステップT12では、比較対象のスペクトラルHUカーブCBについて、区分領域ごとにおける、その第2の実効X線エネルギー幅ΔE2に対する画素値の変化量ΔgB,Q21,ΔgB,Q22,・・・,ΔgB,Q2nを求める。
ステップT13では、区分領域ごとに、互いに対応する区分領域の画素値の変化量同士でずれ量を求め、これらのずれ量に基づいてスペクトラルHUカーブの類否判定を行う。
例えば、変化量ΔgB,Q21に対する変化量ΔgROI,Q21の比rQ21、変化量ΔgB,Q22に対する変化量ΔgROI,Q22の比rQ22、・・・、変化量ΔgB,Q2nに対するΔgROI,Q2nの比rQ2nを順次算出してゆく。そして、それらの比rQ21,rQ22,・・・,rQ2nがすべて1に近い所定範囲内、例えば、0.9〜1.1の範囲内であれば、比較対象のスペクトラルHUカーブCBを、関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIに類似するカーブであると判定し、検出処理を終える。なお、このとき、上記所定範囲をより広げ、例えば0.85〜1.15の範囲などとして、類否判定の条件を緩和してもよい。また、この所定範囲は、操作者の操作に応じて調整可能とし、さらには、区分領域ごとに調整を可能にするとよい。
一方、それらの比rQ21,rQ22,・・・,rQ2nのうち1つでも所定範囲外であれば、比較対象のスペクトラルHUカーブCBは、関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIに類似するカーブではないと判定し、ステップT14に進む。
ステップT14では、選択されているスペクトラルHUカーブが、比較対象として最後のカーブであるか否かを判定する。最後のカーブであれば、検出処理を終了し、最後のカーブでなければ、ステップT10に戻り、区分する実効X線エネルギー幅を第2の実効X線エネルギー幅ΔE2としてから、関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIの比較対象として、未だ比較していない別のスペクトラルHUカーブを選択し直し、検出処理を続ける。
このように、スペクトラルHUカーブを区分する実効X線エネルギー幅ΔEを、大から小へと段階的に切り換えることで、検出処理に要する時間を効率よく低減することができる。被検体に含まれる物質は、被検体の種類が分かっていれば、かなり限定的に特定することが可能である。したがって、関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIは、通常、スペクトラルHUカーブ記憶部56に記憶されているいずれかの物質のスペクトラルHUカーブと比較的高い類似度で類似すると考えられる。そのため、まずは、計算量の少ない比較的粗い類否判定を行い、検出処理に時間を掛けないようにする。そして、仮に、その粗い類否判定で検出漏れが発生しても、その後の比較的細かい類否判定で検出漏れを防ぐようにする。
ちなみに、スペクトラルHUカーブの類否判定は、少なくとも1つの実効X線エネルギーの区分領域に対する画素値の変化量を基に行うことができるが、1つの区分領域に対する画素値の変化量を基に行うより、複数の区分領域に対する画素値の変化量を基に行う方が判定精度はよくなる。したがって、通常であれば複数の区分領域、好ましくは3つ以上の区分領域、さらに好ましくは5つ以上の区分領域に対する画素値の変化量を基に行うようにする。
なお、このような検出処理を行っても、関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIに類似するカーブが検出されなかった場合には、このスペクトラルHUカーブCROIを、新規の物質のスペクトラルHUカーブとして登録し、スペクトラルHUカーブ記憶部56に記憶させる。また、色も新規で割り当て、このスペクトラルHUカーブCROIに対応付けて記憶させる。そして、このスペクトラルHUカーブCROI自身を、検出されたスペクトラルHUカーブCdとして扱う。
なお、比較対象となる各スペクトラルHUカーブCBの変化量ΔgB,Q11,ΔgB,Q12,・・・,ΔgB,Q1nは、想定される各実効X線エネルギー幅ΔE1,ΔE2,・・・について先に求めておき、それらをスペクトラルHUカーブ記憶部56に予め記憶させておいてもよい。これにより、検出処理に要する時間をさらに短縮することができる。
また、本例では、各区分領域における所定の実効X線エネルギー幅に対する画素値の変化量のずれ量がすべて所定範囲内である場合に、比較対象のスペクトラルHUカーブCBは、関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIに類似するカーブであると判定している。しかし、例えば、それら変化量のずれ量のうち1または複数の所定の一部がすべて所定範囲内である場合に、比較対象のスペクトラルHUカーブCBは、関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIに類似するカーブであると判定してもよい。この所定の一部は、カーブの形状の特徴が現れやすい、実効X線エネルギーが相対的に低い側の区分領域におけるずれ量にするとよい。
また、本例では、スペクトラルHUカーブの類否判定において、各区分領域における所定の実効X線エネルギー幅に対する画素値の変化量のずれ量を基に行っているが、さらに、スペクトラルHUカーブにおける画素値を基に行ってもよい。
類似領域特定部58は、参照画像Grにおける関心領域ROI以外の各画像領域R1,R2,・・・,Rmのうち、スペクトラルHUカーブ取得部55により取得されたスペクトラルHUカーブが、類似カーブ検出部57により検出されたスペクトラルHUカーブCdと類似する領域を特定する。この際、検出されたスペクトラルHUカーブCdと同じ物質シリーズのスペクトラルHUカーブ、すなわちスペクトラルHUカーブCdと物質の種類が同じで濃度が異なるスペクトラルHUカーブがある場合には、そのカーブと類似する領域も特定する。類否判定は、類似カーブ検出部57による類否判定と同様な処理により行う。
例えば、各画像領域R1,R2,・・・,Rmのうち1つの画像領域を選択し、その選択された画像領域RiにおけるスペクトラルHUカーブCRiを取得する。検出されたスペクトラルHUカーブCdおよび同じ物質シリーズのスペクトラルHUカーブの中から1つのスペクトラルHUカーブを、比較対象のスペクトラルHUカーブCdiとして選択する。画像領域RiにおけるスペクトラルHUカーブCRiと、比較対象のスペクトラルHUカーブCdiとを、実効X線エネルギーの軸方向に所定の実効X線エネルギー幅ΔEで複数の領域にそれぞれ区分する。区分領域ごとに同じ区分領域の画素値の変化量同士でずれ量を求め、これらのずれ量に基づいてスペクトラルHUカーブの類否判定を行う。ここで、両カーブが互いに類似していないと判定された場合、比較対象のスペクトラルHUカーブを変えて、同様の類否判定を行う。このような類否判定処理を、各画像領域R1,R2,・・・,Rmについて順次行う。
取得されたスペクトラルHUカーブが、類似カーブ検出部57により検出されたスペクトラルHUカーブまたは同じ物質シリーズのスペクトラルHUカーブに類似していると判定された画像領域を、関心領域ROIとエネルギー特性が類似する類似領域として特定する。このとき、類似していると判定されたスペクトラルHUカーブから、その類似領域の物質密度が特定される。
図11は、スペクトラルHUカーブが関心領域ROIに類似する類似領域RRが特定された参照画像Grの一例を示す図である。
表示制御部53は、類似領域特定部58により類似領域が特定されると、その類似領域が強調された参照画像Grを表示する。強調表示の方法としては、類似領域に網掛けなどの所定のパターンやテクスチャを半透明にして重ねて表示したり、類似領域の輪郭を太線で描いて強調したりするなど、種々の方法が考えられるが、本例では、類似カーブ検出部57により検出されたスペクトラルHUカーブCdと対応付けて記憶されている色で、類似領域を半透明に着色して表示する。この際、類似領域の物質密度の大きさに応じて色の濃さを変える。例えば、物質密度が大きいときは色を濃くし、小さいときは色を薄くする。
なお、本例では、このような着色表示を、関心領域ROIに対しても同様に行う。
図12は、関心領域ROIおよび類似領域RRが着色表示された参照画像Grの一例を示す図である。
これより、第一実施形態のX線CT装置における処理の流れについて説明する。
図13は、第一実施形態のX線CT装置における処理の流れを示すフロー図である。なおこの図において、「SHUカーブ」は、スペクトラルHUカーブの略称である。
ステップ(step)S1では、デュアルエネルギー撮影制御部51が、撮影テーブル10および走査ガントリ20を制御してデュアルエネルギー撮影を行い、第1および第2の投影データPHV,PLVを収集する。
ステップS2では、画像再構成部52が、ステップS1で収集された第1および第2の投影データPHV,PLVを基に、第1および第2の管電圧画像GHV,GLVを再構成する。そして、さらに、第1および第2の管電圧画像GHV,GLVを、互いに異なる2種類の重み付けにより加重減算処理して、水密度画像Gwおよびヨウ素密度画像Gioを再構成する。
ステップS3では、画像再構成部52が、ステップS2で再構成された水密度画像Gwおよびヨウ素密度画像Gioを、所定の重み付けにより加重加算処理して、所定の実効X線エネルギーのモノクロマチック画像Gmを再構成する。
ステップS4では、表示制御部53が、ステップS3で再構成されたモノクロマチック画像Gmを参照画像Grとしてモニタ6に表示する。
ステップS5では、関心領域設定部54が、モニタ6に表示された参照画像Gr上において、操作者の操作に応じて関心領域ROIを設定する。
ステップS6では、スペクトラルHUカーブ取得部55が、画像再構成部52を用いて、関心領域ROIに対する複数の実効X線エネルギーのモノクロマチック画像を求め、関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIを取得する。
ステップS7では、類似カーブ検出部57が、スペクトラルHUカーブ記憶部56に記憶されている各物質のスペクトラルHUカーブの中で、関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIに類似するスペクトラルHUカーブを検出する。
ステップS8では、類似カーブ検出部57が、類似のスペクトラルHUカーブが検出されたか否かを判定する。検出されなかった場合にはステップS9に進み、検出された場合にはステップS10に進む。
ステップS9では、類似カーブ検出部57が、関心領域ROIに対応する物質を新規の物質として登録する。すなわち、関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIを、新規のスペクトラルHUカーブとしてスペクトラルHUカーブ記憶部56に記憶させるとともに、関心領域ROIに対応する物質に対して新規の色を割り当て、このカーブと対応付けて記憶させる。
ステップS10では、表示制御部53が、ステップS7で検出された類似のスペクトラルHUカーブ、またはステップS9で登録された新規のスペクトラルHUカーブと対応付けて記憶されている色を、関心領域ROIおよび類似領域の着色に用いる色すなわちマッピング色MCとして決定する。
ステップS11では、表示制御部53が、ステップS7で検出された類似のスペクトラルHUカーブから、関心領域ROIの物質密度を特定する。なお、ステップS9で新規のスペクトラルHUカーブが登録された場合には、その新規のスペクトラルHUカーブは標準的な物質密度のカーブであると想定し、関心領域ROIの物質密度を標準的な所定の物質密度として特定する。
ステップS12では、表示制御部53が、参照画像Grにおける関心領域ROIを、ステップS10で決定されたマッピング色MCで半透明に着色する。この際、ステップS11で特定された関心領域ROIの物質密度に応じた濃さで着色する。
ステップS13では、スペクトラルHUカーブ取得部55が、関心領域ROI以外の各画像領域R1,R2,・・・,RmのうちスペクトラルHUカーブを未だ生成・取得していないものを1つ選択する。
ステップS14では、スペクトラルHUカーブ取得部55が、選択された画像領域(以下、選択領域という)のスペクトラルHUカーブを生成して取得する。
ステップS15では、類似領域特定部58が、ステップS14で取得された選択領域のスペクトラルHUカーブが、上記の類似または新規のスペクトラルHUカーブに類似しているか否かを判定する。類似している場合にはステップS16に進み、類似していない場合にはステップS18に進む。
ステップS16では、表示制御部53が、選択領域のスペクトラルHUカーブにおける画素値の大きさから、選択領域の物質濃度を特定する。
ステップS17では、表示制御部53が、参照画像Grにおける選択領域を、関心領域ROIの類似領域としてマッピング色MCで半透明に着色する。この際、選択領域の物質密度に応じた濃さで着色する。
ステップS18では、スペクトラルHUカーブ取得部55が、現在の選択領域は最後の画像領域か否かを判定する。最後であれば処理を終了し、最後でなければステップS14に戻り、処理を続行する。
以上、第一実施形態によれば、参照画像Gr上において、関心領域ROIと、スペクトラルHUカーブすなわちX線吸収特性が関心領域ROIに類似する画像領域とを、同じ色で着色表示(レイヤー表示)することができ、関心領域ROIと同一または類似の物質に相当する画像領域を抽出することができる。
また、着色する色すなわちマッピング色MCは、物質の種類に応じて決められているので、その色から物質の種類を認識することもできる。
また、着色される画像領域は、その画像領域の物質密度に応じた濃さで色付けされるので、色の濃さでその物質密度を認識することができる。
また、スペクトラルHUカーブ記憶部56に記憶されている各物質のスペクトラルHUカーブの中から、関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIに類似するカーブを検出できない場合には、その関心領域ROIに対応する物質を新規の物質として登録し、そのスペクトラルHUカーブCROIを新たに記憶させる。そのため、次回以降に、その新規の物質と同じようなスペクトラルHUカーブの画像領域を関心領域ROIとして設定した場合には、既に登録されている物質として認識することができ、一種の学習機能を持たせることができる。
(第二実施形態)
図14は、第二実施形態のX線CT装置の画像表示に関る部分の機能ブロック図である。
第二実施形態のX線CT装置100aは、第一実施形態をベースに、スペクトラルHUカーブ記憶部56および類似カーブ検出部57を省いた構成である。
第一実施形態では、予め記憶させてある各物質のスペクトラルHUカーブの中から、関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIと類似するカーブを検出し、関心領域ROI以外の各画像領域のうち、スペクトラルHUカーブがその検出されたカーブに類似する画像領域を特定し強調して表示する。
一方、第二実施形態では、関心領域ROI以外の各画像領域R1,R2,・・・,Rmのうち、取得されたスペクトラルHUカーブが関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIに類似する画像領域を特定し強調して表示する。その以外は第一実施形態と同様である。
以上、発明の実施形態について説明したが、発明の実施形態は上記の実施形態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形や追加が可能である。
例えば、上記の実施形態において、スペクトラルHUカーブの類否判定は、比較する2つのスペクトラルHUカーブのそれぞれにおいて、所定の実効X線エネルギーでの画素値と、他の所定の実効X線エネルギーでの画素値との比(CT値比)を1または複数求め、互いに対応する比のずれ量の大小を基に行ってもよい。あるいは、スペクトラルHUカーブ同士をフィッティング(fitting)して、そのカーブにおける画素値の分散または標準偏差を求め、その分散または標準偏差の大小を基に行ってもよい。
また例えば、上記の実施形態において、類似領域の物質密度は、その領域のスペクトラルHUカーブにおける画素値の大きさから特定してもよい。スペクトラルHUカーブは、物質の種類が同じでその密度が少しだけ異なる場合、そのカーブの形状は類似しており、そのカーブにおける画素値の大きさはその物質密度の違いに応じた量だけ相対的にシフトする。したがって、そのスペクトラルHUカーブにおける画素値の大きさから物質密度を求めることも可能である。
また例えば、上記の実施形態において、表示制御部53は、関心領域ROIのスペクトラルHUカーブCROIや検出された類似のスペクトラルHUカーブを、参照画像Grの表示画面上に表示してもよい。
また例えば、上記の実施形態は、撮影テーブル10、走査ガントリ20、デュアルエネルギー撮影制御部51などで構成される撮影手段を備えているX線CT装置であるが、このような撮影手段を備えていない画像処理装置や画像表示装置も、発明の実施形態の一例である。また、コンピュータをこのような画像処理装置や画像表示装置として機能させるためのプログラムも発明の実施形態の一例である。
1 操作コンソール
2 入力装置
3 中央処理装置
5 データ収集バッファ
6 モニタ
7 記憶装置
10 撮影テーブル(撮影手段)
12 クレードル
15 回転部
16 支持部
20 走査ガントリ(撮影手段)
21 X線管
22 X線管コントローラ
23 コリメータ
24 X線検出器
25 データ収集装置
26 回転部コントローラ
29 制御コントローラ
30 スリップリング
40 被検体(撮影対象)
51 デュアルエネルギー撮影制御部(撮影手段)
52 画像再構成部(再構成手段および算出手段)
53 表示制御部(表示手段)
54 関心領域設定部(設定手段)
55 スペクトラルHUカーブ取得部(第1および第2の取得手段)
56 スペクトラルHUカーブ記憶部(記憶手段)
57 類似カーブ検出部(検出手段)
58 類似領域特定部(特定手段)
81 X線
100 X線CT装置

Claims (20)

  1. 撮影対象のデュアルエネルギー撮影により収集された、第1のX線による第1の投影データおよび該第1のX線とはエネルギーが異なる第2のX線による第2の投影データのうち少なくとも一方に基づいて、所定の画像を再構成する再構成手段と、
    前記第1および第2の投影データに基づく所定の計算により、所望の実効X線エネルギーを有するX線を用いた撮影により得られる画像に相当するモノクロマチック画像における所望の画素の画素値を算出する算出手段と、
    前記所定の画像における各画像領域について、前記算出手段により算出される複数の実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における該画像領域の画素値に基づいて、実効X線エネルギーと該実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における該画像領域の代表的な画素値との関係を取得する取得手段と、
    前記各画像領域のうち、前記取得手段により取得された関係が、実効X線エネルギーと該実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における所定の物質に対応する画素値との関係と類似する画像領域を特定する特定手段とを備えている画像処理装置。
  2. 前記複数の実効X線エネルギーは、3つ以上の実効X線エネルギーである請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 撮影対象のデュアルエネルギー撮影により収集された、第1のX線による第1の投影データおよび該第1のX線とはエネルギーが異なる第2のX線による第2の投影データのうち少なくとも一方に基づいて、所定の画像を再構成する再構成手段と、
    前記第1および第2の投影データに基づく所定の計算により、所望の実効X線エネルギーを有するX線を用いた撮影により得られる画像に相当するモノクロマチック画像における所望の画素の画素値を算出する算出手段と、
    前記所定の画像における関心領域を設定する設定手段と、
    前記所定の画像における前記関心領域について、前記算出手段により算出される複数の実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における該関心領域の画素値に基づいて、実効X線エネルギーと該実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における該関心領域の代表的な画素値との関係を取得する第1の取得手段と、
    実効X線エネルギーと該実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における所定の物質に対応する画素値との関係を、1または複数の物質について記憶する記憶手段と、
    前記記憶されている関係の中で、前記取得された関係と類似する関係を検出する検出手段と、
    前記所定の画像における前記関心領域とは異なる各画像領域について、前記算出手段により算出される複数の実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における該画像領域の画素値に基づいて、実効X線エネルギーと該実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における該画像領域の代表的な画素値との関係を取得する第2の取得手段と、
    前記各画像領域のうち、前記第2の取得手段により取得された関係が前記検出された関係と類似する画像領域を特定する特定手段と、
    前記特定された画像領域が強調された前記所定の画像を表示する表示手段とを備えている画像表示装置。
  4. 前記複数の実効X線エネルギーは、3つ以上の実効X線エネルギーである請求項3に記載の画像表示装置。
  5. 前記検出手段は、前記第2の取得手段により取得された関係と前記記憶されている関係とにおける少なくとも1つの実効X線エネルギーの区分領域に対する画素値の変化量に基づいて、前記類似する関係を検出する請求項3または請求項4に記載の画像表示装置。
  6. 前記検出手段は、複数の実効X線エネルギーの区分領域に対する画素値の変化量に基づいて、前記類似する関係を検出する請求項5に記載の画像表示装置。
  7. 前記表示手段は、前記特定された画像領域を着色して表示する請求項3から請求項6に記載の画像表示装置。
  8. 前記着色する色は、前記検出された関係と対応付けられている色である請求項7に記載の画像表示装置。
  9. 前記1または複数の物質は、ヨウ素、カルシウム、脂肪、水、またはこれらのうち少なくとも1つを含む混合物質を含んでいる請求項3から請求項8のいずれか一項に記載の画像表示装置。
  10. 撮影対象のデュアルエネルギー撮影により収集された、第1のX線による第1の投影データおよび該第1のX線とはエネルギーが異なる第2のX線による第2の投影データのうち少なくとも一方に基づいて、所定の画像を再構成する再構成手段と、
    前記第1および第2の投影データに基づく所定の計算により、所望の実効X線エネルギーを有するX線を用いた撮影により得られる画像に相当するモノクロマチック画像における所望の画素の画素値を算出する算出手段と、
    前記所定の画像における関心領域を設定する設定手段と、
    前記所定の画像における前記関心領域について、前記算出手段により算出される複数の実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における該関心領域の画素値に基づいて、実効X線エネルギーと該実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における該関心領域の代表的な画素値との関係を取得する第1の取得手段と、
    前記所定の画像における前記関心領域とは異なる各画像領域について、前記算出手段により算出される複数の実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における該画像領域の画素値に基づいて、実効X線エネルギーと該実効X線エネルギーのモノクロマチック画像における該画像領域の代表的な画素値との関係を取得する第2の取得手段と、
    前記各画像領域のうち、前記第2の取得手段により取得された関係が前記第1の取得手段により取得された関係と類似する画像領域を特定する特定手段と、
    前記特定された画像領域が強調された前記所定の画像を表示する表示手段とを備えている画像表示装置。
  11. 前記複数の実効X線エネルギーは、3つ以上の実効X線エネルギーである請求項10に記載の画像表示装置。
  12. 前記特定手段は、前記第1の取得手段により取得された関係と第2の取得手段により取得された関係とにおける少なくとも1つの実効X線エネルギーの区分領域に対する画素値の変化量に基づいて、前記類似する画像領域を特定する請求項10または請求項11に記載の画像表示装置。
  13. 前記特定手段は、複数の実効X線エネルギーの区分領域に対する画素値の変化量に基づいて、前記類似する画像領域を特定する請求項12に記載の画像表示装置。
  14. 前記表示手段は、前記特定された画像領域を着色して表示する請求項10から請求項13のいずれか一項に記載の画像表示装置。
  15. 前記表示手段は、前記特定された画像領域に対して取得された関係に基づいて求められる該画像領域の物質密度の大きさに応じて、該特定された画像領域を着色する色の濃さを変える請求項7、請求項8または請求項14に記載の画像表示装置。
  16. 前記関心領域は、複数画素の領域であり、
    前記関心領域の代表的な画素値は、該複数画素の画素値の平均値または加重平均値である請求項3から請求項15のいずれか一項に記載の画像表示装置。
  17. 前記各画像領域は、単一画素の領域であり、
    前記画像領域の代表的な画素値は、該画像領域に対応する単一画素の画素値である請求項3から請求項16のいずれか一項に記載の画像表示装置。
  18. 前記各画像領域は、複数画素の領域であり、
    前記画像領域の代表的な画素値は、該画像領域に対応する複数画素の画素値の平均値または加重平均値である請求項3から請求項16のいずれか一項に記載の画像表示装置。
  19. コンピュータを、請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の装置として機能させるためのプログラム。
  20. 前記デュアルエネルギー撮影を行う撮影手段と、請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の装置とを備えているX線CT装置。
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