JPWO2016080311A1 - X線ct装置、投影データのアップサンプリング方法、及び画像再構成方法 - Google Patents

X線ct装置、投影データのアップサンプリング方法、及び画像再構成方法 Download PDF

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Abstract

X線CT装置においてヘリカル撮影等を行う場合において、より実測値に近いアップサンプリング投影データを得る。X線焦点位置を複数の位置に移動して投影データを得るFFS法において、回転速度を落とすことなく有効視野全体の空間分解能を向上し、X線CT装置は、ヘリカル撮影により得た投影データをノーマル撮影1回転分の投影データに変換し、変換した投影データにおけるX線透過経路が略一致する仮想対向データ空間を生成して、ビュー方向にアップサンプリングすし、またX線焦点位置をシフトさせながらヘリカル撮影を行うことにより得た焦点シフト投影データについても同様にFFS投影データをビュー方向にアップサンプリングする(仮想対向データ空間生成)。

Description

本発明は、X線CT装置、投影データのアップサンプリング方法、及び画像再構成方法に関し、詳細には、ヘリカル撮影または連続往復撮影等により計測した被検体投影データのビュー数、チャンネル数、または列数を演算により増加させるアップサンプリング投影データの生成、及びアップサンプリング投影データを用いた画像再構成方法に関する。
X線CT装置は、X線管装置(X線源)とX線検出器とを対向配置させた状態で被検体の周囲を周回させ、複数の回転角度方向(ビュー)からX線を照射してビュー毎に被検体を透過したX線を検出し、検出した投影データに基づいて被検体の断層像を生成する装置である。このようなX線CT装置では、X線管装置及びX線検出器の周回とともに寝台とスキャンガントリとを体軸方向に相対的に移動させることにより、螺旋上にスキャンを行うヘリカル撮影が行われている。また、X線CT装置では、画像の空間分解能を向上させるために、例えば1回転あたりのビュー数を増加させて撮影する方法が提案されている。
しかし、データ収集装置のサンプリングレート等はハードウェアの限界等により制限されてしまう。
一方、特許文献1には、取得した投影データのビュー数を演算により増加させる方法が記載されている。特許文献1の手法では、選択したビュー範囲内で投影データを補間し、補間ビューを作成する。一般に、補間とは、対象とする点の周囲の複数の点の値を用いて対象とする点の値を求めることである。
特開2001-286462号公報
しかしながら、X線CT装置ではビューが異なれば異なるX線透過経路を通過するデータとなる。したがって、隣接するビューの間隔が大きい場合は、隣り合う2つのビューの値のみを用いて補間ビューの値を求めると、実際の被検体の情報とは異なる情報が含まれることとなる。したがって、特許文献1の手法でアップサンプリングされた投影データを利用して画像を再構成すると、その画像には作りこまれた情報が含まれることとなり、臨床上問題である。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ヘリカル撮影等を行う場合において、より実測値に近いアップサンプリング投影データを得ることが可能なX線CT装置等を提供することである。
前述した目的を達成するために本発明は、X線を照射するX線管装置と、前記X線管装置に対向配置され、被検体を透過したX線である透過X線を検出するX線検出器と、前記X線管装置及び前記X線検出器を搭載し、前記被検体の周囲を回転する回転盤と、前記回転盤を搭載するスキャンガントリと、前記被検体が載置される寝台と、前記回転盤を回転させながら前記寝台と前記スキャンガントリとを体軸方向へ相対移動させて前記X線検出器で検出された透過X線のデータを収集する撮影制御部と、収集した透過X線のデータに所定のデータ処理を施して目的のスライス位置における断層像の再構成に必要な投影データを生成する投影データ変換部と、前記投影データにおけるX線透過経路が略一致する対向データからなる仮想対向データを生成することにより前記投影データをアップサンプリングするアップサンプリング投影データ生成部と、アップサンプリングされた投影データであるアップサンプリング投影データを用いて画像を再構成する再構成演算部と、前記再構成演算部により再構成された画像を表示する表示部と、を備えることを特徴とするX線CT装置である。
また本発明は、複数の焦点位置からX線を照射するX線管装置と、前記X線管装置に対向配置され、被検体を透過したX線である透過X線を検出するX線検出器と、前記X線管装置及び前記X線検出器を搭載し、前記被検体の周囲を回転する回転盤と、前記回転盤を搭載するスキャンガントリと、前記被検体が載置される寝台と、前記焦点位置を任意の位置にシフトさせて照射された各X線による前記透過X線のデータを、前記回転盤を回転させながら前記寝台と前記スキャンガントリとを体軸方向へ相対移動させて収集する焦点シフト撮影制御部と、収集した各焦点位置からの前記透過X線のデータに所定のデータ処理を施して目的のスライス位置における断層像の再構成に必要な投影データを生成する投影データ変換部と、前記投影データにおけるX線透過経路が略一致する対向データからなる仮想対向データを生成することによりビュー方向に仮想ビューを生成するとともに、前記仮想ビューが挿入された各焦点位置の投影データを組み合わせることによりアップサンプリング投影データを生成するアップサンプリング投影データ生成部と、前記アップサンプリング投影データを用いて画像を再構成する再構成演算部と、前記再構成演算部により再構成された画像を表示する表示部と、を備えることを特徴とするX線CT装置である。
また本発明は、画像演算装置が実行する、X線CT装置の回転盤を回転させながら寝台とスキャンガントリとを体軸方向へ相対移動させる撮影により計測された被検体透過X線のデータを収集するステップと、収集した被検体透過X線のデータに所定のデータ処理を施すことにより目的のスライス位置における断層像の再構成に必要な投影データを生成するステップと、前記投影データにおけるX線透過経路が略一致する対向データからなる仮想対向データを生成することにより前記投影データをアップサンプリングするステップと、を含むことを特徴とする投影データのアップサンプリング方法である。
また本発明は、X線管装置におけるX線焦点位置を複数箇所にシフトさせて照射した各X線による透過X線のデータを、回転盤を回転させながら寝台とスキャンガントリとを体軸方向へ相対移動させて収集するステップと、収集した各焦点位置からの前記透過X線のデータに所定のデータ処理を施して目的のスライス位置における断層像の再構成に必要な投影データを生成するステップと、前記投影データにおけるX線透過経路が略一致する対向データからなる仮想対向データを生成することによりビュー方向に仮想ビューを生成するとともに、前記仮想ビューが挿入された各焦点位置の投影データを組み合わせることによりアップサンプリング投影データを生成するステップと、前記仮想ビューを挿入せずに各焦点位置の投影データを組み合わせた焦点シフト投影データを生成するステップと、画像面内における所定の境界より画像中心に近い中心領域で前記焦点シフト投影データを用い、前記境界より外側の周辺領域で前記アップサンプリング投影データを用いて画像を再構成するステップと、を含むことを特徴とする画像再構成方法である。
本発明により、ヘリカル撮影等を行う場合において、より実測値に近いアップサンプリング投影データを得ることが可能なX線CT装置等を提供できる。
X線CT装置1の全体構成図 ヘリカル撮影において、目的のスライス位置で投影データを取得する方法について示す図 仮想対向データ空間を用いたアップサンプリング方法について説明する図 (a)2点による補間、(b)4点による補間、(c)TV法による補間を示す図 X線CT装置1が実行する処理全体の流れを説明するフローチャート 画像演算装置122のアップサンプリング投影データ生成部127が実行するアップサンプリング処理の手順を示すフローチャート 隣接するビューVa,Vbと仮想ビューVcの計測時の位置関係を示す図 (a)単純ビュー補間におけるアップサンプリングと、(b)本発明によるアップサンプリングとの違いを説明する図 チャンネル方向へのアップサンプリングについて説明する図 第2の実施の形態のX線CT装置1Aの全体構成図 X線CT装置1Aが実行する処理全体の流れを説明するフローチャート アップサンプリング投影データ生成処理(A)の流れを説明するフローチャート アップサンプリング投影データ生成処理(A)の手順を示す概念図 アップサンプリング投影データ生成処理(B)の流れを説明するフローチャート アップサンプリング投影データ生成処理(B)の手順を示す概念図 アップサンプリング投影データ生成処理(C)の流れを説明するフローチャート アップサンプリング投影データ生成処理(C)の手順を示す概念図 アップサンプリング投影データ生成処理(D)の流れを説明するフローチャート アップサンプリング投影データ生成処理(D)の手順を示す概念図 部分的にビュー数が異なるアップサンプリング投影データ518について説明する図 画像の中心領域604と周辺領域603とにおける空間分解能の変化について説明する図 再構成演算処理の流れを説明するフローチャート 図22の再構成演算処理に使用する投影データの態様を示す図 第3の実施の形態の再構成演算処理について説明する図 第3の実施の形態の再構成演算処理において適用する重み係数の例 第4の実施の形態の再構成演算処理の流れを説明するフローチャート 第4の実施の形態の再構成演算処理において適用する重み係数の例 第4の実施の形態の再構成演算処理の流れを説明するフローチャート 第5の実施の形態の再構成演算処理において設定されるROIと、各領域に使用する投影データについて説明する概念図 第5の実施の形態の再構成演算処理の流れを説明するフローチャート 第6の実施の形態の再構成演算処理において、画像中心からの距離に応じて異なるビュー数でアップサンプリングした投影データを用いて再構成した画像を合成する例を示す図 図31の例において、境界付近で領域が滑らかになるように重み付けして画像を合成する例を示す図 図32の例における領域数をn個の領域に拡張した例を示す図
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、X線CT装置1の全体構成について説明する。
図1に示すように、X線CT装置1は、スキャンガントリ部100と操作卓120とを備える。
スキャンガントリ部100は、被検体に対してX線を照射するとともに被検体を透過したX線を検出する装置であり、X線管装置(X線源)101、回転盤102、コリメータ103、X線検出器106、データ収集装置107、ガントリ制御装置108、寝台制御装置109、及びX線制御装置110を備える。
回転盤102には開口部104が設けられ、開口部104を介してX線管装置101とX線検出器106とが対向配置される。開口部104に寝台105に載置された被検体が挿入される。回転盤102は、ガントリ制御装置108によって制御される回転盤駆動装置から駆動伝達系を通じて伝達される駆動力によって被検体の周囲を回転する。
操作卓120は、スキャンガントリ部100の各部を制御するとともにスキャンガントリ部100で計測した投影データを取得して画像の生成及び表示を行う装置である。操作卓120は、入力装置121、画像演算装置122、記憶装置123、システム制御装置124、及び表示装置125を備える。
X線管装置101はX線源であり、X線制御装置110に制御されて所定の強度のX線を連続的または断続的に照射する。X線制御装置110は、操作卓120のシステム制御装置124により決定されたX線管電圧及びX線管電流に従って、X線管装置101に印加または供給するX線管電圧及びX線管電流を制御する。
X線管装置101のX線照射口にはコリメータ103が設けられる。コリメータ103は、X線管装置101から放射されたX線の照射範囲を制限する。例えばコーンビーム(円錐形または角錐形ビーム)等に成形する。コリメータ103の開口幅はシステム制御装置124により制御される。
X線管装置101から照射され、コリメータ103を通過し、被検体を透過した透過X線はX線検出器106に入射する。
X線検出器106は、例えばシンチレータとフォトダイオードの組み合わせによって構成されるX線検出素子群をチャンネル方向(周回方向)に例えば1000個程度、列方向(体軸方向)に例えば1〜320個程度配列したものである。X線検出器106は、被検体を介してX線管装置101に対向するように配置される。X線検出器106は、X線管装置101から照射されて被検体を透過したX線量を検出し、データ収集装置107に出力する。
データ収集装置107は、X線検出器106の個々のX線検出素子により検出されるX線量をビュー毎に収集し、ディジタルデータに変換し、透過X線データとして操作卓120の画像演算装置122に順次出力する。
画像演算装置122は、データ収集装置107から入力された透過X線データを取得し、対数変換、感度補正等の前処理を行って再構成に必要な投影データを作成する。
また画像演算装置122は、投影データ変換部126とアップサンプリング投影データ生成部127と画像再構成演算部128とを備える。
投影データ変換部126は、ヘリカル撮影や連続往復撮影等の回転盤102を回転させながら寝台105とスキャンガントリ部100とを体軸方向へ相対移動させる撮影により得た投影データを取得し、目的のスライス位置におけるノーマル撮影(アキシャル撮影ともいう)1回転分(2π)の投影データに変換する。以下の説明では、変換後のノーマル撮影1回転分の投影データを「ノーマル投影データ」と呼ぶこととする。
アップサンプリング投影データ生成部127は、ノーマル投影データにおけるX線透過経路が略一致する対向データからなる仮想対向データを用いてノーマル投影データ上に仮想ビューを挿入する(アップサンプリングする)。X線透過経路が略一致する仮想対向データとは、計測されたRay(X線)の中で透過経路が最も近く、かつ逆方向から入射するRayにより得られた投影データである。仮想ビューとは、実際に計測値を有する実ビューの間に挿入されるビューである。ビュー数を2倍にアップサンプリングする場合は、実ビューの間に1つの仮想ビューが挿入される。
図2を参照して、ヘリカル撮影等において得た投影データを投影データ変換部126により目的のスライス位置におけるノーマル撮影1回転分(2π)の投影データ(ノーマル投影データ)に変換する処理について説明する。
図2は、ヘリカル撮影におけるスキャンダイアグラム21、22を示す図である。図2において、106A、106BはX線検出器106における2列分のX線検出素子を示している。スキャンダイアグラム21、22の横軸はZ軸(体軸)、縦軸はビューを表している。
図2に示すスキャンダイアグラム21、22において、目的のスライス位置Ziでの投影値は、ヘリカル撮影の場合では360°補間法や180°補間法により得られる。また、X線検出器106の多列化により、列方向のチャンネル補間や対向データ補間やスライス方向フィルタ(zフィルタ)を併用し、ノーマル撮影時(アキシャル撮影時)と比較してヘリカル撮影において欠損するビューを補間してノーマル撮影と同等のビュー数の投影データを作成する方法が知られている。
図2(a)はz方向チャンネル補間を用いない場合、図2(b)はz方向チャンネル補間を用いた場合を示している。投影データ変換部126は、上述のz方向チャンネル補間等の手法を用いて目的とするスライス位置Ziにおける各ビューの投影値を算出し、ノーマル撮影と同等の投影データに変換する。この投影データ変換処理により、図3(a)に示すノーマル投影データが得られる。
次に、図3、図4を参照して、アップサンプリング投影データ生成部127がノーマル投影データのビュー数を2倍にする処理(ビュー方向アップサンプリング)について説明する。
図3(a)に示す1回転分のノーマル投影データにおいて、Ray31とRay32とはX線透過経路が略一致する対向データである。つまり、Ray31における点A1及び点A2の対向データは、それぞれRay32の点B1及び点B2である。点B1及び点B2は図3(a)に示すように同一のビューView(2γm+π)上の隣接するチャンネルのデータである。
投影データ上の点A1と点B1の関係は、チャンネル方向をγ、ビュー方向をθとしたパラメータを用いた関数R(γ,θ)を用いて、以下の式(1)で表すことができる。
Figure 2016080311
また、点A1及び点B1におけるチャンネルとビューの関係は以下の式(2)、式(3)で表すことができる。
Figure 2016080311
これにより、点A1及び点A2の間の仮想ビュー41における点A1A2は、ビューView(2γm+π)上の点B1及び点B2の間に挿入された仮想チャンネルである点B1B2と対応することがわかる。Ray32(ビューView(2γm+π))における仮想チャンネル(点B1B2)に対する対向データ(Ray31)上の対応点(仮想対向データ点)A1A2の値は、以下の式(4)、式(5)により算出できる。
Figure 2016080311
同様の手順で、図3(b)に示すように、仮想ビュー41における1画素分隣の仮想対向データ点C1C2を算出する。同様の手順を繰り返しながら仮想対向データ点からなる仮想対向データ空間を作成する。そして、図3(c)に示すように、仮想対向データ空間上の仮想対向データ点A1A2と点C1C2との補間により、仮想ビュー41のチャンネル位置にある点V41bの値を求める。この操作を繰り返し実行して、仮想ビュー41の各チャンネルの値を算出する(図3(c)の2重丸で示す点)。他の仮想ビュー42,43,…についても同様にX線透過経路が略一致する仮想対向データを用いて各チャンネルデータを算出できる。
この操作を繰り返すと実ビューの間に仮想ビュー41,42,43,…が挿入される。
アップサンプリング投影データ生成部127によってアップサンプリングされた投影データをアップサンプリング投影データと呼ぶ。特に、ビュー方向にアップサンプリングされた投影データをビュー方向アップサンプリング投影データと呼ぶ。
アップサンプリング投影データ生成部127は、アップサンプリング投影データを画像再構成演算部128に出力する。
画像再構成演算部128は、アップサンプリング投影データを用いて被検体の断層像等の画像を再構成する。画像の再構成処理は、例えばフィルタ補正逆投影法等の解析的方法や逐次近似法等のいずれの方法を用いてもよい。
画像演算装置122(画像再構成演算部128)により再構成された画像データは、システム制御装置124に入力され、記憶装置123に保存されるとともに表示装置125に表示される。
システム制御装置124は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えたコンピュータである。記憶装置123はハードディスク等のデータ記録装置であり、X線CT装置1の機能を実現するためのプログラムやデータ等が予め記憶される。
システム制御装置124は、図5に示す処理手順に従って撮影処理を行う。撮影処理においてシステム制御装置124は、操作者により設定された撮影条件に応じた制御信号をスキャンガントリ部100のX線制御装置110、寝台制御装置109、及びガントリ制御装置108に送出し、上述の各部を制御する。各処理の詳細については後述する。
表示装置125は、液晶パネル、CRTモニタ等のディスプレイ装置と、ディスプレイ装置と連携して表示処理を実行するための論理回路で構成され、システム制御装置124に接続される。表示装置125は画像演算装置122から出力される再構成画像、並びにシステム制御装置124が取り扱う種々の情報を表示する。
入力装置121は、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー、及び各種スイッチボタン等により構成され、操作者によって入力される各種の指示や情報をシステム制御装置124に出力する。操作者は、表示装置125及び入力装置121を使用して対話的にX線CT装置1を操作する。入力装置121は表示装置125の表示画面と一体的に構成されるタッチパネル式の入力装置としてもよい。
次に、図5〜図8を参照して、X線CT装置1の動作を説明する。
図5は、本発明に係るX線CT装置1が実行する撮影処理全体の流れを説明するフローチャートである。
撮影処理において、まずシステム制御装置124は、撮影条件及び再構成条件の入力を受け付ける。撮影条件は、X線管電圧、X線管電流等のX線条件、撮影範囲、ガントリ回転速度、寝台速度等を含む。再構成条件は、再構成FOV、再構成スライス厚等を含む。
入力装置121等を介して撮影条件及び再構成条件が入力されると(ステップS101)、システム制御装置124は撮影条件に基づいて投影データを収集する(ステップS102)。すなわち、システム制御装置124は撮影条件に基づいてX線制御装置110、ガントリ制御装置108、及び寝台制御装置109に制御信号を送る。X線制御装置110は、システム制御装置124から入力される制御信号に基づいてX線管装置101に入力する電力を制御する。ガントリ制御装置108は回転速度等の撮影条件に従って回転盤102の駆動系を制御し、回転盤102を回転させる。寝台制御装置109は、撮影範囲に基づいて寝台105を所定の撮影開始位置へ位置合わせする。また、寝台制御装置109による寝台移動、並びにガントリ制御装置108によるガントリ自走を伴う撮影も可能である。
X線管装置101からのX線照射とX線検出器106による透過X線データの計測が、回転盤102の回転及び寝台105とスキャンガントリ部100との相対移動とともに繰り返される。データ収集装置107は、被検体の周囲の様々な角度(ビュー)においてX線検出器106により計測された透過X線データを取得し、画像演算装置122に送る。
画像演算装置122は、データ収集装置107から入力された透過X線データを取得し、対数変換、感度補正等の前処理を行って投影データを作成する。
画像演算装置122(投影データ変換部126)は、ステップS102の処理で作成されたヘリカル投影データを取得し、図2に示すような補間処理を行って目的のスライス位置でのノーマル投影データに変換する。その後、画像演算装置122(アップサンプリング投影データ生成部127)は、変換後の投影データのアップサンプリング投影データ生成処理を行う(ステップS103;図6参照)。
アップサンプリング投影データ生成処理において、アップサンプリング投影データ生成部127は、予め設定されたビュー数となるように、変換後の投影データに仮想ビューを挿入(アップサンプリング)し、ビュー方向アップサンプリング投影データを作成する。
ビュー数は、装置の仕様に従って予め設定された値としてもよいし、操作者により設定された値としてもよい。また、操作者が設定した画質指標(特に空間分解能)やその他のパラメータによって決定される値としてもよい。アップサンプリング処理については後述する(図6〜図8参照)。
ステップS103の処理によりアップサンプリングされたビュー方向アップサンプリング投影データが作成されると、次に画像演算装置122の画像再構成演算部128は、ステップS101で入力された再構成条件に基づいて画像の再構成処理を行う(ステップS104)。画像の再構成処理において使用する画像再構成アルゴリズムはどのような種類のものを用いてもよい。例えば、Feldkamp法等の逆投影処理を行ってもよいし、逐次近似法等を用いてもよい。
ステップS104において画像が再構成されると、システム制御装置124は、再構成された画像を表示装置125に表示し(ステップS105)、一連の撮影処理を終了する。
次に、ステップS103のアップサンプリング投影データ生成処理について、図6を参照して説明する。
図6はアップサンプリング投影データ生成処理の流れを説明するフローチャートである。
画像演算装置122は、投影データを取得する。投影データは、ヘリカル撮影等により計測され、目的とするスライス位置での1回転分(2π)のデータとなるように変換されたノーマル投影データを含む(ステップS201)。ステップS201で取得する投影データは、撮影中にデータ収集装置107により収集されたものでもよいし、予め計測され記憶装置123等に記憶されているものでもよい。
次に、画像演算装置122は、取得したノーマル投影データのビューをチャンネル方向にアップサンプリングする(ステップS202)。つまり、アップサンプリング投影データ生成部127は実際に計測されたビューである実ビューにおける各チャンネルの間に、補間演算等により仮想チャンネルを挿入する。また、多列検出器においては、チャンネルは2次元方向(回転方向と体軸方向)に配置されるため、2次元方向に補間演算する。
次に、画像演算装置122は、ステップS202で生成した仮想チャンネルの値をX線透過経路が略一致する対向データの仮想ビュー位置にある対応点(仮想対向データ点)に付与し、180度補間または360度補間やzフィルタを実施後、任意のスライスにおける投影値を取得する(ステップS203)。
次に、画像演算装置122は、仮想対向データ空間を作成する(ステップS204)。ステップS204の処理において、画像演算装置122はビューと対向するレイ(例えば、図3(a)のRay31とRay32の関係にあるデータ)を投影データから求める。図3(a)に示すView(2γm+π)の対向データは、Ray31に示すように複数のビュー及びチャンネルをまたぐデータとなる。画像演算装置122は、対向データRay32上にある上述の仮想チャンネルデータ(点B1B2)に対応する点(対応点A1A2)を求める。対応点(仮想対向データ点)は、ビューとチャンネルの間に位置する点である。画像演算装置122は、点B1B2の値を上述の仮想チャンネルデータ(点A1A2の値)に付与する。対応点A1A2を仮想対向データと呼ぶ。
この操作を繰り返すと仮想対向データ空間が作成される(図3(c))。例えば、図3(c)に示すように、実ビュー31a,32aの間に仮想ビュー41が挿入される。仮想ビュー41は上述の対応点の集合となる。画像演算装置122は、仮想対向データ空間の各対応点(仮想対向データ点)の値を用いて仮想ビューにおける各チャンネルデータを補間演算等により求める(ステップS205)。例えば、図3(c)に示す仮想対向データ点A1A2と対応点C1C2の値を用いて仮想ビュー41のチャンネル位置にある点V41bの値を補間により求める。
ステップS202やステップS204における補間演算は、例えば図4(a)に示すように、単純に隣接するビュー同士で補間する2点補間としてもよいし、図4(b)に示すように、隣接するビュー及びチャンネルのデータを用いて補間する4点補間としてもよいし、図4(c)に示すようにTV法(Total Variation)等を用いてもよい。また、2点補間或いは4点補間では、線形補間としてもよいし、非線形補間としてもよい。
画像演算装置122(アップサンプリング投影データ生成部127)によってアップサンプリングされた投影データをアップサンプリング投影データと呼ぶ。アップサンプリング投影データ生成部127は、アップサンプリング投影データを画像再構成演算部128に出力する(ステップS206)。画像再構成演算部128では、アップサンプリング投影データを用いて被検体画像を再構成する。
以上説明したように、本実施の形態のX線CT装置1は、投影データをアップサンプリングするアップサンプリング投影データ生成部127を有する。アップサンプリング投影データ生成部127は、ヘリカル撮影によって得た投影データを目的のスライス位置の投影データに変換したノーマル投影データを取得し、取得したノーマル投影データにおけるX線透過経路が略一致する仮想対向データ空間のデータを用いて仮想ビューを挿入する(ビュー方向にアップサンプリングする)。
X線透過経路が略一致する対向データを用いて仮想ビューの各チャンネルデータを求めるため、最も近い被検体情報を有する投影データから仮想ビューの各チャンネルデータを求めることができる。これにより、アップサンプリング投影データは実測値により近いものとなり、信頼できる画像を作成できる。また、投影データ上で隣接する点の値を用いてアップサンプリング(単純ビュー補間)する場合と比較して、境界部が不明瞭になりにくいという効果も得る。
上述の実施形態で説明したアップサンプリング方法を用いた場合の効果について、最も単純な場合である図3(a)の投影データを用いて、図7及び図8を参照しながら説明する。
図7の黒丸で示す点Va,Vbは、隣り合うビューを示す。ビューVaのビュー位置をθn、ビューVbのビュー位置をθn+1とする。これらのビューVa,Vbの間に点線丸で示す仮想ビューVcを作成し、ビュー数を2倍にする場合を例として、単純ビュー補間によるアップサンプリングと本発明によるアップサンプリングとを比較する。仮想ビューVcのビュー位置はθn+1/2である。
図8(a)は単純ビュー補間について示している。単純ビュー補間では、隣り合うビューVa,Vbのデータを用いて仮想ビューVcのデータを補間する。図8(a)の右図に示すように、投影データ上では、上下に隣接する点のデータを用いて補間することに相当する。例えば、ビュー数が1500の場合は、0.24(=360/1500)度離れたデータから補間データを算出することとなる。
図8(b)は本発明の手法でアップサンプリングした場合について示している。本発明では、隣り合う実チャンネル(点B1,点B2)の間に補間等により挿入された仮想チャンネル(点B1B2)の値を、X線透過経路が略一致する仮想対向データ空間上の仮想ビュー位置にある対応点(仮想対向データ点)に付与することで、仮想ビューVcに近い対応点A1A2の値を求める。同様に、別の実データから仮想ビューVcに近い別の対応点C1C2の値を求め、点A1A2及び点C1C2の値を用いて仮想ビューのチャンネルデータを求める。
したがって、図8(a)に示す単純ビュー補間の場合と比較して、より狭い角度にある補間データ(図8(b)の「×」で示すデータ)を用いて仮想ビューの各チャンネルの値を算出できる。つまり、単純ビュー補間の場合に比べ、ビーム幅が狭い(チャンネル間距離が近い)データで補間することが可能となり、高い空間分解能を有する画像を得ることができる。例えば、X線管装置101とX線検出素子間との距離が1000mm、X線検出器106のチャンネル方向のX線検出素子間距離が1mmの場合、チャンネル間距離が0.057(=2・tan-1((1/2)/1000))度離れたデータから仮想ビューにおける各チャンネルデータを求めることができる。
また、本発明によるビュー方向アップサンプリングは、ビュー間距離Δθがチャンネル間距離Δchと比較して大きい場合(Δθ>Δchの場合)に、空間分解能向上の効果がある。したがって、アップサンプリング投影データ生成部127は、ビュー間距離Δθとチャンネル間距離Δchの関係に基づいて、単純ビュー補間を利用するか、本発明による手法(対向データに基づくアップサンプリング方法)を行うかを決定することが望ましい。なお、現状、一般に普及しているほとんどのX線CT装置では、ビューレートに制限があるため、Δθ>Δchの関係が成立する。
或いは、ΔθとΔchとの関係に応じて、単純ビュー補間によるアップサンプリング投影データと、本発明の対向データを用いたアップサンプリング投影データとに適切な重みをかけて双方を用いた投影データを作成してもよい。
更に、上述の実施形態ではビュー数を2倍にアップサンプリングする例について述べたが、N倍のアップサンプリングに拡張することも可能である。
また、上述の実施形態では、仮想対向データ空間を用いてビュー方向へのアップサンプリングを行う例について説明したが、同様の手法で、チャンネル方向や列方向(スライス方向)へのアップサンプリングを行うことも可能である。
チャンネル方向へのアップサンプリングを行う場合、アップサンプリング投影データ生成部127は、取得した投影データを用いて実チャンネル間に仮想ビューデータを挿入し、仮想ビューデータの値をX線透過経路が略一致する仮想対向データ空間上の点であって、仮想チャンネル位置にある対応点の値に付与する。対応点の値を用いて仮想チャンネルにおける各ビューデータを算出してチャンネル方向アップサンプリング投影データを生成する。
図9を用いて、チャンネル方向へのアップサンプリングの一例について説明する。図9は、図4(a)〜(c)と同様に投影データを部分的に切り出したものであり、点C1、点C2は実投影データであり、点V1、点V2は補間処理等によって求められた仮想投影データである。これらの点C1、点C2、点V1、点V2の値を用いて、点C1C2の値を求める。
点C1C2の値を求めるには、ビュー間距離Δθとチャンネル間距離Δchによって求められる重み係数を用いて、例えば式(6)の補間演算を行ってもよい。
Figure 2016080311
ここで、WC1、WC2、WV1、WV2は、式(7)を満たす重み係数である。
Figure 2016080311
なお、重み係数WC1,WC2,WV1,WV2は、ビュー間距離Δθとチャンネル間距離Δchの関係に応じて、式(8)、式(9)により求められる。
Figure 2016080311
また、ここではチャンネル方向へのアップサンプリングについて説明したが、ビュー方向またはスライス方向へのアップサンプリングについても式(6)〜(9)を用いた補間演算を行ってもよい。
上述した本発明に係るアップサンプリング方法はどのような撮影方法で得られた投影データに対しても適用可能である。例えば、FFS(Flying Focus Spot)投影データやクォータオフセット投影データに対して適用してもよい。FFS投影データとは、X線管における焦点位置を複数箇所に移動しながら撮影することにより得られる投影データである。クォータオフセット投影データとは、X線検出器106をX線の照射中心から回転盤102の回転方向(チャンネル方向)に1/4素子分ずらして配置することにより、対向するビューにおいて取得したデータと組み合わせてチャンネル間隔を1/2(チャンネル数を2倍)とした投影データである。
[第2の実施の携帯]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態では、第1の実施の形態で説明した仮想対向データ空間を用いたアップサンプリング方法をFFS投影データに対して適用する例を説明する。
近年では、複数の位置にX線焦点をシフトさせてX線を照射する機能を有するFFSX線管装置が開発されている。FFSX線管装置では、陽極(ターゲット)へ入射する電子ビームの位置を電磁的に移動させることにより、X線焦点位置を複数箇所にシフさせることができる。これにより、同一の回転角度方向(ビュー)からX線照射経路が異なる複数の投影データを得ることができるため、X線CT装置の空間分解能を向上させることができる(FFS法)。
ところで、従来のFFS法を用いて再構成された画像は、有効視野全体における中心付近の空間分解能が向上するが、中心部以外の周辺部では空間分解能が落ちるという問題がある。これに対して特許文献1では、1回転で撮影されるビュー数(隣り合うビューの角度差)とX線管装置-回転中心間距離とに基づいて最適な焦点移動距離を設定することで、周辺部の空間分解能を均一とし、かつ向上させるBFFS(Balanced Flying Focus Spot)法を提案している。
しかしながら、ハードウェアの限界によりデータ収集装置のサンプリングレートやガントリ回転速度は制限される。したがって1回転で撮影されるビュー数を増加させるには、ガントリの回転速度を落とす必要がある。回転速度を落としてビュー数を増加させた場合、心臓等の動きが速い臓器ではモーションアーチファクトが増加してしまう。こうしたモーションアーチファクトは心臓等の動きが速い臓器ほど画像への影響が大きく、画像診断を行う放射線医にとって不都合である。このため、運動を伴う部位を対象とした撮影においては、回転速度を落とさずに有効視野全体にわたる空間分解能を向上したいという要望がある。
そこで第2の実施の形態では、X線焦点位置を複数の位置に移動して投影データを得ることにより空間分解能を向上するFFS法において、ヘリカル撮影または連続往復撮影時においても回転速度を落とすことなく有効視野全体の空間分解能を向上することが可能なX線CT装置及び画像再構成方法について説明する。
図10は第2の実施の形態のX線CT装置1Aの構成を示す図である。図10に示すように、X線CT装置1Aは、スキャンガントリ部100と操作卓120とを備える。なお、以下の説明では、第1の実施の形態のX線CT装置1の各部と同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
スキャンガントリ部100は、X線管装置(X線源)101A、回転盤102、コリメータ103、X線検出器106、データ収集装置107、ガントリ制御装置108、寝台制御装置109、及びX線制御装置110Aを備える。
X線管装置101Aは、回転陽極(ターゲット)における焦点位置を移動可能なフライング焦点X線管装置である。X線CT装置1Aの回転軸方向をZ方向とすると、フライング焦点X線管装置は、回転陽極(ターゲット)に照射する電子ビームをZ方向に直交するX方向またはY方向に偏向させる。これによりX線焦点位置をシフトさせ、同じビュー位置から微小に異なる経路のX線を照射する。
本実施の形態において、X線管装置101Aによる焦点の移動方向はX線CT装置1Aの回転方向(チャンネル方向)とする。また、焦点の位置は基準焦点位置から回転方向(チャンネル方向)に「+σa」及び「-σb」にシフトした位置とする。つまりX線管装置101は、チャンネル方向の正方向に移動した第1の焦点「+σa」と負方向に移動した第2の焦点位置「-σb」からそれぞれX線を照射する。
以下の説明では、FFS法を利用して得た投影データをFFS投影データと呼ぶ。特に、上述の第1の焦点位置から照射されたX線によって得た投影データをFFS(+)投影データ、上述の第2の焦点位置から照射されたX線によって得た投影データをFFS(-)投影データと呼ぶ。また、FFS技術を利用しない基準焦点位置から照射されたX線によって得た投影データをFFS(無)投影データと呼ぶ。
X線管装置101Aは、X線制御装置110Aに制御されて所定の強度のX線を連続的または断続的に照射する。X線制御装置110Aは、操作卓120のシステム制御装置124により決定されたX線管電圧及びX線管電流に従って、X線管装置101Aに印加または供給するX線管電圧及びX線管電流を制御する。X線制御装置110Aは、例えば回転盤102の回転に伴ってビュー毎に上述の第1及び第2の焦点位置に交互に移動させるよう制御する。
画像演算装置122Aは、データ収集装置107から入力された透過X線データを取得し、対数変換、感度補正等の前処理を行って再構成に必要な投影データを作成する。FFS法を用いる場合、X線管装置101Aからは例えばビュー毎に交互に焦点が異なるX線が照射されるため、画像演算装置122Aは、第1の焦点位置から照射されたX線により得られた投影データであるFFS(+)投影データと、第2の焦点位置から照射されたX線により得られた投影データであるFFS(-)投影データとを作成する。
画像演算装置122Aは、投影データ変換部126、アップサンプリング投影データ生成部127A、及び画像再構成演算部128Aを備える。アップサンプリング投影データ生成部127Aは、仮想対向データ空間生成部127aとアップサンプリング部127bとを備える。
アップサンプリング投影データ生成部127Aは、FFS法を用いて撮影された焦点シフト投影データ(FFS(+)投影データ及びFFS(-)投影データ)に対して仮想ビューを生成し、挿入することでアップサンプリング投影データを作成する。仮想ビューとは、実際に撮影されないビュー位置に演算により挿入されるビューである。仮想ビューの投影データは、実際に撮影された投影データ(以下、実データという)に基づいて補間或いは推定することにより求めることができる。
仮想対向データ空間生成部127aは、第1の実施の形態と同様の手法で、処理対象とする投影データ(ノーマルFFS(+)投影データ及びノーマルFFS(-)投影データ)の仮想対向データ空間を生成する。
アップサンプリング部127bは、FFS(+)投影データ及びFFS(-)投影データを組み合わせることでビュー数を増加する。或いは、ビュー数増加した各焦点位置のFFS投影データを組み合わせることで更にビュー数を増加する。
仮想対向データ空間生成部127a及びアップサンプリング部127bによるアップサンプリング投影データ生成の詳細については後述する。アップサンプリング投影データ生成部127Aによって生成された(アップサンプリングされた)投影データをアップサンプリング投影データと呼ぶ。
投影データ変換部126は、ヘリカル撮影または連続往復撮影等の、回転盤102を回転させながら寝台105とスキャンガントリ部100とを体軸方向へ相対移動させて収集した投影データ(ヘリカル投影データ)を、目的のスライス位置における1回転(2π)分の投影データであるノーマル投影データに変換する。上述のヘリカル撮影等により得た投影データに対して360°補間や180°補間やzフィルタ処理等を図2に示すように適用することで、目的のスライス位置のノーマル投影データを得る。以下の説明では、ヘリカルFFS(+)投影データを目的のスライス位置におけるノーマル投影データに変換したものをノーマルFFS(+)投影データと呼び、ヘリカルFFS(-)投影データを目的のスライス位置におけるノーマル投影データに変換したものをノーマルFFS(-)投影データと呼ぶ。
画像再構成演算部128Aは、アップサンプリング処理(仮想ビュー挿入)を行う前の投影データ(ノーマルFFS(+)投影データ及びノーマルFFS(-)投影データ)と、アップサンプリング投影データ生成部127Aにより生成されたアップサンプリング投影データとを用いて被検体の断層像等の画像を再構成する。以下の説明では、アップサンプリング処理(仮想ビュー挿入)を行う前の投影データ(ノーマルFFS(+)投影データ及びノーマルFFS(-)投影データ)を「実データ」と呼ぶ。
本実施の形態において、画像再構成演算部128Aは画像の空間分解能に配慮して実データ(FFS(+)投影データ、FFS(-)投影データ)とアップサンプリング投影データとを用いた画像を再構成する。具体的には、画像面内における中心領域で実データを用いて画像を再構成することにより中心領域の空間分解能を向上する。また画像の周辺領域でアップサンプリング投影データを用いて画像を再構成することにより、空間分解能を向上させる。つまり、画像の全領域でFFS投影データの実データを用いた場合は周辺領域で空間分解能が落ちてしまうが、本実施の形態では、周辺領域にアップサンプリング投影データを用いることで周辺領域の空間分解能の向上を図る。アップサンプリング投影データは、演算によって仮想ビューを挿入するため回転速度を下げなくてもビュー数を向上できる。したがって、動きのある部位の画像を作成する場合に特に好適である。
画像の再構成処理は、例えばフィルタ補正逆投影法等の解析的方法や逐次近似法等のいずれの方法を用いてもよい。
画像演算装置122A(画像再構成演算部128A)により再構成された画像データは、システム制御装置124に入力され、記憶装置123に保存されるとともに表示装置125に表示される。
システム制御装置124は、図11に示す処理手順に従って撮影処理を行う。撮影処理においてシステム制御装置124は、操作者により設定された撮影条件に応じた制御信号をスキャンガントリ部100のX線制御装置110A、寝台制御装置109、及びガントリ制御装置108に送出し、上述の各部を制御する。各処理の詳細については後述する。
次に、X線CT装置1Aの動作を説明する。
図11は、本発明の第2の実施の形態のX線CT装置1Aが実行する撮影処理全体の流れを説明するフローチャートである。
撮影処理において、まずシステム制御装置124は、撮影条件及び再構成条件の入力を受け付ける。撮影条件は、X線管電圧、X線管電流等のX線条件、撮影範囲、ガントリ回転速度、寝台速度等を含む。再構成条件は、再構成FOV、再構成スライス厚等を含む。
入力装置121等を介して撮影条件及び再構成条件が入力されると(ステップS301)、システム制御装置124は撮影条件に基づいてX線制御装置110A、ガントリ制御装置108、及び寝台制御装置109に制御信号を送る。X線制御装置110Aは、システム制御装置124から入力される制御信号に基づいてX線管装置101Aに入力する電力を制御する。またX線制御装置110Aは、X線管装置101Aの回転陽極に照射する電子ビームを所定のタイミングで所定の方向及び距離だけ移動させることにより、X線焦点位置を交互に移動させてX線を照射するFFS制御を行う。ガントリ制御装置108は回転速度等の撮影条件に従って回転盤102の駆動系を制御し、回転盤102を回転させる。
寝台制御装置109は、撮影範囲に基づいて寝台を所定の撮影開始位置へ位置合わせする。その後、システム制御装置124は、撮影を開始する。撮影は寝台制御装置109の制御による寝台移動またはガントリ制御装置108の制御によるガントリ自走、またはその両方の移動を伴う撮影を含む。つまり、システム制御装置124はヘリカル撮影または連続往復撮影等を行う。
X線管装置101AからのX線照射とX線検出器106による透過X線データの計測が、回転盤102の回転及び寝台105とスキャンガントリ部100との相対移動とともに繰り返される。データ収集装置107は、被検体の周囲の様々な角度(ビュー)においてX線検出器106により計測された透過X線データを取得し、画像演算装置122Aに送る。画像演算装置122Aは、データ収集装置107から入力された透過X線データを取得し、対数変換、感度補正等の前処理を行って投影データを作成する。第2の実施の形態ではFFS法を用いてX線焦点位置を2点に移動させて撮影を行っているため、画像演算装置122Aは、第1の焦点位置から照射されたX線により得られた投影データであるFFS(+)投影データと、第2の焦点位置から照射されたX線により得られた投影データであるFFS(-)投影データとを作成する(ステップS302)。
画像演算装置122A(投影データ変換部126)は、FFS(+)投影データとFFS(-)投影データを目的のスライス位置におけるノーマルFFS(+)投影データとノーマルFFS(-)投影データに変換する。
画像演算装置122A(アップサンプリング投影データ生成部127A)は、ステップS302の処理で作成されたFFS(+)投影データとFFS(-)投影データ(これらを総称してFFS投影データという)を用いて、アップサンプリング投影データ生成処理を行う(ステップS303)。
アップサンプリング投影データ生成処理において、アップサンプリング投影データ生成部127Aは、予め設定されたビュー数となるように、実データに仮想ビューを挿入(アップサンプリング)し、アップサンプリング投影データを作成する。ビュー数は、装置の仕様に従って予め設定された値としてもよいし、操作者により設定された値としてもよい。また、操作者が設定した画質指標(特に空間分解能)やその他のパラメータによって決定される値としてもよい。アップサンプリング投影データ生成処理の具体的な方法については、後述する(図12〜図19参照)。
ステップS303の処理により仮想ビューが挿入されたアップサンプリング投影データが作成されると、次に画像演算装置122Aの画像再構成演算部128Aは、ステップS301で入力された再構成条件に基づいて画像の再構成処理を行う(ステップS304)。画像の再構成処理において使用する画像再構成アルゴリズムはどのような種類のものを用いてもよい。例えば、Feldkamp法等の逆投影処理を行ってもよいし、逐次近似法等を用いてもよい。
従来、FFS投影データを使用して再構成される画像の空間分解能は、FFS投影データを使用しない場合と比較すると、画像の中心領域で高く、周辺に行くに伴いFFS無の投影データを使用した場合よりも低くなることがある(図21参照)。そこで、本発明ではステップS304の再構成演算処理において、FFSの効果が得られない空間分解能が低い領域(Low領域;周辺領域)に対して仮想ビューによるアップサンプリングされた投影データを用いる。FFSの効果が得られる領域(Hi領域;中心領域)においてはFFS投影データの実データを用いて画像を再構成する。再構成処理の詳細については後述する。
ステップS304において画像が再構成されると、システム制御装置124は、再構成された画像を表示装置125に表示し(ステップS305)、一連の撮影処理を終了する。
次に、ステップS303のアップサンプリング投影データ生成処理について、図12〜図20を参照してアップサンプリング投影データ生成処理(A)〜(D)の各態様について説明する。
まずアップサンプリング投影データ生成処理(A)について、図12及び図13を参照して説明する。なお、以下の説明におけるFFS(+)投影データ501、FFS(-)投影データ502は、ヘリカル撮影等により得られたFFS(+)投影データ501とFFS(-)投影データ502であって、目的のスライス位置における投影データ(ノーマルFFS(+)投影データ501とノーマルFFS(-)投影データ502)に変換されたデータを用いるものとして説明する。
画像演算装置122Aは、X線管装置101Aの焦点を移動して得られたFFS(+)投影データ501とFFS(-)投影データ502とを取得すると(ステップS401)、FFS(+)投影データ501とFFS(-)投影データ502とをビュー方向に交互に組み合わせることにより、FFS投影データ503を得る(ステップS402)。更に、FFS投影データ503に対して仮想ビュー生成処理504を実行し(ステップS403)、アップサンプリング投影データ505を得る。ステップS403において、画像演算装置122Aが実行する仮想ビュー生成処理504は、仮想対向データ生成処理とアップサンプリング処理を行うことによりアップサンプリング投影データ505を得る。アップサンプリング投影データ生成部127Aはアップサンプリング投影データ505を画像再構成演算部128Aに出力する(ステップS404)。
ここで、上述のFFS(+)投影データ501とFFS(-)投影データ502はヘリカル撮影または連続往復撮影または連続複数回撮影等のように、回転盤を回転させながら寝台105とスキャンガントリ部110とを体軸方向へ相対移動させて計測した投影データを含むものとする。また、撮影同期装置を用いて生体信号を取得しながら撮影を行う同期撮影で得た投影データを含むものとしてもよい。撮影同期装置とは、例えば、呼吸器計や心電計や脈波系等を用いて生体信号を計測し、生体信号に基づいて得られる被検体の動きと同期して撮影を制御する装置である。
アップサンプリング投影データ生成処理(B)について、図14及び図15を参照して説明する。
画像演算装置122Aは、X線管装置101Aの焦点を移動して得られたFFS(+)投影データ501とFFS(-)投影データ502とを取得すると(ステップS501)、FFS(+)投影データ501とFFS(-)投影データ502とに対してそれぞれ上述の仮想ビュー生成処理504を実行する(ステップS502)。そして、アップサンプリングされたFFS(+)投影データ511、FFS(-)投影データ512をビュー方向に交互に組み合わせることにより、FFS投影データ513を得る(ステップS503)。アップサンプリング投影データ生成部127Aはアップサンプリング投影データ513を画像再構成演算部128Aに出力する(ステップS504)。
アップサンプリング投影データ生成処理(C)について、図16及び図17を参照して説明する。
画像演算装置122Aは、X線管装置101Aの焦点を移動して得られたFFS(+)投影データ501とFFS(-)投影データ502とを取得すると(ステップS601)、FFS(+)投影データ501とFFS(-)投影データ502とに対してそれぞれ上述の仮想ビュー生成処理504を実行する(ステップS602)。そして、アップサンプリングされたFFS(+)投影データ511、FFS(-)投影データ512をビュー方向に交互に組み合わせることにより、アップサンプリングされたFFS投影データ513を得る(ステップS603)。
アップサンプリング投影データ生成部127AはアップサンプリングされたFFS投影データ513に対して、更に欠損データ処理514を行う(ステップS604)。
欠損データ処理とは、FFS(+)投影データ、FFS(-)投影データをビュー方向に交互に組み合わせて得たFFS投影データ513に生じた欠損データを、ビュー方向及びチャンネル方向に隣接する投影データまたはその近傍の投影データを用いて補間や推定することにより埋める処理である。チャンネル方向に焦点位置を移動して得たFFS(+)投影データとFFS(-)投影データは、それぞれX線経路が異なる。そのためチャンネル数の2倍のデータを得ることとなる。撮影時に1ビュー毎に焦点位置を交互に移動させて投影データを計測する場合は、例えば奇数ビューでFFS(+)投影データを取得し、偶数ビューでFFS(-)投影データを取得するため、これらを交互に組み合わせたFFS投影データ513には、1ビュー毎に互い違いに欠損データが生じている。
ステップS604の処理では、このような欠損データを埋める処理514を行う。
ステップS604の欠損データ処理514が行われたアップサンプリング投影データ515を得ると、アップサンプリング投影データ生成部127Aはアップサンプリング投影データ515を画像再構成演算部128Aに出力する(ステップS605)。
アップサンプリング投影データ生成処理(D)について、図18及び図19を参照して説明する。
画像演算装置122Aは、X線管装置101Aの焦点を移動して得られたFFS(+)投影データ501とFFS(-)投影データ502とを取得すると(ステップS701)、FFS(+)投影データ501とFFS(-)投影データ502とに対してそれぞれ上述の仮想ビュー生成処理504を実行する(ステップS702)。そして、アップサンプリングされたFFS(+)投影データ511、FFS(-)投影データ512をビュー方向に交互に組み合わせることにより、アップサンプリングされたFFS投影データ513を得る(ステップS703)。
アップサンプリング投影データ生成部127AはアップサンプリングされたFFS投影データ513に対して、更に上述の仮想ビュー生成処理504を実行する(ステップS704)。ステップS704の処理により、アップサンプリング投影データ516を得る。
アップサンプリング投影データ生成部127Aはアップサンプリング投影データ516を画像再構成演算部128Aに出力する(ステップS705)。
図12のステップS403、図14のステップS502、図16のステップS602、図18のステップS702及びステップS704の仮想ビュー生成処理では、第1の実施の形態(図3、図4)と同様に仮想対向データ空間を用いた仮想ビューの算出方法(アップサンプリング方法)を適用できる。
すなわち、アップサンプリング投影データ生成部127A(画像演算装置122A)は、挿入するビュー(仮想ビュー)について、ビュー方向またはチャンネル方向に近接する投影データ、或いは対向するレイのデータ(対向データ)、もしくは対向データのビュー方向またはチャンネル方向に近接する投影データ等を用いて、仮想ビューの投影データを補間または推定により算出する。
(仮想対向データ空間を用いた仮想ビュー算出方法;仮想対向データ生成処理)
1回転(2π)の撮影で得られる投影データでは、対向するレイ(Ray)のデータ(以下、対向するレイのデータを対向データという)を用いて仮想ビューを生成することができる。図3を参照して、1回転の撮影で得た投影データについて、対向データを用いて仮想ビューを生成し、ビュー数を2倍にする例について説明する。
画像演算装置122A(投影データ変換部126)は、ヘリカル撮影や連続往復撮影等により得たヘリカル投影データ(ヘリカルFFS(+)投影データ、ヘリカルFFS(-)投影データ)を取得し、180°補間や360°補間やzフィルタ処理等を用いて目的のスライス位置におけるノーマル投影データ(ノーマルFFS(+)投影データ、ノーマルFFS(-)投影データ)に変換する(図2参照)。アキシャル投影データ(アキシャルFFS(+)投影データ、アキシャルFFS(-)投影データ)は、図3(a)に示すようなデータとなる。
画像演算装置122A(アップサンプリング投影データ生成部127A)は、変換後の投影データ(ノーマルFFS(+)投影データ、ノーマルFFS(-)投影データ)に対して仮想ビューを挿入する処理を行う。
FFS(+)投影データ、FFS(-)投影データに対しても、第1の実施の形態で説明した仮想対向データ生成処理を適用できる。
すなわち、図3(a)に示す1回転分の投影データ(ノーマルFFS(+)投影データ、ノーマルFFS(-)投影データ)において、Ray31とRay32とは対向する。
つまり、同じX線照射経路である。Ray31における点A1及び点A2における対向データはそれぞれ、Ray32の点B1及び点B2となる。点B1及び点B2は図3(a)に示すように同一のビューView(2γm+π)上の隣接するチャンネルのデータである。投影データ上の点A1及び点B1の関係は、チャンネル方向をγ、ビュー方向をθとしたパラメータを用いた関数R(γ,θ)を用いて、上述の式(1)で表すことができる。
また、点A1及び点B1におけるチャンネルとビューの関係は上述の式(2)、式(3)で表すことができる。
これにより、点A1及び点A2の間の仮想ビュー41における点A1A2はビューView(2γm+π)上の点B1及び点B2の間に挿入された仮想チャンネルである点B1B2と対応することがわかる。Ray32(ビューView(2γm+π))における仮想チャンネル(点B1B2)に対する対向データ(Ray31)上の仮想対向データ点A1A2の値は、上述の式(4)、式(5)により算出できる。
同様の手順で、図3(b)に示すように、仮想ビュー41における1画素分隣の仮想対向データ点C1C2を算出する。同様の手順を繰り返しながら仮想対向データ空間を作成する。そして、図3(c)に示すように、仮想対向データ空間上の仮想対向データ点A1A2と点C1C2との補間により、仮想ビュー41のチャンネル位置にある点V41bの値を求める。この操作を繰り返し実行して、仮想ビュー41の各チャンネルの値を算出する(図3(c)の2重丸で示す点)。他の仮想ビュー42、43、…についても同様に仮想対向データを用いて各点のチャンネルデータを算出できる。
仮想対向データ空間を用いた仮想ビューの生成方法(アップサンプリング方法)では、推定すべきチャンネルデータ(2重丸で示す点)に対して最も近い生体情報(被検体を透過した計測データ)を有する仮想対向データ(実データ)を基に仮想ビューの各チャンネルデータを算出する。最も近い生体情報を有する仮想対向データとは、計測されたRayの中で透過経路が最も近く、かつ逆方向から入射するRayのことである。Rayを選択的に取得し、選択されたRayから推定される仮想Rayを算出し、仮想ビューを生成することが特徴である。この手法を用いることにより、チャンネル数はそのままに、ビュー数のみアップサンプリングすることが可能である。2倍サンプリングの場合は、対向データの2点の平均値等を用いて仮想ビューのチャンネルデータを求めたが、N倍サンプリングとする場合は、2点間の線形補間または非線形補間により求めてもよい。また、この方法により、チャンネル方向のアップサンプリングも同時に行うことも可能である。
なお、仮想ビューの生成方法は、上述したように対向データを用いたアップサンプリング方法に限定されない。図4(a)に示すように単純に隣接するビュー同士で補間する2点補間としてもよいし、図4(b)に示すように隣接するビュー及びチャンネルのデータを用いて補間する4点補間としてもよいし、図4(c)に示すようにTV法(Total Variation)による補間を用いてもよい。
また、アップサンプリング投影データのビュー数は実データの1.5倍等のように小数の数値を含む任意のビュー数としてもよい。例えば、ビュー方向に部分的にビュー数を増加させる場合は、小数倍のビュー数となる。図20(a)に示すように被検体2の断面は楕円に近似した形状である。そのため、図20(b)に示すように、楕円の長径に相当するビューではビュー数を密にするなど、部分的なビュー数増加を図り、小数倍のアップサンプリング投影データ518を生成することも可能である。
次に、図11のステップS304の再構成演算処理について、図21〜図23を参照して説明する。
上述したように、FFS投影データを使用して再構成される画像の空間分解能は、FFS投影データを使用しない場合と比較すると、画像の中心領域で高く、周辺部に行くに伴いFFS無の投影データを使用した場合よりも低くなることがある(図21参照)。
図21(b)は、図21(a)に示す断層像601における中心Oからの距離と空間分解能の関係を示すグラフ606である。FFS投影データを使用した場合は、画像中心Oから距離P0にある境界605の内側の領域(以下、中心領域604という)では、空間分解能(を表す指標値)はFFS(無)投影データを使用した場合と比較して高い。一方、境界点P0(図21(a)に示す境界605)より外側の領域(以下、周辺領域603という)では、空間分解能(を表す指標値)はFFS(無)投影データを使用した場合と比較して低くなる。
そこで、すでに十分な空間分解能を有する中心領域604のデータに対しては、アップサンプリングを行わないFFS投影データ(実データ)を用いて画像再構成を行い、周辺領域603では、仮想ビュー生成によりアップサンプリングされた投影データを用いて画像再構成を行うことで、周辺領域603の空間分解能を向上させる。
このようにすることで、中心領域604では、データの作りこみによる悪影響を防ぎつつ空間分解能を向上することができ、かつ、周辺領域603では、仮想ビューを生成することにより回転速度を落とすことなくビュー数を向上し、これにより空間分解能を向上することができる。
再構成演算処理の手順について図22のフローチャートを参照して説明する。
まず、画像再構成演算部128Aは、空間分解能の境界点P0を取得する(ステップS801)。境界点P0は、FFS投影データにより得た空間分解能とFFS無し投影データにより得た空間分解能とが逆転する位置の撮影中心からの距離である。この境界点P0は、実験データにより予め求められ、記憶装置123等に保持される。
空間分解能の評価指標値としてはMTF(Modulation Transfer Function)がある。例えば、MTF50%、10%、2%等のように、異なる空間分解能指標値毎に上述の境界点P0を求め、操作者により選択させるようにしてもよい。検査や診断目的に応じてどのような画質が求められるかは異なるため、その他の画質(ノイズ等)とのバランスに応じて必要な空間分解能を選択できることが望ましい。
或いは、MTF50%、10%、2%等の複数の空間分解能により得た境界点P0から重心となる境界点を求めてもよい。
画像再構成演算部128Aは、境界点P0より中心側の中心領域604でFFS投影データの実データを用い、境界点P0より外側の周辺領域603でFFS投影データをアップサンプリングしたアップサンプリング投影データを用いて、再構成演算を行う(ステップS802)。
周辺領域603に使用するアップサンプリング投影データは、上述のアップサンプリング投影データ生成処理(A)〜(D)のうちどの方法で作成されたアップサンプリング投影データを用いてもよい。すなわち、図23(a)に示すように図12及び図13に示すアップサンプリング投影データ生成処理(A)で生成したアップサンプリング投影データ505を用いてもよいし、図23(b)に示すように図14及び図15に示すアップサンプリング投影データ生成処理(B)で生成したアップサンプリング投影データ513を用いてもよいし、図23(c)に示すように図16及び図17に示すアップサンプリング投影データ生成処理(C)で生成したアップサンプリング投影データ515を用いてもよいし、図23(d)に示すように図18及び図19に示すアップサンプリング投影データ生成処理(D)で生成したアップサンプリング投影データ516を用いてもよい。
またいずれのアップサンプリング投影データ505,513,515,516も、仮想ビューの生成方法は、上述したように仮想対向データ空間を用いたアップサンプリング方法を採用してもよいし、ビュー方向に隣接する2点による補間としてもよいし、またはビュー方向及びチャンネル方向に隣接する4点による補間としてもよいし、或いはTV法等を用いた補間等でもよい。
再構成演算では、ノーマル投影データに変換後のFFS投影データ(アップサンプリング前のデータ)とアップサンプリング投影データとを投影データ上で合成した後に、逆投影処理等の画像の再構成を行うものとしてもよいし、FFS投影データの実データ(アップサンプリング前のデータ)を用いて再構成した画像の中心領域604に該当する部分と、アップサンプリング投影データを用いて再構成した画像の周辺領域603に該当する部分とを合成した画像を作成してもよい。
画像再構成演算部128Aは、ステップS802の処理により作成した画像に出力する(ステップS803)。出力先は、例えば記憶装置123や表示装置125等である。
以上説明したように、第2の実施の形態のX線CT装置1Aは、X線管装置101AにおけるX線焦点位置をシフトさせてヘリカル撮影により得た焦点シフト投影データ(ヘリカルFFS投影データ)をノーマル投影データに変換し、ビュー方向にアップサンプリングする。そして、画像の再構成演算処理では、所定の境界点P0より撮影中心に近い中心領域604ではFFS投影データの実データ(ノーマルFFS投影データ)を用い、境界点P0より撮影中心から遠い周辺領域603ではアップサンプリング投影データを用いて画像を再構成する。
仮想ビューによりアップサンプリングされたデータを有効視野周辺部に用いるため、ビュー数を増加させるために回転速度を落として撮影を行う必要がない。したがって、ハードウェアの制限による回転速度の限界等によらず周辺部の空間分解能を向上し、有効視野全体の空間分解能を向上することができる。動きのある部位の撮影に好適である。
[第3の実施の形態]
次に、図24〜図26を参照して本発明の第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態のX線CT装置1Aは、第2の実施の形態の再構成演算処理において、境界点P0における空間分解能が滑らかに連続するように結合処理を行う。
結合処理では、図24に示すように、境界点P0を含む所定範囲の領域(以下、境界領域Qと呼ぶ)でFFS実投影データにより再構成された画像とアップサンプリング投影データにより再構成された画像との双方を所定の割合で合成する。境界領域Qより中心部に近い中心領域604aでは、第2の実施の形態と同様にFFS投影データの実データにより再構成された画像を100%使用する。境界領域Qより外側の周辺領域603aでは、第2の実施の形態と同様にアップサンプリング投影データにより再構成された画像を100%使用する。
すなわち、中心からの距離に応じてFFS投影データにより再構成された画像とアップサンプリング投影データにより再構成された画像を互いに重みを変化させながら合成する。
図25は、アップサンプリング投影データによる再構成画像に掛ける重み係数を示すグラフである。図25に示すように、中心Oからの距離Pに応じて重み係数W(P)が変化する。中心領域604aで「0」、境界領域Qで滑らかに上昇する曲線、周辺領域603aで「1」となっている。なお、FFS実投影データ(ノーマルFFS投影データ)による再構成画像に掛ける重み係数も中心Oからの距離に応じて重み係数が変化するが、図25に示す重み係数W(P)とは逆に、中心領域604aで「1」、境界領域Qで滑らかに下降する曲線、周辺領域603aで「0」となる。
境界領域Qの範囲は任意であり、所望の領域の所望の空間分解能に応じて変化させるようにしてもよい。
また、図25の例では重み係数は画像中心からの距離Pに依存する滑らかな曲線で表されるものとしたが、これに限定されず、直線や折れ線で表されるものとしてもよい。
また、第3の実施の形態においても、図24(a)〜図24(d)に示すように、周辺領域603a及び境界領域Qに使用するアップサンプリング投影データは、上述のアップサンプリング投影データ生成処理(A)〜(D)のうちどの方法で作成されたアップサンプリング投影データを用いてもよい。
すなわち、図24(a)に示すように図12及び図13に示すアップサンプリング投影データ生成処理(A)で生成したアップサンプリング投影データ505を用いてもよいし、図24(b)に示すように図14及び図15に示すアップサンプリング投影データ生成処理(B)で生成したアップサンプリング投影データ513を用いてもよいし、図24(c)に示すように図16及び図17に示すアップサンプリング投影データ生成処理(C)で生成したアップサンプリング投影データ515を用いてもよいし、図24(d)に示すように図18及び図19に示すアップサンプリング投影データ生成処理(D)で生成したアップサンプリング投影データ516を用いてもよい。
またいずれのアップサンプリング投影データ505,513,515,516も、仮想ビューの算出方法は、上述したようにビュー方向に隣接する2点による補間(図4(a))、またはビュー方向及びチャンネル方向に隣接する4点による補間(図4(b))、或いはTV法等を用いた補間や推定(図4(c))により求めてもよいし、仮想対向データ空間を用いて算出してもよい(図3)。
また、アップサンプリング投影データのビュー数は実データの2倍に限らず、2倍より多いビュー数としてもよい。また、ビュー方向に部分的にビュー数を増加させ、1.5倍等のように小数の数値を含む任意のビュー数としてもよい。
図26を参照して、第3の実施の形態の再構成演算処理の流れを説明する。
まず、画像再構成演算部128Aは、空間分解能の境界点P0を取得する(ステップS901)。境界点P0の取得は、第2の実施の形態(図22のステップS801)と同様である。
次に、画像再構成演算部128Aは、FFS投影データの実データ(ノーマルFFS投影データ)を用いて再構成した画像と、FFS投影データをアップサンプリングしたアップサンプリング投影データを用いて再構成した画像とを作成する(ステップS902)。
次に、画像再構成演算部128Aは、境界点P0を含む境界領域Qより中心側の中心領域604aでFFS投影データの実データにより再構成された画像を用い、境界領域Qより外側の周辺領域603aでアップサンプリング投影データにより再構成された画像を用いた合成画像を作成する。境界領域Qでは連続的な空間分解能となるようにステップS902で再構成した各画像を重み付け加算する(ステップS903)。重み付けの方法は上述したように、例えば図25に示す形状の重み係数をアップサンプリング投影データにより作成した画像に乗じ、図25に示すグラフとは逆の形状の重み係数をFFS実投影データ(ノーマル投影データ)により作成した画像に乗じ、これらの画像を加算する。
画像再構成演算部128Aは、ステップS903の処理により作成した画像を出力する(ステップS904)。出力先は、例えば記憶装置123や表示装置125等である。
以上説明したように、第3の実施の形態のX線CT装置1Aは、画像の再構成演算処理において、画像中心に近い中心領域604aではFFS投影データの実データ(ノーマルFFS投影データ)を用い、境界点P0より周辺側の周辺領域603aではアップサンプリング投影データを用いて再構成した各画像を合成する。更に、所定の境界領域Qで、空間分解能が滑らかに連続するように上述の各画像を重み付け加算する。
これにより、第2の実施の形態の効果に加え、更に、境界領域Qで空間分解能が滑らかに連続した画像を得ることが可能となる。
なお、上述の再構成演算処理では、再構成された画像を合成する際に重み付け加算するものとしたが、投影データ上でアップサンプリング投影データとFFS投影データの実データ(ノーマルFFS投影データ)とを合成し、その後、合成された投影データを再構成してもよい。この場合は、境界領域Qに該当する部分で、アップサンプリング投影データとFFS投影データの実データ(ノーマルFFS投影データ)とを重み付け加算して作成した投影データを用いるものとする。
[第4の実施の形態]
次に、図27及び図28を参照して本発明の第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態のX線CT装置1Aでは、画像全体にわたって、重みを変化させてFFS投影データの実データ(ノーマル投影データ)を用いた画像とアップサンプリング投影データを用いた画像とを合成するようにしてもよい。
図27は、第4の実施の形態において、アップサンプリング投影データによる再構成画像に掛ける重み係数W'(P)を示すグラフである。このグラフでは、中心に近い領域で「0」から滑らかに上昇し、周辺領域の端部で「1」となっている。すなわち、境界領域Q以外の領域でも、中心Oからの距離に応じて重み係数が変化する形状となっている。このように、重み係数のグラフ形状は任意としてよく、境界領域Q以外の領域であっても所望の領域で所望の空間分解能が得られるように重み係数を変化させる。
なお、FFS実投影データ(ノーマルFFS投影データ)による再構成画像に掛ける重み係数は、図27とは逆に、中心に近い領域で「1」から滑らかに下降し、周辺領域の端部で「0」となる。
また、図27の例では重み係数W'(P)は画像中心からの距離Pに依存する滑らかな曲線で表されるものとしたが、これに限定されず、直線で表されるものとしてもよい。
図28を参照して、第4の実施の形態の再構成演算処理の流れを説明する。
まず、画像再構成演算部128Aは、空間分解能の境界点P0を取得する(ステップS1001)。境界点P0の取得は、第2の実施の形態(図22のステップS801)と同様である。
次に、画像再構成演算部128Aは、FFS投影データの実データ(ノーマルFFS投影データ)を用いて再構成した画像と、ノーマルFFS投影データをアップサンプリングしたアップサンプリング投影データを用いて再構成した画像とを作成する(ステップS1002)。
アップサンプリング投影データは、アップサンプリング投影データ生成処理(A)〜(D)のいずれを用いて生成されたものを使用してもよい。
次に、画像再構成演算部128Aは、所望の形状の重み係数を各画像に掛け、加算する(ステップS1003)。重みは、FFS投影データの実データ(ノーマルFFS投影データ)を用いて再構成した画像と、ノーマルFFS投影データをアップサンプリングしたアップサンプリング投影データを用いて再構成した画像とを合成する際に、所望の領域で所望の空間分解能を得るように適切な比率で合成するためのものである。
そして画像再構成演算部128Aは、ステップS1003の処理により作成した画像を出力する(ステップS804)。出力先は、例えば記憶装置123や表示装置125等である。
以上説明したように、第4の実施の形態のX線CT装置1Aは、画像の再構成演算処理において、撮影中心からの距離に応じて変化する重み係数を用いてFFS投影データの実データ(ノーマル投影データ)により再構成した画像と、アップサンプリング投影データにより再構成した画像とを合成する。
これにより、第2の実施の形態の効果に加え、更に、画像の所望の領域で所望の空間分解能となる画像を得ることが可能となる。また、実データの重みを大きくすることにより、所望の領域で信頼性の高い画像を得ることが可能となる。
[第5の実施の形態]
次に、図29及び図30を参照して本発明の第5の実施の形態について説明する。
第5の実施の形態では、図29に示すように、操作者により設定された関心領域(ROI;Region Of Interest)7及び中心領域604に対してFFS投影データの実データ503を適用する。また周辺領域603にはアップサンプリング投影データ505を適用する。ROI7が周辺領域603にある場合には、ROI7内の範囲についてはFFS投影データの実データ503を用いる。
図30を参照して、第5の実施の形態の再構成演算処理の流れを説明する。
まず、システム制御装置124、関心領域(ROI)7を設定する(ステップS1101)。ROI7の設定は、入力装置121を介して操作者により行われる。次に、画像再構成演算部128Aは、空間分解能の境界点P0を取得する(ステップS1102)。境界点P0の取得は、第2の実施の形態(図22のステップS801)と同様である。
次に、画像再構成演算部128Aは、ステップS1101で設定したROI7と中心領域604でFFS投影データの実データ(ノーマルFFS投影データ)を用い、ROI7を除く周辺領域603で、仮想ビューによるアップサンプリング投影データを用いて画像を再構成する(ステップS1103)。
アップサンプリング投影データは、アップサンプリング投影データ生成処理(A)〜(D)のいずれを用いて生成されたものを使用してもよい。
画像再構成演算部128Aは、ステップS1103の処理により作成した画像を出力する(ステップS1104)。出力先は、例えば記憶装置123や表示装置125等である。
以上説明したように、第5の実施の形態のX線CT装置1Aは、ROI7及び中心領域604でFFS投影データの実データ(ヘリカル撮影の場合は目的のスライス位置での投影データに変換後のノーマルFFS投影データ)を用いた画像を再構成することにより、画像の信頼性を高める。また、ROI7を除く周辺領域603ではアップサンプリング投影データを用い空間分解能を向上させる。これにより、診断の対象であるROIや画像の中心部で信頼性が高く、かつ周辺部の空間分解能も向上した画像を得ることが可能となる。
なお、第5の実施の形態においても、境界領域Qで、第3の実施の形態に示すような結合処理を行ったり、第4の実施の形態に示すような所望の形状の重み係数を使用してFFS投影データによる画像とアップサンプリング投影データによる画像とを加重加算してもよい。
[第6の実施の形態]
次に、図31〜図33を参照して本発明の第6の実施の形態について説明する。
図31に示すように、第6の実施の形態では、画像再構成演算部128Aは、再構成画像1001の画像面内において中心Oから距離P1までの領域1002、距離P1から距離P2までの領域1003、距離P2から距離P3までの領域1004に対して、それぞれ異なるビュー数(アップサンプリング数)のFFS投影データを用いて再構成された画像を合成する。例えば、領域1002ではFFS投影データの実データのビュー数V1とし、領域1003ではビュー数V2にアップサンプリングしたFFS投影データを使用し、領域1004ではビュー数V3にアップサンプリングしたFFS投影データを使用する。
各領域1002,1003,1004の合成前の各画像をξ(V1)、ξ(V2)、ξ(V3)とすると、合成後の画像ξ(V)は以下の式(10)で表すことができる。
Figure 2016080311
アップサンプリング投影データは、第2の実施の形態で説明したアップサンプリング投影データ生成処理(A)〜(D)のいずれの方法で作成されたものでもよい。
また、図32に示す画像1001aのように、領域1002と領域1003の境界部や領域1003と領域1004の境界部で連続的な空間分解能を得るように、結合処理を行うようにしてもよい。結合処理については、第2の実施の形態と同様である。すなわち境界部1006,1007で、空間分解能を連続的に滑らかに変化させるような重み係数W(V1)、W(V2)、W(V3)を用いて各ビュー数の投影データにより再構成された画像ξ(V1)、ξ(V2)、ξ(V3)を合成する。
合成後の画像ξ(V)は以下の式(11)で表すことができる。
Figure 2016080311
また、図31及び図33に示す例では領域数を3つとしたが、3つに限定されるものではなく、図33に示す画像1001bのように、n個の領域に拡張することも可能である。
合成後の画像ξ(V)は以下の式(12)で表すことができる。
Figure 2016080311
第6の実施の形態によれば、画像中心Oからの距離Pに応じて異なるビュー数V1〜Vnのアップサンプリング投影データを用いた画像を合成できる。したがって、例えば、境界点P0より周辺領域では、画像中心Oから遠ざかるにしたがってアップサンプリング数を徐々に適切に増加させることにより、空間分解能を所望の量だけ向上させることができる。これにより、画像全体にわたって空間分解能を一様にできる。また、所望の領域の空間分解能を優先的に向上させるなど、診断目的に応じて様々な画質の画像を作成することも可能となる。
以上、本発明に係るX線CT装置の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1A X線CT装置、100 スキャンガントリ部、101、101A X線管装置、102 回転盤、103 コリメータ、106 X線検出器、110、110A X線制御装置、120 操作卓、121 入力装置、122 画像演算装置、123 記憶装置、124 システム制御装置、125 表示装置、126 投影データ変換部、127、127A アップサンプリング投影データ生成部、128、128A 画像再構成演算部、501 FFS(+)投影データ、502 FFS(-)投影データ、503 FFS投影データ(焦点シフト投影データ)、505、513、515,516,518 アップサンプリング投影データ
X線CT装置1の全体構成図 ヘリカル撮影において、目的のスライス位置で投影データを取得する方法について示す図 仮想対向データ空間を用いたアップサンプリング方法について説明する図 (a)2点による補間、(b)4点による補間、(c)TV法による補間を示す図 X線CT装置1が実行する処理全体の流れを説明するフローチャート 画像演算装置122のアップサンプリング投影データ生成部127が実行するアップサンプリング処理の手順を示すフローチャート 隣接するビューVa,Vbと仮想ビューVcの計測時の位置関係を示す図 (a)単純ビュー補間におけるアップサンプリングと、(b)本発明によるアップサンプリングとの違いを説明する図 チャンネル方向へのアップサンプリングについて説明する図 第2の実施の形態のX線CT装置1Aの全体構成図 X線CT装置1Aが実行する処理全体の流れを説明するフローチャート アップサンプリング投影データ生成処理(A)の流れを説明するフローチャート アップサンプリング投影データ生成処理(A)の手順を示す概念図 アップサンプリング投影データ生成処理(B)の流れを説明するフローチャート アップサンプリング投影データ生成処理(B)の手順を示す概念図 アップサンプリング投影データ生成処理(C)の流れを説明するフローチャート アップサンプリング投影データ生成処理(C)の手順を示す概念図 アップサンプリング投影データ生成処理(D)の流れを説明するフローチャート アップサンプリング投影データ生成処理(D)の手順を示す概念図 部分的にビュー数が異なるアップサンプリング投影データ518について説明する図 画像の中心領域604と周辺領域603とにおける空間分解能の変化について説明する図 再構成演算処理の流れを説明するフローチャート 図22の再構成演算処理に使用する投影データの態様を示す図 第3の実施の形態の再構成演算処理について説明する図 第3の実施の形態の再構成演算処理において適用する重み係数の例 第3の実施の形態の再構成演算処理の流れを説明するフローチャート 第4の実施の形態の再構成演算処理において適用する重み係数の例 第4の実施の形態の再構成演算処理の流れを説明するフローチャート 第5の実施の形態の再構成演算処理において設定されるROIと、各領域に使用する投影データについて説明する概念図 第5の実施の形態の再構成演算処理の流れを説明するフローチャート 第6の実施の形態の再構成演算処理において、画像中心からの距離に応じて異なるビュー数でアップサンプリングした投影データを用いて再構成した画像を合成する例を示す図 図31の例において、境界付近で領域が滑らかになるように重み付けして画像を合成する例を示す図 図32の例における領域数をn個の領域に拡張した例を示す図
[第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
ここで、上述のFFS(+)投影データ501とFFS(-)投影データ502はヘリカル撮影または連続往復撮影または連続複数回撮影等のように、回転盤を回転させながら寝台105とスキャンガントリ部100とを体軸方向へ相対移動させて計測した投影データを含むものとする。また、撮影同期装置を用いて生体信号を取得しながら撮影を行う同期撮影で得た投影データを含むものとしてもよい。撮影同期装置とは、例えば、呼吸器計や心電計や脈波系等を用いて生体信号を計測し、生体信号に基づいて得られる被検体の動きと同期して撮影を制御する装置である。
仮想対向データ空間を用いた仮想ビューの生成方法(アップサンプリング方法)では、推定すべきチャンネルデータ(2重丸で示す点)に対して最も近い生体情報(被検体を透過した計測データ)を有する仮想対向データ(実データ)を基に仮想ビューの各チャンネルデータを算出する。最も近い生体情報を有する仮想対向データとは、計測されたRayの中で透過経路が最も近く、かつ逆方向から入射するRayのことである。Rayを選択的に取得し、選択されたRayから推定される仮想Rayを算出し、仮想ビューを生成することが特徴である。この手法を用いることにより、チャンネル数はそのままに、ビュー数のみアップサンプリングすることが可能である。2倍アップサンプリングの場合は、対向データの2点の平均値等を用いて仮想ビューのチャンネルデータを求めたが、N倍アップサンプリングとする場合は、2点間の線形補間または非線形補間により求めてもよい。また、この方法により、チャンネル方向のアップサンプリングも同時に行うことも可能である。

Claims (19)

  1. X線を照射するX線管装置と、
    前記X線管装置に対向配置され、被検体を透過したX線である透過X線を検出するX線検出器と、
    前記X線管装置及び前記X線検出器を搭載し、前記被検体の周囲を回転する回転盤と、
    前記回転盤を搭載するスキャンガントリと、
    前記被検体が載置される寝台と、
    前記回転盤を回転させながら前記寝台と前記スキャンガントリとを体軸方向へ相対移動させて前記X線検出器で検出された透過X線のデータを収集する撮影制御部と、
    収集した透過X線のデータに所定のデータ処理を施して目的のスライス位置における断層像の再構成に必要な投影データを生成する投影データ変換部と、
    前記投影データにおけるX線透過経路が略一致する対向データからなる仮想対向データを生成することにより前記投影データをアップサンプリングするアップサンプリング投影データ生成部と、
    アップサンプリングされた投影データであるアップサンプリング投影データを用いて画像を再構成する再構成演算部と、
    前記再構成演算部により再構成された画像を表示する表示部と、
    を備えることを特徴とするX線CT装置。
  2. 前記アップサンプリング投影データ生成部は、
    前記投影データのビュー内に仮想チャンネルを挿入し、
    前記仮想チャンネルの値を前記対向データ上の仮想ビューにある対応点の値として付与することにより仮想対向データ空間を生成し、
    前記対応点の値を用いて前記仮想ビューにおける各チャンネルの値を算出してビュー方向のアップサンプリング投影データを生成することを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  3. 前記アップサンプリング投影データ生成部は、
    取得した投影データのビュー内に仮想チャンネルを挿入し、
    前記仮想チャンネルの値を前記対向データ上の仮想ビューにある対応点の値として付与することにより仮想対向データ空間を生成し、
    前記仮想対向データ空間上の前記対応点の値を用いて前記仮想ビューにおける各チャンネルの値を算出してビュー方向及びチャンネル方向のアップサンプリング投影データを生成することを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  4. 前記アップサンプリング投影データ生成部は、
    取得した投影データのビュー内に仮想チャンネルを挿入し、
    前記仮想チャンネルの値を前記対向データ上の仮想ビューにある対応点の値として付与することにより仮想対向データ空間を生成し、
    前記対応点の値を用いて前記仮想ビューにおける各チャンネルの値を算出して、ビュー方向、チャンネル方向、及びスライス方向のアップサンプリング投影データを生成することを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  5. ビュー間距離がチャンネル間距離より大きい場合に、前記アップサンプリング投影データ生成部による投影データのアップサンプリングを行うことを特徴とする請求項2に記載のX線CT装置。
  6. 前記アップサンプリング投影データ生成部は、ビュー間距離とチャンネル間距離を用いて求められる重み係数を用いた補間演算を行うことにより、前記投影データをアップサンプリングすることを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
  7. 複数の焦点位置からX線を照射するX線管装置と、
    前記X線管装置に対向配置され、被検体を透過したX線である透過X線を検出するX線検出器と、
    前記X線管装置及び前記X線検出器を搭載し、前記被検体の周囲を回転する回転盤と、 前記回転盤を搭載するスキャンガントリと、
    前記被検体が載置される寝台と、
    前記焦点位置を任意の位置にシフトさせて照射された各X線による前記透過X線のデータを、前記回転盤を回転させながら前記寝台と前記スキャンガントリとを体軸方向へ相対移動させて収集する焦点シフト撮影制御部と、
    収集した各焦点位置からの前記透過X線のデータに所定のデータ処理を施して目的のスライス位置における断層像の再構成に必要な投影データを生成する投影データ変換部と、 前記投影データにおけるX線透過経路が略一致する対向データからなる仮想対向データを生成することによりビュー方向に仮想ビューを生成するとともに、前記仮想ビューが挿入された各焦点位置の投影データを組み合わせることによりアップサンプリング投影データを生成するアップサンプリング投影データ生成部と、
    前記アップサンプリング投影データを用いて画像を再構成する再構成演算部と、
    前記再構成演算部により再構成された画像を表示する表示部と、
    を備えることを特徴とするX線CT装置。
  8. 前記仮想ビューを挿入せずに各焦点位置の投影データを組み合わせた焦点シフト投影データを生成する焦点シフト投影データ生成部を更に備え、
    前記再構成演算部は、
    画像面内における所定の境界より画像中心に近い中心領域で前記焦点シフト投影データを用い、前記境界より外側の周辺領域で前記アップサンプリング投影データを用いて画像を再構成することを特徴とする請求項7に記載のX線CT装置。
  9. 前記仮想ビューを挿入せずに各焦点位置の投影データを組み合わせた焦点シフト投影データを生成する焦点シフト投影データ生成部を更に備え、
    前記再構成演算部は、前記焦点シフト投影データと前記アップサンプリング投影データとを所定の割合で加重加算した画像を生成することを特徴とする請求項7に記載のX線CT装置。
  10. 前記再構成演算部は、画像面内における所定の境界を含む境界領域で前記画像の空間分解能が滑らかに連続するように、加重加算に用いられる重み係数を設定することを特徴とする請求項9に記載のX線CT装置。
  11. 前記再構成演算部は、所望の位置で所定の空間分解能が得られるように、加重加算に用いられる重み係数が変化する範囲を設定することを特徴とする請求項9に記載のX線CT装置。
  12. 前記仮想ビューを挿入せずに各焦点位置の投影データを組み合わせた焦点シフト投影データを生成する焦点シフト投影データ生成部と、
    関心領域を設定する関心領域設定部と、を更に備え、
    前記再構成演算部は、更に、前記関心領域設定部により設定された関心領域において前記焦点シフト投影データを用いることを特徴とする請求項7に記載のX線CT装置。
  13. 前記アップサンプリング投影データ生成部は、異なるビュー数のアップサンプリング投影データを生成し、
    前記再構成演算部は、画像面内における画像中心からの距離に応じてビュー数が異なるアップサンプリング投影データを用いた画像を生成することを特徴とする請求項7に記載のX線CT装置。
  14. 前記アップサンプリング投影データ生成部は、
    前記焦点位置を前記X線検出器のチャンネル方向の正方向に移動して得られた第1の焦点シフト投影データと負方向に移動して得られた第2の焦点シフト投影データとをビュー方向に交互に組み合わせた焦点シフト投影データを生成し、当該焦点シフト投影データをビュー方向にアップサンプリングすることによりアップサンプリング投影データを生成することを特徴とする請求項7に記載のX線CT装置。
  15. 前記アップサンプリング投影データ生成部は、
    前記焦点位置を前記X線検出器のチャンネル方向の正方向に移動して得られた第1の焦点シフト投影データと負方向に移動して得られた第2の焦点シフト投影データとをそれぞれビュー方向にアップサンプリングし、アップサンプリングした第1及び第2の焦点シフト投影データをビュー方向に交互に組み合わせることによりアップサンプリング投影データを生成することを特徴とする請求項7に記載のX線CT装置。
  16. 前記アップサンプリング投影データ生成部は、
    アップサンプリングされた第1及び第2の焦点シフト投影データをビュー方向に交互に組み合わせた投影データに、更に欠損データ処理を施したアップサンプリング投影データを生成することを特徴とする請求項14に記載のX線CT装置。
  17. 前記アップサンプリング投影データ生成部は、
    アップサンプリングされた第1及び第2の焦点シフト投影データをビュー方向に交互に組み合わせた投影データを、更にビュー方向にアップサンプリングしたアップサンプリング投影データを生成することを特徴とする請求項14に記載のX線CT装置。
  18. 画像演算装置が実行する、
    X線CT装置の回転盤を回転させながら寝台とスキャンガントリとを体軸方向へ相対移動させる撮影により計測された被検体透過X線のデータを収集するステップと、
    収集した被検体透過X線のデータに所定のデータ処理を施すことにより目的のスライス位置における断層像の再構成に必要な投影データを生成するステップと、
    前記投影データにおけるX線透過経路が略一致する対向データからなる仮想対向データを生成することにより前記投影データをアップサンプリングするステップと、
    を含むことを特徴とする投影データのアップサンプリング方法。
  19. X線管装置におけるX線焦点位置を複数箇所にシフトさせて照射した各X線による透過X線のデータを、回転盤を回転させながら寝台とスキャンガントリとを体軸方向へ相対移動させて収集するステップと、
    収集した各焦点位置からの前記透過X線のデータに所定のデータ処理を施して目的のスライス位置における断層像の再構成に必要な投影データを生成するステップと、
    前記投影データにおけるX線透過経路が略一致する対向データからなる仮想対向データを生成することによりビュー方向に仮想ビューを生成するとともに、前記仮想ビューが挿入された各焦点位置の投影データを組み合わせることによりアップサンプリング投影データを生成するステップと、
    前記仮想ビューを挿入せずに各焦点位置の投影データを組み合わせた焦点シフト投影データを生成するステップと、
    画像面内における所定の境界より画像中心に近い中心領域で前記焦点シフト投影データを用い、前記境界より外側の周辺領域で前記アップサンプリング投影データを用いて画像を再構成するステップと、
    を含むことを特徴とする画像再構成方法。
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