JP2011244126A - キャリブレーション装置、キャリブレーション方法、分光反射率予測装置、及び分光反射率予測方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】極小的な色域での色予測に用いられる分光反射率予測方法、分光反射率予測装置、この分光反射率予測方法を用いたキャリブレーション方法、及びキャリブレーション装置を提供する。
【解決手段】基準となる1次色インクに、この1次色インクとは異なる他の1次色インクを混色して形成した混色後のインクの分光反射率を予測する分光反射率予測装置であって、前記基準となる1次色インク及び前記他の1次色インクの下地色を含めた分光反射率、並びに下地色の分光反射率を取得する取得手段と、前記取得された各1次色インクの分光反射率を掛け合わせた値から、前記各1次色インクの数から1を引いた数で累乗した前記下地色の分光反射率を割ることで混色後のインクの分光反射率を予測する予測手段と、を有する。
【選択図】図6
【解決手段】基準となる1次色インクに、この1次色インクとは異なる他の1次色インクを混色して形成した混色後のインクの分光反射率を予測する分光反射率予測装置であって、前記基準となる1次色インク及び前記他の1次色インクの下地色を含めた分光反射率、並びに下地色の分光反射率を取得する取得手段と、前記取得された各1次色インクの分光反射率を掛け合わせた値から、前記各1次色インクの数から1を引いた数で累乗した前記下地色の分光反射率を割ることで混色後のインクの分光反射率を予測する予測手段と、を有する。
【選択図】図6
Description
本発明は、混色後のインクの分光反射率を予測する方法に関する。
従来、任意の1次色インクをターゲット1次色に近づけるためにキャリブレーションが実行される。このキャリブレーションでは、ある1次色インクの分光反射率とターゲット1次色の分光反射率とを用いて、各分光反射率の差が小さくなるよう、1次色インクのインク量セットを変更していく(例えば、特許文献1参照。)。
上記したキャリブレーションにおいては、すべてのインク量セットでの分光反射率を測色することは時間的にも人的にもコスト高となるため、代表的なインク量セットでの分光反射率から予測モデルを用いて任意のインク量セットでの分光反射率を算出している。しかしながら、従来の予測モデルでは、全色域にわたって網羅的に分光反射率の予測を行うものであり、事前に準備しておく側色点数も多かった。そのため、1次色インクをターゲット1次色に近づけるといった比較的極小的な色域での色予測においては、上記従来の予測モデルは使い難かった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、極小的な色域での色予測に用いられる分光反射率予測方法、分光反射率予測装置、この分光反射率予測方法を用いたキャリブレーション方法、及びキャリブレーション装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、基準となる1次色インクに、この1次色インクとは異なる他の1次色インクを混色して形成した混色後のインクの分光反射率を予測する分光反射率予測装置であって、前記基準となる1次色インク及び前記他の1次色インクの下地色を含めた分光反射率、並びに下地色の分光反射率を取得する取得手段と、前記取得された各1次色インクの分光反射率を掛け合わせた値から、前記各1次色インクの数から1を引いた数で累乗した前記下地色の分光反射率を割ることで混色後のインクの分光反射率を予測する予測手段と、を有する構成としてある。
上記のように構成された発明では、基準となる1次色インクに、この1次色インクとは異なる他の1次色インクを混色して形成した混色後のインクの分光反射率を予測するものである。具体的には、取得手段は、基準となる1次色インク及びこの1次色インクに他の1次色インクの下地色を含めた分光反射率、並びに下地色の分光反射率を取得する。また、予測手段は、取得された各1次色インクの分光反射率を掛け合わせた値から、各1次色インクの数から1を引いた数で累乗した下地色の分光反射率を割ることで混色後のインクの分光反射率を予測する。
そのため、例えば、プリンター間の色合わせといった、色合わせの範囲が限られる用途で使用されるキャリブレーションにおいて、基準となる1次インク、及び他の1次インクの下地色を印刷して得た分光反射率から混色後の分光反射率を予測することが可能となり、簡易に分光反射率の予測を行うことができる。
また、本発明の分光反射率予測装置(分光反射率予測方法)を用いたキャリブレーションに係る発明として、基準となる1次色インクに、この1次色インクとは異なる他の1次色インクを混色して、所定のターゲット1次色に近づけるキャリブレーション装置であって、前記基準となる1次色インク及び前記他の1次色インクの下地色を含めた分光反射率、並びに下地色の分光反射率を取得する取得手段と、前記取得された各1次色インクの分光反射率を掛け合わせた値から、前記各1次色インクの数から1を引いた数で累乗した前記下地色の分光反射率を割ることで混色後のインクの分光反射率を予測する予測手段と、前記予測された混色後のインクの分光反射率を前記ターゲット1次色に近づけるよう最適化を行う最適化手段と、を有する構成としてもよい。
上記のように、構成された発明では、本発明に係る分光反射率の予測を適用したキャリブレーションを行うことで、簡易なキャリブレーションを実現することが可能となる。
また、前記予測手段は、前記混色後のインクの分光反射率を離散的に予測し、前記最適化手段は、前記分光反射率を用いて最適化された混色後のインクを離散的に取得した後、この最適化された混色後のインクの分光反射率を補間して、他の混色後のインクの最適値を得る構成としてもよい。
上記のように構成された発明では、離散的に予測した分光反射率を補間して、混色後のインクをターゲット1次色に近づけるよう最適化するため、1次色インクの測色点数を減らすことができ、キャリブレーションに要する時間を短くすることができる。
そして、前記最適化手段は、前記基準となる1次色インクと前記他の1次色インクの混色比を変化させて混色後のインクを最適化する構成としてもよい。
さらに、本発明に係る分光反射率予測はキャリブレーション装置以外にも、この分光反射率予測を適用するキャリブレーション方法にも適用することができる。
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
1.色予測モデル:
2.キャリブレーション方法:
3.その他の実施形態:
1.色予測モデル:
2.キャリブレーション方法:
3.その他の実施形態:
1.色予測モデル:
図1は、本実施形態に係るキャリブレーションを説明するための図である。本実施形態でのキャリブレーションでは、任意の1次色インク(基準となる1次色インク)の分光反射率を、設定されたターゲット1次色の分光反射率に近づけるよう微量の他の1次色インクを混色して色合わせを行う。そのため、微量の1次色インクが混色された混色後のインクの分光反射率と、ターゲット1次色の分光反射率とを取得し、混色後のインクの分光反射率とターゲット1次色の分光反射率Rt(λ)の差が小さくなるよう最適化を行う(1−B)。
図1は、本実施形態に係るキャリブレーションを説明するための図である。本実施形態でのキャリブレーションでは、任意の1次色インク(基準となる1次色インク)の分光反射率を、設定されたターゲット1次色の分光反射率に近づけるよう微量の他の1次色インクを混色して色合わせを行う。そのため、微量の1次色インクが混色された混色後のインクの分光反射率と、ターゲット1次色の分光反射率とを取得し、混色後のインクの分光反射率とターゲット1次色の分光反射率Rt(λ)の差が小さくなるよう最適化を行う(1−B)。
例えば、シアンの1次色インクをターゲット1次色Tcに近づける場合に、シアンインクとターゲット1次色Tcとの色差が色相方向にズレており、シアンインクのa*b*平面上での値を色相方向に移動させる必要がある。この場合、最適化処理では、シアンインクに微量の他の1次色インク(例えば、M(マゼンダ))を混色させた混色後のインクの分光反射率を求め、ターゲット1次色Tcの分光反射率との差が小さくなるよう、シアンインクと他のインクとの混色比を変化させていく。
また、最適化を行うに当たっては、混色後のインクにおけるすべての分光反射率を測色する必要があるが、最適化過程における全ての混色インクの分光反射率を測色することは時間的にも人的にもコストが高いため現実的ではない。そのため、本実施形態では、混色後のインクの分光反射率を、色予測モデルを用いて予測する。
本実施形態では、下記式(1)に示す色予測モデルをもとに混色インクの分光反射率を予測する。
ここで、Rs(λ)は、予測分光反射率を示す。また、Rm(λ)は、任意の1次色インクの分光反射率を示し、mは1次色インクを識別する値である。例えば、R1(λ)はシアン、R2(λ)はマゼンダ、R3(λ)はイエロー、R4(λ)はブラックのそれぞれの分光反射率である。そして、Rpw(λ)は、下地色の分光反射率を示す。さらに、nは混色される1次色インクの数を示す。
ここで、Rs(λ)は、予測分光反射率を示す。また、Rm(λ)は、任意の1次色インクの分光反射率を示し、mは1次色インクを識別する値である。例えば、R1(λ)はシアン、R2(λ)はマゼンダ、R3(λ)はイエロー、R4(λ)はブラックのそれぞれの分光反射率である。そして、Rpw(λ)は、下地色の分光反射率を示す。さらに、nは混色される1次色インクの数を示す。
上記式(1)に示す色予測モデルでは、混色後のインクの予測分光反射率Rs(λ)を、混色する各1次色インクの分光反射率の測色値をもとに極めて容易に算出することができる。また、異なるプリンター間での色合わせといった、限定的な用途で使用されるキャリブレーションにおいては、混色される他の1次色インクの数はおのずと限られるため、上記式(1)を用いれば、簡易な計算により混色後の分光反射率を予測することが可能となる。
2.キャリブレーション方法:
以下、図を参照して、この発明に係るキャリブレーション装置を具体化した実施形態について説明する。図2は、キャリブレーション装置30の構成を説明するためのブロック構成図である。キャリブレーション装置30は、PC10と、プリンター20とが接続されて構成されており、PC10の制御のもとプリンター20が吐出する1次色インクをターゲット1次色に近づけるようキャリブレーションを行う。
以下、図を参照して、この発明に係るキャリブレーション装置を具体化した実施形態について説明する。図2は、キャリブレーション装置30の構成を説明するためのブロック構成図である。キャリブレーション装置30は、PC10と、プリンター20とが接続されて構成されており、PC10の制御のもとプリンター20が吐出する1次色インクをターゲット1次色に近づけるようキャリブレーションを行う。
図3は、PC10の構成を説明するブロック構成図である。PC10は、CPU11と、RAM12と、ROM13と、HDD14と、各種インターフェース(GIF、VIF、IIF)15〜17と、バス18とを備えて構成され、CPU11によりバス18を介した統合的な制御が行われる。
GIF(汎用インターフェース)15は、例えばUSB規格に準じたインターフェースであり、プリンター20と接続することでPC10から出力されるデーターをプリンター20に送信する。VIF(ビデオインターフェース)16は、ディスプレイ40と接続することでディスプレイ40に対して画像を表示させる。IIF(入力機器インターフェース)17は、キーボード50aやマウス50bに接続することでキーボード50aやマウス50bを操作することで得られる操作入力をPC10に入力させる。
HDD14には、プログラムデーターPD以外にも、インデックテーブルIDTと、パッチデーターCPDと、が記録されている。
図4は、プリンター20の構成を説明するブロック構成図である。プリンター20は、ASIC21と、印刷ヘッド22と、吐出制御回路24と、印刷ヘッド駆動制御回路25と、用紙搬送機構27と、GIF28と、バス29とを備えて構成され、ASIC21により統合的な制御が行われる。また、本実施形態にかかるプリンター20は、上記構成に加えて、測色ヘッド23と、測色ヘッド駆動制御回路26とを備えて構成されている。
印刷ヘッド22は、印刷ヘッド駆動制御回路25の制御により主走査方向に往復運動を行う機構であり、吐出制御回路24により制御されて、図示しない各インクカートリッジ(C,M,Y,K)から供給された1次色インクを混色させて用紙に吐出する。また、用紙搬送機構27は、印刷用紙を副走査方向に搬送する機構である。さらに、GIF28は、PC10のGIF15と接続することで、PC10との間で通信を確立する。
測色ヘッド23は、測色ヘッド駆動制御回路26の制御により主走査方向に往復運動を行いつつ、用紙に印刷された印刷画像を測色する。測色ヘッド23は図示しない光センサーを備え、用紙に印刷された印刷画像が示す各色の分光反射率R(λ)を検出する。
図5は、キャリブレーションを実行する際のCPU11の機能を説明するための機能ブロック図である。また、図6は、本実施形態でのキャリブレーションの流れを説明するフローチャートである。
制御部11は、プログラムデーターPDを実行することで、ターゲットデーター取得モジュールM11と、分光反射率取得モジュール(取得手段)M12と、インク量セット算出モジュール(最適化手段)M13と、分光予測モジュール(予測手段)M14と、テーブル作成モジュールM15との機能を実現する。
ターゲットデーター取得モジュールM11は、プリンター20におけるキャリブレーションの基準となるターゲット分光反射率Rt(λ)を取得する。ターゲット分光反射率Rt(λ)は、プリンター20におけるキャリブレーションの基準となるターゲット1次色の分光反射率であり、例えば、色合わせの基準となるプリンターが吐出する1次色インクの分光反射率である。このターゲット分光反射率Rt(λ)は、1次色インク毎にインデックステーブルIDTに記録されている。
図7は、一例としてのインデックステーブルIDTを示す図である。インデックステーブルIDTは、ターゲット1次色を示すインデックス番号と、このターゲット1次色に対応するターゲット分光反射率Rt(λ)と、このターゲット1次色を再現するためにプリンター20が吐出可能なインク量セットΦとが対応付けて記録される。また、ターゲット1次色は、全てのインク量階調に対応するインク量セットΦに対応するのではなく代表する値のみが記録されている。
分光反射率取得モジュールM12は、キャリブレーション対象であるプリンター20が吐出可能な1次色インクの分光反射率Rm(λ)を取得する。分光反射率取得モジュールM12は、プリンター20に、1次色インクにより構成された測色パッチを印刷させるとともに、測色ヘッド23にこの測色パッチの分光反射率を測色させる。測色パッチは、パッチデーターCPDをもとにプリンター20に印刷され、1次色インク(C,M,Y,K)毎に、複数のインク階調が表現されて形成される。そのため、測色ヘッド23がこの測色パッチを測色することで離散的な1次色インクの分光反射率を得ることができる。なお、本実施形態では、1次色インクをCMYKの4色とするため、測色パッチも4色で構成されるが、測色パッチの色数はプリンター20が使用する1次色インクの数に応じて設定すればよい。
インク量セット算出モジュールM13は、後述する分光予測モジュールM14が予測した混色後のインクの予測分光反射率Rs(λ)をもとに、ターゲット分光反射率Rt(λ)を再現可能なプリンター20のインク量セットΦ、及びこのインク量セットΦ付近のインク量セットΦを算出する。
分光予測モジュールM14は、上記した式(1)に示す色予測モデルをもとに、混色後のインクの予測分光反射率Rs(λ)を算出する。分光予測モジュールM14は、予測分光反射率Rs(λ)を算出する際、分光反射率取得モジュールM12により取得された各1次色インクの分光反射率Rm(λ)を参照する。
テーブル作成モジュールM15は、インク量セット算出モジュールM12が算出したインク量セットΦをもとに、インデックステーブルIDTを更新する。即ち、テーブル作成モジュールM15は、インク量セット算出モジュールM12がターゲット1次色を再現するインク量セットΦを算出すると、このインク量セットΦをインデックステーブルIDTに記録されたターゲット1次色のインデックス番号に対応する欄に記録する。
以下、本実施形態に係るキャリブレーション装置30における1次色インクのキャリブレーションを説明する。
ステップS11では、ターゲットデーター取得モジュールM11は、インデックステーブルIDTを参照して、ターゲット1次色の分光反射率Rt(λ)を取得する。
ステップS11では、ターゲットデーター取得モジュールM11は、インデックステーブルIDTを参照して、ターゲット1次色の分光反射率Rt(λ)を取得する。
ステップS12では、分光反射率取得モジュールM12は、キャリブレーション対象となるプリンター20が吐出する1次色インクの分光反射率Rm(λ)を取得する。即ち、分光反射率取得モジュールM12は、パッチデーターCPDをもとに、プリンター20に測色パッチを印刷させる。そして、分光反射率取得モジュールM12は、測色ヘッド駆動制御回路26を制御して測色ヘッド23に各パッチの分光反射率を測色させる。更に、測色された分光反射率は、PC10に送信され、分光反射率Rm(λ)として記録される。
ステップS13では、インク量セット算出モジュールM13及び分光予測モジュールM14により、1次色インクの最適化が行われる。この最適化処理では、混色後のインクがターゲット1次色(ターゲット分光反射率Rt(λ))に近づくよう、基準となる1次色インクに他の1次色インクを混色し、最適なインク量セットを算出する。
図8は、ステップS13により実行される処理を詳細に説明するフローチャートである。ステップS131では、インク量セット算出モジュールM13は、キャリブレーション対象となる1次色インクと、この1次色インクに混色される少量の1次色インクで構成されたインク量セットΦを初期値として取得する。なお、ステップS131で取得されるインク量セットΦの初期値は、実験的に求められた値である。
ステップS132では、インク量セット算出モジュールM13は、ステップS131で取得したインク量セットΦを分光反射率予測モジュールM14に指定し、このインク量セットの予測分光反射率Rs(λ)を算出させる。そのため、分光反射率予測モジュールM14は、指定されたインク量セットΦを構成するインクの各分光反射率Rm(λ)を取得し、この値を式(1)に代入することでこのインク量セットΦの予測分光反射率Rs(λ)を算出する。
図9は、ある1次色インクとターゲット1次色との関係を説明するための図である。図9−Aでは、a*b*平面上における各1次色の関係を示す。また、図9−Bでは、基準となる1次色インクと、混色される他の1次色インクとの混色比を示す。
ステップS133では、インク量セット算出モジュールM13は、ターゲット分光反射率Rt(λ)と、ステップS132で予測された混色後のインクの分光反射率Rm(λ)の差分D(λ)を各波長λ(例えば、380nm〜730nm)について算出し、波長λごとに重みが課せられた重み係数w(λ)を当該差分D(λ)に乗算する。そして、この値の二乗平均の平方根を評価関数E(Φ)として算出する。
即ち、評価値E(Φ)は、下記に示す式(3)により示すことができる。
ここで、Nは波長λの区分数を意味する。前記の(3)において、評価値E(Φ)が小さければ小さいほど、各波長λにおけるターゲット分光反射率Rt(λ)と予測分光反射率Rs(λ)の差が小さくなる。
ここで、Nは波長λの区分数を意味する。前記の(3)において、評価値E(Φ)が小さければ小さいほど、各波長λにおけるターゲット分光反射率Rt(λ)と予測分光反射率Rs(λ)の差が小さくなる。
また、重み係数w(λ)は下記の式(4)のものを使用する。
前記の式(4)においては、等色関数x(λ)、y(λ)、z(λ)を加算することにより、重み関数w(λ)が定義されている。なお、等色関数x(λ)、y(λ)、z(λ)は、人間の視覚感度に応じたスペクトルを有しており、人間の視覚感度が敏感な波長域での分光反射率R(λ)を重視させることができる。例えば、人間の目に知覚されない近紫外波長域においてはw(λ)=0となり、当該波長における差分D(λ)は評価値E(Φ)の増大に寄与しないこととなる。
前記の式(4)においては、等色関数x(λ)、y(λ)、z(λ)を加算することにより、重み関数w(λ)が定義されている。なお、等色関数x(λ)、y(λ)、z(λ)は、人間の視覚感度に応じたスペクトルを有しており、人間の視覚感度が敏感な波長域での分光反射率R(λ)を重視させることができる。例えば、人間の目に知覚されない近紫外波長域においてはw(λ)=0となり、当該波長における差分D(λ)は評価値E(Φ)の増大に寄与しないこととなる。
ステップS134では、インク量セット算出モジュールM13は、作成された評価関数E(Φ)が閾値S以上である場合は(ステップS134:NO)、インク量セットΦを変化させ(ステップS135)、ステップS131〜S134の処理を繰返す。ここで、インク量セットΦの変化は、変化後のインク量セットのインク量が変化しないようその混色比のみが変化される。即ち、図9−Bに示すように、シアンインクに混色するマゼンダインクのインク量を増加させた場合は、対象的にシアンインクのインク量は減少するようインク量セットΦを設定する。また、閾値Sは、実験的に設定された値である。
作成された評価関数E(Φ)が閾値S未満となった場合は(ステップS134:YES)、インク量セット算出モジュールM13は、当該インク量セットΦを最適化されたインク量セットとして判断し、記録する(ステップS136)。
図6に戻り、ステップS14では、インク量セット算出モジュールM13は、最適化された離散的なインク量セットΦを補間して、プリンター20が吐出可能な1次色インクの全てのインク階調に対して最適なインク量セットΦを算出する。
図10は、ステップS14で実行される補間処理を説明するための図である。なお、インク量セットΦ1〜Φ4は、一例としての、ステップS13で算出されたインク量セットΦを示す。ステップS13で取得されたインク量セットΦはターゲット1次色又はカラーパッチの測色点数に応じて離散的に取得された値であり、プリンター20が吐出する1次色インクの全てにおいて算出された値ではない。そのため、ステップS13において算出されないインク量セットΦを算出する必要がある。
ステップS14では、インク量セット算出モジュールM13は、所定波長毎に分光反射率Rs(λ)を補間処理し、各波長における予測分光反射率Rs‘(λ)を算出する。そして、この各波長での予測分光反射率Rs’(λ)を結んで、所定波長域での予測分光反射率Rs’(λ)を算出する。そして、インク量セット算出モジュールM13は、算出された予測分光反射率Rs’(λ)に対応するインク量セットΦを取得する。ここで、算出された所定波長での予測分光反射率Rs’(λ)から対応するインク量セットΦを取得する方法としては、補間処理によって取得された分光反射率Rs’(λ)をターゲット分光反射率Rt(λ)と見立てて、図8と同様な手法により取得すればよい。なお、補間処理はビースプライン補間等の周知の補間処理を用いればよい。
ステップS15では、テーブル作成モジュールM15は、算出された全ての各インク量セットΦを、最適化されたインク量セットΦとしてインデックステーブルIDTに記録する。そのため、以後、プリンター20は、1次色インクを吐出する際、このインデックステーブルIDTに記録されたインク量セットΦに基づいて、インクが吐出される。
3.その他の実施形態:
本発明は、様々な実施形態が存在する。キャリブレーション装置30をPC10とプリンター20により構成することは一例であり、プリンター20がPC10の機能を備え、プリンター単体で本実施形態に係るキャリブレーションを実行してもよい。
また、1次色インクをCMYKの4色とすることは一例であり、これに限定されない。
本発明は、様々な実施形態が存在する。キャリブレーション装置30をPC10とプリンター20により構成することは一例であり、プリンター20がPC10の機能を備え、プリンター単体で本実施形態に係るキャリブレーションを実行してもよい。
また、1次色インクをCMYKの4色とすることは一例であり、これに限定されない。
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。即ち、上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること、上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること、上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること、は本発明の一実施例として開示されるものである。
10…PC、11…CPU、12…RAM、13…ROM、14…HDD、15…GIF、16…VIF、17…IIF、18…バス、20…プリンター、21…ASIC、22…印刷ヘッド、23…測色ヘッド、24…吐出制御回路、25…印刷ヘッド駆動制御回路、26…測色ヘッド駆動制御回路、27…用紙搬送機構、28…GIF,29…バス、30…キャリブレーション装置、40…ディスプレイ、50a…キーボード、50b…マウス
Claims (6)
- 基準となる1次色インクに、この1次色インクとは異なる他の1次色インクを混色して、所定のターゲット1次色に近づけるキャリブレーション装置であって、
前記基準となる1次色インク及び前記他の1次色インクの下地色を含めた分光反射率、並びに下地色の分光反射率を取得する取得手段と、
前記取得された各1次色インクの分光反射率を掛け合わせた値から、前記各1次色インクの数から1を引いた数で累乗した前記下地色の分光反射率を割ることで混色後のインクの分光反射率を予測する予測手段と、
前記予測された混色後のインクの分光反射率を前記ターゲット1次色に近づけるよう最適化を行う最適化手段と、を有することを特徴とするキャリブレーション装置。 - 前記予測手段は、前記混色後のインクの分光反射率を離散的に予測し、
前記最適化手段は、前記分光反射率を用いて最適化された混色後のインクを離散的に取得した後、この最適化された混色後のインクの分光反射率を補間して、他の混色後のインクの最適値を得ることを特徴とする請求項1に記載のキャリブレーション装置。 - 前記最適化手段は、前記基準となる1次色インクと前記他の1次色インクの混色比を変化させて混色後のインクを最適化することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のキャリブレーション装置。
- 基準となる1次色インクに、この1次色インクとは異なる他の1次色インクを混色して、所定のターゲット1次色に近づけるキャリブレーション方法であって、
前記基準となる1次色インク及び前記他の1次色インクの下地色を含めた分光反射率、並びに下地色の分光反射率を取得する取得工程と、
前記取得された各1次色インクの分光反射率を掛け合わせた値から、前記各1次色インクの数から1を引いた数で累乗した前記下地色の分光反射率を割ることで混色後のインクの分光反射率を予測する予測工程と、
前記予測された混色後のインクの分光反射率を前記ターゲット1次色に近づけるよう最適化を行う最適化工程と、を有することを特徴とするキャリブレーション方法。 - 基準となる1次色インクに、この1次色インクとは異なる他の1次色インクを混色して形成した混色後のインクの分光反射率を予測する分光反射率予測装置であって、
前記基準となる1次色インク及び前記他の1次色インクの下地色を含めた分光反射率、並びに下地色の分光反射率を取得する取得手段と、
前記取得された各1次色インクの分光反射率を掛け合わせた値から、前記各1次色インクの数から1を引いた数で累乗した前記下地色の分光反射率を割ることで混色後のインクの分光反射率を予測する予測手段と、を有することを特徴とする分光反射率予測装置。 - 基準となる1次色インクに、この1次色インクとは異なる他の1次色インクを混色して形成した混色後のインクの分光反射率を予測する分光反射率予測方法であって、
前記基準となる1次色インク及び前記他の1次色インクの下地色を含めた分光反射率、並びに下地色の分光反射率を取得する取得工程と、
前記取得された各1次色インクの分光反射率を掛け合わせた値から、前記各1次色インクの数から1を引いた数で累乗した前記下地色の分光反射率を割ることで混色後のインクの分光反射率を予測する予測工程と、を有することを特徴とする分光反射率予測方法。
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