JP2011243766A - 高安定抵抗器およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】Ni−Cr系抵抗材料の成分としてアルミニュームを含ませる場合にもその含有量の制約が少なく、成分設定の自由度が大きくなり、長期間抵抗値を安定させることができ、標準抵抗器に使用するのに適する高安定抵抗素体の製造方法を提供する。またこの高安定抵抗素体を用いた高安定抵抗器を提供する。
【解決手段】Ni−Cr系抵抗材料に酸化処理と、この酸化処理により抵抗材料に発生する歪みを除去するためのアニーリングとを順次施した。またこの抵抗素体10を支持体12に保持した。
【選択図】図1

Description

この発明は、長期間抵抗値が安定し、標準抵抗器に使用することが可能な高安定抵抗素体とこれを用いた高安定抵抗器とに関するものである。
抵抗材料の材質選択を適切にし、所定の熱処理を加えることにより抵抗素体を作成し、これを支持する支持体との適切な組合わせにより、抵抗温度係数(TCR, Temperature Coefficient of Resistance)を極めて小さくした精密抵抗器が広く用いられている。例えば出願人が提供する超精密箔抵抗器が公知である。この公知の抵抗器では、所定の成分比を有する抵抗材料を薄い金属箔に圧延し、予め所定の熱処理を施して抵抗値と熱膨張係数(温度膨張係数)を適切に調整して抵抗素体とし、これを所定の熱膨張係数を持つた絶縁基板に貼着し樹脂封止している。この場合、抵抗回路パターン、基板や接着剤の材質や厚さなどの設計を適切にすることも必要である。この種の抵抗器については特許文献1、2などに示されている。
特許文献2には薄膜抵抗器において、Ni−Cr合金にアルミニュームを3%以上含有させておき、表面を熱処理によって自己酸化させ、アルミ酸化膜を形成することによって抵抗値を長期間安定にする(経時安定性を向上させる)ことも記載されている。
特開2004−179639号公報 特開2000−182803号公報
TCRが大きくなる大きな原因は、金属箔とこれが接着された基板あるいは接着剤との間に熱膨張係数の差があるため、周囲温度の変化や金属箔抵抗素体の自己発熱により歪み応力が発生するためである。そこで温度変化による歪み応力の発生が抵抗値に及ぼす影響を、金属箔自身の温度変化による抵抗変化と相殺させることによりTCRを小さくするものである。
しかしこの種の抵抗器では、温度変化に対する抵抗値の変化は極めて小さくできたとしても、長期間の時間経過による抵抗値変化が無視できなくなる。例えば標準抵抗器では長期間この抵抗値変化(例えば23℃における抵抗値の経時変化)が極めて小さく安定していることが要求されるが、従来のものは時間経過による変動が大きい。一般に良い抵抗器でも一年あたり数ppm程度の変化があるものである。
このため頻繁な校正(抵抗値の誤差の測定)を行うことが必要であったり、抵抗器の置き換え(交換)が必要になる。校正はこの抵抗器を校正機関に送付して行うため高い費用と日数が必要であり、その間この標準抵抗器を用いたシステムの運用を停止する必要がある。またこの種の抵抗器は極めて高価であるため頻繁な置き換え(交換)では経済的損失も大きくなるという問題がある。
また特許文献2のものによれば、熱処理によって表面に不動態であるアルミ酸化膜(アルマイト)を形成するから長期の安定性が向上するものであるが、この場合には合金に含ませるアルミニュームは3%以上にする必要があり、合金の成分設定の自由度が制約されるという問題もある。
この発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、Ni−Cr系抵抗材料の成分としてアルミニュームを含ませる場合にもその含有量の制約が少なく、成分設定の自由度が大きくなり、長期間抵抗値を安定させることができ、標準抵抗器に使用するのに適する高安定抵抗素体の製造方法を提供することを第1の目的とする。
またこの高安定抵抗素体を用いた高安定抵抗器を提供することを第2の目的とする。
この発明によれば第1の目的は、Ni−Cr系抵抗材料に酸化処理と、この酸化処理により前記抵抗材料に発生する歪みを除去するアニーリングとを順次施したことを特徴とする高安定抵抗素体の製造方法、により達成される。
第2の目的は、Ni−Cr系抵抗材料に酸化処理と、この酸化処理により前記抵抗材料に発生する歪みを除去するアニーリングとを順次施した高安定抵抗素体を支持体に保持したことを特徴とする高安定抵抗器、により達成される。
第1の発明は、Ni−Cr系抵抗材料を酸化処理するから、抵抗材料の表面を不動態化して抵抗値の長期安定性を向上させることができ、その後に行うアニーリングによって酸化処理により抵抗材料に発生した歪みを取るからさらに長期の安定性を向上させることができる。
ここに抵抗材料は酸化処理によってその表面を積極的に酸化するから、アルミニュームの含有量の影響を受けることなく合金の成分設定の自由度が大きくなる。この酸化処理により抵抗素体は内部に大きなストレスが発生することになるが、このストレスはこの後のアニーリングによって十分に低減させることができる。このためこの抵抗素体を用いた標準抵抗器は校正作業や交換の間隔を長くして、メンテナンスの手間と負担を軽くできると共に、高価な標準抵抗器の使用数を減らし経済的損失を減らすことができる。
第2の発明によれば、この様に酸化処理とアニーリングを施した高安定抵抗素体を支持体に保持したから、長期間抵抗値が安定する高安定抵抗器が得られる。従って標準抵抗器として長期間使用可能になり、前記した効果が得られる。
本発明の一実施例である製造方法の作業流れ図 同じく金属箔をストレスフリー状態に保持した抵抗器の実施例を示す分解斜視図 同じくこの実施例における抵抗値の23℃での経時的安定性確認結果を示す図 同じく金属箔表面の深さ方向の元素分析結果を示す図 他の実施例を示す透視図 他の実施例を示す図 他の実施例の加工工程を示す斜視図
Ni−Cr系抵抗材料は、ニッケル70〜85%、クロム30〜15%の主成分に対して、マンガン、アルミニューム、シリコン、銅などを微量(数%)加えた合金とし、この合金を圧延によって箔にしたり、引き抜き加工などによってワイヤにしたり、薄膜形成に用いる金属板(スパッタリングターゲット)などとし、さらに熱処理などをして特性(抵抗値、温度膨張係数など)を適切に調整しておく(請求項2)。ここに合金に含むアルミニュームは3%以下とすることもでき、またアルミニュームを含有しないものでもよく、合金の成分設定の自由度が大きい。
酸化処理は、硝酸液に浸漬して行うことができる(請求項3)。この場合は表面の酸化処理を積極的あるいは強制的に行うから合金の成分の影響を受けにくくなり、合金成分の設定自由度が一層大きくなる。ここに用いる硝酸液は、Ni−Cr系抵抗材料を箔状とした場合は、濃度60〜70%、温度10〜30℃とし、5〜60分間浸漬するのがよい(請求項4)。アニーリングは、箔状の抵抗材料の場合には、大気中、真空中、不活性ガス中のいずれかの雰囲気中で、200〜400℃で、3〜30分間加熱して行うことができる(請求項5)。
高安定抵抗器は、抵抗素体を箔状とし、これをストレスフリー状態で箱状の容器に保持(封止)したものとすることができる(請求項7)。抵抗素体はワイヤとしてストレスフリー状態で箱状の容器に保持(封止)するものであっても良い。抵抗素体を箔状とし、これを支持体となる絶縁基板に貼着したものとすることができる(請求項8)。さらに抵抗素体はワイヤ状としこれを支持体となる筒状のボビンに巻き付けたものとすることもできる(請求項9)。抵抗素体は薄膜抵抗であってもよい(請求項10)。薄膜は真空蒸着やスパッタリングなどの半導体加工方法で形成することができ、この場合の支持体は絶縁基板となる。
図1〜3に示す実施例は、Ni−Cr系抵抗材料の箔をストレスフリー状態で箱状の容器内に保持したものである。図1において、所定成分のNi−Cr系抵抗材料(合金)が準備され(ステップ100)、この材料は箔状に圧延されて金属箔とされる。(ステップ102)。この金属箔は所定の温度で熱処理され、これによって金属箔の抵抗値、熱膨張係数が所定範囲になるように調整される(ステップ104)。この実施例で用いる抵抗材料の成分は,Ni(ニッケル)約85%,Cr(クロム)約15%を主成分とし、これにAl(アルミ)、Cu(銅)、マンガン、シリコンなどを微量(数%)含むものである。
この様に熱処理した金属箔は絶縁基板である仮基板に仮接着される(ステップ106)。なお金属箔が厚い場合はこの工程106を省き、金属箔のまま次のケミカルエッチング(ケミカルトリミング、ステップ108)を行うこともできる.しかし薄い金属箔の場合は予め仮基板に仮接着し、後記ケミカルエッチングを行った後で接着剤を溶解させたり加熱溶融して抵抗パターンとなった金属箔を仮基板から剥がせばよい。
金属箔に所定の抵抗パターンを形成するケミカルトリミングは、フォトリソグラフィ技術によって行われる。すなわち金属箔にフォトレジストが塗布され、ここにマスクを通して抵抗パターンが露光され、不要なフォトレジストを除去した後、金属箔の不要部分をケミカルエッチングにより除去する(ステップ108)。
この様にして抵抗パターンを形成した金属箔は硝酸液に浸漬され、抵抗パターンの表面が強制的に酸化処理される(ステップ110)。ここに用いる硝酸液は、濃度60%、温度20℃であり、ここに金属箔を30分間浸漬する。
次にこの金属箔はアニーリングされる(ステップ112)。このアニーリングは抵抗パターンにの内部に残る歪み(ストレス)を除去するためであり、例えば温度280℃の大気雰囲気としたオーブンの中に10時間入れることにより行う。この様にして硝酸液による酸化処理(ステップ110)とアニーリング(ステップ112)とを施した抵抗材料は、本発明における高安定抵抗素体すなわち金属箔抵抗体10となる。
このように作られた抵抗素体10は図2に示すパッケージ12内にストレスフリー状態(応力が加わらない状態)で保持され、気密封止される。この実施例のパッケージ12は樹脂製であって、縦長のブロック14と上蓋16とで形成される。このブロック14には上方に向かって開く薄い抵抗体収容室18が形成され、この抵抗体収容室18はブロック14の上面に接着される上蓋20で気密に塞げるように作られている。
この上蓋20には板状の外部端子22、22が垂直に貫通し、その内端24、24は抵抗体収容室18内への突出している。この内端24、24に金属箔抵抗体10の電極部がはんだなどで固定されている。すなわちこの金属箔抵抗体10は外部端子22、22の内端24、24に垂直に吊られている。
なお抵抗体10には各回路パターンの抵抗領域を分けるスリット26が入っている。そのため金属箔抵抗体10を収容室18に垂直に収容した場合にはスリット26の幅、即ち抵抗領域の間隙が変化して回路パターンの一部が変形したり歪んだりすることが考えられる。しかし金属箔の厚さ、回路パターンの線幅や方向や長さ、スリット26の幅や方向(垂直か斜めか水平か)や長さ等を適切に設定することによりこのような問題を回避することができる。
外部端子22、22の内端24、24に吊られた抵抗体10は、上蓋20をブロック14の上面に接着固定する際にブロック14の抵抗体収容室18に挿入される。ここに使用するパッケージ12は、絶縁性でかつ熱伝導性および耐熱性が良いアルミナなどのセラミックスで成形され、このため抵抗体10と抵抗体収容室18との間に絶縁フィルムを入れる必要がない。
上蓋20には2本の金属製のパイプ28、28が貫通している。これらのパイプ28、28は抵抗体10を密封した抵抗体収容室18に絶縁オイルを充填するために用いる。すなわち一方のパイプ28から絶縁オイル注入し他方のパイプ28から排気することによって抵抗体収容室18に絶縁オイルを充填し、その後で両パイプ28、28を潰してはんだ封止する。ここに用いる絶縁オイルは抵抗体10の熱をパッケージ12に速やかに逃がし、抵抗体10の温度を安定させると共に、抵抗体10の遊動を防ぐものである。従ってこの絶縁オイルは電気的には絶縁性でありかつ伝熱性に優れるものが望ましい。なおパッケージ12には、外部ヒートシンクなどに固定するための取付孔を予め設けておいてもよい。このようにして金属箔抵抗体10をストレスフリー状態にパッケージ12に封止した高安定抵抗器30が作られる(図1のステップ114)。
この実施例によれば、抵抗体10は垂直に配置されるので、抵抗体10に重力による応力や歪みが発生しにくく、重力が抵抗体10の特性に与える影響を極めて小さくすることができる。またブロック14および上蓋20をアルミナなどのセラミックス成形品としたので、抵抗体収容室18を十分に狭く成形することが容易であり、抵抗体10のパッケージ12への放熱性を良好にすることができる。また外部端子22、22やパイプ28、28は上蓋20にはんだによるロー付けができるので、外部端子22、22やパイプ28、28の封止構造が簡単になり、外部端子22、22に外から機械的応力が加わっても抵抗体10に伝わりにくい。
また抵抗体10は外部端子22、22に吊った状態でブロック14の抵抗体収容室18に挿入し、上蓋20をブロック14に気密封止すればよいので、製作が簡単である。さらに上蓋20はブロック14との噛み合い部分を予めメタライズしはんだ封止などで固着するのが望ましいが、接着剤などで固着したり、ねじ止めなど他の方法で固定しても抵抗体10には歪みが伝わらず、抵抗体10の特性に影響しない。
図3は、この抵抗器30における抵抗体10の一定温度(例えば23℃)における抵抗値Rの経時変化を示すものであり、処理工程が異なる他の抵抗器のものと比較して示すものである。この図で横軸は経過日数を、縦軸は抵抗値Rの変化ΔRを両者の比ΔR/R(単位はppm)で表す。本発明による抵抗器30の抵抗値変化は、「ケミカルトリミング&NHO3浸漬&アニール(大気中)」と表示された特性Dであり、ΔR/Rは250日間に亘って0.0〜0.05ppm程度で非常に安定していることが解る。
他の比較対象とした抵抗器は、「ケミカルトリミング&アニール」を行った場合(特性A)、「ケミカルトリミング&HNO3浸漬」の場合(特性C)、「ケミカルトリミング」だけを行った場合(特性B)のものであり、これらの特性A、B、Cの場合は、抵抗値が特性Dに比べて極めて大きく変動していることから本発明の効果が極めて大きいことが解る。
図4は金属箔10の表面の元素分析結果を示す。この測定は金属箔表面近傍(深さ)の酸素濃度および主要元素をAES(オージェ電子分光分析)によって確認したものである。オージェ電子分光分析法は、真空中で試料に電子ビームを当てた時に発生するオージェ電子のエネルギー分析を行うことによりオージェ遷移を調べ、表面の元素分析を行うものである。深さ方向の測定はエッチングを重ねながら正確に分析した。この測定はアルバック・ファイ社のAES分析装置MODEL680を使用し、次の測定条件で行ったものである。
測定条件:1次ビーム‥加速電圧10kV
試料電流‥‥10nA
アルゴンスパッタ‥加速電圧3kV
図4において横軸のa)〜d)は、下記のように異なる処理をした試料を示す。
a)抵抗素体の熱処理(図1のステップ104)だけを行った金属箔
b)これにエッチング(図1のステップ108)を加えた金属箔
c)これに酸化処理(硝酸液浸漬、同じくステップ110)を加えた金属箔
d)これにアニーリング(大気中で熱処理)を行った(本発明に対応する)金属箔
図4によれば、イ)に示す最表面(エッチング時間が0)の場合およびロ)に示す深さ18.4Å(エッチング時間2分)の場合では、硝酸浸漬による酸化処理を行ったc)の場合のみでクロム濃度が特に高くなり、合金表面にクロムの酸化被膜が生成されていることが解る。硝酸は一般的な無機酸である塩酸、硫酸などに比べてニッケルの溶解率が格段に大きい。このため主成分であるニッケルとクロムのうちニッケルが選択的に溶解され、結果的にクロムの酸化膜が増加していることが解る。クロムの酸化被膜は数nmと薄く透明であることは公知の通りである。
硝酸浸漬を行ったc)の場合は、図3の特性Cから解るように、初期の抵抗値変動は大きいが、100日ほどで安定期に達している。これは酸化皮膜生成による歪みの発生が徐々に緩和されたものである。本願発明に対応するd)の場合(図3における特性Dに対応する。)は、酸化処理にアニールを加えたものであるが、酸化皮膜生成による歪みはこのアニールによって除去され、従って経時的な安定度がa)の場合およびb),c)の場合(図3の特性B,Cに対応する。)に比べて著しく良いことが解る。またd)の場合では大気中でアニールしたため、酸素濃度が増大しているが、アニールの目的は歪みの除去なので真空中でも不活性雰囲気中でも構わない。これは硝酸液による酸化処理とアニーリングの効果が非常に大きいことを示している。
図5は本発明の他の実施例を示し、この実施例は樹脂封止金属箔抵抗器40であり、ここでは金属箔抵抗パターンを絶縁基板に形成した抵抗チップ42を樹脂封止(パッケージング)したものである(図1のステップ114に対応する。)。ここに金属箔抵抗パターンと基板は、抵抗温度係数が小さくなるように両者の整合がとられている。
この実施例は図5に示すように、抵抗チップ42の基板(の左右の側縁)に外部引き出しリード44、44を固定し、この内端をワイヤ46、46によって抵抗パターンのパッドに接続した後、シリコーンゴム48で包み、このシリコーンゴム48の外側をエポキシ樹脂50で気密に封止したものである。シリコーンゴム48は、抵抗チップ40を衝撃や振動などから保護する。
図6に示す抵抗器50は、巻き線型のものである。ここで用いる抵抗素体52はワイヤ状であり、この抵抗素体52をボビン54に巻き付けたものである。ボビン52の両端には抵抗素体52の両端が接続された外部引き出しリード線56、56が突出している。この抵抗器50は図示しないパッケージに収納されている。
図7に示すものは薄膜抵抗器の実施例である。この実施例ではまず支持体となる基板60の表面にNi−Crにマンガン、アルミニューム、シリコン、銅などのいずれかあるいは複数を含む組成の抵抗薄膜62を形成する(図7の行程A)。この薄膜62の形成には、公知の蒸着やスパッタリングなどの半導体製造過程で広く用いられている技術により形成することができる。ここにアルミニュームの場合にはその含有率を3%以下にする。次にこの薄膜62にフォトエッチング法やレーザービームを用いる方法などによって抵抗パターン64を形成する(行程B)。
そしてこれを酸化処理を行うことにより表面に酸化膜66を生成させ、その後にアニーリングを行う(行程C)。この酸化処理により抵抗パターン54は酸化膜56で覆われることになり、またアニーリングによって抵抗薄膜52の内部に発生したストレスを除去することができ、抵抗値を安定化させることができる。
次にこの酸化膜66が形成されアニーリングを行った薄膜62の表面は、接続端子用の電極となる領域68、68を除いてメッキレジスト70で被覆される(行程D)。この行程Dは例えば表面に感光性メッキレジスト液を塗布し電極のパターンを露光して電極領域68のレジストを除去することにより行う。このメッキレジスト70を形成してから電極領域68に電極用の金属メッキを施し、メッキレジスト70を除去する(行程E)。この結果メッキした接続端子用の電極72、72を有する薄膜抵抗チップ74が得られる。この抵抗チップ74は抵抗パターン64の表面および端面が全て酸化膜66で覆われ、その後でアニーリングしたものであるから、特性の長期に亘る安定性がよい。この抵抗チップ74は不図示のパッケージによって気密封止される。
10 金属箔抵抗素体(抵抗体)
12 パッケージ(箱状容器、支持体)
60 絶縁基板(支持体)
30、高安定抵抗器(金属箔抵抗器)
40 樹脂封止金属箔抵抗素器
42 抵抗チップ
50 巻き線型抵抗器
52 ワイヤ状抵抗素体
54 ボビン
60 基板(支持体)
62 抵抗薄膜
74 薄膜抵抗チップ

Claims (10)

  1. Ni−Cr系抵抗材料に酸化処理と、この酸化処理により前記抵抗材料に発生する歪みを除去するアニーリングとを順次施したことを特徴とする高安定抵抗素体の製造方法。
  2. Ni−Cr系抵抗材料は、ニッケル70〜85%、クロム30〜15%の主成分に対して、マンガン、アルミニューム、シリコン、銅のいずれかを微量加えた合金を熱処理したものである請求項1の高安定抵抗素体の製造方法。
  3. 酸化処理は、Ni−Cr系抵抗材料を硝酸液に浸漬して行う請求項1の高安定抵抗素体の製造方法。
  4. 酸化処理は、Ni−Cr系抵抗材料を箔状とした場合に濃度60〜70%、温度10〜30℃の硝酸液にNi−Cr系抵抗材料を5〜60分浸漬することにより行う請求項3の高安定抵抗素体の製造方法。
  5. アニーリングは、大気中、真空中、不活性ガス中のいずれかで、200〜400℃、3〜30分間加熱して行う請求項1の高安定抵抗素体の製造方法。
  6. Ni−Cr系抵抗材料に酸化処理と、この酸化処理により前記抵抗材料に発生する歪みを除去するアニーリングとを順次施した高安定抵抗素体を支持体に保持したことを特徴とする高安定抵抗器。
  7. 抵抗素体は、この抵抗素体をストレスフリー状態で保持する箱状容器からなる支持体に保持されている請求項6の高安定抵抗器。
  8. 抵抗素体は箔状であり、この抵抗素体は絶縁基板に貼着されパッケージに気密封止されている請求項6の高安定抵抗器。
  9. 抵抗素体はワイヤ状であり、支持体はこの抵抗素体を巻き付けた筒状のボビンである請求項6の高安定抵抗器。
  10. 抵抗素体は絶縁基板に形成したNi−Cr系抵抗材料の薄膜であり、支持体は前記絶縁基板である請求項6の高安定抵抗器。
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