JP2004047603A - 電流検出用抵抗器およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、極低抵抗の抵抗値の調整が精度よくできて、大電流の使用に耐えることのできる電流検出用抵抗器およびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも2つの端子部13、14を有する本体11と本体11をカバーする保護材とを備えた抵抗体であって、本体11は低抵抗体であり保護材は電着膜とした。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも2つの端子部13、14を有する本体11と本体11をカバーする保護材とを備えた抵抗体であって、本体11は低抵抗体であり保護材は電着膜とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器、電気機器等に好適に用いられる電流検出用抵抗器およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電流検出用抵抗器は主に電子機器の内部に設けられ、電流検出用にもちいられ抵抗温度係数の低い抵抗素子からなる。従来の電流検出用抵抗器は、アルミナ等の絶縁材料からなるセラミック基板とセラミック基板に挟まれたマンガニン等の合金からなる金属抵抗素子から構成されている。
【0003】
先行例としては、特開平6−267707号公報等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
電子機器は高集積化・高電流化が進んでおり、そのため電子機器などに用いられる電流検出用抵抗器においては、非常に厳しい精度や高電流における耐久性が求められてきている。上記従来の技術では抵抗値の精度を向上させることが困難であり、しかも大電流に耐えることのできる電流検出用抵抗器を得ることは困難であった。
【0005】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、極低抵抗器の抵抗値の調整が精度よくできて、しかも高電流を流しても抵抗器の表面温度上昇を抑えることができる電流検出用抵抗器およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも2つの端子部を有する本体と前記本体をカバーする保護材とを備えた抵抗素子であって、本体は低抵抗体であり保護材は電着膜で構成されている。
【0007】
【発明の実施の形態】
請求項1記載の発明は、少なくとも2つの端子部を有する本体と前記本体をカバーする保護材とを備えた抵抗素子であって、本体は低抵抗体であり保護材は電着膜で構成されていることを特徴とする電流検出用抵抗器とすることで、抵抗素子の放熱性が非常に良くなり、高電流を流しても抵抗素子の表面温度上昇を抑えることができる。
【0008】
請求項2記載の発明は、端子部の先端にさらに切り込みを設けることにより抵抗素子の抵抗値を調整することを特徴とする請求項1記載の電流検出用抵抗器とすることで、非常に精度よく抵抗値を制御することができる。
【0009】
請求項3記載の発明は、端子部の厚みを抵抗素子の厚みと同等またはそれ以上とすることを特徴とする請求項1記載の電流検出用抵抗器とすることで、抵抗体に電着塗装を施しても、抵抗体部分と端子部分に段差の生じない、表面実装性に優れた抵抗素子を作製することができる。
【0010】
請求項4記載の発明は、抵抗素子の表面にトリミングを施して抵抗値調整をおこなうことを特徴とする請求項1記載の電流検出用抵抗器とすることで、非常に精度よく抵抗素子の抵抗値を制御することができる。
【0011】
請求項5記載の発明は、抵抗素子の表面に抵抗体を取り付けて抵抗値調整をおこなうことを特徴とする請求項1記載の電流検出用抵抗器とすることで、非常に精度よく抵抗素子の抵抗値を制御することができる。
【0012】
請求項6記載の発明は、端子部にニッケルメッキ・銅メッキ・Snメッキ等を設けることを特徴とする請求項1記載の電流検出用抵抗器とすることで、安定した基板実装をすることができる。
【0013】
請求項7記載の発明は、低抵抗体で構成された板状体に加工を施して、端子部と本体とを一体に形成する工程と、電着塗装により少なくとも前記本体を覆うように電着膜を形成する工程と、前記端子部上に導電膜を設ける工程とを有する電流検出用抵抗器の製造方法とすることで、低コストでしかも優れた性能を示す電流検出用抵抗素子を供給できる。
【0014】
以下、本発明における電流検出用抵抗器の実施形態について説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施の形態における電流検出用抵抗器を示す斜視図である。
【0016】
図1において、11は抵抗体の本体でプレス打抜き加工、2段プレス打抜き加工、レーザーカッティング加工、グラインダー加工等により形成される。
12は本体11からなる抵抗体上に設けられている電着塗装で、これは耐熱性に優れ、かつ抵抗素子に発生する熱を速やかに大気中に放熱することができる。
【0017】
13、14は抵抗本体11の両端部に設けられた端子部で、この端子部の形状により2端子構造及び4端子構造の抵抗素子となる。
【0018】
15は、抵抗素子の両端子部13、14に形成された電流端子である。
【0019】
16は、抵抗素子の両端子部13、14に形成された電圧端子で、抵抗素子間の電圧値を測定することにより、抵抗素子に流れる電流量を検出することができる。すなわち、端子部13は本体11の一方に設けられており、電流端子15と電圧端子16で構成されており、端子部14は本体11の他方に設けられており、電流端子15と電圧端子16で構成されている。また、電流端子15の幅は電圧端子16の幅よりも広く形成されている。
【0020】
以上の様に構成された電流検出用抵抗器は、本体11からなる抵抗素子の長さおよび厚みを調整することで抵抗値をコントロールすることができる。
【0021】
また、電着塗装12を本体11上に施すことで電流検出用抵抗器の耐熱性を高めるとともに、本体11より生じる熱を速やかに大気中に放熱することができることから、高電流を流しても抵抗器の表面温度上昇を抑えることができる。なお、本実施の形態では、図1に示すように、本体11の両主面上に電着塗装12を設け、本体11の側面部には電着塗装12を設けていないが、この側面部にも電着塗装を設けてもよい。少なくとも放熱性などを考慮すると、両主面のうち少なくとも一方の主面上に電着塗装を設けることが好ましい。しかしながら、もっとも好ましい形態は後述するように、本体11前面を電着塗装12で覆うことがもっとも好ましい。
【0022】
次に各部について詳細に説明する。
【0023】
本体11からなる電流検出用抵抗素子は、銅−ニッケル合金、マンガンニン、コンスタンタン、ゼラニン、ニッケル−クロム合金等から選ばれる一つの抵抗金属からなる。図2に示すようにまず、板状の本体11を用意する。
【0024】
この本体11をプレス打抜き加工、2段プレス打抜き加工、レーザーカッティング加工、グラインダー加工等により加工し抵抗素子を形成する。なお本体11の板厚は0.1mm〜3.0mmのものが用いられ、製品の抵抗値により使用する本体11の板厚を変化させる。また4端子構造の抵抗素子を作製する際には、本体11の両端子部13、14に切り込みを設け、前記切り込みにより分けられた一方の端子を電流端子15とし、他方の端子を電圧端子16として4端子構造の抵抗素子を作製する(図3参照)。切り込みの形状は直線状、L字状、その他の形状でもよい。また切り込みの先端(電流端子15と電圧端子14の間の切り込み部の本他11部分)にさらに小さな切り込みを設けることにより抵抗素子の抵抗値を調整することができる。この切り込みの形状は、串歯状、星型状、その他の形状でもよい。
【0025】
本体11の電流端子15に電流を流した状態で、本体11の電圧端子16にて電圧値を測定しながら、切り込み先端にその切り込み方向と同じ方向にレーザーカッティング加工、グラインダー加工等の工法を用いてトリミングをおこなうことで抵抗値を低くする調整をおこなう。すなわち、本体両端に設けられた切込みの長さを長くする調整を行うことで、実質的に電流端子15と電圧端子14の長さを長くでき、反対に本体11の抵抗体となる部分の長さを短くできるので、抵抗値を小さく調整できる。
【0026】
また上記トリミングを本体11の電流の流れる方向と非並行に施すことで、本体11に流れる電流の幅を制限することで、抵抗値を大きい方向に調整可能となる。
【0027】
また、抵抗値を小さくする他の方法としては、例えば、同じ様に本体11の電流端子15に電流を流した状態で、本体11の電圧端子16にて電圧値を測定しながら、本体11の表面に本体11と同じか、または異なる抵抗金属の金属片などをスポット溶接等により本体11の表面に取り付けることが考えられる。
【0028】
次に本体11を5%希硫酸溶液に30秒浸漬し、本体11の表面を酸処理し本体11の酸化膜を除去する。この時、本体11の表面の酸化膜を除去するとともに本体11の表面粗さを10〜300Å程度に粗し、塗料が付き易くする。次に図4に示すようにUV感光塗料17を本体11の表面に10〜100μmの膜厚で電着塗布し、水洗・乾燥をおこなう。次に図5に示すようにUV感光塗料17を塗装した本体11に露光マスク18をセットした後、UV平行光19を60秒照射しUV露光をおこなう。この時、露光マスク18は好ましくは本体11すべての上に配置されることが好ましい。その後ナトリウム系溶剤の現像液にてUV感光塗料17の現像処理をおこない、UV露光されていない部分、すなわち露光マスク18と対向している部分のUV感光塗料17を除去する。すると、電流端子15および電圧端子16上にUV感光塗料17が残留し、本体11部分上のUV感光塗料17は除去される(図6参照)。現像処理の終わった本体11を電着塗料液の中に入れ、例えばカチオン電着塗装方式により、本体11内におけるUV感光塗料17の現像処理がおこなわれた箇所に電着塗装12を設ける(図7参照)。この場合には、阻止に電流を流す必要があり、例えば、電流端子15あるいは電圧端子16の一部分にそれぞれ電力を当接させて行う。この場合、上述のとおり、UV感光塗料17を用いる場合には、UV感光塗料17を塗布する前にあらかじめ各端子に電極を当接させておいておくか、あるいはUV感光塗料17を形成してからUV感光塗料17に針などの鋭利なものを用いてUV感光塗料17を破り、電極を当接させる。電着塗装12の膜厚は1〜500μmとするのが良く、電着塗装12の膜厚が1μmより小さいと、所望の特性が得られず、500μmより厚いと非経済的であり、本体11の放熱性が劣化してしまう。電着塗装12終了後、UV感光塗料17の剥離をおこない、UV感光塗料17を完全に取り除き水洗・乾燥をおこなう。
【0029】
なお、本実施の形態では、UV感光塗料17を用いたが、その他のマスク手段を用いて電着塗装12を形成しても良い。
【0030】
次に、図8に示すように、電流端子15および電圧端子16上に、ニッケルメッキ、銅メッキあるいはSnメッキを施したものである。Sn単体、Sn合金(但し鉛合金は除く)等の接合層を用いることで、鉛フリーの電子部品を得ることができる。このようにメッキ膜などを別途設けることで、基盤との接合性を向上させたり、耐熱性を向上させたり、耐候性を向上させたりすることができる。
【0031】
また、図9に示すように、上述のとおりメッキ膜などを電流端子15および電圧端子16の上に比較的厚く形成し、電着塗装12の表面よりも突出するように構成することで、回路基板上に素子を実装した場合実装性を飛躍的に向上させることができる。
【0032】
また、本実施の形態では、端子部を複数設けたが、図10に示すように、一つの端子部として用い、通常のシャント抵抗器として用いてもよい。
【0033】
以上の様に構成された電流検出用抵抗器は、本体11からなる抵抗素子において、電着塗装12により本体11の表面に保護層を形成することで、抵抗値の安定性を高め、しかも高電流にも耐えることができる。
【0034】
最後に製品に捺印する方法としては、印刷方式、インクジェット方式、レーザー方式等により本体11の表面の電着塗装12上に捺印をおこなう。
【0035】
このようにして作製された電流検出用抵抗器は、図11に示されているように従来の様に塗布で構成されたものでは、1Wの負荷を本体11にかけた場合、本体11の表面温度が180℃付近になり、端子部13、14の半田が溶解してしまうおそれがあるが、本発明である本体11に電着塗装12をおこなうことで、本体11の表面温度は80℃以下に抑えられ、優れた特性を示す。
【0036】
原因ははっきりしないが、本実施の形態では、保護膜として電着塗装12を用いていることで、薄い保護膜を形成でき。その結果、従来の塗布法に比較して放熱特性が良いと考えられる。従来の塗布による保護膜形成では、部分的に保護材の膜厚が厚くなり、放熱が阻害されていると考えられる。
【0037】
また、本体11の両端部13、14に切り込みを設け4端子構造にしたり、トリミング・本体11と同じ金属片を本体11の表面に取り付けたりすることで非常に精度よく本体11の抵抗値を制御することができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明は、少なくとも2つの端子部を有する本体と前記本体をカバーする保護材とを備えた抵抗体であって、本体は低抵抗体であり保護材は電着膜で構成されていることで、抵抗値の安定性を高め、しかも高電流にも耐えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における電流検出用抵抗器を示す斜視図
【図2】本発明の一実施の形態における電流検出用抵抗器を示す斜視図
【図3】本発明の一実施の形態における電流検出用抵抗器を示す斜視図
【図4】本発明の一実施の形態における電流検出用抵抗器を示す斜視図
【図5】本発明の一実施の形態における電流検出用抵抗器を示す斜視図
【図6】本発明の一実施の形態における電流検出用抵抗器を示す斜視図
【図7】本発明の一実施の形態における電流検出用抵抗器を示す斜視図
【図8】本発明の一実施の形態における電流検出用抵抗器を示す斜視図
【図9】本発明の一実施の形態における電流検出用抵抗器を示す斜視図
【図10】本発明の一実施の形態における電流検出用抵抗器を示す斜視図
【図11】本発明の一実施の形態における電流検出用抵抗器の特性グラフ
【符号の説明】
11 本体
12 電着塗装
13,14 端子部
15 電流端子
16 電圧端子
17 UV感光塗料
18 露光マスク
19 UV平行光
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器、電気機器等に好適に用いられる電流検出用抵抗器およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電流検出用抵抗器は主に電子機器の内部に設けられ、電流検出用にもちいられ抵抗温度係数の低い抵抗素子からなる。従来の電流検出用抵抗器は、アルミナ等の絶縁材料からなるセラミック基板とセラミック基板に挟まれたマンガニン等の合金からなる金属抵抗素子から構成されている。
【0003】
先行例としては、特開平6−267707号公報等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
電子機器は高集積化・高電流化が進んでおり、そのため電子機器などに用いられる電流検出用抵抗器においては、非常に厳しい精度や高電流における耐久性が求められてきている。上記従来の技術では抵抗値の精度を向上させることが困難であり、しかも大電流に耐えることのできる電流検出用抵抗器を得ることは困難であった。
【0005】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、極低抵抗器の抵抗値の調整が精度よくできて、しかも高電流を流しても抵抗器の表面温度上昇を抑えることができる電流検出用抵抗器およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも2つの端子部を有する本体と前記本体をカバーする保護材とを備えた抵抗素子であって、本体は低抵抗体であり保護材は電着膜で構成されている。
【0007】
【発明の実施の形態】
請求項1記載の発明は、少なくとも2つの端子部を有する本体と前記本体をカバーする保護材とを備えた抵抗素子であって、本体は低抵抗体であり保護材は電着膜で構成されていることを特徴とする電流検出用抵抗器とすることで、抵抗素子の放熱性が非常に良くなり、高電流を流しても抵抗素子の表面温度上昇を抑えることができる。
【0008】
請求項2記載の発明は、端子部の先端にさらに切り込みを設けることにより抵抗素子の抵抗値を調整することを特徴とする請求項1記載の電流検出用抵抗器とすることで、非常に精度よく抵抗値を制御することができる。
【0009】
請求項3記載の発明は、端子部の厚みを抵抗素子の厚みと同等またはそれ以上とすることを特徴とする請求項1記載の電流検出用抵抗器とすることで、抵抗体に電着塗装を施しても、抵抗体部分と端子部分に段差の生じない、表面実装性に優れた抵抗素子を作製することができる。
【0010】
請求項4記載の発明は、抵抗素子の表面にトリミングを施して抵抗値調整をおこなうことを特徴とする請求項1記載の電流検出用抵抗器とすることで、非常に精度よく抵抗素子の抵抗値を制御することができる。
【0011】
請求項5記載の発明は、抵抗素子の表面に抵抗体を取り付けて抵抗値調整をおこなうことを特徴とする請求項1記載の電流検出用抵抗器とすることで、非常に精度よく抵抗素子の抵抗値を制御することができる。
【0012】
請求項6記載の発明は、端子部にニッケルメッキ・銅メッキ・Snメッキ等を設けることを特徴とする請求項1記載の電流検出用抵抗器とすることで、安定した基板実装をすることができる。
【0013】
請求項7記載の発明は、低抵抗体で構成された板状体に加工を施して、端子部と本体とを一体に形成する工程と、電着塗装により少なくとも前記本体を覆うように電着膜を形成する工程と、前記端子部上に導電膜を設ける工程とを有する電流検出用抵抗器の製造方法とすることで、低コストでしかも優れた性能を示す電流検出用抵抗素子を供給できる。
【0014】
以下、本発明における電流検出用抵抗器の実施形態について説明する。
【0015】
図1は本発明の一実施の形態における電流検出用抵抗器を示す斜視図である。
【0016】
図1において、11は抵抗体の本体でプレス打抜き加工、2段プレス打抜き加工、レーザーカッティング加工、グラインダー加工等により形成される。
12は本体11からなる抵抗体上に設けられている電着塗装で、これは耐熱性に優れ、かつ抵抗素子に発生する熱を速やかに大気中に放熱することができる。
【0017】
13、14は抵抗本体11の両端部に設けられた端子部で、この端子部の形状により2端子構造及び4端子構造の抵抗素子となる。
【0018】
15は、抵抗素子の両端子部13、14に形成された電流端子である。
【0019】
16は、抵抗素子の両端子部13、14に形成された電圧端子で、抵抗素子間の電圧値を測定することにより、抵抗素子に流れる電流量を検出することができる。すなわち、端子部13は本体11の一方に設けられており、電流端子15と電圧端子16で構成されており、端子部14は本体11の他方に設けられており、電流端子15と電圧端子16で構成されている。また、電流端子15の幅は電圧端子16の幅よりも広く形成されている。
【0020】
以上の様に構成された電流検出用抵抗器は、本体11からなる抵抗素子の長さおよび厚みを調整することで抵抗値をコントロールすることができる。
【0021】
また、電着塗装12を本体11上に施すことで電流検出用抵抗器の耐熱性を高めるとともに、本体11より生じる熱を速やかに大気中に放熱することができることから、高電流を流しても抵抗器の表面温度上昇を抑えることができる。なお、本実施の形態では、図1に示すように、本体11の両主面上に電着塗装12を設け、本体11の側面部には電着塗装12を設けていないが、この側面部にも電着塗装を設けてもよい。少なくとも放熱性などを考慮すると、両主面のうち少なくとも一方の主面上に電着塗装を設けることが好ましい。しかしながら、もっとも好ましい形態は後述するように、本体11前面を電着塗装12で覆うことがもっとも好ましい。
【0022】
次に各部について詳細に説明する。
【0023】
本体11からなる電流検出用抵抗素子は、銅−ニッケル合金、マンガンニン、コンスタンタン、ゼラニン、ニッケル−クロム合金等から選ばれる一つの抵抗金属からなる。図2に示すようにまず、板状の本体11を用意する。
【0024】
この本体11をプレス打抜き加工、2段プレス打抜き加工、レーザーカッティング加工、グラインダー加工等により加工し抵抗素子を形成する。なお本体11の板厚は0.1mm〜3.0mmのものが用いられ、製品の抵抗値により使用する本体11の板厚を変化させる。また4端子構造の抵抗素子を作製する際には、本体11の両端子部13、14に切り込みを設け、前記切り込みにより分けられた一方の端子を電流端子15とし、他方の端子を電圧端子16として4端子構造の抵抗素子を作製する(図3参照)。切り込みの形状は直線状、L字状、その他の形状でもよい。また切り込みの先端(電流端子15と電圧端子14の間の切り込み部の本他11部分)にさらに小さな切り込みを設けることにより抵抗素子の抵抗値を調整することができる。この切り込みの形状は、串歯状、星型状、その他の形状でもよい。
【0025】
本体11の電流端子15に電流を流した状態で、本体11の電圧端子16にて電圧値を測定しながら、切り込み先端にその切り込み方向と同じ方向にレーザーカッティング加工、グラインダー加工等の工法を用いてトリミングをおこなうことで抵抗値を低くする調整をおこなう。すなわち、本体両端に設けられた切込みの長さを長くする調整を行うことで、実質的に電流端子15と電圧端子14の長さを長くでき、反対に本体11の抵抗体となる部分の長さを短くできるので、抵抗値を小さく調整できる。
【0026】
また上記トリミングを本体11の電流の流れる方向と非並行に施すことで、本体11に流れる電流の幅を制限することで、抵抗値を大きい方向に調整可能となる。
【0027】
また、抵抗値を小さくする他の方法としては、例えば、同じ様に本体11の電流端子15に電流を流した状態で、本体11の電圧端子16にて電圧値を測定しながら、本体11の表面に本体11と同じか、または異なる抵抗金属の金属片などをスポット溶接等により本体11の表面に取り付けることが考えられる。
【0028】
次に本体11を5%希硫酸溶液に30秒浸漬し、本体11の表面を酸処理し本体11の酸化膜を除去する。この時、本体11の表面の酸化膜を除去するとともに本体11の表面粗さを10〜300Å程度に粗し、塗料が付き易くする。次に図4に示すようにUV感光塗料17を本体11の表面に10〜100μmの膜厚で電着塗布し、水洗・乾燥をおこなう。次に図5に示すようにUV感光塗料17を塗装した本体11に露光マスク18をセットした後、UV平行光19を60秒照射しUV露光をおこなう。この時、露光マスク18は好ましくは本体11すべての上に配置されることが好ましい。その後ナトリウム系溶剤の現像液にてUV感光塗料17の現像処理をおこない、UV露光されていない部分、すなわち露光マスク18と対向している部分のUV感光塗料17を除去する。すると、電流端子15および電圧端子16上にUV感光塗料17が残留し、本体11部分上のUV感光塗料17は除去される(図6参照)。現像処理の終わった本体11を電着塗料液の中に入れ、例えばカチオン電着塗装方式により、本体11内におけるUV感光塗料17の現像処理がおこなわれた箇所に電着塗装12を設ける(図7参照)。この場合には、阻止に電流を流す必要があり、例えば、電流端子15あるいは電圧端子16の一部分にそれぞれ電力を当接させて行う。この場合、上述のとおり、UV感光塗料17を用いる場合には、UV感光塗料17を塗布する前にあらかじめ各端子に電極を当接させておいておくか、あるいはUV感光塗料17を形成してからUV感光塗料17に針などの鋭利なものを用いてUV感光塗料17を破り、電極を当接させる。電着塗装12の膜厚は1〜500μmとするのが良く、電着塗装12の膜厚が1μmより小さいと、所望の特性が得られず、500μmより厚いと非経済的であり、本体11の放熱性が劣化してしまう。電着塗装12終了後、UV感光塗料17の剥離をおこない、UV感光塗料17を完全に取り除き水洗・乾燥をおこなう。
【0029】
なお、本実施の形態では、UV感光塗料17を用いたが、その他のマスク手段を用いて電着塗装12を形成しても良い。
【0030】
次に、図8に示すように、電流端子15および電圧端子16上に、ニッケルメッキ、銅メッキあるいはSnメッキを施したものである。Sn単体、Sn合金(但し鉛合金は除く)等の接合層を用いることで、鉛フリーの電子部品を得ることができる。このようにメッキ膜などを別途設けることで、基盤との接合性を向上させたり、耐熱性を向上させたり、耐候性を向上させたりすることができる。
【0031】
また、図9に示すように、上述のとおりメッキ膜などを電流端子15および電圧端子16の上に比較的厚く形成し、電着塗装12の表面よりも突出するように構成することで、回路基板上に素子を実装した場合実装性を飛躍的に向上させることができる。
【0032】
また、本実施の形態では、端子部を複数設けたが、図10に示すように、一つの端子部として用い、通常のシャント抵抗器として用いてもよい。
【0033】
以上の様に構成された電流検出用抵抗器は、本体11からなる抵抗素子において、電着塗装12により本体11の表面に保護層を形成することで、抵抗値の安定性を高め、しかも高電流にも耐えることができる。
【0034】
最後に製品に捺印する方法としては、印刷方式、インクジェット方式、レーザー方式等により本体11の表面の電着塗装12上に捺印をおこなう。
【0035】
このようにして作製された電流検出用抵抗器は、図11に示されているように従来の様に塗布で構成されたものでは、1Wの負荷を本体11にかけた場合、本体11の表面温度が180℃付近になり、端子部13、14の半田が溶解してしまうおそれがあるが、本発明である本体11に電着塗装12をおこなうことで、本体11の表面温度は80℃以下に抑えられ、優れた特性を示す。
【0036】
原因ははっきりしないが、本実施の形態では、保護膜として電着塗装12を用いていることで、薄い保護膜を形成でき。その結果、従来の塗布法に比較して放熱特性が良いと考えられる。従来の塗布による保護膜形成では、部分的に保護材の膜厚が厚くなり、放熱が阻害されていると考えられる。
【0037】
また、本体11の両端部13、14に切り込みを設け4端子構造にしたり、トリミング・本体11と同じ金属片を本体11の表面に取り付けたりすることで非常に精度よく本体11の抵抗値を制御することができる。
【0038】
【発明の効果】
本発明は、少なくとも2つの端子部を有する本体と前記本体をカバーする保護材とを備えた抵抗体であって、本体は低抵抗体であり保護材は電着膜で構成されていることで、抵抗値の安定性を高め、しかも高電流にも耐えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における電流検出用抵抗器を示す斜視図
【図2】本発明の一実施の形態における電流検出用抵抗器を示す斜視図
【図3】本発明の一実施の形態における電流検出用抵抗器を示す斜視図
【図4】本発明の一実施の形態における電流検出用抵抗器を示す斜視図
【図5】本発明の一実施の形態における電流検出用抵抗器を示す斜視図
【図6】本発明の一実施の形態における電流検出用抵抗器を示す斜視図
【図7】本発明の一実施の形態における電流検出用抵抗器を示す斜視図
【図8】本発明の一実施の形態における電流検出用抵抗器を示す斜視図
【図9】本発明の一実施の形態における電流検出用抵抗器を示す斜視図
【図10】本発明の一実施の形態における電流検出用抵抗器を示す斜視図
【図11】本発明の一実施の形態における電流検出用抵抗器の特性グラフ
【符号の説明】
11 本体
12 電着塗装
13,14 端子部
15 電流端子
16 電圧端子
17 UV感光塗料
18 露光マスク
19 UV平行光
Claims (7)
- 少なくとも2つの端子部を有する本体と前記本体をカバーする保護材とを備えた抵抗素子であって、本体は低抵抗体であり保護材は電着膜で構成されていることを特徴とする電流検出用抵抗器。
- 端子部の先端にさらに切り込みを設けることにより抵抗素子の抵抗値を調整することを特徴とする請求項1記載の電流検出用抵抗器。
- 端子部の厚みを抵抗素子の厚みと同等またはそれ以上とすることを特徴とする請求項1記載の電流検出用抵抗器。
- 抵抗素子の表面にトリミングを施して抵抗値調整をおこなうことを特徴とする請求項1記載の電流検出用抵抗器。
- 抵抗素子の表面に抵抗体を取り付けて抵抗値調整をおこなうことを特徴とする請求項1記載の電流検出用抵抗器。
- 端子部にニッケルメッキ・銅メッキ・Snメッキ等を設けることを特徴とする請求項1記載の電流検出用抵抗器。
- 低抵抗体で構成された板状体に加工を施して、端子部と本体とを一体に形成する工程と、電着塗装により少なくとも前記本体を覆うように電着膜を形成する工程と、前記端子部上に導電膜を設ける工程とを有することを特徴とする電流検出用抵抗器の製造方法。
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