JP2011243635A - 堆積チャンバのリモートクリーニング方法 - Google Patents

堆積チャンバのリモートクリーニング方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011243635A
JP2011243635A JP2010112145A JP2010112145A JP2011243635A JP 2011243635 A JP2011243635 A JP 2011243635A JP 2010112145 A JP2010112145 A JP 2010112145A JP 2010112145 A JP2010112145 A JP 2010112145A JP 2011243635 A JP2011243635 A JP 2011243635A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cleaning
plasma
remote
chamber
deposition chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010112145A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5548028B2 (ja
Inventor
Michihiko Yanagisawa
道彦 柳澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Landmark Tech Co Ltd
LANDMARK TECHNOLOGY CO Ltd
Original Assignee
Landmark Tech Co Ltd
LANDMARK TECHNOLOGY CO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Landmark Tech Co Ltd, LANDMARK TECHNOLOGY CO Ltd filed Critical Landmark Tech Co Ltd
Priority to JP2010112145A priority Critical patent/JP5548028B2/ja
Publication of JP2011243635A publication Critical patent/JP2011243635A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5548028B2 publication Critical patent/JP5548028B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】比較的低電力においてもクリーニング速度を損なわずに堆積チャンバをクリーニングできる、堆積チャンバのリモートクリーニング方法を提供すること。
【解決手段】CVDチャンバ10をリモートプラズマ源30を用いてクリーニングする方法は、リモートプラズマ源30のプラズマ発生室31を、プラズマがCVDチャンバ10内の構成備品や基板に有害な影響を与えない位置に離して配設されたシステムにおいて、クリーニング用ガスとして90%以上の濃度のフッ素化合物ガスを100Pa以下の圧力でプラズマ発生室31に供給するステップと、リモートプラズマ源30にて高周波電力を供給しプラズマ発生室31にプラズマを発生させて100Pa以下の圧力下でフッ素化合物ガスからフッ素活性種を生成するステップと、リモートプラズマ源30にて生成したフッ素活性種をCVDチャンバ10内に導入して内部をクリーニングするステップとを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、Si原子を含む化合物の不要な堆積物を、F原子を含む化合物ガスのプラズマによりエッチング除去する方法に関するもので、特に、CVD(Chemical Vapor Deposition)のプロセスを行うCVDチャンバのクリーニングに関するものである。
例えばPC(Personal Computer)やその他の電子機器において使用される各種のメモリやCPU(Central Processing Unit)などの半導体デバイス、液晶や有機ELディスプレイなどのFPD(フラットパネルディスプレイ)、および太陽電池パネルには、パッシベーション膜、絶縁膜あるいは反射防止膜として、シリコン酸化膜(SiO2膜)やシリコン窒化膜(Si34膜)が使用される。これらの膜は、プラズマ化学気相堆積法(プラズマCVD法)によって形成される。
前記したシリコン酸化膜やシリコン窒化膜といったシリコン系堆積膜をプラズマCVD法で形成するときには、平行平板型プラズマ発生装置が用いられる。一般的な平行平板型プラズマ発生装置は、堆積用の原料ガスの供給路に接続されたCVDチャンバ(堆積チャンバ)内に配置された2つの電極のうち一方の電極面がメッシュまたはシャワープレートになっている。そして、チャンバ内でこの一方の電極面から目的の膜を堆積させようとする基板上に原料ガスを均一に供給すると共に、この原料ガスをプラズマ化して(活性ガスとして)堆積させる。この基板への製膜が終了すると、基板を入れ替えて次の基板に同様な方法で製膜する。
このような処理を行い続けていると、チャンバ内の基板上に堆積膜が形成されると同時に、基板外に拡散した活性ガスは、チャンバの壁面内側やチャンバの側壁にあるのぞき窓の内側にも堆積してしまう。この壁面等の堆積膜は不安定であり、次の基板を処理するときに剥がれ落ち、基板への堆積膜に対して不良を引き起こす原因となる。そこで、チャンバ内の壁面等から堆積膜を除去する必要がある。これをチャンバのクリーニングという。通常は、予め定められた枚数の基板にシリコン系堆積膜を製膜する毎に定期的にチャンバのクリーニングを行っている。なお、一般にチャンバは高価であるので全体構造を保つために、堆積物のクリーニングとは別に、定期的にチャンバ内部の機構部品等の消耗品を交換する等のメンテナンスが行われている。
従来、一般的なチャンバ内クリーニング方法では、チャンバに接続されたガスの供給路から、堆積用の原料ガスの代わりにクリーニング用のNF3やC38などのフッ素分子を含む化合物ガス(フッ素化合物ガス)を供給し、これをプラズマ化することでFイオンやFラジカルなどの活性種を生成させ、次の式(1)で表される反応によって揮発性化合物SiF4を生成させてエッチング除去している。すなわちin-situクリーニングをおこなっている。
Si+4F→SiF4↑ … 式(1)
しかしながら、in-situクリーニングの方法では、チャンバ内において、クリーニング用の化合物ガスのプラズマ中で発生するエネルギーの高いイオンが、電極面、チャンバの内壁やその他の機構部品にダメージを与え、それら各構成材料の消耗速度が上がることで交換頻度が増加するなどの不具合が生じる場合があった。
また、チャンバ内におけるこのようなイオンダメージを避けるために、in-situクリーニングの方法に代わるクリーニング方法として、リモートプラズマクリーニング法(以下、RPC法という)が提案され一部では使用されるようになってきた(特許文献1参照)。このRPC法は、プラズマ発生部と堆積チャンバ(被クリーニングチャンバ)とを離し、プラズマ発生部を堆積チャンバに接続する導管を設け、堆積チャンバから離間させたプラズマ発生部(リモートプラズマ源)から、クリーニングガスの中性活性種(中性のラジカル)だけを堆積チャンバ(被クリーニングチャンバ)に導入して、堆積チャンバにおいて中性活性種でエッチングすることによるクリーニングを行うものである。なお、特許文献1記載の方法では、数GHzのマイクロ波による電力5000Wをプラズマ発生部であるサファイア管に出力している。
特許第3693798号公報 特許第3193575号公報
RPC法においては、高エネルギーのイオンを用いず、中性活性種を用いて、チャンバ内壁面等の堆積物をエッチング除去するため、CVDチャンバ内構造物に対してのダメージを避けやすいといったメリットがある一方、in-situクリーニングと異なりプラズマが非エッチング物と離れることによりクリーニング速度(つまり堆積膜のエッチングレート)が低くなってしまうデメリットがある。
RPC法において、クリーニング速度の低下を避けるのに有効な方法には、リモートプラズマ用のプラズマ発生部をCVDチャンバ(被クリーニングチャンバ)に近づける方法と、プラズマを発生させるための電力(パワー)を上げる方法とがある。このうち前者の方法のようにプラズマ発生部をCVDチャンバに近づけると、活性を失わずにクリーニングに寄与する中性活性種が相対的に増えクリーニング速度が上がる傾向がある。しかしながら、この場合、条件によっては、中性活性種だけではなくプラズマまでもがCVDチャンバ内に拡散し、CVDチャンバ内の構成備品や基板に有害な影響を与える。また、CVDチャンバにおいて、活性種噴出部の近傍の壁や構成部品に、拡散したプラズマによるダメージが生じる場合がある。
また、後者の方法のように、プラズマ発生用電力を上げると、プラズマ発生部内で生成する活性種の量を増やすことができる。このことは次のことを意味する。すなわち、プラズマ発生部をCVDチャンバに接続する導管内での活性種の消滅率が同じであるならば、プラズマ発生部内で生成する活性種の量が増えれば、クリーニング速度を上げることができる。
しかしながら、このようにプラズマ発生用電力を上げる場合には、プラズマ発生部内部の劣化が促進される現象が生じる。具体的には、例えば特許文献2に示されるマイクロ波プラズマ処理装置は、マイクロ波発振器で発振したマイクロ波をプラズマ発生部内部に導入するために、プラズマ発生部である放電室の天面がマイクロ波導入窓として構成されており、また、放電室の傾斜した側面には、放電室内に処理ガスを導入するための複数のガス吹出口が設けられており、マイクロ波導入窓の下方に基板が載置される。このマイクロ波プラズマ処理装置は、マイクロ波導入窓などがプラズマでエッチングされ消耗すると同時に、このときエッチングされた材料が、基板表面に拡散して行って付着し深刻な不純物パーティクル汚染の原因となるなどの問題がある。
また、最近の地球温暖化防止の観点から、あらゆる装置に対して低消費電力化が強く求められており、さらに、堆積チャンバのクリーニング用ガスとして使用されるフッ素化合物ガスは、炭酸ガス(CO2)に比べて温暖化効果がおよそ5000〜20000倍ほどあるため、その使用量を減らすことが急務となっている。これに対して、RPC法においてクリーニング速度の低下を避けるためにプラズマ発生用電力を上げる方法(後者の方法)は、地球温暖化防止の観点からもコストの観点からも不都合である。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、比較的低電力においてもクリーニング速度を損なわずに堆積チャンバをクリーニングできる、堆積チャンバのリモートクリーニング方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の堆積チャンバのリモートクリーニング方法は、シリコン化合物を堆積するプロセスを行った堆積チャンバをリモートプラズマ源を用いてクリーニングするために、前記リモートプラズマ源のプラズマ発生部が発生させるプラズマが前記堆積チャンバに拡散して前記堆積チャンバ内の構成備品や基板に有害な影響を与えない程度に前記プラズマ発生部を前記堆積チャンバから離間させて配設したリモートクリーニングシステムにおける堆積チャンバのリモートクリーニング方法であって、クリーニング用ガスとして90%以上の濃度のフッ素またはフッ素化合物ガスを100Pa以下の圧力で前記リモートプラズマ源のプラズマ発生部に供給するステップと、前記リモートプラズマ源にて高周波電力を供給し前記プラズマ発生部にプラズマを発生させて前記100Pa以下の圧力下で前記フッ素またはフッ素化合物ガスからフッ素活性種を生成するステップと、前記リモートプラズマ源にて生成したフッ素活性種を前記堆積チャンバ内に導入して内部をクリーニングするステップと、を含むことを特徴とする。
かかる手順によれば、堆積チャンバのリモートクリーニング方法は、プラズマ発生部が発生するプラズマが堆積チャンバに拡散して堆積チャンバ内の構成備品や基板に有害な影響を与えないように、プラズマ発生部を堆積チャンバに近づけて配設したリモートクリーニングシステムでチャンバクリーニングを行うので、リモートプラズマクリーニングにおいてクリーニング速度の低下を避けることができる。また、クリーニング用ガスとして90%以上の濃度のフッ素またはフッ素化合物ガスを100Pa以下の圧力でプラズマ発生部に供給し、高周波電力によりプラズマを発生させてフッ素活性種を生成するので、RF電源による比較的低電力においてもフッ素活性種を生成することができる。さらに、生成したフッ素活性種を堆積チャンバ内に導入して内部をクリーニングするので、フッ素活性種によって、不要な堆積物をエッチング除去することができる。したがって、比較的低電力においてもクリーニング速度を損なわずに堆積チャンバをクリーニングすることができる。
また、請求項2に記載の堆積チャンバのリモートクリーニング方法は、請求項1に記載の堆積チャンバのリモートクリーニング方法において、前記クリーニング用ガスのフッ素またはフッ素化合物ガスが、NF3,C38,COF2,F2のいずれかであることとした。
かかる手順によれば、比較的低消費電力でクリーニングができることに加えて、フッ素またはフッ素化合物ガスのうち、地球温暖化係数と寿命との組み合わせから好適なガスをクリーニング用ガスとして使用するので、地球温暖化防止を促進することができる。
また、請求項3に記載の堆積チャンバのリモートクリーニング方法は、請求項1または請求項2に記載の堆積チャンバのリモートクリーニング方法において、前記クリーニング用ガスが、10%以下の濃度のAr、HeまたはXeを含むこととした。
かかる手順によれば、クリーニング速度の低下を避けることができることに加えて、フッ素またはフッ素化合物ガスの流量を増加させてリモートプラズマ源においてプラズマの状態が不安定になり易い条件であったとしても、このプラズマの不安定性を効果的に抑制することができる。
また、請求項4に記載の堆積チャンバのリモートクリーニング方法は、絶縁体で囲まれた放電室とその外側に配置されたRF電力供給部品とを備えるリモートプラズマ源を用いて、シリコン化合物を堆積するプロセスを行った堆積チャンバをクリーニングするために、前記リモートプラズマ源の放電室が発生させるプラズマが前記堆積チャンバに拡散して前記堆積チャンバ内の構成備品や基板に有害な影響を与えない程度に前記放電室を前記堆積チャンバから離間させて配設したリモートクリーニングシステムにおける堆積チャンバのリモートクリーニング方法であって、クリーニング用ガスとして90%以上の濃度のフッ素またはフッ素化合物ガスを100Pa以下の圧力で前記リモートプラズマ源の放電室に供給するステップと、前記リモートプラズマ源にて前記RF電力供給部品によって前記放電室に高周波電力を供給し前記放電室にプラズマを発生させて前記100Pa以下の圧力下で前記フッ素またはフッ素化合物ガスからフッ素活性種を生成するステップと、前記リモートプラズマ源にて生成したフッ素活性種を前記堆積チャンバ内に導入して内部をクリーニングするステップと、を含むことを特徴とする。
かかる手順によれば、堆積チャンバのリモートクリーニング方法は、請求項1に記載の方法と同様に、比較的低電力においてもクリーニング速度を損なわずに堆積チャンバをクリーニングすることができる。
また、請求項5に記載の堆積チャンバのリモートクリーニング方法は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の堆積チャンバのリモートクリーニング方法において、前記フッ素活性種を生成するステップは、3000ワット未満の高周波電力を供給してプラズマを発生させることとした。
かかる手順によれば、従来よりも格段に少ない電力で、クリーニング速度の低下を避けつつ効率よくクリーニングを実施することができる。したがって、低コストでかつ地球温暖化に対するインパクトの少ないプロセスを提供することができる。
本発明によれば、リモートプラズマによって堆積チャンバをクリーニングする際、プラズマが堆積チャンバに拡散しない程度にプラズマ発生部を放した状態でかつ比較的低パワーにおいてもクリーニング速度を損なわずにチャンバクリーニングができる。
また、本発明によれば、従来より格段に少ない電力で、かつ少ないフッ素化合物ガス供給量でクリーニングを実施することができる。これにより低コストでかつ地球温暖化に対するインパクトの少ないプロセスを提供することができる。
本発明の実施形態に係る堆積チャンバのリモートクリーニング方法を適用するCVD装置を模式的に示す構成図である。 図1に示すリモートプラズマ源の一例を模式的に示す構成図である。 プラズマ発生部の圧力を変化させたときの、CVDチャンバクリーニングレートを示している。 Ar濃度を変化させたときの、CVDチャンバクリーニングレートを示している。
以下、本発明の堆積チャンバのリモートクリーニング方法を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
[リモートクリーニングシステムの構成]
図1に示すリモートクリーニングシステムは、CVD装置1に対してリモートクリーニング方法を適用したものであり、CVD装置1とは別にリモートプラズマ源30を備えており、プラズマCVDプロセスの後に、リモートプラズマクリーニングができる機能を備えている。CVD装置1は、例えばシリコンウェーハ用のプラズマCVD装置であって、シリコン化合物を堆積するプロセスを行う堆積チャンバとしてCVDチャンバ10を備えている。
CVDチャンバ10は、真空チャンバであり、その内部に、平行平板である上部電極11および下部電極12を備えている。
上部電極11と下部電極12の間にプラズマを発生させるために、CVDチャンバ10の外部においてRF電源18がマッチング回路19を介して高周波出力(RF電力)を上部電極11に供給する。
上部電極11は、下面に、例えばφ1mm程度の多数の穴17が設けられたシャワー板が取り付けられており、上面がCVDチャンバ10の原料ガス吸気口20を介して外部のCVD用ガス供給システム21に接続されている。これにより、RF電力印加と同時に基板13に対して均一に原料ガスを供給することができる。
下部電極12の上には、基板13が載置される。下部電極12は温度制御が可能になっている。下部電極12を介した基板13の温度は、図示しないヒータを駆動する基板温度制御器16によって、このリモートクリーニングシステムで実行するプロセスにより指示される適切な温度レベルに維持される。基板13は、物質(膜)をその上に堆積させるためのものであり、例えばシリコンウェーハからなる。基板13は、例えば、ESC(Electrostatic Chuck)により吸着固定される。なお、下部電極12とCVDチャンバ10本体は接地されている。
CVDチャンバ10の外部において、基板搬送装置14は、基板13を下部電極12上に配置したり、下部電極12から取り除く手段であり、例えば、ロボットアーム等の公知の搬送装置から構成されている。基板搬送装置14が基板13をCVDチャンバ10に出し入れするゲートにはゲートバルブ15が設けられ、気密に保持される。
CVD用ガス供給システム21は、原料ガスをCVDチャンバ10に供給するものであり、図示は省略するが、原料ガス供給源と、この原料ガス供給源からCVDチャンバ10内へのガスの流れを制御する制御手段とを備えている。CVD用ガス供給システム21は、オペレータが選択した流量で原料ガスをその供給源からCVDチャンバ10に供給することができる。原料ガスは原料ガス吸気口20を通って上部電極11内に流入し、さらにシャワーヘッドを通って流入する。
原料ガスは、基板13上に堆積すべき物質に依存する。具体的には、SiO2膜を製膜する場合には、原料ガスとして、モノシランガス(SiH4)と酸素(O2)とを用いる。また、Si34膜を製膜する場合には、原料ガスとして、モノシランガス(SiH4)とアンモニアガス(NH3)とを用いる。なお、原料ガスには、さらに、酸素(O2)、窒素ガス(N2)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)などを含めてもよい。
CVDチャンバ10の排気口22には、CVDチャンバ10の圧力を制御するAPC(Auto Pressure Control)23が接続されており、排気口22から排出されてMBP(Mechanical Booster Pump)24と、DP(Dry Pump)25とによって減圧された排気ガスは排気管26から排ガス処理装置27に導入される。ここで、DP25は、CVDチャンバ10内を減圧するために使用される。後記するように、クリーニング時には、DP25によって、CVDチャンバ10に接続されたリモートプラズマ源30のプラズマ発生部31が100Pa以下に減圧される。なお、このときCVDチャンバ10内の圧力は、プラズマ発生部31の圧力よりも低い。
排気管26には、排ガス中のガス成分濃度を調査するためにガス分析装置28が介挿されている。ガス分析装置28は、例えば、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR:Fourier transform Infra-Red Spectroscopy)から構成される。
排ガス処理装置27は、例えば水スクラバを備える。水溶性の排気ガスは、水スクラバで十分な量の水に溶解されて、廃液として公知の廃液処理装置で適正に処理される。また、水スクラバで溶解されない成分のガスは、必要に応じて処理を施した後、系外へ排気される。
CVDチャンバ10は、導管29を介してリモートプラズマ源30に接続されている。
リモートプラズマ源30は、CVDチャンバ10外に間隔を置いて位置する。この間隔は、リモートプラズマ源30で生成するプラズマがCVDチャンバ10に拡散してCVDチャンバ10内の構成備品や基板に有害な影響を与えない程度の長さである。リモートプラズマ源30は、一連の堆積作業後に、CVDチャンバ10内部をクリーニングするために使用され、クリーニング用ガスをCVDチャンバ10に供給する。リモートプラズマ源30は、プラズマ発生部31と、このプラズマ発生部31内のクリーニング用ガスを活性化するためのプラズマ発生手段32とを備える。
プラズマ発生部31は、導管33と接続される流入口と、導管29と接続される流出口とを備えた反応管であって、例えば絶縁材料で構成されている。
プラズマ発生部31には、導管33を介してクリーニング用ガスとしてフッ素またはフッ素化合物ガスが流入する。プラズマ発生部31の圧力は、DP25等によって、100Pa以下に減圧されている。つまり、クリーニング用ガスは100Pa以下にて供給される。ここで、プラズマ発生部31の圧力を100Pa以下とした理由は、後記する圧力依存エッチレート実験(実施例1,2)に示すとおり、この圧力範囲ならば、比較的低電力においてもクリーニング速度の低下が生じないという測定結果が得られたからである。特に、クリーニング用ガスは75Pa以下(実施例2)にて供給されることが好ましい。なお、特許文献1に記載のRPC法では、実質的に15torr(約2000Pa)もの圧力下でなければクリーニングができない。
プラズマ発生手段32は、高周波電力(RF電力)をプラズマ発生部31に供給し、プラズマ発生部31にプラズマ35を発生させるものである。プラズマ発生手段32は、高周波電力を供給することで、プラズマ発生部31内の100Pa以下の圧力下でフッ素またはフッ素化合物ガスからフッ素活性種を生成する。プラズマ発生部31内にて生成されたフッ素活性種は、導管29を介してCVDチャンバ10に導入される。
プラズマ発生手段32は、3000ワット未満の高周波電力を供給してプラズマを発生させることが好ましい。その理由は、一般にリモートプラズマクリーニングは、in-situクリーニングに比べてクリーニング速度が低くなるデメリットがあり、活性種の量を増やすためにプラズマ発生用電力をできるだけ上げる必要がある。例えば、特許文献1に記載のRPC法では、従来のチャンバクリーニングに通常良く用いられるNF3ガスのプラズマに対しては、2.54GHzのマイクロ波による電力5000Wを用いることで、RF13.56MHz高周波による3000Wを用いる場合の2倍の速度を実現している。このため従来のチャンバクリーニングに通常良く用いられる電力は5000ワット程度である。一方で、地球温暖化防止の観点から低消費電力化が強く求められており、プラズマ発生用電力をできるだけ下げることが要望されている。後記する圧力依存エッチレート実験(実施例1,2)に示すとおり、100Pa以下にて供給されるNF3ガス(クリーニング用ガス)に対しては、2500Wの低電力においてもクリーニング速度の低下が生じないという測定結果が得られた。また、後記する濃度依存エッチレート実験(実施例3)に示すとおり、NF3ガスにアルゴン(Ar)を10%添加して100Paにて供給されるクリーニング用ガスに対しては、2900Wの低電力においてもクリーニング速度の低下が生じないという測定結果が得られた。したがって、これらの実験結果から、100Pa以下にて供給されるクリーニング用ガスに対しては、プラズマ発生手段32は、3000ワット未満の高周波電力を供給することとした。
ここで、リモートプラズマ源30の一例を図2に示す。リモートプラズマ源30は、図2に示すように、プラズマ発生部(放電室)31と、プラズマ発生手段32とを備え、プラズマ発生手段32は、高周波コイル321と、高周波電源ユニット322と、変換アダプタ323とを主たる構成要素として備えている。
プラズマ発生部31は、円筒状で外周に高周波コイル321が巻き付けられたセラミックス製の反応管である。この例では、プラズマ発生部31をアルミナ(Al23)セラミックチューブで構成した。
高周波コイル321は、当該高周波コイル321に高周波電流を流すことで電磁誘導によって生じる磁場により、プラズマ発生部31内にプラズマを発生させる。または高周波電圧を印加することによって生じる高周波電界によりプラズマを生成することもできる。この高周波コイル321は、プラズマ発生部31の外周面から所定距離離間した位置に、プラズマ発生部31の上流から下流に向かってプラズマ発生部31の外周面上に沿って螺旋状に巻き付けられている。この高周波コイル321は例えば銅製の管であり、管の内部には、冷却水を挿通させる冷却路が形成されている。
高周波電源ユニット322は、例えば数MHzの図示しない高周波電源とマッチングボックスとを備え、この高周波電源からマッチングボックスを介して高周波コイル321と接続され、高周波コイル321に流される電流の制御を行うものである。変換アダプタ323は、交流電源を直流電源に変換し、高周波電源ユニット322に供給するものである。
図1に戻って、リモートクリーニングシステムの構成の説明を続ける。
リモートプラズマ源30は、導管33を介して、クリーニング用ガス供給システム34に接続されている。
クリーニング用ガス供給システム34は、クリーニング用ガスをリモートプラズマ源30に供給するものであり、図示は省略するが、クリーニング用ガス供給源と、このクリーニング用ガス供給源からリモートプラズマ源30へのガスの流れを制御する制御手段とを備えている。クリーニング用ガス供給システム34は、オペレータが選択した流量でクリーニング用ガスをその供給源からリモートプラズマ源30に供給することができる。
クリーニング用ガスは、90%以上の濃度のフッ素またはフッ素化合物ガスである。ここで、フッ素またはフッ素化合物ガスは、CF4(四フッ化メタン)やC26(六フッ化エタン)でも採用可能であるが、NF3,C38,COF2,F2のいずれかであることが好ましい。
前記クリーニング用ガスとしてのフッ素化合物ガス等の地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)を単純に比較すると、例えば、NF3(三フッ化窒素)のGWP値は、他のフッ素化合物ガスの1つであるCF4(四フッ化メタン)のGWP値の2倍近い値であるが、寿命年数はおよそ70分の1である。
また、C38(八フッ化プロパン)のGWP値は、CF4(四フッ化メタン)のGWP値の1.5倍ほどの値であるが、寿命年数はおよそ20分の1である。
COF2(フッ化カルボニル)のGWP値は1であり、NF3の約1万分の1なので、NF3(三フッ化窒素)の代替ガスとしても好ましい。
2(フッ素ガス)のGWP値は0なので好ましい。
本実施形態のリモートクリーニング方法を使えば、後記するようにクリーニング効率が上がるので、これらのクリーニング用ガスの消費量を減らすことができ、温暖化防止の観点からも、大きな効果がある。
ここで、フッ素系ガスの流量を増やしていくと、条件によっては、リモートプラズマ源30においてプラズマの状態が不安定になる場合がある。この不安定性を抑制するために、適当な非反応性ガスとして、例えば、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)あるいはキセノン(Xe)ガスを添加することが非常に有効であることが経験上知られている。したがって、このクリーニング用ガスに、前記した希ガスを添加するようにしてもよい。その場合、後記する濃度依存エッチレート実験に示すように、10%以下の濃度で添加することが好ましい。
[リモートクリーニング方法の手順]
事前にCVD装置1において、まず、CVDチャンバ10にリモートプラズマ源30を接続する。このとき、導管29によって、リモートプラズマ源30のプラズマ発生部31を、プラズマがCVDチャンバ10に拡散してCVDチャンバ10内の構成備品や基板に有害な影響を与えない程度に離間させて配設する。そして、リモートプラズマ源30とクリーニング用ガス供給システム34とを接続する。なお、クリーニング用ガス供給システム34に接続した後でリモートプラズマ源30をCVDチャンバ10に接続してもよい。
ここで、プラズマがCVDチャンバ10内に拡散しているか否かは、CVDチャンバ10の壁面に設けられた図示しないビューポート(のぞき窓)から、発光部の状態を目視観察して判断することができる。より詳細には、想定される様々な条件において、リモートクリーニングを実際に行い、CVDチャンバ10の内部の構成部品のダメージや、シリコンウェーハなどの基板のダメージを測定する実験を行い導管29の長さを決定する。その後、異常が無いかの確認をビューポートからの目視で行う。なお、その他の確認方法として、CVDチャンバ10内でイオンからの発光が無いことを発光分光器で観測する方法もある。
各装置の接続が完了した後、所定の真空度のCVDチャンバ10内に基板13をセットし、CVD用ガス供給システム21から原料ガスをCVDチャンバ10に供給すると共に、RF電源18からマッチング回路19を介して高周波出力を上部電極11に供給し、所定のチャンバ圧力、基板温度、原料ガス流量の条件で、上部電極11と下部電極12との間にプラズマを発生させて、基板13上にシリコン化合物を堆積するプロセスを行う。
そして、予め定められた枚数の基板に、シリコン化合物を堆積するプロセスを行った後、CVDチャンバ10内の残余のガスを抜き、このCVDチャンバ10のクリーニングを下記ステップS1〜S3の手順で行う。ます、DP25等によって減圧された100Pa以下の圧力下で、クリーニング用ガス供給システム34から、クリーニング用ガスとして90%以上の濃度のフッ素またはフッ素化合物ガスを100Pa以下の圧力でリモートプラズマ源30のプラズマ発生部31に供給する(ステップS1)。そして、リモートプラズマ源30にて、プラズマ発生手段32からプラズマ発生部31に高周波電力を供給し、100Pa以下の圧力および所定のクリーニングガス流量の条件で、プラズマ発生部31にプラズマを発生させて、フッ素またはフッ素化合物ガスからフッ素活性種を生成する(ステップS2)。なお、ステップS1にてクリーニング用ガスの供給を開始した後、ステップS1とステップS2とは並列に行う。
そして、リモートプラズマ源30にて生成したフッ素活性種を導管29を介してCVDチャンバ10内に導入して内部をクリーニングする(ステップS3)。CVDチャンバ10は、APC23にて圧力制御され、その排ガスは、排気管26から排ガス処理装置27に導入される。なお、ガス分析装置28にて排ガス中のガス成分濃度は調査される。
以上がチャンバクリーニングの主な処理手順である。より具体的には、基板13に例えばSi34を製膜した後でクリーニングを行うときには、クリーニング用ガスから生成されたフッ素活性種であるFラジカルが、CVDチャンバ10の内側壁等に残ったSi34をエッチング除去する。このクリーニング中(堆積物のエッチング中)には、前記した式(1)で表される反応によって反応生成物として、揮発性化合物である四フッ化珪素(SiF4)が発生する。すなわち、SiF4の発生量はエッチング量(クリーニング速度)と比例しているので、排ガス中の反応生成物であるSiF4ガスの発生濃度によってエッチレート(クリーニング速度)を相対的に評価することができる。したがって、後記する実験では、クリーニング速度は、CVDチャンバ10内に堆積したSi34膜がエッチングされて生成する反応生成物であるSiF4ガスの量で相対的に評価している。
本実施形態によれば、CVDチャンバ10をクリーニングする際、リモートプラズマ源30で生成するプラズマがCVDチャンバ10に拡散しない程度にプラズマ発生部31を放した状態でかつ比較的低パワーにおいてもクリーニングレートを損なわずにチャンバクリーニングができる。また、本実施形態によれば、リモートプラズマ源30にてRF電力によりプラズマを発生させ、かつ、100Pa以下の減圧下で導入したフッ素化合物ガスからプラズマによりフッ素活性種を生成して、導管29を介してCVDチャンバ10に導入して堆積物をエッチング除去するので、従来よりも格段に少ない電力で、かつ少ないフッ素化合物ガス供給量でクリーニングを実施することができる。これにより低コストでかつ地球温暖化に対するインパクトの少ないプロセスを提供することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を変えない範囲で実施することができる。例えば、CVDチャンバ10に堆積するシリコン化合物の具体例として窒化シリコン(Si34)をエッチング除去するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、シリコン化合物は、例えば、酸化シリコン(SiO2)等でもよい。
本発明を評価するために本実施形態に係る堆積チャンバのリモートクリーニング方法によって実際にプラズマCVD装置のCVDチャンバを様々な条件でクリーニングし、反応生成ガスの量を測定し、クリーニング速度(クリーニングレート)を算出した。
ここでは、まず、クリーニングレートの圧力依存性を調べるために圧力依存エッチレート実験を行い、次いで、クリーニングレートのクリーニングガス濃度依存性を調べるために濃度依存エッチレート実験を行った。
[前提条件および使用機材]
各実験では、図1に例示するCVD装置1として200mmシリコンウェーハ用のプラズマCVD装置を用いてSi34の製膜を行った後に、リモートプラズマ源30として、ランドマークテクノロジー社製プラズマ発生装置LS4000を利用してリモートクリーニングを行った。
(圧力依存エッチレート実験)
<堆積条件>
被クリーニングチャンバ(堆積チャンバ)は、次の条件によりSi34を堆積するプロセスを行った。すなわち、CVDチャンバ10に供給した原料ガスの種類および流量は以下の通りである。モノシランガス(SiH4)を流量220sccm、アンモニアガス(NH3)を流量400sccm、窒素ガス(N2)を流量1500sccmでそれぞれCVDチャンバ10に供給した。なお、sccmは、standard cc per minを示し、0℃,1気圧の条件で1分間当たりのccで表した流量単位である。
その他の条件としては、CVDチャンバ10の圧力は400Paに維持した。
また、RF電源18は、13.56MHzのRF電力を1200W印加しプラズマを発生させた。基板13の温度は300Kに設定した。なお、Si34膜の製膜条件は、これらの条件に限定されるわけではなく、例えば、原料ガスの種類として、モノシラン+ヘリウム+窒素によっても形成することができる。
<堆積とクリーニングとの間に行った処理>
前記した堆積条件でSi34膜を堆積させた後、原料ガスをCVDチャンバ10内から完全に除去するため真空排気した後、Nガスを流量2000sccm、圧力100Paの条件で30分間流した。
<クリーニング条件>
クリーニング用ガスとして三フッ化窒素ガス(NF3)を流量1800sccmでリモートプラズマ源30のプラズマ発生部31に供給し、リモートプラズマ源30のプラズマ発生手段32にてRF電力2500Wにてプラズマを発生させた。
このとき、他の条件としては、プラズマ発生部31の中心とCVDチャンバ10の中心との距離を900mm、導管29の内径を50mmとした。
<実験方法>
CVDチャンバ10内に堆積したSi34膜がエッチングされて生成する反応生成物である四フッ化珪素(SiF4)ガスの量を測定した。
プラズマ発生部31の圧力を様々な値に変化させたときに、同様な測定を行った。ここでは、主な測定点として、75Pa(実施例1),100Pa(実施例2),160Pa(参考例1),200Pa(参考例2),300Pa(参考例3)の各圧力にて測定した結果を図3にプロットした。
<評価方法>
クリーニング速度(クリーニングレート)は、CVDチャンバ10内に堆積したSi34膜がエッチングされて生成する反応生成物である四フッ化珪素(SiF4)ガスの量で相対的に評価した。つまり、反応生成物であるSiF4の濃度からクリーニングレートを計算で求めた。
<測定結果>
測定結果を図3のグラフに示す。
図3のグラフにおいて、横軸はプラズマ発生部31の圧力をPaの単位で示し、縦軸は任意単位(a.u.:arbitrary units)でクリーニングレートを示している。
図3に示すように、圧力300Paの場合、クリーニングレートは任意単位で2050であった。この圧力(300Pa)を基準にして100Pa低下させた場合(圧力200Paの場合)、クリーニングレートは約60%上昇して任意単位で3250であった。
この圧力(200Pa)を基準にして40Pa低下させた場合(圧力160Paの場合)、クリーニングレートは約2%上昇して任意単位で3320であった。
この圧力(160Pa)を基準にして60Pa低下させた場合(圧力100Paの場合)、クリーニングレートは約12%上昇して任意単位で3720であった。
この圧力(100Pa)を基準にして25Pa低下させた場合(圧力75Paの場合)、クリーニングレートは約100%上昇して任意単位で約2倍の7500であった。
以上の測定結果から、圧力依存エッチレート実験では、圧力が100Pa以下で急激にエッチレート(クリーニングレート)が上昇することが分かる。
<比較例>
実施例1,2および各参考例と比較するために比較例として、NF3流量と、圧力と、RF電力の各条件を、クリーニング条件として通常良く用いられる値にそれぞれ変更して同様の測定を行った。比較例の条件は、NF3流量2000sccm、圧力2000Pa、RF電力5000Wとした。実施例1,2および各参考例と同一測定系を利用して、この比較例の条件において測定したときの反応生成物であるSiF4の濃度から計算で求めたクリーニングレートは、任意単位で2300であった。
<比較例との対比>
実施例1(圧力75Pa)の場合、NF3流量1800sccm、RF電力2500Wの条件としたときのクリーニングレートは、任意単位で7500であった。
したがって、実施例1において75Paにすることで、比較例の50%のRF電力、かつ、比較例の90%のNF3使用量(流量)で、約3.2倍のクリーニングレートが得られた。例えると、比較例で示す従来の方法でクリーニングに10分間要すると仮定すると、3分でクリーニングできることを意味する。すなわち、実施例1の測定結果は、低い消費電力で短時間でクリーニングが終了することを示し、従来と比して十分低コストのクリーニングを実現することができると結論付けられる。
また、実施例2(圧力100Pa)の場合には、比較例の50%のRF電力、かつ、比較例の90%のNF3使用量で、約1.6倍のクリーニングレートが得られた。
なお、参考例1(160Pa)または参考例2(200Pa)の場合には、比較例の50%のRF電力、かつ、比較例の90%のNF3使用量で、約1.4倍のクリーニングレートが得られた。
(濃度依存エッチレート実験)
濃度依存エッチレート実験は、クリーニング用ガスの濃度を変化させた点以外は、圧力依存エッチレート実験と同様なので、詳細な説明は省略し、異なる点について説明する。
クリーニング用ガスにアルゴン(Ar)を添加する場合について、Ar濃度0〜41%の範囲の様々な値でNF3ガスを用いて測定した。
<クリーニング条件>
アルゴン(Ar)を添加または無添加のNF3ガスを、流量4000sccmでリモートプラズマ源30のプラズマ発生部31に供給し、リモートプラズマ源30のプラズマ発生手段32にてRF電力2900Wにてプラズマを発生させた。また、他の条件としては、クリーニングガスを100Paの圧力でリモートプラズマ源30のプラズマ発生部31に供給した。
<測定評価方法>
前記した測定方法、評価方法以外に、プラズマの不安定性を調べた。具体的には、リモートプラズマ源30で生成したプラズマ発光状態が時間的に変動したり、プラズマ吹き出し口付近に異常な放電が見られた場合にプラズマが不安定であると判断した。なお、プラズマの発光状態や異常放電の有無は、CVDチャンバ10の壁面に設けられた図示しないビューポート(のぞき窓)から、発光部の状態を目視観察して判断することができる。
測定結果を図4のグラフに示す。図4のグラフにおいて、横軸はアルゴン含有率を%で示し、縦軸は任意単位(a.u.)でクリーニングレートを示している。なお、主な測定点のみをプロットして説明する。
<測定結果>
図4に示すように、例えばAr濃度0%(濃度100%のNF3)の場合(実施例3)、クリーニングレートは任意単位で3470であった。
Ar濃度15%(濃度85%のNF3)の場合(参考例3)、クリーニングレートは無添加の場合に比べて約9%下降して任意単位で3150であった。
Ar濃度26%(濃度74%のNF3)の場合(参考例4)、クリーニングレートは無添加の場合に比べて約14%下降して任意単位で3000であった。
Ar濃度41%(濃度59%のNF3)の場合(参考例5)、クリーニングレートは無添加の場合に比べて約17%下降して任意単位で2870であった。
図4に示す結果より、濃度依存エッチレート実験では、Ar添加によりクリーニングレートは単調減少することが分かった。つまり、Arはクリーニングガスを希釈するだけでクリーニングレートを向上させる効果がなかった。したがって、クリーニングレートを高く維持するにはArガスの添加量はなるべく少ないことが望ましい。
一方、プラズマの不安定性を調べる実験からは、Ar添加量を徐々に増加させていったときにAr濃度3%でプラズマを安定化させることができた。その後もAr添加量を徐々に増加させていったところ、多くても10%の添加で十分な安定化が図れることが分かった。図4に示すグラフから、Ar濃度10%によるクリーニングレートは、任意単位で3260であって、クリーニングレートは無添加の場合に比べて約6%下降する程度の許容できる範囲に収まっている。
1 CVD装置
10 CVDチャンバ(堆積チャンバ)
11 上部電極
12 下部電極
13 基板
14 基板搬送装置
15 ゲートバルブ
16 基板温度制御器
17 穴
18 RF電源
19 マッチング回路
20 原料ガス吸気口
21 CVD用ガス供給システム
22 排気口
23 APC
24 MBP
25 DP
26 排出管
27 排ガス処理装置
28 ガス分析装置(FT−IR)
29 導管
30 リモートプラズマ源
31 プラズマ発生部(放電室)
32 プラズマ発生手段
321 高周波コイル
322 高周波電源ユニット
323 変換アダプタ
33 導管
34 クリーニング用ガス供給システム

Claims (5)

  1. シリコン化合物を堆積するプロセスを行った堆積チャンバをリモートプラズマ源を用いてクリーニングするために、前記リモートプラズマ源のプラズマ発生部が発生させるプラズマが前記堆積チャンバに拡散して前記堆積チャンバ内の構成備品や基板に有害な影響を与えない程度に前記プラズマ発生部を前記堆積チャンバから離間させて配設したリモートクリーニングシステムにおける堆積チャンバのリモートクリーニング方法であって、
    クリーニング用ガスとして90%以上の濃度のフッ素またはフッ素化合物ガスを100Pa以下の圧力で前記リモートプラズマ源のプラズマ発生部に供給するステップと、
    前記リモートプラズマ源にて高周波電力を供給し前記プラズマ発生部にプラズマを発生させて前記100Pa以下の圧力下で前記フッ素またはフッ素化合物ガスからフッ素活性種を生成するステップと、
    前記リモートプラズマ源にて生成したフッ素活性種を前記堆積チャンバ内に導入して内部をクリーニングするステップと、
    を含むことを特徴とする堆積チャンバのリモートクリーニング方法。
  2. 前記クリーニング用ガスのフッ素またはフッ素化合物ガスは、NF3,C38,COF2,F2のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の堆積チャンバのリモートクリーニング方法。
  3. 前記クリーニング用ガスは、10%以下の濃度のAr、HeまたはXeを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の堆積チャンバのリモートクリーニング方法。
  4. 絶縁体で囲まれた放電室とその外側に配置されたRF電力供給部品とを備えるリモートプラズマ源を用いて、シリコン化合物を堆積するプロセスを行った堆積チャンバをクリーニングするために、前記リモートプラズマ源の放電室が発生させるプラズマが前記堆積チャンバに拡散して前記堆積チャンバ内の構成備品や基板に有害な影響を与えない程度に前記放電室を前記堆積チャンバから離間させて配設したリモートクリーニングシステムにおける堆積チャンバのリモートクリーニング方法であって、
    クリーニング用ガスとして90%以上の濃度のフッ素またはフッ素化合物ガスを100Pa以下の圧力で前記リモートプラズマ源の放電室に供給するステップと、
    前記リモートプラズマ源にて前記RF電力供給部品によって前記放電室に高周波電力を供給し前記放電室にプラズマを発生させて前記100Pa以下の圧力下で前記フッ素またはフッ素化合物ガスからフッ素活性種を生成するステップと、
    前記リモートプラズマ源にて生成したフッ素活性種を前記堆積チャンバ内に導入して内部をクリーニングするステップと、
    を含むことを特徴とする堆積チャンバのリモートクリーニング方法。
  5. 前記フッ素活性種を生成するステップは、
    3000ワット未満の高周波電力を供給してプラズマを発生させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の堆積チャンバのリモートクリーニング方法。
JP2010112145A 2010-05-14 2010-05-14 堆積チャンバのリモートクリーニング方法 Active JP5548028B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010112145A JP5548028B2 (ja) 2010-05-14 2010-05-14 堆積チャンバのリモートクリーニング方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010112145A JP5548028B2 (ja) 2010-05-14 2010-05-14 堆積チャンバのリモートクリーニング方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011243635A true JP2011243635A (ja) 2011-12-01
JP5548028B2 JP5548028B2 (ja) 2014-07-16

Family

ID=45410038

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010112145A Active JP5548028B2 (ja) 2010-05-14 2010-05-14 堆積チャンバのリモートクリーニング方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5548028B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014181353A (ja) * 2013-03-18 2014-09-29 Shimadzu Corp アークプラズマ成膜装置
WO2014204660A1 (en) * 2013-06-21 2014-12-24 Applied Materials, Inc. Apparatus for removing particles from a twin chamber processing system
CN104233234A (zh) * 2013-06-17 2014-12-24 沙嫣 一种带氟清理装置的pecvd炉及其氟清理方法
CN113838733A (zh) * 2020-06-23 2021-12-24 拓荆科技股份有限公司 一种改进洁净腔室内环境的方法
KR20220002104A (ko) 2020-06-30 2022-01-06 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 플라스마 처리 장치
CN114360997A (zh) * 2021-12-09 2022-04-15 北京北方华创微电子装备有限公司 多腔室清洗方法和半导体工艺设备
KR20230087593A (ko) 2020-10-29 2023-06-16 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 플라스마 처리 장치

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08138890A (ja) * 1994-11-09 1996-05-31 Hitachi Ltd マイクロ波プラズマ処理装置および処理方法
JPH0969504A (ja) * 1994-07-21 1997-03-11 Applied Komatsu Technol Kk 遠隔の励起源を用いる堆積チャンバーのクリーニング技術
JPH10149989A (ja) * 1996-09-16 1998-06-02 Applied Komatsu Technol Inc 高出力遠隔励起源を用いた堆積チャンバクリーニング技術
JP2002231711A (ja) * 2001-02-05 2002-08-16 Pearl Kogyo Kk リモートプラズマによる堆積チャンバーのクリーニング装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0969504A (ja) * 1994-07-21 1997-03-11 Applied Komatsu Technol Kk 遠隔の励起源を用いる堆積チャンバーのクリーニング技術
JPH08138890A (ja) * 1994-11-09 1996-05-31 Hitachi Ltd マイクロ波プラズマ処理装置および処理方法
JPH10149989A (ja) * 1996-09-16 1998-06-02 Applied Komatsu Technol Inc 高出力遠隔励起源を用いた堆積チャンバクリーニング技術
JP2002231711A (ja) * 2001-02-05 2002-08-16 Pearl Kogyo Kk リモートプラズマによる堆積チャンバーのクリーニング装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014181353A (ja) * 2013-03-18 2014-09-29 Shimadzu Corp アークプラズマ成膜装置
CN104233234A (zh) * 2013-06-17 2014-12-24 沙嫣 一种带氟清理装置的pecvd炉及其氟清理方法
WO2014204660A1 (en) * 2013-06-21 2014-12-24 Applied Materials, Inc. Apparatus for removing particles from a twin chamber processing system
US10672591B2 (en) 2013-06-21 2020-06-02 Applied Materials, Inc. Apparatus for removing particles from a twin chamber processing system
CN113838733A (zh) * 2020-06-23 2021-12-24 拓荆科技股份有限公司 一种改进洁净腔室内环境的方法
KR20220002104A (ko) 2020-06-30 2022-01-06 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 플라스마 처리 장치
KR20230087593A (ko) 2020-10-29 2023-06-16 도쿄엘렉트론가부시키가이샤 플라스마 처리 장치
CN114360997A (zh) * 2021-12-09 2022-04-15 北京北方华创微电子装备有限公司 多腔室清洗方法和半导体工艺设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP5548028B2 (ja) 2014-07-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102158307B1 (ko) 플라즈마 프로세싱 챔버에서의 인-시튜 챔버 세정 효율 향상을 위한 플라즈마 처리 프로세스
CN104882360B (zh) 等离子体处理装置的清洁方法
JP5548028B2 (ja) 堆積チャンバのリモートクリーニング方法
JP5450187B2 (ja) プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法
KR102441116B1 (ko) 플라즈마 처리 방법 및 플라즈마 처리 장치
US7959970B2 (en) System and method of removing chamber residues from a plasma processing system in a dry cleaning process
US20070131171A1 (en) Plasma process device and plasma process method
KR20070081749A (ko) 기판 처리실의 세정 방법, 기억 매체 및 기판 처리실
JP2020065079A (ja) プラズマ処理装置および大気開放方法
KR20140092257A (ko) 플라즈마 처리 방법 및 플라즈마 처리 장치
JPWO2008050596A1 (ja) プラズマドーピング方法及びプラズマドーピング装置
KR20190039874A (ko) 파티클 발생 억제 방법 및 진공 장치
JP5750496B2 (ja) プラズマ処理方法
JP2015057854A (ja) プラズマ処理方法
JP2016086046A (ja) プラズマ処理方法
KR102538188B1 (ko) 플라즈마 처리 장치의 세정 방법
TW201812897A (zh) 電漿處理方法
JP2015211156A (ja) ドライクリーニング方法及びプラズマ処理装置
JP5179219B2 (ja) 付着物除去方法及び基板処理方法
JP2000323467A (ja) 遠隔プラズマ放電室を有する半導体処理装置
JP2016066801A (ja) プラズマ処理方法
JP2007184611A (ja) プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法
JP5896419B2 (ja) プラズマ処理装置およびそのクリーニング方法
JP2004137556A (ja) 半導体製造装置
TW202226327A (zh) 等離子體處理裝置及其處理方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130510

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140204

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140407

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140507

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140516

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5548028

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160122

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250