JP2007184611A - プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置およびプラズマ処理方法 Download PDF

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Yoichi Inoue
陽一 井上
Takashi Akahori
孝 赤堀
Shuichi Ishizuka
修一 石塚
Shoichi Abe
正一 阿部
Takashi Suzuki
隆司 鈴木
Gohei Kawamura
剛平 川村
Shusuke Miyoshi
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Abstract

【課題】均一なCVD処理をおこなうプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】電極板20の、サセプタ10に対向する面を凸型の形状とする。電極板20は、凸部20aにおいてシールドリング26の開口26aと嵌合する。このとき、凸部20aの厚さは、シールドリング26の厚さとほぼ同一である。これにより、電極板20と、シールドリング26とは、実質的に同一の平面を形成する。また、凸部20aの主面は、ウェハWの径の1.2〜1.5倍の径を有する。また、電極板20は、例えば、SiCから構成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラズマを用いて成膜処理、エッチング処理等の処理を行うプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法に関する。
半導体装置、液晶表示装置等の製造プロセスには、プラズマを用いて半導体ウェハ等の基板の表面を処理するプラズマ処理装置が使用されている。プラズマ処理装置としては、例えば、基板にエッチングを施すプラズマエッチング装置や、化学的気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)を施すプラズマCVD装置等が挙げられる。中でも、平行平板型のプラズマ処理装置は、処理の均一性に優れ、また、装置構成も比較的簡易であることから、広く使用されている。
平行平板型のプラズマ処理装置の構造を図17に示す。図17に示すように、プラズマ処理装置101は、チャンバ102と、チャンバ102内に処理ガスを供給し、上部電極を構成するシャワー電極103と、半導体ウェハ等の被処理体Wが載置され、下部電極を構成するサセプタ104と、から構成される。
シャワー電極103は、多数のガス穴105を有する電極板106と、電極板106を支持し、処理ガスをガス穴105に導く中空部107を備える電極支持体108と、から構成される。電極板106は、その周縁部において、電極支持体108にねじ等により支持され、支持部分は絶縁材からなるシールドリング109によって覆われている。シールドリング109は電極板106よりも小径の開口を有し、開口内に電極板106が露出する構成となっている。シールドリング109は、支持部分における異常放電の発生を低減させる。
上記プラズマ処理装置101は、電極板106のガス穴105から被処理体Wに処理ガス(図中実線矢印)を供給し、電極板106にRF電力を供給して、電極板106の露出面と、サセプタ104と、の間にRF電界(図中破線矢印)を形成する。これにより、被処理体Wの上に処理ガスのプラズマを発生させ、被処理体Wの表面に所定の処理を施す。
上記構成のプラズマ処理装置101には、下記(1)および(2)のような問題がある。
(1)電極板106の周縁を保護するシールドリング109は、絶縁性を確保するため、例えば、10mm程度の厚さを有する板状部材から構成される。電極板106は、シールドリング109の開口内に露出するようにシールドリング109上に重ねられる。このとき、電極板106の露出面(下面)の周縁部と、シールドリング109の開口近傍の面と、の間には、段差Δが生じる。
このような段差Δは、被処理体Wの表面全体の処理特性を異なったものとし、処理の均一性を低下させる。すなわち、開口内のガス穴105から供給されるガスは、段差Δにおいて滞留などし、ガスの流れに乱れが生じる。これにより、例えば、被処理体Wの中心部と、端部と、におけるガス供給が不均一となり、処理の均一性が低下する。
また、プラズマと接触する電極板106の露出面の径(以下、上部電極径とする)は、対向する被処理体Wの表面の径とほぼ等しいように形成される。すなわち、上部電極径は、電極板106と被処理体Wとの間に形成される、ガスの流れおよび電界を最適化して、均一性の高い処理がなされるように決定されたものではない。このため、十分に均一性の高い処理が行われないおそれがある。
また、ガスの流れおよび電界を最適化するため、ガスの吹き出し径と、上部電極径と、を変化させる場合でも、ガスの吹き出し径および上部電極径は、実質的にシールドリング109の開口の径によって決定される。このため、ガスの吹き出し径と、上部電極径と、をそれぞれ独立に変化させて最適化し、処理の均一性を向上させることは難しい。
以上のように、従来のプラズマ処理装置101は、上部電極径と、ガスの吹き出し径と、が最適化され、処理の均一性が十分に高められたものとはいえなかった。
(2)上記プラズマ処理装置101には、フッ素系ガス等のハロゲン系ガスを用いたドライクリーニングが行われる。具体的には、チャンバ102の内部または外部でハロゲン系ガスのプラズマを生成し、ガスプラズマ中のハロゲン活性種(例えば、フッ素ラジカル)により、チャンバ102内に付着、堆積した膜を除去する。特に、フッ素は、シリコンとの反応性が高く、シリコン系の膜を処理する処理装置のクリーニングに好適である。
ここで、電極板106は、メタルコンタミを避けるため、シリコンから構成される。このようなシリコンからなる電極板106は、上記クリーニングによってエッチングされやすい。特に、チャンバ102の外部でクリーニングガスのプラズマを生成し、ラジカル種を選択的にチャンバ102内に導入するリモートプラズマクリーニングにおいては、ラジカル種の活性が高いため、電極板106の劣化(エッチング)が顕著となる。
電極板106の劣化は、電極板106の形状を変化を意味し、RF電界を変化させる。電界の変化により、例えば、被処理体Wの中心部と端部とにおける処理特性が変化し、処理の均一性が低下する。
以上のように、シリコンからなる電極板106を用いた場合には、クリーニングにより電極板106がエッチングされやすく、十分に均一性の高い処理が行われないおそれがあった。
上記事情を鑑みて、本発明は、被処理体に均一性の高い処理を施すことのできるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るプラズマ処理装置(1)は、
一面上に被処理体が載置される第1の電極板(10)と、
高周波電源に接続され、前記一面と平行に対向し、前記第1の電極板(10)に載置された被処理体の径の1.2倍〜1.5倍の径を有する対向面を備える第2の電極板(20)と、
を備える、ことを特徴とする。
上記構成の装置において、さらに、前記対向面の径と略同一の径を有する開口(26a)が形成されてもよく、前記開口(26a)の内側に前記対向面が露出するように、前記第2の電極板(20)の周縁部を覆うシールドリング(26)を備えてもよい。
上記構成の装置において、前記第2の電極板(20)は、前記対向面を主面とし、前記開口(26a)と嵌合する凸部(20a)を備えてもよい。
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係るプラズマ処理方法は、
内部でのプラズマの生成により、被処理体に所定の処理が施されるチャンバ(2)と、一面上に被処理体が載置される第1の電極板(10)と、高周波電源(24)に接続され、前記一面と平行に対向する対向面を有する第2の電極板(20)と、を備えたプラズマ処理装置(1)を用いたプラズマ処理方法であって、
前記対向面の径を、前記第1の電極板(10)に載置された被処理体の径の1.2倍〜1.5倍として、前記第2の電極に高周波電力を供給する工程を含む、ことを特徴とする。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態にかかる処理装置について、以下図面を参照して説明する。以下に示す実施の形態では、半導体ウェハ(以下、ウェハW)にCVD(Chemical Vapor Deposition)によりフッ化酸化シリコン(SiOF)膜を形成する、平行平板型のプラズマ処理装置を例として説明する。
図1に第1の実施の形態に係るプラズマ処理装置1の構成を示す。
プラズマ処理装置1は、例えば、表面がアルマイト処理(陽極酸化処理)されたアルミニウムからなる、円筒状のチャンバ2を有する。チャンバ2は接地され、共通電位とされている。
チャンバ2の上部にはガス供給管3が設けられている。ガス供給管3は、SiF、SiH、O、Ar等が混合された処理ガスを供給するガス供給源4に接続されている。処理ガスは、ガス供給管3から、マスフローコントローラ(図示せず)により、所定の流量に調節されてチャンバ2内に供給される。
チャンバ2の底部側方には、排気口5が設けられている。排気口5には、ターボ分子ポンプなどから構成される排気装置6が接続されている。排気装置6は、チャンバ2内を所定の減圧雰囲気、例えば、1Pa以下の所定の圧力まで排気する。
チャンバ2の側壁にはゲートバルブ7が設けられている。ゲートバルブ7を開放した状態で、チャンバ2と隣接するロードロック室(図示せず)との間でのウェハWの搬入出がなされる。
チャンバ2内の底部中央からは、略円柱状のサセプタ支持台8が起立している。サセプタ支持台8の上にはセラミック等の絶縁体9を介してサセプタ10が設けられている。また、サセプタ支持台8はチャンバ2の下方に設けられた昇降機構(図示せず)にシャフト11を介して接続され、昇降可能となっている。
サセプタ10上には、ウエハWと略同径の図示しない静電チャックが設けられている。サセプタ10上に載置されたウェハWは、静電チャックによってクーロン力により固定される。
サセプタ10は、アルミニウム等の導体から構成され、平行平板電極の下部電極を構成する。サセプタ10には、第1のRF電源12が第1の整合器13を介して接続されている。第1のRF電源12は0.1〜13MHzの範囲の周波数を有している。第1のRF電源12に上記範囲の周波数を印加することにより、被処理体に適度なイオン衝撃を与える等の効果が得られる。
サセプタ支持台8の内部には、冷媒室14が設けられている。冷媒室14には冷媒が循環している。冷媒供給管15から供給された冷媒は冷媒室14を通って冷媒排出管16から排出される。冷媒室14を冷媒が循環することにより、サセプタ10及びウエハWの処理面は所望の温度に維持される。また、ウェハWの受け渡し用のリフトピン(図示せず)が、サセプタ10及び静電チャックを貫通して昇降可能に設けられている。
サセプタ10表面の周縁部には、セラミック等の絶縁体から構成されるフォーカスリング17が設けられている。フォーカスリング17は中心に開口を有し、開口はウェハWとやや大きい径とされている。ウェハWは、フォーカスリング17の開口の内側に露出したサセプタ10の表面上に載置される。フォーカスリング17は、ウェハWにプラズマ活性種を効果的に入射させる。
チャンバ2の天井部には、平行平板電極の上部電極18が設けられている。上部電極18は、いわゆるシャワーヘッド構造を有し、多数のガス穴19を有する電極板20と、電極板20との間に中空の拡散部21を形成する電極支持体22と、から構成される。
電極支持体22は、ガス供給管3に接続されている。ガス供給管3から供給されたガスは、拡散部21において拡散され、多数のガス穴19から噴出される。電極板20は、サセプタ10と対向するように設けられ、ウェハWよりもやや大径を有するように形成されている。これにより、処理ガスは、ウェハWの表面全体に供給される。
電極板20は、アルミニウム等の導体材料から構成され、円板状に形成されている。電極板20は、第2の整合器23を介して第2のRF電源24に接続されている。電極板20へのRF電力の印加により、ガス穴19から供給されたガスのプラズマが生成する。
図2に、電極板20の近傍の拡大図を示す。図2に示すように、電極板20は、その周縁部の厚さが薄く形成され、円柱状の凸部20aを形成するように構成されている。電極板20は、周縁部にはねじ溝等が形成されており、周縁部において電極支持体22にねじ25により止められる。
電極板20の周縁部のねじ止め部分は、窒化アルミニウム等のセラミック等から構成されるシールドリング26によって覆われている。シールドリング26は、開口26aが形成された主面を有し、この主面がチャンバ2の天井面と略平行となるように、チャンバ2の天井の側部等に固定されている。シールドリング26の開口26aは、電極板20よりも小径に形成され、開口26a内に電極板20が露出するように設けられる。また、シールドリング26の、少なくとも主面部分は、10mm程度の厚さを有する板状に形成されている。シールドリング26によりねじ止め部分が覆われることにより、プラズマ生成時のねじ止め部分における異常放電等は防がれる。
ここで、シールドリング26の開口26aの径は、電極板20の凸部20aの径と略同一に形成され、シールドリング26は、その開口26a内に電極板20の凸部20aが下向きに嵌合するように設置される。
電極板20の凸部20aの径は、シールドリング26の開口の径とほぼ同じに設定されており、凸部20aはシールドリング26の開口26a内にほぼ隙間無く嵌合するよう構成されている。また、ガス穴19は、凸部20aを貫通するように形成されており、シールドリング26により処理ガスの噴出が妨げられることはない。
電極板20の凸部20aと、シールドリング26と、は、互いに嵌合したときに、実質的に同一の面を形成する。すわなち、電極板20の凸部20aの高さは、シールドリング26の開口26a付近の厚さとほぼ同一の値(例えば、10mm程度)に設定されている。
上記構成では、電極板20と、シールドリング26と、は、プラズマ生成領域に対して平坦な面を形成する。この場合、電極板20の露出面と、シールドリング26の主面と、の間に段差が形成されない。これにより、ガス穴19から噴出される処理ガスの流れが、このような段差部分で乱れることはなく、ガス穴19全体から噴出される処理ガスの流れは、ほぼ均等なものとなる。これにより、処理ガスは高い均一性でウェハWの表面に供給され、ウェハWに均一性の高い処理が行われる。
(実施例1)
図3Aに、凸型の電極板20を介してArガスをチャンバ2内に供給した場合の、ウェハWの上方の各地点における圧力を調べた結果を示す。また、図3Bに、凸部20aを有しない、平坦な電極板20を用いた場合の結果を示す。ここで、電極板20とサセプタ10との距離(電極間ギャップ)は30mmであり、200mmのウェハWの表面にArガスを300sccmで流した。
図3Aに示されるように、凸型の電極板20を用いた場合には、ウェハWの上方では、中心部と端部とで圧力は変わらず、ほぼ1Pa程度で一定である。一方、図2Bに示されるように、平坦な電極板20を用いた場合には、ウェハW上方の端部では1Pa程度であるのに対し、中心部では1.5Pa程度と50%近く高くなっている。この圧力の差は、電極板20とシールドリング26との段差部分の近くで発生している。このことから、段差を生じない凸型の電極板20を用いることにより、ウェハWの上方の圧力をほぼ一定とすることができることがわかる。
図4に、図3A及び3Bに示す実験において、電極間ギャップを変化させたときのウェハWの中心の上方の圧力変化を調べた結果を示す。図4に示されるように、平坦な電極板20を用いた場合、圧力は電極間ギャップの減少とともに大きく上昇し、電極間ギャップ10mmでは約4Paに達する。
一方、凸型の電極板20を用いた場合、電極間ギャップが変化しても、大きな圧力上昇は見られず、電極間ギャップ10mmでも、圧力は平坦型のほぼ半分の約2Paである。
図4に示す結果から、凸型の電極板20を用いた場合、ウェハW上方の圧力(すなわち、実質的なプロセス圧力)は、比較的低くなることがわかる。一般に、高いプロセス圧力は、プラズマ処理に好ましくない影響を与える。特に、CVDによる埋め込み処理においては、圧力が高いとボイドが発生しやすい。このことから、凸型の電極板20を用いることにより、信頼性の高い処理、特に、埋め込み処理が可能であることがわかる。
図5に、電極板20の露出面とシールドリング26の露出面との段差(凸部20aの高さ)を変化させたときの、ウェハWの表面における成膜速度の均一性を調べた結果を示す。ここで、成膜条件は、SiH/SiF/O/Ar=22/28/250/50(sccm)、圧力(排気圧)1.3Pa、電極間ギャップ20mmである。また、成膜速度均一性は、(成膜速度均一性(%))=((最大成膜速度)+(最小成膜速度))/((平均成膜速度)×2)×100として算出した。なお、成膜速度均一性の値が低いほど、成膜速度のばらつきが少ないことを示し、処理の均一性が高いことを示す。また、シールドリング26の厚さは10mmであり、段差の高さが0mmの場合、電極板20とシールドリング26とは平坦面を形成する。
図5に示されるように、電極板20とシールドリング26との段差が小さいほど、成膜速度の均一性の値は減少し、ウェハWの表面全体に均一性の高い成膜処理が行われることがわかる。
また、図6に、上記段差を変化させ、所定のアスペクト比を有する溝の埋め込み処理を行い、ボイドの発生なく良好な埋め込み処理の可能な最大のアスペクト比を調べた結果を示す。なお、図6中、アスペクト比は、平坦な電極板20(段差−10mm)を用いた場合の結果を1としたときの比として表した。
図6に示されるように、段差が小さいまたは無いほど、良好に埋め込み可能な最大のアスペクト比は高い。例えば、電極板20とシールドリング26とが平坦面を形成する場合(段差0mm)には、平坦な電極板20を用いた場合(段差−10mm)の1.5倍のアスペクト比を有する溝に対して良好な埋め込み処理が可能である。ここで、アスペクト比が高い溝ほど、埋め込み処理時にボイドが発生しやすい。
図4に示す結果とあわせて、凸型の電極板20を用いて段差を小さくまたは無くすことにより、ウェハW上方のプロセス圧力が低く抑えられ、ボイドの発生の少ない信頼性の高い埋め込み処理が行われることがわかる。
以上説明したように、第1の実施の形態では、電極板20を凸型に形成し、電極板20の露出面とシールドリング26の主面とが平坦面を形成する構成となっている。この構成により、電極板20とシールドリング26との段差は無くなり、ウェハWの上方における処理ガスの乱れを低減し、または無くすことができる。これにより、ウェハWの上方の圧力は、その表面上全体でほぼ均一となり、表面全体に均一性の高い処理を行うことができる。さらに、ウェハW上の圧力を、比較的低い圧力に保つことができ、ボイドの発生が抑えられた信頼性の高い埋め込み処理を行える。
上記第1の実施の形態では、電極板20の凸部20aの高さは、シールドリング26の厚さとほぼ同じであり、電極板20とシールドリング26とが実質的に同一の面を形成するものとした。しかし、凸部20aの高さは、これに限らず、シールドリング26の厚さよりも大きく、シールドリング26の開口から凸部20aが突出するような高さであってもよい。
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態に係るプラズマ処理装置1は、図1に示す第1の実施の形態のプラズマ処理装置1とほぼ同一の構成を有する。図6に、第2の実施の形態の上下電極近傍の拡大図を示す。なお、図中、図1および図2と同一の部分には同一の符号を付し、理解を容易にするため説明を省略する。
第2の実施の形態では、電極板20は、第1の実施の形態と同様の構成を有する。すなわち、図6に示すように、電極板20は凸型に形成され、凸部20aの露出面(下面)と、シールドリング26の露出面(下面)とが、略同一の平面を形成している。また、フォーカスリング17の開口は、ウェハWの径とほぼ同一の径に設定されている。
サセプタ10の露出面の径(下部電極径D1)と、電極板20の露出面の径(上部電極径D2)と、の比は、所定の値となるように構成されている。ここで、サセプタ10の露出面とは、実質的に下部電極として機能する面を指し、下部電極径D1は、フォーカスリング17の開口の径、または、ウェハWの径と、ほぼ同一である。また、電極板20の露出面とは、実質的に上部電極として機能する面を指し、上部電極径D2は、凸部20aの主面の径、または、シールドリング26の開口26aの径とほぼ同一である。なお、以下では、下部電極径D1は、ウェハWの径を指し、上部電極径D2は、凸部20aの主面の径を指すものとする。
例えば、下部電極径D1と上部電極径D2とは、その比(D2/D1)が、1.2〜1.5、特に、1.25〜1.45であるように構成されている。例えば、下部電極径D1を200mmとした場合、上部電極径D2は260mmとされる。
ここで、ガス穴19は、電極板20の凸部20aを貫通するように、例えば、同心円状にそれぞれ設けられている。電極径の比(D2/D1)は、ガス穴19の配置を変えないように変化させる。従って、電極径の比(D2/D1)を変えることにより、処理ガスの供給を一定としたままで、上下の電極間に形成されるRF電界を変化させることができる。
(実施例2)
電極径の比(D2/D1)を変化させて成膜処理を行い、ウェハWの表面におめる成膜速度の均一性を調べた結果を図8に示す。ここで、成膜条件は、SiH/SiF/O/Ar=22/28/250/50(sccm)、圧力1.3Pa、電極間ギャップ20mmとした。また、成膜速度均一性は、(成膜速度均一性:%)=((最大成膜速度)+(最小成膜速度))/((平均成膜速度)×2)×100として算出した。
図8に示す結果から、電極径の比(D2/D1)が1.2〜1.5の範囲にあるとき、成膜速度均一性は5%以下であり、ウェハWの表面全体に膜が高い均一性で形成されることがわかる。また、特に、電極径の比が1.25〜1.45の範囲にあるとき一層高い均一性を示すことがわかる。
一方で、上下の電極径が等しい場合(D2/D1=1)、および、上部電極径D2が大きすぎる場合(D2/D1>1.5)の場合には、ウェハWの表面全体に均一性の高い成膜が行われておらず、成膜速度均一性の値は高く、処理に適したRF電界が形成されていないことがわかる。
電極径の比が、1.1(図8のA)、1.4(B)および1.6(C)の場合について、それぞれ、成膜処理後のウェハW表面の各地点における膜厚を調べた結果を図9に示す。
図9より、電極径の比が1.4(B)の場合、ウェハWの中心から端部にわたってほぼ均一な厚さの膜が形成されており、均一性の高い成膜が行われていることがわかる。一方、比が1.1(A)の場合、ウェハWの中心部で成膜速度が高く、端部では低い。また、比が1.6(C)の場合には、逆に、端部で成膜速度が高く、中心部では低い。これらのことから、図8に示す結果と同様に、電極径の比が1.2〜1.5の範囲内にある場合に、最適なRF電界が形成され、ウェハWの表面全体に均一性の高い成膜が可能であることがわかる。
上記第2の実施の形態では、凸型の電極板20を用いている。しかし、本発明は、凸型の電極板20に限らず、平坦な電極板20にも適用可能である。例えば、上部電極径D2を、電極板20の露出面の径、すなわち、シールドリング26の開口の径として、同様に上下の電極径の比を規定するようにしてもよい。
(第3の実施の形態)
以下、本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態に係るプラズマ処理装置1は、図1に示す第1の実施の形態のプラズマ処理装置1とほぼ同一の構成を有する。図10に、第3の実施の形態の上下電極近傍の拡大図を示す。なお、図中、図1および図2と同一の部分には同一の符号を付し、理解を容易にするため、説明を省略する。
電極板20は凸型に形成され、図10に示すように、凸部20aの露出面(下面)と、シールドリング26の露出面(下面)とが、略同一の平面を形成している。凸部20aの露出面が、実質的にRF電界を形成する。
第3の実施の形態では、電極板20の露出面の面積を一定に保ちつつ、処理ガスの供給面積(処理ガスの吹き出し径)を所望のように拡大可能な構成を有する。すなわち、ガス穴19を、電極板20だけでなく、これを包囲するシールドリング26にも設けた構成を有する。
図10に示すように、シールドリング26は、電極板20の周囲に形成されたガス穴26bを有する。電極支持体22は、内部に形成される拡散部21と、ガス穴26bと、が連通するように設けられている。これにより、処理ガスは、電極板20に設けられたガス穴19と、シールドリング26のガス穴26bと、から吹き出される。
ガス穴26bは、電極板20のガス穴19と同様に配置されている。電極板20のガス穴19は、例えば、ほぼ同心円状に設けられており、シールドリング26のガス穴26bは、電極板20のガス穴19の外周に設けられる。
ここで、ガス穴19とガス穴26bとから構成される処理ガスの吹き出し径(D3)は、電極板20の露出面の径(上部電極径D2)よりも大きく、特に、約1.1倍よりも大きい(D3/D1>1.1)ように構成されている。ここで、吹き出し径D3は、例えば、最外周のガス穴26bの径である。例えば、上部電極径D2を260mmとしたとき、ガス吹き出し径D3は、D2の約1.1倍の約280mmでとされる。
上記のように、シールドリング26にガス穴26bを設けることにより、電極板20の露出面の面積を変えずに、RF電界を変えることなく、ガス供給面積の拡大を図れる。ガス供給面積を拡大させることにより、ウェハWの表面全体により均等にガスを供給することができる。従って、ウェハWの表面に均一性の高い処理が行える。
(実施例3)
処理ガスの吹き出し径D3を変化させて、成膜速度およびウェハWの表面における成膜速度の均一性を調べた結果を、図11に示す。ここで、上部電極径D2は、260mmとした。また、成膜条件は、SiH/SiF/O/Ar=22/28/250/50(sccm)、圧力1.3Pa、電極間ギャップ20mmとした。また、成膜速度均一性は、(成膜速度均一性:%)=((最大成膜速度)×(最小成膜速度))/((平均成膜速度)×2)×100として算出した。
図11より、ガスの吹き出し径D3が大きいほど成膜速度は高いことがわかる。また、吹き出し径D3が約240mm以上(上部電極径D2の約0.85倍以上、ウェハ径の約1.2倍以上)で、十分に高い成膜速度が得られることがわかる。
また、ガスの吹き出し径D3が大きいほど成膜速度の均一性は高いことがわかる。また、吹き出し径D3が上部電極径D2よりも大きく、特に、280mm以上(上部電極径D2の約1.1倍以上、ウェハ径の約1.4倍以上)であれば、成膜速度の均一性は、安定した高い値を示す。
これらのことから、ガスの吹き出し径D3が上部電極径D2よりも大きく、特に、約1.1倍以上であれば、ウェハWの表面全体に均一性の高い処理を、高い成膜速度で行うことができる。
以上説明したように、第3の実施の形態では、シールドリング26にガス穴26bを設ける。これにより、上部電極として機能する電極板20の露出面の面積を変えてRF電界を変化させることなく、処理ガスの吹き出し径D3を拡大することができる。これにより、成膜速度の向上、および、処理の面内均一性の向上を図ることができる。
上記第3の実施の形態では、シールドリング26に設けられたガス穴26bは、電極支持体22内の中空部と連通し、電極板20のガス穴19と同一の処理ガスの供給を受けるものとした。しかし、シールドリング26のガス穴26bに接続された独立なガス流路を設けるようしてもよい。またこのとき、シールドリング26用のガス流路に流量制御装置等を設け、電極板20とシールドリング26とにおけるガス供給量をそれぞれ調節する構成としてもよい。
上記第3の実施の形態では、凸型の電極板20を用いるものとした。しかし、凸型の電極板20に限らず、平坦な電極板20に関しても同様の構成とすることができる。この場合、電極板20の露出面の径、すなわち、シールドリング26の開口の内径を上部電極径(D2)とし、これに対してガス吹き出し径(D3)を決定するようにすればよい。
(第4の実施の形態)
以下、本発明の第4の実施の形態にかかるプラズマ処理装置1について、図面を参照して説明する。第4の実施の形態に係るプラズマ処理装置1は、フッ素系のクリーニングガスを用いて、その内部をドライクリーニングする構成を有する。
第4の実施の形態に係るプラズマ処理装置1の構成を、図12に示す。なお、図12中、図1と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図12に示すように、チャンバ2の側壁には、クリーニングガス供給口30が形成されている。クリーニングガス供給口30は、クリーニングガス供給源31およびキャリアガス源32に接続されている。クリーニングガス供給源31からは、フッ素系のクリーニングガス、例えば、三フッ化窒素(NF)が供給される。また、キャリアガス源32からは、アルゴン(Ar)、窒素等の不活性ガスが供給される。
クリーニングガス供給口30と、クリーニングガス供給源31およびキャリアガス供給源32と、の間には、アクチベータ33が設けられている。アクチベータ33は、図示しないプラズマ発生機構を備え、内部を通過するガスの、例えば、ECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマ、誘導結合型プラズマ(Inductive Coupled Plasma:ICP)等の高密度プラズマを発生させる。アクチベータ33は、プラズマ中のフッ素ラジカルを選択的に排気する。
クリーニングガスをチャンバ2内に供給することにより、チャンバ2内に付着、堆積したシリコン系物質等の汚れ物質は、フッ素ラジカルにより分解され、排気とともに除去される。このように、クリーニングガスは、チャンバ2の外部でプラズマ化され、いわゆる、リモートプラズマクリーニングが行われる。
第4の実施の形態において、電極板20は、ケイ素よりもフッ素ラジカルに耐性のある材料から構成されている。すなわち、電極板20は、アルマイト処理されたアルミニウム、炭化ケイ素、カーボン、アルミニウム、アルミナ、石英アルミナ溶射等から構成されている。電極板20を上記材料から構成することにより、フッ素ガスを用いたクリーニングによる、電極板20の劣化を抑制することができる。これにより、電極板20の劣化による成膜均一性の低下、および、電極板20の交換頻度の増大による生産性の低下は抑制される。
次に、プラズマ処理装置1の成膜処理及びクリーニング時の動作に関して、図12を参照して説明する。
まず、ウェハWをチャンバ2内へ搬入し、サセプタ10上に載置する。次いで、SiF、SiH、OおよびArからなる処理ガスをチャンバ2内に供給し、RF電力の印加により、処理ガスのプラズマを生成する。発生したプラズマにより、ウェハW上にSiOF膜が成膜される。所定の厚さの膜がウェハW上に成膜され、ウェハWはチャンバ2から搬出される。上述の動作を繰り返してウェハWを連続的に処理する。このとき、所定枚数のウェハWを処理する毎に、チャンバ2のクリーニングを行う。
クリーニング時、まず、ダミーウェハをチャンバ2内に搬入してサセプタ10上に載置する。次いで、NFおよびArの供給を開始し、アクチベータ33を作動させる。アクチベータ33は処理ガスのプラズマを生成し、チャンバ2内にフッ素ラジカルを主成分として含むガスを供給する。クリーニングガスにより、例えば、チャンバ2内に付着したSiOFは、フッ素ラジカルと反応して、四フッ化シラン(SiF)等に分解され、除去される。このようにして、チャンバ2内の堆積物等は除去され、クリーニングが進行する。
その後、時間、清浄度等の所定の終了条件に達した後、アクチベータ33をオフとし、ガスの供給を停止する。以上でクリーニングは終了し、再び成膜処理を開始する。
(実施例4)
各種材料から構成された電極板20を用い、上記クリーニングを行ったときの、電極板20のエッチングレートを調べた。材料は、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン、アルマイト処理されたアルミニウム、炭化ケイ素、カーボン、アルミニウム、アルミナおよび石英アルミナ溶射を用いた。その結果を図13に示す。なお、結果は、シリコンのエッチングレートを100としたときの比として表した。また、クリーニング条件は、NF/Ar=1500sccm/1500sccm、圧力300Pa、電極間ギャップ48mm、プラズマ供給パワー約2kWである。
図13より、アルマイト処理されたアルミニウム、炭化ケイ素、カーボン、アルミニウム、アルミナおよび石英アルミナ溶射のエッチングレートは、シリコン、酸化シリコンおよび窒化シリコンのエッチングレートよりも低いことがわかる。特に、シリコンのエッチングレートと比べて半分以下(50%以下)となっている。これは、アルマイト処理されたアルミニウム、炭化ケイ素、カーボン、アルミニウム、アルミナおよび石英アルミナ溶射からなる電極板20は、フッ素系ガスによりエッチングされにくく、腐食されにくいことを示す。
また、図13には、リモートプラズマクリーニングではなく、その場(in situ)プラズマクリーニングを行った場合の結果も示している。その場プラズマクリーニングでは、チャンバ2内にNFおよびArを導入し、チャンバ2の内部でクリーニングガスのプラズマを生成する。また、クリーニング条件は、NF/Ar=100sccm/0sccm、圧力65Pa、電極間ギャップ48mm、上部電極供給パワー500Wである。
図13に示すように、その場プラズマクリーニングにおいても、リモートプラズマクリーニングの場合と同様の傾向が見られる。すなわち、シリコン、酸化シリコンおよび窒化シリコンからなる電極板20を用いた場合のエッチングレート比が20%近くであるのに対し、アルマイト処理されたアルミニウム、炭化ケイ素、カーボン、アルミニウム、アルミナおよび石英アルミナ溶射を用いた電極板20のエッチングレート比は、約10%以下となっている。このように、炭化ケイ素等の耐プラズマ性材料からなる電極板20は、シリコン等からなる電極板20よりもリモートおよびその場プラズマクリーニングによって劣化しにくい。
各種材料からなる電極板20を用い、クリーニングを挟んで成膜処理を連続して行い、各成膜処理における成膜速度を調べた結果を、図14に示す。電極板20は、アルマイト、炭化ケイ素、カーボン、アルミニウム、アルミナ、石英アルミナ溶射又はシリコンのいずれかから構成した。また、成膜処理は、ウェハWに所定の厚さの膜が形成されるよう行い、ウェハWを100枚処理するのに要する時間から、成膜速度を算出した。クリーニングは、25枚のウェハWを処理する毎に行った。
図14からわかるように、シリコンからなる電極板20を用いた場合、成膜速度は、処理の最初は、他の材料と比べて非常に高い。しかし、成膜速度は、その後大きく低下し、他の材料よりも低くなっている。
一方、シリコン以外の材料を用いた場合には、成膜速度は、それほど大きく減少せず、ウェハWを1000枚処理した後でも、比較的一定である。特に、炭化ケイ素からなる電極板20を用いた場合には、最も高い成膜速度が維持されている。このことから、アルマイト、炭化ケイ素、カーボン、アルミニウム、アルミナおよび石英アルミナ溶射、特に、炭化ケイ素からなる電極板20は、ドライクリーニングによって劣化しにくいことがわかる。このように、炭化ケイ素等のプラズマに耐性を有する材料からなる電極板20は、フッ素を含むクリーニングガスによってエッチングされにくく、電極板20の交換頻度が少ないなど、高い生産性を実現する。また、このとき、エッチングされにくいことから、電極板20の形状も長期にわたって初期の形状に保持され、長期にわたって、均一性の高い処理が行われる。
上記第4の実施の形態では、電極板20をフッ素ラジカル耐性のある材料から構成した。しかし、電極板20に限らず、クリーニング時にフッ素ラジカルに曝される電極周辺部材を上記材料から構成するようにしてもよい。例えば、フォーカスリング17を上記材料から構成するようにしてもよい。このように、電極周辺部材をプラズマ耐性材料から構成することにより、部材の劣化を抑えて高い生産性を実現できる。
上記第4の実施の形態では、クリーニング種としてフッ素系ガス、特に、NFを用いている。しかし、他のハロゲンガス、例えば、塩素系ガスを用いるようしてもよい。また、Si系膜種に対して用いられるクリーニングガスとしては、NFの他に、F、CF、C、SF等のフッ素系ガスを使用することができる。また、Arの他に、Ne等の他の不活性ガスを用いてもよい。
また、上記ガスに、O、O、CO、CO、NO等の酸素含有物質を添加したクリーニングガスを用いてもよい。特に、電極板20の材料として炭化ケイ素(SiC)を用いる場合に有効である。すなわち、電極板20のエッチングによって、チャンバ2内には炭素(C)を含む物質が付着する。炭素含有物質は、一般に、ハロゲン系ガスによってエッチングされにくい一方、酸素含有物質のガスにより、CO等に容易に分解される。
NFとArとを含むクリーニングガスに、酸素含有物質を添加してクリーニングを行ったときのクリーニング速度を調べた結果を、図15に示す。図15では、SiC膜を成膜する処理装置の内部を、O、CO、CO、NOを添加したクリーニングガスでクリーニングした場合の結果を示す。また、クリーニングは、リモートプラズマの他に、その場プラズマ、および、リモートプラズマとその場プラズマの組み合わせで行った。ここで、リモートプラズマとその場プラズマの組み合わせとは、クリーニングガスをチャンバ2の外部でプラズマ化した後、チャンバ2内で再びプラズマ化してクリーニングする。
また、同様に、FとArとを含むクリーニングガスに酸素含有物質を添加した場合の結果を図16に示す。
リモートプラズマにおけるクリーニング条件は、NF/O/Ar=1500sccm/500sccm/1500sccm、圧力300Pa、電極間ギャップ48mm、プラズマ供給パワー約2kWである。また、その場プラズマにおけるクリーニング条件は、NF/O/Ar=100sccm/50sccm/0sccm、圧力65Pa、電極間ギャップ48mm、上部電極供給パワー500Wである。また、リモートプラズマ+その場プラズマにおけるクリーニング条件は、NF/O/Ar=1000sccm/500sccm/1500sccm、圧力300Pa、電極間ギャップ48mm、プラズマ供給パワー約2kW、上部電極供給パワー500Wである。
図15および図16から、酸素含有物質を添加したクリーニングガスを用いた場合には、添加しない場合よりも、高いクリーニング速度が得られることがわかる。これは、フッ素ラジカルによって除去されにくい炭素(C)を含有する堆積物が、酸素含有物質から発生する酸素ラジカルによってCO等として容易に除去されることによる。このように、クリーニングガスに酸素含有物質を添加することにより、クリーニング速度を高めることができる。
上記第1〜第4の実施の形態では、平行平板型プラズマ処理装置1でウェハにSiOF膜を成膜する場合を例として説明した。しかし、膜種は、上記の例に限らず、他のシリコン系膜、例えば、SiO、SiN、SiCN、SiCH、SiOCH等であってもよい。また、用いるガス種も、膜種に合わせて、種々のものを用いることができる。
さらに、本発明は、成膜装置に限らず、エッチング装置、熱処理装置等、ドライクリーニングが行われるいかなるプラズマ処理装置にも適用可能である。例えば、CVD処理に限らず、エッチング処理等、種々のプラズマ処理に用いることができる。また、プラズマ発生方法に関しても、平行平板型に限らず、マグネトロン型、誘導結合型、ECR(Electron Cyclotron Resonance)型等、いかなるものであってもよい。さらにまた、被処理体としては、半導体ウェハに限らず、液晶表示装置用のガラス基板等であってもよい。
(産業上の利用可能性)
本発明は、半導体装置、液晶表示装置等の電子デバイスの製造に好適に用いることができる。
本発明は、2001年1月22日に出願された特願2001−13572号、2001年1月22日に出願された特願2001−13574号および2001年8月7日に出願された特願2001−239720号に基づき、その明細書、特許請求の範囲、図面および要約書を含む。上記出願における開示は、本明細書中にその全体が引例として含まれる。
図1は、第1の実施の形態に係るプラズマ処理装置の構成を示す。 図2は、図1に示す上部電極の構成を示す。 図3Aは、凸型の電極板を用いたときの、ウェハの上方の圧力を調べた結果を示し、図3Bは、平坦な電極板を用いたときの、ウェハの上方の圧力を調べた結果を示す。 図4は、凸型および平坦な電極板を用いたときの、電極間ギャップと圧力との関係を示す。 図5は、電極板とシールドリングとの段差と、成膜速度の均一性との関係を示す。 図6は、電極板とシールドリングとの段差と、埋め込み可能な溝のアスペクト比との関係を示す。 図7は、第2の実施の形態の上部電極およびサセプタの拡大図である。 図8は、上下の電極径比(D2/D1)と、成膜速度均一性と、の関係を示す。 図9は、図8のA、B、Cにおける、ウェハ表面の膜厚分布を示す。 図10は、第3の実施の形態の上部電極およびサセプタの拡大図である。 図11は、ガスの吹き出し径(D3)と、成膜速度と、の関係を示す。 図12は、第4の実施の形態に係るプラズマ処理装置の構成を示す。 図13は、各種材料からなる電極板のエッチングレートを調べた結果を示す。 図14は、各種材料からなる電極板を用いて連続成膜処理を行ったときの、成膜速度を調べた結果を示す。 図15は、酸素を添加したクリーニングガスを用いてクリーニングしたときの結果を示す。 図16は、酸素を添加したクリーニングガスを用いてクリーニングしたときの結果を示す。 図17は、従来のプラズマ処理装置の構成を示す。

Claims (4)

  1. 一面上に被処理体が載置される第1の電極板(10)と、
    高周波電源に接続され、前記一面と平行に対向し、前記第1の電極板(10)に載置された被処理体の径の1.2倍〜1.5倍の径を有する対向面を備える第2の電極板(20)と、
    を備える、ことを特徴とするプラズマ処理装置(1)。
  2. さらに、前記対向面の径と略同一の径を有する開口(26a)が形成され、前記開口(26a)の内側に前記対向面が露出するように、前記第2の電極板(20)の周縁部を覆うシールドリング(26)を備える、ことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置(1)。
  3. 前記第2の電極板(20)は、前記対向面を主面とし、前記開口(26a)と嵌合する凸部(20a)を備える、ことを特徴とする請求項2に記載のプラズマ処理装置(1)。
  4. 内部でのプラズマの生成により、被処理体に所定の処理が施されるチャンバ(2)と、一面上に被処理体が載置される第1の電極板(10)と、高周波電源(24)に接続され、前記一面と平行に対向する対向面を有する第2の電極板(20)と、を備えたプラズマ処理装置(1)を用いたプラズマ処理方法であって、
    前記対向面の径を、前記第1の電極板(10)に載置された被処理体の径の1.2倍〜1.5倍として、前記第2の電極に高周波電力を供給する工程を含む、ことを特徴とするプラズマ処理方法。
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