JP2011242582A - 偏光板のセット、ならびにこれを用いた液晶パネルおよび液晶表示装置 - Google Patents

偏光板のセット、ならびにこれを用いた液晶パネルおよび液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】視野角が広いIPSモード液晶表示装置の特性を損なわずにカラーシフトを抑制できる偏光板のセットであって、偏光板の作製時の、偏光板保護フィルムのハンドリング性が良好な偏光板のセットを提供することにある。
【解決手段】
液晶セルを挟むように配置される第1の偏光板20と、第2の偏光板30とからなる液晶表示用の偏光板のセットで、第1の偏光板20は、第1の内側保護フィルム23と、第1の偏光フィルム21と、第1の外側保護フィルム25とがこの順で積層されてなり、第1の内側保護フィルム23は、透明なアクリル系樹脂に数平均粒径10〜300nmのゴム弾性体粒子が25〜45重量%配合されたアクリル系樹脂組成物からなり、内部ヘイズ値が0.5%以下でかつ外部ヘイズ値が5%以下であり、波長590nmにおけるRが10nm以下であり、波長590nmにおけるRthの絶対値が10nm以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置用偏光板のセット、ならびにこれを用いた液晶パネルおよび液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、消費電力が低く、低電圧で動作し、軽量で薄型である等の特徴を生かして、各種の表示用デバイスに用いられている。この液晶表示装置は、液晶セル、偏光板、位相差フィルム、集光シート、拡散フィルム、導光板、および光反射シート等、多くの光学部材から構成されている。そこで、これらの光学部材を構成するフィルムまたはシートの枚数削減や膜厚の低減等の改良により、液晶表示装置の生産効率や明度の向上および軽量・薄型化等を図ることが可能であり、このような研究が盛んに行われている。
一方、液晶表示装置の一つとして、インプレーンスイッチング(IPS)モードの液晶表示装置がある。この駆動モードは、電界が存在しない状態でホモジニアス配向させたネマチック液晶を、横電界によって駆動させて画像表示を行うものである。このIPSモード液晶表示装置は、他の駆動モードの液晶表示装置に比べ視野角が広いという特徴を有する。しかし、画面を見る角度による画像の色目変化(斜め方向のカラーシフトともいう)が大きいという問題がある。
そこで、この問題を解決するために、偏光板の保護フィルムに、特定の位相差値を有する位相差フィルムを用いたIPSモード液晶表示装置が知られている(特許文献1)。さらに、光学異方性がほとんどなく、位相差値の小さい透明フィルムを保護フィルムとした偏光板をIPSモード液晶表示装置に用いることも知られている(特許文献2、特許文献3)。
位相差値の小さい透明フィルムとしては、ラクトン環を含有するアクリル系樹脂などが挙げられるが(例えば、特許文献3参照)、ラクトン環を含有するアクリル系樹脂からなる保護フィルムは割れやすいという問題がある。
特開平10−307291号公報 特開2006−18245号公報 特開2009−122663号公報
本発明の目的は、視野角が広いIPSモード液晶表示装置の特性を損なわずにカラーシフトを抑制できる偏光板のセットであって、偏光板の作製時、偏光板保護フィルムのハンドリング性が良好な偏光板のセットを提供することにある。
本発明は、液晶セルの一方の面側に配置される第1の偏光板と、他方の面側に配置される第2の偏光板とからなる液晶表示用の偏光板のセットである。第1の偏光板は、第1の内側保護フィルムと、ポリビニルアルコール系樹脂からなる第1の偏光フィルムと、透明樹脂からなる第1の外側保護フィルムとがこの順で積層されてなる。第2の偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる第2の偏光フィルムと、透明樹脂からなる第2の外側保護フィルムとが積層されてなる。第1の内側保護フィルムは、透明なアクリル系樹脂に数平均粒径10〜300nmのゴム弾性体粒子が25〜45重量%配合されたアクリル系樹脂組成物からなり、内部ヘイズ値が0.5%以下でかつ外部ヘイズ値が5%以下であり、波長590nmにおける面内の位相差値(R)が10nm以下であり、波長590nmにおける厚み方向の位相差値(Rth)の絶対値が10nm以下である。
第1の偏光板においては、好ましくは、第1の偏光フィルムと第1の内側保護フィルム、第1の偏光フィルムと第1の外側保護フィルムがそれぞれ活性エネルギー線により硬化するエポキシ化合物を含有する樹脂組成物からなる接着剤によって接着されている。
第2の内側保護フィルムは、好ましくは、内部ヘイズ値が0.5%以下でかつ外部ヘイズ値が5%以下であり、波長590nmにおける面内の位相差値(R)が10nm以下であり、波長590nmにおける厚み方向の位相差値(Rth)の絶対値が10nm以下である。
第2の内側保護フィルムは、好ましくは、透明なアクリル系樹脂に数平均粒径10〜300nmのゴム弾性体粒子が25〜45重量%配合されたアクリル系樹脂組成物からなる。
本発明の液晶パネルは、液晶セルと、その両面に配置された一対の偏光板とからなり、上記一対の偏光板は、上記偏光板のセットであり、第1の外側保護フィルム、第1の偏光フィルム、第1の内側保護フィルム、上記液晶セル、第2の偏光フィルム、第2の外側保護フィルムがこの順で積層されている。
本発明の液晶表示装置は、バックライト、光拡散板、および上記液晶パネルを備え、上記バックライト、上記光拡散板、第1の偏光板、上記液晶セル、第2の偏光板がこの順で配置されている。
本発明の偏光板のセットによると、偏光板作製時の偏光板保護フィルムのハンドリング性が良好で、かつIPSモードの液晶表示装置に配置して用いられた場合に、カラーシフトを抑制することができ、表示品位に優れたIPSモード液晶表示装置を得ることができる。
本発明の液晶表示装置用の偏光板のセット、および液晶セルからなる液晶パネルの基本的な層構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の液晶表示装置の基本的な構成の一例を示す概略断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
<偏光板のセット>
図1は、本発明に係る液晶表示装置用の偏光板のセット、および液晶セルからなる液晶パネルの基本的な層構成の一例を示す概略断面図である。液晶パネルは、液晶セル40と、液晶セル40の一方の面側に配置される第1の偏光板20と、他方の面側に配置される第2の偏光板30とからなる。第1の偏光板20と、第2の偏光板30とで、本発明に係る液晶表示装置用の偏光板のセットを構成する。
第1の偏光板20は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる第1の偏光フィルム21と、第1の偏光フィルム21の一方の面に積層されている透明樹脂からなる第1の外側保護フィルム25と、第1の偏光フィルム21の他方の面に積層されている第1の内側保護フィルム23とを備える。第1の内側保護フィルム23は、透明なアクリル系樹脂に、数平均粒径が10〜300nmのゴム弾性体粒子が25〜45重量%配合されたアクリル系樹脂組成物からなり、内部ヘイズ値が0.5%以下でかつ外部ヘイズ値が5%以下であり、波長590nmにおける面内の位相差値(R)が10nm以下で、波長590nmにおける厚み方向の位相差値(Rth)の絶対値が10nm以下である。第1の外側保護フィルム25は、第1の偏光フィルム21が積層された面とは反対側の面にハードコート層を備えてもよい。またこのハードコート層は防眩性を有してもよい。
第2の偏光板30は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる第2の偏光フィルム31と、透明樹脂からなる第2の外側保護フィルム35とが積層されてなる。第1の偏光板20および第2の偏光板30はそれぞれの透明樹脂からなる第1または第2の外側保護フィルム25または35が液晶セル40から遠い側に位置するように配置される。第2の偏光板30は、第2の外側保護フィルム35の表面にハードコート層36を備えていてもよい。またこのハードコート層36は防眩性を有し、第2の外側保護フィルム35およびハードコート層36からなる積層フィルムが防眩性フィルム34を構成してもよい。第2の偏光板30は、好ましくは、第2の偏光フィルム31の第2の外側保護フィルム35が積層されている側の面とは反対側の面に第2の内側保護フィルム33が積層されている。
第1の偏光板20は、液晶パネルの背面側偏光板として用いられ、第2の偏光板30は、液晶パネルの前面側偏光板として用いられる。ここで、「背面側偏光板」とは、液晶パネルを液晶表示装置に搭載した際の、バックライト側に位置する偏光板を意味し、「前面側偏光板」とは、液晶パネルを液晶表示装置に搭載した際の、視認側に位置する偏光板を意味する。以下、各偏光板について詳細に説明する。
[第1の偏光板]
第1の偏光板20は、第1の内側保護フィルム23と、ポリビニルアルコール系樹脂からなる第1の偏光フィルム21と、透明樹脂からなる第1の外側保護フィルム25とがこの順で積層されてなる。
(第1の偏光フィルム)
第1の偏光フィルム21は、具体的には、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させたものである。ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体などが例示される。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類などが挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85〜100モル%程度、好ましくは98モル%以上である。このポリビニルアルコール系樹脂は、さらに変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタールなども使用し得る。また、ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1,000〜10,000程度、好ましくは1,500〜5,000程度である。
かかるポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、第1の偏光フィルム21の原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法で製膜することができる。ポリビニルアルコール系原反フィルムの厚みは特に限定されないが、例えば、10μm〜150μm程度である。
第1の偏光フィルム21は、通常、このようなポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより、二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、および、ホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程、を経て製造される。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸は、二色性色素による染色の前に行なってもよいし、染色と同時に行ってもよいし、あるいは染色の後に行ってもよい。一軸延伸を染色の後で行なう場合には、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前に行なってもよいし、ホウ酸処理中に行なってもよい。もちろん、これらの複数の段階で一軸延伸を行なうことも可能である。一軸延伸にあたっては、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また、一軸延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、溶剤を用い、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は、通常3〜8倍程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色する方法としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、二色性色素を含有する水溶液に浸漬する方法を挙げることができる。二色性色素として、具体的には、ヨウ素や二色性染料が用いられる。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に、水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は、通常、ヨウ素およびヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は、通常、水100重量部あたり0.01〜1重量部程度であり、ヨウ化カリウムの含有量は、通常、水100重量部あたり0.5〜20重量部程度である。染色に用いる水溶液の温度は、通常20〜40℃程度であり、また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常20〜1,800秒程度である。
一方、二色性色素として二色性染料を用いる場合は、通常、水溶性二色性染料を含む水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液における二色性染料の含有量は、通常、水100重量部あたり1×10−4〜10重量部程度、好ましくは1×10−3〜1重量部程度であり、また、例えば、1×10−2重量部程度以下であってもよい。この水溶液は、硫酸ナトリウムなどの無機塩を染色助剤として含有していてもよい。染色に用いる二色性染料水溶液の温度は、通常20〜80℃程度であり、また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常10〜1,800秒程度である。
二色性色素による染色後のホウ酸処理は、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬することにより行うことができる。ホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の量は、水100重量部あたり、通常2〜15重量部程度、好ましくは5〜12重量部程度である。二色性色素としてヨウ素を用いる場合には、このホウ酸含有水溶液はヨウ化カリウムを含有することが好ましい。ホウ酸含有水溶液におけるヨウ化カリウムの量は、水100重量部あたり、通常0.1〜15重量部程度、好ましくは5〜12重量部程度である。ホウ酸含有水溶液への浸漬時間は、通常60〜1,200秒程度、好ましくは150〜600秒程度、さらに好ましくは200〜400秒程度である。ホウ酸含有水溶液の温度は、通常50℃以上であり、好ましくは50〜85℃、より好ましくは60〜80℃である。
ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、通常、水洗処理される。水洗処理は、例えば、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬することにより行うことができる。水洗処理における水の温度は、通常5〜40℃程度であり、浸漬時間は、通常1〜120秒程度である。水洗後は乾燥処理が施されて、第1の偏光フィルム21が得られる。乾燥処理は、熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを用いて行うことができる。乾燥処理の温度は、通常30〜100℃程度、好ましくは50〜80℃である。乾燥処理の時間は、通常60〜600秒程度、好ましくは120〜600秒である。
このようにしてポリビニルアルコール系樹脂フィルムに、一軸延伸、二色性色素による染色、およびホウ酸処理が施され、第1の偏光フィルム21が得られる。第1の偏光フィルム21の厚みは、例えば2〜40μm程度とすることができる。
(第1の外側保護フィルム)
第1の偏光板20を構成する第1の外側保護フィルム25は、透明樹脂からなるフィルムであれば特に限定されない。その透明樹脂の例としては、ポリプロピレン系樹脂、メタクリル酸メチル系樹脂等のアクリル系樹脂(メタクリル系樹脂とアクリル系樹脂を含む)、オレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、スチレン系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系共重合樹脂、アクリロニトリル・スチレン系共重合樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリブチレンテフタレート系樹脂、ポリエチレンテフタレート系樹脂に代表されるポリエステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、オキセタン系樹脂を挙げることができる。
上記の透明樹脂をフィルム状に成形し、延伸処理を施して、保護フィルムとしてもよい。このとき、延伸は、MD(流れ方向)またはTD(流れ方向と垂直の方向)に延伸する一軸延伸、MDおよびTDの双方に延伸する二軸延伸、MDでもTDでもない方向に延伸する斜め延伸など、いずれの方法で行ってもよい。かかる延伸操作を施すことにより、機械的強度の高い保護フィルムを得ることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂のようなポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂やポリエチレンナフタレート樹脂のようなポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂が挙げられ、必要に応じてそれらの2種以上を用いてもよい。中でも、保護フィルムの表面硬度や耐光性、透明性の点からアクリル系樹脂が好ましく用いられる。
第1の外側保護フィルム25には、液晶モジュールの組立工程における擦り傷防止の観点から、ハードコート処理、プリズムシートとカラーフィルターの干渉によるモアレ低減の観点からアンチグレア処理を施してもよい。
(第1の内側保護フィルム)
本発明に用いる第1の内側保護フィルム23は、透明なアクリル系樹脂に、数平均粒径が10〜300nmのゴム弾性体粒子が25〜45重量%配合されたアクリル系樹脂組成物からなり、内部ヘイズ値が0.5%以下で外部ヘイズ値が5%以下であり、波長590nmにおける面内の位相差値(R)が10nm以下で、波長590nmにおける厚み方向の位相差値(Rth)の絶対値が10nm以下である。上記にて示したゴム弾性体粒子の配合割合は、ゴム弾性体粒子を含むアクリル系樹脂組成物全体の重量に対するゴム弾性体粒子の重量割合である。
アクリル系樹脂の単量体組成は、全単量体の合計100重量%を基準として、メタクリル酸アルキルが、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上であり、また、好ましくは99重量%以下であるアクリル系樹脂は、メタクリル酸アルキルを主体とする重合体であるのがよく、メタクリル酸アルキルの単独重合体であってもよいし、メタクリル酸アルキル50重量%以上とメタクリル酸アルキル以外の単量体50重量%以下との共重合体であってもよい。
メタクリル酸アルキルとしては、通常、そのアルキル基の炭素数が1〜4のものが用いられ、中でもメタクリル酸メチルが好ましく用いられる。また、メタクリル酸アルキル以外の単量体は、分子内に1個の重合性炭素−炭素二重結合を有する単官能単量体であってもよいし、分子内に2個以上の重合性炭素−炭素二重結合を有する多官能単量体であってもよいが、ここでは単官能単量体が好ましく用いられ、その例としては、アクリル酸メチルやアクリル酸エチルのようなアクリル酸アルキル、スチレンやアルキルスチレンのようなスチレン系単量体、アクリロニトリルやメタクリロニトリルのような不飽和ニトリルが挙げられる。共重合成分としてアクリル酸アルキルを用いる場合、その炭素数は通常1〜8である。
また、本発明においてアクリル系樹脂は、グルタルイミド誘導体、グルタル酸無水物誘導体、ラクトン環構造などを有しないことが好ましい。グルタルイミド誘導体、グルタル酸無水物誘導体、ラクトン環構造を有するアクリル系樹脂は、ハンドリング性が悪い場合がある。
第1の内側保護フィルム23に含有されるゴム弾性体粒子は、ゴム弾性体を含有する粒子であり、ゴム弾性体のみからなる粒子であってもよいし、ゴム弾性体の層を有する多層構造の粒子であってもよい。ゴム弾性体としては、例えば、オレフィン系弾性重合体、ジエン系弾性重合体、スチレン−ジエン系弾性共重合体、アクリル系弾性重合体が挙げられる。中でも、保護フィルムの表面硬度や耐光性、透明性の点からアクリル系弾性重合体が好ましく用いられる。
アクリル系弾性重合体は、アクリル酸アルキルを主体とする重合体であるのがよく、アクリル酸アルキルの単独重合体であってもよいし、アクリル酸アルキル50重量%以上とアクリル酸アルキル以外の単量体50重量%以下との共重合体であってもよい。アクリル酸アルキルとしては、通常、そのアルキル基の炭素数が4〜8のものが用いられる。また、アクリル酸アルキル以外の単量体の例としては、メタクリル酸メチルやメタクリル酸エチルのようなメタクリル酸アルキル、スチレンやアルキルスチレンのようなスチレン系単量体、アクリロニトリルやメタクリロニトリルのような不飽和ニトリル等の単官能単量体や、(メタ)アクリル酸アリルや(メタ)アクリル酸メタリルのような不飽和カルボン酸のアルケニルエステル、マレイン酸ジアリルのような二塩基酸のジアルケニルエステル、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートのようなグリコール類の不飽和カルボン酸ジエステル等の多官能単量体が挙げられる。
アクリル系弾性重合体を含有するゴム弾性体粒子は、アクリル系弾性重合体の層を有する多層構造の粒子であるのが好ましく、アクリル系弾性重合体の外側にメタクリル酸アルキルを主体とする重合体の層を有する2層構造のものであってもよいし、さらにアクリル系弾性重合体の内側にメタクリル酸アルキルを主体とする重合体の層を有する3層構造のものであってもよい。なお、アクリル系弾性重合体の外側又は内側に形成される層を構成するメタクリル酸アルキルを主体とする重合体の単量体組成の例は、先にアクリル系樹脂の例として挙げたメタクリル酸アルキルを主体とする重合体の単量体組成の例と同様である。このような多層構造のアクリル系ゴム弾性体粒子は、例えば特公昭55−27576号公報に記載の方法により、製造することができる。
本発明では、ゴム弾性体粒子として、その中に含まれるゴム弾性体の数平均粒径が10〜300nmであるものを使用する。これにより、ハンドリング性がよく、また接着剤を用いて第1の偏光フィルム21に積層したとき、接着層から剥がれ難い第1の内側保護フィルム23を得ることができる。このゴム弾性体粒子の数平均粒径は、好ましくは50nm以上であり、また好ましくは250nm以下である。
最外層がメタクリル酸メチルを主体とする重合体であり、その中にアクリル系弾性重合体が包み込まれているゴム弾性体粒子においては、それを母体のアクリル系樹脂に混合すると、ゴム弾性体粒子の最外層が母体のアクリル系樹脂と混和するため、その断面において、酸化ルテニウムによるアクリル系弾性重合体への染色を施し、電子顕微鏡で観察した場合、そのゴム弾性体粒子が、最外層を除いた状態の粒子として観察される。具体的には、内層がアクリル系弾性重合体であり、外層がメタクリル酸メチルを主体とする重合体である2層構造のゴム弾性体粒子を用いた場合には、内層のアクリル系弾性重合体部分が染色されて単層構造の粒子として観察される。
また、最内層がメタクリル酸メチルを主体とする重合体であり、中間層がアクリル系弾性重合体であり、最外層がメタクリル酸メチルを主体とする重合体である3層構造のゴム弾性体粒子を用いた場合には、最内層の粒子中心部分が染色されず、中間層のアクリル系弾性重合体部分のみが染色された2層構造の粒子として観察されることになる。本明細書において、ゴム弾性体粒子の数平均粒径とは、このように、ゴム弾性体粒子を母体樹脂に混合して断面を酸化ルテニウムで染色したときに、染色されてほぼ円形状に観察される部分の径の数平均値である。
前記アクリル系樹脂組成物は透明なアクリル系樹脂に、数平均粒径が10〜300nmのゴム弾性体粒子が25〜45重量%配合されたアクリル系樹脂組成物であることが好ましい。
前記アクリル系樹脂組成物は、例えば、ゴム弾性体粒子を得た後、その存在下にアクリル系樹脂の原料となる単量体を重合させて、母体のアクリル系樹脂を生成させることにより製造してもよいし、ゴム弾性体粒子とアクリル系樹脂とを得た後、両者を溶融混練等により混合することにより製造してもよい。
前記アクリル系樹脂組成物には、必要に応じて、顔料や染料のような着色剤、蛍光増白剤、分散剤、熱安定剤、光安定剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、溶剤などの配合剤を含有させてもよい。
紫外線吸収剤は400nm以下の紫外線を吸収することで、耐久性を向上させるために添加される。紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、アクリロニトリル系紫外線吸収剤等の公知のものが使用可能である。中でも、2,2’−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン等が好適に用いられる。これらの中でも、特に2,2’−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール)が好ましい。
紫外線吸収剤の濃度は、第1の内側保護フィルム23の波長370nm以下の透過率が、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは2%以下となる範囲で選択することができる。紫外線吸収剤を含有させる方法としては、紫外線吸収剤を予めアクリル系樹脂中に配合する方法;溶融押出成形時に直接供給する方法などが挙げられ、いずれの方法が採用されてもよい。
赤外線吸収剤としては、ニトロソ化合物、その金属錯塩、シアニン系化合物、スクワリリウム系化合物、チオールニッケル錯塩系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、トリアリルメタン系化合物、イモニウム系化合物、ジイモニウム系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキノン系化合物、アミノ化合物、アミニウム塩系化合物、カーボンブラック、酸化インジウムスズ、酸化アンチモンスズ、周期表4A、5Aもしくは6A族に属する金属の酸化物、炭化物、ホウ化物等の赤外線吸収剤などを挙げることができる。これらの赤外線吸収剤は、赤外線(波長約800nm〜1100nmの範囲の光)全体を吸収できるように、選択することが好ましく、2種類以上を併用してもよい。赤外線吸収剤の量は、例えば、第1の内側保護フィルム23の800nm以上の波長の光線透過率が10%以下となるように適宜調整することができる。
前記アクリル系樹脂組成物は、そのガラス転移温度Tgが80〜120℃の範囲内のものが好ましい。さらに、前記アクリル系樹脂組成物は、フィルムに成形したときの表面の硬度が高いもの、具体的には、鉛筆硬度(荷重500gで、JIS K5600−5−4に準拠)で2Hを超えるものが好ましい。
また、前記アクリル系樹脂組成物は、第1の内側保護フィルム23の柔軟性の観点から、曲げ弾性率(JIS K7171)が1500MPa以下であるのが好ましい。この曲げ弾性率は、より好ましくは1300MPa以下であり、さらに好ましくは1200MPa以下である。この曲げ弾性率は、前記アクリル系樹脂組成物中のアクリル系樹脂やゴム弾性体粒子の種類や量などによって変動し、例えば、ゴム弾性体粒子の含有量が多いほど、一般に曲げ弾性率は小さくなる。また、アクリル系樹脂として、メタクリル酸アルキルの単独重合体を用いるよりも、メタクリル酸アルキルとアクリル酸アルキル等との共重合体を用いる方が、一般に曲げ弾性率は小さくなる。また、ゴム弾性体粒子として、前記3層構造のアクリル系弾性重合体粒子を用いるよりも、前記2層構造のアクリル系弾性重合体粒子を用いる方が、一般に曲げ弾性率は小さくなり、さらに単層構造のアクリル系弾性重合体粒子を用いる方が、一般に曲げ弾性率は小さくなる。また、ゴム弾性体粒子中、ゴム弾性体の平均粒径が小さいほど、又はゴム弾性体の量が多いほど、一般に曲げ弾性率は小さくなる。そこで、アクリル系樹脂やゴム弾性体粒子の種類や量を上記所定の範囲で調整して、曲げ弾性率が1500MPa以下になるようにすることが好ましい。
第1の内側保護フィルム23を多層構成とする場合、上記アクリル系樹脂組成物の層以外に存在しうる層は、その組成に特に限定はなく、例えば、ゴム弾性体粒子を含有しないアクリル系樹脂またはその組成物の層であってもよいし、ゴム弾性体粒子の含有量やゴム弾性体粒子中のゴム弾性体の平均粒径が上記規定外であるアクリル系樹脂組成物からなる層であってもよい。典型的には2層または3層構成であって、例えば、上記アクリル系樹脂組成物の層/ゴム弾性体粒子を含有しないアクリル系樹脂またはその組成物の層からなる2層構成であってもよいし、上記アクリル系樹脂組成物の層/ゴム弾性体粒子を含有しないアクリル系樹脂またはその組成物の層/上記アクリル系樹脂組成物の層からなる3層構成であってもよい。多層構成の第1の内側保護フィルム23は、上記アクリル系樹脂組成物の層の面を、第1の偏光フィルム21との貼合面とすればよい。
また、第1の内側保護フィルム23を多層構成とする場合、ゴム弾性体粒子や上記配合剤の各層の含有量を互いに異ならせてもよい。例えば、紫外線吸収剤及び/又は赤外線吸収剤を含有する層と、この層を挟んで紫外線吸収剤及び/又は赤外線吸収剤紫外線吸収剤を含有しない層とが積層されていてもよい。また、前記アクリル系樹脂組成物の層の紫外線吸収剤の含有量が、ゴム弾性体粒子を含有しないアクリル系樹脂またはその組成物の層の紫外線吸収剤の含有量よりも、高くなるようにしてもよく、具体的には、前者を好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは1〜5重量%とし、後者を好ましくは0〜1重量%、より好ましくは0〜0.5重量%としてもよく、これにより、偏光板の色調を悪化させることなく、紫外線を効率的に遮断することができ、長期使用時の偏光度の低下を防ぐことができる。
第1の内側保護フィルム23の厚さは、通常100μm以下、好ましくは80μm以下、より好ましくは40μm以上80μm以下である。第1の内側保護フィルム23が多層構成である場合、上記アクリル系樹脂組成物の層は、その厚さが、複数存在する場合はその合計厚さで表して、第1の内側保護フィルム23全体の厚さの20〜80%であるのがよい。
第1の内側保護フィルム23は、その残留溶剤含有量が0.01重量%以下であることが好ましい。残留溶剤量が上記範囲であることにより、例えば、高温・高湿度環境下において第1の内側保護フィルム23が変形するのを防止できるとともに、光学性能が劣化するのを防止できる。残留溶剤含有量は、表面に吸着していた水分や有機物を完全に除去した内径4mmのガラスチューブの試料容器に第1の内側保護フィルムを切り取った断片50mgを入れ、その容器を温度200℃で30分間加熱し、容器から出てきた気体を連続的に捕集し、捕集した気体を熱脱着ガスクロマトグラフィー質量分析計(TDS−GC−MS)で分析することができる。
第1の内側保護フィルム23は、その透湿度が10g・m−2day−1以上、200g・m−2day−1以下であることが好ましい。第1の内側保護フィルム23の透湿度を上記好適な範囲とすることにより、第1の内側保護フィルム23を構成する各層間の密着性を向上できる。透湿度は、40℃、92%RHの環境下で、24時間放置する試験条件で、JIS Z0208に記載のカップ法により測定できる。
第1の内側保護フィルム23のヘイズ値について説明する。ヘイズ値とは、フィルムの可視光を照射したときの全透過光に対する拡散透過光の割合であり、ヘイズ値が小さいほどフィルムの透明性に優れているものであることが認められる。また、内部ヘイズ値とは、フィルムのヘイズ値より、フィルムの表面形状に起因するヘイズ値(外部ヘイズ値)を差し引いた値を示す。
第1の内側保護フィルム23のヘイズ値は、内部ヘイズ値は0.5%以下であり、外部ヘイズ値は5%以下である。内部ヘイズ値が0.5%、外部ヘイズ値が5%を超えると、フィルムを透過する光が散乱し、液晶表示装置に貼合した際に表示特性が低下することがある。
第1の内側保護フィルム23の位相差値について説明する。フィルムの面内遅相軸方向の屈折率をn、面内進相軸方向(遅相軸と面内で直交する方向)の屈折率をn、厚み方向の屈折率をn、厚みをdとしたときに、面内の位相差値(R)および厚み方向の位相差値(Rth)は、それぞれ下式(I)および(II)で定義される。
=(n−n)×d (I)
th=[(n+n)/2−n]×d (II)
第1の内側保護フィルム23は、波長590nmにおける面内の位相差値(R)が10nm以下であり、好ましくは5nm以下である。また、波長590nmにおける厚み方向の位相差値(Rth)の絶対値が10nm以下である。第1の内側保護フィルム23の面内の位相差値(R)が10nmより大きく、厚み方向の位相差値(Rth)の絶対値が10nmよりも大きい場合、斜め方向の漏れ光の着色現象が起こり、表示特性が低下してしまう。
(積層方法)
次に、第1の偏光フィルム21に第1の外側保護フィルム25および第1の内側保護フィルム23を積層する方法について説明する。第1の偏光フィルム21の表面に、これら第1の内側保護フィルム23および第1の外側保護フィルム25を積層する方法としては、通常、接着剤を用いて接着する方法が採用される。第1の偏光フィルム21の両面に接着剤を用いる場合は、両面同種の接着剤を用いてもよく、また異種の接着剤を用いてもよい。
本発明において好ましく用いられる接着剤の一種として、無溶剤型の接着剤が挙げられる。無溶剤型の接着剤は、有意量の溶剤を含まず、加熱や活性エネルギー線(たとえば、紫外線、可視光、電子線、X線等)の照射により反応硬化する硬化性化合物(モノマーまたはオリゴマーなど)を含み、当該硬化性化合物の硬化により接着剤層を形成するものであり、典型的には、加熱や活性エネルギー線の照射により反応硬化する硬化性化合物と、重合開始剤とを含む。無溶剤型の接着剤のなかでは、反応性の観点から、カチオン重合で硬化するものが好ましく、特に、エポキシ化合物を硬化性化合物とする無溶剤型のエポキシ系接着剤は、偏光フィルムとアクリル系樹脂フィルムとの接着性、および偏光フィルムとアクリル系樹脂以外の樹脂フィルムからなる保護フィルムとの接着性に優れ、また速硬化性があり好ましい。速硬化性という特徴は、生産性を考える上で、好都合である。
また、接着剤として、接着剤層を薄くする観点から、水系のもの、すなわち、接着剤成分を水に溶解したもの、または接着剤成分を水に分散させたものを挙げることができる。例えば、主成分としてポリビニルアルコール系樹脂やウレタン系樹脂を用いた組成物が、好ましい接着剤として挙げられる。
接着剤の主成分としてポリビニルアルコール系樹脂を用いる場合、そのポリビニルアルコール系樹脂は、部分ケン化ポリビニルアルコールや完全ケン化ポリビニルアルコールのほか、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、メチロール基変性ポリビニルアルコール、アミノ基変性ポリビニルアルコールなどの、変性されたポリビニルアルコール系樹脂であってもよい。接着剤成分としてポリビニルアルコール系樹脂を用いた場合、該接着剤は、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液として調製されることが多い。接着剤中のポリビニルアルコール系樹脂の濃度は、水100重量部に対して、通常1〜10重量部程度、好ましくは1〜5重量部である。
主成分としてポリビニルアルコール系樹脂を含む接着剤には、接着性を向上させるために、グリオキザールや水溶性エポキシ樹脂などの硬化性成分または架橋剤を添加することが好ましい。水溶性エポキシ樹脂としては、例えば、ジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミンのようなポリアルキレンポリアミンとアジピン酸のようなジカルボン酸との反応で得られるポリアミドポリアミンに、エピクロロヒドリンを反応させて得られるポリアミドポリアミンエポキシ樹脂を挙げることができる。かかるポリアミドポリアミンエポキシ樹脂の市販品としては、住化ケムテックス(株)から販売されている「スミレーズレジン(登録商標) 650」および「スミレーズレジン(登録商標) 675」、日本PMC(株)から販売されている「WS−525」などがあり、これらを好適に用いることができる。これら硬化性成分または架橋剤の添加量は、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して、通常1〜100重量部、好ましくは1〜50重量部である。その添加量が少ないと、接着性向上効果が小さくなり、一方でその添加量が多いと、接着剤層が脆くなる傾向にある。
接着剤の主成分としてウレタン系樹脂を用いる場合、適当な接着剤組成物の例として、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とグリシジルオキシ基を有する化合物との混合物を挙げることができる。ここでいうポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とは、ポリエステル骨格を有するウレタン樹脂であって、その中に少量のイオン性成分(親水成分)が導入されたものである。かかるアイオノマー型ウレタン樹脂は、乳化剤を使用せずに直接、水中で乳化してエマルジョンとなるため、水系の接着剤として好適である。ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂それ自体は公知である。例えば、特開平7−97504号公報には、フェノール系樹脂を水性媒体中に分散させるための高分子分散剤の例としてポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂が記載されており、また特開2005−070140号公報および特開2005−181817号公報には、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とグリシジルオキシ基を有する化合物との混合物を接着剤として、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムにシクロオレフィン系樹脂フィルムを接合する形態が示されている。
第1の偏光フィルム21の表面に、第1の外側保護フィルム25および第1の内側保護フィルム23を、接着剤を用いて貼合する方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、流延法、マイヤーバーコート法、グラビアコート法、カンマコーター法、ドクタープレート法、ダイコート法、ディップコート法、噴霧法などにより、第1の偏光フィルム21および/またはこれに貼合されるフィルムの接着面に接着剤を塗布し、両者を重ね合わせる方法が挙げられる。流延法とは、被塗布物であるフィルムを、概ね垂直方向、概ね水平方向、または両者の間の斜め方向に移動させながら、その表面に接着剤を流下して拡布させる方法である。
上述のような方法により接着剤を塗布した後、第1の偏光フィルム21とそれに貼合されるフィルムとをニップロールなどにより挟んで貼り合わせることにより両者が接合される。また、第1の偏光フィルム21とそれに貼合されるフィルムとの間に接着剤を滴下した後、この積層体をロール等で加圧して均一に押し広げる方法も好適に使用することができる。この場合、ロールの材質としては金属やゴム等を用いることが可能である。さらに、第1の偏光フィルム21とそれに貼合されるフィルムとの間に接着剤を滴下した後、この積層体をロールとロールとの間に通し、加圧して押し広げる方法も好ましく採用される。この場合、これらロールは同じ材質であってもよく、異なる材質であってもよい。
なお、乾燥あるいは硬化前における、上記のニップロール等を用いて貼り合わされた後の接着剤層の厚さは5μm以下であることが好ましく、また0.01μm以上であることが好ましい。
第1の偏光フィルム21および/またはそれに貼合されるフィルムの接着表面には、接着性を向上させるために、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理などの表面処理を適宜施してもよい。ケン化処理としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリの水溶液に浸漬する方法が挙げられる。
上述の水系接着剤を介して接合された積層体は、通常乾燥処理が施され、接着剤層の乾燥、硬化が行なわれる。乾燥処理は、例えば熱風を吹き付けることにより行うことができる。乾燥温度は、40〜100℃程度、好ましくは60〜100℃の範囲から適宜選択される。乾燥時間は、例えば20〜1,200秒程度である。乾燥後の接着剤層の厚みは、通常0.001〜5μm程度であり、好ましくは0.01μm以上、また好ましくは2μm以下、さらに好ましくは1μm以下である。接着剤層の厚みが大きくなりすぎると、偏光板の外観不良となりやすい。
乾燥処理の後、室温以上の温度で少なくとも半日、通常は1日間以上の養生を施して十分な接着強度を得てもよい。かかる養生は、典型的には、ロール状に巻き取られた状態で行なわれる。好ましい養生温度は、30〜50℃の範囲であり、さらに好ましくは35℃以上、45℃以下である。養生温度が50℃を超えると、ロール巻き状態において、いわゆる「巻き締まり」が起こりやすくなる。なお、養生時の湿度は、特に限定されないが、相対湿度が0%RH〜70%RH程度の範囲となるように選択されることが好ましい。養生時間は、通常1日〜10日程度、好ましくは2日〜7日程度である。
一方、光硬化性接着剤を用いて偏光フィルムとそれに貼合されるフィルムとを接合する場合には、接合後、活性エネルギー線を照射することによって光硬化性接着剤を硬化させる。活性エネルギー線の光源は特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する活性エネルギー線が好ましく、具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプなどが好ましく用いられる。光硬化性接着剤への光照射強度は、該光硬化性接着剤の組成によって適宜決定され、特に限定されないが、重合開始剤の活性化に有効な波長領域の照射強度が0.1〜6000mW/cmであることが好ましい。該照射強度が0.1mW/cm以上である場合、反応時間が長くなりすぎず、6000mW/cm以下である場合、光源から輻射される熱および光硬化性接着剤の硬化時の発熱による光硬化性エポキシ樹脂の黄変や偏光フィルムの劣化を生じるおそれが少ない。
光硬化性接着剤への光照射時間は、硬化させる光硬化性接着剤ごとに制御されるものであって特に限定されないが、上述の照射強度と照射時間との積として表される積算光量が10〜10000mJ/cmとなるように設定されることが好ましい。光硬化性接着剤への積算光量が10mJ/cm以上である場合、重合開始剤由来の活性種を十分量発生させて硬化反応をより確実に進行させることができ、10000mJ/cm以下である場合、照射時間が長くなりすぎず、良好な生産性を維持できる。なお、活性エネルギー線照射後の接着剤層の厚みは、通常0.001〜5μm程度であり、好ましくは0.01μm以上、また好ましくは2μm以下、さらに好ましくは1μm以下である。
活性エネルギー線の照射によって光硬化性接着剤を硬化させる場合、第1の偏光フィルム21の偏光度、透過率および色相、ならびに第1の内側保護フィルム23および第1の外側保護フィルム25等の透明フィルムの透明性などの偏光板の諸機能が低下しない条件で硬化を行うことが好ましい。
第1の偏光板20において、液晶セル40と貼り合わせる面には、接着剤層あるいは粘着剤層が形成されてもよい。例えば、第1の内側保護フィルム23が最も内側の層となる場合は、第1の内側保護フィルム23の表面に接着剤層あるいは粘着剤層が形成されてもよい。
[第2の偏光板]
第2の偏光板30の好ましい形態は、第2の内側保護フィルム33と、ポリビニルアルコール系樹脂からなる第2の偏光フィルム31と、透明樹脂からなる防眩性フィルム34とがこの順で積層されてなる。なお、第2の偏光板30は、第2の内側保護フィルム33を備えない構成でもよい。
(第2の偏光フィルム)
第2の偏光フィルム31は、具体的には、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させたものであり、第1の偏光フィルム21について説明したものを同様に用いることができる。第1の偏光フィルム21と第2の偏光フィルム31とは、外形(厚み等)、材質および製造方法などに関し、同じであっても異なっていてもよい。
(ハードコート層)
ハードコート層36は、防眩性フィルム34の表面硬度を高める機能を有する層であり、JIS K5600−5−4で示す鉛筆硬度試験(試験板はガラス板を用いる)で「H」以上の硬度を示すことが好ましい。このようなハードコート層36が設けられた防眩性フィルム34は、その鉛筆硬度が4H以上になることが好ましい。ハードコート層を形成する材料(ハードコート材料)としては、熱や光で硬化する材料であることが好ましく、例えば、有機シリコーン系、メラミン系、エポキシ系、アクリル系、ウレタンアクリレート系などの有機ハードコート材料;二酸化ケイ素などの無機ハードコート材料;などを挙げることができる。これらの中でも、接着力が良好であり、生産性に優れる観点から、ウレタンアクリレート系および多官能アクリレート系ハードコート材料が好ましい。
ハードコート層は、所望により、屈折率の調整、曲げ弾性率の向上、体積収縮率の安定化、並びに耐熱性、帯電防止性、および防眩性などの向上を図る目的で、各種フィラーを含有できる。また、ハードコート層は、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、レベリング剤、および消泡剤などの添加剤を含有できる。
(防眩性フィルム)
防眩性フィルム34は、透明樹脂フィルムからなる第2の外側保護フィルム35とその表面に積層された微細な表面凹凸形状を有するハードコート層36とからなる。第2の外側保護フィルム35としては、第1の偏光板20で使用した第1の外側保護フィルム25と同様のものを使用するとができる。
防眩性フィルム34のヘイズ値は0.1%以上45%以下であり、好ましくは5%以上40%以下である。ヘイズ値が45%より大きな領域では、外光の映り込みを低減できるものの、黒表示の画面のしまりが低下してしまう。また、ヘイズ値が0.1%より小さい場合は、十分な防眩性能が得られず外光が画面に映り込み実用に耐えない。ここで、ヘイズ値は、JIS K 7136に準拠した方法により測定される。
上述の微細な表面凹凸形状を有するハードコート層36は、透明樹脂フィルム35の表面に有機微粒子または無機微粒子を含有した塗膜を形成する方法や、有機微粒子または無機微粒子を含有する、または含有しない塗膜を形成後、凹凸形状を付与したロールに押し当てる方法(例えばエンボス法等)などで製造できるが、これらに限定されるものではない。上述の塗膜を形成する方法としては、例えば第2の外側保護フィルム35の表面に、硬化性樹脂組成物からなるバインダー成分と有機微粒子または無機微粒子とを含有する塗布液を塗布する方法などを例示することができる。
無機微粒子としては、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、アルミノシリケート、アルミナ−シリカ複合酸化物、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等を代表的なものとして用いることができる。また、有機微粒子としては、架橋ポリアクリル酸粒子、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋ポリメチルメタクリレート粒子、シリコーン樹脂粒子、ポリイミド粒子などの樹脂粒子を用いることができる。
無機微粒子または有機微粒子を分散させるためのバインダー成分は、高硬度(ハードコート)となる材料から選定されることが好ましい。バインダー成分としては、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などを用いることができるが、生産性、硬度などの観点から光硬化性樹脂が好ましく使用される。光硬化性樹脂としては、市販されているものを用いることができる。例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多官能アクリレートの単独または2種以上と、「イルガキュアー 907」、「イルガキュアー 184」(以上、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)、「ルシリン(登録商標) TPO」(BASF社製)等の光重合開始剤との混合物を、光硬化性樹脂とすることができる。例えば、光硬化性樹脂を用いた場合においては、光硬化性樹脂に無機微粒子または有機微粒子を分散した後、該樹脂組成物を透明樹脂フィルム上に塗布し、光を照射することにより、バインダー樹脂からなるハードコート樹脂中に無機微粒子または有機微粒子が分散された、ハードコート層を形成することができる。
光硬化性樹脂の例としては詳細には、例えば、ウレタンアクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、水酸基を2個以上含むアルキル基を有する(メタ)アクリルポリマーおよび光重合開始剤からなる混合物を挙げることができる。
上記のウレタンアクリレートは、好ましくは、(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸エステル、ポリオール、ならびにジイソシアネートを用いて調製される。例えば、(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸エステルおよびポリオールから、水酸基を少なくとも1つ有するヒドロキシ(メタ)アクリレートを調製し、これをジイソシアネートと反応させることによってウレタンアクリレートを製造することができる。これら(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸エステル、ポリオール、ならびにジイソシアネートは、それぞれ1種でもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、目的に応じて各種添加剤を加えてもよい。
上記の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記のポリオールは、水酸基を少なくとも2つ有する化合物であり、例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジオール、スピログリコール、トリシクロデカンメチロール、水添ビスフェノールA、エチレンオキサイド付加ビスフェノールA、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールA、トリメチロールエタン、トリジメチロールプロパン、グリセリン、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グルコース類を挙げることができる。
上記のジイソシアネートとしては、例えば、芳香族、脂肪族または脂環族の各種のジイソシアネート類を使用することができる。具体例としては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3−ジメチル−4,4−ジフェニルジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、およびこれらの水添物などを挙げることができる。
上記のポリオール(メタ)アクリレートの具体例としては、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの成分は単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。さらに、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。ポリオール(メタ)アクリレートは、好ましくはペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートとを含む。これらは共重合体であってもよく、混合物であってもよい。
上記の水酸基を2個以上含むアルキル基を有する(メタ)アクリルポリマーとしては、例えば、2,3−ジヒドロキシプロピル基を有する(メタ)アクリルポリマーや、2−ヒドロキシエチル基および2,3−ジヒドロキシプロピル基を有する(メタ)アクリルポリマーが挙げられる。
光重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キサントン、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、その他チオキサント系化合物を挙げることができる。
上記の混合物には、必要に応じて溶媒が添加される。溶媒としては、特に制限されないが、例えば酢酸エチル、酢酸ブチルおよびこれらの混合溶媒を挙げることができる。
また、上記の混合物は、レベリング剤を含有してもよく、例えば、フッ素系またはシリコーン系のレベリング剤を挙げることができる。シリコーン系のレベリング剤としては、反応性シリコーン、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリメチルアルキルシロキサンが挙げられる。好ましくは、反応性シリコーンおよびシロキサン系のレベリング剤である。反応性シリコーンのレベリング剤を用いることにより、ハードコート層表面に滑り性が付与され、優れた耐擦傷性を長期間持続させることができる。また、シロキサン系のレベリング剤を用いると、膜成形性を向上させることができる。
以上、例示したようなアクリル系のバインダー成分(バインダー樹脂)を用いることにより、第2の外側保護フィルム35との密着性が向上するとともに、機械的強度がより向上し、表面の傷付きをより効果的に防止できるハードコート層36を形成することができる。
エンボス法により微細表面凹凸形状を有するハードコート層36を形成する場合には、微細凹凸形状が形成された金型を用いて、金型の形状を第2の外側保護フィルム35上に形成されたハードコート層36に転写すればよい。金型形状のハードコート層36への転写は、エンボスにより行うことが好ましく、エンボスとしては、光硬化性樹脂の一種である紫外線硬化性樹脂を用いるUVエンボス法が好ましい。なお、エンボス法により微細表面凹凸形状を形成する場合には、ハードコート層36は、無機または有機微粒子を含有していてもよく、含有していなくてもよい。
UVエンボス法では、第2の外側保護フィルム35の表面に紫外線硬化性樹脂層を形成し、その紫外線硬化性樹脂層を金型の凹凸面に押し付けながら硬化させることで、金型の凹凸面が紫外線硬化性樹脂層に転写される。具体的には、第2の外側保護フィルム35上に紫外線硬化性樹脂を塗工し、塗工した紫外線硬化性樹脂を金型の凹凸面に密着させた状態で、第2の外側保護フィルム35側から紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂を硬化させ。次に、硬化後の紫外線硬化性樹脂層が形成された第2の外側保護フィルム35を金型から剥離することにより、金型の形状を紫外線硬化性樹脂に転写する。紫外線硬化性樹脂の種類は特に制限されず、たとえば上述のものを用いることができる。また、紫外線硬化性樹脂の代わりに、光開始剤を適宜選定することにより、紫外線より波長の長い可視光で硬化が可能な可視光硬化性樹脂を用いてもよい。
ハードコート層36の厚みは、特に限定されないが、2μm以上30μm以下であり、より好ましくは3μm以上30μm以下である。ハードコート層36の厚みが2μm未満であると、十分な硬度が得られず、表面が傷付きやすくなる傾向にあり、また、30μmより厚くなると、割れやすくなったり、ハードコート層の硬化収縮により防眩性フィルム34がカールして生産性が低下したりする傾向がある。
防眩性フィルム34は、上述のように、ハードコート層36によりヘイズが付与されることが好ましいが、ハードコート層36の形成とともに、第2の外側保護フィルム35中に無機または有機微粒子を分散させることによりヘイズを付与してもよい。また、防眩性フィルム34として、ハードコート層36を有さず、無機または有機微粒子が分散された第2の外側保護フィルム35のみを用いることも可能である。これらの場合、無機または有機微粒子としては、上述のものを用いることができる。また、無機または有機微粒子が分散された第2の外側保護フィルム35の厚みは、上述の場合と同様、20〜200μm程度とすることが好ましく、20〜120μm程度とすることがより好ましい。
第2の外側保護フィルム35には、上述の防眩処理(ヘイズ付与処理)のほか、帯電防止処理などの表面処理が施されていてもよく、液晶性化合物やその高分子量化合物などからなるコート層が形成されていてもよい。ただし、帯電防止機能は、透明樹脂フィルムに表面処理を施すこと以外に、接着剤層などの偏光板の他の部分に付与しても良い。
(第2の内側保護フィルム)
第2の内側保護フィルム33は、第1の偏光板20で使用した第1の内側保護フィルム23と同様のものを用いることができ、外形(厚み等)、樹脂種および製造方法などに関し、同じであっても異なっていてもよい。すなわち、第2の内側保護フィルム33は、好ましくは、内部ヘイズ値が0.5%以下で外部ヘイズ値が5%以下であり、波長590nmにおける面内位相差値(R)が10nm以下で、波長590nmにおける厚み方向の位相差値(Rth)の絶対値が10nm以下である。また、第2の内側保護フィルム33は、好ましくは、透明なアクリル系樹脂に、数平均粒径が10〜300nmのゴム弾性体粒子が25〜45重量%配合されたアクリル系樹脂組成物からなる。
(積層方法)
第2の偏光フィルム31に防眩性フィルム34および/または第2の内側保護フィルム33を積層する方法については、第1の偏光板20について記述した方法を同様に採用することができる。第2の偏光フィルム31の両面に接着剤を用いる場合は、両面同種の接着剤を用いてもよく、また異種の接着剤を用いてもよい。また、第1の偏光板20の作製に使用される接着剤と第2の偏光板30の作製に使用される接着剤は、同じであっても、異なっていてもよい。
第2の偏光板30において、液晶セル40と貼り合わせる面には、接着剤層あるいは粘着剤層が形成されてもよい。例えば、第2の内側保護フィルム33が最も内側の層となる場合は、第2の内側保護フィルム33の表面に接着剤層あるいは粘着剤層が形成されてもよい。
以上のように構成されている第1の偏光板20と第2の偏光板30は、ロール状偏光板としてロール・ツゥー・セルの工程(ロール状の偏光板を液晶セルに貼合していくような工程)に提供されても、シート状偏光板としてシート・ツゥー・セルの工程(シート状の偏光板を液晶セルに貼合していくような工程)に提供されてもよい。
<液晶パネル>
本発明の液晶パネルは、上述の偏光板のセットを用いた液晶パネルであり、具体的には、図1に示すように、第1の偏光板20、液晶セル40、および第2の偏光板30をこの順で配置してなる。ここで、第1の偏光板20と第2の偏光板30は、例えば、第1および第2の内側保護フィルム23,33を接着面として、接着剤あるいは粘着剤を用いて液晶セル40に貼付される。
液晶セル40としては、従来公知の構成を採用することができ、例えば、水平配向(IPS)モードや、ブルー相の液晶を用いた液晶駆動モードなど各種方式の液晶セルを用いることができる。ブルー相の液晶を用いた液晶セルの場合、暗状態の視野角依存性が原理的になく、そのため配向膜が不要となるので、本発明に係る偏光板のセットを用いた液晶パネルに好適である。
本発明の偏光板のセットを用いた液晶パネルは、第1の偏光板20に第1の外側保護フィルム25を用い、第2の偏光板30に、防眩性フィルム34を用いていることから表面の傷付き防止と機械的強度の向上が実現されている。このような液晶パネルは、大画面液晶テレビ用液晶表示装置、特に壁掛け可能な液晶テレビ用液晶表示装置に好適に適用することができる。
ここで、第1の偏光板20と第2の偏光板30の軸配置は、特に限定されないが、例えば、第1と第2の偏光フィルム21,31の吸収軸の相対角度を、0°あるいは90°とする。
<液晶表示装置>
図2は、本発明の液晶表示装置の基本的な構成の一例を示す概略断面図である。図2に示される液晶表示装置は、バックライト10、光拡散板50、および、液晶セル40と、液晶セル40の一方の面に貼付された背面側偏光板としての第1の偏光板20と、液晶セル40の他方の面に貼付された前面側偏光板としての第2の偏光板30とからなる。
第1の偏光板20は、第1の偏光フィルム21を、第1の内側保護フィルム23と第2の外側保護フィルム25とで挟持した構成を有しており、第1の内側保護フィルム23側が液晶セル40側に位置するように配置されている。また、第2の偏光板30は、第2の偏光フィルム31を、第2の内側保護フィルム33と防眩性フィルム34とで挟持した構成を有しており、第2の内側保護フィルム33側が液晶セル40側に位置するように配置されている。
第2の偏光板30において、防眩性フィルム34は、第2の内側保護フィルム35と、その上に積層された表面に微細な凹凸形状を有するハードコート層36とから構成されている。図2に示される本発明の液晶表示装置において、液晶パネルは、背面側偏光板である第1の偏光板20がバックライト10側となるように、すなわち、第1の外側保護フィルム25が光拡散板50と対向するように配置される。第1の偏光板20、第2の偏光板30、および液晶セル40は、図1に示すものと同様であるため、説明を省略する。
(光拡散板)
ここで、光拡散板50は、バックライト10からの光を拡散させる機能を有する光学部材であって、例えば、熱可塑性樹脂に光拡散剤である粒子を分散させて光拡散性を付与したもの、熱可塑性樹脂板の表面に凹凸を形成して光拡散性を付与したもの、熱可塑性樹脂板の表面に粒子が分散された樹脂組成物の塗布層を設け、光拡散性を付与したものなどであり得る。その厚みは、0.1〜5mm程度とすることができる。また、光拡散板50と液晶パネルとの間には、プリズムシート(集光シートとも呼ばれ、例えば、3M社製の「BEF」など)、輝度向上シート(例えば、3M社製の「DBEF」など)、光拡散シートなど、他の光学機能性を示すシートを配置することもできる。他の光学機能性を示すシートは、必要に応じて1枚以上、複数種類配置することも可能である。さらに、光拡散板50として、例えば、シリンドリカルな形状を表面に有するプリズムシートと光拡散板との積層一体品(例えば、特開2006−284697号公報に記載されるもの)のような、光拡散機能に他の機能が複合化された光学シートを用いることも可能である。
かかる本発明の液晶表示装置は、本発明の液晶パネルを用いたものであり、液晶パネルと同様に、表面の傷付き防止、機械的強度の向上が実現されている。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。実施例中、含有量ないし使用量を表す%および部は、特記ないかぎり重量基準である。
<フィルムの厚みの測定>
デジタルマイクロメーターMH−15M((株)ニコン製)を用いて、フィルムの厚みdを測定した。
<フィルムの面内の位相差値の測定>
位相差測定装置KOBRA(登録商標)−WR(王子計測機器(株)製)を用いて、測定波長590nmで面内の位相差値Rを測定した。
<フィルムのヘイズ値の測定>
直読ヘイズコンピューターHGM−2DP(スガ試験機(株)製)を用いて、保護フィルムのヘイズ値を測定した。また内部ヘイズ値はフタル酸ジメチルにフィルムを浸漬させて、測定を行った。また、ヘイズ値から内部ヘイズ値差し引いた値を外部ヘイズ値とした。
[製造例1]偏光フィルムの作製
平均重合度約2,400、ケン化度99.9モル%以上で厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の純水に浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.02/2/100の水溶液に30℃で浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が12/5/100の水溶液に56.5℃で浸漬した。引き続き、8℃の純水で洗浄した後、65℃で乾燥して、ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向された偏光フィルムを得た。延伸は、主に、ヨウ素染色およびホウ酸処理の工程で行い、トータル延伸倍率は5.3倍、厚みは27μmであった。
[製造例2]防眩性フィルム(A)の作製
ペンタエリスリトールトリアクリレートと多官能ウレタン化アクリレート(ヘキサメチレンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートとの反応生成物)とが重量比60/40で、酢酸エチルに固形分濃度60%で溶解されており、レベリング剤を含む光硬化性樹脂組成物を用いた。
上記の光硬化性樹脂組成物に、重量平均粒子径が2.7μmのメタクリル酸メチル/スチレン共重合体樹脂粒子を光硬化性樹脂(バインダー成分)100部に対して、5部加えて分散させ、固形分(樹脂粒子を含む)の濃度が30%となるように酢酸エチルを添加して、塗布液を調製した。
メタクリル酸メチル/アクリル酸メチルの重量比98/2の共重合体にアクリル系ゴム粒子が45%配合されたペレット1と、同じくアクリル系ゴム粒子が15%配合されたペレット2の二種類を用意した。ペレット1とペレット2を0.5:0.5の比になるように押出し機に投入して混練し、Tダイから押出される溶融フィルムを45℃に設定された2本の冷却ロールに挟んで冷却しながら引き取って、厚さ80μmのアクリル系樹脂フィルムを作製した。このアクリル系樹脂フィルムの上に、上述の塗布液を乾燥後の塗膜厚みが3.4μmとなるように塗布し、60℃に設定した乾燥機中で3分間乾燥させた。乾燥後のフィルムの塗膜を形成した側より、強度20mW/cmの高圧水銀灯からの光をh線換算光量で200mJ/cmとなるように照射し、光硬化性樹脂組成物層を硬化させて、表面に凹凸を有するハードコート層(厚み3.4μm)を有するアクリル系樹脂フィルムからなる防眩性フィルム(A)を得た。
防眩性フィルム(A)のヘイズ値を、JIS K 7136に準拠した(株)村上色彩技術研究所製のヘイズメーター「HM−150」型を用いて測定したところ、20.1%であった。
[製造例3]無配向性アクリル系樹脂フィルム(第1、第2の内側保護フィルム)の作製
(アクリル系樹脂)
アクリル系樹脂として、メタクリル酸メチル/アクリル酸メチル=96%/4%の共重合体を用いた。
(アクリル系弾性重合体粒子)
アクリル系弾性重合体粒子として、最内層が、メタクリル酸メチルに少量のメタクリル酸アリルを用いて重合させた硬質の重合体、中間層が、アクリル酸ブチルを主成分とし、さらにスチレン及び少量のメタクリル酸アリルを用いて重合させた軟質のゴム弾性体、最外層が、メタクリル酸メチルに少量のアクリル酸エチルを用いて重合させた硬質の重合体からなる3層構造の弾性体粒子であって、ゴム弾性体粒子の数平均粒径が240nmのものを用いた。
(保護フィルムの作製)
アクリル系樹脂のペレット70部とアクリル系弾性重合体粒子30部とを、スーパーミキサーで混合し、二軸押出機で溶融混練して、アクリル系樹脂組成物ペレットとした。このアクリル系樹脂組成物のペレットを、65mmφ一軸押出機に投入し、設定温度275℃のT型ダイを介して押し出し、45℃に温度設定した鏡面を有する二本のポリシングロールフィルムの両面を挟み込んで冷却し、厚さ80μmの保護フィルムを得た。この保護フィルムの面内の位相差値(R)は3.5nm、フィルムの厚み方向の位相差値(Rth)は−5.7nm、内部ヘイズ値は0.4%、外部ヘイズ値は1.5%であり、ハンドリング性は良かった。
<実施例1>
(a)背面側偏光板(第1の偏光板)の作製
製造例1で得られた偏光フィルム(第1の偏光フィルム)の片面に延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ40μm)を第1の外側保護フィルムとして、その貼合面にコロナ処理を施した後、接着剤を介して貼合した。偏光フィルムの反対面には、製造例3で得られた保護フィルムを第1の内側保護フィルムとして、その貼合面にコロナ処理を施した後、接着剤を介して貼合し、背面側偏光板(第1の偏光板)を得た。なお、第1の内側保護フィルムおよび第1の外側保護フィルムは、それらの遅相軸が偏光フィルムの延伸軸とそれぞれ直交するように貼合した。次に、該背面側偏光板の第1の内側保護フィルム面に粘着剤(厚さ25μm)の層を設けた。
(b)前面側偏光板(第2の偏光板)の作製
製造例1で得られた偏光フィルム(第2の偏光フィルム)の片面に、製造例2で得られた防眩性フィルム(A)をハードコート層でない面を貼合面として接着剤を介して貼合し、偏光フィルムの反対面には、製造例3で得られた保護フィルムを第2の内側保護フィルムとして、その貼合面にコロナ処理を施した後、接着剤を介して貼合し、前面側偏光板(第2の偏光板)を得た。なお、第2の内側保護フィルムは、その遅相軸が偏光フィルムの延伸軸と直交するように貼合した。該前面側偏光板の第2の内側保護フィルム面に粘着剤(厚さ25μm)の層を設けた。
(c)液晶パネルおよび液晶表示装置の作製
IPSモードのワイド32型液晶表示装置〔(株)日立製作所製のWooo(型番:W32L−H9000)〕を分解して上下の偏光板を剥がし、それらオリジナル偏光板の代わりに、上記(a)、(b)で製造した粘着剤付き第1の偏光板と第2の偏光板を液晶セルの前面側(視認側)と背面側(光入射側)にクロスニコル状態となるようにそれぞれの粘着剤層側で貼合した。このとき、前面側(視認側)の偏光板の吸収軸が、液晶セル内液晶分子の電圧無印加(黒表示)時の配向方向と平行になるように配置した。このIPSモード液晶表示装置を再び組み立てて点灯し、液晶セルに電圧を印加しない黒表示状態におけるカラーシフトを、ELDIM社製の液晶視野角・色度特性測定装置EZ contrastで測定したところ、カラーシフトΔu′v′は0.12であった。
<比較例1>
(d)背面側偏光板の作製
製造例3で得られた保護フィルムの代わりに、ケン化処理されたトリアセチルセルロースフィルム(厚さ80μm、R=3nm、Rth=50nm)を第1の内側保護フィルムとして用いたこと以外は、実施例1と同様にして背面側偏光板を作製した。
(e)前面側偏光板の作製
製造例3で得られた保護フィルムの代わりに、ケン化処理されたトリアセチルセルロースフィルム(厚さ80μm、R=3nm、Rth=50nm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして前面側偏光板を作製した。
(f)液晶パネルおよび液晶表示装置の作製
上記(d)、(e)の偏光板を用いて、実施例1と同様に液晶表示装置を組み立てカラーシフトを測定したところ、カラーシフトΔu′v′は0.18であった。
以上より、実施例1の液晶表示装置においては、比較例1の液晶表示装置と比較して、カラーシフトが抑制されている結果となった。
10 バックライト、20 第1の偏光板、21 第1の偏光フィルム、23 第1の内側保護フィルム、25 第1の外側保護フィルム、30 第2の偏光板、31 第2の偏光フィルム、33 第2の内側保護フィルム、34 防眩性フィルム、35 第2の外側保護フィルム、36 ハードコート層、40 液晶セル、50 光拡散板。

Claims (6)

  1. 液晶セルの一方の面側に配置される第1の偏光板と、他方の面側に配置される第2の偏光板とからなる液晶表示用の偏光板のセットであって、
    第1の偏光板は、第1の内側保護フィルムと、ポリビニルアルコール系樹脂からなる第1の偏光フィルムと、透明樹脂からなる第1の外側保護フィルムとがこの順で積層されてなり、
    第2の偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる第2の偏光フィルムと、透明樹脂からなる第2の外側保護フィルムとが積層されてなり、
    第1の内側保護フィルムは、透明なアクリル系樹脂に数平均粒径10〜300nmのゴム弾性体粒子が25〜45重量%配合されたアクリル系樹脂組成物からなり、内部ヘイズ値が0.5%以下でかつ外部ヘイズ値が5%以下であり、波長590nmにおける面内の位相差値(R)が10nm以下であり、波長590nmにおける厚み方向の位相差値(Rth)の絶対値が10nm以下である、偏光板のセット。
  2. 第1の偏光板において、第1の偏光フィルムと第1の内側保護フィルム、第1の偏光フィルムと第1の外側保護フィルムがそれぞれ活性エネルギー線により硬化するエポキシ化合物を含有する樹脂組成物からなる接着剤によって接着されている、請求項1に記載の偏光板のセット。
  3. 第2の内側保護フィルムは、内部ヘイズ値が0.5%以下でかつ外部ヘイズ値が5%以下であり、波長590nmにおける面内の位相差値(R)が10nm以下であり、波長590nmにおける厚み方向の位相差値(Rth)の絶対値が10nm以下である、請求項1または2に記載の偏光板のセット。
  4. 第2の内側保護フィルムは、透明なアクリル系樹脂に数平均粒径10〜300nmのゴム弾性体粒子が25〜45重量%配合されたアクリル系樹脂組成物からなる、請求項1〜3のいずれかに記載の偏光板のセット。
  5. 液晶セルと、その両面に配置された一対の偏光板とからなり、
    前記一対の偏光板は、請求項1〜4のいずれかに記載の偏光板のセットであり、
    第1の外側保護フィルム、第1の偏光フィルム、第1の内側保護フィルム、前記液晶セル、第2の偏光フィルム、第2の外側保護フィルムがこの順で積層されている、液晶パネル。
  6. バックライト、光拡散板、および請求項5に記載の液晶パネルを備え、
    前記バックライト、前記光拡散板、第1の偏光板、前記液晶セル、第2の偏光板がこの順で配置されている、液晶表示装置。
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