JP2011242579A - ロール状偏光板のセットおよびその製造方法、並びに液晶パネルの製造方法 - Google Patents

ロール状偏光板のセットおよびその製造方法、並びに液晶パネルの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011242579A
JP2011242579A JP2010114104A JP2010114104A JP2011242579A JP 2011242579 A JP2011242579 A JP 2011242579A JP 2010114104 A JP2010114104 A JP 2010114104A JP 2010114104 A JP2010114104 A JP 2010114104A JP 2011242579 A JP2011242579 A JP 2011242579A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polarizing plate
liquid crystal
film
roll
crystal cell
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2010114104A
Other languages
English (en)
Inventor
立陽 ▲ジュ▼
Liyang Zhu
Hideki Hayashi
秀樹 林
Yoshiki Matsuoka
祥樹 松岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2010114104A priority Critical patent/JP2011242579A/ja
Publication of JP2011242579A publication Critical patent/JP2011242579A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)

Abstract

【課題】表裏非対称な長尺の2つのロール状偏光板のセットを、定形状に切り出すことなく、偏光板のカール、貼合時の気泡や異物の噛み込みを抑制し、良好な軸精度で液晶セルへの貼合を行う方法を提供する。
【解決手段】保護フィルム25、偏光フィルム21、粘着剤層27、離型フィルムをこの順に積層した長尺の偏光板で、かつ偏光フィルム21の吸収軸が偏光板20の長辺方向と平行で、液晶セルの長辺に対応する幅を有しロール状で、液晶セルの背面側に貼合する第1のロール状偏光板20と、ヘイズ値が0.1%以上45%以下の防眩性フィルム34、偏光フィルム31、粘着剤層37、離型フィルムをこの順に積層した長尺の偏光板で、かつ偏光フィルム31の吸収軸が偏光板30の長辺方向と平行な方向で、液晶セルの短辺に対応する幅を有しロール状で、液晶セルの視認側に貼合する第2のロール状偏光板30とからなる偏光板のセット。
【選択図】図7

Description

本発明は、液晶セルの背面側に貼合するための、液晶セルの長辺に対応する幅を有する第1ロール状偏光板および視認側に貼合するための、液晶セルの短辺に対応する幅を有する第2のロール状偏光板からなるロール状偏光板のセットおよびその製造方法、並びに当該ロール状偏光板のセットを用いた液晶パネルの製造方法に関する。
偏光板は、液晶表示装置の構成部材として有用であり、液晶表示装置の普及に伴って急速にその需要が増大している。そして、液晶表示装置の大型テレビなどへの適用に伴い、偏光板にも、その性能を維持あるいは改良しながら、一層の薄肉化、廉価化が求められている。
偏光板は伝統的に、二色性色素が吸着配向しているポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの少なくとも片面、通常は両面に、透明な保護フィルムが貼合された構造になっている。偏光板の保護フィルムには、従来から、トリアセチルセルロースに代表されるセルロースアセテート系樹脂のフィルムが多く用いられており、その厚さは通例40〜120μm程度である。かかるセルロースアセテート系樹脂フィルムの偏光フィルムへの貼合には、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液からなる接着剤を用いることが多い。しかし、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムに、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液からなる接着剤を介して、セルロースアセテート系樹脂からなる保護フィルムを積層した偏光板は、湿熱条件下で長時間使用した場合に、偏光性能が低下したり、保護フィルムが偏光フィルムから剥離したりする問題があった。
そこで、偏光フィルムの両面に貼合される保護フィルムのうち少なくとも一方を、セルロースアセテート系樹脂以外の樹脂で構成する試みがある。たとえば、特開平8−43812号公報(特許文献1)には、偏光フィルムの両面に保護フィルムが積層されてなる偏光板において、その保護フィルムの少なくとも一方を、位相差フィルムの機能を有する熱可塑性ノルボルネン系樹脂で構成することが記載されている。また、特開2002−174729号公報(特許文献2)には、ヨウ素または二色性染料が吸着配向されたポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムの一方の面に、非晶性ポリオレフィン系樹脂からなる保護フィルムが貼合され、偏光フィルムの他方の面には、セルロースアセテート系樹脂など、非晶性ポリオレフィン系樹脂とは異なる樹脂からなる保護フィルムが貼合された偏光板が記載されている。非晶性ポリオレフィン系樹脂としては、脂環式ポリオレフィンまたはノルボルネン系樹脂とも称される非晶性の環状ポリオレフィン系樹脂が、耐熱性、耐湿性に比較的優れること、透明度に優れること、および位相差値の調整が比較的簡便に行えること等の理由により広く用いられている。
一方、特開2007−334295号公報(特許文献3)には、偏光フィルムの両面に保護フィルムが貼合されており、その保護フィルムの少なくとも一方をポリプロピレン系樹脂で構成した偏光板が記載されている。従来から一般産業分野で汎用されているポリプロピレン系樹脂のフィルムは、湿熱環境下での寸法変化が小さく、透湿度も小さく、有機溶剤に対する耐性にも優れ、しかも安価に入手できることから、偏光板の保護フィルムとして有効である。
ノルボルネン系樹脂をはじめとする環状ポリオレフィン系樹脂、あるいはポリプロピレン系樹脂をはじめとする鎖状ポリオレフィン系樹脂は、一軸または二軸に延伸することにより、適度の位相差値を与えるので、液晶セルの視野角補償や位相差補償に好適である。そのため、偏光フィルムの片面に延伸された環状または鎖状ポリオレフィン系樹脂フィルムが貼合され、偏光フィルムの他面にはトリアセチルセルロースをはじめとする透明樹脂からなる保護フィルムが貼合された偏光板は、その延伸フィルム側で液晶セルに貼り合わせることにより、光学補償機能を兼ね備えたものとなる。
また、特開平10−186133号公報(特許文献4)には、ポリビニルアルコール系偏光フィルムの片面に透明合成樹脂からなる保護フィルムを設け、他面には保護フィルムを介することなく直接、粘着剤層を設けた偏光板が記載されている。このような構成によれば、保護フィルムを一枚削減することができるため、偏光板の一層の薄肉化を図ることができ、コスト的にも有利である。
ところで、光学部材メーカーでは、液晶表示装置に用いられる偏光板などの光学機能を有する長尺の光学フィルム、またはそれらの積層体を、ロール状に巻き取りながら連続して製造するのが一般的である。このように製造された偏光板は、液晶パネル加工メーカーに納品され、液晶パネル加工メーカーにおいて液晶セルに貼合され、液晶パネルが製造される。従来、光学部材メーカーは、前記した偏光板などの光学部品を液晶パネル加工メーカーに納品する際には、液晶パネル加工メーカーが所望する所定のサイズに長尺光学シートを打ち抜いて加工したシート(光学シート)を検品した上で、数枚を重ねて梱包するようにしていた。
このように、光学部材メーカーにおいて、所定のサイズに打ち抜いて得られた光学シートを数枚重ねて梱包する際には、埃や汚れなどが生じないように、クリーン度の高い作業環境が求められている。また、輸送中に傷やクラックなどが生じないように、梱包資材は特別に選定され、梱包作業も入念に行う必要があった。一方、液晶パネル加工メーカーでは、厳重に梱包された光学シートを組み立て加工に用いるが、梱包が厳重であるため、梱包を解く作業が大変であり、かつ、梱包を解く作業は、傷やクラックが生じないように厳重に注意して行わなければならず、作業が煩雑となり生産性が落ちるとともに、作業者の負担が大きいものとなっていた。また、通常、梱包前、開梱後および液晶パネル部材を貼合した後など、何度も検品することになるため、過剰検品という問題もあった。
これを解決する手段として、特開2009−276751号公報(特許文献5)には、偏光板を含む光学フィルムを備える2つのロールからなるロール原反セットを使用して、これらのロールを所定長さに切断し、各々の偏光板の吸収軸が直交するように光学表示ユニット(液晶セル)に貼り合わせる方法が開示されており、この方法によれば、貼り合わせの軸精度が良好になり、また装置内の汚染による欠点が発生しにくくなるとされている。しかしながら、本文献には、貼り合わせの軸精度が良好になり、また装置内の汚染による欠点が発生しにくいロール原反セットとして、どのような材質、特性を有するものが適当なのか、明確には考察されていない。
特開平8−43812号公報 特開2002−174729号公報 特開2007−334295号公報 特開平10−186133号公報 特開2009−276751号公報
前述のように、偏光板は、一層の廉価化と薄肉化、あるいは耐久性の向上といった目的のために、偏光フィルムの両面に配置される保護フィルムが、異なる材料からなるものであったり、片面のみに保護フィルムが貼合されたものであったり、偏光フィルムを基準に表裏非対称なものであったりすることが多くなっている。本発明者らが前述の目的のために検討している偏光板もまた、表裏非対称な偏光板であることが多い。このような偏光板は、枚葉に打ち抜かれた状態ではカールを起こしやすく、粘着剤層を介して枚葉の偏光板を液晶セルに貼合する際に、端部や中央部に気泡を噛み込むなどの不具合が生じやすい。また、枚葉の偏光板であると、偏光フィルム中の水分率の変化に伴い、カールが大きくなることもあり、これにより、液晶セルへの貼合がさらに難しくなる。
したがって、本発明の目的は、表裏非対称な長尺の偏光板から構成される、液晶セルの両面に貼合するための2つのロール状偏光板からなるロール状偏光板のセットであって、枚葉に切り出すことなく液晶パネルの製造工程に供することが可能であり、もって偏光板のカールおよびこれに伴う偏光板貼合時の気泡や異物の噛み込みを効果的に抑制しつつ、良好な軸精度で液晶セルへの貼合を行うことができるロール状偏光板のセットおよびその製造方法を提供することである。また、本発明の他の目的は、上記表裏非対称な長尺の偏光板から構成されるロール状偏光板のセットを用いた液晶パネルの製造方法であって、偏光板のカールおよびこれに伴う偏光板貼合時の気泡や異物の噛み込みを効果的に抑制しつつ、良好な軸精度で液晶セルへの貼合を行うことができる液晶パネルの効率的な製造方法を提供することである。
すなわち本発明によれば、透明樹脂フィルムからなる保護フィルムと、ポリビニルアルコール系樹脂からなる第1の偏光フィルムと、第1の粘着剤層と、第1の離型フィルムをこの順に積層してなる長尺の偏光板から構成され、かつ前記第1の偏光フィルムの吸収軸が長尺の偏光板の長辺方向と平行な方向となり、前記液晶セルの長辺に対応する幅を有する状態でロール状に巻かれておる、液晶セルの背面側に貼合するための第1のロール状偏光板と、
ヘイズ値が0.1%以上45%以下の範囲にある防眩性フィルムと、ポリビニルアルコール系樹脂からなる第2の偏光フィルムと、第2の粘着剤層と、第2の離型フィルムとをこの順に積層してなる長尺の偏光板から構成され、かつ前記第2の偏光フィルムの吸収軸が長尺の偏光板の長辺方向と平行な方向となり、前記液晶セルの短辺に対応する幅を有する状態でロール状に巻かれておる、前記液晶セルの視認側に貼合するための第2のロール状偏光板とからなる偏光板のセットが提供される。
ここで、第1のロール状偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる第1の偏光フィルムと、前記第1の粘着剤層の間に、ヘイズが0.5%以下であり、且つ面内位相差値が30nm未満である、ポリオレフィン系樹脂からなる第1の無配向性フィルムを有してもよい。また、第2のロール状偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる第2の偏光フィルムと、前記第2の粘着剤層の間に、ヘイズが0.5%以下であり、且つ面内位相差値が30nm未満である、ポリオレフィン系樹脂からなる第2の無配向性フィルムを有してもよい。
さらに、本発明のロール状偏光板のセットの製造方法は、透明樹脂からなる保護フィルムと、ポリビニルアルコール系樹脂からなる第1の偏光フィルムと、第1の粘着剤層と、第1の離型フィルムとをこの順に、かつ第1の偏光フィルムの吸収軸が長辺方向と平行な方向となるように積層して第1の偏光板長尺原反を作製する第1原反作製工程と、前記第1原反作製工程で得られる第1の偏光板長尺原反を液晶セルの長辺に対応する幅となるように切断する第1スリット工程と、前記第1スリット工程で得られる長尺の偏光板をロール状に巻き取る第1偏光板巻き取り工程と、を備える第1のロール状偏光板製造工程;および
ヘイズ値が0.1%以上45%以下の範囲にある防眩性フィルムと、第2の粘着剤層と、第2の離型フィルムとをこの順に、かつ前記第2の偏光フィルムの吸収軸が長辺方向と平行な方向となるように積層して第2の偏光板長尺原反を作製する第2原反作製工程と、前記第2原反作製工程で得られる第2の偏光板長尺原反を前記液晶セルの短辺に対応する幅となるように切断する第2スリット工程と、前記第2スリット工程で得られる長尺の偏光板をロール状に巻き取る第2偏光板巻き取り工程と、を備える第2のロール状偏光板製造工程を含むことを特徴とする。
本発明の液晶パネルの製造方法は、液晶セルをその短辺方向が流れ方向となるように搬送する液晶セルの第1搬送工程;
本発明のロール状偏光板のセットのうち、第1のロール状偏光板から長尺の偏光板を、前記液晶セルの第1搬送工程で供給される前記液晶セルの背面側に向かうように巻き出す第1偏光板巻き出し工程と、
前記第1偏光板巻き出し工程で巻き出された後の長尺の偏光板を前記液晶セルの短辺に対応する長さに裁断する第1偏光板裁断工程と、
前記第1偏光板巻き出し工程で巻き出された長尺の偏光板または前記第1偏光板裁断工程で裁断された偏光板を、前記液晶セルの第1搬送工程で搬送される液晶セルの貼合されるべき位置に合わせる第1偏光板位置合わせ工程と、
前記第1偏光板位置合わせ工程を経た後の長尺の偏光板または裁断された偏光板を前記液晶セルの第1搬送工程で搬送される前記液晶セルの背面側に貼り合わせる第1偏光板貼合工程と、
を備え、かつ
前記第1偏光板巻き出し工程が最初に行われ、その後、前記第1偏光板裁断工程、前記第1偏光板位置合わせ工程、および前記第1偏光板貼合工程の順、または、前記第1偏光板位置合わせ工程、前記第1偏光板裁断工程、および前記第1偏光板貼合工程の順、または前記第1偏光板位置合わせ工程、前記第1偏光板貼合工程、および前記第1偏光板裁断工程の順に行われる第1偏光板供給貼合工程;
前記液晶セルを、その長辺方向が流れ方向となるように搬送する液晶セルの第2搬送工程;および
前記ロール状偏光板のセットのうち、第2のロール状偏光板から長尺の偏光板を、前記液晶セルの第2搬送工程で搬送される前記液晶セルの視認側に向かうように巻き出す第2偏光板巻き出し工程と、
前記第2偏光板巻き出し工程で巻き出された後の長尺の偏光板を前記液晶セルの長辺に対応する長さに裁断する第2偏光板裁断工程と、
前記第2偏光板巻き出し工程で巻き出された長尺の偏光板または前記第2偏光板裁断工程で裁断された偏光板を、前記液晶セルの第2搬送工程で搬送される液晶セルの貼合されるべき位置に合わせる第2偏光板位置合わせ工程と、
前記第2偏光板位置合わせ工程を経た後の長尺の偏光板または裁断された偏光板を前記液晶セルの第2搬送工程で搬送される前記液晶セルの視認側に貼り合わせる第2偏光板貼合工程と、
を備え、かつ
前記第2偏光板巻き出し工程が最初に行われ、その後、前記第2偏光板裁断工程、前記第2偏光板位置合わせ工程、および前記第2偏光板貼合工程の順、または、前記第2偏光板位置合わせ工程、前記第2偏光板裁断工程、および前記第2偏光板貼合工程の順、または前記第2偏光板位置合わせ工程、前記第2偏光板貼合工程、および前記第2偏光板裁断工程の順に行われる第2偏光板供給貼合工程を含むことを特徴とする。
上記液晶パネルの製造方法において、第1偏光板巻き出し工程および前記第2偏光板巻き出し工程は、前記第1偏光板巻き出し工程で第1のロール状偏光板から巻き出された長尺の偏光板の長辺方向と平行な方向と、前記第2偏光板巻き出し工程で第2のロール状偏光板から巻き出された長尺の偏光板の長辺方向と平行な方向とが直交するように行なうことができる。
また、前記液晶セルはIPSモード、またはブルー相の液晶を用いた液晶駆動モードの液晶セルであることが好ましい。
本発明によれば、表裏非対称の偏光板を使用するにもかかわらず、偏光板のカールおよびこれに伴う偏光板貼合時の気泡や異物の噛み込みを効果的に抑制しつつ、良好な軸精度で液晶セルの両面に所定の偏光板が貼合された液晶パネルを効率的に製造することができる。また、本発明によれば、所定のロール状偏光板のセットを枚葉に切り出すことなく液晶パネルの製造工程に供することが可能であるため、ロール状偏光板から枚葉の偏光板を切り出し、これを液晶パネルの製造工程に供する従来の方法が抱えていた、梱包、輸送、開梱時の煩雑さなどの問題を解消することができる。
さらに本発明によれば、良好な軸精度で液晶セルの両面に偏光板が貼合されるため、液晶表示装置に適用したときに光漏れが生じにくく、視認性に優れる液晶パネルを提供することができる。本発明のロール状偏光板のセットおよび液晶パネルは、液晶表示装置、とりわけ大画面液晶テレビ用液晶表示装置に好適に適用することができる。
本発明の液晶パネルの製造方法における第1搬送工程および第1偏光板供給貼合工程の一例を示す概略図である。 本発明の液晶パネルの製造方法における第1搬送工程および第1偏光板供給貼合工程の一例を示す概略図である。 本発明の液晶パネルの製造方法における第1搬送工程および第1偏光板供給貼合工程の一例を示す概略図である。 本発明の液晶パネルの製造方法における第1搬送工程および第1偏光板供給貼合工程の一例を示す概略図である。 本発明の液晶パネルの製造方法の一例を示す概略図である。 本発明の液晶パネルの製造方法の一例を示す概略図である。 本発明の方法により製造される液晶パネルおよびこれを適用した液晶表示装置の基本的な層構成の一例を示す概略断面図である。
<ロール状偏光板のセット>
本発明のロール状偏光板のセットは、第1のロール状偏光板および第2のロール状偏光板の2つのロール状偏光板からなり、これらは、液晶パネルの構成部品として用いられるものである。液晶パネルは、液晶セルの両面に、偏光板を積層することにより作製できる。第1のロール状偏光板、第2のロール状偏光板はそれぞれ、液晶パネルの背面側偏光板、視認側偏光板を形成するための、長尺の偏光板を巻き取ったロールである。ここで、「背面側偏光板」とは、液晶パネルを液晶表示装置に搭載した際の、バックライト側に位置する偏光板を意味し、「視認側偏光板」とは、液晶パネルを液晶表示装置に搭載した際の、視認側に位置する偏光板を意味する。以下、各ロール状偏光板について詳細に説明する。
(第1のロール状偏光板)
第1のロール状偏光板は、液晶パネルの背面側偏光板として用いられるものであり、透明樹脂からなる保護フィルムと、第1の粘着剤層と、第1の離型フィルムとをこの順に積層してなる長尺の偏光板から構成され、かつ前記第1の偏光フィルムの吸収軸が当該長尺の偏光板の長辺方向と平行な方向となり、前記液晶セルの長辺に対応する幅を有する状態でロール状に巻かれている。第1のロール状偏光板の巻き回し方向は特に制限されないが、たとえば第1の離型フィルム側が内側となるように巻き回すことができる。
前記第1のロール状偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる第1の偏光フィルムと、前記第1の粘着剤層の間に、ヘイズが0.5%以下であり、且つ面内位相差値が30nm未満である、ポリオレフィン系樹脂からなる第1の無配向性フィルムを有してもよい、このように、第1の無配向性フィルムを用いることにより、偏光板の表裏不対称性を低減させ、カールの発生が抑制される。
前記「液晶セルの長辺に対応する幅」とは、液晶セルの長辺の長さに応じて適切に設定された幅を指し、液晶セルの長辺の長さとロール状偏光板の幅とが同じでなくてもよい。
第1のロール状偏光板において、透明樹脂からなる保護フィルムの第1の偏光フィルムと反対側の面には、プロテクトフィルム、或いは粘着剤層が形成されてもよい、その粘着剤層を介して、3M社から販売の「DBEFシリーズ」に例示されるような反射型偏光フィルムなどの光学フィルムが設けられてもよい。
(1) 第1の偏光フィルム
第1の偏光フィルムは、具体的には、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させたものである。ポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルのほか、酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体との共重合体などが例示される。酢酸ビニルに共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類などが挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常85〜100モル%程度、好ましくは98モル%以上である。このポリビニルアルコール系樹脂は、さらに変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマールやポリビニルアセタールなども使用し得る。また、ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常1,000〜10,000程度、好ましくは1,500〜5,000程度である。
かかるポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、第1の偏光フィルムの原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法で製膜することができる。ポリビニルアルコール系原反フィルムの厚みは特に限定されないが、例えば、10μm〜150μm程度である。
第1の偏光フィルムは、通常、このようなポリビニルアルコール系樹脂フィルムを一軸延伸する工程、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色することにより、二色性色素を吸着させる工程、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程、および、ホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程、を経て製造される。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムの一軸延伸は、二色性色素の染色前に行ってもよいし、染色と同時に行ってもよいし、あるいは染色の後に行ってもよい。一軸延伸を染色の後で行う場合には、この一軸延伸は、ホウ酸処理の前に行ってもよいし、ホウ酸処理中に行ってもよい。もちろん、これらの複数の段階で一軸延伸を行うことも可能である。一軸延伸にあたっては、周速の異なるロール間で一軸に延伸してもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸してもよい。また、一軸延伸は、大気中で延伸を行う乾式延伸であってもよいし、水等の溶剤を用い、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤させた状態で延伸を行う湿式延伸であってもよい。延伸倍率は、通常3〜8倍程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを二色性色素で染色する方法としては、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、二色性色素を含有する水溶液に浸漬する方法を挙げることができる。二色性色素として、具体的には、ヨウ素や二色性染料が用いられる。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に浸漬して膨潤させる処理を施しておくことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は、通常、ヨウ素およびヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は、通常、水100重量部あたり0.01〜1重量部程度であり、ヨウ化カリウムの含有量は、通常、水100重量部あたり0.5〜20重量部程度である。染色に用いる水溶液の温度は、通常20〜40℃程度であり、また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常20〜1,800秒程度である。
一方、二色性色素として二色性染料を用いる場合は、通常、水溶性二色性染料を含む水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液における二色性染料の含有量は、通常、水100重量部あたり1×10-4〜10重量部程度、好ましくは1×10-3〜1重量部程度である。この水溶液は、硫酸ナトリウムなどの無機塩を染色助剤として含有していてもよい。染色に用いる二色性染料水溶液の温度は、通常20〜80℃程度であり、また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常10〜1,800秒程度である。
二色性色素による染色後のホウ酸処理は、染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬することにより行うことができる。ホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の量は、水100重量部あたり、通常2〜15重量部程度、好ましくは5〜12重量部程度である。二色性色素としてヨウ素を用いる場合には、このホウ酸含有水溶液はヨウ化カリウムを含有することが好ましい。ホウ酸含有水溶液におけるヨウ化カリウムの量は、水100重量部あたり、通常0.1〜15重量部程度、好ましくは5〜12重量部程度である。ホウ酸含有水溶液への浸漬時間は、通常〜1,200秒程度、好ましくは150〜0秒程度、さらに好ましくは200〜400秒程度である。ホウ酸含有水溶液の温度は、通常50℃以上であり、好ましくは50〜85℃、より好ましくは〜80℃である。
ホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、通常、水洗処理される。水洗処理は、例えば、ホウ酸処理されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムを水に浸漬することにより行うことができる。水洗処理における水の温度は、通常5〜40℃程度であり、浸漬時間は、通常1〜120秒程度である。水洗後は乾燥処理が施されて、第1の偏光フィルムが得られる。乾燥処理は、熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターを用いて行うことができる。乾燥処理の温度は、通常30〜100℃程度、好ましくは50〜80℃である。乾燥処理の時間は、通常〜0秒程度、好ましくは120〜0秒である。
こうしてポリビニルアルコール系樹脂フィルムに、一軸延伸、二色性色素による染色、およびホウ酸処理が施され、第1の偏光フィルムが得られる。第1の偏光フィルムの厚みは、例えば2〜40μm程度とすることができる。
(2) 透明樹脂からなる保護フィルム
第1のロール状偏光板を構成する透明樹脂からなる保護フィルムは、特に限定されない。その透明樹脂の例としては、メタクリル酸メチル系樹脂等の(メタ)アクリル系樹脂〔(メタ)アクリル系樹脂とは、メタクリル系樹脂またはアクリル系樹脂を意味する〕、オレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、スチレン系樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン系共重合樹脂、アクリロニトリル・スチレン系共重合樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリブチレンテフタレート系樹脂、ポリエチレンテフタレート系樹脂に代表されるポリエステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、オキセタン系樹脂を挙げることができる。これらの樹脂は、透明性や偏光フィルムとの接着性を阻害しない範囲で、添加物を含有することができる。
これらの透明樹脂をフィルム状に成形し、延伸処理を施して、保護フィルムとしてもよい。このとき、延伸は、MD(流れ方向)またはTD(流れ方向と垂直の方向)に延伸する一軸延伸、MDおよびTDの双方に延伸する二軸延伸、MDでもTDでもない方向に延伸する斜め延伸など、いずれの方法で行ってもよい。
上記(メタ)アクリル系樹脂は、必要に応じてゴム微粒子を配合した材料であってもよい。ゴム粒子が配合された(メタ)アクリル系樹脂は、靭性が高くなり、フィルムの薄肉化を可能にする。
前記ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、繰り返し単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートで構成される樹脂を意味し、他の共重合成分に由来する構成単位を含んでいてもよい。他の共重合成分としては、イソフタル酸、4,4’−ジカルボキシジフェニール、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニル)エタン、アジピン酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、1,4−ジカルボキシシクロヘキサン等のジカルボン酸成分;プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール成分が挙げられる。これらのジカルボン酸成分やジオール成分は、必要により2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、前記カルボン酸成分やジオール成分と共に、p−ヒドロキシ安息香酸やp−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸を併用することも可能である。他の共重合成分として、少量のアミド結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート結合等を含有するジカルボン酸成分および/またはジオール成分が用いられてもよい。
前記ポリエチレンテレフタレート系樹脂をフィルム化後、前記の延伸処理を施し、保護フィルムとして用いることにより、機械的性質、耐溶剤性、耐スクラッチ性、コストなどに優れるとともに、厚みの低減を図ることができる。
前記セルロース系樹脂とは、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ、針葉樹パルプ)等の原料セルロースから得られるセルロースの水酸基における水素原子の一部または全部がアセチル基、プロピオニル基および/またはブチリル基で置換された、セルロース有機酸エステルまたはセルロース混合有機酸エステルをいう。例えば、セルロースの酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、およびそれらの混合エステル等からなるものが挙げられる。中でも、トリアセチルセルロースフィルム、ジアセチルセルロースフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、およびセルロースアセテートブチレートフィルム等が好ましい。
前記オレフィン系樹脂は、例えば、ノルボルネンおよび他のシクロペンタジエン誘導体等の環状ポリオレフィンモノマーを、重合用触媒を用いて重合した環状ポリオレフィン系樹脂や、エチレンおよびプロピレン等の鎖状オレフィンモノマーを、重合用触媒を用いて重合した鎖状オレフィン系樹脂に代表される。
ここで、環状ポリオレフィン系樹脂としては、たとえば、シクロペンタジエンとオレフィン類とからディールス・アルダー反応によって得られるノルボルネンまたはその誘導体をモノマーとして開環メタセシス重合を行い、それに続く水添によって得られる樹脂;ジシクロペンタジエンとオレフィン類またはメタクリル酸エステル類とからディールス・アルダー反応によって得られるテトラシクロドデセンまたはその誘導体をモノマーとして開環メタセシス重合を行い、それに続く水添よって得られる樹脂;ノルボルネン、テトラシクロドデセンおよびそれらの誘導体類ならびにその他の環状ポリオレフィンモノマーから選択される2種以上を用いて同様に開環メタセシス共重合を行い、それに続く水添によって得られる樹脂;ノルボルネン、テトラシクロドデセンまたはそれらの誘導体に、ビニル基を有する芳香族化合物等を付加共重合させて得られる樹脂等が挙げられる。
また、鎖状オレフィン系樹脂としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン系樹脂が例示される。
ポリプロピレン系樹脂を保護フィルムの構成樹脂として選択した場合、以下のような優位点がある。すなわち、ポリプロピレン系樹脂は、光弾性係数が2×10-13cm2/dyne前後と小さく、また、透湿度が低いため、それを保護フィルムとする偏光板を液晶セルに適用することにより、湿熱条件での耐久性に優れた液晶表示装置とすることができる。さらに、ポリプロピレン系樹脂フィルムの偏光フィルムに対する接着性は、トリアセチルセルロースフィルムほどではないにしても良好であり、公知の各種接着剤を用いた場合に、ポリプロピレン系樹脂フィルムを十分な強度でポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムに接着することができる。
ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンの単独重合体で構成することができるほか、プロピレンを主体とし、それと共重合可能なコモノマーを少量共重合させたものであってもよい。共重合体からなるポリプロピレン系樹脂は、コモノマーユニットを、たとえば20重量%以下、好ましくは10重量%以下、より好ましくは7重量%以下の範囲で含有する樹脂であることができる。また、共重合体におけるコモノマーユニットの含有量は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは3重量%以上である。コモノマーユニットの含有量を1重量%以上とすることにより、加工性や透明性を有意に向上させ得る。一方、コモノマーユニットの含有量が20重量%を超えると、ポリプロピレン系樹脂の融点が下がり、耐熱性が低下する傾向にある。なお、2種以上のコモノマーとプロピレンとの共重合体とする場合には、その共重合体に含まれる全てのコモノマーに由来するユニットの合計含有量が、上記範囲であることが好ましい。
プロピレンに共重合されるコモノマーは、たとえば、エチレンや、炭素原子数4〜20のα−オレフィンであることができる。α−オレフィンとして具体的には、次のようなものを挙げることができる。
1−ブテン、2−メチル−1−プロペン(以上C4);
1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン(以上C5);
1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン(以上C6);
1−ヘプテン、2−メチル−1−ヘキセン、2,3−ジメチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ペンテン、2−メチル−3−エチル−1−ブテン(以上C7);
1−オクテン、5−メチル−1−ヘプテン、2−エチル−1−ヘキセン、3,3−ジメチル−1−ヘキセン、2−メチル−3−エチル−1−ペンテン、2,3,4−トリメチル−1−ペンテン、2−プロピル−1−ペンテン、2,3−ジエチル−1−ブテン(以上C8);
1−ノネン(C9);1−デセン(C10);1−ウンデセン(C11);
1−ドデセン(C12);1−トリデセン(C13);1−テトラデセン(C14);
1−ペンタデセン(C15);1−ヘキサデセン(C16);1−ヘプタデセン(C17);
1−オクタデセン(C18);1−ノナデセン(C19)など。
上記α−オレフィンの中でも、炭素原子数4〜12のα−オレフィンが好ましく、具体的には、1−ブテン、2−メチル−1−プロペン;1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン;1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン;1−ヘプテン、2−メチル−1−ヘキセン、2,3−ジメチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ペンテン、2−メチル−3−エチル−1−ブテン;1−オクテン、5−メチル−1−ヘプテン、2−エチル−1−ヘキセン、3,3−ジメチル−1−ヘキセン、2−メチル−3−エチル−1−ペンテン、2,3,4−トリメチル−1−ペンテン、2−プロピル−1−ペンテン、2,3−ジエチル−1−ブテン;1−ノネン;1−デセン;1−ウンデセン;1−ドデセンなどを挙げることができる。共重合性の観点からは、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンが好ましく、とりわけ1−ブテンおよび1−ヘキセンがより好ましい。
共重合体は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。好ましい共重合体として、プロピレン/エチレン共重合体やプロピレン/1−ブテン共重合体を挙げることができる。プロピレン/エチレン共重合体やプロピレン/1−ブテン共重合体において、エチレンユニットの含有量や1−ブテンユニットの含有量は、たとえば、「高分子分析ハンドブック」(1995年、紀伊国屋書店発行)の第616頁に記載されている方法により赤外線(IR)スペクトル測定を行い、求めることができる。
第1の偏光フィルムに貼り合わされる透明樹脂からなる保護フィルムとしての透明度や加工性を上げる観点からは、共重合体は、プロピレンを主体とするプロピレンとエチレンまたは上記α−オレフィンとのランダム共重合体であることが好ましく、プロピレンとエチレンとのランダム共重合体であることがより好ましい。プロピレン/エチレンランダム共重合体におけるエチレンユニットの含有量は、上述のとおり、1〜20重量%であることが好ましく、1〜10重量%であることがより好ましく、3〜7重量%であることがさらに好ましい。
ポリプロピレン系樹脂の立体規則性は、アイソタクチック、シンジオタクチック、アタクチックのいずれであってもよい。本発明においては、耐熱性の点から、シンジオタクチックあるいはアイソタクチックのポリプロピレン系樹脂が好ましく用いられる。
ポリプロピレン系樹脂は、JIS K 7210に準拠して、温度230℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレイト(MFR)が0.1〜200g/10分の範囲内であることが好ましく、0.5〜50g/10分の範囲内であることがより好ましい。MFRがこの範囲内にあるポリプロピレン系樹脂を用いることにより、押出機に大きな負荷をかけることなく、均一なポリプロピレン系樹脂フィルムを得ることができる。
ポリプロピレン系樹脂は、公知の重合用触媒を用いて、プロピレンを単独重合する方法や、プロピレンと他の共重合性コモノマーとを共重合する方法によって、製造することができる。公知の重合用触媒としては、たとえば、次のようなものを挙げることができる。
(1)マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分からなるTi−Mg系触媒、
(2)マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分に、有機アルミニウム化合物と、必要に応じて電子供与性化合物等の第三成分とを組み合わせた触媒系、
(3)メタロセン系触媒など。
これら触媒系の中でも、本発明において保護フィルムの構成樹脂として用いるポリプロピレン系樹脂の製造においては、上記(2)の触媒系が最も一般的に使用できる。上記(2)の触媒系における有機アルミニウム化合物の好ましい例としては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドとの混合物、テトラエチルジアルモキサンなどが挙げられ、電子供与性化合物の好ましい例としては、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、tert−ブチルプロピルジメトキシシラン、tert−ブチルエチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシランなどが挙げられる。
上記(1)および(2)の固体触媒成分としては、たとえば、特開昭61−218606号公報、特開昭61−287904号公報、特開平7−216017号公報などに記載の触媒系が挙げられる。また、上記(3)のメタロセン系触媒としては、たとえば、特許第2587251号公報、特許第2627669号公報、特許第2668732号公報などに記載の触媒系が挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂は、たとえば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンのような炭化水素化合物に代表される不活性溶剤を用いる溶液重合法、液状のモノマーを溶剤として用いる塊状重合法、気体のモノマーをそのまま重合させる気相重合法などによって製造することができる。これらの方法による重合は、バッチ式で行ってもよいし、連続式で行ってもよい。
ポリプロピレン系樹脂には、公知の添加物が配合されていてもよい。添加物としては、たとえば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、造核剤、防曇剤、アンチブロッキング剤などを挙げることができる。酸化防止剤としては、たとえば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤などが挙げられ、また、1分子中にたとえば、フェノール系の酸化防止機構とリン系の酸化防止機構とを併せ持つユニットを有する複合型の酸化防止剤も用いることができる。紫外線吸収剤としては、たとえば、2−ヒドロキシベンゾフェノン系やヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、ベンゾエート系の紫外線遮断剤などが挙げられる。帯電防止剤は、ポリマー型、オリゴマー型、モノマー型のいずれであってもよい。滑剤としては、エルカ酸アミドやオレイン酸アミド等の高級脂肪酸アミド、ステアリン酸等の高級脂肪酸およびその塩などが挙げられる。造核剤としては、たとえば、ソルビトール系造核剤、有機リン酸塩系造核剤、ポリビニルシクロアルカン等の高分子系造核剤などが挙げられる。アンチブロッキング剤としては、球状あるいはそれに近い形状の微粒子が、無機系、有機系を問わず使用できる。上記の添加物は、複数種が併用されてもよい。
ポリプロピレン系樹脂は、任意の方法で製膜し、保護フィルムとすることができる。この保護フィルムは、透明で実質的に面内位相差のないものである。例えば、溶融樹脂からの押出成形法、有機溶剤に溶解させた樹脂を平板上に流延し、溶剤を除去して製膜する溶剤キャスト法などによって、面内位相差が実質的にないポリプロピレン系樹脂からなる保護フィルムを得ることができる。
押出成形により保護フィルムを製造する方法について、詳しく説明する。ポリプロピレン系樹脂は、押出機中でスクリューの回転によって溶融混練され、Tダイからシート状に押出される。押出される溶融状シートの温度は、180〜300℃程度である。このときの溶融状シートの温度が180℃を下回ると、延展性が十分でなく、得られるフィルムの厚みが不均一になり、位相差ムラのあるフィルムとなる可能性がある。また、その温度が300℃を超えると、樹脂の劣化や分解が起こりやすく、シート中に気泡が生じたり、炭化物が含まれたりすることがある。
押出機は、単軸押出機であっても2軸押出機であってもよい。例えば単軸押出機の場合は、スクリューの長さLと直径Dの比であるL/Dが24〜36程度、樹脂供給部におけるねじ溝の空間容積と樹脂計量部におけるねじ溝の空間容積との比(前者/後者)である圧縮比が 1.5〜4程度であって、フルフライトタイプ、バリアタイプ、さらにマドック型の混練部分を有するタイプなどのスクリューを用いることができる。ポリプロピレン系樹脂の劣化や分解を抑制し、均一に溶融混練するという観点からは、L/Dが28〜36で、圧縮比が2.5〜3.5であるバリアタイプのスクリューを用いることが好ましい。
また、ポリプロピレン系樹脂の劣化や分解を可及的に抑制するため、押出機内は、窒素雰囲気または真空にすることが好ましい。さらに、ポリプロピレン系樹脂が劣化したり分解したりすることで生じる揮発ガスを取り除くため、押出機の先端に1mmφ以上5mmφ以下のオリフィスを設け、押出機先端部分の樹脂圧力を高めることも好ましい。オリフィスの押出機先端部分の樹脂圧力を高めるとは、先端での背圧を高めることを意味しており、これにより押出の安定性を向上させることができる。用いるオリフィスの直径は、より好ましくは2mmφ以上4mmφ以下である。
押出に使用されるTダイは、樹脂の流路表面に微小な段差や傷のないものが好ましく、また、そのリップ部分は、溶融したポリプロピレン系樹脂との摩擦係数の小さい材料でめっきまたはコーティングされ、さらにリップ先端が 0.3mmφ以下に研磨されたシャープなエッジ形状のものが好ましい。摩擦係数の小さい材料としては、タングステンカーバイド系やフッ素系の特殊めっきなどが挙げられる。このようなTダイを用いることにより、目ヤニの発生を抑制でき、同時にダイラインを抑制できるので、外観の均一性に優れる樹脂フィルムが得られる。このTダイは、マニホールドがコートハンガー形状であって、かつ以下の条件(i)または(ii)を満たすことが好ましく、さらには条件(iii)または(iv)を満たすことがより好ましい。
(i) Tダイのリップ幅が1500mm未満のとき:Tダイの厚み方向長さ>180mm、
(ii) Tダイのリップ幅が1500mm以上のとき:Tダイの厚み方向長さ>220mm、
(iii)Tダイのリップ幅が1500mm未満のとき:Tダイの高さ方向長さ>250mm、
(iv) Tダイのリップ幅が1500mm以上のとき:Tダイの高さ方向長さ>280mm。
このような条件を満たすTダイを用いることにより、Tダイ内部での溶融状ポリプロピレン系樹脂の流れを整えることができ、かつ、リップ部分でも厚みムラを抑えながら押出すことができるため、より厚み精度に優れ、位相差のより均一な保護フィルムを得ることができる。
ポリプロピレン系樹脂の押出変動を抑制する観点から、押出機とTダイとの間にアダプターを介してギアポンプを取り付けることが好ましい。また、ポリプロピレン系樹脂中にある異物を取り除くため、リーフディスクフィルターを取り付けることが好ましい。
Tダイから押出された溶融状シートは、金属製冷却ロール(チルロールまたはキャスティングロールともいう)と、その金属製冷却ロールの周方向に圧接して回転する弾性体を含むタッチロールとの間に、挟圧させて冷却固化することで、所望のフィルムを得ることができる。この際、タッチロールは、ゴムなどの弾性体がそのまま表面となっているものでもよいし、弾性体ロールの表面を金属スリーブからなる外筒で被覆したものでもよい。弾性体ロールの表面が金属スリーブからなる外筒で被覆されたタッチロールを用いる場合は通常、金属製冷却ロールとタッチロールの間に、ポリプロピレン系樹脂の溶融状シートを直接挟んで冷却する。一方、表面が弾性体となっているタッチロールを用いる場合は、ポリプロピレン系樹脂の溶融状シートとタッチロールの間に熱可塑性樹脂の二軸延伸フィルムを介在させて挟圧することもできる。
ポリプロピレン系樹脂の溶融状シートを、前記のような冷却ロールとタッチロールとで挟んで冷却固化させるにあたり、冷却ロールとタッチロールは、いずれもその表面温度を低くしておき、溶融状シートを急冷させてやる必要がある。具体的には、両ロールの表面温度が0℃以上30℃以下の範囲に調整される。これらの表面温度が30℃を超えると、溶融状シートの冷却固化に時間がかかるため、ポリプロピレン系樹脂中の結晶成分が成長してしまい、得られるフィルムは透明性に劣るものとなる。ロールの表面温度は、好ましくは30℃未満、さらに好ましくは25℃未満である。一方、ロールの表面温度が0℃を下回ると、金属製冷却ロールの表面に結露して水滴が付着し、フィルムの外観を悪化させる傾向が出てくる。
使用する金属製冷却ロールは、その表面状態がポリプロピレン系樹脂の保護フィルムの表面に転写されるため、その表面に凹凸がある場合には、得られるポリプロピレン系樹脂フィルムの厚み精度を低下させる可能性がある。そこで、金属製冷却ロールの表面は可能な限り鏡面状態であることが好ましい。具体的には、金属製冷却ロールの表面の粗度は、最大高さの標準数列で表して 0.4S以下であることが好ましく、さらには0.05S〜0.2Sであることがより好ましい。
金属製冷却ロールとニップ部分を形成するタッチロールは、その弾性体における表面硬度が、JIS K 6301に規定されるスプリング式硬さ試験(A形)で測定される値として、65〜80であることが好ましく、さらには70〜80であることがより好ましい。このような表面硬度のゴムロールを用いることにより、溶融状シートにかかる線圧を均一に維持することが容易となり、かつ、金属製冷却ロールとタッチロールとの間に溶融状シートのバンク(樹脂溜り)を作ることなくフィルムに成形することが容易となる。
溶融状シートを挟圧するときの圧力(線圧)は、金属製冷却ロールに対してタッチロールを押し付ける圧力により決まる。線圧は、50N/cm以上300N/cm以下とするのが好ましく、さらには100N/cm以上250N/cm以下とするのがより好ましい。線圧を前記範囲とすることにより、バンクを形成することなく、一定の線圧を維持しながらポリプロピレン系樹脂からなる保護フィルムを製造することが容易となる。
金属製冷却ロールとタッチロールの間で、ポリプロピレン系樹脂の溶融状シートとともに熱可塑性樹脂の二軸延伸フィルムを挟圧する場合、この二軸延伸フィルムを構成する熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン系樹脂と強固に熱融着しない樹脂であればよく、具体的には、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリルなどを挙げることができる。これらの中でも、湿度や熱などによる寸法変化の少ないポリエステルが最も好ましい。この場合の二軸延伸フィルムの厚さは、通常5〜50μm 程度であり、好ましくは10〜30μmである。
この方法において、Tダイのリップから金属製冷却ロールとタッチロールとで挟圧されるまでの距離(エアギャップ)を200mm以下とすることが好ましく、さらには1mm以下とすることがより好ましい。Tダイから押出された溶融状シートは、リップからロールまでの間引き伸ばされて、配向が生じやすくなる。エアギャップを前記の如く短くすることで、配向のより小さいフィルムを得ることができる。エアギャップの下限値は、使用する金属製冷却ロールの径とタッチロールの径、および使用するリップの先端形状により決定され、通常50mm以上である。
この方法でポリプロピレン系樹脂からなる保護フィルムを製造するときの加工速度は、溶融状シートを冷却固化するために必要な時間により決定される。使用する金属製冷却ロールの径が大きくなると、溶融状シートがその冷却ロールと接触している距離が長くなるため、より高速での製造が可能となる。具体的には、0mmφの金属製冷却ロールを用いる場合、加工速度は、最大で5〜20m/分程度となる。
金属製冷却ロールとタッチロールとの間で挟圧された溶融状シートは、ロールとの接触により冷却固化する。そして、必要に応じて端部をスリットした後、巻取り機に巻き取られてフィルムとなる。この際、フィルムを使用するまでの間その表面を保護するために、その片面または両面に別の熱可塑性樹脂からなる表面保護フィルムを貼合した状態で巻き取ってもよい。ポリプロピレン系樹脂の溶融状シートを熱可塑性樹脂からなる二軸延伸フィルムとともに金属製冷却ロールとタッチロールとの間で挟圧した場合には、その二軸延伸フィルムを一方の表面保護フィルムとすることもできる。
透明樹脂からなる保護フィルムの厚みは、通常、20〜200μmであり、好ましくは20〜120μmである。保護フィルムの厚みが20μm未満であると、ハンドリング性に劣る傾向にあり、厚みが200μmを超える場合にも、フィルムの剛性が高くなることによってハンドリング性が低下することがある。
透明樹脂からなる保護フィルムは、透明性に優れていることが必要である。具体的には、JIS K 7105に従って測定されるヘイズ値が10%以下、好ましくは7%以下である。へイズ値が10%を超えると、得られる偏光板を液晶表示装置に適用したときに、白輝度が低下し、画面が暗くなる傾向にある。なお、JIS K 7105に従って測定されるヘイズ値は、下記式:
(拡散透過率/全光線透過率)×100(%)
で定義される。
透明樹脂からなる保護フィルムの第1の偏光フィルムと反対側の面には、液晶パネルまたはこれを用いた液晶表示装置の製造工程における擦り傷防止の観点から、ハードコート処理、プリズムシートとカラーフィルターの干渉によるモアレ低減の観点からアンチグレア処理を施してもよい。
(3) 第1の無配向性フィルム
第1のロール状偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる第1の偏光フィルムと、第1の粘着剤層との間に、第1の無配向性フィルムを有していてもよい。第1の無配向性フィルムは、ポリオレフィン系樹脂からなり、かつヘイズ値が0.5%以下であり、面内位相差値(Ro)が30nm未満である。
第1の無配向性フィルムは、JIS L 1096に準処して測定されるガーレ法剛軟度が350mgf以下であることが好ましく、200mgf以下であることがより好ましく、さらには150mgf以下であることが一層好ましい。このように、剛軟度が小さい第1の無配向性フィルムを使用して作製された第1のロール状偏光板は、剛性が低減され、液晶セルに貼合する際のハンドリング性が向上する。また、第1の無配向性フィルムがポリオレフィン系樹脂からなることにより、ポリオレフィン系樹脂の光弾性係数が小さいことに由来して、得られる液晶表示装置の表示域の光抜けを改善することができる。ここで「光抜け」とは、液晶パネルが熱履歴を受けた場合、偏光フィルムの収縮に起因して液晶セル側の保護フィルムまたは位相差フィルム(上記の無配向性フィルム)の位相差値や偏光フィルムとの軸角度に変化を生じ、液晶表示装置が黒表示するとき、表示域の四辺端部または四隅から光が抜けて、その部分が白っぽくなる現象をいう。液晶セル側に位置する保護フィルムまたは位相差フィルムの光弾性係数が大きい場合には、このような光抜けが現れやすくなる。
第1の無配向性フィルムは、ポリプロピレン系樹脂フィルムまたは環状ポリオレフィン系樹脂フィルムからなることが好ましい。このように、弾性率が低いポリプロピレン系樹脂または環状ポリオレフィン系樹脂を使用することにより、ガーレ法剛難度が低いフィルムが得られやすい。また、ポリプロピレン系樹脂フィルムおよび環状ポリオレフィン系樹脂フィルムは透湿度が小さいため、得られる偏光板の高湿熱環境における耐久性の向上を図ることができる。
第1の無配向性フィルムを構成するポリオレフィン系樹脂は、先に透明樹脂からなる保護フィルムを構成し得る樹脂として掲げたポリオレフィン系樹脂をそれぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらのポリオレフィン系樹脂は、任意の適切なポリマー変性を行ってから用いることもでき、このポリマー変性としては、共重合、架橋、分子末端変性、立体規則性制御、および異種ポリマー同士の反応を伴う場合を含む混合等の変性が挙げられ、たとえば、エチレン−プロピレン共重合体樹脂等が挙げられる。
さらに、これらの樹脂をフィルム化した後、縦(MD)や横(TD)に適宜、延伸または収縮させて、面内位相差値(Ro )を30nm以下にしたものでもよい。
第1の無配向性フィルムに好適な前記環状ポリオレフィン系樹脂からなるフィルムは、第1の偏光板で使用した保護フィルムと同様のものが使用される。
前記第1の無配向性フィルムに好適な前記ポリプロピレン系樹脂からなるフィルムは、第1の偏光板で使用した保護フィルムと同様のものが使用される。ただし、第1の無配向性フィルムとして、特に、ヘイズ値を0.5%以下に抑制する必要がある。
前記ポリプロピレン系樹脂からなるフィルムのヘイズ値を0.5%以下に抑制するための方法としては、特に限定されないが、以下(A)〜(D)の方法が例示される。
(A) プロピレンとプロピレン以外の不飽和炭化水素とをランダム共重合させた樹脂を作製する方法
(B) ポリプロピレン系樹脂に造核剤を添加する方法
(C) 押出成形の際のキャスティングロールの冷却効率を高めて製膜する方法
(D) 膜厚を薄くする方法
これらの方法を適宜組み合わせてポリプロピレン系樹脂フィルムのヘイズ値を0.5%以下とする。
(A) ランダム共重合による方法
前記ランダム共重合させる方法としては、プロピレンを主体として任意の不飽和炭化水素とのランダム共重合体を作製する方法が挙げられる。その具体例としては、プロピレン/エチレンランダム共重合体、プロピレン/1−ブテンランダム共重合体、プロピレン/1−ヘキセンランダム共重合体、プロピレン/エチレン/1−オクテンランダム共重合体、プロピレン/エチレン/1−ブテンランダム共重合体等が挙げられるが、その中でも特に、エチレンとの共重合体が好ましい。
共重合体とする場合、プロピレン以外の不飽和炭化水素類は、その共重合割合を1〜40重量%程度の範囲内とすることが好ましく、2〜30重量%の範囲内とすることがより好ましく、3〜7重量%の範囲内とすることが更に好ましい。
プロピレン以外の不飽和炭化水素類のユニットを1重量%以上とすることで、加工性や透明性が向上する傾向にある。但し、その割合が10重量%を超えると、樹脂の融点が下がり、耐熱性が悪化する傾向にある。尚、2種類以上のコモノマーとプロピレンとの共重合体とする場合には、その共重合体に含まれる全てのコモノマーに由来するユニットの合計含量が、前記範囲であることが好ましい。
(B)造核剤添加による方法
本発明で用いられる造核剤は、無機系造核剤、有機系造核剤のいずれでもよい。無機系造核剤としては、タルク、クレイ、炭酸カルシウム等が挙げられる。また、有機系造核剤としては、芳香族カルボン酸の金属塩類、芳香族リン酸の金属塩類などの金属塩類、高密度ポリエチレン、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリシクロペンテン、ポリビニルシクロヘキサンなどが挙げられる。これらの中でも有機系造核剤が好ましく、さらに好ましくは前記金属塩類および高密度ポリエチレンである。また、プロピレン系重合体に対する造核剤の添加量は0.01〜3重量%が好ましく、0.05〜1.5重量%がさらに好ましい。以上の添加物は、複数種が併用されてもよい。
前記造核剤の添加方法は、均一に分散できるのであれば特に限定されるものではなく、通常の方法で添加することができる。例えば、前記ポリプロピレン系樹脂を製造する重合工程において、重合反応途中または重合反応終了直後の重合反応混合物に造核剤を添加すればよい。造核剤は、溶剤に溶解した溶液として添加してもよいし、容易に分散し得るように粉末状に粉砕した分散剤として添加してもよいし、加熱して溶融状態で添加してもよい。
(C)押出成形における急冷による方法
本発明のポリプロピレン系樹脂フィルムは、Tダイから押出された溶融状シートを、金属製冷却ロール(チルロールまたはキャスティングロールともいう)と、その金属製冷却ロールの周方向に圧接して回転する弾性体を含むタッチロールとの間で挟圧し、冷却固化させることにより得ることができる。この際、ヘイズ値を0.5%以下に抑制する観点から、タッチロールの表面温度を低くしておき、溶融状シートを急冷させることが好ましい。例えば、両ロールの表面温度は0℃以上30℃以下の範囲に調整されることが好ましい。これらの表面温度が30℃を超えると、溶融状シートの冷却固化に時間がかかるため、プロピレン系樹脂中の結晶成分が成長してしまい、得られるフィルムは透明性に劣るものとなることがある。一方、ロールの表面温度が0℃を下回ると、金属製冷却ロールの表面が結露して水滴が付着し、ポリプロピレン系樹脂フィルムの外観を悪化させる傾向がある。
(D)膜厚を薄くする方法
前記溶融状シートの膜厚を薄くすることも有効である。膜厚を薄く制御することによってヘイズ値が小さくなると同時に、金属製冷却ロールによる冷却効率を高めることが可能であるからである。その際、前記溶融状シートの押出量は任意で選択することができる。
ここで、第1の無配向性フィルムの位相差値について説明する。フィルムの面内遅相軸方向の屈折率をnx、面内進相軸方向(遅相軸と面内で直交する方向)の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnz、厚みをdとしたときに、面内位相差値(Ro)および厚み方向の位相差値(Rth)は、それぞれ下式(I)および(II):
Ro = (nx−ny)×d (I)
Rth= [(nx+ny)/2−nz]×d (II)
で定義される。
第1の無配向性フィルムは、波長590nmにおける面内位相差値(Ro)が30nm未満であることが好ましく、さらに好ましくは15nm未満である。第1の無配向性フィルムの面内位相差値(Ro)が30nm以上の場合、黒表示時における光漏れが大きくなり、コントラスト比の低下が顕著となる。ここで「光漏れ」とは、液晶表示装置が黒表示するときに表示域全面から光が漏れる現象をいう。たとえば、偏光フィルムの液晶セル側にある保護フィルムまたは位相差フィルム(上記の無配向性フィルム)の位相差値と液晶セルの位相差値が適当な補償関係にない場合や、偏光フィルムの上記保護フィルムまたは位相差フィルムに対する軸精度が悪い場合に、このような光漏れが起こりやすい。
さらに、第1の無配向性フィルムの波長590nmにおける厚み方向の位相差値(Rth)は、組み合わせる液晶セルの厚み方向の位相差値(Rth)によって、それを補償すべく、適宜選択される。
また、第1の無配向性フィルムのMD(machine direction:流れ方向、すなわち縦方向)と光軸とのなす角度は±5°以下であることが好ましく、さらに好ましくは±3°以下である。前記の角度が±5°よりも大きくなる場合、黒表示時における光漏れが大きくなり、コントラスト比の低下が顕著となる。
さらに、面内位相差値(Ro )、MDと光軸とのなす角度から計算される透過率パラメータの値が0.03以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.007以下であり、さらに好ましくは0.001以下である。この値が0.03よりも大きくなる場合、黒表示時における光漏れが顕著となり、コントラスト比の低下が顕著となる。
なお、透過率パラメータとは以下の式で定義されるパラメータであり;
(透過率パラメータ)=sin22θ×sin2(π×Ro/590)
ここでθは第1の無配向性フィルムのMDと光軸とのなす角度を表す。
(4) 接着剤層
第1の偏光フィルムへの透明樹脂からなる保護フィルムおよび第1の無配向性フィルムムの貼合、積層は、通常、接着剤層を介してなされる。第1の偏光フィルムの両面に設けられる接着剤層を形成する接着剤は、同種であってもよく、異種であってもよい。
速硬化性およびこれに伴うロール状偏光板の生産性向上の観点から、接着剤層を形成する好ましい接着剤の例として、光硬化性接着剤を挙げることができる。光硬化性接着剤としては、たとえば、光硬化性エポキシ樹脂と光カチオン重合開始剤との含む硬化性組成物などを挙げることができる。
また、接着剤として、接着剤層を薄くする観点から、水系接着剤、すなわち、接着剤成分を水に溶解した、または接着剤成分を水に分散させた接着剤を用いることもできる。たとえば、主成分としてポリビニルアルコール系樹脂またはウレタン樹脂を用いた水系組成物が、好ましい水系接着剤として挙げられる。
接着剤の主成分としてのポリビニルアルコール系樹脂は、部分ケン化ポリビニルアルコールや完全ケン化ポリビニルアルコールのほか、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、メチロール基変性ポリビニルアルコール、アミノ基変性ポリビニルアルコールなどの、変性されたポリビニルアルコール系樹脂であってもよい。接着剤の主成分がポリビニルアルコール系樹脂である水系接着剤は、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液として調製されることが多い。水系接着剤中のポリビニルアルコール系樹脂の濃度は、水100重量部に対して、通常1〜10重量部程度であり、好ましくは1〜5重量部である。
主成分としてポリビニルアルコール系樹脂を含む水系接着剤には、接着性を向上させるために、グリオキザールや水溶性エポキシ樹脂などの硬化性成分または架橋剤を添加することが好ましい。水溶性エポキシ樹脂としては、たとえば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンのようなポリアルキレンポリアミンと、アジピン酸のようなジカルボン酸との反応で得られるポリアミドポリアミンに、エピクロロヒドリンを反応させて得られるポリアミドポリアミンエポキシ樹脂を挙げることができる。かかるポリアミドポリアミンエポキシ樹脂の市販品としては、住化ケムテックス(株)から販売されている「スミレーズレジン 650」および「スミレーズレジン 675」、日本PMC(株)から販売されている「WS−525」などがあり、これらを好適に用いることができる。これら硬化性成分または架橋剤の添加量は、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して、通常1〜100重量部であり、好ましくは1〜50重量部である。その添加量が少ないと、接着性向上効果が小さくなり、一方でその添加量が多いと、接着剤層が脆くなる傾向にある。
接着剤の主成分としてウレタン樹脂を用いる場合、適当な水系接着剤の例として、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とグリシジルオキシ基を有する化合物との混合物を挙げることができる。ここでいうポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とは、ポリエステル骨格を有するウレタン樹脂であって、その中に少量のイオン性成分(親水成分)が導入されたものである。かかるアイオノマー型ウレタン樹脂は、乳化剤を使用せずに直接、水中で乳化してエマルジョンとなるため、水系接着剤として好適である。ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂それ自体は公知である。たとえば、特開平7−97504号公報には、フェノール系樹脂を水性媒体中に分散させるための高分子分散剤の例としてポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂が記載されており、また特開2005−070140号公報および特開2005−181817号公報には、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とグリシジルオキシ基を有する化合物との混合物を接着剤として、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムにシクロオレフィン系樹脂フィルムを接合する形態が示されている。
第1の偏光フィルム表面に、透明樹脂からなる保護フィルムおよび第1の無配向性フィルムを、接着剤を用いて貼合する方法としては、従来公知の方法を用いることができ、たとえば、流延法、マイヤーバーコート法、グラビアコート法、カンマコーター法、ドクタープレート法、ダイコート法、ディップコート法、噴霧法などにより、第1の偏光フィルムおよび/またはこれに貼合されるフィルムの接着面に接着剤を塗布し、両者を重ね合わせる方法が挙げられる。流延法とは、被塗布物であるフィルムを、概ね垂直方向、概ね水平方向、または両者の間の斜め方向に移動させながら、その表面に接着剤を流下して拡布させる方法である。
上記方法により接着剤を塗布した後、第1の偏光フィルムとそれに貼合されるフィルムとをニップロールなどにより挟んで貼合することにより両者が接合される。また、第1の偏光フィルムとそれに貼合されるフィルムとの間に接着剤を滴下した後、この積層体をロール等で加圧して均一に押し広げる方法も好適に使用することができる。この場合、ロールの材質としては金属やゴム等を用いることが可能である。さらに、第1の偏光フィルムとそれに貼合されるフィルムとの間に接着剤を滴下した後、この積層体をロールとロールとの間に通し、加圧して押し広げる方法も好ましく採用される。この場合、これらロールは同じ材質であってもよく、異なる材質であってもよい。
なお、乾燥あるいは硬化前における、前記ニップロール等を用いて貼り合わされた後の接着剤層の厚さは、5μm以下であることが好ましく、また0.01μm以上であることが好ましい。
第1の偏光フィルムおよび/またはそれに貼合されるフィルムの接着表面には、接着性を向上させるために、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理などの表面処理を適宜施してもよい。ケン化処理としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムのようなアルカリの水溶液に浸漬する方法が挙げられる。
水系接着剤を介して接合された積層体は、通常、乾燥処理が施され、接着剤層の乾燥、硬化が行われる。乾燥処理は、たとえば熱風を吹き付けることにより行うことができる。乾燥温度は、通常40〜100℃程度の範囲から選択され、好ましくは60〜100℃である。乾燥時間は、たとえば20〜1,200秒程度である。乾燥後の接着剤層の厚みは、通常0.001〜5μm程度であり、好ましくは0.01μm以上、また好ましくは2μm以下、さらに好ましくは1μm以下である。接着剤層の厚みが大きくなりすぎると、偏光板の外観不良となりやすい。
乾燥処理の後、室温以上の温度で少なくとも半日、通常は1日間以上の養生を施して十分な接着強度を得てもよい。かかる養生は、典型的には、ロール状に巻き取られた状態で行われる。好ましい養生温度は、30〜50℃の範囲であり、より好ましくは35℃以上、45℃以下である。養生温度が50℃を超えると、ロール巻き状態において、いわゆる「巻き締まり」が起こりやすくなる。なお、養生時の湿度は、特に限定されないが、相対湿度が0%RH〜70%RH程度の範囲となるように選択されることが好ましい。養生時間は、好ましくは1〜10日程度、より好ましくは2〜7日程度である。
一方、光硬化性接着剤を用いて第1の偏光フィルムとそれに貼合されるフィルムとを接合する場合には、これらのフィルムを接合後、活性エネルギー線を照射することによって光硬化性接着剤を硬化させる。活性エネルギー線の光源は特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する活性エネルギー線が好ましく、具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ等が好ましく用いられる。光硬化性接着剤への光照射強度は、該光硬化性接着剤の組成によって適宜決定され、特に限定されないが、重合開始剤の活性化に有効な波長領域の照射強度が0.1〜6000mW/cm2であることが好ましい。該照射強度が0.1mW/cm2以上である場合、反応時間が長くなりすぎず、6000mW/cm2以下である場合、光源から輻射される熱および光硬化性接着剤の硬化時の発熱による光硬化性エポキシ樹脂の黄変や偏光フィルムの劣化を生じるおそれが少ない。光硬化性接着剤への光照射時間は、硬化させる光硬化性接着剤ごとに制御されるものであって特に限定されないが、上記の照射強度と照射時間との積として表される積算光量が10〜10000mJ/cm2となるように設定されることが好ましい。光硬化性接着剤への積算光量が10mJ/cm2以上である場合、重合開始剤由来の活性種を十分量発生させて硬化反応をより確実に進行させることができ、10000mJ/cm2以下である場合、照射時間が長くなりすぎず、良好な生産性を維持できる。なお、活性エネルギー線照射後の接着剤層の厚みは、通常0.001〜5μm程度であり、好ましくは0.01μm以上、さらに好ましくは1μm以上である。
活性エネルギー線の照射によって光硬化性接着剤を硬化させる場合、第1の偏光フィルムの偏光度、透過率および色相、ならびに第1の無配向性フィルムおよび保護フィルムの透明フィルムの透明性などの偏光板の諸機能が低下しない条件で硬化を行うことが好ましい。
(5) 第1の粘着剤層
第1のロール状偏光板を構成する第1の粘着剤層は、第1のロール状偏光板またはこれから所定形状に裁断された偏光板を液晶セルに貼合するために用いられるものである。第1の粘着剤層を形成する粘着剤としては、たとえば、アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテルなどをベースポリマーとするものが挙げられる。なかでも、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤は、光学的な透明性に優れ、適度の濡れ性や凝集力を保持し、さらに耐候性や耐熱性などに優れ、加熱や加湿の条件下でも、浮きや剥がれなどのセパレート問題が生じにくいため、好ましく用いられる。
アクリル系粘着剤を構成するアクリル系ベースポリマーには、エステル部分が、メチル基、エチル基、ブチル基、または2−エチルヘキシル基のような炭素数20以下のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルと、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルのような官能基含有(メタ)アクリル系モノマーとのアクリル系共重合体が好ましく用いられる。このようなアクリル系共重合体を含む粘着剤層は、液晶セルに貼合した後で何らかの不具合があって剥離する必要が生じた場合に、ガラス基板に糊残りなどを生じさせることなく、比較的容易に剥離することができる。粘着剤に用いるアクリル系共重合体は、そのガラス転移温度が25℃以下であることが好ましく、0℃以下であることがより好ましい。また、このアクリル系共重合体は、通常10万以上の重量平均分子量を有する。
第1の粘着剤層を形成する粘着剤として、光拡散剤が分散された拡散粘着剤を用いることもできる。光拡散剤は、粘着剤層に光拡散性を付与するためのものである。光拡散剤は、粘着剤層を構成するベースポリマーと異なる屈折率を有する微粒子であればよく、無機化合物からなる微粒子や有機化合物(ポリマー)からなる微粒子を用いることができる。上記したようなアクリル系ベースポリマーを含めて、粘着剤層を構成するベースポリマーは1.4前後の屈折率を示すことが多いので、光拡散剤は、その屈折率が1〜2程度のものから適宜選択すればよい。粘着剤層を構成するベースポリマーと光拡散剤との屈折率差は、通常0.01以上であり、適用される液晶表示装置の明るさや視認性を確保する観点からは、0.01以上0.5以下であることが好ましい。光拡散剤として用いる微粒子は、球形のもの、それも単分散に近いものが好ましく、平均粒径が2〜6μm程度の微粒子が好適に用いられる。
無機化合物からなる微粒子としては、たとえば、酸化アルミニウム(屈折率1.76)、酸化ケイ素(屈折率1.45)などを挙げることができる。また、有機化合物(ポリマー)からなる微粒子としては、たとえば、メラミン樹脂ビーズ(屈折率1.57)、ポリメタクリル酸メチルビーズ(屈折率1.49)、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体樹脂ビーズ(屈折率1.50〜1.59)、ポリカーボネートビーズ(屈折率1.55)、ポリエチレンビーズ(屈折率1.53)、ポリスチレンビーズ(屈折率1.6)、ポリ塩化ビニルビーズ(屈折率1.46)、シリコーン樹脂ビーズ(屈折率1.46)などが挙げられる。
光拡散剤の配合量は、それが分散される粘着剤層に必要とされるヘイズ値や、それが適用される液晶表示装置の明るさなどを考慮して適宜決められるが、通常、粘着剤層を構成するベースポリマー100重量部に対して3〜30重量部程度である。
光拡散剤が分散された粘着剤層のJIS K 7105 に従って測定されるヘイズ値は、適用される液晶表示装置の明るさを確保するとともに、表示像のにじみやボケを生じにくくする観点から、20〜80%の範囲とすることが好ましい。
透明な粘着剤または拡散粘着剤を構成する各成分(ベースポリマー、光拡散剤、架橋剤など)は、酢酸エチルなどの適当な溶剤に溶かして粘着剤組成物とされる。ただし、光拡散剤などの溶剤に溶けない成分は、分散された状態となる。この粘着剤組成物を第1の無配向性フィルムまたは第1の離型フィルム上に塗布し、乾燥させて、第1の粘着剤層を形成することができる。
第1の粘着剤層は、偏光板に帯電する静電気を除電するために、帯電防止性を有することが好ましい。第1のロール状偏光板は、第1の粘着剤層上に積層された第1の離型フィルムを剥離して液晶セルに貼合するときなどに、静電気を帯びることがあるが、第1の粘着剤層が帯電防止性を有していると、その静電気が速やかに除電され、液晶セルの表示回路が破壊されたり、液晶分子が配向を乱されたりすることが抑制される。
第1の粘着剤層に帯電防止性を付与する方法としては、たとえば、粘着剤組成物に、金属微粒子、金属酸化物微粒子、または金属等をコーティングした微粒子等を含有させる方法;電解質塩とオルガノポリシロキサンとからなるイオン導電性組成物を含有させる方法;有機塩系の帯電防止剤を配合する方法などが挙げられる。求められる帯電防止性の保持時間は、一般的なロール状偏光板の製造、流通および保管期間の観点から、最低6ヶ月程度である。
第1の粘着剤層は、上述の接着剤層を硬化させるため、活性エネルギー線を通す場合がある。そのため、活性エネルギー線の該当スペクトル領域に高透過率を有することが好ましい。なお、活性エネルギー線の照射により粘着剤としての諸特性が変化しないことが好ましい。
第1の粘着剤層は、たとえば、温度23℃、相対湿度65%の環境下で3〜20日程度熟成され、架橋剤の反応を十分に進行させた後、液晶セルへの貼合に供される。
第1の粘着剤層の厚さは、その接着力などに応じて適宜決定されるが、通常、1〜40μm程度である。加工性や耐久性などの特性を損なうことなく、薄型のロール状偏光板を得るためには、粘着剤層の厚さは3〜25μm程度とすることが好ましい。また、光拡散剤が分散された粘着剤層を用いる場合、第1の粘着剤層の厚さをこの範囲とすることにより、液晶表示装置を正面から見た場合や斜めから見た場合の明るさを保ち、表示像のにじみやボケを生じにくくすることができる。
(6) 第1の離型フィルム
第1の離型フィルムとしては、通常、透明基材フィルムに易剥離層を形成して、粘着剤層からの剥離性を付与したものが用いられる。透明基材フィルムとしては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフトレート、ポリエチレン、およびポリプロピレンのような熱可塑性樹脂の押出フィルム、それらを組み合わせた共押出フィルム、それらを一軸または二軸に延伸したフィルムなどが挙げられる。
第1の離型フィルムのJIS L 1096に準処して測定されるガーレ法剛軟度は、20mgf以上であることが好ましく、70mgf以上であることがより好ましい。ガーレ法剛軟度が20mgf未満であると、離型フィルムの剛性が不足であり、ハンドリング性が低下することがある。
(第2のロール状偏光板)
第2のロール状偏光板は、液晶パネルの前面側(視認側)偏光板として用いられるものであり、ヘイズ値が0.1%以上45%以下の範囲にある防眩性フィルムと、ポリビニルアルコール系樹脂からなる第2の偏光フィルムと、第2の粘着剤層と、第2の離型フィルムとをこの順に積層してなる長尺の偏光板から構成され、かつ前記第2の偏光フィルムの吸収軸が当該長尺の偏光板の長辺方向と平行な方向となり、前記液晶セルの短辺に対応する幅を有する状態でロール状に巻かれている。第2のロール状偏光板の巻き回し方向は特に制限されないが、たとえば第2の離型フィルム側が内側となるように巻き回すことができる。
上記「液晶セルの短辺に対応する幅」とは、第2のロール状偏光板が貼り合わされる液晶セルの短辺の長さに応じて適切に設定された幅を指し、液晶セルの短辺の長さと第2のロール状偏光板の幅とは必ずしも同じでなくてもよい。
第2のロール状偏光板は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる第2の偏光フィルムと、第2の粘着剤層の間に、ヘイズが0.5%以下であり、且つ面内位相差値が30nm未満である、ポリオレフィン系樹脂からなる第2の無配向性フィルムを有してもよい、このように、第2の無配向性フィルムを用いることにより、偏光板の表裏不対称性を低減させ、カールの発生が抑制される。
第2の無配向性フィルムは、JIS L 1096に準処して測定されるガーレ法剛軟度が350mgf以下であることが好ましく、200mgf以下であることがより好ましく、さらには150mgf以下であることが一層好ましい。剛軟度が小さい第2の無配向性フィルムを使用して作製された第1のロール状偏光板は、剛性が低減され、液晶セルに貼合する際のハンドリング性が向上する。さらに、第2の無配向性フィルムがポリオレフィン系樹脂からなることにより、ポリオレフィン系樹脂の光弾性係数が低いことに由来して、得られる液晶表示装置の表示域の光抜けを改善することができる。
第2の無配向性フィルムは、ポリプロピレン系樹脂フィルムまたは環状ポリオレフィン系樹脂フィルムであることが好ましい。このように、弾性率が低いポリプロピレン系樹脂フィルムまたは環状ポリオレフィン系樹脂フィルムを用いることにより、ガーレ法剛軟度が低いフィルムが得られやすく、さらにポリプロピレン系樹脂フィルムまたは環状ポリオレフィン系樹脂フィルムは透湿度が小さいため、得られる偏光板の高湿熱環境における耐久性向上を図ることができる。
第2の偏光フィルムとしては、上記第1の偏光フィルムと同様に、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させたものを用いることができる。第1の偏光フィルムと第2の偏光フィルムとは、外形(厚み等)、材質および製造方法などに関し、同じであっても異なっていてもよい。
第2の偏光フィルムとしては、上記第1の偏光フィルムと同様に、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させたものを用いることができる。第1の偏光フィルムと第2の偏光フィルムとは、外形(厚み等)、材質および製造方法などに関し、同じであっても異なっていてもよい。
第2の粘着剤層およびその上に積層される第2の離型フィルムも、それぞれ上記第1の粘着剤層、第1の離型フィルムについて説明したものを同様に用いることができる。第1と第2の粘着剤層、および第1と第2の離型フィルムは、外形(厚み等)、材質および製造方法などに関し、同じであっても異なっていてもよい。
(1) 防眩性フィルム
防眩性フィルムとしては、基材となる透明樹脂フィルムと、当該フィルム表面上に積層された微細な表面凹凸形状を有するハードコート層とを備えるものを用いることができる。透明樹脂フィルムとしては、上記透明樹脂からなる保護フィルムについて説明したものを同様に用いることができる。
防眩性フィルムのJIS K 7105 に従って測定されるヘイズ値は0.1〜45%であり、好ましくは5〜40%である。ヘイズ値が45%を超える場合には、液晶表示装置に適用したとき、外光の映り込みを低減できるものの、黒表示の画面のしまりが低下してしまう。また、ヘイズ値が0.1%未満では、十分な防眩性能が得られず、外光が画面に映り込み、実用に耐えない。
微細な表面凹凸形状を有するハードコート層は、透明樹脂フィルム表面に有機微粒子または無機微粒子を含有した塗膜を形成する方法や、有機微粒子または無機微粒子を含有する、または含有しない塗膜を形成後、該塗膜を、凹凸形状を付与したロールの凹凸表面に押し当てる方法(たとえばエンボス法等)などによって製造できるが、これらに限定されるものではない。上記塗膜を形成する方法としては、たとえば、透明樹脂フィルム表面に、硬化性樹脂からなるバインダー成分と有機微粒子または無機微粒子とを含有する塗布液を塗布する方法などを例示することができる。
無機微粒子としては、シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、アルミノシリケート、アルミナ−シリカ複合酸化物、カオリン、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム等を代表的なものとして用いることができる。また、有機微粒子としては、架橋ポリアクリル酸粒子、メタクリル酸メチル/スチレン共重合体樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子、架橋ポリメチルメタクリレート粒子、シリコーン樹脂粒子、ポリイミド粒子などの樹脂粒子を用いることができる。
バインダー成分は、高硬度(ハードコート)となる材料から選定されることが好ましい。バインダー成分としては、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などを用いることができるが、生産性、硬度などの観点から光硬化性樹脂が好ましく使用される。光硬化性樹脂としては、市販されているものを用いることができる。たとえば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多官能アクリレートの単独または2種以上と、「イルガキュアー 907」、「イルガキュアー 184」(以上、チバ社製)、「ルシリン TPO」(BASF社製)等の光重合開始剤との混合物を、光硬化性樹脂とすることができる。たとえば、光硬化性樹脂を用いた場合においては、光硬化性樹脂に無機微粒子または有機微粒子を分散した後、該樹脂組成物を透明樹脂フィルム上に塗布し、光を照射することにより、光硬化性樹脂の硬化物からなるハードコート樹脂中に無機微粒子または有機微粒子が分散されたハードコート層を形成することができる。
光硬化性樹脂のより具体的な例を挙げると、たとえば、ウレタンアクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、水酸基を2個以上含むアルキル基を有する(メタ)アクリルポリマーおよび光重合開始剤からなる混合物である。
ウレタンアクリレートは、好ましくは、(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸エステル、ポリオール、ならびにジイソシアネートを用いて調製される。たとえば、(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸エステルならびにポリオールから、水酸基を少なくとも1つ有するヒドロキシ(メタ)アクリレートを調製し、これをジイソシアネートと反応させることによってウレタンアクリレートを得ることができる。これら(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸エステル、ポリオール、ならびにジイソシアネートは、各々1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、目的に応じて各種添加剤を加えてもよい。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
ポリオールは、水酸基を少なくとも2つ有する化合物であり、たとえば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジオール、スピログリコール、トリシクロデカンメチロール、水添ビスフェノールA、エチレンオキサイド付加ビスフェノールA、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールA、トリメチロールエタン、トリジメチロールプロパン、グリセリン、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グルコース類を挙げることができる。
ジイソシアネートとしては、たとえば、芳香族、脂肪族または脂環族の各種ジイソシアネート類を使用することができる。具体例としては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3−ジメチル−4,4−ジフェニルジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、およびこれらの水添物などを挙げることができる。
ポリオール(メタ)アクリレートの具体例としては、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。さらに、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。ポリオール(メタ)アクリレートは、好ましくはペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートとを含む。これらは共重合体であってもよく、混合物であってもよい。
水酸基を2個以上含むアルキル基を有する(メタ)アクリルポリマーとしては、たとえば、2,3−ジヒドロキシプロピル基を有する(メタ)アクリルポリマーや、2−ヒドロキシエチル基および2,3−ジヒドロキシプロピル基を有する(メタ)アクリルポリマーが挙げられる。
光重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キサントン、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、その他チオキサント系化合物を挙げることができる。
上記光硬化性樹脂を含む混合物には、必要に応じて溶媒が添加される。溶媒としては、特に制限されないが、たとえば酢酸エチル、酢酸ブチルおよびこれらの混合溶媒を挙げることができる。
また、上記光硬化性樹脂を含む混合物は、レベリング剤を含有してもよく、たとえば、フッ素系またはシリコーン系のレベリング剤を挙げることができる。シリコーン系のレベリング剤としては、反応性シリコーン、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリメチルアルキルシロキサンが挙げられる。好ましくは、反応性シリコーンおよびシロキサン系のレベリング剤である。反応性シリコーンを用いることにより、ハードコート層表面に滑り性が付与され、優れた耐擦傷性を長期間持続させることができる。また、シロキサン系のレベリング剤を用いると、膜成形性を向上させることができる。
以上、例示したようなアクリル系のバインダー成分(光硬化性樹脂)を用いることにより、透明樹脂フィルムとの密着性が向上するとともに、機械的強度がより向上され、表面の傷付きをより効果的に防止できる防眩性フィルムを得ることができる。
エンボス法により微細表面凹凸形状を有するハードコート層を形成する場合には、微細凹凸形状が形成された金型を用いて、金型の凹凸形状を透明樹脂フィルム上に形成された硬化性樹脂層に転写すればよい。金型形状の硬化性樹脂層への転写は、エンボスにより行うことが好ましく、エンボスとしては、光硬化性樹脂の一種である紫外線硬化性樹脂を用いるUVエンボス法が好ましい。なお、エンボス法により微細表面凹凸形状を形成する場合には、ハードコート層は、無機または有機微粒子を含有していてもよく、含有していなくてもよい。
UVエンボス法では、透明樹脂フィルムの表面に紫外線硬化性樹脂層を形成し、その紫外線硬化性樹脂層を金型の凹凸面に押し付けながら硬化させることで、金型の凹凸面が紫外線硬化性樹脂層に転写される。具体的には、透明樹脂フィルム上に紫外線硬化性樹脂を含む塗布液を塗布し、形成された紫外線硬化性樹脂層を金型の凹凸面に密着させた状態で、透明樹脂フィルム側から紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂を硬化させ、次に、硬化後の紫外線硬化性樹脂層が形成された透明樹脂フィルムを金型から剥離することにより、金型の形状を紫外線硬化性樹脂に転写する。紫外線硬化性樹脂の種類は特に制限されず、たとえば上記したものを用いることができる。また、紫外線硬化性樹脂の代わりに、光開始剤を適宜選定することにより、紫外線より波長の長い可視光で硬化が可能な可視光硬化性樹脂を用いてもよい。
ハードコート層の厚みは、たとえば2〜30μmであり、好ましくは3〜30μmである。ハードコート層の厚みが2μm未満であると、十分な硬度が得られず、表面が傷付きやすくなる傾向にあり、また、30μmより厚くなると、割れやすくなったり、ハードコート層の硬化収縮により防眩性フィルムがカールして生産性が低下したりする傾向がある。
防眩性フィルムは、ハードコート層によりヘイズが付与されることが好ましいが、ハードコート層の形成とともに、透明樹脂フィルム中に無機または有機微粒子を分散させることによりヘイズを付与してもよい。また、防眩性フィルムとして、ハードコート層を有さず、無機または有機微粒子が分散された透明樹脂フィルムを用いることも可能である。これらの場合、無機または有機微粒子としては、上記したものを用いることができる。また、無機または有機微粒子が分散された透明樹脂フィルムの厚みは、20〜200μm程度とすることが好ましく、20〜120μm程度とすることがより好ましい。
透明樹脂フィルムには、防眩処理(ヘイズ付与処理)のほか、帯電防止処理などの表面処理が施されていてもよく、液晶性化合物やその高分子量化合物などからなるコート層が形成されていてもよい。ただし、帯電防止機能は、透明樹脂フィルムの代わりに、またはこれとともに、粘着剤層や接着剤層などのロール状偏光板の他の部分に付与してもよい。
第2の偏光フィルムに防眩性フィルムおよび/または第2の無配向性フィルムを積層する方法については、第1の偏光板について記述した方法を同様に採用することができる。第2の偏光フィルムの両面に接着剤を用いる場合は、両面同種の接着剤を用いてもよく、また異種の接着剤を用いてもよい。また、第1の偏光板の作製に使用される接着剤と第2の偏光板の作製に使用される接着剤は、同じであっても、異なっていてもよい。
以上のような第1のロール状偏光板と第2のロール状偏光板は、ロール状偏光板のセットとしてロール・ツゥー・セル方式の貼合工程(ロール状の偏光板を液晶セルに貼合していく工程)に供される。このように、前記のロール状偏光板のセットを用いて、各々のロール状偏光板を液晶セルの長辺および短辺に対応する長さで切断するだけで、液晶セルに対応するサイズを有する偏光板を得ることができる。その際、2つのロール状偏光板はいずれも長手方向に吸収軸を有するため、貼り合わせによる軸精度が向上し、それに伴って、光漏れが低減され、正面コントラストなどの表示性能も向上した液晶パネルとすることができる。
<ロール状偏光板のセットの製造方法>
本発明のロール状偏光板のセットは、以下の工程(a)〜(c)を備える第1のロール状偏光板製造工程と、以下の工程(d)〜(f)を備える第2のロール状偏光板製造工程とを含む方法によって好適に作製することができる。
(第1のロール状偏光板製造工程)
(a)透明樹脂からなる保護フィルムと、第1の偏光フィルムと、第1の粘着剤層と、第1の離型フィルムとをこの順に、かつ第1の偏光フィルムの吸収軸が長辺方向(第1の偏光板長尺原反の長辺方向)と平行な方向となるように積層して第1の偏光板長尺原反を作製する第1原反作製工程、
(b)第1原反作製工程で得られる第1の偏光板長尺原反を液晶セルの長辺に対応する幅となるように切断して長尺の偏光板を得る第1スリット工程、
(c)第1スリット工程で得られる長尺の偏光板をロール状に巻き取る第1偏光板巻き取り工程。
(第2のロール状偏光板製造工程)
(d)防眩性フィルムと、第2の偏光フィルムと、第2の粘着剤層と、第2の離型フィルムとをこの順に、かつ第2の偏光フィルムの吸収軸が長辺方向(第2の偏光板長尺原反の長辺方向)と平行な方向となるように積層して第2の偏光板長尺原反を作製する第2原反作製工程、
(e)第2原反作製工程で得られる第2の偏光板長尺原反を液晶セルの短辺に対応する幅となるように切断して長尺の偏光板を得る第2スリット工程、
(f)第2スリット工程で得られる長尺の偏光板をロール状に巻き取る第2偏光板巻き取り工程。
第1のロール状偏光板が前記第1の無配向性フィルムを有する場合、第1のロール状偏光板原反は、防眩性フィルム、第1の偏光フィルム、第1の無配向性フィルムと第1の粘着剤層と第1の離型フィルムとをこの順に積層してなる長尺の偏光板から構成される。
第2のロール状偏光板が前記第2の無配向性フィルムを有する場合、第2のロール状偏光板原反は、防眩性フィルム、第2の偏光フィルム、第2の無配向性フィルムと第2の粘着剤層と第2の離型フィルムとをこの順に積層してなる長尺の偏光板から構成される。
第1原反作製工程(a)および第2原反作製工程(d)で行われる各種フィルム(粘着剤層を含む)の貼合、積層は、同時に行ってもよいし、逐次的に行ってもよい。これらのフィルムの貼合、積層は、たとえば、ロール状のフィルムを用いたロール・ツゥー・ロール方式で行うことができる。
第1のロール状偏光板原反は、前記第1スリット工程において、第1の偏光フィルムの吸収軸に平行に(第1の偏光板長尺原反の長辺方向に平行に)前記液晶セルの短辺に対応する幅でスリット加工され、第2のロール状偏光板原反は、前記第2スリット工程において、第2の偏光フィルムの吸収軸に平行に(第2の偏光板長尺原反の長辺方向に平行に)前記液晶セルの短辺に対応する幅でスリット加工される。なお、「液晶セルの短辺または長辺に対応する幅」については上述のとおりである。
第1スリット工程(b)およびそれに続く第1偏光板巻き取り工程(c)においては、ロール状に巻き取られた第1偏光板長尺原反を巻き出してスリットしながら、スリットされた長尺の偏光板をロール状に巻き取る方法、第1原反作製工程で得られるロール状に巻き取られていない第1の偏光板長尺原反を巻き取ることなくスリットし、スリットされた長尺の偏光板をロール状に巻き取る方法があり、いずれも採用できる。第2スリット工程(e)およびそれに続く第2偏光板巻き取り工程(f)についても同様である。第1偏光板巻き取り工程(c)および第2偏光板巻き取り工程(f)におけるスリットされた長尺の偏光板の巻き取り方向は特に制限されないが、たとえば第1および第2の離型フィルム側が内側となるように巻き取ることができる。
第1のロール状偏光板製造工程と第2のロール状偏光板製造工程の順序は特に制限されず、同時に並行して行ってもよいし、逐次的に行ってもよい。
本発明のロール状偏光板のセットの製造方法によれば、第1のロール状偏光板は液晶セルの長辺に対応する幅でスリット加工され、第2のロール状偏光板は液晶セルの短辺に対応する幅でスリット加工されるため、これらをロール状偏光板としてセットで用いることにより、それぞれを液晶セルの短辺、長辺に対応する長さに切断するだけで、液晶セルに対応するサイズを有する偏光板を得ることができる。また、第1および第2のロール状偏光板は、その長辺方向に吸収軸を有するため、偏光板と液晶セルとの貼合時における軸精度が良くなり、光漏れが顕著に低減され、正面コントラストなどの表示性能に優れる液晶パネルを得ることができる。さらに、得られるロール状偏光板のセットにおいては、一方のロール状偏光板の吸収軸は液晶セルの長辺に平行となり、他方のロール状偏光板の吸収軸は液晶セルの短辺に平行となるため、両方のロール状偏光板(またはこれを所定形状に裁断して得られる偏光板)の長辺方向が液晶パネル製造工程における液晶セルの搬送方向と平行になるようにして液晶セルとの貼合を行うだけで、それぞれの偏光板の吸収軸を互いに直交させることができる。
<液晶パネルの製造方法>
本発明は、上記ロール状偏光板のセットを用い、液晶セルの背面側に第1の偏光板(第1のロール状偏光板から所定形状に裁断された偏光板)を貼合し、液晶セルの視認側に第2の偏光板(第2のロール状偏光板から所定形状に裁断された偏光板)を貼合して液晶パネルを製造する方法を提供する。本発明の液晶パネルの製造方法は、液晶セルを、その短辺方向が流れ方向となるように搬送する液晶セルの第1搬送工程;下記工程(A)〜(D)を備える第1偏光板供給貼合工程;液晶セルを、その長辺方向が流れ方向となるように搬送する液晶セルの第2搬送工程;および、下記工程(E)〜(H)を備える第2偏光板供給貼合工程を含むことを特徴とする。これにより、液晶セルの一方の面に第1の偏光板が積層され、他方の面には第2の偏光板が積層された液晶パネルが得られる。
(第1偏光板供給貼合工程)
(A) 第1偏光板巻き出し工程: 第1のロール状偏光板から長尺の偏光板を、前記液晶セルの第1搬送工程で供給される前記液晶セルの背面側に向かうように巻き出す。
(B) 第1偏光板裁断工程: 前記第1偏光板巻き出し工程で巻き出された後の長尺の偏光板を前記液晶セルの短辺に対応する長さに裁断して、第1の偏光板を得る。
(C) 第1偏光板位置合わせ工程: 前記第1偏光板巻き出し工程で巻き出された長尺の偏光板または前記第1偏光板裁断工程で裁断された偏光板(第1の偏光板)を、前記液晶セルの第1搬送工程で搬送される液晶セルの貼合されるべき位置に合わせる。
(D) 第1偏光板貼合工程: 前記第1偏光板位置合わせ工程を経た後の長尺の偏光板または裁断された偏光板(第1の偏光板)を前記液晶セルの第1搬送工程で搬送される前記液晶セルの背面側に貼り合わせる。
(第2偏光板供給貼合工程)
(E) 第2偏光板巻き出し工程: 第2のロール状偏光板から長尺の偏光板を、前記液晶セルの第2搬送工程で搬送される前記液晶セルの視認側に向かうように巻き出す。
(F) 第2偏光板裁断工程: 前記第2偏光板巻き出し工程で巻き出された後の長尺の偏光板を前記液晶セルの長辺に対応する長さに裁断して、第2の偏光板を得る。
(G) 第2偏光板位置合わせ工程: 前記第2偏光板巻き出し工程で巻き出された長尺の偏光板または前記第2偏光板裁断工程で裁断された偏光板(第2の偏光板)を、前記液晶セルの第2搬送工程で搬送される液晶セルの貼合されるべき位置に合わせる。
(H) 第2偏光板貼合工程: 前記第2偏光板位置合わせ工程を経た後の長尺の偏光板または裁断された偏光板(第2の偏光板)を前記液晶セルの第2搬送工程で搬送される前記液晶セルの視認側に貼り合わせる。
図1は、本発明の液晶パネルの製造方法の一例を示す概略図であり、具体的には、第1搬送工程および第1偏光板供給貼合工程、ならびにこれらの工程の実施に好適に用いることができる装置の概略を示したものである。図1に示されるように、液晶セル40の背面側への第1の偏光板20の貼合は、ベルトコンベヤー等を用いた液晶セル40の第1搬送工程64;巻き出し用ロール等を用いて、第1のロール状偏光板71から長尺の偏光板72を巻き出す(A)第1偏光板巻き出し工程60;巻き出された長尺の偏光板72を、切断手段62aを用いて、液晶セル40の短辺に対応する長さに裁断して、第1の偏光板20を得る(B)第1偏光板裁断工程62;巻き出された長尺の偏光板72または第1偏光板裁断工程62で裁断して得られた第1の偏光板20を、センサ61a等を用いた位置制御により、搬送された液晶セル40の貼合されるべき位置に合わせる(C)第1偏光板位置合わせ工程61;第1偏光板位置合わせ工程61を経た後の長尺の偏光板72または裁断して得られた第1の偏光板20を、貼合ロール63a等を用いて、搬送された液晶セル40の背面側に貼り合わせる(D)第1偏光板貼合工程63を経て行われ、これにより片面に第1の偏光板20が貼合された液晶セル41が得られる。
(B)第1偏光板裁断工程62で用いる切断手段62aとしては、たとえば、レーザー、切断刃、その他の公知の切断手段を用いることができる。なお、当該裁断工程においては、図1に示されるように、長尺の偏光板72の最表面に配置される第1の離型フィルム80を裁断することなく他各層のみを裁断する、いわゆる「ハーフカット」を行うことが好ましい。これにより、第1の離型フィルム80を、所定形状に裁断された第1の偏光板20の搬送媒体として利用することができる。また、この際、第1の離型フィルム80に適度な張力をかけることにより、所定形状に裁断された第1の偏光板20のカール発生を抑制することができる。
ただし、図2に示されるように、所定形状に裁断された第1の偏光板20の搬送媒体として、別途、離型フィルム回収用フィルム76を用いる場合には、「ハーフカット」ではなく、長尺の偏光板72を構成するすべての層を切断してもよい。この場合、後述する離型フィルム回収工程65においては、裁断された偏光板から剥離された第1の離型フィルム80ごと離型フィルム回収用フィルム76が回収される。離型フィルム回収用フィルム76としては、第1の離型フィルム80に対して粘着性を有するフィルムが用いられる。
(C)第1偏光板位置合わせ工程61においては、センサ61aによって得られる長尺の偏光板72または第1の偏光板20と液晶セル40との相対的位置関係情報に基づいて、長尺の偏光板72または第1の偏光板20を固定し、液晶セル40の位置を調整して位置合わせを行ってもよいし、液晶セル40を固定し、長尺の偏光板72または第1の偏光板20の位置を調整して位置合わせを行ってもよい。後者の場合、ハンドリング性の観点から、(B)第1偏光板裁断工程62を(C)第1偏光板位置合わせ工程61の前に行い、所定形状に裁断された第1の偏光板20の状態で位置合わせを行うことが好ましい。
(D)第1偏光板貼合工程63において、長尺の偏光板72または裁断して得られた第1の偏光板20の液晶セル40への貼合は、図1に示されるように、離型フィルム剥離装置81を用いて、位置合わせされた長尺の偏光板72または第1の偏光板20から第1の離型フィルム80を剥離した後(離型フィルム回収工程65)、露出した第1の粘着剤層側で液晶セル40上に積層し、貼合ロール63aを用いて押し付けることにより行うことができる。離型フィルム回収工程65は、剥離した第1の離型フィルム80を巻き取る工程を含む。
ここで、(A)第1偏光板巻き出し工程60に続く、(B)第1偏光板裁断工程62、(C)第1偏光板位置合わせ工程61および(D)第1偏光板貼合工程63の順序は特に制限されず、たとえば、(B)→(C)→(D)の順、または(C)→(B)→(D)の順に行うことができる。あるいは、図3に示されるように、(C)→(D)→(B)の順に行うこともできる。このような順序で行う装置においては、図3に示されるように、センサ61a、切断手段62aおよび貼合ロール63a等は、必要に応じて、その伸縮により各構成部品の装置における位置を移動させることができる伸縮部75を備えることができる。各構成部品が固定式であり、いずれかの工程を行うためのスペースが確保できない場合であっても、伸縮部75を設けることにより、工程終了後に構成部品の位置を移動させることが可能になるため、次工程を行うためのスペースを確保することができる。
ハンドリング性の観点からは、(B)第1偏光板裁断工程62を(C)第1偏光板位置合わせ工程61の前に行い、所定形状に裁断された第1の偏光板20の状態で位置合わせを行うことが好ましい。
(B)→(C)→(D)の順に行う場合、工程(B)における長尺の偏光板72の裁断と、工程(C)における位置合わせのタイミングは特に制限されず、図1に示されるように、工程(C)の直前に工程(B)の位置合わせを行うようにしてもよいし、あるいは図4に示されるように、工程(B)と(C)との間に一定のインターバルを設けるようにしてもよい。後者の場合、裁断時に偏光板の位置ズレが生じることによって、工程(C)における位置合わせ精度が低下することを防止することができる。
液晶セル40の視認側への第2の偏光板30(図1において図示せず)の貼合(第2偏光板供給貼合工程)も、液晶セル40への上記第1の偏光板20の貼合(第1偏光板供給貼合工程)と同様にして行うことができる。なお、図1〜4および後述する図5〜6は、液晶セル40にまず第1の偏光板20を貼合する例を示しているが、第2の偏光板30を貼合した後、第1の偏光板20を貼合するようにしても、もちろんよい。
図5は、本発明の液晶パネルの製造方法の一例を示す概略図であり、具体的には、液晶セル40の背面側に第1の偏光板20を貼合して、片面に第1の偏光板20を備える液晶セル94を得た後、液晶セル40の視認側に第2の偏光板30を貼合して液晶パネル96を作製する場合の一例を示したものである。図5において、(A)第1偏光板巻き出し工程60および(E)第2偏光板巻き出し工程60’は、(A)第1偏光板巻き出し工程60で第1のロール状偏光板71から巻き出された長尺の偏光板72の流れ方向と、(E)第2偏光板巻き出し工程60’で第2のロール状偏光板71’から巻き出された長尺の偏光板72’の流れ方向とが直交するようになっている。これらの流れ方向が直交していると、必然的に液晶セルの両面に貼合される偏光板の吸収軸も互いに直交した状態となるため、後述する図6に示される方法において必要とされる液晶セルの旋回工程92を省略し、上下反転工程91のみを介して第1偏光板供給貼合工程と第2偏光板供給貼合工程とを連続的に行うことが可能となり、生産効率を向上させることができる。なお、第1偏光板供給貼合工程と第2偏光板供給貼合工程とは、同じ場所で行ってもよいし、異なる場所で行ってもよい。
また、(A)第1偏光板巻き出し工程60および(E)第2偏光板巻き出し工程60’は、図6に示されるように、(A)第1偏光板巻き出し工程60で第1のロール状偏光板71から巻き出された長尺の偏光板72の流れ方向と、(E)第2偏光板巻き出し工程60’で第2のロール状偏光板71’から巻き出された長尺の偏光板72’の流れ方向とが平行になるように行われてもよい。このような場合においては、通常、図6に示されるように、上下反転工程91を経た、片面に第1の偏光板20を備える液晶セル94を、次の第2偏光板供給貼合工程の流れ方向に旋回させる旋回工程92が設けられる。図6で示されるように、省スペースの観点から、第1偏光板供給貼合工程の工程ラインと第2偏光板供給貼合工程の工程ラインとは上下に配置されることが好ましい。
なお、上記いずれの液晶パネルの製造方法においても、(A)第1偏光板巻き出し工程60および(E)第2偏光板巻き出し工程60’での長尺の偏光板72、72’の供給を液晶セル40の両側から行うことにより、上下反転工程91を省略することが可能となる。図5および図6には、第1偏光板巻き出し工程60で巻き出される長尺の偏光板72および第2偏光板巻き出し工程60’で巻き出される長尺の偏光板72’が、ともに液晶セル40,94の上側から供給され、貼合される形態を示したが、上下を逆転させ、長尺の偏光板72,72’がそれぞれ、液晶セル40,94の下側から供給され、貼合されるようにすることも、もちろん可能である。
上記(A)〜(H)のいずれかの工程の前もしくは後、またはこれらのいずれかの工程と並行して、偏光板の欠点検査工程を設けてもよい。欠点検査方法としては特に制限されず、たとえば、偏光板の両面に対して透過光または反射光を照射して画像撮影を行い、得られた画像から欠点を検出する方法、検査用偏光板をCCDカメラと検査対象物との間に、検査対象である偏光板の吸収軸とクロスニコルとなるように配置(0度クロスと称することがある)して画像撮影を行い、得られた画像から欠点を検出する方法、検査用偏光板をCCDカメラと検査対象物との間に、検査対象である偏光板の吸収軸に対して検査用偏光板の吸収軸が所定角度(たとえば、0度より大きく10度以内の範囲)になるように配置(x度クロスと称することがある)して画像撮影を行い、得られた画像から欠点を検出する方法が挙げられる。なお、得られた画像から欠点を検出する際の画像処理のアルゴリズムは公知の方法を適用でき、たとえば二値化処理による濃淡判定によって欠点を検出することができる。
上記のうち、透過光を照射して画像撮影を行う方法では、偏光板内部の異物を検出できる。反射光を照射して画像撮影を行う方法では、偏光板表面に付着した異物を検出できる。0度クロスで検査用偏光板を配置し、画像撮影を行う方法では、主に、表面に付着した異物または汚れ、および内部の異物等を輝点として検出できる。x度クロスで検査用偏光板を配置し、画像撮影を行う方法では、主に、偏光フィルムと、保護フィルム/防眩性フィルム/二軸性位相差フィルム/無配向性フィルムとの界面において生じる局所的な凹凸欠陥、いわゆるクニックを検出することができる。
上記欠点検査工程を設ける場合には、欠点検査工程で得られた欠点の情報に基づいて、裁断工程(工程(B)および(F)、位置合わせ工程(工程(C)および(G))または貼合工程(工程(D)および(H))において、液晶セルに貼合される偏光板領域内に欠点を含まないように、欠点を避けて切断、位置合わせまたは貼合されることが好ましい。また、歩留まりの観点からは、欠点検査工程は、好ましくは第1、第2偏光板貼合工程(D)、(H)より前に行われて、欠点部分を排除することが好ましい。
また、本発明の液晶パネルの製造方法においては、液晶セルの両面に偏光板を貼合した後、液晶パネルを検査する液晶パネルの欠点検査工程を含むことが好ましい。欠点検査方法としては、液晶パネルの両面に対して反射光を照射して画像撮影を行い、得られた画像から欠点を検出する方法が例示される。また、他の方法として、検査用偏光板をCCDカメラと検査対象物との間に設置する方法も例示される。なお、得られた画像から欠点を検出する際の画像処理のアルゴリズムは公知の方法を適用でき、たとえば二値化処理による濃淡判定によって欠点を検出することができる。
さらに、上記液晶パネルの欠点検査工程で得られた欠点の情報に基づいて、液晶パネルの良品判定がなされる判定工程を設けてもよい。良品判定された液晶パネルは、次工程である液晶表示装置への実装工程に供される。一方、不良品判定された場合には、リワーク処理(液晶セルから偏光板を剥がす工程)が施され、新たに偏光板が貼合され、次いで検査される。良品判定の場合、実装工程に移行し、不良品判定の場合、再度リワーク処理に移行するかあるいは廃棄処分される。
以上に示した本発明の液晶パネルの製造方法は、第1偏光板供給貼合工程と第2偏光板供給貼合工程とを連続した製造ラインで実施することができ、製造効率に優れる。本発明の液晶パネルの製造方法に含まれる各工程は、高品質の液晶パネルを得るために、清浄度の高い隔離構造内部で行うことが好ましい。
本発明の液晶パネルの製造方法に用いられる液晶セルは、IPSモード、またはブルー相の液晶を用いた液晶駆動モードの液晶セルであることが好ましい。IPSモード、またはブルー相の液晶を用いた液晶駆動モードの液晶セルが使用される場合には、通常、偏光板の吸収軸は、互いに直交でありかつ矩形の液晶パネルの辺の方向と平行なので、吸収軸に平行にスリット加工した第1および第2のロール状偏光板を繰り出し、幅方向に切断するだけでよく、生産速度を高くすることができる。また、ブルー相の液晶を用いた液晶セルの場合、暗状態の視野角依存性が原理的になく、そのため配向膜が不要となるので、本発明に係る偏光板のセットを用いた液晶パネルに好適である。
<液晶パネルおよび液晶表示装置>
図7は、本発明の製造方法で製造した液晶パネルの一つである液晶パネルの基本的な層構成の一例を示す概略断面図である。図7に示される液晶パネルは、バックライト10、光拡散板50、および、液晶セル40と、液晶セル40の一方の面に貼付された背面側偏光板としての第1のロール状偏光板からの第1の定形の偏光板20と、液晶セル40の他方の面に貼付された前面側偏光板としての第2のロール状偏光板からの第2の定形の偏光板30とからなる液晶パネルをこの順で配置してなる。第1の定形の偏光板20は、第1の偏光フィルム21を、第1の無配向性フィルム23と保護フィルム25とで挟持した構成を有しており、第1の無配向性フィルム23が液晶セル40に対向するように、第1の粘着剤層27を介して液晶セル40に貼合されている。また、第2のロール状偏光板からの第2の定形の偏光板30は、第2の偏光フィルム31を、第2の無配向性フィルム33と防眩性フィルム34とで挟持した構成を有しており、第2の無配向性フィルム33が液晶セル40に対向するように、第2の粘着剤層37を介して液晶セル40に貼合されている。この例において、防眩性フィルム34は、透明樹脂フィルム35と、その上に積層された表面に微細な凹凸形状を有するハードコート層36とから構成されている。図1に示される本発明の液晶表示装置において、液晶パネルは、背面側偏光板である第1のロール状偏光板からの第1の定形の偏光板20がバックライト側となるように、すなわち、保護フィルム25が光拡散板50と対向するように配置される。
ここで、第1の偏光板20は、第2の偏光フィルム21と液晶セル40の間に介在する第1の無配向性フィルム23を有していなくてもよい。また、第2の偏光板30は、第2の偏光フィルム31と液晶セル40の間に介在する第2の無配向性フィルム33をを有していなくてもよい。
本発明では、ロール状偏光板から引き出した長尺状の偏光板を、枚葉に切り出さず、液晶パネルの製造工程に供することにより、偏光板が表裏非対称な構成でも、カールが生じにくくなり、第1のロール状偏光板から所定形状に裁断された第1の偏光板20、および、第2のロール状偏光板から所定形状に裁断された第2の偏光板30を液晶セル40と貼合する際に気泡や異物の噛み込みなどの不具合が生じにくい。また、ロール状偏光板のセットを用い、ロール・ツゥー・セル方式で第1の偏光板20および第2の偏光板30を液晶セル40に貼合するため、得られる液晶パネルは、偏光板と液晶セル40との貼合の軸精度に優れるとともに、装置内の汚染などに起因する欠点の発生を抑制することができ、これにより光漏れが顕著に低減され、正面コントラストなどの表示性能も格段に向上した液晶表示装置を得ることができる。さらに、第1のロール状偏光板における第1の偏光フィルムと第1の粘着剤層との間に、および/または、第2のロール状偏光板における第2の偏光フィルムと第2の粘着剤層との間に、ポリオレフィン系樹脂からなる無配向性フィルムを配置すれば、ポリオレフィン系樹脂が低い透湿度を有することに起因して、得られる液晶パネルおよび液晶表示装置は、耐湿熱性に優れたものとなる。
光拡散板50は、バックライト10からの光を拡散させる機能を有する光学部材であって、たとえば、熱可塑性樹脂に光拡散剤である粒子を分散させて光拡散性を付与したもの、熱可塑性樹脂フィルムの表面に凹凸を形成して光拡散性を付与したもの、熱可塑性樹脂フィルムの表面に粒子が分散された樹脂組成物の塗布層を設け、光拡散性を付与したものなどであり得る。その厚みは、0.1〜5mm程度とすることができる。
光拡散板50と液晶パネル96との間には、プリズムシート(集光シートとも呼ばれ、たとえば、3M社製の「BEF」などが該当する)、輝度向上シート(先に説明した反射型偏光フィルムと同じものである(「DBEF」など))、光拡散シートなど、他の光学機能性を示すシートまたはフィルムを配置することもできる。他の光学機能性を示すシートまたはフィルムは、必要に応じて2枚以上、複数種類配置することも可能である。さらに、光拡散板50として、たとえば、シリンドリカルな形状を表面に有するプリズムシートと光拡散板との積層一体品(たとえば、特開2006−284697号公報に記載されるもの)のような、光拡散機能に他の機能が複合化された光学シートを用いることも可能である。
10 バックライト、
20 第1の偏光板、
21 第1の偏光フィルム、
23 第1の無配向性フィルム、
25 透明樹脂からなる保護フィルム、
27 第1の粘着剤層、
30 第2の偏光板、
31 第2の偏光フィルム、
33 第2の無配向性フィルム、
34 防眩性フィルム、
35 透明樹脂フィルム、
36 ハードコート層、
37 第2の粘着剤層、
40 液晶セル、
41 片面に第1の偏光板が貼合された液晶セル、
50 光拡散板、
60 第1偏光板巻き出し工程、
60’ 第2偏光板巻き出し工程、
61 第1偏光板位置合わせ工程、
61’ 第2偏光板位置合わせ工程、
61a センサ、
62 第1偏光板裁断工程、
62’ 第2偏光板裁断工程、
62a 切断手段、
63 第1偏光板貼合工程、
63’ 第2偏光板貼合工程、
63a 貼合ロール、
64 液晶セルの第1搬送工程、
64’ 液晶セルの第2搬送工程、
65、65’ 離型フィルム回収工程、
71 第1のロール状偏光板、
71’ 第2のロール状偏光板、
72 第1のロール状偏光板から巻き出された長尺の偏光板、
72’ 第2のロール状偏光板から巻き出された長尺の偏光板、
75 伸縮部、
76 離型フィルム回収用フィルム、
80 第1の離型フィルム、
81 離型フィルム剥離装置、
91 上下反転工程、
92 旋回工程、
94 片面に第1の偏光板を備える液晶セル、
96 液晶パネル。

Claims (7)

  1. 液晶セルの背面側に貼合するための第1のロール状偏光板と、前記液晶セルの視認側に貼合するための第2のロール状偏光板とからなるロール状偏光板のセットであって;
    前記第1のロール状偏光板は、
    透明樹脂からなる保護フィルムと、
    ポリビニルアルコール系樹脂からなる第1の偏光フィルムと、
    第1の粘着剤層と、
    第1の離型フィルムと、
    をこの順に積層してなる長尺の偏光板から構成され、かつ
    前記第1の偏光フィルムの吸収軸が前記長尺の偏光板の長辺方向と平行な方向となり、前記液晶セルの長辺に対応する幅を有する状態でロール状に巻かれており;
    前記第2のロール状偏光板は、
    ヘイズ値が0.1%以上45%以下の範囲にある防眩性フィルムと、
    ポリビニルアルコール系樹脂からなる第2の偏光フィルムと、
    第2の粘着剤層と、
    第2の離型フィルムと、
    をこの順に積層してなる長尺の偏光板から構成され、かつ
    前記第2の偏光フィルムの吸収軸が前記長尺の偏光板の長辺方向と平行な方向となり、前記液晶セルの短辺に対応する幅を有する状態でロール状に巻かれている、
    ロール状偏光板のセット。
  2. 前記第1のロール状偏光板は、前記ポリビニルアルコール系樹脂からなる第1の偏光フィルムと、前記第1の粘着剤層との間に、ヘイズが0.5%以下であり、且つ面内位相差値が30nm未満である、ポリオレフィン系樹脂からなる第1の無配向性フィルムを有する、請求項1に記載のロール状偏光板のセット。
  3. 前記第2のロール状偏光板は、前記ポリビニルアルコール系樹脂からなる第2の偏光フィルムと、前記第2の粘着剤層の間に、ヘイズが0.5%以下であり、且つ面内位相差値が30nm未満である、ポリオレフィン系樹脂からなる第2の無配向性フィルムを有する、請求項1または2に記載のロール状偏光板のセット。
  4. 液晶セルの背面側に貼合するための第1のロール状偏光板と、前記液晶セルの視認側に貼合するための第2のロール状偏光板とからなるロール状偏光板のセットを製造する方法であって;
    透明樹脂からなる保護フィルムと、ポリビニルアルコール系樹脂からなる第1の偏光フィルムと、第1の粘着剤層と、第1の離型フィルムとをこの順に、かつ前記第1の偏光フィルムの吸収軸が長辺方向と平行な方向となるように積層して第1の偏光板長尺原反を作製する第1原反作製工程と、
    前記第1原反作製工程で得られる第1の偏光板長尺原反を前記液晶セルの長辺に対応する幅となるように切断する第1スリット工程と、
    前記第1スリット工程で得られる長尺の偏光板をロール状に巻き取る第1偏光板巻き取り工程と、を備える第1のロール状偏光板製造工程;および
    ヘイズ値が0.1%以上45%以下の範囲にある防眩性フィルムと、ポリビニルアルコール系樹脂からなる第2の偏光フィルムと、第2の粘着剤層と、第2の離型フィルムとをこの順に、かつ前記第2の偏光フィルムの吸収軸が長辺方向と平行な方向となるように積層して第2の偏光板長尺原反を作製する第2原反作製工程と、
    前記第2原反作製工程で得られる第2の偏光板長尺原反を前記液晶セルの短辺に対応する幅となるように切断する第2スリット工程と、
    前記第2スリット工程で得られる長尺の偏光板をロール状に巻き取る第2偏光板巻き取り工程と、を備える第2のロール状偏光板製造工程
    を含む、ロール状偏光板のセットの製造方法。
  5. 液晶セルの背面側に第1の偏光板を貼合し、前記液晶セルの視認側に第2の偏光板を貼合して、液晶パネルを製造する方法であって;
    前記液晶セルを、その短辺方向が流れ方向となるように搬送する液晶セルの第1搬送工程;
    請求項1〜3のいずれかに記載のロール状偏光板のセットのうち、第1のロール状偏光板から長尺の偏光板を、前記液晶セルの第1搬送工程で供給される前記液晶セルの背面側に向かうように巻き出す第1偏光板巻き出し工程と、
    前記第1偏光板巻き出し工程で巻き出された後の長尺の偏光板を前記液晶セルの短辺に対応する長さに裁断する第1偏光板裁断工程と、
    前記第1偏光板巻き出し工程で巻き出された長尺の偏光板または前記第1偏光板裁断工程で裁断された偏光板を、前記液晶セルの第1搬送工程で搬送される液晶セルの貼合されるべき位置に合わせる第1偏光板位置合わせ工程と、
    前記第1偏光板位置合わせ工程を経た後の長尺の偏光板または裁断された偏光板を前記液晶セルの第1搬送工程で搬送される前記液晶セルの背面側に貼り合わせる第1偏光板貼合工程と、を備え、かつ
    前記第1偏光板巻き出し工程が最初に行われ、その後、前記第1偏光板裁断工程、前記第1偏光板位置合わせ工程、および前記第1偏光板貼合工程の順、または、前記第1偏光板位置合わせ工程、前記第1偏光板裁断工程、および前記第1偏光板貼合工程の順、または前記第1偏光板位置合わせ工程、前記第1偏光板貼合工程、および前記第1偏光板裁断工程の順に行われる第1偏光板供給貼合工程;
    前記液晶セルを、その長辺方向が流れ方向となるように搬送する液晶セルの第2搬送工程;および
    請求項1〜3のいずれかに記載のロール状偏光板のセットのうち、第2のロール状偏光板から長尺の偏光板を、前記液晶セルの第2搬送工程で搬送される前記液晶セルの視認側に向かうように巻き出す第2偏光板巻き出し工程と、
    前記第2偏光板巻き出し工程で巻き出された後の長尺の偏光板を前記液晶セルの長辺に対応する長さに裁断する第2偏光板裁断工程と、
    前記第2偏光板巻き出し工程で巻き出された長尺の偏光板または前記第2偏光板裁断工程で裁断された偏光板を、前記液晶セルの第2搬送工程で搬送される液晶セルの貼合されるべき位置に合わせる第2偏光板位置合わせ工程と、
    前記第2偏光板位置合わせ工程を経た後の長尺の偏光板または裁断された偏光板を前記液晶セルの第2搬送工程で搬送される前記液晶セルの視認側に貼り合わせる第2偏光板貼合工程と、を備え、かつ
    前記第2偏光板巻き出し工程が最初に行われ、その後、前記第2偏光板裁断工程、前記第2偏光板位置合わせ工程、および前記第2偏光板貼合工程の順、または、前記第2偏光板位置合わせ工程、前記第2偏光板裁断工程、および前記第2偏光板貼合工程の順、前記第2偏光板位置合わせ工程、前記第2偏光板貼合工程、および前記第2偏光板裁断工程の順に行われる第2偏光板供給貼合工程
    を含む、液晶パネルの製造方法。
  6. 前記第1偏光板巻き出し工程および前記第2偏光板巻き出し工程は、前記第1偏光板巻き出し工程で第1のロール状偏光板から巻き出された長尺の偏光板の流れ方向と、前記第2偏光板巻き出し工程で第2のロール状偏光板から巻き出された長尺の偏光板の流れ方向とが直交するように行われる、請求項5に記載の液晶パネルの製造方法。
  7. 前記液晶セルは、IPSモードの液晶セル、またはブルー相の液晶を用いた液晶駆動モードの液晶セルである、請求項5または6に記載の液晶パネルの製造方法。
JP2010114104A 2010-05-18 2010-05-18 ロール状偏光板のセットおよびその製造方法、並びに液晶パネルの製造方法 Withdrawn JP2011242579A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010114104A JP2011242579A (ja) 2010-05-18 2010-05-18 ロール状偏光板のセットおよびその製造方法、並びに液晶パネルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010114104A JP2011242579A (ja) 2010-05-18 2010-05-18 ロール状偏光板のセットおよびその製造方法、並びに液晶パネルの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011242579A true JP2011242579A (ja) 2011-12-01

Family

ID=45409292

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010114104A Withdrawn JP2011242579A (ja) 2010-05-18 2010-05-18 ロール状偏光板のセットおよびその製造方法、並びに液晶パネルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011242579A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019091088A (ja) * 2013-08-09 2019-06-13 住友化学株式会社 光学異方性シート

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019091088A (ja) * 2013-08-09 2019-06-13 住友化学株式会社 光学異方性シート
JP7066648B2 (ja) 2013-08-09 2022-05-13 住友化学株式会社 光学異方性シート

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2012053078A (ja) 偏光板の製造方法
JP2009122641A (ja) 光学表示パネルの製造方法
JP5529665B2 (ja) 偏光板、ならびにこれを用いた液晶パネルおよび液晶表示装置
JP5999248B2 (ja) 偏光フィルム、偏光板および偏光フィルムの製造方法
JP2011203319A (ja) 偏光板のセット、ならびにこれを用いた液晶パネルおよび液晶表示装置
JP2011197617A (ja) 偏光板
WO2007132940A1 (ja) 偏光板とその製造方法、積層光学部材及び液晶表示装置
JP2012053079A (ja) ロール状偏光板のセット及びその製造方法並びに液晶パネルの製造方法
JP2012037682A (ja) ロール状偏光板及びその製造方法並びに偏光板チップ及びこれを備えた液晶表示装置
JP2012053077A (ja) ロール状偏光板のセット及びその製造方法並びに液晶パネルの製造方法
JP5557135B2 (ja) ポリプロピレンフィルム、ならびにそれを用いた偏光板、液晶パネルおよび液晶表示装置
WO2012111168A1 (ja) 液晶パネルおよびこれを用いた液晶表示装置
JP5685005B2 (ja) 偏光板、ならびにこれらを用いた偏光板のセット、液晶パネル、および液晶表示装置
JP2012181278A (ja) ロール状偏光板のセット及びその製造方法並びに液晶パネルの製造方法
JP2011123475A (ja) 偏光板、ならびにこれを用いた液晶パネルおよび液晶表示装置
JP2012137695A (ja) ロール状偏光板のセット及びその製造方法並びに液晶パネルの製造方法
JP2011043800A (ja) 液晶パネルおよびこれを用いた液晶表示装置
WO2009054519A1 (ja) 光学表示パネルの製造方法
JP2011145644A (ja) 偏光板、ならびにそれを用いた液晶パネルおよび液晶表示装置
JP6033269B2 (ja) 偏光板
KR20090057913A (ko) 편광판의 세트, 그리고 이것을 사용한 액정 패널 및 액정 표시 장치
JP2012013852A (ja) ロール状偏光板のセット及びその製造方法並びに液晶パネルの製造方法
JP2012013846A (ja) ロール状偏光板のセット及びその製造方法並びに液晶パネルの製造方法
JP2011180252A (ja) 偏光板のセット、ならびにこれを用いた液晶パネルおよび液晶表示装置
TW200301374A (en) Polarizing plate, production method thereof and liquid crystal display

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20130806