JP2011043800A - 液晶パネルおよびこれを用いた液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】モアレ等の表示不良のない、表示品位に優れた液晶表示装置を得ることができる液晶パネル、ならびにこれを用いた液晶表示装置を提供する
【解決手段】液晶セル30と、液晶セル30の背面側に積層される第1の偏光板10と、液晶セル30の視認側に積層される第2の偏光板20とを備え、第1の偏光板10は、第1の偏光フィルム12と、第1の偏光フィルム12における液晶セル30に対向する面とは反対側の面に積層される、規則的な凹凸構造を表面に有するシート部材13を含み、第2の偏光板20は、第2の偏光フィルム22と、第2の偏光フィルム22における液晶セル30に対向する面とは反対側の面に積層される、透過鮮明度が40%以下である光拡散性保護フィルム23を含む液晶パネル、ならびにこれを用いた液晶表示装置である。
【選択図】図1
【解決手段】液晶セル30と、液晶セル30の背面側に積層される第1の偏光板10と、液晶セル30の視認側に積層される第2の偏光板20とを備え、第1の偏光板10は、第1の偏光フィルム12と、第1の偏光フィルム12における液晶セル30に対向する面とは反対側の面に積層される、規則的な凹凸構造を表面に有するシート部材13を含み、第2の偏光板20は、第2の偏光フィルム22と、第2の偏光フィルム22における液晶セル30に対向する面とは反対側の面に積層される、透過鮮明度が40%以下である光拡散性保護フィルム23を含む液晶パネル、ならびにこれを用いた液晶表示装置である。
【選択図】図1
Description
本発明は、液晶テレビ、液晶モニタ、パーソナルコンピュータなどに用いられる液晶パネルおよびこれを用いた液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、液晶テレビ、液晶モニタ、パーソナルコンピュータなどに用いられる薄型の表示装置として用途が急拡大している。特に、液晶テレビの市場拡大は著しく、また、低コスト化の要求も非常に高い。
通常の液晶表示装置は、冷陰極管やLEDを用いた面光源、光拡散板、1つまたは複数の拡散シート、集光シート、および、偏光板が貼合された液晶パネルから構成されている。近年、壁掛け可能な大画面液晶テレビ用途などにおいて、液晶表示装置の薄型化の要求が顕在化しているが、この場合、液晶表示装置の薄型化に対応して、これに使用する部材の薄肉化、部材点数削減が必要となる。
このような要請に対し、液晶パネルを構成する液晶セルと面光源との間に配置される偏光板の片面に集光性を有するプリズムシートを直接接着する方法(たとえば特許文献1)や、液晶パネルの面光源側に配置される偏光板の保護フィルムとして、集光性プリズムシートを用いる方法(たとえば特許文献2)により、1つまたは複数の部材を除き、部品点数を削減する技術が知られている。
上記特許文献1および2に記載されるような、プリズムシート等のシート部材を備える偏光板を用いた液晶表示装置においては、プリズム等の規則的な凹凸形状と液晶セルのカラーフィルターが有する規則的なマトリックス構造との干渉によるものと考えられるモアレが生じ、表示品位が低下する場合があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、モアレ等の表示不良のない、表示品位に優れた液晶表示装置を得ることができる液晶パネル、およびこれを用いた液晶表示装置を提供することにある。
本発明は、液晶セルと、該液晶セルの背面側に積層される第1の偏光板と、該液晶セルの視認側に積層される第2の偏光板とを備える液晶パネルに関する。本発明の液晶パネルにおいて第1の偏光板は、第1の偏光フィルムと、該第1の偏光フィルムにおける液晶セルに対向する面とは反対側の面に積層される、規則的な凹凸構造を表面に有するシート部材を含み、第2の偏光板は、第2の偏光フィルムと、該第2の偏光フィルムにおける液晶セルに対向する面とは反対側の面に積層される、透過鮮明度が40%以下である光拡散性保護フィルムを含む。
上記規則的な凹凸構造を表面に有するシート部材は、プリズム形状またはレンズ形状を表面に有するシート部材であることが好ましい。このプリズム形状またはレンズ形状は、一つのプリズムまたはレンズの斜面の終点から隣り合う次のプリズムまたはレンズの斜面の始点までの距離が、プリズム形状またはレンズ形状の稜線のピッチ間隔に対して30%以下となるように形成することができる。
このようなプリズム形状またはレンズ形状を表面に有するシート部材を第1の偏光フィルムに積層して第1の偏光板とする場合、このシート部材は、プリズム形状またはレンズ形状の稜線と隣り合うプリズム形状またはレンズ形状間に形成される谷部とがそれぞれ略平行に配置されたものとなるので、規則的なマトリックス構造を有するカラーフィルターを備える液晶セルに対して有効に適用される。すなわちこの場合には、液晶セルと第1の偏光板とは、上記シート部材が有するプリズム形状またはレンズ形状の稜線が、カラーフィルターが有するマトリックス構造のいずれかの辺に略平行となるように配置することが好ましい。
上記光拡散性保護フィルムは、その第2の偏光フィルムに対向する面とは反対側の面が微細凹凸表面からなるフィルムであることができる。この場合、微細凹凸表面の算術平均高さPaは0.2μm以上1μm以下であり、最大断面高さPtは1μm以上5μm以下であり、かつ、平均長さPSmは30μm以上80μm以下であることが好ましい。
上記第1の偏光板は、第1の偏光フィルムにおける液晶セルに対向する面に積層される光学補償フィルムまたは保護フィルムを備えていてもよい。また、上記第2の偏光板は、第2の偏光フィルムにおける液晶セルに対向する面に積層される光学補償フィルムまたは保護フィルムを備えていてもよい。
また本発明は、面光源と、該面光源上に配置される上記本発明の液晶パネルとを備える液晶表示装置を提供する。本発明の液晶表示装置において、液晶パネルは、上記シート部材の規則的な凹凸構造を有する表面が面光源に対向するように配置される。
本発明によれば、モアレ等の表示不良が抑制された表示品位に優れる液晶表示装置を提供することが可能となる。また、本発明によれば、液晶パネルおよびこれを適用した液晶表示装置の薄肉化を達成することができる。本発明の液晶パネルを用いた本発明の液晶表示装置は、大画面液晶テレビ用液晶表示装置、とりわけ壁掛け可能な液晶テレビ用液晶表示装置に好適に適用することができる。
図1は、本発明の液晶パネルおよびこれを用いた液晶表示装置の好ましい一例を示す概略断面図である。本発明に係る図1に示される液晶表示装置は、導光板202および導光板202の側方であって、導光板202の一辺に沿うように配置された光源装置201を備える面光源200と、面光源200上に配置された液晶パネル100とから構成されている。液晶パネル100は、液晶セル30と、液晶セル30の背面側(面光源200側の面)に積層された第1の偏光板10と、液晶セル30の視認側に積層された第2の偏光板20とからなる。第1の偏光板10および第2の偏光板20は、それぞれ粘着剤層17,27を介して液晶セル30に貼合されている。
背面側偏光板である第1の偏光板10は、第1の偏光フィルム12と、第1の偏光フィルム12における液晶セル30に対向する面とは反対側の面(面光源200側の面)に接着剤層14を介して積層された規則的な凹凸構造を表面に有するシート部材13と、第1の偏光フィルム12における液晶セル30に対向する面(視認側の面)に接着剤層16を介して積層された樹脂フィルム15とを備える。図1に示される例において、シート部材13は、プリズム形状を表面に有するシート部材(プリズムシート)である。第1の偏光板10は、その樹脂フィルム15側で液晶セル30に貼合されている。より具体的には、液晶セル30と第1の偏光板10とは、第1の偏光フィルム12におけるシート部材13が積層される面とは反対側の面が液晶セル30に対向するように、すなわち、シート部材13の規則的な凹凸構造を有する表面が液晶パネル100の面光源200側表面を形成し、該表面が面光源200に対向するように貼合されている。なお、本発明において第1の偏光板10は、樹脂フィルム15を有していなくてもよく、第1の偏光フィルム12が直接、粘着剤層等を介して液晶セル30に貼合される構成であってもよい。
視認側偏光板である第2の偏光板20は、第2の偏光フィルム22と、第2の偏光フィルム22における液晶セル30に対向する面とは反対側の面(視認側の面)に接着剤層24を介して積層された、透過鮮明度が40%以下である光拡散性保護フィルム23と、第2の偏光フィルム22における液晶セル30に対向する面に接着剤層26を介して積層された樹脂フィルム25とを備える。第2の偏光板20は、その樹脂フィルム25側で液晶セル30に貼合されている。より具体的には、液晶セル30と第2の偏光板20とは、光拡散性保護フィルム23表面が液晶パネル100の視認側表面を形成するように貼合されている。なお、本発明において第2の偏光板20は、樹脂フィルム25を有していなくてもよく、第2の偏光フィルム22が直接、粘着剤層等を介して液晶セル30に貼合される構成であってもよい。
図1に示される例のように、本発明の液晶パネルは、背面側偏光板として、プリズムシート等の規則的な凹凸構造を表面に有するシート部材を備える偏光板を用いるとともに、視認側偏光板として、特定の透過鮮明度を示す光拡散性保護フィルムを備える偏光板を用いることを特徴とする。本発明によれば、プリズムシート等の規則的な凹凸構造を表面に有するシート部材を備える偏光板を用いた場合に生じる、当該規則的な凹凸構造と液晶セルのカラーフィルターが有する規則的なマトリックス構造との干渉によるものと考えられるモアレを抑制することができ、表示品位に優れる液晶表示装置を得ることができる。また、本発明の液晶パネルおよびこれを用いた液晶表示装置は、薄型化が達成された背面側偏光板を備えることから、薄肉化が図られており、また、十分な機械的強度を有する。さらに、液晶パネルの背面側にプリズムシート等の規則的な凹凸構造を表面に有するシート部材を配置させていることから、液晶パネルと面光源との密着が防止されており、これによっても表示特性の改善が達成されている。以下、適宜図面を参照しながら、本発明の液晶パネルおよび液晶表示装置について詳細に説明する。
<第1の偏光板>
図2は、本発明で用いられる背面側偏光板である第1の偏光板の好ましい一例を示す概略断面図であり、その構成は、図1における第1の偏光板10と同じである(参照符号も同じである)。図2に示される例のように、本発明の液晶パネルを構成する第1の偏光板10は、第1の偏光フィルム12と、第1の偏光フィルム12の一方の面(液晶セルに対向する面とは反対側の面)に接着剤層14を介して積層された、規則的な凹凸構造を表面に有するシート部材13とを少なくとも備える。第1の偏光板10は、図2に示される例のように、液晶セルに対向する面に接着剤層16を介して積層された樹脂フィルム15を備えていてもよい。
図2は、本発明で用いられる背面側偏光板である第1の偏光板の好ましい一例を示す概略断面図であり、その構成は、図1における第1の偏光板10と同じである(参照符号も同じである)。図2に示される例のように、本発明の液晶パネルを構成する第1の偏光板10は、第1の偏光フィルム12と、第1の偏光フィルム12の一方の面(液晶セルに対向する面とは反対側の面)に接着剤層14を介して積層された、規則的な凹凸構造を表面に有するシート部材13とを少なくとも備える。第1の偏光板10は、図2に示される例のように、液晶セルに対向する面に接着剤層16を介して積層された樹脂フィルム15を備えていてもよい。
(第1の偏光フィルム)
背面偏光板に用いられる第1の偏光フィルム12は、具体的には、一軸延伸したポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させたものである。ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを構成するポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体としては、たとえば不飽和カルボン酸類、上記したエチレンをはじめとするオレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類などが挙げられる。
背面偏光板に用いられる第1の偏光フィルム12は、具体的には、一軸延伸したポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着配向させたものである。ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを構成するポリビニルアルコール系樹脂としては、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化したものを用いることができる。ポリ酢酸ビニル系樹脂としては、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられる。酢酸ビニルと共重合可能な他の単量体としては、たとえば不飽和カルボン酸類、上記したエチレンをはじめとするオレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類、アンモニウム基を有するアクリルアミド類などが挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、通常、85〜100モル%程度であり、98モル%以上が好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、たとえば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、およびポリビニルブチラール等も用いることができる。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常、1000〜10000程度であり、好ましくは1500〜5000程度である。
このようなポリビニルアルコール系樹脂を製膜したものが、第1の偏光フィルムの原反フィルムとして用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂を製膜する方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の適宜の方法で製膜することができる。ポリビニルアルコール系樹脂からなる原反フィルムの膜厚は特に限定されるものではないが、たとえば10〜150μm程度である。
第1の偏光フィルムは、通常、上記したようなポリビニルアルコール系樹脂からなる原反フィルムを二色性色素で染色してその二色性色素を吸着させる工程(染色処理工程)、二色性色素が吸着されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸水溶液で処理する工程(ホウ酸処理工程)、および、このホウ酸水溶液による処理後に水洗する工程(水洗処理工程)を経て製造される。
第1の偏光フィルムの製造に際し、通常、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは一軸延伸されるが、この一軸延伸は、染色処理工程の前に行なってもよいし、染色処理工程中に行なってもよいし、染色処理工程の後に行なってもよい。一軸延伸を染色処理工程の後に行なう場合において、この一軸延伸は、ホウ酸処理工程の前に行なってもよいし、ホウ酸処理工程中に行なってもよい。勿論、これらの複数の段階で一軸延伸を行なうことも可能である。一軸延伸は、周速の異なるロール間で一軸に延伸するようにしてもよいし、熱ロールを用いて一軸に延伸するようにしてもよい。また、大気中で延伸を行なう乾式延伸であってもよいし、溶剤にて膨潤させた状態で延伸を行なう湿式延伸であってもよい。延伸倍率は、通常3〜8倍程度である。
染色処理工程におけるポリビニルアルコール系樹脂フィルムの二色性色素による染色は、たとえば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、二色性色素を含有する水溶液に浸漬することによって行なわれる。二色性色素としては、たとえばヨウ素、二色性染料などが用いられる。二色性染料には、たとえば、C.I.DIRECT RED 39などのジスアゾ化合物からなる二色性直接染料、トリスアゾ、テトラキスアゾ化合物などからなる二色性直接染料が包含される。なお、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムは、染色処理の前に水への浸漬処理を施しておくことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合は、通常、ヨウ素およびヨウ化カリウムを含有する水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液におけるヨウ素の含有量は、通常、水100重量部あたり0.01〜1重量部であり、ヨウ化カリウムの含有量は、通常、水100重量部あたり0.5〜20重量部である。二色性色素としてヨウ素を用いる場合、染色に用いる水溶液の温度は、通常20〜40℃であり、また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常20〜1800秒である。
一方、二色性色素として二色性染料を用いる場合は、通常、水溶性二色性染料を含む水溶液に、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを浸漬して染色する方法が採用される。この水溶液における二色性染料の含有量は、通常、水100重量部あたり1×10-4〜10重量部、好ましくは1×10-3〜1重量部であり、特に好ましくは1×10-3〜1×10-2重量部である。この水溶液は、硫酸ナトリウムなどの無機塩を染色助剤として含有していてもよい。二色性色素として二色性染料を用いる場合、染色に用いる染料水溶液の温度は、通常20〜80℃であり、また、この水溶液への浸漬時間(染色時間)は、通常10〜1800秒である。
ホウ酸処理工程は、二色性色素により染色されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムをホウ酸含有水溶液に浸漬することにより行なわれる。ホウ酸含有水溶液におけるホウ酸の量は、水100重量部あたり、通常2〜15重量部、好ましくは5〜12重量部である。上述した染色処理工程における二色性色素としてヨウ素を用いた場合には、このホウ酸処理工程に用いるホウ酸含有水溶液はヨウ化カリウムを含有することが好ましい。この場合、ホウ酸含有水溶液におけるヨウ化カリウムの量は、水100重量部あたり、通常0.1〜15重量部、好ましくは5〜12重量部である。ホウ酸含有水溶液への浸漬時間は、通常、60〜1200秒、好ましくは150〜600秒、さらに好ましくは200〜400秒である。ホウ酸含有水溶液の温度は、通常50℃以上であり、好ましくは50〜85℃、より好ましくは60〜80℃である。
続く水洗処理工程では、上述したホウ酸処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムを、たとえば水に浸漬することによって水洗処理する。水洗処理における水の温度は、通常5〜40℃であり、浸漬時間は、通常1〜120秒である。水洗処理後は、通常、乾燥処理が施されて、第1の偏光フィルムが得られる。乾燥処理は、たとえば熱風乾燥機、遠赤外線ヒータなどを用いて行なうことができる。乾燥処理の温度は、通常、30〜100℃、好ましくは50〜80℃である。乾燥処理の時間は、通常60〜600秒、好ましくは120〜600秒である。
こうして、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに、一軸延伸、二色性色素による染色、ホウ酸処理および水洗処理を施して、第1の偏光フィルムが得られる。この第1の偏光フィルムの厚みは、通常、5〜40μmの範囲内である。
(シート部材)
背面側偏光板である第1の偏光板10が備えるシート部材13は、規則的な凹凸構造を表面に有するシート状の部材である。シート部材13は、凹凸面とは反対側の面が第1の偏光フィルム12に対向するように、第1の偏光フィルム12上に積層される。シート部材13を背面側偏光板の表面に配置し、規則的な凹凸面を後述する面光源に対向させることにより、面光源の光出射面から出射された光の向きを意図的に変える(偏向させる)ことができる。背面側偏光板がこのようなシート部材を備えることにより、面光源からの出射光、とりわけ指向性を有する出射光〔主たる出射方向が、面光源の光出射面の法線方向(液晶表示装置の正面方向)とは異なる方向である出射光〕の出射方向を、液晶表示装置の正面方向に偏向させることが可能であり、これにより、液晶表示装置の正面の輝度およびコントラストを向上させることができる。なお、シート部材13は、第1の偏光フィルム12の保護フィルムとしての役割をも果たす。
背面側偏光板である第1の偏光板10が備えるシート部材13は、規則的な凹凸構造を表面に有するシート状の部材である。シート部材13は、凹凸面とは反対側の面が第1の偏光フィルム12に対向するように、第1の偏光フィルム12上に積層される。シート部材13を背面側偏光板の表面に配置し、規則的な凹凸面を後述する面光源に対向させることにより、面光源の光出射面から出射された光の向きを意図的に変える(偏向させる)ことができる。背面側偏光板がこのようなシート部材を備えることにより、面光源からの出射光、とりわけ指向性を有する出射光〔主たる出射方向が、面光源の光出射面の法線方向(液晶表示装置の正面方向)とは異なる方向である出射光〕の出射方向を、液晶表示装置の正面方向に偏向させることが可能であり、これにより、液晶表示装置の正面の輝度およびコントラストを向上させることができる。なお、シート部材13は、第1の偏光フィルム12の保護フィルムとしての役割をも果たす。
規則的な凹凸構造を表面に有するシート部材としては、プリズム形状またはレンズ形状を表面に有するシート部材を好ましく用いることができる。プリズム形状とは、断面において略三角形形状などの直線(一部に曲線を含んでいてもよい)から構成される形状を平行移動させた軌跡で示される平面を一方向に配列した一次元アレイを意味し、たとえば、図3に示される形状を挙げることができる。
図3に示される断面三角形形状の複数の突起から構成されるプリズム形状において、断面三角形形状における頂点の角度(頂角)は、たとえば、10°以上120°以下の範囲とすることができるが、好ましくは30〜100°である。突起のピッチ間隔(隣り合う突起の稜線間の最短距離)は、たとえば、5μm以上300μm以下の範囲とすることができるが、好ましくは10〜100μmである。また、断面三角形形状の突起の高さは、たとえば、10μm以上200μm以下の範囲とすることができるが、好ましくは15〜100μmである。
断面三角形形状における二辺は、同じ長さであってもよいし、異なる長さを有していてもよい。また、プリズム形状が有する断面三角形形状の複数の突起の高さは、すべて同じであってもよいし、異なる複数の高さを有するものであってもよい。また、突起間に形成される溝(隣り合う突起間に形成される谷部の底辺または平坦部(底面)を意味する)の形状は、直線状であっても、曲線状であってもよい。プリズムの断面は、三角形形状のほか、一部に曲線を含む略三角形状、鋸歯形状などであってもよい。
一方、レンズ形状とは、主として曲面から形成される凹凸構造を有する形状を意味し、たとえば図4に示されるレンチキュラーレンズのような、断面が略半円弧形状などの曲線(一部に直線を含んでいてもよい)から構成される形状を平行移動させた軌跡で示される曲面を一方向に配列した一次元レンズアレイ;真円、楕円等の円形形状(たとえば図5)、正方形、長方形等の方形形状(たとえば図6)、三角形、六角形等の多角形形状などの底面をもち、ドーム状(すなわち凸レンズ状)の曲面を有する突起を縦横に配列した2次元レンズアレイを挙げることができる。また、その他のレンズ形状としては、図7に示されるような、種々の角度をもつ平面が組み合わされた多角形形状を有する突起(たとえば四角錘形状の突起)を縦横に配列した2次元レンズアレイやフレネルレンズなどを挙げることができる。
図4に示されるレンチキュラーレンズにおいて、突起のピッチ間隔(隣り合う突起の稜線間の最短距離)は、たとえば10〜200μmとすることができ、突起の高さは、たとえば5〜100μmとすることができる。レンチキュラーレンズを構成する複数の突起のピッチ間隔および高さはそれぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、突起間に形成される溝の形状は、直線状であっても、曲線状であってもよい。
レンチキュラーレンズ以外のレンズ形状においても、複数の突起は、同じ高さであってもよく、異なる高さを有していてもよい。また、突起間に形成される溝の形状は、直線状であっても、曲線状であってもよい。
上記のほか、規則的な凹凸構造を有するシート部材として、その断面が正弦波のような波状であるシート部材が用いられてもよい。
シート部材13の材質としては、公知の各種材料を用いることができる。たとえば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン系共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系共重合体、アクリロニトリル−スチレン系共重合体などの合成高分子、二酢酸セルロース樹脂、三酢酸セルロース樹脂などの天然高分子が使用できる。中でも、透明性、透湿性および生産性の観点から、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、メタクリル酸メチル−スチレン系共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系共重合体、アクリロニトリル−スチレン系共重合体のいずれかの熱可塑性樹脂が好適である。またこれらの高分子材料は、必要に応じて、紫外線吸収剤や酸化防止剤、可塑剤などの添加剤を含有することができる。
シート部材13は、上記透明高分子材料を基材として、フォトポリマープロセス法、異形押出法、プレス成形法、射出成形法、ロール転写法、レーザーアブレーション法、機械切削法、機械研削法などの公知の方法で製造することができる。これらの方法は、それぞれ単独で使用されてもよいし、あるいは2種以上の方法を組み合わせてもよい。
シート部材13の厚みは特に限定されないが、偏光板の薄肉化の観点から、20μm以上200μm以下程度であることが好ましく、30μm以上100μm以下であることがより好ましい。ここでいうシート部材の厚みとは、そのシート部材の一方の面を構成する平坦面(突起形成面とは反対側の面)から、プリズム形状やレンズ形状における頂部までの最短距離を意味する。
なお、シート部材13は、無機微粒子または有機微粒子などの拡散剤を含有してもよいが、製造時における原料の取扱いの煩雑さ、シート部材の生産性の低下、および、製品欠陥等を含む品質不良の生じやすさなどを考慮すると、シート部材は拡散剤を含有しないことが好ましい。
シート部材13は、先にも述べたとおり、プリズム形状またはレンズ形状を表面に有するものであることが好ましい。これらのプリズム形状またはレンズ形状は、稜線に直交する方向に隙間なく連続して形成されてもよいし、一定の間隔を置いて形成されてもよい。図8は、プリズム形状を表面に有するシート部材を例に、稜線に直交する方向の断面が取りうる二つの形態を拡大して示す概略図である。図8の(A)に示す形態は、シート部材102の稜線に直交する断面において、プリズム形状が隙間なく連続して形成されているものである。図8の(B)に示す形態は、シート部材102の稜線に直交する断面において、隣り合うプリズム形状の間に形成される谷部56に平坦部57を有するものである。
図8においては、プリズム形状を構成する断面三角形が同じ形状であるとして、一つのプリズム50の頂部(三次元形状で表すと図3に示される稜線となる部分)51から、隣り合う次のプリズム53の頂部54までの間隔、すなわち稜線のピッチ間隔を符号Pで表している。その他、先に説明した頂角は符号θで、ライン状突起(プリズム)の高さは符号hで、そしてシート部材102の一方の面を構成する平坦面59からプリズムの頂部51,54までの距離を意味する厚みは符号Tでそれぞれ表している。
図8の(B)に示すような、隣り合うプリズム形状の間に形成される谷部56に平坦部57を有する場合は、その平坦部57を挟んで、一つのプリズム50の頂部51から隣り合う次のプリズム53の頂部54までの距離が、稜線のピッチ間隔Pとなる。このように谷部56に平坦部57を有する場合でも、一つのプリズム50の斜面50aの終点52(斜面50aと平坦部57との接点に相当する)から隣り合う次のプリズム53の斜面53aの立ち上がり位置に相当する斜面の始点55(斜面53aと平坦部57との接点に相当する)までの距離d(平坦部57の幅に相当する)は、プリズム形状の稜線のピッチ間隔Pに対して30%以下となるようにするのが好ましく、さらには10%となるようにするのがより好ましい。これは、たとえばプリズム形状の稜線のピッチ間隔Pが50μmであれば、平坦部57の幅dが、15μm以下、さらには5μm以下であるのが好ましいことを意味する。一つのプリズム50の斜面の終点52から隣り合う次のプリズム53の斜面の始点55までの距離d(平坦部57の幅)が、プリズム形状の稜線のピッチ間隔Pに対して30%以下であれば、良好な離型性を維持しながらシート部材102を製造することができ、得られるシート部材の光学特性にも大きな影響を与えない。一方、この距離(幅)dがプリズム形状の稜線のピッチ間隔Pに対して30%を超えると、得られるシート部材を偏光フィルムに貼り合わせて偏光板とし、それを液晶表示装置に適用したとき、輝度などの光学特性に悪影響を与えることがある。
ここでは図8を参照し、シート部材102がプリズム形状を有する場合を例にして説明したが、図4に示すようなレンズ形状を有する場合も同様であり、そのレンズ形状は谷部に平坦部を有していてもよいが、一つのレンズの斜面の終点から、隣り合う次のレンズの斜面の始点までの距離(平坦部の幅)が、レンズ形状の稜線のピッチ間隔に対して30%以下、さらには10%となるようにするのが好ましい。レンズ形状が谷部に平坦部を有する形態は、図8の(B)を参照して、そのプリズム形状をレンズ形状に変えるだけで、容易に理解できるであろう。
(樹脂フィルム)
図2に示される例のように、第1の偏光フィルム12におけるシート部材13が積層される面とは反対側の面には、保護フィルムや光学補償フィルムなどの樹脂フィルム15を積層してもよい。この場合、第1の偏光板10は、樹脂フィルム15上に積層した粘着剤層を介して液晶セルに貼合される。
図2に示される例のように、第1の偏光フィルム12におけるシート部材13が積層される面とは反対側の面には、保護フィルムや光学補償フィルムなどの樹脂フィルム15を積層してもよい。この場合、第1の偏光板10は、樹脂フィルム15上に積層した粘着剤層を介して液晶セルに貼合される。
樹脂フィルム15は、偏光板の分野で保護フィルムまたは光学補償フィルムとして知られている各種の樹脂で構成することができる。そのような樹脂の例として、メタクリル酸メチル系樹脂等のアクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂やポリブチレンテレフタレート系樹脂等のポリエステル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系共重合体、アクリロニトリル−スチレン系共重合体、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、オキセタン系樹脂などを挙げることができる。これらの樹脂は、透明性や偏光フィルムとの接着性を阻害しない範囲で、添加物を含有することができる。
これらの樹脂をフィルム状に製膜して保護フィルムとすることができるほか、製膜された熱可塑性樹脂フィルムにさらに延伸処理を施すこともできる。延伸処理が施されたフィルムは、樹脂の種類に応じて、光学保障を目的としない保護フィルムとして用いられることもあるし、所定の位相差が付与され、光学補償フィルムとして用いられることもある。延伸は、MD(流れ方向)またはTD(流れ方向に直交する方向)に延伸する一軸延伸、MDおよびTDの双方に延伸する二軸延伸、MDでもTDでもない方向に延伸する斜め延伸など、いずれの方法で行なってもよい。光学補償フィルムは、このような熱可塑性樹脂フィルムの延伸によって形成することができるほか、基材フィルムに位相差調整機能を有する化合物(たとえば液晶性化合物)を塗布することによって形成することもできる。
樹脂フィルム15をアクリル系樹脂で構成する場合、このアクリル系樹脂は、一般にメタクリル酸メチルを主な構成モノマーとする樹脂であるが、必要に応じてゴム粒子が配合されたものであってもよい。ゴム粒子が配合されたアクリル系樹脂は、靭性が高くなり、フィルムの薄肉化を可能にする。
樹脂フィルム15をポリエチレンテレフタレート系樹脂で構成する場合、このポリエチレンテレフタレート系樹脂は、繰返し単位の80モル%以上がエチレンテレフタレートで構成される樹脂であり、他の共重合成分に由来する構成単位を含んでいてもよい。他の共重合成分としては、イソフタル酸、4,4’−ジカルボキシジフェニール、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニル)エタン、アジピン酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、1,4−ジカルボキシシクロヘキサン等のジカルボン酸成分;プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール成分が挙げられる。これらのジカルボン酸成分やジオール成分は、必要により2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、上記カルボン酸成分やジオール成分とともに、p−ヒドロキシ安息香酸やp−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸等のヒドロキシカルボン酸を併用することも可能である。他の共重合成分として、少量のアミド結合、ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート結合等を含有するジカルボン酸成分および/またはジオール成分が用いられてもよい。
ポリエチレンテレフタレート系樹脂をフィルム化した後、延伸処理を施したものを保護フィルムとして用いることにより、機械的性質、耐溶剤性、耐スクラッチ性、コストなどに優れるとともに、厚みが低減された偏光板を得ることができる。
樹脂フィルム15をセルロース系樹脂で構成する場合、このセルロース系樹脂は、セルロースの部分エステル化物または完全エステル化物であることができ、たとえば、セルロースの酢酸エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エステル、およびそれらの混合エステルなどを挙げることができる。より具体的には、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどが挙げられる。このようなセルロース系樹脂を製膜してフィルムとする際には、溶剤キャスト法、溶融押出法などの公知の方法が適宜用いられる。セルロースエステル系樹脂フィルムの市販品としては、たとえば、富士フイルム(株)から販売されている「フジタックTD80」、「フジタックTD80UF」および「フジタックTD80UZ」、コニカミノルタオプト(株)から販売されている「KC8UX2M」および「KC8UY」などがある。
また、セルロース系樹脂フィルムからなる光学補償フィルムとしては、たとえば、上記セルロース系樹脂フィルムに位相差調整機能を有する化合物を含有させたフィルム;セルロース系樹脂フィルム表面に位相差調整機能を有する化合物を塗布したフィルム;セルロース系樹脂フィルムを一軸延伸または二軸延伸して得られるフィルムなどが挙げられる。市販のセルロース系樹脂フィルムからなる光学補償フィルムとしては、たとえば、富士フイルム(株)から販売されている「WV BZ 438」および「WV EA」、新日本石油(株)から販売されている「NHフィルム」および「LCフィルム」、コニカミノルタオプト(株)から販売されている「KC4FR−1」および「KC4HR−1」などがある。
セルロース系樹脂フィルムからなる保護フィルムまたは光学補償フィルムの厚みは特に制限されないが、20〜90μmの範囲内であることが好ましく、30〜90μmの範囲内であることがより好ましい。厚みが20μm未満である場合には、フィルムの取扱いが難しく、一方、厚みが90μmを超える場合には、加工性に劣るものとなり、また、得られる偏光板の薄肉化および軽量化において不利である。
樹脂フィルム15をポリオレフィン系樹脂で構成する場合、このポリオレフィン系樹脂は、ノルボルネンや他のシクロペンタジエン誘導体等の環状オレフィンモノマーの重合によって得られる環状オレフィン系樹脂、またはエチレンやプロピレン等の鎖状オレフィンモノマーの重合によって得られる鎖状オレフィン系樹脂であることができる。
ここでいう環状オレフィン系樹脂には、たとえば、シクロペンタジエンとオレフィン類からディールス・アルダー反応によって得られるノルボルネンまたはその誘導体をモノマーとして開環メタセシス重合を行ない、それに続く水添によって得られる樹脂;ジシクロペンタジエンとオレフィン類または(メタ)アクリル酸エステル類からディールス・アルダー反応によって得られるテトラシクロドデセンまたはその誘導体をモノマーとして開環メタセシス重合を行ない、それに続く水添によって得られる樹脂;ノルボルネン、テトラシクロドデセン、それらの誘導体類、またはその他の環状オレフィンモノマーを2種以上用いて同様に開環メタセシス共重合を行ない、それに続く水添によって得られる樹脂;前記のノルボルネン、テトラシクロドデセン、またはそれらの誘導体に、ビニル基を有する芳香族化合物および/または脂肪族不飽和化合物を付加共重合させて得られる樹脂などが包含される。
市販の熱可塑性環状オレフィン系樹脂としては、ドイツのTOPAS ADVANCED POLYMERS GmbH社から販売されている「Topas」、JSR(株)から販売されている「アートン」、日本ゼオン(株)から販売されている「ゼオノア(ZEONOR)」および「ゼオネックス(ZEONEX)」、三井化学(株)から販売されている「アペル」(いずれも商品名)などがあり、これらを好適に用いることができる。このような環状オレフィン系樹脂を製膜して、フィルムを得ることができる。製膜方法としては、溶剤キャスト法、溶融押出法など、公知の方法が適宜用いられる。また、たとえば、積水化学工業(株)から販売されている「エスシーナ」および「SCA40」、日本ゼオン(株)から販売されている「ゼオノアフィルム」、JSR(株)から販売されている「アートンフィルム」(いずれも商品名)などの製膜された環状オレフィン系樹脂フィルムも市販されており、これらも好適に使用することができる。
環状オレフィン系樹脂フィルムからなる保護フィルムまたは光学補償フィルムの厚みは、厚すぎると、加工性に劣るものとなり、また、透明性が低下したり、偏光板の薄肉化および軽量化において不利になったりすることから、10〜100μm程度の範囲にあるのが好ましく、さらには20〜80μmの範囲にあるのがより好ましい。
一方、鎖状オレフィン系樹脂を保護フィルムまたは光学補償フィルムとすることもできる。なかでもポリプロピレン系樹脂が好ましく、ポリプロピレン系樹脂を保護フィルムまたは光学補償フィルムとして選択すれば、以下のような優位点がある。すなわち、ポリプロピレン系樹脂は、光弾性係数が2×10-13cm2/dyne前後と小さいため、液晶表示装置としたときに、表示域の光抜けが小さく、透湿度も低い。また、ポリプロピレン系樹脂フィルムの偏光フィルムに対する接着性は、トリアセチルセルロースフィルムほどではないにしても良好であり、公知の各種接着剤を用いた場合に、ポリプロピレン系樹脂フィルムが十分な強度でポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムに接着する。
ポリプロピレン系樹脂は、公知の重合用触媒を用いて、プロピレンを単独重合する方法や、プロピレンと他の共重合性コモノマーとを共重合する方法によって、製造することができる。公知の重合用触媒としては、たとえば、次のようなものを挙げることができる。
(1)マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分からなるTi−Mg系触媒、
(2)マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分に、有機アルミニウム化合物と必要に応じて電子供与性化合物等の第三成分とを組み合わせた触媒系、
(3)メタロセン系触媒など。
(2)マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分に、有機アルミニウム化合物と必要に応じて電子供与性化合物等の第三成分とを組み合わせた触媒系、
(3)メタロセン系触媒など。
これら触媒系の中でも、偏光板の保護フィルムまたは光学補償フィルムとして用いるポリプロピレン系樹脂の製造においては、マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分に、有機アルミニウム化合物と電子供与性化合物とを組み合わせたものが、最も一般的に使用できる。より具体的には、有機アルミニウム化合物として好ましくは、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムクロライドの混合物、テトラエチルジアルモキサンなどが挙げられ、電子供与性化合物として好ましくは、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、tert−ブチルプロピルジメトキシシラン、tert−ブチルエチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシランなどが挙げられる。
一方、マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分としては、たとえば、特開昭61−218606号公報、特開昭61−287904号公報、特開平7−216017号公報などに記載の触媒系が挙げられ、メタロセン系触媒としては、たとえば、特許第2587251号公報、特許第2627669号公報、特許第2668732号公報などに記載の触媒系が挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂は、たとえば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンの如き炭化水素化合物に代表される不活性溶剤を用いる溶液重合法、液状のモノマーを溶剤として用いる塊状重合法、気体のモノマーをそのまま重合させる気相重合法などによって、製造することができる。これらの方法による重合は、バッチ式で行なってもよいし、連続式で行なってもよい。
ポリプロピレン系樹脂の立体規則性は、アイソタクチック、シンジオタクチック、アタクチックのいずれであってもよい。樹脂フィルムの耐熱性の観点からは、シンジオタクチックまたはアイソタクチックのポリプロピレン系樹脂が好ましく用いられる。
ポリプロピレン系樹脂は、プロピレンの単独重合体で構成することができるほか、プロピレンを主体とし、それと共重合可能なコモノマーを少量、たとえば20重量%以下、好ましくは10重量%以下の割合で共重合させたものであってもよい。共重合体とする場合、コモノマーの量は、好ましくは1重量%以上である。
プロピレンに共重合されるコモノマーは、たとえば、エチレンや、炭素原子数4〜20のα−オレフィンであることができる。この場合のα−オレフィンとして具体的には、次のようなものを挙げることができる。
1−ブテン、2−メチル−1−プロペン(以上C4);
1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン(以上C5);
1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン(以上C6);
1−ヘプテン、2−メチル−1−ヘキセン、2,3−ジメチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ペンテン、2−メチル−3−エチル−1−ブテン(以上C7);
1−オクテン、5−メチル−1−ヘプテン、2−エチル−1−ヘキセン、3,3−ジメチル−1−ヘキセン、2−メチル−3−エチル−1−ペンテン、2,3,4−トリメチル−1−ペンテン、2,3−ジエチル−1−ブテン(以上C8);
1−ノネン(C9);1−デセン(C10);1−ウンデセン(C11);
1−ドデセン(C12);1−トリデセン(C13);1−テトラデセン(C14);
1−ペンタデセン(C15);1−ヘキサデセン(C16);1−ヘプタデセン(C17);
1−オクタデセン(C18);1−ノナデセン(C19)など。
1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン(以上C5);
1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン(以上C6);
1−ヘプテン、2−メチル−1−ヘキセン、2,3−ジメチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ペンテン、2−メチル−3−エチル−1−ブテン(以上C7);
1−オクテン、5−メチル−1−ヘプテン、2−エチル−1−ヘキセン、3,3−ジメチル−1−ヘキセン、2−メチル−3−エチル−1−ペンテン、2,3,4−トリメチル−1−ペンテン、2,3−ジエチル−1−ブテン(以上C8);
1−ノネン(C9);1−デセン(C10);1−ウンデセン(C11);
1−ドデセン(C12);1−トリデセン(C13);1−テトラデセン(C14);
1−ペンタデセン(C15);1−ヘキサデセン(C16);1−ヘプタデセン(C17);
1−オクタデセン(C18);1−ノナデセン(C19)など。
α−オレフィンの中で好ましいものは、炭素原子数4〜12のα−オレフィンであり、具体的には、1−ブテン、2−メチル−1−プロペン;1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン;1−ヘキセン、2−エチル−1−ブテン、2,3−ジメチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3,3−ジメチル−1−ブテン;1−ヘプテン、2−メチル−1−ヘキセン、2,3−ジメチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ペンテン、2−メチル−3−エチル−1−ブテン;1−オクテン、5−メチル−1−ヘプテン、2−エチル−1−ヘキセン、3,3−ジメチル−1−ヘキセン、2−メチル−3−エチル−1−ペンテン、2,3,4−トリメチル−1−ペンテン、2−プロピル−1−ペンテン、2,3−ジエチル−1−ブテン;1−ノネン;1−デセン;1−ウンデセン;1−ドデセンなどを挙げることができる。共重合性の観点からは、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンが好ましく、とりわけ1−ブテンおよび1−ヘキセンがより好ましい。
共重合体は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。好ましい共重合体として、プロピレン/エチレン共重合体やプロピレン/1−ブテン共重合体を挙げることができる。プロピレン/エチレン共重合体やプロピレン/1−ブテン共重合体において、エチレンユニットの含量や1−ブテンユニットの含量は、たとえば、「高分子分析ハンドブック」(1995年、紀伊国屋書店発行)の第616頁に記載されている方法により赤外線(IR)スペクトル測定を行ない、求めることができる。
ポリプロピレン系樹脂は、JIS K 7210 に準拠して、温度230℃、荷重21.18Nで測定されるメルトフローレイト(MFR)が0.1〜200g/10分、とりわけ0.5〜50g/10分の範囲にあることが好ましい。MFRがこの範囲にあるポリプロピレン系樹脂を用いることにより、押出機に大きな負荷をかけることなく均一なフィルム状物を得ることができる。
ポリプロピレン系樹脂には、公知の添加物が配合されていてもよい。添加物としてはたとえば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、造核剤、防曇剤、アンチブロッキング剤などを挙げることができる。酸化防止剤には、たとえば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤などがあり、また、1分子中にたとえば、フェノール系の酸化防止機構とリン系の酸化防止機構とを併せ持つユニットを有する複合型の酸化防止剤も用いることができる。紫外線吸収剤としては、たとえば、2−ヒドロキシベンゾフェノン系、ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系などの化合物が挙げられる。帯電防止剤は、ポリマー型、オリゴマー型、モノマー型のいずれであってもよい。滑剤としては、エルカ酸アミドやオレイン酸アミドの如き高級脂肪酸アミド、ステアリン酸の如き高級脂肪酸およびその塩などが挙げられる。造核剤としては、たとえば、ソルビトール系造核剤、有機リン酸塩系造核剤、ポリビニルシクロアルカンの如き高分子系造核剤などが挙げられる。アンチブロッキング剤としては、球状あるいはそれに近い形状の微粒子が、無機系、有機系を問わず使用できる。これらの添加物は、複数種が併用されてもよい。
ポリプロピレン系樹脂は、任意の方法で製膜し、保護フィルムとすることができる。この保護フィルムは、透明で実質的に面内位相差のないものである。たとえば、溶融樹脂からの押出成形法、有機溶剤に溶解させた樹脂を平板上に流延し、溶剤を除去して製膜する溶剤キャスト法などによって、面内位相差が実質的にないポリプロピレン系樹脂からなる保護フィルムを得ることができる。
押出成形により保護フィルムを製造する方法について、詳しく説明する。ポリプロピレン系樹脂は、押出機中でスクリューの回転によって溶融混練され、Tダイからシート状に押出される。押出される溶融状シートの温度は、180〜300℃程度である。このときの溶融状シートの温度が180℃を下回ると、延展性が十分でなく、得られるフィルムの厚みが不均一になり、位相差ムラのあるフィルムとなる可能性がある。また、その温度が300℃を超えると、樹脂の劣化や分解が起こりやすく、シート中に気泡が生じたり、炭化物が含まれたりすることがある。
押出機は、単軸押出機であっても2軸押出機であってもよい。たとえば単軸押出機の場合は、スクリューの長さLと直径Dの比であるL/Dが24〜36程度、樹脂供給部におけるねじ溝の空間容積と樹脂計量部におけるねじ溝の空間容積との比(前者/後者)である圧縮比が1.5〜4程度であって、フルフライトタイプ、バリアタイプまたはマドック型の混練部分を有するタイプなどのスクリューを用いることができる。ポリプロピレン系樹脂の劣化や分解を抑制し、均一に溶融混練するという観点からは、L/Dが28〜36で、圧縮比が2.5〜3.5であるバリアタイプのスクリューを用いることが好ましい。また、ポリプロピレン系樹脂の劣化や分解を可及的に抑制するため、押出機内は、窒素雰囲気または真空にすることが好ましい。さらに、ポリプロピレン系樹脂が劣化したり分解したりすることで生じる揮発ガスを取り除くため、押出機の先端に1mmφ以上5mmφ以下のオリフィスを設け、押出機先端部分の樹脂圧力を高めることも好ましい。オリフィスの押出機先端部分の樹脂圧力を高めるとは、先端での背圧を高めることを意味しており、これにより押出の安定性を向上させることができる。用いるオリフィスの直径は、より好ましくは2mmφ以上4mmφ以下である。
押出に使用されるTダイは、樹脂の流路表面に微小な段差や傷のないものが好ましく、また、そのリップ部分は、溶融したポリプロピレン系樹脂との摩擦係数の小さい材料でめっきまたはコーティングされ、さらにリップ先端が0.3mmφ以下に研磨されたシャープなエッジ形状のものが好ましい。摩擦係数の小さい材料としては、タングステンカーバイド系やフッ素系の特殊めっきなどが挙げられる。このようなTダイを用いることにより、目ヤニの発生を抑制でき、同時にダイラインを抑制できるので、外観の均一性に優れる樹脂フィルムが得られる。このTダイは、マニホールドがコートハンガー形状であって、かつ以下の条件(1)または(2)を満たすことが好ましく、さらには条件(3)または(4)を満たすことがより好ましい。
Tダイのリップ幅が1500mm未満のとき:Tダイの厚み方向長さ>180mm
……(1)
Tダイのリップ幅が1500mm以上のとき:Tダイの厚み方向長さ>220mm
……(2)
Tダイのリップ幅が1500mm未満のとき:Tダイの高さ方向長さ>250mm
……(3)
Tダイのリップ幅が1500mm以上のとき:Tダイの高さ方向長さ>280mm
……(4)。
……(1)
Tダイのリップ幅が1500mm以上のとき:Tダイの厚み方向長さ>220mm
……(2)
Tダイのリップ幅が1500mm未満のとき:Tダイの高さ方向長さ>250mm
……(3)
Tダイのリップ幅が1500mm以上のとき:Tダイの高さ方向長さ>280mm
……(4)。
このような条件を満たすTダイを用いることにより、Tダイ内部での溶融状ポリプロピレン系樹脂の流れを整えることができ、かつ、リップ部分でも厚みムラを抑えながら押出すことができるため、より厚み精度に優れ、位相差のより均一な保護フィルムを得ることができる。
ポリプロピレン系樹脂の押出変動を抑制する観点から、押出機とTダイとの間にアダプターを介してギアポンプを取り付けることが好ましい。また、ポリプロピレン系樹脂中にある異物を取り除くため、リーフディスクフィルターを取り付けることが好ましい。
Tダイから押出された溶融状シートは、金属製冷却ロール(チルロールまたはキャスティングロールともいう)と、その金属製冷却ロールの周方向に圧接して回転する弾性体を含むタッチロールとの間に、挟圧させて冷却固化することで、所望のフィルムを得ることができる。この際、タッチロールは、ゴムなどの弾性体がそのまま表面となっているものでもよいし、弾性体ロールの表面を金属スリーブからなる外筒で被覆したものでもよい。弾性体ロールの表面が金属スリーブからなる外筒で被覆されたタッチロールを用いる場合は通常、金属製冷却ロールとタッチロールの間に、ポリプロピレン系樹脂の溶融状シートを直接挟んで冷却する。一方、表面が弾性体となっているタッチロールを用いる場合は、ポリプロピレン系樹脂の溶融状シートとタッチロールの間に熱可塑性樹脂の二軸延伸フィルムを介在させて挟圧することもできる。
ポリプロピレン系樹脂の溶融状シートを、前記のような冷却ロールとタッチロールとで挟んで冷却固化させるにあたり、冷却ロールとタッチロールは、いずれもその表面温度を低くしておき、溶融状シートを急冷させることが好ましい。具体的には、両ロールの表面温度を0℃以上30℃以下の範囲に調整することが好ましい。これらの表面温度が30℃を超えると、溶融状シートの冷却固化に時間がかかるため、ポリプロピレン系樹脂中の結晶成分が成長してしまい、得られるフィルムは透明性に劣るものとなる。ロールの表面温度は、より好ましくは30℃未満、さらに好ましくは25℃未満である。一方、ロールの表面温度が0℃を下回ると、金属製冷却ロールの表面に結露して水滴が付着し、フィルムの外観を悪化させる傾向が出てくる。
使用する金属製冷却ロールは、その表面状態がポリプロピレン系樹脂の保護フィルムの表面に転写されるため、その表面に凹凸がある場合には、得られるポリプロピレン系樹脂フィルムの厚み精度を低下させる可能性がある。そこで、金属製冷却ロールの表面は可能な限り鏡面状態であることが好ましい。具体的には、金属製冷却ロールの表面の粗度は、最大高さの標準数列で表して0.4S以下であることが好ましく、さらには0.05S〜0.2Sであることがより好ましい。
金属製冷却ロールとニップ部分を形成するタッチロールは、その弾性体における表面硬度が、JIS K 6301 に規定されるスプリング式硬さ試験(A形)で測定される値として、65〜80であることが好ましく、さらには70〜80であることがより好ましい。このような表面硬度のゴムロールを用いることにより、溶融状シートにかかる線圧を均一に維持することが容易となり、かつ、金属製冷却ロールとタッチロールとの間に溶融状シートのバンク(樹脂溜り)を作ることなくフィルムに成形することが容易となる。
溶融状シートを挟圧するときの圧力(線圧)は、金属製冷却ロールに対してタッチロールを押し付ける圧力により決まる。線圧は、50N/cm以上300N/cm以下とするのが好ましく、さらには100N/cm以上250N/cm以下とするのがより好ましい。線圧を前記範囲とすることにより、バンクを形成することなく、一定の線圧を維持しながらポリプロピレン系樹脂からなる保護フィルムを製造することが容易となる。
金属製冷却ロールとタッチロールの間で、ポリプロピレン系樹脂の溶融状シートとともに熱可塑性樹脂の二軸延伸フィルムを挟圧する場合、この二軸延伸フィルムを構成する熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン系樹脂と強固に熱融着しない樹脂であればよく、具体的には、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリルなどを挙げることができる。これらの中でも、湿度や熱などによる寸法変化の少ないポリエステルが最も好ましい。この場合の二軸延伸フィルムの厚さは、通常5〜50μm程度であり、好ましくは10〜30μmである。
この方法において、Tダイのリップから金属製冷却ロールとタッチロールとで挟圧されるまでの距離(エアギャップ)を200mm以下とすることが好ましく、さらには160mm以下とすることがより好ましい。Tダイから押出された溶融状シートは、リップからロールまでの間引き伸ばされて、配向が生じやすくなる。エアギャップを前記の如く短くすることで、配向のより小さいフィルムを得ることができる。エアギャップの下限値は、使用する金属製冷却ロールの径とタッチロールの径、および使用するリップの先端形状により決定され、通常50mm以上である。
この方法でポリプロピレン系樹脂からなる保護フィルムを製造するときの加工速度は、溶融状シートを冷却固化するために必要な時間により決定される。使用する金属製冷却ロールの径が大きくなると、溶融状シートがその冷却ロールと接触している距離が長くなるため、より高速での製造が可能となる。具体的には、600mmφの金属製冷却ロールを用いる場合、加工速度は、最大で5〜20m/分程度となる。
金属製冷却ロールとタッチロールとの間で挟圧された溶融状シートは、ロールとの接触により冷却固化する。そして、必要に応じて端部をスリットした後、巻取り機に巻き取られてフィルムとなる。この際、フィルムを使用するまでの間その表面を保護するために、その片面または両面に別の熱可塑性樹脂からなる表面保護フィルムを貼合した状態で巻き取ってもよい。ポリプロピレン系樹脂の溶融状シートを熱可塑性樹脂からなる二軸延伸フィルムとともに金属製冷却ロールとタッチロールとの間で挟圧した場合には、その二軸延伸フィルムを一方の表面保護フィルムとすることもできる。
(偏光フィルムとシート部材(および樹脂フィルム)との接着)
第1の偏光板は、上述した第1の偏光フィルムの一方の表面に接着剤を用いて上記シート部材を貼合することにより得ることができる。これにより、図2を参照して、第1の偏光フィルム12の表面に接着剤層14を介してシート部材13が積層された偏光板が得られる。第1の偏光フィルム12の他方の面に樹脂フィルム15を積層する場合、第1の偏光フィルム12と樹脂フィルム15との貼合は、同様に接着剤を用いて行なわれる。この接着剤は、接着剤層16を形成するものである。第1の偏光フィルム12に樹脂フィルム15が貼合される場合、シート部材13の貼合に用いられる接着剤と樹脂フィルム15の貼合に用いられる接着剤とは、同種の接着剤であってもよく、異種の接着剤であってもよい。これらのフィルムの貼合に用いられる接着剤としては、水系接着剤、すなわち、接着剤成分を水に溶解または分散させた接着剤および光硬化性接着剤を挙げることができる。
第1の偏光板は、上述した第1の偏光フィルムの一方の表面に接着剤を用いて上記シート部材を貼合することにより得ることができる。これにより、図2を参照して、第1の偏光フィルム12の表面に接着剤層14を介してシート部材13が積層された偏光板が得られる。第1の偏光フィルム12の他方の面に樹脂フィルム15を積層する場合、第1の偏光フィルム12と樹脂フィルム15との貼合は、同様に接着剤を用いて行なわれる。この接着剤は、接着剤層16を形成するものである。第1の偏光フィルム12に樹脂フィルム15が貼合される場合、シート部材13の貼合に用いられる接着剤と樹脂フィルム15の貼合に用いられる接着剤とは、同種の接着剤であってもよく、異種の接着剤であってもよい。これらのフィルムの貼合に用いられる接着剤としては、水系接着剤、すなわち、接着剤成分を水に溶解または分散させた接着剤および光硬化性接着剤を挙げることができる。
上記水系接着剤は、接着剤層を薄くできる点において好ましく用いられる。水系接着剤としては、たとえば、接着剤成分としてポリビニルアルコール系樹脂またはウレタン樹脂を用いた水系接着剤が挙げられる。
接着剤成分としてポリビニルアルコール系樹脂を用いる場合、当該ポリビニルアルコール系樹脂は、部分ケン化ポリビニルアルコール、完全ケン化ポリビニルアルコールのほか、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、メチロール基変性ポリビニルアルコール、アミノ基変性ポリビニルアルコールなどの変性されたポリビニルアルコール系樹脂であってもよい。通常、ポリビニルアルコール系樹脂を接着剤成分とする水系接着剤は、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液として調製される。接着剤中のポリビニルアルコール系樹脂の濃度は、水100重量部に対して、通常1〜10重量部程度、好ましくは1〜5重量部程度である。
ポリビニルアルコール系樹脂を接着剤成分とする接着剤には、接着性を向上させるために、グリオキザール、水溶性エポキシ樹脂などの硬化性成分または架橋剤を添加することが好ましい。水溶性エポキシ樹脂としては、たとえばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどのポリアルキレンポリアミンと、アジピン酸などのジカルボン酸との反応により得られるポリアミドポリアミンに、エピクロロヒドリンを反応させて得られるポリアミドポリアミンエポキシ樹脂を好適に用いることができる。かかるポリアミドポリアミンエポキシ樹脂の市販品としては、住化ケムテックス(株)から販売されている「スミレーズレジン 650」および「スミレーズレジン 675」、日本PMC(株)から販売されている「WS−525」などが挙げられる。これら硬化性成分または架橋剤の添加量(共に添加する場合にはその合計量)は、ポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して、通常1〜100重量部、好ましくは1〜50重量部である。上記硬化性成分または架橋剤の添加量がポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して1重量部未満である場合には、接着性向上の効果が小さくなる傾向にあり、また、上記硬化性成分または架橋剤の添加量がポリビニルアルコール系樹脂100重量部に対して100重量部を超える場合には、接着剤層が脆くなる傾向にある。
接着剤成分としてウレタン樹脂を用いる場合、適当な接着剤組成物の例として、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とグリシジルオキシ基を有する化合物との混合物を挙げることができる。ここで、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とは、ポリエステル骨格を有するウレタン樹脂であって、その骨格内に少量のイオン性成分(親水成分)が導入されたものである。かかるアイオノマー型ウレタン樹脂は、乳化剤を使用せずに直接、水中で乳化してエマルジョンとなるため、水系の接着剤として好適である。ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂それ自体は公知であり、たとえば特開平7−97504号公報には、フェノール系樹脂を水性媒体中に分散させるための高分子分散剤の例として記載されており、また特開2005−070140号公報および特開2005−181817号公報には、ポリエステル系アイオノマー型ウレタン樹脂とグリシジルオキシ基を有する化合物との混合物を接着剤として、ポリビニルアルコール系樹脂からなる偏光フィルムに環状オレフィン系樹脂フィルムを貼合することが示されている。
第1の偏光フィルムおよび/またはこれに貼合される部材(シート部材や保護フィルムまたは光学補償フィルム)に接着剤を塗布する方法は、一般に知られている方法でよく、たとえば、流延法、マイヤーバーコート法、グラビアコート法、カンマコーター法、ドクターブレード法、ダイコート法、ディップコート法、噴霧法などを挙げることができる。流延法とは、被塗布物であるフィルムを、概ね垂直方向、概ね水平方向、または両者の間の斜め方向に移動させながら、その表面に接着剤を流下して拡布させる方法である。接着剤を塗布した後、第1の偏光フィルムおよびこれに貼合される部材を重ね合わせ、ニップロールなどにより挟んでフィルムの貼合を行なう。ニップロールを用いたフィルムの貼合は、たとえば、接着剤を塗布した後、ロールなどで加圧して均一に押し広げる方法、接着剤を塗布した後、ロールとロールとの間に通し、加圧して押し広げる方法などを採用することができる。前者の場合において、ロールの材質としては金属やゴムなどを用いることが可能である。また、後者の場合、複数のロールは同じ材質であってもよく、異なる材質であってもよい。
上記貼合後、乾燥して接着剤層を硬化させることにより偏光板を得ることができる。この乾燥処理は、たとえば熱風を吹き付けることにより行なわれ、その温度は、通常40〜100℃の範囲内であり、好ましくは60〜100℃の範囲内である。また、乾燥時間は通常、20〜1200秒である。
乾燥後の接着剤層の厚みは、通常0.001〜5μmであり、好ましくは0.01〜2μm、さらに好ましくは0.01〜1μmである。乾燥後の接着剤層の厚みが0.001μm未満である場合には、接着が不十分となる虞があり、また、乾燥後の接着剤層の厚みが5μmを超えると、偏光板の外観不良が生じる虞がある。なお、乾燥、硬化前における、上記ニップロール等を用いて貼り合わされた後の接着剤層の厚さは、5μm以下であることが好ましく、また0.01μm以上であることが好ましい。
乾燥処理の後、室温以上の温度で少なくとも半日、通常は1日間以上の養生を施して十分な接着強度が得られるようにしてもよい。かかる養生は、典型的には、ロール状に巻き取られた状態で行なわれる。好ましい養生温度は30〜50℃の範囲であり、さらに好ましくは35〜45℃である。養生温度が50℃を超えると、ロール巻き状態において、いわゆる「巻き締まり」が起こりやすくなる。なお、養生時の湿度は特に限定されないが、相対湿度が0%〜70%程度の範囲となるように選択されることが好ましい。養生時間は、通常1日〜10日程度、好ましくは2日〜7日程度である。
一方、上記光硬化性接着剤としては、たとえば、光硬化性エポキシ樹脂と光カチオン重合開始剤との混合物などが挙げられる。光硬化性エポキシ樹脂としては、たとえば、脂環式エポキシ樹脂、脂環式構造を有しないエポキシ樹脂、およびそれらの混合物などが挙げられる。光硬化性接着剤は、光硬化性エポキシ樹脂のほか、アクリル樹脂、オキセタン樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂などを含んでいてもよく、また、光カチオン重合開始剤とともに、または光カチオン重合開始剤の代わりに、光ラジカル重合開始剤を含んでいてもよい。
光硬化性接着剤を用いる場合には、第1の偏光フィルムおよび/またはこれに貼合される部材(シート部材や保護フィルムまたは光学補償フィルム)に光硬化性接着剤を塗布し、第1の偏光フィルムおよびこれに貼合される部材を貼合した後、活性エネルギー線を照射することによって光硬化性接着剤を硬化させる。光硬化性接着剤の塗布方法およびフィルムの貼合方法は、水系接着剤と同様とすることができる。活性エネルギー線の光源は特に限定されないが、波長400nm以下に発光分布を有する紫外線を発生するものが好ましく、具体的には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプなどが好ましく用いられる。
光硬化性接着剤への光照射強度は、該光硬化性接着剤の組成によって適宜決定され、特に限定されないが、重合開始剤の活性化に有効な波長領域の照射強度が0.1〜6000mW/cm2であることが好ましい。該照射強度が0.1mW/cm2以上である場合、反応時間が長くなりすぎず、6000mW/cm2以下である場合、光源から輻射される熱および光硬化性接着剤の硬化時の発熱によるエポキシ樹脂の黄変や第1の偏光フィルムの劣化を生じる虞が少ない。光硬化性接着剤への光照射時間は、硬化させる光硬化性接着剤ごとに制御されるものであって特に制限されないが、上記照射強度と照射時間との積として表される積算光量が10〜10000mJ/m2となるように設定されることが好ましい。光硬化性接着剤への積算光量が10mJ/m2以上である場合、重合開始剤由来の活性種を十分量発生させて硬化反応をより確実に進行させることができ、また、10000mJ/m2以下である場合、照射時間が長くなりすぎず、良好な生産性を維持できる。
活性エネルギー線の照射によって光硬化性接着剤を硬化させる場合、第1の偏光フィルムの偏光度、透過率および色相、ならびにシート部材、保護フィルムおよび光学補償フィルムの透明性などの偏光板の諸機能が低下しない条件で硬化を行なうことが好ましい。
なお、シート部材および保護フィルムまたは光学補償フィルムの第1の偏光フィルムへの貼合に先立ち、第1の偏光フィルムおよび/またはこれに貼合される部材の接着表面に、接着性を向上させるために、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、フレーム(火炎)処理、ケン化処理などの表面処理を施してもよい。ケン化処理としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ水溶液に浸漬する方法が挙げられる。
第1の偏光板10は、シート部材とは反対側の表面に液晶セルに貼合するための粘着剤層を有することが好ましい。このような粘着剤層に用いられる粘着剤としては、従来公知の適宜の粘着剤を用いることができ、たとえばアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられる。中でも、透明性、粘着力、信頼性、リワーク性などの観点から、アクリル系粘着剤が好ましく用いられる。粘着剤層は、このような粘着剤を、たとえば有機溶剤溶液とし、これを基材フィルム(たとえば第1の偏光フィルム等)上にダイコータやグラビアコータなどによって塗布し、乾燥させる方法によって設けることができる。また、離型処理が施されたプラスチックフィルム(セパレートフィルムと呼ばれる)上に形成されたシート状粘着剤を基材フィルムに転写する方法によっても設けることができる。粘着剤層の厚みは、特に制限されないが、2〜40μmの範囲内であることが好ましい。
<第2の偏光板>
本発明の液晶パネルを構成する視認側偏光板である第2の偏光板20は、第2の偏光フィルム22と、第2の偏光フィルム22における液晶セル30に対向する面とは反対側の面に接着剤層24を介して積層された、透過鮮明度が40%以下である光拡散性保護フィルム23とを少なくとも備える。第2の偏光板20は、第1の偏光板10と同様に、第2の偏光フィルム22における液晶セル30に対向する面に接着剤層26を介して積層された、保護フィルムや光学補償フィルムなどの樹脂フィルム25を備えていてもよい。また、第2の偏光板20は、第1の偏光板10と同様に、光拡散性保護フィルム23とは反対側の表面に、液晶セルに貼合するための粘着剤層を有することが好ましい。第2の偏光フィルム22および樹脂フィルム25としては、それぞれ上述した第1の偏光フィルム12および樹脂フィルム15について記述したものを同様に用いることができる。
本発明の液晶パネルを構成する視認側偏光板である第2の偏光板20は、第2の偏光フィルム22と、第2の偏光フィルム22における液晶セル30に対向する面とは反対側の面に接着剤層24を介して積層された、透過鮮明度が40%以下である光拡散性保護フィルム23とを少なくとも備える。第2の偏光板20は、第1の偏光板10と同様に、第2の偏光フィルム22における液晶セル30に対向する面に接着剤層26を介して積層された、保護フィルムや光学補償フィルムなどの樹脂フィルム25を備えていてもよい。また、第2の偏光板20は、第1の偏光板10と同様に、光拡散性保護フィルム23とは反対側の表面に、液晶セルに貼合するための粘着剤層を有することが好ましい。第2の偏光フィルム22および樹脂フィルム25としては、それぞれ上述した第1の偏光フィルム12および樹脂フィルム15について記述したものを同様に用いることができる。
(光拡散性保護フィルム)
視認側偏光板である第2の偏光板20が備える光拡散性保護フィルム23は、透過鮮明度が40%以下、好ましくは30%以下である保護フィルムである。このような保護フィルムを視認側偏光板の最表面に配置することにより、上記シート部材の規則的な凹凸構造と液晶セルのカラーフィルターが有する規則的なマトリックス構造との干渉によるものと考えられるモアレを抑制することができ、表示品位に優れる液晶表示装置を得ることができる。
視認側偏光板である第2の偏光板20が備える光拡散性保護フィルム23は、透過鮮明度が40%以下、好ましくは30%以下である保護フィルムである。このような保護フィルムを視認側偏光板の最表面に配置することにより、上記シート部材の規則的な凹凸構造と液晶セルのカラーフィルターが有する規則的なマトリックス構造との干渉によるものと考えられるモアレを抑制することができ、表示品位に優れる液晶表示装置を得ることができる。
ここで透過鮮明度とは、JIS K 7105に従って、透過法で測定される像鮮明度を意味する。この規格では、暗部と明部との幅の比が1:1で、0.125mm、0.5mm、1.0mmおよび2.0mmの幅を持つ4種類の光学くしが規定されているが、本発明で規定する透過鮮明度は、これら4種類の光学くしを用いて透過法で測定される像鮮明度の合計値とする。したがって、透過鮮明度の最大値は400%となる。測定装置としては、JIS K 7105に準拠したスガ試験機(株)製の写像性測定器「ICM−1DP」を用いることができる。
光拡散性保護フィルムの透過鮮明度が40%を超える場合、モアレを十分に抑制することができず、また光源での輝度ムラもそのまま観測者の目に入る傾向があり、視認性が悪くなる。モアレを抑制する観点からは、透過鮮明度は小さいほど好ましい傾向にあるが、あまり小さすぎると、たとえば光拡散性保護フィルムの反射特性などに影響を及ぼす場合があり、これにより視認性を低下させることがある。したがって、光拡散性保護フィルムの透過鮮明度は5%以上であることが好ましい。
上記範囲の透過鮮明度を示す光拡散性保護フィルムとしては、たとえば、1)フィルムに拡散剤を含有させることなどにより、フィルム内部に光拡散性を付与したフィルム、2)フィルム表面に凹凸形状、好ましくはランダムな微細凹凸形状を付与することにより、フィルム表面に光拡散性を付与したフィルム、および、3)上記1)および2)を組み合わせたフィルムを挙げることができる。2)および3)の場合において、光拡散性保護フィルムは、微細凹凸表面とは反対側の面が第2の偏光フィルムに貼合される。上記のなかでも、透過鮮明度を制御しやすいことから、2)または3)のフィルムが好ましく用いられる。
上記2)および3)の光拡散性保護フィルムにおいて、上記ランダムな微細凹凸表面の算術平均高さPa、最大断面高さPtおよび平均長さPSmは、それぞれ0.2μm以上1μm以下、1μm以上5μm以下、30μm以上80μm以下であることが好ましく、それぞれ0.2μm以上0.6μm以下、2μm以上4μm以下、30μm以上60μm以下であることがより好ましい。算術平均高さPaおよび最大断面高さPtが上記範囲を超え、かつ平均長さPSmが上記範囲を下回ると、見た目の質感が悪くなるとともに、微細凹凸表面の反射特性が悪化し、白ちゃけが生じて視認性が低下する傾向にある。また、算術平均高さPaおよび最大断面高さPtが上記範囲を下回り、かつ平均長さPSmが上記範囲を超えると、フィルム内部に光拡散性を付与しない場合には、透過鮮明度を40%以下とすることが困難となり、モアレを十分に抑制することができない。
微細凹凸表面の算術平均高さPa、最大断面高さPtおよび平均長さPSmは、Sensofar社製の共焦点顕微鏡「PLμ2300」等を用いて微細凹凸表面の表面形状を測定し、得られた測定データをもとに、JIS B 0601に準拠した計算により算出することができる。
ランダムな微細凹凸表面を有する光拡散性保護フィルムは、たとえば次の方法により作製することができる。下記方法は、それぞれ単独で使用してもよいし、あるいは2種以上の方法を組み合わせて使用してもよい。
(A)基材フィルムの片面に拡散剤が分散された樹脂液を塗工し、拡散剤を含有する層を形成して、当該拡散剤による微細凹凸形状を表面に付与する方法、
(B)基材フィルムの片面を粗面化する方法、および、
(C)基材フィルムの片面に、紫外線硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を塗工し、微細凹凸構造を有する金型に押し付けたままで紫外線照射あるいは乾燥、加熱により樹脂を硬化させた後、金型から剥離することで、微細凹凸形状を表面に付与する方法。
(A)基材フィルムの片面に拡散剤が分散された樹脂液を塗工し、拡散剤を含有する層を形成して、当該拡散剤による微細凹凸形状を表面に付与する方法、
(B)基材フィルムの片面を粗面化する方法、および、
(C)基材フィルムの片面に、紫外線硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を塗工し、微細凹凸構造を有する金型に押し付けたままで紫外線照射あるいは乾燥、加熱により樹脂を硬化させた後、金型から剥離することで、微細凹凸形状を表面に付与する方法。
上記方法(A)〜(C)で用いられる基材フィルムの材料は特に制限されず、各種材料を用いることができる。たとえば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ノルボルネン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリレートやポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂などの合成高分子;二酢酸セルロース、三酢酸セルロース等の天然高分子などの透明高分子材料が使用できる。またこれらの透明高分子材料は、必要に応じて、紫外線吸収剤や酸化防止剤、可塑剤等の添加剤を含有することができる。さらに、上記3)の光拡散性保護フィルムを得るために、拡散剤を含有させることもできる。
上記方法(A)で用いられる拡散剤、基材フィルムに含有させることができる拡散剤あるいは上記1)のフィルムに用いられる拡散剤としては、無色または白色の粒子であれば特に限定されず、有機粒子、無機粒子のいずれも使用できる。有機粒子としては、たとえば、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンのようなポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂等の高分子化合物からなる粒子が挙げられ、架橋された高分子であってもよい。また、エチレン、プロピレン、スチレン、メタクリル酸メチル、ベンゾグアナミン、ホルムアルデヒド、メラミン、ブタジエン等から選ばれる2種以上のモノマーが共重合されてなる共重合体を使用することもできる。無機粒子としては、たとえば、シリカ、シリコーン、酸化チタン等からなる粒子が挙げられ、またガラスビーズであってもよい。
上記方法(A)で用いられる樹脂液としては、溶剤揮発型または水揮発型の樹脂液や、熱硬化型または光硬化型の樹脂液が使用できる。溶剤揮発型または水揮発型の樹脂液としては、ポリアクリレートやポリメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、合成ゴムなどの高分子を、有機溶剤もしくは水に、溶解または分散させたものが使用できる。ここで用いる有機溶剤は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類;トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤;酢酸エチル;塩化メチレンなどであることができる。これらの溶剤揮発型または水揮発型の樹脂液を基材フィルム上に塗工した場合には、乾燥により有機溶剤または水を揮発させて被膜を形成させる。熱硬化型の樹脂液としては、エポキシ基を有する化合物からなる液と、アミンをはじめとするエポキシ基と縮合する化合物とを混合した樹脂液などが使用できる。光硬化型の樹脂液としては、アクリロイル基やメタクリロイル基、アリル基などのラジカル重合性不飽和結合を有する化合物に公知の光ラジカル重合開始剤を添加した樹脂液や、ビニルエーテル基やエポキシ基を有するカチオン重合性化合物に公知の光カチオン重合開始剤を添加した樹脂液が使用できる。これらの樹脂液には、拡散剤のほか、必要に応じて、紫外線吸収剤や酸化防止剤等の添加剤を添加することができる。
上記方法(B)の具体的方法としては、たとえば、上記したような透明高分子材料をキャスト法または押出し法によりシート状に成形し、次いで、エンボス加工ロールによる型押し法やサンドブラスト法により表面を粗面化する方法を挙げることができる。
光拡散性保護フィルム23のヘイズ値は、5%以上であることが好ましく、15%以上90%以下であることがより好ましい。また、その全光線透過率が高いものほど好ましい。具体的には、光拡散性保護フィルム23の全光線透過率は70%以上が好ましく、さらには80%以上、とりわけ85%以上であることが一層好ましい。
光拡散性保護フィルム23の厚みは特に限定されないが、偏光板の薄型軽量化の観点から、20μm以上200μm以下程度であることが好ましく、さらには30μm以上100μm以下であることが一層好ましい。
第2の偏光フィルム22と光拡散性保護フィルム23および必要に応じて積層される保護フィルムまたは光学補償フィルム等の樹脂フィルム25との貼合は、第1の偏光板と同様にして行なうことができる。用いる接着剤についても第1の偏光板について記述したものを同様に用いることができる。
<液晶セル>
液晶セル30のタイプは特に限定されず、垂直配向(VA)モード、ねじれ複屈折(TN)モード、超ねじれ複屈折(STN)モード、横電界(IPS)モード、ブルー相の液晶を用いた液晶駆動モードなどの従来公知の液晶セルであってよい。液晶セルは、通常、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色からなる四角形状のカラー画素を規則的に配列したマトリックス構造を有するカラーフィルターを備える。本発明の液晶パネルにおいて、液晶セル30と第1の偏光板10とは、たとえば図9に示されるように、シート部材13が先に説明したプリズム形状またはレンズ形状を有し、そのプリズム形状またはレンズ形状の稜線が、カラーフィルター30aが有するマトリックス構造のいずれかの辺に略平行となるように配置することができる。ここでいう「略平行」とは、平行であることが好ましいが、それを中心に±10°程度までのズレは許容されることを意味する。このような配置関係においても本発明によれば、モアレを十分に抑制することができる。図3に示されるプリズム形状および図4に示されるレンチキュラーレンズにおいて、稜線とは、突起(凸部)の頂点によって形成される線をいう。また、図5〜7などに示される2次元レンズアレイにおいて、稜線とは、縦または横方向に配列された突起の頂点を結ぶ線である。カラーフィルターが有するマトリックス構造のいずれかの辺とは、カラー画素の縦または横の配列方向を意味する。
液晶セル30のタイプは特に限定されず、垂直配向(VA)モード、ねじれ複屈折(TN)モード、超ねじれ複屈折(STN)モード、横電界(IPS)モード、ブルー相の液晶を用いた液晶駆動モードなどの従来公知の液晶セルであってよい。液晶セルは、通常、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色からなる四角形状のカラー画素を規則的に配列したマトリックス構造を有するカラーフィルターを備える。本発明の液晶パネルにおいて、液晶セル30と第1の偏光板10とは、たとえば図9に示されるように、シート部材13が先に説明したプリズム形状またはレンズ形状を有し、そのプリズム形状またはレンズ形状の稜線が、カラーフィルター30aが有するマトリックス構造のいずれかの辺に略平行となるように配置することができる。ここでいう「略平行」とは、平行であることが好ましいが、それを中心に±10°程度までのズレは許容されることを意味する。このような配置関係においても本発明によれば、モアレを十分に抑制することができる。図3に示されるプリズム形状および図4に示されるレンチキュラーレンズにおいて、稜線とは、突起(凸部)の頂点によって形成される線をいう。また、図5〜7などに示される2次元レンズアレイにおいて、稜線とは、縦または横方向に配列された突起の頂点を結ぶ線である。カラーフィルターが有するマトリックス構造のいずれかの辺とは、カラー画素の縦または横の配列方向を意味する。
液晶セル30のタイプが垂直配向(VA)モードである場合、第1の偏光フィルム12における液晶セル30に対向する面に樹脂フィルム15を光学補償フィルムとして積層すること、および/または、第2の偏光フィルムにおける液晶セル30に対向する面に樹脂フィルム25を光学補償フィルムとして積層することが好ましい。特に第1の偏光フィルム12および第2の偏光フィルムの両方に、樹脂フィルム15,25を光学補償フィルムとして積層することが好ましい。これらの樹脂フィルム15および25はそれぞれ、面内位相差値が20〜200nmの範囲にあり、厚み方向位相差値が50〜200nmの範囲にあることが好ましい。樹脂フィルム15,25の面内および厚み方向の位相差値は、上記した範囲から、適用される液晶表示装置に要求される特性に合わせて、適宜選択すればよい。面内位相差値は、好ましくは100nm以下であり、厚み方向位相差値は、好ましくは、80nm以上、また200nm以下である。
VAモードの液晶セルを備える液晶パネルにおいて、第1の偏光板10が樹脂フィルム15を有し、その面内位相差値が20〜200nmの範囲にあり、厚み方向位相差値が50〜350nmの範囲にある場合は、第2の偏光板20を構成する樹脂フィルム25として、面内位相差値が10nm未満のものを用いることも好ましい。樹脂フィルム15,25の面内および厚み方向の位相差値は上記した範囲から、適用される液晶表示装置に要求される特性に合わせて、適宜選択すればよい。この場合、第1の偏光板10を構成する樹脂フィルム15は、面内位相差値が好ましくは100nm以下であり、厚み方向位相差値が好ましくは80nm以上、また200nm以下である。この場合の第2の偏光板を構成する樹脂フィルム25は、面内位相差値が好ましく7nm以下、より好ましくは5nm以下である。この場合は、第2の偏光板20に樹脂フィルム25を配置しない構成も有効である。
液晶セル30のタイプがねじれ複屈折(TN)モードである場合も、第1の偏光フィルム12における液晶セル30に対向する面に樹脂フィルム15を光学補償フィルムとして積層すること、および/または、第2の偏光フィルムにおける液晶セル30に対向する面に樹脂フィルム25を光学補償フィルムとして積層することが好ましい。特に第1の偏光フィルム12および第2の偏光フィルムの両方に、樹脂フィルム15,25を光学補償フィルムとして積層することが好ましい。これらの樹脂フィルム15および25はそれぞれ、面内位相差値が20〜200nmの範囲にあり、厚み方向位相差値が50〜200nmの範囲にあることが好ましい。樹脂フィルム15,25の面内および厚み方向の位相差値は、上記した範囲から、適用される液晶表示装置に要求される特性に合わせて、適宜選択すればよい。面内位相差値は、好ましくは100nm以下であり、厚み方向位相差値は、好ましくは80nm以上、また200nm以下である。
TNモードの液晶セルを備える液晶パネルにおいては、第1の偏光板10が樹脂フィルム15を有し、第2の偏光板20も樹脂フィルム25を有する場合、それぞれの樹脂フィルム15,25の面内位相差値を10nm未満とする構成も有効である。この場合、樹脂フィルム15,25の面内位相差値は、好ましく7nm以下、さらに好ましくは5nm以下である。そこで、TNモードの液晶セルを備える液晶パネルにおいては、第1の偏光板10に樹脂フィルム15を配置せず、第2の偏光板20にも樹脂フィルム25を配置しない構成も有効である。
また、TNモードの液晶セルを備える液晶パネルにおいて、第1の偏光板10を構成する樹脂フィルム15に、液晶分子の傾斜配向を利用したセルロース系樹脂フィルムからなる光学補償フィルム(たとえば、富士フイルム(株)から販売されている「WVフィルム」や新日本石油(株)から販売されている「NHフィルム」、いずれも商品名)を用いた場合は、第2の偏光板20を構成する樹脂フィルム25にも同様に、液晶分子の傾斜配向を利用したセルロース系樹脂フィルムからなる光学補償フィルムを用いることが好ましい。
液晶セル30のタイプが横電界(IPS)モード、またはブルー相の液晶を用いた液晶駆動モードであって、第1の偏光フィルム12における液晶セル30に対向する面に樹脂フィルム15を積層する場合、この樹脂フィルム15は、面内位相差値が10nm未満であり、厚み方向位相差値が−25〜25nmの範囲であることが好ましい。第2の偏光フィルム22における液晶セル30に対向する面に樹脂フィルム25を積層する場合も、この樹脂フィルム25は、面内位相差値が10nm未満であり、厚み方向位相差値が−25〜25nmの範囲にあることが好ましい。樹脂フィルム15および25の面内および厚み方向の位相差値は、上記した範囲から、適用される液晶表示装置に要求される特性に合わせて、適宜選択すればよい。樹脂フィルム15および25の厚み方向位相差値は、−10〜10nmの範囲にあることがより好ましい。そこで、横電界(IPS)モードまたはブルー相の液晶を用いた液晶駆動モードにおいては、第1の偏光板20に樹脂フィルム15を配置しない構成、および/または、第2の偏光板20に樹脂フィルム25を配置しない構成も有効である。
ここで、面内位相差値と厚み方向位相差値について説明する。フィルムの面内遅相軸方向の屈折率をnx、面内進相軸方向(遅相軸と面内で直交する方向)の屈折率をny、厚み方向の屈折率をnz、そして厚みをdとしたときに、面内位相差値R0および厚み方向位相差値Rthは、それぞれ下式(I)および(II)で定義される。
R0=(nx−ny)×d (I)
Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×d (II)。
Rth=〔(nx+ny)/2−nz〕×d (II)。
<面光源>
本発明の液晶表示装置は、液晶パネル100を均一に照明するための面光源200を備える。面光源としては、拡散板を用いた直下型光源、導光板を用いたエッジライト型光源などを用いることができるが、なかでも、図1に示されるような、導光板202と導光板202の側方に配置された光源装置201とを備えるエッジライト型光源を用いた場合に、規則的な凹凸構造を表面に有するシート部材を配置する効果が有効に発現される。導光板202としては、たとえば、アクリル樹脂等の透明樹脂からなる平板状またはくさび形状部材を用いることができる。導光板の裏面または両面には、インクを使用したスクリーン印刷またはエッチング、ブラストの加工により、パターンが付加される。また、導光板の裏面または両面に、反射機能を有する微小反射素子、微小屈折素子などを構成することもある。
本発明の液晶表示装置は、液晶パネル100を均一に照明するための面光源200を備える。面光源としては、拡散板を用いた直下型光源、導光板を用いたエッジライト型光源などを用いることができるが、なかでも、図1に示されるような、導光板202と導光板202の側方に配置された光源装置201とを備えるエッジライト型光源を用いた場合に、規則的な凹凸構造を表面に有するシート部材を配置する効果が有効に発現される。導光板202としては、たとえば、アクリル樹脂等の透明樹脂からなる平板状またはくさび形状部材を用いることができる。導光板の裏面または両面には、インクを使用したスクリーン印刷またはエッチング、ブラストの加工により、パターンが付加される。また、導光板の裏面または両面に、反射機能を有する微小反射素子、微小屈折素子などを構成することもある。
光源装置201としては、LED等の点状光源を線状に並べた光源装置や、冷陰極管等の棒状光源からなる光源装置を用いることができる。本発明の液晶表示装置において、面光源は、導光板の一辺に配置される1つの光源装置を有していてもよいし、または導光板の向かいあう二辺に配置される2つの光源装置を有していてもよい。
本発明の液晶表示装置において、上記で説明した以外の構成については、従来公知の適宜の構成を採用することができる。たとえば、本発明の液晶表示装置は、光拡散板、光拡散シート、反射板などをさらに備えていてもよい。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<実施例1>
(1)偏光フィルムの作製
平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上で厚み75μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の純水に浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.02/2/100の水溶液に30℃で浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が12/5/100の水溶液に56.5℃で浸漬した。引き続き、8℃の純水で洗浄した後、65℃で乾燥して、ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向された偏光フィルムを得た。延伸は、主に、ヨウ素染色およびホウ酸処理の工程で行ない、トータル延伸倍率は5.3倍であった。
(1)偏光フィルムの作製
平均重合度約2400、ケン化度99.9モル%以上で厚み75μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の純水に浸漬した後、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.02/2/100の水溶液に30℃で浸漬した。その後、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水の重量比が12/5/100の水溶液に56.5℃で浸漬した。引き続き、8℃の純水で洗浄した後、65℃で乾燥して、ポリビニルアルコールにヨウ素が吸着配向された偏光フィルムを得た。延伸は、主に、ヨウ素染色およびホウ酸処理の工程で行ない、トータル延伸倍率は5.3倍であった。
(2)視認側偏光板用光拡散性保護フィルムの作製
以下の各成分が酢酸エチルに固形分濃度60重量%で溶解されており、硬化後に1.53の屈折率を示す紫外線硬化性樹脂組成物を用意した。
以下の各成分が酢酸エチルに固形分濃度60重量%で溶解されており、硬化後に1.53の屈折率を示す紫外線硬化性樹脂組成物を用意した。
ペンタエリスリトールトリアクリレート 60重量部、
多官能ウレタン化アクリレート(ヘキサメチレンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの反応生成物) 40重量部。
多官能ウレタン化アクリレート(ヘキサメチレンジイソシアネートとペンタエリスリトールトリアクリレートの反応生成物) 40重量部。
次に、この紫外線硬化性樹脂組成物の固形分100重量部に対して、ポリスチレン粒子「テクポリマーSBX−6」(積水化成品工業(株)製、重量平均粒子径6μm)を30重量部、および、光重合開始剤である「ルシリン TPO」(BASF社製、化学名:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド)を5重量部添加し、これらを含む固形分濃度が60重量%になるように酢酸エチルで希釈して塗布液を調製した。
この塗布液を、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム「KC8UY」(コニカミノルタオプト(株)製)上に、乾燥後の塗布厚みが14μmとなるように塗布し、80℃に設定した乾燥機中で1分間乾燥させた。乾燥後のフィルムの紫外線硬化性樹脂組成物層側より、Fusion UV Systems社製の紫外線照射装置の紫外線ランプ「Dバルブ」を用いて、出力75%、照射距離4cm、ライン速度6m/minで1回紫外線を照射し、紫外線硬化性樹脂組成物層を硬化させて、表面にランダムな微細凹凸形状を有する硬化樹脂層(厚み14.3μm)を備えた光拡散性保護フィルムを得た。
(3)プリズムシートの作製
成形後のプリズム状突起(断面形状は二等辺三角形である)のピッチ間隔が50μm、および頂角が65°となるように予め設計された金型に、溶融したポリプロピレン樹脂を流し込み、加熱しながら加圧した。次いで、金型から剥離後すぐに60℃まで冷却し、ポリプロピレン樹脂からなるプリズムシートを得た。このプリズムシートは、設計どおりのプリズム状突起を有していた。
成形後のプリズム状突起(断面形状は二等辺三角形である)のピッチ間隔が50μm、および頂角が65°となるように予め設計された金型に、溶融したポリプロピレン樹脂を流し込み、加熱しながら加圧した。次いで、金型から剥離後すぐに60℃まで冷却し、ポリプロピレン樹脂からなるプリズムシートを得た。このプリズムシートは、設計どおりのプリズム状突起を有していた。
(4)紫外線硬化型接着剤の調製
ジャパンエポキシレジン(株)製の水素化エポキシ樹脂である商品名「エピコート YX8000」(核水添ビスフェノールAのジグリシジルエーテルであって、約205g/当量のエポキシ当量を有する)10.0重量部、日本曹達(株)製の光カチオン重合開始剤である商品名「CI5102」4.0重量部、および、日本曹達(株)製の光増感剤である商品名「CS7001」1.0重量部を混合し、脱泡することにより、紫外線硬化型接着剤を調製した。
ジャパンエポキシレジン(株)製の水素化エポキシ樹脂である商品名「エピコート YX8000」(核水添ビスフェノールAのジグリシジルエーテルであって、約205g/当量のエポキシ当量を有する)10.0重量部、日本曹達(株)製の光カチオン重合開始剤である商品名「CI5102」4.0重量部、および、日本曹達(株)製の光増感剤である商品名「CS7001」1.0重量部を混合し、脱泡することにより、紫外線硬化型接着剤を調製した。
(5)視認側偏光板の作製
上記(1)で得た偏光フィルムの一方の面に、上記(2)で得た光拡散性保護フィルムを、その微細凹凸形状を有する面とは反対側の面を貼合面として、また、偏光フィルムの他方の面に、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム「KC8UY」(コニカミノルタオプト(株)製)を、それぞれ上記(4)で得た紫外線硬化型接着剤を介して貼合した。次に、Fusion UV Systems社製の紫外線照射装置の紫外線ランプ「Hバルブ」を用いて、出力85%、照射距離4cm、ライン速度9m/minで1回紫外線を照射し、接着剤を硬化させることにより、良好な外観を有する視認側偏光板を得た。この視認側偏光板のトリアセチルセルロースフィルムの外面に、厚み25μmのアクリル系粘着剤の層を設けた。
上記(1)で得た偏光フィルムの一方の面に、上記(2)で得た光拡散性保護フィルムを、その微細凹凸形状を有する面とは反対側の面を貼合面として、また、偏光フィルムの他方の面に、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム「KC8UY」(コニカミノルタオプト(株)製)を、それぞれ上記(4)で得た紫外線硬化型接着剤を介して貼合した。次に、Fusion UV Systems社製の紫外線照射装置の紫外線ランプ「Hバルブ」を用いて、出力85%、照射距離4cm、ライン速度9m/minで1回紫外線を照射し、接着剤を硬化させることにより、良好な外観を有する視認側偏光板を得た。この視認側偏光板のトリアセチルセルロースフィルムの外面に、厚み25μmのアクリル系粘着剤の層を設けた。
(6)背面側偏光板の作製
上記(1)で得た偏光フィルムの一方の面に、上記(3)で得たプリズムシートを、そのプリズム形状を有する面とは反対側の面を貼合面として、また、偏光フィルムの他方の面に、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム「KC8UY」(コニカミノルタオプト(株)製)を、それぞれ上記(4)で得た紫外線硬化型接着剤を介して貼合した。次に、Fusion UV Systems社製の紫外線照射装置の紫外線ランプ「Hバルブ」を用いて、出力85%、照射距離4cm、ライン速度9m/minで1回紫外線を照射し、接着剤を硬化させることにより、良好な外観を有する背面側偏光板を得た。この背面側偏光板のトリアセチルセルロースフィルムの外面に、厚み25μmのアクリル系粘着剤の層を設けた。
上記(1)で得た偏光フィルムの一方の面に、上記(3)で得たプリズムシートを、そのプリズム形状を有する面とは反対側の面を貼合面として、また、偏光フィルムの他方の面に、厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルム「KC8UY」(コニカミノルタオプト(株)製)を、それぞれ上記(4)で得た紫外線硬化型接着剤を介して貼合した。次に、Fusion UV Systems社製の紫外線照射装置の紫外線ランプ「Hバルブ」を用いて、出力85%、照射距離4cm、ライン速度9m/minで1回紫外線を照射し、接着剤を硬化させることにより、良好な外観を有する背面側偏光板を得た。この背面側偏光板のトリアセチルセルロースフィルムの外面に、厚み25μmのアクリル系粘着剤の層を設けた。
(7)液晶パネルおよび液晶表示装置の作製
上記(5)で得た視認側偏光板および上記(6)で得た背面側偏光板を、それぞれアクリル系粘着剤層を介して液晶セルの視認側および背面側に配置して液晶パネルを組み立てた。この液晶パネルを導光板方式の面光源(ソニー(株)製の「VAIO VGN−FE32B/W」にて使用されているもの)と組み合わせて液晶表示装置を作製した。
上記(5)で得た視認側偏光板および上記(6)で得た背面側偏光板を、それぞれアクリル系粘着剤層を介して液晶セルの視認側および背面側に配置して液晶パネルを組み立てた。この液晶パネルを導光板方式の面光源(ソニー(株)製の「VAIO VGN−FE32B/W」にて使用されているもの)と組み合わせて液晶表示装置を作製した。
<実施例2>
実施例1の(2)において、ポリスチレン粒子「テクポリマーSBX−6」を20重量部使用したこと以外は、すべて実施例1と同様にして、ランダムな微細凹凸形状を有する硬化樹脂層の厚みが13.5μmである光拡散性保護フィルムを作製した。次いで、この視認側偏光板保護フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、液晶表示装置を作製した。
実施例1の(2)において、ポリスチレン粒子「テクポリマーSBX−6」を20重量部使用したこと以外は、すべて実施例1と同様にして、ランダムな微細凹凸形状を有する硬化樹脂層の厚みが13.5μmである光拡散性保護フィルムを作製した。次いで、この視認側偏光板保護フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、液晶表示装置を作製した。
<比較例1>
実施例1の(2)において、塗布液を、乾燥後の塗布厚みが16μmとなるように塗布したこと以外は、すべて実施例1と同様にして、ランダムな微細凹凸形状を有する硬化樹脂層の厚みが15.6μmである光拡散性保護フィルムを作製した。次いで、この視認側偏光板保護フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、液晶表示装置を作製した。
実施例1の(2)において、塗布液を、乾燥後の塗布厚みが16μmとなるように塗布したこと以外は、すべて実施例1と同様にして、ランダムな微細凹凸形状を有する硬化樹脂層の厚みが15.6μmである光拡散性保護フィルムを作製した。次いで、この視認側偏光板保護フィルムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、液晶表示装置を作製した。
<比較例2>
住友化学(株)が販売する偏光板「スミカラン SRW842E−GL5」を40℃のお湯に3時間浸し、防眩性を有する保護フィルムを偏光フィルムから剥離した。剥離した保護フィルムを十分に乾燥し、これを視認側偏光板用光拡散性保護フィルムとして用いたこと以外は実施例1と同様にして、液晶表示装置を作製した。
住友化学(株)が販売する偏光板「スミカラン SRW842E−GL5」を40℃のお湯に3時間浸し、防眩性を有する保護フィルムを偏光フィルムから剥離した。剥離した保護フィルムを十分に乾燥し、これを視認側偏光板用光拡散性保護フィルムとして用いたこと以外は実施例1と同様にして、液晶表示装置を作製した。
実施例1、2、および比較例1、2で用いた光拡散性保護フィルムの構成を表1にまとめた。また、光拡散性保護フィルムの光学特性および表面形状の測定結果、ならびに、作製した液晶表示装置のモアレの目視評価結果を表2にまとめた。
光拡散性保護フィルムの光学特性および表面形状の測定方法、ならびに作製した液晶表示装置のモアレの目視評価方法は下記のとおりである。
(1)全光線透過率およびヘイズの測定
JIS K 7136に準拠した(株)村上色彩技術研究所製のヘイズメーター「HM−150」型を用いて、光拡散性保護フィルムの全光線透過率およびヘイズを測定した。フィルムの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて、微細凹凸面が表面となるように光拡散性保護フィルムをガラス基板に貼合してから測定を行なった。
JIS K 7136に準拠した(株)村上色彩技術研究所製のヘイズメーター「HM−150」型を用いて、光拡散性保護フィルムの全光線透過率およびヘイズを測定した。フィルムの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて、微細凹凸面が表面となるように光拡散性保護フィルムをガラス基板に貼合してから測定を行なった。
(2)透過鮮明度の測定
JIS K 7105に準拠したスガ試験機(株)製の写像性測定器「ICM−1DP」を用いて測定した。測定にあたっては、フィルムの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて微細凹凸面が表面となるように光拡散性保護フィルムをガラス基板に貼合し、この状態でガラス側から光を入射し、測定を行なった。ここでの測定値は、暗部と明部の幅がそれぞれ0.125mm、0.5mm、1.0mmおよび2.0mmである4種類の光学くしを用いて測定された値の合計値(最大400%)である。
JIS K 7105に準拠したスガ試験機(株)製の写像性測定器「ICM−1DP」を用いて測定した。測定にあたっては、フィルムの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて微細凹凸面が表面となるように光拡散性保護フィルムをガラス基板に貼合し、この状態でガラス側から光を入射し、測定を行なった。ここでの測定値は、暗部と明部の幅がそれぞれ0.125mm、0.5mm、1.0mmおよび2.0mmである4種類の光学くしを用いて測定された値の合計値(最大400%)である。
表1に示されるとおり、実施例1で用いた光拡散性保護フィルムの透過鮮明度は13.7%であったが、その内訳は次のとおりである。
幅0.125mmの光学くしを用いたときの値: 1.7%、
幅0.5mmの光学くしを用いたときの値: 1.1%、
幅1.0mmの光学くしを用いたときの値: 1.9%、
幅2.0mmの光学くしを用いたときの値: 9.0%、
合計 13.7%。
幅0.5mmの光学くしを用いたときの値: 1.1%、
幅1.0mmの光学くしを用いたときの値: 1.9%、
幅2.0mmの光学くしを用いたときの値: 9.0%、
合計 13.7%。
(3)表面形状の測定
Sensofar社製の共焦点顕微鏡「PLμ2300」を用いて、光拡散性保護フィルムの表面形状を測定した。この場合も、フィルムの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて凹凸面が表面となるように光拡散性保護フィルムをガラス基板に貼合してから測定を行なった。測定の際、対物レンズの倍率は50倍とした。当該測定データをもとに、JIS B 0601に準拠した計算により、断面曲線における算術平均高さPa、最大断面高さPt、および平均長さPSmを求めた。
Sensofar社製の共焦点顕微鏡「PLμ2300」を用いて、光拡散性保護フィルムの表面形状を測定した。この場合も、フィルムの反りを防止するため、光学的に透明な粘着剤を用いて凹凸面が表面となるように光拡散性保護フィルムをガラス基板に貼合してから測定を行なった。測定の際、対物レンズの倍率は50倍とした。当該測定データをもとに、JIS B 0601に準拠した計算により、断面曲線における算術平均高さPa、最大断面高さPt、および平均長さPSmを求めた。
(4)モアレの目視評価
液晶表示装置を白表示とし、この状態で目視にてモアレの程度を確認し、下記評価基準により評価した。
液晶表示装置を白表示とし、この状態で目視にてモアレの程度を確認し、下記評価基準により評価した。
1:モアレが確認されない、
2:モアレが非常に薄く確認されるが、気にならない程度である、
3:モアレがはっきり確認される。
2:モアレが非常に薄く確認されるが、気にならない程度である、
3:モアレがはっきり確認される。
実施例1の液晶表示装置の表示を目視にて観察したところ、正面から見て明るい画像が得られ、また、液晶セルとプリズムとの干渉によって生じるモアレは見られず、視認性は良好であった。また、実施例2の液晶表示装置においても、正面から見て明るい画像が得られ、また、モアレは気になるほど見られず視認性は良好であった。
一方、比較例1においては、光拡散性保護フィルムの硬化樹脂層の厚みを変えたことで微細凹凸表面形状が好ましくない方向へ変化し、その結果透過鮮明度が上昇した。これによりモアレがはっきりと観察され、視認性は不良であった。また、透過鮮明度が99.1%である光拡散性保護フィルムを用いた比較例2においても、モアレがはっきりと観察され、視認性は不良であった。
10 第1の偏光板、12 第1の偏光フィルム、13,102 シート部材、14,16,24,26 接着剤層、15,25 樹脂フィルム、17,27 粘着剤層、20 第2の偏光板、22 第2の偏光フィルム、23 光拡散性保護フィルム、30 液晶セル、30a カラーフィルター、50 一つのプリズム、50a 一つのプリズムの斜面、53 隣り合う次のプリズム、53a 隣り合う次のプリズムの斜面、51,54 プリズムの頂部(稜線)、52 一つのプリズムの斜面の終点、55 隣り合う次のプリズムの斜面の始点、56 隣り合うプリズム形状の間に形成される谷部、57 谷部に存在する平坦部、59 シート部材の一方の面を構成する平坦面、100 液晶パネル、200 面光源、201 光源装置、202 導光板。
Claims (8)
- 液晶セルと、前記液晶セルの背面側に積層される第1の偏光板と、前記液晶セルの視認側に積層される第2の偏光板と、を備え、
前記第1の偏光板は、第1の偏光フィルムと、前記第1の偏光フィルムにおける前記液晶セルに対向する面とは反対側の面に積層される、規則的な凹凸構造を表面に有するシート部材を含み、
前記第2の偏光板は、第2の偏光フィルムと、前記第2の偏光フィルムにおける前記液晶セルに対向する面とは反対側の面に積層される、透過鮮明度が40%以下である光拡散性保護フィルムを含む、液晶パネル。 - 前記シート部材は、プリズム形状またはレンズ形状を表面に有するシート部材である、請求項1に記載の液晶パネル。
- 前記シート部材の表面に存在するプリズム形状またはレンズ形状は、一つのプリズムまたはレンズの斜面の終点から隣り合う次のプリズムまたはレンズの斜面の始点までの距離が、前記プリズム形状またはレンズ形状の稜線のピッチ間隔に対して30%以下となるように形成されている請求項2に記載の液晶パネル。
- 前記液晶セルは、規則的なマトリックス構造を有するカラーフィルターを備え、
前記液晶セルと前記第1の偏光板とは、前記シート部材が有する前記プリズム形状またはレンズ形状の稜線が、前記カラーフィルターが有するマトリックス構造のいずれかの辺に略平行となるように配置される請求項2または3に記載の液晶パネル。 - 前記光拡散性保護フィルムにおける前記第2の偏光フィルムに対向する面とは反対側の面は、微細凹凸表面からなり、
前記微細凹凸表面の算術平均高さPaが0.2μm以上1μm以下、最大断面高さPtが1μm以上5μm以下、かつ、平均長さPSmが30μm以上80μm以下である、請求項1〜4のいずれかに記載の液晶パネル。 - 前記第1の偏光板は、前記第1の偏光フィルムにおける前記液晶セルに対向する面に積層される光学補償フィルムまたは保護フィルムを備える請求項1〜5のいずれかに記載の液晶パネル。
- 前記第2の偏光板は、前記第2の偏光フィルムにおける前記液晶セルに対向する面に積層される光学補償フィルムまたは保護フィルムを備える請求項1〜6のいずれかに記載の液晶パネル。
- 面光源と、前記面光源上に配置される請求項1〜7のいずれかに記載の液晶パネルとを備え、
前記液晶パネルは、前記シート部材の規則的な凹凸構造を有する表面が前記面光源に対向するように配置される液晶表示装置。
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