JP2011241687A - ベーンポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】空気溜まりができるのを抑制してポンプ効率を高めることの可能なベーンポンプを得る。
【解決手段】回転可能な回転部4をケーシング2内に設けるとともに、前記回転部4に、当該回転部4の天面5cに凹設され且つ当該回転部4の回転軸Axに対して放射状に伸びて径外方向に開口する複数のスリット7を形成し、当該スリット7にベーン8をスライド可能に収容したベーンポンプ1において、ベーン8をスリット7への収容状態で当該スリット7から回転軸Axの軸方向上側に突出させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、ベーンポンプに関する。
従来のベーンポンプとして、ケーシング内に円柱状の回転部と、当該回転部の天面に凹設され、回転軸に対して放射状に伸びるスリットと、当該スリットに突没可能に収容されるベーンとを設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1では、回転部の天面とこの天面に対向するケーシングの対向面との隙間に空気溜まりができるのを抑制するため、ベーンの天面を回転部の天面と同面またはそれ以下となるように(即ち、ベーンがスリット内に収まるように)してベーンが対向面に当たらないようにしつつ、隙間を可能な限り小さくする構成となっている。
特開2010−24943号公報
しかしながら、上記従来技術のように隙間を小さくしようとしても、製造時の製造誤差などによって製品にバラツキが生じるため、回転部の天面とこの天面に対向するケーシングの対向面との隙間が拡大したり変動したりしてしまう恐れがある。このように、回転部の天面とケーシングの対向面との隙間が拡大してしまうと空気溜まりが発生して、ポンプ効率が低下してしまう恐れがあった。
そこで、本発明は、空気溜まりができるのを抑制してポンプ効率を高めることの可能なベーンポンプを得ることを目的とする。
かかる課題を解決するために、本発明は、回転可能な回転部をケーシング内に設けるとともに、前記回転部に、当該回転部の天面に凹設され且つ当該回転部の回転軸に対して放射状に伸びて径外方向に開口する複数のスリットを形成し、当該スリットにベーンをスライド可能に収容したベーンポンプであって、前記ベーンを、前記スリットへの収容状態で当該スリットから前記回転軸の軸方向上側に突出させたことを特徴とする。
本発明によれば、ベーンをスリットへの収容状態で当該スリットから回転軸の軸方向上側に突出させるようにしたので、突出したベーンの回転運動と径外方向への往復運動とにより、回転部の天面と当該天面に対向するケーシングの対向面との隙間に滞留する空気を粉砕して空気溜まりができるのを抑制でき、ポンプ効率を高めることができる。
本発明の第1実施形態にかかるベーンポンプの回転軸と直交する断面での断面図である。 本発明の第1実施形態にかかるベーンポンプの回転軸を含む断面での断面図である。 本発明の第1実施形態にかかるベーンポンプの分解斜視図である。 図2の一部の拡大図である。 図1のV−V断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる図1と同一位置のV−V断面図である。 本発明の第3実施形態にかかる図1と同一位置のV−V断面図である。 本発明の第4実施形態にかかる図1と同一位置のV−V断面図である。 本発明の第5実施形態にかかる図1と同一位置のV−V断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
図1〜図5は、本発明の第1実施形態にかかるベーンポンプを示した図である。なお、以下では、便宜上、図2〜4の上側を回転軸Axの軸方向一方側、下側を軸方向他方側とする。まずは、図1を参照して、ベーンポンプ1の作動流体の吸入および吐出に関わる構成について説明する。
本実施形態にかかるベーンポンプ1では、図1に示すように、ケーシング2内で、円環状のリング3の略円筒状の内周面3aと回転軸Axを中心に回転する回転部4の略円柱状の基体部5の外周面5aとの間に、作動流体(液体)を収容する環状室6が形成されている。環状室6の幅wは、回転軸Axの周方向に沿って変化している。本実施形態では、内周面3aの中心Cと回転軸Axとを平行にずらして、リング3の内周面3aと回転部4の基体部5とを偏心させてある。このため、環状室6の幅wは、図1の右端の位置で最小となり、当該右端の位置から時計回り方向に徐々に拡がって左端の位置で最大となり、当該左端の位置から右端の位置に向けて時計回り方向に徐々に狭まって最小となっている。
基体部5には、回転部4の回転軸Axに対して放射状に伸びて径外方向に開口する複数(本実施形態では4つ)のスリット7が形成されており、各スリット7には略角棒状または略帯板状のベーン8が突没可能(即ち、スライド可能)に収容されている。ベーン8は、回転部4の回転に伴って生じる遠心力とスリット7内の回転軸Ax側に導入される作動流体の与圧によって、スリット7内で径外方向に付勢されている。このため、ベーン8は内周面3aと摺接しながら回転部4とともに回転することになる。
環状室6は、周方向に一定のピッチで配置された複数のベーン8によって、同数(本実施形態では4つ)のポンプ室9に区画されている。回転部4およびベーン8の回転に伴い、ポンプ室9の容積は、環状室6の幅wの変化に従って変化することになる。すなわち、各ポンプ室9の容積は、図1の右端の位置で最小となっている。そして、回転部4の回転方向RD(図1の時計回り方向)への回転に伴って漸増し、左端の位置で最大となる。その位置からさらに回転部4が時計回り方向に回転すると、ポンプ室9の容積は漸減し、右端の位置で最小となる。つまり、本実施形態では、回転部4の1周回のうち図1の下半分の区間でポンプ室9の容積が拡大し、上半分の区間でポンプ室9の容積が縮小する。このため、リング3の内周面3aおよびケーシング2(第1のケーシング10)に、ポンプ室9の容積が拡大する区間に臨ませて吸入開口11を設けるとともに、ポンプ室9の容積が縮小する区間に臨ませて吐出開口12を設けてある。吸入開口11は、第1のケーシング10の側面上に突設された吸入パイプ13内の吸入通路14と連通し、吐出開口12は、吸入パイプ13と平行に突設された吐出パイプ15内の吐出通路16と連通している。
したがって、図1において、回転部4が回転方向RDに回転すると、隣接する2枚のベーン8によって区画されるポンプ室9は、右端の位置から容積を拡大させながら左端の位置まで移動する。このため、吸入通路14から吸入開口11を介してポンプ室9内に作動流体が流入する。そして、ポンプ室9は、左端の位置から容積を縮小しながら右端の位置まで移動する。このため、当該ポンプ室9から吐出開口12を介して吐出通路16に作動流体が流出する。複数のポンプ室9についてこのような作動流体の流入および流出が順次行われ、以て、ベーンポンプ1による連続的な作動流体の吸入および吐出が実現されている。
次に、図1〜図5を参照して、本実施形態にかかるベーンポンプ1の各部の構成を詳細に説明する。
図2に示すように、回転部4の基体部5に形成されたスリット7は、軸方向他方側で、底壁部17によって塞がれており、ベーン8は、この底壁部17と摺接しながらスリット7内を往復動するようになっている。すなわち、本実施形態では、回転部4の天面としての基体部5の天面5cに略四角柱状のスリット7が凹設されている。
なお、底壁部17には、スリット7の径内側に連通する連通孔17aが形成されており、この連通孔17aを介してスリット7内に、底壁部17の裏側(軸方向他方側)から作動流体の与圧が導入されるようになっている。
底壁部17は、回転軸Axを中心とし当該回転軸Axと直交する円板状に形成されており、基体部5の外周面5aより外側までフランジ状に張り出している。そして、この底壁部17の外周縁に、略円筒状のスカート部18が突設されている。スカート部18は、回転軸Axと同心となっており、基体部5から離間する側(軸方向他方側)に向けて略一定の厚みで突出している。
このスカート部18は、回転部4を駆動するモータ19の回転子(ロータ)として機能するものであり、コイルの巻回されたステータコア20のティース20aに対応して周方向に沿ってN極S極が交互に着磁された着磁部18aを含んでいる。スカート部18のうち少なくとも着磁部18aとして機能する部分は、磁性材料によって構成される。この場合、スカート部18のうちティース20aに対向する部分のみを磁性材料(例えばフェライト磁石やサマリウムコバルト磁石等の硬磁性材料)によって構成してもよいし、スカート部18全体を磁性材料によって構成しても良いし、回転部4全体を磁性材料によって構成してもよい。この場合、樹脂材料に磁性材料からなる粉状や粒状の磁性フィラーを混合して、回転部4やスカート部18を成形することも可能である。
また、図1,図3に示すように、基体部5の外周面5aは一定のピッチで径内方向に凹設され、これにより羽根部5bが形成されている。この羽根部5bは、基体部5(回転部4)とともに回転し、吸入開口11と対峙するときにはポンプ室9への作動流体の吸入性能を高めるとともに、吐出開口12と対峙するときにはポンプ室9からの作動流体の排出性能を高めている。
また、図2に示すように、基体部5(回転部4)の中央部には、シャフト21を回転自在に支持する軸受部22が固定されている。この軸受部22は、メタルブッシュ等の滑り軸受としてもよいし、ニードルベアリング等の転がり軸受としてもよい。
そして、回転部4は、ケーシング2によって形成される内部空間2a(図2参照)内で回転軸Ax回りに回転するように構成されている。本実施形態では、ケーシング2は、軸方向一方側(図2および図3の上側)に位置する第1のケーシング10と、軸方向他方側(図2および図3の下側)に位置する第2のケーシング23と、環状室6の外周面(リング3の内周面3a)を形成するリング3とを備えている。
リング3は、図3にも示すように、環状室6の外周面を形成する筒状部3bと、筒状部3bの軸方向他方側から回転軸Axの径外方向に張り出すフランジ部3cとを備え、さらに、吸入通路14および吐出通路16の側壁の一部を成すリブ3dを備えている。円板環状のフランジ部3cから回転軸Axの軸方向に筒状部3bとリブ3dとが略同じ高さで立設された形状となっている。
このリング3は、図2に示すように、第1のケーシング10に形成された凹部10b内に収容される。すなわち、この凹部10bは、リング3の筒状部3bとリブ3dを嵌合する形状に凹設されている。また、リング3のフランジ部3cの外周部3eは、凹部10の反対側で第2のケーシング23の環状壁部23aと接触しており、この部分が第1のケーシング10と第2のケーシング23とによって挟持されることで、リング3が回転軸Axの軸方向に固定されている。
第2のケーシング23には、回転部4のスカート部18を収容する略円環状の凹部23bと、回転部4の軸受部22のうち第2のケーシング23側(軸方向他方側、図2および図3の下側)に突出する部分を収容する凹部23cとが形成されている。
凹部23bの外周にある環状壁部23aより径外側の領域は、第1のケーシング10との当接面となる。この当接面には、Oリング34用の溝部23dを略円環状に形成し、この溝部23d内に装着したOリング34によって、第1のケーシング10と第2のケーシング23との境界部分でのシールを確保してある。なお、この境界部分以外の部材同士の境界部分(例えばリング3のフランジ部3cと第1のケーシング10との間の境界面等)にも適宜にシール部材(例えばガスケットやOリング等)を介在させ、各境界部分のシール性能を向上させるようにしてもよい。
凹部23cの底壁部23eと、第1のケーシング10の突起部10cとの間にはシャフト21が架設され、このシャフト21の中心が回転軸Axとなっている。シャフト21は、回転部4の中心に設けた軸受部22を貫通し、当該軸受部22に回転自在に支持されている。
また、図2に示すように、凹部23bと凹部23cとの間には、回転部4の反対側(軸方向他方側、図2の下側)から回転部4側に向けて突設された環状の突起部23fが形成されており、この突起部23fの裏側となる環状の凹部23j内にモータ19をなすステータコア20が収容されている。
ステータコア20は、図2,図3に示すように、基板24の表面24aの中央に取り付けられており、回転軸Axと同心で中央に位置する円筒部20bと、円筒部20bから放射状に伸びてコイルが巻回された複数のティース20aとを備えている。
そして、基板24のステータコア20を設けた表面24aに対して反対側(軸方向他方側、図2の下側)となる裏面24bには、各種電子部品(図示せず)が実装され、モータ19の駆動回路やその他の回路が形成されている。本実施形態では、基板24に形成された駆動回路によって各ティース20aに巻回されたコイルの通電状態を適宜に切り替えてティース20aの外周部分における極性を切り替え、これにより、ティース20aに対して径外方向に対向する着磁部18a(スカート部18)に周方向の推力を与え、以て、回転部4を回転させるようになっている。よって、第2のケーシング23のうち、少なくとも、ステータコア20(ティース20a)の外周部とスカート部18との間に介在する隔壁部23gは、透磁性を有するものとする必要がある。このため、隔壁部23gあるいは第2のケーシング23の全体が、透磁性を有する材料(例えばステンレススチールや、樹脂材料等)で形成される。
基板24は、凹部23cを回転部4の反対側(軸方向他方側)から塞ぐようにして取り付けられており、さらに、基板24を、基板カバー25によって、回転部4の反対側(軸方向他方側)から覆ってある。基板カバー25には、基板24との間に電子部品を配置する間隔を確保するため、突条25aを設けてある。
第1のケーシング10および第2のケーシング23は、いずれも回転軸Axに沿う軸方向視で略正方形状の外形状を呈している。そして、これらケーシング10,23の四隅に、これらを締結するねじ26の貫通孔10a,23kを形成してある。これら貫通孔10a,23kおよび基板カバー25の四隅に形成された貫通孔25bにねじ26を挿通して、ナット27を螺結することで、ベーンポンプ1が組み立てられる。
なお、ベーンポンプ1をなす上記各構成部品の材料や製造方法は、上述した着磁性や透磁性の他、耐摩耗性、耐食性、耐膨潤性、成形性、部品精度等を考慮して適宜に選択される。
また、本実施形態では、回転部4に、その回転に伴って上記回転軸Axの軸方向一方側(図2,図3では上側)への流体力を発生させる流体力発生部28を設け、回転部4を、底壁部17を設けた側と反対側に位置する第1のケーシング10に押し付けるようにしている。流体力発生部28は、スカート部18の軸方向他方側の端面18bに、回転部4の回転方向RDに対して傾斜する傾斜面として設けてある。傾斜面は、回転方向RDの手前側から先方側にかけて軸方向他方側から一方側(図3の下側から上側)に向けて傾斜して設定してある。このため、回転部4の回転に伴ってこの傾斜面に当たった作動流体は、回転部4に流体力を作用させ、軸方向一方側(図3の上側)に押し上げることになる。
そして、かかる軸方向一方側に向けて作用する流体力(推力)を受けながら回転する回転部4を摺動可能に支持するため、第1のケーシング10には、図4に示すように、スラスト支持部29を設けてある。具体的には、第1のケーシング10においてシャフト21を嵌挿して支持する部分を軸方向他方側へ突出させて突起部10cを形成し、この突起部10cの頂面10dに、ワッシャ30を介して、回転部4(基体部5)の中央部に形成した凹部4aの底面4bを突き当てている。本実施形態では、スラスト支持部29にワッシャ30を介在させるとともに、このワッシャ30に回転部4の中央部に設けた軸受部22の軸方向端面22a(凹部4aの底面4bに一部露出させて設けてある)を突き当てることで、耐摩耗性を高め易くしている。すなわち、かかる構成により、この部分の耐摩耗性はワッシャ30と軸受部22との摺接部分のスペック(材質、寸法、硬化処理等)によって調整し、回転部4の本体部分(基体部5、底壁部17等)のスペックは、軽量化や、他の摺動部分の摺動性、耐食性等の観点から選定することができる。
そして、図4に示すように、スラスト支持部29における摺動部分の直径D2を、基体部5の直径D1より小さくしてある。流体力発生部28を設けた場合に、特段スラスト支持する部分を設けないと、基体部5の端面5cが第1のケーシング10と摺接することになって、摺動抵抗が増大してしまう虞がある。この点、本実施形態では、摺動部分の直径D2を基体部5の直径D1より小さくしたため、摺動抵抗をより低減して、フリクションをより低減することができる。
なお、図2に示すように、底壁部17の軸方向一方側の端面17bとリング3の軸方向他方側の端面3fとの間の隙間31は狭く設定し、これら端面17b,3f間の隙間からのリーク流量を可及的に減らしてある。また、軸受部22の軸方向他方側にもワッシャ30を介在させてある。
ここで、本実施形態では、図5に示すように、ベーン8をスリット7への収容状態で当該スリット7から回転軸Axの軸方向一方側(上側)に突出させて配置するようにしている。
具体的には、本実施形態では、ベーン8の厚さをスリット7の深さよりも厚く形成することで、ベーン8をスリット7から突出させている。なお、ベーン8の厚さとスリット7の深さを同一に形成するとともに、ベーン8の底面8dに嵩上げ部材などを取り付けることで、ベーン8をスリット7から突出させるようにしてもよい。
このように、ベーン8をスリット7から突出させることで、突出したベーン8の回転運動と径外方向への往復運動とにより、回転部4(基体部5)の天面5cと当該天面5cに対向するケーシング2の対向面(即ち、第1のケーシング10の軸方向他方側の端面10e)との隙間gに滞留する空気を粉砕することができる。
以上、説明してきたように、本実施形態のベーンポンプ1によれば、ベーン8をスリット7への収容状態で当該スリット7から回転軸Axの軸方向上側に突出させるようにしたので、回転部4(基体部5)の天面5cと当該天面5cに対向するケーシング2の対向面(即ち、第1のケーシング10の軸方向他方側の端面10e)との隙間gに空気溜まりができるのを抑制でき、ポンプ効率を高めることができる。
また、本実施形態では、流体力発生部28によって回転部4を回転軸Axの軸方向一方側に押し上げるようにした。かかる構成により、回転部4をケーシング2の軸方向一方側(すなわち第1のケーシング10)に突き当てて、回転部4が回転中に軸方向に往復動するのを抑制することができ、当該往復動によって、振動や騒音が生じるのを抑制することができる。また、図4に示すように、基体部5の軸方向一方側の端面5cと、第1のケーシング10の軸方向他方側の端面10eとのギャップgを、回転部4の寸法d1と第1のケーシング10の寸法d2とで、より容易にかつより精度良く規定できるようになり、このギャップが拡大したり変動したりすることによるリーク流量の増大、ひいてはポンプ効率の低下を抑制できるとともに、ベーンポンプ1の吐出量のばらつき(個体差)を低減することができる。
さらに、上述したようにベーン8を摺動可能に軸方向他方側で支持する底壁部17を設けたため、ベーン8の軸方向他方側への移動を抑制することができ、当該ベーン8が軸方向に往復動することによって振動や騒音が生じたり、リーク流量が増大して効率が低下したりするのを抑制することができる。かかる構成は、回転部4とともにベーン8を軸方向一方側へ移動させる構成と言うことができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について図面を参照して説明する。図6は、本実施形態にかかるベーンポンプの図1と同一位置のV−V断面図である。
本実施形態のベーンポンプ1は、上記第1実施形態と同様にして、ベーン8Aをスリット7への収容状態で当該スリット7から回転軸Axの軸方向一方側(上側)に突出させて配置するようにしている。
ここで、本実施形態が上記第1実施形態と主に異なる点は、ベーン8Aのスリット7への収容状態における回転方向RD先方側の側面8sfから当該ベーン8Aの天面8uに向けて傾斜する第1の傾斜面36aを形成したことにある。すなわち、この傾斜面36aは、ベーン8Aの側面8sfと、軸方向一方側(上側)の天面8uとの間の角部を面取りした形状に形成されている。
このように、ベーン8Aの回転方向RDの先方側に軸方向他方側(下側)に向けて傾斜する第1の傾斜面36aを形成することで、軸方向他方側(下側)へ向けて流体力を作用させることができ、ベーン8は、底壁部17(すなわちスリット7の底面7c)上に押し付けられ、ベーン8の底面8dとスリット7の底面7cとが相互に摺動することになる。
以上の本実施形態によれば、スリット7内に導入した流体の圧力でベーン8Aを軸方向他方側(下側)に配置した底壁部17に押しつけることができるため、ベーン8Aが軸方向に往復動するのを抑制することができるようになる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について図面を参照して説明する。図7は、本実施形態にかかるベーンポンプの図1と同一位置のV−V断面図である。
本実施形態のベーンポンプ1は、上記第2実施形態と同様にして、ベーン8Bをスリット7への収容状態で当該スリット7から回転軸Axの軸方向一方側(上側)に突出させるとともに、ベーン8Bに第1の傾斜面36bを形成している。
ここで、本実施形態が上記第2実施形態と主に異なる点は、上記第1の傾斜面36bにおけるベーン8Bの回転方向RD先方側の側面8sfとの交点kが、回転部4の天面としての基体部5の天面5cよりも下側に位置するように当該第1の傾斜面36bを形成したことにある。
このように、第1の傾斜面36bの交点kを基体部5の天面5cよりも下側に位置させることで、ベーン8Bの傾斜面36bとスリット7の側面7bとの間に略V字状の溝40bが形成され、スリット7内に導入された流体の圧力により、ベーン8Bを底壁部17(すなわちスリット7の底面7c)上に押し付け易くすることができる。
以上の本実施形態によれば、スリット7内に導入した流体の圧力でベーン8Bを軸方向他方側(下側)に配置した底壁部17に押しつけ易くすることができるため、ベーン8が軸方向に往復動するのをより抑制することができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について図面を参照して説明する。図8は、本実施形態にかかるベーンポンプの図1と同一位置のV−V断面図である。
本実施形態のベーンポンプ1は、上記第2実施形態と同様にして、ベーン8Cをスリット7への収容状態で当該スリット7から回転軸Axの軸方向一方側(上側)に突出させるとともに、ベーン8Cに第1の傾斜面36aを形成している。
ここで、本実施形態が上記第2実施形態と主に異なる点は、ベーン8Cのスリット7への収容状態における回転方向RD手前側の側面8sbから当該ベーン8Cの天面8uに向けて傾斜する第2の傾斜面36cをさらに形成したことにある。すなわち、この傾斜面36cは、ベーン8Cの側面8sbと、軸方向一方側(上側)の天面8uとの間の角部を面取りした形状に形成されている。
このように、ベーン8Cの回転方向RDの手前側に軸方向他方側(下側)に向けて傾斜する第2の傾斜面36cをさらに形成することで、スリット7内でのベーン8Cのバランスを向上させて、ベーン8Cのがたつきを抑制することができる。
以上の本実施形態によっても、スリット7内に導入した流体の圧力でベーン8Cを軸方向他方側(下側)に配置した底壁部17に押しつけることができるため、ベーン8Cが軸方向に往復動するのを抑制することができる。
さらに、流体の圧力をベーン8Cに作用させる傾斜面36a、36cを回転方向RDの先方側と手前側の両側に形成したため、スリット7内でのベーン8Cのバランスを向上させて、ベーン8Cのがたつきを抑制することができる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について図面を参照して説明する。図9は、本実施形態にかかるベーンポンプの図1と同一位置のV−V断面図である。
本実施形態のベーンポンプ1は、上記第4実施形態と同様にして、ベーン8Dをスリット7への収容状態で当該スリット7から回転軸Axの軸方向一方側(上側)に突出させるとともに、ベーン8Dの回転方向RD両側に第1および第2の傾斜面36b、36dを形成している。
ここで、本実施形態が上記第4実施形態と主に異なる点は、上記第1の傾斜面36bにおけるベーン8Dの回転方向RD先方側の側面8sfとの交点kおよび第2の傾斜面36dにおけるベーン8Dの回転方向RDの手前側の側面8sbとの交点iが、それぞれ回転部4の天面としての基体部5の天面5cよりも下側に位置していることにある。
以上の本実施形態によっても、スリット7内に導入した流体の圧力でベーン8Dを軸方向他方側に配置した底壁部17に押し付けることができるため、ベーン8Dが軸方向に往復動するのを抑制することができる。
また、交点kおよびiを基体部5の天面5cよりも下側に位置させることで、第1の傾斜面36bとスリット7の側面7bとの間および第2の傾斜面36dとスリットの側面7fとの間に略V字状の溝40b、40fがそれぞれ形成されるため、スリット7内に導入された流体の圧力により、ベーン8Dを底壁部17(スリット7の底面7c)上に押し付け易くすることができる。
さらにまた、流体の圧力をベーン8Dに作用させる傾斜面36b、36dを回転方向RDの先方側および手前側の双方に形成したため、スリット7内でのベーン8Dのバランスをより一層向上させて、ベーン8Dのがたつきを抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、ベーンポンプの回転部やリング、ケーシングの詳細な構成は上記実施形態には限定されない。また、ベーンや第1および第2の傾斜面の大きさ形状等については、本発明の範囲内で適宜に変更することができる。
2 ケーシング
4 回転部
5 基体部
5c 天面
7 スリット
8 ベーン
10 第1のケーシング
Ax 回転軸

Claims (4)

  1. 回転可能な回転部をケーシング内に設けるとともに、前記回転部に、当該回転部の天面に凹設され且つ当該回転部の回転軸に対して放射状に伸びて径外方向に開口する複数のスリットを形成し、当該スリットにベーンをスライド可能に収容したベーンポンプであって、
    前記ベーンを、前記スリットへの収容状態で当該スリットから前記回転軸の軸方向上側に突出させたことを特徴とするベーンポンプ。
  2. 前記ベーンの前記スリットへの収容状態における回転方向先方側の側面から当該ベーンの天面に向けて傾斜する第1の傾斜面を形成したことを特徴とする請求項1に記載のベーンポンプ。
  3. 前記第1の傾斜面における前記ベーンの回転方向先方側の側面との交点が、前記回転部の天面よりも下側に位置するように当該第1の傾斜面を形成したことを特徴とする請求項2に記載のベーンポンプ。
  4. 前記ベーンの前記スリットへの収容状態における回転方向手前側の側面から当該ベーンの天面に向けて傾斜する第2の傾斜面を形成したことを特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項に記載のベーンポンプ。
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