JP2011241166A - 組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】化粧料(但し、医薬部外品を含む)に好適な美肌用の組成物の提供。
【解決手段】1)下記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)抗シワ剤とを含有する組成物。
Figure 2011241166

(1)[式中、Rは、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、Rは、水素原子、無置換又は置換基を有する芳香族基、無置換又は置換基を有する芳香族基により置換された炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、Rは、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、nは、1又は2の整数、mは、0〜3の整数を表す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、化粧料(但し、医薬部外品を含む)に好適な組成物に関し、詳しくは、1)下記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)抗シワ剤を含有することを特徴とする、組成物に関する。
Figure 2011241166
(1)
[式中、R1は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R2は、水素原子、無置換又は置換基を有する芳香族基、無置換又は置換基を有する芳香族基により置換された炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、R3は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、nは、1又は2の整数、mは、0〜3の整数を表す。]
皮膚には、長年に渡る紫外線及び化学物質暴露、温度変化等の物理的刺激の蓄積、遺伝的要因等により、シワ、シミ、たるみなどの皮膚老化現象が年齢と共に顕在化する。この様な皮膚老化現象は、他人が抱く見た目の印象に大きな影響を与えるため、肌の美観を美しく保つことは、人々にとって重要な関心事である。特に、シワ、たるみは、他人が見た目の若々しさを判断するのに大きな要素となるために、シワやたるみを予防又は改善するために様々な方法が試されている。この様な方法には、美容的な方法としては、マッサ−ジ施術などの物理的な刺激による方法、ヒアルロン酸注入等の医療的な方法等が知られているが、十分な効果が得られないことが存するほかに、費用が高額であったり、施術上のトラブル等が存したりするため、効果を期待する人にとって必ずしも身近で有効な方法とは言い難い。一方、シワ形成の予防又は改善作用、抗老化作用を有する成分を配合した化粧料等が数多く市販されているが、これらにおいても、効果が不明瞭であったりする場合も多く存する。このため、シワ形成に対する予防又は改善効果を有する成分、並びに、前記成分が有する抗シワ、抗老化効果を増強させる技術が切望されている。
前述の通り、皮膚老化現象、取り分け、シワ形成に対する予防又は改善に対する注目は、非常に高い。このため、シワ形成の作用機序の解析、更には、解明された作用機序に関する情報を基にした抗シワ剤の開発が盛んに行われている。シワ形成の作用機序としては、紫外線暴露などによる細胞の損傷とそれによって亢進される細胞のアポト−シス、マトリックスメタロプロテア−ゼ(MMP)等のプロテア−ゼの発現の亢進によるコラ−ゲン等の線維成分の加水分解、さらには、サイトカインの亢進による線維束の崩壊等が既に報告されている。この様な作用機序解析による情報を基に、抗シワ剤が数多く開発されている。シワ形成の予防又は改善作用を有する成分として有名なレチノイン酸(例えば、非特許文献1を参照)は、米国においてシワ、にきびの治療医薬品として認可されており、実効性も照明されている。しかしながら、レチノイン酸には、皮膚への刺激をはじめとする安全性面に大きな課題が存するため、日本においては、認可されていない。また、レチノイン酸以外のシワ形成に対する予防抗又は改善作用を有する成分としては、抗シワ剤(例えば、特許文献1を参照)、コラ−ゲン産生促進剤(例えば、特許文献2を参照)、ヒアルロン酸産生促進剤(例えば、特許文献3を参照)等が知られている。また、トリテルペン酸、又は、そのベンジル誘導体に付いては、光照射により生じる真皮コラ−ゲン線維束の崩壊に起因するシワに対して、当該真皮コラ−ゲン線維束構造を再構築し、改善効果を示すことが知られている(例えば、特許文献4を参照)。しかしながら、前記の抗シワ剤は、極性溶媒への溶解性が乏しいなどの製剤化における制限が存し、十分な予防又は改善効果が得られない場合も存する。このため、新たな抗シワ剤の創出に加え、既存の抗シワ剤の効果を増強させる成分、製剤技術の開発が望まれている。
また、生体を構成する必須アミノ酸を含む側鎖の異なる20種類のα−アミノ酸には、様々な生物活性が知られている。前記のα−アミノ酸の内、メチオニン、システイン、更には、それらの誘導体に関しては、その化学構造中に硫黄原子が存するために、他のα−アミノ酸とは異なる特徴的な生物活性が期待され、注目されている。実際、メチオニンのアシル化誘導体には、抗酸化作用(例えば、特許文献5を参照)、メチオニンを含むジペプチドには、美白作用(例えば、特許文献6を参照)等が知られている。また、システインの硫黄原子が酸化されたシステイン酸、その誘導体であるホモシステイン酸に関しては、生体内における代謝物として注目され、これらには、毛髪のはり、こし改善作用(例えば、特許文献7を参照)等が存することが知られている。さらに、システイン酸及びホモシステイン酸誘導体に付いては、窒素原子上に水素原子、直鎖又は分岐のアルキル又はアルケニル基を有する誘導体に、皮膚剥離若しくは表皮更新作用(例えば、特許文献8を参照)等が知られている。しかしながら、前記一般式(1)に表される化合物、具体的には、システイン酸及びホモシステイン酸の窒素原子が芳香族基を有する脂肪族炭化水素基により置換された化合物に関しては、化合物自身が新規化合物であるため、その生物活性は全く知られていなかった。さらに、前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩を抗シワ剤と共に組成物に含有させることにより、抗シワ剤の有する効果が増強されることは全く知られていなかった。
特開平07−041419号公報 特開平07−285846号公報 特開2007−051091号公報 WO/2007/148474号公報 特開2006−052152号公報 特開1993−032533号公報 特開2006−143649号公報 特開平09−110627号公報
老化防止・美白・保湿化粧料の開発技術、シ−エムシ−出版、鈴木正人 監修
本発明は、この様な状況下に為されたものであり、化粧料(但し、医薬部外品を含む)に好適な、美肌用の組成物、具体的には、1)前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)抗シワ剤を含有する組成物を提供することを課題とする。
この様な状況に鑑みて、本発明者等は、化粧料(但し、医薬部外品を含む)に好適な、美肌用の組成物を求め鋭意努力を重ねた結果、1)後記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)抗シワ剤を含有することを特徴とする組成物に、その様な特性が備わっていることを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、以下に示す通りである。
<1> 1)下記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)抗シワ剤を含有することを特徴とする、組成物。
Figure 2011241166
(1)
[式中、R1は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R2は、水素原子、無置換又は置換基を有する芳香族基、無置換又は置換基を有する芳香族基により置換された炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、R3は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、nは、1又は2の整数、mは、0〜3の整数を表す。]
<2> 前記一般式(1)に表される化合物が、下記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>に記載の組成物。
Figure 2011241166
(2)
[式中、R4は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R5は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、nは、1又は2の整数、mは、0〜3の整数を表す。]
<3> 前記一般式(2)に表される化合物が、下記一般式(3)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の組成物。

Figure 2011241166
(3)
[式中、R6は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R7は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、nは、1又は2の整数を表す。]
<4> 前記一般式(3)に表される化合物が、下記一般式(4)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>〜<3>の何れか一項に記載の組成物。
Figure 2011241166
(4)
[式中、R8は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R9は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表す。]
<5> 前記一般式(1)〜(4)に表される化合物が、N−(o−トルイル)システイン酸(化合物1)、N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)、N−(p−トルイル)システイン酸(化合物3)、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)、(N−ビフェニルカルボニル)システイン酸(化合物5)、N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物6)、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>〜<4>の何れか一項に記載の組成物。
Figure 2011241166
N−(o−トルイル)システイン酸(化合物1)
Figure 2011241166
N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)
Figure 2011241166
N−(p−トルイル)システイン酸(化合物3)
Figure 2011241166
N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)
Figure 2011241166
(N−ビフェニルカルボニル)システイン酸(化合物5)
Figure 2011241166
N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物6)
<6> 前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、組成物全量に対し、0.001質量%〜20質量%含有することを特徴とする、<1>〜<5>の何れか一項に記載の組成物。
<7> 前記抗シワ剤が、ビタミンA、その誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、トリテルペン酸、その誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<1>〜6>の何れか一項に記載の組成物。
<8> 前記のビタミンA又はその誘導体が、レチノ−ル、レチナ−ル、レチノイン酸、トレチノイン、イソトレチノイン、レチノイン酸トコフェロ−ル、パルミチン酸レチノ−ル、酢酸レチノ−ルより選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、<1>〜<7>の何れか一項に記載の組成物。
<9> 前記のトリテルペン酸又はその誘導体のトリテルペン酸残基が、ウルソ−ル酸、ベツリン酸又はそれらの酸の残基であることを特徴とする、<1>〜<7>の何れか一項に記載の組成物。
<10> 前記のトリテルペン酸、その誘導体が、トリテルペン酸、トリテルペン酸ベンジルエステル、トリテルペン酸リン酸エステルであることを特徴とする、<1>〜<7>、<9>の何れか一項に記載の組成物。
<11> 前記抗シワ剤が、真皮コラ−ゲン線維束再構築作用を有する植物抽出物であることを特徴とする、<1>〜<6>の何れか一項に記載の組成物。
<12> 前記の真皮コラ−ゲン線維束再構築作用を有する植物抽出物が、下記に示す植物抽出物より選択される1種また2種以上であることを特徴とする、<1>〜<6>、<11>に記載の組成物。
<真皮コラ−ゲン線維束再構築作用を有する植物抽出物>
フトモモ科フトモモ属チョウジノキより得られる植物抽出物、オトギリソウ科オトギリソウより得られる植物抽出物、オトギリソウ科セイヨウオトギリソウより得られる植物抽出物、オトギリソウ科ヒメオトギリより得られる植物抽出物、オトギリソウ科トモエソウより得られる植物抽出物、スイカズラ科セイヨウニワトコより得られる植物抽出物、キク科ヤグルマギクより得られる植物抽出物、シソ科ロ−ズマリ−より得られる植物抽出物
<13> 前記抗シワ剤が、組成物全量に対し0.00001質量%〜15質量%含有することを特徴とする、<1>〜<12>の何れか一項に記載の組成物。
<14> 化粧料(但し、医薬部外品を含む)であることを特徴とする、<1>〜<13>の何れか一項に記載の組成物。
<15> 美肌用であることを特徴とする、<1>〜<14>の何れか一項に記載の組成物。
<16> シワ形成に対する予防又は改善用であることを特徴とする、<1>〜<15>の何れか一項に記載の組成物。
<17> 皮膚外用剤であることを特徴とする、<1>〜<16>の何れか一項に記載の組成物。
<18> 1)前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)抗シワ剤を含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
<19> 前記一般式(1)に表される化合物が、前記一般式(4)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<18>に記載の皮膚外用剤。
<20> 前記一般式(1)に表される化合物が、N−(o−トルイル)システイン酸(化合物1)、N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)、N−(p−トルイル)システイン酸(化合物3)、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)、(N−ビフェニルカルボニル)システイン酸(化合物5)、N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物6)、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<18>又は<19>に記載の皮膚外用剤。
Figure 2011241166
N−(o−トルイル)システイン酸(化合物1)
Figure 2011241166
N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)
Figure 2011241166
N−(p−トルイル)システイン酸(化合物3)
Figure 2011241166
N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)
Figure 2011241166
(N−ビフェニルカルボニル)システイン酸(化合物5)
Figure 2011241166
N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物6)
<21> 前記抗シワ剤が、ビタミンA、その誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、トリテルペン酸、その誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、<18>〜<20>の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
<22> 前記のビタミンA又はその誘導体が、レチノ−ル、レチナ−ル、レチノイン酸、トレチノイン、イソトレチノイン、レチノイン酸トコフェロ−ル、パルミチン酸レチノ−ル、酢酸レチノ−ルより選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、<18>〜<21>の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
<23> 前記のトリテルペン酸又はその誘導体のトリテルペン酸残基が、ウルソ−ル酸、ベツリン酸又はそれらの酸の残基であることを特徴とする、<18>〜<21>の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
<24> 前記のトリテルペン酸、その誘導体が、トリテルペン酸、トリテルペン酸ベンジルエステル、トリテルペン酸リン酸エステルであることを特徴とする、<18>〜<21>、<23>の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
<25> 前記抗シワ剤が、真皮コラ−ゲン線維束再構築作用を有する植物抽出物であることを特徴とする、<18>〜<21>の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
<26> 前記の真皮コラ−ゲン線維束再構築作用を有する植物抽出物が、下記に示す植物抽出物より選択される1種また2種以上であることを特徴とする、<18>〜<21>、<25>に記載の皮膚外用剤。
<真皮コラ−ゲン線維束再構築作用を有する植物抽出物>
フトモモ科フトモモ属チョウジノキより得られる植物抽出物、オトギリソウ科オトギリソウより得られる植物抽出物、オトギリソウ科セイヨウオトギリソウより得られる植物抽出物、オトギリソウ科ヒメオトギリより得られる植物抽出物、オトギリソウ科トモエソウより得られる植物抽出物、スイカズラ科セイヨウニワトコより得られる植物抽出物、キク科ヤグルマギクより得られる植物抽出物、シソ科ロ−ズマリ−より得られる植物抽出物
<27> 油中水乳化剤形であることを特徴とする、<18>〜<26>の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
<28> 更に、好ましい製剤成分を含有することを特徴とする、<18>〜<27>の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
<本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩>
本発明の組成物は、1)前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)抗シワ剤を含有することを特徴とする。本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、後述する抗シワ剤と共に組成物に含有させることにより、美肌作用、取り分け、シワ形成に対する予防又は改善作用を増強する作用を発揮する。本発明の組成物が有する美肌作用とは、年齢と共に顕在化する肌の美観に関する皮膚老化現象に対する予防又は改善作用を意味し、取り分け、既に形成されたシワを目立たなくする改善作用などに加え、これから形成され顕在化するシワ、たるみなどの皮膚症状に対する予防又は改善作用を意味する。また、当該成分には、シワ形成に対する予防又は改善作用に加え、日焼け、シミ、くすみ等の色素沈着に起因する肌症状に対する予防又は改善作用等による総合的な肌状態を予防又は改善作用を有する。
ここで前記一般式(1)に表される化合物に付いて述べれば、式中、R1は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R2は、水素原子、無置換又は置換基を有する芳香族基、無置換又は置換基を有する芳香族基により置換された炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、R3は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、nは、1又は2の整数、mは、0〜3の整数を表す。前記R1は、水素原子、炭素数1〜8、より好ましくは、炭素数1〜4、の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基が好適に例示出来る。前記R2は、水素原子、無置換又は置換基を有する芳香族基、無置換又は置換基を有する芳香族基により置換された炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ブチルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルフェニル基、N−エチルフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ピリジル基、ナフチル基、ビフェニル基、ベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル基、エトキシベンジル基、ヒドロキシベンジル基、アミノベンジル基、N−メチルアミノベンジル基、N−エチルアミノベンジル基、クロロベンジル基、フルオロベンジル基、トリフルオロメチルベンジル基、ナフチルメチル基、ビフェニルメチル基、フェニルエチル基、ナフチルエチル基、ビフェニルエチル基、フェニルプロピル基、ナフチルプロピル基、ビフェニルプロピル基、フェニルブチル基、ナフチルブチル基、ビフェニルブチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、フェニル基、ベンジル基が好適に例示出来る。前記R3は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、具体例を挙げれば、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ブチルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルフェニル基、N−エチルフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ピリジル基、ナフチル基、ビフェニル基等が好適に例示出来、より好ましくは、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好適に例示出来る。前記nは、1又は2の整数を表し、より好ましくは、n=1が好適に例示出来る。前記mは、0〜3の整数を表し、特に、m=0の場合が好ましい。前記一般式(1)に表される化合物の内、好ましいものとしては、前記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、より好ましくは、前記一般式(3)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましくは、前記一般式(4)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。また、前記一般式(1)に表される化合物の内、好ましい化合物を具体的に例示すれば、N−ベンゾイルシステイン酸、N−(o−トルイル)システイン酸(化合物1)、N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)、N−(p−トルイル)システイン酸(化合物3)、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)、(N−ビフェニルカルボニル)システイン酸(化合物5)、N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物6)、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかる化合物は、後述する抗シワ剤と共に組成物中に含有させることにより、優れた美肌作用、取り分け、シワ形成に対する予防又は改善作用を増強する効果を有する。また、かかる化合物は、親水性又は親油性媒体に対する溶解性に優れ、組成物中、取り分け、皮膚外用剤へ配合するための製剤化が容易であり、さらに、製剤中における安定性及び皮膚貯留性に優れ、美肌作用、シワ形成に対する予防又は改善作用の増強効果に優れる。また、前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が有する美肌作用は、後記の抗シワ剤との相加又は相乗効果に加え、PCT/JP2009/069261に記載のコラ−ゲン産生促進作用等のシワ作用によるものと考えられる。
ここで前記一般式(2)に表される化合物に付いて述べれば、式中、R4は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R5は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、nは、1又は2の整数、mは、0〜3の整数を表す。前記R4は、水素原子、炭素数1〜8、より好ましくは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基が好適に例示出来る。R5は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、具体例を挙げれば、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ブチルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルフェニル基、N−エチルフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ピリジル基、ナフチル基、ビフェニル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、フェニル基、ベンジル基が好適に例示出来る。前記R5は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、具体例を挙げれば、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ブチルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルフェニル基、N−エチルフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ピリジル基、ナフチル基、ビフェニル基等が好適に例示出来、より好ましくは、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好適に例示出来る。前記nは、1又は2の整数を表し、より好ましくは、n=1が好適に例示出来る。前記mは、0〜3の整数を表し、特に、m=0の場合が好ましい。前記一般式(2)に表される化合物の内、前記一般式(3)又は(4)に表される化合物に含まれない化合物を具体的に例示すれば、N−(ベンジルカルボニル)システイン酸、N−(メチルベンジルカルボニル)システイン酸、N−(エチルベンジルカルボニル)システイン酸、N−(プロピルベンジルカルボニル)システイン酸、N−(ブチルベンジルカルボニル)システイン酸、N−(メトキシベンジルカルボニル)システイン酸、N−(エトキシベンジルカルボニル)システイン酸、N−(プロピルオキシベジルカルボニル)システイン酸、N−(ブチルオキシベンジルカルボニル)システイン酸、N−(ヒドロキシベンジルカルボニル)システイン酸、N−(アミノベンジルカルボニル)システイン酸、N−(N’−メチルアミノベンジルカルボニル)システイン酸、N−(N’−エチルアミノベンジルカルボニル)システイン酸、N−(N’,N’−ジメチルアミノベンジルカルボニル)システイン酸、N−(N’,N’−ジエチルアミノベンジルカルボニル)システイン酸、N−(クロロベンジルカルボニル)システイン酸、N−(フルオロベンジルカルボニル)システイン酸、N−(ジフルオロベンジルカルボニル)システイン酸、N−(トリフルオロメチルベンジルカルボニル)システイン酸、[N−(ベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(メチルベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(エチルベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(プロピルベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(ブチルベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(メトキシベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(エトキシベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(プロピルオキシベジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(ブチルオキシベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(ヒドロキシベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(アミノベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(N’−メチルアミノベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(N’−エチルアミノベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(N’,N’−ジメチルアミノベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエスエル、[N−(N’,N’−ジエチルアミノベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(クロロベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(フルオロベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(ジフルオロベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、[N−(トリフルオロメチルベンジルカルボニル)システイン酸]エチルエステル、N−(ベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(メチルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(エチルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(プロピルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(ブチルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(メトキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(エトキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(プロピルオキシベジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(ブチルオキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(ヒドロキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(アミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(N’−メチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(N’−エチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(N’,N’−ジメチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(N’,N’−ジエチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(クロロベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(フルオロベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(ジフルオロベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(トリフルオロメチルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸、[N−(ベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(メチルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(エチルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(プロピルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(ブチルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(メトキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(エトキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(プロピルオキシベジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(ブチルオキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(ヒドロキシベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(アミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(N’−メチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(N’−エチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(N’,N’−ジメチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(N’,N’−ジエチルアミノベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(クロロベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(フルオロベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(ジフルオロベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、[N−(トリフルオロメチルベンジルカルボニル)ホモシステイン酸]エチルエステル、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(2)に表される化合物の内、好ましいものとしては、N−ベンゾイルシステイン酸、N−(o−トルイル)システイン酸(化合物1)、N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)、N−(p−トルイル)システイン酸(化合物3)、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)、(N−ビフェニルカルボニル)システイン酸(化合物5)、N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物6)、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかる化合物は、後述する抗シワ剤と共に組成物中に含有させることにより、優れた美肌作用、取り分け、シワ形成に対する予防又は改善作用を増強する効果を有する。また、かかる化合物は、親水性又は親油性媒体に対する溶解性に優れ、組成物中、取り分け、皮膚外用剤へ配合するための製剤化が容易であり、さらに、製剤中における安定性及び皮膚貯留性に優れ、美肌作用、シワ形成に対する予防又は改善作用の増強効果に優れる。
ここで前記一般式(3)に表される化合物に付いて述べれば、式中、R6は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R7は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、nは、1又は2の整数を表す。前記R6は、水素原子、炭素数1〜8、より好ましくは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基が好適に例示出来る。R7は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、具体例を挙げれば、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ブチルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルフェニル基、N−エチルフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ピリジル基、ナフチル基、ビフェニル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、フェニル基、ベンジル基が好適に例示出来る。前記R8は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、具体例を挙げれば、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ブチルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルフェニル基、N−エチルフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ピリジル基、ナフチル基、ビフェニル基等が好適に例示出来、より好ましくは、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が好適に例示出来る。前記nは、1又は2の整数を表し、より好ましくは、n=1が好適に例示出来る。前記一般式(3)に表される化合物の内、前記一般式(4)に表される化合物に含まれない化合物の具体例を挙げれば、N−(ベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(メチルベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(エチルベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(プロピルベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(ブチルベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(メトキシベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(エトキシベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(プロピルオキシベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(ブチルオキシベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(ヒドロキシベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(アミノベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(N’−メチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(N’−エチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(N’,N’−ジメチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(N’,N’−ジエチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(クロロベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(フルオロベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(ジフルオロベゾイル)ホモシステイン酸、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)ホモシステイン酸、N−(ナフチルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(ビフェニルカルボニル)ホモシステイン酸、N−(ベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(メチルベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(エチルベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(プロピルベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(ブチルベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(メトキシベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(エトキシベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(プロピルオキシベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(ブチルオキシベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(ヒドロキシベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(アミノベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(N’−メチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(N’−エチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(N’,N’−ジメチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(N’,N’−ジエチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(クロロベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(フルオロベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(ジフルオロベゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(ナフチルカルボニル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(ビフェニルカルボニル)ホモシステイン酸メチルエステル、N−(ベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(メチルベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(エチルベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(プロピルベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(ブチルベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(メトキシベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(エトキシベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(プロピルオキシベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(ブチルオキシベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(ヒドロキシベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(アミノベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(N’−メチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(N’−エチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(N’,N’−ジメチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(N’,N’−ジエチルアミノベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(クロロベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(フルオロベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(ジフルオロベゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(ナフチルカルボニル)ホモシステイン酸エチルエステル、N−(ビフェニルカルボニル)ホモシステイン酸エチルエステル、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(3)に表される化合物の内、好ましいものとしては、N−ベンゾイルシステイン酸、N−(o−トルイル)システイン酸(化合物1)、N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)、N−(p−トルイル)システイン酸(化合物3)、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)、(N−ビフェニルカルボニル)システイン酸(化合物5)、N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物6)、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかる化合物は、後述する抗シワ剤と共に組成物中に含有させることにより、優れた美肌作用、取り分け、シワ形成に対する予防又は改善作用を増強する効果を有する。また、かかる化合物は、親水性又は親油性媒体に対する溶解性に優れ、組成物中、取り分け、皮膚外用剤へ配合するための製剤化が容易であり、さらに、製剤中における安定性及び皮膚貯留性に優れ、美肌作用、シワ形成に対する予防又は改善作用の増強効果に優れる。
ここで前記一般式(4)に表される化合物に付いて述べれば、式中、R8は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R9は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表す。前記R8は、水素原子、炭素数1〜8、より好ましくは、炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、具体例を挙げれば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基が好適に例示出来る。前記R9は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、具体例を挙げれば、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、ブチルオキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、N−メチルフェニル基、N−エチルフェニル基、N,N−ジメチルアミノフェニル基、N,N−ジエチルアミノフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ピリジル基、ナフチル基、ビフェニル基等が好適に例示出来、より好ましくは、水素原子、フェニル基、ベンジル基が好適に例示出来る。前記一般式(4)に表される化合物の内、好ましいものを具体的に例示すれば、N−(ベンゾイル)システイン酸、N−(メチルベンゾイル)システイン酸、N−(エチルベンゾイル)システイン酸、N−(プロピルベンゾイル)システイン酸、N−(ブチルベンゾイル)システイン酸、N−(メトキシベンゾイル)システイン酸、N−(エトキシベンゾイル)システイン酸、N−(プロピルオキシベンゾイル)システイン酸、N−(ブチルオキシベンゾイル)システイン酸、N−(ヒドロキシベンゾイル)システイン酸、N−(アミノベンゾイル)システイン酸、N−(N’−メチルアミノベンゾイル)システイン酸、N−(N’−エチルアミノベンゾイル)システイン酸、N−(N’,N’−ジメチルアミノベンゾイル)システイン酸、N−(N’,N’−ジエチルアミノベンゾイル)システイン酸、N−(クロロベンゾイル)システイン酸、N−(フルオロベンゾイル)システイン酸、N−(ジフルオロベゾイル)システイン酸、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)システイン酸、N−(ナフチルカルボニル)システイン酸、N−(ビフェニルカルボニル)システイン酸、N−(ベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(メチルベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(エチルベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(プロピルベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(ブチルベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(メトキシベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(エトキシベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(プロピルオキシベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(ブチルオキシベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(ヒドロキシベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(アミノベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(N’−メチルアミノベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(N’−エチルアミノベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(N’,N’−ジメチルアミノベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(N’,N’−ジエチルアミノベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(クロロベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(フルオロベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(ジフルオロベゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)システイン酸メチルエステル、N−(ナフチルカルボニル)システイン酸メチルエステル、N−(ビフェニルカルボニル)システイン酸メチルエステル、N−(ベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(メチルベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(エチルベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(プロピルベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(ブチルベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(メトキシベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(エトキシベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(プロピルオキシベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(ブチルオキシベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(ヒドロキシベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(アミノベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(N’−メチルアミノベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(N’−エチルアミノベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(N’,N’−ジメチルアミノベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(N’,N’−ジエチルアミノベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(クロロベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(フルオロベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(ジフルオロベゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(トリフルオロメチルベンゾイル)システイン酸エチルエステル、N−(ナフチルカルボニル)システイン酸エチルエステル、N−(ビフェニルカルボニル)システイン酸エチルエステル、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記一般式(4)に表される化合物の内、好ましいものとしては、N−ベンゾイルシステイン酸、N−(o−トルイル)システイン酸(化合物1)、N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)、N−(p−トルイル)システイン酸(化合物3)、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)、(N−ビフェニルカルボニル)システイン酸(化合物5)、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。かかる化合物は、後述する抗シワ剤と共に組成物中に含有させることにより、優れた美肌作用、取り分け、シワ形成に対する予防又は改善作用を増強する効果を有する。また、かかる化合物は、親水性又は親油性媒体に対する溶解性に優れ、組成物中、取り分け、皮膚外用剤へ配合するための製剤化が容易であり、さらに、製剤中における安定性及び皮膚貯留性に優れ、美肌作用、シワ形成に対する予防又は改善作用の増強効果に優れる。
また、前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、後述する抗シワ剤と共に組成物に含有させることにより、優れた美肌作用、取り分け、シワ形成に対する予防又は改善作用における優れた増強効果を有する。この様な美肌作用の増強効果は、前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又は薬理学的に許容される塩が有する抗シワ剤との併用による相加又は相乗効果に加え、前記一般式(1)に表される化合物が有する美肌作用、取り分け、コラ−ゲン産生促進作用などのシワ形成に対する予防又は改善作用、更には、色素沈着抑制作用などのしみ、くすみの予防又は改善作用等による。また、前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、前記の生物学的な作用に加え、極性溶媒への溶解性が高く、安定性の高い製剤化が容易であり、標的部位への抗シワ剤の送達効率を向上させる等の薬物導態にかかる作用に優れる。また、前記一般式(1)〜(4)に表される化合物には、ラセミ化合物(DL体)に加え、D体及びL体の異性体が存する。これらの異性体を含有する組成物は、何れも優れた美肌作用、シワ形成に対する予防又は改善作用を示すが、生体への安全性及び製剤中における安定性等によりL体が好適に例示出来る。
前記一般式(1)〜(4)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、市販されているシステイン酸、ホモシステイン酸、並びに、それらの誘導体を出発原料とし、例えば、「ペプチド合成の基礎と実験(丸善)」等に記載の方法に従い、脱保護、カップリング及び保護基の導入反応を行うことにより製造することも出来るし、下記の製造方法により製造することも出来る。かかる化合物は、後述する抗シワ剤とそのまま組成物中に含有させることにより、美肌作用、シワ形成の予防又は改善作用の増強に使用することも出来るが、薬理学的に許容される酸又は塩基と共に処理し塩の形に変換し、塩として使用することも可能である。例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩などの鉱酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩などの有機酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属、トリエチルアミン塩、トリエタノ−ルアミン塩、アンモニウム塩、モノエタノ−ルアミン塩、ピペリジン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギン酸塩等の塩基性アミノ酸塩などが好適に例示出来る。
本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、後述する抗シワ剤と共に働き、美肌作用、取り分け、シワ形成に対する予防又は改善作用を増強する効果を奏するためには、組成物全量に対し、総量で0.001質量%〜20質量%、より好ましくは、0.01質量%〜10質量%、さらに好ましくは、0.1質量%〜5質量%含有することが好ましい。これは、少なすぎると前記効果を奏さない場合が存し、多すぎても、効果が頭打ちになり、徒に系の自由度を損なう場合が存するためである。
Figure 2011241166
N−(o−トルイル)−L−システイン酸(化合物1のL異性体)
<製造例1: 化合物1のL異性体の合成>
L−システイン酸 3(g)(17.7mmol)(東京化成工業株式会社)、テトラヒドロフラン 18(mL)(和光純薬工業株式会社)、水 18(mL)を100(mL)ナス型フラスコに入れた後、氷浴にて冷却した。十分に冷却した後、炭酸カリウム 4.40(g)(31.6mmol)(和光純薬工業株式会社)を添加した。o−トルイルクロリド 3.28(g)(東京化成工業株式会社)を液温が上昇しないように順次添加した。添加後、氷浴を外し室温にて攪拌した。薄層クロマトグラフィ−で反応の進行を確認した後、テトラヒドロフランを減圧留去した。得られた残渣を酢酸エチルにて洗浄した後、塩酸にてpHを2以下に調整した。濾液を濃縮し、水(20ml)を添加した。析出した結晶を濾取し、結晶をアセトンで懸洗した。濾取した結晶を60℃にて乾燥し、上記構造を有する化合物1のL異性体 0.78(g)(2,72 mmol)を得た。以下に、示性値を示す。
H−NMR(DO):δ 2.31(3H,s)、3.42(2H,m)、4.86(1H,m)、7.24(2H,m)、7.35(2H,m).
FAB−MS(negative ion mode):M/z=286([M−H]
Figure 2011241166
N−(m−トルイル)−L−システイン酸(化合物2のL異性体)
<製造例2: 化合物2のL異性体の合成>
L−システイン酸 3(g)(17.7mmol)(東京化成工業株式会社)、テトラヒドロフラン 18(mL)(和光純薬工業株式会社)、および、水 18(mL)を100(mL)ナス型フラスコに入れた後、氷浴にて冷却した。十分に冷却した後、炭酸カリウム 4.40(g)(31.6mmol)(和光純薬工業株式会社)、m−トルイルクロリド 2.19(g)(東京化成工業株式会社)を液温が上昇しないように順次添加した。氷浴下1時間反応させた後、m−トルイルクロリド 1.09(g)(東京化成工業株式会社)を再度添加した。添加後、氷浴を外し室温にて攪拌した。薄層クロマトグラフィ−で反応の進行を確認した後、テトラヒドロフランを減圧留去した。得られた残渣を酢酸エチルにて洗浄した後、塩酸にてpHを2以下に調整した。濾液を濃縮し、水(18mL)を添加した。4℃にて熟成した後、析出した結晶を濾別した。得られた結晶をアセトンで懸洗し、濾取した。濾取した結晶を60℃にて乾燥し、上記構造を有する化合物2のL異性体 1.65(g)(5.74mmol)を得た。以下に、示性値を示す。
H−NMR(DMSO−d):δ 2.36(3H,s)、2.94(2H,m)、4.41(1H,m)、7.36(2H、d)、7.58(2H,t)、8.84(1H,d)、12.5(1H,bs).
FAB−MS(negative ion mode):M/z=286([M−H]
Figure 2011241166
N−(p−トルイル)−L−システイン酸(化合物3のL異性体)
<製造例3: 化合物3のL異性体の合成>
L−システイン酸1水和物 5(g)(26.7mmol)(シグマ アルドリッチ社)、1,4−ジオキサン 20(mL)(和光純薬工業株式会社)、および、水10(mL)を100(mL)ナス型フラスコに入れた後、氷浴にて冷却した。十分に冷却した後、8(N)水酸化ナトリウム水溶液 10.7(mL)、p−トルイルクロリド3.36(mL)(シグマ アルドリッチ社)を液温が上昇しないように順次滴下した。滴下終了後、氷浴を外し室温にて攪拌した。薄層クロマトグラフィ−で反応の進行を確認した後、1,4−ジオキサンを減圧留去した。得られた残渣を酢酸エチルにて洗浄した後、塩酸にてpHを2以下に調整した。得られた水溶液を凍結乾燥し、メタノ−ルで目的物を抽出した。メタノ−ルを減圧留去した後、結晶化し、ろ過した。濾取した結晶を乾燥し、上記構造を有する化合物3のL異性体 5.79(g)(20.2 mmol)を得た。以下に示性値を示す。
H−NMR(DO):δ 2.32(3H,s)、3.46(2H,m)、4.87(1H,m)、7.25(2H,d)、7.64(2H,d).
FAB−MS(negative ion mode):M/z=286([M−H])、308([M+Na−H]
Figure 2011241166
N−(p−メトキシベンゾイル)−L−システイン酸(化合物4のL異性体)
<製造例4: 化合物4のL異性体の合成>
L−システイン酸 2(g)(11.8mmol)(東京化成工業株式会社)、テトラヒドロフラン 12(mL)(和光純薬工業株式会社)、および、水 12(mL)を100(mL)ナス型フラスコに入れた後、氷浴にて冷却した。十分に冷却した後、炭酸カリウム 2.94(g)(21.3mmol)(和光純薬工業株式会社)、4−メトキシベンゾイルクロリド 1.61(g)(東京化成工業株式会社)を液温が上昇しないように順次添加した。氷浴下1時間反応させた後、4−メトキシベンゾイルクロリド 0.81(g)(東京化成工業株式会社)を再度添加した。添加後、氷浴を外し室温にて攪拌した。薄層クロマトグラフィ−で反応の進行を確認した後、テトラヒドロフランを減圧留去した。得られた残渣を酢酸エチルにて洗浄した後、塩酸にてpHを2以下に調整した。析出した結晶をろ過し、水で洗浄した。濾液を濃縮し、再度析出した結晶をろ過した。得られた結晶をあわせた後、アセトンで懸洗した。結晶をろ過した後、濾取した結晶を60℃にて乾燥し、上記構造を有する化合物4のL異性体 2.47(g)(8.14mmol)を得た。以下に示性値を示す。
H−NMR(DO):δ 3.45(2H,m)、3.81(3H,s)、4.85(1H,m)、7.00(2H,d)、7.72(2H,d).
FAB−MS(negative ion mode):M/z=302([M−H]
Figure 2011241166
(N−ビフェニルカルボニル)−L−システイン酸(化合物5のL異性体)
<製造例5: 化合物5のL異性体の合成>
L−システイン酸 2(g)(11.8mmol)(東京化成工業株式会社)、テトラヒドロフラン 12(mL)(和光純薬工業株式会社)、および、水 12(mL)を100(mL)ナス型フラスコに入れた後、氷浴にて冷却した。十分に冷却した後、炭酸カリウム 2.94(g)(21.3mmol)(和光純薬工業株式会社)、4−フェニルベンゾイルクロリド 2.05(g)(東京化成工業株式会社)を液温が上昇しないように順次添加した。氷浴下1.5時間反応させた後、4−フェニルベンゾイルクロリド 1.02(g)(東京化成工業株式会社)を再度添加した。添加後、氷浴を外し室温にて攪拌した。薄層クロマトグラフィ−で反応の進行を確認した後、テトラヒドロフランを減圧留去した。得られた残渣を酢酸エチルにて洗浄した後、塩酸にてpHを2以下に調整した。析出した結晶をろ過し、水で洗浄した。得られた結晶をアセトンで懸洗した後、ろ過した。濾取した結晶を60℃にて乾燥し、上記構造を有する化合物5のL異性体 2.37(g)(6.78mmol)を得た。以下に示性値を示す。
H−NMR(DMSO−d):δ 2.96(2H,m)、4.54(1H,q)、7.42(1H,m)、7.51(2H,m)、7.74(2H,d)、7.80(2H,d)、7.90(2H,d)、8.94(1H,d).
FAB−MS(negative ion mode):M/z=348([M−H]
Figure 2011241166
N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物6)
<製造例6: 化合物6の合成>
DL−ホモシステイン酸 2(g)(10.9mmol)(シグマ アルドリッチ社)、テトラヒドロフラン 12(mL)(和光純薬工業株式会社)、および、水 12(mL)を100(mL)ナス型フラスコに入れた後、氷浴にて冷却した。十分に冷却した後、炭酸カリウム 2.71(g)(19.6mmol)(和光純薬工業株式会社)を添加した。p−トルイルクロリド 1.49(g)(シグマ アルドリッチ社)を液温が上昇しないように順次添加した。氷浴下1時間反応させた後、p−トルイルクロリド 0.76(g)(シグマ アルドリッチ社)を再度添加した。添加後、氷浴を外し室温にて攪拌した。薄層クロマトグラフィ−で反応の進行を確認した後、テトラヒドロフランを減圧留去した。得られた残渣を酢酸エチルにて洗浄した後、塩酸にてpHを2以下に調整した。溶液をろ過後、濾液を濃縮し、メタノールを添加した。析出した結晶を濾別後、水で懸洗した。結晶をろ過し、濾取した結晶を60℃にて乾燥し、上記構造を有する化合物6 1.95(g)(6.47mmol)を得た。以下に示性値を示す。
H−NMR(DMSO−d):δ 2.12(2H,m)、2.35(3H,s)、2.57(2H,t)、4.37(1H,m)、7.26(2H,d)、7.79(2H,d)、9.02(1H,d).
FAB−MS(negative ion mode):M/z=300([M−H]
<本発明の抗シワ剤>
本発明の組成物は、1)前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)抗シワ剤とを含有することを特徴とする。本発明の抗シワ剤としては、シワ形成に対する予防又は改善作用を有する抗シワ剤であれば特段の限定なく適応することが出来、好ましいものとしては、ビタミンA又はその誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、トリテルペン酸またはトリテルペン酸誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、さらには、真皮コラ−ゲン線維束再構築作用を有する植物抽出物などが好適に例示出来る。本発明の抗シワ剤が有するシワ形成に対する予防又は改善作用には、既に形成されたシワに対する改善作用に加え、これから形成されるシワ、若しくは、形成過程にあるシワに対するシワ形成に対する予防又は改善作用が包含される。また、本発明の抗シワ剤が有する作用機序としては、ヒアルロン酸産生促進作用、コラ−ゲン産生促進作用、マトリックスメタロプロテア−ゼ阻害作用、真皮コラ−ゲン線維束再構築作用等を介する作用機序が想定される。前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、抗シワ剤と共に皮膚外用剤に配合することにより、抗シワ剤の有するシワ形成に対する予防又は改善作用を増強する作用を有する。前記のシワ形成に対する予防又は改善作用を有する何れの抗シワ剤に付いても、本発明の組成物中に含有させることが出来るが、効果を増強させる面から、特に好ましいものとしては、真皮コラ−ゲン線維束の崩壊あるいは構造の乱れを予防又は改善する作用を有する抗シワ剤、具体的には、トリテルペン酸又はトリテルペン酸誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、真皮コラ−ゲン線維束再構築作用を有する植物抽出物が好適に例示出来る。
また、本発明の抗シワ剤は、単純な化学物質、又は、当該化合物を含有する植物由来の抽出物等の形態が好適に例示出来る。ここで、植物由来の抽出物とは、植物抽出物自体、植物抽出物を分画、精製した分画、植物抽出物乃至は分画、精製物の溶媒除去物の総称を意味する。また、かかる抗シワ剤を前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に組成物に含有させる場合には、前述した抗シワ剤を唯1種のみを含有させることも出来るし、2種以上を組み合わせて含有させることも出来る。
本発明の抗シワ剤に関し、特に好ましいものを挙げれば、ビタミンA、その誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、トリテルペン酸、その酸誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、真皮コラ−ゲン線維束再構築作用を有する植物抽出物などが好適に例示出来る。前記ビタミンA、その誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩の内、好ましいものとしては、レチノ−ル、その誘導体及び/又はその薬理学的に許容される塩、レチナ−ル、その誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、レチノイン酸、その誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩などが好適に例示出来、さらに好ましいものを具体的に例示すれば、レチノ−ル、その誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩としては、レチノ−ル、酢酸レチノ−ル、プロピオン酸レチノ−ル、酪酸レチノ−ル、オクチル酸レチノ−ル、ラウリル酸レチノ−ル、パルミチン酸レチノ−ル、ステアリン酸レチノ−ル、ミリスチン酸レチノ−ル、オレイン酸レチノ−ル、リノレン酸レチノ−ル、リノ−ル酸レチノ−ル等のレチノ−ル脂肪酸エステル及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩等が好適に例示出来、レチナ−ル、その誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩としては、レチナ−ル及び/又はその薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、レチノイン酸、その誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩としては、レチノイン酸、トレチノイン(オ−ルトランスレチノイン酸)、イソトレチノイン(13−シス−レチノイン酸)、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノ−ル、レチノイン酸トコフェリル(トコフェリル残基は、α、β、γ、δのいずれの化学構造を有していてもよい)及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、さらに好ましくは、レチノ−ル、レチナ−ル、レチノイン酸、トレチノイン、イソトレチノイン、レチノイン酸トコフェリル、パルミチン酸レチノ−ル、酢酸レチノ−ル及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来、これらの内、さらに好ましいものとしては、レチノ−ル、酢酸レチノ−ル、レチノイン酸トコフェリル及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。また、本発明において使用するビタミンA誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、例えば、シグマアルドリッチ社などの試薬販売メ−カ−より購入し、使用することが出来る。
さらに、前記のトリテルペン酸、その誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩としては、化粧料などに分野で使用されているものであれば特段の限定なく適応することが出来、好ましいトリテルペン酸の具体例を挙げれば、ウルソ−ル酸、オレアノ−ル酸、ベツリン酸等が好適に例示出来、ウルソ−ル酸が特に好ましい。また、トリテルペン酸誘導体としては、トリテルペン酸の炭素数1〜20の脂肪族炭化水素エステル、トリテルペン酸の芳香族基により置換されている炭素数1〜4の炭化水素エステル、トリテルペン酸のリン酸エステル及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が好適に例示出来る。前記炭素数1〜20の脂肪族炭化水素エステルとしては、メチルエステル、エチルエステル、ヘキシルエステル、シクロヘキシルエステル、オクチルエステル、イソオクチルエステル、ラウリルエステル、セチルエステル、ステアリルエステル、イソステアリルエステル、オレイルエステル等の脂肪族エステルが好適に例示出来る。また、前記の芳香族基により置換されている炭素数1〜4の炭化水素エステルとしては、ベンジルエステル、フェニルエチルエステル、フェニルプロピルエステル、フェニルブチルエステル等が好適に例示出来、ベンジルエステルが特に好ましい。前述した抗シワ剤の内、特に好ましいものとしては、ウルソ−ル酸及び/又はその薬理学的に許容される塩、ウルソ−ル酸ベンジル及び/又はその薬理学的に許容される塩(例えば、特開2000−302659号公報を参照)、ウルソ−ル酸リン酸エステル及び/又はその薬理学的に許容される塩好適に例示出来る。前述した本発明の抗シワ剤は、前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に組成物に含有させることにより、美肌作用、取り分け、シワ形成に対する予防又は改善作用が増強される。
Figure 2011241166
ウルソ−ル酸ベンジル
Figure 2011241166
ウルソ−ル酸リン酸エステル
前記の抗シワ剤は、以下に示す方法により合成することも出来るし、市販の試薬等として購入することも出来る。前記の抗シワ剤の内、トリテルペン酸の炭素数1〜20の脂肪族炭化水素エステル、トリテルペン酸の芳香族基により置換されている炭素数1〜4の炭化水素エステルは、相当するトリテルペン酸を水素化ナトリウムにて処理しナトリウム塩とした後、これにハロゲン化炭化水素を加え反応させることにより得ることが出来る。反応温度及び時間は、室温乃至は還流条件下、1〜12時間反応を行えばよい。また、前記トリテルペン酸のリン酸エステルに付いては、例えば、再表2006−132033号公報に記載の方法に従い、トリテルペン酸より誘導することが出来る。具体的には、トリテルペン酸リン酸エステルは、市販のトリテルペン酸をテトラゾ−ル存在下、1〜3倍当量のジメチル−N,N−ジエチルホスホロアミデ−トと処理し、t−ブチルハイドロパ−オキシドを反応させ、トリテルペン酸のメチルホスフェ−トとした後、更に、トリメチルシリルブロミドを作用させることにより合成することができる。
前記の抗シワ剤は、そのまま抗シワ剤として使用することも出来るが、薬理学的に許容される酸又は塩基と共に処理し塩の形に変換し、塩として使用することも可能である。例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、炭酸塩などの鉱酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩などの有機酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属、トリエチルアミン塩、トリエタノ−ルアミン塩、アンモニウム塩、モノエタノ−ルアミン塩、ピペリジン塩等の有機アミン塩、リジン塩、アルギン酸塩等の塩基性アミノ酸塩などが好適に例示出来る。
また、本発明の抗シワ剤の内、真皮コラ−ゲン線維束再構築作用を有する植物抽出物に付いて述べる。本発明の真皮コラ−ゲン線維束再構築作用を有する成分としては、フトモモ科フトモモ属チョウジノキより得られる植物抽出物、オトギリソウ科オトギリソウより得られる植物抽出物、オトギリソウ科セイヨウオトギリソウより得られる植物抽出物、オトギリソウ科ヒメオトギリより得られる植物抽出物、オトギリソウ科トモエソウより得られる植物抽出物、カシノキ科キリンツケヤシより得られる植物抽出物、オミナエシ科オトコエシより得られる植物抽出物、バラ科ビワより得られる植物抽出物、バラ科モモより得られる植物抽出物、クロウメモドキ科ナツメより得られる植物抽出物、スイカズラ科セイヨウニワトコより得られる植物抽出物、キク科ヤグルマギクより得られる植物抽出物、シソ科タイムより得られる植物抽出物、シソ科ロ−ズマリ−より得られる植物抽出物、シソ科セ−ジより得られる植物抽出物、シソ科シソより得られる植物抽出物、シソ科オドリコソウより得られる植物抽出物、シソ科セイヨウハッカより得られる植物抽出物などが好適に例示出来、これらの内、さらに好ましいものとしては、フトモモ科フトモモ属チョウジノキより得られる植物抽出物、オトギリソウ科オトギリソウより得られる植物抽出物、オトギリソウ科セイヨウオトギリソウより得られる植物抽出物、オトギリソウ科ヒメオトギリより得られる植物抽出物、オトギリソウ科トモエソウより得られる植物抽出物、スイカズラ科セイヨウニワトコより得られる植物抽出物、キク科ヤグルマギクより得られる植物抽出物、シソ科ロ−ズマリ−より得られる植物抽出物が好適に例示出来る。前記の真皮コラ−ゲン線維束再構築作用を有する成分は、前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と共に、組成物に含有させることにより、美肌作用、取り分け、シワ形成に対する予防又は改善作用が増強される。
本発明の真皮コラ−ゲン線維束再構築作用を有する植物抽出物は、真皮コラ−ゲン線維束再構築作用を有する植物抽出物であれば、特段の限定なく適応すること出来る。本発明における植物抽出物とは、植物体それ自身、植物体を乾燥、細切、粉砕など加工した加工物、植物体乃至はその加工物に溶媒を加えて抽出した溶媒抽出物、抽出物から溶媒を除去した抽出物の溶媒除去物、それらをカラムクロマトグラフィ−や液液抽出など精製した精製物などの総称を意味する。本発明の植物抽出物に適用する植物としては、フトモモ科フトモモ属チョウジノキ、オトギリソウ科オトギリソウ、オトギリソウ科セイヨウオトギリソウ、オトギリソウ科ヒメオトギリ、オトギリソウ科トモエソウ、カシノキ科キリンツケヤシ、オミナエシ科オトコエシ、バラ科ビワ、バラ科モモ、クロウメモドキ科ナツメ、スイカズラ科セイヨウニワトコ、キク科ヤグルマギク、シソ科タイム、シソ科ロ−ズマリ−、シソ科セ−ジ、シソ科シソ、シソ科オドリコソウ、シソ科セイヨウハッカ等が好ましく例示出来、これらの内、特に、フトモモ科フトモモ属チョウジノキ、オトギリソウ科オトギリソウ、オトギリソウ科セイヨウオトギリソウ、オトギリソウ科ヒメオトギリ、オトギリソウ科トモエソウ、スイカズラ科セイヨウニワトコ、キク科ヤグルマギク、シソ科ロ−ズマリ−が好適に例示出来る。本発明の植物抽出物の調製に用いる植物体の部位としては、植物体のいずれの部位も使用できるが、特に好ましいものは全草を乾燥したものである。これはこの部位に真皮コラ−ゲン線維束を再構築する成分が多く含まれているためである。又、本発明の植物抽出物としては、極性溶媒抽出物或いはその溶媒除去物が特に好ましく例示出来、極性溶媒としては、エタノ−ルやメタノ−ルなどのアルコ−ル類、酢酸エチルや蟻酸メチルなどのエステル類、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン類、ジエチルエ−テルやテトラヒドロフランなどのエ−テル類、クロロホルムや塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、水等から選ばれる1種乃至は2種以上が好ましく例示できる。これらの内、特に好ましいものは、水及びアルコ−ルから選ばれる1種乃至は2種以上である。この様な抽出物乃至はその溶媒除去物は、植物体乃至はその加工物に1〜10倍量の溶媒を加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば、数時間浸漬すればよい。溶媒除去は、蒸発乾固、減圧濃縮、凍結乾燥いずれも可能である。もっとも好ましいものは減圧濃縮と凍結乾燥である。
本発明の組成物の抗シワ剤は、唯一種を含有させることもできるし、二種以上を含有させることも出来る。また、本発明の組成物中における好ましい含有量としては、0.00001〜15重量%、より好ましくは、0.0001質量%〜10質量%、さらに好ましくは、0.001質量%〜5質量%、さらに好ましくは、0.01%〜3量%含有することが好ましい。これは、少なすぎると効果を発揮しない場合があり、多すぎても効果が頭打ちになり、処方の自由度が損なわれる場合があるからである。
<製造例1:フトモモ科チョウジノキより得られる植物抽出物の製造方法>
フトモモ科チョウジノキの花蕾を乾燥させたもの500(g)に5(L)のメタノ−ルを加え、室温で1週間浸漬し、濾過して、減圧濃縮し、本発明のフトモモ科チョウジノキより得られる植物抽出物35(g)得た。
<製造例2:オトギリソウ科オトギリソウより得られる植物抽出物の製造方法>
オトギリソウ科オトギリソウの全草を乾燥したもの500(g)に5(L)のメタノ−ルを加え、室温で1週間浸漬し、濾過して、減圧濃縮し、本発明のオトギリソウ科オトギリソウより得られる植物抽出物を22g得た。同様の手順に従い、オトギリソウ科セイヨウオトギリソウより得られる植物抽出物、オトギリソウ科ヒメオトギリより得られる植物抽出物、オトギリソウ科トモエソウより得られる植物抽出物を得た。
<製造例3:スイカズラ科セイヨウニワトコより得られる植物抽出物の製造方法>
スイカズラ科セイヨウニワトコの花1(kg)に10(L)のエタノ−ルを加え2時間還流させ、濾過し濾液を取り、これを水3(L)に一気に加え析出した沈殿を濾取し、本発明のスイカズラ科セイヨウニワトコより得られる植物抽出物19(g)を得た。
<製造例4:キク科ヤグルマギクより得られる植物抽出物の製造方法>
キク科ヤグルマギクの全草1(kg)に10(L)のエタノ−ルを加え2時間還流させ、濾過し濾液を取り、これを水3(L)に一気に加え析出した沈殿を濾取し、本発明のキク科ヤグルマギクより得られる植物抽出物12(g)を得た。
<製造例5:シソ科ロ−ズマリ−より得られる植物抽出物の製造方法>
ロ−ズマリ−1(kg)に10(L)のエタノ−ルを加え2時間還流させ、濾過し濾液を取り、これを減圧濃縮し粗抽出物1 213(g)得た。粗抽出物1 100(g)を600(mL)のエタノ−ルに溶解させ、これを水200(mL)に一気に加え析出した沈殿を濾取し42gの粗抽出物2を得た。粗抽出物2の100(g)を500(mL)のノルマルブタノ−ルに溶解させ、500(mL)の水を加え液液抽出し、ブタノ−ル相を取った。この作業を3回繰り返し、ブタノ−ル相を合わせて減圧濃縮し本発明のシソ科ロ−ズマリ−より得られる植物抽出物27(g)得た。
<本発明の組成物>
本発明の組成物は、1)前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)抗シワ剤を含有することを特徴とする。本発明の前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩は、前記の抗シワ剤と共に組成物に含有させることにより、美肌作用、取り分け、シワ形成に対する予防又は改善作用の増強効果を示す。本発明における美肌作用とは、年齢と共に顕在化する肌の美観に関する皮膚老化現象に対する予防又は改善作用を意味し、取り分け、既に形成されたシワを目立たなくする改善作用などに加え、これから形成され顕在化するシワ、たるみなどの皮膚症状に対する予防又は改善作用を意味する。本発明の組成物が有する美肌作用の内、好ましいものを具体的に例示すれば、後述する「本発明のシワ改善作用評価」において、比較用の組成物(皮膚外用剤)に対し、シワ改善作用を示す成分が好適に例示出来る。また、本発明の組成物には、シワ形成に対する予防又は改善作用に加え、日焼け、シミ、くすみ等の色素沈着に起因する肌症状に対する予防又は改善作用等が存するため、総合的な肌状態を予防又は改善作用を期待することが出来る。
また、1)前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)抗シワ剤を含有することを特徴とする組成物の製剤化にあたっては、通常の食品、医薬品、化粧料などの製剤化で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、経口投与組成物であれば、例えば、乳糖や白糖などの賦形剤、デンプン、セルロ−ス、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセルロ−スなどの結合剤、カルボキシメチルセルロ−スナトリウム、カルボキシメチルセルロ−スカルシウムなどの崩壊剤、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸エステルなどの界面活性剤、マルチト−ルやソルビト−ルなどの甘味剤、クエン酸などの酸味剤、リン酸塩などの緩衝剤、シェラックやツェインなどの皮膜形成剤、タルク、ロウ類などの滑沢剤、軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲルなどの流動促進剤、生理食塩水、ブドウ糖水溶液などの希釈剤、矯味矯臭剤、着色剤、殺菌剤、防腐剤、香料など好適に例示出来る。
本発明の組成物としては、医薬品、化粧品、食品、飲料などが好適に例示出来、日常的に摂取出来ることから、食品、化粧品などに適応することが好ましい。その投与経路も、経口投与、経皮投与の何れもが可能であり、解毒(デトックス)の目的では、関連臓器への到達効率のよい経口投与を採用し、食品などの経口投与組成物の形態を採用することが好ましい。また、かかる成分が連続投与される場合、さらには安全性を考慮した場合、経皮的に投与されることが好ましい。皮膚に外用で適応されるものであれば特段の限定なく応用出来、例えば、医薬部外品を含む化粧料、皮膚外用医薬、皮膚外用雑貨等が好ましく例示できる。本発明の皮膚外用剤としては、皮膚に外用で適用されるものであれば、特段の限定無く使用することができ、例えば、化粧料、皮膚外用医薬、皮膚外用雑貨などが好適に例示でき、化粧料に適用することが特に好ましい。これは本発明の皮膚外用剤が、比類無き使用感の良さを有しているため、使用感が重要な化粧料に特に好適であるためである。化粧料としては、油中水乳化剤形を応用できるものであれば、特段の限定はなく、例えば、エッセンス、乳液、クリ−ム等の基礎化粧料、アンダ−メ−クアップ、ファンデ−ション、チ−クカラ−、マスカラ、アイライナ−などのメークアップ化粧料、ヘアクリ−ムなどの毛髪化粧料などが好適に例示できる。
本発明の皮膚外用剤においては、かかる成分以外に、通常皮膚外用剤で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリ−ブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワ−油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パ−ム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコ−ル、ステアリルアルコ−ル、イソステアリルアルコ−ル、ベヘニルアルコ−ル、オクチルドデカノ−ル、ミリスチルアルコ−ル、セトステアリルアルコ−ル等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコ−ル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロ−ルプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロ−ルプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエ−テル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノ−ルアミンエ−テル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレ−ト、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコ−ル等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエ−テル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエ−ト、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレ−ト等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレ−ト等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコ−ルモノオレ−ト、POEジステアレ−ト等)、POEアルキルエ−テル類(POE2−オクチルドデシルエ−テル等)、POEアルキルフェニルエ−テル類(POEノニルフェニルエ−テル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエ−テル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエ−テル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパ−ル剤類;レ−キ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマ−等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤、;桂皮酸系紫外線吸収剤、;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノ−ル、イソプロパノ−ル等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテ−ト、ビタミンB6ジオクタノエ−ト、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロ−ル、β−トコフェロ−ル、γ−トコフェロ−ル、ビタミンEアセテ−ト等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノ−ル等の抗菌剤;ヘクトライト、ジメチルジステアリルアンモニウム変性ヘクトライトなどの有機変性粘土鉱物などが好ましく例示できる。
この様な任意成分の内、特に好ましいものは、有機変性粘土鉱物が例示できる。ここで有機変性とは、粘土鉱物の一部に有機化合物の一部を共有結合乃至はイオン結合を介して強固乃至は緩やかな結合を生ぜしめ、有機化合物の性質の一部乃至は全部を粘土鉱物に付与させることを意味し、この様な変性としては4級アミン基と粘土鉱物のアニオン部分を結合させる方法、カルボキシル基と粘土鉱物のカチオン部分を結合させる方法等が例示でき、4級アミン基と粘土鉱物のアニオン部分を結合させる方法が特に好ましく例示できる。粘土鉱物を変性させる4級アミノ基を有する化合物としては、特に限定されるわけではないが、クオタニウムと称される化合物が例示される。クオタニウムとは、低分子の置換第4級アンモニウム塩であって、国際基準化粧品原材料(INCI)に登録された化粧料原料が好ましい。さらに、粘土鉱物を変性させる4級アミノ基を有する化合物は、クオタニウム化合物のなかでも、従来の皮膚外用剤に含有されるクオタニウム化合物であることが好ましい。従来の皮膚外用剤で使用されているクオタニウム化合物としては、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド等が好ましく例示される。中でも、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリドが特に好ましい。これは1分子中に長鎖アルキル基を2つ有するため、立体的に油相を保持する構造を作りやすい為である。ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド等は、粘土鉱物とともに安定な油中水性成分乳化構造を形成することができるので好ましい。特に、水性成分が水中油乳化物であった場合には、前記水中油乳化物にあまり影響を与えずに連続相を油相とする乳化物を形成できるので、油中水中油乳化剤形には好ましい。一方、4級アミノ基を有する化合物で変性される粘土鉱物(未変性粘土鉱物)としては、従来の皮膚外用剤に含有される粘土鉱物であれば特段の限定無く使用することができる。従来の皮膚外用剤に含有される粘土鉱物としては、スメクタイト系のヘクトライト、ベントナイトやモンモリロナイト;カオリナイト;イライト;マリ−ン粘土鉱物(海泥);デザ−トロ−ズ粘土鉱物;パスカライトなどが好ましく挙げられる。これらのうち、油中水乳化構造を安定化させることができるベントナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト又はカオリナイトが好ましく例示される。中でも鉱物における層構造が堅固で、ここにカチオン分子を配向させやすい、ヘクトライトやモンモリナイトが特に好ましい。本発明の皮膚外用剤に含有される4級アミノ基を有する化合物で変性された粘土鉱物の製造方法の一例を以下に説明する。前記未変性粘土鉱物を分散媒に分散させる。該分散剤は水系の溶媒であることが好ましく、水であってもよい。分散未変性粘土鉱物を含む分散液に、さらに4級アミノ基を有する化合物を加え、よく撹拌する。4級アミノ基を有する化合物は、水に溶解されて加えられてもよい。加えられる4級アミノ基を有する化合物の量は、分散未変性粘土鉱物の量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%であることがより好ましい。この様な構成を取ることにより、乳化系において、好ましい使用感を呈するためである。撹拌後、分散質を濾取し、脱水、乾固することにより本発明における変性粘土鉱物を得ることができる。あるいは、分散質を濾取することなく、減圧濃縮することにより分散剤を除去して乾固させることにより、本発明における変性粘土鉱物を得ることもできる。得られた変性粘土鉱物は、好ましくは所望のサイズ(粒径が1〜1000μmであることが好ましい)に粉砕され、本発明の皮膚外用剤に含有される。本発明における変性粘土鉱物は、前述したように調製して使用されることもできるが、市販されているものを使用することもできる。市販されている変性粘土鉱物には、化粧料などの皮膚外用剤などとして用いられているものもある。市販されている変性粘土鉱物としては、例えば、エレメンティス社より「ベントン38V」の名称で販売されている、ジメチルジステアリルアンモニウム変性ヘクトライトなどが好ましく例示される。本発明の皮膚外用剤においては、かかる成分は0.5質量%〜10質量%好ましく含有され、より好ましくは1質量%〜5質量%含有される。かかる範囲において、前記一般式(1)に表される化合物又は抗シワ剤の溶状を安定させて、油中水乳化剤形へと製剤化することが出来る。ここで、本発明に述べる油中水乳化剤形とは、最外相に油相が存在する乳化剤形の総称であり、油相中に水相滴が分散する形態、油相中に水中油乳化滴が分散する形態の何れも採用しうる。尚、この様な油中水乳化剤形を採用する場合には、補助的な界面活性剤としてポリエ−テル変性メチルポリシロキサンを0.1〜5質量%含有させることが好ましい。この様なポリエ−テル変性メチルポリシロキサンは市販されているものが存し、かかる市販品を購入して使用することが出来る。好ましい市販品としては、信越化学工業株式会社製の「シリコ−ンKF6017」が好適に例示できる。本発明において、油中水乳化剤形とは、最外相に油相が連続相として存在する形態の乳化物を意味し、該連続相中に水滴が分散した乳化剤形も、水中油乳化物が分散滴として存在するO/W/O乳化剤も包含する。
ジグリセリンモノオレ−ト及び/又はトリグリセリンジイソステアレ−トを乳化剤として含有する場合には、かかる乳化剤の質量の0.5〜2倍のマルチト−ルやソルビト−ルの様な多価アルコ−ルをともに含有させることが好ましい。前記ジグリセリンモノオレ−トの化粧料用の原料としては、「ニッコ−ルDGMO−C」(日本サ−ファクタント株式会社製)が好ましく例示できるし、トリグリセリンジイソステアレ−トの化粧料用の原料としては、「エメレスト2452」(エメリ−社製)などが好ましく例示できる。かかる成分の好ましい含有量は、皮膚外用剤全量に対して、1〜10質量%であり、より好ましくは2〜7質量%である。これはこの量範囲を逸脱すると乳化できない場合や溶状の安定性が損なわれる場合が存するためである。
本発明の皮膚外用剤は、油中水乳化剤形に形態を取るため、油中水乳化剤形の使用感、仕上がり感の欠点を補うために、シリコ−ン、特に好ましくは、シクロメチコン及び/又は粘度1mPa・s以下のジメチコンを含有することが好ましく、該シリコ−ンの含有量としては、化粧料全量に対しては、10〜50質量%含有することが好ましく、より好ましくは、20〜40質量%であり、シクロメチコン及び粘度1mPa・s以下のジメチコンの含有量の和が油相全量に対して、50質量%以上、より好ましくは55質量%以上であることが好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、油中水乳化剤形に形態を取るため、油中水乳化剤形の使用感、仕上がり感の欠点を補うために、シリコ−ン、特に好ましくは、シクロメチコン及び/又は粘度1mPa・s以下のジメチコンを含有することが好ましく、該シリコ−ンの含有量としては、化粧料全量に対しては、10〜50質量%含有することが好ましく、より好ましくは、20〜40質量%であり、シクロメチコン及び粘度1mPa・s以下のジメチコンの含有量の和が油相全量に対して、50質量%以上、より好ましくは55質量%以上であることが好ましい。
又、本発明の皮膚外用剤では、乳化剤として前記有機変性粘土鉱物を用いる場合、前記有機変性粘土鉱物の乳化作用を補助する意味で、POE変性メチルポリシロキサン、POP変性メチルポリシロキサン、POP・POE変性メチルポリシロキサン等のポリエ−テル変性メチルポリシロキサンを含有することが好適に例示できる。かかるポリエ−テル変性メチルポリシロキサンの好ましい含有量は、0.5〜5質量%、1〜3質量%がより好ましい。
乳化剤として前記有機変性粘土鉱物を用いる場合、更に、上記の成分以外の好ましい任意成分としては、乳化状態を安定化できる、多価アルコ−ルが例示できる。特に、グリセリン、ジグリセリン、ジプロピレングリコ−ルが好適に例示できる。かかる成分は唯一種を含有することもできるし、二種以上を組み合わせて含有させることもできる。好ましい含有量は、総量で、皮膚外用剤全量に対して、5〜30質量%であり、より好ましくは10〜25質量%である。更に加えて、1,2−ペンタンジオ−ル、1,2−ヘキサンジオ−ル及び1,2−オクタンジオ−ルから選択される1種乃至は2種以上を3〜7質量%含有させることも、防腐力を向上させる見地から好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、前記の任意成分や必須成分を常法に従って処理することにより製造することが出来る。
以下に、実施例を挙げて、更に詳細に本発明について説明を加える。
<製造例7: 本発明の皮膚外用剤の製造方法1>
表1及び表2に記載の処方に従い油中水乳化剤形の化粧料(クリ−ム)を作製した。即ち、イ、ロ、ハの成分をそれぞれ80℃に加温し、イの中にニを加えて溶解させ、混練してゲルを形成させ、これにロを加え希釈し、これに攪拌下徐々にハを加えて乳化し、攪拌冷却し、本発明の皮膚外用剤である、油中水乳化剤形の化粧料1〜10を作製した。ただし、表1及び表2に記載の化粧料8及び化粧料9の成分中、「本発明の抗シワ剤」の濃度は、ほかの「本発明のシワ剤」の濃度とは異なり、0.1質量%の濃度で化粧料を作製し、かかる化合物の濃度減少により生じる質量%減少は、水の質量%により調整した。同様の操作により、化粧料1の製剤成分中、「本発明の前記一般式(1)に表される化合物」を「水」に置換した比較例1、「本発明のシワ剤」を「水」に置換した比較例2、「本発明の前記一般式(1)に表される化合物」及び「本発明の抗シワ剤」を共に「水」に置換した比較例3を作製した。
Figure 2011241166
Figure 2011241166
<試験例1: 本発明のシワ改善作用評価1>
実施例1に記載の方法に従い作製された化粧料1〜10、比較例1〜3を用い、以下の方法に従いシワ改善効果を調べた。即ち、目尻のシワが気になるパネラ−104名(女性、年齢層40〜60歳)を8名ずつ13群に分け、各群に対しそれぞれ化粧料1〜10、比較例1〜3を渡し、1日朝晩2回、連日8週間使用してもらい、試験の前後の目尻のレプリカの比較からシワ改善効果を調べた。レプリカは、光を透過させない白色のものを用い、これに皮膚表面形態をうつしとり、このレプリカを実体顕微鏡の標本台に固定し、45度の角度で光を照射し、レプリカを回転させて、皮溝の陰影が強く観察される方向の陰影画像(1×1cm2)を画像解析装置に取り込んだ。この画像はシワの凹凸に従って、シワの深いところは輝度が低く、シワのないところは輝度が高く、陰影を形成する。陰影画像における輝度の分布を求め、輝度のメジアン値を境に、メジアン値以上の輝度の輝点は最大輝度に、メジアン値未満の輝度の輝点は輝度0に変換して、二値化を行い、陰影部分(輝度0の部分)の面積率を求めた。(試験前の陰影の面積率−試験後の陰影の面積率)/(試験前の陰影の面積率)×100でシワ改善度(%)を求めた。結果を各群8名の平均値±標準偏差として表3に示す。表3の結果より、本発明の化粧料1〜10は、優れたシワ改善作用を有することがわかる。
Figure 2011241166
<製造例8: 本発明の皮膚外用剤の製造方法2>
実施例1に記載の化粧料3に関し、「本発明の前記一般式(1)に表される化合物(化合物3のL異性体)」及び「本発明のシワ改善剤(ウルソ−ル酸リン酸エステル)」を表4に示した濃度に変更した化粧料11〜14を作製した。
Figure 2011241166
<試験例2: 本発明のシワ改善作用評価2>
実施例3に記載の処方成分を有する化粧料11〜14に付いて、実施例2に記載の評価方法に従いシワ改善作用を評価した。結果を表5に示す。表5の結果より、本発明の化粧料11〜14は、優れたシワ改善効果を有することがわかる。
Figure 2011241166
<製造例9: 本発明の皮膚外用剤の製造方法3>
実施例1に記載の化粧料3の処方成分中、「ベントン38V」を「シリコ−ンKF6017」に置換した化粧料15、「1,2−ペンタンジオ−ル」を「ポリエチレングリコ−ル400」に置換した化粧料16を作製し、実施例2に記載の方法に従い、シワ改善作用を評価したところ、化粧料15のシワ改善度は、3.2±1.5、化粧料16のシワ改善度は、3.5±1.3を示し、何れの化粧料においてもシワ改善作用は、ほとんど認められなかった。
<製造例10: 本発明の健康食品の製造>
表6及び表7に示す処方に従い、健康食品(健康食品1〜10)を作製した。ただし、表6及び表7に記載の健康食品8及び健康食品9の成分中、「本発明の抗シワ剤」の濃度は、ほかの「本発明の抗シワ剤」の濃度とは異なり、0.1重量部の濃度で健康食品を作製し、かかる化合物の濃度減少により生じる重量部の減少は、結晶セルロ−スの重量部により調整した。即ち、処方成分を10重量部の水と共に転動相造粒(不二パウダル株式会社製「ニュ−マルメライザ−」)し、打錠して錠剤状の健康食品を得た。尚、表中の数値の単位は、重量部を表す。本健康食品は、優れたシワ改善作用を有していた。
Figure 2011241166
Figure 2011241166
本発明の組成物は、シワ改善用の化粧料、食品等に応用することが出来る。

Claims (28)

  1. 1)下記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)抗シワ剤を含有することを特徴とする、組成物。
    Figure 2011241166
    (1)
    [式中、R1は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R2は、水素原子、無置換又は置換基を有する芳香族基、無置換又は置換基を有する芳香族基により置換された炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表し、R3は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、nは、1又は2の整数、mは、0〜3の整数を表す。]
  2. 前記一般式(1)に表される化合物が、下記一般式(2)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
    Figure 2011241166
    (2)
    [式中、R4は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R5は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、nは、1又は2の整数、mは、0〜3の整数を表す。]
  3. 前記一般式(2)に表される化合物が、下記一般式(3)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
    Figure 2011241166
    (3)
    [式中、R6は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R7は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表し、nは、1又は2の整数を表す。]
  4. 前記一般式(3)に表される化合物が、下記一般式(4)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の組成物。
    Figure 2011241166
    (4)
    [式中、R8は、水素原子、炭素数1〜8の直鎖又は分岐のアルキル基を表し、R9は、無置換又は置換基を有する芳香族基を表す。]
  5. 前記一般式(1)〜(4)に表される化合物が、N−(o−トルイル)システイン酸(化合物1)、N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)、N−(p−トルイル)システイン酸(化合物3)、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)、(N−ビフェニルカルボニル)システイン酸(化合物5)、N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物6)、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の組成物。
    Figure 2011241166
    N−(o−トルイル)システイン酸(化合物1)
    Figure 2011241166
    N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)
    Figure 2011241166
    N−(p−トルイル)システイン酸(化合物3)
    Figure 2011241166
    N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)
    Figure 2011241166
    (N−ビフェニルカルボニル)システイン酸(化合物5)
    Figure 2011241166
    N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物6)
  6. 前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩が、組成物全量に対し、0.001質量%〜20質量%含有することを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載の組成物。
  7. 前記抗シワ剤が、ビタミンA、その誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、トリテルペン酸、その誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の組成物。
  8. 前記のビタミンA又はその誘導体が、レチノ−ル、レチナ−ル、レチノイン酸、トレチノイン、イソトレチノイン、レチノイン酸トコフェロ−ル、パルミチン酸レチノ−ル、酢酸レチノ−ルより選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載の組成物。
  9. 前記のトリテルペン酸又はその誘導体のトリテルペン酸残基が、ウルソ−ル酸、ベツリン酸又はそれらの酸の残基であることを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載の組成物。
  10. 前記のトリテルペン酸、その誘導体が、トリテルペン酸、トリテルペン酸ベンジルエステル、トリテルペン酸リン酸エステルであることを特徴とする、請求項1〜7、9の何れか一項に記載の組成物。
  11. 前記抗シワ剤が、真皮コラ−ゲン線維束再構築作用を有する植物抽出物であることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の組成物。
  12. 前記の真皮コラ−ゲン線維束再構築作用を有する植物抽出物が、下記に示す植物抽出物より選択される1種また2種以上であることを特徴とする、請求項1〜6、11に記載の組成物。
    <真皮コラ−ゲン線維束再構築作用を有する植物抽出物>
    フトモモ科フトモモ属チョウジノキより得られる植物抽出物、オトギリソウ科オトギリソウより得られる植物抽出物、オトギリソウ科セイヨウオトギリソウより得られる植物抽出物、オトギリソウ科ヒメオトギリより得られる植物抽出物、オトギリソウ科トモエソウより得られる植物抽出物、スイカズラ科セイヨウニワトコより得られる植物抽出物、キク科ヤグルマギクより得られる植物抽出物、シソ科ロ−ズマリ−より得られる植物抽出物
  13. 前記抗シワ剤が、組成物全量に対し0.00001質量%〜15質量%含有することを特徴とする、請求項1〜12の何れか一項に記載の組成物。
  14. 化粧料(但し、医薬部外品を含む)であることを特徴とする、請求項1〜13の何れか一項に記載の組成物。
  15. 美肌用であることを特徴とする、請求項1〜14の何れか一項に記載の組成物。
  16. シワ形成に対する予防又は改善用であることを特徴とする、請求項1〜15の何れか一項に記載の組成物。
  17. 皮膚外用剤であることを特徴とする、請求項1〜16の何れか一項に記載の組成物。
  18. 1)前記一般式(1)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩と、2)抗シワ剤を含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
  19. 前記一般式(1)に表される化合物が、前記一般式(4)に表される化合物、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項18に記載の皮膚外用剤。
  20. 前記一般式(1)に表される化合物が、N−(o−トルイル)システイン酸(化合物1)、N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)、N−(p−トルイル)システイン酸(化合物3)、N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)、(N−ビフェニルカルボニル)システイン酸(化合物5)、N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物6)、その異性体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項18又は19に記載の皮膚外用剤。
    Figure 2011241166
    N−(o−トルイル)システイン酸(化合物1)
    Figure 2011241166
    N−(m−トルイル)システイン酸(化合物2)
    Figure 2011241166
    N−(p−トルイル)システイン酸(化合物3)
    Figure 2011241166
    N−(p−メトキシベンゾイル)システイン酸(化合物4)
    Figure 2011241166
    (N−ビフェニルカルボニル)システイン酸(化合物5)
    Figure 2011241166
    N−(p−トルイル)ホモシステイン酸(化合物6)
  21. 前記抗シワ剤が、ビタミンA、その誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩、トリテルペン酸、その誘導体及び/又はそれらの薬理学的に許容される塩であることを特徴とする、請求項18〜20の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
  22. 前記のビタミンA又はその誘導体が、レチノ−ル、レチナ−ル、レチノイン酸、トレチノイン、イソトレチノイン、レチノイン酸トコフェロ−ル、パルミチン酸レチノ−ル、酢酸レチノ−ルより選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項18〜21の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
  23. 前記のトリテルペン酸又はその誘導体のトリテルペン酸残基が、ウルソ−ル酸、ベツリン酸又はそれらの酸の残基であることを特徴とする、請求項18〜21の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
  24. 前記のトリテルペン酸、その誘導体が、トリテルペン酸、トリテルペン酸ベンジルエステル、トリテルペン酸リン酸エステルであることを特徴とする、請求項18〜21、23の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
  25. 前記抗シワ剤が、真皮コラ−ゲン線維束再構築作用を有する植物抽出物であることを特徴とする、請求項18〜21の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
  26. 前記の真皮コラ−ゲン線維束再構築作用を有する植物抽出物が、下記に示す植物抽出物より選択される1種また2種以上であることを特徴とする、請求項18〜21、25に記載の皮膚外用剤。
    <真皮コラ−ゲン線維束再構築作用を有する植物抽出物>
    フトモモ科フトモモ属チョウジノキより得られる植物抽出物、オトギリソウ科オトギリソウより得られる植物抽出物、オトギリソウ科セイヨウオトギリソウより得られる植物抽出物、オトギリソウ科ヒメオトギリより得られる植物抽出物、オトギリソウ科トモエソウより得られる植物抽出物、スイカズラ科セイヨウニワトコより得られる植物抽出物、キク科ヤグルマギクより得られる植物抽出物、シソ科ロ−ズマリ−より得られる植物抽出物
  27. 油中水乳化剤形であることを特徴とする、請求項18〜26の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
  28. 更に、好ましい製剤成分を含有することを特徴とする、請求項18〜27の何れか一項に記載の皮膚外用剤。
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