JP2011241114A - 複層ガラス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】対向する2枚の板ガラス2、2と、2枚の板ガラス2、2間に所定の間隔が形成されるように板ガラス2、2の周縁部に配されたスペーサ3と、板ガラス2、2とスペーサ3との間にそれぞれ設けられた一次封着シール4と、スペーサ3および一次封着シール4の外側に一次封着シール4設けられた二次封着シール5と、二次封着シール5内に設けられた複数の補強部材6とを備える。2枚の板ガラス2間には、乾燥空気が封入された空気層7が形成されている。
【選択図】図1
Description
近年では、特殊金属膜がコーティングされ、低放射であるLow−Eガラスを使用したLow−E複層ガラスが多用されており、熱放射を抑制して断熱性および遮熱性を高めている。
このような複層ガラスは、スペーサとガラス板との間に一次封着シールが配されて、スペーサおよび一次封着シールの外側に二次封着シールが配されており、これらの封着部によって空気層の気密が確保されている(例えば、特許文献1参照)。
更に、リブガラス構法では、シーリング材などの接着部材が荷重を負担する従来のサッシ構法と比べて、封着部へ作用する荷重が大きくなる。
また、構造ガスケット支持構法では、ガスケットのグリップ力(シールリップ力)によって封着部に大きな荷重が常時作用している。
封着部に大きな荷重が作用すると、封着部の一次封着シールおよび二次封着シールは共に変形し、一次封着シールは、空気層側にはみ出すように塑性変形し元の形状に戻らなかった。これに対し、二次封着シールは、作用した荷重により弾性変形し除荷後には復元した。そして、二次封着シールが復元すると、一次封着シールを引っ張り、これにより一次封着シールは空気を巻き込んで劣化してしまった。
また、空気層内の乾燥空気の膨張収縮挙動によってもガラスが面外方向に変形するので、同様に一次封着シールが劣化してしまった。
本発明では、二次封着シールの変形を抑制する補強部材を備えることにより、複層ガラスに荷重が作用した際に、二次封着シールの変形が抑制され、一次封着シールの変形を抑えることができる。
本発明では、補強部材は、前記二次封着シールの内部に配設されていることにより、二次封着シールの変形を効率的に抑制できる。
本発明では、補強部材は、板ガラスの縁周部に沿う方向に延在し、板ガラスの縁周部に直交する面における断面形状が長方形状またはC字型状の部材であることにより、複層ガラスに荷重が作用した際に、二次封着シールの変形が大幅に抑制され、一次封着シールの変形を抑えることができる。
本発明では、補強部材は、複数の板状の部材であって、二次封着シールと交互に積層されていることにより、複層ガラスに荷重が作用した際に、二次封着シールの変形が防止され、一次封着シールの変形を抑えることができる。
本発明では、補強部材は、板ガラスの側部に配設された側板と連結していることにより、複層ガラスに荷重が作用した際に、側板が補強部材の変位を抑制できるので、二次封着シールの変形が効率的に防止され、一次封着シールの変形を抑えることができる。
本発明では、補強材は、前記板ガラスの縁周部に沿って互いに間隔をあけて複数配設されていることにより、複層ガラスに荷重が作用した際に、二次封着シールの変形が防止され、一次封着シールの変形を抑えることができる。
また、二次封着シール全体に補強部材が配設されている場合と比べてコストを下げることができる。
本発明では、補強材は、複数の板ガラスの側部の全長にわたって配設されると共に、二次封着シールおよび前記板ガラス小口に接着されていることにより、複層ガラスに荷重が作用した際の二次封着シールの変形を抑制できると共に、板ガラス間への湿気の侵入を防止することができる。これにより、長寿命な複層ガラスとすることができる。
本発明では、補強部材はアルミニウム合金で形成されていることにより、二次封着シールとの接着耐久性を高めることができる。
図1(a)、(b)に示すように、第一の実施の形態による複層ガラス1は、対向する2枚の板ガラス2,2と、2枚の板ガラス2、2間に所定の間隔が形成されるように板ガラス2、2の周縁部に配されたスペーサ3と、板ガラス2,2とスペーサ3との間にそれぞれ設けられた一次封着シール4と、スペーサ3および一次封着シール4の外側に設けられた二次封着シール5と、二次封着シール5内に設けられた複数の補強部材6とから概略構成される。
2枚の板ガラス2間には、乾燥空気が封入された空気層7が形成されている。
スペーサ3は、内部に乾燥剤(不図示)が収容されている。そして、この乾燥剤が空気層7内の空気と接触できるように、スペーサ3には空気層7側のみに通気孔(不図示)が形成されている。スペーサ3は、金属によって形成されている。 一次封着シール4は、接着性の高いブチルゴムなどで形成されていて、板ガラス2とスペーサ3とを接着して密封している。
二次封着シール5は、シリコーンゴムなどで形成されていて、2枚の板ガラス2,2、スペーサ3および一次封着シール4と接着されている。一次封着シール4および二次封着シール5は、空気層7を密閉している。
図1(b)に示すように、スペーサ3、一次封着シール4および二次封着シール5は、板ガラス2の周縁部に沿って四角形を描くように設置されている。
補強部材6の数量と配置は、複層ガラス1の形状、寸法の他、複層ガラス1に作用する風圧によって封着部に作用する荷重(線荷重)の大きさによって決定される。
補強材部6は、板ガラス2の周縁部に沿って延在する所定の長さの部材で、長さ方向に直交する面における断面形状が図1(a)に示すようなC字型状または、図2に示すような長方形状などに形成されている。
補強部材6は、二次封着シール5との接着耐久性に優れるアルミニウム合金板で形成されている。
なお、補強部材6は、アルミニウム合金以外の金属や硬質樹脂、ガラスなどで形成されていてもよい。
第一の実施の形態による複層ガラス1に風圧力などの荷重が作用すると、一次封着シール4および二次封着シール5の封着部にも荷重が作用する。
このとき、補強部材6が設置されている部分の二次封着シール5は、変形が抑えられ、これに伴いこの二次封着シール5の付近の一次封着シール4の変形が押さえられる。そして、補強部材6は、二次封着シール5に部分的に複数設置されているので、一次封着シール4および二次封着シール5の変形を全体的に抑えることができる。
そして、一次封着シール4が空気層7側にはみ出して空気を巻き込むことがないので、一次封着シール4の劣化を防ぐことができる。
また、複層ガラス1をリブガラス構法や構造ガスケット構法に採用し、封着部にサッシ構法と比べて大きな荷重が作用する場合や、温度変化による空気層7の乾燥空気の膨張収縮挙動が生じた場合にも、二次封着シール5に補強部材6が部分的に複数設置されていることで、一次封着シール4および二次封着シール5の変形を同様に抑制し、一次封着シール4の劣化を防ぐことができる。
第二の実施の形態による複層ガラス21では、二次封着シール5内に部分的に補強部材26が設置されているので、第一の実施の形態と同様の効果を奏する。
また、本実施の形態では、板ガラス2、2の側方に、板ガラス2と直交する向きに配設された側板38が設けられていて、側板38は、2枚の板部材36aの端部と連結している。側板38は、補強部材36と同等の材料で形成されている。
連結された補強部材36および側板38は、二次封着シール5に直交する面の断面形状が略π型に形成されている。
第三の実施の形態による複層ガラス31では、二次封着シール5内に部分的に補強部材36および側板38が設置されているので、第一の実施の形態と同様の効果を奏する。
また、側板38によって補強部材36の変位が抑制されるので、二次封着シール5の変形が抑制され、一次封着シール4の変形と劣化を防ぐことができる。
第四の実施の形態による複層ガラス41では、2枚の板ガラス2、2の小口に全長にわたって補強部材46が配設されていることにより、2枚の板ガラス2、2の連結が補強されるため、複層ガラス41に作用する荷重による二次封着シール5の変形を抑制することができる。
更に、板ガラス2、2内への湿気の侵入を確実に防止することができ、複層ガラス41の耐久性を向上させ、耐用年数を大きく延ばすことが可能となる。
例えば、上述した実施の形態では、補強部材6、26、36は、二次封着シール5の各辺部5bの中央部に配設されているが、各辺部5bに互いに間隔をあけて複数挿入されてもよい。また、補強部材6、26、36は、間隔をあけずに、二次封着シール5の各角部5aおよび各辺部5b全長にわたって連続して挿入されてもよい。
また、上記の実施の形態では、複層ガラス1は、矩形状に形成されているが、矩形以外の形状の複層ガラスとしてもよい。
また、上記の実施の形態では、複層ガラス1は、2枚の板ガラス2、2を備えているが、3枚以上の板ガラス2と、それぞれ対向する板ガラス2間に形成された複数の空気層7を備える構造としてもよい。
また、上記の第三の実施の形態では、補強部材36の2枚の板部材36aが二次封着シール5に挿入されて、2枚の板部材36aが側板38と連結しているが、2枚でなく1枚や3枚以上の板部材36aとしてもよい。また、補強部材36を板部材36aに代わって棒状の部材とし、この棒状の部材と側板38とが連結された構成としてもよい。
2 板ガラス
3 スペーサ
4 一次封着シール
5 二次封着シール
6、26、36 補強部材
7 空気層
38 側板
Claims (8)
- 複数の板ガラスが縁周部に配されたスペーサを介して隔置され、前記板ガラス間に空気層が形成された複層ガラスにおいて、
前記板ガラスと前記スペーサとの間に配設された一次封着シールと、
前記スペーサおよび一次封着シールの外側に配設された二次封着シールと、
前記二次封着シールの変形を抑制する補強部材とを備えることを特徴とする複層ガラス。 - 前記補強部材は、前記二次封着シールの内部に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の複層ガラス。
- 前記補強部材は、前記板ガラスの縁周部に沿う方向に延在し、前記板ガラスの縁周部に直交する面における断面形状が長方形状またはC字型状の部材であることを特徴とする請求項2に記載の複層ガラス。
- 前記補強部材は、複数の板状の部材であって、前記二次封着シールと交互に積層されていることを特徴とする請求項2に記載の複層ガラス。
- 前記補強部材は、前記板ガラスの側部に配設された側板と連結していることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の複層ガラス。
- 前記補強材は、前記板ガラスの縁周部に沿って互いに間隔をあけて複数配設されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の複層ガラス。
- 前記補強材は、前記複数の板ガラスの側部の全長にわたって配設されると共に、前記二次封着シールおよび前記板ガラス小口に接着されていることを特徴とする請求項1に記載の複層ガラス。
- 前記補強部材は、アルミニウム合金で形成されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の複層ガラス。
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