JP2011240577A - 流体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】流体を受容する吸収部材として線状のものを用い、これを移動させる場合において、流体による装置内の汚染を防止できる流体噴射装置を提供する。
【解決手段】本願発明のプリンター1は、ノズル列Lに沿って延在するとともに、該ノズル列Lに沿って移動可能に設けられ、ノズル24から噴射されたインクを吸収する線状の吸収部材12と、吸収部材12を巻き取った状態からこれを巻き出すことで送り出す送出リール16と、送出リール16から送り出された吸収部材12を巻き取る巻取リール17と、吸収部材12の走行経路上であってノズル列Lから吐出されたインクを受容する位置と巻取リール16との間に配置され、吸収部材12からインクを除去する流体除去機構70と、を備えるものである。
【選択図】図5

Description

本発明は、流体噴射装置に関するものである。
従来から、インク滴を記録紙(媒体)に対して噴射させる流体噴射装置として、インクジェット式プリンター(以下、「プリンター」という。)が広く知られている。このようなプリンターにおいては、記録ヘッドのノズルからインクが蒸発することによるインクの増粘や固化、塵埃の付着、さらには気泡の混入などによりノズルに目詰まりを生じ、印刷不良を引き起こすという問題があった。そこで、通常、プリンターは、記録紙に対しての噴射とは別に、ノズル内のインクを強制的に吐出させるフラッシング動作を行うようになっている。
走査タイプのプリンターでは、記録ヘッドを記録領域以外のエリアに移動させてフラッシング動作を行うが、記録ヘッドが固定されたラインヘッドを備えるプリンターでは、フラッシング動作時に記録ヘッドを移動させることができない。そこで、例えば、記録紙の搬送ベルトの表面に設けられた吸収部材に向けてインクを吐出する方法が考えられている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1の技術では、搬送ベルト上に複数の吸収部材が記録紙のサイズに合わせて等間隔に配置されているため、フラッシング時においては記録紙間の隙間を狙ってインクを噴射しなければならず、記録紙のサイズや搬送速度に制約が生じてしまうという問題がある。また、平面形状の吸収部材に対してフラッシングを行うと、インク滴の吐出に伴う風圧によってミスト状のインクが散ってしまい、記録紙や搬送ベルト上を汚してしまうおそれもある。
特開2005−119284号公報
そこで、吸収部材として線状のものを用い、この線状の吸収部材をラインヘッドと記録紙(記録媒体)との間に配置し、これに向けてインクを噴射しフラッシングすることにより、インクを吸収部材に受容させることが考えられる。その場合に、この吸収部材については受容できるインク量に限界があるため、ある程度インクを受容させたら吸収部材を例えば巻き取ることで移動させ、吸収部材の新たな領域に向けてフラッシングを行い、再度インクの受容を行わせるようにすることが考えられる。
しかしながら、線状の吸収部材を移動させる途中で、該吸収部材に吸収されているインクが垂れるなどして装置内を汚染し、インクによって記録紙の搬送面を汚してしまうおそれがある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、流体を受容する吸収部材として線状のものを用い、これを移動させる場合において、流体による装置内の汚染を防止できる流体噴射装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の流体噴射装置は、複数のノズルからなるノズル列を有し、該ノズル列から流体を噴射する流体噴射ヘッドを備えた流体噴射装置であって、前記ノズル列に沿って延在するとともに、該ノズル列に沿って移動可能に設けられ、前記ノズルから噴射された流体を吸収する線状の吸収部材と、前記吸収部材を巻き取った状態からこれを巻き出すことで送り出す送出回転体と、前記送出回転体から送り出された前記吸収部材を巻き取る巻取回転体と、前記吸収部材の走行経路上であって前記ノズル列から吐出された前記流体を受容する位置と前記巻取回転体との間に配置され、前記吸収部材から前記流体を除去する流体除去機構と、を備えることを特徴とする。
本発明の流体噴射装置によれば、ノズル列から吐出された流体を受容した直後において吸収部材から流体を除去することが可能であるので、吸収部材に吸収された流体が装置内で飛散することが防止される。よって、装置内が流体により汚染されるといった不具合の発生を防止した、信頼性の高い装置を提供できる。
また、流体除去機構は、前記吸収部材を径方向に圧縮させることで内部の前記流体を排出させることが好ましい。
本発明を採用すれば、吸収部材から流体を効率よく除去することが可能となり、流体を飛散させやすい吸収部材による装置内の汚染をより確実に防止できる。
また、流体除去機構は、洗浄液を貯留し、前記流体を吸収した前記吸収部材を前記洗浄液内に浸漬させる洗浄液貯留部と、前記吸収部材の径方向両側に配置され当該吸収部材を挟み込む一対の流体除去ローラーと、前記流体除去ローラーによって前記吸収部材から除去された前記流体を回収する流体回収部と、を備えていることが好ましい。
本発明によれば、流体を吸収した吸収部材を一端洗浄液に浸漬させた後、流体除去ローラーによって絞ることで、乾燥によって固化した流体であっても吸収部材から確実に除去することが可能になる。これにより、吸収部材の再利用も可能となる。
また、流体除去機構は、前記流体を吸収した前記吸収部材に対して洗浄液を供給する洗浄液供給部と、前記吸収部材内の前記流体及び前記洗浄液を吸引除去する流体吸引部と、を備えて構成されていることが好ましい。
本発明によれば、乾燥によって固化した流体を吸収部材から確実に除去することが可能になる。これにより、吸収部材の再利用も可能となる。
また、流体除去機構は、前記吸収部材の直径よりも小さい孔を有し、当該孔内を前記吸収部材が通過可能な構成とされていることが好ましい。
この構成によれば、吸収部材の移動に伴って自ずと吸収部材から流体が除去されることになる。これにより、簡単な構成で吸収部材から流体を除去することが可能である。
第1実施形態のプリンターの概略構成を示す斜視図。 ヘッドユニットの概略構成を示す斜視図。 記録ヘッドの概略構成を示す斜視図。 キャップユニットの概略構成を示す斜視図。 フラッシングユニットの概略構成を示す斜視図。 (a)、(b)は吸収部材を模式的に示す拡大図。 図5の要部拡大図。 インク除去機構の概略構成を示す模式図。 図5の要部拡大図。 吸収部材の移動位置を示す底面図。 インク除去機構の変形例を示す模式図。 第2実施形態のプリンターにおけるインク除去機構の概略構成を示す模式図。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
本発明の流体噴射装置の一実施形態について説明する。本実施形態では、流体噴射装置として、インクジェットプリンター(以下、単にプリンターと称す)について例示する。
(第一実施形態に係るプリンター)
図1はプリンターの概略構成斜視図、図2はヘッドユニットの概略構成斜視図、図3はヘッドユニットを構成する記録ヘッド(流体噴射ヘッド)の概略構成斜視図、図4はキャップユニットの概略構成斜視図である。
図1に示すように、プリンター1は、ヘッドユニット2と、記録紙(記録媒体)を搬送する搬送装置3と、記録紙を供給する給紙ユニット4と、ヘッドユニット2によって印字された記録紙を排出する排紙ユニット5と、ヘッドユニット2に対してメンテナンス処理を行うメンテナンス装置10と、を備えて構成されている。
搬送装置3は、ヘッドユニット2を構成する各記録ヘッド(流体噴射ヘッド)21(21A、21B、21C、21D、21E)のノズル面23との間に所定の間隔をあけた状態で、記録紙を保持するように構成されたものである。この搬送装置3は、駆動ローラー部31と、従動ローラー部32と、これらローラー部31、32との間に架け回された複数のベルトから構成された搬送ベルト部33と、を備えている。また、この搬送装置3における記録紙の搬送方向下流側(排紙ユニット5側)であって、排紙ユニット5との間に、記録紙を保持する保持部材34が設けられている。
駆動ローラー部31は、回転軸方向の一端側が不図示の駆動モーターに接続されたもので、駆動モーターによって回転駆動されるように構成されたものである。そして、この駆動ローラー部31の回転動力が搬送ベルト部33に伝達され、搬送ベルト部33が回転駆動するようになっている。駆動ローラー部31と駆動モーターとの間には、必要に応じて伝達ギアが設置される。従動ローラー部32は、いわゆるフリーローラーであり、搬送ベルト部33を支持するとともに、搬送ベルト部33(駆動ローラー部31)の回転駆動に従動して回転するようになっている。
排紙ユニット5は、排紙用ローラー51と、この排紙用ローラー51によって搬送された記録紙を保持する排紙トレー52と、を備えて構成されている。
ヘッドユニット2は、複数(本実施形態では5つ)の記録ヘッド21A〜21Eをユニット化することで構成されたもので、各記録ヘッド21A〜21Eの各ノズル24(図3参照)からは、複数色のインク(例えば、ブラックB、マゼンタM、イエローY、シアンCの各インク)が吐出されるようになっている。これら記録ヘッド21A〜21E(以下、記録ヘッド21と称す場合もある)は、取付板22に取付けられることでユニット化されている。すなわち、本実施形態に係るヘッドユニット2は、複数の記録ヘッド21が複数組み合わされたことにより、ヘッドユニット2の有効印字幅が記録紙の横幅(搬送方向と直交する幅)と略同等とされる、ラインヘッドモジュールを構成している。なお、前記各記録ヘッド21A〜21Eにおけるそれぞれの構造自体は共通とされている。
図2に示すようにヘッドユニット2は、取付板22に形成された開口部25内に、各記録ヘッド21A〜21Eを配置したものである。具体的には、各記録ヘッド21A〜21Eが取付板22の裏面22b側に螺子止めされたことで、ノズル面23が前記開口部25を通って取付板22の表面22a側から突出した状態に配置されたものである。また、このヘッドユニット2は、前記取付板22が不図示のキャリッジに固定されたことにより、プリンター1に搭載されている。
本実施形態におけるヘッドユニット2は、前記キャリッジによって記録位置とメンテナンス位置との間(図1中の矢印で示す方向)で移動可能に構成されている。ここで、記録位置とは、搬送装置3に対向し且つ記録紙に対して記録を行う位置である。一方、メンテナンス位置とは、搬送装置3上から退避した位置であって、メンテナンス装置10と対向する位置である。このメンテナンス位置において、ヘッドユニット2に対するメンテナンス処理(吸引処理、ワイピング処理)が実施されるようになっている。
図3に示すように、ヘッドユニット2を構成する記録ヘッド21A〜21E(以下、単に記録ヘッド21と称す場合もある)は、複数のノズル24によって構成されるノズル列Lが複数列形成されたノズル面23を有するヘッド本体25Aと、このヘッド本体25Aが取付けられる支持部材28と、を備えて構成されている。
各記録ヘッド21A〜21Eは、4色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk))に対応したノズル列(L(Y)、L(M)、L(C)、L(Bk))を有しており、したがってノズル列Lを4列形成している。各ノズル列(L(Y)、L(M)、L(C)、L(Bk))において、これらノズル列(L(Y)、L(M)、L(C)、L(Bk))を構成するノズル24は、記録紙の搬送方向と交差する水平方向に配列されている。具体的には、記録紙の搬送方向と直交する水平方向に配列されている。そして、各記録ヘッド21A〜21Eは、それぞれのノズル列が、これら記録ヘッド21A〜21Eの配置方向において同じ色に対応するノズル列Lが一列になるように、配置されている。なお、各記録ヘッド21A〜21Eにおける各ノズル列(L(Y)、L(M)、L(C)、L(Bk))については、各色毎に2列ずつ、合計8列形成されていてもよい。その場合に、各色毎に設けられた2列のノズル列は、千鳥状に配置されているのが好ましい。
支持部材28には、ノズル面23の長手方向の両側に張り出し部26、26が形成されており、これら張り出し部26、26には、記録ヘッド21を前記取付板22の裏面22bに螺子止めするための貫通孔27が形成されている。これにより、複数の記録ヘッド21が取付板22に取付けられ、前記ヘッドユニット2が構成されている(図1参照)。
メンテナンス装置10は、ヘッドユニット2に対して吸引処理を行うキャップユニット6と、フラッシング動作により吐出されたインクを受けるためのフラッシングユニット11と、を有して構成されている。
図4に示すようにキャップユニット6は、前記ヘッドユニット2に対してメンテナンス処理を行うもので、各記録ヘッド21A〜21Eに対応する複数(本実施形態では5つ)のキャップ部61A〜61Eがユニット化されたことにより、構成されたものである。このキャップユニット6は、ヘッドユニット2の記録エリアから外れた場所に配置されている。
各キャップ部61A〜61E(以下、単にキャップ部61と称す場合もある)は、記録ヘッド21A〜21Eの各々にそれぞれ対応して設けられたもので、各記録ヘッド21A〜21Eのノズル面23に当接可能に構成されたものである。このような構成のもとにキャップ部61A〜61Eは、記録ヘッド21A〜21Eの各ノズル面23にそれぞれ密着することにより、各ノズル面23のノズル24からインク(流体)を排出させる吸引動作を、良好に行うことができるようになっている。
また、これら各キャップ部61A〜61Eは、キャップ本体67と、キャップ本体67の上面に枠状に設けられ、記録ヘッド21に当接されるシール部材62と、記録ヘッド21のノズル面23を払拭するワイピング処理時に用いられるワイプ部材63と、これらキャップ本体67及びワイプ部材63を一体的に保持する筐体部64と、を備えている。
筐体部64の底部には、筐体部64をベース部材69に保持するための保持部65が2つ(1つは不図示)形成されている。これら保持部65は平面視において筐体部64における対角をなす位置に配置されている。保持部65の各々には、筐体部64をベース部材69に螺子止め固定するための螺子が挿入される貫通孔65bが形成されている。
フラッシングユニット11は、ヘッドユニット2の底面側を示す図5に示すように、フラッシング動作時に吐出されたインク滴(流体)を吸収する吸収部材12と、これら吸収部材12を支持する支持機構9と、スラッシング動作後にインク滴を吸収した吸収部材12からインクを除去するインク除去機構70(流体除去機構)と、を備えて構成されている。
吸収部材12は、各ノズル24から吐出されたインク滴を吸収する線状のもので、本実施形態では1つのヘッドユニット2に対して2本設けられている。各吸収部材12は、それぞれ、対応するノズル列(L(Y)、L(M)、L(C)、L(Bk))に沿って延在した状態に配置され、かつ、各ノズル面23と記録紙の搬送領域との間に配置されている。
この吸収部材12は、例えば糸材などによって形成されたもので、インクを効率よく吸収、保持(受容)できるものが好適に用いられる。具体的には、SUS304、ナイロン、親水性コートを施したナイロン、アラミド、絹、綿、ポリエステル、超高分子量ポリエチレン、ポリアリレート、ザイロン(商品名)等の繊維、あるいはこれらの複数を含む複合繊維から吸収部材12を形成することができる。
より詳細には、前記繊維あるいは複合繊維から形成される繊維束が、撚り合わされるあるいは束ねられることによって吸収部材12が形成可能である。
図6は、吸収部材12の一例を示す模式図であり、(a)が断面図、(b)が平面図である。これらの図に示すように、吸収部材12は、例えば、繊維から形成される繊維束12aが2本撚り合わされることによって形成される。
また、他の例としては、SUS304からなる繊維束が複数本撚り合わされた線状部材、ナイロンからなる繊維束が複数本撚り合わされた線状部材、親水性コートが施されたナイロンからなる繊維束が複数本撚り合わされた線状部材、アラミドからなる繊維束が複数本撚り合わされた線状部材、絹からなる繊維束が複数本撚り合わされた線状部材、綿からなる繊維束が複数本撚り合わされた線状部材、ベリーマ(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ソアリオン(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ハミロン03T(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ダイニーマハミロンDB−8(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ベクトランハミロンVB−30からなる繊維束が束ねられた線状部材、ハミロンS−5コアケブラースリーブポリエステル(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ハミロンS−212コアカブラースリーブポリエステル(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ハミロンSZ−10コアザイロンスリーブポリエステル(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ハミロンVB−3ベクトラン(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材が、吸収部材12として好適に用いられる。
ナイロンの繊維を用いた吸収部材12は、汎用水糸として広く用いられるナイロンによって形成されているため、安価なものとなる。
SUS材の金属繊維を用いた吸収部材12は、耐腐食性に優れるため多様なインクを吸収可能となると共に、樹脂と比較して磨耗性が高いため繰り返しの使用が可能となる。
超高分子ポリエチレンの繊維を用いた吸収部材12は、切断強度及び耐薬品性が高く、有機溶剤や酸、アルカリに強いものとなる。このように、超高分子ポリエチレンの繊維を用いた吸収部材12は、切断強度が高いため、強いテンションで引っ張ることが可能となり、撓みを抑止することができる。このため、例えば、吸収部材12の径を太くして吸収容量を増加させたり、また吸収部材12の径を太くしない場合にはヘッド21A〜21Eから記録紙の搬送領域までの距離を狭くし印刷精度を向上させることができる。また、ザイロンやアラミドの繊維を用いた吸収部材12も、超高分子ポリエチレンの繊維を用いた吸収部材12と同様の効果を期待できる。
綿の繊維を用いた吸収部材12は、インク吸収性に優れたものとなる。
このような吸収部材12では、滴下されたインクが表面張力によって繊維間及び繊維束12a間に形成される谷部12b(図6参照)に保持されるため、インクが吸収・受容される。
また、吸収部材12の表面に滴下したインクは、一部が直接吸収部材12の内部に浸透し、残りが繊維束12a間に形成される谷部12bを伝う。そして、吸収部材12の内部に浸透したインクは、吸収部材12の内部において一部が徐々に吸収部材12の延在方向に移動し吸収部材12の延在方向に分散して保持される。吸収部材12の谷部12bを伝うインクは、谷部12bを伝いながら、徐々にその一部が吸収部材12の内部に浸透し、残りが谷部12bに残存し、これによって吸収部材12の延在方向に分散して保持される。つまり、吸収部材12の表面に滴下したインクは、長期的には全てが滴下された箇所に留まるわけではなく、滴下された箇所の周囲に分散して吸収される。
なお、実際にプリンター1に設置する吸収部材12の形成材料については、吸インク性、保持インク性、引張強度、耐インク性、成形性(けばやほつれの発生量)、ねじれ性、コスト等を考慮して適宜に選択される。
また、吸収部材12のインク吸収量は、吸収部材12の繊維間に保持できるインク量と谷部12bに保持できるインク量の合計である。このため、このインク吸収量が、吸収部材12の交換頻度等を考慮して、フラッシングによって吐出されるインク量よりも十分に大きくなるように、吸収部材12の形成材料が選択される。
なお、吸収部材12の繊維間に保持できるインク量及び谷部12bに保持できるインク量は、インクと繊維との接触角、インクの表面張力に依存する繊維隙間における毛細管力によって規定することができる。つまり、細い繊維を用いて形成することで繊維間の隙間を多くし、全体として繊維の表面積を増加することにより、吸収部材12の断面積が同一であっても、吸収部材12はより多量のインクを吸収することができるようになる。したがって、繊維間の隙間をより多くするため、繊維束12aを形成する繊維として、マイクロファイバー(極細繊維)を用いるようにしてもよい。
ただし、吸収部材12のインク保持力は、繊維間の隙間が大きくなって毛細管力が低下することで低減する。このため、繊維間の隙間については、吸収部材12におけるインク保持力が吸収部材12の移動によってインクが垂れない程度となるように、設定する必要がある。
また、吸収部材12の太さについては、例えば前記ノズル24の径(ノズル径)に対して、5〜75倍程度の太さ(径)とされる。一般的なプリンターでは、各記録ヘッド21A〜21Eにおける各ノズル面23と記録紙との間のギャップが1mm〜2mm程度、ノズル径が約0.02mmとなっている。したがって、吸収部材12は、直径が0.5mm以下であれば、各ノズル面23や記録紙に接触することなくこれらの間に配置させることができ、かつ0.2mm以上であれば、部品の誤差を考慮しても、吐出されたインク滴を確実に捕捉することができるようになる。そのため、吸収部材12は太さ(径)が0.2mm〜0.5mm程度、すなわちノズル径に対して10〜25倍程度であるのが好ましい。なお、吸収部材12の断面形状は、必ずしも円形である必要はなく、多角形等であってもよい。ここで、吸収部材は完全な円形に作るのは難しいので、円形とは略円形も含む。
また、吸収部材12の長さについては、ヘッドユニット2の有効印字幅に対して十分な長さを有しているのが好ましい。本実施形態のプリンター1では、後述するように吸収部材12の使用済み(インク吸収済み)の領域が順次巻き取られ、吸収部材12のほぼ全領域においてインクが吸収された際に、吸収部材12全体が取り替えられる構成が採用されている。そのため、吸収部材12の取替え期間を実用に耐え得る時間とするべく、吸収部材12の長さは、ヘッドユニット2の有効印字幅の数百倍程度であるのが好ましい。
このような構成からなる吸収部材12は、図5に示すように支持機構9によって支持されている。
支持機構9は、走行機構13および移動機構14を備えて構成されたもので、本実施形態では、いずれもヘッドユニット2の両側、すなわち記録ヘッド21の配列方向における一方側と他方側とに設けられている。なお、図5では、ヘッドユニット2の一部を省略し、記録ヘッド21を二つのみ示している。また、このヘッドユニット2を構成する記録ヘッド21については、ノズル列Lが(Y)、(M)、(C)、(Bk)の各色毎に2列ずつ、合計8列形成されているものを示している。
走行機構13は、ヘッドユニット2の両側に配設された一対の支持基板15A、15Bに設けられたもので、吸収部材12を記録ヘッド21のノズル列Lに沿ってその一方側から他方側に向かって走行させるものである。本実施形態では、前記したように吸収部材12が2本設けられているため、これに対応して走行機構13も二つ設けられている。なお、吸収部材12の数については、2本に限ることなく、例えば記録ヘッド21のノズル列Lの数分設けるようにしてもよく、その場合に、走行機構13についても、吸収部材12の数に対応してその数分設けるようにしてもよい。
この走行機構13は、一方側の支持基板15Aに送出リール(送出回転体)16とこれを駆動させる送出モーター(送出駆動部)16Aを備え、他方側の支持基板15Bに巻取リール(巻取回転体)17とこれを駆動させる巻取モーター(巻取駆動部)17Aを備えて構成されたものである。送出リール16は、吸収部材12を予め所定長さ巻き取ったもので、この状態から、吸収部材12を巻き出すことでヘッドユニット2側に送り出すものである。巻取リール17は、送出リール16から送り出された吸収部材12を巻き取るものである。
また、支持基板15Aには、要部拡大図である図7に示すように、吸収部材12に所定の張力を付与するための調整レバー(張力調整部材)18が設けられている。この調整レバー18は細長い板状のもので、その中央部を回動軸として、正逆方向に回動可能に設けられたものである。また、この調整レバー18は、送出リール16の下側(支持基板15A側)に配置されたもので、その回動軸を送出リール16の回転軸に一致させて配置されたものである。
調整レバー18には、その一端側にコイルバネからなる引っ張りバネ(テンションバネ)19が連結されており、他端側にはローラー18aが回転可能に設けられている。引っ張りバネ19は、その一端側が調整レバー18に連結し、他端側が支持基板15Aに固定されたものであり、調整レバー18の一端側を図7中矢印A方向に付勢するものである。このような構成によって調整レバー18は、引っ張りバネ19によって矢印A方向に回動するように付勢されている。
調整レバー18の一端部の両側、すなわちその回動方向の両側には、この一端部に当接可能な位置に第1センサ36と第2センサ37とが設けられている。第1センサ36は、調整レバー18の一端部に対して、矢印A方向と反対の側に配置されたものであり、第2センサ37は、調整レバー18の一端部に対して、矢印A方向の側に配置されたものである。これら第1センサ36、第2センサ37は、調整レバー18の一端部によって押圧されることでオンになり、押圧が解除されることでオフになる、リミットスイッチとなっている。ただし、これら第1センサ36、第2センサ37は、その押圧抵抗が十分に小さくなっており、したがって調整レバー18の一端部に押圧された際、その押圧力にほとんど抗することなく後退し、押圧力が解除されることで元の位置に円滑に復帰するようになっている。なお、本実施形態では、これら第1センサ36と第2センサ37とにより、本発明のセンサ部が構成されている。
また、これら第1センサ36、第2センサ37は、後述するように吸収部材12の張力を所定範囲内に維持するために設けられたもので、第1センサ36は、オンになると巻取モーター17Aの駆動を停止させ、オフになると巻取モーター17Aを駆動させるようになっている。また、第2センサ37は、オンになると送出モーター16Aの駆動を停止させるとともに、巻取モーター17Aを駆動させるようになっている。
なお、第1センサ36がオンになる位置、本実施形態では調整レバー18の一端部が第1センサ36に当接しこれを所定量押圧した位置が、調整レバー18が変位(回動)する範囲における第1位置とされ、第2センサ37がオンになる位置、すなわち調整レバー18の一端部が第2センサ37に当接しこれを所定量押圧した位置が、調整レバー18が変位(回動)する範囲における第2位置とされる。これら第1位置、第2位置は、後述するように予め設定した吸収部材12の張力の範囲に対応して、それぞれ決められている。
前記調整レバー18の他端側のローラー18aには、送出リール16から巻き出された(送り出された)吸収部材12が周回させられているが、吸収部材12は、その前に検査用回転体20に周回させられている。検査用回転体20は、回転板20aとローラー20bとが同じ回転軸を有して一体に形成されたもので、送出リール16から巻き出された吸収部材12をローラー20bに周回させたものである。すなわち、送出リール16から巻き出された吸収部材12は、ローラー20bを周回した後、調整レバー18のローラー18aを周回するようになっている。
ここで、検査用回転体20のローラー20bは、吸収部材12が走行した際、これに連れ回りするようになっている。したがって、ローラー20bと一体に形成された回転板20aは、ローラー20bと同じ速度(回転速度)で回転するようになっている。この回転板20aには、その外周部に、周方向に沿ってパルス発生用の孔(識別体)40が等間隔(所定間隔)で多数設けられている。また、この回転板20aの外周部の一部と対向する位置には、前記孔40を検知する検知部41が配置されている。検知部41は、例えば回転板20aの一方の側に発光部を配し、他方の側に受光部を配して構成されたもので、発光部からの光が回転する回転板20aの孔を通過すると、これを受光部で受光するように構成されたものである。
このような構成のもとに検知部41は、孔の検知数に基づき、回転板20aの回転数が検出できるようになっている。また、ローラー20bは吸収部材12に連れ回りするため、吸収部材12の走行長さ(走行距離)と回転板20aの回転数とは正比例する。したがって、前記したように回転板20aの回転数を検出することで、吸収部材12の走行長さを正確に検出することが可能になる。なお、本実施形態では、このような検知部41と回転板20aの孔40(識別体)とにより、本発明の検出機構が構成されている。
ローラー20bを周回した吸収部材12は、前記したように調整レバー18の他端側のローラー18aに送られてこれを周回している。そして、図5に示したように、支持基板15Aのヘッドユニット2側に設けられたローラー部42を周回して、ヘッドユニット2の各記録ヘッド21のノズル面23に対向する側を通過し、支持基板15Bに向かっている。ここで、吸収部材12は、前述したように対応するノズル列Lに沿って延在した状態に配置されている。
支持基板15Bには、ヘッドユニット2側にローラー部43が設けられており、ヘッドユニット2を通過した吸収部材12は、このローラー部43を周回して前記巻取リール17に巻き取られている。ただし、本実施形態では、ローラー部43を周回した吸収部材12は、ローラー部43と巻取リール17との間に配置された安全レバー44を経由して、巻取リール17に巻き取られている。
なお、図5に示したように吸収部材12は、支持基板15Aのローラー部42と支持基板15Bのローラー部(掛け渡し部、位置決め部材)43とにより、ヘッドユニット2に対向する位置が決められている。したがって、これらローラー部42、43は、これらにそれぞれ周回することでこれらの間を走行する吸収部材12が、記録ヘッド21の対応するノズル列Lに対向可能となるように、位置決めされ、配置されている。
ところで、支持基板15B側を走行する吸収部材12は、インクを吸収した状態であるため、巻取リール17,17によって巻き取られる前に複数のローラーを経由する際、吸収部材12に吸収されているインクが飛散あるいは垂れることにより、プリンター1内、特に記録用紙を搬送する搬送面が汚染されるおそれがある。
インク除去機構70は、吸収部材12からインクを除去するものであって、支持基板15B上におけるローラー部43,43と巻取リール17,17との間に配置されている。本実施形態では、吸収部材12の走行経路上におけるローラー部43,43よりも下流側に配置され、ローラー部43,43に掛け渡された直後の吸収部材12に対してメンテナンスを行う構成となっている。
図8は、インク除去機構の概略構成を示す模式図である。
インク除去機構70は、洗浄液が貯留された洗浄槽71(洗浄液貯留部:図8(a))と、吸収部材12を両側から挟みこむ一対のインク除去ローラー72,72(流体除去ローラー:図8(b))と、除去されたインクを回収するインク回収槽73(流体回収部:図8(b))とを備えて構成されている。
洗浄槽71は、ローラー部43,43に掛け渡された直後の吸収部材12が挿入されるようになっている。洗浄槽71内には、吸収部材12の洗浄に用いられる揮発性を有する洗浄液77が貯留されており、例えば、水性インクに対応して、純粋に防腐剤を添加した洗浄液などが貯留されている。なお、洗浄液77は、水に限らず、インクの溶媒として用いることが可能な液体であれば何を用いてもよい。
洗浄槽71内に貯留される洗浄液77の量としては、吸収部材12の径方向全体を浸漬させることが可能な量とする。
インク除去ローラー72,72は互いに平行とされ吸収部材12の径方向両側に配置されている。さらに、不図示の弾性部材によって対向するインク除去ローラー72に向かって付勢されており、吸収部材12の径方向を押し潰すように挟み込む構成となっている。これらインク除去ローラー72,72は、吸収部材12の移動に伴って、互いに相反する方向へ回転する。これにより、インクおよび洗浄液77を含んだ吸収部材12を絞ることが可能となっている。吸収部材12から絞り出された(排出された)インク及び洗浄液77はその重力によりローラー72,72の軸方向下端側に垂れることになる。
インク回収槽73は、インク除去ローラー72,72によって除去されたインク及び洗浄液を回収するもので、インク除去ローラー72,72の真下に配置されている。インク回収槽73の内部には廃液を吸収して保持する吸収材75が設けられている。
なお、インク除去機構70は、支持基板15Bとともに移動可能に構成されていてもいいし、吸収部材12の退避位置に予め配置された構成とされていても良い。支持基板15Bと一体的に構成されていれば、フラッシング時に吸収部材12を随時巻き取る場合にもメンテナンスを実施することが可能になる。
上記安全レバー44は、要部拡大図である図9に示すように細長い板状のもので、その中央部を回動軸として正逆方向に回動可能に設けられたものである。この安全レバー44には、その一端側にコイルバネからなる引っ張りバネ(テンションバネ)45が連結されており、他端側にはローラー46aが回転可能に設けられている。また、前記回動軸(図示せず)より前記一端側には、別のローラー46bが回転可能に設けられている。
引っ張りバネ45は、その一端側が安全レバー44に連結し、他端側が支持基板15Bに固定されたものであり、安全レバー44の一端側を図9中矢印B方向に付勢するものである。このような構成によって調整レバー18は、引っ張りバネ45によって矢印B方向に回動するように付勢されている。
安全レバー44の一端部の、前記引っ張りバネ45と反対の側には、この一端部に当接可能な位置に安全センサ部47が設けられている。安全センサ部47は、安全レバー44の一端部によって押圧されることでオンになり、押圧が解除されることでオフになる、リミットスイッチとなっている。また、この安全センサ部47は、オンになると巻取モーター17Aの駆動を停止させるように構成されている。そして、本実施形態では、このような安全レバー44、引っ張りバネ45、ローラー46a、46b、及び安全センサ部47により、安全機構が構成されている。
この安全機構により、ローラー46a、46bを周回する吸収部材12の張力が所定以上の張力になると、安全レバー44の一端側が引っ張りバネ45の付勢力に抗して矢印Bと反対の方向に回動する。すると、安全センサ部47が押圧されてオンになることにより、巻取モーター17Aの駆動が停止し、巻取リール17の回転が停止する。これにより、後述するように吸収部材12を無理に引っ張ることによる、切断が回避されるようになっている。
移動機構14は、吸収部材12をノズル列Lの延在方向Pと交差(本実施形態においては直交)する方向Rに移動させることにより、吸収部材12を、ノズル24に対向して該ノズル24から噴射されたインク滴(流体)を吸収するフラッシング位置と、ノズル24から噴射されたインク滴(流体)の飛行経路から退避する退避位置と、の間で移動させるものである。また、本実施形態の移動機構14は、各吸収部材12を、あるノズル列に対向する位置から、これと異なるノズル列に対向する位置に移動させることができるようにもなっている。
すなわち、この移動機構14は、支持基板15A、15Bに設けられた一対の移動部材14A、14Bによって構成されたもので、これら移動部材14A、14Bが同期して動作することにより、支持基板15A、15Bを、前記の方向Rにおける同方向に、同時にかつ同一長さ、移動させるようになっている。
移動部材14A、14Bは、支持基板15A、15Bのそれぞれの上面側、すなわち送出リール16や巻取リール17が設けられた面側と反対の面側に設けられたボールネジステージ53と、雄螺子状のボールネジ54を回転させる、ステッピングモーター等からなるモーター55と、支持基板15A、15Bにそれぞれ固定され、かつ、ボールネジ54に螺合する雌螺子部(図示せず)を有して該ボールネジ54に対し移動可能に螺合した固定ブロック56と、を備えて構成されたものである。なお、モーター55及びボールネジステージ53は、図示しない固定部材によってプリンター1に固定されている。
このような構成のもとに移動部材14A、14Bは、モーター55が回転することでボールネジ54が回転し、このボールネジ54に螺合する固定ブロック56がボールネジ54の長さ方向、すなわち図5中のR方向に移動するようになっている。これにより、移動部材14A、14Bに固定された支持基板15A、15Bが、前述したように方向Rにおける同方向に、同時にかつ同一長さ、移動するようになっている。そして、これら支持基板15A、15Bの移動に伴い、吸収部材12も同様に移動するようになっている。なお、モーター55は正逆方向に回転可能になっており、したがって固定ブロック56や支持基板15A、15B、吸収部材12も、R方向における両方の側に移動可能になっている。
そして、モーター55は図示しない制御部によって制御されるようになっており、これによって移動機構14は、ヘッドユニット2(ノズル列L)に対する各吸収部材12の位置を予め設定された通りに変化させるよう、移動させるようになっている。具体的には、図10(a)、(b)に示すように吸収部材12を、ヘッドユニット2の対応するノズル列Lの延在方向Pと直交する方向R、すなわち記録紙の搬送方向に沿って、予め設定された距離移動させるようになっている。なお、本発明における移動機構としては、前記のボールネジ54を備える構成に限定されることなく、例えばラック・アンド・ピニオンを用いた構成等を採用することもできる。
本実施形態において移動機構14は、吸収部材12をフラッシング位置と退避位置との間で移動させるようになっている。
ここで、フラッシング位置とは、図10(a)に示すように、吸収部材12が対応するノズル列L(ノズル列Lを構成する複数のノズル24)に対向した(平面視して重なる)状態であって、フラッシング動作時にノズル列Lから吐出されたインク滴を受容し吸収できる位置、すなわちインクの飛行経路上の位置である。
一方、吸収部材12における退避位置とは、図10(b)に示すように、ノズル列L(ノズル列Lを構成する複数のノズル24)とは対向しない(平面視して重ならない)状態であって、記録動作時に各ノズル24から吐出された記録用のインク滴が吸収部材12に吸収されることのない位置である。なお、ここでノズル列Lと吸収部材12とが対向するとは、必ずしもノズル24の中心と吸収部材12の中心とが平面視した状態で重なることのみを意味するのではなく、平面視した状態で吸収部材12の幅の中にノズル24が位置する状態のことを言う。このような状態であれば、ノズル24から吐出されたインクを吸収部材12は吸収することができる。
また、本実施形態の移動機構14にあっては、吸収部材12をフラッシング位置と退避位置との間で移動させるだけでなく、図10(a)、(b)中にそれぞれ実線で示すようにノズル列L1に対応する位置から、二点鎖線で示すようにこれと異なるノズル列L2に対応する位置に移動させることも、できるようにもなっている。もちろん、対応可能なノズル列Lについては、2列に限定されることなく、3列以上となるように構成することもできる。
次に、前述の走行機構13による吸収部材12の保持とその走行動作に関連する、本実施形態のプリンター1の動作について説明する。なお、本実施形態のプリンター1の動作は、前記の図示しない制御部(制御装置)によって統括されている。
まず、図10(a)に示した状態でフラッシングを終了した後、記録ヘッド21による記録紙へのインクの噴射に備え、吸収部材12を前記移動機構14によって図10(b)に示したようにフラッシング位置から退避位置に移動させる。その際、図5に示した送出モーター16A、巻取モーター17Aについてはいずれもその駆動を停止させておき、したがって送出リール16と巻取リール17との間に保持された吸収部材12は、予め設定された所定の張力に保持されている。
また、このときには、図7中に二点鎖線で示すように、調整レバー18が第1センサ36をオンにした状態となっており、すなわち、該調整レバー18が変位する範囲における第1位置に至った状態となっている。したがって、吸収部材12は、引っ張りバネ19による付勢力を上回った力で調整レバー18を矢印A方向と反対の側に変位させており、その張力は、引っ張りバネ19による付勢力に対応する第1の張力以上になっている。
このような状態のもとで、例えばフラッシングに動作によって既にインクを吸収・受容した領域を巻取リール17側に巻き取り、まだインクを吸収・受容していない新たな領域をヘッドユニット2に対向させるべく、送出モーター16Aを駆動し、送出リール16を回転させる。すると、巻取リール17は停止しているので、送出リール16と巻取リール17との間に巻き出される吸収部材12の巻き出し量(送り出し量)が多く(長く)なり、これによって吸収部材12の張力が弱くなる。
その結果、前記の第1の張力未満になるため、調整レバー18は図7中実線で示したように第1位置から離れ、第1位置と第2位置(第2センサ37をオンにする位置)との間に至る。このように調整レバー18が第1位置から離れると、第1センサ36はこれを検知して巻取モーター17Aを駆動させ、巻取リール17を回転させる。したがって、送出リール16、巻取リール17が共に回転することにより、吸収部材12の張力は安定し、調整レバー18の変位も所定範囲内に維持され、したがって図7中実線で示したように第1位置と第2位置との間に維持される。
ここで、送出モーター16A、巻取モーター17Aのそれぞれの回転速度については、予めほぼ同じになるように設定されており、したがって送出リール16、巻取リール17の各回転速度はほぼ同じになっている。ところが、これら送出リール16、巻取リール17に巻き取られている吸収部材12の巻取量は、初期では送出リール16側の方が多く、その後使用を重ねるに連れ、巻取リール17側が増えていく。したがって、送出リール16と巻取リール17とでは、巻取量に差があることから、吸収部材12の巻取径に差が生じ、そのため同じ回転数で回転していても、巻取径の差によって単位時間あたりの送り出し長さ(巻きだし長さ)と巻き取り長さとの間に差が生じてしまう。したがって、単に送出モーター16Aの回転速度と巻取モーター17Aの回転速度とをそれぞれ制御するだけでは、これらの間に保持される吸収部材12の長さを常に一定にするのは難しく、実際には保持される長さが僅かながら連続的に変化する。
よって、例えば送り出し長さが巻き取り長さを上回ると、吸収部材12の張力がさらに弱くなり、前記の第1の張力より弱い第2の張力以下になる。ここで、第1の張力、第2の張力は、例えば送出リール16と巻取リール17との間に保持される吸収部材12の、望ましい範囲の張力の上限値を第1の張力に設定し、下限値を第2の張力に設定する。
吸収部材12の張力が第2の張力以下になると、調整レバー18は第2位置に至り、第2センサ37をオンにする。第2センサ37は、オンになることで送出モーター16Aを停止させるとともに、巻取モーター17Aの駆動を維持する(巻取モーター17Aを駆動させる)。これにより、送出リール16と巻取リール17との間に保持される(巻き出される)吸収部材12の巻き出し長さ(量)が短く(少なく)なり、その張力が強くなって第2の張力以上になる。
その結果、調整レバー18は第2位置から離れ、再度第1位置と第2位置との間に至る。このように調整レバー18が第2位置から離れると、第2センサ37はこれを検知してオフとなり、送出モーター16Aを駆動させ、送出リール16を回転させる。したがって、送出リール16、巻取リール17が再度共に回転するようになり、吸収部材12の張力が安定し、調整レバー18の変位も所定範囲内に維持される。
また、例えば送り出し長さが巻き取り長さを下回ると、吸収部材12の張力が強くなり、再度第1の張力以上になる。すると、調整レバー18は再度第1位置に至り、第1センサ36をオンにする。第1センサ36は、オンになることで送出モーター16Aを停止させるとともに、巻取モーター17Aの駆動を維持する(巻取モーター17Aを駆動させる)。これにより、送出リール16と巻取リール17との間に保持される(巻き出される)吸収部材12の巻き出し長さ(量)が長く(多く)なり、その張力が弱くなって第1の張力未満になる。
その結果、調整レバー18は第1位置から離れ、再度第1位置と第2位置との間に至る。このように調整レバー18が第1位置から離れると、第1センサ36はこれを検知してオフとなり、前記したように巻取モーター17Aを駆動させ、巻取リール17を回転させる。よって、送出リール16、巻取リール17が再度共に回転するようになり、吸収部材12の張力が安定し、調整レバー18の変位も所定範囲内に維持される。
したがって、吸収部材12の張力が予め設定した第1の張力と第2の張力との範囲を超えて変化すると、調整レバー18の変位も第1位置と第2位置との間の所定範囲を超え、これが第1センサ36又は第2センサ37に検知されるため、送出リール16(送出モーター16A)及び/又は巻取リール17(巻取モーター17A)の駆動とその停止が自動的に制御される。これにより、調整レバー18の変位が所定範囲内に復帰するように調整されているため、吸収部材12の張力は所定範囲内で安定するようになる。
また、走行機構13による吸収部材12の走行を停止する場合には、予め制御装置に終了動作として、送出モーター16Aを停止させる制御(指令)を行う。すると、巻取モーター17Aのみが駆動し、巻取リール17のみが回転するので、送出リール16と巻取リール17との間に保持される(巻き出される)吸収部材12の巻き出し長さ(量)が短く(少なく)なり、その張力が強くなって第1の張力以上になる。すると、調整レバー18は再度第1位置に至り、第1センサ36をオンにする。第1センサ36は、オンになることで送出モーター16Aを停止させる。
なお、通常時では第1センサ36がオンになることにより、巻取モーター17Aを駆動させるが、ここでは終了時であり、予め制御装置に終了動作についての指令を与えているため、巻取モーター17Aを駆動させることなく、停止させたままにする。したがって、調整レバー18は図7中二点鎖線で示したように、調整レバー18が第1センサ36をオンにした状態となっており、すなわち、該調整レバー18が変位する範囲における第1位置に至った状態となっている。
このようにすれば、終了時には吸収部材12は常に一定の張力で保持されるため、張力の変動によって吸収部材12に挙動変化が発生せず、したがって振動等が生じないようになる。
また、このような終了時において、すなわち吸収部材12が第1の張力以上になっていて調整レバー18が第1位置にあり、吸収部材12の走行が停止している状態のもとで、吸収部材12が塑性変形して伸びが生じると、吸収部材12はその張力が弱くなって第1の張力未満になる。すると、前記したように調整レバー18が第1位置から離れることで巻取モーター17Aが駆動し、巻取リール17が回転する。そして、前記の伸び量に対応する分、吸収部材12が巻取リール17に巻き取られ、これによって吸収部材12の張力が再度第1の張力以上になる。これにより、調整レバー18が再度第1位置に至り、巻取モーター17Aは再度停止する。したがって、吸収部材12は例えば長期の停止時においても、その張力が安定した状態で維持されるようになる。
また、送出リール16から吸収部材12を巻き出し、巻取リール17に巻き取らせることで吸収部材12を走行させると、この吸収部材12は、送出リール16から調整レバー18のローラー18aに至る途中で、前述したように検査用回転体20のローラー20bを周回する。
その際、吸収部材12の走行によってローラー20bは連れ回りすることにより、検査用回転体20は吸収部材12の走行長さ(走行距離)に対応して回転する。検査用回転体20の回転数は吸収部材12の走行長さ(走行距離)に正比例するため、検知部41で回転板20aの孔40を検知することにより、吸収部材12の走行長さを正確に検出することができる。
したがって、前記したようにフラッシングに動作によって既にインクを吸収・受容した領域を巻取リール17側に巻き取り、まだインクを吸収・受容していない新たな領域をヘッドユニット2に対向させるべく、送出モーター16Aを駆動し、送出リール16を回転させる際、例えばインクを吸収・受容した領域の長さを吸収部材12の送り量として設定する。そして、実際に走行させた吸収部材12の走行長さを前記の検査用回転体20と検知部41及び回転板20aの孔40からなる検査機構とによって検出し、検出値が設定した送り量となったら、前記したように制御装置に終了動作を行わせる。
このように構成することで、必要以上に吸収部材12を送り出し(走行させ)、巻取リール17に送ることにより、インクを吸収しないまま巻取リール17に巻き取られる領域が増えて吸収部材12の使用効率が低下してしまうことを、防止することができる。
なお、単に送出リール16や巻取リール17の回転数を検知することで、走行させる吸収部材12の長さを検出することも考えられるが、前述したように送出リール16や巻取リール17に巻き取られている吸収部材12の巻取量は、使用を重ねるに連れて変化する。したがって、それぞれの巻取径も変化するため、これら送出リール16や巻取リール17の回転数は、走行させられる吸収部材12の長さとは正確に対応しない。したがって、走行させる吸収部材12の長さをより正確に把握し、吸収部材12の使用効率の低下を防止するには、前記した検査用回転体20と検知部41及び回転板20aの孔40からなる検査機構が有効になる。
また、ヘッドユニット2に対向する側を通過して支持基板15B側に移動(走行)した吸収部材12は、ローラー部43を周回した後、巻取リール17に巻き取られる前に安全レバー44のローラー46a、ローラー46bをこの順に周回するので、前述したようにこの安全レバー44を含む安全機構により、吸収部材12の張力が所定以上の張力になると、巻取モーター17Aの駆動が停止するようになっている。
すなわち、例えば送出リール16に巻かれた吸収部材12の残が無くなったり、不測に吸収部材12が引っかかったりすると、吸収部材12の張力が所定の張力以上になり、安全レバー44の一端側が引っ張りバネ45の付勢力に抗して矢印Bと反対の方向に回動し、安全センサ部47が押圧されてオンになり、巻取モーター17Aの駆動が停止して巻取リール17の回転が停止する。
これにより、吸収部材12を無理に引っ張ることにより、この吸収部材12を切断してしまうといった不具合を回避することができる。
なお、このようにして吸収部材12を走行させ、インクを吸収・受容していない新たな領域をヘッドユニット2に対向させた後、再度フラッシングを行う際には、移動機構14を動作させ、吸収部材12を図10(b)に示した退避位置から図10(a)に示したフラッシング位置に移動させ、その後、所定のフラッシング動作を行わせる。
また、フラッシング動作を複数回実行した後、送出リール16に巻かれた吸収部材12のほとんどが巻取リール17へと巻き取られ、巻取リール17による吸収部材12の巻き取りが終了したら、新しいものと交換する。
このような構成のプリンター1によれば、調整レバー18によって吸収部材12に所定の張力を付与するようにしたので、送出リール16と巻取リール17との間にて停止している吸収部材12を、所定の張力で安定した状態に保持することができる。また、走行機構13によって吸収部材12を走行させた際にも、第1センサ36と第2センサ37とによって調整レバー18の変位を検出し、該調整レバーの変位が所定範囲内になるように送出モーター16A及び/又は巻取モーター17Aを制御するようにしたので、これら送出モーター16Aや巻取モーター17Aを制御することによって調整レバー18の変位を所定範囲内にすることで、走行している吸収部材12の張力も安定させることができる。
よって、例えば吸収部材12にゆるみが生じて振動が起こり、インクを受容した領域が記録ヘッド21や記録紙に接触し、これらを汚してしまうといった不具合を防止することができる。
また、吸収部材12の走行長さを、検査用回転体20と前記検査機構とによって正確に検出するようにしたので、必要以上に吸収部材12を送り出し(走行させ)、巻取リール17に送ることにより、インクを吸収しないまま巻取リール17に巻き取られる領域が増えて吸収部材12の使用効率が低下してしまうことを、防止することができる。
また、記録ヘッド21と記録紙との間に線状の吸収部材12を配置し、さらにこの吸収部材12を移動させて記録ヘッド21のノズルに対向させることにより、フラッシング時のインク滴を受容・吸収するようにしたので、ヘッドユニット2を移動させることなくフラッシング動作を実行することができ、したがってフラッシング動作を適切な時期に短時間で行うことができる。
また、インク除去機構70により、インクを吸収した吸収部材12を洗浄槽71内に浸漬させて洗浄し、吸収部材12内に残留したインク及び洗浄液をインク除去ローラー72,72によって絞り出すことによって、吸収部材12からインク及び洗浄液を除去することが可能である。このようにして、巻取リール17にはインクの付着していない吸収部材12が巻き取られることになる。これにより、フラッシング処理後、巻取リール17に巻き取られるまでの間に、吸収部材12からインクが垂れるあるいは飛散することでプリンター1の内部が汚れるといった不具合の発生を確実に防止することができる。
また、吸収部材12を再利用することが可能となり、吸収部材12に係るコストを削減することができる。
また、本実施形態によれば、フラッシング時にインクを吸収した吸収部材12を一端洗浄液77内に浸漬させて洗浄した後に、ローラー72,72で除去する構成となっているため、フラッシング処理が終了した直後にインクを除去できなかった場合など、乾燥によりインクが固化した状態であっても、吸収部材12に洗浄液の水分が与えられることで固化したインクが溶けて、確実にインクを除去することが可能である。
なお、本実施形態では、インク除去ローラー72,72が吸収部材12の移動とともに互いに相反する方向へ回転可能な構成となっているが、互いに回転不能に構成されていてもよく、これらインク除去ローラー72,72間を吸収部材12が通過することで吸収部材12が扱かれてインク及び洗浄液が除去されることになっていてもよい。
図11に、インク除去機構の変形例を示す。
先の実施形態では、一対のインク除去ローラー72,72によって吸収部材12からインク及び洗浄液を絞り出す構成となっているが、例えば、図11に示すように、一対のローラー72,72に代えて、吸収部材12の直径よりも小さい孔78を有した板部材79(流体除去機構)を設け、この孔78内を吸収部材12が通過するようにすることで、インク及び洗浄液が除去されるようになっていても良い。なお、吸収部材12の毛羽立ちを抑えるために孔78の内周面に弾性部材を備えておいても良い。
このような構成によっても、吸収部材12からインクを除去することが可能である。本構成によれば、吸収部材12の移動に伴って自ずと吸収部材12からインクおよび洗浄液77が除去されることになる。これにより、簡単な構成で容易に吸収部材12からインクを除去することが可能となり、インク除去機構にかかるコストを抑えることができる。
(第2実施形態)
以下に示す第2実施形態のプリンターの基本構成は、上記第1実施形態と略同様であるが、インク除去機構の構成が異なっている。
よって以下では、先の実施形態と異なる部分について詳しく説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる図面において、上記実施形態と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。図12は、第2実施形態のプリンターにおけるインク除去機構の概略構成を示す模式図である。
図12に示すように、本実施形態のインク除去機構80は、洗浄液添加部81と、流体吸引部82と、を有して構成されている。洗浄液添加部81(洗浄液供給部)は、吸収部材12に対して洗浄液77を供給するものであって、フラッシング処理時においてインクを吸収した吸収部材12に対して所定量の洗浄液77を供給できるようになっている。これにより、吸収部材12内におけるインクの固化成分を溶かすことが可能である。
流体吸引部82は、吸収部材12を介して洗浄液添加部81と対向配置されており、吸収部材12内に吸収されたインク及び洗浄液77を吸引することで除去するものである。流体吸引部82は吸引ポンプとこれに接続されるチューブなどを含んでなり、図12においてはチューブの先端が図示されている。なお、図12においては、流体吸引部82のチューブの先端が吸収部材12から離れて図示されているが、なるべく近くに配置されていることが好ましい。
本実施形態の構成によれば、吸収部材12内に吸収されたインクを洗浄液77とともに効率よく吸引除去することが可能である。これにより、フラッシング処理後、巻取リール17に巻き取られるまでの間に、吸収部材12からインクが垂れるあるいは飛散することでプリンター1の内部が汚れるといった不具合の発生を確実に防止することができる。
また、本実施形態においても吸収部材12を際しようすることが可能である。
なお、本実施形態では、洗浄液添加部81と吸引部82とが吸収部材12を介して対向配置されているが、洗浄液添加部81よりも下流側に吸引部82が配置されていても良い。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもなく、上記各実施形態を組み合わせても良い。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上記実施形態においては、吸収部材12がノズル列に平行に沿う構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、必ずしも吸収部材12の延在方向とノズル列の延在方向とが完全に平行となるようにする必要はない。つまり、本発明において、ノズル列に沿って延在するとは、ノズル列と完全に平行となる状態のみに限定されるものではなく、ノズル列の延在方向に延長した延長線と吸収部材の延在方向に延長した延長線とが先の領域において交差する場合も含む意味である。
また、上記実施形態においては、本発明をラインヘッド方式のプリンターに適用した構成について説明した。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、シリアル方式のプリンターに適用することもできる。
また、上記実施形態においては、吸収部材12を移動することによって、吸収部材12とヘッド21A〜21Eの位置関係を変化する構成を採用した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、ヘッド21A〜21Eを移動することによって、吸収部材12とヘッド21A〜21Eの位置関係を変化する構成を採用しても良い。
また、上記実施形態においては、メンテナンス処理の際に、吸収部材12、72がヘッド21A〜21Eと記録紙の搬送領域との間に位置する構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、メンテナンス処理の際に吸収部材12、72を記録紙の搬送領域の下方に位置する構成を採用しても良い。
上記実施形態では、インクジェット式のプリンターが採用されているが、インク以外の他の流体を噴射したり吐出したりする流体噴射装置と、その流体を収容した流体容器を採用しても良い。微小量の液滴を吐出させる流体噴射ヘッド等を備える各種の流体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記流体噴射装置から吐出される流体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう流体とは、流体噴射装置が噴射させることができるような材料であれ良い。
例えば、物質が液相であるときの状態のものであれば良く、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての流体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなどを含む。また、流体の代表的な例としては上記実施例の形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種流体組成物を包含するものとする。
流体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む流体を噴射する流体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する流体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる流体を噴射する流体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する流体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する流体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する流体噴射装置を採用しても良い。そして、これらのうちいずれか一種の噴射装置および流体容器に本発明を適用することができる。
1 プリンター(流体噴射装置)、12 吸収部材、21 記録ヘッド、24 ノズル、70 インク除去機構、71 洗浄槽(洗浄液貯留部)、72 インク除去ローラー(流体除去ローラー)、73 インク回収槽(流体回収部)、75 吸収材、77 洗浄液、78 孔、79 板部材(流体除去機構)、80 インク除去機構、81 洗浄液添加部(洗浄液供給部)、82 吸引部、L1 ノズル列、L2 ノズル列

Claims (5)

  1. 複数のノズルからなるノズル列を有し、該ノズル列から流体を噴射する流体噴射ヘッドを備えた流体噴射装置であって、
    前記ノズル列に沿って延在するとともに、該ノズル列に沿って移動可能に設けられ、前記ノズルから噴射された流体を吸収する線状の吸収部材と、
    前記吸収部材を巻き取った状態からこれを巻き出すことで送り出す送出回転体と、
    前記送出回転体から送り出された前記吸収部材を巻き取る巻取回転体と、
    前記吸収部材の走行経路上であって前記ノズル列から吐出された前記流体を受容する位置と前記巻取回転体との間に配置され、前記吸収部材から前記流体を除去する流体除去機構と、を備えることを特徴とする流体噴射装置。
  2. 流体除去機構は、前記吸収部材を径方向に圧縮させることで内部の前記流体を排出させることを特徴とする請求項1記載の流体噴射装置。
  3. 流体除去機構は、
    洗浄液を貯留し、前記流体を吸収した前記吸収部材を前記洗浄液内に浸漬させる洗浄液貯留部と、
    前記吸収部材の径方向両側に配置され当該吸収部材を挟み込む一対の流体除去ローラーと、
    前記流体除去ローラーによって前記吸収部材から除去された前記流体を回収する流体回収部と、を備えていることを特徴とする請求項1または2記載の流体噴射装置。
  4. 流体除去機構は、
    前記流体を吸収した前記吸収部材に対して洗浄液を供給する洗浄液供給部と、
    前記吸収部材内の前記流体及び前記洗浄液を吸引除去する流体吸引部と、を備えて構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の流体噴射装置。
  5. 流体除去機構は、前記吸収部材の直径よりも小さい孔を有し、当該孔内を前記吸収部材が通過可能な構成とされていることを特徴とする請求項1または2記載の流体噴射装置。
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