JP2011116099A - 流体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成でクリーニング(フラッシング)動作を短時間で行うことが可能な流体噴射装置を提供する。
【解決手段】第2移動機構13は、ノズル列方向Pにおけるヘッドユニット2の一端側であって、取付板22の裏面22b側に各々の回転軸を記録紙の搬送方向に平行とされた送出回転体15と巻取回転体16とが交互に配されている。また、第1移動機構14は、ノズル列方向Pにおけるヘッドユニット2の他端側であって、取付板22の表面22a側に、回転軸を記録紙の搬送方向に垂直とされた反転手段17を備えている。
【選択図】図5

Description

本発明は、流体噴射装置に関し、詳しくは記録ヘッドのフラッシング動作に関する。
従来から、インク滴を記録紙(媒体)に対して噴射させる流体噴射装置として、インクジェット式プリンタ(以下、「プリンタ」という。)が広く知られている。このようなプリンタにおいては、記録ヘッドのノズルからインクが蒸発することによるインクの増粘や固化、塵埃の付着、さらには気泡の混入などによりノズルに目詰まりを生じ、印刷不良を引き起こすという問題があった。そこで、通常、プリンタは、記録紙に対しての噴射とは別に、ノズル内のインクを強制的に吐出させるフラッシング動作を行うようになっている。
走査タイプのプリンタでは、記録ヘッドを記録領域以外のエリアに移動させてフラッシング動作を行うが、記録ヘッドが固定されたラインヘッドを備えるプリンタでは、フラッシング動作時に記録ヘッドを移動させることができない。そこで、例えば、記録紙の搬送ベルトの表面に設けられた吸収部材に向けてインクを吐出する方法が考えられている(特許文献1)。
特開2005−119284号公報
しかしながら、特許文献1では、搬送ベルト上に複数の吸収材が記録紙のサイズに合わせて等間隔に配置されているため、フラッシング時においては記録紙間の隙間を狙ってインクを噴射しなければならず、記録紙のサイズや搬送速度に制約が生じてしまうという問題が生じる。また、平面形状の吸収材に対してフラッシングを行うと、インク滴の吐出に伴う風圧によってミスト状のインクが散ってしまい、記録紙や搬送ベルト上を汚してしまうおそれもある。
本発明にかかるいくつかの態様は、前記事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構成でクリーニング(フラッシング)動作を短時間で行うことが可能な流体噴射装置を提供することを目的としている。
前記課題を解決するために、本発明のいくつかの態様は次のような流体噴射装置を提供した。
すなわち、本発明の流体噴射装置は、 複数のノズルからなるノズル列を、複数列配列させ、該ノズル列から流体を噴射する流体噴射ヘッドを備える流体噴射装置であって、
前記ノズル列の延在方向の一端側から延びて他端側で反転し、前記ノズル列の延在方向と交差する方向で互いに隣接する2以上のノズル列に対面するように、前記延在方向に沿って少なくとも1往復以上折り返すように配される、前記ノズルから噴射された流体を吸収する線状の吸収部材と、
前記吸収部材を前記ノズル列の延在方向と交差する方向に移動させる第1移動機構と、
前記吸収部材を前記ノズル列の延在方向に沿って少なくとも1往復以上折り返して移動させる第2移動機構と、
を備えることを特徴とする。
前記第2移動機構は、前記吸収部材を送り出す送出部と、前記折り返す位置に形成された反転手段と、前記吸収部材を巻き取る巻取部と、を備えるのが好ましい。
前記送出部は、前記吸収部材を送り出す送出回転体からなり、前記巻取部は、前記吸収部材を巻き取る巻取回転体からなり、該送出回転体および巻取回転体は、共に前記延在方向の一端側に形成されるのが好ましい。
前記吸収部材をクリーニングするクリーニング機構を更に備えていてもよい。
前記吸収部材は、前記延在方向の一端側から他端側に向けて移動する往路において、所定の間隔ごとに未吸収領域を確保しつつ第一のノズル列から噴射される前記流体を吸収し、前記反転手段を経て前記延在方向の他端側から一端側に向けて移動する復路において、前記第一のノズル列に対して前記交差する方向で隣接する第二のノズル列から噴射される前記流体を前記未吸収領域で吸収すればよい。
第1実施形態のプリンタの概略構成を示す斜視図である。 第1実施形態のヘッドユニットの概略構成を示す斜視図である。 第1実施形態の記録ヘッドの概略構成を示す斜視図である。 第1実施形態のキャップユニットの概略構成を示す斜視図である。 第1実施形態のフラッシングユニットの概略構成を示す斜視図である。 第1実施形態における吸収部材の移動位置を示す平面図である。 第1実施形態のプリンタが備える吸収部材の模式図である。 第1実施形態のプリンタの動作を示すフローチャートである。 第1実施形態におけるプリンタの動作を示す要部断面図である。 (a)は吸収部材のフラッシング位置を示す図であり、(b)は吸収部材の退避位置を示す図である。 第1実施形態におけるプリンタの動作を示す要部平面図である。 吸収領域の移動を説明するための模式図である。 第2実施形態のプリンタの要部構成を示す平面図である。 他の実施形態のプリンタの要部構成を示す平面図である。
以下、本発明の流体噴射装置の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
(第1実施形態)
本発明の流体噴射装置の一実施形態について説明する。本実施形態では、流体噴射装置として、インクジェットプリンタ(以下、単にプリンタと称す)について例示する。
(プリンタ)
図1はプリンタの概略構成斜視図、図2はヘッドユニットの概略構成斜視図、図3はヘッドユニットを構成する記録ヘッドの概略構成斜視図、図4はキャップユニットの概略構成斜視図である。
図1に示すように、プリンタ1は、ヘッドユニット2と、記録紙(媒体)を搬送する搬送装置3と、記録紙を供給する給紙ユニット4と、ヘッドユニット2によって印字された記録紙を排出する排紙ユニット5と、ヘッドユニット2に対してメンテナンス処理を行うメンテナンス装置10とを備えている。
搬送装置3は、ヘッドユニット2を構成する各記録ヘッド21(21A,21B,21C,21D,21E)のノズル面23との間に所定の間隔をあけた状態で記録紙を保持するようになっている。搬送装置3は、駆動ローラー部31と、従動ローラー部32と、これらローラー部31,32との間に架け回された複数のベルトから構成された搬送ベルト部33と、を備えている。また、搬送装置3の記録紙の搬送方向下流側(排紙ユニット5側)であって、排紙ユニット5との間に、記録紙を保持する保持部材34が設けられている。
駆動ローラー部31は、回転軸方向の一端側が不図示の駆動モータに接続されており、駆動モータにより回転駆動されるようになっている。駆動ローラー部31の回転動力が搬送ベルト部33に伝達され、搬送ベルト部33が回転駆動される。駆動ローラー部31と駆動モータとの間には必要に応じて伝達ギアが設置される。従動ローラー部32は、いわゆるフリーローラーであり、搬送ベルト部33を支持するとともに搬送ベルト部33(駆動ローラー部31)の回転駆動に従動して回転される。
排紙ユニット5は、排紙用ローラー51と、排紙用ローラー51により搬送された記録紙を保持する排紙トレー52とを備えている。
ヘッドユニット2は、複数(本実施形態では5つ)の記録ヘッド21A〜21Eをユニット化することで構成されており、各記録ヘッド21A〜21Eの各ノズル24(図3参照)からは複数色のインク(例えば、ブラックB、マゼンタM、イエローY、シアンCの各インク)が吐出されるようになっている。前記記録ヘッド21A〜21E(以下、記録ヘッド21と称す場合もある)は、取付板22に取付けられることでユニット化されている。すなわち、本実施形態に係るヘッドユニット2は、複数の記録ヘッド21(単一ヘッド部材)を複数組み合わせ、ヘッドユニット2の有効印字幅が記録紙の横幅(搬送方向と直交する幅)と略同等とされるラインヘッドモジュールを構成している。なお、前記各記録ヘッド21A〜21Eにおけるそれぞれの構造自体は共通とされている。
図2に示すように、ヘッドユニット2は、取付板22に形成された開口部25内に各記録ヘッド21A〜21Eが配置されている。具体的には、各記録ヘッド21A〜21Eが取付板22の裏面22b側に螺子止めされることで、ノズル面23が前記開口部25を介して取付板22の表面22a側から突出した状態に配置されている。また、ヘッドユニット2は、前記取付板22が不図示のキャリッジに固定されることでプリンタ1に搭載されたものとなっている。
本実施形態におけるヘッドユニット2は、前記不図示のキャリッジによって記録位置とメンテナンス位置との間(図1中の矢印で示す方向)で移動可能とされている。ここで、記録位置とは、搬送装置3に対向し且つ記録紙に対して記録を行う位置である。一方、メンテナンス位置とは、搬送装置3上から退避した位置であってメンテナンス装置10と対向する位置である。このメンテナンス位置においてヘッドユニット2に対するメンテナンス処理(吸引処理、ワイピング処理)が実施される。
図3に示すように、ヘッドユニット2を構成する記録ヘッド21A〜21E(以下、単に記録ヘッド21と称す場合もある)は、複数のノズル24により構成されるノズル列Lが形成されたノズル面23を有するヘッド本体25Aと、このヘッド本体25Aが取付けられる支持部材28と、を備えている。
各記録ヘッド21A〜21Eは、4色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk))に対応したノズル列(L(Y),L(M),L(C),L(Bk))を4列有している。各ノズル列(L(Y),L(M),L(C),L(Bk))において、当該ノズル列(L(Y),L(M),L(C),L(Bk))を構成するノズル24は、記録紙の搬送方向と交差する水平方向に配列され、より好適には記録紙の搬送方向と直交する水平方向に配列されている。そして、記録ヘッド21A〜21Eの配置方向において、同じ色に対応するノズル列Lが一致している。
支持部材28には、ノズル面23の長手方向の両側に張り出し部26、26が形成されている。また、張り出し部26、26には、記録ヘッド21を前記取付板22の裏面22bに螺子止めするための貫通孔27が形成されている。これにより、複数の記録ヘッド21が取付板22に取付けられて前記ヘッドユニット2が構成されている(図1参照)。
メンテナンス装置10は、ヘッドユニット2に対して吸引処理を行うキャップユニット6と、フラッシング動作により吐出されたインクを受けるためのフラッシングユニット11とを有して構成されている。
図4に示すように、キャップユニット6は、前記ヘッドユニット2に対してメンテナンス処理を行うもので、各記録ヘッド21A〜21Eに対応する複数(本実施形態では5つ)のキャップ部61A〜61Eをユニット化することで構成されている。このキャップユニット6は、ヘッドユニット2の記録エリアから外れた場所に配置され、ここでは、搬送装置3とは対向しない位置に配置されている。
各キャップ部61A〜61Eは、記録ヘッド21A〜21Eの各々にそれぞれ対応するものであり、各記録ヘッド21A〜21Eのノズル面23に当接可能に構成されている。 キャップ部61A〜61Eが、記録ヘッド21A〜21Eの各ノズル面23に対してそれぞれ密着することにより、吸引動作において各ノズル面23からインク(流体)を排出させる吸引動作を良好に行うことができるようになっている。
キャップユニット6を構成する各キャップ部61A〜61E(以下、単にキャップ部61と称す場合もある)は、キャップ本体67と、キャップ本体67の上面に枠状に設けられ、記録ヘッド21に当接されるシール部材62と、記録ヘッド21のノズル面23を払拭するワイピング処理時に用いられるワイプ部材63と、これらキャップ本体67及びワイプ部材63を一体的に保持する筐体部64と、を備えている。
筐体部64の底部には、筐体部64を前記ベース部材69に保持するための保持部65が2つ(1つは不図示)形成されている。これら保持部65は平面視において筐体部64における対角をなす位置に配置されている。保持部65の各々には、筐体部64をベース部材69に螺子止め固定するための螺子が挿入される貫通孔65bが形成されている。
フラッシングユニット11は、図5(a),(b)に示すように、フラッシング動作時に吐出されたインク滴を吸収する複数の吸収部材12と、これら複数の吸収部材12を支持する支持機構9と、を備えている。
吸収部材12は、各ノズル24から吐出されたインク滴を吸収する線状部材であって、図5に示すように、1つのヘッドユニット2に対して2本設けられている。各吸収部材12は、各色のノズル24が配列されて構成されるノズル列(L(Y),L(M),L(C),L(Bk))に沿って延在し、各ノズル面23と記録紙の搬送領域との間に位置している。この吸収部材12は、例えば糸材などから構成されている。
吸収部材12の材料としては、表面に親水加工が施された化学繊維などが挙げられ、インクを効率よく吸収、保持できるものが好ましい。また、この吸収部材12は、ノズル径に対して5〜75倍程度の幅を有している。一般的なプリンタでは、各記録ヘッド21A〜21Eにおける各ノズル面23と記録紙との間のギャップが2mm程度、ノズル径が約0.02mmとなっていることから、吸収部材12は、直径が1mm以下であれば、各ノズル面と記録紙との間に配置することができ、かつ0.2mm以上であれば、部品の誤差を考慮しても吐出されたインク滴を吸収部材で補足することができる。そのため、好適には吸収部材12はノズル径に対して10〜50倍程度が良い。なお、吸収部材12については、後により詳しく説明する。
また、吸収部材12の長さは、ヘッドユニット2の有効印字幅に対して十分な長さを有していることが好ましい。後に詳説するが、本実施形態のプリンタ1においては、吸収部材12の使用済み(インク吸収済み)の領域が順次巻き取られ、吸収部材12の全領域においてインクが吸収された場合に吸収部材12そのものを取り替える構成を採用している。このため、吸収部材12の取替え期間を実用に耐えうる時間とすべく、吸収部材12の長さは、ヘッドユニット2の有効印字幅の数百倍程度であることが好ましい。ただし、プリンタ1内において洗浄等を行うことにより吸収部材12の再生を行う場合には、吸収部材12の長さは、ヘッドユニット2の有効印字幅の2倍よりも若干程度長ければ良い。 そして、吸収部材12は、支持機構9によって支持されている。
支持機構9は、巻取り機構13(第2移動機構)および移動機構14(第1移動機構)を備えている。この支持機構9は、ヘッドユニット2と略一体とされている。
移動機構14は、吸収部材12をノズル列の延在方向Pと交差(本実施形態においては直交)する方向Rに移動させることにより、吸収部材12をノズル24に対向するフラッシング位置と対向しない退避位置との間で移動させる。また、巻取り機構13は、吸収部材12を送り出し、及び巻き取ることによって吸収部材12の延在方向に沿って移動させる。
巻取り機構13は、図1,図5(a)に示すように、ノズル列方向Pにおけるヘッドユニット2の一端側であって、取付板22の裏面22b側(ヘッド21A〜21Eのノズル面23と反対側)に各々の回転軸を記録紙の搬送方向に平行とされた送出回転体(送出部)15と巻取回転体(巻取部)16とが交互に配されている。また、巻取り機構13は、ノズル列方向Pにおけるヘッドユニット2の他端側であって、取付板22の表面22a側(ヘッド21A〜21Eのノズル面23)に各々の回転軸を記録紙の搬送方向に垂直とされた反転手段(以下、反転回転体と称する)17を備えている。
送出回転体15および巻取回転体16は、それぞれ回転軸16aと、この回転軸16aに等間隔で配設された複数の仕切板16bとによりボビン形状を呈してなり、これら送出回転体15および巻取回転体16は、互いに逆方向(反転方向)になるように回転する。即ち、送出回転体15は、吸収部材12をノズル列に向けて送り出す方向に回転し、巻取回転体16はノズル列を経た吸収部材12を巻き取る方向に回転する。そして、反転回転体17は、ヘッドユニット2の一端側から他端側に向けて送り出された吸収部材12を、ヘッドユニット2の他端側で折り返させ(反転させ)、再びヘッドユニット2の一端側に向けて吸収部材12を移動させる。
こうした反転回転体17は、例えば、ある特定の第一のノズル列N1と、この第一のノズル列N1に対して、ノズル列方向Pと交差する方向Rで隣接する第二のノズル列N2との間隔を開けて、一本の吸収部材12を往復動作させるように形成すればよい。即ち、フラッシング時において、送出回転体15から送り出されたある一本の吸収部材12は、ノズル列方向Pにおけるヘッドユニット2の一端側から他端側に向かう往路で第一のノズル列N1に重なる位置を移動する。そして、この吸収部材12は反転回転体17で折り返され(反転され)、ノズル列方向Pにおけるヘッドユニット2の他端側から一端側に向かう復路で第二のノズル列N2に重なる位置を移動し、巻取回転体16に巻き取られる。
そして、吸収部材12を全て巻き取り終わった後は、送出回転体15および巻取回転体16の取替えのみで容易に吸収部材12を取り替えることが可能となる。しかも、こうした送出回転体15および巻取回転体16は、いずれも同じ側、即ちノズル列方向Pにおけるヘッドユニット2の一端側に配置されているので、プリンタ1の一側面を開放するだけで容易に吸収部材12を交換することができ、メンテナンス性を高めることができる。
巻取り機構13は、図5に示すように、送出回転体15および巻取回転体16を互いに逆方向に回転駆動する駆動装置13Aを備えている。この駆動装置13Aは、送出回転体15および巻取回転体16の吸収部材12の巻取り量の変化、即ち、吸収部材12の巻取り量の増減による直径の変化に対応して、その回転量を微調整し、吸収部材12を弛み無く移動させる。
移動機構14は、図5(a),(b)に示すように、軸部14aに凸条部14bが螺旋状に巻回されてなる移動部材14Aと、反転回転体17をその回転軸ごとノズル列方向Pと交差する方向Rに沿って微動させる移動部材14Bとを有するものである。移動部材14Aは、軸部14aと凸条部14bとによって形成される案内溝14c内に吸収部材12が1本ずつ保持されるようになっている。
移動部材14Aはノズル列方向Pにおけるヘッドユニット2の一端側であって、取付板22の表面22a(記録ヘッド21A〜21Eのノズル面23)側に配置されている。また、移動部材14Bはノズル列方向Pにおけるヘッドユニット2の他端側であって、取付板22の表面22a(記録ヘッド21A〜21Eのノズル面23)側に配置されている。そして、吸収部材12を、移動部材14Aと反転回転体17との間で架け渡している。そして、ノズル面23と垂直方向において案内溝14cの端部は、ノズル面23に対してノズル面23より離れる方向にある。そのため、移動部材14Aと反転回転体17との間に架け渡された吸収部材12は、記録ヘッド21A〜21Eのノズル面23に接触させることなく保持できるようになっている。即ち、移動部材14A、14Bは、記録ヘッド21A〜21Eのノズル面23と吸収部材12との間の距離を一定に保つ、位置決め部材としても機能するようになっている。
なお、移動部材14A、14Bを設けることなく、例えば移動部材14Aの位置に直接送出回転体15,巻取回転体16を配置すると、吸収部材12はこれら送出回転体15,巻取回転体16間を移動するに連れて、ノズル面23に対する位置がずれてしまい、好ましくない。即ち、送出回転体15から送り出されるとともに巻取回転体16に巻き取られる吸収部材12は、これら送出回転体15,巻取回転体16間を移動するに連れて、その送り出される位置や巻き取られる位置が、各回転体15(16)上にて、それぞれの軸の長さ方向においても、軸と直交する方向(厚さ方向)においても変化する。すると、このように送り出される位置や巻き取られる位置が変化することにより、結果として吸収部材12は、ノズル面23に対する水平方向での位置や垂直方向での位置が共にずれてしまう。
また、移動機構14は、図5に示すように、移動部材14A,14Bを駆動する駆動装置14Cを備えている。吸収部材12は、移動部材14Aが1回転されることでフラッシング位置と退避位置とに移動する。また、移動部材14Bは、移動部材14Aの回転による吸収部材12の移動量に連動して、ノズル列方向Pと交差する方向Rに沿って反転回転体17を微動させる。こうした移動部材14Bは、例えば、ラック・アンド・ピニオン等によって微動させればよい。なお、移動部材14Aとしては、前記の凸条部14bが螺旋状に巻回されてなる構造のものに代えて、単に軸部にこれを周回する溝が、吸収部材12の本数の2倍(1本に対して往復で2つ必要となる)以上形成されたものを、使用することもできる。その場合に、この移動部材14Aを駆動する駆動装置14Cについては、移動部材14Bを駆動させるのと同様に、例えばラック・アンド・ピニオン等によってノズル列方向Pと交差する方向Rに沿って微動させるように、構成すればよい。
移動部材14Aと、移動部材14Bに支持された反転回転体17との間に架け渡された吸収部材12は、取付板22に設けられた切欠部22c内を通過して、送出回転体15および巻取回転体16に巻架しており、取付板22への接触が防止されるようになっている。これにより、吸収部材12の移動がスムーズになる。
そして、支持機構9は、駆動装置13Aにおいて送出回転体15および巻取回転体16の回転速度をそれぞれ制御することによって、移動部材14Aと、移動部材14Bに支持された反転回転体17との間で折り返すように張り渡された複数の(図5においては2本の)吸収部材12を撓ませることなく適度にテンションを与えた状態で保持する。これにより、吸収部材12が撓んで、ノズル面23や記録紙(記録媒体)に接触することを防止する。
このような支持機構9においては、移動部材14Aが、駆動装置14Cにより回転させられると、軸部14aと凸条部14bとによって形成される複数の案内溝14cが軸方向に沿って見かけ上移動することになる。また、この見かけ上の移動量に連動して、駆動装置13Bが反転回転体17をノズル列の延在方向Pに交差する方向Rに沿って移動させる。これにより、図6(a),(b)に示すように、ヘッドユニット2(ノズル列L)に対する各吸収部材12の位置を変化させることが可能である。具体的には、吸収部材12をヘッドユニット2の各ノズル列Lの延在方向Pに交差する方向R、すなわち記録紙の搬送方向に沿って移動させることができる。
本実施形態においては、吸収部材12をフラッシング位置と退避(記録)位置との間で移動させる。ここで、吸収部材12の直径を1mmとすると、部品寸法誤差や配置誤差を含めても1mm移動させればよい。凸条部14bの間隔を1mmとすれば、移動部材を1回転させれば吸収部材は1mm移動するので、複数の吸収部材12を容易に精度よく移動することが可能となるし、1mm移動するだけなので移動にかかる時間も少なくて済む。なお、記録ヘッド21と記録紙の距離は2mmあるので、その間に吸収部材12にテンションを与えた状態で配置しているので、移動の際に記録ヘッド21も記録紙も動かす必要はない。
ここで、フラッシング位置とは、図6(b)に示すように、各吸収部材12が対応する複数のノズル列L(ノズル列Lを構成する複数のノズル24)にそれぞれ対向した(重なる)状態であって、フラッシング動作時に各ノズル列Lから吐出されたインク滴を吸収できる位置である(インクの飛行経路上の位置)。一方、吸収部材12における退避位置とは、図6(a)に示すように、ノズル列L(ノズル列Lを構成する複数のノズル24)とは対向しない(重ならない)状態であって、記録動作時に各ノズル24から吐出された記録用のインク滴が吸収部材12に吸収されることのない位置である。なお、ここでノズル列Lと吸収部材12とが対向するとは、必ずしもノズル24の中心と吸収部材12の中心とが平面視した状態で重なることのみを意味するのではなく、平面視した状態で吸収部材12の幅の中にノズル24が位置する状態のことを言う。このような状態であれば、ノズル24から吐出されたインクを吸収部材12は吸収することができる。
図6(a)、(b)に示すように、移動部材14A、14Bを駆動させることで、全ての吸収部材12が移動する。そして、本実施形態のプリンタ1において各吸収部材12は、フラッシング位置はもちろん、退避位置においても、記録紙の搬送方向においてヘッド21のノズル面と記録紙との間に配置されている。
なお、図1においては、ヘッドモジュール2、メンテナンス装置10及びフラッシングユニット12が1組のみ図示されている。しかし、実際には、記録紙の搬送方向にもう1組のヘッドモジュール2、メンテナンス装置10及びフラッシングユニット12が配置されている。これらの2組は、機構的には同一の構成を有しているが、記録紙の搬送方向と直交する水平方向(ヘッド21A〜21Eの配列方向)にずれて配置されている。より詳細には、記録紙の搬送方向に見て、1組目のヘッドモジュール2が備えるヘッド21A〜21E間に2組目のヘッドモジュール2が備えるヘッド21A〜21Eが配置されている。
このように、2組のヘッドモジュール2、メンテナンス装置10及びフラッシングユニット12を記録紙の搬送方向と直交する水平方向にずれて配置することにより、全体的にはヘッド21A〜21Eが千鳥配置されることとなり、有効印字幅の全領域にインクを吐出することが可能となる。
ここで、このように2組のヘッドモジュール2で千鳥状に配置された2組のヘッド21A〜21Eにおいて、記録紙の搬送方向と直交する水平方向にてずれて隣り合うヘッド間では、それぞれのノズル列Lを構成する各ノズル24間のピッチが、一定に形成されている。即ち、ずれて隣り合うヘッドは、これらヘッド間の、互いに内側の端部に位置するノズル24、24間のピッチが、同一のヘッド内の隣り合うノズル24、24間のピッチと同一になるように配置されている。ただし、これらずれて隣り合うヘッドは、該ヘッド間の、互いに内側の端部側に位置する一つ又は複数のノズル24が、該ヘッド間にて記録紙の搬送方向に沿って一列又は複数列で並ぶように、配置されていてもよい。このように配置した場合には、ヘッド間にて一列又は複数列で並んだノズル24、24のうちの、一方のヘッドのノズル24からは、流体が噴射されないように構成するのが好ましい。このように構成することにより、使用する各ノズル24間のピッチが一定になる。
なお、ヘッド21A〜21Eを記録紙の搬送方向と直交する方向に連接して配列する場合には、ヘッドモジュール2、メンテナンス装置10及びフラッシングユニット12が1組のみとしても良い。この場合には、ヘッド21A〜21E間に十分な隙間が形成されないため、メンテナンス装置10が備えるキャップ部61A〜61Eをヘッド21A〜21Eごとに設けることが難しい。このため、全てのヘッド21A〜21Eのノズル24が囲える単一のキャップ部を用いることが好ましい。
次に、本実施形態のプリンタ1において、好適に用いることが可能な吸収部材12の具体的な構成について説明する。
吸収部材12は、例えば、SUS304、ナイロン、親水性コートを施したナイロン、アラミド、絹、綿、ポリエステル、超高分子量ポリエチレン、ポリアリレート、ザイロン(商品名)等の繊維、あるいはこれらの複数を含む複合繊維から形成することができる。
より詳細には、前記繊維あるいは複合繊維から形成される繊維束が、撚り合わされるあるいは束ねられることによって吸収部材12が形成可能である。
図7は、吸収部材12の一例を示す模式図であり、(a)が断面図、(b)が平面図である。この図に示すように、吸収部材12は、例えば、繊維から形成される繊維束12aが2本撚り合わされることによって形成される。
また、一例としては、SUS304からなる繊維束が複数本撚り合わされた線状部材、ナイロンからなる繊維束が複数本撚り合わされた線状部材、親水性コートが施されたナイロンからなる繊維束が複数本撚り合わされた線状部材、アラミドからなる繊維束が複数本撚り合わされた線状部材、絹からなる繊維束が複数本撚り合わされた線状部材、綿からなる繊維束が複数本撚り合わされた線状部材、ベリーマ(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ソアリオン(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ハミロン03T(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ダイニーマハミロンDB−8(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ベクトランハミロンVB−30からなる繊維束が束ねられた線状部材、ハミロンS−5コアケブラースリーブポリエステル(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ハミロンS−212コアカブラースリーブポリエステル(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ハミロンSZ−10コアザイロンスリーブポリエステル(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ハミロンVB−3ベクトラン(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材を吸収部材12として好適に用いることができる。
ナイロンの繊維を用いた吸収部材12は、汎用水糸として広く用いられるナイロンによって形成されているため、安価なものとなる。
SUS材の金属繊維を用いた吸収部材12は、耐腐食性に優れるため多様なインクを吸収可能となると共に、樹脂と比較して磨耗性が高いため繰り返しの使用が可能となる。
超高分子ポリエチレンの繊維を用いた吸収部材12は、切断強度及び耐薬品性が高く、有機溶剤や酸、アルカリに強いものとなる。このように、超高分子ポリエチレンの繊維を用いた吸収部材12は、切断強度が高いため、強いテンションで引っ張ることが可能となり、撓みを抑止することができる。このため、例えば、吸収部材12の径を太くして吸収容量を増加させたり、また吸収部材12の径を太くしない場合にはヘッド21A〜21Eから記録紙の搬送領域までの距離を狭くし印刷精度を向上させることができる。また、ザイロンやアラミドの繊維を用いた吸収部材12も、超高分子ポリエチレンの繊維を用いた吸収部材12と同様の効果を期待できる。
綿の繊維を用いた吸収部材12は、インク吸収性に優れたものとなる。
このような吸収部材12では、滴下されたインクは、表面張力によって繊維間及び繊維束12a間に形成される谷部12b(図7参照)に保持されることによって吸収された状態となる。
また、吸収部材12の表面に滴下したインクは、一部が直接吸収部材12の内部に浸透し、残りが繊維束12a間に形成される谷部12bを伝う。そして、吸収部材12の内部に浸透したインクは、吸収部材12の内部において一部が徐々に吸収部材12の延在方向に移動し吸収部材12の延在方向に分散して保持される。吸収部材12の谷部12bを伝うインクは、谷部12bを伝いながら、徐々にその一部が吸収部材12の内部に浸透し、残りが谷部12bに残存し、これによって吸収部材12の延在方向に分散して保持される。つまり、吸収部材12の表面に滴下したインクは、全てが滴下された箇所に留まるわけではなく、滴下された箇所の周囲に分散して吸収される。
なお、実際にプリンタ1に設置する吸収部材12の形成材料は、吸インク性、保持インク性、引張強度、耐インク性、成形性(けばやほつれの発生量)、ねじれ性、コスト等を考慮して適宜選択されることとなる。
また、吸収部材12のインク吸収量は、吸収部材12の繊維間に保持できるインク量と谷部12bに保持できるインク量の合計である。このため、このインク吸収量が、吸収部材12の交換頻度等を考慮して、フラッシングによって吐出されるインク量よりも十分に大きくなるように吸収部材12の形成材料を選ぶこととなる。
なお、吸収部材12の繊維間に保持できるインク量及び谷部12bに保持できるインク量は、インクと繊維との接触角、インクの表面張力に依存する繊維隙間における毛細管力によって規定することができる。つまり、細い繊維によって形成することで、繊維間の隙間を多くし全体として繊維の表面積を増加することによって、吸収部材12の断面積が同一であっても、吸収部材12は、より多量のインクを吸収可能となる。したがって、より繊維間の隙間を多く得るために、繊維束12aを形成する繊維として、マイクロファイバー(極細繊維)を用いるようにしても良い。
ただし、吸収部材12のインク保持力は、繊維間の隙間が大きくなって毛細管力が低下することによって低減する。このため、繊維間の隙間は、吸収部材12におけるインク保持力が吸収部材12の移動によってインクが垂れない程度に設定する必要がある。
また、吸収部材12の太さは、上述のインク吸収量を満足するように設定される。具体的には、例えば、吸収部材12の太さは、0.2〜1.0mmに設定され、より好適には0.5mm程度に設定する。
ただし、吸収部材12の太さは、ヘッド21A〜21E及び記録紙への接触を防止すべく、その最大寸法が、ヘッド21A〜21Eから記録紙の搬送領域までの離間距離から吸収部材12の撓みに起因する変位量を除いた寸法以下となるように設定される。
なお、吸収部材12の断面形状は、必ずしも円形である必要はなく、多角形等であっても良い。ここで、吸収部材は完全な円形に作るのは難しいので、円形とは略円形も含む。
以上のように構成されたプリンタ1においては、ヘッド21A〜21Eから記録紙にインクを吐出して印刷を行っている間に、全てのノズル24からインクを吐出しているわけではない。このため、インクを吐出していないノズル24内のインクは乾燥して粘度が増加する。インクが増粘すると、所望のインク量が吐出できなくなるため、インクが増粘しないよう定期的にインクを吸収部材12に吐出するフラッシング動作を行う。
そして、本実施形態のプリンタ1が備える吸収部材12は、記録紙に対する印刷を行う際にはノズル24の下方からずれた退避位置に位置し、フラッシング動作を行う際にはノズル24の直下のフラッシング位置に位置する。つまり、フラッシング動作を行う際には、吸収部材12がノズル24の直下に位置するため印刷を行うことができず、印刷処理を止める必要がある。このため、フラッシング動作は、搬送される記録紙と記録紙との間がノズルの直下に位置する際に行うことが望ましい。本実施形態のプリンタ1のような、いわゆるラインヘッドプリンタにおいては、通常、1分間に60枚程度の記録紙に対して印刷を行うため、1秒ごとに記録紙と記録紙との間がノズルの直下に位置することとなる。
したがって、本実施形態のプリンタ1においては、例えば、5秒ごとや10秒ごとにフラッシング動作を行う。
なお、連続的に複数の記録紙に対して印刷を行う場合において、記録紙と記録紙との間がノズル24の直下に位置する時間は短時間である。従来のプリンタにおいては、フラッシング動作のために行われる吸収部材あるいはヘッドユニットの移動が大きい。このため、従来のプリンタ1では、前記短時間でフラッシング動作を完了することができず、記録紙の搬送を一時的に停止しており、この停止期間が単位時間あたりの印刷枚数を低減させる原因となる。これに対して、本実施形態のプリンタ1においては、平面視において吸収部材12が各ヘッド21A〜21Eの直下の極めて狭い領域内で移動するだけで印刷とフラッシング動作とを切り替えることができ、記録紙と記録紙との間がノズル24の直下に位置する間にフラッシング動作を完了する、あるいはフラッシング動作のために記録紙の搬送を停止する期間を極めて短くすることができる。
次に、上述のフラッシング動作に関連する本実施形態のプリンタ1の動作について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。図9、図10、図11は、プリンタの動作を示す要部断面図である。また、本実施形態のプリンタ1の動作は、不図示の制御装置によって統括されている。
プリンタ1は、所定の指令に基づいてフラッシング動作を開始する。
まず、制御装置は、図9に示す移動機構(第1移動機構)14を駆動させて(図8:S1)、支持している複数の吸収部材12を図10(a)に示すようなフラッシング位置へ移動させる。具体的には、移動部材14Aを所定の回転数(本実施形態においては1回転)で正転させ、また、これに連動して移動部材14Bを所定量だけ移動させることにより、各吸収部材12を記録ヘッド21A〜21Eにおける各ノズル列Lに対向させる。このとき、各吸収部材12が、図9に示すように記録ヘッド21A〜21Eの配置方向に並ぶ複数のノズル列Lにも対向した状態となる。
このようにして、2本の吸収部材12を各ノズル列Lのインク吐出方向の延長線上に重なるように出現させる。
次に、制御装置は、ヘッドユニット2に対するフラッシング動作を実行し(図8:S2)、各記録ヘッド21A〜21Eの各ノズル列L(ノズル24)から、対向する吸収部材12に対してインク滴を噴射させる(例えば10滴程度)。ノズル列Lから吐出されたインク滴は吸収部材12に吸収される。
フラッシング動作が終了したら(図8:S3)、制御装置は移動機構(第1移動機構)14を駆動させて図10(b)に示すように複数の吸収部材12を退避位置へと移動させる(図8:S4)。
具体的には、移動部材14Aを所定の回転数(本実施形態では1回転)で反転させるとともに、これに同期して移動部材14Bを移動させることにより、ノズル列Lと対向していた吸収部材12をノズル列Lと対向する位置から退避させる。
その後、制御装置は、巻取り機構(第2移動機構)13を駆動させて、各吸収部材12を移動させる(図8:S5)。吸収部材12へのフラッシングは記録紙と記録紙との間で行うが、移動機構14や巻取り機構13による吸収部材12の移動は、記録紙に対して印刷を行っている間に行う。
図11は、このフラッシング時のプリンタの動作を示す要部平面図である。なお、図11において、送出回転体15および巻取回転体16は、実際には紙面奥行き方向に互いに重なる位置に配されているが、その個々の動きを説明するために、意図的に位置をずらして表記している。また、吸収部材12も、フラッシング時においてはノズル列Lと重なる位置にあるが、吐出(吸収)位置を説明するために、意図的にずらして表記するとともに、移動機構14を不図示としていることに留意されたい。
吸収部材12は、ノズル列方向Pにおけるヘッドユニット2の一端側から他端側に向かう往路F1で、各記録ヘッド21A〜21Eの各ノズル列Lのうち、例えば奇数番列となる第一のノズル列N1に重なる位置となる。そして、この往路F1において、第一のノズル列N1から噴射(フラッシング)される流体を吸収する。これにより、吸収部材12には、第一のノズル列N1からフラッシングされた流体を吸収した第一の吸収領域V1が形成される。第一の吸収領域V1は、第一のノズル列N1の長さにほぼ等しくなる。第一の吸収領域V1どうしの間には流体を吸収していない未吸収領域Qができる。そして、この未吸収領域Qの幅(長さ)は、各記録ヘッド21A〜21Eの隣接する各ノズル列Lどうしの間隔に相当するので、ノズル列N1の長さとなる。
こうして、往路F1において、所定の間隔ごとに未吸収領域Qを確保しつつ第一のノズル列N1からフラッシングされた流体を吸収した吸収部材12は、反転回転体(反転手段)17で折り返される。そして、ノズル列方向Pにおけるヘッドユニット2の他端側から一端側に向かう復路F2で、各記録ヘッド21A〜21Eの各ノズル列Lのうち、第一のノズル列N1に隣接する偶数番列となる第二のノズル列N2に重なる位置を移動する。即ち、互いに隣接する第一のノズル列N1と第二のノズル列N2に重なる位置を、1本の吸収部材12が反転回転体17で折り返されて移動する。
ここで、記録ヘッド21Aにおいて最も反転回転体17側に位置するノズルN11から、反転回転体17の最外端(ヘッドから最も離れた位置)17Eまでの経路における距離を、ノズル列L(N1)の長さとほぼ同じにしている。つまり、厳密には、ノズルN11の中心よりさらにノズル間ピッチの半分、反転回転体17側に寄った位置から、反転回転体17の最外端(ヘッドから最も離れた位置)17Eまでの経路における距離を、ノズル列L(N1)の長さと同じにしている。したがって、記録ヘッド21Aにおいて最も反転回転体17側に位置するノズルN11(厳密には反転回転体17側にノズル間ピッチの半分寄った位置)から、反転回転体17を経由(反転)して次のノズル列L(N2)の最も反転回転体17側に位置するノズルN21(厳密には反転回転体17側にノズル間ピッチの半分寄った位置)に至るまでの経路における距離を、ノズル列L(N1、N2)の長さの2倍にしている。そして、巻取り機構13によって吸収部材12を移動させる量を、ノズル列L(N1、N2)の長さの2倍にしている。
すると、反転回転体17で折り返された吸収部材12は、復路F2において、各記録ヘッド21A〜21Eの偶数番列となる第二のノズル列N2と未吸収領域Qが対向する。そして、未吸収領域Qに対して流体が噴射(フラッシング)される。これにより、吸収部材12には、第二のノズル列N2からフラッシングされた流体を吸収した第二の吸収領域V2が形成される。この結果、一本の吸収部材12には、往路F1において第一のノズル列N1からフラッシングされた流体を吸収した第一の吸収領域V1と、往路F2において第二のノズル列N2からフラッシングされた流体を吸収した第二の吸収領域V2とが交互に形成される。そして、これら互いに隣接する第一のノズル列N1と第二のノズル列N2からフラッシングされた流体を吸収した吸収部材12は、巻取回転体16に巻き取られる。
以上のように、吸収部材12は往路F1と復路F2とで互いに隣接する第一のノズル列N1と第二のノズル列N2からの流体を、互いに重ならない別々の領域で吸収させることによって、一本の吸収部材12に隙間(無駄)無く流体を吸収することができ、吸収部材12を効率的にフラッシングに利用することが可能になる。これによって、吸収部材12のランニングコストを低減し、交換の回数を減らすことも可能になる。
なお、記録ヘッド21Eのノズル列N1に対向する第一の吸収領域V1は、ノズル列N1の長さの2倍の距離(長さ)を巻取り機構13で送ると、例えば往路F1において、記録ヘッド21Dのノズル列N1に対向する。その後も、2倍の距離ずつ移動すると、往路F1において各記録ヘッド21A〜Eと対向し、それぞれからフラッシングを受けることになる。したがって、それぞれのフラッシングによるインクを吸収できる吸収部材12の太さが必要になる。吸収するのが難しい場合には、移動する距離を4倍や6倍にしてもよく、このように移動距離を増やすことで、フラッシングを受ける回数を減らし、したがって吸収するインク量を減らすことができる。
また、移動する距離をノズル列N1(N2)の長さの偶数倍にすれば、吸収部材12は往路F1と復路F2とで異なる領域にフラッシングを受けるようになる。本実施形態では、10倍までなら吸収部材12を無駄なく使用することができる。図12は、図11を模式的に示した図であって、吸収領域Vの移動する距離に応じて、吸収部材12の各吸収領域Vが、ヘッド21A〜21Eによって何回フラッシングを受けるかを説明するための図である。なお、図12中においては、ヘッド21E〜21Aと対応する位置にある吸収領域Vが、それぞれのフラッシングを受けることを意味している。したがって、ヘッド間の空欄に対応する位置にある吸収領域Vは、フラッシングを受けないことを意味している。また、図12中において、反転と記載した位置は、記録ヘッド21Aにおいて最も反転回転体17側に位置するノズルN11から、反転回転体17の最外端(ヘッドから最も離れた位置)17Eまでの経路における距離を、前記したようにノズル列N1の長さと同じにしていることに基づいている。
図12に示すように、移動する距離をノズル列N1(N2)の長さの2倍にすると、往路F1で各ヘッド21E〜21Aからフラッシングを受けた吸収領域V1は、復路F2ではフラッシングを受けず、代わりに、往路F1ではフラッシングを受けなかった吸収領域V2が、復路F2でフラッシングを受けるようになる。
また、移動する距離を4倍にすると、吸収領域V1は、往路F1のみで3回のフラッシングを受け、吸収領域V1に続く吸収領域V2は、復路F2のみで3回のフラッシングを受け、吸収領域V2に続く吸収領域V3は、往路F1のみで2回のフラッシングを受け、吸収領域V3に続く吸収領域V4は、復路F2のみで2回のフラッシングを受けるようになる。即ち、往路F1では吸収領域V1及び吸収領域V3のみがフラッシングを受け、復路F2では吸収領域V2及び吸収領域V4のみがフラッシングを受けるようになる。
また、移動する距離を10倍にすると、往路F1では吸収領域V1、V3、V5、V7、V9のみがフラッシングを受け、復路F2では吸収領域V2、V4、V6、V8、10のみがフラッシングを受けるようになる。
なお、移動する距離を奇数倍にした場合には、吸収部材12の各吸収領域Vは往路F1と復路F2とでそれぞれフラッシングを受けるようになる。例えば、図12に示すように移動する距離を5倍にすると、吸収領域V1〜V5は、いずれも往路F1、復路F2でそれぞれ1回ずつフラッシングを受けるようになる。
したがって、このように1本の吸収部材12が通過するヘッド数の2倍までの範囲で、ノズル列N1(N2)の長さの間隔でノズル列に沿って吸収部材12を移動させれば、吸収部材12を無駄なく使用することができる。
そして、記録動作の間などにフラッシング動作を複数回実行した後、巻取り機構13の送出回転体15に巻回されていた吸収部材12の殆どが巻取回転体16へと巻き取られたら、吸収部材12を新しいものと交換する。この時、本実施形態では、送出回転体15および巻取回転体16は、いずれも同じ側、即ちノズル列方向Pにおけるヘッドユニット2の一端側に配置されているので、プリンタ1の一側面を開放するだけで容易に吸収部材12を交換することができ、メンテナンス性を高めることができる。
以上のように、本実施形態によれば、記録ヘッド21と記録紙8との間に線状の吸収部材12を配置し、線状の吸収部材12を移動して記録ヘッド12のノズルに対向させてフラッシング時のインクを吸収することができるので、ヘッドユニット2を移動させることなくフラッシング動作を実行することが可能となる。ヘッドユニット2を移動させずに済むことから、フラッシング動作を適切な時期に短時間で行うことができる。
そして、一本の吸収部材12を反転回転体17で折返して、フラッシング時に互いに隣接する第一のノズル列N1と第二のノズル列N2の双方に重なるように配し、往路F1と復路F2とで第一のノズル列N1と第二のノズル列N2からの流体を、互いに重ならない別々の領域で吸収させることによって、一本の吸収部材12に隙間(無駄)無く流体を吸収することができ。これによって、吸収部材12を効率的にフラッシングに利用することが可能になり、吸収部材12のランニングコストを低減し、交換の回数を減らすことが可能になる。
また、吸収部材12は、細い線状部材のため、移動距離も短く、短時間が移動も済む。例えば、印字時にノズル列間に対応する位置に配置させておくことも可能である。
また、吸収部材12として、線状部材を用いることによって、インクが吸収部材12に滴下される際に、吸収部材12の周囲における上昇気流の発生を抑制し、ヘッド21A〜21Eにインクが付着することを防止することができる。このため、吸収部材12をヘッド21A〜21Eに近接させることが可能となり、インクが揮発することによって生じ、ヘッド21A〜21E等の汚染の原因となるミストの発生を抑制することができる。
また、フラッシング時に吐出対象となるのが線状の吸収部材12であるため、吸収部材12への吐出時の風圧の影響によるドット抜けが生じにくい。また、フラッシング時に吐出されたインク滴はノズル24の近くで吸収部材12に全て吸収されるため、記録紙や搬送ベルト部33上が汚れてしまうのを防止できる。
以上述べたように、本実施形態では、簡単な構成で高速にフラッシング動作を実行することができるので、印刷能力が向上する。
また、移動機構14が、吸収部材12のノズル列Lの直交方向における位置を調整する位置調整機構を有していてもよい。これにより、吸収部材12をノズル列Lと対向する位置へと確実に移動させることができるとともに、ノズル列Lとは対向しない位置へと確実に退避させることが可能となる。
また、記録動作時において、複数の吸収部材12を記録ヘッド21のノズル面23と対向しない位置まで大幅に退避させても良い。例えば、記録ヘッド21の側面側や、記録紙(媒体)より下の位置にまで退避させてもよい。さらに、キャップユニットによるキャッピング時も同様に退避させることにより、記録ヘッド21のノズル面23をキャップ部61によって良好にキャッピングすることができる。
なお、吸収部材として幅狭のテープ状部材(布など)を用いれば、記録ヘッド21とキャップ部61との間に吸収部材を介在させた状態であってもノズル面23を良好に封止することが可能である。
(第2実施形態)
以下に示す第2実施形態のインクジェットプリンタの基本構成は、前記第1実施形態と略同様であるが、フラッシングユニットの構成が異なっている。よって以下では、先の実施形態と異なる部分について説明し、共通な箇所の説明は省略する。また、説明に用いる各図面において、図1〜図12と共通の構成要素には同一の符号を付すものとする。
図13は、第2実施形態のプリンタにおけるフラッシングユニットの概略図である。
なお、図13において、吸収部材はフラッシング時においてはノズル列と重なる位置にあるが、吐出(吸収)位置を説明するために、意図的にずらして表記していることに留意されたい。
本実施形態のフラッシングユニット80は、吸収部材12を移動させるための巻取り機構(第2移動機構)82を構成する送出回転体(送出部)83が、三つの記録ヘッド92A〜92Cからなるヘッドユニット91の、ノズル列方向Pにおける一端側に配され、また、巻取回転体(巻取部)84が、ヘッドユニット91の他端側に配される。そして、ノズル列方向Pにおけるヘッドユニット91の一端側と他端側の双方にそれぞれ反転回転体(反転手段)86a,86bが配置されている。そして、吸収部材12は、ヘッドユニット91の一端側の送出回転体83から送り出され、他端側の反転回転体86aで折り返し、一端側の反転回転体86aで再度折り返して他端側の巻取回転体84に達する。即ち、一本の吸収部材12は、フラッシング時にヘッドユニット91の第一のノズル列N1と、隣接する第二のノズル列N2、およびその隣の第三のノズル列N3に重なるように張り渡される。
ここで、図13において三つの記録ヘッド92A〜92Cにおけるそれぞれのノズル列L(N1〜N3)間の距離は、各ノズル列L(N1〜N3)の長さの2倍になっている。即ち、本実施形態では、図示しないものの3組のヘッドモジュールが、それぞれのヘッドを異なるモジュール間にて互いにずれた状態で隣り合うように、配置している。
そして、図13に示すように記録ヘッド92Cにおいて最も反転回転体86a側に位置するノズルN11(厳密には反転回転体86a側にノズル間ピッチの半分寄った位置)から、反転回転体86aの最外端(ヘッドから最も離れた位置)86aEまでの経路における距離を、ノズル列L(N1〜N3)の長さの1.5倍にしている。即ち、記録ヘッド92Cにおいて最も反転回転体86a側に位置するノズルN11(厳密には反転回転体86a側にノズル間ピッチの半分寄った位置)から、反転回転体86aを経由(反転)して次のノズル列L(N2)の最も反転回転体86a側に位置するノズルLN21(厳密には反転回転体86a側にノズル間ピッチの半分寄った位置)までの経路における距離を、ノズル列L(N1〜N3)の長さの3倍にしている。同様に、記録ヘッド92Aにおいて最も反転回転体86b側に位置するノズルN22(厳密には反転回転体86b側にノズル間ピッチの半分寄った位置)から、反転回転体86bの最外端86bEまでの経路における距離を、ノズル列L(N1〜N3)の長さの1.5倍にし、これにより、記録ヘッド92Aにおいて最も反転回転体86b側に位置するノズルN22(厳密には反転回転体86b側にノズル間ピッチの半分寄った位置)から、反転回転体86bを経由(反転)して次のノズル列L(N3)の最も反転回転体86b側に位置するノズルN32(厳密には反転回転体86b側にノズル間ピッチの半分寄った位置)までの経路における距離を、ノズル列L(N1〜N3)の長さの3倍にしている。そして、巻取り機構82によって吸収部材12を移動させる量を、ノズル列L(N1〜N3)の長さの3倍にしている。
このような構成のフラッシングユニット80は、フラッシング時には、移動機構(不図示)を駆動させて、吸収部材12がヘッドユニット91のノズル列Lのインク吐出方向に重なるように移動させる。次に、制御装置は、ヘッドユニット91に対するフラッシング動作を実行し、各記録ヘッド92A〜92Cの各ノズル列Lから、対向する吸収部材12に対してインク滴を噴射させる(例えば10滴程度)。ノズル列Lから吐出されたインク滴は吸収部材12に吸収される。
フラッシング動作が終了したら、制御装置は第1実施形態と同様に、移動機構を駆動させて複数の吸収部材12を退避位置へと移動させる。
その後、制御装置は、巻取り機構82を駆動させて、各吸収部材12を移動させる。吸収部材12へのフラッシングは記録紙と記録紙の間で行うが、移動機構や巻取り機構82による吸収部材12の移動は、第1実施形態と同様に、記録紙に対して印刷を行っている間に行う。
巻取り機構82の送出回転体83から送り出された吸収部材12は、図13に示すように、ノズル列方向Pにおけるヘッドユニット91の一端側から他端側に向かう第一往路F3で、各記録ヘッド92A〜92Cの各ノズル列Lのうち、例えば第一のノズル列N1に重なる位置となる。そして、この第一往路F3において、第一のノズル列N1から噴射(フラッシング)された流体を吸収する。これにより、吸収部材12には、第一のノズル列N1からフラッシングされた流体を吸収した第一の吸収領域V1が形成される。第一の吸収領域V1は、第一のノズル列N1の長さにほぼ等しくなる。また、第一の吸収領域V1どうしの間には、流体を吸収していない第一の未吸収領域Q1ができる。この第一の未吸収領域Q1の幅(長さ)は、各記録ヘッド62A〜92Cの隣接する各ノズル列Lどうしの間隔の2倍に相当するので、ノズル列N1の2倍の長さとなる。
こうして、第一の往路F3において、所定の間隔ごとに第一の未吸収領域Q1を確保しつつ第一のノズル列N1からフラッシングされた流体を吸収した吸収部材12は、反転回転体(反転手段)86aで折り返される。そして、ノズル列方向Pにおけるヘッドユニット91の他端側から一端側に向かう復路F4で、各記録ヘッド92A〜92Cの各ノズル列Lのうち、第一のノズル列N1に隣接する第二のノズル列N2に重なる位置を移動する。
すると、反転回転体86aで折り返された吸収部材12は、復路F4において、各記録ヘッド92A〜92Cの第二のノズル列N2から第一の未吸収領域Q1の後ろ側半分の領域、即ち第三の吸収領域V3に対して流体が噴射(フラッシング)される。これにより、吸収部材12には、第二のノズル列N2からフラッシングされた流体を吸収した第二の吸収領域V2が形成される。この第二の吸収領域V2は、前記したように第一の未吸収領域Q1の後ろ側半分の長さとなり、残りの部分が第二の未吸収領域Q2となる。
こうして、第一の往路F3と復路F4において、所定の間隔ごとに第二の未吸収領域Q2を確保しつつ第一のノズル列N1、および第二のノズル列N2からフラッシングされた流体を吸収した吸収部材12は、反転回転体(反転手段)86bで再び折り返される。そして、ノズル列方向Pにおけるヘッドユニット91の一端側から他端側に向かう第二往路F5で、各記録ヘッド92A〜92Cの各ノズル列Lのうち、第二のノズル列N2に隣接する第三のノズル列N3に重なる位置を移動する。
そして、この第二往路F5において、各記録ヘッド92A〜92Cの第三のノズル列N3から第二の未吸収領域Q2に対して流体が噴射(フラッシング)される。これにより、吸収部材12には、第三のノズル列N3からフラッシングされた流体を吸収した第三の吸収領域V3が形成される。この結果、吸収部材12には、第一から第三のノズル列N1〜N3からそれぞれ噴射(フラッシング)された流体を吸収した、第一の吸収領域V1、第二の吸収領域V2、第三の吸収領域V3がそれぞれ形成される。そして、吸収部材12は巻取回転体84に巻き取られる。
このような第二実施形態においても、吸収部材12は第一往路F3と復路F4、および第二往路F5とで、順に隣接する第一のノズル列N1、第二のノズル列N2、および第三のノズル列N3からの流体を、互いに重ならない別々の領域で吸収させることによって、一本の吸収部材12に隙間(無駄)無く流体を吸収することができ、吸収部材12を効率的にフラッシングに利用することが可能になる。これによって、吸収部材12のランニングコストを低減し、交換の回数を減らすことも可能になる。
なお、本実施形態においても、1本の吸収部材12が通過するヘッド数の2倍までの範囲で、即ち、巻取り機構82によって吸収部材12を移動させる量を、例えばノズル列L(N1〜N3)の長さの3倍〜6倍にすれば、吸収部材12を無駄なく使用することが可能になる。
以上の実施形態のほかに、例えば、図14に示すように、吸収部材をクリーニングするためのクリーニング機構を備えた構成も好ましい。
図14に示すフラッシングユニット101によれば、記録ヘッド102A〜102Eのノズル列方向Pにおけるヘッドユニット103の一端側および他端側にそれぞれ反転回転体(反転手段)104a,104bが形成されている。そして、この反転回転体104aと反転回転体104bとの間に、吸収部材12がリング状(無端形状)に張り渡される。
こうしたフラッシングユニット101は、吸収部材12が往路F6で第一のノズル列N1から噴射(フラッシング)された流体を吸収し、復路F7で第二のノズル列N2から噴射(フラッシング)された流体を吸収した後、クリーニング機構109で流体(インク)を含んだ吸収部材12が洗浄される。そして、吸収部材12は再び流体(インク)の吸収のために送り出される。
こうした本実施形態によれば、流体(インク)を吸収した吸収部材12を洗浄することで再利用できるようになるので、連続使用が可能になる。これにより、吸収部材12の交換作業が不要になる。また、交換作業の手間が省けるとともに、吸収部材12にかかるコストも削減することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態についていくつか説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもなく、前記各実施形態を組み合わせても良い。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、第1実施形態においては、複数の吸収部材12を同時に巻き取る構成としたが、個別に巻き取る構成にしても良い。また、前記実施形態においては、吸収部材12がノズル列に平行に沿う構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、必ずしも吸収部材12の延在方向とノズル列の延在方向とが完全に平行となるようにする必要はない。つまり、本発明において、ノズル列に沿って延在するとは、ノズル列と完全に平行となる状態のみに限定されるものではなく、フラッシング時に吸収部材12が流体を受けられる範囲内であればよい。また、退避時はノズル列に対して傾斜していてもよい。そのため、移動部材14Aと14Bの移動量は異なっても良い。
また、前記実施形態においては、本発明をラインヘッド方式のプリンタに適用した構成について説明した。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、シリアル方式のプリンタに適用することもできる。
また、前記実施形態においては、吸収部材12が常にヘッドと記録紙(媒体)の間を移動する構成について説明した。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、吸収部材12を退避させる際に、ヘッドの直下から外れた領域(例えば、ヘッドの側方)に移動させる構成を採用することもできる。
また、前記実施形態においては、メンテナンス処理の際に、吸収部材12がヘッドと記録紙の搬送領域との間に位置する構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、メンテナンス処理の際に吸収部材12を記録紙の搬送領域の下方に位置する構成を採用しても良い。
前記実施形態では、インクジェット式のプリンタが採用されているが、インク以外の他の流体を噴射したり吐出したりする流体噴射装置と、その流体を収容した流体容器を採用しても良い。微小量の液滴を吐出させる流体噴射ヘッド等を備える各種の流体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、前記流体噴射装置から吐出される流体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう流体とは、流体噴射装置が噴射させることができるような材料であれ良い。
例えば、物質が液相であるときの状態のものであれば良く、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての流体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなどを含む。また、流体の代表的な例としては前記実施例の形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種流体組成物を包含するものとする。
流体噴射9置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む流体を噴射する流体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する流体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる流体を噴射する流体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する流体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する流体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する流体噴射装置を採用しても良い。そして、これらのうちいずれか一種の噴射装置および流体容器に本発明を適用することができる。
1…プリンタ(流体噴射装置)、10…メンテナンス装置、12…吸収部材、13…巻取り機構(第2移動機構)、14…移動機構(第1移動機構)、15…送出回転体(送出部)、16…巻取回転体(巻取部)、17…反転回転体(反転手段)、21(21A〜21E)…記録ヘッド(流体噴射ヘッド)、L…ノズル列、F1…往路、F2…復路

Claims (5)

  1. 複数のノズルからなるノズル列を、複数列配列させ、該ノズル列から流体を噴射する流体噴射ヘッドを備える流体噴射装置であって、
    前記ノズル列の延在方向の一端側から延びて他端側で反転し、前記ノズル列の延在方向と交差する方向で互いに隣接する2以上のノズル列に対面するように、前記延在方向に沿って少なくとも1往復以上折り返すように配される、前記ノズルから噴射された流体を吸収する線状の吸収部材と、
    前記吸収部材を前記ノズル列の延在方向と交差する方向に移動させる第1移動機構と、
    前記吸収部材を前記ノズル列の延在方向に沿って少なくとも1往復以上折り返して移動させる第2移動機構と、
    を備えることを特徴とする流体噴射装置。
  2. 前記第2移動機構は、前記吸収部材を送り出す送出部と、前記折り返す位置に形成された反転手段と、前記吸収部材を巻き取る巻取部と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の流体噴射装置。
  3. 前記送出部は、前記吸収部材を送り出す送出回転体からなり、前記巻取部は、前記吸収部材を巻き取る巻取回転体からなり、該送出回転体および巻取回転体は、共に前記延在方向の一端側に形成されることを特徴とする請求項2記載の流体噴射装置。
  4. 前記吸収部材をクリーニングするクリーニング機構を更に備えることを特徴とする請求項2または3記載の流体噴射装置。
  5. 前記吸収部材は、前記延在方向の一端側から他端側に向けて移動する往路において、所定の間隔ごとに未吸収領域を確保しつつ第一のノズル列から噴射される前記流体を吸収し、
    前記反転手段を経て前記延在方向の他端側から一端側に向けて移動する復路において、前記第一のノズル列に対して前記交差する方向で隣接する第二のノズル列から噴射される前記流体を前記未吸収領域で吸収することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の流体噴射装置。
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