JP2011161856A - 流体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸収部材として線状のものを用い、これを移動させる場合において、その張力の安定化を図ることでヘッドや記録媒体の汚れを防止した流体噴射装置を提供する。
【解決手段】複数のノズルからなるノズル列Lを有し、ノズル列Lから流体を噴射する流体噴射ヘッド21を備えた流体噴射装置である。ノズル列Lに沿って延在して移動可能に設けられた線状の吸収部材12と、吸収部材12を走行させる走行機構13とを備える。走行機構13は、吸収部材12を送り出す送出回転体16と、吸収部材12を巻き取る巻取回転体17と、吸収部材12に所定の張力を付与するとともに、吸収部材12の張力に応じて変位する張力調整部材18と、張力調整部材18の変位を検出して送出回転体16、巻取回転体17の回転を制御するセンサ部と、を有している。
【選択図】図5

Description

本発明は、流体噴射装置に関する。
従来、インク滴を記録紙(媒体)に対して噴射させる流体噴射装置として、インクジェット式プリンター(以下、「プリンター」という。)が広く知られている。このようなプリンターにあっては、記録ヘッドのノズルからインクが蒸発することによるインクの増粘や固化、塵埃の付着、さらには気泡の混入などにより、ノズルに目詰まりが生じ、印刷不良が引き起こされるという問題があった。そこで、このようなプリンターでは、記録紙に対しての噴射とは別に、ノズル内のインクを強制的に吐出させるフラッシング動作を行うようにしている。
一般に走査タイプのプリンターでは、記録ヘッドを記録領域以外のエリアに移動させてフラッシング動作を行わせるようにしているが、記録ヘッドが固定されたラインヘッドを備えるプリンターでは、フラッシング動作時に記録ヘッドを移動させることができない。そこで、例えば記録紙を搬送する搬送ベルトの表面に設けられた吸収材(吸収部材)に向けて、インクを吐出する方法が考えられている(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1の技術では、搬送ベルト上に複数の吸収材が記録紙のサイズに合わせて等間隔に配置されているため、フラッシング時においては記録紙間の隙間を狙ってインクを噴射しなければならず、記録紙のサイズや搬送速度に制約が生じてしまうという問題がある。また、平面形状の吸収材に対してフラッシングを行うと、インク滴の吐出に伴う風圧によってミスト状のインクが散ってしまい、記録紙や搬送ベルト上を汚してしまうおそれもある。
特開2005−119284号公報
そこで、吸収材として線状のものを用い、この線状の吸収部材(吸収材)をラインヘッドと記録紙(記録媒体)との間に配置し、これに向けてインクを噴射しフラッシングすることにより、インクを吸収部材に受容させることが考えられる。その場合に、この吸収部材については受容できるインク量に限界があるため、ある程度インクを受容させたら吸収部材を移動させ、吸収部材の新たな領域に向けてフラッシングを行い、再度インクの受容を行わせるようにすることが考えられる。
しかしながら、前記の吸収部材を移動させようとした場合、その張力が不安定になり、例えばゆるみが生じると、振動が起こり、インクを受容した領域がヘッドや記録紙に接触し、これらを汚してしまうおそれがある。また、必要以上に吸収部材を移動させ過ぎると、吸収部材の使用効率が低下してしまうおそれもある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、流体を受容する吸収部材として線状のものを用い、これを移動させる場合において、その張力の安定化を図ることでヘッドや記録媒体(記録紙)の汚れを防止した流体噴射装置を提供するとともに、吸収部材の使用効率の低下をも防止した流体噴射装置を提供することにある。
前記目的を達成するため本発明の流体噴射装置は、複数のノズルからなるノズル列を有し、該ノズル列から流体を噴射する流体噴射ヘッドを備えた流体噴射装置であって、
前記ノズル列に沿って延在するとともに、該ノズル列の一方側から他方側に向かって移動可能に設けられ、前記ノズルから噴射された流体を吸収する線状の吸収部材と、
前記吸収部材を前記ノズル列の一方側から他方側に向かって走行させる走行機構と、を備え、
前記走行機構は、
前記吸収部材を巻き取った状態からこれを巻き出すことで送り出す送出回転体と、
前記送出回転体を回転駆動させる送出駆動部と、
前記送出回転体から送り出された吸収部材を巻き取る巻取回転体と、
前記巻取回転体を回転駆動させる巻取駆動部と、
前記吸収部材に所定の張力を付与するとともに、該吸収部材の張力に応じて変位する張力調整部材と、
前記張力調整部材の変位を検出し、該張力調整部材の変位が所定範囲内になるように前記送出駆動部及び/又は巻取駆動部を制御するセンサ部と、を有することを特徴としている。
この流体噴射装置によれば、張力調整部材によって吸収部材に所定の張力を付与するようにしたので、送出回転体と巻取回転体との間にて停止している吸収部材を、所定の張力で安定した状態に保持することができる。また、走行機構によって吸収部材を走行させた際にも、センサ部によって張力調整部材の変位を検出し、該張力調整部材の変位が所定範囲内になるように送出駆動部及び/又は巻取駆動部を制御するようにしたので、これら送出駆動部や巻取駆動部を制御することによって張力調整部材の変位を所定範囲内にすることで、走行している吸収部材の張力も安定させることができる。
また、前記張力調整部材は、前記吸収部材が第1の張力以上になると第1位置に至り、該吸収部材が第1の張力未満になると第1位置から離れ、該吸収部材が前記第1の張力より弱い第2の張力以下になると第2位置に至るように構成され、
前記センサ部は、前記張力調整部材が第1位置に至ると前記巻取駆動部を停止させ、前記張力調整部材が第1位置から離れると前記巻取駆動部を駆動させる第1センサと、前記張力調整部材が第2位置に至ると前記送出駆動部を停止させるとともに前記巻取駆動部を駆動させる第2センサと、を有してなるのが好ましい。
このようにすれば、吸収部材が第1の張力以上になって張力調整部材が第1位置に至ると、巻取回転体が停止するので、この状態で送出回転体も停止させておくことにより、吸収部材は走行することなく停止した状態になる。この状態から送出回転体を回転駆動させると、送出回転体と巻取回転体との間に巻き出される吸収部材の巻き出し量が多くなり、その張力が弱くなって第1の張力未満になるため、張力調整部材は第1位置から離れる。すると、第1センサはこれを検知して巻取駆動部を駆動させる。したがって、送出回転体、巻取駆動部が共に駆動することにより、吸収部材の張力は安定し、張力調整部材の変位も所定範囲内に維持される。
また、吸収部材の張力がさらに弱くなって第2の張力以下になると、張力調整部材は第2位置に至る。すると、第2センサはこれを検知して送出駆動部を停止させるとともに巻取駆動部を駆動させる(巻取駆動部の駆動を維持する)ため、送出回転体と巻取回転体との間に巻き出される吸収部材の巻き出し量が少なくなり、その張力が強くなって第2の張力以上になる。
したがって、吸収部材の張力が設定範囲を超えて変化すると、張力調整部材の変位も所定範囲を超えることにより、送出駆動部及び/又は巻取駆動部の駆動とその停止が自動的に制御される。これにより、張力調整部材の変位が所定範囲内に復帰するように調整されるため、吸収部材の張力は所定範囲内で安定するようになる。
また、吸収部材が第1の張力以上になっていて張力調整部材が第1位置にあり、吸収部材の走行が停止している状態のもとで、吸収部材が塑性変形して伸びが生じると、張力が弱くなって第1の張力未満になる。すると、前記したように張力調整部材が第1位置から離れることで巻取駆動部が駆動する。そして、前記の伸び量に対応する分吸収部材が巻取回転体に巻き取られ、これによって吸収部材の張力が再度第1の張力以上になると、張力調整部材が第1位置に至り、巻取駆動部は再度停止する。したがって、吸収部材は例えば長期の停止時においても、その張力が安定した状態で維持される。
また、前記センサ部は、前記張力調整部材が前記第1位置と前記第2位置との間で変位している状態において、基準位置からの変位量を検出し、前記送出駆動部及び/又は巻取駆動部を制御する第3センサを有しているのが好ましい。
第1センサ、第2センサにより、送出駆動部や巻取駆動部について単に駆動・停止のオンオフを制御するだけでなく、第3センサにより、例えば張力調整部材の変位量に応じて送出回転体や巻取回転体の回転駆動の速度も制御できるように構成すれば、吸収部材の張力をより滑らかに変化させることができる。したがって、吸収部材に振動が生じるのをより良好に防止することができる。
また、前記流体噴射装置においては、前記張力調整部材は前記ノズル列より前記送出回転体側に設けられ、前記送出回転体と前記張力調整部材との間を走行する前記吸収部材の走行路中には、該吸収部材を周回させるとともに該吸収部材の走行によって連れ回りする検査用回転体が設けられ、前記検査用回転体には、該検査用回転体の回転数を検知することで該検査用回転体を周回する吸収部材の走行長さを検出する検出機構が設けられているのが好ましい。
検査用回転体の回転数は吸収部材の走行長さ(走行距離)に正比例するため、検出機構によって吸収部材の走行長さを正確に検出することができる。したがって、送出回転体からの吸収部材の送り出し量を正確に把握することが可能になり、必要以上に吸収部材を送り出す(走行させる)ことにより、流体を吸収しないまま巻取回転体に送られる領域が増えて吸収部材の使用効率が低下してしまうことを、防止することができる。
また、前記検査用回転体には、周方向に沿って識別体が設けられており、前記検出機構は、前記識別体を検知することで、前記検査用回転体の回転数を検知するように構成されているのが好ましい。
このようにすれば、簡易な構成によって検査用回転体の回転数を検知し、したがって吸収部材の走行長さを検出することができる。
また、前記流体噴射装置においては、前記巻取回転体側に、前記吸収部材の張力が所定の張力以上になるとこれを検知し、前記巻取駆動部を停止させる、安全機構が設けられているのが好ましい。
このようにすれば、例えば送出回転体に巻かれた吸収部材の残が無くなったり、不測に吸収部材が引っかかったりして吸収部材の張力が所定の張力以上になると、安全機構によって巻取駆動部が停止させられるため、吸収部材が切断される等の不都合が回避される。
また、前記安全機構は、前記吸収部材の張力に応じて変位する安全レバーと、前記吸収部材が所定の張力以上になることで前記安全レバーが変位して所定位置に至るとこれを検知し、前記巻取駆動部を停止させる安全センサ部と、を有してなっているのが好ましい。
このようにすれば、簡易な構成により、吸収部材が切断される等の不都合が回避される。
また、前記流体噴射装置において、前記吸収部材は、前記ノズル列の一方側から他方側に向かって移動した後、反転ローラーを周回して再度一方側に向かうとともに、前記ノズル列と異なるノズル列に沿って延在するように構成されていてもよい。
このようにすれば、ノズル列の一方側に送出回転体と巻取回転体とを集中配置することにより、流体噴射装置の小型化を図ることができる。また、一つの走行機構により、異なる2つのノズル列に対して、噴射された流体の吸収を行なわせるように構成することができる。
また、前記反転ローラーは、間隔が調整可能な複数のローラーによって構成されているのが好ましい。
このようにすれば、前記複数のローラー間の間隔を調整することにより、再度一方側に向かう吸収部材を、異なるノズル列に沿って確実に延在させることが可能になる。
また、前記流体噴射装置においては、吸収部材が複数設けられ、該吸収部材の数に対応して前記走行機構も複数設けられているのが好ましい。
このようにすれば、流体噴射ヘッドが複数のノズル列を有している場合に、これら複数のノズル列に対して例えばそれぞれに吸収部材を対応させ、これら吸収部材をそれぞれ独立した走行機構で制御することができる。
また、前記流体噴射装置において、前記吸収部材は、前記ノズル列に沿って延在し、前記ノズルから噴射された流体を吸収する位置と、前記ノズルから噴射された流体の飛行経路から退避する位置と、の間で相対移動可能に構成されているのが好ましい。
このようにすれば、吸収部材が線状であるため、僅かな移動で吸収部材を飛行経路から退避する位置に移動させることができる。したがって、フラッシングに係るメンテナンスに要する時間を短くすることができる。
第1実施形態のプリンターの概略構成を示す斜視図である。 第1実施形態のヘッドユニットの概略構成を示す斜視図である。 第1実施形態の記録ヘッドの概略構成を示す斜視図である。 第1実施形態のキャップユニットの概略構成を示す斜視図である。 第1実施形態のフラッシングユニットの概略構成を示す底面図である。 (a)、(b)は吸収部材を模式的に示す拡大図である。 図5の要部拡大図である。 図5の要部拡大図である。 吸収部材の移動位置を示す底面図である。 第2実施形態のフラッシングユニットの概略構成を示す底面図である。 第3実施形態を説明するための要部拡大図である。
以下、図面を参照して本発明の流体噴射装置の第1実施形態を説明する。なお、以下の説明で用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
本実施形態では、流体噴射装置として、インクジェットプリンター(以下、単にプリンターと称す)について例示する。
図1はプリンターの概略構成斜視図、図2はヘッドユニットの概略構成斜視図、図3はヘッドユニットを構成する記録ヘッド(流体噴射ヘッド)の概略構成斜視図、図4はキャップユニットの概略構成斜視図である。
図1に示すように、プリンター1は、ヘッドユニット2と、記録紙(記録媒体)を搬送する搬送装置3と、記録紙を供給する給紙ユニット4と、ヘッドユニット2によって印字された記録紙を排出する排紙ユニット5と、ヘッドユニット2に対してメンテナンス処理を行うメンテナンス装置10と、を備えて構成されている。
搬送装置3は、ヘッドユニット2を構成する各記録ヘッド(流体噴射ヘッド)21(21A、21B、21C、21D、21E)のノズル面23との間に所定の間隔をあけた状態で、記録紙を保持するように構成されたものである。この搬送装置3は、駆動ローラー部31と、従動ローラー部32と、これらローラー部31、32との間に架け回された複数のベルトから構成された搬送ベルト部33と、を備えている。また、この搬送装置3における記録紙の搬送方向下流側(排紙ユニット5側)であって、排紙ユニット5との間に、記録紙を保持する保持部材34が設けられている。
駆動ローラー部31は、回転軸方向の一端側が不図示の駆動モーターに接続されたもので、駆動モーターによって回転駆動されるように構成されたものである。そして、この駆動ローラー部31の回転動力が搬送ベルト部33に伝達され、搬送ベルト部33が回転駆動するようになっている。駆動ローラー部31と駆動モーターとの間には、必要に応じて伝達ギアが設置される。従動ローラー部32は、いわゆるフリーローラーであり、搬送ベルト部33を支持するとともに、搬送ベルト部33(駆動ローラー部31)の回転駆動に従動して回転するようになっている。
排紙ユニット5は、排紙用ローラー51と、この排紙用ローラー51によって搬送された記録紙を保持する排紙トレー52と、を備えて構成されている。
ヘッドユニット2は、複数(本実施形態では5つ)の記録ヘッド21A〜21Eをユニット化することで構成されたもので、各記録ヘッド21A〜21Eの各ノズル24(図3参照)からは、複数色のインク(例えば、ブラックB、マゼンタM、イエローY、シアンCの各インク)が吐出されるようになっている。これら記録ヘッド21A〜21E(以下、記録ヘッド21と称す場合もある)は、取付板22に取付けられることでユニット化されている。すなわち、本実施形態に係るヘッドユニット2は、複数の記録ヘッド21が複数組み合わされたことにより、ヘッドユニット2の有効印字幅が記録紙の横幅(搬送方向と直交する幅)と略同等とされる、ラインヘッドモジュールを構成している。なお、前記各記録ヘッド21A〜21Eにおけるそれぞれの構造自体は共通とされている。
図2に示すようにヘッドユニット2は、取付板22に形成された開口部25内に、各記録ヘッド21A〜21Eを配置したものである。具体的には、各記録ヘッド21A〜21Eが取付板22の裏面22b側に螺子止めされたことで、ノズル面23が前記開口部25を通って取付板22の表面22a側から突出した状態に配置されたものである。また、このヘッドユニット2は、前記取付板22が不図示のキャリッジに固定されたことにより、プリンター1に搭載されている。
本実施形態におけるヘッドユニット2は、前記キャリッジによって記録位置とメンテナンス位置との間(図1中の矢印で示す方向)で移動可能に構成されている。ここで、記録位置とは、搬送装置3に対向し且つ記録紙に対して記録を行う位置である。一方、メンテナンス位置とは、搬送装置3上から退避した位置であって、メンテナンス装置10と対向する位置である。このメンテナンス位置において、ヘッドユニット2に対するメンテナンス処理(吸引処理、ワイピング処理)が実施されるようになっている。
図3に示すように、ヘッドユニット2を構成する記録ヘッド21A〜21E(以下、単に記録ヘッド21と称す場合もある)は、複数のノズル24によって構成されるノズル列Lが複数列形成されたノズル面23を有するヘッド本体25Aと、このヘッド本体25Aが取付けられる支持部材28と、を備えて構成されている。
各記録ヘッド21A〜21Eは、4色(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk))に対応したノズル列(L(Y)、L(M)、L(C)、L(Bk))を有しており、したがってノズル列Lを4列形成している。各ノズル列(L(Y)、L(M)、L(C)、L(Bk))において、これらノズル列(L(Y)、L(M)、L(C)、L(Bk))を構成するノズル24は、記録紙の搬送方向と交差する水平方向に配列されている。具体的には、記録紙の搬送方向と直交する水平方向に配列されている。そして、各記録ヘッド21A〜21Eは、それぞれのノズル列が、これら記録ヘッド21A〜21Eの配置方向において同じ色に対応するノズル列Lが一列になるように、配置されている。なお、各記録ヘッド21A〜21Eにおける各ノズル列(L(Y)、L(M)、L(C)、L(Bk))については、各色毎に2列ずつ、合計8列形成されていてもよい。その場合に、各色毎に設けられた2列のノズル列は、千鳥状に配置されているのが好ましい。
支持部材28には、ノズル面23の長手方向の両側に張り出し部26、26が形成されており、これら張り出し部26、26には、記録ヘッド21を前記取付板22の裏面22bに螺子止めするための貫通孔27が形成されている。これにより、複数の記録ヘッド21が取付板22に取付けられ、前記ヘッドユニット2が構成されている(図1参照)。
メンテナンス装置10は、ヘッドユニット2に対して吸引処理を行うキャップユニット6と、フラッシング動作により吐出されたインクを受けるためのフラッシングユニット11と、を有して構成されている。
図4に示すようにキャップユニット6は、前記ヘッドユニット2に対してメンテナンス処理を行うもので、各記録ヘッド21A〜21Eに対応する複数(本実施形態では5つ)のキャップ部61A〜61Eがユニット化されたことにより、構成されたものである。このキャップユニット6は、ヘッドユニット2の記録エリアから外れた場所に配置されている。
各キャップ部61A〜61E(以下、単にキャップ部61と称す場合もある)は、記録ヘッド21A〜21Eの各々にそれぞれ対応して設けられたもので、各記録ヘッド21A〜21Eのノズル面23に当接可能に構成されたものである。このような構成のもとにキャップ部61A〜61Eは、記録ヘッド21A〜21Eの各ノズル面23にそれぞれ密着することにより、各ノズル面23のノズル24からインク(流体)を排出させる吸引動作を、良好に行うことができるようになっている。
また、これら各キャップ部61A〜61Eは、キャップ本体67と、キャップ本体67の上面に枠状に設けられ、記録ヘッド21に当接されるシール部材62と、記録ヘッド21のノズル面23を払拭するワイピング処理時に用いられるワイプ部材63と、これらキャップ本体67及びワイプ部材63を一体的に保持する筐体部64と、を備えている。
筐体部64の底部には、筐体部64をベース部材69に保持するための保持部65が2つ(1つは不図示)形成されている。これら保持部65は平面視において筐体部64における対角をなす位置に配置されている。保持部65の各々には、筐体部64をベース部材69に螺子止め固定するための螺子が挿入される貫通孔65bが形成されている。
フラッシングユニット11は、ヘッドユニット2の底面側を示す図5に示すように、フラッシング動作時に吐出されたインク滴(流体)を吸収する吸収部材12と、これら吸収部材12を支持する支持機構9と、を備えて構成されている。
吸収部材12は、各ノズル24から吐出されたインク滴を吸収する線状のもので、本実施形態では1つのヘッドユニット2に対して2本設けられている。各吸収部材12は、それぞれ、対応するノズル列(L(Y)、L(M)、L(C)、L(Bk))に沿って延在した状態に配置され、かつ、各ノズル面23と記録紙の搬送領域との間に配置されている。
この吸収部材12は、例えば糸材などによって形成されたもので、インクを効率よく吸収、保持(受容)できるものが好適に用いられる。具体的には、SUS304、ナイロン、親水性コートを施したナイロン、アラミド、絹、綿、ポリエステル、超高分子量ポリエチレン、ポリアリレート、ザイロン(商品名)等の繊維、あるいはこれらの複数を含む複合繊維から吸収部材12を形成することができる。
より詳細には、前記繊維あるいは複合繊維から形成される繊維束が、撚り合わされるあるいは束ねられることによって吸収部材12が形成可能である。
図6は、吸収部材12の一例を示す模式図であり、(a)が断面図、(b)が平面図である。これらの図に示すように、吸収部材12は、例えば、繊維から形成される繊維束12aが2本撚り合わされることによって形成される。
また、他の例としては、SUS304からなる繊維束が複数本撚り合わされた線状部材、ナイロンからなる繊維束が複数本撚り合わされた線状部材、親水性コートが施されたナイロンからなる繊維束が複数本撚り合わされた線状部材、アラミドからなる繊維束が複数本撚り合わされた線状部材、絹からなる繊維束が複数本撚り合わされた線状部材、綿からなる繊維束が複数本撚り合わされた線状部材、ベリーマ(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ソアリオン(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ハミロン03T(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ダイニーマハミロンDB−8(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ベクトランハミロンVB−30からなる繊維束が束ねられた線状部材、ハミロンS−5コアケブラースリーブポリエステル(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ハミロンS−212コアカブラースリーブポリエステル(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ハミロンSZ−10コアザイロンスリーブポリエステル(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ハミロンVB−3ベクトラン(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材が、吸収部材12として好適に用いられる。
ナイロンの繊維を用いた吸収部材12は、汎用水糸として広く用いられるナイロンによって形成されているため、安価なものとなる。
SUS材の金属繊維を用いた吸収部材12は、耐腐食性に優れるため多様なインクを吸収可能となると共に、樹脂と比較して磨耗性が高いため繰り返しの使用が可能となる。
超高分子ポリエチレンの繊維を用いた吸収部材12は、切断強度及び耐薬品性が高く、有機溶剤や酸、アルカリに強いものとなる。このように、超高分子ポリエチレンの繊維を用いた吸収部材12は、切断強度が高いため、強いテンションで引っ張ることが可能となり、撓みを抑止することができる。このため、例えば、吸収部材12の径を太くして吸収容量を増加させたり、また吸収部材12の径を太くしない場合にはヘッド21A〜21Eから記録紙の搬送領域までの距離を狭くし印刷精度を向上させることができる。また、ザイロンやアラミドの繊維を用いた吸収部材12も、超高分子ポリエチレンの繊維を用いた吸収部材12と同様の効果を期待できる。
綿の繊維を用いた吸収部材12は、インク吸収性に優れたものとなる。
このような吸収部材12では、滴下されたインクが表面張力によって繊維間及び繊維束12a間に形成される谷部12b(図6参照)に保持されるため、インクが吸収・受容される。
また、吸収部材12の表面に滴下したインクは、一部が直接吸収部材12の内部に浸透し、残りが繊維束12a間に形成される谷部12bを伝う。そして、吸収部材12の内部に浸透したインクは、吸収部材12の内部において一部が徐々に吸収部材12の延在方向に移動し吸収部材12の延在方向に分散して保持される。吸収部材12の谷部12bを伝うインクは、谷部12bを伝いながら、徐々にその一部が吸収部材12の内部に浸透し、残りが谷部12bに残存し、これによって吸収部材12の延在方向に分散して保持される。つまり、吸収部材12の表面に滴下したインクは、長期的には全てが滴下された箇所に留まるわけではなく、滴下された箇所の周囲に分散して吸収される。
なお、実際にプリンター1に設置する吸収部材12の形成材料については、吸インク性、保持インク性、引張強度、耐インク性、成形性(けばやほつれの発生量)、ねじれ性、コスト等を考慮して適宜に選択される。
また、吸収部材12のインク吸収量は、吸収部材12の繊維間に保持できるインク量と谷部12bに保持できるインク量の合計である。このため、このインク吸収量が、吸収部材12の交換頻度等を考慮して、フラッシングによって吐出されるインク量よりも十分に大きくなるように、吸収部材12の形成材料が選択される。
なお、吸収部材12の繊維間に保持できるインク量及び谷部12bに保持できるインク量は、インクと繊維との接触角、インクの表面張力に依存する繊維隙間における毛細管力によって規定することができる。つまり、細い繊維を用いて形成することで繊維間の隙間を多くし、全体として繊維の表面積を増加することにより、吸収部材12の断面積が同一であっても、吸収部材12はより多量のインクを吸収することができるようになる。したがって、繊維間の隙間をより多くするため、繊維束12aを形成する繊維として、マイクロファイバー(極細繊維)を用いるようにしてもよい。
ただし、吸収部材12のインク保持力は、繊維間の隙間が大きくなって毛細管力が低下することで低減する。このため、繊維間の隙間については、吸収部材12におけるインク保持力が吸収部材12の移動によってインクが垂れない程度となるように、設定する必要がある。
また、吸収部材12の太さについては、例えば前記ノズル24の径(ノズル径)に対して、5〜75倍程度の太さ(径)とされる。一般的なプリンターでは、各記録ヘッド21A〜21Eにおける各ノズル面23と記録紙との間のギャップが1mm〜2mm程度、ノズル径が約0.02mmとなっている。したがって、吸収部材12は、直径が0.5mm以下であれば、各ノズル面23や記録紙に接触することなくこれらの間に配置させることができ、かつ0.2mm以上であれば、部品の誤差を考慮しても、吐出されたインク滴を確実に捕捉することができるようになる。そのため、吸収部材12は太さ(径)が0.2mm〜0.5mm程度、すなわちノズル径に対して10〜25倍程度であるのが好ましい。なお、吸収部材12の断面形状は、必ずしも円形である必要はなく、多角形等であってもよい。ここで、吸収部材は完全な円形に作るのは難しいので、円形とは略円形も含む。
また、吸収部材12の長さについては、ヘッドユニット2の有効印字幅に対して十分な長さを有しているのが好ましい。本実施形態のプリンター1では、後述するように吸収部材12の使用済み(インク吸収済み)の領域が順次巻き取られ、吸収部材12のほぼ全領域においてインクが吸収された際に、吸収部材12全体が取り替えられる構成が採用されている。そのため、吸収部材12の取替え期間を実用に耐え得る時間とするべく、吸収部材12の長さは、ヘッドユニット2の有効印字幅の数百倍程度であるのが好ましい。
このような構成からなる吸収部材12は、図5に示すように支持機構9によって支持されている。
支持機構9は、走行機構13および移動機構14を備えて構成されたもので、本実施形態では、いずれもヘッドユニット2の両側、すなわち記録ヘッド21の配列方向における一方側と他方側とに設けられている。なお、図5では、ヘッドユニット2の一部を省略し、記録ヘッド21を二つのみ示している。また、このヘッドユニット2を構成する記録ヘッド21については、ノズル列Lが(Y)、(M)、(C)、(Bk)の各色毎に2列ずつ、合計8列形成されているものを示している。
走行機構13は、ヘッドユニット2の両側に配設された一対の支持基板15A、15Bに設けられたもので、吸収部材12を記録ヘッド21のノズル列Lに沿ってその一方側から他方側に向かって走行させるものである。本実施形態では、前記したように吸収部材12が2本設けられているため、これに対応して走行機構13も二つ設けられている。なお、吸収部材12の数については、2本に限ることなく、例えば記録ヘッド21のノズル列Lの数分設けるようにしてもよく、その場合に、走行機構13についても、吸収部材12の数に対応してその数分設けるようにしてもよい。
この走行機構13は、一方側の支持基板15Aに送出リール(送出回転体)16とこれを駆動させる送出モーター(送出駆動部)16Aを備え、他方側の支持基板15Bに巻取リール(巻取回転体)17とこれを駆動させる巻取モーター(巻取駆動部)17Aを備えて構成されたものである。送出リール16は、吸収部材12を予め所定長さ巻き取ったもので、この状態から、吸収部材12を巻き出すことでヘッドユニット2側に送り出すものである。巻取リール17は、送出リール16から送り出された吸収部材12を巻き取るものである。
また、支持基板15Aには、要部拡大図である図7に示すように、吸収部材12に所定の張力を付与するための調整レバー(張力調整部材)18が設けられている。この調整レバー18は細長い板状のもので、その中央部を回動軸として、正逆方向に回動可能に設けられたものである。また、この調整レバー18は、送出リール16の下側(支持基板15A側)に配置されたもので、その回動軸を送出リール16の回転軸に一致させて配置されたものである。
調整レバー18には、その一端側にコイルバネからなる引っ張りバネ(テンションバネ)19が連結されており、他端側にはローラー18aが回転可能に設けられている。引っ張りバネ19は、その一端側が調整レバー18に連結し、他端側が支持基板15Aに固定されたものであり、調整レバー18の一端側を図7中矢印A方向に付勢するものである。このような構成によって調整レバー18は、引っ張りバネ19によって矢印A方向に回動するように付勢されている。
調整レバー18の一端部の両側、すなわちその回動方向の両側には、この一端部に当接可能な位置に第1センサ36と第2センサ37とが設けられている。第1センサ36は、調整レバー18の一端部に対して、矢印A方向と反対の側に配置されたものであり、第2センサ37は、調整レバー18の一端部に対して、矢印A方向の側に配置されたものである。これら第1センサ36、第2センサ37は、調整レバー18の一端部によって押圧されることでオンになり、押圧が解除されることでオフになる、リミットスイッチとなっている。ただし、これら第1センサ36、第2センサ37は、その押圧抵抗が十分に小さくなっており、したがって調整レバー18の一端部に押圧された際、その押圧力にほとんど抗することなく後退し、押圧力が解除されることで元の位置に円滑に復帰するようになっている。なお、本実施形態では、これら第1センサ36と第2センサ37とにより、本発明のセンサ部が構成されている。
また、これら第1センサ36、第2センサ37は、後述するように吸収部材12の張力を所定範囲内に維持するために設けられたもので、第1センサ36は、オンになると巻取モーター17Aの駆動を停止させ、オフになると巻取モーター17Aを駆動させるようになっている。また、第2センサ37は、オンになると送出モーター16Aの駆動を停止させるとともに、巻取モーター17Aを駆動させるようになっている。
なお、第1センサ36がオンになる位置、本実施形態では調整レバー18の一端部が第1センサ36に当接しこれを所定量押圧した位置が、調整レバー18が変位(回動)する範囲における第1位置とされ、第2センサ37がオンになる位置、すなわち調整レバー18の一端部が第2センサ37に当接しこれを所定量押圧した位置が、調整レバー18が変位(回動)する範囲における第2位置とされる。これら第1位置、第2位置は、後述するように予め設定した吸収部材12の張力の範囲に対応して、それぞれ決められている。
前記調整レバー18の他端側のローラー18aには、送出リール16から巻き出された(送り出された)吸収部材12が周回させられているが、吸収部材12は、その前に検査用回転体20に周回させられている。検査用回転体20は、回転板20aとローラー20bとが同じ回転軸を有して一体に形成されたもので、送出リール16から巻き出された吸収部材12をローラー20bに周回させたものである。すなわち、送出リール16から巻き出された吸収部材12は、ローラー20bを周回した後、調整レバー18のローラー18aを周回するようになっている。
ここで、検査用回転体20のローラー20bは、吸収部材12が走行した際、これに連れ回りするようになっている。したがって、ローラー20bと一体に形成された回転板20aは、ローラー20bと同じ速度(回転速度)で回転するようになっている。この回転板20aには、その外周部に、周方向に沿ってパルス発生用の孔(識別体)40が等間隔(所定間隔)で多数設けられている。また、この回転板20aの外周部の一部と対向する位置には、前記孔40を検知する検知部41が配置されている。検知部41は、例えば回転板20aの一方の側に発光部を配し、他方の側に受光部を配して構成されたもので、発光部からの光が回転する回転板20aの孔を通過すると、これを受光部で受光するように構成されたものである。
このような構成のもとに検知部41は、孔の検知数に基づき、回転板20aの回転数が検出できるようになっている。また、ローラー20bは吸収部材12に連れ回りするため、吸収部材12の走行長さ(走行距離)と回転板20aの回転数とは正比例する。したがって、前記したように回転板20aの回転数を検出することで、吸収部材12の走行長さを正確に検出することが可能になる。なお、本実施形態では、このような検知部41と回転板20aの孔40(識別体)とにより、本発明の検出機構が構成されている。
ローラー20bを周回した吸収部材12は、前記したように調整レバー18の他端側のローラー18aに送られてこれを周回している。そして、図5に示したように、支持基板15Aのヘッドユニット2側に設けられたローラー42を周回して、ヘッドユニット2の各記録ヘッド21のノズル面23に対向する側を通過し、支持基板15Bに向かっている。ここで、吸収部材12は、前述したように対応するノズル列Lに沿って延在した状態に配置されている。
支持基板15Bには、ヘッドユニット2側にローラー43が設けられており、ヘッドユニット2を通過した吸収部材12は、このローラー43を周回して前記巻取リール17に巻き取られている。ただし、本実施形態では、ローラー43を周回した吸収部材12は、ローラー43と巻取リール17との間に配置された安全レバー44を経由して、巻取リール17に巻き取られている。
安全レバー44は、要部拡大図である図8に示すように細長い板状のもので、その中央部を回動軸として正逆方向に回動可能に設けられたものである。この安全レバー44には、その一端側にコイルバネからなる引っ張りバネ(テンションバネ)45が連結されており、他端側にはローラー46aが回転可能に設けられている。また、前記回動軸(図示せず)より前記一端側には、別のローラー46bが回転可能に設けられている。
引っ張りバネ45は、その一端側が安全レバー44に連結し、他端側が支持基板15Bに固定されたものであり、安全レバー44の一端側を図8中矢印B方向に付勢するものである。このような構成によって調整レバー18は、引っ張りバネ44によって矢印B方向に回動するように付勢されている。
安全レバー44の一端部の、前記引っ張りバネ45と反対の側には、この一端部に当接可能な位置に安全センサ部47が設けられている。安全センサ部47は、安全レバー44の一端部によって押圧されることでオンになり、押圧が解除されることでオフになる、リミットスイッチとなっている。また、この安全センサ部47は、オンになると巻取モーター17Aの駆動を停止させるように構成されている。そして、本実施形態では、このような安全レバー44、引っ張りバネ45、ローラー46a、46b、及び安全センサ部47により、本発明の安全機構が構成されている。
この安全機構によれば、ローラー46a、46bを周回する吸収部材12の張力が所定以上の張力になると、安全レバー44の一端側が引っ張りバネ45の付勢力に抗して矢印Bと反対の方向に回動する。すると、安全センサ部47が押圧されてオンになることにより、巻取モーター17Aの駆動が停止し、巻取リール17の回転が停止する。これにより、後述するように吸収部材12を無理に引っ張ることによる、切断が回避されるようになっている。
なお、図5に示したように吸収部材12は、支持基板15Aのローラー42と支持基板15Bのローラー43とにより、ヘッドユニット2に対向する位置が決められている。したがって、これらローラー42、43は、これらにそれぞれ周回することでこれらの間を走行する吸収部材12が、記録ヘッド21の対応するノズル列Lに対向可能となるように、位置決めされ、配置されている。
移動機構14は、吸収部材12をノズル列Lの延在方向Pと交差(本実施形態においては直交)する方向Rに移動させることにより、吸収部材12を、ノズル24に対向して該ノズル24から噴射されたインク滴(流体)を吸収するフラッシング位置と、ノズル24から噴射されたインク滴(流体)の飛行経路から退避する退避位置と、の間で移動させるものである。また、本実施形態の移動機構14は、各吸収部材12を、あるノズル列に対向する位置から、これと異なるノズル列に対向する位置に移動させることができるようにもなっている。
すなわち、この移動機構14は、支持基板15A、15Bに設けられた一対の移動機構部14A、14Bによって構成されたもので、これら移動機構部14A、14Bが同期して動作することにより、支持基板15A、15Bを、前記の方向Rにおける同方向に、同時にかつ同一長さ、移動させるようになっている。
移動機構部14A、14Bは、支持基板15A、15Bのそれぞれの上面側、すなわち送出リール16や巻取リール17が設けられた面側と反対の面側に設けられたボールネジステージ53と、雄螺子状のボールネジ54を回転させる、ステッピングモーター等からなるモーター55と、支持基板15A、15Bにそれぞれ固定され、かつ、ボールネジ54に螺合する雌螺子部(図示せず)を有して該ボールネジ54に対し移動可能に螺合した固定ブロック56と、を備えて構成されたものである。なお、モーター55及びボールネジステージ53は、図示しない固定部材によってプリンター1に固定されている。
このような構成のもとに移動機構部14A、14Bは、モーター55が回転することでボールネジ54が回転し、このボールネジ54に螺合する固定ブロック56がボールネジ54の長さ方向、すなわち図5中のR方向に移動するようになっている。これにより、移動機構部14A、14Bに固定された支持基板15A、15Bが、前述したように方向Rにおける同方向に、同時にかつ同一長さ、移動するようになっている。そして、これら支持基板15A、15Bの移動に伴い、吸収部材12も同様に移動するようになっている。なお、モーター55は正逆方向に回転可能になっており、したがって固定ブロック56や支持基板14A、14B、吸収部材12も、R方向における両方の側に移動可能になっている。
そして、モーター55は図示しない制御部によって制御されるようになっており、これによって移動機構14は、ヘッドユニット2(ノズル列L)に対する各吸収部材12の位置を予め設定された通りに変化させるよう、移動させるようになっている。具体的には、図9(a)、(b)に示すように吸収部材12を、ヘッドユニット2の対応するノズル列Lの延在方向Pと直交する方向R、すなわち記録紙の搬送方向に沿って、予め設定された距離移動させるようになっている。なお、本発明における移動機構としては、前記のボールネジ54を備える構成に限定されることなく、例えばラック・アンド・ピニオンを用いた構成等を採用することもできる。
本実施形態において移動機構14は、吸収部材12をフラッシング位置と退避位置との間で移動させるようになっている。
ここで、フラッシング位置とは、図9(a)に示すように、吸収部材12が対応するノズル列L(ノズル列Lを構成する複数のノズル24)に対向した(平面視して重なる)状態であって、フラッシング動作時にノズル列Lから吐出されたインク滴を受容し吸収できる位置、すなわちインクの飛行経路上の位置である。
一方、吸収部材12における退避位置とは、図9(b)に示すように、ノズル列L(ノズル列Lを構成する複数のノズル24)とは対向しない(平面視して重ならない)状態であって、記録動作時に各ノズル24から吐出された記録用のインク滴が吸収部材12に吸収されることのない位置である。なお、ここでノズル列Lと吸収部材12とが対向するとは、必ずしもノズル24の中心と吸収部材12の中心とが平面視した状態で重なることのみを意味するのではなく、平面視した状態で吸収部材12の幅の中にノズル24が位置する状態のことを言う。このような状態であれば、ノズル24から吐出されたインクを吸収部材12は吸収することができる。
また、本実施形態の移動機構14にあっては、吸収部材12をフラッシング位置と退避位置との間で移動させるだけでなく、図9(a)、(b)中にそれぞれ実線で示すようにノズル列L1に対応する位置から、二点鎖線で示すようにこれと異なるノズル列L2に対応する位置に移動させることも、できるようにもなっている。もちろん、対応可能なノズル列Lについては、2列に限定されることなく、3列以上となるように構成することもできる。
なお、本実施形態では、図5に示したように吸収部材12を2本設け、したがってこれら2本の吸収部材12に対応して走行機構13も二つ備えている。これら二つの走行機構13は、実質的に同一の構成を有し、同一の作用を奏するようになっている。したがって、前記の説明では一方の走行機構13についてのみ説明し、他方の走行機構13についてはその説明を省略している。
また、図1では、ヘッドモジュール2、メンテナンス装置10及びフラッシングユニット12を1組のみ図示している。しかし、実際には、記録紙の搬送方向にもう1組のヘッドモジュール2、メンテナンス装置10及びフラッシングユニット12を配置している。これらの2組は、機構的には同一の構成を有しているが、記録紙の搬送方向と直交する水平方向(ヘッド21A〜21Eの配列方向)にずれて配置されている。より詳細には、記録紙の搬送方向に見て、1組目のヘッドモジュール2が備えるヘッド21A〜21E間に2組目のヘッドモジュール2が備えるヘッド21A〜21Eが配置されている。
このように、2組のヘッドモジュール2、メンテナンス装置10及びフラッシングユニット12を記録紙の搬送方向と直交する水平方向にずれて配置することにより、全体的にはヘッド21A〜21Eが千鳥配置されることとなり、有効印字幅の全領域にインクを吐出することが可能となる。
ここで、このように2組のヘッドモジュール2で千鳥状に配置された2組のヘッド21A〜21Eにおいて、記録紙の搬送方向と直交する水平方向にてずれて隣り合うヘッド間では、それぞれのノズル列Lを構成する各ノズル24間のピッチが、一定に形成されている。すなわち、ずれて隣り合うヘッドは、これらヘッド間の、互いに内側の端部に位置するノズル24、24間のピッチが、同一のヘッド内の隣り合うノズル24、24間のピッチと同一になるように配置されている。ただし、これらずれて隣り合うヘッドは、該ヘッド間の、互いに内側の端部側に位置する一つ又は複数のノズル24が、該ヘッド間にて記録紙の搬送方向に沿って一列又は複数列で並ぶように、配置されていてもよい。このように配置した場合には、ヘッド間にて一列又は複数列で並んだノズル24、24のうちの、一方のヘッドのノズル24からは、流体が噴射されないように構成するのが好ましい。このように構成することにより、使用する各ノズル24間のピッチが一定になる。
なお、ヘッド21A〜21Eを記録紙の搬送方向と直交する方向に連接して配列する場合には、ヘッドモジュール2、メンテナンス装置10及びフラッシングユニット12が1組のみとしてもよい。この場合には、ヘッド21A〜21E間に十分な隙間が形成されないため、メンテナンス装置10が備えるキャップ部61A〜61Eをヘッド21A〜21Eごとに設けることが難しい。このため、全てのヘッド21A〜21Eのノズル24が囲える単一のキャップ部を用いることが好ましい。
次に、前述の走行機構13による吸収部材12の保持とその走行動作に関連する、本実施形態のプリンター1の動作について説明する。なお、本実施形態のプリンター1の動作は、前記の図示しない制御部(制御装置)によって統括されている。
まず、図9(a)に示した状態でフラッシングを終了した後、記録ヘッド21による記録紙へのインクの噴射に備え、吸収部材12を前記移動機構14によって図9(b)に示したようにフラッシング位置から退避位置に移動させる。その際、図5に示した送出モーター16A、巻取モーター17Aについてはいずれもその駆動を停止させておき、したがって送出リール16と巻取リール17との間に保持された吸収部材12は、予め設定された所定の張力に保持されている。
また、このときには、図7中に二点鎖線で示すように、調整レバー18が第1センサ36をオンにした状態となっており、すなわち、該調整レバー18が変位する範囲における第1位置に至った状態となっている。したがって、吸収部材12は、引っ張りバネ19による付勢力を上回った力で調整レバー18を矢印A方向と反対の側に変位させており、その張力は、引っ張りバネ19による付勢力に対応する第1の張力以上になっている。
このような状態のもとで、例えばフラッシングに動作によって既にインクを吸収・受容した領域を巻取リール17側に巻き取り、まだインクを吸収・受容していない新たな領域をヘッドユニット2に対向させるべく、送出モーター16Aを駆動し、送出リール16を回転させる。すると、巻取リール17は停止しているので、送出リール16と巻取リール17との間に巻き出される吸収部材12の巻き出し量(送り出し量)が多く(長く)なり、これによって吸収部材12の張力が弱くなる。
その結果、前記の第1の張力未満になるため、調整レバー18は図7中実線で示したように第1位置から離れ、第1位置と第2位置(第2センサ37をオンにする位置)との間に至る。このように調整レバー18が第1位置から離れると、第1センサ36はこれを検知して巻取モーター17Aを駆動させ、巻取リール17を回転させる。したがって、送出リール16、巻取リール17が共に回転することにより、吸収部材12の張力は安定し、調整レバー18の変位も所定範囲内に維持され、したがって図7中実線で示したように第1位置と第2位置との間に維持される。
ここで、送出モーター16A、巻取モーター17Aのそれぞれの回転速度については、予めほぼ同じになるように設定されており、したがって送出リール16、巻取リール17の各回転速度はほぼ同じになっている。ところが、これら送出リール16、巻取リール17に巻き取られている吸収部材12の巻取量は、初期では送出リール16側の方が多く、その後使用を重ねるに連れ、巻取リール17側が増えていく。したがって、送出リール16と巻取リール17とでは、巻取量に差があることから、吸収部材12の巻取径に差が生じ、そのため同じ回転数で回転していても、巻取径の差によって単位時間あたりの送り出し長さ(巻きだし長さ)と巻き取り長さとの間に差が生じてしまう。したがって、単に送出モーター16Aの回転速度と巻取モーター17Aの回転速度とをそれぞれ制御するだけでは、これらの間に保持される吸収部材12の長さを常に一定にするのは難しく、実際には保持される長さが僅かながら連続的に変化する。
よって、例えば送り出し長さが巻き取り長さを上回ると、吸収部材12の張力がさらに弱くなり、前記の第1の張力より弱い第2の張力以下になる。ここで、第1の張力、第2の張力は、例えば送出リール16と巻取リール17との間に保持される吸収部材12の、望ましい範囲の張力の上限値を第1の張力に設定し、下限値を第2の張力に設定する。
吸収部材12の張力が第2の張力以下になると、調整レバー18は第2位置に至り、第2センサ37をオンにする。第2センサ37は、オンになることで送出モーター16Aを停止させるとともに、巻取モーター17Aの駆動を維持する(巻取モーター17Aを駆動させる)。これにより、送出リール16と巻取リール17との間に保持される(巻き出される)吸収部材12の巻き出し長さ(量)が短く(少なく)なり、その張力が強くなって第2の張力以上になる。
その結果、調整レバー18は第2位置から離れ、再度第1位置と第2位置との間に至る。このように調整レバー18が第2位置から離れると、第2センサ37はこれを検知してオフとなり、送出モーター16Aを駆動させ、送出リール16を回転させる。したがって、送出リール16、巻取リール17が再度共に回転するようになり、吸収部材12の張力が安定し、調整レバー18の変位も所定範囲内に維持される。
また、例えば送り出し長さが巻き取り長さを下回ると、吸収部材12の張力が強くなり、再度第1の張力以上になる。すると、調整レバー18は再度第1位置に至り、第1センサ36をオンにする。第1センサ36は、オンになることで送出モーター16Aを停止させるとともに、巻取モーター17Aの駆動を維持する(巻取モーター17Aを駆動させる)。これにより、送出リール16と巻取リール17との間に保持される(巻き出される)吸収部材12の巻き出し長さ(量)が長く(多く)なり、その張力が弱くなって第1の張力未満になる。
その結果、調整レバー18は第1位置から離れ、再度第1位置と第2位置との間に至る。このように調整レバー18が第1位置から離れると、第1センサ36はこれを検知してオフとなり、前記したように巻取モーター17Aを駆動させ、巻取リール17を回転させる。よって、送出リール16、巻取リール17が再度共に回転するようになり、吸収部材12の張力が安定し、調整レバー18の変位も所定範囲内に維持される。
したがって、吸収部材12の張力が予め設定した第1の張力と第2の張力との範囲を超えて変化すると、調整レバー18の変位も第1位置と第2位置との間の所定範囲を超え、これが第1センサ36又は第2センサ37に検知されるため、送出リール16(送出モーター16A)及び/又は巻取リール17(巻取モーター17A)の駆動とその停止が自動的に制御される。これにより、調整レバー18の変位が所定範囲内に復帰するように調整されているため、吸収部材12の張力は所定範囲内で安定するようになる。
また、走行機構13による吸収部材12の走行を停止する場合には、予め制御装置に終了動作として、送出モーター16Aを停止させる制御(指令)を行う。すると、巻取モーター17Aのみが駆動し、巻取リール17のみが回転するので、送出リール16と巻取リール17との間に保持される(巻き出される)吸収部材12の巻き出し長さ(量)が短く(少なく)なり、その張力が強くなって第1の張力以上になる。すると、調整レバー18は再度第1位置に至り、第1センサ36をオンにする。第1センサ36は、オンになることで送出モーター16Aを停止させる。
なお、通常時では第1センサ36がオンになることにより、巻取モーター17Aを駆動させるが、ここでは終了時であり、予め制御装置に終了動作についての指令を与えているため、巻取モーター17Aを駆動させることなく、停止させたままにする。したがって、調整レバー18は図7中二点鎖線で示したように、調整レバー18が第1センサ36をオンにした状態となっており、すなわち、該調整レバー18が変位する範囲における第1位置に至った状態となっている。
このようにすれば、終了時には吸収部材12は常に一定の張力で保持されるため、張力の変動によって吸収部材12に挙動変化が発生せず、したがって振動等が生じないようになる。
また、このような終了時において、すなわち吸収部材12が第1の張力以上になっていて調整レバー18が第1位置にあり、吸収部材12の走行が停止している状態のもとで、吸収部材12が塑性変形して伸びが生じると、吸収部材12はその張力が弱くなって第1の張力未満になる。すると、前記したように調整レバー18が第1位置から離れることで巻取モーター17Aが駆動し、巻取リール17が回転する。そして、前記の伸び量に対応する分吸収部材12が巻取リール17に巻き取られ、これによって吸収部材12の張力が再度第1の張力以上になる。これにより、調整レバー18が再度第1位置に至り、巻取モーター17Aは再度停止する。したがって、吸収部材12は例えば長期の停止時においても、その張力が安定した状態で維持されるようになる。
また、送出リール16から吸収部材12を巻き出し、巻取リール17に巻き取らせることで吸収部材12を走行させると、この吸収部材12は、送出リール16から調整レバー18のローラー18aに至る途中で、前述したように検査用回転体20のローラー20bを周回する。
その際、吸収部材12の走行によってローラー20bは連れ回りすることにより、検査用回転体20は吸収部材12の走行長さ(走行距離)に対応して回転する。検査用回転体20の回転数は吸収部材12の走行長さ(走行距離)に正比例するため、検知部41で回転板20aの孔40を検知することにより、吸収部材12の走行長さを正確に検出することができる。
したがって、前記したようにフラッシングに動作によって既にインクを吸収・受容した領域を巻取リール17側に巻き取り、まだインクを吸収・受容していない新たな領域をヘッドユニット2に対向させるべく、送出モーター16Aを駆動し、送出リール16を回転させる際、例えばインクを吸収・受容した領域の長さを吸収部材12の送り量として設定する。そして、実際に走行させた吸収部材12の走行長さを前記の検査用回転体20と検知部41及び回転板20aの孔40からなる検査機構とによって検出し、検出値が設定した送り量となったら、前記したように制御装置に終了動作を行わせる。
このように構成することで、必要以上に吸収部材12を送り出し(走行させ)、巻取リール17に送ることにより、インクを吸収しないまま巻取リール17に巻き取られる領域が増えて吸収部材12の使用効率が低下してしまうことを、防止することができる。
なお、単に送出リール16や巻取リール17の回転数を検知することで、走行させる吸収部材12の長さを検出することも考えられるが、前述したように送出リール16や巻取リール17に巻き取られている吸収部材12の巻取量は、使用を重ねるに連れて変化する。したがって、それぞれの巻取径も変化するため、これら送出リール16や巻取リール17の回転数は、走行させられる吸収部材12の長さとは正確に対応しない。したがって、走行させる吸収部材12の長さをより正確に把握し、吸収部材12の使用効率の低下を防止するには、前記した検査用回転体20と検知部41及び回転板20aの孔40からなる検査機構が有効になる。
また、ヘッドユニット2に対向する側を通過して支持基板15B側に移動(走行)した吸収部材12は、ローラー43を周回した後、巻取リール17に巻き取られる前に安全レバー44のローラー46a、ローラー46bをこの順に周回するので、前述したようにこの安全レバー44を含む安全機構により、吸収部材12の張力が所定以上の張力になると、巻取モーター17Aの駆動が停止するようになっている。
すなわち、例えば送出リール16に巻かれた吸収部材12の残が無くなったり、不測に吸収部材12が引っかかったりすると、吸収部材12の張力が所定の張力以上になり、安全レバー44の一端側が引っ張りバネ45の付勢力に抗して矢印Bと反対の方向に回動し、安全センサ部47が押圧されてオンになり、巻取モーター17Aの駆動が停止して巻取リール17の回転が停止する。
これにより、吸収部材12を無理に引っ張ることにより、この吸収部材12を切断してしまうといった不都合を回避することができる。
なお、このようにして吸収部材12を走行させ、インクを吸収・受容していない新たな領域をヘッドユニット2に対向させた後、再度フラッシングを行う際には、移動機構14を動作させ、吸収部材12を図9(b)に示した退避位置から図9(a)に示したフラッシング位置に移動させ、その後、所定のフラッシング動作を行わせる。
また、フラッシング動作を複数回実行した後、送出リール16に巻かれた吸収部材12のほとんどが巻取リール17へと巻き取られ、巻取リール17による吸収部材12の巻き取りが終了したら、新しいものと交換する。
このような構成のプリンター1によれば、調整レバー18によって吸収部材12に所定の張力を付与するようにしたので、送出リール16と巻取リール17との間にて停止している吸収部材12を、所定の張力で安定した状態に保持することができる。また、走行機構13によって吸収部材12を走行させた際にも、第1センサ36と第2センサ37とによって調整レバー18の変位を検出し、該調整レバーの変位が所定範囲内になるように送出モーター16A及び/又は巻取モーター17Aを制御するようにしたので、これら送出モーター16Aや巻取モーター17Aを制御することによって調整レバー18の変位を所定範囲内にすることで、走行している吸収部材12の張力も安定させることができる。
よって、例えば吸収部材12にゆるみが生じて振動が起こり、インクを受容した領域が記録ヘッド21や記録紙に接触し、これらを汚してしまうといった不都合を防止することができる。
また、吸収部材12の走行長さを、検査用回転体20と前記検査機構とによって正確に検出するようにしたので、必要以上に吸収部材12を送り出し(走行させ)、巻取リール17に送ることにより、インクを吸収しないまま巻取リール17に巻き取られる領域が増えて吸収部材12の使用効率が低下してしまうことを、防止することができる。
また、記録ヘッド21と記録紙との間に線状の吸収部材12を配置し、さらにこの吸収部材12を移動させて記録ヘッド12のノズルに対向させることにより、フラッシング時のインク滴を受容・吸収するようにしたので、ヘッドユニット2を移動させることなくフラッシング動作を実行することができ、したがってフラッシング動作を適切な時期に短時間で行うことができる。
次に、本発明の流体噴射装置としてのプリンターの、第2実施形態を説明する。
図10は、この第2実施形態のプリンターにおける、フラッシングユニット11を示す図であって、ヘッドユニット2の底面側を示す図である。
図10に示した第2実施形態が、図5に示した第1実施形態と主に異なるところは、第1実施形態では一方側の支持基板15Aに送出リール16を配置し、他方側の支持基板15Bに巻取リール17を配置して、吸収部材12を送出リール16から巻取リール17に向かって走行(移動)させ、これによりヘッドユニット2における記録ヘッド21のノズル列Lの一方側から他方側に向かって走行(移動)させているのに対し、第2実施形態では、吸収部材12をノズル列Lの一方側から他方側に向かって走行(移動)させた後、反転ローラーを周回させて再度一方側に向かうように構成した点である。
すなわち、図10に示したプリンターの支持機構86では、走行機構87および移動機構88を備えて構成されているものの、走行機構87は、一方側の支持基板15Aと、他方側の移動機構部14Bを構成する固定ブロック56上に設けられた、前記の反転ローラー89とを備えて構成されている。
支持基板15Aには、図5、図7に示した送出リール16、送出モーター16A、調整レバー18、引っ張りバネ19、第1センサ36、第2センサ37、検査用回転体20、検知部41、ローラー42が設けられている。
また、第1実施形態では支持基板14Bに設けられていた、巻取リール17、巻取モーター17A、安全レバー44、引っ張りバネ45、安全センサ部47、ローラー43も、支持基板14Aに設けられている。ただし、本実施形態では、安全レバー44は巻取リール17の下側(支持基板15A側)に配置されており、その回動軸が巻取リール17の回転軸に一致して配置されている。
また、安全レバー44にはその他端側にローラー46cのみが回転可能に設けられている。なお、その一端側に引っ張りバネ45が連結されているのは、第1実施形態と同様である。
また、巻取リール17の近傍にはローラー46dが設けられており、前記ローラー46cを周回した吸収部材12が、このローラー46dを経由して巻取リール17に巻き取られるようになっている。
一方、他方側の移動機構部14Bを構成する固定ブロック56上には、反転ローラー89が設けられている。反転ローラー89は、本実施形態では間隔が調整可能な一対(複数)のローラー89a、89bによって構成されている。これらローラー89a、89bは、一方のローラー89aが支持基板15Aのローラー42に対応して配置され、他方のローラー89bが支持基板15Aのローラー43に対応して配置されている。
すなわち、ローラー42とローラー89aとは、ノズル列Lの延在方向Pと平行な直線上の一方側と他方側に位置するように配置され、同様にローラー43、ローラー89bも、前記直線上の一方側と他方側に位置するように配置されている。また、支持基板15Aに設けられたローラー42とローラー43とは、これらを周回する吸収部材12の位置、すなわち前記延在方向Pと直交する方向Rでの箇所が、記録ヘッド21に形成された複数(本実施形態では8列)のノズル列Lのうちの、隣り合うノズル列L、L間のピッチと同じ間隔になるように配置されている。
したがって、これらローラー42、ローラー43に対応して配置されたローラー89a、89bも、吸収部材12を位置決めする箇所の間隔が、隣り合うノズル列L、L間のピッチと同じに配置されている。なお、これらローラー89a、89bや、前記のローラー42、ローラー43については、公知の手法によりそれぞれの間隔が微調整可能に構成されている。
このような構成のもとに本実施形態の走行機構87は、送出リール16から巻き出した(送り出された)吸収部材12を、ローラー42を周回させた後ヘッドユニット2に対向する側を通過させ、反転ローラー89におけるローラー89aに到達させることで、この往路での吸収部材12を、ノズル列Lに沿って延在させている。また、ローラー89aを周回させた後ローラー89bを経由して再度ヘッドユニット2に対向する側を通過させ、ローラー43に到達させることで、復路での吸収部材12もノズル列Lに沿って延在させている。
また、ローラー43を周回した吸収部材12は、安全レバー44に設けられたローラー46cを周回し、さらにローラー46dを経由して巻取リール17に巻き取られる。したがって、本実施形態においても、例えば送出リール16に巻かれた吸収部材12の残が無くなったり、不測に吸収部材12が引っかかったりすると、吸収部材12の張力が所定の張力以上になり、安全レバー44の一端側が引っ張りバネ45の付勢力に抗してその付勢方向と反対の方向に回動し、安全センサ部47が押圧されてオンになり、巻取モーター17Aの駆動が停止して巻取リール17の回転が停止する。
これにより、吸収部材12が無理に引っ張られることにより、この吸収部材12が切断してしまうといった不都合が回避されている。
このような構成のプリンターにあっても、調整レバー18によって吸収部材12に所定の張力を付与するようにしたので、送出リール16と巻取リール17との間にて停止している吸収部材12を、所定の張力で安定した状態に保持することができる。また、走行機構87によって吸収部材12を走行させた際にも、第1センサ36と第2センサ37とによって調整レバー18の変位を検出し、該調整レバーの変位が所定範囲内になるように送出モーター16A及び/又は巻取モーター17Aを制御するようにしたので、これら送出モーター16Aや巻取モーター17Aを制御することによって調整レバー18の変位を所定範囲内にすることで、走行している吸収部材12の張力も安定させることができる。
よって、例えば吸収部材12にゆるみが生じて振動が起こり、インクを受容した領域が記録ヘッド21や記録紙に接触し、これらを汚してしまうといった不都合を防止することができる。
また、ノズル列Lの一方側に送出リール16と巻取リール17とを集中配置しているので、プリンターの小型化を図ることができる。さらに、一つの走行機構87により、異なる2つのノズル列Lに対して噴射されたインクの吸収を同時に行なわせることができるので、これによっても、プリンターの小型化を図ることができる。
次に、本発明の流体噴射装置としてのプリンターの、第3実施形態を説明する。
図11は、この第3実施形態のプリンターにおける、送出リール16とその近傍を示す要部拡大図である。
図11に示した第3実施形態が、図7に示した第1実施形態と主に異なるところは、この第3実施形態では、センサ部として、前記の第1センサ36、第2センサ37に加えて、第3センサ38を備えた点である。
すなわち、この第3実施形態では、調整レバー18が第1センサ36(第1位置)と第2センサ37(第2位置)との間で変位している状態において、第3センサ38によって基準位置(例えば第1位置あるいは第2位置)からの変位量を検出し、送出モーター16A及び巻取モーター17Aの駆動を制御するようにしている。第3センサ38としては、本実施形態ではポテンションメーターが用いられる。このポテンションメーター(第3センサ38)は、前記調整レバー18の回動軸に直結させられて配設されている。
また、このポテンションメーターは、送出モーター16A、巻取モーター17Aにそれぞれ接続され、これらの回転速度を制御するようになっている。すなわち、このポテンションメーター(第3センサ38)は、吸収部材12の張力の変化に対応して変位する調整レバー18の、基準位置からの変位量に対応して出力値を変化させるようになっており、これにより、送出モーター16A、巻取モーター17Aの回転速度をそれぞれ変化させるようにしている。
具体的には、調整レバー18が第1センサ36側(第1位置側)に近づくと、巻取モーター17Aの回転速度を漸次遅くする。これにより巻取モーター17Aの回転速度を一定にした場合に、調整レバー18が第1センサ36をオンさせた際(第1位置に至った際)、巻取モーター17Aが急に停止し、その反力が吸収部材12に伝わるのを抑えることができる。また、調整レバー18が第2センサ37側(第2位置側)に近づくと、送出モーター16Aの回転速度を漸次遅くする。これにより送出モーター16Aの回転速度を一定にした場合に、調整レバー18が第2センサ37をオンさせた際(第2位置に至った際)、送出モーター16Aが急に停止し、その反力が吸収部材12に伝わるのを抑えることができる。
したがって、本実施形態のプリンターによれば、第1センサ36、第2センサ37により、送出モーター16Aや巻取モーター17Aについて単に駆動・停止のオンオフを制御するだけでなく、第3センサにより、調整レバー18の変位量(つまり吸収部材12の張力)に応じて送出モーター16A(送出リール16)や巻取モーター17A(巻取リール17)の回転速度も制御するようにしたので、吸収部材12の張力をより滑らかに変化させることができる。よって、吸収部材12に振動が生じるのをより良好に防止することができる。
以上、図面を参照して本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
また、前記実施形態においては、吸収部材12がノズル列に平行に沿う構成について説明したが、本発明では、必ずしも吸収部材12の延在方向とノズル列の延在方向とが完全に平行になるようにする必要はない。つまり、本発明において、ノズル列に沿って延在するとは、ノズル列と完全に平行となる状態のみに限定されるものではなく、フラッシング時に吸収部材12がインク滴(流体)を受けられる範囲内であればよい。また、退避時はノズル列に対して傾斜していてもよい。そのため、移動機構部14A及び移動機構部14Bによる移動量は、異なっていてもよい。
また、前記実施形態においては、本発明をラインヘッド方式のプリンターに適用した構成について説明した。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、シリアル方式のプリンターに適用することもできる。
また、前記実施形態においては、吸収部材12が常にヘッドと記録紙(媒体)との間を移動する構成について説明したが、本発明では、吸収部材12を退避させる際に、ヘッドの直下から外れた領域(例えば、ヘッドの側方)に移動させる構成を採用してもよい。
また、前記実施形態では、本発明の流体噴射装置をインクジェット式のプリンターに適用しているが、インク以外の他の流体を噴射したり吐出したりする流体噴射装置に適用してもよい。すなわち、微小量の液滴を吐出する流体噴射ヘッド等を備える各種の流体噴射装置に適用可能である。なお、液滴とは、前記流体噴射装置から吐出される流体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう流体とは、流体噴射装置が噴射させることができるような材料であれよい。
例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての流体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなどを含む。また、流体の代表的な例としては、前記実施形態で説明したようなインクが挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種流体組成物を包含するものとする。
流体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む流体を噴射する流体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する流体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる流体を噴射する流体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する流体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する流体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する流体噴射装置を採用してもよい。
1…プリンター(流体噴射装置)、10…メンテナンス装置、11…フラッシングユニット、12…吸収部材、13…走行機構、14…移動機構、16…送出リール(送出回転体)、16A…送出モーター(送出駆動部)、17…巻取リール(巻取回転体)、17A…巻取モーター(巻取駆動部)、18…調整レバー(張力調整部材)、19…引っ張りバネ、20…検査用回転体、20a…回転板、20b…ローラー、21(21A〜21E)…記録ヘッド(流体噴射ヘッド)、36…第1センサ、37…第2センサ、38…第3センサ、40…孔(識別体)、41…検知部、44…安全レバー、45…引っ張りバネ、47…安全センサ部、87…走行機構、88…移動機構、89…反転ローラー、L…ノズル列

Claims (11)

  1. 複数のノズルからなるノズル列を有し、該ノズル列から流体を噴射する流体噴射ヘッドを備えた流体噴射装置であって、
    前記ノズル列に沿って延在するとともに、該ノズル列の一方側から他方側に向かって移動可能に設けられ、前記ノズルから噴射された流体を吸収する線状の吸収部材と、
    前記吸収部材を前記ノズル列の一方側から他方側に向かって走行させる走行機構と、を備え、
    前記走行機構は、
    前記吸収部材を巻き取った状態からこれを巻き出すことで送り出す送出回転体と、
    前記送出回転体を回転駆動させる送出駆動部と、
    前記送出回転体から送り出された吸収部材を巻き取る巻取回転体と、
    前記巻取回転体を回転駆動させる巻取駆動部と、
    前記吸収部材に所定の張力を付与するとともに、該吸収部材の張力に応じて変位する張力調整部材と、
    前記張力調整部材の変位を検出し、該張力調整部材の変位が所定範囲内になるように前記送出駆動部及び/又は巻取駆動部を制御するセンサ部と、を有することを特徴とする流体噴射装置。
  2. 前記張力調整部材は、前記吸収部材が第1の張力以上になると第1位置に至り、該吸収部材が第1の張力未満になると第1位置から離れ、該吸収部材が前記第1の張力より弱い第2の張力以下になると第2位置に至るように構成され、
    前記センサ部は、前記張力調整部材が第1位置に至ると前記巻取駆動部を停止させ、前記張力調整部材が第1位置から離れると前記巻取駆動部を駆動させる第1センサと、前記張力調整部材が第2位置に至ると前記送出駆動部を停止させるとともに前記巻取駆動部を駆動させる第2センサと、を有してなることを特徴とする請求項1記載の流体噴射装置。
  3. 前記センサ部は、前記張力調整部材が前記第1位置と前記第2位置との間で変位している状態において、基準位置からの変位量を検出し、前記送出駆動部及び/又は巻取駆動部を制御する第3センサを有していることを特徴とする請求項2記載の流体噴射装置。
  4. 前記張力調整部材は前記ノズル列より前記送出回転体側に設けられ、
    前記送出回転体と前記張力調整部材との間を走行する前記吸収部材の走行路中には、該吸収部材を周回させるとともに該吸収部材の走行によって連れ回りする検査用回転体が設けられ、
    前記検査用回転体には、該検査用回転体の回転数を検知することで該検査用回転体を周回する吸収部材の走行長さを検出する検出機構が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
  5. 前記検査用回転体には、周方向に沿って識別体が設けられており、
    前記検出機構は、前記識別体を検知することで、前記検査用回転体の回転数を検知するように構成されていることを特徴とする請求項4記載の流体噴射装置。
  6. 前記巻取回転体側には、前記吸収部材の張力が所定の張力以上になるとこれを検知し、前記巻取駆動部を停止させる、安全機構が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
  7. 前記安全機構は、前記吸収部材の張力に応じて変位する安全レバーと、前記吸収部材が所定の張力以上になることで前記安全レバーが変位して所定位置に至るとこれを検知し、前記巻取駆動部を停止させる安全センサ部と、を有してなることを特徴とする請求項6記載の流体噴射装置。
  8. 前記吸収部材は、前記ノズル列の一方側から他方側に向かって移動した後、反転ローラーを周回して再度一方側に向かうとともに、前記ノズル列と異なるノズル列に沿って延在するように構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
  9. 前記反転ローラーは、間隔が調整可能な複数のローラーによって構成されていることを特徴とする請求項8記載の流体噴射装置。
  10. 吸収部材が複数設けられ、該吸収部材の数に対応して前記走行機構も複数設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
  11. 前記吸収部材は、前記ノズル列に沿って延在し、前記ノズルから噴射された流体を吸収する位置と、前記ノズルから噴射された流体の飛行経路から退避する位置と、の間で相対移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の流体噴射装置。
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