JP2011239864A - 化粧用ブラシ - Google Patents

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【課題】樹脂の射出成形により得られる化粧用ブラシであって、針状突起の形状、材質、色彩を部分的に異にして多様なバリエーションを生み出すことが可能であり、射出成形が容易で、しかも、成形金型の構造も簡単にすることのできる化粧用ブラシを提供すること。
【解決手段】軸部の表面に、軸部の半径方向に延伸する針状突起が、軸部の軸方向に縦列状に多数配列されてなる化粧用ブラシであって、樹脂で射出成形された針状突起の縦列を有する2個以上の構成部材を軸領域において組み合わせて構成した化粧用ブラシとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、化粧用ブラシに関する。
従来、マスカラ等の化粧料を塗布するための化粧用ブラシとしては、ブラシ繊維を2条の金属芯線材で把持しながら螺旋状に捻回したスクリューブラシや、ブラシ繊維を櫛軸周部に植毛した植毛ブラシが用いられてきたが、近時、樹脂材料を使用した一体射出成形により作成された、軸部の表面に軸部の中心方向から放射状に延伸する多数の針状突起を軸部の長手方向に多数設けたブラシが提案され、商品化されている。
例えば、特許文献1に記載された塗布具においては、樹脂を一体射出成形されたブラシ部の塗布域は、同一材料からなる針状突起が、半径方向に360°放射状に規則正しく、且つ、軸方向にも所定の長さだけ規則正しく配列されて形成されている。
しかしながら、一体射出成形による場合には、針状突起は同一材質であるため、同一の物性を有することになるが、逆に、部分的に材質や色彩を変えて異なった物性や色感を得たい、との要請に応えることはできない。
更に、一つの金型で一体射出成形するので、一見、容易に、且つ安価に製造できるように思われるが、金型は全ての針状突起に対応する多数の細孔を有するものであり、それらの細孔を樹脂で完全に満たすためには、超高圧で樹脂を射出する必要がある。また、針状突起が径方向に放射状に配列されているため、金型を複雑に加工する必要があり、多額な加工費を要し、しかも、常に同じ形、配列のものしか成形できないため、顧客の多様なニーズに応えるためには、常に新規な金型を作り直さなければならなかった。
特開2005−125021号公報
本発明は、樹脂の射出成形により得られる化粧用ブラシであって、針状突起の形状、材質、色彩を部分的に異にして多様なバリエーションを生み出すことが可能であり、射出成形が容易で、しかも、成形金型の構造も簡単にすることのできる化粧用ブラシを提供することを課題とする。
本発明者は、個々に射出成形した特定形状の複数の部材を組み合わせて化粧用ブラシを構成することにより、前記課題を解決した。
すなわち、本発明は、軸部の表面に、軸部の半径方向に延伸する針状突起が、軸部の軸方向に縦列状に多数配列されてなる化粧用ブラシであって、樹脂で射出成形された針状突起の縦列を有する2個以上の構成部材を軸領域において組み合わせて構成してなる化粧用ブラシである。
本発明により、針状突起の形状、材質、色彩において多様なバリエーションを有する化粧用ブラシを製造することが可能である。又、成形金型を簡単で加工の容易な割型とすることができ、その場合には、例えば、針状突起に対応する部分やベント孔を、孔を開けて形成するのではなく、割型の双方に溝を掘って形成することが可能である。更に又、構造の簡単な複数個の構成部材毎に射出成形するので、超高圧で射出しなくとも、針状突起を確実に形成することが可能である。
本発明の化粧用ブラシの一例の斜視図である。 本発明の化粧用ブラシの一例の平面図である。 本発明の化粧用ブラシの一例の側面図である。 本発明の化粧用ブラシの一例の軸中心面での断面図である。 本発明の化粧用ブラシの一例の1構成部材の斜視図である。 本発明の化粧用ブラシの一例の他の構成部材の斜視図である。 図5に示す構成部材と図6に示す構成部材とを組み立てる工程を示す斜視図である。 本発明の化粧用ブラシの一例における全ての構成部材を組み立てる工程を示す斜視図である。 本発明の化粧用ブラシの他の例の側面図である。 本発明の化粧用ブラシの他の例の斜視図である。 本発明の化粧用ブラシを使用する化粧容器の一例の平面図である。
本発明の化粧用ブラシは、前記のように、樹脂で射出成形された針状突起の縦列を有する2個以上の構成部材を、軸領域において組み合わせて構成している。
針状突起としては、軸部の半径方向に放射状に延伸するものが好ましく、又、構成部材は、各々同一又は異なった列数の針状突起の縦列を有し、かつ軸部の周方向に連続して配列されたものであるのが好ましい、
図1〜8に示した例では、化粧用ブラシBは、射出成形で得られた、互いに2回転対称、即ち、互いに180°異なった方向の2つの位置の各々に針状突起の縦列を有する4個の構成部材、1、2、3及び4(符号は図5〜8に記載)を、軸領域において軸部BC(符号は図2に記載)を形成するように組み合わせて構成している。
即ち、構成部材1においては、互いに180°異なった方向に位置する軸周部12a及び12bの各々の表面に、互いに180°異なった方向に放射状に延伸する針状突起11aの縦列及び針状突起11bの縦列が形成されており、同様に、構成部材2においては、軸周部22a及び22bの各々の表面に、針状突起21aの縦列及び針状突起21bの縦列が形成されており、構成部材3においては、軸周部32a及び32bの各々の表面に、針状突起31aの縦列及び針状突起31bの縦列が形成されており、構成部材4においては、軸周部42a及び42bの各々の表面に、針状突起41aの縦列及び針状突起41bの縦列が形成されている。
構成部材1は、連結部13と、軸芯部を4分割した内の連結部13に最も近い軸芯部14とを有し、それらによって、軸周部12a及び12bを支持する形とされている。同様に、構成部材2は、軸芯部を4分割した内の連結部13に2番目に近い軸芯部24を有し、それによって、軸周部22a及び22bを支持する形とされており、構成部材3は、軸芯部を4分割した内の連結部13に3番目に近い軸芯部34を有し、それによって、軸周部32a及び32bを支持する形とされており、構成部材4は、軸芯部を4分割した内の連結部13から最も遠い軸芯部44を有し、それによって、軸周部42a及び42bを支持する形とされている。
4つの構成部材の組み立て方法は、先ず、図5に示す構成部材1と、図6に示す構成部材2とを、図7に示すように、構成部材2の軸芯部24を構成部材1の軸周部12aと12bとの間に挿入して、組み合わせる。
次いで、図8に示すように、構成部材3の軸芯部34を、構成部材1の軸周部12a及び12b並びに構成部材2の軸周部22a及び22bの間に挿入して、構成部材1、構成部材2及び構成部材3を組み合わせ、更に、構成部材4の軸芯部44を、構成部材1の軸周部12a及び12b、構成部材2の軸周部22a及び22b並びに構成部材3の軸周部32a及び32bの間に挿入して、構成部材1、構成部材2、構成部材3及び構成部材4を組み合わせる。
このように、4つの構成部材を軸領域で組み合わせることにより、8つの軸周部と4つの軸芯部とで軸部BCが形成され、図1に示すように、軸部BCの表面に、軸部BCの半径方向に延伸する針状突起が軸方向に縦列状に8列配列された化粧用ブラシが得られる。
構成部材を順次はめ込む過程で、例えば、軸芯部先端同士の凹凸などではめ込む方法を採ることにより、3個以上の構成部材の場合でも回転しないよう位置固定と全体の固定とが可能となり好ましいが、必要に応じて、組み合わせの過程又は組み合わせの終了後に、接着剤による接着や超音波による溶着を適用して、全体の固定を確実にしても良い。又、軸領域における組み合わせの形式も、図1〜8に示した形式に限らず、種々の形式を採ることができる。
なお、前記のように、本発明における軸部BCは、軸周部と軸芯とで形成されるものであり、軸周部と軸芯とを組み合わせて軸部BCを形成する領域を、「軸領域」という。
図1〜8に示した化粧用ブラシは、互いに2回転対称、即ち、互いに180°異なった方向の2つの位置の各々に針状突起の縦列を有する4個の構成部材を軸領域において組み合わせて構成しており、全体としては、8列の針状突起の縦列を有しているが、構成部材の数は4個に限定されず、3個の構成部材を組み合わせた、6列の針状突起の縦列を有する構成や、5個の構成部材を組み合わせた、10列の針状突起の縦列を有する構成とすることも可能である。
また、互いに2回転以外の対称、例えば、図9に示すように、互いに3回転対称、即ち、互いに120°異なった方向の3つの位置の各々に針状突起の縦列を有する3個の構成部材、即ち、互いに120°異なった方向に位置する軸周部12a、12b及び12cの各々の表面に互いに120°異なった方向に放射状に延伸する針状突起11aの縦列、針状突起11bの縦列及び針状突起11cの縦列が形成されてなる第1の構成部材、同様に、軸周部22a、22b及び22cの各々の表面に針状突起21aの縦列、針状突起21bの縦列及び針状突起21cの縦列が形成されてなる第2の構成部材、並びに軸周部32a、32b及び32cの各々の表面に針状突起31aの縦列、針状突起31bの縦列及び針状突起31cの縦列が形成されてなる第3の構成部材を軸領域において組み合わせることにより、9列の針状突起の縦列を有する構成とすることも可能である。また、3回転対称の構成部材を4個組み合わせて、12列の針状突起の縦列を有する構成とすることも可能である。
なお、回転対称の場合は、軸周部が互いに回転対称の位置にあれば、針状突起の縦列は必ずしも互いに回転対称の位置にある必要はなく、一部の軸周部に針状突起の縦列を有しない構成部材であってもよい。
但し、回転対称をなす位置に針状突起の縦列を有する構成部材を用いることが、組み立て作業性の点において好ましく、特に、2回転対称、即ち、互いに180°異なった2つの位置の各々に針状突起の縦列を有する構成部材を複数個組み立てる形が、射出成形の金型の構造を簡単にできる利点も加わるので更に好ましい。又、構成部材の数は、2〜10個とするのが、組み立ても簡単にできる点からは、好ましい。
針状突起の形状は、断面が円形、楕円形、三角形、四角形やその他の多角形等のいずれでも良い。又、先端まで同じ太さであっても、先端に向かって先細りであるなど、突起内で部分的に異なる太さであっても良く、見た目や触感を和らげる意味で先端は球形にしても良い。更に又、これらの形状に限らず、種々の形状を採ることができる。
構成部材は、全て同じ形状、材質、色彩とする必要はなく、化粧用ブラシとして要求される特性に応じて、構成部材毎に、または、幾つかの構成部材の組み合わせ毎に、材質や色彩、針状突起の形状を異にしてもよく、又は、一つの構成部材でも、場所によって針状突起の形状を異にしてもよい。
なお、図1〜8に示した例では、全ての針状突起が、断面が三角形で、先端に向かって先細りの形状となっている。
軸部の形状としては、円柱形、楕円柱形、多角柱形等のいずれであっても差し支えない。多角柱形の場合は、軸部の表面に形成される針状突起の縦列の数に対応する角数の多角柱形、例えば、図1〜8の例のように針状突起の縦列の数が8の場合は、八角柱形とするのが適当である。
又、図10に示すように、軸部が湾曲した態様であっても良い。(図10に示す態様は、軸部が湾曲している以外は図1に示した態様と同様であるので、図10では符号の記載を省略した。)この態様の化粧用ブラシは、硬い材質の樹脂で軸部の湾曲形状を対応する形状に成形した構成部材及び/又は柔らかい材質の樹脂で軸部の湾曲形状を対応する形状に成形した構成部材で組み立てることでも可能であるが、組み立てを容易にする為には、次のような方法が好ましい。尚、硬い材質の樹脂で成形した構成部材を「硬質構成部材」、柔らかい材質の樹脂で成形した構成部材を「軟質構成部材」、と各々略記することがある。
(1)1個の構成部材を湾曲形状に成形した硬質構成部材とし、残余の構成部材を直線形状に成形した柔質構成部材とし、硬質構成部材に軟質構成部材を、硬質構成部材の形状に追随させる形で変形させながら、順次挿入して、全体として湾曲した形状に組み立てる。なお、軟質構成部材の材質が数種類ある場合には、段階的に徐々に柔らかい材質となるように挿入する。
(2)1個の構成部材を湾曲形状に成形した硬質構成部材とし、残余の構成部材を直線形状に成形した柔質構成部材とし、先ず、柔質構成部材を順次挿入し、最後に、硬質構成部材を挿入して、柔質構成部材で形成した部分を、硬質構成部材の形状に追随させる形で変形させて、全体として湾曲した形状に組み立てる。なお、柔らかい材質が数種類ある場合には、軟質構成部材を組み立てる過程では、段階的に徐々に柔らかい材質となるように挿入する。
なお、上記(1)、(2)の方法において、挿入順序の基準となる構成部材の硬軟の程度は、構成部材の硬度を測定し、その数値により判断すればよい。
構成部材は熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を射出成形したものである。
熱可塑性樹脂としては、ニトリルゴム、ブチルゴム等の合成ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)等の熱可塑性エラストマー、ポリウレタン、HDPE・MDPE・LDPE・LLDPE等のポリエチレン(PE)、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、PET・PBT等のポリエステル樹脂、メタクリル酸エステル重合体等のアクリル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂等を使用することができ、熱硬化性樹脂としては、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン、アルキッド樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等を使用することができる。
これらの樹脂の中では、特に、組み立て作業性の観点からは、ポリオレフィン樹脂が望ましく、ブラシの良好な使用感の観点からは、熱可塑性エラストマーやポリアミド樹脂が好ましい。
本発明の化粧用ブラシを使用する化粧容器は、例えば、図11の平面図に示す如きものであり、容器本体Xと塗布具Yとからなり、塗布具Yは、キャップY1に本発明の化粧用ブラシBを、連結部13と直接に、又は適当な支持部材を介して固着して形成する。
塗布具Yは、キャップY1の内周面に設けられた雌ねじ(図示せず)と容器本体Xの上部開口端の外周面に設けられた雄ねじとで螺合することにより、容器本体Xに冠着させ得る形となっている。
本発明の、化粧用ブラシは、針状突起の形状、材質、色彩において、多様なバリエーションを生み出すことが可能であり、しかも成形金型を簡単で加工の容易な割型とすることが可能であり、また、射出成形が容易であるので、各種円筒状体、角筒状体、瓶体等の容器に入ったマスカラブラシ、アイブロウブラシや、ヘアブラシとして好適に用いられる。
マスカラブラシなどの微小の一体射出成形ブラシは、金型を複雑に加工しなければならない点やバリエーションを生み出しにくいといった課題が顕著であるが、本発明の化粧用ブラシはこれら微小の一体射出成形ブラシが有する課題を解決することができるため、特にマスカラブラシに用いられることが好ましい。
1、2、3、4:構成部材
11a、11b、11c、21a、21b、21c、31a、31b、31c、41a、41b:針状突起
12a、12b、12c、22a、22b、22c、32a、32b、32c、42a、42b:軸周部
13 :連結部
14、24、34、44:軸芯部
B:化粧用ブラシ
BC:軸部
X:容器本体
Y:塗布具
Y1:キャップ

Claims (6)

  1. 軸部の表面に、軸部の半径方向に延伸する針状突起が、軸部の軸方向に縦列状に多数配列されてなる化粧用ブラシであって、樹脂で射出成形された針状突起の縦列を有する2個以上の構成部材を軸領域において組み合わせて構成してなる化粧用ブラシ。
  2. 針状突起が軸部の半径方向に放射状に延伸するものである、請求項1に記載の化粧用ブラシ。
  3. 前記構成部材が各々同一又は異なった列数の針状突起の縦列を有し、かつ軸部の周方向に連続して配列されたものである、請求項1又は2に記載の化粧用ブラシ。
  4. 前記構成部材が、全構成部材を組み合わせた段階で軸部を形成する軸周部及び軸芯部並びに針状突起を有し、軸周部が互いに回転対称をなす2以上の位置にあり、かつ軸周部の少なくとも一つの表面に針状突起の縦列を有するものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化粧用ブラシ。
  5. 前記構成部材が、全構成部材を組み合わせた段階で軸部を形成する軸周部及び軸芯部並びに針状突起を有し、軸周部が互いに2回転対称をなす2つの位置にあり、かつ軸周部の少なくとも1つの表面に針状突起の縦列を有するものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化粧用ブラシ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の化粧用ブラシが設けられた化粧料容器。
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