JP2011239209A - 通信システム、中継局装置、受信局装置、および、それらの通信方法、プログラム - Google Patents

通信システム、中継局装置、受信局装置、および、それらの通信方法、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】鍵パケットを選択するための情報が付加することなく、ネットワーク符号化されたパケットを受信したノードにおいて、復号に使用する鍵パケットを正しく選択する。
【解決手段】送受信局10は送信パケットを送信済バッファに格納する。中継局20は受信パケットを送信先及び送信元に対応した転送バッファに格納し、各転送バッファが受信順に出力したパケットにネットワークコーディングの符号化を行なってNCパケットを生成し、ACK待機バッファに格納して送信する。NCパケット生成に使用したパケットは転送バッファから削除する。送受信局10は送信済バッファから送信順に出力されるパケットを用いてNCパケットを復号し、使用したパケットは送信済バッファから削除して削除待機バッファに格納する。中継局20は両送受信局10から応答を受信できない場合、NCパケットを再送し、送受信局10は削除待機バッファ内のパケットにより復号する。
【選択図】図5

Description

本発明は、ネットワークコーディングを用いた通信システム、中継局装置、受信局装置、および、それらの通信方法、プログラムに関する。
近年、マルチホップ通信のスループットの向上を目的とした、ネットワークコーディング(NC)技術が注目されている。ネットワークコーディング技術は、マルチホップ中継を行うネットワーク上の中継局において複数の情報系列を線形符号化することによって複数のマルチキャスト通信やユニキャスト通信を多重化した上で宛先ノードとなる複数の受信局に送信し、各受信局において復号操作を行う。これによって、ネットワークコーディングを用いない場合に比べてスループットの向上を図ることができる。
ネットワークコーディングを用いたマルチホップ無線ネットワークでは、無線通信の同報性とネットワークコーディングを活用することにより、スループットの向上を実現する。中継局の役割を果たすノードは、複数の送信局ノードから受信したパケットを線形符号によって符号化し、受信局に中継する。受信局は、他のノードから受信したパケットあるいは自身が保持しているパケットを用いて、符号化されたパケットを同様の線形符号によって復号し、元の情報を得ることができる。例えば、特許文献1には無線のネットワークコーディング技術が、非特許文献1には有線のネットワークコーディング技術が記載されている。
以下、あるパケットに対し、ネットワークコーディングの符号化を施すことをNC符号化と記載し、ネットワークコーディングにより符号化されたパケットを復号することをNC復号と記載する。
従来のネットワークコーディング技術を、最も簡単なマルチホップ通信のトポロジであるAlice & Bobトポロジを具体例として挙げて説明する。なお、NC符号化されたパケットをNCパケットと記載し、NC符号化されていないパケットをネイティブパケットと記載する。パケットとは、あるノードが持つビット情報のことである。また、NC符号化には、線形符号化の1例である排他的論理和(XOR)を用いるものとする。
図20は、ネットワークコーディングを用いたAlice & Bobトポロジにおける通信手順を示す図である。このトポロジでは両端の送受信局であるノードN1、N2が、互いに中継局であるノードRを介して双方向の通信を行う。各ノードの送信タイミングはタイムスロットにより区切られており、互いに干渉することはない。
ネットワークコーディングを用いたAlice & Bobトポロジの通信手順は、以下のようになる。
(1)時刻T1において、ノードN1(node-N1)がネイティブパケットであるパケットAをノードR(node-R)に送信する。ノードRはパケットAを受信する。
(2)時刻T2において、ノードN2(node-N2)がネイティブパケットであるパケットBをノードRに送信する。ノードRはパケットBを受信する。
(3)時刻T3において、ノードRがパケットAとパケットBに対してNC符号化を行い、NCパケットXを生成する。ノードRは、NCパケットXをノードN1およびノードN2に対して同報送信する。ノードN1は、自身が時刻T1において送信したパケットAと時刻T3において受信したNCパケットXとを用いてNC復号を行うことにより、パケットBを取得する。同様に、ノードN2においても、自身が時刻T2において送信したパケットBと時刻T3において受信したNCパケットXとを用いてNC復号を行うことにより、パケットAを取得する。NC復号には、NC符号化同様、パケット同士の排他的論理和が用いられる。
上記の手順において必要となるタイムスロット数は3である。一方、NC符号化を用いない場合、ノードRからノードN2へのパケットAの送信と、ノードRからノードN1へのパケットBの送信を別のタイムスロットにおいて行なう必要があるため、必要となるタイムスロット数は4となる。従って、NC符号化を用いない場合と用いた場合とを比較すると、NC符号化を適用することにより、ノードN1とノードN2が情報のやり取りを行うために消費するタイムスロット数が3/4になる。
また、NCパケットに対してNC復号処理を行う際に用いるパケットを鍵パケットと呼ぶ。図20に記載した手順の場合、ノードN1については、NCパケットXからパケットBを取得するために用いるパケットAが鍵パケットであり、ノードN2については、NCパケットXからパケットAを取得するために用いるパケットBが鍵パケットである。例えば、特許文献2では、中継局は、NCパケットの再送要求の有無に関わらず、自局の転送バッファ内に存在するパケット中からNCパケットを生成するためのパケットのペアを選択しており、NCパケットの生成に用いたパケットのIDをヘッダ情報としてペイロードに付加している。NCパケットを受信したノードでは、このIDを参照することによって、NC復号処理を行なうときに用いる鍵パケットを特定することができる。
特開2009−206778号公報
R.Ahlswede, S.Li, and R. Yeung, "Network information flow," IEEE Trans. Inf. Theory, vol.46, no.4, pp.1204-1216, Jul.2000 Sachin Katti, Hariharan Rahul, et al "XORs in The Air: Practical Wireless Network Coding," Proc. ACM SIGCOMM 2006, Pisa, Italy, Sep.2006, pp.243-254
ネットワークコーディング技術を用いた通信では、受信したNCパケットをNC復号するための鍵パケットを正しく選択しないと、ネイティブパケットを正しく得ることができない。そこで、上述したように従来は、NC符号化に用いたネイティブパケットのIDをNCパケットに付加して送信することにより、NCパケットを受信したノードにおいて鍵パケットを正しく選択できるようにしている。しかし、NCパケットに鍵パケットを選択可能とするための情報を付加すると、オーバーヘッドが大きくなってしまうため、システムスループットが劣化するという問題がある。加えて、全体のパケットサイズが大きくなってしまうため、伝送遅延が長大するという問題もある。また、現在の通信の標準規格には、鍵パケットを選択可能とするための情報を付加するフィールドは規定されていない。そのため、鍵パケットを選択可能とするための情報を付加してパケットを送信した場合、標準規格に準拠した通信システムと共存できない可能性がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、NCパケットに鍵パケットを選択するための情報を付加することなく、NCパケットを受信したノードにおいて正しく鍵パケットを選択し、NC復号を行うことができる通信システム、中継局装置、受信局装置、および、それらの通信方法、プログラムを提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、中継局装置と2台の受信局装置とを有する通信システムであって、前記受信局装置は、前記中継局装置に送信された他の前記受信局装置宛のパケットを格納し、格納している前記パケットを前記中継局への送信順に出力する送信済バッファ部と、前記中継局装置からネットワーク符号化されたパケットを受信する受信局受信部と、前記受信局受信部により受信した前記ネットワーク符号化されたパケットに対応して前記中継局装置に応答を返送する応答信号生成部と、前記受信局受信部により受信した前記ネットワーク符号化されたパケットが再送パケットではない場合、前記ネットワーク符号化されたパケットを前記送信済バッファ部から送信順に出力される前記パケットにより復号するネットワーク符号化復号部とを備え、前記中継局装置は、前記受信局装置宛の前記パケットを受信する中継局受信部と、送信先の前記受信局装置に対応して設けられ、前記中継局受信部により受信した前記パケットを格納し、格納している前記パケットを受信順に出力する2つの転送バッファ部と、前記中継局受信部により受信した前記パケットを、該パケットに付加された送信先または送信元の前記受信局装置のアドレスに基づいて前記2つの転送バッファ部の中から選択した前記転送バッファ部に格納する中継局判定制御部と、前記2つの転送バッファ部それぞれから受信順に出力された前記パケットをネットワーク符号化するネットワーク符号化部と、前記ネットワーク符号化部によりネットワーク符号化された前記パケットを前記受信局装置に送信する中継局送信部と、前記中継局送信部が送信した前記ネットワーク符号化されたパケットに対する応答をいずれかまたは両方の前記受信局装置から受信しなかった場合、前記ネットワーク符号化されたパケットを再送するよう前記中継局送信部に指示する再送制御部とを備える、ことを特徴とする通信システムである。
また、本発明は、上述する通信システムであって、前記受信局装置は、送信先の前記他の受信局装置のアドレス、または、送信元の自受信局装置のアドレスの少なくとも一方を付加したパケットを前記中継局装置に送信する受信局送信部をさらに備え、前記送信済バッファ部は、前記受信局送信部により送信された前記パケットを格納する、ことを特徴とする。
また、本発明は、上述する通信システムであって、前記受信局装置は、復号に使用した他の前記受信局装置宛のパケットを格納する削除待機バッファ部と、前記受信局受信部により受信した前記ネットワーク符号化されたパケットが再送パケットではない場合、記憶している前記パケットを送信順に出力するよう前記送信済バッファ部に指示するとともに、出力された前記パケットを前記送信済バッファ部から削除して前記削除待機バッファに格納し、前記ネットワーク符号化されたパケットが再送パケットである場合、記憶している前記パケットを出力するよう前記削除待機バッファ部に指示する受信局判定制御部とをさらに備え、前記ネットワーク符号化復号部は、前記受信局受信部により受信した前記ネットワーク符号化されたパケットを前記送信済バッファ部から送信順に出力される前記パケット、または、前記削除待機バッファ部から出力される前記パケットにより復号する、ことを特徴とする。
また、本発明は、上述する通信システムであって、前記受信局装置は、前記受信局受信部により受信したパケットが再送パケットである場合、受信した該再送パケットを破棄する受信局判定制御部をさらに備える、ことを特徴とする。
また、本発明は、上述する通信システムであって、前記中継局判定制御部は、前記2つの転送バッファ部のいずれかのみにパケットが格納されている場合、パケットが格納されている前記転送バッファ部から受信順に出力された前記パケットを前記中継局送信部により送信するよう制御し、前記再送制御部は、前記転送バッファ部から受信順に出力され、前記中継局送信部により送信された前記パケットに対する応答を、前記パケットの出力元の前記転送バッファ部に対応した送信先の前記受信局装置から受信しなかった場合、前記パケットを再送するよう前記中継局送信部に指示し、前記受信局判定制御部は、前記受信局受信部により受信したパケットが再送パケットではない場合、前記送信済バッファ部にパケットが格納されていないときには受信した前記パケットを出力し、受信した前記パケットが前記送信済バッファ部に格納されているときには、受信した前記パケットを前記送信済バッファ部から削除する、ことを特徴とする。
また、本発明は、上述する通信システムであって、前記受信局装置は、前記受信局受信部により受信したパケット、あるいは、受信した前記パケットに付加されたシーケンス番号を記憶する受信済バッファ部をさらに備え、前記受信局判定制御部は、受信した前記パケット、あるいは、受信した前記パケットに付加されたシーケンス番号と、前記受信済バッファ部に格納されている前記パケット、あるいは、前記シーケンス番号とを照合して再送であるか否かを判定するとともに、受信した前記パケット、あるいは、受信した前記パケットに付加されたシーケンス番号を前記受信済バッファ部に格納する、ことを特徴とする。
また、本発明は、上述する通信システムであって、前記中継局送信部は、前記パケットに前記2台の受信局装置のアドレス、及び、自中継局装置のアドレスを付加して送信し、前記受信局判定制御部は、前記受信局受信部により受信したパケットに自受信局装置のアドレス、他の受信局装置のアドレス、または、前記中継局装置のアドレスのうち1以上が設定されていない場合、他の通信システムから送信されたパケットの受信処理を行なうよう制御する、ことを特徴とする。
また、本発明は、中継局装置と2台の受信局装置とを有する通信システムにおける前記中継局装置であって、前記受信局装置宛のパケットを受信する中継局受信部と、送信先の前記受信局装置に対応して設けられ、前記中継局受信部により受信した前記パケットを格納し、格納している前記パケットを受信順に出力する2つの転送バッファ部と、前記中継局受信部により受信した前記パケットを、該パケットに付加された送信先または送信元の前記受信局装置のアドレスに基づいて前記2つの転送バッファ部の中から選択した前記転送バッファ部に格納する中継局判定制御部と、前記2つの転送バッファ部それぞれから受信順に出力された前記パケットをネットワーク符号化するネットワーク符号化部と、前記ネットワーク符号化部によりネットワーク符号化された前記パケットを前記受信局装置に送信する中継局送信部と、前記中継局送信部が送信した前記ネットワーク符号化されたパケットに対する応答をいずれかまたは両方の前記受信局装置から受信しなかった場合、前記ネットワーク符号化されたパケットを再送するよう前記中継局送信部に指示する再送制御部と、を備えることを特徴とする中継局装置である。
また、本発明は、中継局装置と2台の受信局装置とを有する通信システムにおける前記受信局装置であって、前記中継局装置に送信された他の前記受信局装置宛のパケットを格納し、格納している前記パケットを前記中継局への送信順に出力する送信済バッファ部と、前記中継局装置からネットワーク符号化されたパケットを受信する受信局受信部と、前記受信局受信部により受信した前記ネットワーク符号化されたパケットに対応して前記中継局装置に応答を返送する応答信号生成部と、前記受信局受信部により受信した前記ネットワーク符号化されたパケットが再送パケットではない場合、前記ネットワーク符号化されたパケットを前記送信済バッファ部から送信順に出力される前記パケットにより復号するネットワーク符号化復号部と、を備えることを特徴とする受信局装置である。
また、本発明は、中継局装置と2台の受信局装置とを有する通信システムに用いられる通信方法であって、受信局装置において、送信済バッファ部が、前記中継局装置に送信された他の前記受信局装置宛のパケットを格納する送信パケット格納過程と、前記中継局装置において、中継局受信部が、前記受信局装置宛の前記パケットを受信する中継局受信過程と、中継局判定制御部が、前記中継局受信過程において受信した前記パケットを、送信先の前記受信局装置に対応して設けられた2つの転送バッファ部の中から該パケットに付加された送信先または送信元のアドレスに基づいて選択した前記転送バッファ部に格納する受信パケット格納過程とを有する一方、前記中継局装置において、前記2つの転送バッファ部それぞれが、格納している前記パケットのうち最初に受信したパケットを出力するパケット出力過程と、ネットワーク符号化部が、前記パケット出力過程において前記2つの転送バッファ部それぞれから出力されたパケットをネットワーク符号化するネットワーク符号化過程と、中継局送信部が、前記ネットワーク符号化過程においてネットワーク符号化された前記パケットを前記受信局装置に送信する中継局送信過程と、前記受信局装置において、受信局受信部が、前記中継局装置から前記ネットワーク符号化されたパケットを受信する受信局受信過程と、前記送信済バッファ部が、格納している前記パケットのうち最初に送信された前記パケットを出力する鍵パケット出力過程と、応答信号生成部が、前記受信局受信過程において受信した前記ネットワーク符号化されたパケットに対応して前記中継局装置に応答を返送する応答信号返送過程と、ネットワーク符号化復号部が、前記受信局受信過程において受信した前記ネットワーク符号化されたパケットが再送パケットではない場合、前記ネットワーク符号化されたパケットを、前記鍵パケット出力過程において前記送信済バッファ部から出力された前記パケットにより復号するネットワーク符号化復号過程と、前記中継局装置において、再送制御部が、前記中継局送信過程において送信した前記ネットワーク符号化されたパケットに対する応答をいずれかまたは両方の前記受信局装置から受信しなかった場合、前記ネットワーク符号化されたパケットを前記受信局装置に再送する再送制御過程と、を有することを特徴とする通信方法である。
また、本発明は、中継局装置と2台の受信局装置とを有する通信システムにおける前記中継局装置に用いられる通信方法であって、中継局受信部が、前記受信局装置宛のパケットを受信する中継局受信過程と、中継局判定制御部が、前記中継局受信過程において受信した前記パケットを、送信先の前記受信局装置に対応して設けられた2つの転送バッファ部の中から該パケットに付加された送信先または送信元のアドレスに基づいて選択した前記転送バッファ部に格納する受信パケット格納過程とを有する一方、前記2つの転送バッファ部それぞれが、格納している前記パケットのうち最初に受信したパケットを出力するパケット出力過程と、ネットワーク符号化部が、前記パケット出力過程において前記2つの転送バッファ部それぞれから出力されたパケットをネットワーク符号化するネットワーク符号化過程と、中継局送信部が、前記ネットワーク符号化過程においてネットワーク符号化された前記パケットを前記受信局装置に送信する中継局送信過程と、再送制御部が、前記中継局送信過程において送信した前記ネットワーク符号化されたパケットに対する応答をいずれかまたは両方の前記受信局装置から受信しなかった場合、前記ネットワーク符号化されたパケットを前記受信局装置に再送する再送制御過程と、を有することを特徴とする通信方法である。
また、本発明は、中継局装置と2台の受信局装置とを有する通信システムにおける前記受信局装置に用いられる通信方法であって、送信済バッファ部が、前記中継局装置に送信された他の前記受信局装置宛のパケットを格納する送信パケット格納過程を有する一方、受信局受信部が、前記中継局装置から前記ネットワーク符号化されたパケットを受信する受信局受信過程と、前記送信済バッファ部が、格納している前記パケットのうち最初に送信された前記パケットを出力する鍵パケット出力過程と、応答信号生成部が、前記受信局受信過程において受信した前記ネットワーク符号化されたパケットに対応して前記中継局装置に応答を返送する応答信号返送過程と、ネットワーク符号化復号部が、前記受信局受信過程において受信した前記ネットワーク符号化されたパケットが再送パケットではない場合、前記ネットワーク符号化されたパケットを前記送信済バッファ部から出力された前記パケットにより復号するネットワーク符号化復号過程と、を有することを特徴とする通信方法である。
また、本発明は、中継局装置と2台の受信局装置とを有する通信システムにおける前記中継局装置に用いられるコンピュータを、前記受信局装置宛のパケットを受信する中継局受信部、送信先の前記受信局装置に対応して設けられ、前記中継局受信部により受信した前記パケットを格納し、格納している前記パケットを受信順に出力する2つの転送バッファ部、前記中継局受信部により受信した前記パケットを、該パケットに付加された送信先または送信元の前記受信局装置のアドレスに基づいて前記2つの転送バッファ部の中から選択した前記転送バッファ部に格納する中継局判定制御部、前記2つの転送バッファ部それぞれから受信順に出力された前記パケットをネットワーク符号化するネットワーク符号化部、前記ネットワーク符号化部によりネットワーク符号化された前記パケットを前記受信局装置に送信する中継局送信部、前記中継局送信部が送信した前記ネットワーク符号化されたパケットに対する応答をいずれかまたは両方の前記受信局装置から受信しなかった場合、前記ネットワーク符号化されたパケットを再送するよう前記中継局送信部に指示する再送制御部、として機能させることを特徴とするプログラムである。
また、本発明は、中継局装置と2台の受信局装置とを有する通信システムにおける前記受信局装置に用いられるコンピュータを、前記中継局装置に送信された他の前記受信局装置宛のパケットを格納し、格納している前記パケットを前記中継局への送信順に出力する送信済バッファ部、前記中継局装置からネットワーク符号化されたパケットを受信する受信局受信部、前記受信局受信部により受信した前記ネットワーク符号化されたパケットに対応して前記中継局装置に応答を返送する応答信号生成部、前記受信局受信部により受信した前記ネットワーク符号化されたパケットが再送パケットではない場合、前記ネットワーク符号化されたパケットを前記送信済バッファ部から送信順に出力される前記パケットにより復号するネットワーク符号化復号部、として機能させることを特徴とするプログラムである。
本発明によれば、ネットワークコーディングを用いた通信システムにおいて、中継局装置は、NCパケットに鍵パケットを選択するための情報を付加することなくNCパケットを送信し、パケットが再送された場合であっても、NCパケットを受信した受信局装置において正しく鍵パケットを選択し、NC復号を行うことができる。従って、鍵パケットの選択に用いる追加情報をNCパケットに付加することによって発生するスループット劣化や、伝送遅延の長大を防ぐことができる。また、NCパケットに追加情報を付加する必要がないため、既存の標準規格をそのまま適用することが可能である。よって、NC符号化されていないパケットの受信も可能であり、ネットワークコーディングを適用していない既存の通信システムと共存することができる。加えて、正常にNC復号されなかったパケットが上位レイヤ等に出力されることがないため、通信システムの信頼性が向上する。
また、受信局装置は、受信したパケットまたはその受信したパケットのシーケンス番号を、以前に受信したパケットまたはそのパケットのシーケンス番号と照合することによって再送パケットであるか否かを判断し、さらには、パケットの通信において一般的に付加されるアドレス情報や、自局が備える送信済バッファ内のパケット蓄積状況によって、受信したパケットがNCパケットであるか、自装置宛のネイティブパケットであるか、自装置が送信したパケットであるか、他通信システムのノードから送信されたパケットであるかを簡易に判断し、適切な受信処理を行なうことができる。
本発明の第1の実施形態による通信システムの全体構成図である。 同実施形態による通信システムに用いられる無線フレームを示す図である。 同実施形態による通信システムの動作概要を示す図である。 同実施形態による通信システムの動作概要を示す図である。 同実施形態による通信システムの動作概要を示す図である。 同実施形態による通信システムの動作概要を示す図である。 同実施形態による通信システムの動作概要を示す図である。 同実施形態による送受信局の構成例を示すブロック図である。 同実施形態による中継局の構成例を示すブロック図である。 同実施形態による送受信局の送信処理フローを示す図である。 同実施形態による中継局の受信処理フローを示す図である。 同実施形態による中継局の送信処理フローを示す図である。 同実施形態による送受信局の受信処理フローを示す図である。 同実施形態による送受信局の判定処理フローを示す図である。 第2の実施形態による通信システムの動作概要を示す図である。 同実施形態による通信システムの動作概要を示す図である。 同実施形態による送受信局の構成例を示すブロック図である。 同実施形態による送受信局の受信処理フローを示す図である。 同実施形態による送受信局の判定処理フローを示す図である。 従来技術によるネットワークコーディングを用いた通信手順を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態による通信システムの全体構成図である。同図に示すように、本実施形態の通信システムは、ネットワークコーディング(以下、「NC」とも記載)技術を用いた2ホップ無線中継システムであり、2台の送受信局10と、中継局20とからなる。以下、2台の送受信局10をそれぞれ、送受信局10a、10bと記載する。同図に示す通信システムにおいて、受信局装置と送信局装置を兼ねた送受信局10a、10bは、中継局装置である中継局20を介して双方向の通信を行う。送受信局10a、10b、及び、中継局20は、CSMA/CA(carrier sense multiple access / collision avoidance)によって動作し、キャリアセンスは理想的に機能するものとする。そのため、送受信局10a、10b、及び、中継局20それぞれの送信タイミングはタイムスロットにより区切られ、互いに干渉することがないものとする。システム全体におけるn番目の送信タイミングを時刻Tnと表す。また、送受信局10a、10bは、受信した無線信号を送信先等に関わらず必ず復調するプロミスキャスモードで動作する。送受信局10a、10b、及び、中継局20間において送受信されるパケットは、誤り検出符号化が施されており、受信局において、受信パケットの復調結果に対するビット誤りの検出が可能であるものとする。送受信局10a、10b、及び、中継局20がパケットを受信したと判断する基準は、復調されたそれぞれの受信パケットに対する誤り検出結果が「誤りなし」と判定された場合とする。
図2は、本実施形態による通信システムにおいてパケットの送受信に用いられる無線フレームを示す図である。本実施形態の通信システムでは、標準(IEEE802.11)に準拠したMAC(Medium Access Control)フレームが用いられる。同図に示すように、MACフレームは、送信先アドレス、送信元アドレス、中継アドレスが設定される3つの各アドレスフィールド(Address 1、Address 2、Address 3)や、シーケンス番号等が設定されるフィールドであるシーケンスコントロール(Sequence control)、パケットが設定されるフィールドであるペイロード(payload)を含む。再送によって同じパケットが複数回送信される場合、その同じパケットをペイロードに含む無線信号のシーケンスコントロールには同一のシーケンス番号が設定される。ペイロード(payload)には、ネットワークコーディングの符号化が施されたパケットであるNCパケットや、ネットワークコーディングの符号化が施されていないパケットであるネイティブパケットが設定される。以下、ネットワークコーディングの符号化を施すことを「NC符号化」と記載し、ネットワークコーディングにより符号化されたパケットを復号することを「NC復号」と記載する。また、NCパケットをNC復号するために必要となるパケットを「鍵パケット」と記載する。
送受信局10から他の送受信局10宛のパケットを中継局20へ送信する場合、Address 1には中継局20のアドレスが設定され、Address 2にはパケットの送信元である送受信局10のアドレスが設定され、Address 3には最終的な宛先となる送受信局10のアドレスが設定される。
中継局20から送受信局10へ中継パケットを送信する場合、ペイロードに設定される中継パケットがNCパケットか、ネイティブパケットかに関わらず、Address 2には中継局20のアドレスが設定される。そして、中継パケットがNCパケットである場合、Address 1にはいずれかの送受信局10のアドレスが設定され、Address 3には他方の送受信局10のアドレスが設定される。中継パケットがネイティブパケットである場合、Address 1にはパケットの最終的な宛先となる送受信局10のアドレスが、Address 3にはパケットの送信元である送受信局10のアドレスが設定される。
図3〜図7は、本実施形態の通信システムの動作概要を示す図である。
送受信局10は、送信済バッファ及び削除待機バッファを備えている。送信済バッファは、中継局20に送信したパケットを送信順に格納する。削除待機バッファは、NCパケットが再送される可能性がある間、送信済バッファからNC復号の鍵パケットとして読み出されたパケットを格納する。また、中継局20は、転送バッファ及びACK待機バッファを備えている。転送バッファには、送受信局10aから送受信局10b宛のパケットを受信順に格納する第1転送バッファと、送受信局10bから送受信局10a宛のパケットを受信順に格納する第2転送バッファがある。ACK待機バッファは、送信したNCパケットを、該NCパケットが正常に受信されたことを通知する応答(ACK)を両送受信局10から受信するまで格納する。図3及び図4においては、削除待機バッファ及びACK待機バッファは省略している。
図3及び図4は、送受信局10a、10bから中継局20へのパケット送信の動作概要を示す図である。
図3において、時刻T1に、送受信局10aが送信機会を得ると、送受信局10b宛のネイティブパケットであるパケットα1を中継局20に送信するとともに、送信済バッファに格納する。中継局20は、受信したパケットα1を第1転送バッファに格納すると、送受信局10aにパケットを正常に受信したことを通知する応答信号であるACKを返送する。送受信局10は、送信パケットに対するACKを受信できなかった場合、ACKが返送されるまで中継局20にパケットα1を再送する。
続いて、時刻T2に、送受信局10aが送信機会を得ると、送受信局10b宛のネイティブパケットであるパケットα2を中継局20に送信する。送受信局10aは、パケットα2がパケットα1の後の順序となるように送信済バッファに格納し、中継局20は、受信したパケットα2がパケットα1の後の順序となるように第1転送バッファに格納する。中継局20は、送受信局10aにACKを返送する。
図4において、時刻T3に、送受信局10bが送信機会を得ると、送受信局10a宛のネイティブパケットであるパケットβ1を中継局20に送信するとともに、送信済バッファに格納する。中継局20は、受信したパケットβ1を第2転送バッファに格納すると、送受信局10bにACKを返送する。
さらに、時刻T4には、送受信局10aが送受信局10b宛のネイティブパケットであるパケットα3を中継局20に送信し、送受信局10aの送信済バッファ、及び、中継局20の第1転送バッファには、パケットα3がパケットα2の後の順序となるように格納され、中継局20からはACKが返送される。また、時刻T5には、送受信局10bが送受信局10a宛のネイティブパケットであるパケットβ2を中継局20に送信し、送受信局10bの送信済バッファ、及び、中継局20の第2転送バッファには、パケットβ2がパケットβ1の後の順序となるように格納され、中継局20からはACKが返送される。
図5及び図6は、中継局20からのNCパケット送信の動作概要を示す図であり、送受信局10から正常に応答を受信したときの動作を示す。
図5において、時刻T6に中継局20が送信機会を得ると、第1転送バッファに格納されているパケットの中で最初に格納されたパケットα1と、第2転送バッファに格納されているパケットの中で最初に格納されたパケットβ1とを用いてNC符号化を行い、NCパケットχ1を生成する。例えば、NC符号化には、パケット同士のビット毎の排他的論理和を用いる。中継局20は、NCパケットχ1をACK待機バッファに格納し、送受信局10a及び10bに同報送信する。中継局20は、NC符号化に用いたパケットα1、パケットβ1をそれぞれ第1転送バッファ、第2転送バッファから削除する。
送受信局10aは、送信済バッファに格納されている中で最初に格納されたパケットα1を鍵パケットとして用いて中継局20から受信したNCパケットχ1のNC復号を行い、パケットβ1を取得する。送受信局10aは、NC復号に用いた鍵パケットであるパケットα1を送信済バッファから削除し、削除待機バッファにパケットα1を格納すると、中継局20にACKを返送する。
同様に、送受信局10bは、送信済バッファに格納されている中で最初に格納されたパケットβ1を鍵パケットとして用いて中継局20から受信したNCパケットχ1のNC復号を行い、パケットα1を取得する。送受信局10bは、NC復号に用いた鍵パケットであるパケットβ1を送信済バッファから削除し、削除待機バッファにパケットβ1を格納すると、中継局20にACKを返送する。
なお、NC復号には、NC符号化同様、パケット同士のビット毎の排他的論理和が用いられる。
中継局20は、送受信局10a及び10bからACKを受信すると、ACK待機バッファに格納しているNCパケットχ1を削除する。
図6において、時刻T7に中継局20が送信機会を得ると、第1転送バッファに格納されているパケットの中で最初に格納されたパケットα2と、第2転送バッファに格納されているパケットの中で最初に格納されたパケットβ2とを用いてNC符号化を行い、NCパケットχ2を生成する。中継局20は、NCパケットχ2をACK待機バッファに格納し、送受信局10a及び10bに同報送信する。中継局20は、パケットα2、パケットβ2をそれぞれ第1転送バッファ、第2転送バッファから削除する。
送受信局10aは、中継局20から受信したNCパケットχ2が再送パケットではないと判断し、削除待機バッファからパケットα1を削除する。送受信局10aは、送信済バッファに格納されている中で最初に格納されたパケットα2を鍵パケットとして用いてNCパケットχ2のNC復号を行い、パケットβ2を取得する。送受信局10aは、パケットα2を送信済バッファから削除し、削除待機バッファに格納すると、中継局20にACKを返送する。
同様に、送受信局10bは、中継局20から受信したNCパケットχ2が再送パケットではないと判断し、削除待機バッファからパケットβ1を削除する。送受信局10bは、送信済バッファに格納されている中で最初に格納されたパケットβ2を鍵パケットとして用いてNCパケットχ2のNC復号を行い、パケットα2を取得する。送受信局10aは、パケットβ2を送信済バッファから削除し、削除待機バッファに格納すると、中継局20にACKを返送する。
中継局20は、送受信局10a及び10bからACKを受信すると、ACK待機バッファに格納しているNCパケットχ2を削除する。
図7は、中継局20からのNCパケット再送時の動作概要を示す図である。
同図においては、図5において送受信局10a、10bから送信されたいずれかのACKまたは両ACKを中継局20が受信できなかった場合の動作概要を示している。中継局20は、NCパケットχ1を送信した後、所定時間内に送受信局10a、10bからのACKのうち少なくとも一方を受信できなかった場合、次の送信機会を得たときに、あるいは、時刻T7までの間に、ACK待機バッファに格納されているNCパケットχ1を読み出して送受信局10a及び10bに同報送信する。
送受信局10aは、中継局20から受信したNCパケットχ1が再送パケットであると判断し、削除待機バッファに格納されているパケットα1を鍵パケットとして用いて、再送されたNCパケットχ1のNC復号を行い、パケットβ1を取得すると、中継局20にACKを返送する。
同様に、送受信局10bは、中継局20から受信したNCパケットχ1が再送パケットであると判断し、削除待機バッファに格納されているパケットβ1を鍵パケットとして用いて、再送されたNCパケットχ1のNC復号を行い、パケットα1を取得すると、中継局20にACKを返送する。
中継局20は、NCパケットχ1を再送した後、所定時間内に送受信局10a、10bからのACKの少なくとも一方を受信できなかった場合、再び、ACK待機バッファに格納されているNCパケットχ1を読み出して送受信局10a及び10bに同報送信する処理を繰り返す。中継局20が、送受信局10a及び10bからACKを受信した場合、ACK待機バッファに格納しているNCパケットχ1を削除し、図6の処理を行なう。
上記のように、中継局20は、送受信局10から受信したパケットを送信先及び送信元の組み合わせに対応した転送バッファに受信順に格納し、送信機会を得たときには、ぞれぞれの転送バッファから受信順にパケットを取得してNC符号化を行ない、NCパケットを生成する。中継局20はNC符号化に用いたパケットを転送バッファから削除し、送信したNCパケットをACK待機バッファへ格納する。中継局20は、両送受信局10からACKを受信した場合、ACK待機バッファからNCパケットを削除し、いずれかの送受信局10からACKを受信しなかった場合には、ACK待機バッファに格納されているNCパケットを再送する。
そして、送受信局10は、送信したパケットを送信済バッファに送信順に格納し、中継局20から再送ではないNCパケットを受信したときには、送信済バッファから送信順に出力されるパケットを鍵パケットとしてNC復号を行ない、所望のパケットを取得する。送受信局10は、NC復号に鍵パケットとして用いたパケットを削除し、削除待機バッファに格納すると、中継局20に応答を返送する。送受信局10が、再送のNCパケットを受信したときには、削除待機バッファに格納されているパケットを鍵パケットとしてNC復号を行ない、所望のパケットを取得すると、中継局20に応答を返送する。
なお、時刻T6において、中継局20が送信したNCパケットχ1を送受信局10aでは受信できず、送受信局10bでは受信できた場合、送受信局10bのみが図5に示す処理を行なう。中継局20は、送受信局10aからのACKを受信できないため、NCパケットχ1を再送する。この場合、送受信局10aは、受信したNCパケットχ1は再送ではないとして図5に示す時刻T6の処理と同様の処理行い、送受信局10bは、図7に示す再送時の処理を行なう。
上記処理により、中継局20は、NCパケットに鍵パケットを特定する情報を付加することなく送信し、また、再送が発生した場合でも、送受信局10は、適切な鍵パケットを用いて受信したNCパケットを正常にNC復号することができる。上記のように、送受信局10a、10bは中継局20から受信したNCパケットχ1をそれぞれパケットα1、β1を用いて正常にNC復号してACKを返送したが、一方のACKが中継局20に送達しなかった場合、中継局20はNCパケットχ1を再送する。仮に、送受信局10a、10bにおいて、ACKを返送したNCパケットが再送されることを想定していないと、すでに鍵パケットとして用いたパケットα1、β1を転送バッファから削除してしまっているため、次のパケットα2、β2を鍵パケットとして用い、再送されたNCパケットχ1をNC復号してしまう。これによって、送受信局10の送信済バッファの格納内容と、中継局20の転送バッファの格納内容とに同期外れが発生し、送受信局10は正常にNCパケットをNC復号できなくなってしまう。本実施形態は、このような同期外れを防止し、再送が発生したときでも、正常に鍵パケットを選択可能とする。
なお、中継局20は、送信機会を得たときに、第1転送バッファ、第2転送バッファのいずれかのみにパケットが格納されている場合、パケットが格納されている転送バッファから受信順にパケットを読み出し、NC符号化を行なわずに送信する。送信したパケットは、転送バッファから削除され、ACK待機バッファに格納される。中継局20は、送信したパケットの宛先となる送受信局10から所定時間内にACKを受信しなかった場合、ACK待機バッファに格納されているパケットを再送し、ACKを受信した場合、ACK待機バッファに格納されているパケットを削除する。
送受信局10は、中継局20から自局宛のネイティブパケットを受信した場合、NC復号は行なわず、中継局20にACKを返送する。
また、送受信局10は、中継局20から再送ではない自送信パケットを受信した場合、この自送信パケットが宛先の送受信局10に送信されたものとして、この受信した自送信パケットを送信済バッファから削除する。また、送受信局10は、中継局20から再送の自送信パケットを受信した場合、すでに送信済バッファから自送信パケットを削除しているため、そのまま処理を終了する。
図8は、本実施形態による送受信局10の構成を示すブロック図である。送受信局10は、判定制御部101、再送待機バッファ回路102、第1入力切替回路103、無線送受信部104、送信済バッファ回路105、受信済バッファ回路106、出力切替回路107、第2入力切替回路108、削除待機バッファ回路109、NC復号回路110、第3入力切替回路111、及び、ACK信号生成回路112を含んで構成される。
判定制御部101は、受信した無線信号に含まれる受信パケットが再送パケットであるか否か、また、受信パケットがNCパケットであるか、自局宛のネイティブパケットであるか、自局が送信したパケットであるか等のパケットの種類を判定し、これらの判定結果に基づいて、受信済バッファ回路106への受信パケットまたはシーケンス番号と、パケットの種類の格納指示、出力切替回路107、第2入力切替回路108、第3入力切替回路111の切替指示、送信済バッファ回路105、削除待機バッファ回路109に格納されているパケットの出力指示や削除指示を行なう。さらに、判定制御部101は、ACK信号生成回路112へのACKの送信指示や、第1入力切替回路103への切替指示を行なう。
無線送受信部104は、無線信号の送受信を行なう。具体的には、送信対象のパケットを変調し、無線信号としてアンテナから送信したり、アンテナにより受信した無線信号を復調したりする。変調には、送信対象のパケットに対する誤り検出符号化処理が、復調には、受信したパケットに対する誤り検出処理が含まれる。無線送受信部104は、受信したパケットに対する誤り検出処理において「誤りなし」と判定した場合に、信号を受信したと判断する。再送待機バッファ回路102は、送信したパケットをACKが返送されるまで一時的に格納する。送信済バッファ回路105は、送信したパケットを送信順に格納し、判定制御部101からの指示により、格納しているパケットを送信順に出力したり、削除したりする。受信済バッファ回路106は、受信したパケット、または、受信したパケットに付加されているシーケンス番号と、受信したパケットの種類を格納する。NC復号回路110は、送信済バッファ回路105または削除待機バッファ回路109から出力されたパケットを鍵パケットとして、受信したNCパケットのNC復号を行なう。削除待機バッファ回路109は、NC復号回路110によって鍵パケットとして使用されたパケットを、新たなNCパケットを受信するまで一時的に格納する。ACK信号生成回路112は、受信パケットに対するACKを生成し、出力する。
第1入力切替回路103は、パケットの入力元を上位レイヤからの入力、再送待機バッファ回路102またはACK信号生成回路112に切り替える。出力切替回路107は、無線送受信部104が無線信号から得たパケットの出力先を、NC復号回路110または第3入力切替回路111に切り替える。第2入力切替回路108は、NC復号回路110へのパケットの入力元を送信済バッファ回路105または削除待機バッファ回路109に切り替える。第3入力切替回路111は、パケットの入力元を出力切替回路107またはNC復号回路110に切り替える。
図9は、本実施形態による中継局20の構成を示すブロック図である。中継局20は、無線送受信部201、判定制御部202、出力切替回路203、第1転送バッファ回路204−1、第2転送バッファ回路204−2、NC符号化回路205、ACK信号生成回路206、第1入力切替回路207、待機バッファ回路208、第2入力切替回路209、及び、第3入力切替回路210を含んで構成される。第1転送バッファ回路204−1、第2転送バッファ回路204−2、NC符号化回路205、及び、第2入力切替回路209により、中継パケットの出力回路が構成される。
判定制御部202は、受信したパケットを第1転送バッファ回路204−1または第2転送バッファ回路204−2のいずれに格納すべきか判断し、出力切替回路203の切替指示を行なうともに、ACK信号生成回路206に第1入力切替回路207の切替指示、ACKの送信指示を行なう。また、判定制御部202は、送信機会を得たときに第1転送バッファ回路204−1及び第2転送バッファ回路204−2のパケット格納状態からNCパケットを送信するかネイティブパケットを送信するかを判断し、判断結果に従って、第2入力切替回路209の切替指示を行なうとともに、第1転送バッファ回路204−1、第2転送バッファ回路204−2のいずれかまたは両方に、格納されているパケットの出力指示を行なう。また、判定制御部202は、送信したパケットに対するACKの受信有無に従って、待機バッファ回路208へのパケットの削除指示や、待機バッファ回路208に格納されているパケットの再送指示を行なう。
無線送受信部201は、送受信局10の無線送受信部104と同様の機能を有する。第1転送バッファ回路204−1及び第2転送バッファ回路204−2はそれぞれ、送信先及び送信元の組み合わせに対応しており、自バッファ回路に対応する送信先及び送信元の組み合わせのパケットを受信順に格納し、判定制御部202からの指示により、格納しているパケットを受信順に出力したり、削除したりする。NC符号化回路205は、第1転送バッファ回路204−1及び第2転送バッファ回路204−2それぞれから出力されたパケットを用いてNC符号化を行い、NCパケットを生成する。待機バッファ回路208は、送信パケットを格納する。ACK信号生成回路206は、受信パケットに対するACKを生成し、出力する。
出力切替回路203は、無線送受信部201から入力されたパケットの出力先を、第1転送バッファ回路204−1または第2転送バッファ回路204−2に切り替える。第1入力切替回路207は、パケットの入力元をACK信号生成回路206または第3入力切替回路210に切り替える。第2入力切替回路209は、パケットの入力元を第1転送バッファ回路204−1、第2転送バッファ回路204−2、または、NC符号化回路205に切り替える。第3入力切替回路210は、パケットの入力元を待機バッファ回路208または第2入力切替回路209に切り替える。
なお、送受信局10の再送待機バッファ回路102、送信済バッファ回路105、受信済バッファ回路106、削除待機バッファ回路109からのパケットの削除、中継局20の第1転送バッファ回路204−1、第2転送バッファ回路204−2、待機バッファ回路208からのパケットの削除は、メモリに記憶されているパケットの内容を消去する物理的な削除でもよく、格納されているパケットに削除を示す情報を付加する等の論理的な削除でもよい。
図10は、送受信局10における送信処理フローを示す図である。送受信局10が送信機会を得たときに、上位レイヤ等から送信対象のパケットが入力されると(ステップS105)、判定制御部101は、第1入力切替回路103の入力元を上位レイヤからの入力に切り替える。上位レイヤから入力されたパケットは、再送待機バッファ回路102に格納されるとともに、第1入力切替回路103を介して無線送受信部104に出力される。無線送受信部104は、入力されたパケットを変調し、変調したパケットを図2に示す無線フレームを用いて無線信号により中継局20に送信する(ステップS110)。
判定制御部101は、ステップS110において送信したパケットに対する応答(ACK)を送信から所定時間内に受信しなかったことを検出した場合(ステップS115:無)、第1入力切替回路103の入力元を再送待機バッファ回路102に切り替えるとともに、再送待機バッファ回路102にパケットの出力を指示する。再送待機バッファ回路102が格納していたパケットは第1入力切替回路103を介して無線送受信部104に出力され、無線送受信部104は、入力されたパケットを変調し、図2に示す無線フレームを用いて無線信号により中継局20に送信する(ステップS120)。これにより、ステップS110において送信した信号が再送される。
判定制御部101は、ステップS120において送信した再送パケットに対する応答(ACK)を送信から所定時間内に受信しなかったことを検出した場合(ステップS115:無)、再び、ステップS120の処理を行なう。
ステップS115において、判定制御部101は、無線送受信部104がステップS110において送信したパケットに対する応答、あるいは、ステップS120において送信した再送パケットに対する応答を中継局20から受信したことを検出した場合(ステップS115:有)、再送待機バッファ回路102に格納されている送信パケットを送信済バッファ回路105に格納し、再送待機バッファ回路102から格納していたパケットを削除する(ステップS125)。
図11は、中継局20における受信処理フローを示す図である。中継局20の無線送受信部201は、送受信局10から無線信号を受信すると、受信した無線信号を復調する(ステップS205)。判定制御部202は、復調した無線信号の無線フレームから送信先及び送信元の送受信局10のアドレスをそれぞれAddress 3及びAddress 2から読み出し、格納先が第1転送バッファ回路204−1であるか、第2転送バッファ回路204−2であるかを判断する(ステップS210)。なお、送信元の送受信局10のアドレスのみ、あるいは、送信先の送受信局10のアドレスのみにより、格納先の転送バッファを決定してもよい。
判定制御部202は、出力切替回路203の出力先を、格納先と判断した第1転送バッファ回路204−1または第2転送バッファ回路204−2に切り替える。無線送受信部201は、復調した無線信号から抽出したパケットを出力切替回路203に出力し、出力切替回路203からパケットが入力された第1転送バッファ回路204−1または第2転送バッファ回路204−2は、自転送バッファ回路内においてこの入力されたパケットを受信順に格納する(ステップS215)。
判定制御部202は、ACK信号生成回路206に、第1入力切替回路207の切替とACKの送信を指示する。ACK信号生成回路206は、第1入力切替回路207の入力元をACK信号生成回路206に切り替え、ACK信号を生成して出力する。ACK信号生成回路206から出力されたACK信号は、第1入力切替回路207を介して無線送受信部201に入力され、無線送受信部201は入力されたACK信号を変調し、無線信号によりパケット送信元の送受信局10に送信する(ステップS220)。
図12は、中継局20における送信処理フローを示す図である。中継局20が送信機会を得ると、判定制御部202は、第1転送バッファ回路204−1及び第2転送バッファ回路204−2にパケットが格納されているかを判断する(ステップS305)。第1転送バッファ回路204−1及び第2転送バッファ回路204−2の両方にパケットが格納されていると判断した場合(ステップS305:両転送バッファにあり)、判定制御部202は、NCパケットの送信を行なうため、第2入力切替回路209の入力元をNC符号化回路205に切り替え、第3入力切替回路210の入力元を第2入力切替回路209に切り替え、第1入力切替回路207の入力元を第3入力切替回路210に切り替える。さらに、判定制御部202は、第1転送バッファ回路204−1及び第2転送バッファ回路204−2に、パケットの出力と、出力後の該パケットの削除を指示する。第1転送バッファ回路204−1及び第2転送バッファ回路204−2はそれぞれ、格納しているパケットの中で最初に格納したパケットを1つ出力すると(ステップS310)、この出力したパケットを削除する(ステップS315)。
NC符号化回路205は、第1転送バッファ回路204−1及び第2転送バッファ回路204−2それぞれから入力されたパケット、つまり、送信先及び送信元の組が異なる2つのパケットを用いてNC符号化を行い、生成されたNCパケットを出力する(ステップS320)。NC符号化回路205から出力されたNCパケットは、第2入力切替回路209を介して出力され、待機バッファ回路208に格納されるとともに(ステップS325)、第3入力切替回路210及び第1入力切替回路207を介して無線送受信部201へ入力される。無線送受信部201は、入力されたNCパケットを変調し、変調したNCパケットを図2に示す無線フレームを用いた無線信号により両送受信局10に送信する(ステップS330)。無線フレームのAddress 1には一方の送受信局10のアドレスが、Address 3には他方の送受信局10のアドレスが、Address 2には中継局20のアドレスが設定される。
判定制御部202は、ステップS330において送信したNCパケットに対する応答(ACK)を、該NCパケットの送信より所定時間内に一方または両方の送受信局10から受信しなかったことを検出した場合(ステップS335:無)、第3入力切替回路210の入力元を待機バッファ回路208に、第1入力切替回路207の入力元を第3入力切替回路210に切り替えるとともに、待機バッファ回路208へパケットの出力を指示する。待機バッファ回路208に格納されているNCパケットは、第3入力切替回路210及び第1入力切替回路207を介して無線送受信部201に出力され、無線送受信部201は、入力されたNCパケットを変調し、無線フレームを用いて無線信号により両送受信局10に送信する(ステップS340)。これにより、ステップS330において送信したNCパケットが再送される。判定制御部202は、ステップS340において再送したNCパケットに対する応答(ACK)を、NCパケットの再送より所定時間内に一方または両方の送受信局10から受信しなかったことを検出した場合(ステップS345:無)、再びステップS340からの処理を行なう。
判定制御部202は、ステップS330において送信したNCパケットに対する応答を両送受信局10から受信したことを検出した場合(ステップS335:有)、あるいは、ステップS340において再送したNCパケットに対する応答を両送受信局10から受信したことを検出した場合(ステップS345:有)、待機バッファ回路208からNCパケットを削除する(ステップS350)。
ステップS305において、第1転送バッファ回路204−1にパケットが格納さており、第2転送バッファ回路204−2にパケットが格納されていないと判断した場合(ステップS305:第1転送バッファのみにあり)、判定制御部202は、ユニキャストによるネイティブパケットの送信を行なうため、第2入力切替回路209の入力元を第1転送バッファ回路204−1に切り替え、第3入力切替回路210の入力元を第2入力切替回路209に切り替え、第1入力切替回路207の入力元を第3入力切替回路210に切り替える。さらに、判定制御部202は、第1転送バッファ回路204−1に、パケットを出力し、出力後に該パケットを削除するよう指示する。
第1転送バッファ回路204−1は、格納しているパケットの中で最初に格納したパケットを1つ出力すると(ステップS355)、この出力したパケットを削除する(ステップS360)。第1転送バッファ回路204−1から出力されたパケットは、第2入力切替回路209を介して出力され、待機バッファ回路208に格納されるとともに(ステップS365)、第3入力切替回路210及び第1入力切替回路207を介して無線送受信部201へ入力される。無線送受信部201は、入力されたパケットを変調し、変調したパケットを図2に示す無線フレームを用いた無線信号により両送受信局10に送信する(ステップS370)。無線フレームのAddress 1及びAddress 3には、第1転送バッファ回路204−1に対応した送信先及び送信元の送受信局10のアドレスが設定され、Address 2には、中継局20のアドレスが設定される。
判定制御部202は、ステップS370において送信したパケットに対する応答(ACK)を該パケットの送信先の送受信局10から所定時間内に受信しなかったことを検出した場合(ステップS375:無)、第3入力切替回路210の入力元を待機バッファ回路208に、第1入力切替回路207の入力元を第3入力切替回路210に切り替えるとともに、待機バッファ回路208へパケットの出力を指示する。待機バッファ回路208に格納されているパケットは無線送受信部201に出力され、無線送受信部201は、入力されたパケットを変調し、無線フレームを用いて無線信号により両送受信局10に送信する(ステップS380)。これにより、ステップS370において送信したパケットが再送される。判定制御部202は、ステップS380において再送したパケットに対する応答(ACK)を、パケットの再送より所定時間内に送信先の送受信局10から受信しなかったことを検出した場合(ステップS385:無)、再びステップS380からの処理を行なう。
判定制御部202は、ステップS370において送信したパケットに対する応答を送信先の送受信局10から受信したことを検出した場合(ステップS375:有)、あるいは、ステップS380において再送したパケットに対する応答を送信先の送受信局10から受信したことを検出した場合(ステップS385:有)、待機バッファ回路208からパケットを削除する(ステップS390)。
ステップS305において、第1転送バッファ回路204−1にはパケットが格納されておらず、第2転送バッファ回路204−2にパケットが格納されていると判断した場合(ステップS305:第2転送バッファのみにあり)、第1転送バッファ回路204−1を第2転送バッファ回路204−2と読み替えて、ステップS355〜S390と同様の処理を行なう(ステップS395〜S430)。
図13は、送受信局10における受信処理フローを示す図である。ここでは、受信済バッファ回路106に、受信パケットを格納する場合について説明する。
送受信局10の無線送受信部104は、無線信号を受信すると、受信した無線信号を復調する(ステップS505)。判定制御部101は、ステップS505において受信した無線信号に含まれるパケットが再送パケットであるか否かや、パケットの種類を判定する(ステップS510)。受信パケット判定の詳細な手順については、後述する図14のフローで説明する。
受信パケットが再送ではないNCパケットであると判断した場合(ステップS510:NCパケット)、判定制御部101は、出力切替回路107の出力先をNC復号回路110に切り替え、第2入力切替回路108の入力元を送信済バッファ回路105に切り替え、第3入力切替回路111の入力元をNC復号回路110に切り替える。さらに、判定制御部101は、受信済バッファ回路106にパケットの種類「NCパケット」を書き込むとともに、パケットの格納を指示する。無線送受信部104が、復調した無線信号から得られたNCパケットを出力すると、この出力されたNCパケットは、受信済バッファ回路106に格納されるとともに、出力切替回路107を介してNC復号回路110に出力される(ステップS515)。
判定制御部101は、送信済バッファ回路105にパケットの出力を指示し、送信済バッファ回路105は、格納しているパケットのうち最初に格納したパケットを1つ出力する。送信済バッファ回路105から出力されたパケットは、第2入力切替回路108を介してNC復号回路110に入力される。NC復号回路110は、送信済バッファ回路105から入力されたパケットを鍵パケットとして用いて、無線送受信部104から入力されたNCパケットをNC復号する(ステップS520)。判定制御部101は、送信済バッファ回路105に、出力済みのパケットの削除を指示し、送信済バッファ回路105は、ステップS520において出力したパケットを削除待機バッファ回路109に出力した後削除し(ステップS525)、削除待機バッファ回路109は送信済バッファ回路105から入力されたパケットを格納する(ステップS530)。NC復号回路110は、ステップS530においてNC復号したパケットを出力し、出力されたパケットは第3入力切替回路111を介して上位レイヤ等に出力される(ステップS535)。
判定制御部101は、第1入力切替回路103の入力元をACK信号生成回路112に切り替え、ACK信号生成回路112にACKの送信を指示する。ACK信号生成回路112は、ACK信号を生成して出力し、出力されたACK信号は第1入力切替回路103を介して無線送受信部104に入力され、無線送受信部104は入力されたACK信号を変調し、無線信号により中継局20に送信する(ステップS540)。
ステップS510において、受信パケットが再送のNCパケットであると判断した場合(ステップS510:再送NCパケット)、判定制御部101は、出力切替回路107の出力先をNC復号回路110に切り替え、第2入力切替回路108の入力元を削除待機バッファ回路109に切り替え、第3入力切替回路111の入力元をNC復号回路110に切り替える。削除待機バッファ回路109は、判定制御部101からパケット出力指示を受け、格納しているパケットを出力する。この出力されたパケットは、第2入力切替回路108を介してNC復号回路110に入力される。無線送受信部104は、復調した無線信号から得られたNCパケットを出力し、出力されたNCパケットは出力切替回路107を介してNC復号回路110に出力される。NC復号回路110は、削除待機バッファ回路109から入力されたパケットを鍵パケットとして用いて、無線送受信部104から入力されたNCパケットをNC復号する(ステップS545)。NC復号回路110は、ステップS545においてNC復号したパケットを出力し、出力されたパケットは第3入力切替回路111を介して上位レイヤ等に出力される(ステップS550)。送受信局10は、ステップS540と同様の処理を行い、ACKを中継局20に送信する(ステップS555)。
ステップS510において、受信パケットが再送ではない自局宛のユニキャストパケットであると判断した場合(ステップS510:ユニキャストパケット)、判定制御部101は、出力切替回路107の出力先を第3入力切替回路111に切り替え、第3入力切替回路111の入力元を出力切替回路107に切り替える。さらに、判定制御部101は、受信済バッファ回路106にパケットの種類「ユニキャストパケット」を書き込むとともに、パケットの格納を指示する。無線送受信部104が、復調した無線信号から得られたユニキャストパケットを出力すると、この出力されたユニキャストパケットは、受信済バッファ回路106に格納されるとともに(ステップS560)、出力切替回路107及び第3入力切替回路111を介して上位レイヤ等に出力される(ステップS565)。送受信局10は、ステップS540と同様の処理を行い、ACKを中継局20に送信する(ステップS570)。
ステップS510において、受信パケットが再送の自局宛のユニキャストパケットであると判断した場合(ステップS510:再送ユニキャストパケット)、判定制御部101は、出力切替回路107の出力先を第3入力切替回路111に切り替え、第3入力切替回路111の入力元を出力切替回路107に切り替える。無線送受信部104が、復調した無線信号から得られた再送ユニキャストパケットを出力すると、この出力された再送ユニキャストパケットは、出力切替回路107及び第3入力切替回路111を介して上位レイヤ等に出力される(ステップS575)。送受信局10は、ステップS540と同様の処理を行い、ACKを中継局20に送信する(ステップS585)。
ステップS510において、受信パケットが再送ではない自送信パケットであると判断した場合(ステップS510:自送信パケット)、判定制御部101は、受信済バッファ回路106にパケットの種類「自送信パケット」を書き込むとともに、パケットの格納を指示する。無線送受信部104が、復調した無線信号から得られた自送信パケットを出力すると、この出力された自送信パケットは受信済バッファ回路106に格納される(ステップS585)。送信済バッファ回路105は、判定制御部101からの指示を受け、格納しているパケットの中から受信した自送信パケットと同一のパケットを削除する(ステップS590)。なお、受信パケットと同一のパケットは、送信済バッファ回路105に格納されているパケットの中で、最初に格納されたパケットである。判定制御部101は、受信した自送信パケットを破棄する。
ステップS510において、受信パケットが再送の自送信パケットであると判断した場合(ステップS510:再送自送信パケット)、判定制御部101は、受信した自送信パケットを破棄し、処理を終了する。
ステップS510において、受信パケットがシステム外パケットであると判断した場合(ステップS510:システム外パケット)、送受信局10は、予め決められたシステム外パケット受信処理を行なう(ステップS595)。例えば、再送ユニキャストパケット受信時と同様の処理を行なって、受信パケットを上位レイヤに出力し、ACKを返送してもよく、受信パケットを破棄してもよい。
なお、上記においては、再送パケットではないときにのみ、受信済バッファ回路106に受信したパケットと該パケットの種類を格納しているが、再送か否かに関わらず、受信したパケットと該パケットの種類を受信済バッファ回路106に格納してもよい。また、受信済バッファ回路106は、パケットを上書により格納してもよく、受信したパケットを所定数格納してもよい。
図14は、送受信局10の判定制御部101による判定処理フローを示す図であり、図13に示す受信処理フローのステップS510における受信パケット判定処理の詳細な処理フローを示す。
まず、判定制御部101は、無線送受信部104により復調された無線フレームのアドレスフィールドに送受信局10a、10b、及び、中継局20のアドレス全てが設定されているか否かを判断する(ステップS605)。アドレスフィールドに送受信局10a、10b、あるいは、中継局20のアドレスのうちいずれか1以上が設定されていないと判断した場合(ステップS605:NO)、判定制御部101は、受信したパケットは自局が属する通信システム以外のノードから送信されたシステム外パケットと判定し、図11に示すステップS595の処理を行なう。
無線フレームのアドレスフィールドに送受信局10a、10b、及び、中継局20のアドレス全てが設定されていると判断した場合(ステップS605:YES)、判定制御部101は、受信パケットは自局が属する通信システムにおけるパケットであり、NCパケットの可能性があると判定し、続いて、受信パケットが再送パケットであるか否かを判断する(ステップS610)。これは、無線送受信部104により復調された無線信号に設定されている受信パケットと、受信済バッファ回路106に格納されているパケットが同一であるか否かによって判断することができる。
判定制御部101は、受信パケットと、受信済バッファ回路106に格納されているパケットが同一ではなく、再送パケットではないと判断した場合(ステップS610:NO)、続いて、送信済バッファ回路105にパケットが格納されているか否かを判断する(ステップS615)。送信済バッファ回路105にパケットが格納されていない場合(ステップS615:NO)、受信パケットはユニキャストパケット、つまり、自局宛のネイティブパケットであると判定し、図13に示すステップS560以降の処理を行なう。
送信済バッファ回路105にパケットが格納されていると判断した場合(ステップS615:YES)、判定制御部101は、受信パケットが自送信パケットであるか否かを判定する(ステップS620)。判定制御部101は、受信パケットのAddress 1に他の送受信局10のアドレスが、Address 3に自局のアドレスが設定されており、かつ、受信パケットが送信済バッファ回路105に格納されている場合、受信パケットは自送信パケットであると判定する。受信パケットが自送信パケットであると判定した場合(ステップS620:YES)、図13に示すステップS585以降の処理を行い、受信パケットが自送信パケットではないと判定した場合(ステップS620:NO)、判定制御部101は、受信パケットがNCパケットであると判定し、図13に示すステップS515以降の処理を行なう。
一方、ステップS610において、判定制御部101は、受信パケットと、受信済バッファ回路106に格納されているパケットが同一であり、再送パケットであると判断した場合(ステップS610:NO)、受信済バッファ回路106に格納されているパケットの種類の情報により再送パケットの種類を判断する(ステップS625)。受信済バッファ回路106に格納されているパケットの種類が「NCパケット」である場合(ステップS625:NCパケット)、受信パケットは再送NCパケットであると判断し、図13に示すステップS545以降の処理を行なう。また、格納されているパケットの種類が「ユニキャストパケット」である場合(ステップS625:ユニキャストパケット)、受信パケットは再送ユニキャストパケットであると判断し、図13に示すステップS575以降の処理を行なう。また、パケットの種類が「自送信パケット」である場合(ステップS625:自送信パケット)、受信パケットは再送自送信パケットであると判断し、処理を終了する。
なお、上述した実施形態では、図13のステップS515、S560、S585においては、受信済バッファ回路106に、ステップS505において復調された無線信号から得られるパケットを格納しているが、パケットを格納する代わりに、ステップS505において復調された無線信号から得られるシーケンス番号を格納してもよい。この場合、図14のステップS610においては、ステップS505において復調された無線信号から得られるシーケンス番号と、受信済バッファ回路106に格納されているシーケンス番号とが同一であれば、再送パケットと判断する。
続いて、図10〜図14の処理フローを用いて、図3〜7の処理を説明する。
なお、送受信局10aが備える送受信局10の各部には符号に「a」を付加して記載し、送受信局10bが備える送受信局10の各部には符号に「b」を付加して記載する。例えば、送受信局10aの備える判定制御部101は、「判定制御部101a」と記載し、送受信局10bの備える判定制御部101は、「判定制御部101b」と記載する。
図3の時刻T1において、送受信局10aに、上位レイヤから送受信局10b宛のネイティブパケットであるパケットα1が入力されると(図10、ステップS105)、パケットα1は再送待機バッファ回路102aに格納されるとともに、無線送受信部104aにより変調され、無線信号により中継局20に送信される(図10、ステップS110)。無線フレームのAddress 1には中継局20のアドレスが設定され、Address 2には送信元アドレスとして送受信局10aのアドレスが設定され、Address 3には送信先アドレスとして送受信局10bのアドレスが設定される。
中継局20の無線送受信部201は、無線信号によりパケットα1を受信すると、受信した無線信号を復調する(図11、ステップS205)。判定制御部202は、復調した無線信号の無線フレームに設定されている送信先及び送信元の送受信局10のアドレスに基づき、送信先「送受信局10b」及び送信元「送受信局10a」の組に対応した第1転送バッファ回路204−1を格納先と判断する(図11、ステップS210)。判定制御部202は、出力切替回路203の出力先を第1転送バッファ回路204−1に切り替え、第1転送バッファ回路204−1は、パケットα1を格納する(図11、ステップS220)。無線送受信部201は、ACK信号生成回路206が生成したACK信号を送受信局10aに返送する(図11、ステップS220)。
送受信局10aが中継局20からACKを受信すると(図10、ステップS115:有)、送信済バッファ回路105aはパケットα1を格納し、再送待機バッファ回路102aは格納していたパケットα1を削除する(図10、ステップS125)。
続いて、時刻T2において、送受信局10aに、送受信局10b宛のネイティブパケットであるパケットα2が入力された場合、時刻T1における送受信局10aの処理と同様の処理を行なう。但し、送信済バッファ回路105aは、パケットα2をパケットα1の後の順序となるように格納する。中継局20は、送受信局10aから無線信号によりパケットα2を受信すると、時刻T1における中継局20の処理と同様の処理を行なう。但し、第1転送バッファ回路204−1は、パケットα2をパケットα1の後の順序となるように格納する。
図4の時刻T3において、送受信局10bに、上位レイヤ等から送受信局10a宛のネイティブパケットであるパケットβ1が入力された場合、時刻T1における送受信局10aと同様の処理を行なう。これにより、パケットβ1は再送待機バッファ回路102bに格納されるとともに、無線送受信部104bは、変調したパケットβ1を無線信号により中継局20に送信する。Address 1には中継局20のアドレスが設定され、Address 2には送信元アドレスとして送受信局10bのアドレスが設定され、Address 3には送信先アドレスとして送受信局10aのアドレスが設定される。
中継局20の無線送受信部201は、無線信号によりパケットβ1を受信すると、受信した無線信号を復調する(図11、ステップS205)。判定制御部202は、復調した無線信号の無線フレームに設定されている送信先及び送信元の送受信局10のアドレスに基づき、送信先「送受信局10a」及び送信元「送受信局10b」の組に対応した第2転送バッファ回路204−2を格納先と判断する(図11、ステップS210)。第2転送バッファ回路204−2は、パケットβ1を格納し(図11、ステップS215)、無線送受信部201は、ACK信号生成回路206が生成したACK信号を送受信局10bに返送する(図11、ステップS220)。送受信局10bが中継局20からACKを受信すると、送信済バッファ回路105bはパケットβ1を格納し、再送待機バッファ回路102bは格納していたパケットβ1を削除する。
時刻T4において、送受信局10aに、送受信局10b宛のネイティブパケットであるパケットα3が入力された場合、時刻T2における送受信局10aと同様の処理を行なう。但し、送信済バッファ回路105aは、パケットα3をパケットα2の後の順序となるように格納する。中継局20は、送受信局10aから無線信号によりパケットα3を受信すると、時刻T2における中継局20の処理と同様の処理を行なう。但し、第1転送バッファ回路204−1は、パケットα3をパケットα2の後の順序となるように格納する。
また、時刻T5において、送受信局10bに、送受信局10a宛のネイティブパケットであるパケットβ2が入力された場合、時刻T3における送受信局10bと同様の処理を行なう。但し、送信済バッファ回路105bは、パケットβ2をパケットβ1の後の順序となるように格納する。中継局20は、送受信局10bから無線信号によりパケットβ2を受信すると、時刻T3における中継局20の処理と同様の処理を行なう。但し、第2転送バッファ回路204−2は、パケットβ2がパケットβ1の後の順序となるように格納する。
図6の時刻T6において、中継局20の判定制御部202は、第1転送バッファ回路204−1及び第2転送バッファ回路204−2の両方にパケットが格納されているため、NCパケットを送信すると判断し(図12、ステップS305:両転送バッファにあり)、第2入力切替回路209の入力元をNC符号化回路205に、第3入力切替回路210の入力元を第2入力切替回路209に、第1入力切替回路207の入力元を第3入力切替回路210に切り替える。第1転送バッファ回路204−1は、現在格納されているパケットの中で最初に格納したパケットα1をNC符号化回路205に出力した後削除し、第2転送バッファ回路204−2は、現在格納されているパケットのうち最初に格納したパケットβ1をNC符号化回路205に出力した後削除する(図12、ステップS310、S315)。
NC符号化回路205は、パケットα1及びβ1を用いてNC符号化を行い、NC符号化により生成されたNCパケットχ1を出力する(図12、ステップS320)。待機バッファ回路208は、NCパケットχを格納し(図12、ステップS325)、無線送受信部201は、NCパケットχ1を変調し、無線信号により送受信局10a及び10bに送信する(図12、ステップS330)。Address 1には送受信局10aまたは送受信局10bのアドレスを、Address 3には他方の送受信局10のアドレスを、Address 2には中継局20のアドレスを設定する。
送受信局10aの無線送受信部104aは、無線信号によりNCパケットχ1を受信すると、受信した無線信号を復調する(図13、ステップS505)。判定制御部101aは、アドレスフィールドに送受信局10a、10b、及び、中継局20のアドレス全てが設定されているため自局が属する通信システムのパケットであると判断し(図14、ステップS605:YES)、また、無線信号から得られた受信パケットであるNCパケットχ1と、受信済バッファ回路106aに格納されているパケットが同一ではないため、再送パケットではないと判断する(ステップS610:NO)。さらに、判定制御部101aは、送信済バッファ回路105aにパケットが格納されており(図14、ステップS615:YES)、受信パケットが、送信済バッファ回路105a内に格納されているパケットと一致しないため、受信パケットはNCパケットであると判断する(図14、ステップS620:NO)。
判定制御部101aは、出力切替回路107aの出力先をNC復号回路110aに切り替え、第2入力切替回路108aの入力元を送信済バッファ回路105aに切り替え、第3入力切替回路111aの入力元をNC復号回路110aに切り替える。判定制御部101aの指示により、受信済バッファ回路106aは、NCパケットχ1とパケット種別「NCパケット」を格納し、送信済バッファ回路105aは、格納しているパケットのうち最初に格納したパケットであるパケットα1をNC復号回路110aに出力する。NC復号回路110aは、NCパケットχ1をパケットα1によりNC復号する(図13、ステップS520)。送信済バッファ回路105aはパケットα1を出力した後に削除し(図13、ステップS530)、削除待機バッファ回路109aはパケットα1を格納する(図13、ステップS530)。NC復号回路110aがNC復号により得たパケットβ1は、上位レイヤに出力される(図13、ステップS535)。無線送受信部104aは、ACK信号生成回路112aが生成したACK信号を中継局20に返送する(図13、ステップS540)。
送受信局10bにおいても、送受信局10aと同様の処理を行なう。つまり、送受信局10bはNCパケットχ1が再送ではないNCパケットであると判断する。受信済バッファ回路106bは、受信したNCパケットχ1とパケットの種類「NCパケット」を格納し、NC復号回路110bは、受信したNCパケットχ1を、送信済バッファ回路105bが出力したパケットβ1によりNC復号する。送信済バッファ回路105bはパケットβ1を削除し、削除待機バッファ回路109bはパケットβ1を格納する。NC復号により得られたパケットα1が上位レイヤに出力され、無線送受信部104bによりACK信号が中継局20に返送される。
ここで、中継局20は、送受信局10bからACKを受信したが、何らかの原因によって送受信局10aからACKが受信できなかったとする。図7において、判定制御部202は、送受信局10aからのACKを受信できなかったことを検出した場合(図12、ステップS335:無)、第3入力切替回路210の入力元を待機バッファ回路208に切り替え、第1入力切替回路207の入力元を第3入力切替回路210に切り替える。無線送受信部201は、待機バッファ回路208に格納されていたNCパケットχ1を無線信号により送受信局10a及び10bに送信する(図12、ステップS340)。無線信号のAddress 1、Address 2、Address 3、及び、シーケンス番号には、最初にNCパケットχ1を送信したときと同じ値が設定される。
送受信局10aの無線送受信部104aは、無線信号により再送されたNCパケットχ1を受信すると、受信した無線信号を復調する(図13、ステップS505)。判定制御部101aは、無線フレームのアドレスフィールドに送受信局10a、10b、及び、中継局20のアドレス全てが設定されているため自局が属する通信システムのパケットであると判断し(図14、ステップS605:YES)、また、無線信号から得られた受信パケットであるNCパケットχ1と、受信済バッファ回路106aに格納されているパケット(NCパケットχ1)が同一であるため、再送パケットであると判断する(ステップS610:YES)。判定制御部101aは、受信済バッファ回路106aに格納されているパケットの種類が「NCパケット」であるため、受信パケットは再送NCパケットであると判断する(図14、ステップS625:NCパケット)。
判定制御部101aは、出力切替回路107aの出力先をNC復号回路110aに切り替え、第2入力切替回路108aの入力元を削除待機バッファ回路109aに切り替え、第3入力切替回路111aの入力元をNC復号回路110aに切り替える。NC復号回路110aは、再送されたNCパケットχ1を、削除待機バッファ回路109aが出力したパケットα1によりNC復号する(図13、ステップS545)。NC復号回路110aがNC復号により得たパケットβ1は上位レイヤに出力され(図13、ステップS550)、無線送受信部104aは、ACK信号生成回路112aが生成したACK信号を中継局20に返送する(図13、ステップS555)。
送受信局10bにおいても、送受信局10aと同様の処理を行なう。つまり、送受信局10bは受信パケットが再送されたNCパケットであると判断する。NC復号回路110bは、再送されたNCパケットχ1を、削除待機バッファ回路109bから出力されたパケットβ1によりNC復号する。NC復号により得られたパケットα1は上位レイヤに出力され、無線送受信部104bによりACK信号が中継局20に返送される。
中継局20の判定制御部202は、送受信局10a及び10bからACKを受信すると(ステップS345:有)、待機バッファ回路208に格納していたNCパケットχ1を削除する。
また、例えば、時刻Txにおいて、中継局20が送信機会を得たときに、送受信局10aの送信済バッファ回路105a及び中継局20の第1転送バッファ回路204−1にパケットαy、パケットα(y+1)の順にパケットが格納されており、送受信局10bの送信済バッファ回路105b及び中継局20の第2転送バッファ回路204−2にはパケットが格納されていないとする。
中継局20の判定制御部202は、第1転送バッファ回路204−1のみにパケットが格納されているため(図12、ステップS305:第1転送バッファのみにあり)、第2入力切替回路209の入力元を第1転送バッファ回路204−1に切り替える。判定制御部202の指示により、第1転送バッファ回路204−1は現在格納されているパケットの中で最初に格納したパケットαyを出力した後削除する(図12、ステップS355、S360)。待機バッファ回路208は、パケットαyを格納し(図12、ステップS365)、無線送受信部201は、パケットαyを変調し、無線信号により送受信局10a及び10bに送信する(図12、ステップS370)。Address 1には送受信局10bのアドレスを、Address 3には送受信局10aのアドレスを、Address 2には中継局20のアドレスを設定する。
送受信局10aの無線送受信部104aは、無線信号によりパケットαyを受信すると、受信した無線信号を復調する(図13、ステップS505)。判定制御部101aは、アドレスフィールドに送受信局10a、10b、及び、中継局20のアドレス全てが設定されているため自局が属する通信システムのパケットであると判断し(図14、ステップS605:YES)、また、無線信号から得られた受信パケットであるパケットαyと、受信済バッファ回路106aに格納されているパケットが同一ではないため、再送パケットではないと判断する(図14、ステップS610:NO)。判定制御部101aは、送信済バッファ回路105aにパケットが格納されていると判断し(図14、ステップS615:YES)、さらに、Address 1に送受信局10bのアドレスが、Address 3に送受信局10aのアドレスが設定されており、受信パケットが送信済バッファ回路105aに格納されているパケットαyと一致するため、受信パケットは自送信パケットであると判断する(図14、ステップS620:YES)。判定制御部101aの指示により、受信済バッファ回路106aは、パケットαyとパケット種別「自送信パケット」を格納し、送信済バッファ回路105aは格納していたパケットαyを削除する(図13、ステップS590)。受信したパケットαyは破棄される。
一方、送受信局10bの無線送受信部104bは、無線信号によりパケットαyを受信すると、受信した無線信号を復調する(図13、ステップS505)。判定制御部101bは、送受信局10aと同様に、受信パケットは、自局が属する通信システムのパケットであり(図14、ステップS605:YES)、また、再送パケットではないと判断する(ステップS610:NO)。判定制御部101bは、送信済バッファ回路105bにパケットが格納されていないため(図14、ステップS615:NO)、受信パケットはユニキャストパケット、つまり、自局宛てネイティブパケットであると判断する。判定制御部101bは、出力切替回路107bの出力先を第3入力切替回路111bに切り替え、第3入力切替回路111bの入力元を出力切替回路107bに切り替える。受信済バッファ回路106bにパケットαyとパケット種別「ユニキャストパケット」が格納されるとともに(図13、ステップS560)、パケットαyが上位レイヤに出力され(図13、ステップS565)、無線送受信部104bによりACK信号が中継局20に返送される(図13、ステップS570)。
ここで、中継局20は、何らかの原因によって送受信局10bからACKが受信できなかったとする。判定制御部202は、送受信局10bからのACKを受信できなかったことを検出した場合(図12、ステップS375:無)、第3入力切替回路210の入力元を待機バッファ回路208に切り替え、第1入力切替回路207の入力元を第3入力切替回路210に切り替える。無線送受信部201は、待機バッファ回路208に格納されていたパケットαyを無線信号により送受信局10a及び10bに送信する(図12、ステップS380)。無線信号のAddress 1、Address 2、Address 3、及び、シーケンス番号には、最初にパケットαyを送信したときと同じ値が設定される。
送受信局10aの無線送受信部104aは、無線信号により再送されたパケットαyを受信すると、受信した無線信号を復調する(図13、ステップS505)。判定制御部101aは、アドレスフィールドに送受信局10a、10b、及び、中継局20のアドレス全てが設定されているため中継局20により中継された信号であると判断し(図14、ステップS605:YES)、復調により得られた受信パケットであるパケットαyと、受信済バッファ回路106aに格納されているパケット(パケットαy)が同一であるため、再送パケットであると判断する(ステップS610:YES)。判定制御部101aは、受信済バッファ回路106aに格納されているパケットの種類が「自送信パケット」であるため、受信パケットは再送自送信パケットであると判断する(図14、ステップS625:自送信パケット)。受信したパケットαyは破棄される。
送受信局10bの無線送受信部104bにおいても、無線信号により再送されたパケットαyを受信すると、受信した無線信号を復調する(図13、ステップS505)。判定制御部101bは、送受信局10aと同様に、受信パケットが中継局20により中継された信号であり(図14、ステップS605:YES)、再送パケットであると判断する(図14、ステップS610:YES)。判定制御部101bは、受信済バッファ回路106bに格納されているパケットの種類が「ユニキャストパケット」であるため、受信パケットは再送ユニキャストパケットであると判断する(図14、ステップS625:ユニキャストパケット)。判定制御部101bは、出力切替回路107bの出力先を第3入力切替回路111bに切り替え、第3入力切替回路111bの入力元を出力切替回路107bに切り替える。パケットαyは、上位レイヤに出力され(図13、ステップS575)、無線送受信部104bによりACK信号が中継局20に返送される(図13、ステップS580)。
中継局20の判定制御部202は、送受信局10bからACKを受信すると(ステップS385:有)、待機バッファ回路208に格納していたパケットαyを削除する。
なお、上記実施形態においては、送受信局10の送信済バッファ回路105は送信順にパケットを格納し、鍵パケットとして使用したパケットや、判定制御部101から指示されたパケットを削除しているが、パケットが格納されたアドレスを特定するポインタを、該ポインタにより特定されるパケットが送信された順番に記憶していき、使用するポインタを順にすすめていくようにしてもよい。例えば、パケットα1、α2、α3、…の順にパケットを送信した場合、送信済バッファ回路105は、パケットα1、α2、α3、…を格納し(送信順でなくともよい)、さらに、パケットα1のポインタp1、パケットα2のポインタp2、パケットα3のポインタp3、…の順にポインタを格納する。判定制御部101は、パケットα1をNC復号の鍵パケットとして使用した場合、読み出すポインタを、ポインタp1の次のポインタp2に進める。これにより、次の鍵パケットをポインタp2により特定されるパケットα2とすることができる。このように、送信済バッファ回路105に記憶しているパケットを削除する代わりに、パケットに対応したポインタをすすめていく。
また、中継局20の第1転送バッファ回路204−1、第2転送バッファ回路204−2は受信順にパケットを格納しているが、上記と同様に、パケットを格納するとともに、パケットが格納されたアドレスを特定するポインタを、該ポインタにより特定されるパケットを受信した順に記憶していき、パケットを削除する代わりに、パケットに対応したポインタをすすめていくようにしてもよい。
なお、上記実施形態においては、パケットを送受信する送受信局10のペアを1組のみ有しているが、パケットを送受信する送受信局10のペアを2以上有することでもよい。例えば、通信システムが4台の送受信局10として送受信局10a、10b、10c、10dを有し、送受信局10a及び10bが送受信のペアであり、送受信局10aが送受信局10b宛のパケットを、送受信局10bが送受信局10a宛のパケットを送信し、送受信局10c及び送受信局10dがもう1組の送受信のペアであり、送受信局10cが送受信局10d宛のパケットを、送受信局10dが送受信局10c宛のパケットを送信する。中継局20は、送受信局10aから送受信局10b宛のパケット、送受信局10bから送受信局10a宛のパケット、送受信局10cから送受信局10d宛のパケット、送受信局10dから送受信局10c宛のパケットをそれぞれ受信順に格納する第1〜第4転送バッファ回路を備える。中継局20の無線送受信部201は、NC符号化回路205が第1転送バッファ回路及び第2転送バッファ回路から受信順に出力されるパケットを用いて生成したNCパケット、ならびに、第3転送バッファ回路及び第4転送バッファ回路から受信順に出力されるパケットを用いて生成したNCパケットを送信する。送受信局10a、10b、10c、10dの判定制御部101は、受信したパケットの送信先アドレスまたは送信元アドレスに自送受信ペアのアドレスが設定されている場合に、上記実施形態と同様の受信処理を行なう。また、送受信ペアによって無線信号の周波数を変えてもよい。
また、上記実施形態においては、通信システムをAlice & Bobトポロジを例として説明したが、Xトポロジなどの他のトポロジにも適用可能である。具体的には、通信システムが複数の送受信局10、例えば、受信局装置としての送受信局10a、10bと、送信局装置としての送受信局10c、10dからなり、送受信局10cから送受信局10b宛のパケットが、送受信局10dから送受信局10a宛のパケットが送信される場合、送受信局10aは送受信局10cから中継局20に送信された送受信局10b宛のパケットを受信して受信順(送受信局10cからの送信順)に送信済バッファ回路105aに記憶し、同様に送受信局10bは、送受信局10cから中継局20に送信された送受信局10a宛のパケットを受信して受信順(送受信局10dからの送信順)に送信済バッファ回路105bに記憶する。中継局20は、送受信局10cから送受信局10b宛のパケットを受信順に第1転送バッファ回路204−1に、送受信局10dから送受信局10a宛のパケットを受信順に第2転送バッファ回路204−2に格納する。中継局20におけるNCパケットの送信処理及び送受信局10a,10bにおけるNCパケットのNC復号処理は、上述した実施形態と同様である。
[第2の実施形態]
第1の実施形態においては、送受信局11は、再送されたパケットについても上位レイヤ等に出力しているが、第2の実施形態においては、再送されたパケットについては出力せずに破棄する。以下、第1の実施形態との差分を中心に説明する。
図15及び図16は、本実施形態の通信システムの動作概要を示す図である。
本実施形態の通信システムは、図1に示す通信システムの送受信局10を送受信局11に置き換えた構成であり、中継局20は、第1の実施形態と同じである。受信局装置と送信局装置を兼ねた2台の送受信局11である送受信局11a、11bは、中継局装置である中継局20を介して双方向の通信を行う。送受信局11a、11b、及び、中継局20は、CSMA/CAによって動作し、キャリアセンスは理想的に機能するものとする。そのため、送受信局11a、11b、及び、中継局20それぞれの送信タイミングはタイムスロットにより区切られ、互いに干渉することがない。また、送受信局11a、11bは、受信した無線信号を送信先等に関わらず必ず復調するプロミスキャスモードで動作する。送受信局11は、第1の実施形態の送受信局10と同様、中継局20に送信したパケットを送信順に格納する送信済バッファを備えているが、第1の実施形態の送受信局10が備える削除待機バッファについては備えていない。
時刻T1〜時刻T5において、本実施形態の送受信局11及び中継局20は、図3及び図4に示す第1の実施形態の送受信局10及び中継局20と同様の処理を行なう。
図15において、時刻T6に中継局20が送信機会を得ると、図5に示す第1の実施形態と同様の処理を行い、NCパケットχ1を送受信局11a及び11bに同報送信する。送受信局11aは、送信済バッファに格納されている中で最初に格納されたパケットα1を鍵パケットとして用いて中継局20から受信したNCパケットχ1のNC復号を行い、パケットβ1を取得する。送受信局11aは、NC復号に用いた鍵パケットであるパケットα1を送信済バッファから削除し、中継局20にACKを返送する。
同様に、送受信局11bは、送信済バッファに格納されている中で最初に格納されたパケットβ1を鍵パケットとして用いて中継局20から受信したNCパケットχ1のNC復号を行い、パケットα1を取得する。送受信局11bは、NC復号に用いた鍵パケットであるパケットβ1を送信済バッファから削除し、中継局20にACKを返送する。
中継局20は、送受信局11a及び11bからACKを受信すると、ACK待機バッファに格納しているNCパケットχ1を削除し、送受信局11a、11bから送信されたいずれかのACKまたは両ACKが受信できなかった場合、図16に示す動作を行なう。
図16において、中継局20は、図7に示す第1の実施形態と同様の処理を行ない、ACK待機バッファに格納されているNCパケットχ1を読み出して送受信局11a及び11bに同報送信する。送受信局11a及び11bは、中継局20から受信したNCパケットχ1が再送パケットであると判断すると、再送されたNCパケットχ1を破棄し、中継局20にACKを返送する。中継局20は、NCパケットχ1を再送した後、送受信局11a、11bからのACKの少なくとも一方を受信できなかった場合、再び、ACK待機バッファに格納されているNCパケットχ1を読み出して送受信局11a及び11bに同報送信する処理を繰り返す。一方、中継局20が、送受信局11a及び11bからACKを受信した場合、ACK待機バッファに格納しているNCパケットχ1を削除する。
次に中継局20が送信機会を得た場合、図6に示す第1の実施形態と同様の処理を行い、NCパケットχ2を送受信局11a及び11bに同報送信する。送受信局11aは、送信済バッファに格納されている中で最初に格納されたパケットα2を鍵パケットとして用いて中継局20から受信したNCパケットχ2のNC復号を行い、パケットβ2を取得する。送受信局11aは、NC復号に用いた鍵パケットであるパケットα2を送信済バッファから削除し、中継局20にACKを返送する。同様に、送受信局11bは、送信済バッファに格納されている中で最初に格納されたパケットβ2を鍵パケットとして用いて中継局20から受信したNCパケットχ2のNC復号を行い、パケットα2を取得する。送受信局11bは、NC復号に用いた鍵パケットであるパケットβ2を送信済バッファから削除し、中継局20にACKを返送する。
上記処理により、中継局20は、NCパケットに鍵パケットを特定する情報を付加することなく送信し、送受信局11は、適切な鍵パケットを用いて受信したNCパケットを正常にNC復号することができる。送受信局11a、11bからのACKの一方または両方が中継局20に送達しなかった場合、中継局20はNCパケットを再送するが、送受信局11a、11bは、再送パケットを受信した場合、そのパケットを破棄し、中継局20に応答を返送する。これによって、中継局20がACKを受信できなかったことに起因する、送受信局11の送信済バッファ回路の格納内容と、中継局20の第1バッファ回路の格納内容との同期外れを防止し、再送が発生したときでも、送受信局11において、正常に鍵パケットを選択可能とする。
なお、中継局20は、送信機会を得たときに、第1転送バッファ、第2転送バッファのいずれかのみにパケットが格納されている場合、第1の実施形態と同様の処理を行ない、ネイティブパケットを送受信局11a、11bに送信し、宛先の送受信局11からACKをできなかったときには再送を行なう。送受信局11a、11bは、再送パケットを受信した場合、再送のNCパケットを受信したときと同様に、受信したパケットを破棄し、中継局20に応答を返送する。
図17は、本実施形態による送受信局11の構成を示すブロック図である。この図において、図8に示す第1の実施形態による送受信局10と同一の部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。この図に示す送受信局11が第1の実施形態の送受信局10と異なる点は、判定制御部101に代えて判定制御部121が設けられている点、第2入力切替回路108及び削除待機バッファ回路109が設けられていない点である。
判定制御部121は、復調された無線信号に含まれる受信パケットが再送パケットであるか否か、また、受信パケットがNCパケットであるか、自局宛のネイティブパケットであるか、自局が送信したパケットであるか等のパケットの種類を判定し、これらの判定結果に基づいて、受信済バッファ回路106への受信パケットまたはシーケンス番号の格納指示、出力切替回路107、第3入力切替回路111の切替指示、送信済バッファ回路105に格納されているパケットの出力指示や削除指示を行なう。さらに、判定制御部121は、ACK信号生成回路112へのACKの送信指示や、第1入力切替回路103への切替指示を行なう。
次に、処理フローについて説明する。送受信局11における送信処理フローは、図10に示す第1の実施形態と同様である。また、中継局20における受信処理フロー、送信処理フローは、図11、図12に示す第1の実施形態と同様である。
図18は、送受信局11における受信処理フローを示す図である。ここでは、受信済バッファ回路106に、受信パケットを格納する場合について説明する。
送受信局11の無線送受信部104は、無線信号を受信すると、受信した無線信号を復調する(ステップS705)。判定制御部121は、ステップS705において受信した無線信号に含まれるパケットが再送パケットであるか否かや、パケットの種類を判定する(ステップS710)。受信パケット判定の詳細な手順については、後述する図19のフローで説明する。
受信パケットが再送ではないNCパケットであると判断した場合(ステップS710:NCパケット)、判定制御部121は、出力切替回路107の出力先をNC復号回路110に切り替え、第3入力切替回路111の入力元をNC復号回路110に切り替える。さらに、判定制御部121は、受信済バッファ回路106にパケットの格納を指示する。無線送受信部104が、復調した無線信号から得たNCパケットを出力すると、この出力されたNCパケットは受信済バッファ回路106に格納されるとともに、出力切替回路107を介してNC復号回路110に出力される(ステップS715)。
判定制御部121は、送信済バッファ回路105にパケットの出力を指示し、送信済バッファ回路105は、格納しているパケットのうち最初に格納したパケットを1つ出力する。NC復号回路110は、送信済バッファ回路105から入力されたパケットを鍵パケットとして用いて、無線送受信部104から入力されたNCパケットをNC復号する(ステップS720)。判定制御部121は、送信済バッファ回路105に、出力済みのパケットの削除を指示し、送信済バッファ回路105は、ステップS720において出力したパケットを削除する(ステップS725)。NC復号回路110は、ステップS720においてNC復号したパケットを出力し、出力されたパケットは第3入力切替回路111を介して上位レイヤ等に出力される(ステップS730)。
送受信局11は、図13に示す第1の実施形態のステップS540と同様の処理により、ACK信号を中継局20に送信する(ステップS735)。
ステップS710において、受信パケットが再送ではない自局宛のユニキャストパケットであると判断した場合(ステップS710:ユニキャストパケット)、送受信局11は、図13に示す第1の実施形態のステップS560〜S570と同様の処理を行なう(ステップS740〜S750)。すなわち、判定制御部121は、出力切替回路107の出力先を第3入力切替回路111に切り替え、第3入力切替回路111の入力元を出力切替回路107に切り替える。無線送受信部104が無線信号を復調して得たユニキャストパケットは受信済バッファ回路106に格納されるとともに、上位レイヤ等に出力され、ACKが中継局20に送信される。ただし、受信済バッファ回路106にパケットの種類は書き込まれない。
ステップS710において、受信パケットが再送ではない自送信パケットであると判断した場合(ステップS710:自送信パケット)、図13に示す第1の実施形態のステップS585〜S590と同様の処理を行なう(ステップS755〜S760)。すなわち、判定制御部121の指示により、無線送受信部104が無線信号を復調して得た自送信パケットが受信済バッファ回路106に格納され、受信した自送信パケットと同一のパケットが送信済バッファ回路105から削除される。受信した自送信パケットは破棄される。ただし、受信済バッファ回路106にパケットの種類は書き込まれない。
ステップS710において、受信パケットが再送パケットであると判断した場合(ステップS710:ACKあり再送パケット)、判定制御部121は、受信パケットを破棄した後(ステップS765)、図13に示す第1の実施形態のステップS540と同様の処理により、ACK信号を中継局20に送信する(ステップS770)。
ステップS710において、受信パケットがシステム外パケットであると判断した場合(ステップS710:システム外パケット)、送受信局11は、予め決められたシステム外パケット受信処理を行なう(ステップS780)。
図19は、送受信局11の判定制御部121による判定処理フローを示す図であり、図18に示す受信処理フローのステップS710における受信パケット判定処理の詳細な処理フローを示す。
判定制御部121は、ステップS805〜S820において、図13に示す第1の実施形態のステップS605〜620と同様の処理を行なう。
判定制御部121は、S805において、受信したパケットが自局の属する通信システム以外のノードから送信されたシステム外パケットと判定した場合(ステップS805:NO)、図18に示すステップS775の処理を行ない、ステップS815において、送信済バッファ回路105にパケットが格納されていないと判断した場合(ステップS815:NO)、受信パケットがユニキャストパケットであると判定し、図18に示すステップS740以降の処理を行ない、ステップS820において、受信パケットが自送信パケットであると判定した場合(ステップS820:YES)、図18に示すステップS755以降の処理を行い、受信パケットがNCパケットであると判定した場合(ステップS820:NO)、図18に示すステップS715以降の処理を行なう。
そして、ステップS810において、受信パケットが再送パケットであると判断した場合には(ステップS810:YES)、図18に示すステップS765の処理を行なう。
続いて、図18の処理フローを用いて、図15〜図16の処理を説明する。
なお、送受信局11aが備える送受信局11の各部には符号に「a」を付加して記載し、送受信局11bが備える送受信局11の各部には符号に「b」を付加して記載する。
時刻T1〜T5において、送受信局11及び中継局20は、第1の実施形態と同様の処理を行なう。図15に示す時刻T6において、中継局20は、図5に示す第1の実施形態と同様の処理によりパケットα1及びパケットβ1をNC符号化して生成したNCパケットχ1を無線信号により送受信局11a及び11bに送信する。
送受信局11aの無線送受信部104aは、第1の実施形態と同様の処理により、受信したパケットが、再送ではないNCパケットであると判断する(図18、ステップS705、S710:NCパケット)。判定制御部121aは、出力切替回路107aの出力先をNC復号回路110aに切り替え、第3入力切替回路111aの入力元をNC復号回路110aに切り替える。判定制御部121aの指示により、受信済バッファ回路106aは、受信パケットであるNCパケットχ1を格納し、送信済バッファ回路105aは、格納しているパケットのうち最初に格納したパケットであるパケットα1をNC復号回路110aに出力する。NC復号回路110aは、NCパケットχ1をパケットα1によりNC復号する(図18、ステップS720)。送信済バッファ回路105aはパケットα1を削除し(図18、ステップS725)、NC復号回路110aがNC復号により得たパケットβ1は上位レイヤに出力される(図18、ステップS730)。無線送受信部104aは、ACK信号生成回路112aが生成したACK信号を中継局20に返送する(図18、ステップS735)。
送受信局11bにおいても、送受信局11aと同様の処理を行なう。つまり、送受信局11bはNCパケットχ1が再送ではないNCパケットであると判断する。受信済バッファ回路106bは、受信したNCパケットχ1を格納し、NC復号回路110bは、受信したNCパケットχ1を、送信済バッファ回路105bが出力したパケットβ1によりNC復号する。送信済バッファ回路105bはパケットβ1を削除する。NC復号により得られたパケットα1が上位レイヤに出力され、無線送受信部104bによりACK信号が中継局20に返送される。
ここで、中継局20は、送受信局11bからACKを受信したが、何らかの原因によって送受信局11aからACKが受信できなかったとする。図16において、中継局20の判定制御部202が、送受信局11aからのACKを受信できなかったことを検出した場合、図7に示す第1の実施形態と同様に中継局20からNCパケットχ1が再送される。
送受信局11aの無線送受信部104aは、第1の実施形態と同様の処理により、受信したパケットが、再送のNCパケットであると判断する(図18、ステップS705、S710:再送パケット)。判定制御部121aは、受信した再送のNCパケットχ1を破棄し(ステップS765)、ACK信号を中継局20に返送する(図18、ステップS770)。
送受信局11bにおいても、送受信局11aと同様の処理を行ない、再送されたNCパケットχ1を破棄し、ACK信号を中継局20に返送する。
中継局20の判定制御部202は、送受信局11a及び11bからACKを受信すると、待機バッファ回路208に格納していたNCパケットχ1を削除する。
以上説明した本発明の実施形態の通信システムによれば、中継局は、NCパケットに鍵パケットを選択するための情報を付加することなくNCパケットを送信し、NCパケットを受信した送受信局において正しく鍵パケットを選択し、NC復号を行うことができる。従って、鍵パケットの選択に用いる追加情報をNCパケットに付加によって発生するスループット劣化や、伝送遅延の長大を防ぐことができる。また、NCパケットに追加情報を付加する必要がないため、既存の標準規格をそのまま適用することが可能である。
また、中継局からパケットの再送があった場合でも、送受信局の送信済バッファ回路の格納内容と、中継局の第1バッファ回路の格納内容とに同期外れが発生せず、正常に鍵パケットが選択可能である。従って、正常にNC復号されなかったパケットが上位レイヤに出力されることがなく、通信システムの信頼性が向上する。また、再送パケットか否かについては、受信パケット自体や、標準規格の通信フレームに設定されるシーケンス番号等により判断することができる。
加えて、送受信局は、NCパケットの送信に用いる標準規格の通信フレーム内のアドレス情報や、送信済バッファ内のパケット蓄積状況によって、受信したパケットがNCパケットであるか、自局宛のネイティブパケットであるか、自局が送信したパケットであるか、他通信システムのノードから送信されたパケットであるかを簡易に判断し、適切な受信処理を行なうことができる。従って、NC符号化されていないパケットの受信も可能であり、ネットワークコーディングを適用していない既存の通信システムとの共存も可能である。
なお、上述の送受信局10、送受信局11、及び、中継局20は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、判定制御部101、121、再送待機バッファ回路102、第1入力切替回路103、無線送受信部104、送信済バッファ回路105、受信済バッファ回路106、出力切替回路107、第2入力切替回路108、削除待機バッファ回路109、NC復号回路110、第3入力切替回路111、及び、ACK信号生成回路112、ならびに、無線送受信部201、判定制御部202、出力切替回路203、第1転送バッファ回路204−1、第2転送バッファ回路204−2、NC符号化回路205、ACK信号生成回路206、第1入力切替回路207、待機バッファ回路208、第2入力切替回路209、及び、第3入力切替回路210の動作の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータシステムが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでいうコンピュータシステムとは、CPU及び各種メモリやOS、周辺機器等のハードウェアを含むものである。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
10、10a、10b、11、11a、11b…送受信局(受信局装置)
101、121…判定制御部(受信局判定制御部)
102…再送待機バッファ回路
103…第1入力切替回路
104…無線送受信部(受信局受信部、受信局送信部)
105…送信済バッファ回路(送信済バッファ部)
106…受信済バッファ回路(受信済バッファ部)
107…出力切替回路
108…第2入力切替回路
109…削除待機バッファ回路
110…NC復号回路(ネットワーク符号化復号部)
111…第3入力切替回路
112…ACK信号生成回路
20…中継局(中継局装置)
201…無線送受信部(中継局受信部、中継局送信部)
202…判定制御部(中継局判定制御部、再送制御部)
203…出力切替回路
204−1…第1転送バッファ回路(転送バッファ部)
204−2…第2転送バッファ回路(転送バッファ部)
205…NC符号化回路(ネットワーク符号化部)
206…ACK信号生成回路(応答信号生成部)
207…第1入力切替回路
208…待機バッファ回路
209…第2入力切替回路
210…第3入力切替回路

Claims (14)

  1. 中継局装置と2台の受信局装置とを有する通信システムであって、
    前記受信局装置は、
    前記中継局装置に送信された他の前記受信局装置宛のパケットを格納し、格納している前記パケットを前記中継局への送信順に出力する送信済バッファ部と、
    前記中継局装置からネットワーク符号化されたパケットを受信する受信局受信部と、
    前記受信局受信部により受信した前記ネットワーク符号化されたパケットに対応して前記中継局装置に応答を返送する応答信号生成部と、
    前記受信局受信部により受信した前記ネットワーク符号化されたパケットが再送パケットではない場合、前記ネットワーク符号化されたパケットを前記送信済バッファ部から送信順に出力される前記パケットにより復号するネットワーク符号化復号部とを備え、
    前記中継局装置は、
    前記受信局装置宛の前記パケットを受信する中継局受信部と、
    送信先の前記受信局装置に対応して設けられ、前記中継局受信部により受信した前記パケットを格納し、格納している前記パケットを受信順に出力する2つの転送バッファ部と、
    前記中継局受信部により受信した前記パケットを、該パケットに付加された送信先または送信元の前記受信局装置のアドレスに基づいて前記2つの転送バッファ部の中から選択した前記転送バッファ部に格納する中継局判定制御部と、
    前記2つの転送バッファ部それぞれから受信順に出力された前記パケットをネットワーク符号化するネットワーク符号化部と、
    前記ネットワーク符号化部によりネットワーク符号化された前記パケットを前記受信局装置に送信する中継局送信部と、
    前記中継局送信部が送信した前記ネットワーク符号化されたパケットに対する応答をいずれかまたは両方の前記受信局装置から受信しなかった場合、前記ネットワーク符号化されたパケットを再送するよう前記中継局送信部に指示する再送制御部とを備える、
    ことを特徴とする通信システム。
  2. 前記受信局装置は、送信先の前記他の受信局装置のアドレス、または、送信元の自受信局装置のアドレスの少なくとも一方を付加したパケットを前記中継局装置に送信する受信局送信部をさらに備え、
    前記送信済バッファ部は、前記受信局送信部により送信された前記パケットを格納する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記受信局装置は、
    復号に使用した他の前記受信局装置宛のパケットを格納する削除待機バッファ部と、
    前記受信局受信部により受信した前記ネットワーク符号化されたパケットが再送パケットではない場合、記憶している前記パケットを送信順に出力するよう前記送信済バッファ部に指示するとともに、出力された前記パケットを前記送信済バッファ部から削除して前記削除待機バッファに格納し、前記ネットワーク符号化されたパケットが再送パケットである場合、記憶している前記パケットを出力するよう前記削除待機バッファ部に指示する受信局判定制御部とをさらに備え、
    前記ネットワーク符号化復号部は、前記受信局受信部により受信した前記ネットワーク符号化されたパケットを前記送信済バッファ部から送信順に出力される前記パケット、または、前記削除待機バッファ部から出力される前記パケットにより復号する、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の通信システム。
  4. 前記受信局装置は、
    前記受信局受信部により受信したパケットが再送パケットである場合、受信した該再送パケットを破棄する受信局判定制御部をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の通信システム。
  5. 前記中継局判定制御部は、前記2つの転送バッファ部のいずれかのみにパケットが格納されている場合、パケットが格納されている前記転送バッファ部から受信順に出力された前記パケットを前記中継局送信部により送信するよう制御し、
    前記再送制御部は、前記転送バッファ部から受信順に出力され、前記中継局送信部により送信された前記パケットに対する応答を、前記パケットの出力元の前記転送バッファ部に対応した送信先の前記受信局装置から受信しなかった場合、前記パケットを再送するよう前記中継局送信部に指示し、
    前記受信局判定制御部は、前記受信局受信部により受信したパケットが再送パケットではない場合、前記送信済バッファ部にパケットが格納されていないときには受信した前記パケットを出力し、受信した前記パケットが前記送信済バッファ部に格納されているときには、受信した前記パケットを前記送信済バッファ部から削除する、
    ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の通信システム。
  6. 前記受信局装置は、
    前記受信局受信部により受信したパケット、あるいは、受信した前記パケットに付加されたシーケンス番号を記憶する受信済バッファ部をさらに備え、
    前記受信局判定制御部は、受信した前記パケット、あるいは、受信した前記パケットに付加されたシーケンス番号と、前記受信済バッファ部に格納されている前記パケット、あるいは、前記シーケンス番号とを照合して再送であるか否かを判定するとともに、受信した前記パケット、あるいは、受信した前記パケットに付加されたシーケンス番号を前記受信済バッファ部に格納する、
    ことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の通信システム。
  7. 前記中継局送信部は、前記パケットに前記2台の受信局装置のアドレス、及び、自中継局装置のアドレスを付加して送信し、
    前記受信局判定制御部は、前記受信局受信部により受信したパケットに自受信局装置のアドレス、他の受信局装置のアドレス、または、前記中継局装置のアドレスのうち1以上が設定されていない場合、他の通信システムから送信されたパケットの受信処理を行なうよう制御する、
    ことを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の通信システム。
  8. 中継局装置と2台の受信局装置とを有する通信システムにおける前記中継局装置であって、
    前記受信局装置宛のパケットを受信する中継局受信部と、
    送信先の前記受信局装置に対応して設けられ、前記中継局受信部により受信した前記パケットを格納し、格納している前記パケットを受信順に出力する2つの転送バッファ部と、
    前記中継局受信部により受信した前記パケットを、該パケットに付加された送信先または送信元の前記受信局装置のアドレスに基づいて前記2つの転送バッファ部の中から選択した前記転送バッファ部に格納する中継局判定制御部と、
    前記2つの転送バッファ部それぞれから受信順に出力された前記パケットをネットワーク符号化するネットワーク符号化部と、
    前記ネットワーク符号化部によりネットワーク符号化された前記パケットを前記受信局装置に送信する中継局送信部と、
    前記中継局送信部が送信した前記ネットワーク符号化されたパケットに対する応答をいずれかまたは両方の前記受信局装置から受信しなかった場合、前記ネットワーク符号化されたパケットを再送するよう前記中継局送信部に指示する再送制御部と、
    を備えることを特徴とする中継局装置。
  9. 中継局装置と2台の受信局装置とを有する通信システムにおける前記受信局装置であって、
    前記中継局装置に送信された他の前記受信局装置宛のパケットを格納し、格納している前記パケットを前記中継局への送信順に出力する送信済バッファ部と、
    前記中継局装置からネットワーク符号化されたパケットを受信する受信局受信部と、
    前記受信局受信部により受信した前記ネットワーク符号化されたパケットに対応して前記中継局装置に応答を返送する応答信号生成部と、
    前記受信局受信部により受信した前記ネットワーク符号化されたパケットが再送パケットではない場合、前記ネットワーク符号化されたパケットを前記送信済バッファ部から送信順に出力される前記パケットにより復号するネットワーク符号化復号部と、
    を備えることを特徴とする受信局装置。
  10. 中継局装置と2台の受信局装置とを有する通信システムに用いられる通信方法であって、
    受信局装置において、
    送信済バッファ部が、前記中継局装置に送信された他の前記受信局装置宛のパケットを格納する送信パケット格納過程と、
    前記中継局装置において、
    中継局受信部が、前記受信局装置宛の前記パケットを受信する中継局受信過程と、
    中継局判定制御部が、前記中継局受信過程において受信した前記パケットを、送信先の前記受信局装置に対応して設けられた2つの転送バッファ部の中から該パケットに付加された送信先または送信元のアドレスに基づいて選択した前記転送バッファ部に格納する受信パケット格納過程とを有する一方、
    前記中継局装置において、
    前記2つの転送バッファ部それぞれが、格納している前記パケットのうち最初に受信したパケットを出力するパケット出力過程と、
    ネットワーク符号化部が、前記パケット出力過程において前記2つの転送バッファ部それぞれから出力されたパケットをネットワーク符号化するネットワーク符号化過程と、
    中継局送信部が、前記ネットワーク符号化過程においてネットワーク符号化された前記パケットを前記受信局装置に送信する中継局送信過程と、
    前記受信局装置において、
    受信局受信部が、前記中継局装置から前記ネットワーク符号化されたパケットを受信する受信局受信過程と、
    前記送信済バッファ部が、格納している前記パケットのうち最初に送信された前記パケットを出力する鍵パケット出力過程と、
    応答信号生成部が、前記受信局受信過程において受信した前記ネットワーク符号化されたパケットに対応して前記中継局装置に応答を返送する応答信号返送過程と、
    ネットワーク符号化復号部が、前記受信局受信過程において受信した前記ネットワーク符号化されたパケットが再送パケットではない場合、前記ネットワーク符号化されたパケットを、前記鍵パケット出力過程において前記送信済バッファ部から出力された前記パケットにより復号するネットワーク符号化復号過程と、
    前記中継局装置において、
    再送制御部が、前記中継局送信過程において送信した前記ネットワーク符号化されたパケットに対する応答をいずれかまたは両方の前記受信局装置から受信しなかった場合、前記ネットワーク符号化されたパケットを前記受信局装置に再送する再送制御過程と、
    を有することを特徴とする通信方法。
  11. 中継局装置と2台の受信局装置とを有する通信システムにおける前記中継局装置に用いられる通信方法であって、
    中継局受信部が、前記受信局装置宛のパケットを受信する中継局受信過程と、
    中継局判定制御部が、前記中継局受信過程において受信した前記パケットを、送信先の前記受信局装置に対応して設けられた2つの転送バッファ部の中から該パケットに付加された送信先または送信元のアドレスに基づいて選択した前記転送バッファ部に格納する受信パケット格納過程とを有する一方、
    前記2つの転送バッファ部それぞれが、格納している前記パケットのうち最初に受信したパケットを出力するパケット出力過程と、
    ネットワーク符号化部が、前記パケット出力過程において前記2つの転送バッファ部それぞれから出力されたパケットをネットワーク符号化するネットワーク符号化過程と、
    中継局送信部が、前記ネットワーク符号化過程においてネットワーク符号化された前記パケットを前記受信局装置に送信する中継局送信過程と、
    再送制御部が、前記中継局送信過程において送信した前記ネットワーク符号化されたパケットに対する応答をいずれかまたは両方の前記受信局装置から受信しなかった場合、前記ネットワーク符号化されたパケットを前記受信局装置に再送する再送制御過程と、
    を有することを特徴とする通信方法。
  12. 中継局装置と2台の受信局装置とを有する通信システムにおける前記受信局装置に用いられる通信方法であって、
    送信済バッファ部が、前記中継局装置に送信された他の前記受信局装置宛のパケットを格納する送信パケット格納過程を有する一方、
    受信局受信部が、前記中継局装置から前記ネットワーク符号化されたパケットを受信する受信局受信過程と、
    前記送信済バッファ部が、格納している前記パケットのうち最初に送信された前記パケットを出力する鍵パケット出力過程と、
    応答信号生成部が、前記受信局受信過程において受信した前記ネットワーク符号化されたパケットに対応して前記中継局装置に応答を返送する応答信号返送過程と、
    ネットワーク符号化復号部が、前記受信局受信過程において受信した前記ネットワーク符号化されたパケットが再送パケットではない場合、前記ネットワーク符号化されたパケットを前記送信済バッファ部から出力された前記パケットにより復号するネットワーク符号化復号過程と、
    を有することを特徴とする通信方法。
  13. 中継局装置と2台の受信局装置とを有する通信システムにおける前記中継局装置に用いられるコンピュータを、
    前記受信局装置宛のパケットを受信する中継局受信部、
    送信先の前記受信局装置に対応して設けられ、前記中継局受信部により受信した前記パケットを格納し、格納している前記パケットを受信順に出力する2つの転送バッファ部、
    前記中継局受信部により受信した前記パケットを、該パケットに付加された送信先または送信元の前記受信局装置のアドレスに基づいて前記2つの転送バッファ部の中から選択した前記転送バッファ部に格納する中継局判定制御部、
    前記2つの転送バッファ部それぞれから受信順に出力された前記パケットをネットワーク符号化するネットワーク符号化部、
    前記ネットワーク符号化部によりネットワーク符号化された前記パケットを前記受信局装置に送信する中継局送信部、
    前記中継局送信部が送信した前記ネットワーク符号化されたパケットに対する応答をいずれかまたは両方の前記受信局装置から受信しなかった場合、前記ネットワーク符号化されたパケットを再送するよう前記中継局送信部に指示する再送制御部、
    として機能させることを特徴とするプログラム。
  14. 中継局装置と2台の受信局装置とを有する通信システムにおける前記受信局装置に用いられるコンピュータを、
    前記中継局装置に送信された他の前記受信局装置宛のパケットを格納し、格納している前記パケットを前記中継局への送信順に出力する送信済バッファ部、
    前記中継局装置からネットワーク符号化されたパケットを受信する受信局受信部、
    前記受信局受信部により受信した前記ネットワーク符号化されたパケットに対応して前記中継局装置に応答を返送する応答信号生成部、
    前記受信局受信部により受信した前記ネットワーク符号化されたパケットが再送パケットではない場合、前記ネットワーク符号化されたパケットを前記送信済バッファ部から送信順に出力される前記パケットにより復号するネットワーク符号化復号部、
    として機能させることを特徴とするプログラム。
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