JP2010093475A - 無線装置およびそれを備えた無線ネットワーク - Google Patents
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Abstract
【課題】双方向の無線通信における通信効率を向上可能な無線装置を提供する。
【解決手段】移動端末MがアクセスポイントAPとの間で直接リンクを用いて双方向の無線通信を行なっている場合、中継器Rは、移動端末MとアクセスポイントAPとの間の直接リンクによる双方向の無線通信に要する総合送信時間t1と、自己を介して移動端末MとアクセスポイントAPとの間で双方向の無線通信を行なった場合の総合送信時間tNC1とを計測し、総合送信時間tNC1が総合送信時間t1よりも短いとき、移動端末Mと自己との間の送信レートrMRと、自己とアクセスポイントAPとの間の送信レートrRAPとを移動端末MおよびアクセスポイントAPへ通知する。移動端末MおよびアクセスポイントAPは、中継器Rからの通知に応じて、中継器Rを介して双方向の無線通信を行なう。
【選択図】図7
【解決手段】移動端末MがアクセスポイントAPとの間で直接リンクを用いて双方向の無線通信を行なっている場合、中継器Rは、移動端末MとアクセスポイントAPとの間の直接リンクによる双方向の無線通信に要する総合送信時間t1と、自己を介して移動端末MとアクセスポイントAPとの間で双方向の無線通信を行なった場合の総合送信時間tNC1とを計測し、総合送信時間tNC1が総合送信時間t1よりも短いとき、移動端末Mと自己との間の送信レートrMRと、自己とアクセスポイントAPとの間の送信レートrRAPとを移動端末MおよびアクセスポイントAPへ通知する。移動端末MおよびアクセスポイントAPは、中継器Rからの通知に応じて、中継器Rを介して双方向の無線通信を行なう。
【選択図】図7
Description
この発明は、無線装置およびそれを備えた無線ネットワークに関し、特に、移動端末とアクセスポイントとの間の無線通信を実行する無線装置およびそれを備えた無線ネットワークに関するものである。
無線LAN(Local Area Network)は、学校およびイベント会場等のホットスポットで広く使用されている。しかし、移動端末の移動または電波伝搬状態の瞬時的な変動によって、移動端末−アクセスポイント間の直接リンクが切断されることもある。また、同様の理由によって、移動端末−アクセスポイント間の無線リンクの品質が劣化した場合、利用可能な通信レートが低下する。そのような通信レートの低下は、全ネットワークのスループットに深刻な悪影響を及ぼす。
そこで、中継端末を用いた場合の総合送信時間と、中継端末を用いない場合の所要送信時間とを比較し、事前に選択した中継端末を使用するか否かを決定する手法が提案されている(非特許文献1)。この場合、RTS(Request To Send)およびCTS(Clear To Send)によって移動端末およびアクセスポイント間のリンクにおけるリンク品質が測定され、そのリンクを用いる場合の送信レートが算出される。そして、算出された送信レートを用いて中継端末を用いる場合の総合送信時間と、中継端末を用いない場合の所要送信時間とが算出される。
また、ルーティングテーブルに基づいて、複数のパケットをネットワークコーディングして同時に送信する手法が提案されている(非特許文献2)。
更に、ネットワークコーディングを使用できるように、経路を形成する手法が提案されている(非特許文献3)。
Hao Zhu, Guohong Cao, rDCF: a relay-enabled medium access control protocol for wireless ad hoc networks, INFOCOM ’05, Vol. 1, pp12-22, 2005. Sachin Katti, Hariharan Rahul, Wenjun Hu, Dina Katabi, Muriel Medard, Jon Crowcroft, XORs In The Air: Practical Wireless Network Coding,ACMSIGCOMM, 2006. Yan Yan, Baoxian Zhang, Hussein T. Mouftah, Jian Ma, Practical Coding-Aware Mechanism for Opportunistic Routing in Wireless Mesh Networks, ICC’08.
Hao Zhu, Guohong Cao, rDCF: a relay-enabled medium access control protocol for wireless ad hoc networks, INFOCOM ’05, Vol. 1, pp12-22, 2005. Sachin Katti, Hariharan Rahul, Wenjun Hu, Dina Katabi, Muriel Medard, Jon Crowcroft, XORs In The Air: Practical Wireless Network Coding,ACMSIGCOMM, 2006. Yan Yan, Baoxian Zhang, Hussein T. Mouftah, Jian Ma, Practical Coding-Aware Mechanism for Opportunistic Routing in Wireless Mesh Networks, ICC’08.
しかし、非特許文献1では、片方向のトラフィックにおける中継端末しか考慮していないため、非特許文献1に記載された手法を双方向の無線通信が行なわれる経路に適用して通信効率を向上させることは、困難であるという問題がある。
また、非特許文献2,3では、異なるリンク上の異なる通信レートを考慮していないため、通信効率を向上させる経路を選択してネットワークコーディングによってパケットを送信するのは困難であるという問題がある。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、双方向の無線通信における通信効率を向上可能な無線装置を提供することである。
また、この発明の別の目的は、双方向の無線通信における通信効率を向上可能な無線装置を備えた無線ネットワークを提供することである。
この発明によれば、無線装置は、他の無線装置とアクセスポイントとの間で行なわれる双方向の無線通信を中継する無線装置であって、計測手段と、制御手段とを備える。計測手段は、他の無線装置とアクセスポイントとの間で2つの無線リンクからなる第1の経路を用いて行なわれている双方向の無線通信における第1の通信時間と、第1の経路と異なり、かつ、2つの無線リンクからなる第2の経路を用いた場合の双方向の無線通信における第2の通信時間とを計測する。制御手段は、第2の通信時間が第1の通信時間よりも短いと判定したとき、第2の経路を用いて双方向の無線通信を行なうように他の無線装置およびアクセスポイントを制御する。
好ましくは、計測手段は、他の無線装置とアクセスポイントとの間の直接リンクを用いた場合の双方向の無線通信における通信時間を第1の通信時間として計測するとともに、他の無線装置と当該無線装置との間の直接リンクと、アクセスポイントと当該無線装置との間の直接リンクとを用いた場合の双方向の無線通信における通信時間を第2の通信時間として計測する。制御手段は、第2の通信時間が第1の通信時間よりも短いと判定したとき、当該無線装置を経由する第2の経路を用いて双方向の無線通信を行なうように他の無線装置およびアクセスポイントを制御する。
好ましくは、計測手段は、他の無線装置とアクセスポイントとの間で双方向の無線通信を中継している他の中継器と他の無線装置との間の直接リンクと、他の中継器とアクセスポイントとの間の直接リンクとを用いた場合の双方向の無線通信における通信時間を第1の通信時間として計測するとともに、他の無線装置と当該無線装置との間の直接リンクと、アクセスポイントと当該無線装置との間の直接リンクとを用いた場合の双方向の無線通信における通信時間を第2の通信時間として計測する。制御手段は、第2の通信時間が第1の通信時間よりも短いと判定したとき、当該無線装置を経由する第2の経路を用いて双方向の無線通信を行なうように他の無線装置およびアクセスポイントを制御する。
好ましくは、他の無線装置は、第1および第2の無線装置からなる。計測手段は、第1の無線装置とアクセスポイントとの間の直接リンクと、アクセスポイントと第2の無線装置との間の直接リンクとを用いた場合の双方向の無線通信における通信時間を第1の通信時間として計測するとともに、第1の無線装置と当該無線装置との間の直接リンクと、アクセスポイントと当該無線装置との間の直接リンクと、当該無線装置と第2の無線装置との間の直接リンクとを用いた場合の双方向の無線通信における通信時間を第2の通信時間として計測する。制御手段は、第2の通信時間が第1の通信時間よりも短いと判定し、更に、第1の無線装置と第2の無線装置との間の直接リンクにおける通信品質が第1の無線装置と当該無線装置との間の直接リンクにおける通信品質よりも良いと判定すると、当該無線装置を経由する第2の経路を用いて双方向の無線通信を行なうように他の無線装置およびアクセスポイントを制御する。
好ましくは、他の無線装置は、第1および第2の無線装置からなる。計測手段は、他の無線装置とアクセスポイントとの間で双方向の無線通信を中継している他の中継器と第1の無線装置との間の直接リンクと、他の中継器とアクセスポイントとの間の直接リンクと、アクセスポイントと当該無線装置との間の直接リンクと、当該無線装置と第2の無線装置との間の直接リンクとを用いた場合の双方向の無線通信における通信時間を第1の通信時間として計測するとともに、第1の無線装置と当該無線装置との間の直接リンクと、アクセスポイントと当該無線装置との間の直接リンクと、当該無線装置と第2の無線装置との間の直接リンクとを用いた場合の双方向の無線通信における通信時間を第2の通信時間として計測する。制御手段は、第2の通信時間が第1の通信時間よりも短いと判定し、更に、第1の無線装置と第2の無線装置との間の直接リンクにおける通信品質が第1の無線装置と当該無線装置との間の直接リンクにおける通信品質よりも良いと判定すると、当該無線装置を経由する第2の経路を用いて双方向の無線通信を行なうように他の無線装置およびアクセスポイントを制御する。
好ましくは、無線装置は、送信手段を更に備える。送信手段は、他の無線装置から受信した第1のパケットをアクセスポイントへ転送する場合、第1のパケットとペアとなるアクセスポイントから受信した第2のパケットを検索し、第2のパケットを検出すると、第1のパケットと第2のパケットとの排他的論理和を演算して結合パケットを生成し、その生成した結合パケットを他の無線装置およびアクセスポイントへ送信する。
好ましくは、無線装置は、再送手段を更に備える。再送手段は、MAC層に設けられ、送信手段が結合パケットを送信した後に他の無線装置およびアクセスポイントの両方からの応答に基づいて、第1のパケット、第2のパケットおよび結合パケットのいずれかを再送する。
また、この発明によれば、無線ネットワークは、アクセスポイントと、第1および第2の無線装置とを備える。第1の無線装置は、アクセスポイントと双方向の無線通信を行なう。第2の無線装置は、第1の無線装置とアクセスポイントとの間で双方向の無線通信を中継する。そして、第2の無線装置は、第1の無線装置とアクセスポイントとの間で2つの無線リンクからなる第1の経路を用いて双方向の無線通信が行なわれるときの第1の通信時間が、第1の経路と異なり、かつ、2つの無線リンクからなる第2の経路を用いて双方向の無線通信が行なわれるときの第2の通信時間よりも長いと判定したとき、第2の経路を用いて双方向の無線通信を行なうように第1の無線装置およびアクセスポイントを制御する。
好ましくは、第2の無線装置は、第1の無線装置とアクセスポイントとの間の直接リンクを用いた場合の双方向の無線通信における通信時間を第1の通信時間として計測し、第1の無線装置と自己との間の直接リンクと、アクセスポイントと自己との間の直接リンクとを用いた場合の双方向の無線通信における通信時間を第2の通信時間として計測するとともに、第2の通信時間が第1の通信時間よりも短いと判定したとき、自己を経由する第2の経路を用いて双方向の無線通信を行なうように第1の無線装置およびアクセスポイントを制御する。
好ましくは、無線ネットワークは、第3の無線装置を更に備える。第3の無線装置は、第1の無線装置とアクセスポイントとの間で双方向の無線通信を中継する。第2の無線装置は、第1の無線装置と第3の無線装置との間の直接リンクと、第3の無線装置とアクセスポイントとの間の直接リンクとを用いた場合の双方向の無線通信における通信時間を第1の通信時間として計測し、第1の無線装置と自己との間の直接リンクと、アクセスポイントと自己との間の直接リンクとを用いた場合の双方向の無線通信における通信時間を第2の通信時間として計測するとともに、第2の通信時間が第1の通信時間よりも短いと判定したとき、自己を経由する第2の経路を用いて双方向の無線通信を行なうように第1の無線装置およびアクセスポイントを制御する。
好ましくは、第1の無線装置は、第3および第4の無線装置からなる。第2の無線装置は、第3の無線装置とアクセスポイントとの間の直接リンクと、アクセスポイントと第4の無線装置との間の直接リンクとを用いた場合の双方向の無線通信における通信時間を第1の通信時間として計測し、第3の無線装置と自己との間の直接リンクと、アクセスポイントと自己との間の直接リンクと、自己と第4の無線装置との間の直接リンクとを用いた場合の双方向の無線通信における通信時間を第2の通信時間として計測するとともに、第2の通信時間が第1の通信時間よりも短いと判定し、更に、第3の無線装置と第4の無線装置との間の直接リンクにおける通信品質が第3の無線装置と自己との間の直接リンクにおける通信品質よりも良いと判定すると、自己を経由する第2の経路を用いて双方向の無線通信を行なうように第3および第4の無線装置とアクセスポイントとを制御する。
好ましくは、無線ネットワークは、第3の無線装置を更に備える。第3の無線装置は、他の無線装置とアクセスポイントとの間で双方向の無線通信を中継する。第1の無線装置は、第4および第5の無線装置からなる。第2の無線装置は、第3の無線装置と第4の無線装置との間の直接リンクと、第3の無線装置とアクセスポイントとの間の直接リンクと、アクセスポイントと自己との間の直接リンクと、自己と第5の無線装置との間の直接リンクとを用いた場合の双方向の無線通信における通信時間を第1の通信時間として計測し、第4の無線装置と自己との間の直接リンクと、アクセスポイントと自己との間の直接リンクと、自己と第5の無線装置との間の直接リンクとを用いた場合の双方向の無線通信における通信時間を第2の通信時間として計測し、第2の通信時間が第1の通信時間よりも短いと判定し、更に、第4の無線装置と第5の無線装置との間の直接リンクにおける通信品質が第4の無線装置と自己との間の直接リンクにおける通信品質よりも良いと判定すると、自己を経由する第2の経路を用いて双方向の無線通信を行なうように第4および第5の無線装置とアクセスポイントとを制御する。
好ましくは、第2の無線装置は、第1の無線装置から受信した第1のパケットをアクセスポイントへ転送する場合、第1のパケットとペアとなるアクセスポイントから受信した第2のパケットを検索し、第2のパケットを検出すると、第1のパケットと第2のパケットとの排他的論理和を演算して結合パケットを生成し、その生成した結合パケットを第1の無線装置およびアクセスポイントへ送信する。
好ましくは、第2の無線装置は、結合パケットを送信した後に第1の無線装置およびアクセスポイントの両方からの応答に基づいて、第1のパケット、第2のパケットおよび結合パケットのいずれかを再送する。
好ましくは、アクセスポイントは、第1の無線装置から自己へ送信されるパケットの割合を第1の割合とし、自己から第1の無線装置へ送信するパケットの割合を第2の割合とし、第2の割合が第1の割合以下であるとき、全てのパケットを第2の無線装置へ送信し、第2の割合が第1の割合よりも多いとき、第2の割合のうち、第1の割合のパケットを第2の無線装置へ送信し、第2の割合から第1の割合を減算した第3の割合のパケットを第1の無線装置へ直接送信する。第1の無線装置は、第1の割合が第2の割合以下であるとき、全てのパケットを第2の無線装置へ送信し、第1の割合が第2の割合よりも多いとき、第1の割合のうち、第2の割合のパケットを第2の無線装置へ送信し、第1の割合から第2の割合を減算した第4の割合のパケットをアクセスポイントへ直接送信する。第2の無線装置は、第1の無線装置から受信した第1のパケットをアクセスポイントへ転送する場合、第1のパケットとペアとなるアクセスポイントから受信した第2のパケットを検索し、第2のパケットを検出すると、第1のパケットと第2のパケットとの排他的論理和を演算して結合パケットを生成し、その生成した結合パケットを第1の無線装置およびアクセスポイントへ送信する。
この発明においては、双方向の無線通信における総合送信時間がより短い経路を選択して双方向の無線通信が各無線装置とアクセスポイントとの間で行なわれる。その結果、無線通信空間の占有時間が短くなり、他の無線装置がアクセスポイントとの間で双方向の無線通信を行なう機会が増加する。
従って、この発明によれば、通信効率を向上できる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による無線ネットワークの概略図である。この発明の実施の形態による無線ネットワーク100は、無線装置1〜17と、アクセスポイントAP1,AP2とを備える。
アクセスポイントAP1,AP2は、無線通信空間に配置され、それぞれ、通信領域REG1,REG2を有する。無線装置1〜17は、移動可能な端末である。無線装置1〜9は、アクセスポイントAP1の通信領域REG1内に配置され、無線装置10〜17は、アクセスポイントAP2の通信領域REG2内に配置される。その結果、無線装置3,11〜13は、アクセスポイントAP1の通信領域REG1とアクセスポイントAP2の通信領域REG2との重複部分に配置される。
アクセスポイントAP1,AP2は、ビーコンフレームを周期的にブロードキャストし、無線LANの存在を無線装置1〜9および無線装置10〜17へ通知する。
無線装置1〜9および無線装置10〜17は、ビーコンフレームの受信によってそれぞれアクセスポイントAP1,AP2との通信パラメータを取得する。そして、無線装置1〜9および無線装置10〜17は、それぞれ、アクセスポイントAP1,AP2との間で認証(Authentication)および経路確立(Association)が終了してから、アクセスポイントAP1,AP2との間で直接通信を行なうことができる。
多数のアクセスポイントが同じホットスポットに配置されている場合、アクセスポイントの通信範囲は、大きく重なることが想定される。しかし、同時に利用可能なチャネル数は、限られているため、チャネル数よりも多くのアクセスポイントが同じ場所で同時に動作する場合には、アクセスポイント間の相互干渉が問題になる。
この相互干渉を減少させるには、アクセスポイントは、ビーコンフレームのような制御フレームの送信電力をそのままにし、データフレームの送信電力を減少させることが想定される。その結果、図1に示すように、アクセスポイントAP1からのデータフレームの通信領域REGD1は、アクセスポイントAP1の本来の通信領域REG1よりも縮小され、アクセスポイントAP2からのデータフレームの通信領域REGD2は、アクセスポイントAP2の本来の通信領域REG2よりも縮小される。
そうすると、データフレームの送信電力の減少によって、例えば、無線装置9,16が送信したデータフレームがそれぞれアクセスポイントAP1,AP2へ届かない可能性がある。
このような場合、無線装置9,16が他の無線装置を経由してアクセスポイントAP1,AP2と通信する方法が想定される。
一方、無線装置9,16がそれぞれアクセスポイントAP1,AP2と直接通信を行なうことができても、送信レートが低いので、データフレームの送受信に必要な時間が長くなる。これによって、無線ネットワーク100全体の通信効率が低下する可能性がある。
そこで、以下においては、各無線装置1〜17がアクセスポイントAP1(またはアクセスポイントAP2)との間で無線通信を行なう場合に、通信効率を向上させる方法について説明する。
図2は、図1に示す無線装置1の構成を示す概略ブロック図である。無線装置1は、無線インターフェース21と、MAC(Media Access Control)モジュール22と、キュー23と、TCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)モジュール24と、ルーティングモジュール25と、ネイバーテーブル26と、中継テーブル27とを含む。
無線インターフェース21は、無線通信空間を介して他の無線装置またはアクセスポイントAP(アクセスポイントAP1,AP2のいずれか)からデータパケットを受信するとともに、そのデータパケットを受信したときの信号対雑音比SNR(Signal to Noise Ratio)を検出する。そして、無線インターフェース21は、データパケットと、信号対雑音比SNR(「受信SNR」と言う)とをMACモジュール22へ出力する。
また、無線インターフェース21は、無線通信空間を介して他の無線装置またはアクセスポイントAPからHelloメッセージを受信し、そのHelloメッセージを受信したときの受信SNRを検出する。そして、無線インターフェース21は、Helloメッセージおよび受信SNRをMACモジュール22へ出力する。
更に、無線インターフェース21は、無線通信空間を介して他の無線装置またはアクセスポイントAPからACK(Acknowledge)パケットを受信し、その受信したACKパケットをMACモジュール22へ出力する。
更に、無線インターフェース21は、データパケット、ACKパケット、およびHelloメッセージをMACモジュール22から受け、その受けたデータパケット、ACKパケット、およびHelloメッセージを無線通信空間を介して他の無線装置またはアクセスポイントAPへ送信する。
MACモジュール22は、Helloメッセージおよび受信SNRを無線インターフェース21から受けると、その受けたHelloメッセージおよび受信SNRをルーティングモジュール25へ出力する。
また、MACモジュール22は、Helloメッセージをルーティングモジュール25から受けると、その受けたHelloメッセージを無線インターフェース21を介して他の無線装置およびアクセスポイントAPへ送信する。
更に、MACモジュール22は、他の無線装置またはアクセスポイントAPから送信されたデータパケットおよび受信SNRを無線インターフェース21から受けると、その受けたデータパケットが無線装置1宛てのパケットである場合、その受けたデータパケットをアプリケーション(図示せず)へ出力する。一方、MACモジュール22は、その受けたデータパケットが他の無線装置またはアクセスポイントAP宛てのパケットである場合、その受けたデータパケットをキュー23に格納する。そして、MACモジュール22は、データパケットおよび受信SNRに基づいて、後述する方法によって、無線装置1を経由する経路を用いた場合の他の無線装置とアクセスポイントAPとの間の双方向の無線通信における通信時間T1が無線装置1を経由しない経路を用いた場合の他の無線装置とアクセスポイントAP1との間の双方向の無線通信における通信時間T2よりも短いか否かを判定する。その後、MACモジュール22は、通信時間T1が通信時間T2よりも短いと判定したとき、無線装置1を経由する経路を用いて双方向の無線通信を行なうように他の無線装置およびアクセスポイントAPを制御する。
更に、MACモジュール22は、無線装置1を経由して他の無線装置とアクセスポイントAPとの間で双方向の無線通信が行なわれる場合、他の無線装置宛てのデータパケットとアクセスポイントAP宛てのデータパケットとをキュー23から取り出し、その取り出した2つのデータパケットの排他的論理和を演算して結合パケットを生成し、その生成した結合パケットを無線インターフェース21を介して送信する。そして、MACモジュール22は、結合パケットを送信した後、後述する方法によってパケットの再送制御を行なう。
更に、MACモジュール22は、後述する方法によって、中継テーブル27を作成または更新する。
更に、MACモジュール22は、片方向の無線通信と双方向の無線通信との両方の無線通信を用いてデータパケットを送信先へ送信する場合、中継テーブル27を参照して、後述する方法によって、データパケットを送信する。
更に、MACモジュール22は、他の無線装置から結合パケットを受信すると、その受信した結合パケットを復号する。そして、MACモジュール22は、結合パケットを正しく復号できたとき、ACKパケットを生成し、その生成したACKパケットを無線インターフェース21を介して送信する。一方、MACモジュール22は、結合パケットを正しく受信できたが、結合パケットを正しく復号できないとき、NACKパケットを生成し、その生成したNACKパケットを無線インターフェース21を介して送信する。また、MACモジュール22は、結合パケットを正しく受信できないとき、何も送信しない。
更に、MACモジュール22は、TCP/IPモジュール24からデータパケットを受けると、MACヘッダをデータパケットに付加し、そのMACヘッダを付加したデータパケットを無線インターフェース21を介して送信する。
キュー23は、他の無線装置またはアクセスポイントAP宛てのデータパケットを格納する。
TCP/IPモジュール24は、アプリケーション(図示せず)から受けたデータをデータ部に格納し、データを格納したデータ部にTCPヘッダを付加し、TCPヘッダ/データ部(=データ)をIPデータ部に格納し、そのIPデータ部にIPヘッダを付加してデータパケットを生成する。そして、TCP/IPモジュール24は、その生成したデータパケットをMACモジュール22へ出力する。
ルーティングモジュール25は、Helloメッセージを定期的に生成し、その生成したHelloメッセージをMACモジュール22へ出力する。
また、ルーティングモジュール25は、Helloメッセージおよび受信SNRをMACモジュール22から受けると、その受けた受信SNRに基づいて、後述する方法によって、Helloメッセージの送信元と無線装置1との間の直接リンクにおける送信レートを算出する。そして、ルーティングモジュール25は、Helloメッセージの送信元と送信レートとを対応付けてネイバーテーブル26に記録する。その後、ルーティングモジュール25は、ネイバーテーブル26に記録された送信元と送信レートとを含むHelloメッセージを生成し、その生成したHelloメッセージをMACモジュール22へ出力する。
更に、ルーティングモジュール25は、送信元と送信レートとを含むHelloメッセージをMACモジュール22から受けると、その受けたHelloメッセージの送信元および送信レートに基づいて、ネイバーテーブル26を更新する。
中継テーブル27は、各送信先へパケットを送信するときの経路情報等を格納する。
なお、図1に示す無線装置2〜17およびアクセスポイントAP1,AP2の各々も、図2に示す無線装置1の構成と同じ構成からなる。
図3は、Helloメッセージの構成図である。Helloメッセージは、送信元の識別記号(ID)と、送信レートとを含む。送信元のIDは、Helloメッセージの送信元のアドレスからなる。送信レートは、Helloメッセージの送信元と、Helloメッセージを受信した無線装置との間の直接リンクにおける送信レートからなる。
図4は、図2に示すネイバーテーブル26の構成図である。ネイバーテーブル26は、送信元と送信レートとを含む。送信元および送信レートは、相互に対応付けられる。送信元は、Helloメッセージの送信元のアドレスからなる。送信レートは、Helloメッセージの送信元と、Helloメッセージを受信した無線装置との間の直接リンクにおける送信レートからなる。
図5は、図2に示す中継テーブル27の構成図である。中継テーブル27は、送信先と、直接通信端末と、経路の種類と、メトリックと、ネットワークコーディングIDと、分配率と、カウンタと、タイムスタンプとを含む。送信先、直接通信端末、経路の種類、メトリック、ネットワークコーディングID、分配率、カウンタ、およびタイムスタンプは、相互に対応付けられる。
送信先は、データパケットの送信先のアドレスからなる。直接通信端末は、データパケットを送信先へ送信する場合にデータパケットを直接送信する端末のアドレスからなる。
経路の種類は、片方向(Unidir)または双方向(Bidir)からなる。片方向は、各無線装置1〜17と各アクセスポイントAP1,AP2との間の直接経路または片方向中継器を使用する経路を意味する。また、双方向は、中継器を使用し、ネットワークコーディングを用いることを意味する。
メトリックは、送信元と送信先との間における双方向の無線通信に要する総合送信時間からなる。
ネットワークコーディングIDは、ネットワークコーディングのグループIDからなり、中継器によって決定された唯一の番号である。
分配率は、データパケットを中継する無線装置からの通知に含まれる通信量によって設定されたトラフィックを分配するための分配率である。
カウンタは、送信したパケットの個数からなる。
タイムスタンプは、データパケットを中継する無線装置からの通知を受信した時刻からなり、年月日時分秒(YYYY/MMMM/DDDD/HHHH/MMMM/SSSS)によって表記される。
図6は、受信SNRと送信レートとの関係を示す図である。受信SNR=γが閾値γ0と閾値γ1との間に存在する場合、1Mbpsの送信レートが割り当てられる。また、受信SNR=γが閾値γ1と閾値γ2との間に存在する場合、2Mbpsの送信レートが割り当てられる。更に、受信SNR=γが閾値γ2と閾値γ3との間に存在する場合、5.5Mbpsの送信レートが割り当てられる。更に、受信SNR=γが閾値γ3よりも大きい場合、11Mbpsの送信レートが割り当てられる。
MACモジュール22は、図6に示す関係を保持しており、データパケットを受信したときの受信SNR_DATA(=γ)に基づいて、図6に示す関係を用いて送信レートを決定する。
また、ルーティングモジュール25も、図6に示す関係を保持しており、Helloパケットを受信したときの受信SNR_Hello(=γ)に基づいて、図6に示す関係を用いて送信レートを決定する。
以下、各無線装置1〜17がアクセスポイントAP1(またはアクセスポイントAP2)との間で無線通信を行なう場合に、通信効率を向上させる方法について説明する。
[中継制御1]
図7は、通信効率を向上させる方法を説明するためのトポロジーを示す図である。また、図8は、図2に示すネイバーテーブル26の具体例を示す図である。更に、図9は、再送テーブルの構成図である。更に、図10は、図2に示すキュー23の具体例を示す図である。
図7は、通信効率を向上させる方法を説明するためのトポロジーを示す図である。また、図8は、図2に示すネイバーテーブル26の具体例を示す図である。更に、図9は、再送テーブルの構成図である。更に、図10は、図2に示すキュー23の具体例を示す図である。
図1に示す無線装置9を移動端末Mとし、図1に示す無線装置8を中継器Rとし、図1に示すアクセスポイントAP1をアクセスポイントAPとし、移動端末Mが、アクセスポイントAPとの間で双方向の無線通信を直接行ない、または中継器Rを介してアクセスポイントAPとの間で2ホップの双方向の無線通信を行なうトポロジーを想定する。即ち、移動端末Mが、アクセスポイントAPとの間の直接リンクを用いてアクセスポイントAPとの間で双方向の無線通信を行ない、またはアクセスポイントAPとの間の2つの無線リンクを用いてアクセスポイントAPとの間で双方向の無線通信を行なうトポロジーを想定する。
この場合、移動端末Mは、データパケットA,BをアクセスポイントAPへ送信し、アクセスポイントAPは、データパケットX,Yを移動端末Mへ送信するものとする。また、中継器RのMACモジュール22は、再送テーブルRTX1(図9参照)を保持している。再送テーブルRTX1において、“Silent”は、移動端末MまたはアクセスポイントAPが何も送信しないことを意味し、“BO”は、バックオフタイムの経過を意味する。更に、中継器Rのキュー23は、アクセスポイントAP宛てのデータパケットを格納するためのキュー231と、移動端末M宛てのデータパケットを格納するためのキュー232とからなる。
移動端末Mのルーティングモジュール25は、最初、移動端末MのアドレスAdd_Mを含むHelloメッセージHELLO_M1を生成し、その生成したHelloメッセージHELLO_M1をMACモジュール22および無線インターフェース21を介して送信する。また、アクセスポイントAPのルーティングモジュール25は、最初、アクセスポイントAPのアドレスAdd_APを含むHelloメッセージHELLO_AP1を生成し、その生成したHelloメッセージHELLO_AP1をMACモジュール22および無線インターフェース21を介して送信する。更に、中継器Rのルーティングモジュール25は、最初、中継器RのアドレスAdd_Rを含むHelloメッセージHELLO_R1を生成し、その生成したHelloメッセージHELLO_R1をMACモジュール22および無線インターフェース21を介して送信する。
アクセスポイントAPの無線インターフェース21は、HelloメッセージHELLO_M1を受信し、そのHelloメッセージHELLO_M1を受信したときの受信SNR_HELLO_M1を検出する。そして、アクセスポイントAPの無線インターフェース21は、HelloメッセージHELLO_M1および受信SNR_HELLO_M1をMACモジュール22を介してルーティングモジュール25へ出力する。
アクセスポイントAPのルーティングモジュール25は、MACモジュール22からHelloメッセージHELLO_M1および受信SNR_HELLO_M1を受け、その受けたHelloメッセージHELLO_M1に含まれるアドレスAdd_Mに基づいて、移動端末MがアクセスポイントAPに隣接する端末であることを検知する。また、アクセスポイントAPのルーティングモジュール25は、図6に示す関係に基づいて、受信SNR_HELLO_M1から移動端末MとアクセスポイントAPとの間の無線リンクにおける送信レートrMAPを算出する。そして、アクセスポイントAPのルーティングモジュール25は、アドレスAdd_Mと送信レートrMAPとを対応付けてネイバーテーブル26に記録する。
また、アクセスポイントAPのルーティングモジュール25は、中継器RからのHelloメッセージHELLO_R1に基づいて、同様にして、送信元ID=Add_Rと、送信レートrRAPとを対応付けてネイバーテーブル26に記録する。これによって、アクセスポイントAPのルーティングモジュール25は、図8の(a)に示すネイバーテーブル26−1の第1および第2行目を作成する。
その後、アクセスポイントAPのルーティングモジュール25は、移動端末MのアドレスAdd_Mと送信レートrMAPとを対応付けたAdd_M:rMAPと、中継器RのアドレスAdd_Rと送信レートrRAPとを対応付けたAdd_R:rRAPと、アクセスポイントAPのアドレスAdd_APとを含むHelloメッセージHELLO_AP2=[Add_AP/Add_M:rMAP/Add_R:rRAP]を生成し、その生成したHelloメッセージHELLO_AP2=[Add_AP/Add_M:rMAP/Add_R:rRAP]をMACモジュール22および無線インターフェース21を介して送信する。
中継器Rの無線インターフェース21は、HelloメッセージHELLO_AP2=[Add_AP/Add_M:rMAP/Add_R:rRAP]を受信し、そのHelloメッセージHELLO_AP2を受信したときの受信SNR_HELLO_AP2を検出する。そして、中継器Rの無線インターフェース21は、HelloメッセージHELLO_AP2および受信SNR_HELLO_AP2をMACモジュール22を介してルーティングモジュール25へ出力する。
中継器Rのルーティングモジュール25は、HelloメッセージHELLO_AP2および受信SNR_HELLO_AP2をMACモジュール22から受け、その受けたHelloメッセージHELLO_AP2=[Add_AP/Add_M:rMAP/Add_R:rRAP]に基づいて、アクセスポイントAPが中継器Rに隣接することを検知するとともに、Add_M:rMAPを検出してネイバーテーブル26に記録する。
また、中継器Rのルーティングモジュール25は、図6に示す関係に基づいて、受信SNR_HELLO_AP2から中継器RとアクセスポイントAPとの間の無線リンクにおける送信レートrAPRを算出する。そして、中継器Rのルーティングモジュール25は、アドレスAdd_APと送信レートrAPRとを対応付けてネイバーテーブル26に記録する。
更に、中継器Rのルーティングモジュール25は、移動端末Mから受信したHelloメッセージHELLO_M1と、HelloメッセージHELLO_M1を受信したときの受信SNR_HELLO_M1とに基づいて、同様にして、送信元ID=Add_Mと、送信レートrMRとを対応付けてネイバーテーブル26に記録する。
これによって、中継器Rのルーティングモジュール25は、ネイバーテーブル26−2(図8の(b)参照)を作成する。
その後、中継器Rのルーティングモジュール25は、アドレスAdd_APと送信レートrAPRとを対応付けたAdd_AP:rAPRと、中継器RのアドレスAdd_Rとを含むHelloメッセージHELLO_R2=[Add_R/Add_AP:rAPR]を生成し、その生成したHelloメッセージHELLO_R2==[Add_R/Add_AP:rAPR]を送信する。
移動端末Mのルーティングモジュール25は、アクセスポイントAPから受信したHelloメッセージHELLO_AP1と、HelloメッセージHELLO_AP1を受信したときの受信SNR_HELLO_AP1とに基づいて、同様にして、送信元ID=Add_APと、送信レートrAPMとを対応付けてネイバーテーブル26に記録する。また、移動端末Mのルーティングモジュール25は、中継器Rから受信したHelloメッセージHELLO_R2と、HelloメッセージHELLO_R2を受信したときの受信SNR_HELLO_R2とに基づいて、同様にして、送信元ID=Add_Rと、送信レートrRMとを対応付けてネイバーテーブル26に記録する。更に、移動端末Mのルーティングモジュール25は、HelloメッセージHELLO_R2=[Add_R/Add_AP:rAPR]からAdd_AP:rAPRを検出してネイバーテーブル26に記録する。
これによって、移動端末Mのルーティングモジュール25は、ネイバーテーブル26−3(図8の(c)参照)を作成する。
その後、移動端末Mのルーティングモジュール25は、アドレスAdd_Rと送信レートrRMとを対応付けたAdd_R:rRMと、移動端末MのアドレスAdd_Mとを含むHelloメッセージHELLO_M2=[Add_M/Add_R:rRM]を生成し、その生成したHelloメッセージHELLO_M2=[Add_M/Add_R:rRM]を送信する。
アクセスポイントAPのルーティングモジュール25は、移動端末MからのHelloメッセージHELLO_M2に基づいて、Add_R:rRMを検出し、その検出したAdd_R:rRMをネイバーテーブル26に記録する。これによって、アクセスポイントAPのルーティングモジュール25は、ネイバーテーブル26−1(図8の(a)参照)を完成する。
その結果、移動端末Mは、中継器RおよびアクセスポイントAPが自己に隣接することを検知し、アクセスポイントAPは、中継器Rおよび移動端末Mが自己に隣接することを検知し、中継器Rは、移動端末MおよびアクセスポイントAPが自己に隣接することを検知する。
移動端末MのMACモジュール22は、アクセスポイントAPとの間で双方向の無線通信を行なう場合、ネイバーテーブル26−3(図8の(c)参照)を参照して、送信元=Add_APに対応する送信レートrAPMを検出し、その検出した送信レートrAPMからなる送信レートrMAP(=rAPM)と、長さL1のペイロードとを含むデータパケットPKT1をアクセスポイントAPへ直接送信する。その後、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、ネイバーテーブル26−1(図8の(a)参照)を参照して、送信元=Add_Mに対応する送信レートrMAPを検出し、その検出した送信レートrMAPからなる送信レートrAPM(=rMAP)と、長さL2のペイロードとを含むデータパケットPKT2を移動端末Mへ直接送信する。
そして、中継器Rの無線インターフェース21は、データパケットPKT1を移動端末Mから受信すると、データパケットPKT1を受信したときの受信SNR_DATA1を検出し、データパケットPKT1および受信SNR_DATA1をMACモジュール22へ出力する。
その後、中継器RのMACモジュール22は、データパケットPKT1および受信SNR_DATA1を無線インターフェース21から受け、その受けたデータパケットPKT1に含まれるペイロード長L1および送信レートrMAPを検出する。また、中継器RのMACモジュール22は、図6に示す関係を参照して、受信SNR_DATA1に対応する送信レートを送信レートrMRとして決定する。
更に、中継器Rの無線インターフェース21は、データパケットPKT2をアクセスポイントAPから受信すると、データパケットPKT2を受信したときの受信SNR_DATA2を検出し、データパケットPKT2および受信SNR_DATA2をMACモジュール22へ出力する。
その後、中継器RのMACモジュール22は、データパケットPKT2および受信SNR_DATA2を無線インターフェース21から受け、その受けたデータパケットPKT2に含まれるペイロード長L2および送信レートrAPMを検出する。また、中継器RのMACモジュール22は、図6に示す関係を参照して、受信SNR_DATA2に対応する送信レートを送信レートrRAPとして決定する。
そうすると、中継器RのMACモジュール22は、ネットワークコーディングを適用しないときの送信に必要なオーバーヘッドΔ(ACK等)と、ペイロード長L1,L2と、送信レートrMAP,rAPMとを次式に代入して、移動端末MがアクセスポイントAPとの間で双方向の無線通信を直接行なう場合の総合送信時間t1を演算する。
また、中継器RのMACモジュール22は、ネットワークコーディングを適用しないときの送信に必要なオーバーヘッドΔと、ネットワークコーディングを適用したときの送信に必要なオーバーヘッドδと、ペイロード長L1,L2と、送信レートrMR,rRAPとを次式に代入して、移動端末Mが中継器Rを経由してアクセスポイントAPとの間で双方向の無線通信を行なう場合の総合送信時間tNC1を演算する。
なお、式(2)におけるtNC1の“NC”は、ネットワークコーディングが適用されたことを意味する。
そして、中継器RのMACモジュール22は、総合送信時間t1を総合送信時間tNC1と比較し、総合送信時間tNC1が総合送信時間t1よりも短いとき、中継器Rのアドレスからなる送信元Srcと、ブロードキャストアドレスFFと、M:rMRと、AP:rAPRとを含む中継通知RNTF1=[Src/FF/M:rMR/AP:rAPR]を生成し、その生成した中継通知RNTF1=[Src/FF/M:rMR/AP:rAPR]をブロードキャストする。
移動端末MのMACモジュール22は、中継器Rから送信された中継通知RNTF1=[Src/FF/M:rMR/AP:rAPR]を無線インターフェース21を介して受信し、その受信した中継通知RNTF1=[Src/FF/M:rMR/AP:rAPR]をルーティングモジュール25へ出力する。そして、移動端末Mのルーティングモジュール25は、中継通知RNTF1=[Src/FF/M:rMR/AP:rAPR]のSrc=Add_RおよびM:rMRを検出し、その検出したアドレスAdd_Rおよび送信レートrMRを用いて、ネイバーテーブル26−3を更新する。
また、アクセスポイントAPは、中継器Rから送信された中継通知RNTF1=[Src/FF/M:rMR/AP:rAPR]を無線インターフェース21を介して受信し、その受信した中継通知RNTF1=[Src/FF/M:rMR/AP:rAPR]をルーティングモジュール25へ出力する。そして、アクセスポイントAPのルーティングモジュール25は、中継通知RNTF1=[Src/FF/M:rMR/AP:rAPR]のSrc=Add_RおよびAP:rAPRを検出し、その検出したアドレスAdd_Rおよび送信レートrAPRを用いて、ネイバーテーブル26−1を更新する。
その後、移動端末MのMACモジュール22は、アクセスポイントAP宛てのデータパケットAをネイバーテーブル26−3に格納された送信レートrMRで中継器Rへ送信し、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、移動端末M宛てのデータパケットXをネイバーテーブル26−1に格納された送信レートrAPRで中継器Rへ送信する。
そして、中継器RのMACモジュール22は、移動端末Mから無線インターフェース21を介してデータパケットAを受信し、その後、アクセスポイントAPから無線インターフェース21を介してデータパケットXを受信する。
そうすると、中継器RのMACモジュール22は、その受信したデータパケットAとの間で排他的論理和を演算するためのデータパケットXを検索する。この場合、中継器RのMACモジュール22は、データパケットXをアクセスポイントAPから受信しているので、データパケットAとデータパケットXとの排他的論理和を演算して結合パケットPKT_NCを生成し、その生成した結合パケットPKT_NCをレートmin{rMR,rAPR}で移動端末MおよびアクセスポイントAPへ送信する。
一方、中継器RのMACモジュール22は、データパケットXを検出できないとき、データパケットAをキュー231に格納するとともに、内蔵したタイマー(図示せず)に制御時間T_CTLを設定する。この制御時間T_CTLは、ネットワークコーディング専用の制御時間である。そして、中継器RのMACモジュール22は、その設定した制御時間T_CTLが満了すると、データパケットAをユニキャストで送信する。この場合、データパケットAは、キュー231に格納されているとき、他のデータパケットとの間で排他的論理和が演算されて送信されることもある。
なお、中継器RのMACモジュール22は、データパケットXをデータパケットAよりも先に受信した場合、データパケットXと排他的論理和を演算するためのデータパケットAを検索し、データパケットAを検出できないとき、データパケットXをキュー232に格納するとともに、内蔵したタイマー(図示せず)に制御時間T_CTLを設定する。そして、中継器RのMACモジュール22は、その設定した制御時間T_CTLが満了すると、データパケットXをユニキャストで送信する。
移動端末MのMACモジュール22は、中継器Rから無線インターフェース21を介して結合パケットPKT_NCを受信し、その受信した結合パケットPKT_NCと、保持しているデータパケットAとの排他的論理和を演算して移動端末M宛てのデータパケットXを復号する。そして、移動端末MのMACモジュール22は、その復号したデータパケットXをアプリケーション(図示せず)へ出力するとともに、ACKパケットを中継器Rへ送信する。
一方、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、中継器Rから無線インターフェース21を介して結合パケットPKT_NCを受信し、その受信した結合パケットPKT_NCと、保持しているデータパケットXとの排他的論理和を演算してアクセスポイントAP宛てのデータパケットAを復号する。そして、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、その復号したデータパケットAをアプリケーションへ出力するとともに、ACKパケットを中継器Rへ送信する。
中継器RのMACモジュール22は、移動端末MおよびアクセスポイントAPから無線インターフェース21を介してACKパケットを受信する。そして、中継器RのMACモジュール22は、再送テーブルRTX1を参照して、移動端末MおよびアクセスポイントAPの両方からACKパケットを受信したので、上述した方法によって、データパケットBとデータパケットYとの排他的論理和を演算して結合パケットを生成し、その生成した結合パケットを送信する。
一方、移動端末MのMACモジュール22は、データパケットAとデータパケットXとの結合パケットを正しく受信できないとき、中継器Rへ何も送信しない(Silent)。また、アクセスポイントAPのMACモジュール22も、データパケットAとデータパケットXとの結合パケットを正しく受信できないとき、中継器Rへ何も送信しない(Silent)。
従って、中継器RのMACモジュール22は、移動端末Mから何も受信せず(Silent)、アクセスポイントAPからACKパケットを受信したとき、データパケットBとデータパケットXとの排他的論理和を演算して結合パケットを生成し、バックオフタイムが経過すると、その生成した結合パケットを送信する。
この場合、移動端末Mは、自己宛てのデータパケットXを受信できておらず、アクセスポイントAPは、自己宛てのデータパケットAを正しく受信できているので、中継器Rは、移動端末M宛てのデータパケットXの再送と、アクセスポイントAP宛ての次のデータパケットBの送信とを行なうためにデータパケットBとデータパケットXとの結合パケットを送信することにしたものである。
また、中継器RのMACモジュール22は、移動端末MからACKパケットを受信し、アクセスポイントAPから何も受信していないとき(Silent)、データパケットAとデータパケットYとの排他的論理和を演算して結合パケットを生成し、バックオフタイムが経過すると、その生成した結合パケットを送信する。
この場合、移動端末Mは、自己宛てのデータパケットXを正しく受信できており、アクセスポイントAPは、自己宛てのデータパケットAを正しく受信できていないので、中継器Rは、移動端末M宛ての次のデータパケットYの送信と、アクセスポイントAP宛てのデータパケットAの再送とを行なうためにデータパケットAとデータパケットYとの結合パケットを送信することにしたものである。
更に、中継器RのMACモジュール22は、移動端末MおよびアクセスポイントAPの両方から何も受信していないとき(Silent)、バックオフタイムが経過すると、データパケットAとデータパケットXとの結合パケットを再送する。
これによって、中継器Rを経由した移動端末MとアクセスポイントAPとの間の双方向の無線通信における総合送信時間は、移動端末MとアクセスポイントAPとの間で双方向の無線通信が直接行なわれる場合よりも短くなり、移動端末M、中継器RおよびアクセスポイントAPがチャネルを占有する時間が短くなる。
従って、通信効率を向上できる。
無線LANにおいては、全ての移動端末Mは、アクセスポイントAPのIDを知っている。そして、全ての通信は、ダウンリンクおよびアップリンクの2種類に分類される。
ダウンリンクの場合、送信元アドレスは、アクセスポイントAPのIDになり、アップリンクの場合、送信先アドレスは、アクセスポイントAPのIDになる。ダウンリンクの送信先アドレスとアップリンクの送信元アドレスとが同じであれば、双方向の無線通信が検知される。その他の場合、1つのアップリンクと1つのダウンリンクとが擬似的な双方向の無線通信として検知される。
上述した例は、移動端末MとアクセスポイントAPとの間で双方向の無線通信が行なわれる場合である。
上記においては、中継器Rは、総合送信時間tNC1が総合送信時間t1よりも短いと判定すると、中継通知RNTF1を生成してブロードキャストすると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、中継器RのMACモジュール22は、好ましくは、以下のように動作する。
即ち、中継器RのMACモジュール22は、総合送信時間tNC1が総合送信時間t1よりも短いと判定すると、内蔵したタイマー(図示せず)に測定時間T_MEAを設定する。
そして、中継器RのMACモジュール22は、測定時間T_MEAが満了するまでの期間、移動端末MからアクセスポイントAPへ送信されるデータパケットの通信量NMAPと、アクセスポイントAPから移動端末Mへ送信されるデータパケットの通信量NAPMとを計測する。
その後、中継器RのMACモジュール22は、測定時間T_MEAが満了すると、中継器Rのアドレスからなる送信元Srcと、ブロードキャストアドレスFFと、M:rMRと、AP:rRAPと、通信量NMAP,NAPMとを含む中継通知RNTF2=[Src/FF/M:rMR/AP:rRAP/M→AP:NMAP/AP→M:NAPM]を生成し、その生成した中継通知RNTF2=[Src/FF/M:rMR/AP:rRAP/M→AP:NMAP/AP→M:NAPM]をブロードキャストするとともに、中継テーブル27を更新する。
そして、移動端末MおよびアクセスポイントAPは、中継通知RNTF2=[Src/FF/M:rMR/AP:rRAP/M→AP:NMAP/AP→M:NAPM]を中継器Rから受信するとともに、中継テーブル27を更新する。
図11は、図2に示す中継テーブル27の第1の具体例を示す図である。また、図12は、図2に示す中継テーブル27の第2の具体例を示す図である。
移動端末MとアクセスポイントAPとの間で双方向の無線通信が直接行なわれているとき、アクセスポイントAP、移動端末M、および中継器Rは、それぞれ、中継テーブル27−1〜27−3を作成して保持している(図11参照)。この場合、中継器Rは、移動端末MとアクセスポイントAPとの間で双方向の無線通信を中継していないので、空の中継テーブル27−3を保持している(図11の(c)参照)。
アップリンクの通信比率ρuがρu=NMAP/(NMAP+NAPM)=0.3であり、ダウンリンクの通信比率ρdがρd=NAPM/(NMAP+NAPM)=0.7である場合を想定する。
ネットワークコーディングを用いる場合、双方向の無線通信における両方向の通信量が同じであれば、最も有効であるが、双方向の通信量が相互に異なる場合、非効率になる。
そこで、この発明の実施の形態においては、送信端末である移動端末MおよびアクセスポイントAPは、データパケットの送信を次のように制御する。
アップリンクの通信比率ρuが0.3であり、ダウンリンクの通信比率ρdが0.7である場合、中継器RのMACモジュール22は、中継通知RNTF2をブロードキャストすると、中継テーブル27−3(図11の(c)参照)を中継テーブル27−6(図12の(c)参照)に更新する。
また、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、中継通知RNTF2を受信すると、その受信した中継通知RNTF2に含まれる通信量NMAP,NAPMに基づいて、中継器Rを用いた双方向の通信経路(Bidir)へのパケットの分配率と、パケットを移動端末Mへ直接送信する片方向の通信経路(Unidir)へのパケットの分配率とを演算し、その演算した分配率を用いて中継テーブル27−1(図11の(a)参照)を中継テーブル27−4(図12の(a)参照)に更新する。
更に、移動端末MのMACモジュール22は、中継通知RNTF2を受信すると、その受信した中継通知RNTF2に含まれる通信量NMAP,NAPMに基づいて、中継器Rを用いた双方向の通信経路(Bidir)へのパケットの分配率と、パケットをアクセスポイントAPへ直接送信する片方向の通信経路(Unidir)へのパケットの分配率とを演算し、その演算した分配率を用いて中継テーブル27−2(図11の(b)参照)を中継テーブル27−5(図12の(b)参照)に更新する。
アップリンクの通信比率ρuが0.3であり、ダウンリンクの通信比率ρdが0.7である場合、ダウンリンクの通信量の方が多いので、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、移動端末Mへ送信する14個のデータパケットのうち、8個のデータパケットをアクセスポイントAPから移動端末Mへ直接送信する片方向の無線通信(Unidir)に割り当て、6個のデータパケットをアクセスポイントAPと移動端末Mとの間で中継器Rを経由して行なわれる双方向の無線通信(Bidir)に割り当てるように分配率を演算して中継テーブル27−1を中継テーブル27−4に更新する。
また、移動端末MのMACモジュール22は、移動端末MからアクセスポイントAPへの通信量NMAPの方がアクセスポイントAPから移動端末Mへの通信量NAPMよりも少ないので、アクセスポイントAPへ送信するデータパケットの全て(=6個)を移動端末MとアクセスポイントAPとの間で中継器Rを経由して行なわれる双方向の無線通信に割り当てるように分配率を演算して中継テーブル27−2を中継テーブル27−5に更新する。
更に、中継器RのMACモジュール22は、中継器Rが移動端末MとアクセスポイントAPとの間で双方向の無線通信を中継するので、中継器Rと移動端末Mとの間で行なわれる双方向の無線通信に割り当てるデータパケットの個数と、中継器RとアクセスポイントAPとの間で行なわれる双方向の無線通信に割り当てるデータパケットの個数とが等しくなるように分配率を演算して中継テーブル27−3を中継テーブル27−6に更新する。
その結果、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、14個のデータパケットのうち、8個のデータパケットを片方向の無線通信Unidirに分配して移動端末Mへ直接送信し、6個のデータパケットを双方向の無線通信Bidirに分配して中継器Rへ送信する。この場合、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、1個のデータパケットを片方向の無線通信Unidirに分配する毎に中継テーブル27−4中の“Unidir”に対応するカウンタを“1”だけインクリメントし、1個のデータパケットを双方向の無線通信Bidirに分配する毎に中継テーブル27−4中の“Bidir”に対応するカウンタを“1”だけインクリメントする。
また、移動端末MのMACモジュール22は、6個のデータパケットを双方向の無線通信Bidirに分配して中継器Rへ送信する。この場合、移動端末MのMACモジュール22は、1個のデータパケットを双方向の無線通信Bidirに分配する毎に中継テーブル27−5中の“Bidir”に対応するカウンタを“1”だけインクリメントする。
更に、中継器RのMACモジュール22は、移動端末Mから受信したデータパケットと、アクセスポイントAPから受信したデータパケットとの排他的論理和を演算して結合パケットを生成し、その生成した結合パケットを移動端末MおよびアクセスポイントAPへ送信する。この場合、中継器RのMACモジュール22は、1個の結合パケットを送信する毎に中継テーブル27−6中の“Bidir”に対応するカウンタを“1”だけインクリメントする。
これによって、ネットワークコーディングを用いた双方向の無線通信が効率良く実行され、全体の通信効率を向上できる。
また、アップリンクの通信比率ρuが0.7であり、ダウンリンクの通信比率ρdが0.3である場合、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、上述した移動端末MのMACモジュール22と同じように分配率を演算し、移動端末MのMACモジュール22は、上述したアクセスポイントAPのMACモジュール22と同じように分配率を演算する。
そして、移動端末MのMACモジュール22は、14個のデータパケットのうち、8個のデータパケットを片方向の無線通信Unidirに分配してアクセスポイントAPへ直接送信し、6個のデータパケットを双方向の無線通信Bidirに分配して中継器Rへ送信する。この場合、移動端末MのMACモジュール22は、1個のデータパケットを片方向の無線通信Unidirに分配する毎に中継テーブル27中の“Unidir”に対応するカウンタを“1”だけインクリメントし、1個のデータパケットを双方向の無線通信Bidirに分配する毎に中継テーブル27中の“Bidir”に対応するカウンタを“1”だけインクリメントする。
また、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、6個のデータパケットを双方向の無線通信Bidirに分配して中継器Rへ送信する。この場合、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、1個のデータパケットを双方向の無線通信Bidirに分配する毎に中継テーブル27中の“Bidir”に対応するカウンタを“1”だけインクリメントする。
更に、中継器RのMACモジュール22は、移動端末Mから受信したデータパケットと、アクセスポイントAPから受信したデータパケットとの排他的論理和を演算して結合パケットを生成し、その生成した結合パケットを移動端末MおよびアクセスポイントAPへ送信する。この場合も、中継器RのMACモジュール22は、1個の結合パケットを送信する毎に中継テーブル27中の“Bidir”に対応するカウンタを“1”だけインクリメントする。
更に、アップリンクの通信比率ρuがダウンリンクの通信比率ρdと同じである場合、アクセスポイントAPおよび移動端末Mは、全てのパケットを中継器Rへ送信するように分配率を演算する。
そして、アクセスポイントAPのMACモジュール22および移動端末MのMACモジュール22は、全てのデータパケットを中継器Rへ送信し、中継器RのMACモジュール22は、移動端末Mから受信したデータパケットと、アクセスポイントAPから受信したデータパケットとの排他的論理和を演算して結合パケットを生成し、その生成した結合パケットを移動端末MおよびアクセスポイントAPへ送信する。
このように、アクセスポイントAPは、自己宛ての通信比率ρuが移動端末M宛ての通信比率ρdよりも多いとき、通信比率ρdのデータパケットを中継器Rへ送信し、通信比率ρuから通信比率ρdを減算した通信比率ρu−ρdのデータパケットを移動端末Mへ直接送信し、通信比率ρuが通信比率ρd以下であるとき、全てのデータパケットを中継器Rへ送信する。
また、移動端末Mは、自己宛ての通信比率ρdがアクセスポイントAP宛ての通信比率ρuよりも多いとき、通信比率ρuのデータパケットを中継器Rへ送信し、通信比率ρdから通信比率ρuを減算した通信比率ρd−ρuのデータパケットをアクセスポイントAPへ直接送信し、通信比率ρdが通信比率ρu以下であるとき、全てのデータパケットを中継器Rへ送信する。
そして、中継器Rは、移動端末Mからのデータパケットと、アクセスポイントAPからのデータパケットとの排他的論理和を演算して結合パケットを生成し、その生成した結合パケットを移動端末MおよびアクセスポイントAPへ送信する。
これによって、中継器Rにおけるネットワークコーディングを最も効率良く実行でき、全体の通信効率を向上できる。
なお、移動端末MおよびアクセスポイントAPは、複数の中継器Rから中継通知RNTFを受信した場合、自己との間で最も短いメトリック(=総合送信時間)を有する中継器の中継通知RNTFのみに基づいて、中継テーブル27を更新する。
上述したように、中継器RのMACモジュール22は、中継器Rを経由して移動端端末MとアクセスポイントAPとの間で双方向の無線通信が行なわれるときの総合送信時間tNC1を演算する場合、移動端末MからのデータパケットPKT1を受信したときの受信SNR_DATA1に基づいて求めた送信レートrMRと、アクセスポイントAPからのデータパケットPKT2を受信したときの受信SNR_DATA2に基づいて求めた送信レートrRAPとを用いて総合送信時間tNC1を演算するので、総合送信時間tNC1をデータパケットを送信したときの無線通信環境に適合して求めることができる。
また、中継器RのMACモジュール22は、データパケットAとデータパケットXとの排他的論理和を演算する場合、データパケットXを検索し、データパケットXを検出できないとき、制御時間T_CTLを設定してデータパケットAをキュー231に格納し、制御時間T_CTLが経過すると、データパケットAをユニキャストで送信する。従って、データパケットAは、制御時間T_CTLの期間、キュー231に格納されているので、制御時間T_CTL内にデータパケットXが中継器Rへ到達すれば、中継器RのMACモジュール22は、データパケットAとデータパケットXとの排他的論理和を演算して結合パケットを送信する。その結果、データパケットA,Xが同時に中継器Rへ到達していなくても、中継器Rは、ネットワークコーディングを実行して結合パケットを移動端末MおよびアクセスポイントAPへ送信できる。
更に、中継器Rは、中継通知RNTFを生成してブロードキャストし、移動端末MおよびアクセスポイントAPは、中継通知RNTFに応じて、中継器Rを介して双方向の無線通信を行なうので、中継器Rが中継通知RNTFを生成してブロードキャストすることは、中継器Rを経由して双方向の無線通信を行なうように移動端末MおよびアクセスポイントAPを制御することに相当する。
[中継制御2]
図13は、通信効率を向上させる他の方法を説明するためのトポロジーを示す図である。
図13は、通信効率を向上させる他の方法を説明するためのトポロジーを示す図である。
図1に示す無線装置9を移動端末Mとし、図1に示す無線装置8を中継器R1とし、図1に示す無線装置7を中継器R2とし、図1に示すアクセスポイントAP1をアクセスポイントAPとし、移動端末Mが、中継器R1を介してアクセスポイントAPとの間で2ホップの双方向の無線通信を行ない、または中継器R2を介してアクセスポイントAPとの間で2ホップの双方向の無線通信を行なうトポロジーを想定する。そして、移動端末Mが中継器R1を介してアクセスポイントAPとの間で双方向の無線通信を行なっている状態で通信効率を更に向上させる方法について説明する。
この場合、中継器R2のMACモジュール22は、再送テーブルRTX1(図9参照)を保持している。また、中継器R2のキュー23は、アクセスポイントAP宛てのパケットを格納するためのキュー231と、移動端末M宛てのパケットを格納するためのキュー232とからなる(図10参照)。
なお、移動端末M、中継器R1,R2およびアクセスポイントAPは、上述したように、Helloメッセージを送受信してネイバーテーブル26を作成しているものとする。
移動端末MのMACモジュール22は、中継器R1を介してアクセスポイントAPとの間で双方向の無線通信を行なう場合、ネイバーテーブル26を参照して、送信元=Add_R1に対応する送信レートrMR1を検出し、その検出した送信レートrMR1と、長さL1のペイロードとを含むデータパケットPKT1を中継器R1を経由してアクセスポイントAPへ送信する。その後、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、ネイバーテーブル26を参照して、送信元=Add_R1に対応する送信レートrR1APを検出し、その検出した送信レートrR1APと、長さL2のペイロードとを含むデータパケットPKT2を中継器R1を経由して移動端末Mへ送信する。
そして、中継器R2の無線インターフェース21は、データパケットPKT1を移動端末Mから受信すると、データパケットPKT1を受信したときの受信SNR_DATA1を検出し、データパケットPKT1および受信SNR_DATA1をMACモジュール22へ出力する。
その後、中継器R2のMACモジュール22は、データパケットPKT1および受信SNR_DATA1を無線インターフェース21から受け、その受けたデータパケットPKT1に含まれるペイロード長L1および送信レートrMR1を検出する。また、中継器R2のMACモジュール22は、図6に示す関係を参照して、受信SNR_DATA1に対応する送信レートを送信レートrMR2として決定する。
更に、中継器R2の無線インターフェース21は、データパケットPKT2をアクセスポイントAPから受信すると、データパケットPKT2を受信したときの受信SNR_DATA2を検出し、データパケットPKT2および受信SNR_DATA2をMACモジュール22へ出力する。
その後、中継器R2のMACモジュール22は、データパケットPKT2および受信SNR_DATA2を無線インターフェース21から受け、その受けたデータパケットPKT2に含まれるペイロード長L2および送信レートrR1APを検出する。また、中継器R2のMACモジュール22は、図6に示す関係を参照して、受信SNR_DATA2に対応する送信レートを送信レートrR2APとして決定する。
そうすると、中継器R2のMACモジュール22は、ネットワークコーディングを適用しないときの送信に必要なオーバーヘッドΔと、ネットワークコーディングを適用するときの送信に必要なオーバーヘッドδと、ペイロード長L1,L2と、送信レートrMR1,rR1APとを次式に代入して、移動端末Mが中継器R1を経由してアクセスポイントAPとの間で双方向の無線通信を行なう場合の総合送信時間tNC2を演算する。
また、中継器R2のMACモジュール22は、ネットワークコーディングを適用しないときの送信に必要なオーバーヘッドΔと、ネットワークコーディングを適用したときの送信に必要なオーバーヘッドδと、ペイロード長L1,L2と、送信レートrMR2,rR2APとを次式に代入して、移動端末Mが中継器R2を経由してアクセスポイントAPとの間で双方向の無線通信を行なう場合の総合送信時間tNC3を演算する。
そして、中継器R2のMACモジュール22は、総合送信時間tNC2を総合送信時間tNC3と比較し、総合送信時間tNC3が総合送信時間tNC2よりも短いとき、中継器R2のアドレスからなる送信元Srcと、ブロードキャストアドレスFFと、M:rMR2と、AP:rR2APとを含む中継通知RNTF3=[Src/FF/M:rMR2/AP:rR2AP]を生成し、その生成した中継通知RNTF3=[Src/FF/M:rMR2/AP:rR2AP]をブロードキャストする。
移動端末MのMACモジュール22は、中継器R2から送信された中継通知RNTF3=[Src/FF/M:rMR2/AP:rR2AP]を無線インターフェース21を介して受信し、その受信した中継通知RNTF3=[Src/FF/M:rMR2/AP:rR2AP]をルーティングモジュール25へ出力する。そして、移動端末Mのルーティングモジュール25は、中継通知RNTF3=[Src/FF/M:rMR2/AP:rR2AP]のSrc=Add_R2およびM:rMR2を検出し、その検出したアドレスAdd_R2および送信レートrMR2をネイバーテーブル26に記録し、ネイバーテーブル26を更新する。
また、アクセスポイントAPは、中継器R2から送信された中継通知RNTF3=[Src/FF/M:rMR2/AP:rR2AP]を無線インターフェース21を介して受信し、その受信した中継通知RNTF3=[Src/FF/M:rMR2/AP:rR2AP]をルーティングモジュール25へ出力する。そして、アクセスポイントAPのルーティングモジュール25は、中継通知RNTF3=[Src/FF/M:rMR2/AP:rR2AP]のSrc=Add_R2およびAP:rR2APを検出し、その検出したアドレスAdd_R2および送信レートrR2APをネイバーテーブル26に記録し、ネイバーテーブル26を更新する。
その後、移動端末MのMACモジュール22は、アクセスポイントAP宛てのデータパケットAをネイバーテーブル26に格納された送信レートrMR2で中継器R2へ送信し、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、移動端末M宛てのデータパケットXをネイバーテーブル26に格納された送信レートrR2APで中継器R2へ送信する。
そして、中継器R2のMACモジュール22は、移動端末Mから無線インターフェース21を介してデータパケットAを受信し、その後、アクセスポイントAPから無線インターフェース21を介してデータパケットXを受信する。
そうすると、中継器R2のMACモジュール22は、その受信したデータパケットAとの間で排他的論理和を演算するためのデータパケットXを検索する。この場合、中継器R2のMACモジュール22は、データパケットXをアクセスポイントAPから受信しているので、データパケットAとデータパケットXとの排他的論理和を演算して結合パケットPKT_NCを生成し、その生成した結合パケットPKT_NCをレートmin{rMR2,rR2AP}で移動端末MおよびアクセスポイントAPへ送信する。
一方、中継器R2のMACモジュール22は、データパケットXを検出できないとき、データパケットAをキュー231に格納するとともに、内蔵したタイマー(図示せず)に制御時間T_CTLを設定する。そして、中継器R2のMACモジュール22は、その設定した制御時間T_CTLが満了すると、データパケットAをユニキャストで送信する。この場合、データパケットAは、キュー231に格納されているとき、他のデータパケットとの間で排他的論理和が演算されて送信されることもある。
なお、中継器R2のMACモジュール22は、データパケットXをデータパケットAよりも先に受信した場合、データパケットXと排他的論理和を演算するためのデータパケットAを検索し、データパケットAを検出できないとき、データパケットXをキュー232に格納するとともに、内蔵したタイマー(図示せず)に制御時間T_CTLを設定する。そして、中継器RのMACモジュール22は、その設定した制御時間T_CTLが満了すると、データパケットXをユニキャストで送信する。
移動端末MのMACモジュール22は、中継器R2から無線インターフェース21を介して結合パケットPKT_NCを受信し、その受信した結合パケットPKT_NCと、保持しているデータパケットAとの排他的論理和を演算して移動端末M宛てのデータパケットXを復号する。そして、移動端末MのMACモジュール22は、その復号したデータパケットXをアプリケーション(図示せず)へ出力するとともに、ACKパケットを中継器R2へ送信する。
一方、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、中継器R2から無線インターフェース21を介して結合パケットPKT_NCを受信し、その受信した結合パケットPKT_NCと、保持しているデータパケットXとの排他的論理和を演算してアクセスポイントAP宛てのデータパケットAを復号する。そして、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、その復号したデータパケットAをアプリケーション(図示せず)へ出力するとともに、ACKパケットを中継器R2へ送信する。
中継器R2のMACモジュール22は、移動端末MおよびアクセスポイントAPから無線インターフェース21を介してACKパケットを受信する。そして、中継器R2のMACモジュール22は、再送テーブルRTX1を参照して、移動端末MおよびアクセスポイントAPの両方からACKパケットを受信したので、上述した方法によって、データパケットBとデータパケットYとの排他的論理和を演算して結合パケットを生成し、その生成した結合パケットを送信する。
一方、中継器R2のMACモジュール22は、移動端末Mから何も受信せず(Silent)、アクセスポイントAPからACKパケットを受信したとき、データパケットBとデータパケットXとの排他的論理和を演算して結合パケットを生成し、バックオフタイムが経過すると、その生成した結合パケットを送信する。
また、中継器R2のMACモジュール22は、移動端末MからACKパケットを受信し、アクセスポイントAPから何も受信していないとき(Silent)、データパケットAとデータパケットYとの排他的論理和を演算して結合パケットを生成し、バックオフタイムが経過すると、その生成した結合パケットを送信する。
更に、中継器R2のMACモジュール22は、移動端末MおよびアクセスポイントAPの両方から何も受信していないとき(Silent)、バックオフタイムが経過すると、データパケットAとデータパケットXとの結合パケットを再送する。
これによって、中継器R2を経由した移動端末MとアクセスポイントAPとの間の双方向の無線通信における総合送信時間は、中継器R1を経由して移動端末MとアクセスポイントAPとの間で双方向の無線通信が行なわれる場合よりも短くなり、移動端末M、中継器R2およびアクセスポイントAPがチャネルを占有する時間が短くなる。
従って、通信効率を向上できる。
中継制御2においても、中継器R2は、移動端末MからアクセスポイントAPへの通信量と、アクセスポイントAPから移動端末Mへの通信量とを計測した後に、中継通知RNTFをブロードキャストしてもよく、移動端末M、中継器R2およびアクセスポイントAPは、中継制御1において説明した方法によってデータパケットの送信制御を実行する。
その他の点については、上述した中継制御1と同じである。
[中継制御3]
図14は、通信効率を向上させる更に他の方法を説明するためのトポロジーを示す図である。また、図15は、他の再送テーブルの構成図である。更に、図16は、図2に示すネイバーテーブル26の他の具体例を示す図である。更に、図17は、図2に示すキュー23の他の具体例を示す図である。
図14は、通信効率を向上させる更に他の方法を説明するためのトポロジーを示す図である。また、図15は、他の再送テーブルの構成図である。更に、図16は、図2に示すネイバーテーブル26の他の具体例を示す図である。更に、図17は、図2に示すキュー23の他の具体例を示す図である。
図1に示す無線装置8を移動端末M1とし、図1に示す無線装置9を移動端末M2とし、図1に示す無線装置7を中継器Rとし、図1に示すアクセスポイントAP1をアクセスポイントAPとし、移動端末M1,M2がアクセスポイントAPとの間で擬似的な双方向の無線通信を行ない、または中継器Rを介してアクセスポイントAPとの間で擬似的な双方向の無線通信を行なうトポロジーを想定する。
移動端末M1は、データパケットをアクセスポイントAPへ直接送信し、アクセスポイントAPは、インターネットからのデータパケットを移動端末M2へ送信し、移動端末M2は、アクセスポイントAPからのデータパケットを受信してACKパケットをアクセスポイントAPへ送信する。
その結果、2つの移動端末M1,M2を擬似的に1つの移動端末と見做すことができる。従って、このような通信モードを“擬似的な双方向の無線通信”と言う。そして、この発明においては、“擬似的な双方向の無線通信”は、双方向の無線通信に含まれるものとする。
以下においては、移動端末M1,M2がアクセスポイントAPとの間で擬似的な双方向の無線通信を行なっている状態で通信効率を向上させる方法について説明する。
この場合、中継器RのMACモジュール22は、再送テーブルRTX2(図15参照)を保持している。また、中継器Rは、ネイバーテーブル26−6(図16参照)を保持している。更に、中継器Rのキュー23は、アクセスポイントAP宛てのパケットを格納するためのキュー231と、移動端末M2宛てのパケットを格納するためのキュー233とからなる(図17参照)。
なお、図示しないが、移動端末M1,M2、およびアクセスポイントAPも、上述したように、Helloメッセージを送受信してネイバーテーブル26を作成しているものとする。
移動端末M1,M2がアクセスポイントAPとの間で擬似的な双方向の無線通信を行なう場合、移動端末M1のMACモジュール22は、ネイバーテーブル26を参照して、送信元=Add_APに対応する送信レートrM1APを検出し、その検出した送信レートrM1APと、長さL1のペイロードとを含むデータパケットPKT1をアクセスポイントAPへ送信する。その後、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、ネイバーテーブル26を参照して、送信元=Add_M2に対応する送信レートrM2APを検出し、その検出した送信レートrM2APと、長さL2のペイロードとを含むデータパケットPKT2を移動端末M2へ送信する。
そして、中継器Rの無線インターフェース21は、データパケットPKT1を移動端末M1から受信すると、データパケットPKT1を受信したときの受信SNR_DATA1を検出し、データパケットPKT1および受信SNR_DATA1をMACモジュール22へ出力する。
その後、中継器RのMACモジュール22は、データパケットPKT1および受信SNR_DATA1を無線インターフェース21から受け、その受けたデータパケットPKT1に含まれるペイロード長L1および送信レートrM1APを検出する。また、中継器RのMACモジュール22は、図6に示す関係を参照して、受信SNR_DATA1に対応する送信レートを送信レートrM1Rとして決定する。
更に、中継器Rの無線インターフェース21は、データパケットPKT2をアクセスポイントAPから受信すると、データパケットPKT2を受信したときの受信SNR_DATA2を検出し、データパケットPKT2および受信SNR_DATA2をMACモジュール22へ出力する。
その後、中継器RのMACモジュール22は、データパケットPKT2および受信SNR_DATA2を無線インターフェース21から受け、その受けたデータパケットPKT2に含まれるペイロード長L2および送信レートrM2APを検出する。また、中継器RのMACモジュール22は、図6に示す関係を参照して、受信SNR_DATA2に対応する送信レートを送信レートrRAPとして決定する。
そうすると、中継器RのMACモジュール22は、ネットワークコーディングを適用しないときの送信に必要なオーバーヘッドΔと、ペイロード長L1,L2と、送信レートrM1AP,rM2APとを次式に代入して、移動端末M1,M2がアクセスポイントAPとの間で擬似的な双方向の無線通信を直接行なう場合の総合送信時間t2を演算する。
また、中継器RのMACモジュール22は、ネットワークコーディングを適用しないときの送信に必要なオーバーヘッドΔと、ネットワークコーディングを適用したときの送信に必要なオーバーヘッドδと、ペイロード長L1,L2と、送信レートrM1R,rRAP,rM2Rとを次式に代入して、移動端末M1,M2が中継器Rを経由してアクセスポイントAPとの間で擬似的な双方向の無線通信を行なう場合の総合送信時間tNC4を演算する。
そして、中継器RのMACモジュール22は、総合送信時間t2を総合送信時間tNC4と比較し、総合送信時間tNC4が総合送信時間t2よりも短いとき、ネイバーテーブル26−6(図14参照)を参照して、移動端末M1,M2間の送信レートrM1M2を検出し、送信レートrM1M2が送信レートrM1Rよりも大きいか否かを判定する。
中継器RのMACモジュール22は、送信レートrM1M2が送信レートrM1Rよりも大きいと判定すると、中継器Rのアドレスからなる送信元Srcと、ブロードキャストアドレスFFと、M1:rM1Rと、M2:rM2Rと、AP:rRAPとを含む中継通知RNTF4=[Src/FF/M1:rM1R/M2:rM2R/AP:rRAP]を生成し、その生成した中継通知RNTF4=[Src/FF/M1:rM1R/M2:rM2R/AP:rRAP]をブロードキャストする。
一方、中継器RのMACモジュール22は、送信レートrM1M2が送信レートrM1R以下であると判定したとき、中継通知RNTFを生成しない。
送信レートrM1M2が送信レートrM1Rよりも大きいと判定されたとき、中継器RのMACモジュール22が中継通知RNTF4を生成してブロードキャストするのは、次の理由による。
中継器RがデータパケットPKT1とデータパケットPKT2との排他的論理和を演算して結合パケットを送信した場合、移動端末M2は、アクセスポイントAPから自己宛てのデータパケットPKT2を結合パケットから復号するために移動端末M1が送信したデータパケットPKT1が必要である。そして、送信レートrM1M2が送信レートrM1Rよりも大きい場合、中継器RのMACモジュール22は、移動端末M2が移動端末M1からのデータパケットPKT1を正しく受信したと判断できる。そこで、中継器RのMACモジュール22は、送信レートrM1M2が送信レートrM1Rよりも大きいと判定したとき、中継通知RNTFを生成してブロードキャストすることにしたものである。
移動端末M1のMACモジュール22は、中継器Rから送信された中継通知RNTF4=[Src/FF/M1:rM1R/M2:rM2R/AP:rRAP]を無線インターフェース21を介して受信し、その受信した中継通知RNTF4=[Src/FF/M1:rM1R/M2:rM2R/AP:rRAP]をルーティングモジュール25へ出力する。そして、移動端末M1のルーティングモジュール25は、RNTF4=[Src/FF/M1:rM1R/M2:rM2R/AP:rRAP]のSrc=Add_RおよびM1:rM1Rを検出し、その検出したアドレスAdd_Rおよび送信レートrM1Rをネイバーテーブル26に記録し、ネイバーテーブル26を更新する。
また、移動端末M2のMACモジュール22は、中継器Rから送信された中継通知RNTF4=[Src/FF/M1:rM1R/M2:rM2R/AP:rRAP]を無線インターフェース21を介して受信し、その受信した中継通知RNTF4=[Src/FF/M1:rM1R/M2:rM2R/AP:rRAP]をルーティングモジュール25へ出力する。そして、移動端末M2のルーティングモジュール25は、RNTF4=[Src/FF/M1:rM1R/M2:rM2R/AP:rRAP]のSrc=Add_RおよびM2:rM2Rを検出し、その検出したアドレスAdd_Rおよび送信レートrM2Rをネイバーテーブル26に記録し、ネイバーテーブル26を更新する。
更に、アクセスポイントAPは、中継器Rから送信されたRNTF4=[Src/FF/M1:rM1R/M2:rM2R/AP:rRAP]を無線インターフェース21を介して受信し、その受信した中継通知RNTF4=[Src/FF/M1:rM1R/M2:rM2R/AP:rRAP]をルーティングモジュール25へ出力する。そして、アクセスポイントAPのルーティングモジュール25は、RNTF4=[Src/FF/M1:rM1R/M2:rM2R/AP:rRAP]のSrc=Add_RおよびAP:rRAPを検出し、その検出したアドレスAdd_Rおよび送信レートrRAPをネイバーテーブル26に記録し、ネイバーテーブル26を更新する。
その後、移動端末M1のMACモジュール22は、アクセスポイントAP宛てのデータパケットAをネイバーテーブル26に格納された送信レートrM1Rで中継器Rへ送信し、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、移動端末M2宛てのデータパケットXをネイバーテーブル26に格納された送信レートrRAPで中継器Rへ送信する。
そして、中継器RのMACモジュール22は、移動端末M1から無線インターフェース21を介してデータパケットAを受信し、その後、アクセスポイントAPから無線インターフェース21を介してデータパケットXを受信する。
そうすると、中継器RのMACモジュール22は、その受信したデータパケットAとの間で排他的論理和を演算するためのデータパケットXを検索する。この場合、中継器RのMACモジュール22は、データパケットXをアクセスポイントAPから受信しているので、データパケットAとデータパケットXとの排他的論理和を演算して結合パケットPKT_NCを生成し、その生成した結合パケットPKT_NCをレートmin{rM2R,rRAP}で移動端末M2およびアクセスポイントAPへ送信する。
一方、中継器RのMACモジュール22は、データパケットXを検出できないとき、データパケットAをキュー231に格納するとともに、内蔵したタイマー(図示せず)に制御時間T_CTLを設定する。そして、中継器RのMACモジュール22は、その設定した制御時間T_CTLが満了すると、データパケットAをユニキャストで送信する。この場合、データパケットAは、キュー231に格納されているとき、他のデータパケットとの間で排他的論理和が演算されて送信されることもある。
なお、中継器RのMACモジュール22は、データパケットXをデータパケットAよりも先に受信した場合、データパケットXと排他的論理和を演算するためのデータパケットAを検索し、データパケットAを検出できないとき、データパケットXをキュー233に格納するとともに、内蔵したタイマー(図示せず)に制御時間T_CTLを設定する。そして、中継器RのMACモジュール22は、その設定した制御時間T_CTLが満了すると、データパケットXをユニキャストで送信する。
移動端末M2のMACモジュール22は、中継器Rから無線インターフェース21を介して結合パケットPKT_NCを受信し、その受信した結合パケットPKT_NCと、移動端末M1から受信したデータパケットAとの排他的論理和を演算して移動端末M2宛てのデータパケットXを復号する。そして、移動端末M2のMACモジュール22は、その復号したデータパケットXをアプリケーション(図示せず)へ出力するとともに、ACKパケットを中継器Rへ送信する。
一方、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、中継器Rから無線インターフェース21を介して結合パケットPKT_NCを受信し、その受信した結合パケットPKT_NCと、保持しているデータパケットXとの排他的論理和を演算してアクセスポイントAP宛てのデータパケットAを復号する。そして、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、その復号したデータパケットAをアプリケーション(図示せず)へ出力するとともに、ACKパケットを中継器Rへ送信する。
中継器RのMACモジュール22は、移動端末M2およびアクセスポイントAPから無線インターフェース21を介してACKパケットを受信する。そして、中継器RのMACモジュール22は、再送テーブルRTX2を参照して、移動端末M2およびアクセスポイントAPの両方からACKパケットを受信したので、上述した方法によって、データパケットBとデータパケットYとの排他的論理和を演算して結合パケットを生成し、その生成した結合パケットを送信する。
一方、中継器RのMACモジュール22は、移動端末M2から何も受信せず(Silent)、アクセスポイントAPからACKパケットを受信したとき、再送テーブルRTX2を参照して、データパケットBとデータパケットXとの排他的論理和を演算して結合パケットを生成し、バックオフタイムが経過すると、その生成した結合パケットを送信する。
また、中継器RのMACモジュール22は、移動端末M2からACKパケットを受信し、アクセスポイントAPから何も受信していないとき(Silent)、再送テーブルRTX2を参照して、データパケットAとデータパケットYとの排他的論理和を演算して結合パケットを生成し、バックオフタイムが経過すると、その生成した結合パケットを送信する。
更に、中継器R2のMACモジュール22は、移動端末M2およびアクセスポイントAPの両方から何も受信していないとき(Silent)、再送テーブルRTX2を参照して、バックオフタイムが経過すると、データパケットAとデータパケットXとの結合パケットを再送する。
更に、中継器RのMACモジュール22は、データパケットAとデータパケットXとの結合パケットPKT_NCを正しく受信したが、結合パケットPKT_NCを復号できないことを示すNACKパケットを移動端末M2から受信し、ACKパケットをアクセスポイントAPから受信したとき、移動端末M2は、アクセスポイントAPから自己宛てのデータパケットXを正しく受信しておらず、アクセスポイントAPは、移動端末M1から自己宛てのデータパケットAを正しく受信しているので、中継器RがデータパケットBとデータパケットXとの排他的論理和を演算した結合パケットPKT_NCを移動端末M2とアクセスポイントAPへ送信し、アクセスポイントAPは、中継器Rから受信した結合パケットPKT_NCと、保持しているデータパケットXとの排他的論理和を演算してアクセスポイントAP宛てのデータパケットBを復号し、移動端末M2は、中継器Rから受信した結合パケットPKT_NCと、移動端末M1から受信したデータパケットBとの排他的論理和を演算して移動端末M2宛てのデータパケットXを復号する。
更に、中継器RのMACモジュール22は、NACKパケットを移動端末M2から受信し、アクセスポイントAPから何も受信していないとき(Silent)、再送テーブルRTX2を参照して、バックオフタイムが経過した後、データパケットAを送信する。移動端末M2は、アクセスポイントAPから自己宛てのデータパケットXを正しく受信しておらず、アクセスポイントAPは、移動端末M1から自己宛てのデータパケットAを正しく受信していないので、中継器RがデータパケットAを移動端末M2およびアクセスポイントAPへ送信すれば、移動端末M2が結合パケットPKT_NCを正しく復号でき、アクセスポイントAPが自己宛てのデータパケットAを受信できるからである。
これによって、中継器Rを経由した移動端末M1,M2とアクセスポイントAPとの間の擬似的な双方向の無線通信における総合送信時間は、移動端末M1,M2とアクセスポイントAPとの間で擬似的な双方向の無線通信が直接行なわれる場合よりも短くなり、移動端末M1,M2、中継器RおよびアクセスポイントAPがチャネルを占有する時間が短くなる。
従って、通信効率を向上できる。
擬似的な双方向の無線通信が行なわれる場合も、移動端末M1、中継器RおよびアクセスポイントAPは、好ましくは、上述したデータパケットの送信制御を行なう。
この場合、中継器RのMACモジュール22は、測定時間T_MEAが満了するまでの期間、移動端末M1からアクセスポイントAPへ送信されるデータパケットの通信量NM1APと、アクセスポイントAPから移動端末M2へ送信されるデータパケットの通信量NAPM2とを計測する。
その後、中継器RのMACモジュール22は、測定時間T_MEAが満了すると、中継器Rのアドレスからなる送信元Srcと、ブロードキャストアドレスFFと、M1:rM1Rと、M2:rM2Rと、AP:rRAPと、通信量NM1AP,NAPM2とを含む中継通知RNTF5=[Src/FF/M1:rM1R/M2:rM2R/AP:rRAP/M1→AP:NM1AP/AP→M2:NAPM2]を生成し、その生成した中継通知RNTF5=[Src/FF/M1:rM1R/M2:rM2R/AP:rRAP/M1→AP:NM1AP/AP→M2:NAPM2]をブロードキャストするとともに、中継テーブル27を更新する。
そして、移動端末M1およびアクセスポイントAPは、中継通知RNTF5=[Src/FF/M1:rM1R/M2:rM2R/AP:rRAP/M1→AP:NM1AP/AP→M2:NAPM2]を中継器Rから受信するとともに、中継テーブル27を更新する。
図18は、図2に示す中継テーブル27の第3の具体例を示す図である。また、図19は、図2に示す中継テーブル27の第4の具体例を示す図である。なお、図19においても、アップリンクの通信比率ρuが0.3であり、ダウンリンクの通信比率ρdが0.4である場合について、中継テーブル27が作成されている。
擬似的な双方向の無線通信が移動端末M1,M2とアクセスポイントAPとの間で直接行なわれている場合、アクセスポイントAP、移動端末M1および中継器Rは、それぞれ、中継テーブル27−7〜27−9を作成して保持している(図18参照)。
そして、中継器Rは、中継通知RNTF5をブロードキャストすると、中継テーブル27−9(図18の(c)参照)を中継テーブル27−12(図19の(c)参照)に更新する。
また、移動端末M1は、中継通知RNTF5を受信すると、その受信した中継通知RNTF5の通信量M1→AP:NM1AP,AP→M2:NAPM2に基づいて、上述した方法によって、中継テーブル27−8(図18の(b)参照)を中継テーブル27−11(図19の(b)参照)に更新する。
更に、アクセスポイントAPは、中継通知RNTF5を受信すると、その受信した中継通知RNTF5の通信量M1→AP:NM1AP,AP→M2:NAPM2に基づいて、上述した方法によって、中継テーブル27−7(図18の(a)参照)を中継テーブル27−10(図19の(a)参照)に更新する。
そして、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、14個のデータパケットのうち、8個のデータパケットを片方向の無線通信Unidirに分配して移動端末M2へ直接送信し、6個のデータパケットを擬似的な双方向の無線通信Bidirに分配して中継器Rへ送信する。この場合、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、1個のデータパケットを片方向の無線通信Unidirに分配する毎に中継テーブル27−10中の“Unidir”に対応するカウンタを“1”だけインクリメントし、1個のデータパケットを擬似的な双方向の無線通信Bidirに分配する毎に中継テーブル27−10中の“Bidir”に対応するカウンタを“1”だけインクリメントする。
また、移動端末M1のMACモジュール22は、6個のデータパケットを擬似的な双方向の無線通信Bidirに分配して中継器Rへ送信する。この場合、移動端末M1のMACモジュール22は、1個のデータパケットを擬似的な双方向の無線通信Bidirに分配する毎に中継テーブル27−11中の“Bidir”に対応するカウンタを“1”だけインクリメントする。
更に、中継器RのMACモジュール22は、移動端末M1から受信したデータパケットと、アクセスポイントAPから受信したデータパケットとの排他的論理和を演算して結合パケットを生成し、その生成した結合パケットを移動端末M2およびアクセスポイントAPへ送信する。この場合、中継器RのMACモジュール22は、1個の結合パケットを送信する毎に中継テーブル27−12中の“Bidir”に対応するカウンタを“1”だけインクリメントする。
これによって、ネットワークコーディングを用いた擬似的な双方向の無線通信が効率良く実行され、全体の通信効率を向上できる。
アップリンクの通信比率ρuがダウンリンクの通信比率ρdよりも多い場合、およびアップリンクの通信比率ρuがダウンリンクの通信比率ρdと同じである場合も、中継制御1において説明した方法によって、移動端末M1、中継器RおよびアクセスポイントAPは、中継制御1において説明した方法によって、データパケットの送信制御を行なう。
その他の点については、中継制御1と同じである。
[中継制御4]
図20は、通信効率を向上させる更に他の方法を説明するためのトポロジーを示す図である。また、図21は、図2に示すネイバーテーブル26の更に他の具体例を示す図である。
図20は、通信効率を向上させる更に他の方法を説明するためのトポロジーを示す図である。また、図21は、図2に示すネイバーテーブル26の更に他の具体例を示す図である。
図1に示す無線装置9を移動端末M1とし、図1に示す無線装置8を移動端末M2とし、図1に示す無線装置7を中継器R1とし、図1に示す無線装置6を中継器R2とし、図1に示すアクセスポイントAP1をアクセスポイントAPとし、移動端末M1,M2が、中継器R1,R2を介してネットワークコーディングを用いないでアクセスポイントAPとの間で擬似的な双方向の無線通信を行ない、または中継器R2(または中継器R1)を介してネットワークコーディングを用いてアクセスポイントAPとの間で擬似的な双方向の無線通信を行なうトポロジーを想定する。そして、移動端末M1,M2が移動端末M1→中継器R1→アクセスポイントAP→中継器R2→移動端末M2からなる経路を介してアクセスポイントAPとの間で擬似的な双方向の無線通信を行なっている状態で通信効率を更に向上させる方法について説明する。
この場合、中継器R2のMACモジュール22は、再送テーブルRTX2(図15参照)を保持している。また、中継器R2のキュー23は、アクセスポイントAP宛てのパケットを格納するためのキュー231と、移動端末M2宛てのパケットを格納するためのキュー233とからなる(図17参照)。更に、中継器R2は、ネイバーテーブル26−7(図21参照)を保持している。
なお、移動端末M1,M2、中継器R1およびアクセスポイントAPも、上述したように、Helloメッセージを送受信してネイバーテーブル26を作成しているものとする。
移動端末M1,M2が中継器R1,R2を介してネットワークコーディングを用いないでアクセスポイントAPとの間で擬似的な双方向の無線通信を行なう場合、移動端末M1のMACモジュール22は、ネイバーテーブル26を参照して、送信元=Add_R1に対応する送信レートrM1R1を検出し、その検出した送信レートrM1R1と、長さL1のペイロードとを含むデータパケットPKT1を中継器R1へ送信し、中継器R1のMACモジュール22は、ネイバーテーブル26を参照して、送信元=Add_APに対応する送信レートrR1APを検出し、その検出した送信レートrR1APと、長さL1のペイロードとを含むデータパケットPKT1をアクセスポイントAPへ送信する。その後、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、ネイバーテーブル26を参照して、送信元=Add_R2に対応する送信レートrR2APを検出し、その検出した送信レートrR2APと、長さL2のペイロードとを含むデータパケットPKT2を中継器R2へ送信し、中継器R2のMACモジュール22は、ネイバーテーブル26を参照して、送信元=Add_M2に対応する送信レートrM2R2を検出し、その検出した送信レートrM2R2と、長さL2のペイロードとを含むデータパケットPKT2を移動端末M2へ送信する。
そして、中継器R2の無線インターフェース21は、移動端末M1から送信されたデータパケットPKT1を受信すると、データパケットPKT1を受信したときの受信SNR_DATA1を検出し、データパケットPKT1および受信SNR_DATA1をMACモジュール22へ出力する。
その後、中継器R2のMACモジュール22は、データパケットPKT1および受信SNR_DATA1を無線インターフェース21から受け、その受けたデータパケットPKT1に含まれるペイロード長L1および送信レートrM1R1を検出する。また、中継器R2のMACモジュール22は、図6に示す関係を参照して、受信SNR_DATA1に対応する送信レートを送信レートrM1R2として決定する。
更に、中継器R2のMACモジュール22は、中継器R1から送信されたデータパケットPKT1を受信すると、データパケットPKT1に含まれる送信レートrR1APを検出する。
更に、中継器R2のMACモジュール22は、データパケットPKT2をアクセスポイントAPから受信すると、その受信したデータパケットPKT2に含まれるペイロード長L2および送信レートrR2APを検出する。
そうすると、中継器R2のMACモジュール22は、ネットワークコーディングを適用しないときの送信に必要なオーバーヘッドΔと、ペイロード長L1,L2と、送信レートrM1R1,rR1AP,rR2AP,rM2R2とを次式に代入して、移動端末M1,M2が中継器R1,R2を経由してネットワークコーディングを用いないでアクセスポイントAPとの間で擬似的な双方向の無線通信を行なう場合の総合送信時間t3を演算する。
また、中継器R2のMACモジュール22は、ネットワークコーディングを適用しないときの送信に必要なオーバーヘッドΔと、ネットワークコーディングを適用したときの送信に必要なオーバーヘッドδと、ペイロード長L1,L2と、送信レートrM1R2,rR2AP,rM2R2とを次式に代入して、移動端末M1,M2が中継器R2を経由してネットワークコーディングを適用してアクセスポイントAPとの間で擬似的な双方向の無線通信を行なう場合の総合送信時間tNC5を演算する。
そして、中継器R2のMACモジュール22は、総合送信時間t3を総合送信時間tNC5と比較し、総合送信時間tNC5が総合送信時間t3よりも短いとき、ネイバーテーブル26−7を参照して、移動端末M1,M2間の送信レートrM1,M2が移動端末M2と中継器R2との間の送信レートrM2R2よりも大きいか否かを判定する。なお、ここで、送信レートrM1M2が送信レートrM2R2よりも大きいか否かを判定するのは、中継制御3において説明した理由と同じ理由による。
送信レートrM1M2が送信レートrM2R2よりも大きいと判定されたとき、中継器R2のMACモジュール22は、中継器R2のアドレスからなる送信元Srcと、ブロードキャストアドレスFFと、M1:rM1R2とを含む中継通知RNTF6=[Src/FF/M1:rM1R2/M2:rM2R2/AP:rR2AP]を生成し、その生成した中継通知RNTF6=[Src/FF/M1:rM1R2/M2:rM2R2/AP:rR2AP]をブロードキャストする。
移動端末M1のMACモジュール22は、中継器R2から送信された中継通知RNTF6=[Src/FF/M1:rM1R2/M2:rM2R2/AP:rR2AP]を無線インターフェース21を介して受信し、その受信した中継通知RNTF6=[Src/FF/M1:rM1R2/M2:rM2R2/AP:rR2AP]をルーティングモジュール25へ出力する。そして、移動端末M1のルーティングモジュール25は、中継通知RNTF6=[Src/FF/M1:rM1R2/M2:rM2R2/AP:rR2AP]のSrc=Add_R2およびM1:rM1R2を検出し、その検出したアドレスAdd_R2および送信レートrM1R2をネイバーテーブル26に記録し、ネイバーテーブル26を更新する。
また、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、中継器R2から送信された中継通知RNTF6=[Src/FF/M1:rM1R2/M2:rM2R2/AP:rR2AP]を無線インターフェース21を介して受信し、その受信した中継通知RNTF6=[Src/FF/M1:rM1R2/M2:rM2R2/AP:rR2AP]をルーティングモジュール25へ出力する。そして、アクセスポイントAPのルーティングモジュール25は、中継通知RNTF6=[Src/FF/M1:rM1R2/M2:rM2R2/AP:rR2AP]のSrc=Add_R2およびAP:rR2APを検出し、その検出したアドレスAdd_R2および送信レートrR2APをネイバーテーブル26に記録し、ネイバーテーブル26を更新する。
その後、移動端末M1のMACモジュール22は、アクセスポイントAP宛てのデータパケットAをネイバーテーブル26に格納された送信レートrM1R2で中継器R2へ送信し、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、移動端末M2宛てのデータパケットXをネイバーテーブル26に格納された送信レートrR2APで中継器R2へ送信する。
そして、中継器R2のMACモジュール22は、移動端末M1から無線インターフェース21を介してデータパケットAを受信し、その後、アクセスポイントAPから無線インターフェース21を介してデータパケットXを受信する。
そうすると、中継器R2のMACモジュール22は、その受信したデータパケットAとの間で排他的論理和を演算するためのデータパケットXを検索する。この場合、中継器R2のMACモジュール22は、データパケットXをアクセスポイントAPから受信しているので、データパケットAとデータパケットXとの排他的論理和を演算して結合パケットPKT_NCを生成し、その生成した結合パケットPKT_NCを移動端末M2およびアクセスポイントAPへ送信する。
一方、中継器R2のMACモジュール22は、データパケットXを検出できないとき、データパケットAをキュー231に格納するとともに、内蔵したタイマー(図示せず)に制御時間T_CTLを設定する。そして、中継器R2のMACモジュール22は、その設定した制御時間T_CTLが満了すると、データパケットAをユニキャストで送信する。この場合、データパケットAは、キュー231に格納されているとき、他のデータパケットとの間で排他的論理和が演算されて送信されることもある。
なお、中継器R2のMACモジュール22は、データパケットXをデータパケットAよりも先に受信した場合、データパケットXと排他的論理和を演算するためのデータパケットAを検索し、データパケットAを検出できないとき、データパケットXをキュー233(図17参照)に格納するとともに、内蔵したタイマー(図示せず)に制御時間T_CTLを設定する。そして、中継器R2のMACモジュール22は、その設定した制御時間T_CTLが満了すると、データパケットXをユニキャストで送信する。
移動端末M2のMACモジュール22は、中継器R2から無線インターフェース21を介して結合パケットPKT_NCを受信し、その受信した結合パケットPKT_NCと、移動端末M1から受信したデータパケットAとの排他的論理和を演算して移動端末M2宛てのデータパケットXを復号する。そして、移動端末M2のMACモジュール22は、その復号したデータパケットXをアプリケーション(図示せず)へ出力するとともに、ACKパケットを中継器R2へ送信する。
一方、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、中継器R2から無線インターフェース21を介して結合パケットPKT_NCを受信し、その受信した結合パケットPKT_NCと、保持しているデータパケットXとの排他的論理和を演算してアクセスポイントAP宛てのデータパケットAを復号する。そして、アクセスポイントAPのMACモジュール22は、その復号したデータパケットAをアプリケーション(図示せず)へ出力するとともに、ACKパケットを中継器R2へ送信する。
中継器R2のMACモジュール22は、移動端末M2およびアクセスポイントAPから無線インターフェース21を介してACKパケットを受信する。そして、中継器R2のMACモジュール22は、再送テーブルRTX2(図15参照)を参照して、移動端末M2およびアクセスポイントAPの両方からACKパケットを受信したので、上述した方法によって、データパケットBとデータパケットYとの排他的論理和を演算して結合パケットを生成し、その生成した結合パケットを送信する。
一方、中継器R2のMACモジュール22は、移動端末M2から何も受信せず(Silent)、アクセスポイントAPからACKパケットを受信したとき、データパケットBとデータパケットXとの排他的論理和を演算して結合パケットを生成し、バックオフタイム(BO)が経過すると、その生成した結合パケットを送信する。
また、中継器R2のMACモジュール22は、移動端末M2からACKパケットを受信し、アクセスポイントAPから何も受信していないとき(Silent)、データパケットAとデータパケットYとの排他的論理和を演算して結合パケットを生成し、バックオフタイム(BO)が経過すると、その生成した結合パケットを送信する。
更に、中継器R2のMACモジュール22は、移動端末M2およびアクセスポイントAPの両方から何も受信していないとき(Silent)、バックオフタイム(BO)が経過すると、データパケットAとデータパケットXとの結合パケットを再送する。
更に、中継器R2のMACモジュール22は、移動端末M2からNACKパケットを受信し、アクセスポイントAPからACKパケットを受信したとき、データパケットBとデータパケットXとの排他的論理和を演算した結合パケットPKT_NCを移動端末M2とアクセスポイントAPへ送信する。
更に、中継器R2のMACモジュール22は、移動端末M2からNACKパケットを受信し、アクセスポイントAPから何も受信しないとき(Silent)、バックオフタイム(BO)が経過すると、データパケットAを再送する。
これによって、中継器R2を経由してネットワークコーディングを用いた移動端末M1,M2とアクセスポイントAPとの間の擬似的な双方向の無線通信における総合送信時間は、中継器R1,R2を経由してネットワークコーディングを用いないで移動端末M1,M2とアクセスポイントAPとの間で擬似的な双方向の無線通信が行なわれる場合よりも短くなり、移動端末M1,M2、中継器R2およびアクセスポイントAPがチャネルを占有する時間が短くなる。
従って、通信効率を向上できる。
中継制御4においても、中継器R2は、移動端末M1からアクセスポイントAPへの通信量と、アクセスポイントAPから移動端末M2への通信量とを計測した後に、中継通知RNTFをブロードキャストしてもよく、移動端末M1、中継器R2およびアクセスポイントAPは、中継制御1において説明した方法によってデータパケットの送信制御を実行する。
なお、中継器R1は、アクセスポイントAPから送信されたデータパケットPKT2を受信し、そのデータパケットPKT2を受信したときの受信SNR_DATA2を検出し、図6に示す関係を用いて受信SNR_DATA2からアクセスポイントAPと中継器R1との間の送信レートrR1APを検出することによって、上述した中継器R2と同じ動作を行なう。
その他の点については、中継制御1と同じである。
上記においては、図1に示す無線装置1〜17およびアクセスポイントAP1,AP2のうち、一部の無線装置およびアクセスポイントが移動端末M,M1,M2、中継器R,R1,R2およびアクセスポイントAPを構成する場合について説明したが、無線装置1〜17のいずれの無線装置が移動端末M,M1,M2、および中継器R,R1,R2を構成し、アクセスポイントAP1,AP2のいずれがアクセスポイントAPを構成しても、上述した方法によって、総合送信時間がより短くなるように、移動端末M,M1,M2とアクセスポイントAPとの間で双方向の無線通信が行なわれる。
この発明の実施の形態においては、移動端末Mおよび移動端末M1,M2の各々は、「他の無線装置」を構成し、移動端末M1は、「第1の無線装置」を構成し、移動端末M2は、「第2の無線装置」を構成する。
また、この発明の実施の形態においては、総合通信時間t1,tNC1を演算するMACモジュール22、総合通信時間tNC2,tNC3を演算するMACモジュール22、総合通信時間t2,tNC4を演算するMACモジュール22、および総合通信時間t3,tNC5を演算するMACモジュール22の各々は、「計測手段」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、総合通信時間t1,tNC2,t3の各々は、「第1の通信時間」を構成し、総合通信時間tNC1,tNC3,tNC5の各々は、「第2の通信時間」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、中継通知RNTF1〜RNTF6を生成してブロードキャストするMACモジュール22は、「制御手段」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、再送テーブルRTX1,RTX2に基づいてデータパケットを再送するMACモジュール22は、「再送手段」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、データパケットAとペアとなるデータパケットXを検索し、データパケットXを検出すると、結合パケットPKT_NCを生成して送信するMACモジュール22は、「送信手段」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、中継器R1は、「他の中継器」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、移動端末Mおよび移動端末M1,M2の各々は、この発明による無線ネットワークにおける「第1の無線装置」を構成し、中継器Rおよび中継器R2の各々は、この発明による無線ネットワークにおける「第2の無線装置」を構成し、中継器R1は、この発明による無線ネットワークにおける「第3の無線装置」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、移動端末M1は、中継器Rが「第2の無線装置」を構成する場合、この発明による無線ネットワークにおける「第3の無線装置」を構成し、移動端末M2は、中継器Rが「第2の無線装置」を構成する場合、この発明による無線ネットワークにおける「第4の無線装置」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、移動端末M1は、中継器R2が「第2の無線装置」を構成し、かつ、中継器R1が「第3の無線装置」を構成する場合、この発明による無線ネットワークにおける「第4の無線装置」を構成し、移動端末M2は、中継器R2が「第2の無線装置」を構成し、かつ、中継器R1が「第3の無線装置」を構成する場合、この発明による無線ネットワークにおける「第5の無線装置」を構成する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、双方向の無線通信における通信効率を向上可能な無線装置に適用される。また、この発明は、双方向の無線通信における通信効率を向上可能な無線装置を備えた無線ネットワークに適用される。
1〜17 無線装置、21 無線インターフェース、22 MACモジュール、23,231〜233 キュー、24 TCP/IPモジュール、25 ルーティングモジュール、26 ネイバーテーブル、27 中継テーブル、100 無線ネットワーク、M,M1,M2 移動端末、R,R1,R2 中継器、AP,AP1,AP2 アクセスポイント。
Claims (15)
- 他の無線装置とアクセスポイントとの間で行なわれる双方向の無線通信を中継する無線装置であって、
前記他の無線装置と前記アクセスポイントとの間で2つの無線リンクからなる第1の経路を用いて行なわれている前記双方向の無線通信における第1の通信時間と、前記第1の経路と異なり、かつ、2つの無線リンクからなる第2の経路を用いた場合の前記双方向の無線通信における第2の通信時間とを計測する計測手段と、
前記第2の通信時間が前記第1の通信時間よりも短いと判定したとき、前記第2の経路を用いて前記双方向の無線通信を行なうように前記他の無線装置および前記アクセスポイントを制御する制御手段とを備える無線装置。 - 前記計測手段は、前記他の無線装置と前記アクセスポイントとの間の直接リンクを用いた場合の前記双方向の無線通信における通信時間を前記第1の通信時間として計測するとともに、前記他の無線装置と当該無線装置との間の直接リンクと、前記アクセスポイントと当該無線装置との間の直接リンクとを用いた場合の前記双方向の無線通信における通信時間を前記第2の通信時間として計測し、
前記制御手段は、前記第2の通信時間が前記第1の通信時間よりも短いと判定したとき、当該無線装置を経由する前記第2の経路を用いて前記双方向の無線通信を行なうように前記他の無線装置および前記アクセスポイントを制御する、請求項1に記載の無線装置。 - 前記計測手段は、前記他の無線装置と前記アクセスポイントとの間で前記双方向の無線通信を中継している他の中継器と前記他の無線装置との間の直接リンクと、前記他の中継器と前記アクセスポイントとの間の直接リンクとを用いた場合の前記双方向の無線通信における通信時間を前記第1の通信時間として計測するとともに、前記他の無線装置と当該無線装置との間の直接リンクと、前記アクセスポイントと当該無線装置との間の直接リンクとを用いた場合の前記双方向の無線通信における通信時間を前記第2の通信時間として計測し、
前記制御手段は、前記第2の通信時間が前記第1の通信時間よりも短いと判定したとき、当該無線装置を経由する前記第2の経路を用いて前記双方向の無線通信を行なうように前記他の無線装置および前記アクセスポイントを制御する、請求項1に記載の無線装置。 - 前記他の無線装置は、第1および第2の無線装置からなり、
前記計測手段は、前記第1の無線装置と前記アクセスポイントとの間の直接リンクと、前記アクセスポイントと前記第2の無線装置との間の直接リンクとを用いた場合の前記双方向の無線通信における通信時間を前記第1の通信時間として計測するとともに、前記第1の無線装置と当該無線装置との間の直接リンクと、前記アクセスポイントと当該無線装置との間の直接リンクと、当該無線装置と前記第2の無線装置との間の直接リンクとを用いた場合の前記双方向の無線通信における通信時間を前記第2の通信時間として計測し、
前記制御手段は、前記第2の通信時間が前記第1の通信時間よりも短いと判定し、更に、前記第1の無線装置と前記第2の無線装置との間の直接リンクにおける通信品質が前記第1の無線装置と当該無線装置との間の直接リンクにおける通信品質よりも良いと判定すると、当該無線装置を経由する前記第2の経路を用いて前記双方向の無線通信を行なうように前記他の無線装置および前記アクセスポイントを制御する、請求項1に記載の無線装置。 - 前記他の無線装置は、第1および第2の無線装置からなり、
前記計測手段は、前記他の無線装置と前記アクセスポイントとの間で前記双方向の無線通信を中継している他の中継器と前記第1の無線装置との間の直接リンクと、前記他の中継器と前記アクセスポイントとの間の直接リンクと、前記アクセスポイントと当該無線装置との間の直接リンクと、当該無線装置と前記第2の無線装置との間の直接リンクとを用いた場合の前記双方向の無線通信における通信時間を前記第1の通信時間として計測するとともに、前記第1の無線装置と当該無線装置との間の直接リンクと、前記アクセスポイントと当該無線装置との間の直接リンクと、当該無線装置と前記第2の無線装置との間の直接リンクとを用いた場合の前記双方向の無線通信における通信時間を前記第2の通信時間として計測し、
前記制御手段は、前記第2の通信時間が前記第1の通信時間よりも短いと判定し、更に、前記第1の無線装置と前記第2の無線装置との間の直接リンクにおける通信品質が前記第1の無線装置と当該無線装置との間の直接リンクにおける通信品質よりも良いと判定すると、当該無線装置を経由する前記第2の経路を用いて前記双方向の無線通信を行なうように前記他の無線装置および前記アクセスポイントを制御する、請求項1に記載の無線装置。 - 前記他の無線装置から受信した第1のパケットを前記アクセスポイントへ転送する場合、前記第1のパケットとペアとなる前記アクセスポイントから受信した第2のパケットを検索し、前記第2のパケットを検出すると、前記第1のパケットと前記第2のパケットとの排他的論理和を演算して結合パケットを生成し、その生成した結合パケットを前記他の無線装置および前記アクセスポイントへ送信する送信手段を更に備える、請求項1に記載の無線装置。
- MAC層に設けられ、前記送信手段が前記結合パケットを送信した後に前記他の無線装置および前記アクセスポイントの両方からの応答に基づいて、前記第1のパケット、前記第2のパケットおよび前記結合パケットのいずれかを再送する再送手段を更に備える、請求項6に記載の無線装置。
- アクセスポイントと、
前記アクセスポイントと双方向の無線通信を行なう第1の無線装置と、
前記第1の無線装置と前記アクセスポイントとの間で前記双方向の無線通信を中継する第2の無線装置とを備え、
前記第2の無線装置は、前記第1の無線装置と前記アクセスポイントとの間で2つの無線リンクからなる第1の経路を用いて前記双方向の無線通信が行なわれるときの第1の通信時間が、前記第1の経路と異なり、かつ、2つの無線リンクからなる第2の経路を用いて前記双方向の無線通信が行なわれるときの第2の通信時間よりも長いと判定したとき、前記第2の経路を用いて前記双方向の無線通信を行なうように前記第1の無線装置および前記アクセスポイントを制御する、無線ネットワーク。 - 前記第2の無線装置は、前記第1の無線装置と前記アクセスポイントとの間の直接リンクを用いた場合の前記双方向の無線通信における通信時間を前記第1の通信時間として計測し、前記第1の無線装置と自己との間の直接リンクと、前記アクセスポイントと自己との間の直接リンクとを用いた場合の前記双方向の無線通信における通信時間を前記第2の通信時間として計測するとともに、前記第2の通信時間が前記第1の通信時間よりも短いと判定したとき、自己を経由する前記第2の経路を用いて前記双方向の無線通信を行なうように前記第1の無線装置および前記アクセスポイントを制御する、請求項8に記載の無線ネットワーク。
- 前記第1の無線装置と前記アクセスポイントとの間で前記双方向の無線通信を中継する第3の無線装置を更に備え、
前記第2の無線装置は、前記第1の無線装置と前記第3の無線装置との間の直接リンクと、前記第3の無線装置と前記アクセスポイントとの間の直接リンクとを用いた場合の前記双方向の無線通信における通信時間を前記第1の通信時間として計測し、前記第1の無線装置と自己との間の直接リンクと、前記アクセスポイントと自己との間の直接リンクとを用いた場合の前記双方向の無線通信における通信時間を前記第2の通信時間として計測するとともに、前記第2の通信時間が前記第1の通信時間よりも短いと判定したとき、自己を経由する前記第2の経路を用いて前記双方向の無線通信を行なうように前記第1の無線装置および前記アクセスポイントを制御する、請求項8に記載の無線ネットワーク。 - 前記第1の無線装置は、第3および第4の無線装置からなり、
前記第2の無線装置は、前記第3の無線装置と前記アクセスポイントとの間の直接リンクと、前記アクセスポイントと前記第4の無線装置との間の直接リンクとを用いた場合の前記双方向の無線通信における通信時間を前記第1の通信時間として計測し、前記第3の無線装置と自己との間の直接リンクと、前記アクセスポイントと自己との間の直接リンクと、自己と前記第4の無線装置との間の直接リンクとを用いた場合の前記双方向の無線通信における通信時間を前記第2の通信時間として計測するとともに、前記第2の通信時間が前記第1の通信時間よりも短いと判定し、更に、前記第3の無線装置と前記第4の無線装置との間の直接リンクにおける通信品質が前記第3の無線装置と自己との間の直接リンクにおける通信品質よりも良いと判定すると、自己を経由する前記第2の経路を用いて前記双方向の無線通信を行なうように前記第3および第4の無線装置と前記アクセスポイントとを制御する、請求項8に記載の無線ネットワーク。 - 前記他の無線装置と前記アクセスポイントとの間で前記双方向の無線通信を中継する第3の無線装置を更に備え、
前記第1の無線装置は、第4および第5の無線装置からなり、
前記第2の無線装置は、前記第3の無線装置と前記第4の無線装置との間の直接リンクと、前記第3の無線装置と前記アクセスポイントとの間の直接リンクと、前記アクセスポイントと自己との間の直接リンクと、自己と前記第5の無線装置との間の直接リンクとを用いた場合の前記双方向の無線通信における通信時間を前記第1の通信時間として計測し、前記第4の無線装置と自己との間の直接リンクと、前記アクセスポイントと自己との間の直接リンクと、自己と前記第5の無線装置との間の直接リンクとを用いた場合の前記双方向の無線通信における通信時間を前記第2の通信時間として計測し、前記第2の通信時間が前記第1の通信時間よりも短いと判定し、更に、前記第4の無線装置と前記第5の無線装置との間の直接リンクにおける通信品質が前記第4の無線装置と自己との間の直接リンクにおける通信品質よりも良いと判定すると、自己を経由する前記第2の経路を用いて前記双方向の無線通信を行なうように前記第4および第5の無線装置と前記アクセスポイントとを制御する、請求項8に記載の無線ネットワーク。 - 前記第2の無線装置は、前記第1の無線装置から受信した第1のパケットを前記アクセスポイントへ転送する場合、前記第1のパケットとペアとなる前記アクセスポイントから受信した第2のパケットを検索し、前記第2のパケットを検出すると、前記第1のパケットと前記第2のパケットとの排他的論理和を演算して結合パケットを生成し、その生成した結合パケットを前記第1の無線装置および前記アクセスポイントへ送信する、請求項8に記載の無線ネットワーク。
- 前記第2の無線装置は、前記結合パケットを送信した後に前記第1の無線装置および前記アクセスポイントの両方からの応答に基づいて、前記第1のパケット、前記第2のパケットおよび前記結合パケットのいずれかを再送する、請求項13に記載の無線ネットワーク。
- 前記アクセスポイントは、前記第1の無線装置から自己へ送信されるパケットの割合を第1の割合とし、自己から前記第1の無線装置へ送信するパケットの割合を第2の割合とし、前記第2の割合が前記第1の割合以下であるとき、全てのパケットを前記第2の無線装置へ送信し、前記第2の割合が前記第1の割合よりも多いとき、前記第2の割合のうち、前記第1の割合のパケットを前記第2の無線装置へ送信し、前記第2の割合から前記第1の割合を減算した第3の割合のパケットを前記第1の無線装置へ直接送信し、
前記第1の無線装置は、前記第1の割合が前記第2の割合以下であるとき、全てのパケットを前記第2の無線装置へ送信し、前記第1の割合が前記第2の割合よりも多いとき、前記第1の割合のうち、前記第2の割合のパケットを前記第2の無線装置へ送信し、前記第1の割合から前記第2の割合を減算した第4の割合のパケットを前記アクセスポイントへ直接送信し、
前記第2の無線装置は、前記第1の無線装置から受信した第1のパケットを前記アクセスポイントへ転送する場合、前記第1のパケットとペアとなる前記アクセスポイントから受信した第2のパケットを検索し、前記第2のパケットを検出すると、前記第1のパケットと前記第2のパケットとの排他的論理和を演算して結合パケットを生成し、その生成した結合パケットを前記第1の無線装置および前記アクセスポイントへ送信する、請求項8に記載の無線ネットワーク。
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