JP2010081314A - データ配送方法及び無線通信システム - Google Patents

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Abstract

【目的】無線マルチホップネットワークにおいて無線通信リンク間の送信回数や送信データ量の削減を図りつつ、より効率的なデータ配送を可能とするデータ配送方法及び無線通信システムを提供する。
【構成】データ中継において、受信した複数のデータパケットから各データパケットに含まれる予定経路情報に基づいて少なくとも2つのデータパケットを抽出し、これらを1つの符号化対象グループに属するものと設定し、該符号化対象グループ毎に、当該符号化対象グループに属するデータパケット内のデータに対してビット毎の排他論理和演算処理を施して1つの結合された符号化データパケットを生成し、該符号化データパケットを、当該符号化対象グループに属するデータパケットに代えて送信する。
【選択図】図8

Description

本発明は、相互に無線通信可能な複数の無線通信端末から構成され、個々の無線通信端末が単独でデータ発生源としてデータを送信したりデータ終端側としてデータを受信したりする機能、並びにこれら送受信されるデータの中継を行うホップ転送機能を備える無線マルチホップネットワークにおけるデータ配送方法及び無線通信システムに関する。
複数の無線通信端末を含む無線マルチホップネットワークにおいては、無線通信端末のうちでデータ送信端末として機能する端末とデータ受信端末として機能する端末と間に複数の通信パスが形成されることからリンク障害に対して高い信頼性を備える。しかし他面、冗長な送信があり得ることからデータ量増加に伴うネットワーク負荷が問題となる。
この点、マルチキャストルーティングによって送信回数を削減する方法が知られている。しかし、かかる方法はリンクを集約して転送するため、リンク障害が発生したときに失われるデータ量が大きくなる危険が高く、また特定の端末にデータ配送のオーバヘッドが集中してしまう虞もある。また、データパケットの送信回数を削減する方法として、複数のデータパケットを集約処理して1つのデータパケットにまとめて送信する方法も考えられている。しかし、かかる方法では、パケット毎のオーバヘッドが削減されるものの、個々のパケットサイズが増大し十分な効率性の改善が望めない。
そこで、ネットワークコーディング(Network Coding)と称される考え方が導入され、データに対して特定の符号化アルゴリズムを適用してデータ量を削減することが提唱されている。例えば、非特許文献1は、複数のパケットのデータに対して一種の線型結合演算である排他的論理和演算を施して得られる符号化データを送信することでデータ量を削減する技術を開示している。
図1A〜図1Cは、排他的論理和演算を利用したネットワークコーディングの利点を説明している。ネットワークコーディングは、複数のデータの排他的論理和の計算を行って得られるデータを送信することで、送信するデータ量を減らしたり送信回数を減らしたりすることで信頼性を向上させる。背景説明として、図1A及び図1Bはネットワークコーディングを行わない状況を示している。ここで、無線通信端末のうちで、2つのデータ送信端末S1及びS2と、2つのデータ受信端末R1及びR2と、4つのデータ中継端末T1〜T4が配置されているとする。データ送信端末S1は自身の生成データであるデータD_S1をデータ受信端末R1に配送しようとし、データ送信端末S2は自身の生成データであるデータD_S2をデータ受信端末R2に配送しようとしている。
図1Aを参照すると、データ送信端末S1からデータ受信端末R1まで2回のD_S1の転送が行われ、一方、データ送信端末S1からデータ受信端末R2まで4回のD_S1の転送が行われる。データ送信端末S1からデータ中継端末T1及びT2への転送は同報通信(ブロードキャスト)であるから1回と数えられ、合計5回の送信が行われることになる。図1Bを参照すると、データ送信端末S2からD_S2の転送について同様に合計5回の送信が行われる。結局、データD_S1及びD_S2のデータ受信端末R1及びR2への配送に合計10回の送信が必要となることが分かる。
図1Cは、ネットワークコーディングを用いた場合を示している。データD_S1はデータ中継端末T3を介し2回の送信を経てデータ受信端末R1に到達する。また、データD_S2はデータ中継端末T4を介し2回の送信を経てデータ受信端末R2に到達する。データ送信端末S1及びS2の送信は同報通信であることから、データ中継端末T1は、データ送信端末S1及びS2からそれぞれデータD_S1及びデータD_S2を受信する。次いで、データ中継端末T1は、データD_S1とデータD_S2の排他的論理和であるデータD_S1 XOR D_S2をデータ中継端末T2に送信する(1回の送信)。データ中継端末T2は、受信したデータD_S1 XOR D_S2をそのままデータ中継端末T3及びT4の双方に送信する(1回の送信)。データ中継端末T3及びT4は受信したデータD_S1 XOR D_S2をデータ受信端末R1及びデータ受信端末R2にそれぞれ送信する(2回の送信)。
データ受信端末R1は、データD_S1 XOR D_S2とデータD_S1の排他的論理和を計算することにより復号を行ってデータD_S2を得る。一方、データ受信端末R1は、データD_S1 XOR D_S2とデータD_S2の排他的論理和を計算することにより復号を行ってデータD_S1を得る。結果的に、所望のデータ配送はデータ中継端末T1及びT2における送信回数がそれぞれ1回減って合計8回の送信が必要となる。排他的論理和をとったデータを送信することによりデータの送信量も減る。すなわち、ネットワークコーディングを行わない場合と比較してデータ送信数やデータ送信量が削減されることが分かる。
ところで、非特許文献1で提唱されている技術は、「各無線通信端末は、隣接端末が通知するデータ保持情報に従って符号化対象とすべきパケットを選択し、選択したパケットのデータの排他的論理和となるデータに符号化して、そのデータを送信する」とするものである。そして、排他的論理和をとる際の具体的なアルゴリズムは、「n個のデータパケットp1、p2、…pnをそれぞれ、宛先のn個の次ホップ端末r1、r2、…rnに送信するとき、各次ホップ端末rがpi以外のn−1個のデータを保持しているときのみ、n個のデータパケットp1、p2、…pnの排他的論理和をとったデータを送信する」という規則に基づいている。かかる規則に従うことで符号化データの復号可能性を保証し得る。
S. Katti, H. Rahul, W. Hu, D. Katabi, M. Medard, and J. Crowcroft, "XORs in The Air: Practical Wireless Network Coding," in Proc. of ACM, SIGCOMM 2006, Pisa, Italy, Sept. 2006.
しかしながら、非特許文献1の技術では、ネットワークコーディングを行う無線通信端末は、隣接端末から通知されるデータ保持情報を収集してデータを符号化している。そのため、隣接端末が実際にデータを保持しておらず通知がなされないなら、データ中継端末においてデータ符号化することができず、さらには全ての隣接端末から定期的又は間欠的にデータ保持情報の通知を受けるオーバヘッドが無視し得ないという問題がある。
本発明の目的は、無線マルチホップネットワークにおいて無線通信リンク間の送信回数や送信データ量の削減を図りつつ、より効率的なデータ配送を可能とするデータ配送方法及び無線通信システムを提供することである。
本発明によるデータ配送方法は、データ送信ステップ、データ中継ステップ及びデータ受信ステップの何れか少なくとも1つのステップを各々で実行し得る複数の端末を含むことによってマルチホップ無線通信ネットワークを構成する無線通信システムにおけるデータ配送方法であって、 該データ中継ステップは、受信した複数のデータパケットから各データパケットに含まれる予定経路情報に基づいて少なくとも2つのデータパケットを抽出し、これらを1つの符号化対象グループに属するものと設定する符号化対象グループ設定ステップと、該符号化対象グループ毎に、当該符号化対象グループに属するデータパケット内のデータに対してビット毎の排他論理和演算処理を施して1つの結合された符号化データパケットを生成する符号化データパケット生成ステップと、該符号化データパケットを、当該符号化対象グループに属するデータパケットに代えて送信する符号化データパケット送信ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明による無線通信システムは、データ送信端末、データ中継端末及びデータ受信端末の何れか少なくとも1つとして各々が機能し得る複数の端末を含むことによってマルチホップ無線通信ネットワークを構成する無線通信システムであって、 該データ中継端末は、受信した複数のデータパケットから各データパケットに含まれる予定経路情報に基づいて少なくとも2つのデータパケットを抽出し、これらを1つの符号化対象グループに属するものと設定する符号化対象グループ設定手段と、該符号化対象グループ毎に、当該符号化対象グループに属するデータパケット内のデータに対してビット毎の排他論理和演算処理を施して1つの結合された符号化データパケットを生成する符号化データパケット生成手段と、該符号化データパケットを、当該符号化対象グループに属するデータパケットに代えて送信する符号化データパケット送信手段と、を含むことを特徴とする。
本発明によるデータ配送方法及び無線通信システムによれば、データ中継端末が、隣接端末から通知されるデータ保持情報に基づいたネットワークコーディングを行うのではなく、パケットに含まれるデータ受信端末に関連する経路情報を基にしてネットワークコーディングを行う。これにより、無線通信リンク間の送信回数や送信データ量の削減を図りつつ、より効率的なデータ配送が可能となる。
本発明の実施例について添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
<実施例>
図2は、本発明による1つの実施例を示し、無線通信システムの全体構成を示している。ここで、ネットワーク状に相互に無線リンクで接続された複数の無線通信端末T1〜T10が存在する。本図では例として10台の無線通信端末T1〜T10が示されているが、かかる台数は例示であって、2台以上の多数の無線通信端末が想定され得る。
無線通信端末T1〜T10の各端末はデータの送受信が可能であると共に、データの中継が可能である。すなわち、複数の無線通信端末T1〜T10を前提として、それらのうちの任意の端末がデータ送信端末として自身が生成したデータを、それ以外の任意のデータ受信端末に、残りの何れかのデータ中継端末を介して配送する。データの送受信とは、アプリケーションレイヤでのエンドツーエンドの送受信を意味し、データ送信端末が、例えば検針データを計測するセンサノードとして機能し、データ受信端末が配送された検針データを集めて集計する等のアプリケーションノードとして機能し得る。一方、データの中継とは、アプリケーションレイヤより下位のレイヤにおいてデータをそのまま転送するのを基本とし、後に述べるアルゴリズムに従って必要に応じてデータの符号化や復号を行うことを意味する。
本実施例では、複数のデータ送信端末が複数のデータ受信端末に対してデータを送信する形態を想定している。かかる形態の利点としては、例えば検針データを複数のデータ受信端末で収集する場合、あるデータ受信端末で障害が発生しても別の稼働中のデータ受信端末でデータを収集できること、あるデータ受信端末までのデータ配送のリンク経路が障害等により消滅しても、利用できる別のリンク経路でデータを収集できることなどが挙げられる。
図3は、図2に示された各無線通信端末の内部構成を示している。無線通信端末T1〜T10の各々は、経路情報テーブル205と、経路情報制御部201と、データパケット保持部202と、データパケット処理部203と、無線通信部204とから構成される。経路情報制御部201は、経路情報テーブル205を設定し、この設定内容に従ってデータ受信端末へのデータ配送のための経路制御を行う。パケット保持部202は、送受信するデータパケットを一時的に保持する。データパケット処理部203は、センシング等の所定機能に基づいて新たなデータパケットの生成や排他的論理和などの計算を行って新たなデータパケットの生成を行う。無線通信部204は、隣接する他の無線通信端末と無線通信によって経路制御パケットやデータパケットを送受信する。
図4は、経路情報テーブル205の設定方法の処理手順を示している。かかる処理手順は、各無線通信端末の経路情報制御部201(図2参照)によって実行され、データパケットの配送に先立って実行される。以下の説明において、複数の無線通信端末のうちデータ送信の運用を行う端末をデータ送信端末S1又はS2と表し、データ受信の運用を行う端末をデータ受信端末R1又はR2と表し、これらの間で中継を行う端末をデータ中継端末T1〜Tn(nは正数)で表すものとする。
先ず、データ受信端末R1は、自分の端末ID(自端末ID)と、シーケンス番号と、ホップ数を含む経路制御メッセージを定期的にフラッディング(Flooding)する。すなわち、データ受信端末R1は、定期の到来を判定し(ステップS11)、もし到来していれば経路制御パケットをフラッディングする(ステップS12)。もし到来していなければ定期到来迄待機して(ステップS13)、ステップS11以降の処理手順を反復継続する。
ここで、フラッディングとは、無線マルチホップネットワーク上に接続された送信可能なすべての無線通信端末に対して経路制御パケットを流すことを意味する。経路制御メッセージのホップ数には初期値として0が設定される。経路制御メッセージのシーケンス番号はフラッディング毎にインクリメントされる。すなわち、定期的に行われる複数のフラッディングのうちの1回のフラッディングにおいて同一シーケンス番号の経路制御パケットがネットワーク上にばらまかれることになる。従って、あるデータ中継端末には同一のシーケンス番号の複数の経路制御パケットが異なるリンク経路を介して到達する可能性がある。
データ中継端末T1は、フラッディングされた経路制御パケットの受信に応じて、当該パケットのシーケンス番号が当該データ受信端末(データ受信端末R1)について初めてのシーケンス番号か否かを判定し(ステップS14)、もし以前に受け取ったものと同一である場合、これを破棄する。一方、初めてのシーケンス番号である場合には、データ中継端末T1は、当該経路制御メッセージに自端末IDを付加し、ホップ数を1インクリメントする(ステップS15)。次いで、当該経路制御パケットをさらにフラッディングする、例えば、図示される他のデータ中継端末T2に転送する(ステップS16)。次に、データ中継端末T1は、データ受信端末Rから最短ホップとなるパスを選択して制御情報テーブルを更新する(ステップS17)。
データ中継端末T2は、データ中継端末T1から転送された経路制御パケットに応じて、同様の処理手順(ステップS14〜S17)を実行する(ステップS18)。
図5は、図4に示された処理手順の結果更新される経路情報テーブル205の設定例を示している。経路情報テーブル205は、データ受信端末の端末ID(データ受信端末ID)毎に最短ホップとなる次ホップ端末の端末ID(次ホップ端末ID)が設定される。ここでは、端末IDを各無線通信端末の参照符号で代用して示している。本図を参照すると、例えば、データ受信端末R1へのデータパケットの配送はデータ中継端末T1に転送することが最短ホップを与えることを意味する。
図6は、データ送信端末がデータ配送を行う際に生成するデータパケットのフォーマットを示している。データがあるデータ送信端末で発生したとすると、当該データ送信端末は、そのデータの宛先となる全てのデータ受信端末IDと、そのデータ受信端末の次ホップ端末IDとの組合せからなる単位経路情報片1〜nを作成する。単位経路情報片1〜nは予定経路情報を構成し、当該データパケットの今後の予定経路を与える。
データ受信端末IDと次ホップ端末IDとの対応関係は、当該データ送信端末が保持する経路情報テーブル205(図5参照)の設定内容を基に作成される。単位経路情報片1〜nは宛先となるデータ受信端末の数(n:正数)だけ作成され、データパケットのヘッダ部の一部を構成する。ヘッダ部にはさらに、データ識別部Didを含み、ヘッダ部の直後にデータ部Dが記載される。データ識別部Didは、データ部Dに格納されるデータの識別情報や符号化の対象となった元のデータの識別情報を含む。符号化を行う前の元のデータの識別情報の例として、そのデータの送信元端末IDとシーケンス番号が挙げられる。
図7は、データパケットの受信時の処理手順を示している。かかる処理手順の主体は無線通信端末のうちの1つであり、データ転送端末T1〜Tnの何れか1である場合もあり得るし、最終的なデータパケットの宛先であるデータ受信端末R1又はR2である場合もあり得る。
先ず、無線通信端末は、データ送信端末によって送信(ブロードキャスト)されたデータパケットを受信したとする(ステップS21)。当該データパケットの各単位経路情報片に含まれるデータ受信端末IDと自端末IDとが一致するか否かを判定する(ステップS22)。もし一致する場合には、自身がデータ受信端末であることから、当該データパケットのデータに対して所望のアプリケーション処理を施す(ステップS24)。尚、当該データパケットのデータがデータ符号化されていた場合には必要な復号を行った上で(ステップS23)、アプリケーション処理を施す。
一方、ステップS22において一致しない場合、無線通信端末は、さらに、当該データパケットの各単位経路情報片に含まれる次ホップ端末IDと自端末IDとが一致するか否かを判定する(ステップS25)。もし一致しない場合には、自身がデータ受信端末でもデータ中継端末でもないことから、当該データパケットを破棄する(ステップS26)。
一方、ステップS25において一致する場合、無線通信端末は、自身がデータ中継端末であることから、当該データパケットを符号化処理した後、それを隣接する他の無線通信端末に転送(ブロードキャスト)する(ステップS27)。
図8は、図7に示されたデータ転送処理のより詳細の処理手順を示している。かかる処理手順は、無線通信端末のうちのデータ中継端末において実行される。
先ず、データ中継端末は、ある待機期間Tだけ待機して、転送する必要がある複数のデータパケットを待ち受けて保持する(ステップS31)。保持されるデータパケットはデータパケット保持部に格納される。前提として、図7に示された処理手順の結果、データパケットの単位経路情報片の何れかの次ホップ端末IDに自端末IDに一致するものが含まれている。
次に、データ中継端末は、データパケット保持部に保持された複数のデータパケットのうちから抽出条件を充足する符号化対象グループを抽出する(ステップS32)。符号化対象グループに属するものと設定されるデータパケットの抽出条件は、「データ中継端末の自端末IDと一致する次ホップ端末IDを含む単位経路情報片のデータ受信端末IDに一致する少なくとも1つのIDが、全てのデータパケットの何れかの単位経路情報片のデータ受信端末IDにあると共に、該データ受信端末IDに一致するID毎に、当該IDを含む単位経路情報の次ホップ端末IDと自端末IDとが一致するデータパケットが1つのみである」とする条件である。かかる抽出条件の充足が求められるのは、「一般にあるデータDi(1≦i≦N)のデータ受信端末において、データD1、D2・・DNの中でDi以外のすべてのN−1個のデータを受信している状態で、Diを線形結合に含む任意のデータを受信すれば、Diを復号することができる。」とする原理に依拠する。
次に、データ中継端末は、符号化対象グループに属する複数のデータパケットのデータに対してデータ符号化を行い結合された新たな1つの符号化データパケットを生成して転送する(ステップS33)。この際に、新たな符号化データパケットのヘッダ部には、符号化される前の元のデータパケットにおいて自端末IDと一致する次ホップ端末IDを含む単位経路情報片におけるデータ受信端末IDと、経路情報テーブルから参照された次ホップ端末IDとの組合せが新たな単位経路情報片として記述される。また、それぞれの元のデータパケットにおけるデータの排他的論理和の識別情報(Da_id、Db_id、Dc_id)もデータ識別部に記述される。新たな符号化データパケットはブロードキャストされることで他の無線通信端末に転送される。
次に、データ中継端末は、保持していたデータパケットについて全ての符号化対象グループが抽出されたか否か判定し(ステップS34)、もしあればステップS32〜S33を反復する。もしなければ、データ中継端末は、残った単独のデータパケットを、その単位経路情報片の内容を経路情報テーブルから参照される次ホップ端末IDに振り直した上でデータをそのままにして転送する(ステップS35)。
以上の処理手順における待機時間Tの選定は、条件を満たすデータパケットをなるべく多く取り出すことでデータパケットの送信数や送信量を削減できるようにすると共に、過度のデータ遅延が発生しないように適切に調整される必要がある。
図9は、図8に示された処理手順の実際の様子を説明している。データ中継端末T1がデータパケットa、データパケットb、データパケットcをある期間Tに受信したとする。 データ中継端末T1は、各データパケットについて、その中の次ホップ端末IDが自端末IDと一致する単位経路情報片、すなわち、単位経路情報片1、単位経路情報片2及び単位経路情報片3を見つける。データパケットaの中に存在する単位経路情報片1のデータ受信端末IDはR1であるが、R1はデータパケットb、データパケットcにも存在する。データパケットbの中に存在する単位経路情報片2のデータ受信端末IDはR3であるが、R3はデータパケットa、データパケットcにも存在する。データパケットcの中に存在する単位経路情報片3のデータ受信端末IDはR4であるが、R4はデータパケットa、データパケットbにも存在する。そこで、データパケットa、データパケットb及びデータパケットcの3つが符号化対象グループの候補となる。
次に、データ中継端末T1は、各単位経路情報片のデータ受信端末ID毎に、その次ホップ端末IDと自分端末IDと一致するデータパケットが1つのみであるか否かを判定する。単位経路情報片1のデータ受信端末ID=R1に着目とすると、データパケットaの1つだけが次ホップ端末IDが自端末IDであるT1と等しい。データパケットbでは、データ受信端末ID=R1の次ホップ端末IDはT3であり、データパケットcでは、データ受信端末ID=R1の次ホップ端末IDはT2であり、何れもT1以外になっている。
同様に、単位経路情報2のデータ受信端末ID=R3や単位経路情報3のデータ受信端末ID=R4についても上記の条件を満たしている。
以上の結果、データパケットa、データパケットb及びデータパケットcが1つの符号化対象グループに括られる。そこで、データ中継端末T1は、データDa、Db、Dcの排他論理和演算によるデータ符号化を施し、さらに、次ホップ端末IDが自端末IDと一致する単位経路情報片1〜3のデータ受信端末の端末R1、R3及びR4から自分の経路情報テーブルを参照して新たな単位経路情報片4〜6を作成し、さらに元のデータパケットのデータ識別部を付加して、新たなデータパケットを作成する。
以上の処理手順が複数のデータ中継端末によって実行される結果、データDaおよびデータDbおよびデータDcの排他的論理和を含むデータ符号化されたデータパケットがデータ受信端末R1、R3及びR4に届くことになる。
データ受信端末R1におけるデータDaの復号について説明する。データ受信端末R1には、データDaおよびデータDbおよびデータDcの排他的論理和を含むデータが符号化されたデータパケットをデータ中継端末T1を介して届けられる一方、データDbを含むデータパケットbやデータDcを含むデータパケットcがデータ中継端末T1以外の経路を経由して届けられる。そこで、データ受信端末R1は、Da=(Da XOR Db XOR Dc) XOR Db XOR Dcの演算をおこなうことでデータDaを復号することができる。同様に、データ受信端末R3ではデータ符号化されたデータパケットの他にデータパケットaやデータパケットcも届く。また、データ受信端末R4ではデータ符号化されたデータパケットの他にデータパケットaやデータパケットbも届く。そのため、同様にそれぞれのデータを得ることができる。
<変形例>
上記した実施例に対する1つの変形例について説明する。上記した実施例ではデータパケットのヘッダ部に宛先のデータ受信端末IDとデータの内容を記述している。かかる方法とは異なり、データ送信端末において、データパケットごとにかかる情報を記述することなく、最初だけそのヘッダ部の情報を記述した制御パケットをブロードキャストし、それ以降はデータ識別部とデータだけをデータパケットとして送信するようにしてもよい。
具体的には、予め、データ送信端末が、図6に示されるデータパケットのヘッダ部を含む制御パケットを送信する。この制御パケット受信した各データ中継端末は、図10に示されるように、データ識別部またはデータ送信端末IDと、宛先のデータ受信端末IDおよび次ホップ端末IDを記述したデータ情報テーブル206を作成し、その後はデータ情報テーブル206に基づいて、上記した実施例と同様のアルゴリズムでデータの符号化を行うこともできる。
また、あるデータ送信端末が同じデータ受信端末に対して複数の異なるデータを送信する場合は、データ識別部ごとではなく、データ送信端末ごとにヘッダやデータ情報テーブルを作成しても良い。かかる形態の利点としては、予めどのデータがどの端末に届くか中継端末で把握できるため、データ符号化行うことができるデータの到着待って符号化処理や転送を行うなど、より効率的にデータ符号化行うことができることである。また、データ送信端末ごとにヘッダやデータ情報テーブルが作成されることで、それらの情報が集約され、オーバヘッドが削減できるという効果がある。
以上の実施例から明らかなように、本発明によるデータ配送方法及び無線通信システムは幾つかの作用効果をもたらす。第1に、本発明では、隣接端末がデータを保持したり、その保持情報を管理したりする必要がない。各無線通信端末は、最終的なデータ受信端末のデータ受信情報からデータ符号化の可否を判定してデータ符号化を行い、隣接端末のデータ受信情報が不要となるため、データ符号化の適用範囲を広げることができる。第2に、本発明は消費電力を削減することができる。一般に無線センサネットワークでは計算を行うよりパケットを送信する際の消費電力が大きい。本発明ではデータの増加に伴う計算量は増加するものの、データの送信量を削減できる。第3に、本発明は、特定の端末で集中制御することなく、自律分散的にネットワークコーディングを行うことができる。第4に、本発明は、それぞれのデータの到達する端末で、データの復号が可能となるようにネットワークコーディングを行うことができる。
本発明の利用例として、センサネットワークに対して本発明を適用する利用形態が想定される。各センサ端末が自分のデータを複数のシンクノードに配送する。1つのシンクノードにデータを配送する場合と比較して、シンクノードに障害が起こったときに対する耐性が高くなる。
ネットワークコーディングを行わない状況を示すブロック図である。 ネットワークコーディングを行わない他の状況を示すブロック図である。 ネットワークコーディングを行った状況を示すブロック図である。 本発明による1つの実施例を示し、無線通信システムの全体構成を示すブロック図である。 図2に示された各無線通信端末の内部構成を示すブロック図である。 経路情報テーブルの設定方法の処理手順を示すシーケンス図である。 図4に示された処理手順の結果更新される経路情報テーブルの設定例を示す図である。 データ送信端末がデータ配送を行う際に生成するデータパケットのフォーマットを示す図である。 データパケットの受信時の処理手順を示すフローチャートである。 図7に示されたデータ転送処理のより詳細の処理手順を示すフローチャートである。 図8に示された処理手順の実際の様子を説明する説明図である。 変形例におけるデータ情報テーブルの設定例を示す図である。
符号の説明
201 経路制御部
202 データパケット保持部
203 データパケット処理部
204 無線通信部
205 経路情報テーブル
206 データ情報テーブル
R1、R2 データ受信端末
S1、S2 データ送信端末
T1〜T10 無線通信端末(データ中継端末)

Claims (6)

  1. データ送信ステップ、データ中継ステップ及びデータ受信ステップの何れか少なくとも1つのステップを各々で実行し得る複数の端末を含むことによってマルチホップ無線通信ネットワークを構成する無線通信システムにおけるデータ配送方法であって、
    前記データ中継ステップは、
    受信した複数のデータパケットから各データパケットに含まれる予定経路情報に基づいて少なくとも2つのデータパケットを抽出し、これらを1つの符号化対象グループに属するものと設定する符号化対象グループ設定ステップと、
    前記符号化対象グループ毎に、当該符号化対象グループに属するデータパケット内のデータに対してビット毎の排他論理和演算処理を施して1つの結合された符号化データパケットを生成する符号化データパケット生成ステップと、
    前記符号化データパケットを、当該符号化対象グループに属するデータパケットに代えて送信する符号化データパケット送信ステップと、
    を含むことを特徴とするデータ配送方法。
  2. 前記符号化対象グループ設定ステップは、前記符号化対象グループに属するデータパケットのうちで前記符号化データパケットを復号するのに必要なデータパケットが、単独で他の端末を介して、前記符号化データパケットの宛先であるデータ受信端末に到達するはずであることを前記予定経路情報に基づいて判定する到達判定ステップを含むことを特徴とする請求項1記載のデータ配送方法。
  3. 前記予定経路情報は、データ受信端末IDと次ホップ端末IDとの組合せから各々がなる複数の単位経路情報片を含み、
    前記到達判定ステップは、前記符号化対象グループに属するデータパケットについて、当該端末の自端末IDと一致する次ホップ端末IDを含む単位経路情報片のデータ受信端末IDに一致する少なくとも1つのIDが、全てのデータパケットの何れかの単位経路情報片のデータ受信端末IDにあると共に、前記データ受信端末IDに一致するID毎に、当該IDを含む単位経路情報の次ホップ端末IDと自端末IDとが一致するデータパケットが1つのみである、とする抽出条件を充足するか否かを判定することを特徴とする請求項2記載のデータ配送方法。
  4. 前記抽出条件は、複数のデータパケットの各データDi(1≦i≦N)の宛先であるデータ受信端末において、データD1、D2…DNの中でDi以外のすべてのN−1個のデータを受信するはずである場合に、データ中継端末においてデータD1、D2…DNの排他的論理和を取ったデータD1 XOR D2…XOR DNを含むデータパケットで以て、各データDiのデータパケットに代替し得るとする原理に依拠することを特徴とする請求項3記載のデータ配送方法。
  5. 前記データパケット内に付与される予定経路情報の代わりに、前記予定経路情報を予めをデータ中継端末にブロードキャストするステップを更に含み、前記符号化対象グループ設定ステップは、予めブロードキャストされた予定経路情報に基づいて前記符号対象グループのデータパケットを抽出することを特徴とする請求項1記載のデータ配送方法。
  6. データ送信端末、データ中継端末及びデータ受信端末の何れか少なくとも1つとして各々が機能し得る複数の端末を含むことによってマルチホップ無線通信ネットワークを構成する無線通信システムであって、
    前記データ中継端末は、
    受信した複数のデータパケットから各データパケットに含まれる予定経路情報に基づいて少なくとも2つのデータパケットを抽出し、これらを1つの符号化対象グループに属するものと設定する符号化対象グループ設定手段と、
    前記符号化対象グループ毎に、当該符号化対象グループに属するデータパケット内のデータに対してビット毎の排他論理和演算処理を施して1つの結合された符号化データパケットを生成する符号化データパケット生成手段と、
    前記符号化データパケットを、当該符号化対象グループに属するデータパケットに代えて送信する符号化データパケット送信手段と、
    を含むことを特徴とする無線通信システム。
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