JP2011236933A - 電気融着継手および電気融着継手の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】接続孔4が形成されたインナー部材3と、インナー部材3の外周面に螺旋状に形成され被接続管体の挿入方向に連続する第1螺旋溝8と、第1螺旋溝8の溝間に形成され当該第1螺旋溝8に沿って連続する第1螺旋溝8よりも浅い第2螺旋溝9と、インナー部材3の一端3a側から他端側に向かって第1螺旋溝8に巻き回されるとともに、インナー部材3の他端側から一端3a側に向かって第2螺旋溝9に巻き回される電熱線13と、インナー部材3の外周面を被覆して電熱線13を第1螺旋溝8および第2螺旋溝9に埋設するアウター部材を備える。
【選択図】図3
Description
また、特に、大口径の管体を接続する場合には、小口径の管体を接続する場合に比べて管外面と継手内面の半径差による間隔が大きくなり、融着面積も広くなるため、より広範囲にわたって継手本体を溶融させる必要がある。しかしながら、継手本体を溶融させる範囲が広範囲となると、電熱線から溶融対象までの距離が大きくなってしまい、その結果、溶融対象範囲が所定の融着温度に達したときには、電熱線近傍が過熱されて樹脂が劣化するおそれがある。
これらの電気融着継手は、いずれも接続孔に挿入された管体に近い位置と遠い位置とに電熱線を埋設させることにより、電熱線から溶融対象である継手本体と管体との接触面近傍までの効率的な熱伝達を実現するものである。
特許文献2に示される電気融着継手は、コアの外周に第1の電熱線を巻き回した後に、コアに筒状体を被せて、さらに、筒状体の外周に第2の電熱線を巻き回し、この状態で射出成形により筒状体の外周を樹脂で覆う。このように、多数の工程が要求されるため製造工程が煩雑化するとともに、部品点数が増加してコストが上昇するという問題がある。しかも、射出成形する過程等でコアと筒状体との間に生じる位置ズレや、両電熱線の巻き回し工程で生じるズレによって、第1電熱線と第2電熱線との相対位置関係にバラツキが生じるおそれがある。そのため、融着時の熱伝達が不均一となって、効率的な熱伝達が行えないばかりか、融着強度にもバラツキが生じるおそれがある。
請求項2に記載の発明によれば、インナー部材の外周面に巻き回される電熱線のうち、第1螺旋溝から第2螺旋溝に連続する部分がインナー部材に係止される。これにより、電熱線間の距離を一定に保つことが可能となり、製造工程や融着の際に短絡が生じないようにすることができる。
なお、電熱線のうち第1螺旋溝と第2螺旋溝との間に位置する部分を係止することができれば、係止部の形状は特に限定されない。例えば、電熱線を巻き回すようにして係止する係止片によって構成してもよいし、電熱線を埋設するような溝によって係止部を構成しても構わない。
ただし、インナー部材を射出成型によって形成する場合や、インナー部材への電熱線の巻き回し工程を考慮すると、インナー部材の径方向に突出する係止片を設けるのが望ましい。
しかも、インナー部材の外周に1本の電熱線を被接続管体の挿入方向に往復して巻き回した後に、インナー部材をアウター部材で被覆するだけで容易に電熱線を埋設することができるので、部品点数も少なく製造工程を簡素化することができる。
図1は、本実施形態の電気融着継手1の外観斜視図、図2は、電気融着継手1の使用例を示す概念図であり、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂からなる被接続管体20a,20bが、電気融着継手1によって接合された状態を示している。
電気融着継手1は、被接続管体20a,20bと同様に熱可塑性樹脂からなる円筒状の本体2を備えている。この本体2は、一端面3aから他端面3bまで軸心方向に接続孔4が貫通形成された円筒状のインナー部材3と、このインナー部材3の外周を被覆するアウター部材5とによって構成されている。
以下に、電気融着継手1の構造および製造方法について詳細に説明する。
また、インナー部材3の外周面には、第1螺旋溝8の溝間の略中央に形成され、この第1螺旋溝8に沿って螺旋状に連続形成された第2螺旋溝9が設けられている。この第2螺旋溝9も、両端9a,9bを除く全長にわたって一定の深さに保たれているが、その深さを第1螺旋溝8の約半分としている。
そして、インナー部材3の一端面3a近傍には、当該インナー部材3の径方向に突出する一対の台座10a,10bが、周方向に180度位相をずらして設けられている。これらの台座10a,10bの突出方向先端には、上記のコネクタピン7a,7bを保持、固定する保持穴11a,11bがそれぞれ形成されている。
なお、台座10aは、インナー部材3の一端面3a側に位置する第1螺旋溝8の端部8a先端の延長線上に位置し、台座10bは、インナー部材3の一端面3a側に位置する第2螺旋溝9の端部9a先端の延長線上に位置している。このことからも明らかなように、インナー部材3の一端面3a側においては、第1螺旋溝8の端部8aと第2螺旋溝9の端部9aとが、周方向に略180度位相をずらして位置することとなる。
具体的には、1本の電熱線13は、まず、インナー部材3の一端面3a側から被接続管体20aの挿入方向に向かって、第1螺旋溝8内に嵌め込むようにして巻き回される。そして、端部8bから一対の係止片12の周囲を巻き回した後に、端部9bから第2螺旋溝9内に嵌め込むようにして、インナー部材3の一端面3a側に向かって巻き回される。このようにしてインナー部材3の外周面に巻き回された電熱線13は、その一端が台座10aに固定されたコネクタピン7aに溶接等によって接合され、他端が台座10bに固定されたコネクタピン7bに溶接等によって接合される。
以上のように、本実施形態の電気融着継手1は、螺旋状の溝に電熱線13を巻き回すことにより所望の位置から電熱線13がズレることがなく、本体2に容易に埋設することができ、全体としても極めて容易に製造が可能である。
また、電熱線13は、本体2の周方向のいずれの断面においても、被接続管体20a,20bからの距離が均一となっており、しかも、電熱線13間の距離も一定となっているため、電熱線13から被接続管体20a,20bへの熱伝達が均一になされる。このように、熱伝達を速やかに、かつ、効率的に行うことにより、電熱線13周りが過熱されることなく、電気融着継手1の本体2と被接続管体20a,20bとの接触面近傍を溶融温度に到達させることができる。これにより、大口径の被接続管体20a,20bを接合する場合にも、本体2が過熱によって劣化することがなく、また、接合箇所の強度にムラが生じにくくなる。
また、インナー部材3は、電熱線13の発熱により溶融する熱可塑性の高分子物質によって構成されていれば、その材質は特に限定されない。
3 インナー部材
4 接続孔
5 アウター部材
8 第1螺旋溝
9 第2螺旋溝
20a,20b 被接続管体
Claims (3)
- 被接続管体を挿入保持する接続孔の周囲に電熱線が埋設された電気融着継手において、
前記接続孔が形成されたインナー部材と、
前記インナー部材の外周面に螺旋状に形成され、前記被接続管体の挿入方向に連続する第1螺旋溝と、
前記第1螺旋溝の溝間に形成され、当該第1螺旋溝と異なる深さで第1螺旋溝に沿って連続する第2螺旋溝と、
前記インナー部材の一端側から他端側に向かって前記第1螺旋溝に巻き回されるとともに、前記インナー部材の他端側から一端側に向かって前記第2螺旋溝に巻き回される電熱線と、
前記インナー部材の外周面を被覆して前記電熱線を前記第1螺旋溝および第2螺旋溝に埋設するアウター部材と、を備えたことを特徴とする電気融着継手。 - 前記インナー部材には、前記第1螺旋溝から第2螺旋溝に連続する電熱線の一部を係止する係止部が設けられたことを特徴とする請求項1記載の電気融着継手。
- 被接続管体を挿入保持する接続孔の周囲に電熱線が埋設された電気融着継手の製造方法において、
前記被接続管体の挿入方向に螺旋状に連続する第1螺旋溝、および前記第1螺旋溝の溝間に、当該第1螺旋溝と異なる深さで第1螺旋溝に沿って連続する第2螺旋溝が外周面に形成されたインナー部材を得る工程と、
前記インナー部材の一端側から他端側に向かって前記第1螺旋溝に電熱線を巻き回した後に、当該電熱線を前記インナー部材の他端側から一端側に向かって前記第2螺旋溝に巻き回す工程と、
前記電熱線が巻き回されたインナー部材の外周面にアウター部材を被覆成形する工程と、を有することを特徴とする電気融着継手の製造方法。
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JP2010106783A JP2011236933A (ja) | 2010-05-06 | 2010-05-06 | 電気融着継手および電気融着継手の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2010
- 2010-05-06 JP JP2010106783A patent/JP2011236933A/ja active Pending
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