JP2011236373A - ポリプロピレン系樹脂組成物を発泡して得られる発泡成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記の成分(a):プロピレン・エチレン−ブロック共重合体100重量部に対して、成分(b):プロピレン・エチレン−ブロック共重合体1〜80重量部、及び成分(c):発泡剤0.1〜10重量部を含有したポリプロピレン系樹脂組成物を発泡して得られる発泡成形体によって提供。
成分(a):結晶性ポリプロピレン単独重合部分(A単位部)70〜80重量%、及びエチレン・プロピレン−ランダム共重合部分(B単位部)20〜30重量%であるプロピレン・エチレン−ブロック共重合体であって、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が10〜130g/10分である
成分(b):結晶性ポリプロピレン単独重合部分(A単位部)15〜55重量%、及びエチレン・プロピレン−ランダム共重合部分(B単位部)45〜85重量%であるプロピレン・エチレン−ブロック共重合体であって、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が0.1〜40g/10分である
成分(c):発泡剤
【選択図】なし
Description
すなわち、特許文献1には、(A)プロピレン単独重合体部分と極限粘度数が3〜8dl/gであるプロピレン−エチレン共重合体部分とを含有するプロピレン−エチレンブロック共重合体、(B)エチレン−α−オレフィン共重合体、および、(C)シンジオタクティックプロピレン重合体を含有し、(A)40〜95質量%と(B)5〜60質量%とを含むプロピレン重合体組成物100質量部に対して、(C)1〜11質量部を含むポリプロピレン系樹脂組成物が記載され、また、特許文献2には、プロピレン重合体(A) 40〜99質量%とエチレン−α−オレフィン共重合体(B) 60〜1質量%との合計100質量部に対して、トコフェロール類(C) 0.001〜1質量部と、有機過酸化物(D) 0.0001〜0.5質量部と、を含む樹脂組成物を熱処理して得られ、メルトフローレート(MFR)が40〜200g/10分であるポリプロピレン系樹脂組成物が記載されている。
しかし、これらエチレン−α−オレフィン共重合体(ゴム)成分は、衝撃強度向上には有効であるものの、その反面、剛性が低下するため、剛性が要求される部品に用いる際には問題となることがあった。
成分(a):結晶性ポリプロピレン単独重合部分(A単位部)70〜80重量%、及びエチレン含量が30重量%以上、かつ重量平均分子量(Mw)が200,000〜1,000,000のエチレン・プロピレン−ランダム共重合部分(B単位部)20〜30重量%であるプロピレン・エチレン−ブロック共重合体であって、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が10〜130g/10分である
成分(b):結晶性ポリプロピレン単独重合部分(A単位部)15〜55重量%、及びエチレン含量が30重量%以上、かつ重量平均分子量(Mw)が140,000〜900,000のエチレン・プロピレン−ランダム共重合部分(B単位部)45〜85重量%であるプロピレン・エチレン−ブロック共重合体であって、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が0.1〜40g/10分である
成分(c):発泡剤
また、本発明の第3の発明によれば、第2の発明において、前記成分(d)が、平均粒径1.5〜15μmのタルクである発泡成形体が提供される。
さらに、本発明の第4の発明によれば、第1〜3の何れかの発明において、発泡成形体からなる自動車内装部品が提供される。
1.構成成分
本発明の発泡成形体を構成するポリプロピレン系樹脂組成物は、下記の成分(a)、成分(b)、及び成分(c)を含有し、必要により、さらに成分(d)を含有する。それぞれの成分について以下に説明する。
本発明において用いられる成分(a):プロピレン・エチレン−ブロック共重合体は、結晶性ポリプロピレン単独重合部分(A単位部)70〜80重量%、及びエチレン含量が30重量%以上、かつ重量平均分子量(Mw)が200,000〜1,000,000のエチレン・プロピレン−ランダム共重合部分(B単位部)20〜30重量%であるプロピレン・エチレン−ブロック共重合体であって、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が10〜130g/10分である。この結晶性プロピレン単独重合部分(A単位部)の密度は、剛性を考慮すれば0.9071g/cm3以上、特に0.9081g/cm3以上であることが好ましい。
装置:Waters社製GPC(ALC/GPC、150C)
検出器:FOXBORO社製MIRAN、1A、IR検出器(測定波長:3.42μm)
カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本)
移動相溶媒:o−ジクロロベンゼン(ODCB)
測定温度:140℃
流速:1.0ml/分
注入量:0.2ml
GPC測定で得られた保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行う。
MFRは、JIS−K7210(230℃、2.16kg)に準拠して測定したものである。
一方、エチレン・プロピレン−ランダム共重合部分(B単位部)の含有割合は、成分(a)の20〜30重量%、好ましくは21〜28重量%、より好ましくは22〜27重量%である。B単位部の含有割合が上記範囲未満であると、衝撃吸収エネルギーが不足し、上記範囲を超えると、剛性、成形体表面硬度が不足する。
また、B単位部の重量平均分子量(Mw)は200,000〜1,000,000であり、好ましくは250,000〜900,000、より好ましくは320,000〜700,000である。該B単位部のMwが上記範囲を超えると、外観を著しく損ねるか、衝撃吸収エネルギーが低下し、また上記範囲未満であると、成形体の表面硬度が低下する。
これら成分(a)のプロピレン・エチレン−ブロック共重合体は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
該プロピレン・エチレン−ブロック共重合体は、最初にプロピレンの単独重合によって結晶性ポリプロピレン部分(A単位部)を形成し、次にプロピレンとエチレンとのランダム共重合によってエチレン・プロピレン−ランダム共重合部分(B単位部)を形成すると、好ましい品質のものが得られ易く、好ましい。具体的には、塩化マグネシウムに四塩化チタン及び有機酸ハライドを接触させて形成した固体成分に、有機アルミニウム化合物や有機珪素化合物を組合せた触媒やメタロセン触媒を用いてプロピレンの単独重合を行い、次いでエチレンとプロピレンとのランダム共重合を行うことによって製造する方法を挙げることができる。
本発明において用いる成分(b):プロピレン・エチレン−ブロック共重合体は、結晶性ポリプロピレン単独重合部分(A単位部)15〜55重量%、及びエチレン含量が30重量%以上、かつ重量平均分子量(Mw)が140,000〜900,000のエチレン・プロピレン−ランダム共重合部分(B単位部)45〜85重量%であるプロピレン・エチレン−ブロック共重合体であって、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が0.1〜40g/10分である。
ここで、結晶性プロピレン単独重合部分(A単位部)の密度は、0.9071g/cm3以上であり、特に剛性を考慮すれば0.9081g/cm3以上であることが好ましい。
さらに、エチレン・プロピレン−ランダム共重合部分(B単位部)の含有割合は、45〜85重量%であり、好ましくは48〜82重量%、より好ましくは50〜80重量%である。エチレン・プロピレン−ランダム共重合部分(B単位部)の含有量が上記範囲未満であると、衝撃吸収エネルギーが不足し、上記範囲を超えると、剛性、成形体表面硬度が不足する。
また、該B単位部のMwは、重量平均分子量(Mw)が140,000〜900,000であり、好ましくは150,000〜800,000、より好ましくは160,000〜700,000である。Mwが上記範囲を超えると、外観を著しく損ねるか、衝撃吸収エネルギーが低下し、また、上記範囲未満であると、成形体の表面硬度が低下する。
成分(b)のプロピレン・エチレン−ブロック共重合体は、1種単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
具体的には、塩化マグネシウムに四塩化チタン及び有機酸ハライドを接触させて形成した固体成分に、有機アルミニウム化合物や有機珪素化合物を組合せた触媒やメタロセン触媒を用いてプロピレンの単独重合を行い、次いでエチレンとプロピレンとのランダム共重合を行うことによって製造する方法を挙げることができる。
本発明におけるポリプロピレン系樹脂組成物は、成分(c):発泡剤を含有する。
発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、アゾビスイソブチロニトリル、P,P′−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、クエン酸、炭酸水素ナトリウム等の化学発泡剤が挙げられる。
このうち好ましい発泡剤は、取扱いや入手の容易さの点から、炭酸水素ナトリウム、アゾジカルボンアミドである。
本発明におけるプロピレン系樹脂組成物は、成分(d):無機充填材を含有することができる。
無機充填材としては、例えば、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、ガラスビーズ、ベントナイト、ガラスフレーク、ガラス繊維、カーボンファイバー、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロン繊維、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウム、ハイドロタルサイト、軽石粉、雲母、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウムなどが挙げられる。
これらのうち、曲げ強度などの物性向上、ハンドリング、臭気、価格の面からタルク、ワラストナイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、マイカ、ガラス繊維などが好ましく、中でもタルク、ワラストナイトがより好ましく、特にタルクが好ましい。タルクは、剛性の向上、成形体の寸法安定性及びその調整等に極めて有効である。また、無機充填材の表面改質などは任意に行うことが出来る。
本発明においてポリプロピレン系樹脂組成物は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、更に性能の向上を図るために、上記成分(a)、(b)、(c)および(d)以外に、任意の添加剤や配合材成分を配合することができる。
配合方法は、特に制限されず、例えば、成分(a)や成分(b)に予め配合した後にポリプロピレン系樹脂組成物とする方法や、先ずポリプロピレン系樹脂組成物を得た後に配合する方法等を挙げることができる。
また、帯電防止剤としては、例えば非イオン系、カチオン系などの帯電防止剤が使用でき、本発明における樹脂組成物や成形体に帯電防止性を付与し向上するのに有効である。具体例としては、グリセリン脂肪酸エステル、アルキルジエタノールアミン、アルキルジエタノールアミド、アルキルジエタノールアミンエステル等が挙げられる。
また、核剤としては、例えばタルクなどの無機系物質、または芳香族カルボン酸の金属塩、ソルビトール系または芳香族リン酸金属塩などの有機系物質が使用でき、本発明における樹脂組成物の成形体に剛性、硬度や耐傷付性を付与し向上するのに核剤の使用が有効である。また、成分(d)で用いた無機充填材が核剤としての効果を奏する場合もある。
さらに、分散剤として各種金属塩を使用することで、無機充填材や着色用顔料の分散性を高めることができ、本発明における組成物や成形体の剛性、耐熱性、硬度、外観や耐傷付性を向上するのに有効である。
本発明におけるプロピレン系樹脂組成物中の成分(b)、成分(c)、および成分(d)の各成分は、成分(a)100重量部を基準として、下記の割合で配合される。
本発明において、成分(b)の配合割合は、成分(a)100重量部に対して、1〜80重量部であり、好ましくは5〜60重量部、より好ましくは10〜50重量部である。成分(b)の配合割合が上記範囲内であれば、成形性に優れ、十分な衝撃強度、硬度、剛性を有する成形体が製造できる。
本発明において、成分(c)の配合割合は、成分(a)100重量部に対して、0.1〜10重量部であり、好ましくは0.5〜8重量部、より好ましくは1〜7重量部である。発泡剤の種類や設備、運転条件、製品の発泡倍率等にもよるが、配合割合が上記範囲内であれば、十分に発泡し、しかも発泡体の外観を悪化させることもない。
本発明において、成分(d)の配合割合は、成分(a)100重量部に対して、通常、0.3〜50重量部であり、好ましくは5〜40重量部、より好ましくは10〜35重量部である。配合割合が上記範囲内であれば、外観、衝撃強度、成形性を悪化させることがない。
本発明においてポリプロピレン系樹脂組成物は、例えば上記成分(a)、成分(b)、及び必要により成分(d)を所定の配合割合で配合して、一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサー、ブラベンダープラストグラフ、ニーダー等の混練機を用いて混練・造粒することによって得ることができる。この場合、各成分の分散が良好になる混練・造粒方法を選択することが好ましく、二軸押出機を用いて混練・造粒が行われるのが好ましい。
次に、上記樹脂組成物に、さらに成分(c)発泡剤をブレンドして、発泡成形体の原料となるポリプロピレン系樹脂組成物とする。発泡剤は、押出機内で該ポリプロピレン系樹脂組成物に添加して溶融混練することが好ましい。
上記の様にして得られた原料のポリプロピレン系樹脂組成物は、射出成形(ガス射出成形も含む)または射出圧縮成形(プレスインジェクション)して、発泡成形体とすることができる。代表的な方法としては、まず成形装置を型締め後、射出を開始し、ガスを含む樹脂組成物を、金型キャビティ内に完全に射出充填した後、金型のキャビティ壁面を成形体厚みとなるよう後退させて該キャビティを増加させて前記樹脂組成物を発泡させる方法を挙げることができる。
その後、発泡した樹脂組成物を、さらに冷却することで、良好な発泡成形体が得られる。本発明においては、ポリプロピレン系樹脂組成物の射出成形性、射出圧縮成形性が良好であるほか、軽量かつ剛性と衝撃吸収エネルギーのバランスが優れているため、衝撃強度を向上できるだけでなく剛性を付与することもできる。
得られた発泡成形体は、抜き刃などで所望の形に抜かれ、そのまま発泡成形体として用いられ、必要に応じて、穴あけ加工、溶着加工、更には塗装やコーティングなどの表面処理加工を施すことで、目的の発泡成形体に仕上げることができる。
(1)成分(a):プロピレン・エチレン−ブロック共重合体
a−1: 気相重合で、密度が0.9092g/cm3のA単位部76重量%、及びエチレン含量が41重量%、重量平均分子量(Mw)が370,000のB単位部24重量%からなるプロピレン・エチレン−ブロック共重合体を製造し、重合後に、酸化防止剤(チバスペシャリティケミカルズ社製 イルガホス168)をプロピレン・エチレン−ブロック共重合体100重量部に対して0.05重量部添加し、ペレット化した。得られた成分(a−1)全体のMFRは32g/10分であった。
b−1: 気相重合で、密度が0.9092g/cm3のA単位部47重量%、及びエチレン含量が42重量%、Mwが570,000のB単位部53重量%からなるプロピレン・エチレン−ブロック共重合体を製造し、重合後に、酸化防止剤(チバスペシャリティケミカルズ社製 イルガホス168)をプロピレン・エチレン−ブロック共重合体100重量部に対して0.05重量部添加し、ペレット化した。得られた成分(b−1)全体のMFRは1g/10分であった。
b−2: 気相重合で製造したプロピレン・エチレン−ブロック共重合体に、有機過酸化物を配合し溶融混錬して分解処理を施し得られた密度が0.9092g/cm3のA単位部47重量%、及びエチレン含量が42重量%、Mwが185,000のB単位部53重量%からなり、且つ成分(b−2)全体のMFRが33g/10分であるプロピレン・エチレン−ブロック共重合体を製造し、重合後に、酸化防止剤(チバスペシャリティケミカルズ社製 イルガホス168)をプロピレン・エチレン−ブロック共重合体100重量部に対して0.05重量部添加し、ペレット化した。得られた成分(b−2)全体のMFRは33g/10分であった。
炭酸水素ナトリウム含有発泡剤(永和化成工業株式会社製 「製品名EE25C」)
タルク (平均粒径5.4μm、平均アスペクト比が6)
エチレン−ブテン共重合ゴム (三井化学株式会社製「製品名A1050S」、密度:0.862g/cm3、MFR(190℃/2.16kg荷重):1.2g/10分)
(1)MFR:JIS−K7210に準拠して、プロピレン・エチレン−ブロック共重合体およびポリプロピレン系樹脂組成物については、230℃・2.16kg荷重にて測定した。エチレン・ブテン共重合ゴムについては、190℃・2.16kg荷重にて測定した。
(2)重量平均分子量(Mw):測定試料をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に供して、下記の測定機器、条件で測定した。
装置:Waters社製GPC(ALC/GPC、150C)
検出器:FOXBORO社製MIRAN、1A、IR検出器(測定波長:3.42μm)
カラム:昭和電工社製AD806M/S(3本)
移動相溶媒:o−ジクロロベンゼン(ODCB)
測定温度:140℃
流速:1.0ml/分
注入量:0.2ml
GPC測定で得られた保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行った。
良:充填性、外観ともに問題ないもの。不良:充填が不可能であるか、フローマークが目立つもの。
上記の成分(a)に成分(b)を表1に示す割合で配合し、実施例2では成分(d)も配合して、これにベヘン酸カルシウム含有黒灰ドライ顔料(成分(a)、(b)及び(d)の合計100重量部当たり2重量部)を配合し、タンブラーミキサーにて充分混合し、高速二軸押出機((株)神戸製鋼所製 KCM50)を用い混練造粒した。その後、得られたペレットに成分(c)発泡剤を成分(a)100重量部に対して4重量部添加し、本発明に係るポリプロピレン系樹脂組成物を調製した。
次に、このポリプロピレン系樹脂組成物を射出成形機へ供給し、金型キャビティを賦形厚みとし、射出を開始し、樹脂組成物を金型キャビティ内に完全に射出充填した後、金型のキャビティ壁面を成形体厚みとなるよう後退させ該キャビティを増加させて、発泡成形体(縦×横=390×200mm)を製造した。この成形体を試験片に加工し、物性評価を行った。その評価結果を表2に示す。
上記の成分(a)に成分(b)を配合せず、比較例3では成分(d)を表1に示す割合で配合して、これにベヘン酸カルシウム含有黒灰ドライ顔料(成分(a)及び(d)の合計100重量部当たり2重量部)を配合した以外は、上記実施例と同様にしてタンブラーミキサーにて充分混合し、高速二軸押出機((株)神戸製鋼所製 KCM50)を用い混練造粒した。その後、得られたペレットに成分(c)発泡剤を成分(a)100重量部に対して4重量部添加し、比較用のポリプロピレン系樹脂組成物を調製した。
次に、このポリプロピレン系樹脂組成物を射出成形機へ供給し、上記実施例と同様にして発泡成形体(縦×横=390×200mm)を製造した。この成形体を試験片に加工し、物性評価を行った。その評価結果を表2に示す。
表1に示すように、上記の成分(a)を用いず、成分(b)を用いた以外は、上記比較例1と同様にして比較用のポリプロピレン系樹脂組成物を調製し、上記実施例と同様にして発泡成形体(縦×横=390×200mm)を製造した。この成形体を試験片に加工し、物性評価を行った。その評価結果を表2に示す。
表1に示すように、成分(e)としてエチレン−ブテン共重合ゴムを、成分(a)100重量部当たり7重量部配合した以外は、上記比較例1と同様にして比較用のポリプロピレン系樹脂組成物を調製し、上記実施例と同様にして発泡成形体(縦×横=390×200mm)を製造した。この成形体を試験片に加工し、物性評価を行った。その評価結果を表2に示す。
Claims (4)
- 下記の成分(a):プロピレン・エチレン−ブロック共重合体100重量部に対して、成分(b):プロピレン・エチレン−ブロック共重合体1〜80重量部、及び成分(c):発泡剤0.1〜10重量部を含有したポリプロピレン系樹脂組成物を発泡して得られる発泡成形体。
成分(a):結晶性ポリプロピレン単独重合部分(A単位部)70〜80重量%、
及びエチレン含量が30重量%以上、かつ重量平均分子量(Mw)が200,000〜1,000,000のエチレン・プロピレン−ランダム共重合部分(B単位部)20〜30重量%であるプロピレン・エチレン−ブロック共重合体であって、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が10〜130g/10分である
成分(b):結晶性ポリプロピレン単独重合部分(A単位部)15〜55重量%、
及びエチレン含量が30重量%以上、かつ重量平均分子量(Mw)が140,000〜900,000のエチレン・プロピレン−ランダム共重合部分(B単位部)45〜85重量%であるプロピレン・エチレン−ブロック共重合体であって、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が0.1〜40g/10分である
成分(c):発泡剤 - 更に、成分(d):無機充填材を含み、その含有量が、成分(a):プロピレン・エチレン−ブロック共重合体100重量部に対して、0.3〜50重量部である請求項1に記載の発泡成形体。
- 前記成分(d)が、平均粒径1.5〜15μmのタルクである請求項2に記載の発泡成形体。
- 請求項1〜3の何れかに記載の発泡成形体からなる自動車内装部品。
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