JP2011236281A - 水性インクジェット記録インク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一般式(1)で表される部分構造を有するカチオン化合物、顔料及び定着樹脂を含有することを特徴とする水性インクジェット記録インク。
一般式(1) R−(J)m−(L)n−
〔式中、Rは炭素原子数が8以上、30以下のアルキル基または炭素原子数が8以上、30以下のアリール基を表し、Lはオキシアレキレン基を表し、Jは結合可能な連結基を表し、nは2以上、150未満の整数、mは0または1を表す。〕
【選択図】なし
Description
R−(J)m−(L)n−
〔式中、Rは炭素原子数が8以上、30以下のアルキル基または炭素原子数が8以上、30以下のアリール基を表し、Lはオキシアレキレン基を表し、Jは結合可能な連結基を表し、nは2以上、150未満の整数、mは0または1を表す。〕
2.前記一般式(1)で表される部分構造を有するカチオン化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする前記1に記載の水性インクジェット記録インク。
(R1−(J)m−(L)n−)p(R2)qN+X−
〔式中、R1は炭素原子数が8以上、30以下のアルキル基または炭素原子数が8以上、30以下のアリール基を表し、Lはオキシアレキレン基を表し、Jは結合可能な連結基を表し、R2は水素原子またはアルキル基を表し、Xは対イオンを表す。nは2以上150未満の整数を表し、mは0または1を表し、pは1または2を表し、qは2または3を表し、p+qは4である。〕
3.前記定着樹脂の含有量が、前記顔料の1.0倍以上、10倍未満であることを特徴とする前記1または2に記載の水性インクジェット記録インク。
本発明の水性インクジェット記録インク(以下、単にインクともいう)においては、下記一般式(1)で表される部分構造を有するカチオン化合物を用いることを特徴とする。
R−(J)m−(L)n−
上記一般式(1)において、Rは炭素原子数が8以上、30以下のアルキル基または炭素原子数が8以上、30以下のアリール基を表し、Lはオキシアレキレン基を表し、Jは結合可能な連結基を表し、nは2以上、150未満の整数、mは0または1を表す。
(R1−(J)m−(L)n−)p(R2)qN+X−
上記一般式(2)において、R1は炭素原子数が8以上、30以下のアルキル基または炭素原子数が8以上、30以下のアリール基を表し、Lはオキシアレキレン基を表し、Jは結合可能な連結基を表し、R2は水素原子またはアルキル基を表し、Xは対イオンを表す。nは2以上150未満の整数を表し、mは0または1を表し、pは1または2を表し、qは2または3を表し、p+qは4である。
Ca−2:(n−C18H37−(OC2H4)40)2(CH3)2N+Cl−
Ca−3:(n−C18H37−(OC2H4)60)2(CH3)2N+Cl−
Ca−4:(n−C18H37−(OC2H4)80)2(CH3)2N+Cl−
Ca−5:(n−C8H17−(OC2H4)40)2(CH3)2N+Cl−
Ca−6:(n−C8H17−(OC2H4)80)2(CH3)2N+Cl−
Ca−7:(n−C18H37−(OC2H4)80)(CH3)3N+Cl−
Ca−8:(n−C8H17−(OC2H4)80)2(C8H17)2N+Cl−
Ca−9:(n−C18H37−CO−(OC2H4)40)2(CH3)2N+Cl−
Ca−10:(n−C18H37−CO−(OC2H4)80)2(CH3)2N+Cl−
Ca−11:(n−C30H61−(OC2H4)20)(CH3)3N+Cl−
本発明に係る一般式(1)で表される部分構造を有するカチオン化合物を顔料分散剤として使用する場合、他の顔料分散剤を併用することができる。
本発明のインクにおいては、色材として顔料を用いる。
本発明に用いることができる定着樹脂は、インクに溶解しているもの、インク中に分散しているものの双方を用いることができる。
次に、本発明のインクに用いる有機溶剤について説明する。
本発明のインクにおい、特に制限はなく従来公知の界面活性剤を適用することができるが、その中でも、シリコーン系もしくはフッ素系の界面活性剤を添加することが好ましい。
次に、本発明のインクを用いた画像形成方法について説明する。
〔顔料分散体Bk1の調製〕
カーボンブラックCB1 10.0部
顔料分散剤(1):例示化合物Ca−1 2.0部
顔料分散剤(2):BYK190(シリコーン系分散剤、ビックケミージャパン社製)
3.0部
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(表1には、DEGBEと略記) 5.0部
イオン交換水 80.0部
上記各添加剤を混合、撹拌した後、平均粒径が1.5mmのジルコニアビーズをペイント缶の50体積%となるように添加し、ペイントコンディショナーで6時間振蓋した後、ビーズを除き、ブラック顔料分散体Bk1を調製した。
上記顔料分散体Bk1の調製において、顔料の種類、顔料分散剤(1)、(2)の種類及び添加量を、表1に記載の組み合わせに変更した以外は同様にして、顔料分散体Bk2〜Bk13、Y1、Y2、M1、M2、C1、C2を調製した。
CB1:カーボンブラック、MitsubishiCB#950(三菱化学社製)
PY1:C.I.Pigment Yellow 155(Novoperm Yellow 4G01 クラリアント社製)
PM1:C.I.Pigment Red 122(Hostaperm Pink E Transp.01 クラリアント社製)
PC1:C.I.Pigment Blue 15:3(FASTOGEN Blue GNKA−SD DIC社製)
(顔料分散剤(2))
BYK190:DISPERBYK−190、シリコーン系分散剤、ビックケミージャパン社製
BYK2015:DISPERBYK−2015、シリコーン系分散剤、ビックケミージャパン社製
BYK2010:DISPERBYK−2010、シリコーン系分散剤、ビックケミージャパン社製
《定着樹脂の調製》
〔溶解樹脂の調製〕
(溶解樹脂R1の調製)
500ml四つ口フラスコに、メカニカルスターラー、窒素導入管、コンデンサー、滴下ロートをセットし、イソプロピルアルコール185gをフラスコに加え、窒素ガスをバブリングしながら加熱還流した。滴下ロートに、メタクリル酸メチル78g、アクリル酸n−ブチル8g、アクリル酸2−エチルヘキシル5g、メタクリル酸9g及び開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.5gを混合溶解したものを入れ、約2時間かけ加熱還流させた状態で、滴下した。滴下後、さらに6時間加熱還流し、更に、AIBN0.05gのイソプロピルアルコール溶液を、15分かけ滴下した。この後さらに5時間加熱還流した。
酸価の測定はJISのK0070に規定された方法で測定した。本発明では、測定用溶剤として以下に示す溶剤を用いた。
A=(B×f×5.611)/S
式中、Aは樹脂の酸価(mgKOH/g)、Bは滴定に用いた0.1mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の量(ml)、fは0.1mol/リットル水酸化カリウムエタノール溶液のファクター、Sは、樹脂の質量(g)、5.611は、水酸化カリウムの式量の1/10の値(56.11/10)である。
DSC−7示差走査カロリメータ(パーキンエルマー社製)、TAC7/DX熱分析装置コントローラ(パーキンエルマー社製)を用いてTgを測定した。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した。
カラム :東ソー製TSKgel G4000+2500+2000HXL
カラム温度:40℃
注入量 :100μl
検出器 :RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ :L6000(日立製作所(株)製)
流量 :1.0ml/min
校正曲線 :標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13のサンプルによる校正曲線を使用した。13のサンプルは、ほぼ等間隔に用いる。
上記溶解樹脂R1の調製において、モノマー組成を表2に記載のように変更した以外は同様にして溶解樹脂R2〜R4を調製した。なお、表2に記載の重量平均分子量となるように、開始剤量、重合条件を適宜調整した。
MAA:メタクリル酸
MMA:メタクリル酸メチル
BA:アクリル酸n−ブチル
EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル
BMA:メタクリル酸n−ブチル
EMA:メタクリル酸エチル
溶解樹脂組成比1:溶解樹脂において、酸価が50mgKOH/g以上120mgKOH/g未満で重量平均分子量が2.0万以上10.0万以下の成分の組成中に含まれる、アルキル基の炭素数が2以上8以内のアクリル酸アルキルエステルとアルキル基の炭素数が2以上8以内のメタクリル酸アルキルエステルとの総量が、全溶解樹脂中に占める質量比率(%)
(分散樹脂R5の調製)
500ml四つ口フラスコに、メカニカルスターラー、窒素導入管、コンデンサー、滴下ロートをセットし、イオン交換水250g、メタクリル酸メチル29g、メタクリル酸n−ブチル65g、メタクリル酸6g、30%Rodafac RS710 3.0gを添加し、メカニカルスターラーで撹拌しながら90℃に加熱した。ここへ、過硫酸カリウム0.4gを40gのイオン交換水に溶解した水溶液を滴下ロートより滴下した。滴下後、90℃にて4時間加熱撹拌をした。反応液を冷却後、アンモニア水を加えpH8.5に調整して、分散樹脂R5を得た。
上記分散樹脂R5の調製において、モノマー組成を表3に記載のように変更した以外は分散樹脂R5と同様にして分散樹脂R6を調製した。なお、表3に記載の重量平均分子量となるように、開始剤量、重合条件を適宜調整した。
《インクの調製》
次いで、上記調製した各顔料分散剤を用いて、下記の方法に従って各色インクを調製した。
顔料分散体Bk1 顔料固形分として2.5質量%
定着樹脂R1 固形分換算6.0質量%
有機溶剤1:1,2−ヘキサンジオール(表4には、1,2−HDと略記)
5.0質量%
有機溶剤2:2−メチル−1,3−プロパンジオール (表4には、MPDと略記)
6.0質量%
有機溶剤3:2−ピロリドン(表4には、2−PDNと略記) 10.0質量%
界面活性剤F1:フッ素系界面活性剤、メガファックス F−410(DIC社製)
0.5質量%
イオン交換水で、100質量%となる様に仕上げた。
上記インクBk1の調製において、顔料分散体の種類及び添加量、定着樹脂の種類及び添加量、有機溶剤1、2、3の種類及び添加量、界面活性剤の種類を、表4に記載の組み合わせに変更した以外は同様にして、インクBk2〜Bk22、Y1、Y2、M1、M2、C1、C2、Lm1、Lm2、Lc1、Lc2を調製した。
1,2−HD:1,2−ヘキサンジオール
DPGPE:ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル
MPD:2−メチル−1,3−プロパンジオール
2−PDN:2−ピロリドン
DMI:1,3−ジメチル−2−イミドゾリジノン
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
DPGME:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
(界面活性剤)
F1:フッ素系界面活性剤、メガファックス F−410、DIC社製
F2:フッ素系界面活性剤、サーフロン S−241、AGCセイミケミカル社製
Si1:シリコーン系界面活性剤、BYK348、ビックケミージャパン社製
《インクの評価》
上記調製した各インクを用いて、下記の方法に従って画像形成し、各評価を行った。
ピエゾ型のインクジェットヘッド(インク液滴量20pl)4基を並列に配置した4色のプリントが可能なインクジェットプリント装置を用いて、画像形成を行った。解像度は720dpi×720dpi(本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す)に設定した。インクジェットプリント装置には、記録媒体を下方より接触式ヒーターにて任意に加温できる加熱機能を備え、インクジェットヘッドの格納ポジションには、インクの空打ちポジションとブレードワイプ式のメンテナンスユニットを備え、任意の頻度でヘッドクリーニングができる機構を備えている。
次いで、下記に示す各評価を行った。
上記プリント条件により、20℃、相対湿度40%の環境下で連続10回プリントした。その後、10回目の100%Duty画像について目視観察し、下記の基準に従って射出安定性を評価した。
4:作成画像において、斜め出射あるいはノズル欠に起因する画像欠陥はほぼ認められない
3:作成画像の書き出し部(数mm)において、極僅かなかすれの発生が認められるが、実用上は許容される品質である
2:作成画像の書き出し部(数mm)において、明らかなかすれの発生が認められ、実用上問題となる品質である
1:作成画像において、斜め出射あるいはノズル欠に起因する明らかな画像欠陥が多数発生している
(インク保存性の評価)
上記調製した各インクをガラス製の保存瓶に充填、密栓し、60℃の環境下で3週間保存した後、常温に戻した。保存前後のインク中に顔料粒子の平均粒子径を、マルバーン社製ゼータサイザ1000HSを用いて測定し、下式に従って顔料粒子の粒径変動率を求め、下記の基準に従って、インク保存性の評価を行った。
5:顔料粒子の粒径変動率が、10%未満である
4:顔料粒子の粒径変動率が、10%以上、20%未満である
3:顔料粒子の粒径変動率が、20%以上、30%未満である
2:顔料粒子の粒径変動率が、30%以上、100%未満である
1:顔料粒子の粒径変動率が、100%以上である
(耐擦性の評価)
上記方法で作成した画像表面を、綿布(カナキン3号)を用い12Nの荷重をかけて擦り、画像表面の傷発生、画像膜剥がれの発生状態を目視観察し、下記の基準に従って耐擦性を評価した。
4:15往復では傷や画像膜剥がれの発生は認められないが、30往復では表面に僅かな傷の発生が認められる
3:15往復では表面に傷の発生が認められ、30往復では画像膜剥がれが発生する
2:15往復で、画像膜剥がれが生じる
1:15往復未満で、画像膜剥がれの発生が認められる
以上により得られた各評価結果を、表5に示す。
Claims (4)
- 下記一般式(1)で表される部分構造を有するカチオン化合物、顔料及び定着樹脂を含有することを特徴とする水性インクジェット記録インク。
一般式(1)
R−(J)m−(L)n−
〔式中、Rは炭素原子数が8以上、30以下のアルキル基または炭素原子数が8以上、30以下のアリール基を表し、Lはオキシアレキレン基を表し、Jは結合可能な連結基を表し、nは2以上、150未満の整数、mは0または1を表す。〕 - 前記一般式(1)で表される部分構造を有するカチオン化合物が、下記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の水性インクジェット記録インク。
一般式(2)
(R1−(J)m−(L)n−)p(R2)qN+X−
〔式中、R1は炭素原子数が8以上、30以下のアルキル基または炭素原子数が8以上、30以下のアリール基を表し、Lはオキシアレキレン基を表し、Jは結合可能な連結基を表し、R2は水素原子またはアルキル基を表し、Xは対イオンを表す。nは2以上150未満の整数を表し、mは0または1を表し、pは1または2を表し、qは2または3を表し、p+qは4である。〕 - 前記定着樹脂の含有量が、前記顔料の1.0倍以上、10倍未満であることを特徴とする請求項1または2に記載の水性インクジェット記録インク。
- 低表面張力溶剤を、5.0質量%以上、30質量%未満含有し、かつシリコーン系界面活性剤またはフッ素系界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の水性インクジェット記録インク。
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