JP2011235298A - 拡管工具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ローラ20を保持し、チューブTU(被拡管部材)内に回転自在に内挿されるエキスパンダフレーム30と、エキスパンダフレーム30内に内挿され、前側が小径となるテーパ部41が形成されたマンドレル40と、チューブTUの回り止め機構50と、を備えている拡管工具1であって、回り止め機構50は、チューブTUが内挿されるカラー部材51と、カラー部材51内に配置され、マンドレル40に連動して前進するジョー52と、を備え、カラー部材51の内周面には、前側が小径となるテーパ部51bが形成されており、マンドレル40を前進させることで、カラー部材51のテーパ部51によって、ジョー52が径方向内側に押し出されるとともに、マンドレル40のテーパ部41によって、各ローラ20が径方向外側に押し出される。
【選択図】図1
Description
本実施形態の拡管工具1は、複数のローラ20を回転自在に保持しているエキスパンダフレーム30と、エキスパンダフレーム30内にスライド自在かつ回転自在に内挿されたマンドレル40と、チューブTUの回り止め機構50と、を備えている。
拡管工具1は、チューブTU(特許請求の範囲における「被拡管部材」)の内周面TU1に、各ローラ20を押圧させながら転動させることで、チューブTUを内部から拡径させるものである。
なお、本実施形態では、エキスパンダフレーム30の先端側(図1の左側)を前側とし、基端側(図1の右側)を後側として説明する。
また、エキスパンダフレーム30の前端部には、チューブTUの開口部に挿入し易いように、先細りのガイド面が形成されている。
ローラ20は、図2(a)に示すように、エキスパンダフレーム30の溝部31に収容されている。したがって、本実施形態では、エキスパンダフレーム30の円周上で同心円上に等角度ピッチ(120度ピッチ)で三つのローラ20が配置されている。溝部31に保持されたローラ20は、エキスパンダフレーム30の外周面から出没自在かつ回転自在となっている。
なお、ローラ20の個数や配列は、前記実施形態に限定されるものではなく、チューブTUの内径や強度等の条件に応じて適宜に設定される。
マンドレル40の前部には、前側が小径で後側が大径となるようにテーパ部41が形成されている。このテーパ部41は、ローラ20のテーパ部21に合致する形状となっており、ローラ20のテーパ部21とマンドレル40のテーパ部41とが接触するように構成されている。
また、マンドレル40の前端部には、エキスパンダフレーム30に対して後方への抜け止めの役割りを果たすキャップナット42が形成されている。
そして、図2(a)に示すように、マンドレル40を正回転(図2(a)の右回り)させると、マンドレル40の回転が各ローラ20に伝達され、各ローラ20は自転しながら公転する。このとき、各ローラ20はマンドレル40の回転軸に対してフィードアングルが設定されているため、回転している各ローラ20によってマンドレル40は前方に送り込まれる。
マンドレル40がエキスパンダフレーム30に対して前進すると、マンドレル40のテーパ部41によって、ローラ20がエキスパンダフレーム30の径方向外側に押し出され、ローラ20がチューブTUの内周面TU1に押圧される。
なお、マンドレル40を逆回転(図2(a)の左回り)させると、各ローラ20によってマンドレル40は後方に送り込まれる。
この回り止め機構50は、ジョー52をチューブTUの外周面TU2に接触させて噛み合わせることで、チューブTUが軸回りに回転しないように固定するものである。
また、カラー部材51の内周面51aと、カラー部材51に内挿されたチューブTUの外周面TU2との間に隙間が形成されるように、カラー部材51の内径が設定されている。
また、カラー部材51の前部51dの前端面51fは、管板P(図3参照)の外面に当接する部位である。なお、前端面51fの面積や前部51dの軸方向(前後方向)の長さは、管板Pの孔部P1の配列ピッチや、管板PからのチューブTUの突出量によって設定される。
本実施形態では、図3(a)に示すように、カラー部材51の内周面上で同心円上に等角度ピッチ(120度ピッチ)で三つのジョー52が配置されている。各ジョー52の間には、隣り合うジョー52,52の間隔を保つためのスペーサ52cが介設されている。
なお、本実施形態では、三つのジョー52を配置しているが、ジョー52の個数や配列は、前記実施形態に限定されるものではなく、チューブTUの外径や強度等の条件に応じて適宜に設定される。
なお、ジョー52がチューブTUの外周面TU2に接触する面積、すなわち、ジョー52の内面の面積(幅および軸方向の長さ)は、各ジョー52がチューブTUを保持したときに、チューブTUに過大な負荷が作用しないように、チューブTUの長さや厚みなどに応じて変更される。
また、クランプフレーム53(小径部53a)の前端面の中央部には、ジョー52の後端面に当接し、カラー部材51内に挿入可能な突起部53eが形成されている。
このように、クランプフレーム53の前端部にジョー52が接することで、クランプフレーム53の前方への移動に連動して、ジョー52が前方に移動するように構成されている。
第一弾性部材56は、クランプフレーム53の小径部53a(前部)の外周を囲んでいるコイルスプリングである。この第一弾性部材56は、カラー部材51をクランプフレーム53に対して前方に付勢している。
カバー60の後部は、クランプフレーム53の大径部53bに外嵌されている。クランプフレーム53は、カバー60に対して前後方向にスライド自在となっている。
カバー60は、カラー部材51とクランプフレーム53との間に介設された第一弾性部材56が外部に露出するのを防ぐための部材である。
なお、クランプフレーム53が最も後方に位置しているときには、クランプフレーム53に取り付けられたジョー52は、カラー部材51の後端部に配置されている。
カラー後輪55は、ボールリテーナ55cを介して、凹部53d内に回転自在に取り付けられた筒状の部材であり、エキスパンダフレーム30の後部が内挿されている。
カラー後輪55の後部55bは、エキスパンダフレーム30の後部の外周面に形成されたねじ溝に螺合されており、エキスパンダフレーム30の回転に連動して回転する。
そして、カラー後輪55を回転させることによって、カラー後輪55をエキスパンダフレーム30に対して、前方または後方に送り出すことができる。
このようにして、カラー後輪55をエキスパンダフレーム30に対して移動させ、カラー部材51を前方または後方に送り出すことで、カラー部材51からのローラ20の突出量(ローラ有効長)を調整することができる。
本実施形態では、第二弾性部材57の弾性力(ばね定数)よりも、第一弾性部材56の弾性力(ばね定数)が小さく設定されており、ストッパ54に前方への推進力が付与されたときには、第二弾性部材57よりも第一弾性部材56の収縮量が大きくなっている。
まず、図1に示す拡管工具1のロックナット55dを回転させ、カラー後輪55をエキスパンダフレーム30に対して前方または後方に送り出すことで、拡径する部位の長さに合わせて、カラー部材51からのローラ20の突出量(ローラ有効長)を調整する。また、マンドレル40の後端部43は電動工具(図示せず)の出力軸に連結される。
このとき、第二弾性部材57の弾性力(ばね定数)よりも第一弾性部材56の弾性力(ばね定数)が小さいため、第二弾性部材57よりも第一弾性部材56が大きく収縮し、クランプフレーム53およびジョー52が前進する。
このようにして、各ローラ20がチューブTUの内周面TU1を押圧しながら転動することで、チューブTUが内部から拡径され、チューブTUが管板P(図4(a)参照)の孔部P1に圧接される。
例えば、本実施形態では、図4(a)に示すように、ジョー52がチューブTUの外周面TU2に接触して噛み合うことで、チューブTUが固定されるように構成されているが、ジョー52がチューブTUの外周面TU2に圧接されることで、チューブTUを固定してもよい。
20 ローラ
21 ローラのテーパ部
30 エキスパンダフレーム
40 マンドレル
41 マンドレルのテーパ部
50 回り止め機構
51 カラー部材
51a カラー部材の内周面
51b カラー部材のテーパ部
52 ジョー
52a 歯部
52b ジョーのテーパ部
53 クランプフレーム
53a 小径部
53b 大径部
53d 凹部
53e 突起部
54 ストッパ
55 カラー後輪
55d ロックナット
56 第一弾性部材
57 第二弾性部材
60 カバー
70 スプリングカバー
P 管板
P1 孔部
TU チューブ(被拡管部材)
TU1 チューブの内周面
TU2 チューブの外周面
Claims (3)
- 複数のローラを同心円上に回転自在に保持し、被拡管部材内に回転自在に内挿される筒状のエキスパンダフレームと、
前記エキスパンダフレーム内にスライド自在かつ回転自在に内挿され、前側が小径となるテーパ部が外周面に形成されたマンドレルと、
前記被拡管部材の回り止め機構と、を備えている拡管工具であって、
前記回り止め機構は、
前記被拡管部材が内挿される筒状のカラー部材と、
前記カラー部材の内周面と前記被拡管部材の外周面との間に配置され、前記マンドレルに連動して前進するジョーと、を備え、
前記カラー部材の内周面には、前側が小径となるテーパ部が形成されており、
前記マンドレルを前記カラー部材および前記エキスパンダフレームに対して前進させることで、
前記カラー部材のテーパ部によって、前記ジョーが前記カラー部材の径方向内側に押し出され、前記ジョーが前記被拡管部材の外周面に接触するとともに、
前記マンドレルのテーパ部によって、前記各ローラが前記エキスパンダフレームの径方向外側に押し出されることを特徴とする拡管工具。 - 前記回り止め機構は、
前記ジョーに当接するクランプフレームと、
前記マンドレルの後部を回転自在に保持する筒状のストッパと、
前記カラー部材と前記クランプフレームの間に介設された第一弾性部材と、
前記クランプフレームと前記ストッパとの間に介設された第二弾性部材と、を有し、
前記第一弾性部材の弾性力は、前記第二弾性部材の弾性力よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の拡管工具。 - 前記第一弾性部材は、前記カラー部材と前記クランプフレームの後部との間に介設され、前記エキスパンダフレームの前部の外周を囲んでいることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の拡管工具。
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