JP4083146B2 - チューブエキスパンダ - Google Patents

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Description

本発明は、加工対象となる配管内に挿入されて該配管の内径をローラによって拡大するチューブエキスパンダに関するものである。
従来より、例えば熱交換器などの管板に伝熱管(配管)を圧着する拡管作業工具としてチューブエキスパンダが知られている。
例えばチューブエキスパンダ(80)は、図5に示すように、フレーム(81)と回転軸(82)(マンドレル)とローラ(83)とを備えている。上記フレーム(81)は、略円筒状に形成されており、拡管対象となる伝熱管に挿入可能となっている。上記マンドレル(82)は、上記フレーム(81)の内部を貫通しており、モータなどの駆動源によって回転駆動される。また、マンドレル(82)は、軸方向後側(図5の右側)に向かってその円形断面が拡大したテーパ形状部(82a)を備えている。上記ローラ(83)は、上記フレーム(81)の先端部外周に形成されたローラ溝(84)に保持されている。そして、ローラ(83)は、上記マンドレル(82)の回転駆動に伴ってフレーム(81)とともに回転するように構成されている。さらに、フレーム(81)の後端部外周には、フレーム(81)を回転可能に保持するフレーム支持部(85)が設けられている。
以上のようなチューブエキスパンダ(80)の構成において、例えば管板に伝熱管を圧着する作業は以下の手順で行われる。
まず、複数の円孔が加工された管板に伝熱管を挿入する。次に、この伝熱管内にチューブエキスパンダ(80)のフレーム(81)を挿入し、拡管したい伝熱管部分にローラ(83)が位置するよう調節する。その後、マンドレル(82)を回転させながらフレーム(81)の先端方向に押し込むと、マンドレル(82)の外周面と接触するローラ(83)の公転半径がテーパ形状部(82a)によって拡大される。この状態でマンドレル(82)を更に回転させると、ローラ(83)は拡大された公転半径で公転し、ローラ(83)と接触する伝熱管部分の内径が拡大される。なお、このようなローラ(83)の公転時には、ローラ(83)を保持するフレーム(81)がマンドレル(82)を中心として該ローラ(83)とともに回転する。以上のようにして、チューブエキスパンダ(80)は、ローラ(83)の公転によって内径が拡大された伝熱管部分と、この伝熱管部分に接する管板とを圧着固定するようにしている(特許文献1参照)。
特開平11−51285号公報
ところで、上述したような従来のチューブエキスパンダ(80)の拡管作業時において、フレーム(81)がその自重によって撓んでしまうと、ローラ(83)とともに回転するフレーム(81)と伝熱管の内壁とが擦れ合ってしてしまい、伝熱管の内壁が摩耗、損傷してしまうことがあった。なお、このような伝熱管内壁の損傷は、特にチューブエキスパンダ(80)が長尺であり、フレーム(81)が撓みやすい場合に顕著であった。
そして、このようにして伝熱管内壁に損傷が生じると、伝熱管を流れる流体(液、ガス)の摩擦抵抗の増大を招いてしまう、あるいは伝熱管を流通する流体によって損傷部が浸食してしまうという問題が生じる。すなわち、拡管作業時において、拡管する伝熱管の品質を保持するためには、フレーム(81)の回転に伴う伝熱管内壁の損傷を抑制することが必要不可欠である。
本発明は、かかる点に鑑みて創案されたものであり、その目的とするところは、拡管作業時におけるフレームと伝熱管の内壁との擦れに起因する伝熱管内壁の損傷を抑制できるチューブエキスパンダを提供することである。
本発明は、フレームの外周に、フレームに対して回転自在となる環状部材を設けるようにしたものである。
具体的に、第1の発明は、加工対象である配管内に挿入される略筒状のフレームと、該フレームの内部を貫通する回転軸と、該フレームの先端部外周に保持されるとともに上記回転軸の回転駆動に伴って上記フレームと一体的に回転するローラとを備えるチューブエキスパンダを前提としている。そして、このエキスパンダは、上記ローラとフレームの後端部との間における上記フレームの外周には、該フレームに対して回転自在に環状部材が設けられ、上記フレームは、軸方向に所定の間隔で分割される複数のフレーム部で構成され、上記フレーム部は、隣接する各フレーム部を互いに接続するフレーム継手部を備え、上記回転軸は、軸方向に所定の間隔で分割される複数の回転軸部で構成され、上記回転軸部は、隣接する各回転軸部を互いに接続する回転軸継手部を備え、互いに接続される一対の上記フレーム継手部は、上記フレーム部の外周端部を筒状に切り欠いた形状の第1のフレーム継手部と、該第1のフレーム継手部が内嵌するように上記フレーム部の内周端部を筒状に切り欠いた形状の第2のフレーム継手部とから成り、上記第1のフレーム継手部の外周に上記環状部材が回転自在に外嵌する状態で第1のフレーム継手部が上記第2のフレーム継手部に内嵌して接続されることで、両フレーム継手部の間に上記環状部材を保持するように構成されており、上記環状部材の外周面は、該環状部材の両端の間の中間部が上記フレームよりも径方向外側に突出するような曲面形状に形成され、上記フレームが上記配管に挿入された状態で該配管の内壁と周方向に線接触するように構成されているものである。
上記第1の発明では、加工対象となる配管(伝熱管)内にフレームを挿入し、拡大したい伝熱管部分にローラを位置させ、回転軸の回転によってローラを伝熱管内径より大きな公転半径で回転させることにより、所定の拡管作業が行われる。なおこの際、ローラとともにフレームが回転軸を中心として回転する。
ここで、本発明では、フレームを伝熱管に挿入した状態において、環状部材の外周に形成される接触部と伝熱管の内壁とが実質的に密着する。その結果、伝熱管の内壁とフレームの外周との隙間を埋めることができ、上記フレームの撓みを抑制することができる。このようにフレームの撓みを抑制すると、フレームの回転時においてフレームの外周面と伝熱管内壁とが擦れ合ってしまうことを確実に抑制できる。
また、回転軸の駆動時において、ローラとともに回転するフレームは、環状部材の内部で回転する一方、フレームの外周に回転自在に設けられた環状部材は上記フレームの回転力が伝達されにくく、伝熱管の内部で静止状態となり易くなる。よって、フレームの回転に伴って環状部材が回転することがほとんどない。したがって、伝熱管の内壁と環状部材とが擦れ合うこともほとんどなく、伝熱管の内壁が損傷してしまうことを防止できる。
また、第1の発明では、環状部材の接触部を曲面形状に形成することで、この接触部と伝熱管の内壁とが実質的に線接触し易くなる。よって、伝熱管の内壁と接触部との間の摩擦抵抗を減らすことができる。したがって、拡管作業開始時において、環状部材が伝熱管内を滑りやすくでき、フレームを伝熱管内に挿入し易くできる。
また、上記第の発明では、フレームが複数のフレーム部に分割され、各フレーム部がフレーム継手部によって接続可能に構成される。同様に、回転軸が複数の回転軸部に分割され、各回転軸部が回転軸継手部によって接続可能に構成される。すなわち、チューブエキスパンダが、いわゆる分割継手式のチューブエキスパンダで構成される。
上記第1の発明によれば、フレームの外周に環状部材を設けることによって、フレームの撓みを抑制するようにしている。よって、フレームの外周面と伝熱管の内壁とが擦れ合ってしまうことを防止でき、伝熱管内壁の損傷を抑制することができる。また、フレーム回転時において、伝熱管内部で環状部材をほぼ静止状態とさせることができるため、環状部材と伝熱管内壁とが擦れ合うことはほとんどなく、伝熱管内壁の損傷を抑制できる。
以上のように、本発明によれば、拡管作業時における伝熱管内壁の損傷を極力抑制できるようにしたので、加工した伝熱管の品質を保持することができる。よって、チューブエキスパンダの信頼性の向上を図ることができる。また、伝熱管内壁が摩耗することによって伝熱管内に削りカスが残ってしまうことも防止できる。
また、第1の発明によれば、環状部材の接触部を曲面形状とすることで、伝熱管の内壁と環状部材の接触部とを線接触させるようにしている。したがって、チューブエキスパンダを伝熱管内に挿入する際、伝熱管内で環状部材が滑りやすくなる。すなわち、拡管作業時において、フレームを伝熱管内に容易に挿入することができる。
上記第の発明によれば、チューブエキスパンダをいわゆる分割継手式のチューブエキスパンダで構成している。よって、例えば拡管作業時において、チューブエキスパンダを伝熱管内に挿入するためのスペースが十分ない場合にも、チューブエキスパンダを分割しながら継ぎ足して行くことで所定の拡管作業を行うことができる。また、目的や用途に応じてチューブエキスパンダの全長を所定長さに調節することができ、拡管作業の効率を向上させることができる。
さらに、本発明では、このような分割継手式のチューブエキスパンダに環状部材を設けているため、フレームの撓み、及びフレームの回転に伴う伝熱管内壁の損傷を確実に抑制することができる。
上記第の発明によれば、特に撓みが生じやすいフレーム継手部の近傍に環状部材を設けることで、フレームの撓みを効果的に抑制できるようにしている。また、環状部材を各フレーム継手部に対応して複数設け、伝熱管内壁に作用する力を分散できるようにしている。したがって、フレームの撓み、及びフレームの回転に伴う伝熱管内壁の損傷を一層効果的に抑制でき、加工対象となる伝熱管の品質を保持することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態に係るチューブエキスパンダ(1)は、熱交換器の構成部品である管板に伝熱管を圧着するための拡管作業工具として用いられるものである。
図1に示すように、チューブエキスパンダ(1)は、加工対象となる伝熱管(配管)に挿入される略円筒状のフレーム(10)と、フレーム(10)の内部を貫通するマンドレル(回転軸)(20)と、フレーム(10)の先端部(図1の左端部)外周に保持されるローラ(30)と、フレーム(10)の後端部外周に設けられるフレーム支持部(40)とを備えている。
上記マンドレル(20)は、フレーム(10)の内部で回転することによりローラ(30)を所定の公転半径で公転させるものである。マンドレル(20)の先端部には、袋ナット(21)が設けられている。一方、マンドレル(20)の後端部には、角型シャンク(22)が設けられている。そして、マンドレル(20)は、この角形シャンク(22)を介して図示しない電動モータと連結され、該電動モータによって回転駆動される。
また、マンドレル(20)の先端部寄りの部位には、先端から後端に向かってその円形断面が拡大されるテーパ形状部(23)が形成されている。一方、マンドレル(20)においてテーパ形状部(23)よりも後方の部位は、その円形断面が軸方向に向かって同じ形状となる円柱状に形成されている。さらに、マンドレル(20)は、フレーム(10)の内部において軸方向に所定範囲で進退可能に構成されている。
上記ローラ(30)は、マンドレル(20)の回転駆動に伴って上記フレーム(10)と一体的に回転することにより、伝熱管の内径を拡大させるためのものである。このローラ(30)は、フレーム(10)の先端部外周に貫通形成されたローラ溝(11)に保持されており、マンドレル(20)におけるテーパ形状部(23)の外周面と一部が接している。
上記ローラ溝(11)は、ローラ(30)が嵌合可能な楕円状ないし角柱状に形成されており、ローラ(30)が嵌合した状態において、径方向に隙間が形成されるようになっている。また、ローラ溝(11)における最も外側寄りの部位は、その溝幅がローラ(30)の径よりも小さくなっている。よって、ローラ(30)は、フレーム(10)の径方向において上記隙間分だけ可動な状態でローラ溝(11)に保持されている(図示省略)。
以上のようにして、ローラ(30)は、回転するマンドレル(20)の外周面と摺接しながらマンドレル(20)の回転方向に所定の公転半径で公転するように構成されている。ここで、軸方向に進退可能なマンドレル(20)を例えば後方寄りに位置させた状態(例えば図1の状態)では、ローラ(30)の近傍に位置するテーパ形状部(23)の円形断面が小さくなるため、ローラ(30)がマンドレル(20)の軸心側に移動する。このため、ローラ(30)の公転半径も小さくなる。一方、例えばマンドレル(20)を先方寄りに位置させた状態(例えば図2の状態)では、ローラ(30)の近傍に位置するテーパ形状部(23)の円形断面が大きくなるため、ローラ(30)が径方向外側に移動する。このため、ローラ(30)の公転半径が大きくなる。このように、ローラ(30)は、マンドレル(20)の進退位置によって、その公転半径が調整可能に構成されている。
上記フレーム支持部(40)は、フレーム(10)の後端部を回転可能に支持するスラストベアリング(41)と、該スラストベアリング(41)を外周側より保持するハウジング(42)とを備えている。また、スラストベアリング(41)の後側には、スクリューナット(43)が設けられている。
上記スクリューナット(43)は、その後側より装着されるスナップリング(44)と上記スラストベアリング(41)とによって狭持され、軸方向への進退が禁止されている。また、スクリューナット(43)は、フレーム(10)の後端部外周に形成されたネジによってフレーム(10)と締結されており、フレーム(10)と共に回転可能に構成されている。
さらに、スクリューナット(43)は、フレーム(10)への締め付け位置によって、該スクリューナット(43)とフレーム(10)との軸方向における相対位置を調整できるように構成されている。また、スクリューナット(43)には、フレーム(10)との相対位置を調整した後に、この位置関係を保持する止めネジ(45)が設けられている。
上述したフレーム(10)及びマンドレル(20)は、それぞれ軸方向に所定の間隔で分割可能に構成されている。
上記マンドレル(20)は、軸方向に所定の間隔で分割される複数の回転軸部(24)を備えている。この回転軸部(24)は、最も先端寄りに位置し、上記テーパ形状部(23)が形成される先端回転軸部(24a)と、最も後端寄りに位置し、上記角形シャンク(22)が設けられる後端回転軸部(24c)と、上記先端回転軸部(24a)と上記後端回転軸部(24c)との間に位置する複数の中間回転軸部(24b)とで構成されている。そして、各回転軸部(12)には、隣接する各回転軸部(24,24)を互いに接続する回転軸継手部(60)が設けられている。
上記回転軸継手部(60)は、図3(回転軸継手部の拡大断面図)に示すように、凸部(61)と、該凸部(61)に嵌合する凹部(62)と、上記凸部(61)及び凹部(62)の嵌合状態を保持するピン(保持部材)(63)とを備えている。
具体的に、凸部(61)は図3(A)に示すように、隣接する回転軸部(24,24)のうち一方(先方寄り)の回転軸部(24)の後端部に形成されている。この凸部(61)は、その径方向断面が六角形状に形成されている。また、凸部(61)には、上記ピン(63)が係合する凸部側ピン溝(64)が径方向に貫通形成されている。
一方、凹部(62)は図3(B)に示すように、隣接する回転軸部(24,24)のうち他方(後方寄り)の回転軸部(24)の前端部に形成されている。この凹部(62)には、上記六角形状の凸部(61)が嵌合する六角溝(65)が形成されている。また、凹部(62)には、上記凸部(61)と同様にして、上記ピン(63)が係合する凹部側ピン溝(66)が径方向に貫通形成されている。そして、図3(C)に示すように、上記凸部(61)及び凹部(62)が嵌合された状態で、凸部側ピン溝(64)と凹部側ピン溝(66)との双方に跨ってピン(63)が係止されることでこの嵌合状態が保持されて、隣接する回転軸部(24,24)が互いに接続される。
一方、上記フレーム(10)は、軸方向に所定の間隔で分割される複数のフレーム部(12)を備えている。このフレーム部(12)は、最も先端寄りに位置し、上記ローラ(30)が保持される先端フレーム部(12a)と、最も後端寄りに位置し、上記フレーム支持部(40)によって保持される後端フレーム部(12c)と、上記先端フレーム部(12a)と上記後端フレーム部(12c)との間に位置する複数の中間フレーム部(12b)とで構成されている。そして、各フレーム部(12)には、隣接する各フレーム部(12,12)を互いに接続するフレーム継手部(50)が設けられている。
上記フレーム継手部(50)は、図4(フレーム継手部の拡大断面図)に示すように、雄ネジ部(51)と、該雄ネジ部(51)に螺合する雌ネジ部(52)とで構成されている。
具体的に、雄ネジ部(51)は、隣接するフレーム部(12,12)のうち一方(先方寄り)のフレーム部(12)の後端部に形成されている。一方、雌ネジ部(52)は、隣接するフレーム部(12,12)のうち他方(後方寄り)のフレーム部(12)の前端部に形成されている。そして、両ネジ部(51,52)は、ロックナット(53)を挟んでスパナなどの工具によって締結されることで、隣接するフレーム部(12,12)が互いに接続される。
また、軸方向におけるフレーム部(12)と上記ロックナット(53)との間で、フレーム部(12)の外周には、本発明の特徴である環状部材(70)が設けられている。なお、この環状部材(70)は、本実施形態において、各フレーム継手部(50)に対応するようにフレーム部継手部(50)の近傍に複数設けられている。この環状部材(70)は、リング形状に形成されており、フレーム部(12)の外周に嵌合している。
具体的に、環状部材(70)は、その外周側に位置する環状ハウジング(71)と、その内周側に位置する針状ころ軸受け(72)とを備えている。環状ハウジング(71)は、その外周面が曲面形状ないし球形面状に形成されており、その径方向における先端部がフレーム(10)の外周面よりも外側に突出している。そして、環状部材(70)は、フレーム(10)が伝熱管に挿入された状態で、伝熱管の内壁と環状部材(70)の外周面(環状ハウジング(71)の外周面)とが実質的に密着して接触部を形成するように構成されている。
一方、上記針状ころ軸受け(72)は、環状ハウジング(71)の内側に形成された環状溝(73)に嵌合して保持されており、環状ハウジング(71)の内周面とフレーム部(12)の外周面との間に介在している。そして、環状部材(70)は、針状ころ軸受け(72)によってフレーム部(12)に対して回転自在となっている。
−拡管動作−
次に、本実施形態のチューブエキスパンダ(1)を使用した拡管作業時の動作について説明する。
熱交換器の伝熱管内にフレーム(10)及びマンドレル(20)を挿入する際には、図1に示すようにマンドレル(20)を後方寄りに位置させる。その結果、ローラ(30)の近傍に位置するテーパ形状部(23)の円形断面が小さくなり、ローラ(30)がマンドレル(20)の軸心側に移動する。
次に、フレーム(10)及びマンドレル(20)を伝熱管内に挿入するとともに、拡管したい伝熱管部分にローラ(30)の位置を合わせるようにする。この際には、フレーム支持部(40)のハウジング(42)の先端分を熱交換器の管板に当接させて、このフレーム支持部(40)を基準位置とする。そして、位置調整機構であるスクリューナット(43)の締め付け位置を調整することで、基準位置となるフレーム支持部(40)とローラ(30)との軸方向における相対位置を調整する。そして、ローラ(30)を拡管したい所定の伝熱管部分に位置させる。この際、スクリューナット(43)の止めネジ(45)を締め付けることで、この位置関係が保持される。
以上のようにしてローラ(30)を所定の伝熱管部分に位置させた後、ハウジング(42)を上記熱交換器の管板に押し付けながら、電気モータでマンドレル(20)を回転駆動する。同時に、マンドレル(20)をフレーム(10)内において先方にスライドさせる。その結果、図2に示すように、ローラ(30)の近傍に位置するテーパ形状部(23)の円形断面が大きくなり、ローラ(30)が径方向外側に移動する。そして、ローラ(30)は、図1の状態よりも公転半径が大きくなった状態で伝熱管内を公転する。
ここで、フレーム(10)を伝熱管内に挿入した状態においては、図4に示す環状部材(70)における環状ハウジング(71)の外周面(接触部)と伝熱管の内壁とが実質的に密着する。また、針状ころ軸受け(72)によって環状部材(70)がフレーム(10)に対して回転自在の状態となっている。このため、ローラ(30)が公転すると、フレーム(10)は、環状部材(70)の内部を回転する一方、環状部材(70)にはフレーム(10)の回転力がほとんど作用せず、よって環状部材(70)は伝熱管の内部でほぼ静止状態となる。
以上のようにして、ローラ(30)が所定の公転半径で公転することで、ローラ(30)の近傍に位置する伝熱管部位が拡大され、伝熱管と管板とが圧着される。この際、伝熱管内壁と密着する環状部材(70)は、ほとんど回転することがないため、ローラ(30)の公転時において環状部材(70)と伝熱管内壁とが擦れ合うことがほとんどなく、伝熱管内壁が損傷してしまうことが抑制される。
−実施形態の効果−
上記実施形態によれば、以下の効果が発揮される。
フレーム(10)の外周に環状部材(70)を設けることによって、フレーム(10)の撓みを抑制するようにしている。よって、フレーム(10)の回転によって生じる力が伝熱管の内壁に作用しにくくなり、フレーム(10)回転時における伝熱管内壁の損傷を抑制することができる。
上記実施形態によれば、フレーム(10)の外周に環状部材(70)を設けることによって、フレーム(10)が長尺である場合にも、その撓みを抑制するようにしている。よって、フレーム(10)の外周面と伝熱管の内壁との擦れ合いに起因する伝熱管内壁の損傷を抑制することができる。また、フレーム(10)の回転時において、伝熱管内部で環状部材(70)をほぼ静止状態とさせることができるため、環状部材(70)と伝熱管内壁とが擦れ合うことはほとんどなく、伝熱管内壁の損傷を抑制できる。
さらに、環状部材(70)における環状ハウジング(71)の接触部を曲面形状とすることで、伝熱管の内壁と環状部材(70)とを線接触させるようにしている。よって、伝熱管内にチューブエキスパンダ(1)を挿入する際、環状部材(70)が伝熱管内を滑りやすくできる。したがって、チューブエキスパンダ(1)を伝熱管内に容易に挿入することができる
また、上記環状部材(70)を、特に撓みが生じやすいフレーム継手部(50)の近傍に設けている。このため、フレーム(10)の撓みを効果的に抑制できる。さらに、環状部材(70)を各フレーム継手部(50)に対応して複数設けているため、伝熱管内壁に作用する力を分散できる。したがって、フレーム(10)の撓み、及びフレーム(10)の回転に伴う伝熱管内壁の損傷を一層効果的に抑制できる。
以上のように、本発明によれば、拡管作業時における伝熱管内壁の損傷を極力抑制できるようにしたので、加工した伝熱管の品質を保持することができる。よって、このチューブエキスパンダ(1)の信頼性の向上を図ることができる。
《その他の実施形態》
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、各フレーム継手部(50)に対応してそれぞれに環状部材(70)を設けるようにしている。しかしながら、必ずしも全てのフレーム継手部(50)に対応して環状部材(70)を設ける必要はなく、環状部材(70)をフレーム継手部(50)における任意の箇所に設けてもよい。
また、環状部材(70)を必ずフレーム継手部(50)の近傍に設ける必要はなく、フレーム(10)の外周であれば、如何なる位置に設けるようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、フレーム(10)及びマンドレル(20)が分割可能な、いわゆる分割継手式のチューブエキスパンダにおいて、環状部材(70)を設けるようにしている。しかしながら、この環状部材(70)を分割継手式でないチューブエキスパンダに適用することもできる。
実施形態に係るチューブエキスパンダの全体構成を示す断面図である。 チューブエキスパンダの拡管作業時における全体構成を示す断面図である。 回転軸継手部の拡大断面図である。 回転軸継手部(環状部材)の拡大断面図である。 従来のチューブエキスパンダの全体の概略構成図である。
符号の説明
(1) チューブエキスパンダ
(10) フレーム
(12) フレーム部
(20) 回転軸(マンドレル)
(24) 回転軸部
(30) ローラ
(50) フレーム継手部
(60) 回転軸継手部
(70) 環状部材

Claims (1)

  1. 加工対象である配管内に挿入される略筒状のフレームと、該フレームの内部を貫通する回転軸と、該フレームの先端部外周に保持されるとともに上記回転軸の回転駆動に伴って上記フレームと一体的に回転するローラとを備えるチューブエキスパンダであって、
    上記ローラとフレームの後端部との間における上記フレームの外周には、該フレームに対して回転自在に環状部材が設けられ、
    上記フレームは、軸方向に所定の間隔で分割される複数のフレーム部で構成され、
    上記フレーム部は、隣接する各フレーム部を互いに接続するフレーム継手部を備え、
    上記回転軸は、軸方向に所定の間隔で分割される複数の回転軸部で構成され、
    上記回転軸部は、隣接する各回転軸部を互いに接続する回転軸継手部を備え、
    互いに接続される一対の上記フレーム継手部は、上記フレーム部の外周端部を筒状に切り欠いた形状の第1のフレーム継手部と、該第1のフレーム継手部が内嵌するように上記フレーム部の内周端部を筒状に切り欠いた形状の第2のフレーム継手部とから成り、上記第1のフレーム継手部の外周に上記環状部材が回転自在に外嵌する状態で第1のフレーム継手部が上記第2のフレーム継手部に内嵌して接続されることで、両フレーム継手部の間に上記環状部材を保持するように構成されており、
    上記環状部材の外周面は、該環状部材の両端の間の中間部が上記フレームよりも径方向外側に突出するような曲面形状に形成され、上記フレームが上記配管に挿入された状態で該配管の内壁と周方向に線接触するように構成されていることを特徴とするチューブエキスパンダ。
JP2004196645A 2004-07-02 2004-07-02 チューブエキスパンダ Expired - Fee Related JP4083146B2 (ja)

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