JP2011233369A - 非水二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高容量であり、かつ充放電サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】 負極が、SiとOとを構成元素に含む材料(Siに対するOの原子比xは、0.5≦x≦1.5)および黒鉛質炭素材料を含有する負極合剤層を有しており、正極が、Ni、CoおよびMnと、Mg、BaおよびZrより選ばれる少なくとも1種の元素とを必須の構成元素とする特定のリチウム含有複合酸化物を含有する正極合剤層を有していることを特徴とする非水二次電池により、前記課題を解決する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高容量であり、かつ充放電サイクル特性が良好な非水二次電池に関するものである。
リチウムイオン二次電池をはじめとする非水二次電池は、非水二次電池は高電圧・高容量であることから、その発展に対して大きな期待が寄せられている。非水二次電池の負極材料(負極活物質)には、Li(リチウム)やLi合金の他、Liイオンを挿入および脱離可能な、天然または人造の黒鉛(黒鉛質炭素材料)などが適用されている。
ところが、最近では、小型化および多機能化した携帯機器用の電池について更なる高容量化が望まれており、これを受けて、低結晶性炭素、Si(シリコン)、Sn(錫)などのように、より多くのLiを収容可能な材料が負極材料(以下、「高容量負極材料」ともいう)として注目を集めている。
こうした非水二次電池用の高容量負極材料の一つとして、Siの超微粒子がSiO中に分散した構造を持つSiOが注目されている(例えば、特許文献1〜3)。この材料を負極活物質として用いると、Liと反応するSiが超微粒子であるために充放電がスムーズに行われる一方で、前記構造を有するSiO粒子自体は表面積が小さいため、負極合剤層を形成するための塗料とした際の塗料性や負極合剤層の集電体に対する接着性も良好である。
特開2004−47404号公報 特開2005−259697号公報 特開2007−242590号公報
ところで、前記のような高容量負極材料は、充放電に伴う体積変化が非常に大きいため、これを用いた電池では、充放電の繰り返しによって電池特性が急激に低下する虞がある。よって、こうした問題を回避する観点から、前記の高容量負極材料を用いて電池を構成するに当たっては、黒鉛質炭素材料などを活物質とする負極を有する従来の非水二次電池とは、負極などの構成を大きく変える必要がある。
その一方で、従来の非水二次電池と同様の構成を採用しつつ、高容量化を図る要請もあり、高容量負極材料を使用してこれを達成する場合、前記の電池特性の低下を抑制することが求められる。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高容量であり、かつ充放電サイクル特性に優れた非水二次電池を提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の非水二次電池は、正極、負極、非水電解液およびセパレータを有しており、前記負極は、SiとOとを構成元素に含む材料(ただし、Siに対するOの原子比xは、0.5≦x≦1.5である。以下、当該材料を「SiO」と記載する場合がある。)と炭素材料との複合体、および黒鉛質炭素材料を負極活物質として含有する負極合剤層を、集電体の片面または両面に有するものであり、前記正極は、下記一般組成式(1)
Li1+yMO (1)
[前記一般組成式(1)中、−0.15≦a<0.15であり、かつ、Mは、Mg、BaおよびZrのうちの少なくとも1種、Ni、CoおよびMnを含有する4種以上の元素群を表し、Mを構成する各元素中で、Ni、Co、Mn、Mg、BaおよびZrの割合(mol%)を、それぞれa、b、c、d、eおよびfとしたとき、50≦a≦97、b≦49、c≦49、d≦3、e≦3、f≦3および3≦b+c+d+e+f≦50である]
で表されるリチウム含有複合酸化物を正極活物質として含有する正極合剤層を、集電体の片面または両面に有するものであることを特徴とするものである。
本発明によれば、高容量であり、かつ充放電サイクル特性に優れた非水二次電池を提供することができる。
本発明の非水二次電池の一例を示す模式図であり、(a)平面図、(b)断面図である。 図1の斜視図である。
本発明では、負極活物質に前記のSiOと、活物質として作用し、かつ導電助剤としても作用することで導電性に乏しいSiOを含有する負極合剤層中の導電性を高め得る黒鉛質炭素材料とを、特定比率で使用して負極を構成することで、充放電に伴うSiOの体積変化に起因する電池特性の低下を抑制することとした。
ところが、前記のように、SiOと黒鉛質炭素材料とを併用した負極を用い、更に、例えば非水二次電池で汎用されているコバルト酸リチウム(LiCoO)を使用した正極とを用いて電池を構成しても、SiOの使用に見合うだけの高容量化が達成できないことが明らかとなった。
一方、正極活物質に、LiCoOよりも高容量な、NiやMnを含むリチウム複合酸化物を使用し、これを前記の負極と組み合わせて電池とすると、良好に高容量化を達成し得ることが判明したが、その場合、充放電に伴うSiOの体積変化とは別の理由で、電池の充放電サイクル特性が低下しやすいことが、本発明者らの検討により明らかとなった。この理由は、電池の充放電に伴ってリチウム含有複合酸化物からMnが溶出し、これが選択的にSiOの表面に析出して、SiOの劣化、ひいては負極の劣化を引き起こしているためであると考えられる。
そこで、本発明では、NiやMnを含むと共に、特定の添加元素も含むことで、電池の充放電時におけるMnの溶出を抑制可能なリチウム含有複合酸化物を正極活物質として使用することとし、これを前記の負極と組み合わせることで、高容量で、充放電サイクル特性に優れた非水二次電池の提供を可能としている。
本発明の非水二次電池に係る負極には、例えば、負極活物質やバインダなどを含有する負極合剤層を、集電体の片面または両面に有する構造のものを使用する。そして、負極に係る負極活物質には、SiOと炭素材料との複合体、および黒鉛質炭素材料を使用する。
SiOは、Siの微結晶または非晶質相を含んでいてもよく、この場合、SiとOの原子比は、Siの微結晶または非晶質相のSiを含めた比率となる。すなわち、SiOには、非晶質のSiOマトリックス中に、Si(例えば、微結晶Si)が分散した構造のものが含まれ、この非晶質のSiOと、その中に分散しているSiを合わせて、前記の原子比xが0.5≦x≦1.5を満足していればよい。例えば、非晶質のSiOマトリックス中に、Siが分散した構造で、SiOとSiのモル比が1:1の材料の場合、x=1であるので、構造式としてはSiOで表記される。このような構造の材料の場合、例えば、X線回折分析では、Si(微結晶Si)の存在に起因するピークが観察されない場合もあるが、透過型電子顕微鏡で観察すると、微細なSiの存在が確認できる。
そして、SiOは、炭素材料と複合化した複合体であり、例えば、SiOの表面が炭素材料で被覆されていることが望ましい。前記の通り、SiOは導電性が乏しいため、これを負極活物質として用いる際には、良好な電池特性確保の観点から、導電性材料(導電助剤)を使用し、負極内におけるSiOと導電性材料との混合・分散を良好にして、優れた導電ネットワークを形成する必要がある。SiOを炭素材料と複合化した複合体であれば、例えば、単にSiOと炭素材料などの導電性材料とを混合して得られた材料を用いた場合よりも、負極における導電ネットワークが良好に形成される。
SiOと炭素材料との複合体としては、前記のように、SiOの表面を炭素材料で被覆したものの他、SiOと炭素材料との造粒体などが挙げられる。
また、前記の、SiOの表面を炭素材料で被覆した複合体を、更に導電性材料(炭素材料など)と複合化して用いることで、負極において更に良好な導電ネットワークの形成が可能となるため、より高容量で、より電池特性(例えば、充放電サイクル特性)に優れた非水二次電池の実現が可能となる。炭素材料で被覆されたSiOと炭素材料との複合体としては、例えば、炭素材料で被覆されたSiOと炭素材料との混合物を更に造粒した造粒体などが挙げられる。
また、表面が炭素材料で被覆されたSiOとしては、SiOとそれよりも比抵抗値が小さい炭素材料との複合体(例えば造粒体)の表面が、更に炭素材料で被覆されてなるものも、好ましく用いることができる。前記造粒体内部でSiOと炭素材料とが分散した状態であると、より良好な導電ネットワークを形成できるため、SiOを負極活物質として含有する負極を有する非水二次電池において、重負荷放電特性などの電池特性を更に向上させることができる。
SiOとの複合体の形成に用い得る前記炭素材料としては、例えば、低結晶性炭素、カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維などの炭素材料が好ましいものとして挙げられる。
前記炭素材料の詳細としては、繊維状またはコイル状の炭素材料、カーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラックを含む)、人造黒鉛、易黒鉛化炭素および難黒鉛化炭素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の材料が好ましい。繊維状またはコイル状の炭素材料は、導電ネットワークを形成し易く、かつ表面積の大きい点において好ましい。カーボンブラック(アセチレンブラック,ケッチェンブラックを含む)、易黒鉛化炭素および難黒鉛化炭素は、高い電気伝導性、高い保液性を有しており、さらに、SiO粒子が膨張収縮しても、その粒子との接触を保持し易い性質を有している点において好ましい。
負極活物質としてSiOと併用される黒鉛質炭素材料を、SiOと炭素材料との複合体に係る炭素材料として使用することもできる。黒鉛質炭素材料も、カーボンブラックなどと同様に、高い電気伝導性、高い保液性を有しており、さらに、SiO粒子が膨張収縮しても、その粒子との接触を保持し易い性質を有しているため、SiOとの複合体形成に好ましく使用することができる。
前記例示の炭素材料の中でも、SiOとの複合体が造粒体である場合に用いるものとしては、繊維状の炭素材料が特に好ましい。繊維状の炭素材料は、その形状が細い糸状であり柔軟性が高いために電池の充放電に伴うSiOの膨張収縮に追従でき、また、嵩密度が大きいために、SiO粒子と多くの接合点を持つことができるからである。繊維状の炭素としては、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブなどが挙げられ、これらの何れを用いてもよい。
なお、繊維状の炭素材料は、例えば、気相法にてSiO粒子の表面に形成することもできる。
SiOの比抵抗値が、通常、10〜10kΩcmであるのに対して、前記例示の炭素材料の比抵抗値は、通常、10−5〜10kΩcmである。
また、SiOと炭素材料との複合体は、粒子表面の炭素材料被覆層を覆う材料層(難黒鉛化炭素を含む材料層)を更に有していてもよい。
負極にSiOと炭素材料との複合体を使用する場合、SiOと炭素材料との比率は、炭素材料との複合化による作用を良好に発揮させる観点から、SiO:100質量部に対して、炭素材料が、5質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましい。また、前記複合体において、SiOと複合化する炭素材料の比率が多すぎると、負極合剤層中のSiO量の低下に繋がり、高容量化の効果が小さくなる虞があることから、SiO:100質量部に対して、炭素材料は、50質量部以下であることが好ましく、40質量部以下であることがより好ましい。
前記のSiOと炭素材料との複合体は、例えば下記の方法によって得ることができる。
まず、SiOを複合化する場合の作製方法について説明する。SiOが分散媒に分散した分散液を用意し、それを噴霧し乾燥して、複数の粒子を含む複合粒子を作製する。分散媒としては、例えば、エタノールなどを用いることができる。分散液の噴霧は、通常、50〜300℃の雰囲気内で行うことが適当である。前記の方法以外にも、振動型や遊星型のボールミルやロッドミルなどを用いた機械的な方法による造粒方法においても、同様の複合粒子を作製することができる。
なお、SiOと、SiOよりも比抵抗値の小さい炭素材料との造粒体を作製する場合には、SiOが分散媒に分散した分散液中に前記炭素材料を添加し、この分散液を用いて、SiOを複合化する場合と同様の手法によって複合粒子(造粒体)とすればよい。また、前記と同様の機械的な方法による造粒方法によっても、SiOと炭素材料との造粒体を作製することができる。
次に、SiO粒子(SiO複合粒子、またはSiOと炭素材料との造粒体)の表面を炭素材料で被覆して複合体とする場合には、例えば、SiO粒子と炭化水素系ガスとを気相中にて加熱して、炭化水素系ガスの熱分解により生じた炭素を、粒子の表面上に堆積させる。このように、気相成長(CVD)法によれば、炭化水素系ガスが複合粒子の隅々にまで行き渡り、粒子の表面や表面の空孔内に、導電性を有する炭素材料を含む薄くて均一な皮膜(炭素材料被覆層)を形成できることから、少量の炭素材料によってSiO粒子に均一性よく導電性を付与できる。
炭素材料で被覆されたSiOの製造において、気相成長(CVD)法の処理温度(雰囲気温度)については、炭化水素系ガスの種類によっても異なるが、通常、600〜1200℃が適当であり、中でも、700℃以上であることが好ましく、800℃以上であることが更に好ましい。処理温度が高い方が不純物の残存が少なく、かつ導電性の高い炭素を含む被覆層を形成できるからである。
炭化水素系ガスの液体ソースとしては、トルエン、ベンゼン、キシレン、メシチレンなどを用いることができるが、取り扱い易いトルエンが特に好ましい。これらを気化させる(例えば、窒素ガスでバブリングする)ことにより炭化水素系ガスを得ることができる。また、メタンガスやアセチレンガスなどを用いることもできる。
また、気相成長(CVD)法にてSiO粒子(SiO複合粒子、またはSiOと炭素材料との造粒体)の表面を炭素材料で覆った後に、石油系ピッチ、石炭系のピッチ、熱硬化性樹脂、およびナフタレンスルホン酸塩とアルデヒド類との縮合物よりなる群から選択される少なくとも1種の有機化合物を、炭素材料を含む被覆層に付着させた後、前記有機化合物が付着した粒子を焼成してもよい。
具体的には、炭素材料で被覆されたSiO粒子(SiO複合粒子、またはSiOと炭素材料との造粒体)と、前記有機化合物とが分散媒に分散した分散液を用意し、この分散液を噴霧し乾燥して、有機化合物によって被覆された粒子を形成し、その有機化合物によって被覆された粒子を焼成する。
前記ピッチとしては等方性ピッチを、熱硬化性樹脂としてはフェノール樹脂、フラン樹脂、フルフラール樹脂などを用いることができる。ナフタレンスルホン酸塩とアルデヒド類との縮合物としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物を用いることができる。
炭素材料で被覆されたSiO粒子と前記有機化合物とを分散させるための分散媒としては、例えば、水、アルコール類(エタノールなど)を用いることができる。分散液の噴霧は、通常、50〜300℃の雰囲気内で行うことが適当である。焼成温度は、通常、600〜1200℃が適当であるが、中でも700℃以上が好ましく、800℃以上であることが更に好ましい。処理温度が高い方が不純物の残存が少なく、かつ導電性の高い良質な炭素材料を含む被覆層を形成できるからである。ただし、処理温度はSiOの融点以下であることを要する。
前記のSiOと炭素材料との複合体と共に負極活物質として使用する黒鉛質炭素材料としては、例えば、鱗片状黒鉛などの天然黒鉛;熱分解炭素類、MCMB、炭素繊維などの易黒鉛化炭素を2800℃以上で黒鉛化処理した人造黒鉛;などが挙げられる。
なお、本発明に係る負極においては、SiOを使用することによる高容量化の効果を良好に確保する観点から、負極活物質中におけるSiOと炭素材料との複合体の含有量が、0.01質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。また、充放電に伴うSiOの体積変化による問題をより良好に回避する観点から、負極活物質中におけるSiOと炭素材料との複合体の含有量が、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。
本発明に係る負極は、SiOと炭素材料との複合体、黒鉛質炭素材料、およびバインダなどを含む混合物(負極合剤)に、適当な溶媒(分散媒)を加えて十分に混練して得たペースト状やスラリー状の負極合剤含有組成物を、集電体の片面または両面に塗布し、乾燥などにより溶媒(分散媒)を除去して、所定の厚みおよび密度を有する負極合剤層を形成することによって得ることができる。なお、本発明に係る負極は、前記の製法により得られたものに限られず、他の製法で製造したものであってもよい。
負極合剤層に使用するバインダとしては、例えば、でんぷん、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセルロースなどの多糖類やそれらの変成体;ポリビニルクロリド、ポリビニルピロリドン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドイミド、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂やそれらの変成体;ポリイミド;エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム、ポリブタジエン、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシドなどのゴム状弾性を有するポリマーやそれらの変成体;などが挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
負極合剤層には、更に導電助剤として導電性材料を添加してもよい。このような導電性材料としては、非水二次電池内において化学変化を起こさないものであれば特に限定されず、例えば、カーボンブラック(サーマルブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなど)、炭素繊維、金属粉(銅、ニッケル、アルミニウム、銀など)、金属繊維、ポリフェニレン誘導体(特開昭59−20971号公報に記載のもの)などの材料を、1種または2種以上用いることができる。これらの中でも、カーボンブラックを用いることが好ましく、ケッチェンブラックやアセチレンブラックがより好ましい。
導電助剤として使用する炭素材料の粒径は、例えば、後述する実施例に記載の方法により求められる平均粒径で、0.01μm以上であることが好ましく、0.02μm以上であることがより好ましく、また、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。
負極合剤層においては、負極活物質の総量(SiOと炭素材料との複合体および黒鉛質炭素材料)を、80〜99質量%とし、バインダの量を1〜20質量%とすることが好ましい。また、別途導電助剤として導電性材料を使用する場合には、負極合剤層におけるこれらの導電性材料は、負極活物質の総量およびバインダ量が、前記の好適値を満足する範囲で使用することが好ましい。
負極合剤層の厚みは、例えば、10〜100μmであることが好ましい。
負極の集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、銅箔が用いられる。この負極集電体は、高エネルギー密度の電池を得るために負極全体の厚みを薄くする場合、厚みの上限は30μmであることが好ましく、機械的強度を確保するために下限は5μmであることが望ましい。
本発明の非水二次電池に係る正極には、例えば、正極活物質、バインダおよび導電助剤などを含む正極合剤層を、集電体の片面または両面に有する構造のものが使用できる。
正極活物質には、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物を使用する。このような正極活物質を含有する正極と、前記の負極とを組み合わせることで、リチウムイオン二次電池の高容量化が可能となるが、それは、以下の理由による。SiOを負極活物質に用いて構成した負極を、LiCoOなどのリチウムイオン二次電池に汎用されている充放電における不可逆容量の比較的小さい正極活物質を用いて構成した正極と組み合わせて電池とした場合、SiOの不可逆容量が大きいために、SiOの使用による高容量化効果が発現し難い。しかし、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物自体は、LiCoOよりも高容量であるものの、不可逆容量も比較的大きいため、これを用いた正極と、SiOを負極活物質として用いた負極とを組み合わせると、正負極の不可逆容量のバランスが良好となり、SiOの使用による高容量化効果が良好に発現する。
ところで、Mnを含有するリチウム含有複合酸化物を正極活物質とする正極と、SiOと炭素材料との複合体および黒鉛質炭素材料を負極活物質とする負極とを組み合わせて構成した電池では、前記の正極と、黒鉛質炭素材料などの炭素材料のみを負極活物質とする負極とを組み合わせて構成した電池に比べて、充放電サイクル特性が低下する。
Mnを含有するリチウム含有複合酸化物を正極活物質として使用した正極からは、Mnが溶出しやすいことが知られているが、SiOと炭素材料との複合体および黒鉛質炭素材料を負極活物質とする負極と組み合わせた電池では、SiOと炭素材料との複合体表面に選択的にMnが析出することが判明した。SiOと炭素材料との複合体および黒鉛質炭素材料を負極活物質とする負極においては、前記複合体に係るSiOの容量面での寄与率が黒鉛質炭素材料よりも大きいために、Mnの選択的析出によるSiOの劣化が、負極全体の劣化につながり、これにより、電池の充放電サイクル特性が損なわれるものと推測される。
これに対し、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物を正極活物質に用いた正極であれば、SiOと炭素材料との複合体および黒鉛質炭素材料を負極活物質とする負極と組み合わせても、充放電サイクル特性を高めつつ、高容量化を達成できる。これは、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物を用いた正極では、充放電を繰り返した際のMnの溶出量を低減できているためであると考えられる。
前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物において、Niは、その容量向上に寄与する成分である。
前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)における元素群Mの全元素数を100mol%としたとき、Niの割合aは、リチウム含有複合酸化物の容量向上を図る観点から、50mol%以上とし、60mol%以上とすることがより好ましい。ただし、元素群M中のNiの割合が多すぎると、例えば、CoやMnの量が減って、これらによる効果が小さくなる虞がある。よって、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)における元素群Mの全元素数を100mol%としたとき、Niの割合aは、97mol%以下とする。
また、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Coの割合bを49mol%以下として、結晶格子中にCoを存在させると、非水二次電池の充放電でのLiの挿入脱離によるリチウム含有複合酸化物の相転移から起こる不可逆反応を緩和でき、リチウム含有複合酸化物の結晶構造の可逆性を高めることができるため、充放電サイクル寿命の長い非水二次電池を構成することが可能となる。なお、Coを含有させることによる前記の効果をより良好に確保するには、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Coの割合bを1mol%以上とすることが好ましい。
更に、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Mnの割合cを49mol%以下として、結晶格子中にMnを存在させると、2価のNiとともに層状の構造を安定化させ、リチウム含有複合酸化物の熱的安定性を向上させ得ることから、より安全性の高い非水二次電池を構成することが可能となる。なお、Mnを含有させることによる前記の効果をより良好に確保するには、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Mnの割合cを1mol%以上とすることが好ましい。
また、前記リチウム含有複合酸化物は、元素群Mとして、Ni、CoおよびMnとともに、Mg、BaおよびZrより選ばれる少なくとも1種の元素を含有している。
前記リチウム含有複合酸化物において、結晶格子中にMgを存在させると、リチウム含有複合酸化物の結晶構造を安定化させることができるため、電池の充放電サイクルに伴うMnの溶出を抑制できると考えられる。また、Mgによる結晶構造の安定化効果によって、リチウム含有複合酸化物の熱的安定性を向上させ得るため、より安全性の高い非水二次電池を構成することが可能となる。更に、非水二次電池の充放電でのLiの挿入脱離によって前記リチウム含有複合酸化物の相転移が起こる際、MgがLiサイトに転位することによって不可逆反応を緩和し、前記リチウム含有複合酸化物の結晶構造の可逆性を高めることができるため、これによっても非水二次電池の充放電サイクル寿命を向上させることができる。特に、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、y<0として、リチウム含有複合酸化物をLi欠損な結晶構造とした場合には、Liの代わりにMgがLiサイトに入る形でリチウム含有複合酸化物を形成し、安定な化合物とすることができる。
ただし、Mgは充放電容量への関与が小さいため、前記リチウム含有複合酸化物中の含有量を多くすると、容量低下を引き起こす虞がある。よって、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Mgの割合を3mol%以下とすることが好ましい。なお、Mgを含有させることによる前記の効果をより良好に確保するには、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Mgの割合を0.01mol%以上とすることが好ましい。
Mnを含有する前記リチウム含有複合酸化物は一次粒子が成長し難い傾向があるが、Baを含有する場合には、一次粒子の成長が促進されてリチウム含有複合酸化物の結晶性が向上する。また、このように成長させたリチウム含有複合酸化物の粒子の表面は化学的に安定となり、これにより電池の充放電サイクルに伴うMnの溶出を抑制できると考えられる。また、Baによる結晶性の向上によって、活性点を低減することができ、正極合剤層を形成するための塗料(後述する正極合剤含有組成物)としたときの経時安定性が向上し、非水二次電池の有する非水電解液との不可逆な反応を抑制することができる。更に、これらの元素が、前記リチウム含有複合酸化物の粒子表面や粒界に存在することで、電池内のCOガスをトラップできるため、より貯蔵性に優れ長寿命の非水二次電池を構成することが可能となる。
ただし、Baは充放電反応に関与することができないため、前記リチウム含有複合酸化物中の含有量を多くすると、容量低下を引き起こす虞がある。よって、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Baの割合eを3mol%以下とすることが好ましい。なお、Baを含有させることによる前記の効果をより良好に確保するには、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Baの割合eを0.005mol%以上とすることが好ましい。
前記リチウム含有複合酸化物がZrを含有する場合、これがリチウム含有複合酸化物の粒子の粒界や表面に存在することで、リチウム含有複合酸化物の電気化学特性を損なうことなく、その表面活性を抑制する。そのため、電池の充放電サイクルに伴うMnの溶出を抑制できると考えられる。また、Zrによる粒子表面の活性抑制効果によって、より貯蔵性に優れ長寿命の非水二次電池を構成することが可能となる。
ただし、Zrは充放電反応に関与することができないため、前記リチウム含有複合酸化物中の含有量を多くすると、容量低下を引き起こす虞がある。よって、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Zrの割合fを3mol%以下とすることが好ましい。なお、Baを含有させることによる前記の効果をより良好に確保するには、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Zrの割合fを___mol%以上とすることが好ましい。
前記リチウム含有複合酸化物は、元素群Mとして、Mg、BaおよびZrより選ばれる少なくとも1種の元素を、Ni、CoおよびMnとともに含有していればよい。具体的には、前記リチウム含有複合酸化物は、Mg、BaおよびZrのうち、1種の元素のみを含有していてもよく、2種の元素を含有していてもよく、3種の元素全てを含有していてもよく、前記一般組成式(1)において、元素群Mの全元素数を100mol%としたときに、Coの割合bと、Mnの割合cと、Mgの割合dと、Baの割合eと、Zrの割合fとの合計を、3mol%以上50mol%以下とすればよい。
なお、前記リチウム含有複合酸化物は、これらMg、Ba、Zrを複数含有していることがより好ましい。例えばMgの効果により結晶構造を強固なものにし、Zrを含有することで表面の活性度を適度に落としてやれば更にMn溶出が少なくなり、充放電サイクル特性に優れた非水二次電池を構成することが可能になる。
なお、前記リチウム含有複合酸化物を表す前記一般組成式(1)における元素群Mは、Ni、Co、Mn、Mg、BaおよびZr以外の元素を含んでいてもよく、例えば、Cr、Fe、Cu、Zn、Ge、Sn、Ca、Sr、Ag、Ta、Nb、Mo、B、P、W、Gaなどの元素を含んでいても構わない。ただし、本発明の効果を十分に得るためには、元素群Mの全元素数を100mol%としたときの、Ni、Co、Mn、Mg、BaおよびZr以外の元素の割合は、10mol%以下とすることが好ましく、3mol%以下とすることがより好ましい。元素群MにおけるNi、Co、Mn、Mg、BaおよびZr以外の元素は、リチウム含有複合酸化物中に均一に分布していてもよく、また、粒子表面などに偏析していてもよい。
前記の組成を有するリチウム含有複合酸化物は、その真密度が4.55〜4.95g/cmと大きな値になり、高い体積エネルギー密度を有する材料となる。なお、Al、Mnを一定範囲で含むリチウム含有複合酸化物の真密度は、その組成により大きく変化するが、前記のような狭い組成範囲では安定して合成でき前記のような大きな真密度となるものと考えられる。また、リチウム含有複合酸化物の質量当たりの容量を大きくすることができ、可逆性に優れた材料とすることができる。
前記リチウム含有複合酸化物は、特に化学量論比に近い組成のときに、その真密度が大きくなるが、具体的には、前記一般組成式(1)において、−0.15≦y≦0.15とすることが好ましく、yの値をこのように調整することで、真密度および可逆性を高めることができる。yは、−0.1以上0.1以下であることがより好ましく、この場合には、リチウム含有複合酸化物の真密度を4.6g/cm以上と、より高い値にすることができる。
前記リチウム含有複合酸化物は、粒子表面の活性を適度に抑えることで、本発明の非水二次電池において、ガス発生を抑制し、特に角形(角筒形)の外装体を有する電池とした場合に外装体の変形を抑えて、貯蔵性や寿命を向上させることができる。このような効果を確保する観点から、前記リチウム含有複合酸化物は、以下の形態を有することが好ましい。まず、前記リチウム含有複合酸化物は、粒子状で、その全一次粒子中、粒径が0.7μm以下の一次粒子の割合が、30体積%以下であることが好ましく、15体積%以下であることがより好ましい。また、前記リチウム含有複合酸化物のBET比表面積が、0.3m/g以下であることが好ましく、0.25m/g以下であることがより好ましい。
すなわち、リチウム含有複合酸化物において、全一次粒子中における粒径が0.7μm以下の一次粒子の割合が大きすぎたり、BET比表面積が大きすぎる場合には、反応面積が大きく活性点が多くなるため、大気中の水分や、電極合剤層の形成に用いる結着剤、電池の非水電解質との不可逆な反応が起こりやすくなり、電池内でガスが発生して外装体の変形を引き起こす虞や、正極合剤層の形成に使用する溶剤を含む組成物(ペースト、スラリーなど)のゲル化を引き起こす虞がある。
なお、前記リチウム含有複合酸化物は、粒径が0.7μm以下の一次粒子を全く含まなくてもよい(すなわち、粒径が0.7μm以下の一次粒子の割合が0体積%であってもよい)。また、前記リチウム含有複合酸化物のBET比表面積は、その反応性が必要以上に低下するのを防ぐために、0.1m/g以上であることが好ましい。更に、前記リチウム含有複合酸化物は、数平均粒子径が、5〜25μmであることが好ましい。
なお、前記リチウム含有複合酸化物中に含まれる、粒径が0.7μm以下の一次粒子の割合、およびリチウム含有複合酸化物の数平均粒子径(更には、後記の他の活物質の数平均粒子径)は、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置、例えば、日機装社製「マイクロトラックHRA」などにより測定することができる。また、前記リチウム含有複合酸化物のBET比表面積は、多分子層吸着の理論式であるBET式を用いて、表面積を測定、計算したもので、活物質の表面と微細孔の比表面積である。具体的には、窒素吸着法による比表面積測定装置(Mountech社製「Macsorb HM modele−1201」)を用いて、BET比表面積として得た値である。
前記リチウム含有複合酸化物の粒子は、正極合剤層の密度を高め、正極の容量、ひいては非水二次電池の容量をより高める観点から、その形状が、球状または略球状であることが好ましい。これにより、正極作製時のプレス工程(詳しくは後述する。)において、プレス処理によってリチウム含有複合酸化物の粒子を移動させて正極合剤層の密度を高める際に、粒子の移動が無理なく行われ、粒子がスムーズに再配列されるようになる。そのため、プレス荷重を小さくすることができることから、プレスに伴う集電体のダメージを軽減でき、正極の生産性、更には非水二次電池の生産性を高めることが可能となる。また、前記リチウム含有複合酸化物の粒子が、球状または略球状の場合には、粒子がより大きなプレス圧にも耐えることができるため、正極合剤層をより高密度とすることも可能となる。
更に、前記リチウム含有複合酸化物は、正極合剤層における充填性を高める観点から、タップ密度が、2.3g/cm以上であることが好ましく、2.8g/cm以上であることがより好ましい。また、前記リチウム含有複合酸化物のタップ密度は、3.8g/cm以下であることが好ましい。すなわち、タップ密度が高く、粒子内部に空孔を有さないか、粒子の断面観察から測定される1μm以下の微小な空孔の面積比率が10%以下であるような、空孔の割合の少ない粒子とすることで、電極合剤層でのリチウム含有複合酸化物の充填性を高めることができる。
リチウム含有複合酸化物のタップ密度は、ホソカワミクロン製「パウダテスタPT−S型」を用い、以下の測定により求められる値である。測定用カップ100cmに粒子をすり切り一杯入れ、体積が減少した分を適宜補充しながら180回タッピングを行う。タッピング終了後、余分な粒子をブレードですり切った後、質量(A)(g)を測定し、次式にてタップ密度を求める。
タップ密度=(A)/100
前記リチウム含有複合酸化物を合成するにあたっては、Li含有化合物、Ni含有化合物、Co含有化合物、Mn含有化合物などの原料化合物を単純に混合して焼成するだけでは、高い純度で得ることが非常に困難である。これは、NiやMnなどは、固体中での拡散速度が遅いため、リチウム含有複合酸化物の合成反応時に、これらを均一に拡散させることが困難であり、生成したリチウム含有複合酸化物中にNiや、Mnなどが均一に分布し難いことが原因であると考えられる。
そこで、本発明に係る前記リチウム含有複合酸化物を合成する際、Ni、CoおよびMnを構成元素として含有する複合化合物と、Mg、BaおよびZrより選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物とLi含有化合物とを焼成する方法を採用することが好ましく、このような方法によって、前記リチウム含有複合酸化物を、高い純度で比較的容易に合成できる。すなわち、Ni、CoおよびMnを少なくとも含有する複合化合物を予め合成しておき、これとMg、BaおよびZrより選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物とをLi含有化合物と共に焼成することにより、酸化物形成反応において、Ni、CoおよびMnが均一に分布し、リチウム含有複合酸化物がより高純度で合成される。Mg、BaおよびZrより選ばれる少なくとも1種の元素を含む化合物についても同様であり、より均一なリチウム含有複合酸化物を作製するために、前記複合酸化物を予め合成する際にNi、CoおよびMnと、Mg、BaおよびZrより選ばれる少なくとも1種の元素とを含む複合酸化物を作製して、これとLi含有化合物と共に焼成する方法をとってもよい。
本発明に係るリチウム含有複合酸化物の合成方法は、前記の方法に限定されるものではないが、どのような合成過程を経るかによって、最終的に得られる複合酸化物の物性、すなわち、構造の安定性や充放電の可逆性、真密度などが大きく変化するものと推測される。
ここで、並びにNi、CoおよびMnと、Mg、BaおよびZrより選ばれる少なくとも1種の元素とを含有する複合化合物としては、例えば、Ni、CoおよびMnと、Mg、BaおよびZrより選ばれる少なくとも1種の元素とを含む共沈化合物、水熱合成された化合物、メカニカル合成された化合物、およびそれらを熱処理して得られる化合物などが挙げられ、Ni0.69Co0.15Mn0.15Mg0.01(OH)、Ni0.69Co0.15Mn0.15Mg0.01OOHなどの、Ni、CoおよびMgと、Mg、BaおよびZrより選ばれる少なくとも1種の元素とを含む水酸化物、オキシ水酸化物、また、それらを熱処理して得られる酸化物が好ましい。
なお、元素群Mの一部に、さらに、Mg、BaおよびZrより選ばれる少なくとも1種の元素、並びにNi、CoおよびMn以外の元素(例えば、Cr、Fe、Cu、Zn、Ge、Sn、Ca、Sr、Ag、Ta、Nb、Mo、B、P、WおよびGaよりなる群から選択される少なくとも1種の元素。以下、これらを纏めて「元素M’」という。)を含有する前記リチウム含有複合酸化物は、Ni、CoおよびMnと、Mg、BaおよびZrより選ばれる少なくとも1種の元素とを含有する複合化合物と、Li含有化合物と、元素M’を含有する化合物とを混合して焼成することにより合成することができる。
ただし、より均質な複合酸化物を得るためには、元素M’は、Niなどを含む複合化合物に一緒に含まれていることが好ましく、元素群Mの構成元素を全て含む複合化合物、すなわち、Mg、BaおよびZrより選ばれる少なくとも1種の元素、並びにNi、Co、Mnおよび元素M’を含有する複合化合物を用いることが好ましい。
なお、前記複合化合物におけるMg、BaおよびZrより選ばれる少なくとも1種の元素、並びにNi、Co、Mnおよび元素M’の量比は、目的とするリチウム含有複合酸化物の組成に応じて適宜調整すればよい。
前記リチウム含有複合酸化物の合成に用い得るLi含有化合物としては、種々のリチウム塩を用いることができ、例えば、水酸化リチウム、硝酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸リチウム、臭化リチウム、塩化リチウム、クエン酸リチウム、フッ化リチウム、ヨウ化リチウム、乳酸リチウム、シュウ酸リチウム、リン酸リチウム、ピルビン酸リチウム、硫酸リチウム、酸化リチウムなどが挙げられ、それらの中でも、炭酸ガス、窒素酸化物、硫黄酸化物などの環境に悪影響を及ぼすガスが発生しない点で、水酸化リチウムが好ましい。
前記リチウム含有複合酸化物を合成するには、まず、前記の各種原料化合物を、これら化合物に含まれる各元素が、目的とするリチウム含有複合酸化物の組成にほぼ応じた比率となるように混合する。そして、得られた原料混合物を、例えば、600〜1000℃で1〜24時間焼成することで、前記リチウム含有複合酸化物を得ることができる。
前記原料混合物の焼成に際しては、一度に所定温度まで昇温するよりも、一旦焼成温度よりも低い温度(例えば、250〜850℃)まで加熱し、その温度で保持することにより予備加熱を行い、その後に焼成温度まで昇温して反応を進行させることが好ましく、また、焼成環境の酸素濃度を一定に保つことが好ましい。
これは、本発明に係る前記リチウム含有複合酸化物の生成過程において、3価のNiが不安定であるために非化学量論組成となりやすいことから、前記原料混合物に係る各種原料化合物の反応を段階的に生じさせて、生成するリチウム含有複合酸化物の均質性を高め、また、生成したリチウム含有複合酸化物を安定して結晶成長させるためである。すなわち、一度に焼成温度まで昇温した場合や、焼成環境の酸化濃度が焼成途中に低下するような場合には、前記原料混合物に係る各種原料化合物が不均一に反応しやすく、組成の均一性が損なわれやすい。
なお、前記予備加熱の時間については特に制限はないが、通常、0.5〜30時間程度とすればよい。
また、前記原料混合物の焼成時の雰囲気は、酸素を含む雰囲気(すなわち、大気中)、不活性ガス(アルゴン、ヘリウム、窒素など)と酸素ガスとの混合雰囲気、酸素ガス雰囲気などとすることができるが、その際の酸素濃度(体積基準)は、15%以上であることが好ましく、18%以上であることが好ましい。ただし、リチウム含有複合酸化物の粒子の製造コストを低減して、粒子の生産性、ひいては電極の生産性を高める観点からは、大気フロー中で前記原料混合物の焼成を行うことが、より好ましい。
前記原料混合物の焼成時における前記ガスの流量は、前記混合物100gあたり2dm/分以上とすることが好ましい。ガスの流量が少なすぎる場合、すなわちガス流速が遅すぎる場合には、リチウム含有複合酸化物の組成の均質性が損なわれる虞がある。なお、前記原料混合物の焼成時における前記ガスの流量は、前記混合物100gあたり5dm/分以下とすることが好ましい。
また、前記原料混合物を焼成する工程では、乾式混合された混合物をそのまま用いてもよいが、原料混合物をエタノールなどの溶媒に分散させてスラリー状にし、遊星型ボールミルなどで30〜60分間程度混合し、これを乾燥させたものを用いることが好ましく、このような方法によって、合成されるリチウム含有複合酸化物の均質性を更に高めることができる。
前記の製造方法において、組成に応じて適宜ガス組成や焼成温度を制御することによって、前記の粒度やBET比表面積、数平均粒子径、タップ密度を満足するリチウム含有複合酸化物を得ることができる。
また、正極活物質には、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物以外のリチウム含有複合酸化物を併用してもよい。このようなリチウム含有複合酸化物としては、例えば、LiCoOなどのリチウムコバルト酸化物;LiMnO、LiMnOなどのリチウムマンガン酸化物;LiNiOなどのリチウムニッケル酸化物;LiCo1−xNiOなどの層状構造のリチウム含有複合酸化物;LiMn、Li4/3Ti5/3などのスピネル構造のリチウム含有複合酸化物;LiFePOなどのオリビン構造のリチウム含有複合酸化物;前記の酸化物を基本組成とし各種元素で置換した酸化物;などが挙げられる。
正極活物質には、少なくとも前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物を使用するが、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物のみを使用するか、または、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物とLiCoOとを併用することがより好ましい。前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物とLiCoOとを混合併用した場合、LiCoOの真密度は高く、比較的高い電位で充放電を行うので、高い起電力をと比較的大きな容量を両立した電池を構成することができる。
なお、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物を他のリチウム含有複合酸化物と併用する場合には、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物の使用による効果をより良好に確保する観点から、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物の割合を、活物質全体の5質量%以上とすることが好ましく、10質量%以上とすることがより好ましい。
前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物と、他の活物質とを併用する場合には、これらを単に混合して用いてもよいが、これらの粒子を造粒などにより一体化した複合粒子として使用することがより好ましく、この場合には、正極合剤層における活物質の充填密度が向上し、活物質粒子相互間の接触をより確実にすることができる。そのため、非水二次電池の容量および負荷特性を更に高めることができる。
前記複合粒子とする場合、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物と他の活物質のいずれか一方の数平均粒子径が、他方の数平均粒子径の1/2以下であることが好ましい。このように、大きな数平均粒子径の粒子(以下、「大粒子」という。)と、小さな数平均粒子径の粒子(以下、「小粒子」という。)とを組み合わせて複合粒子を形成する場合には、小粒子が、大粒子の周囲に分散、定着しやすくなり、より均一な混合比の複合粒子を形成することができる。そのため、電極内での不均一な反応を抑えることができ、電気化学素子の充放電サイクル特性や安全性を更に高めることが可能となる。
なお、前記のように大粒子と小粒子とを使用して複合粒子を形成する場合、大粒子の数平均粒子径は、10〜30μmであることが好ましく、また、小粒子の数平均粒子径は、1〜15μmであることが好ましい。
前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物と他の活物質との複合粒子は、例えば、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物の粒子と他の活物質の粒子とを、一般的な一軸混練機や二軸混練機などの種々の混練機を用いて混合し、粒子同士を摺り合せてシェアをかけることで複合化して得ることができる。また、前記の混練は、複合粒子の生産性を考慮すれば、原料を連続的に供給する連続混練方式が好ましい。
前記混練の際には、前記の各活物質粒子に、更にバインダを加えることが好ましい。これにより、形成される複合粒子の形状を強固に保つことができる。また、導電助剤も加えて混練することがより好ましい。これにより、活物質粒子間の導電性を更に高めることができる。
前記複合粒子の製造時に添加するバインダとしては、非水二次電池内で化学的に安定なものであれば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン(PHFP)、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、または、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体およびそれら共重合体のNaイオン架橋体などが挙げられ、これらを1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、非水二次電池内での安定性や非水二次電池の特性などを考慮すると、PVDF、PTFE、PHFPが好ましく、また、これらを併用したり、これらのモノマーにより形成される共重合体を用いたりしてもよい。
前記複合粒子を形成する場合の結着剤の添加量は、複合粒子を安定化できれば少ないほど好ましく、例えば、全活物質100質量部に対して、0.03〜2質量部であることが好ましい。
前記複合粒子の製造時に添加する導電助剤としては、非水二次電池内で化学的に安定なものであればよい。例えば、天然黒鉛、人造黒鉛などのグラファイト、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(商品名)、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維;アルミニウム粉などの金属粉末;フッ化炭素;酸化亜鉛;チタン酸カリウムなどからなる導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料;などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、導電性の高い黒鉛と、吸液性に優れたカーボンブラックが好ましい。また、導電助剤の形態としては、一次粒子に限定されず、二次凝集体や、チェーンストラクチャーなどの集合体の形態のものも用いることができる。このような集合体の方が、取り扱いが容易であり、生産性が良好となる。
前記複合粒子を形成する場合の導電助剤の添加量は、導電性と吸液性が良好に確保できればよく、例えば、全活物質100質量部に対して、0.1〜2質量部であることが好ましい。
また、前記複合粒子の空孔率は、5〜15%であることが好ましい。このような空孔率を有する複合粒子であれば、非水電解液との接触や、非水電解液の複合粒子への浸透が適度となるからである。
更に、前記複合粒子の形状も、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物と同様に、球状または略球状であることが好ましい。これにより、正極合剤層の更なる高密度化が可能となる。
正極は、例えば、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物や前記複合粒子を活物質として含む正極合剤層を、集電体の片面または両面に形成することにより製造することができる。
正極合剤層は、例えば、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物や前記複合粒子、バインダおよび導電助剤を溶剤に添加してペースト状やスラリー状の正極合剤含有組成物を調製し、これを種々の塗工方法によって集電体表面に塗布し、乾燥し、更にプレス工程によって正極合剤層の厚みや密度を調整することにより形成することができる。
ここで、正極合剤層に、導電助剤と、フッ素系樹脂やシラン化合物などの撥水剤とを存在させることにより、固相・液相・気相の三相界面が形成されやすくなるため、ガス吸収が容易になり、更に優れた貯蔵性、長寿命を有する非水二次電池を構成することが可能となる。
正極合剤含有組成物を集電体表面に塗布する際の塗工方法としては、例えば、ドクターブレードを用いた基材引き上げ方式;ダイコータ、コンマコータ、ナイフコータなどを用いたコータ方式;スクリーン印刷、凸版印刷などの印刷方式:などを採用することができる。
正極合剤含有組成物の調製に用い得るバインダおよび導電助剤としては、前記複合粒子の形成に用い得るものとして例示した各種バインダおよび各種導電助剤が挙げられる。
正極合剤層においては、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物を含む全活物質を、80〜99質量%とし、バインダ(複合粒子中に含有されるものを含む)を、0.5〜10質量%とし、導電助剤(複合粒子中に含有されるものを含む)を、0.5〜10質量%とすることが好ましい。
また、プレス処理後において、正極合剤層の厚みは、集電体の片面あたり、15〜200μmであることが好ましい。更に、プレス処理後において、正極合剤層の密度は、3.1g/cm以上であることが好ましく、3.52g/cm以上であることがより好ましい。このような高密度の正極合剤層を有する電極とすることで、より高容量化を図ることができる。ただし、正極合剤層の密度が大きすぎると、空孔率が小さくなって、非水電解液の浸透性が低下する虞があることから、プレス処理後における正極合剤層の密度は、4.0g/cm以下であることが好ましい。なお、プレス処理としては、例えば、1〜100kN/cm程度の線圧でロールプレスすることができ、このような処理によって、前記の密度を有する電極合剤層とすることができる。
また、本明細書でいう正極合剤層の密度は、以下の方法により測定される値である。正極を所定面積に切り取り、その質量を最小目盛0.1mgの電子天秤を用いて測定し、集電体の質量を差し引いて正極合剤層の質量を算出する。一方、正極の全厚を最小目盛1μmのマイクロメーターで10点測定し、これらの測定値から集電体の厚みを差し引いた値の平均値と、面積とから、正極合剤層の体積を算出する。そして、前記正極合剤層の質量を前記体積で割ることにより正極合剤層の密度を算出する。
正極の集電体の材質は、構成された非水二次電池において化学的に安定な電子伝導体であれば特に限定されない。例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、炭素、導電性樹脂などの他に、アルミニウム、アルミニウム合金またはステンレス鋼の表面に炭素層またはチタン層を形成した複合材などを用いることができる。これらの中でも、アルミニウムまたはアルミニウム合金が特に好ましい。これらは、軽量で電子伝導性が高いからである。正極の集電体には、例えば、前記材質からなるフォイル、フィルム、シート、ネット、パンチングシート、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体などが使用される。また、集電体の表面に、表面処理を施して凹凸を付けることもできる。集電体の厚みは特に限定されないが、通常1〜500μmである。
なお、本発明に係る正極は、前記の製造方法により製造されたものに限定されず、他の製造方法により製造されたものであってもよい。例えば、前記複合粒子を活物質として使用する場合には、正極合剤含有組成物を用いずに、前記複合粒子を、そのまま集電体表面に定着させて正極合剤層を形成する方法によって得られた正極であってもよい。
また、本発明に係る正極および負極には、必要に応じて、非水二次電池内の他の部材と電気的に接続するためのリード体を、常法に従って形成してもよい。
本発明の非水二次電池は、前記の負極および正極を有していればよく、その他の構成および構造については特に制限はなく、従来から知られている非水二次電池で採用されている構成および構造を適用することができる。
本発明の非水二次電池に係るセパレータは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン;ポリエチレンテレフタレートや共重合ポリエステルなどのポリエステル;などで構成された多孔質膜であることが好ましい。なお、セパレータは、100〜140℃において、その孔が閉塞する性質(すなわちシャットダウン機能)を有していることが好ましい。そのため、セパレータは、融点、すなわち、JIS K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度が、100〜140℃の熱可塑性樹脂を成分とするものがより好ましく、ポリエチレンを主成分とする単層の多孔質膜であるか、ポリエチレンとポリプロピレンとを2〜5層積層した積層多孔質膜などの多孔質膜を構成要素とする積層多孔質膜であることが好ましい。ポリエチレンとポリプロピレンなどのポリエチレンより融点の高い樹脂を混合または積層して用いる場合には、多孔質膜を構成する樹脂としてポリエチレンが30質量%以上であることが望ましく、50質量%以上であることがより望ましい。
このような樹脂多孔質膜としては、例えば、従来から知られている非水二次電池などで使用されている前記例示の熱可塑性樹脂で構成された多孔質膜、すなわち、溶剤抽出法、乾式または湿式延伸法などにより作製されたイオン透過性の多孔質膜を用いることができる。
セパレータの平均孔径は、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上であって、好ましくは1μm以下、より好ましくは0.5μm以下である。
また、セパレータの特性としては、JIS P 8117に準拠した方法で行われ、0.879g/mmの圧力下で100mlの空気が膜を透過する秒数で示されるガーレー値が、10〜500secであることが望ましい。透気度が大きすぎると、イオン透過性が小さくなり、他方、小さすぎると、セパレータの強度が小さくなることがある。更に、セパレータの強度としては、直径1mmのニードルを用いた突き刺し強度で50g以上であることが望ましい。かかる突き刺し強度が小さすぎると、リチウムのデンドライト結晶が発生した場合に、セパレータの突き破れによる短絡が発生する場合がある。
なお、非水二次電池内部が150℃以上となった場合でも、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物は熱的安定性に優れているため、安全性を保つことができる。
非水電解液には、電解質塩を有機溶媒に溶解させた溶液を使用することができる。溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチル、燐酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、ジエチルエーテル、1,3−プロパンサルトンなどの非プロトン性有機溶媒が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、これらの2種以上を併用してもよい。また、アミンイミド系有機溶媒や、含イオウまたは含フッ素系有機溶媒なども用いることができる。これらの中でも、ECとMECとDECとの混合溶媒が好ましく、この場合、混合溶媒の全容量に対して、DECを15容量%以上80容量%以下の量で含むことがより好ましい。このような混合溶媒であれば、電池の低温特性や充放電サイクル特性を高く維持しつつ、高電圧充電時における溶媒の安定性を高めることができるからである。
非水電解液に係る電解質塩としては、リチウムの過塩素酸塩、有機ホウ素リチウム塩、トリフロロメタンスルホン酸塩などの含フッ素化合物の塩、またはイミド塩などが好適に用いられる。このような電解質塩の具体例としては、例えば、LiClO、LiPF
、LiBF、LiAsF、LiSbF、LiCFSO、LiCSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO(n≧2)、LiN(RfOSO2)〔ここで、Rfはフルオロアルキル基を表す。〕などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、これらの2種以上を併用してもよい。これらの中でも、LiPFやLiBFなどが、充放電特性が良好なことからより好ましい。これらの含フッ素有機リチウム塩はアニオン性が大きく、かつイオン分離しやすいので前記溶媒に溶解しやすいからである。溶媒中における電解質塩の濃度は特に限定されないが、通常0.5〜1.7mol/Lである。
また、前記の非水電解液に安全性や充放電サイクル性、高温貯蔵性といった特性を向上させる目的で、ビニレンカーボネート類、1,3−プロパンサルトン、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキシルベンゼン、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼンなどの添加剤を適宜加えることもできる。前記リチウム含有複合酸化物がMnを含む場合や、前記複合粒子にMnを含有する活物質を使用する場合には、それらの表面活性を安定にできることから、硫黄元素を含む添加剤を加えることが特に好ましい。
本発明の非水二次電池は、例えば、前記の負極と前記の正極とを、前記のセパレータを介して積層した電極積層体や、更にこれを渦巻状に巻回した電極巻回体を作製し、このような電極体と、前記の非水電解質とを、常法に従い外装体内に封入して構成される。電池の形態としては、従来から知られている非水二次電池と同様に、筒形(円筒形や角筒形)の外装缶を使用した筒形電池や、扁平形(平面視で円形や角形の扁平形)の外装缶を使用した扁平形電池、金属を蒸着したラミネートフィルムを外装体としたソフトパッケージ電池などとすることができる。また、外装缶には、スチール製やアルミニウム製のものが使用できる。
本発明の非水二次電池は、高容量であり、かつ優れた電池特性を有していることから、これらの特性を生かして、小型で多機能な携帯機器の電源を始めとして、従来から知られている非水二次電池が適用されている各種用途に好ましく用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1
SiO(体積平均粒径5.0μm)を沸騰床反応器中で約1000℃に加熱し、加熱された粒子にメタンと窒素ガスからなる25℃の混合ガスを接触させ、1000℃で60分間CVD処理を行った。このようにして前記混合ガスが熱分解して生じた炭素(以下「CVD炭素」ともいう)を複合粒子に堆積させて被覆層を形成し、SiOと炭素材料との複合体(炭素被覆SiO)を得た。
被覆層形成前後の質量変化から前記SiOと炭素材料との複合体の組成を算出したところ、SiO:CVD炭素=85:15(質量比)であった。
次に、前記のSiOと炭素材料との複合体と、黒鉛とを用いて、負極前駆体シートを作製した。前記炭素被覆SiOを7質量%(固形分全量中の含有量、以下同じ)と、黒鉛91質量%と、バインダとしてCMC1質量%と、SBR1質量%と、更に水とを混合して負極合剤含有スラリーを調製した。
ブレードコーターを用いて、前記の負極合剤含有スラリーを厚みが10μmの銅箔からなる集電体の両面に塗布し、100℃で乾燥した後ローラープレス機により圧縮成形して、片面あたりの厚みが60μmの負極合剤層を形成した。集電体上に負極合剤層を形成した電極を、真空中100℃で15時間乾燥させた。
乾燥後の電極について、更に遠赤外線ヒーターを用いて160℃で15時間熱処理を施した。熱処理後の電極では、負極合剤層と集電体との接着性は強固であり、裁断や折り曲げによっても、負極合剤層が集電体から剥離することはなかった。
その後,前記電極を幅37mmに裁断して短冊状の負極を得た。
また、正極を以下のようにして作製した。
まず、硫酸ニッケル、硫酸コバルトおよび硫酸マンガン、硫酸マグネシウムを、それぞれ、1.78mol/dm、0.594mol/dm、0.594mol/dm、0.03mol/dmの濃度で含有する混合水溶液を調製した。次に水酸化ナトリウムの添加によってpHを約12に調整したアンモニア水を反応容器に入れ、これを強攪拌しながら、この中に、前記混合水溶液と、25質量%濃度のアンモニア水とを、それぞれ、23cm/分、6.6cm/分の割合で、定量ポンプを用いて滴下して、NiとCoとMnとの共沈化合物(球状の共沈化合物)を合成した。なお、この際、反応液の温度は50℃に保持し、また、反応液のpHが12付近に維持されるように、3mol/dm濃度の水酸化ナトリウム水溶液の滴下も同時に行い、更に窒素ガスを1dm/分の流量でバブリングした。
前記の共沈化合物を水洗、濾過および乾燥させて、水酸化物を得た。この水酸化物とLiOH・HOとをモル比で1:1になるようにエタノール中に分散させてスラリー状にした後、遊星型ボールミルで40分間混合し、室温で乾燥させて混合物を得た。次いで、前記混合物をアルミナ製のるつぼに入れ、2dm/分のドライエアーフロー中で600℃まで加熱し、その温度で2時間保持して予備加熱を行い、更に900℃に昇温して12時間焼成することにより、リチウム含有複合酸化物を合成した。
得られたリチウム含有複合酸化物を水で洗浄した後、大気中(酸素濃度が約20vol%)で、850℃で12時間熱処理し、その後乳鉢で粉砕して粉体とした。粉砕後のリチウム含有複合酸化物は、デシケーター中で保存した。
前記リチウム含有複合酸化物について、その組成分析を、ICP(Inductive Coupled Plasma)法を用いて以下のように行った。まず、前記リチウム含有複合酸化物を0.2g採取して100mL容器に入れた。その後、純水5mL、王水2mL、純水10mLを順に加えて加熱溶解し、冷却後、さらに25倍に希釈してICP(JARRELASH社製「ICP−757」)にて組成を分析した(検量線法)。得られた結果から、前記リチウム含有複合酸化物の組成を導出したところ、Li1.0Ni0.59Co0.2Mn0.2Mg0.01で表される組成であることが判明した。
また、前記リチウム含有複合酸化物は、BET比表面積が0.25m/gであり、全一次粒子中の0.7μm以下である一次粒子の割合が11.7体積%であった。
前記リチウム含有複合酸化物96質量%(固形分全量中の含有量。以下同じ。)と、導電助剤としてケッチェンブラック2質量%と、バインダとしてPVDF2質量%と、脱水N−メチル−2−ピロリドン(NMP)とを混合して得た正極合剤含有スラリーを、厚みが15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥後プレスして、片面あたりの厚みが70μmの正極合剤層を形成した。その後、これを幅36mmに裁断して短冊状の正極を得た。
次に、前記の負極と前記の正極とを、微孔性ポリエチレンフィルム製のセパレータ(厚み18μm、空孔率50%)を介して重ね合わせてロール状に巻回した後、正負極に端子を溶接し、厚み49mm、幅42mm、高さ61mm(494261型)のアルミニウム合金製正極缶に挿入し、蓋を溶接して取り付けた。その後、蓋の注液口よりEC:DEC=3:7(体積比)にビニレンカーボネートを3質量%溶解させた溶液に、更にLiPFを1mol%になるように溶解させて調製した非水電解液3.6gを容器内に注入し、密閉して、図1に示す構造で、図2に示す外観の角形非水二次電池を得た。
ここで図1および図2に示す電池について説明すると、図1の(a)は平面図、(b)はその部分断面図であって、図1(b)に示すように、正極1と負極2はセパレータ3を介して渦巻状に巻回した後、扁平状になるように加圧して扁平状の電極巻回体6として、角形(角筒形)の正極缶4に非水電解液と共に収容されている。ただし、図1では、煩雑化を避けるため、正極1や負極2の作製にあたって使用した集電体としての金属箔や電解液などは図示していない。
正極缶4はアルミニウム合金製で電池の外装体を構成するものであり、この正極缶4は正極端子を兼ねている。そして、正極缶4の底部にはポリエチレンシートからなる絶縁体5が配置され、正極1、負極2およびセパレータ3からなる扁平状電極巻回体6からは、正極1および負極2のそれぞれ一端に接続された正極リード体7と負極リード体8が引き出されている。また、正極缶4の開口部を封口するアルミニウム合金製の蓋(封口用蓋板)9にはポリプロピレン製の絶縁パッキング10を介してステンレス鋼製の端子11が取り付けられ、この端子11には絶縁体12を介してステンレス鋼製のリード板13が取り付けられている。
そして、この蓋9は正極缶4の開口部に挿入され、両者の接合部を溶接することによって、正極缶4の開口部が封口され、電池内部が密閉されている。また、図1の電池では、蓋9に電解液注入口14が設けられており、この電解液注入口14には、封止部材が挿入された状態で、例えばレーザー溶接などにより溶接封止されて、電池の密閉性が確保されている(従って、図1および図2の電池では、実際には、電解液注入口14は、電解液注入口と封止部材であるが、説明を容易にするために、電解液注入口14として示している)。更に、蓋9には、電池の温度が上昇した際に内部のガスを外部に排出する機構として、開裂ベント15が設けられている。
この実施例1の電池では、正極リード体7を蓋9に直接溶接することによって正極缶4と蓋9とが正極端子として機能し、負極リード体8をリード板13に溶接し、そのリード板13を介して負極リード体8と端子11とを導通させることによって端子11が負極端子として機能するようになっているが、正極缶4の材質などによっては、その正負が逆になる場合もある。
図2は前記図1に示す電池の外観を模式的に示す斜視図であり、この図2は前記電池が角形電池であることを示すことを目的として図示されたものであって、この図1では電池を概略的に示しており、電池の構成部材のうち特定のものしか図示していない。また、図1においても、電極体の内周側の部分は断面にしていない。
実施例2
まず、硫酸ニッケル、硫酸コバルトおよび硫酸マンガンを、それぞれ、1.8mol/dm、0.6mol/dm、0.6mol/dmの割合で含有する混合水溶液を調製した以外は実施例1と同様に水酸化物を作成した。この水酸化物とLiOH・HOとBaCOとをモル比で1:1:0.001になるようにエタノール中に分散させてスラリー状にした後、遊星型ボールミルで40分間混合し、室温で乾燥させて混合物を得たこと以外は実施例1と同様にリチウム含有複合酸化物を合成した。
前記リチウム含有複合酸化物について、実施例1と同様にしてICPで組成を分析したところ、Li1.0Ni0.6Co0.2Mn0.2Ba0.001で表される組成であることが判明した。
また、前記リチウム含有複合酸化物は、BET比表面積が0.2m/gであり、全一次粒子中の0.7μm以下である一次粒子の割合が9.0体積%であった。
正極活物質を前記リチウム含有複合酸化物に変更した以外は、実施例1と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
実施例3
まず、実施例2と同様にして水酸化物を作製した。この水酸化物とLiOH・HOとZrOとをモル比で1:1:0.001になるようにエタノール中に分散させてスラリー状にした後、遊星型ボールミルで40分間混合し、室温で乾燥させて混合物を得たこと以外は実施例1と同様にしてリチウム含有複合酸化物を合成した。
前記リチウム含有複合酸化物について、実施例1と同様にしてICPで組成を分析したところ、Li1.0Ni0.6Co0.2Mn0.2Zr0.001で表される組成であることが判明した。
また、前記リチウム含有複合酸化物は、BET比表面積が0.28m/gであり、全一次粒子中の0.7μm以下である一次粒子の割合が13.4体積%であった。
正極活物質を前記リチウム含有複合酸化物に変更した以外は、実施例1と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
実施例4
まず、実施例1と同様にして水酸化物を作製した。この水酸化物とLiOH・HOとZrOとをモル比で1:1:0.001になるようにエタノール中に分散させてスラリー状にした後、遊星型ボールミルで40分間混合し、室温で乾燥させて混合物を得たこと以外は実施例1と同様にしてリチウム含有複合酸化物を合成した。
前記リチウム含有複合酸化物について、実施例1と同様にしてICPで組成を分析したところ、Li1.0Ni0.59Co0.2Mn0.2Mg0.01Zr0.001で表される組成であることが判明した。
また、前記リチウム含有複合酸化物は、BET比表面積が0.22m/gであり、全一次粒子中の0.7μm以下である一次粒子の割合が12.5体積%であった。
正極活物質を前記リチウム含有複合酸化物に変更した以外は、実施例1と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
実施例5
まず、実施例1と同様にして水酸化物を作製した。この水酸化物とLiOH・HOとBaCOとをモル比で1:1:0.001になるようにエタノール中に分散させてスラリー状にした後、遊星型ボールミルで40分間混合し、室温で乾燥させて混合物を得たこと以外は実施例1と同様にしてリチウム含有複合酸化物を合成した。
前記リチウム含有複合酸化物について、実施例1と同様にしてICPで組成を分析したところ、Li1.0Ni0.59Co0.2Mn0.2Mg0.01Ba0.001で表される組成であることが判明した。
また、前記リチウム含有複合酸化物は、BET比表面積が0.18m/gであり、全一次粒子中の0.7μm以下である一次粒子の割合が4.8体積%であった。
正極活物質を前記リチウム含有複合酸化物に変更した以外は、実施例1と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
実施例6
まず、硫酸ニッケル、硫酸コバルトおよび硫酸マンガン、硫酸マグネシウムを、それぞれ、2.38mol/dm、0.297mol/dm、0.297mol/dm、0.03mol/dmの割合で含有する混合水溶液を調製した以外は実施例1と同様にして水酸化物を作製した。この水酸化物とLiOH・HOとZrOとをモル比で1:1:0.001になるようにエタノール中に分散させてスラリー状にした後、遊星型ボールミルで40分間混合し、室温で乾燥させて混合物を得たこと以外は実施例1と同様にしてリチウム含有複合酸化物を合成した。
前記リチウム含有複合酸化物について、実施例1と同様にしてICPで組成を分析したところ、Li1.0Ni0.79Co0.099Mn0.099Mg0.01Zr0.001で表される組成であることが判明した。
また、前記リチウム含有複合酸化物は、BET比表面積が0.29m/gであり、全一次粒子中の0.7μm以下である一次粒子の割合が11.6体積%であった。
正極活物質を前記リチウム含有複合酸化物に変更した以外は、実施例1と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
実施例7
実施例4で合成したものと同じLi1.0Ni0.59Co0.2Mn0.2Mg0.01Zr0.001とLiCoOとを質量比で3:7になるように計量し、ヘンシェルミキサを用いて30分混合した。得られた混合物を正極活物質に用いた以外は、実施例1と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
比較例1
まず、実施例2と同様にして水酸化物を作製した。この水酸化物とLiOH・HOとをモル比で1:1になるようにエタノール中に分散させてスラリー状にした後、遊星型ボールミルで40分間混合し、室温で乾燥させて混合物を得たこと以外は実施例1と同様にしてリチウム含有複合酸化物を合成した。
前記リチウム含有複合酸化物について、実施例1と同様にしてICPで組成を分析したところ、Li1.0Ni0.6Co0.2Mn0.2で表される組成であることが判明した。
また、前記リチウム含有複合酸化物は、BET比表面積が0.30m/gであり、全一次粒子中の0.7μm以下である一次粒子の割合が18.7体積%であった。
正極活物質を前記リチウム含有複合酸化物に変更した以外は、実施例1と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
比較例2
正極活物質をLiCoOに変更した以外は、実施例1と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
比較例3
正極活物質をLiCoOに変更した以外は実施例1と同様にして作製した正極と、黒鉛98質量%と、バインダとしてCMC1質量%と、SBR1質量%と水とを混合して調製した負極合剤含有スラリーを用いた以外は実施例1と同様にして作製した負極とを使用し、実施例1と同様にして494261型角形非水二次電池を作製した。
実施例1〜7および比較例1〜3の非水二次電池に使用した正極活物質および負極活物質の構成を表1に、実施例1〜7および比較例1の非水二次電池に使用した正極活物質のうち、LiCoO以外のリチウム含有複合酸化物の組成を表2に、それぞれ示す。
Figure 2011233369
Figure 2011233369
なお、比較例1の非水二次電池では、正極活物質に、前記一般組成式(1)を満足しないリチウム含有複合酸化物のみを使用しているが、便宜上、表1の「正極活物質中の比率」では、「一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物」の欄にその使用量を記載している。また、表2におけるyは、前記一般組成式(1)におけるyであり、a〜fは、前記一般組成式(1)における元素群Mに含まれる前記の各元素の割合を意味している。
以上の方法で作製したそれぞれの電池は、60℃で7時間保存した後、20℃で放電容量測定および充放電サイクル試験を行った。各測定における電池の充放電は、以下の方法により行った。放電容量測定について、充電は、電流を850mAとして定電流で行い、充電電圧が4.2Vに達した後、電流が1/50となるまで定電圧で行った。放電は、電流を340mAとして定電流で行い、放電終止電圧は2.5Vとした。前記の充電と放電の一連の操作を1サイクルとした。そして、電池の放電容量は、充放電2サイクル目の放電容量で評価した。また、充放電サイクル試験について、充電は、電流を1.7Aとして定電流で行い、充電電圧が4.2Vに達した後定電圧で行い、充電開始から2.5時間で終了した。放電は、電流を1.7Aとして定電流で行い、放電終止電圧は2.5Vとした。そして、前記の充電と放電の一連の操作を1サイクルとして、500サイクル目の容量維持率にて充放電サイクル特性の優劣を評価した。容量維持率は下記式により算出した。
容量維持率(%)
=(500サイクル目の放電容量/2サイクル目の放電容量)×100
これらの結果を表3に示す。
Figure 2011233369
表3から明らかなように、前記一般組成式(1)で表されるリチウム含有複合酸化物を含有する正極と、SiOと炭素材料との複合体を含有する負極とを備えた実施例1〜7の非水二次電池は、高容量であり、かつ充放電サイクル特性が良好である。
これに対し、Ni、CoおよびMnは含有するが、Mg、BaおよびZrのいずれも含有していないリチウム含有複合酸化物を正極活物質とする比較例1の電池は、充放電サイクル特性が劣っている。また、LiCoOのみを正極活物質とする比較例2の電池、およびLiCoOのみを正極活物質とし、かつ黒鉛のみを負極活物質とする比較例3の電池は、実施例の電池よりも容量が小さい。
1 正極
2 負極
3 セパレータ

Claims (3)

  1. 正極、負極、非水電解液およびセパレータを有する非水二次電池であって、
    前記負極は、SiとOとを構成元素に含む材料(ただし、Siに対するOの原子比xは、0.5≦x≦1.5である)と炭素材料との複合体、および黒鉛質炭素材料を負極活物質として含有する負極合剤層を、集電体の片面または両面に有するものであり
    前記正極は、下記一般組成式(1)
    Li1+yMO (1)
    [前記一般組成式(1)中、−0.15≦y<0.15であり、かつ、Mは、Mg、BaおよびZrのうちの少なくとも1種、Ni、CoおよびMnを含有する4種以上の元素群を表し、Mを構成する各元素中で、Ni、Co、Mn、Mg、BaおよびZrの割合(mol%)を、それぞれa、b、c、d、eおよびfとしたとき、50≦a≦97、b≦49、c≦49、d≦3、e≦3、f≦3および3≦b+c+d+e+f≦50である]
    で表されるリチウム含有複合酸化物を正極活物質として含有する正極合剤層を、集電体の片面または両面に有するものであることを特徴とする非水二次電池。
  2. 正極活物質として、更にLiCoOを含有している請求項1に記載の非水二次電池。
  3. SiとOとを構成元素に含む材料と炭素材料との複合体の負極活物質中における含有量が、0.01〜20質量%である請求項1または2に記載の非水二次電池。
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