JP2011231811A - ロックアップクラッチの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ターボチャージャー2を有するディーゼルエンジン1と自動変速機7との間に介装されるトルクコンバータ5に設けられたロックアップクラッチ4の実スリップ量Sが目標スリップ量S*となるように係合力を制御する。この制御装置において、エンジントルク検出値Te_senに基づいてロックアップクラッチ4の係合力を設定する係合力設定手段(ステップS10〜ステップS13)と、ロックアップクラッチ4へのエンジントルクの検出値と実際値との乖離が大きくなる過給遅れ状態となったことを判断する過給遅れ判断手段(ステップS6)と、過給遅れ状態であることが判断されたときに、係合力設定手段により設定されるロックアップクラッチ4の係合力よりも係合力が小さくなるように係合力を補正する係合力補正手段(ステップS7、ステップS9)と、を備える。
【選択図】図3
Description
前記係合力設定手段は、前記ロックアップクラッチへの入力トルク検出値に基づいて該ロックアップクラッチの係合力を設定する。
前記過給遅れ判断手段は、前記ロックアップクラッチへの入力トルク検出値と入力トルク実際値との乖離が大きくなる過給遅れ状態となったことを判断する。
前記係合力補正手段は、前記過給遅れ判断手段により過給遅れ状態であることが判断されたときに、前記係合力設定手段により設定される前記ロックアップクラッチの係合力よりも該係合力が小さくなるように該係合力を補正する。
しかし、ロックアップクラッチへの入力トルクの過渡値である入力トルク実際値は、過給遅れに伴う上昇遅れ特性を示し、定常値により与えられる入力トルク検出値との乖離が大きくなる(入力トルク検出値>入力トルク実際値)。
すなわち、過給遅れ状態とは、過給機による原動機への過給動作の応答遅れにより、原動機からの出力トルク上昇が遅れる現象であり、この過給遅れにより、ロックアップクラッチに入力される入力トルクの上昇が遅れる。
したがって、過給遅れ影響を考慮しないでスリップロックアップ制御を行うと、過給遅れ状態のとき、入力トルク検出値に基づくロックアップクラッチの係合力が過大となり、ロックアップクラッチの実スリップ量が目標スリップ量より小さくなってしまう。
これに対し、本発明では、過給遅れ状態であることが判断されたとき、ロックアップクラッチへの入力トルク検出値に基づいて設定されるロックアップクラッチの係合力よりも係合力が小さくなるように、ロックアップクラッチの係合力が補正される。この補正制御を加えたことにより、過給遅れ状態のとき、ロックアップクラッチの係合力が入力トルク実際値に基づく係合力に近づくことになり、ロックアップクラッチの実スリップ量が目標スリップ量より小さくなってしまうことを抑制するという作用を示す。
この結果、過給遅れ状態であると判断されたとき、ロックアップクラッチのスリップロックアップ制御精度の向上を図ることができる。
図1は、実施例1のロックアップクラッチの制御装置が適用された車両の駆動系と制御系を示す全体システム図である。以下、図1に基づき全体システム構成を説明する。
なお、前記ホイール軸22は、超高速で回転するため、その軸受けには、冷却用オイル経路38からのオイルを供給するようにしている。
なお、この処理は予め決められた制御周期毎に起動される。
ここで、エンジントルク検出値Te_senは、ロックアップクラッチ4への入力トルク検出値であり、予め実験等で設定された燃料噴射量に対する定常状態のエンジントルクマップ(図示せず)を参照することで、検出したエンジントルクの値である。
ここで、「ロックアップマップ」とは、例えば、スロットル開度TVOと車速VSPの関係によりアップシフト線とダウンシフト線が描かれた変速マップに、スリップロックアップ領域とロックアップ領域とアンロックアップ領域を書き込んだマップをいう。
ここで、「制御許可条件」とは、ドライバが加速意図を持ってアクセル踏み込み操作を行うことで過給前状態から過給準備段階に入り、ロックアップクラッチ4へのエンジントルク検出値Te_sen(入力トルク検出値)とエンジントルク実際値(入力トルク実際値)との乖離が大きくなる過給遅れ状態となったことを判断する条件であり、
(a) スロットル開度TVO≧第1閾値a1
(b) スロットル開速度dTVO≧第2閾値a2
(c) タービン回転数Nt≦第3閾値a3
の各条件を判断する。そして、(a),(b),(c)の全ての条件が成立しているときに制御許可条件成立により過給遅れ有りと判断し、(a),(b),(c)の何れか1つの条件でも不成立であるときに制御許可条件不成立により過給遅れ無しと判断する。
ここで、「こもり音防止マップ」とは、トルク変動やこもり音の発生が最も少なくなるように、車速VSPやスロットル開度TVOやギア比やトルクコンバータ油温、等に基づいて目標スリップ量を設定したマップをいう。
ここで、「スリップ量偏差ΔS」は、エンジン回転数Neとタービン回転数Ntの差により実スリップ量Sを算出し、目標スリップ量S*から実スリップ量Sを差し引くことで算出される。
ここで、「制御禁止条件」は、過給動作に達しないとき、あるいは、過給による入力トルク上昇済みであるときを判断する条件であり、
(d) スロットル開度TVO≦閾値a4
(e) タービン回転数Nt≧閾値a5
の各条件の何れも成立しない場合、制御禁止条件不成立とし、何れかの条件が成立する場合、制御禁止条件成立とする。
ここで、第1フェーズにおける目標スリップ補正量Shosの算出は、
目標スリップ補正量Shos=min(補正量前回値+補正量増加値_第1フェーズ),補正量MAX値_第1フェーズ) …(1)
の式を用いて算出される。なお、補正量増加値_第1フェーズ、補正量MAX値_第1フェーズは、何れも実験等で予め設定された定数で与える。
ここで、第1タイマ値T1は、図5に示すように、ギア段が1速段〜4速段であり、エンジン回転増加率が大きいときは短い時間に設定し、ギア段が5速段〜7速段であり、エンジン回転増加率が小さいときは長い時間に設定する。これは、エンジン回転増加率が大きいときほど、過給遅れ状態の継続時間が短い時間になるため、この過給遅れ状態の継続時間に対応させた設定としている。
ここで、「制御禁止条件」は、ステップS72の同様である。
ここで、第2フェーズにおける目標スリップ補正量Shosの算出は、
目標スリップ補正量Shos=max(補正量前回値+補正量増加値_第2フェーズ),補正量MIN値_第2フェーズ) …(2)
の式を用いて算出される。なお、補正量増加値_第2フェーズ、補正量MIN値_第2フェーズは、何れも実験等で予め設定された定数で与える。
補正量増加値_第2フェーズは、負の値であり、
補正量増加値_第2フェーズの絶対値<補正量増加値_第1フェーズの絶対値
という関係で与える。
補正量増加値_第2フェーズは、図6に示すように、ギア段が1速段〜4速段であり、エンジン回転増加率が大きいときは大きい負の値に設定し、ギア段が5速段〜7速段であり、エンジン回転増加率が小さいときは小さい負の値に設定する。
補正量MIN値_第2フェーズは、図7に示すように、ギア段が1速段〜4速段であり、エンジン回転増加率が大きいときは負の値に設定し、ギア段が5速段〜7速段であり、エンジン回転増加率が小さいときはゼロの値に設定する。
ここで、第2タイマ値T2は、実験等で予め設定された固定値で与える。
ここで、終了フェーズにおける目標スリップ補正量Shosの算出は、
目標スリップ補正量Shos=補正量前回値−max(min(補正量前回値−目標補正量,変化率リミッタ),変化率リミッタ) …(3)
の式を用いて算出される。なお、過給遅れが終わると補正量はゼロでよいので、“目標補正量”はゼロで与える。つまり、目標補正量=0であるため、実際の計算式上では、不要であるが、前回値と目標値との差に基づいて制御しているということの意味をあらわすため、(3)式では、目標補正量を含めている。
まず、「ターボチャージャー付きエンジン車でのスリップロックアップ制御の課題」の説明を行う。続いて、実施例1のロックアップクラッチ4の制御装置における作用を、「ロックアップクラッチ制御作用」、「第1フェーズでの目標スリップ量補正作用」、「第2フェーズでの目標スリップ量補正作用」、「終了フェーズでの目標スリップ量補正作用」に分けて説明する。
ターボチャージャー2の最大の弱点とされているのが「過給遅れ」、通称「ターボラグ」の問題である。すなわち、加速を意図してアクセル踏み込み操作を行った場合、アクセル踏み込み操作によりディーゼルエンジン1への燃料噴射量が増え、排気ガスの流量が増えて運動エネルギーが増加しても、重さのあるタービンホイール23の回転数が直ちに上昇しない。このため、タービンホイール23に連結されているコンプレッサホイール24の回転数上昇が遅れる。そして、コンプレッサホイール24の回転数上昇が生み出す遠心力によって空気を圧縮し、タービンホイール23での過給圧が立ち上がり、ディーゼルエンジン1の吸気側に圧縮空気を送り込むことで、ディーゼルエンジン1の出力トルクが上昇する。このように、アクセル踏み込み操作の時点から過給効果によりエンジントルクが上昇するまでには時間を要するため、「ターボラグ」が発生する。
図3に示すフローチャートに基づき、ロックアップクラッチ4の各制御モードにおけるロックアップクラッチ制御作用を説明する。
上記のように、ターボチャージャー2を有するエンジン車に特有の過給遅れを考慮し、過給遅れの開始からしばらくの間は、ロックアップクラッチ4の係合力が小さくなるように補正することが必要である。以下、これを反映する実施例1における第1フェーズでの目標スリップ量補正作用を説明する。
目標スリップ補正量Shos=min(補正量前回値+補正量増加値_第1フェーズ),補正量MAX値_第1フェーズ) …(1)
の式を用いて算出される。この(1)式を用いることによって、第1フェーズにおける目標スリップ補正量Shosは、図8の時刻t1から時刻t2までの間、補正量増加値_第1フェーズによる増加勾配により上昇し、補正量MAX値_第1フェーズとなる図8の時刻t2から時刻t3までの間、補正量MAX値_第1フェーズの値が維持されることになる。
この結果、過給遅れ状態であると判断されたとき、ロックアップクラッチ4のスリップロックアップ制御精度の向上を図ることができる。
これは、ギア比が小さいときほど(ギア段が1速段〜4速段よりギア段が5速段〜7速段であるほど)、同じスロットル開度TVOであってもエンジン回転数Neの増加率は小さくなるため、過給遅れ期間(エンジントルクの検出値と実際値との乖離が大きい期間)も長くなる。したがって、エンジン回転増加率をあらわすギア段に応じて第1フェーズでの補正期間(=第1タイマ値T1)を長くすることにより、過給遅れ中にロックアップクラッチ4の実スリップ量Sが目標スリップ量S*よりも小さくなってしまうことをさらに適切に抑制できる。
上記のように、過給遅れ後にロックアップクラッチ4の係合力を小さくしたままでエンジントルクが大きくなると、スリップ過剰気味になってしまうため、ロックアップクラッチ4の係合力を大きくする方向に補正することが必要である。以下、これを反映する実施例1における第2フェーズでの目標スリップ量補正作用を説明する。
目標スリップ補正量Shos=max(補正量前回値+補正量増加値_第2フェーズ),補正量MIN値_第2フェーズ) …(2)
の式を用いて算出される。この(2)式を用いることによって、第2フェーズにおける目標スリップ補正量Shosは、図8の時刻t3から時刻t4までの間、補正量増加値_第2フェーズ(負値)による減少勾配により下降し、補正量MIN値_第2フェーズとなる図8の時刻t4から時刻t5までの間、補正量MIN値_第2フェーズの値が維持されることになる。
したがって、過給遅れ状態から第1タイマ値T1による所定期間経過して過給遅れが解消されてエンジントルクが大きくなったとき、ロックアップクラッチ4の実スリップ量Sが目標スリップ量S*よりも大きくなってしまうことを抑制することができる。
すなわち、理論的には、ロックアップクラッチ4へのエンジントルク検出値Te_senとエンジントルク実際値との乖離が略零となった時点でロックアップクラッチ4の係合力を大きくするようにすればよい。しかし、実際は、この時点でロックアップクラッチ4の係合力を大きくするように目標スリップ量S*の補正を開始したのでは、応答遅れにより、ロックアップクラッチ4の係合力がエンジントルク実際値に対して過小となってしまう状態が発生する。このため、ロックアップクラッチ4へのエンジントルク検出値Te_senとエンジントルク実際値との乖離が略零となった時点でエンジン回転が吹け上がってしまう(つまり、ロックアップクラッチ4の実スリップ量Sが目標スリップ量S*よりも大きくなってしまう)。そこで、ロックアップクラッチ4へのエンジントルク検出値Te_senとエンジントルク実際値との乖離が略零となった時点よりも前の時点から、ロックアップクラッチ4の係合力が大きくする補正を開始することにより、この乖離が略零となった時点におけるエンジン回転の吹け上がりを抑制することができる。
すなわち、過給遅れ状態となったときは、応答性を確保するために急な変化量でロックアップクラッチ4の係合力が小さくなるように補正する必要がある。一方、過給遅れ状態が終わる時点(ロックアップクラッチ4へのエンジントルク検出値Te_senとエンジントルク実際値との乖離が略零となる時点)は、そのときの車両の状態によってばらつきが大きい。このため、仮にロックアップクラッチ4の係合力が小さくなるように補正するときと同様に急な変化量で係合力が大きくなるように補正すると、ロックアップクラッチ4を完全締結してしまうこともあり得る。したがって、過給遅れ状態が終わってロックアップクラッチ4の係合力が大きくなるように補正するときは、緩やかな変化量で補正することにより、ばらつき等でロックアップクラッチ4が完全締結してしまうことを抑制できる。
すなわち、ギア比が小さいとき、つまり、高ギア段であるほど、同じスロットル開度TVOであってもエンジン回転数Neの増加率は小さくなるため、過給によるエンジントルクの増加も緩やかになる。したがって、過給遅れ状態が終わってロックアップクラッチ4の係合力が大きくなるように係合力を補正する際は、高ギア段であるほど目標スリップ補正量Shosの変化量を緩やかにすることによって、さらに適切にロックアップクラッチ4の実スリップ量Sを目標スリップ量S*となるように制御することができる。
すなわち、過給遅れ期間中は目標スリップ量S*が大きくなるように補正してロックアップクラッチ4の係合力を小さくしている。そのため、過給遅れ状態が終わって目標スリップ量S*が小さくなるように補正してL/Uクラッチの係合力を大きくする際の応答性を確保するために過給遅れ状態が終わって第2タイマ値T2による所定期間の間は、目標スリップ量S*を、定常状態の目標スリップ量よりも小さくなるように補正している。このとき、ギア比が大きいとき(すなわち低ギア段)ほど、同じスロットル開度TVOであってもエンジン回転数Neの増加率は大きくなるため、過給によるエンジントルクの増加も急になる。したがって、ギア比が大きいときはギア比が小さいときよりも目標スリップ量S*が小さくなるように補正することにより、ギア比が大きいときのロックアップクラッチ4の係合力を大きくする際の応答性を確保することができる。
第2フェーズによる目標スリップ量の補正が終了した時点では、必ずしも目標スリップ補正量がゼロになっているとは限らず、目標スリップ量の急変がないようにして目標スリップ量の補正を終了させることが必要である。以下、これを反映する実施例1における終了フェーズでの目標スリップ量補正作用を説明する。
目標スリップ補正量Shos=補正量前回値−max(min(補正量前回値−目標補正量,変化率リミッタ),変化率リミッタ) …(3)
の式を用いて算出される。この(3)式を用いることによって、終了フェーズにおける目標スリップ補正量Shosは、図8の時刻t5から時刻t6までの間、変化率リミッタによる増加勾配により上昇し、目標スリップ補正量Shosがゼロとなる図8の時刻t6以降はゼロが維持され、目標スリップ量の補正制御が終了することになる。
したがって、第2フェーズでの目標スリップ量補正が終了すると、目標スリップ補正量Shosの急変を防止しながら、トルク変動を抑えた滑らかな制御により補正量=0の目標スリップ量S*に受け渡すことができる。また、第2フェーズでの目標スリップ量補正が終了しない場合、つまり、目標スリップ量補正の途中で制御禁止条件が成立した場合にも同様に、トルク変動を抑えた滑らかな制御により補正量=0の目標スリップ量S*に受け渡すことができる。
実施例1のロックアップクラッチ4の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
前記ロックアップクラッチ4への入力トルク検出値(エンジントルク検出値Te_sen)に基づいて該ロックアップクラッチ4の係合力を設定する係合力設定手段(ステップS10〜ステップS13)と、
前記ロックアップクラッチ4への入力トルク検出値(エンジントルク検出値Te_sen)と入力トルク実際値(エンジントルク実際値)との乖離が大きくなる過給遅れ状態となったことを判断する過給遅れ判断手段(ステップS6)と、
前記過給遅れ判断手段により過給遅れ状態であることが判断されたときに(ステップS6でYES)、前記係合力設定手段(ステップS10〜ステップS13)により設定される前記ロックアップクラッチ4の係合力よりも該係合力が小さくなるように該係合力を補正する係合力補正手段(ステップS7、ステップS9、図4)と、
を備える。
このため、過給遅れ状態であると判断されたとき、ロックアップクラッチ4のスリップロックアップ制御精度の向上を図ることができる。
このため、(1)の効果に加え、過給遅れが解消されて原動機トルクが大きくなったとき、ロックアップクラッチ4の実スリップ量Sが目標スリップ量S*より大きくなってしまうことを抑制することができる。
このため、(2)の効果に加え、ロックアップクラッチ4への入力トルク検出値(エンジントルク検出値Te_sen)と入力トルク実際値(エンジントルク実際値)との乖離が略零となった時点における原動機(ディーゼルエンジン1)の吹け上がりを抑制することができる。
このため、(2)または(3)の効果に加え、過給遅れ状態が終わってロックアップクラッチ4の係合力が小さくなるように補正するとき、ばらつき等でロックアップクラッチ4が完全締結してしまうことを抑制することができる。
このため、(2)〜(4)の効果に加え、過給遅れ状態が終わってロックアップクラッチ4の係合力が小さくなるように補正するとき、原動機回転数増加率の大小に対応し、ロックアップクラッチ4の実スリップ量Sが目標スリップ量S*に収束するように適切に制御することができる。
このため、(2)〜(5)の効果に加え、過給遅れ状態が終わってロックアップクラッチ4の係合力が小さくなるように補正するとき、原動機回転数増加率の大小に対応し、ロックアップクラッチ4の係合力を大きくする際の応答性を確保することができる。
このため、(1)〜(7)の効果に加え、過給遅れ状態のとき、原動機回転数増加率の大小に対応し、ロックアップクラッチ4の実スリップ量Sが目標スリップ量S*より小さくなることを適切に抑制することができる。
このため、(1)〜(7)の効果に加え、ロックアップクラッチ4の係合力を直接補正する制御等と比べて、目標スリップ量S*を補正する制御の方が、適合工数を減少させることができる。
このため、(1)〜(8)の効果に加え、ドライバが加速意図を持ってアクセル踏み込み操作を行うことで、過給前状態から過給準備段階に入る条件として設定された3条件が全て成立することで、精度良く過給遅れ状態となったことを判断することができる。
2 ターボチャージャー(過給機)
3 エンジン出力軸
4 ロックアップクラッチ
5 トルクコンバータ
6 変速機入力軸
7 自動変速機
8 変速機出力軸
9 ロックアップコントロールバルブ
10 ロックアップソレノイド
11 エンジンコントローラ
12 ATコントローラ
13 スロットル開度センサ
14 エンジン回転数センサ
15 タービン回転数センサ
16 車速センサ
17 CAN通信線
Claims (9)
- 過給機を有する原動機と自動変速機との間に介装されるトルクコンバータに設けられたロックアップクラッチの実スリップ量が目標スリップ量となるように係合力を制御するロックアップクラッチの制御装置において、
前記ロックアップクラッチへの入力トルク検出値に基づいて該ロックアップクラッチの係合力を設定する係合力設定手段と、
前記ロックアップクラッチへの入力トルク検出値と入力トルク実際値との乖離が大きくなる過給遅れ状態となったことを判断する過給遅れ判断手段と、
前記過給遅れ判断手段により過給遅れ状態であることが判断されたときに、前記係合力設定手段により設定される前記ロックアップクラッチの係合力よりも該係合力が小さくなるように該係合力を補正する係合力補正手段と、
を備えることを特徴とするロックアップクラッチの制御装置。 - 請求項1に記載されたロックアップクラッチの制御装置において、
前記係合力補正手段は、前記過給遅れ判断手段により過給遅れ状態であることが判断されて所定期間経過した後に、該所定期間が経過する以前の前記ロックアップクラッチの係合力よりも該係合力が大きくなるように該係合力を補正する、
ことを特徴とするロックアップクラッチの制御装置。 - 請求項2に記載されたロックアップクラッチの制御装置において、
前記係合力補正手段は、前記過給遅れ判断手段により過給遅れ状態であることが判断された後であって、かつ、前記ロックアップクラッチへの入力トルク検出値と入力トルク実際値との乖離が略零となる状態よりも前の時点から、前記ロックアップクラッチの係合力が大きくする前記補正を開始するように、前記所定期間を設定する、
ことを特徴とするロックアップクラッチの制御装置。 - 請求項2または請求項3に記載されたロックアップクラッチの制御装置において、
前記係合力補正手段は、前記ロックアップクラッチの係合力が大きくなるように該係合力を補正するときは、前記ロックアップクラッチの係合力が小さくなるように該係合力を補正するときと比較して緩やかな変化量で該係合力を補正する、
ことを特徴とするロックアップクラッチの制御装置。 - 請求項2から請求項4までの何れか1項に記載されたロックアップクラッチの制御装置において、
前記係合力補正手段は、前記所定期間経過して前記ロックアップクラッチの係合力が大きくなるように該係合力を補正する際に、前記原動機の原動機回転数増加率が小さいときは該原動機回転数増加率が大きいときと比較して緩やかな変化量で前記ロックアップクラッチの係合力が大きくなるように補正する、
ことを特徴とするロックアップクラッチの制御装置。 - 請求項2から請求項5までの何れか1項に記載されたロックアップクラッチの制御装置において、
前記係合力補正手段は、前記所定期間経過して前記ロックアップクラッチの係合力が大きくなるように該係合力を補正する際に、前記原動機の原動機回転数増加率が大きいときは、該原動機回転数増加率が小さいときと比較して、前記係合力がより大きくなるように該係合力を補正する、
ことを特徴とするロックアップクラッチの制御装置。 - 請求項1から請求項6までの何れか1項に記載されたロックアップクラッチの制御装置において、
前記係合力補正手段は、前記原動機の現在の原動機回転数増加率が小さいときは、原動機回転数増加率が大きいときと比較して、前記ロックアップクラッチの係合力が小さくなるように該係合力を補正する期間を長くする、
ことを特徴とするロックアップクラッチの制御装置。 - 請求項1から請求項7までの何れか1項に記載されたロックアップクラッチの制御装置において、
前記係合力補正手段は、前記ロックアップクラッチの目標スリップ量を補正することによって、前記ロックアップクラッチの係合力を補正する、
ことを特徴とするロックアップクラッチの制御装置。 - 請求項1から請求項8までの何れか1項に記載されたロックアップクラッチの制御装置において、
前記過給遅れ判断手段は、前記自動変速機の入力軸の回転数が所定値以下であって、かつ、スロットル開速度が所定速度以上でスロットル開度が所定開度以上となったときに、前記ロックアップクラッチへの入力トルク検出値と入力トルク実際値との乖離が大きくなる過給遅れ状態となったことを判断する、
ことを特徴とするロックアップクラッチの制御装置。
Priority Applications (5)
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