JP2011231635A - 点火時期制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料中のアルコール濃度に応じて適切に点火時期を制御可能な点火時期制御装置を提供する。
【解決手段】アルコール混合燃料で運転可能なエンジンの点火時期を制御する点火時期制御装置は、運転状態情報およびアルコール濃度情報に基づき、最適点火時期を算出し、算出された最適点火時期に基づいて点火時期を制御する(S106、S107、S111、S112)。燃料中のアルコール濃度Cが閾値濃度Xc以上であると判断された場合(S105:YES)、当該運転状態において燃料中にアルコールを含まないときにエンジンの出力が最大となる最大トルク点火時期よりも遅角側である最適点火時期に基づいて点火時期を制御する。これにより、エンジンの運転状態および燃料中のアルコール濃度に応じて点火時期が適切に制御されるので、エンジンの出力が向上し、燃費が向上する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、アルコール混合燃料で運転可能な内燃機関の点火時期を制御する点火時期制御装置に関する。
従来、燃料中にアルコールを任意の割合で混合したアルコール混合燃料を使用可能なエンジンを搭載した車両(FFV:Flexible Fuel Vehicle)が知られている。FFV用のエンジンに供給される燃料中のアルコール濃度は一定ではなく、給油する燃料のアルコール濃度や給油量等に応じて変化する。そのため、燃料中のアルコール濃度に応じて空燃比や点火時期等を調整する必要がある。例えば特許文献1では、燃料中のアルコール濃度が高いほど、点火時期を進角側に補正している。
特開2009−191666号公報
ところで、燃料中のアルコール濃度が高くなると、トルクが最大となる点火時期は、燃料中にアルコールを含まない場合と比較して遅角側にシフトする。しかしながら、特許文献1のように、アルコール濃度が高いほど点火時期を進角側に補正すると、出力が低下し、燃費が悪化するという問題点があった。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料中のアルコール濃度に応じて適切に点火時期を制御可能な点火時期制御装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、アルコール混合燃料で運転可能な内燃機関の点火時期を制御する点火時期制御装置である。点火時期制御装置は、運転状態情報取得手段と、アルコール濃度情報取得手段と、閾値濃度特定手段と、アルコール濃度判断手段と、点火時期制御手段と、を備える。運転状態情報取得手段は、内燃機関の運転状態に関する運転状態情報を取得する。アルコール濃度情報取得手段は、燃料中のアルコール濃度に関するアルコール濃度情報を取得する。閾値濃度特定手段は、内燃機関の出力トルクが最大となる点火時期である最大トルク点火時期と内燃機関においてノッキングが起こらない最進角側の点火時期であるトレースノック点火時期とに基づき、燃料中のアルコール濃度の閾値濃度を特定する。アルコール濃度判断手段は、アルコール濃度情報取得手段により取得されたアルコール濃度情報に基づき、燃料中のアルコール濃度が閾値濃度より高いか否かを判断する。点火制御手段は、運転状態情報およびアルコール濃度情報に基づいて最適点火時期を算出し、算出された最適点火時期に基づいて点火時期を制御する。
点火時期制御手段は、アルコール濃度判断手段により燃料中のアルコール濃度が閾値濃度以上であると判断された場合、当該運転状態において燃料中にアルコールを含まないときの最大トルク点火時期よりも遅角側である最適点火時期に基づいて点火時期を制御する。
燃料中にアルコールを含む場合、燃料中にアルコールを含まない場合と比較して出力トルクが最大となる点火時期は、遅角側にシフトする。そこで、本発明では、燃料中のアルコール濃度が閾値濃度以上である場合には、燃料中にアルコールを含まない場合において出力トルクが最大となる点火時期よりも遅角側となるように点火時期を制御する。これにより内燃機関の運転状態および燃料中のアルコール濃度に応じて点火時期が適切に制御されるので、内燃機関の出力が向上し、燃費が向上する。
ところで、最大トルク点火時期は、燃料中のアルコール濃度が高くいほど遅角側にシフトする。また、燃料中のアルコール濃度が高いほどノッキングが起こりにくいので、トレースノック点火時期は、燃料中のアルコール濃度が高いほど進角側にシフトする。
そこで、請求項2に記載の発明では、点火制御手段は、燃料中のアルコール濃度が閾値濃度以上であると判断された場合、運転状態情報、アルコール濃度情報、および最大トルク点火時期に基づいて最適点火時期を算出し、算出された最適点火時期に基づいて点火時期を制御する。最大トルク点火時期は、アルコール濃度が高いほど遅角側にシフトするので、燃料中のアルコール濃度が閾値濃度以上である場合、最大トルク点火時期に基づき、アルコール濃度が高いほど遅角側となるように点火時期を制御する。これにより、運転状態および燃料中のアルコール濃度に応じて、トルクが最大となるように点火時期を制御することができるので、出力が向上し、燃費も向上する。
また、請求項3に記載の発明では、点火制御手段は、燃料中のアルコール濃度が閾値濃度より低いと判断された場合、運転状態情報、アルコール濃度情報、およびトレースノック点火時期に基づいて最適点火時期を算出し、算出された最適点火時期に基づいて点火時期を制御する。トレースノック点火時期は、アルコール濃度が高いほど進角側にシフトするので、燃料中のアルコール濃度が閾値濃度より低い場合、トレースノック点火時期に基づき、アルコール濃度が高いほど進角側となるように点火時期を制御する。これにより、内燃機関にてノッキングが起こらないように、適切に点火時期を制御することができる。
請求項4に記載の発明では、閾値濃度特定手段は、最大トルク点火時期とトレースノック点火時期とが一致するアルコール濃度を閾値濃度として特定する。これにより、燃料中のアルコール濃度に基づいて、適切に点火時期を制御することができる。
請求項5に記載の発明では、内燃機関のノッキングに関するノック情報を取得するノック情報取得手段と、ノック情報取得手段により取得されたノック情報に基づき、最適点火時期を補正する補正手段と、をさらに備える。これにより、ノック情報に基づいて最適点火時期が補正されるので、内燃機関にてノッキングが起こらないように、より適切に点火時期を制御することができる。
請求項6に記載の発明では、内燃機関の冷却水の温度が所定温度以上か否かを判断する温度判断手段をさらに備える。温度判断手段により内燃機関の冷却水の温度が所定温度以上であると判断された場合、点火制御手段により最適点火時期を算出し点火時期を制御する。このように、内燃機関の冷却水の温度が所定温度以上の場合にのみ上述のような点火時期制御を行い、冷却水の温度が所定温度より低い場合には、異なる点火時期制御処理を行うように構成してもよい。
本発明の一実施形態による点火時期制御装置の構成を示す概略構成図である。 本発明の一実施形態による点火制御処理を説明するフローチャートである。 本発明の一実施形態における燃料中のアルコール濃度と点火時期との関係を説明する説明図である。
以下、本発明による点火時期制御装置を図面に基づいて説明する。
(一実施形態)
本発明の一実施形態による点火時期制御装置を図1に示す。点火時期制御装置1は、燃料としてのガソリン中にアルコールが任意の割合で混合されたアルコール混合燃料を使用可能な内燃機関としてのエンジン10の点火時期を制御する。なお、本実施形態では、燃料中に混合されるアルコールは、エタノールである。
エンジン10は、シリンダブロック11、ピストン14、シリンダヘッド20、点火プラグ35等を備えている。
シリンダブロック11は、筒状に形成されたシリンダ12を有し、シリンダ12の内部にて往復移動可能にピストン14を収容する。ピストン14は、コンロッド15を介して図示しないクランクシャフトと連結されている。シリンダブロック11には、冷却水通路17が形成される。冷却水通路17には、冷却水が循環し、熱交換によりエンジン10を冷却する。
シリンダブロック11には、冷却水の温度を検出する水温センサ18が設けられている。また、シリンダブロック11には、エンジンのノッキングを検出するノックセンサ19が設けられている。ノックセンサ19は、具体的にはシリンダブロック11の振動を検出している。水温センサ18およびノックセンサ19により検出された検出信号は、後述する後述する電子制御装置(以下、「ECU」という。)50に送られる。
シリンダヘッド20には、吸気弁21および排気弁24が設けられている。またシリンダヘッド20には、吸気が流れる吸気ポート22および燃焼により生じた排気が流れる排気ポート25が形成されている。吸気弁21は、吸気ポート22と燃焼室30との間を開閉し、排気弁24は、燃焼室30と排気ポート25との間を開閉する。吸気ポート22は、吸気管27に形成された吸気通路28と連通し、排気ポート25は、図示しない排気管に形成された排気通路と連通している。吸気通路28には、スロットルバルブ29が設けられている。スロットルバルブ29は、開閉により燃焼室30に吸入される吸気の流量を調整する。
燃焼室30は、シリンダブロック11のシリンダ12、ピストン14の頂面、シリンダヘッド20、吸気弁21、および排気弁24によって区画され、吸気弁21が開弁することにより吸気ポート22と連通し、排気弁24が開弁することにより排気ポート25と連通する。
点火プラグ35は、ECU50からの指令により、火花放電用の高電圧が印加されることにより、燃焼室30内に導入された燃料混合気に火花着火する。
エンジン10に燃料を供給する燃料供給系統40は、燃料タンク41、燃料ポンプ42、燃料通路部材43、インジェクタ45等を有している。燃料タンク41には、アルコールを含む燃料であるアルコール混合燃料が貯留される。燃料ポンプ42は、燃料通路部材43に形成された燃料通路44を経由して、燃料タンク41に貯留されたアルコール混合燃料をインジェクタ45に圧送する。インジェクタ45は、燃料ポンプ42から圧送されたアルコール混合燃料を吸気ポート22に噴射する。すなわち、本実施形態のエンジンは、所謂ポート噴射式のエンジンである。
燃料通路部材43には、燃料ポンプ42により圧送された燃料中のアルコール濃度を検出するアルコール濃度センサ47が設けられている。本実施形態のアルコール濃度センサ47は、比誘電率の違いを検出することにより燃料中のアルコール濃度を検出する静電容量式のものである。アルコール濃度センサ47により検出された検出信号は、ECU50に送られる。
ECU50は、一般的なエンジン用のものであり、CPU、ROM、RAM、I/Oおよびこれらを接続するバスラインなどを備えた所謂マイクロコンピュータである。ECU50には、上述の水温センサ18、ノックセンサ19、およびアルコール濃度センサ47をはじめ、エンジン10の回転数やエンジン負荷等、種々のセンサ類の情報が入力される。ECU50は、各種センサ類から入力された情報に基づき、燃料噴射時期、燃料噴射量、および点火時期等を制御している。
また、ECU50が有するメモリには、運転状態に応じて、最大トルク点火時期MBTおよびトレースノック点火時期TKが、燃料中のアルコール濃度と関連付けて記憶されている。
ここで、最大トルク点火時期MBTおよびトレースノック点火時期TKについて説明する。最大トルク点火時期MBTは、エンジン10の出力トルクが最大となる点火時期であって、燃料中のアルコール濃度が高いほど遅角側にシフトする。また、トレースノック点火時期TKは、エンジン10においてノッキングが起こらない最進角側の点火時期であって、燃料中のアルコール濃度が高いほど進角側にシフトする。
燃料中にアルコールを含まないときの最大トルク点火時期は、燃料中にアルコールを含まないときのトレースノック点火時期よりも進角側である。上述の通り、燃料中のアルコール濃度が高まるに従って、最大トルク点火時期MBTは遅角側にシフトし、トレースノック点火時期TKは進角側にシフトするので、ある濃度において最大トルク点火時期MBTとトレースノック点火時期TKとが一致し、この濃度よりもアルコール濃度が高いとき、トレースノック点火時期TKが最大トルク点火時期MBTよりも進角側となる。
本実施形態では、最大トルク点火時期MBTとトレースノック点火時期TKとが一致するアルコール濃度を閾値濃度Xcとし、燃料中のアルコール濃度が閾値濃度Xcよりも低いときトレースノック点火時期TKに基づいて点火時期を制御し、燃料中のアルコール濃度が閾値濃度Xc以上のとき最大トルク点火時期MBTに基づいて点火時期を制御している。
そこで、点火時期制御処理を図2に基づいて説明する。図2に示す点火時期制御処理は、給油が検出された後にエンジン10が再始動された場合であって、アイドリング期間を除く所定期間、所定の間隔で行われる処理である。給油の検出は、燃料キャップが開けられたこと、或いは、レベルゲージが上がったこと等により検出することができる。なお、給油が行われた後、再度給油が行われるまでの間、燃料中のアルコール濃度等の組成は変わらない。そのため、本実施形態においては、給油後の所定期間に本処理を実行して点火時期を算出した後、次の給油が行われるまでは当該算出された点火時期に基づいて点火制御を行う。
初めのステップS101(以下、「ステップ」を省略し、単に記号「S」で示す。)では、エンジン10の運転状態に関する運転状態情報を取得する。本実施形態で取得される運転状態情報は、エンジン10の回転数、エンジン10の負荷、および水温センサ18により検出されるエンジン10の冷却水の温度等である。
S102では、S101で取得したエンジン10の冷却水の温度Tが所定温度Xt(例えば60℃)以上であるか否かを判断する。冷却水の温度Tが所定温度Xtより低いと判断された場合(S102:NO)、S103以降の処理を行わず、エンジン10の温度が低い場合における点火制御が別処理にて行われる。冷却水の温度Tが所定温度Xt以上であると判断された場合(S102:YES)、S103へ移行する。
S103では、S101にて取得されエンジン10の運転状態に関する運転状態情報に基づき、最適点火時期の算出に係るアルコール濃度の閾値濃度を設定する。具体的には、当該運転状態における最大トルク点火時期MBTおよびトレースノック点火時期TKをマップから読み出し、最大トルク点火時期MBTとトレースノック点火時期TKとが一致するアルコール濃度を閾値濃度として特定する。
S104では、燃料中のアルコール濃度に関するアルコール濃度情報を取得する。本実施形態では、アルコール濃度センサ47から送られた検出信号に基づいて燃料中のアルコール濃度Cが算出される。なお、アルコール濃度センサ47から送られる検出信号が「アルコール濃度情報」に対応している。
S105では、S104にて算出された燃料中のアルコール濃度Cが、S103にて特定された閾値濃度Xcよりも高いか否かを判断する。燃料中のアルコール濃度Cが閾値濃度Xc以上であると判断された場合(S105:YES)、S111へ移行する。燃料中のアルコール濃度Cが閾値濃度Xcより低いと判断された場合(S105:NO)、S106へ移行する。
S106では、当該運転状態において、アルコール濃度Cのときのトレースノック点火時期TKをマップから取得する。
S107では、S106で取得したアルコール濃度Cのときのトレースノック点火時期TKを最適点火時期とし、点火時期AOPがアルコール濃度Cにおけるトレースノック点火時期TKとなるように、点火時期を制御する。
S108では、ノックセンサ19から送られる検出信号を取得する。なお、ノックセンサ19から送られる検出信号が「ノック情報」に対応している。
S109では、S108にて取得したノックセンサ19から送られる検出信号に基づき、エンジン10にてノッキングが起こっているか否かを判断する。エンジン10にてノッキングが起こっていないと判断された場合(S109:NO)、S110の処理を行わず、本処理を終了する。エンジン10にてノッキングが起こっていると判断された場合(S109:YES)、S110へ移行する。
S110では、点火時期AOPをアルコール濃度Cにおけるトレースノック点火時期TKよりも遅角側にシフトし、エンジン10にてノッキングが起こらない点火時期となるように点火を制御する。また、このとき、予め記憶されているトレースノック点火時期TKについても遅角側に補正し、本処理を終了する。
燃料中のアルコール濃度Cが閾値濃度Xc以上であると判断された場合(S105:YES)に移行するS111では、当該運転状態において、燃料中のアルコール濃度Cのときの最大トルク点火時期MBTをマップから取得する。
S112では、S111で取得したアルコール濃度Cのときの最大トルク点火時期MBTを最適点火時期とし、点火時期AOPがアルコール濃度Cにおける最大トルク点火時期MBTとなるように点火時期を制御し、本処理を終了する。
ここで、アルコール濃度と最適点火時期との関係を、図3に基づいて説明する。図3は、ある運転状態におけるアルコール濃度と最適点火時期との関係を示したものであり、横軸に燃料中のアルコール濃度Cを示し、縦軸に点火時期AOPを示している。縦軸に示す点火時期AOPは、横軸との交点を上死点TDCとし、紙面上方向にいくと点火時期が進角することを示し、紙面下方向にいくと点火時期が遅角することを示している。
なお、アルコール濃度と点火時期との関係は、運転状態に応じて、図3に示すようなデータがマップとして記憶されている。
燃料中にアルコールを含まない場合、すなわち燃料中のアルコール濃度C=0(E0)である場合における最大トルク点火時期MBTを記号「MBT(E0)」で示し、トレースノック点火時期TKを記号「TK(E0)」で示した。
図3に示すように、燃料中にアルコールを含まないときのトレースノック点火時期TK(0)は、最大トルク点火時期MBT(E0)よりも遅角側に位置している。このとき、トレースノック点火時期TK(E0)よりも進角側で点火すると、エンジン10にてノッキングが起こる。そのため、燃料中にアルコールを含まない場合、点火時期をトレースノック点火時期TK(E0)に設定し、点火を制御する。
ところで、燃料中にアルコールが含まれる場合、上述の通り、アルコール濃度に応じて、最大トルク点火時期MBTおよびトレースノック点火時期TKは変化する。
図3中に直線Lmbtで示すように、燃料中のアルコール濃度が高くなると、最大トルク点火時期MBTは、燃料中にアルコールを含まない場合の最大トルク点火時期MBT(E0)から遅角側にシフトする。燃料中にアルコールを含まない場合の最大トルク点火時期MBT(E0)からの遅角量Rは、アルコール濃度が高いほど大きくなる。
また、燃料中のアルコール濃度が高くなると、エンジン10ではノッキングが起こりにくくなる。そのため、図3中に直線Ltkで示すように、燃料中のアルコール濃度が高くなると、トレースノック点火時期TKは、燃料中にアルコールを含まない場合のトレースノック点火時期TK(E0)から進角側にシフトする。燃料中にアルコールを含まない場合のトレースノック点火時期TK(E0)からの進角量Hは、アルコール濃度が高いほど大きくなる。
燃料中にアルコールを含まない場合、上述の通り、トレースノック点火時期TK(E0)は、最大トルク点火時期MBT(E0)よりも遅角側となっているが、燃料中のアルコール濃度が高まるにつれて、最大トルク点火時期MBTが遅角側へシフトし、トレースノック点火時期TKが進角側にシフトするので、燃料中のアルコール濃度がXcのとき、記号Pで示すように、最大トルク点火時期MBTとトレースノック点火時期TKとが一致する。そして、燃料中のアルコール濃度がXcよりも高まると、トレースノック点火時期TKは、最大トルク点火時期MBTよりも進角側となる。
そこで本実施形態では、図3中に実線で示す如く、点火時期を制御している。すなわち、最大トルク点火時期MBTとトレースノック点火時期TKとが一致するアルコール濃度Xcを閾値濃度とし、アルコール濃度Cが閾値濃度Xcより低い場合(図2中のS105:NO)、トレースノック点火時期TKが最大トルク点火時期MBTよりも遅角側であるので、エンジン10にてノッキングが起こらないように、トレースノック点火時期TKを最適点火時期として設定し、点火を制御する(S107)。
このとき、予めマップ等で記憶されているトレースノック点火時期TKに基づいて点火時期を制御するが、燃料性状等によってはノッキングを起こしてしまう場合がある。ノッキングが発生した場合(S109:YES)、点火時期AOPをアルコール濃度Cにおけるトレースノック点火時期TKよりも遅角側にシフトし、エンジン10にてノッキングが起こらない点火時期となるように点火を制御する。また、予め記憶されているトレースノック点火時期TKについても補正する(S110)。
また、アルコール濃度Cが閾値濃度Xc以上である場合(S105:YES)、エンジン10の出力トルクを高めるべくアルコール濃度Cにおける最大トルク点火時期MBTを最適点火時期として設定し、点火を制御する(S110)。なお、アルコール濃度Cが閾値濃度Xcよりも高い場合、エンジン10にてノッキングが起こる最進角点火時期であるトレースノック点火時期TKは、最大トルク点火時期MBTよりも進角側であるので、最大トルク点火時期MBTを点火時期AOPとして設定して点火を制御しても、エンジン10においてノッキングは起こらない。
以上詳述したように、アルコール混合燃料で運転可能なエンジン10の点火時期を制御する点火時期制御装置1は、エンジン10の運転状態に関する運転状態情報を取得し(S101)、最大トルク点火時期とトレースノック点火時期とに基づいて閾値濃度Xcを特定する(S103)。また、燃料中のアルコール濃度に関するアルコール濃度情報を取得し(S104)、燃料中のアルコール濃度Cが閾値濃度Xcよりも高いか否かを判断する(S103)。運転状態情報およびアルコール濃度情報に基づき、最適点火時期を算出し、算出された最適点火時期に基づいて点火時期を制御する(S106、S107、S111、S112)。
本実施形態では、燃料中のアルコール濃度Cが閾値濃度Xc以上であると判断された場合(S105:YES)、最適点火時期は、当該運転状態において燃料中にアルコールを含まないときにエンジン10の出力トルクが最大となる最大トルク点火時期MBT(E0)よりも遅角側である最適点火時期に基づいて点火時期を制御する(S111、S112)。
燃料中にアルコールを含む場合、燃料中にアルコールを含まない場合と比較して出力トルクが最大となる点火時期は、遅角側にシフトする(図3参照)。そこで、本実施形態では、燃料中のアルコール濃度Cが閾値濃度Xc以上である場合には、燃料中にアルコールを含まない場合において出力トルクが最大となる最大トルク点火時期MBT(E0)よりも遅角側となるように点火時期AOPを制御する。これにより、エンジン10の運転状態および燃料中のアルコール濃度に応じて点火時期が適切に制御されるので、エンジン10の出力が向上し、燃費が向上する。
最大トルク点火時期は、燃料中のアルコール濃度が高いほど遅角側にシフトする。また、燃料中のアルコール濃度が高いほどノッキングが起こりにくいので、トレースノック点火時期は、燃料中のアルコール濃度が高いほど進角側にシフトする。
そこで本実施形態では、燃料中のアルコール濃度が閾値濃度Xc以上であると判断された場合(S105:YES)、運転状態情報、アルコール濃度情報、および最大トルク点火時期に基づいて最適点火時期を算出し、算出された最適点火時期に基づいて点火時期を制御する(S111、S112)。最大トルク点火時期は、アルコール濃度が高いほど遅角側にシフトするので、燃料中のアルコール濃度が閾値以上である場合、最大トルク点火時期に基づき、アルコール濃度が高いほど遅角側となるように点火時期を制御する。これにより、運転状態および燃料中のアルコール濃度に応じて、エンジン10の出力トルクが最大となるように点火時期を制御することができるので、出力が向上し、燃費が向上する。
また、燃料中のアルコール濃度が閾値濃度より低い場合(S105:NO)、運転状態情報、アルコール濃度情報、およびトレースノック点火時期に基づいて最適点火時期を算出し、算出された最適点火時期に基づいて点火時期を制御する(S106、S107)。トレースノック点火時期は、アルコール濃度が高いほど進角側にシフトするので、燃料中のアルコール濃度が閾値濃度より低い場合、アルコール濃度が高いほど進角側となるように点火時期を制御する。これにより、これにより、エンジン10にてノッキングが起こらないように、適切に点火時期を制御することができる。
本実施形態では、閾値濃度Xcは、最大トルク点火時期MBTとトレースノック点火時期TKとが一致するアルコール濃度を閾値濃度Xcとして特定する(S103)。なお、閾値濃度Xcは、運転状態に応じて特定されるので、運転状態およびアルコール濃度に応じて点火時期がより適切に制御することができる。
また、エンジン10のノッキングに関するノック情報を取得し(S108)、取得されたノック情報に基づいて点火時期を補正する(S110)。これにより、ノック情報に基づいて点火時期が補正されるので、エンジン10にてノッキングが起こらないように、より適切に点火時期を制御することができる。
さらにまた、エンジン10の冷却水の温度が所定温度以上か否かを判断し、エンジン10の冷却水の温度が所定温度以上であると判断された場合(S102:YES)、S103以降の処理を行い、所定温度より低いと判断された場合(S102:NO)、エンジン10の温度が低い場合における点火制御が別処理にて行われる。
なお、本実施形態では、ECU50が、「運転状態情報取得手段」、「アルコール濃度情報取得手段」、「閾値濃度特定手段」、「アルコール濃度判断手段」、「点火制御手段」、「ノック情報取得手段」、「補正手段」、および「温度判断手段」を構成する。また、図2中のS101が「運転状態情報取得手段」の機能としての処理に相当し、S103が「閾値濃度特定手段」の機能としての処理に相当し、S104が「アルコール濃度情報取得手段」の機能としての処理に相当し、S105が「アルコール濃度判断手段」の機能としての処理に相当し、S106,S107,S111,S112が「点火制御手段」の機能としての処理に相当する。また、S108が「ノック情報取得手段」の機能としての処理に相当し、S110が「補正手段」の機能としての処理に相当し、S102が「温度判断手段」の機能としての処理に相当する。
(他の実施形態)
上記実施形態では、燃料中に混合されるアルコールはエタノールであった。上記実施形態では、メタノール、プロパノール等、アルコール系のものであればよい。また、複数のアルコールが混合されていてもよい。さらにまた、アルコールが混合される燃料は、レギュラーガソリンでもハイオクでもよい。
上記実施形態では、ポート噴射式のエンジンに点火制御装置を適用した。他の実施形態では、点火制御装置は、直噴式のエンジンに適用してもよい。
また、上記実施形態では、水温センサは、冷却水の温度を検出した。冷却水の温度に替えて、燃料の温度を検出するように構成してもよい。
上記実施形態では、アルコール濃度センサは静電容量式のものを用いていたが、光学式等、どのような方式でアルコール濃度を検出するものであってもよい。また、アルコール濃度センサを設けずに、燃料中のアルコール濃度を予測し、当該予測値をアルコール濃度に関するアルコール濃度情報として取得するようにしてもよい。
上記実施形態では、最大トルク点火時期は、マップとして記憶されていた。他の実施形態では、最大トルク点火時期MBTを算出する関数を有しており、この関数を用いて算出するように構成してもよい。最大トルク点火時期を算出する関数としては、例えばアルコール濃度が0%のときの最大トルク点火時期と、アルコール濃度が100%のときの最大トルク点火時期と、に基づく一次関数とすることができる。また、一次関数に限らず二次以上の関数としてもよい。
上記実施形態の図3では、最大トルク点火時期は、アルコール濃度が高いほど直線的に遅角側にシフトしていた。他の実施形態では、最大トルク点火時期は、アルコール濃度の上昇にしたがって段階的に遅角側にシフトするようにしてもよい。同様に、トレースノック点火時期は、アルコール濃度の上昇に従って段階的に進角側にシフトするようにしてもよい。このように構成した場合、トレースノック点火時期が最大トルク点火時期よりも進角側となった最も低いアルコール濃度を閾値濃度としてもよい。
上記実施形態では、給油が検出された後にエンジン10が再始動された場合であって、アイドリング期間を除く所定期間において、エンジン10の運転状態、燃料中のアルコール濃度、最大トルク点火時期、およびトレースノック点火時期に基づく点火制御処理を行った。他の実施形態では、エンジン始動中、常に図2に示す制御処理を行ってもよい。
また、上記実施形態では、ノッキングが検出された場合(図2中のS109:YES)、点火時期を遅角側に補正したが(S110)、これに加え、ノッキングが検出されなかった場合(S109:NO)、点火時期を進角側に補正するように点火時期を制御してもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
1・・・点火時期制御装置
10・・・エンジン
18・・・水温センサ
19・・・ノックセンサ
35・・・点火プラグ
40・・・燃料供給系統
45・・・インジェクタ
47・・・アルコール濃度センサ
50・・・ECU(運転状態情報取得手段、アルコール濃度情報取得手段、閾値濃度特定手段、アルコール濃度判断手段、点火時期制御手段、ノック情報取得手段、補正手段、温度判断手段)

Claims (6)

  1. アルコール混合燃料で運転可能な内燃機関の点火時期を制御する点火時期制御手段であって、
    前記内燃機関の運転状態に関する運転状態情報を取得する運転状態情報取得手段と、
    燃料中のアルコール濃度に関するアルコール濃度情報を取得するアルコール濃度情報取得手段と、
    前記内燃機関の出力トルクが最大となる点火時期である最大トルク点火時期と前記内燃機関においてノッキングが起こらない最進角側の点火時期であるトレースノック点火時期とに基づき燃料中のアルコール濃度の閾値濃度を特定する閾値濃度特定手段と、
    前記アルコール濃度情報取得手段により取得された前記アルコール濃度情報に基づき、燃料中のアルコール濃度が前記閾値濃度以上か否かを判断するアルコール濃度判断手段と、
    前記運転状態情報および前記アルコール濃度情報に基づいて最適点火時期を算出し、算出された前記最適点火時期に基づいて点火時期を制御する点火制御手段と、
    を備え、
    前記点火制御手段は、前記アルコール濃度判断手段により燃料中のアルコール濃度が前記閾値濃度以上であると判断された場合、当該運転状態において燃料中にアルコールを含まないときの前記最大トルク点火時期よりも遅角側である前記最適点火時期に基づいて点火時期を制御することを特徴とする点火時期制御装置。
  2. 前記点火制御手段は、燃料中のアルコール濃度が前記閾値濃度以上であると判断された場合、前記運転状態情報、前記アルコール濃度情報、および前記最大トルク点火時期に基づいて前記最適点火時期を算出し、算出された前記最適点火時期に基づいて点火時期を制御することを特徴とする請求項1に記載の点火時期制御装置。
  3. 前記点火制御手段は、燃料中のアルコール濃度が前記閾値濃度より低いと判断された場合、前記運転状態情報、前記アルコール濃度情報、および前記トレースノック点火時期に基づいて前記最適点火時期を算出し、算出された前記最適点火時期に基づいて点火時期を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の点火時期制御装置。
  4. 前記閾値濃度特定手段は、前記最大トルク点火時期と前記トレースノック点火時期とが一致するアルコール濃度を前記閾値濃度として特定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の点火時期制御装置。
  5. 前記内燃機関のノッキングに関するノック情報を取得するノック情報取得手段と、
    前記ノック情報取得手段により取得された前記ノック情報に基づき、前記最適点火時期を補正する補正手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の点火時期制御装置。
  6. 前記内燃機関の冷却水の温度が所定温度以上か否かを判断する温度判断手段をさらに備え、
    前記温度判断手段により前記内燃機関の冷却水の温度が前記所定温度以上であると判断された場合、前記点火制御手段により最適点火時期を算出し点火時期を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の点火時期制御装置。
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