JP2011230793A - 衝撃吸収機能付き内装袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】外装容器に落下等の強い衝撃が与えられても、内部で破損をせず、収納物を外装容器の内部で漏らすようなことのない合成樹脂製の衝撃吸収機能付き内装袋を提供すること。
【解決手段】外装容器内に収納されて使用され、筒状胴部2の上下端に筒口6,7付き天板4と底板5とからなる端材を接合して閉鎖され全体が可撓性を有する内装袋1において、天板4にその周縁部に達しない部分的に凸部8又は/及び凹部9を筒口の部分を避けて設け、底板5にその周縁部に達しない部分的に凹部10を設けた。
【選択図】図1

Description

この発明は、外装容器内に収納される可撓性を有する内装袋に関し、さらに詳しくは、外装容器に外部から加えられる衝撃に対しても破損したりすることのない衝撃吸収機能付きの内装袋に関するものである。
例えば、保形部材となるドラム缶等の比較的剛性のある外装容器の内側に装着し、その内部に各種液体や粉体を収納し、これらの保存や輸送を行う可撓性の内装容器として合成樹脂製の内装袋が使用されている。
内装袋の使用により、外装容器の内壁に収納物が直接接触しないので、収納物を取り出した後、内装袋を外装容器から取り出せば、外装容器の内壁は収納物により汚染されておらず、使用後の外装容器内部を洗浄することなく、再び他の内装袋を装着することで、他の種類の収納物でもそのまま続けて収納することができる。
上記のような内装袋は、熱可塑性合成樹脂シートを用いた筒状胴部の上下端に同じく熱可塑性合成樹脂製シートからなる天板と底板を溶着することでクローズ状の内装袋を成形するようにしていた。
出願人は、先に、熱可塑性合成樹脂を用いた筒状体の下半部を内側に折り返して二重筒に形成し、この二重筒における内側筒及び外側筒の上端部をそれぞれ径方向の内側に向かう折り曲げ部とし、内側筒の折り曲げ部上に熱可塑性合成樹脂を用いた底板の周囲を重ね、外側筒の折り曲げ部上に熱可塑性合成樹脂を用いた天板の周囲を重ね、上記底板と外側筒の折り曲げ部の間に非溶着材を介在させた状態で、上記外側筒の折り曲げ部と天板及び内側筒の折り曲げ部と底板のそれぞれの重なり部分を周方向の全長にわたって同時に加熱溶着し、この溶着後に、天板に設けた筒口から上記非溶着材を抜き取る構成を採用することで、筒状胴部の上端側と下端側を閉鎖する溶着処理を同時に行うことで、クローズ状の袋体を得ることができる製造方法を提供した(特許文献1参照)。
上記特許文献1の発明により、筒状胴部の上端側と下端側を閉鎖する溶着処理を行うことで、両端部を端部材で閉鎖したクローズ状の内装袋が得られるようになった。
ところで、内装袋は、その寸法や形状がドラム缶等の外装容器の内部空間に一致していないと、例えば上下寸法が外装容器の内部高さより短いと、内装袋が外装容器の内部で落ち込んでしまい、直径(幅)が小さいと外装容器の上部開口にセットできなくなり、逆に、内装袋の寸法が外装容器の内部空間より大きいと、外装容器内で内装袋に皺が発生し、皺により収納物の本来の容量を減らしてしまったり、皺の間に収納物が貯まり、完全に取り出すことが出来なくなる等の問題がある。
よって、内装袋の形状、寸法は、使用される外装容器の内部空間の形状、寸法に合わせた形状、寸法に作られており、外装容器内にセットされた場合、内装袋は皺無くぴったりと外装容器の内壁に接するようになる。
特許第3723540号公報
以上、日本国内においては、上記のように外装容器に内装袋を使用するのが主流となっているが、諸外国においては、内装袋を使用せず、ドラム缶等の外装容器に直接収納物を収納することを主流とする地域もあり、これらの地域においては、使用後に外装容器を直接水洗い等で収納物の残渣を洗い出し、その後新たな収納物を収納する等で使用されている。
しかし最近、これらの地域においても、外装容器の洗浄による土壌の汚染、汚濁の問題がクローズアップされてきており、環境問題意識の高まりから、今後は外装容器の洗浄を伴わなくてもよい内装袋を使用することが、世界的になされていくものと考えられる。
ところで、外装容器の保管や使用、運搬方法は世界各地域で千差万別であり、外装容器を船から地面に落として降ろしたり、また、事故等により高さのある場所から外装容器が落下するような環境で使用される場合もある。
外装容器が底面と側面の境目の角部分から地面に落下した場合、ドラム缶等の鉄製の外装容器であれば、外装容器の底面と側面の境目の角部分にへこみが生じる。一方、底面が地面とほぼ水平状態で落下した場合、落下直後に収納物が外側に広がり外装容器を横方向に押し広げ、この圧力により外装容器は横方向に膨張する。これは一瞬で生じる現象であるが、スローモーションで確認すると、落下の衝撃の大きさにもよるが、外装容器が横方向にかなり膨張するのがわかる。
そのため、ドラム缶等の外装容器については、落下試験が行われ、所定の高さから落下しても、外装容器に破損が生じて収納物が流出しないようになっている。
ところが、内装袋を内部に装着した外装容器の場合、鉄製のドラム缶等が底面が地面と水平で落下した際の外装容器の横方向の膨張に伴い、内装袋も横方向に膨張するが、合成樹脂製の内装袋は、ある限度を超えると、内装袋に膨張による加わる引っ張り力により破れて破損してしまうことがある。
たとえ外装容器が落下により破損しなくとも、内部で内装袋が破損してしまうと、収納物が内装袋の破損箇所から外装容器に内部に流出してしまい、外装容器の内壁を汚染してしまうので、外装容器に内装袋を装着することで、使用後に内部を洗浄することなく続けて使用できるという、内装袋を使用する意義が失われてしまう。
この発明は、上記のような課題を解決し、外装容器に落下等の強い衝撃が与えられても、内部で破損をせず、収納物を外装容器の内部で漏らすようなことのない合成樹脂製の衝撃吸収機能付き内装袋を提供することを課題とする。
上記のような課題を解決するため、この発明は、外装容器内に収納されて使用され、筒状胴部の上下端に筒口付き天板と底板とからなる端材を接合して閉鎖され全体が可撓性を有する内装袋において、天板にその周縁部に達しない部分的に凹部又は/及び凸部を筒口の部分を避けて設け、底板にその周縁部に達しない部分的に凹部を設けることで衝撃吸収機能を与えた構成を採用したものである。
上記発明において、筒状胴部と底板及び天板からなる端材は、ポリエチレンのような加熱によって溶着可能な熱可塑性合成樹脂を用いて形成され、筒状胴部は加熱収縮性材料を用い、その上端及び下端に、天板や底板と溶着される溶着片が形成され、この溶着片と天板や底板の周縁部を溶着することで、天板の筒口を通じて内部と導通するクローズ状の内装袋が形成される。
筒状胴部は、強度を持たせる為、厚手の筒状フィルムを用いた1層にするか、若しくは、薄手の筒状フィルムを重層することにより腰の柔らかい厚手にしたり、その上端部外側に短い筒状フィルムを装着して形成し、短い筒状フィルムからなる係合片をドラム缶等の外装容器上部に引っ掛けることにより内装袋の脱落防止を図るようにしてもよい(図4中係合片11を参照)。
ここで、内装袋の天板や底板に設けられる凸部や凹部とは、内装容器の外部から見て突出した部分を凸部、同じく内装容器の外部から見て内側に凹んだ部分を凹部とする。よって天板と底板に設けられる凹部は逆方向に突出していることになる。
外装容器の内部に内装袋が装着され、収納物を収納した状態で落下した際、外装容器の膨張に伴い内装袋が横方向に膨張して、天板の基準平面と凸部(凹部)とに横方向への引っ張り力が加えられた際に、凸部(凹部)と基準平面の段差部分が、垂直から斜め方向になることで基準平面と凸部(凹部)が横方向に引っ張られる際の緩衝材の役割を果たし、結果、内装袋に加わる引っ張り力による破損を防ぐことが出来る。
よって、凸部(凹部)は、その周囲の天板との基準平面との段差部分が緩衝材の役目を果たすので、なるべく凸部(凹部)の周囲全面に段差部分が生じるように、凸部(凹部)は天板の周縁部に達しない部分的に設けられる必要がある。
なお、天板に設けるものは凸部のみ、凹部のみでも両方設けてもかまわないし、それぞれが1つずつである必要はなく、複数個設けるようにしてもよい。
底板に設けられる凹部についても、天板に設けられた凸部(凹部)と同様に、底板の基準面との段差部分が落下の衝撃による膨張に伴う横方向への引っ張り力の緩衝の役割を果たしているので、底板の周縁部に達しない部分的に設けられ、1つ又は2以上であってもよい。
なお、底板に設けるのは凹部としたのは、外装容器から収納物を完全に取り去る際に、外装容器を斜めにして底板の一番下になる周縁部に筒口からホース等の管を入れて、この底板の一番下となった周縁部に溜まった収納物を吸い出すのであるが、仮に内装袋の底板に外部に突出する凸部を設けると、内装袋の内側から見て凸部の部分が凹部状態となり、この凹部分に入り込んだ収納物は、底板の周縁部まで落ち込まないので、収納物を完全に取り出せないことが生じるからである。
以上のように、この発明の衝撃吸収機能付き内装袋によると、外装容器に収納され内部に液体や粉体等を収納した状態で、外装容器に転倒や高所からの落下等の大きな衝撃が加わった際、収納されている液体や粉体等の収納物が衝撃により内部で周囲へ広がり、外装容器を瞬間的に横方向に膨張させるようなことがあっても、内装袋の天板や底板に設けてある凹部や凸部の段差部分がその段差を無くすように伸びることにより、外装容器の瞬間的な膨張に追随して膨張する内装袋の膨張を吸収することになり、内装袋の瞬間的な伸びによる破損が防げ、落下による収納物の漏れ等の事故が無くなる。
この発明の内装袋の斜視図である。 この発明の内装袋の正面断面図である。 この発明の内装袋の平面図である。 この発明の内装袋の他の例の斜視図である。
以下、この発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
図1乃至図3は、この発明の合成樹脂製の内装袋1を示すものである。
内装袋1は、インフレーション法などにより筒状に形成された熱収縮性合成樹脂を所定の長さに切断した筒状胴部2の上端部及び下端部を加熱により内側方向に収縮させて溶着片3(図2参照)を形成し、この溶着片の部分に合成樹脂製の天板4と底板5の周縁部を密着させて溶着して全体をクローズ状に密閉化している。
内装袋1を構成する筒状胴部2や天板4、底板5としては熱可塑性合成樹脂としてポリエチレンその他の合成樹脂であって、主に透明、半透明の材質からなるが、加熱によって溶着可能な樹脂であれば材料の種類や、透明・半透明や非透明(着色等)は特に限定されない。
天板4には、大小の筒口6と筒口7が設けられており、この筒口6と筒口7の部分を避けるように凸部8と、凹部9が一体に設けられている。
凸部8は、天板4の基準平面から高さ約2〜5cm程度の厚み分だけ立ち上がっており、全体が糸巻き型で中心から筒口6と筒口7が無い部分へは周縁部の近くにまで達しており、凹部9は、天板4と同心円状の深さ約2〜5cm程度の溝で、凸部8の部分を除く部分に設けられ、天板4に予め凸部8や凹部9の部分をかたどった金型を使用し熱成型等の方法により天板4と一体成形されている。
底板5は、平板の円板状で、その中央部に底板5と同心円状で外側から見て凹み、内部空間側に約2〜5cm程度で突出する凹部10が形成されている。
この凹部10についても、天板4における凸部9や凹部10と同様、底板5に予め凹部10の部分をかたどった金型を使用し熱成型等の方法により底板5と一体成形されている。
上記の構成の内装袋1は、各種流体や粉体の収納用として用いることができ、例えばドラム缶の内側に装着し、ドラム缶の蓋にある上部注入口と内装袋1の筒口6や7の位置を合わせてドラム缶に蓋をして各種液体や粉体等の収納物の収納に使用し、天板4に設けた筒口6や7を通じて流体や粉体の出し入れが可能になる。
また、ドラム缶等の外装容器に、落下による衝撃が加わり、収納物がその重量により外装容器を瞬間的に横方向に押し広げた際、合成樹脂製の内装袋1は、天板4や底板5に設けられた凸部8、凹部9、及び凹部10が、その周囲の天板4や底板5の基準平面との段差部分の垂直部分が斜めになることで天板4や底板5を拡張方向に広げ、内装袋1に加えられた横方向の引っ張り力の緩衝材としての役割を果たし、内装袋1の破損を防ぐことになる。
図4は、天板4の周縁部全周に亘って側面に沿った下向きの折り返し状で、外装容器の上部開口周縁部外側に引っ掛ける係合片11を有する内装袋1を示すものであり、この実施形態の筒状胴部2は、インフレーション製法により得られた筒状体を三重に重ねて三層構造の円筒状としたが、三層構造に限定されず、一層やそれ以外の多層構造であってもよい。
この筒状胴部2の上端部付近に、筒状胴部2と同じ材質で筒状胴部2と同じ直径を有し、上下方向が筒状胴部2より短寸法な筒状フィルムを筒状胴部2の外側から嵌め、次に、筒状胴部2と筒状フィルムの上端同士を熱溶着等により接着しておいてから、加熱すること等で、筒状胴部2と筒状フィルムの上端付近を収縮させて内側に水平に倒して、図2の正面断面図で示した溶着片3を形成する。
この後、筒口6及び7付きの天板4を溶着することで、図4に示す内装袋1が得られるが、筒状フィルムの溶着片3とならずに残った垂直部分が、係合片11として筒状胴部2の上端の周縁部全周に亘って側面に沿った下向きの折り返し状に形成され、この係合片11の部分は内装袋1をドラム缶等の外装容器内に収納する際、外装容器の上部開口の縁部外側に引っ掛けることで、内装袋の外装容器内への落ち込みを防止することができる。
以上、この発明の内装袋の実施の形態を説明したが、内装袋の種類や寸法、材料、等の詳細については、これらの実施形態にとらわれることなく、この発明の目的の範囲内で適宜変更して実施することができる。
特に、天板4に設けられた凸部8、凹部9、及び底板5に設けられた凹部10の形状、大きさ、段差の高さ等については、実施形態の記述や図示にとらわれることなく、落下の際の衝撃による内装袋の横方向への拡張を、これら凸部8、凹部9、及び凹部10の段差部分が緩衝材の役割を果たす範囲内で、適宜設計を変更して実施することができる。
また、実施の形態で説明した内装袋の天板は筒口を2つ設けたものであったが、これについても1つのみとして天板の中央部に設けてもよく、要するに、この発明は、実施の形態にて示した形状・大きさの内装袋に限定されることなく、種々の内装袋に適用することができるものである。
1 内装袋
2 筒状胴部
3 溶着片
4 天板
5 底板
6 筒口
7 筒口
8 凸部
9 凹部
10 凹部
11 係合片

Claims (1)

  1. 外装容器内に収納されて使用され、筒状胴部の上下端に筒口付き天板と底板とからなる端材を接合して閉鎖され全体が可撓性を有する内装袋において、
    天板にその周縁部に達しない部分的に凸部又は/及び凹部を筒口の部分を避けて設け、底板にその周縁部に達しない部分的に凹部を設けたことを特徴とする衝撃吸収機能付き内装袋。
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