JP2011230176A - 鋳物砂及び鋳物砂組成物並びにそれを用いて得られた鋳造用鋳型 - Google Patents

鋳物砂及び鋳物砂組成物並びにそれを用いて得られた鋳造用鋳型 Download PDF

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Abstract

【課題】鋳型を構成する耐火粒子及び粘結剤に由来すると考えられる鋳造欠陥である焼着欠陥、割れ欠陥、ガス欠陥、引け巣欠陥を抑制し、低減すること。
【解決手段】鋳物砂用耐火粒子に対して、0.05mm〜0.5mmの大きさの粒子径を有する、磁鉄鉱を主要鉱物とし、Fe34とFeOの合計含有量が97重量%以上である、人工的に製造された球状酸化鉄を配合せしめて、鋳物砂を構成した。
【選択図】なし

Description

本発明は、鋳物砂及び鋳物砂組成物並びにそれを用いて得られた鋳造用鋳型に係り、特に、鋳造欠陥とされる焼着、割れ、引け巣及びガス欠陥を抑制乃至は低減させ得る鋳物砂とその組成物、更にはそれを用いて得られる鋳造用鋳型に関するものである。
従来から、鋳造用鋳型を構成する鋳物砂としては、天然に産出するシリカ砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂等の天然砂からなる耐火粒子が、主に用いられているが、近年においては、人工的に製造されたムライト又はコランダムを主要鉱物とする人工の耐火粒子も用いられるようになってきている。
そして、そのような耐火粒子の中で、シリカ砂は、比較的安価なこと、耐熱性が高いこと等の利点を有しているところから、最も広く用いられている耐火粒子であるが、575℃付近でα石英からβ石英に相転移する際に、急激な膨張を示すため、表面における鋳造欠陥の発生の原因となることが知られている。しかし、この鋳造欠陥に対しては、或る程度の対応策が確立されている。
また、クロマイト砂は、耐熱性が高く、シリカ砂に比べて、熱膨張率が小さく、熱伝導率が高いという特徴があり、耐熱性は高いが、軟化温度は1180〜1400℃程度と比較的低い等のことから、化学的・物理的焼着の防止のため、特殊耐火粒子として使用されている。ジルコン砂も、また、耐熱性が高く、熱膨張率が小さく、熱伝導率が高いという特徴があり、同様に、特殊耐火粒子として使用されている。更に、オリビン砂は、2MgO・SiO2 と2FeO・SiO2 の固溶体からなり、シリカ砂と比べて熱膨張率が小さく、熱伝導率が高く、塩基性耐火物に属するため、高温での金属酸化物との反応性に対して高い抵抗を示すため、高マンガン鋳鋼等に対して適した耐火粒子である。
しかしながら、これら天然に産出する耐火粒子は、物理化学的特性等の品質にバラツキが生じることに加えて、近年においては、資源の減少に基づくところの枯渇化の問題をも内包しており、供給面、価格面等の不安定性も、問題視せざるを得なくなっている。
一方、人工的に製造されたムライト又はコランダムを主要鉱物とする耐火粒子には、塊状の焼結体や溶融・冷却した塊状物を破砕して製造される耐火粒子、又は球状に造粒した後に焼成させることで得られる焼結球状耐火粒子や、溶融物をエアーで吹き飛ばす溶融アトマイズ法により得られる溶融球状耐火粒子、火炎溶融法を用いて得られる溶融球状耐火粒子等が知られている。
例えば、特許第1691684号公報(特許文献1)においては、Al23:20〜70重量%及びSiO2 :80〜30重量%の組成となるように泥ショウを配合した後、スプレードライヤにより熱風中に吹き出させることにより、粒子径が0.05〜2.0mmの球状に造粒し、その後、これをロータリーキルンにて焼結することによって、球状鋳物砂を製造する方法が、提案されている。
また、特許第1757286号公報(特許文献2)においては、Al23:20〜70重量%、SiO2 :80〜30重量%となるように混合された原料組成物を用いて、直径が0.1〜2.0mmの球状粒子に造粒した後、かかる球状粒子に対して、高温焼成後のAl23の含有量が90重量%以上で、粒子径が0.1mm以下となる高アルミナ質粉末を、外掛けで5〜50重量%の割合で混合せしめ、その混合物を、1400〜1750℃で焼成することにより、前記球状粒子を、それら粒子相互の融着を防止しつつ、球状の焼成粒子として得ることを特徴とする製造方法が、明らかにされている。
そして、上記の技術により、得られる粒子は球状であるところから、破砕したものよりも比表面積が小さく、そのため、鋳型として用いる際のバインダー添加量の低減にも寄与することとなる。更に、粒子に角がないために、繰返しの機械的再生処理においても、発生するダストが少なくて済むということから、近年の産業廃棄物削減の要望と合致し、環境に対する負荷が低減されることになる。また、Al23−SiO2 系であることから、ムライトを主要鉱物としているため、その熱膨張が小さく、鋳型としての寸法精度が著しく向上することになる。更に、流動性に優れ、細部まで均一な充填が可能となり、鋳型製作において、精密で均一な組織を有する鋳型が生産可能になり、且つ球状粒子形状であるために、鋳物の鋳肌が美しく仕上がることになった。以上のように、鋳物砂として適した材料が提供出来るようになり、これによって、そのような鋳物砂を用いた鋳型及びそれにより得られる鋳物の品質向上に、多大なる寄与を実現したのである。
また、特開2003−251434号公報(特許文献3)では、アルミナ40〜90重量%、シリカ60〜10重量%の合成ムライトを主とする球状物からなり、そしてこの球状物が、30〜1180μmの粒度分布を有し、且つ6万/d〜180万/d[dは球状物の平均粒子径(μm)]の範囲の、単位体積当りの表面積(cm2/cm3)を有することを特徴とする技術が、提案されている。
さらに、特開2004−202577号公報(特許文献4)等には、火炎溶融法と称される製造方法で、Al23及びSiO2を主成分として含有してなり、Al23/SiO2重量比率が1〜15、平均粒径が0.05〜1.5mm、球形度が0.95以上、吸水率が0.8重量%以下である球状鋳物砂を製造する技術が、明らかにされている。
このように、近年において、ムライト又はコランダムを主要鉱物とする球状耐火粒子に関する技術が多く開示されているのは、天然に産出するシリカ砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂や、塊状の焼結体や溶融・冷却した塊状物を破砕して製造されるムライト又はコランダムを主要鉱物とする耐火粒子は、角状或いは針状の形態であるために、流動性が悪く、鋳物用砂としての使用時に充填が不均一になり易く、また鋳肌が荒れ易くなる等の欠点を改善する要求を満たすものとなったのである。
ところで、鋳造用鋳型は、上述の如き耐火粒子と有機系・無機系粘結剤を用いて造型することにより作製され、そしてその作製された鋳型へ、アルミニウム、鋳鉄、鋳鋼等の溶融金属(溶湯)が注湯され、更にその注湯された溶融金属の冷却後に鋳型を解体することで、目的とする鋳物が得られることとなるのであるが、その得られた鋳物に、鋳造欠陥と呼ばれる鋳物表面及び内部の欠陥が生じる場合がある。これらの鋳造欠陥は、鋳物品質や後処理工程に大きな影響を及ぼすために、その低減が切望されている。
特に、鋼鋳物は、鋳物の中でも欠陥が発生し易く、その主要な欠陥として、焼着欠陥、割れ欠陥、ガス欠陥、引け巣欠陥等を挙げることが出来る。ここで、焼着欠陥は、物理的焼着と化学的焼着の2種類に分類され、そのうち、物理的焼着は溶湯が鋳型内に浸透固着して起こるものであり、また化学的焼着は鋳型材と溶湯との界面において、溶湯の酸化により生成する酸化鉄(FeO)との反応生成物を形成することで、鋳肌に固着して起こるものである。
また、かかる鋳型造型に用いられる粘結剤種では、有機系、水ガラス系、粘土系の順に、焼着が起こり易いとされているが、これは、有機系鋳型がつき固め不足になり易く、充填密度が低くなり易いこと、鋳型の冷却性能が低いためと考えられている。特に、シリカ砂は、575℃付近でα石英からβ石英に相転移する際に急激な膨張を示すことや、溶湯の酸化により生成する酸化鉄(FeO)と反応して、ファイアライト(2FeO・SiO2 )と呼ばれる低融点物質を生成し、それが砂粒間に浸透することにより、焼着を引き起こすとされている。それに対し、クロマイト砂やオリビン砂は、砂粒表面が溶融して、物理的焼着を抑制すると共に、反応生成物の浸透を阻止することで、化学的焼着も抑制するとされている。また、ジルコン砂は、反応生成物が少ないため、焼着が起こり難いとされている。
かかる状況下、シリカ砂の焼着を抑制するための研究は、日本国内においても行なわれているが、特に、米国において広く行なわれており、或る程度の対応策が確立されている。そこで、主に講じられる対応策としては、焼着抑制剤の添加が挙げられる。その焼着抑制剤として、石炭粉、穀物、澱粉、ピッチ粉、木粉、ガラス粉末、シリカ粉末、酸化鉄等がある。石炭粉、穀物、澱粉、ピッチ粉、木粉は、それらの燃焼による消失で、シリカ砂の膨張に対する緩衝剤としての作用を発揮させたり、粘結剤が有機系の場合には、溶湯から受熱することで有機系粘結剤が燃焼することとなるのであるが、石炭粉、穀物、澱粉、ピッチ粉、木粉等が燃焼することにより、鋳型内を還元性雰囲気として、有機系粘結剤の炭素化を促進させ、鋳型の形状を保持させる作用として働くようになっている。なお、ガラス粉末、シリカ粉末、酸化鉄は、熱間での強度を保持させる作用として働くようになっている。
特に、酸化鉄については、米国において広く研究されており、かかる酸化鉄は、主に赤鉄鉱(Fe23)粉末又は磁鉄鉱(Fe34)粉末として微量添加されることとなるのであるが、そこでは、シリカ砂に対して酸化鉄粉末を添加することで、シリカ砂の熱膨張欠陥を抑制すると考えられている。但し、その多量の添加は、逆に焼着を促進させることとなるため、かかる酸化鉄粉末の添加量は極少量に限られるのである。
このように、従来からの各種焼着抑制剤の全てにおいて、焼着に対しては、或る程度の対応策が確立されてはいるのであるが、本質的に、課題の解決には至っていないのが、実情である。
一方、クロマイト砂、オリビン砂、ジルコン砂は、焼着が起こり難いとされているが、溶湯温度の高い溶融金属や大物鋳物については、焼着が発生しているのが現状であり、これらの耐火粒子を用いることにおいても、課題の解決には至っていないのである。
これに対して、人工的に製造された、ムライト又はコランダムを主要鉱物とする破砕耐火粒子や焼結球状耐火粒子、溶融球状耐火粒子は、人工的に製造されているために、その物理化学的性質が安定していること、高い耐熱性を持っていること、熱膨張が小さいところから、鋳型の寸法精度に優れていること等が、共通した特徴として挙げられている。しかし、特に有機系粘結剤を用いた場合、その耐熱性が高いという特性のため、溶湯からの受熱により有機系粘結剤が燃焼した後に、砂粒間結合を保つことが出来なくなることで、鋳型が脆弱化し、溶湯の湯圧等により容易に砂粒間間隙が広がることとなり、溶湯が浸透する場合がある。従って、人工的に製造されたムライト又はコランダムを主要鉱物とする破砕耐火粒子や焼結球状耐火粒子、溶融球状耐火粒子を用いても、課題の解決には至っていない。
また、割れ欠陥は、溶湯の凝固過程において、固体と液体とが共存する状態にある金属にひずみが加わると、その状態の金属には、延性がないために発生する亀裂に由来する欠陥であるが、この割れ欠陥は、無機系粘結剤を用いる場合よりも有機系粘結剤を使用する場合に多く、その理由としては、有機系粘結剤が無機系粘結剤に比べて高温変形量が小さいためであると考えられている。その他、溶湯中の硫黄(S)分や、有機粘結剤が熱分解する過程で発生するS分による浸硫により、かかる割れ欠陥が発生する場合もある。その対策としては、熱膨張の小さいクロマイト砂、オリビン砂、ジルコン砂の使用や、木粉等の緩衝材の添加等が挙げられているが、課題の解決には至っていないのが現状である。
さらに、ガス欠陥は、溶湯中のガスに由来するものと、鋳型からのガスに由来するものとに分けることが出来る。溶湯中のガス含有量が多く、凝固時にガスが分離して、気泡を形成したり、また鋳型の水分や粘結剤から発生したガスが溶湯に巻き込まれたり、鋳型空洞中の空気が溶湯流に巻き込まれたりして、気泡を形成し、鋳物内に穴を生じる欠陥である。このガス欠陥は、主に丸みを帯び、通常滑らかな表面を持った穴で、表面に通じておらず、鋳物内部に生じる。それの比較的大きなものは、ブローホール、小さなものはピンホールと呼ばれている。そして、ブローホールは一つずつ独立して存在し易く、ピンホールは群を為して存在し易い。
鋳型からのガスについては、有機粘結剤を用いた鋳型の場合は、鋳込みで発生するガス中のNH3 やCNが熱分解し易く、Nガスを発生して溶湯中に溶け込むため、ガス欠陥を生じるとされている。このため、有機粘結剤を用いる場合は、窒素化合物の含有量の少ない樹脂を用いる等の対策が講じられているものの、充分ではなかったのである。
また、酸化鉄粉末の添加によってガス欠陥を抑制するという報告もある。そこでは、有機粘結剤中の熱分解により発生する窒素分子、水素分子をガス欠陥の要因としており、酸化鉄粉末の酸素が窒素分子、水素分子と反応して、NOxや水を形成するとしている。生成したNOxガスやH2O ガスは、窒素分子、水素分子と比べて溶湯中に溶解し難いためであるとされている。しかしながら、先述のように、酸化鉄粉末の多量添加は、焼着欠陥を促進させることとなるため、或る程度の効果は示すものの、充分なものではない。
さらに、引け巣欠陥は、凝固時の体積収縮によって、厚肉部の未凝固液表面が下がり、じょうご状の空洞となったもので、その下に閉じた空洞が続いている外引け巣や、鋳物内部に生じる不規則な形状の荒い壁面をした空洞で、しばしば樹枝状晶があり、外部には通じていない内引け巣、主に最後に凝固した部分、即ち厚肉部、肉厚変化部、堰の付近に生じるざく巣がある。
これらのように、鋳型を構成する耐火粒子及び粘結剤に由来すると考えられる鋳造欠陥である焼着欠陥、割れ欠陥、ガス欠陥、引け巣欠陥等に対し、その対応策として様々な手法が用いられているが、未だ課題の解決には至っていないのが現状である。
特許第1691684号公報 特許第1757286号公報 特開2003−251434号公報 特開2004−202577号公報
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、鋳型を構成する耐火粒子及び粘結剤に由来すると考えられる鋳造欠陥である焼着欠陥、割れ欠陥、ガス欠陥、引け巣欠陥を効果的に抑制し、低減するための鋳物砂や鋳物砂組成物と、そのような鋳物砂を用いて製造した鋳造用鋳型を提供することにある。
そして、本発明にあっては、上記した課題、又は明細書全体の記載や図面から把握される課題を解決するために、以下に列挙せる如き各種の態様において、好適に実施され得るものであるが、また、以下に記載の各態様は、任意の組合せにおいても、採用可能であることは言うまでもないところである。なお、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに何等限定されることなく、明細書全体の記載並びに図面に開示の発明思想に基づいて、認識され得るものであることが、理解されるべきである。
(1) 鋳物砂用耐火粒子に対して、0.05mm〜0.5mmの大きさの粒子径を有する、磁鉄鉱を主要鉱物とし、Fe34とFeOの合計含有量が97重量%以上である、人工的に製造された球状酸化鉄を配合せしめてなることを特徴とする鋳物砂。
(2) ムライト及び/又はコランダムを主要鉱物として、人工的に製造された鋳物砂用耐火粒子に対して、0.05mm〜0.5mmの大きさの粒子径を有する、磁鉄鉱を主要鉱物とし、Fe34とFeOの合計含有量が97重量%以上である、人工的に製造された球状酸化鉄を配合せしめてなることを特徴とする鋳物砂。
(3) ムライト及び/又はコランダムを主要鉱物として、人工的に製造された球状の鋳物砂用耐火粒子に対して、0.05mm〜0.5mmの大きさの粒子径を有する、磁鉄鉱を主要鉱物とし、Fe34とFeOの合計含有量が97重量%以上である、人工的に製造された球状酸化鉄を配合せしめてなることを特徴とする鋳物砂。
(4) 前記球状酸化鉄が、前記鋳物砂用耐火粒子との合計量において、0.5〜15重量%の割合となるように配合せしめられている前記態様(1)乃至(3)の何れか一つに記載の鋳物砂。
(5) 前記態様(1)乃至(4)の何れか一つに記載の鋳物砂に対して、有機系又は無機系粘結剤を混練せしめてなることを特徴とする鋳物砂組成物。
(6) 前記態様(5)に記載の鋳物砂組成物を用いて、所定形状に造型し、硬化させてなることを特徴とする鋳造用鋳型。
このように、本発明にあっては、鋳物砂を、耐火性粒子と所定の球状酸化鉄粒子とから構成すると共に、そこで用いられる耐火粒子が一般に0.05〜0.5mm程度の粒度分布(粒子サイズ)を持つものが用いられるものであるところから、前記の球状酸化鉄としては、それと同程度の粒度分布を持つものを用いるようにしたことを特徴とするものであり、しかもかかる球状酸化鉄は人工的に製造されたものであるために、天然に産出するものよりも、Fe含有量が高く、不純物が少ないこと、またその物理化学的性質が安定していることも、大きな特徴となっているのである。
そして、そのような鋳物砂を用いて造型された鋳型によって鋳造することにより、耐火粒子や粘結剤に起因する鋳造欠陥、特に焼着欠陥、割れ欠陥、ガス欠陥、引け巣欠陥等を効果的に抑制せしめ、その低減を有利に図り得たのである。
なお、先述のように、酸化鉄粉末による焼着抑制効果、ガス欠陥抑制効果は、既に知られているところであるが、これに対して、本発明に用いられる酸化鉄は、磁鉄鉱を主要鉱物として、Fe34とFeOとを含んで、粒子状であること、またその形状が球状であるところに、大きな違いがあり、これが本発明の作用・効果の向上に有利に働くことになるのである。
ここにおいて、本発明に従う鋳物砂に用いられる耐火粒子としては、公知の各種の天然の耐火粒子や人工の耐火粒子の中から、適宜に選択されることとなる。例えば、天然の耐火粒子としては、シリカ砂、クロマイト砂、ジルコン砂、オリビン砂等の天然砂があり、また、人工の耐火粒子としては、アルミナ原料とシリカ原料の混合物を焼結して得られる、前述せる如きムライトやコランダムを主要鉱物とした耐火粒子(焼結体粒子)が、よく知られており、粉砕物や球状造粒物として提供されるものが、適宜に選定されることとなる。特に、本発明にあっては、それら鋳物砂用耐火粒子の中でも、ムライト及び/又はコランダムを主要鉱物として、人工的に製造された耐火粒子、例えば、ムライト質粒子やムライト・コランダム質粒子等が有利に用いられ、その中でも、球状に造粒された粒子が、好適に用いられることとなる。
そして、そのような耐火粒子は、一般に、従来から用いられている鋳物砂用の耐火粒子と同様な大きさ(粒子径)において用いられ得るものであり、具体的には、0.05mm〜0.5mm程度の大きさの粒子径を有する粒子において、用いられることとなる。その粒子径が小さくなり過ぎると、取り扱い難くなることに加えて、例えば、鋳物砂として用いたときに、鋳込み時のガス抜けが非常に悪くなる等の問題を惹起するようになるからであり、一方、粒子径が大きくなり過ぎると、鋳物表面の鋳肌が荒れる等の問題を惹起するようになる。なお、そのような大きさの耐火粒子は、目的とする粒子径を与えるように、人工的に直接に製造されることとなる他、必要に応じて、焼成されたものを篩い分けする等の操作を施すことによって、所望粒径のものが取り出されるようにされる。
また、本発明において好適に用いられる、ムライト及び/又はコランダムを主要鉱物として、人工的に製造された球状の鋳物砂用耐火粒子は、その形状が真球に近いことがより好ましく、そして、その真球の度合いを示す方式としては、粒子の二次元投影画像から、画像解析装置を用いて測定を行ない、円形度として表わす手法を採用することが出来るのである。具体的には、その円形度は、よく知られているように、円形面積相当周囲長/粒子投影像輪郭周長=2√(πS)/Lとして求められ、本発明では、円形度としては、0.85以上が好ましく、更に好ましくは、0.90以上である粒子が、有利に用いられることとなる。なお、ここで、Sは、投影された粒子の面積であり、Lは、粒子投影像輪郭周長である。
ところで、上述の如き耐火粒子に対して、一般的な酸化鉄粉末を配合すると、かかる酸化鉄粉末は、粒度が細かいため、比表面積が大きく、鋳型として造型する際に粘結剤添加量が多く必要となることに加え、また、酸化鉄粉末は耐火粒子間隙に入り込むことになるのであるが、その添加量が多くなると、鋳型の通気度が低下し、逆にブローホール等のガス欠陥を引き起こすこととなる。
これに対して、粒状の酸化鉄(粒子)としては、天然に産出する砂鉄があるが、天然に産出するものは、物理化学的特性等の品質にバラツキが生じることに加えて、その粒子形状が角状或いは針状の形態となるために、流動性が悪く、鋳物用砂としての使用時に、充填が不均一になり易い。
このため、本発明において用いられる球状酸化鉄は、磁鉄鉱を主要鉱物とし、Fe34+FeOの含有量が97重量%以上となるものであるが、Fe34及びFeOの同定方法については、粉末X線回折法を用い、既知のX線回折パターンにより、その存在を確認することになる。具体的には、Fe34については、PDF.No.19−629により、FeOについては、PDF.No.6−615により、その存在を確認することとなる。また、そのような本発明における球状酸化鉄は、磁性を有しており、1500ガウスの永久磁石による磁着率は、100%である。なお、Fe34とFeOの合計含有量が97重量%未満となると、不純物成分の影響が大きくなることになり、球状酸化鉄の添加効果が、特にガス欠陥、引け巣欠陥に対する効果が低減するという問題が惹起されるようになる。
従って、本発明に係る鋳物砂は、前記した耐火粒子と、0.05mm〜0.5mmの大きさの粒子径を有する、磁鉄鉱を主要鉱物とし、Fe34とFeOの合計含有量が97重量%以上である、人工的に製造された球状酸化鉄とで構成されることを特徴としており、耐火粒子と球状酸化鉄が同程度の粒度分布を持つものを用いることとなるのであるが、それは、以下のように好適に作用するのである。
すなわち、先述の如く、鋳型は、通常、耐火粒子と無機系・有機系粘結剤により造型され、鋳型構造物と為されるのであるが、その結合は、耐火粒子同士の砂粒間における点接触により、構造物として保持されることとなる。このため、添加される球状酸化鉄の粒度が、耐火粒子と同等であれば、球状酸化鉄も、耐火粒子と、砂粒間における点接触による結合が可能となるのである。しかも、耐火粒子と同等の粒度とすることによって、それらの混合時に均一に分散させることも、容易となるのである。
また、鋳型として造型されて、それに溶融金属(溶湯)が注湯された後には、球状酸化鉄が溶融して、鋳型内を拡散し、高温における鋳型構造を保持するようになるのであるが、酸化鉄粉末を用いた場合には、粉末であるため、反応性が高く、そしてその添加量が多くなると、焼着欠陥にも繋がるため、その添加量は極少量に限定されることとなる。これに対して、球状酸化鉄の場合、粒状であるため、その反応性は粉末に比べて緩慢であり、それ故に、添加量を比較的多くすることが可能となるのであり、以て、焼着欠陥を抑制しながら、更に、割れ欠陥、ガス欠陥、引け巣欠陥等の抑制が可能となるのである。
なお、球状酸化鉄の添加による鋳造欠陥抑制のメカニズムについては、解明されておらず、現状では明確ではないが、溶湯金属からの受熱により、溶湯金属−鋳型界面での鋳型表面において、球状酸化鉄が溶融することにより、溶融した酸化鉄が拡散し、耐火粒子同士の結合効果をもたらし、更に、拡散した鉄成分は塗型層まで達することで、塗型層が緻密化されることとなり、更には、鋳型層と塗型層との結合を促進することで、焼着欠陥が抑制され得ることとなり、また、それと同様に、割れ欠陥、ガス欠陥、引け巣欠陥等の抑制効果も発揮していると推察されている。
また、本発明では、耐火粒子と球状酸化鉄とが、同程度の粒度分布を持つものにおいて用いられることとなるのであるが、かかる球状酸化鉄の粒度が大き過ぎても、小さ過ぎても、無機系・有機系粘結剤により造型される際に、耐火粒子と砂粒間における点接触による結合が充分に為されず、安定した鋳型強度や通気度が得られないため、好ましくなく、そのため、用いられる耐火粒子の粒度により異なるものであるが、好ましくは、球状酸化鉄粒度は、0.05mm〜0.5mm、更に好ましくは0.1mm〜0.3mmであるものが選定される。そして、高温における鋳型構造を保持するという観点からも、球状酸化鉄の粒度が大き過ぎても、小さ過ぎても、適度な球状酸化鉄の溶融と鋳型内の拡散が得られないため、好ましくないのである。ここで、球状酸化鉄の球状の程度としては、先の耐火粒子の場合において説明された円形度にて表わすならば、一般に、0.85程度以上、好ましくは0.90以上であることが望ましい。
さらに、かくの如き球状酸化鉄の配合に際して、その添加量が少なくなり過ぎると、充分な球状酸化鉄の溶融と鋳型内の拡散が得られないことに加えて、割れ欠陥、ガス欠陥、引け巣欠陥等の抑制が得られないため好ましくなく、一方、多過ぎると、高温における鋳型の軟化が顕著になるため好ましくない。このため、溶融金属の鋳込み温度、鋳込み重量により異なるものの、好ましい球状酸化鉄の添加量としては、耐火粒子との合計量に対して、0.5〜15重量%、更に好ましくは3〜10重量%となる割合である。
そして、本発明に従って、所定の耐火粒子に対して、0.05mm〜0.5mmの大きさの粒子径を有する磁鉄鉱を主要鉱物とし、Fe34とFeOの合計含有量が97重量%以上である、人工的に製造された球状酸化鉄を配合せしめてなる鋳物砂は、各種の有機系や無機系の粘結剤を用いて、従来と同様にして、混練されて、鋳物砂組成物とされ、目的とする鋳型の造型に用いられることとなるのである。具体的には、粘結剤としては、粘土(ベントナイト等)、水ガラス、シリカゾル等の無機系の粘結剤や、フラン樹脂、フェノール樹脂、フランフェノール樹脂、フェノールウレタン樹脂、アルカリフェノール樹脂等の有機系の粘結剤等が用いられる。また、それら粘結剤には、種類に応じて、硬化剤が使用される。具体的には、フラン樹脂においては、硫酸、リン酸、リン酸エステル、ピロリン酸等の無機酸、キシレンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機酸等が用いられ、また、アルカリフェノール樹脂においては、ラクトン酸、ギ酸エステル、ギ酸メチル、トリアセチン、ピリジン系化合物等が用いられ、そして、水ガラス用の硬化剤としては、炭酸ガス、ダイカルシウムシリケート、有機エステル等が用いられることとなる。
また、かかる粘結剤は、その種類にもよるが、鋳物砂の100重量部に対して、一般に1〜3重量部程度の割合において使用されるものであり、更に、硬化剤は、粘結剤の種類にもよるが、粘結剤の100重量部に対して、20〜50重量部程度の割合において、添加されることとなる。また、熱硬化性樹脂を用いて、樹脂で被覆された樹脂被覆砂を作製し、シェル鋳型としても、使用することが出来る。更に、ウレタン系樹脂を用いる場合には、アミンガスのようなガスを用いて、硬化させて、鋳型を作製することも可能である。具体的には、熱硬化鋳型として、シェルモールド法、ホットボックス法、ウォームボックス法等が、ガス硬化鋳型としては、水ガラス−CO2 鋳型、有機CO2 鋳型、アミン・コールドボックス法、SO2 コールドボックス法、FRC・コールドボックス法、エステル・コールドボックス法が用いられ、自硬性鋳型としては、無機自硬性鋳型、有機自硬性鋳型が用いられ、更に、消失模型鋳造法やVプロセス鋳造法、凍結鋳型、塩型等にも用いることが出来る。
以下に、本発明の実施例の幾つかを示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
−実施例1−
下記表1に示される各種の耐火粒子を用いる一方、それぞれの耐火粒子に対して、下記表1に示される球状又は粉末状の酸化鉄を、それら耐火粒子と酸化鉄の合計量に対する重量割合において、所定量(%)添加して、各種の鋳物砂を準備した。なお、用いた耐火粒子は、何れも、その粒子径が0.1mm〜0.5mmの範囲内のものであり、また、人工砂(破砕)は、従来のムライト質焼結体を破砕して得られたものであり、更に、人工砂(球状)は、市販のムライト質人工球状焼結体粒子(伊藤忠セラテック株式会社製セラビーズ)を用いた。一方、酸化鉄における球状のものは、Fe34とFeOとの合計含有量が97重量%以上である、磁鉄鉱を主要鉱物とする人工の球状粒子であって、0.1mm〜0.3mmの粒子径を有するものであり、また、粉末のものは、粒子径が75μm以下である、通常の酸化鉄粉末を用いた。
そして、それら耐火粒子と所定の酸化鉄を配合してなる各種の鋳物砂(混合物)を用いて、それに、粘結剤としてのフラン樹脂と硬化剤とを混練せしめて、鋳物砂組成物とした後、船舶用ラダー部材を鋳造する鋳型を、それぞれ造型した。なお、粘結剤(フラン樹脂)の使用量としては、シリカ砂、人工砂(破砕)及び人工砂(球状)を用いた場合にあっては、耐火粒子の100重量部に対して、フラン樹脂の使用量を1.5重量部とし、また、クロマイト砂、ジルコン砂及びオリビン砂を用いた場合にあっては、耐火粒子の100重量部に対して、フラン樹脂は1.1重量部の使用量とした。硬化剤の使用量は、フラン樹脂の40〜50重量%とした。
次いで、かくして得られた各種の鋳型を用いて、鋳込温度:1570℃、鋳込重量:10.5tの条件下において、材質:KSC46Wからなる船舶用ラダー部材を、それぞれ鋳造した。
その後、かかる鋳造によって得られた各種の船舶用ラダー部材(鋳物)について、その表面をショットブラスト処理した後、それぞれの鋳物表面に発生している焼着欠陥の面積を、鋳物表面の面積で除して、百分率にて焼着率を求め、その結果を、下記表1に併せ示した。なお、かかる焼着率が10%を超えるようになると、後加工等において漸次より多くの労力が必要となることが認められている。
Figure 2011230176
かかる表1の結果から明らかなように、耐火粒子としてシリカ砂を用いた場合においては、それに酸化鉄を添加することで、添加しない場合と比べて、焼着率が少なくなることが認められるのであるが、その添加量が増加すると、逆に、焼着率が増加することとなった。また、酸化鉄粉末では、その添加量は、3重量%程度が適量と考えられ、5重量%程度ともなると、焼着率が上昇することになった。これに対して、球状酸化鉄を用いた場合には、その添加量が5重量%程度が適量であり、8重量%程度となると、焼着率が上昇することになった。
その他の耐火粒子を使用した場合においても、同様に、球状酸化鉄を添加することで、それを添加しない場合と比べて、焼着率が効果的に低下するようになるのであるが、その添加量が増加すると、逆に、焼着率が増加する結果が得られているのである。
また、球状酸化鉄の最適な添加量及びその効果は、耐火粒子の種類により異なり、クロマイト砂では8重量%程度、ジルコン砂では5重量%程度、オリビン砂では5重量%程度、破砕人口砂では8重量%程度、更に、球状人工砂では5〜10重量%程度が、特に適していることが認められる。そして、球状酸化鉄を最適な添加量において添加した場合の効果として、耐火粒子の種類の違いにより、シリカ砂、オリビン砂、ジルコン砂、破砕人口砂、クロマイト砂、球状人工砂の順に、焼着率の低下効果に対して、優れた結果が得られているのである。
−実施例2−
耐火粒子として、実施例1と同様なクロマイト砂や球状人工砂を用いる一方、同じく、実施例1と同様な球状酸化鉄を用いて、それぞれ、下記表2に示される添加量(重量基準)において添加して、それらクロマイト砂又は球状人工砂と球状酸化鉄の所定割合のものとからなる各種の鋳物砂を調製し、そして、実施例1と同様にして、産業機械用部材を鋳造するための鋳型を、それぞれ造型した。
次いで、この得られた各種の鋳型を用いて、鋳込温度:1570℃、鋳込重量:15tの条件下において、材質:SC410からなる産業機械用部材(鋳物)を鋳造した。そして、その得られた鋳物について、クラックの発生の有無、更にはその程度を調査し、クラックの大きいものを×、小さいものを△、クラックが認められないものを○として評価して、その結果を、下記表2に示した。
Figure 2011230176
かかる表2の結果から明らかなように、耐火粒子(クロマイト砂又は球状人工砂)に対して、球状酸化鉄を配合せしめて、鋳物砂として用いた場合にあっては、そのような球状酸化鉄を配合せしめない場合に比べて、クラックの発生が効果的に抑制乃至は阻止されて、品質の良好な鋳物を得ることが出来ることが明らかとなった。
−実施例3−
耐火粒子として、実施例1と同様なクロマイト砂又は球状人工砂を用いる一方、酸化鉄としても、実施例1と同様な球状酸化鉄を用い、下記表3に示される添加割合において、それらを混合して、各種の鋳物砂を調製した後、実施例1と同様にして、それぞれ、格子状の鋳物を鋳造し得る鋳型を造型して、引け巣欠陥の有無を調べた。
次いで、鋳造条件は、鋳込温度:1570℃、鋳込重量:250kg、材質:SC410として、それぞれの鋳型を用いて鋳造を行ない、得られた格子状の鋳物における引け巣の有無について調べた。そして、大きな引け巣があるものを×、小さな引け巣のあるものを△、引け巣のないものを○として評価し、その結果を、下記表3に併せ示した。
Figure 2011230176
かかる表3の結果から明らかなように、耐火粒子としてのクロマイト砂又は球状人工砂に対して、球状酸化鉄粒子の所定量を添加した場合においては、得られた鋳物における引け巣欠陥の発生が、効果的に抑制乃至は阻止され得ていることが認められるのである。
−実施例4−
実施例2と同様にして、耐火粒子として、クロマイト砂又は球状人工砂を用いる一方、球状酸化鉄を、下記表4に示される如き割合において添加して、それぞれ、各種の鋳物砂を調製した後、実施例2と同様な鋳造を行ない、得られた鋳物の表面近傍に存在するガス欠陥の有無を調べた。なお、このガス欠陥の調査は、得られた鋳物の表面を研削して、ガス欠陥が存在するか、どうかにおいて評価し、その結果を、下記表4に併せ示した。
Figure 2011230176
かかる表4の結果から明らかな如く、本発明に従って、耐火粒子:クロマイト砂又は人工砂に対して球状酸化鉄を添加せしめて、鋳物砂とすることにより、ガス欠陥について、その発生の抑制乃至は阻止が、効果的に行なわれ得ることが認められるのである。

Claims (6)

  1. 鋳物砂用耐火粒子に対して、0.05mm〜0.5mmの大きさの粒子径を有する、磁鉄鉱を主要鉱物とし、Fe34とFeOの合計含有量が97重量%以上である、人工的に製造された球状酸化鉄を配合せしめてなることを特徴とする鋳物砂。
  2. ムライト及び/又はコランダムを主要鉱物として、人工的に製造された鋳物砂用耐火粒子に対して、0.05mm〜0.5mmの大きさの粒子径を有する、磁鉄鉱を主要鉱物とし、Fe34とFeOの合計含有量が97重量%以上である、人工的に製造された球状酸化鉄を配合せしめてなることを特徴とする鋳物砂。
  3. ムライト及び/又はコランダムを主要鉱物として、人工的に製造された球状の鋳物砂用耐火粒子に対して、0.05mm〜0.5mmの大きさの粒子径を有する、磁鉄鉱を主要鉱物とし、Fe34とFeOの合計含有量が97重量%以上である、人工的に製造された球状酸化鉄を配合せしめてなることを特徴とする鋳物砂。
  4. 前記球状酸化鉄が、前記鋳物砂用耐火粒子との合計量において、0.5〜15重量%の割合となるように配合せしめられている請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の鋳物砂。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の鋳物砂に対して、有機系又は無機系粘結剤を混練せしめてなることを特徴とする鋳物砂組成物。
  6. 請求項5に記載の鋳物砂組成物を用いて、所定形状に造型し、硬化させてなることを特徴とする鋳造用鋳型。
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