JP2011228524A - 半導体熱処理装置および半導体熱処理方法 - Google Patents

半導体熱処理装置および半導体熱処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】急速昇温性、および急速降温性を向上させることのできる半導体熱処理装置を提供する。
【解決手段】誘導加熱コイル18(18a〜18f)と、誘導加熱コイル18上に配置された発熱体20とを有するコイル室14と、ウエハ24を配置するプロセス室16と、コイル室14とプロセス室16とを隔てる石英板22と、コイル室14内の圧力を調整する第1圧力調整手段44と、プロセス室内の圧力を調整する第2圧力調整手段46と、スタンバイ時の圧力を基準圧力とし、昇温工程時においてはコイル室14内の圧力を低くすると共にプロセス室16内の圧力を高くし、降温工程時においてはコイル室14内の圧力およびプロセス室16内の圧力を共に高くすると共に、全工程においてコイル室14内よりもプロセス室16内の圧力を高くするように、第1圧力調整手段44と第2圧力調整手段46とを制御する圧力制御手段48を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体熱処理装置、および半導体熱処理方法に係り、特に急速昇温、並びに急速降温を行う場合に好適な半導体熱処理装置、および方法に関する。
半導体熱処理技術において、急速昇降温、および均等加熱を実現することのできる装置として、誘導加熱を用いたゾーンコントロール制御技術が知られている。
ゾーンコントロール制御を可能とした誘導加熱装置のうち、大型のウエハを加熱対象とする、いわゆる枚葉型の誘導加熱装置では、例えば特許文献1、2に開示されているように、誘導加熱コイルを配置したコイル室と、加熱対象とするウエハを配置するプロセス室とを分離し、コンタミを防ぐようにしている。
特許文献1、2に開示されている誘導加熱装置では、コイル室をプロセス室の上部側に配置する構成としているため、両室を隔てる石英板に重力方向の負荷が掛かる。このため、誘導加熱コイルとウエハとの距離を縮めるために石英板の厚みを薄くすると通常は、石英板の破損を招く危険性が生ずる。
このような実状を鑑み、特許文献1、2に開示されている装置では、コイル室内の圧力をプロセス室内の圧力よりも低くするように真空引きすることで、石英板を薄型化した場合であっても破損を防ぎ、急速昇温性の向上を図っている。
特開2004−289012号公報 特開2005−276527号公報
特許文献1、2に開示されているような半導体熱処理装置を含む種々の熱処理装置を視野に入れた鋭意研究の中で本願出願人は、コイル室やプロセス室内における雰囲気による伝熱特性の違いが、急速加熱、急速降温処理に大きな影響を与えることを見出した。
そこで本願発明では、コイル室やプロセス室内における雰囲気による伝熱特性の違いを利用し、半導体熱処理装置における急速昇温性、および急速降温性を向上させることのできる半導体熱処理装置、および半導体熱処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る半導体熱処理装置は、円環状に形成された誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイル上に配置された発熱体とを有するコイル室と、被加熱物を配置するプロセス室と、前記コイル室と前記プロセス室とを隔てる隔壁と、前記コイル室内の圧力を調整する第1圧力調整手段と、前記プロセス室内の圧力を調整する第2圧力調整手段と、スタンバイ時の圧力を基準圧力とし、昇温工程時においては前記コイル室内の圧力を前記基準圧力よりも低くすると共に前記プロセス室内の圧力を前記基準圧力よりも高くし、降温工程時においては前記コイル室内の圧力および前記プロセス室内の圧力を共に前記基準圧力よりも高くすると共に、全工程においてコイル室内よりもプロセス室内の圧力を高くするように、前記第1圧力調整手段と前記第2圧力調整手段とを制御する圧力制御手段を有することを特徴とする。
また、上記特徴を有する半導体熱処理装置において前記圧力制御手段は、温度保持工程において前記コイル室内の圧力と前記プロセス室内の圧力を前記昇温工程時を基準として前記基準圧力に近づけ、前記プロセス室内の圧力と前記コイル室内の圧力との差圧が、133.322Pa<差圧<399.966Paの要件を満たすように前記第1圧力調整手段と前記第2圧力調整手段とを制御することが望ましい。
さらに、上記特徴を有する半導体熱処理装置において前記誘導加熱コイルは、同芯円状に近接配置された複数の誘導加熱コイルにより構成され、各誘導加熱コイルにはそれぞれ電力を供給するためのインバータが接続され、近接配置された誘導加熱コイルに対する供給電力を個別に制御する電力制御手段を有する構成とすることができる。
このような構成とすることによれば、発熱体の温度分布を任意に制御することが可能となる。よって、被加熱物を均一加熱することが可能となる。
また、上記目的を達成するための本発明に係る半導体熱処理方法は、誘導加熱コイルを配置したコイル室よりも、被加熱物を配置したプロセス室の圧力を高くした状態で熱処理を行う半導体熱処理方法であって、スタンバイ時の圧力を基準圧力として、昇温工程時には前記コイル室内の圧力を前記基準圧力よりも低くすると共に前記プロセス室内の圧力を前記基準圧力よりも高くし、降温工程時には前記コイル室内の圧力および前記プロセス室内の圧力を共に前記基準圧力よりも高くすることを特徴とする。
さらに、上記特徴を有する半導体熱処理方法において保温工程時には、前記コイル室内の圧力と前記プロセス室内の圧力を前記昇温工程時を基準として前記基準圧力に近づけ、前記プロセス室内の圧力と前記コイル室内の圧力との差圧が、133.322Pa<差圧<399.966Paの要件を満たすようにすることが望ましい。
上記のような特徴を有する半導体熱処理装置、および半導体熱処理方法によれば、被加熱物の急速昇温性、および急速降温性を向上させることが可能となる。
実施形態に係る半導体熱処理装置の構成を示すブロック図である。 実施形態に係る半導体熱処理装置における部分詳細図であり、(A)は側面断面の構成を示す図であり、(B)は平面構成を示す図である。 線形補間による温度予測の例を示す図である。 線形補間による温度予測に対して電力指令値に基づく補正を加えた温度予測値の例を示す図である。 温度予測値に基づいて各加熱ゾーンへの電力指令値を定める場合の例を示す図である。 圧力制御手段によるコイル室、プロセス室の圧力制御タイミングと、熱処理工程との関係を示す図である。
以下、本発明の半導体熱処理装置、および半導体熱処理方法に係る実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態に係る半導体熱処理装置(以下、単に熱処理装置10と称す)は、真空チャンバ12と電力制御部30を有する。
真空チャンバ12は、コイル室14とプロセス室16、および圧力制御手段48を有する。コイル室14には少なくとも、誘導加熱コイル18(18a〜18f)と発熱体20、およびコイル室14内の圧力P1を調整する第1圧力調整手段44を備える。誘導加熱コイル18は、複数のコイルを円環状に形成し、これをバウムクーヘン状に近接配置している。このため、複数の誘導加熱コイル18は互いに同芯円上に配置されることとなる(図2(B)参照)。また、誘導加熱コイル18は、耐熱性を有する中空部材、例えば銅管などとすると良く外周には、短絡防止用の皮膜を形成しておくことが望ましい。誘導加熱コイル18を中空部材とすることにより、コイル内部に冷却水等の冷媒を送通させることができる。このような構成により、誘導加熱コイル18自体の過加熱を防止することができると共に、冷却工程における急速降温に寄与することが可能となる。
発熱体20は、導電性を有する耐熱部材により構成される平板であり、誘導加熱コイル18の配置形態に合わせた形状に形成されれば良い。本実施形態では、複数の誘導加熱コイル18を同芯円上に配置しているため、発熱体20の形態は、最外に配置した誘導加熱コイル18のサイズに合わせた円板型とすれば良い。発熱体20の構成部材としては、例えばグラファイトなどであれば良い。
また、実施形態に係る熱処理装置10では、近接配置された誘導加熱コイル18の間から発熱体20の温度を検出する温度センサ26(26a〜26c)を備える構成とした。温度センサ26は、誘導加熱コイル18単位に定められた各加熱ゾーン毎に設けるようにしても良いが、図1に示すように、複数の誘導加熱コイル18を組とし、各組毎に配置するようにしても良い。このような配置構成とすることで、誘導加熱コイル18よりも、温度センサ26の数を少なくすることができる。図1に示すように、温度センサ26の数を誘導加熱コイル18に依存した加熱ゾーンの数よりも少なくした場合であっても、各温度センサ26間における温度勾配に基づく温度予測を行うことで、高精度な温度制御を実現することが可能となると共に、設備コストの抑制を図ることが可能となる。
本実施形態に係る熱処理装置10では、コイル室14とプロセス室16とは、隔壁となる石英板22により真空チャンバが隔てられることにより各室が構成されており、プロセス室16では直接、隔壁となる石英板22上に、被加熱物となるウエハ24が載置されることとなる。プロセス室16には少なくとも、プロセス室16内の圧力P2を調整する第2圧力調整手段46が備えられる。
圧力制御手段48は、プロセス毎に定められたタクトタイムから、圧力調整に要する時間毎に、詳細を後述する電力制御部30における温度制御部42から出力される制御信号に従って、第1圧力調整手段44、および第2圧力調整手段46を作動させ、コイル室14内、およびプロセス室16内の圧力P1,P2を、予め定められた圧力に制御する役割を担う。よって、本実施形態における真空チャンバ12には、図示しない圧力計が設けられ、圧力制御手段48に対してコイル室14およびプロセス室16の圧力をフィードバックするように構成されている。各室内の圧力変化は、各要素間に存在する気体の密度変化を生じさせる。このため、各要素間における熱伝達率(伝熱特性)に大きな影響を与えることとなる。
ここで、磁束の到達距離や熱伝達率を考慮した場合、誘導加熱コイル18、発熱体20、石英板22、およびウエハ24は、それぞれ接触させた状態で配置することが好ましい。このような状態で各要素を配置した場合であっても、各要素には表面粗さが存在するため、各要素間には気体が介在されることとなり、圧力変化に伴う伝熱特性の影響を受けることとなる。
電力制御部30は、例えば図2に示すように、三相交流電源40、コンバータ38、チョッパ34(34a〜34f)、インバータ32(32a〜32f)、および温度制御部42を基本として構成される。
コンバータ38は、三相交流電源40から入力される三相交流電流を直流に変換して、後段に接続されるチョッパ34へと出力する純変換部である。
チョッパ34は、コンバータ38から出力される電流の通流率を変化させ、インバータ32に入力する電流の電圧を変化させる電圧調整部である。
インバータ32は、チョッパ34により電圧調整された直流電流を、交流電流へと変換して誘導加熱コイル18へ供給する逆変換部である。なお、本実施形態で例に挙げる熱処理装置10のインバータ32は、誘導加熱コイル18と共振コンデンサ36とを直列に配置した直列共振型のインバータとする。また、複数(本実施形態の場合は6つ)の誘導加熱コイル18にはそれぞれ、個別にインバータ32、およびチョッパ34が接続されている。なお、インバータ32から誘導加熱コイル18への出力電流の制御は、温度制御部42からの入力信号に基づいて行うものとする。
温度制御部42は、温度センサ26により検出された発熱体20の温度を比較し、温度検出点間の温度勾配を求め、この温度勾配に基づいて予想(予測)した加熱ゾーン間の温度バランスに応じて、各誘導加熱コイル18に投入する電力を定め、インバータ32、およびチョッパ34に対して制御信号(入力信号)を出力すると共に、圧力制御手段48に対する制御信号を出力する役割を担う。
上記のような電力制御部30によれば、コンバータ38から出力された電流の電圧をチョッパ34により制御し、チョッパ34から出力された直流電流をインバータ32により変換、周波数調整することができる。このため、チョッパ34により出力電力を制御することができ、インバータ32により、複数のコイルが隣接して配置された誘導加熱コイル18へ投入される電流の周波数との位相調整を行うことができる。そして、出力電流における周波数の位相を同期(位相差を0にする事または0に近似させる事)、あるいは定められた間隔に保つことで、隣接配置された誘導加熱コイル18の間の相互誘導の影響を回避することができる。また、複数の誘導加熱コイル18のそれぞれに対する投入電力を制御することで、発熱体20であるグラファイト、さらには加熱対象物であるウエハ24の温度分布制御を行うことができる。
上記のような構成の熱処理装置10ではウエハ24の熱処理を行う際、次のような制御が成される。まず、複数の誘導加熱コイル18のそれぞれに対して所定の電力を投入し、発熱体20を加熱した後、組を成す誘導加熱コイル18の間に配置された温度センサ26のそれぞれにより発熱体20の温度を検出し、温度制御部42に送信する。温度制御部42ではまず、検出点(本実施形態の場合3点)の温度から各加熱ゾーンにおける発熱体20の温度を推測する線形補間を実施する。ここで線形補間とは、図3に示すように、検出点の温度を直線で結び、その直線上に各加熱ゾーンの位置関係を結びつける(直線上に加熱ゾーンの位置をプロットする)ことにより、直線上のプロット点における温度を、各加熱ゾーンの温度と推測するものである。
次に温度制御部42では、線形補間により得られた推測温度と、現在各誘導加熱コイル18に対して投入している電力値(指令値)を関連付けることで、線形補間により得られた推測温度を補正する(図4参照)。具体的には、現在の指令値が、ゾーン1<ゾーン2であれば、ゾーン2の温度が高めと推測することができる。このため、ゾーン1を低め、ゾーン2を高めに補正するといったものであれば良い。このような補正を行うことにより、各加熱ゾーン間の温度バランスを考慮した温度予測値を得ることができる。また補正に関しては、ゾーン1を加熱する誘導加熱コイル18aに与えている指令値と、ゾーン2を加熱する誘導加熱コイル18bに与えている指令値の比率(ゾーン1/ゾーン2又はゾーン2/ゾーン1)から導き出せる傾きを、線形補間によって得られた検出点に重ね合わせる。そして、重ね合わせによって得られた断続的な直線をそれぞれ直線で繋ぐことにより、各加熱ゾーン間の温度バランスを考慮した温度予測値を得るというものであっても良い。ここで温度予測値を得る補正は、装置ごとの特性に応じて試験もしくはシミュレーションを行うことにより、その結果に合わせた補正を行うことが好適である。
このようにして得られた温度予測値に対して温度制御部42は、温度勾配(加熱ゾーン間を結ぶ直線の傾き)が無くなるような加熱(温度補正)を行う電力指令値を算出する(図5参照)。ここで電力指令値の算出は、装置ごとの特性に応じて試験もしくはシミュレーションを行うことにより、シミュレーション等の結果に合わせた算出方法が採られる。
なお、大まかな温度補正としては、温度予測値によって得られる傾きと反対の傾きを持つ(図5に示す折れ線グラフの上下を反転させた傾き)グラフに応じた比率の電力指令値を各加熱ゾーンへの温度補正値とすれば良い。
このようにして得られた電力指令値を各誘導加熱コイル18に接続されたインバータ32、およびチョッパ34に出力することで、各誘導加熱コイル18に対する投入電力が制御される。
このような構成、および電力制御が成される熱処理装置10によれば、温度を検出する温度センサ26の数を従来よりも少なくした場合であっても、隣接する加熱ゾーン間における磁束の干渉を考慮した温度検出(温度予測)を行うことが可能となる。このため、従来に比べて装置コストを抑えた上で、高精度な温度分布制御を行うことが可能となる。なお、熱処理開始直後、すなわち発熱体20が加熱されていない状態における電力制御は、プリセットで行うようにすれば良い。具体的には、予め、熱電対付ウエハやグラファイトなどを用いて加熱試験を行うことで、発熱体20やウエハ24の面内温度が均一に昇温されるであろう電力指令値を得る。そして、このようにした電力指令値をプリセット値として、チョッパ34やインバータ32に、温度制御部42からの指令値として与えるようにすれば良い。
また、上記のような温度制御を行う上で、圧力制御手段48は、電力制御部30における温度制御部42からの制御信号を受け、第1圧力調整手段44と第2圧力調整手段46に対し、次のような制御を行う調整信号を出力する。
圧力制御手段48は図6に示すように、まず、熱処理における昇温工程に移行する前、すなわちウエハ24をセットした後のスタンバイ状態において、プロセス室16の圧力P2とコイル室14の圧力P1とが基準圧力となるように、第2圧力調整手段46と第1圧力調整手段44に対して、給排気を行う旨の調整信号を出力する。基準圧力とは、プロセス室16、コイル室14のそれぞれについて定められた基準の圧力であり、それぞれ133.322Pa(≒1Torr)近傍に定められるものとする(基準圧力の一例であり、任意に定めることもできる)。ここで、以後の工程においては全て、プロセス室16の圧力P2が、コイル室14の圧力P1よりも高くなるように、給排気制御が成される。
圧力制御手段48は、昇温工程に移行する前に、予め定められたタイミングで温度制御部42から出力される制御信号を受け、第2圧力調整手段46では吸気、第1圧力調整手段44では排気を行う旨の調整信号を出力する。吸気、および排気のタイミング、すなわち温度制御部42からの制御信号の出力タイミングは、昇温工程移行時に、プロセス室16、およびコイル室14の圧力が、目的圧力に達するように時間を逆算して導き出せば良い。すなわち、熱処理における各工程のタクトタイムは予め設定されているため、その設定時間から圧力調整に要する時間を引けば良い。本実施形態では、一例として、プロセス室16の圧力P2が1333.22Pa(≒10Torr)程度、コイル室14の圧力が13.3322Pa(≒0.1Torr)程度となるように、第2圧力調整手段46、および第1圧力調整手段44を稼動させる。
プロセス室16の圧力P2を基準圧力よりも高めることにより、伝熱特性が向上し、発熱体20から石英板22を介してウエハ24へ伝達される熱量が増すこととなる。これに対し、コイル室14の圧力P1を基準圧力よりも低くすることによれば、伝熱特性が低下し、発熱体20から、冷媒により冷却されている誘導加熱コイル18への放熱量が減少することとなる。このような作用から、昇温工程時には、真空チャンバ12内の雰囲気がウエハ24の昇温に適した環境となる。よって、急速昇温をさらに急速化させ、昇温時間を短縮することが可能となる。
次に圧力制御手段48は、温度保持工程に移行する際に予め定められたタイミングで温度制御部42から出力される制御信号を受けて、第2圧力調整手段46では排気、第1圧力調整手段44では吸気を行う旨の調整信号を出力する。各室の圧力調整は、プロセス室16の圧力P2とコイル室14の圧力P1を、それぞれ基準圧力に近付けることとなる。ここで、プロセス室16の圧力P2とコイル室14の圧力P1との関係において、両室における差圧が、133.322Pa(1Torr)<P2−P1(差圧)<399.966Pa(3Torr)の関係を満たすように制御する。このような圧力差を持たせることにより、隔壁となる石英板22が、誘導加熱コイル18全体に均一に押付けられることとなる。また、押付けに際して、石英板22に過度の負担が掛かるといった虞が無い。
次に圧力制御手段48は、降温(冷却)工程に移行する際に予め定められたタイミングで温度制御部42から出力される制御信号を受けて、第2圧力調整手段46、第1圧力調整手段44の双方に対し、吸気を行う旨の調整信号を出力する。このような制御を行うことにより、プロセス室16の圧力P2とコイル室14の圧力P1は共に、基準圧力よりも高い圧力に保たれることとなる。ここで、プロセス室16の圧力P2は、昇温工程時に調整される圧力と同等の圧力にまで引き上げられると良い。また、プロセス室16の圧力P2とコイル室14の圧力P1との差圧は、温度保持工程における制御圧力と同様に、133.322Pa(1Torr)<P2−P1(差圧)<399.966Pa(3Torr)の関係を満たすようにする。
このような圧力制御が行われることでコイル室14の圧力P1が上昇すると、発熱体から、冷媒により冷却されている誘導加熱コイル18へ伝達される熱量(放熱量)が増加し、発熱体20が冷却されやすくなる。これにより、発熱体20からプロセス室16側へ伝達される熱量が減少する。さらに発熱体20の温度低下に起因して石英板22を介したウエハ24への熱伝達量が減っているため、プロセス室16の圧力P2が上昇すると、ウエハ24からの放熱割合が増加することとなり、急速冷却(急速降温)を加速させることが可能となる。
次に圧力制御手段48は、降温工程終了前における予め定められたタイミングで温度制御部42から出力される制御信号を受け、第2圧力調整手段46と第1圧力調整手段44の双方に対し、各室内の気体を排気する旨の調整信号を出力する。調整信号を受けた第2圧力調整手段46、第1圧力調整手段44は、各室における圧力が、基準電圧となるように、圧力調整を行う。
上記実施形態では、誘導加熱コイル18を複数のコイルにより構成する旨記載した。しかしながら本発明に係る熱処理装置は、単一の誘導加熱コイルにより構成した場合であっても、急速昇降温制御においては同様な効果を奏することとなる。よって、このような構成とした場合であっても、発明の一部とみなすことができる。
10………半導体熱処理装置(熱処理装置)、12………真空チャンバ、14………コイル室、16………プロセス室、18(18a〜18f)………誘導加熱コイル、20………発熱体、22………石英板、24………ウエハ、26(26a〜26c)………温度センサ、30………電力制御部、44………第1圧力調整手段、46………第2圧力調整手段、48………圧力制御手段。

Claims (5)

  1. 円環状に形成された誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイル上に配置された発熱体とを有するコイル室と、
    被加熱物を配置するプロセス室と、
    前記コイル室と前記プロセス室とを隔てる隔壁と、
    前記コイル室内の圧力を調整する第1圧力調整手段と、
    前記プロセス室内の圧力を調整する第2圧力調整手段と、
    スタンバイ時の圧力を基準圧力とし、昇温工程時においては前記コイル室内の圧力を前記基準圧力よりも低くすると共に前記プロセス室内の圧力を前記基準圧力よりも高くし、降温工程時においては前記コイル室内の圧力および前記プロセス室内の圧力を共に前記基準圧力よりも高くすると共に、全工程においてコイル室内よりもプロセス室内の圧力を高くするように、前記第1圧力調整手段と前記第2圧力調整手段とを制御する圧力制御手段を有することを特徴とする半導体熱処理装置。
  2. 前記圧力制御手段は、温度保持工程において前記コイル室内の圧力と前記プロセス室内の圧力を前記昇温工程時を基準として前記基準圧力に近づけ、前記プロセス室内の圧力と前記コイル室内の圧力との差圧が、
    133.322Pa<差圧<399.966Pa
    の要件を満たすように前記第1圧力調整手段と前記第2圧力調整手段とを制御することを特徴とする請求項1に記載の半導体熱処理装置。
  3. 前記誘導加熱コイルは、同芯円状に近接配置された複数の誘導加熱コイルにより構成され、各誘導加熱コイルにはそれぞれ電力を供給するためのインバータが接続され、近接配置された誘導加熱コイルに対する供給電力を個別に制御する電力制御手段を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体熱処理装置。
  4. 誘導加熱コイルを配置したコイル室よりも、被加熱物を配置したプロセス室の圧力を高くした状態で熱処理を行う半導体熱処理方法であって、
    スタンバイ時の圧力を基準圧力として、昇温工程時には前記コイル室内の圧力を前記基準圧力よりも低くすると共に前記プロセス室内の圧力を前記基準圧力よりも高くし、
    降温工程時には前記コイル室内の圧力および前記プロセス室内の圧力を共に前記基準圧力よりも高くすることを特徴とする半導体熱処理方法。
  5. 保温工程時には、前記コイル室内の圧力と前記プロセス室内の圧力を前記昇温工程時を基準として前記基準圧力に近づけ、前記プロセス室内の圧力と前記コイル室内の圧力との差圧が、
    133.322Pa<差圧<399.966Pa
    の要件を満たすようにしたことを特徴とする請求項4に記載の半導体熱処理方法。
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