以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1に示す液晶パネルのモジュール製造ライン1は、基板としての長方形のパネル2の長辺及び短辺それぞれの端部に設けられた複数の端子2aのそれぞれに駆動回路等の電子部品3(図2も参照)を装着するモジュール製造工程を実行するものであり、端子洗浄装置11、ACF貼付装置12、仮圧着装置13、第1の本圧着装置14、第2の本圧着装置15及び検査装置16の複数の電子部品実装装置がこの順で連結されて成る。これらの装置11〜16はホストコンピュータ17によって統合制御されて動作し、ホストコンピュータ17から生産指令が出されているとき、上記装置11〜16の各々はモジュール製造工程の中における各担当分の生産工程を実行する。
モジュール製造ライン1を構成する端子洗浄装置11は、外部から投入されたパネル2を受け取り、各端子2aの洗浄を行ったうえで、そのパネル2を下流側のACF貼付装置12に搬出する。
ACF貼付装置12は、上流側の端子洗浄装置11から搬出されたパネル2を受け取り、各端子2aに図2に示すようにACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電膜)4を貼付したうえで、そのパネル2を下流側の仮圧着装置13に搬出する。
仮圧着装置13は、ACF貼付装置12から搬出されたパネル2を受け取り、各端子2aに貼付されたACF4上に電子部品3を装着(仮圧着)したうえで、そのパネル2を下流側の第1の本圧着装置14に搬出する。
第1の本圧着装置14は、仮圧着装置13から搬出されたパネル2を受け取り、パネルの長辺側の各端子2aに仮圧着された電子部品3を熱圧着(本圧着)したうえで、そのパネル2を下流側の第2の本圧着装置15に搬出する。
第2の本圧着装置15は、第1の本圧着装置14から搬出されたパネル2を受け取り、パネル2の短辺側の各端子2aに仮圧着された電子部品3を熱圧着(本圧着)したうえで、そのパネル2を下流側の検査装置16に搬出する。
検査装置16は、第2の本圧着装置15から搬出されたパネル2を受け取り、パネル2の各端子2aに本圧着された電子部品3の外観検査を行ったうえで、パネル2を外部に搬出する。
次に、上記モジュール製造ライン1を構成する仮圧着装置13について詳述する。図3、図4及び図5において仮圧着装置13は、基台21上に、パネル2の位置決めを行うパネル位置決め部22、電子部品3の供給を行う電子部品供給部23、電子部品供給部23より供給される電子部品3をピックアップしてパネル位置決め部22により位置決めされたパネル2に装着(仮圧着)する電子部品装着部24及び真空吸引動作によってパネル2に装着される前の電子部品3のクリーニングを行うクリーニング部25を備えている。以下、説明の便宜上、オペレータOPから見て基台21の左右方向をX軸方向、オペレータOPから見て基台21の前後方向をY軸方向、基台21の上下方向をZ軸方向とする。また、オペレータOPから見て基台21の右側を右方、左側を左方と称し、オペレータOPから見て基台21の手前側を前方、奥側を後方と称する。
図5において、パネル位置決め部22は、基台21に対してX軸方向に相対移動自在に設けられたX軸テーブル31と、X軸テーブル31に対してY軸方向に移動自在に設けられたY軸テーブル32と、Y軸テーブル32に対してZ軸回りに(水平面内で)回転自在に設けられたθテーブル33と、θテーブル33の上面に設けられたパネル支持テーブル34を備えている。
図3及び図6において、電子部品供給部23は、電子部品3を載せたテープTPを搬送する左右のテープ搬送部41、左右のテープ搬送部41それぞれが搬送するテープTPから電子部品3を打ち抜く左右の電子部品打ち抜き部42及び各電子部品打ち抜き部42が打ち抜いた電子部品3を受け取って移動させる左右の電子部品移動部43を備えている。
図3及び図6において、左右のテープ搬送部41はそれぞれ、テープTPの供給(繰出し)を行うテープ供給リール41aと、テープ供給リール41aより供給されるテープTPを巻き取るテープ巻取りリール41bと、テープ供給リール41aより供給されるテープTPよりカバーテープCPを剥がして巻き取るカバーテープ巻取りリール41cから成る。各テープ搬送部41では、テープ供給リール41a、テープ巻き取りリール41b及びカバーテープ巻取りリール41cが同期して回転することにより、テープ供給リール41aからのテープTPの供給、テープ巻き取りリール41bによるテープTPの巻き取り及びカバーテープ巻き取りリール41cによるテープTPからのカバーテープCPの巻き取りが行われ、カバーテープCPが剥がされたテープTPの一部が水平面内方向(X軸方向)に搬送される。
図5及び図6において、左右の電子部品打ち抜き部42は、固定された下部金型42aと、下部金型42aに対して昇降される上部金型42bから成る。下部金型42aと上部金型42bの間には、テープ搬送部41によって水平面内方向に搬送されるテープTPが通っており、上部金型42bを下部金型42aに対して下降させることにより、テープTPから電子部品3を打ち抜くことができる。
図3、図4及び図5において、各電子部品移動部43は、基台21上にX軸方向に延びて設けられた左右の電子部品移動部43に共通のX軸ガイド43aと、X軸ガイド43aに対してY軸方向に相対移動自在に設けられたY軸テーブル43bと、Y軸テーブル43bに対してX軸方向に移動自在に設けられたX軸テーブル43cと、X軸テーブル43c上に設けられた移載ヘッド43dを備えている。移載ヘッド43dはX軸テーブル43cに対してZ軸回りに(水平面内で)回転自在に設けられ、テーブル駆動モータ43mによって駆動されるインデックステーブル43eと、インデックステーブル43eから上方に延びた電子部品支持部43fを備えている。各電子部品支持部43fはインデックステーブル43eに対して個別に昇降自在になっている。
移載ヘッド43dの電子部品支持部43fは、電子部品打ち抜き部42によってテープTPから電子部品3が打ち抜かれるときに下部金型42aの下方に位置し、電子部品打ち抜き部42によって打ち抜かれた電子部品3を下方から支持する(図5中に破線で示す電子部品支持部43f参照)。電子部品移動部43はインデックステーブル43e上に複数の電子部品支持部43fを備えているので、インデックステーブル43eをZ軸回りに回転させて各電子部品支持部43fを順次上部金型42bの下方に位置させることにより、テープTPから連続的に打ち抜かれる複数の電子部品3を次々と支持することができる。
図3において、電子部品装着部24は、基台21に立設された左右一対の支柱51a及びこれら一対の支柱51aに掛け渡されて基台21の横方向(X軸方向)に延びた横部材51bから成る門型フレーム51と、門型フレーム51の横部材51bに沿ってX軸方向に移動自在に設けられたX軸移動体52と、X軸移動体52に対してY軸方向に移動自在に設けられた装着ヘッド53と、装着ヘッド53の下方に位置するバックアップ部54と、バックアップ部54に設けられたカメラ55から成る。
図3及び図5において、装着ヘッド53は下方に延びた吸着ノズル53aを備えている。吸着ノズル53aは図7に示すように電磁弁56及び真空エジェクタ57を介してエア供給源ASと真空管路58で繋がっており、エア供給源ASからのエアが真空エジェクタ57を通過するように電磁弁56を切り替えて吸着ノズル53a内に真空圧を供給することで、吸着ノズル53aに真空吸着動作を行うことができ、エア供給源ASからのエアが真空エジェクタ57を通過しないように電磁弁56を切り替えて吸着ノズル53a内への真空圧の供給を停止することで、吸着ノズル53aによる真空吸着動作の解除をすることができる。
図5及び図7においてバックアップ部54は、パネル位置決め部22と電子部品供給部23の間をX軸方向に延びて設けられたX軸部材54aと、X軸部材54aに沿って移動自在に設けられたスライダ54bと、スライダ54bの上部からY軸方向後方に張り出して設けられたバックアップステージ54c(図3も参照)から成る。
電子部品移動部43の移載ヘッド43dは、複数の電子部品支持部43fにおいて電子部品3を支持したら装着ヘッド53の側に移動し、インデックステーブル43eをZ軸回りに回転させながら装着ヘッド53に電子部品3を連続的に供給する。装着ヘッド53は移載ヘッド43dより供給される電子部品3を吸着ノズル53aによって真空吸着し、パネル位置決め部22により位置決めされたパネル2の各端子2aに電子部品3を装着する。このときパネル2の端子2aの下方にはバックアップ部54のバックアップステージ54cが位置され、装着ヘッド53は電子部品3をパネル2ごとバックアップステージ54cに押し付けるようにしてパネル2に装着する(図5)。なお、この仮圧着装置13が位置決めするパネル2の端子2aには、仮圧着装置13の上流側に設置されたACF貼付装置12によってACF4が貼り付けられた状態となっている(図4参照)。
図5及び図7において、カメラ55は上記バックアップ部54が備えるスライダ54bの下部(バックアップステージ54cの下方)に取り付けられたカメラ支持部54dによって撮像視野を上方に向けた状態で支持されている。カメラ55の光軸に沿って上下方向に延びた貫通孔54e(図7)が設けられており、カメラ55はパネル位置決め部22により位置決めされたパネル2の端子2aに設けられた端子側マーク(図示せず)と装着ヘッド53の吸着ノズル53aに吸着された電子部品3に設けられた部品側マーク(図示せず)を貫通孔54eを介して下方から同時に視認することができるようになっている。
図5及び図7において、クリーニング部25はバックアップ部54のバックアップステージ54cの端部に取り付けられて上下方向に延びた筒状の部材から成り、その上端部には水平軸(X軸)回りに回転自在な回転ブラシ61を備えている。回転ブラシ61は図示しないブラシ回転モータの駆動によって回転される。ブラシ回転モータの駆動によって回転された状態の回転ブラシ61に、吸着ノズル53aに吸着させた電子部品3を接触させると、電子部品打ち抜き部42による電子部品3の打ち抜き時に電子部品3に形成された「バリ」が電子部品3から除去(クリーニング)される。
また図7に示すように、クリーニング部25は電磁弁62及び真空エジェクタ63を介してエア供給源ASと真空管路64で繋がっており、エア供給源ASからのエアが真空エジェクタ63を通過するように電磁弁62を切り替えてクリーニング部25内に真空圧を供給することで、クリーニング部25による真空吸引動作を行うことができ、エア供給源ASからのエアが真空エジェクタ63を通過しないように電磁弁62を切り替えてクリーニング部25内への真空圧の供給を停止することで、クリーニング部25による真空吸引動作の解除をすることができる。
パネル位置決め部22によるパネル2の位置決め動作(パネル位置決め部22を構成するX軸テーブル31の基台21に対するX軸方向への移動動作、Y軸テーブル32のX軸テーブル31に対するY軸方向への移動動作及びθテーブル33のY軸テーブル32に対するZ軸回りの回転動作)は、仮圧着装置13が備える制御装置80の実行制御部80a(図8)が図示しないアクチュエータ等から成るパネル位置決め部駆動機構81の作動制御を行うことによってなされる。
電子部品供給部23を構成する左右のテープ搬送部41によるテープTPの搬送動作は、制御装置80の実行制御部80aが図示しないアクチュエータ等から成るテープ搬送機構82(図8)の作動制御を行うことによってなされる。電子部品供給部23を構成する左右の電子部品打ち抜き部42によるテープTPからの電子部品3の打ち抜き動作は、制御装置80の実行制御部80aが図示しないアクチュエータ等から成る打ち抜き部駆動機構83(図8)の作動制御を行うことによってなされる。また、電子部品供給部23を構成する左右の電子部品移動部43による電子部品3の移動動作(X軸ガイド43aに対するY軸テーブル43bのY軸方向への移動動作、X軸テーブル43cのY軸テーブル43bに対するX軸方向への移動動作及びインデックステーブル43eのX軸テーブル43cに対するZ軸回りの回転動作)は、制御装置80の実行制御部80aが前述のテーブル駆動モータ43mを含むアクチュエータ等から成る電子部品移動部駆動機構84(図8)の作動制御を行うことによってなされる。
仮圧着装置13の電子部品装着部24における装着ヘッド53の移動動作(門型フレーム51の横部材51bに対するX軸移動体52のX軸方向への移動動作及びX軸移動体52に対する装着ヘッド53のY軸方向への移動動作)は、制御装置80の実行制御部80aが図示しないアクチュエータ等から成る装着ヘッド移動機構85(図8)の作動制御を行うことによってなされる。
また、電子部品装着部24における装着ヘッド53による電子部品3の吸着及びその解除動作は、制御装置80の実行制御部80aがエア供給源AS、電磁弁56及び真空エジェクタ57から成る真空吸着動作制御機構86(図8)の作動制御を行って吸着ノズル53a内に真空圧を供給し、或いは吸着ノズル53a内への真空圧の供給を停止することによってなされる。
電子部品装着部24を構成するカメラ55による撮像動作は、制御装置80の実行制御部80aが図示しないアクチュエータ等から成る撮像動作制御機構87(図8)の作動制御を行うことによってなされる。また、カメラ55の撮像動作によって得られた画像データは制御装置80の画像認識部80bに送られ(図8)、画像認識がなされる。
クリーニング部25による回転ブラシ61の回転動作は、制御装置80の実行制御部80aが前述のブラシ回転モータ等から成る回転ブラシ駆動機構88(図8)の作動制御を行うことによってなされる。また、クリーニング部25における真空吸引及びその解除動作は、制御装置80の実行制御部80aがエア供給源AS、電磁弁62及び真空エジェクタ63から成る真空吸引動作制御機構89(図8及び図7)の作動制御を行って、クリーニング部25内に真空圧を供給し、或いはクリーニング部25内への真空圧の供給を停止することによってなされる。
このように、本実施の形態における仮圧着装置13には、パネル位置決め部駆動機構81、テープ搬送機構82、打ち抜き部駆動機構83、電子部品移動部駆動機構84、装着ヘッド移動機構85、真空吸着動作制御機構86、撮像動作制御機構87、回転ブラシ駆動機構88、真空吸引動作制御機構89の各機構から成る実装動作部100が設けられるほか、オペレータOPが操作を行うキーボード等の入力装置90及びディスプレイ等の出力装置91が設けられたものとなっている(図8)。
また、図8において、制御装置80には、記憶部80cと電力供給制御部80dが設けられている。記憶部80cにはこの仮圧着装置13がモジュール製造工程の中で担当する仮圧着作業(パネル2に電子部品3を仮圧着する作業)を実行するための生産プログラムが記憶されており、この仮圧着装置13を含むモジュール製造ライン1のホストコンピュータ17から生産指令が出されているときは、制御装置80の実行制御部80aは記憶部80cから読み出した生産プログラムを実行して上記機構81〜89を作動させる。
電力供給制御部80dは、電源装置110(図8)から供給される電力を実装動作部100の各機構、すなわち、パネル位置決め部駆動機構81、テープ搬送機構82、打ち抜き部駆動機構83、電子部品移動部駆動機構84、装着ヘッド移動機構85、真空吸着動作制御機構86、撮像動作制御機構87、回転ブラシ駆動機構88及び真空吸引動作制御機構89に対して個別に供給し、或いはその供給を遮断する制御を行う。なお、電力供給制御部80dは、モジュール製造ライン1のホストコンピュータ17から生産指令が出されており、実行制御部80aが生産プログラムを実行しているときには、上記各機構81〜89に電力を供給して各機構81〜89が作動し得るようにする。なお、電力供給制御部80dは、入力装置90と出力装置91には制御装置80が生産プログラムを実行しているかどうかに拘らず電力を供給しており、制御装置80からオペレータOPへの情報出力と、オペレータOPから制御装置80への操作入力とは常時実行可能となっている。
この仮圧着装置13では、制御装置80の実行制御部80aが生産プログラムに従って作動する場合、実行制御部80aは、図示しないパネル搬入装置によって搬入されたパネル2が仮圧着装置13内に搬入されてパネル位置決め部22のパネル支持テーブル34上に載置されたことを検知したら、パネル位置決め部22の作動制御を行ってパネル2を所定の位置に位置決めする。そして、テープ搬送部41を作動させることによってテープTPの搬送を行うとともに電子部品打ち抜き部42を作動させ、搬送されたテープTPから電子部品3を打ち抜いて、その打ち抜いた電子部品3を電子部品移動部43により支持して装着ヘッド53の下方領域に供給する。
制御装置80の実行制御部80aは、電子部品移動部43により電子部品3を装着ヘッド53の下方領域に供給したら、装着ヘッド53の吸着ノズル53aに電子部品3を吸着させる。ここで、エア供給源ASは電源装置110に電力が供給されている間はエアの供給を継続して行うので、制御装置80の実行制御部80aは電磁弁56の切り替え動作を行うことのみで吸着ノズル53aによる真空吸着動作の制御を行うことができる。
制御装置80の実行制御部80aは、吸着ノズル53aに電子部品3を吸着させたら装着ヘッド53を移動させて、吸着ノズル53aに吸着されている電子部品3をクリーニング部25の回転ブラシ61に接触させる。これにより、電子部品打ち抜き部42による電子部品3の打ち抜き時に生じた「バリ」を電子部品3から除去し、かつ真空吸引することによってクリーニングすることができる。なお、上記のようにエア供給源ASは電源装置110から電力が供給されている間はエアの供給を継続して行うので、制御装置80の実行制御部80aは電磁弁62の切り替え動作を行うことのみでクリーニング部25による真空吸引動作の制御を行うことができる。
制御装置80の実行制御部80aは、クリーニング部25で電子部品3より「バリ」を除去したら、電子部品3がパネル位置決め部22により位置決めされたパネル2の端子2aの直上に位置するように装着ヘッド53を移動させる。そして、制御装置80の実行制御部80aは、カメラ55によりパネル2に設けられた端子側マークと電子部品3に設けられた部品側マークを下方から同時に視認し、画像認識部80bにより両マークの画像認識を行う。そして、これら両マークが上下に合致するように装着ヘッド53を移動させて電子部品3とパネル2の端子2aとの位置合わせを行う。
制御装置80の実行制御部80aは、電子部品3とパネル2の端子2aとの位置合わせを行ったら、パネル2の端子2aの上方に電子部品3が位置するように装着ヘッド53を移動させたうえで(前述のように、端子2aの下方にはバックアップステージ54cが位置している。図5参照)、吸着ノズル53aを下降させて電子部品3をパネル2の端子2aに装着(仮圧着)する。この電子部品3の仮圧着は、パネル2の長辺側の端子2aについて行ったら、θテーブル33をZ軸回りに回転させてパネル2全体を90度回転させ、パネル2の短辺側の端子2aについても行う。
制御装置80の実行制御部80aは、装着ヘッド53によって電子部品3をパネル2の長辺側及び短辺側それぞれ端子2aに装着したら、図示しないパネル搬出装置によってパネル2を仮圧着装置13の下流側に設置された第1の本圧着装置14に搬出する。
ここで、ホストコンピュータ17から生産指令が出されていない場合の制御装置80の動作を図9のフローチャートを用いて説明する。
ホストコンピュータ17から生産指令が出されていない場合、制御装置80の実行制御部80aは実装動作部100によるパネル2への電子部品3の実装動作制御を行っておらず、電力供給制御部80dは実装動作部100を構成する各機構81〜89への電力供給を遮断して省エネルギー化を図っている。制御装置80の実行制御部80aは、実装動作部100への電力供給が遮断された状態では、実装動作部100の一部に電力を供給することによって実行できる作業項目の一覧を出力装置91に出力(表示)する(図9のステップST1)。この作業項目には、例えば、クリーニング部25に真空吸引力を発生させることができるかどうかを確認する作業(真空吸引動作確認作業)や、装着ヘッド53の吸着ノズル53aに真空吸着力を発生させることができるかどうかを確認する作業(真空吸着動作確認作業)等が含まれている。オペレータOPは、出力装置91に表示された作業項目の一覧の中に、実行しようとする作業項目がある場合には、その作業項目を選択して入力装置90から所定の入力を行う。オペレータOPが作業項目を選択して所定の入力を行うと、その選択した作業項目を表す信号(以下、選択信号と称する)が入力装置90から制御装置80に出力される。
制御装置80の電力供給制御部80dは、作業項目の一覧を出力装置91に出力した後は、入力装置90から選択信号が出力されたか否かに基づいて、オペレータOPによる作業項目の選択が行われたかどうかの判断を行う(図9のステップST2)。そして、オペレータOPによる作業項目の選択が行われたことを検知したときには、実装動作部100のうち、オペレータOPによって選択された作業項目の作業(所要の作業)を行うのに必要な部分(上記機構81〜89のうちの一部の機構)への電力の供給を開始する(図9のステップST3)。そして、制御装置80の電力供給制御部80dが実装動作部100の一部の機構への電力供給を開始したら、制御装置80の実行制御部80aは、その実装動作部100の一部の機構の作動制御を行って、オペレータOPによって選択された作業項目の作業を実行する(図9のステップST4)。
例えば、オペレータOPが、出力装置91に表示された作業項目の一覧から「真空吸引動作確認作業」を選択した場合には、入力装置90から制御装置80の実行制御部80aに「真空吸引動作確認作業」を表す選択信号が出力され、電力供給制御部80dはその出力された選択信号を検知したときは、実装動作部100のうち、入力装置90により入力された作業項目(所要の作業)であるクリーニング部25による「真空吸引動作確認作業」を行うのに必要な部分として、エア供給源AS及び電磁弁62を備える真空吸引動作制御機構89に電力の供給を行う。これによりクリーニング部25による「真空吸引動作確認作業」を行うことが可能となり、次いで制御装置80の実行制御部80aが、真空吸引動作制御機構89の作動制御を行って、クリーニング部25による真空吸引動作を実行する。そして、オペレータOPは、クリーニング部25による真空吸引動作の実行状況を観察して、クリーニング部25による真空吸引動作が正常に行われているかどうかの判断を行う。
或いは、オペレータOPが、出力装置91に表示された作業項目の一覧から「真空吸着動作確認作業」を選択した場合には、入力装置90から制御装置80の実行制御部80aに「真空吸着動作確認作業」を表す選択信号が出力され、電力供給制御部80dはその出力された選択信号を検知したときは、実装動作部100のうち、入力装置90により入力された作業項目(所要の作業)である吸着ノズル53aによる「真空吸着動作確認作業」を行うのに必要な部分として、エア供給源AS及び電磁弁56を備える真空吸着動作制御機構86に電力の供給を行う。これにより吸着ノズル53aによる「真空吸着動作確認作業」を行うことが可能となり、次いで制御装置80の実行制御部80aが、真空吸着動作制御機構86の作動制御を行って、吸着ノズル53aによる真空吸着動作を実行する。そして、オペレータOPは、吸着ノズル53aによる真空吸着動作の実行状況を観察して、吸着ノズル53aによる真空吸着動作が正常に行われているかどうかの判断を行う。なお、この判断は自動化してもよい(前述の吸着ノズル53aによる真空吸引動作が正常に行われているかどうかの判断についても同じ)。
制御装置80の電力供給制御部80dは、実行制御部80aによる作業が開始した後は、その作業が終了したか否かの判断を行う(図9のステップST5)。そして、その結果、実行制御部80aによる作業が終了したと判断した場合には、ステップST3において開始した電力供給を遮断して(図9のステップST6)、ステップST1に戻る。なお、制御装置80の電力供給制御部80dは、上記ステップST1〜ステップST6の制御の実行中、ホストコンピュータ17から生産指令が出され、制御装置80の実行制御部80aが実装動作部100によるパネル2への電子部品3の実装動作を開始したことを検知したときは、このルーチンを出て、実装動作部100の全体に電力を供給し、仮圧着装置13が担当するモジュール製造工程の中における仮圧着作業が実行されるようにする。
以上説明したように、本実施の形態における電子部品実装装置としての仮圧着装置13は、パネル2に対する電子部品3の実装動作を行う実装動作部100を備えたものであり、実装動作部100によるパネル2に対する電子部品3の実装動作が行われていないことを検知したときに実装動作部100への電力供給を遮断する制御装置80の電力供給制御部80dと、電力供給制御部80dにより実装動作部100への電力供給が遮断されている状態で、実装動作部100の一部に所要の作業を実行させる入力を行う入力装置90を備えている。そして、電力供給制御部80dは、実装動作部100への電力供給を遮断している状態において、入力装置90から実装動作部100の一部に所要の作業を実行させる入力がなされたことを検知したときには、その実装動作部100の一部に電力の供給を行うようになっている。
このように本実施の形態における仮圧着装置13では、実装動作部100によるパネル2に対する電子部品3の実装動作が行われていない場合には実装動作部100への電力供給を遮断して省エネルギー化を図る一方、実装動作部100への電力供給を遮断している状態において、入力装置90から実装動作部100の一部に所要の作業を行わせる入力がなされたときには、その実装動作部100の一部に電力の供給を行って、入力された所要の作業を実行できるようにしている。すなわち本実施の形態における仮圧着装置13では、実装動作部100への電力供給の遮断中に実装動作部100の一部に所要の作業を実行させる必要が生じたときは、実装動作部100全体ではなく、その作業を実行させるのに必要最小限の範囲に電力供給を行うようになっているので、電力供給遮断による省エネルギー化の効果を低減させることなく、所要の作業を実行することができる。
また、本実施の形態における仮圧着装置13において、実装動作部100は、パネル2の位置決めを行うパネル位置決め部22(基板位置決め部)と、電子部品3の供給を行う電子部品供給部23と、電子部品供給部23より供給される電子部品3をピックアップしてパネル位置決め部22により位置決めされたパネル2に装着する電子部品装着部24と、真空吸引動作によってパネル2に装着される前の電子部品3のクリーニングを行うクリーニング部25を備えて構成されている。そして、入力装置90は、実装動作部100の一部による所要の作業としてクリーニング部25による真空吸引動作を実行させる入力を行うことができ、電力供給制御部80dは、実装動作部100への電力供給を遮断している状態において、入力装置90よりクリーニング部25による真空吸引動作を実行させる入力がなされたときにはクリーニング部25への電力の供給を行うようになっている。
このため、実装動作部100によるパネル2に対する電子部品3の実装動作が行われていない場合に実装動作部100への電力供給を遮断することによって省エネルギー化の大きな効果が得られる真空吸引動作を行うクリーニング部25において、電力供給のきめ細かな管理を行うことが可能となる。